JP2016023031A - シート供給装置およびプリント装置 - Google Patents

Abstract

【課題】簡易な構成でトレイ上のシートの状態を検知可能にする。
【解決手段】シートを収容し装置本体から取り外し可能に装着されるトレイと、回動可能なアームと、アームに設けられ接触するシートをピックアップして供給するローラと、を有するシート供給装置であって、アームに設けられトレイの上面の物性を検知するセンサと、センサの検知により、トレイの装置本体への装着の状態、ならびにトレイに収容されたシートの有無、シートの残量、シートの種類、シートの表裏およびシートのサイズのうちの少なくとも１つのトレイ上のシートの状態、の少なくともいずれかを判別する判別手段と、を有し、ローラがトレイに収容されたシートを１枚ずつピックアップして供給するのに先立って判別手段による判別を行うシート供給装置。
【選択図】図１

Description

本発明は、トレイ上のシート状の媒体の状態を検知可能なシート供給装置、およびプリント装置に関する。

プリント装置には、プリントを行う対象となるシート状の媒体（以下、単にシートともいう）を載置する収納式のトレイを複数有する製品がある。例えば特許文献１に示されるように、上下２段に配置されたトレイを有し、上段トレイがプリント装置本体の内部をスライド移動可能に構成され、一本のスイングアーム式のピックアップローラによって上下段双方のトレイからシートを供給する構成が有る。

特開２０１３−１８０８３４号公報

ところで、トレイには種々のシートが保持され得る。そのため、シートの種類や表裏を間違えてトレイに載置したことにより、プリントが最適な設定で行われない場合がある。また、トレイにシートが載置されていない状態でプリント動作を行った場合、仕切り直さねばならず、シートを載置した後に再度プリント動作を行うという手間が発生する。そのような状況を回避するために、トレイ上のシートの状態を、プリント動作を実行する前の早い段階で検知できる技術が求められる。一方、シートの状態を検知する手段が大掛かりであると、装置の大型化に繋がり、望ましくない。

本発明の目的は、簡易な構成でトレイ上のシートの状態を検知可能なシート供給装置およびプリント装置を提供することにある。

上記課題を解決するための、本発明のシート供給装置は、シートを収容し装置本体から取り外し可能に装着されるトレイと、回動可能なアームと、アームに設けられ接触するシートをピックアップして供給するローラと、を有するシート供給装置であって、アームに設けられトレイの上面の物性を検知するセンサと、センサの検知により、トレイの装置本体への装着の状態、ならびにトレイに収容されたシートの有無、シートの残量、シートの種類、シートの表裏およびシートのサイズのうちの少なくとも１つのトレイ上のシートの状態、の少なくともいずれかを判別する判別手段と、を有し、ローラがトレイに収容されたシートを１枚ずつピックアップして供給するのに先立って判別手段による判別を行うことを特徴とする。

本発明によれば、トレイ上のシートの状態を、シート供給動作を実行する前に検知できるため、トレイに間違ったシートを載置したこと等によるプリント不良の発生を防止することができる。本発明によれば、トレイ上のシートの状態を、シート供給手段を利用した簡易な構成で検知できるため、小型の装置が実現する。本発明によれば、複数のトレイ上のシートの状態を、共通のセンサで検知可能であるため、複数のトレイにそれぞれセンサを設ける場合に比べて、異なるセンサ間の感度バラツキの影響が無いので安定して状態検知することができる。

第１の実施形態に係るプリント装置の断面図である。 第１の実施形態に係るピックアップローラユニットの構成例を示す図である。 第１の実施形態に係るピックアップローラユニット上のシートセンサの配置例を示す図である。 第１の実施形態に係る、シートセンサが検知した反射光量とシート種類との対応を表すテーブルの例である。 第２の実施形態に係る、複数のシートセンサを持ったピックアップローラユニットの構成例を示す正面図である。 第１の実施形態に係る、トレイ上のシートの状態を検知してからプリント動作を実行する動作シークエンスの例である。 第３の実施形態に係る、トレイ上のシートのサイズを検知してからプリント動作を実行する動作シークエンスの例である。 上下段のトレイが同一サイズである構成例を示す図である。 第２の実施形態に係る、トレイの有無を反射板により検知する構成例を示す図である。

以下、図面を参照して本発明の実施形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同一または同様の符号は同一または同様の構成を示すものである。

