JP2016022526A - プレス機械の横方向高剛性化装置 - Google Patents

プレス機械の横方向高剛性化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】プレス機械の横方向の剛性を能動的に高めることができ、ギブ隙間の変化及びコラムの振動等を抑制することができるプレス機械の横方向高剛性化装置を提供する。【解決手段】プレス機械の横方向高剛性化装置200は、クラウン51とベッド52との間に配設された複数のコラム55と、複数のコラム間に摺動自在に支持されるスライド53と、スライド53を昇降運動させるスライド駆動機構とを備えたプレス機械100において、複数のコラム55の間を連結するように配設され、スライド53によるプレス成形中に複数のコラム55間に引張力を発生させる油圧シリンダ1と、油圧シリンダ1が発生する引張力を制御する油圧回路210及び横方向剛性制御部220と、を備えている。【選択図】 図1

Description

本発明はプレス機械の横方向高剛性化装置に係り、特にプレス機械の横方向の剛性を能動的に高くする技術に関する。
プレス機械は、縦方向(加圧方向)に対しては高剛性に製作されているが、横方向(加圧方向と直交する方向)に対しては一般的に、低剛性(剛性が不十分)である場合が多く、また、横方向の固有振動数も低い場合(数10Hz程度である場合)が多い。こうした中、プレス機械によりハイテン材等の高引張強度の材料を、(抜き、曲げ、又は絞り)成形する場合、材料強度アップに伴って大きな急激に作用する成形荷重により、横方向にも急激に偏心荷重が作用し、コラム−スライド間のギブ(ライナー)隙間が変化するとともに、スライドが横方向に振動し、成形に支障を来たす場合がある。近年のハイテン材等のプレス成形用材料の強度アップ化につれて、プレス成形中にギブ隙間が変化し、またスライドが横方向に振動するといった傾向が増えつつある。そして、ギブ隙間の変化と相俟って生じるスライド横方向の振動によって、プレス成形品に“ダレ”が生じたり、“振動痕”が生じるという問題があった。
特許文献1に記載のギブクリアランス調整装置は、コラムとスライドとの間の隙間を調整するギブを、スライドからコラムに押し付ける方式であり、傾斜したクサビ面を有する固定ウェッジと、固定ウェッジのクサビ面に対し重ね合わされる、傾斜したクサビ面を有する可動ウェッジとからギブを構成し、可動ウェッジを固定ウェッジのクサビ面に沿って移動させることによりギブ隙間を調整するものであり、特に可動ウェッジを移動させるモータの負荷からギブ隙間がゼロになる位置を検知し、ギブ隙間ゼロの検知後にモータを逆転させ、適正なギブ隙間になるようにしている。
また、特許文献2に記載のプレス機械におけるスライドガイド補正装置は、コラムからギブ(スライドガイド)を圧電アクチェータによりスライドに押し付ける方式であり、コラムに設けたスライドガイドとコラムとの間に複数の圧電アクチュエータを設け、プレス運転中におけるスライドガイドの傾き若しくはずれ、又は、プレス運転中の温度変化によるスライドガイドのクリアランスをセンサによって検出し、検出信号に応じて圧電アクチュエータを駆動してスライドガイドの傾き若しくはずれ又はクリアランスを補正する。
特許文献3に記載のプレス機械等のスライド位置保持装置は、先端にローラが設けられた開脚ロッドをスライドに配設し、開脚ロッドが左右対称にコラムを押圧することによりスライドをコラム間の中心に保持し、無負荷時と負荷時における上・下金型の位置ずれを抑制している。
一方、側板に支承された固定テーブル(ベッド)に対して昇降自在な可動テーブル(スライド)を有する油圧式プレスブレーキにおいて、加工材料の抗力により発生するスライド及びベッドの中央部の撓み(反り)により、スライドとベッドとの間隔が中央に行くほど広がるという問題を解決するために、ベッドの下方の両端部間に油圧シリンダを設けた油圧式プレスブレーキが提案されている(特許文献4)。
この油圧式プレスブレーキは、ベッドの下方の両端部間に設けた油圧シリンダに引張力を発生させることにより、加工材料の抗力によってベッドが下方に反るのを防止し、かつベッドを強制的に上方に反らせ、上方に反るスライドに合わせるようにしている。
特開2011−152553号公報 実開平5−39799号公報 実開昭60−151699号公報 特開昭51−29361号公報
特許文献1に記載のギブクリアランス調整装置は、無負荷時にギブ隙間を適正なギブ隙間に調整出来ても、負荷時(プレス成形中)に変動するギブ隙間を適正なギブ隙間に調整することは困難であり、まして、コラム間(横方向)の剛性を高めること、及びスライドの横方向の振動を防止することは出来ない。
特許文献2に記載のプレス機械におけるスライドガイド補正装置は、特許文献1に記載の装置よりも能動的にギブ隙間を調整することが出来ても、コラム間(横方向)の剛性を高めることは出来ない。