［第１の実施形態］
（プリント装置の構成）
図１は、本発明の第１の実施形態に係るプリント装置１００の断面図である。プリント装置１００は、シート状の媒体（以下、単にシートともいう）に文字や画像をプリントするプリント部７と、プリント部７にシートを搬送する搬送部と、搬送部によって搬送されるべきシートを搬送部に供給するシート供給部と、を備える。また、プリント装置１００は、各駆動部の動作を制御する制御基板（コントローラ）を備える。

プリント部７は、シート状の媒体に対して文字、図形などの有意の情報や、有意無意を問わず、画像、模様、パターン等を形成することができるものであればよく、プリントの方式は特に限定されない。例えば、プリント部７は、インクジェット方式により液体（インク）をシートに吐出するものであることができる。また、プリント部７によるプリントの対象となるシート状の媒体としては、紙、布、プラスチックシート、ＯＨＰ用シート、封筒など、文字や画像等をプリントできるシート状のものであれば、材質や形態に関わらず使用することができる。

搬送部は、回転によりシートを搬送する搬送ローラ８ａと、これに従動回転する従動ローラ８ｂと、からなる搬送ローラ対８を複数有する。シート供給部から供給されたシートは、搬送ローラ対８のローラ間に挟持されて、プリント部７に搬送される。

シート供給部は、プリント部７によるプリントの対象となるシートをそのシート載置面に載置して収容しプリント装置本体から取り外し可能に装着される上下２段のトレイと、トレイからシートを１枚取り出すピックアップローラユニット３と、を備える。トレイはカセットと言うこともある。

ピックアップローラユニット３は、回転支持部９に回動可能に取り付けられたアームと、アームの自由端に回転可能に設けられ接触するシートを回転によりピックアップして供給するピックアップローラ１３と、を備える。

図２に示されるように、ピックアップローラユニット３は、光学スケール１０と光学エンコーダ１１とからなりアームの回動に連動する回動角センサを有しており、回動の状態として自身の回動角を検出可能となっている。また、ピックアップローラユニット３には、シートの状態を検知可能なシートセンサ４が取り付けられている。

シートセンサ４には、それが検知した物性によりシートを判別可能な、知られている任意のセンサを用いることができる。本例において、シートセンサ４は、光照射部と受光部とを有する光電センサであり、検知対象となる面（以下、単に検知対象面という）に光照射部から光を照射し、検知対象面からの反射光を受光部にて受光して、反射光量を測定することができる。ピックアップローラユニット３は、検知対象面にピックアップローラ１３を当接させた姿勢において、シートセンサ４により検知対象面の物性を検知可能であるように構成されている。ピックアップローラユニット３におけるシートセンサ４の取り付け位置は、限定されるものではないが、例えば図３に示されるように、ピックアップローラ１３の間もしくは近傍とすると好ましい。検知姿勢においてシートセンサ４と検知対象面との間の距離が小さくなり、精度の高い検知が可能となるためである。

再度図１を参照する。上下２段のトレイのうち、下段側の下段トレイ１はシート５を収容し、その上方の上段側の上段トレイ２はシート６を収容する。上段トレイ２は、不図示の駆動源によって図１（ａ）に示すような第１の位置と図１（ｂ）に示すような第２の位置との間をプリント装置本体の内部でスライド移動可能であるように構成されている。上段トレイ２が第１の位置にあるときは下段トレイ１からシート供給が可能な状態であり、第２の位置にあるときは上段トレイ２からシート供給が可能な状態であることが、制御基板によって判断可能となっている。

（プリント装置の動作シークエンス）
次に、図６に示されるフローチャートを参照して、トレイ上のシートの状態を検知してからプリント動作を開始するプリント装置１００の動作シークエンスを説明する。

ステップＳ６０１においてプリント命令がなされると、ステップＳ６０２において、プリント命令において上下２段のトレイのうちどちらのトレイからシートを供給するように指定されているかを判断する。下段トレイ１からシートを供給すべきである場合はステップＳ６０３に進み、上段トレイ２からシートを供給すべきである場合はステップＳ６０４に進む。

ステップＳ６０３において、上段トレイ２は図１（ａ）に示す第１の位置に位置付けられ、ピックアップローラユニット３のピックアップローラ１３は下段トレイ１の上面に当接する。一方、ステップＳ６０４において、上段トレイ２は図１（ｂ）に示す第２の位置に位置付けられ、ピックアップローラユニット３のピックアップローラ１３は上段トレイ２の上面に当接する。なお、本明細書において、トレイの上面とは、トレイにシートが収容されているときは、トレイのシート載置面に載置されたシートのうちの最上位のシートの上面をいい、トレイにシートが収容されていないときは、トレイのシート載置面をいうものとする。