特許文献3に記載のプレス機械等のスライド位置保持装置は、特許文献1、2と同様にコラム間(横方向)の剛性を高めることは出来ない。また、スライドに加わる横方向荷重により対向するコラムが非対称に変形する場合には、開脚ロッドによりスライドをコラム間の中心に保持しても、上・下金型の位置ずれを抑制することはできない。
特許文献4に記載の油圧式プレスブレーキは、ベッドをスライドの撓みに沿わせる為に、油圧シリンダによってベッドを強制的に上方に反らせるように変形させているが、この油圧シリンダはコラム間に引張力を付与するものでは無く、コラム間(横方向)の剛性を高めることは出来ない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、プレス機械の横方向の剛性を能動的に高めることができ、ギブ隙間の変化及びコラムの振動等を抑制することができるプレス機械の横方向高剛性化装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の一の態様に係るプレス機械の横方向高剛性化装置は、クラウンとベッドとの間に配設された複数のコラムと、前記複数のコラム間に移動自在に案内されるスライドと、前記スライドを昇降させるスライド駆動機構とを備えたプレス機械において、前記複数のコラムの間を連結するように前記クラウンと前記ベッドとの中間の位置に配設され、前記スライドによるプレス成形中に前記複数のコラム間に引張力を発生させる引張力発生機構と、前記引張力発生機構が発生する引張力を制御する引張力制御部と、を備えたことを特徴としている。
本発明の一の態様によれば、コラム間を連結する引張力発生機構を設け、この引張力発生機構が発生する引張力を制御するようにしたため、引張力発生機構が設けられたコラム間(横方向)の剛性を能動的に高めることができ、ギブ隙間の変化及びコラムの振動等を抑制することができる。
本発明の他の態様に係るプレス機械の横方向高剛性化装置において、前記複数のコラムは、プレス機械の前後方向及び左右方向に配設され、前記引張力発生機構は、前後のコラム間、又は左右のコラム間、又は前後及び左右のコラム間に配設されることが好ましい。
本発明の更に他の態様に係るプレス機械の横方向高剛性化装置において、前記引張力制御部は、前記スライドに作用するプレス荷重、前記スライドのストローク位置あるいは前記スライド駆動機構を構成するクランク軸のクランク角度、又は前記スライドに作用するプレス荷重と前記スライドのストローク位置あるいは前記スライド駆動機構を構成するクランク軸のクランク角度に基づいて、前記引張力発生機構が発生する引張力を制御することが好ましい。
本発明の更に他の態様に係るプレス機械の横方向高剛性化装置において、前記引張力制御部は、前記スライドに作用する偏心荷重に応じて前記引張力発生機構が発生する引張力を制御することが好ましい。
本発明の更に他の態様に係るプレス機械の横方向高剛性化装置において、前記引張力発生機構は、前記複数のコラムのうちの対向するコラム間の一方にシリンダが配設され、他方にピストンロッドが配設された1又は複数の液圧シリンダである。前記液圧シリンダのピストンロッド側の液圧室に圧液を供給することにより、圧液の圧力と液圧室の断面積との積である引張力をコラム間に発生させることができる。
本発明の更に他の態様に係るプレス機械の横方向高剛性化装置において、前記引張力制御部は、前記液圧シリンダのピストンロッド側の液圧室に配管が接続された液圧ポンプ/モータと、前記液圧ポンプ/モータに回転軸が接続された電動サーボモータと、前記電動サーボモータのトルクを操作することにより前記液圧シリンダのピストンロッド側の液圧室の圧力を制御する制御部と、を有することが好ましい。前記液圧シリンダのピストンロッド側の液圧室に供給する液圧(液圧室の圧力)を、電動サーボモータにより駆動される液圧ポンプ/モータにより高応答に可変制御することができる。
本発明の更に他の態様に係るプレス機械の横方向高剛性化装置において、前記引張力発生機構は、前記複数のコラムのうちの対向するコラム間の一方にスクリューが配設され、他方に前記スクリューと螺合するナットが配設された1又は複数のスクリュー・ナット機構である。前記スクリュー・ナット機構のスクリュー又はナットにトルクを加えることにより、コラム間に引張力を発生させることができる。
本発明の更に他の態様に係るプレス機械の横方向高剛性化装置において、前記引張力制御部は、前記スクリュー・ナット機構のスクリュー又はナットのいずれか一方を回転させる電動サーボモータと、前記電動サーボモータのトルクを操作することにより、前記スクリュー・ナット機構が発生する引張力を制御する制御部と、を有することが好ましい。前記スクリュー・ナット機構が発生する引張力(軸力)を、前記スクリュー・ナット機構にトルクを与える電動サーボモータにより高応答に可変制御することができる。
本発明の更に他の態様に係るプレス機械の横方向高剛性化装置において、前記スライドに作用するプレス荷重、前記スライドのストローク位置あるいは前記スライド駆動機構を構成するクランク軸のクランク角度、又は前記スライドに作用するプレス荷重及び前記スライドのストローク位置もしくは前記スライド駆動機構を構成するクランク軸のクランク角度に基づいて前記引張力発生機構が発生する引張力、又は当該引張力に対応する物理量を目標値として指令する指令器と、前記引張力発生機構が発生する引張力、又は当該引張力に対応する物理量を検出値として検出する検出器と、を備え、前記引張力制御部は、前記指令器から指令される目標値と前記検出器により検出される検出値とを用いて演算した操作量に基づいて、前記検出器により検出される検出値が前記指令器により指令される目標値に追従すべく前記電動サーボモータのトルクを制御することが好ましい。即ち、前記指令器から指令される目標値と、前記指令器から指令される目標値と前記検出器により検出される検出値との差分値と、に対応した操作量に基づいて、差分値がゼロになるように電動サーボモータのトルクをフィードバック制御することにより、引張力発生機構が発生する引張力又は当該引張力に対応する物理量を目標値に追従させることができる。
本発明の更に他の態様に係るプレス機械の横方向高剛性化装置において、前記電動サーボモータの角速度を検出する角速度検出器を備え、前記引張力制御部は、前記指令器から指令される目標値と前記検出器により検出される検出値とを用いて演算した操作量と、前記角速度検出器により検出された前記電動サーボモータの角速度とに基づいて前記電動サーボモータのトルクを制御することが好ましい。前記角速度検出器によって検出される角速度は、引張力の動的安定性を確保するための制御に使用される。
本発明の更に他の態様に係るプレス機械の横方向高剛性化装置において、前記引張力発生機構が進退する移動速度を検出する速度検出器を備え、前記引張力制御部は、前記指令器から指令される目標値と前記検出器により検出される検出値とを用いて演算した操作量と、前記角速度検出器により検出された前記電動サーボモータの角速度と、前記速度検出器により検出された移動速度とに基づいて前記電動サーボモータのトルクを制御することが好ましい。前記角速度検出器によって検出される角速度、及び前記速度検出器により検出された移動速度は、自動制御上の安定性と目標値への追従精度とを確保するための制御に使用される。
本発明によれば、プレス機械のコラム間を連結する引張力発生機構を設け、引張力発生機構が発生する引張力を制御するようにしたため、コラム間(横方向)の剛性を能動的に高めることができ、ギブ隙間の変化及びコラムの振動等を抑制することができる。
図1は本発明に係る横方向高剛性化装置を含むプレス機械の第1の実施形態を示す概要図である。 図2は第1の実施形態の横方向高剛性化装置を含むプレス機械の基本構成を示す平面図である。 図3は第1の実施形態の横方向高剛性化装置を含むプレス機械の基本構成を示す正面図である。 図4は油圧回路及び駆動回路の構成を示す図である。 図5は横方向剛性制御部の実施形態を示すブロック図である。 図6はプレス荷重作用時に各コラムに作用するコラム荷重(プレス荷重の分力)、偏心荷重等を示すイメージ図である。 図7は1サイクル期間におけるクランク軸のクランク角度を示す波形図である。 図8はクランク角度に応答するスライド位置を示す波形図である。 図9は1サイクルにおけるプレス荷重(各コラム分力)を示す波形図である。 図10は1サイクルにおけるプレス総荷重を示す波形図である。 図11は1サイクルにおけるプレス横荷重を示す波形図である。 図12は1サイクルにおける偏心荷重によるプレス横荷重(左右方向及び前後荷重)を示す波形図である。 図13は1サイクルにおける前後方向目標力、左右方向目標力、前後総荷重及び左右総荷重を示す波形図である。 図14は第1実施形態のプレス横荷重演算器による演算処理を示す図である。 図15は第2実施形態のプレス横荷重演算器による演算処理を示す図である。 図16は第3実施形態のプレス横荷重演算器による演算処理を示す図である。 図17は第4実施形態のプレス横荷重演算器による演算処理を示す図である。 図18はプレス偏心荷重演算器による演算処理を示す図である。 図19は第2の実施形態の横方向高剛性化装置を含むプレス機械の基本構成を示す平面図である。 図20は第2の実施形態の横方向高剛性化装置を含むプレス機械の基本構成を示す正面図である。 図21は第2の実施形態の横方向高剛性化装置に適用される横方向剛性制御部の実施形態を示すブロック図である。 図22(A)〜(D)はそれぞれ無負荷時及びプレス荷重作用時の従来のプレス機械及び本発明に係る横方向高剛性化装置を含むプレス機械を模式的に示した図である。
以下添付図面に従って本発明に係るプレス機械の横方向高剛性化装置の好ましい実施形態について詳説する。