（（トレイの有無の検知））
次いでステップＳ６０５において、ステップＳ６０３またはＳ６０４でピックアップローラ１３がトレイの上面に当接したときのピックアップローラユニット３の基準姿勢からの回動角θ₀を取得して、制御基板のメモリに格納する。

制御基板には、下段トレイ１にシートが収容されていない状態でピックアップローラ１３が下段トレイ１の上面に当接するときの、ピックアップローラユニット３の基準姿勢からの回動角θ₁が予め記録されている。同様に、制御基板には、上段トレイ２にシートが収容されていない状態でピックアップローラ１３が上段トレイ２の上面に当接するときの、ピックアップローラユニット３の基準姿勢からの回動角θ₂が予め記録されている。

以下、説明の便宜上、ピックアップローラ１３が下段トレイ１の上面に当接したときの場合、すなわち、ステップＳ６０２からステップＳ６０３を経由してステップＳ６０５に進んだ場合について説明する。

ステップＳ６０６において、ステップＳ６０５で取得した回動角θ₀を、制御基板に記録されている回動角θ₁と比較する。回動角の大小関係がθ₀＞θ₁となる場合は、下段トレイ１は所定の位置に無いと判断し、ステップＳ６０７に進む。ステップＳ６０７において、プリント命令において指定されたトレイがプリント装置本体に装着されていない旨を不図示のインターフェースに表示して、動作シークエンスを終了する。一方、回動角の大小関係が式θ₀≦θ₁を満たす場合は、下段トレイ１は所定の位置にあると判断しステップＳ６０８に進む。

（（シートの有無、シートの種類、シートの表裏の検知））
ステップＳ６０８において、シートセンサ４によって下段トレイ１上のシートの状態を検知する。トレイ上のシートの状態の検知は、以下に説明するように行うことができる。

図４は、シートセンサ４による検知動作を行った場合に得られる反射光量Ｒの値の範囲とトレイに収容されているシートの種類との対応関係を示すテーブルの例である。例えば、得られた反射光量Ｒの値がＲ３以上でありＲ２未満である場合は、テーブルに示される対応関係から、トレイに収容されているシートの種類はシートＢであると判別することができる。このようなテーブルをトレイごとに準備し、制御基板に予め記録しておく。

ステップＳ６０８において、ピックアップローラ１３が下段トレイ１の上面に当接した姿勢でシートセンサ４による反射光量の検知動作を行い、検知された反射光量Ｒを制御基板のメモリに格納する。

次いでステップＳ６０９からステップＳ６１１において、検知された反射光量Ｒを、記録されているテーブルのデータと比較する。これにより、トレイに収容されているシートの有無やシートの種類を判別することができる。

より詳細に説明する。ステップＳ６０９において、検知された反射光量Ｒが、テーブルに記録されている反射光量の範囲を画定する第１の閾値Ｒ１以上（すなわち、Ｒ≧Ｒ１）である場合は、ステップＳ６１２に進む。ステップＳ６１２において、トレイにはシートが収容されていないと判別し、シートの残量がゼロであるとの旨を不図示のインターフェースに表示して、動作シークエンスを終了する。一方、反射光量Ｒが、第１の閾値Ｒ１未満（すなわち、Ｒ＜Ｒ１）である場合は、ステップＳ６１０に進む。

ステップＳ６１０において、検知された反射光量Ｒが、さらに、テーブルに記録されている反射光量の範囲を画定する第２の閾値Ｒ２以上（すなわち、Ｒ２≦Ｒ＜Ｒ１）である場合は、ステップＳ６１３に進む。ステップＳ６１３において、下段トレイ１にはシートＡが収容されていると判別し、次いでステップＳ６１６に進む。一方、反射光量Ｒが、第１の閾値Ｒ２未満（すなわち、Ｒ＜Ｒ２）である場合は、ステップＳ６１１に進む。