[プレス機械]
図1は本発明に係る横方向高剛性化装置を含むプレス機械の第1の実施形態を示す概要図である。
図1に示すプレス機械100は、クラウン51と、ベッド52と、クラウン51とベッド52との間に配設された複数のコラム55とによりフレームが構成され、スライド53は、コラム55に取り付けられたガイド部としてのギブ56により昇降方向(鉛直方向)に移動自在に案内されている。スライド53は、サーボモータ(図示せず)の回転駆動力が伝達されるクランク軸57を含むクランク機構(スライド駆動機構)によって図1上で上下方向に移動させられる。
クランク軸57には、クランク軸57の角度を検出するエンコーダ71が設けられている。尚、エンコーダ71の代わりに、又はエンコータ71とともにスライド53のストローク位置を検出するスライド位置検出器を設けるようにしてもよい。
スライド53には上金型81が装着され、ベッド52のボルスタ54上には下金型82が装着されている。
[第1の実施形態の横方向高剛性化装置]
第1の実施形態の横方向高剛性化装置200は、主として引張力発生機構として機能する液圧シリンダ(油圧シリンダ)1と、油圧シリンダ1が発生する引張力を制御する引張力制御部として機能する油圧回路210及び横方向剛性制御部(制御部)220とから構成されている。
油圧シリンダ1は、プレス機械100の複数のコラム55のうちの互いに対向するコラム55間を連結するように配設されている。即ち、対向するコラム55間の一方に油圧シリンダ1のシリンダ1aの後端部が回動自在に配設され、他方にピストンロッド1bの先端が回動自在に配設されている。また、油圧シリンダ1は、クラウン51とベッド52との中間の位置に配設され、油圧シリンダ1の取り付け高さ位置は、コラム55の(上下)長さ寸法の中央より下方で、(金型の脱着を妨げないように)最少ダイハイト時の下死点におけるスライド下面より上側の位置が望ましい。油圧シリンダ1の取り付け高さ位置を調整可能に構成するとなお良い。
油圧回路210は、油圧シリンダ1のピストンロッド側の油圧室(液圧室)1cに圧油(圧液)を供給し、油圧シリンダ1からコラム55間に引張力を発生させるもので、主として油圧ポンプ/モータ(液圧ポンプ/モータ)2、油圧ポンプ/モータ2の回転軸に駆動軸が接続された電動サーボモータ3、電動サーボモータ3の駆動軸の角度を検出するエンコーダ(角度検出器)4、アキュムレータ5、リリーフ弁6及び圧力検出器9、10から構成されている。
油圧ポンプ/モータ2の一方のポート(吐出口)は、配管7を介して油圧シリンダ1のピストンロッド側の油圧室(液圧室)1cに接続され、他方のポートはアキュムレータ5に接続されている。
アキュムレータ5は、低圧のガス圧がセットされ、0.1MPa程度の略一定圧の作動油を蓄積し、タンクの役割を果たす。
リリーフ弁6は、油圧室1cに意図的に制御する圧力とは別に、予期せぬ異常圧力が作用した場合に、圧油を略一定低圧(アキュムレータ5)側に逃がす役割を果たす。
油圧ポンプ/モータ2の油圧シリンダ1の油圧室1c側のポートに作用する圧力、及び油圧ポンプ/モータ2のアキュムレータ5側のポートに作用する圧力は、それぞれ圧力検出器9及び10により検出され、また、電動サーボモータ3の駆動軸の角度はエンコーダ4により検出される。
圧力検出器9は、油圧シリンダ1から発生させるコラム55間の引張力を計測するために、油圧シリンダ1のピストンロッド側の油圧室1cに通じる配管7に配設され、配管7内の圧力(即ち、油圧室1c内の圧力)を検出する。圧力検出器10は、アキュムレータに蓄積する油量を検出したり、油圧回路210からの油漏れを検出したりするために設けられている。
横方向剛性制御部220は、電動サーボモータ3のトルクを制御することで、油圧シリンダ1のピストンロッド側の油圧室1cの圧力(ひいては、油圧シリンダ1が発生する引張力)を制御する部分である。
スライド53からコラム55に作用する横方向荷重Fは、プレス荷重Fの2〜4%程度であり、プレス荷重F及びクランク軸57のクランク角度(スライド53のストローク位置)により変化する。そこで、プレス荷重F、クランク角度等により能動的に油圧シリンダ1が発生する引張力を制御することが好ましい。
油圧シリンダ1が発生する引張力をFとすると、引張力Fが横方向荷重F以上(F≧F)になるように制御することにより、プレス成形中のコラム55の横方向の変形を防止し、ギブ隙間の変化及びコラムの振動等を抑制することができる。尚、横方向剛性制御部220の詳細な構成については後述する。
図2及び図3は、それぞれ第1の実施形態の横方向高剛性化装置を含むプレス機械の基本構成を示す平面図及び正面図である。尚、図2及び図3において、図1と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図2及び図3に示すように、クラウン51とベッド52との間には左前、右前、左後及び右後の4本のコラム55(55LF,55RF,55LB,及び55RB)が配設され、左右方向のコラム55LF,55RF間、コラム55LB,55RB間、及び前後方向のコラム55LF,55LB間、コラム55RF,55RB間には、それぞれ油圧シリンダ1PF,1PB,1VL,及び1VRが配設されている。
また、コラム55LF,55RF,55LB,及び55RBには、それぞれプレス荷重を計測するプレス荷重検出器72(72LF,72RF,72LB,及び72RB)が装着されている。プレス荷重が作用した時に、プレス荷重の分力(引張力)が4本のコラム55に分散して作用する。各コラム55に装着されたプレス荷重検出器72は、上記引張力により各コラム55に生じる歪を検出して荷重に変換する方式の検出器である。
また、各油圧シリンダ1PF,1PB,1VL及び1VRには、それぞれシリンダに対するピストンロッドの位置(シリンダ位置)を検出するシリンダ位置検出器11PF,11PB,11VL及び11VRが配設されている。
そして、左右方向のコラム55LF,55RF間、及びコラム55LB,55RB間にそれぞれ配設された油圧シリンダ1PF,1PBのピストンロッド側の油圧室には、油圧回路210Pから圧油が供給され、前後方向のコラム55LF,55LB間、及びコラム55RF,55RB間にそれぞれ配設された油圧シリンダ1VL,1VRのピストンロッド側の油圧室には、それぞれ油圧回路210Vから圧油が供給されるようになっている。
図4は、図2に示した油圧回路210P,210V及び駆動回路の構成を示す図である。
図4に示すように油圧回路210Pは、油圧ポンプ/モータ2Pa,2Pb、電動サーボモータ3Pa,3Pb、エンコーダ4Pa,4Pb、アキュムレータ5P、リリーフ弁6P、及び圧力検出器9P、10Pから構成され、また、油圧回路210Vは、油圧ポンプ/モータ2Va,2Vb、電動サーボモータ3Va,3Vb、エンコーダ4Va,4Vb、アキュムレータ5V、リリーフ弁6V、及び圧力検出器9V、10Vから構成されている。
これらの油圧回路210P及び210Vは、それぞれ図1に示した油圧回路210と同様の構成を有しているが、油圧ポンプ/モータ、電動サーボモータ及びエンコーダが、それぞれ複数(2つ)設けられている点で相違する。
また、電動サーボモータ3Pa,3Pbには、それぞれ交流電源17、回生器付の直流電源16Pa,16Pb、及びサーボアンプ15Pa,15Pbからなる駆動回路が接続され、同様に電動サーボモータ3Va,3Vbには、それぞれ交流電源17、回生器付の直流電源16Va,16Vb、及びサーボアンプ15Va,15Vbからなる駆動回路が接続されている。
サーボアンプ15Pa,15Pb及びサーボアンプ15Va,15Vbには、それぞれ横方向剛性制御部220から出力されるトルク指令信号TorR−Pa、TorR−Pb及びトルク指令信号TorR−Va、TorR−Vbが加えられており、トルク指令信号TorR−Pa、TorR−Pb及びトルク指令信号TorR−Va、TorR−Vbは、それぞれサーボアンプ15Pa,15Pb及びサーボアンプ15Va,15Vbにより増幅され、電動サーボモータ3Pa,3Pb及び電動サーボモータ3Va,3Vbに出力される。
[横方向剛性制御部]
図5は、横方向剛性制御部220の実施形態を示すブロック図である。
横方向剛性制御部220は、図4に示した電動サーボモータ3Pa、3Pb,3Va,及び3Vbのトルクを制御することで、油圧シリンダ1PF,1PB,1VL,及び1VRのピストンロッド側の油圧室の圧力(即ち、油圧シリンダが発生する引張力)を制御するもので、主として目標力演算器(指令器)21、速度変換器22PF,22PB,22VL,22VR、角速度変換器23Pa、23Pb,23Va,23Vb、左右荷重制御補償器25P、前後荷重制御補償器25V、トルク指令演算器26P,26V、左右荷重演算器27P、及び前後荷重演算器27Vから構成されている。
目標力演算器21は、目標引張力又は目標圧力を示す目標値を演算して指令するもので、プレス横荷重演算器21a、プレス偏心荷重演算器21b、左右方向目標力演算器21P、及び前後方向目標力演算器21Vから構成されている。
プレス横荷重演算器21aには、それぞれプレス荷重検出器72LF,72RF,72LB,及び72RBから各コラムに加わるコラム荷重信号(プレス荷重分力信号)と、エンコーダ71からクランク軸57の角度を示すクランク角度信号とが加えられる。
図6は、プレス荷重作用時に各コラムに作用するコラム荷重(プレス荷重の分力)、クランク機構によるプレス横荷重、左右・前後の偏心位置、及び偏心荷重による左右、前後方向荷重を示すイメージ図である。