ステップＳ６１１において、反射光量Ｒが、さらに、テーブルに記録されている反射光量の範囲を画定する第３の閾値Ｒ３以上（すなわち、Ｒ３≦Ｒ＜Ｒ２）である場合は、ステップＳ６１４に進む。ステップＳ６１４において、下段トレイ１にはシートＢが収容されていると判別し、ステップＳ６１６に進む。一方、反射光量Ｒが、第３の閾値Ｒ３未満（すなわち、Ｒ＜Ｒ３）である場合は、ステップＳ６１５に進む。ステップＳ６１５において、下段トレイ１にはシートＣが収容されていると判別し、次いでステップＳ６１６に進む。

ステップＳ６１６において、ステップＳ６０１のプリント命令で指定されたシートの種類と、ステップＳ６０８のシートセンサ４による検知に基づいてステップＳ６１３からステップＳ６１５で判別した下段トレイ１上のシートの種類とが一致するか否かを判断する。シートの種類が一致しないと判断された場合は、ステップＳ６１７に進み、トレイには間違ったシートが収容されている旨のエラー警告を不図示のインターフェースに表示し、動作シークエンスを終了する。一方、シートの種類が一致すると判断された場合は、下段トレイ１にシート５が正しく収容されていると判断して、ステップＳ６１８に進む。

（（プリント動作の実行））
ステップＳ６１８において、プリント動作を実行する。詳細には、ピックアップローラユニット３により下段トレイ１からシート５を１枚取り出すシート供給、供給されたシートを搬送ローラ対８を経由して搬送するシート搬送、および搬送されたシートに対するプリント部７によるプリントを含むプリント動作を行う。

以上、便宜上、ピックアップローラ１３が下段トレイ１の上面に当接したときの場合について説明したが、ピックアップローラ１３が上段トレイ２の上面に当接した場合についても同様の説明を適用することができる。いずれの場合も、ステップＳ６０５からステップＳ６０７においてトレイの有無を判断し、トレイがある場合はステップＳ６０８からステップＳ６１５においてトレイ上のシートの状態を検知してから、その結果に基づいて、プリント動作を実行する。

このように、本実施形態によれば、プリント装置本体にトレイが装着されていない状態、トレイ上のシートの残量がゼロである状態、およびトレイにプリント命令と異なる種類のシートが収容されている状態を、プリント動作の実行に先立って検知することができる。つまり、ローラがトレイに収容されたシートを１枚ずつピックアップして供給するのに先立って、判別手段による判別を行う。

図４では、説明の便宜上、３種類のシートに関して検知を行うためのテーブルの例を示していた。この例では、トレイ上のシートの状態として、トレイに収容されたシートの有無、およびシートがある場合のシートの種類を検知することができる。反射光量の範囲の閾値を細分化して、さらに多くのシートの種類やシートの表裏を検知することも可能である。

（（シートの残量検知））
本実施形態において検知可能なトレイ上のシートの状態の別の例として、トレイに収容されたシートの残量を検知する方法について説明する。便宜上、下段トレイ１上のシート５の残量を検知する動作について説明するが、上段トレイ２上のシート６の残量検知動作についても同様の説明を適用することができる。

制御基板には、上述のように、下段トレイ１にシートが収容されていない（シート残量がゼロである）ときの、ピックアップローラユニット３の基準姿勢からの回動角θ₁が予め記録されている。また、制御基板には、さらに、シートの種類毎のシート１枚当たりの厚みに関するデータが予め記録されている。

図６を参照して、ステップＳ６０５において、ピックアップローラ１３が下段トレイ１上のシート５に当接したときのピックアップローラユニット３の基準姿勢からの回動角θ₀を取得する。このときの、回動角θ₁からの角度変位量（θ₁−θ₀）を求める。求めた角度変位量（θ₁−θ₀）が、そのシート種類においてシートの何枚分に相当するかの対応関係に照らして、トレイに収容されたシートの残量を枚数で取得することができる。

シートの残量を取得するために用いるトレイに収容されたシートの種類は、第１の実施形態と同様にセンサの検知により判別することができる（図６のステップＳ６０８〜ステップＳ６１５参照）。あるいはまた、プリント指令により指定されたシート種類を用いてもよい。

上段トレイ２についても、回動角θ₂からの角度変位量（θ₂−θ₀）を使用して、同様に、シートの残量を検知することができる。

本実施形態によれば、シート供給のための機構であるピックアップローラユニットを利用した簡易な構成により、プリント動作を実行する前の、トレイからのシート供給を開始する前の段階で、トレイの有無、およびトレイ上のシートの状態を検知することができる。これにより、シートの種類や表裏の間違いによるプリント画像の品位の低下や、トレイへのシートの補充し忘れ等による無駄なプリント動作を未然に防ぐことが可能となる。また、上下段双方のトレイを共通する１つのセンサで検知可能となるため、上下２段のトレイにそれぞれセンサを設ける場合に比べて、異なるセンサ間の感度バラツキの影響が無いので安定した検知が可能になる。また、装置のコストアップや大型化を抑制することができる。