また、図7から図13は、スライドのストローク1100mm、加圧能力20000kN、クランク軸をサーボモータで駆動するタイプの一般的なサーボプレスを用いて、ハイテン材(引張強さが通常の鉄材(約400MPa)より大きい、本例では約800MPaの材料)を使用して絞り成形を行いながら、プレス機械の各部に生じる物理量の1サイクルにおける時間応答波形を示す波形図であり、それぞれ1サイクルにおけるクランク角度θ、スライド位置、プレス荷重(各コラム分力)、プレス総荷重、クランク機構によるプレス横荷重、偏心荷重による左右及び前後方向荷重、クランク機構及び偏心荷重による左右及び前後方向総荷重を示している。
図7は1サイクル期間におけるクランク軸のクランク角度を示す波形図である。図8はそれに応答する(一意的に決まる)スライド位置を示す波形図である。絞り成形はスライド位置が約100mmから開始する。成形が開始されると共に、左前、右前、左後及び右後のコラム55LF,55RF,55LB,55RBには、図9に示すようにそれぞれプレス荷重(各コラム分力)(F−LF,F−RF,F−LB,及びF−RB)が作用する。それらの分力同士は一致しておらず、差異を生じており、それらの合計であるプレス総荷重(F−total)が作用する位置は、図6に示すようにプレス中心に対して偏心する。
図5に示すプレス横荷重演算器21aは、プレス荷重検出器72LF,72RF,72LB,72RBにより検出される、左前、右前、左後及び右後のコラム55LF,55RF,55LB,及び55RBに作用するプレス荷重(F−LF,F−RF,F−LB,及びF−RB)と、エンコーダ71により検出されるクランク軸57のクランク角度θとに基づいてプレス横荷重F−sideを算出する。
図14は、第1実施形態のプレス横荷重演算器21aによる演算処理を示す図である。同図に示すようにプレス横荷重演算器21aは、まずプレス荷重(コラム分力)(F−LF,F−RF,F−LB,及びF−RB)を合計する演算を行い、プレス総荷重F−totalを算出する。続いて、プレス総荷重F−totalと、クランク角度θ及び固定値(クランク半径R−crank、コンロッド長さL−crank(図6参照)とから、クランク駆動式プレスに特有のプレス横荷重(本例では、図2、図6に示すようにクランク回転方向がプレス機械100の前後方向で有る為、前後方向荷重)を演算する。このプレス横荷重は、スライド位置(ストローク位置)が下死点の位置に比べて比較的高い位置で絞り荷重に応じて大きくなるが、プレス(総)荷重に対してはおよそ10%以下と小さい。
図15は、第2実施形態のプレス横荷重演算器による演算処理を示す図である。同図に示すプレス横荷重演算器21a’は、プレス荷重(総荷重)Fを直接検出し、検出したプレス荷重Fと、クランク角度θ及び固定値とからプレス横荷重を演算する。ここで、プレス荷重Fの検出は、コンロッドとスライド53との間に設けられた油圧室内の圧力を検出し、検出した圧力と油圧室の断面積とにより算出することができる。
図16は、第3実施形態のプレス横荷重演算器による演算処理を示す図である。同図に示すプレス横荷重演算器21a”は、予めスライド位置毎にプレス横荷重データが格納されたメモリMを有し、スライド位置を示すスライド位置信号Sxを入力すると、入力したスライド位置信号Sxに対応して記憶されたプレス横荷重データをメモリMから読み出す。尚、スライド位置信号Sxに代えて、スライド位置が一意的に決まるクランク軸のクランク角度θを入力するようにしてもよい。
図17は、第4実施形態のプレス横荷重演算器による演算処理を示す図である。同図に示すプレス横荷重演算器21a'''は、予めプレス荷重毎にプレス横荷重データが格納されたメモリM’を有し、プレス荷重(総荷重)Fを入力すると、入力したプレス荷重Fに対応して記憶されたプレス横荷重データをメモリM’から読み出す。尚、プレス荷重(総荷重)Fは、コンロッドとスライド53との間に設けられた油圧室内の圧力を検出して算出してもよいし、コラム分力を合計して算出するようにしてもよい。
図5に戻って、プレス偏心荷重演算器21bは、プレス荷重検出器72LF,72RF,72LB,及び72RBにより検出される、左前、右前、左後及び右後のコラム55LF,55RF,55LB,及び55RBに作用するプレス荷重(コラム分力)に基づいて、偏心荷重による左右及び前後方向荷重Fe−LR,Fe−FBを算出する。
図18は、プレス偏心荷重演算器21bによる演算処理を示す図である。同図に示すようにプレス偏心荷重演算器21bは、まずプレス荷重(コラム分力)(F−LF,F−RF,F−LB,及びF−RB)と、コラム分力が作用する前後左右のコラム間隔寸法L1,L2(図6に示すL1,L2)とにより、プレス総荷重(F−total)とプレス総荷重が作用する(偏心)位置(プレス機械の中心から左右方向にex、前後方向にey)とを算出する。続いて、プレス総荷重F−total、偏心位置(ex,ey)、及びスライド高さ寸法(図6に示すS1)から、スライドの左右方向荷重(図6に示すFe−LR)及び前後方向荷重(図6に示すFe−FB)を演算する(図12参照)。