［第２の実施形態］
以下、図９を参照しつつ、本発明の第２の実施形態を説明する。第１の実施形態と同様の構成および効果については説明を割愛し、特徴的な事項についてのみ説明する。

（トレイの有無の検知）
第１の実施形態では、ピックアップローラユニット３の回動角を取得し、取得された回動角が予め設定された範囲内に入らないことにより、トレイがプリンタ装置本体にセットされていないことを検出していた（図６のステップＳ６０５〜Ｓ６０７参照）。第２の実施形態は、それに代えて、シートセンサ４と反射板とを組み合わせて反射光量を検知することにより、下段トレイ１が取り外されていることを検出する構成例である。

（装置の構成）
図９に示す構成例において、下段トレイ１よりも下方となる位置に反射板１４が設けられており、ピックアップローラ１３と反射板１４との間にトレイが存在しない場合に、ピックアップローラユニット３のピックアップローラ１３が反射板１４に当接する。当接した姿勢でシートセンサ４による検知動作を行うと、反射板１４が検知される。検知された反射板１４の反射光量を制御基板に予め記録しておく。

（装置の動作シークエンス）
第２の実施形態に係るプリント装置１００の動作シークエンス（不図示）の例を説明する。プリント命令がなされると、プリント命令に基づいて上段トレイ２を第１の位置または第２の位置に配置する制御が行われる。次いで、シートセンサ４により、ピックアップローラ１３が当接している面を検知対象面として、反射光量を検知する。

検知された反射光量が予め記録された反射板１４の反射光量と同等である場合、プリント命令に基づいて上段トレイ２を第１の位置に配置するための制御を行っていたならば、下段トレイ１がプリント装置本体から取り外されていると判断する。また、プリント命令に基づいて上段トレイ２を第２の位置に配置するための制御を行っていたならば、下段トレイ１および上段トレイ２の両方がプリント装置本体から取り外されていると判断する。

プリント装置本体からトレイが取り外されていると判断された場合は、指定されたトレイが装着されていない旨を不図示のインターフェースに表示して、動作シークエンスを終了する。

本実施形態によれば、第１の実施形態のプリント装置の動作シークエンスにおける回動角の取得に関連するステップおよび構成を省略することができる。

［第３の実施形態］
以下、図５から図７を参照しつつ、本発明の第３の実施形態を説明する。第１の実施形態と同様の構成および効果については説明を割愛し、特徴的な事項についてのみ説明する。

（シートのサイズ検知）
第１の実施形態では、単一のシートセンサ４により、トレイ上のシートの有無やシートの種類などのシートの状態を検知していた（図３、および図６のステップＳ６０８〜Ｓ６１５参照）。これに対し、第３の実施形態では、複数のシートセンサ４からなるシートセンサ群１２を搭載し、これによりシートのサイズ検知を行う。

（装置の構成）
図５は、第３の実施形態に係るピックアップローラユニット３のアームの自由端の先端をピックアップローラ１３側から回転支持部９側に向かって見たときの概略図である。本例において、ピックアップローラユニット３は、ピックアップローラ１３の近傍に、シートの幅方向に所定の間隔で配置された複数のシートセンサ４を有する。説明の便宜上、ピックアップローラユニット３は５つのシートセンサ４を有しているものとする。

（装置の動作シークエンス）
図７は、第３の実施形態に係る、プリント装置１００においてトレイ上のシートの状態を検知してからプリント動作を実行する動作シークエンス示す。図７に示す第３の実施形態の動作シークエンスを、図６に示す第１の実施形態の動作シークエンスとの相違点に着目して、説明する。図中、同一または同様の符号は、同一または同様のステップを示す。

ステップＳ６０６で回動角の大小関係がθ₀≦θ₁を満たす場合、第１の実施形態では、ステップＳ６０８に進み、単一のシートセンサ４によってトレイ上面の検知動作を行っていた。これに対し、第３の実施形態では、ステップＳ７０１に進み、シートセンサ群１２に含まれる複数（本例では５つ）のシートセンサ４によって検知動作を行い、各センサが検知した反射光量Ｒｎ（ｎ＝１，２，・・・，５）を制御基板のメモリに格納する。