プレス横荷重演算器21aで演算されたプレス横荷重F−side(本例では前後方向に作用する荷重)と、プレス偏心荷重演算器21bで演算された偏心荷重による前後方向荷重Fe−FBとが前後方向目標力演算器21Vに入力され、ここで前後方向総荷重として加算される(図13に示すFy)。この前後方向総荷重Fyに対してさらに演算が施され、前後方向目標力(図13に示すFyR)が演算される。
また、プレス偏心荷重演算器21bで演算された偏心荷重による左右方向荷重Fe−LRは、左右方向目標力演算器21Pに入力され、ここで左右方向総荷重に変換される(図13に示すFx)。この左右方向総荷重Fxに対してさらに演算が施され、左右方向目標力(図13に示すFxR)が演算される。
尚、本例では、前後方向目標力演算器21Vにより演算される前後方向目標力FyRは、前後方向総荷重Fyに対して、左右方向目標力FxRは左右方向総荷重Fxに対して、それぞれ若干(10%程度)大きくし、かつ高周波成分を角周波数100rad/sのローパスフィルタにより除去している。
左右荷重制御補償器25Pは、左右方向目標力演算器21Pから左右方向目標力FxRを入力し、左右荷重演算器27Pから左右荷重信号Fx-Cylを入力する。尚、左右荷重演算器27Pには、圧力検出器9P(図4)から圧力信号Pが入力され、左右荷重演算器27Pは、油圧シリンダ1PF,1PBの数(2機)、断面積等を考慮して左右荷重信号Fx-Cylを演算する。
左右荷重制御補償器25Pは、入力した左右方向目標力FxRに左右荷重信号Fx−Cylを追従させる為の演算を行い、その為に必要な電動サーボモータ3Pa,3Pbの基本トルク指令信号TorR−Ppreを出力する。即ち、左右荷重制御補償器25Pは、目標力演算器21から入力する左右方向目標力FxR(目標値)と、検出値として入力する左右荷重信号Fx-Cyl(検出値)との差分をゼロにするための操作量である基本トルク指令信号TorR−Ppreを生成する。
トルク指令演算器26Pa,26Pbには、基本トルク指令信号TorR−Ppreと、角速度変換器23Pa,23Pbにより変換された電動サーボモータ3Pa,3Pbの角速度信号ω−Paとω−Pbと、速度変換器22PF,22PBにより変換された油圧シリンダ1PF,1PBのシリンダ速度信号V−PF,V−PBとが入力され、トルク指令演算器26Pa,26Pbは、これらの入力信号に基づいて自動制御上の安定性と荷重追従精度とを確保する為の演算を行い、それぞれ電動サーボモータ3Pa,3Pbを駆動する為のそれぞれのサーボアンプ15Pa,15Pb(図4)に対してそれぞれのトルク指令信号TorR−Pa,TorR−Pbを出力する。
同様に、前後荷重制御補償器25Vは、前後方向目標力演算器21Vから前後方向目標力FyRを入力し、前後荷重演算器27Vから前後荷重信号Fy-Cylを入力する。尚、前後荷重演算器27Vには、圧力検出器9V(図4)から圧力信号Vが入力され、前後荷重演算器27Vは、油圧シリンダ1VL,1VRの数(2機)、断面積等を考慮して前後荷重信号Fy-Cylを演算する。
前後荷重制御補償器25Vは、入力した前後方向目標力FyRに前後荷重信号Fy−Cylを追従させる為の演算を行い、その為に必要な電動サーボモータ3Va,3Vbの基本トルク指令信号TorR−Vpreを出力する。
トルク指令演算器26Va,26Vbには、基本トルク指令信号TorR−Vpreと、角速度変換器23Va,23Vbにより変換された電動サーボモータ3Va,3Vbの角速度信号ω−Vaとω−Vbと、速度変換器22VL,22VRにより変換された油圧シリンダ1VL,1VRが進退する移動速度を示すシリンダ速度信号V−VL,V−VRとが入力され、トルク指令演算器26Va,26Vbは、これらの入力信号に基づいて自動制御上の安定性と荷重追従精度とを確保する為の演算を行い、それぞれ電動サーボモータ3Va,3Vbを駆動する為のそれぞれのサーボアンプ15Va,15Vb(図4)に対してそれぞれのトルク指令信号TorR−Va,TorR−Vbを出力する。
ここで、速度変換器22PF,22PB,22VL及び22VRは、それぞれシリンダ位置検出器11PF,11PB,11VL及び11VR(図2)により検出されるシリンダ位置信号を時間で微分することによりシリンダ速度信号に変換し、角速度変換器23Pa,23Pb,23Va及び23Vbは、それぞれエンコーダ4Pa,4Pb,4Va及び4Vb(図4)により検出されるモータ角度信号を時間で微分することにより角速度信号に変換している。即ち、シリンダ位置検出器11PF,11PB,11VL及び11VRと速度変換器22PF,22PB,22VL及び22VRとによりシリンダ速度検出器が構成されている。尚、各油圧シリンダ1PF,1PB,1VL及び1VRにそれぞれシリンダ速度検出器を設けるようにしてもよい。