次いでステップＳ７０２において、ステップＳ７０１で検知された反射光量Ｒｎ（ｎ＝１，２，・・・，５）のそれぞれと、図４に示すテーブルに記録されている反射光量の値の範囲を画定する第１の閾値Ｒ１と、を比較する。検知された反射光量Ｒｎが第１の閾値Ｒ１未満（すなわち、Ｒｎ＜Ｒ１）であるシートセンサ４の数Ｎを取得し、制御基板のメモリに格納する。

次いでステップＳ７０３において、数Ｎがゼロ（すなわちＮ＝０）である場合は、シートを検知したセンサは無く、すなわちトレイにはシートが収容されていないと判断し、ステップＳ７１２に進む。ステップＳ７１２において、シートの残量がゼロであるとの旨を不図示のインターフェースに表示して、動作シークエンスを終了する。一方、数Ｎがゼロでない場合（すなわちＮ≧１である場合）は、ステップＳ７０４へ進む。

ステップＳ７０４において、数Ｎが、さらに、３未満（すなわち、１≦Ｎ＜３）である場合は、ステップＳ７０６へ進み、トレイにはサイズＳ１のシートが収容されていると判別し、ステップＳ７０９に進む。一方、数Ｎが３以上（すなわち、３≦Ｎ）である場合は、ステップＳ７０５に進む。

ステップＳ７０５において、数Ｎが、さらに、５未満（すなわち、３≦Ｎ＜５）である場合は、ステップＳ７０７へ進み、トレイにはサイズＳ２のシートが収容されていると判別し、ステップＳ７０９に進む。一方、数Ｎが５以上（すなわち、Ｎ＝５）である場合は、ステップＳ７０８に進む。ステップＳ７０８において、トレイにはサイズＳ３のシートが収容されていると判別し、ステップＳ７０９に進む。なお、本例において、サイズの大小関係は、サイズＳ１＜サイズＳ２＜サイズＳ３の関係を満たす。

ステップＳ７０９において、ステップＳ６０１におけるプリント命令で指定されたシートのサイズとステップＳ７０１のシートセンサ４による検知に基づいてステップＳ７０６〜Ｓ７０８で判別した下段トレイ１上のシートのサイズとが一致するか否かを判断する。

これらのシートのサイズが一致しないと判断された場合、ステップＳ７１７に進み、トレイには間違ったサイズのシートが収容されている旨のエラー警告を不図示のインターフェースに表示し、動作シークエンスを終了する。一方、シートのサイズが一致すると判断された場合、トレイには正しいサイズのシートが収容されていると判断して、ステップＳ６１０に進む。

ステップＳ６１０以降のステップは、第１の実施形態の場合と同様である。複数のシートセンサのうち、シートを検知したシートセンサに関して、検知した反射光量Ｒｎと反射光量の閾値Ｒ１、Ｒ２、Ｒ３との大小関係から、シートの種類や表裏を判別することができる。

第３の実施形態では、複数のシートセンサ４は、シートの幅方向に所定の間隔で配置されているため、シートの存在を検知したシートセンサの個数である数Ｎから、シートの幅方向のサイズがわかる。本例では、説明の便宜上、シートセンサを５つとし、３種類のシートサイズを検知したが、本実施形態においてシートセンサの数および検知可能なシートサイズの種類はこれに限定されない。シートセンサの個数や間隔を適宜設定することによって、多様なシートサイズに対応することができる。

第３の実施形態によれば、第１の実施形態に係る発明の効果に加えて、シートのサイズを、トレイ上のシートの状態として検知することができる。これにより、プリントデータの画像サイズとシートのサイズとの不一致によるプリントレイアウト崩れ等を未然に防止することができる。

［他の実施形態］
第１から第３の実施形態を、シート供給部に上下２段のトレイを有する構成であるプリント装置１００を用いて説明した。しかし、本発明はトレイの数に依らずに適用可能であり、トレイの数は１つであってもよく３以上の複数であってもよい。また、本発明は、図８に示すように、上下段のトレイが同一のサイズである場合にも適用可能である。すなわち、本発明は、ピックアップローラユニットを備えピックアップローラがトレイの上面に当接可能な構成であれば、トレイの数やトレイのサイズの組み合わせに依らずに、適用可能である。

本発明は、プリント装置の他、複写機、ファクシミリ、撮像画像形成装置、スキャナ装置などの単体装置に適用することができる。また、本発明は、これらの単体装置に限定されるものではなく、これらを組み合わせた複合装置、あるいはコンピュータシステムなどの複合装置におけるシート供給装置としても広く適用可能である。

本発明によれば、装置本体に対するトレイの装着の状態、ならびにトレイに収容されたシートの有無、シートの残量、シートの種類、シートの表裏、シートのサイズなどのトレイ上のシートの状態を判別することができる。ただし、本発明ではこれらの全てを判別することは必須ではなく、これらの状態のいずれか１つを判別する形態も、本発明の範囲である。

１ 下段トレイ
２ 上段トレイ
３ ピックアップローラユニット
４ シートセンサ
５ 下段トレイ上のシート
６ 上段トレイ上のシート
７ プリント部
８ 搬送ローラ対
９ 回転支持部
１０ 光学スケール
１１ 光学エンコーダ
１２ シートセンサ群
１３ ピックアップローラ
１４ 反射板

Claims (8)

1. シートを収容し装置本体から取り外し可能に装着されるトレイと、回動可能なアームと、前記アームに設けられ接触するシートをピックアップして供給するローラと、を有するシート供給装置であって、
   前記アームに設けられ前記トレイの上面の物性を検知するセンサと、
   前記センサの検知により、前記トレイの装置本体への装着の状態、ならびに前記トレイに収容されたシートの有無、シートの残量、シートの種類、シートの表裏およびシートのサイズのうちの少なくとも１つのトレイ上のシートの状態、の少なくともいずれかを判別する判別手段と、
   を有し、
   前記ローラが前記トレイに収容されたシートを１枚ずつピックアップして供給するのに先立って前記判別手段による判別を行うことを特徴とするシート供給装置。
2. 前記アームの回動の状態を検知するセンサをさらに有し、
   前記判別手段は、前記トレイの上面の物性を検知するセンサおよび前記アームの回動の状態を検知するセンサの検知により、前記トレイの装置本体への装着の状態および前記少なくとも１つのトレイ上のシートの状態の少なくともいずれかを判別することを特徴とする、請求項１に記載のシート供給装置。
3. 前記トレイを複数有し、前記複数のトレイは、下段トレイおよび上段トレイを含み、
   前記判別手段は、前記上段トレイおよび前記下段トレイの装置本体への装着の状態、ならびに前記上段トレイおよび前記下段トレイのいずれかに収容されたシートの有無、シートの残量、シートの種類、シートの表裏およびシートのサイズのうちの少なくとも１つのトレイ上のシートの状態、の少なくともいずれかを判別し、
   前記判別手段による判別に応じて、前記ローラが前記下段トレイと前記上段トレイのいずれかに収容されたシートを１枚ずつピックアップして供給することを特徴とする請求項１または２に記載のシート供給装置。
4. 前記トレイの上面の物性を検知するセンサは、光電センサであり、前記ローラが接触する面の反射光量を検知することを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載のシート供給装置。
5. 前記トレイの上面の物性を検知するセンサを複数有し、該複数のセンサは、シートの幅方向に関し所定の間隔で配置されていることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載のシート供給装置。
6. それぞれがシートを収容し装置本体から取り外し可能に装着される上段トレイおよび下段トレイと、回動可能なアームと、前記アームに設けられ接触するシートをピックアップして供給するローラと、を有するシート供給装置であって、
   前記アームの回動の状態を検知するセンサと、
   前記センサの検知により、前記上段トレイおよび前記下段トレイの装置本体への装着の状態、ならびに前記上段トレイおよび前記下段トレイのいずれかに収容されたシートの有無およびシートの残量のうちの少なくとも一方のトレイ上のシートの状態、の少なくともいずれかを判別する判別手段と、
   を有し、
   前記判別手段による判別の後、前記ローラが前記上段トレイおよび前記下段トレイのいずれかに収容されたシートを１枚ずつピックアップして供給することを特徴とするシート供給装置。
7. 前記アームの回動の状態を検知するセンサは、前記アームの回動に連動するエンコーダであり、前記アームの回動角を読み取ることを特徴とする請求項２、３および６のいずれか１項に記載のシート供給装置。
8. 請求項１〜７のいずれか１項に記載のシート供給装置を有することを特徴とするプリント装置。

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