同様に本例では、エンコーダ4Pa,4Pb,4Va及び4Vbと角速度変換器23Pa,23Pb,23Va及び23Vbとにより角速度検出器が構成されているが、各電動サーボモータ3Pa,3Pb,3Va及び3Vbの回転軸にそれぞれ角速度検出器を設けるようにしてもよい。
上記のように横方向剛性制御部220により生成したトルク指令信号TorR−Pa,TorR−Pb,TorR−Va及びTorR−Vbを、サーボアンプ15Pa,15Pb,15Va及び15Vbを介して電動サーボモータ3Pa,3Pb,3Va及び3Vbに出力し、電動サーボモータ3のトルクを制御することにより、プレス機械によるハイテン材のプレス成形中に、プレス機械のコラムの左右方向及び前後方向に作用する左右方向総荷重Fx及び前後方向総荷重Fyよりも若干大きい引張力を、それぞれ油圧シリンダ1PF,1PB及び油圧シリンダ1VL,1VRから発生させることができる。
これにより、コラムの横方向(左右方向及び前後方向)の剛性を能動的に高めることができ、ハイテン材を使用した成形時等、急激に大きなプレス荷重が作用し、横方向に発生するギブ隙間の変化と相俟って生じるスライド横方向の振動によって、プレス成形品に“ダレ”が生じたり、“振動痕”が生じたりして“うまくいかなかった”成形が、“スムーズに”実現可能になる。
また、図13に示すように前後方向目標力FyR及び左右方向目標力FxRは、プレスの1サイクル期間内で変化しており、1サイクル期間内で変化する前後方向目標力FyR及び左右方向目標力FxRに応じて、油圧シリンダ1PF,1PB及び油圧シリンダ1VL,1VRが発生する引張力が追従するように、電動サーボモータ3Pa,3Pb及び電動サーボモータ3Va,3Vbのトルクが制御される。従って、引張力を減少させる場合は、図5に示す横方向剛性制御部220による自動制御の結果、油圧ポンプ/モータ2Pa,2Pb及び2Va,2Vbは油圧モータ作用を、電動サーボモータ3Pa,3Pb及び3Va,3Vbは発電機作用を担い、回生作用させながら、前後方向荷重Fy−Cyl、左右方向荷重Fx−Cylを、それぞれ前後方向目標力FyR、及び左右方向目標力FxRに追従させる。
即ち、1サイクルを通して油圧ポンプ/モータ2Pa,2Pb及び2Va,2Vbが油圧モータとして作用する期間は、従動する電動サーボモータ3Pa,3Pb及び3Va,3Vbが発電機として機能し、電動サーボモータ3Pa,3Pb及び3Va,3Vbにより発電された電力は、サーボアンプ15Pa,15Pb及び15Va,15Vb及び回生器付の直流電源16Pa,16Pb及び16Va,16Vbを介して交流電源17に回生される。
[第2の実施形態の横方向高剛性化装置]
図19及び図20は、それぞれ第2の実施形態の横方向高剛性化装置を含むプレス機械の基本構成を示す平面図及び正面図である。尚、図19及び図20において、図2及び図3と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図19及び図20に示すプレス機械は、クランク駆動式プレスであり、そのクランク軸57の回転方向が前後方向の場合に関して示している。また、第2の実施形態の横方向高剛性化装置200’は、クランク機構によるプレス横(前後)荷重に対してのみ高剛性化を行うもので、高剛性化を行う引張力発生機構としてスクリュー・ナット機構20VL、20VRを使用している。
図19及び図20に示すように、左前、右前、左後及び右後の4本のコラム55(55LF,55RF,55LB,及び55RB)のうちの前後方向のコラム55LF,55LB間、及びコラム55RF,55RB間には、それぞれスクリュー18VL及びナット19VLとからなるスクリュー・ナット機構20VLと、スクリュー18VR及びナット19VRとからなるスクリュー・ナット機構20VRとが配設されている。
図19上で左側のスクリュー・ナット機構20VLのスクリュー18VLは、左前のコラム55LFに回転自在に固定され、スクリュー18VLと螺合するナット19VLは、左後のコラム55LBに固定されている。同様に図19上で右側のスクリュー・ナット機構20VRのスクリュー18VRは、右前のコラム55RFに回転自在に固定され、スクリュー18VRと螺合するナット19VRは右後のコラム55RBに固定されている。
電動サーボモータ3VL,3VRは、それぞれスクリュー・ナット機構20VL,20VRのスクリュー18VL,18VRに駆動軸が接続されており、スクリュー18VL,18VRに駆動トルクを伝達することにより、スクリュー・ナット機構20VL,20VR(即ち、前後方向のコラム55LF,55LB間、及びコラム55RF,55RB間)に締結力(引張力)を発生させる。
また、電動サーボモータ3VL,3VRには、それぞれ交流電源17、回生器付の直流電源16VL,16VRを介してサーボアンプ15VL,15VRが接続されている。
サーボアンプ15VL,15VRには、後述する横方向剛性制御部320から出力されるトルク指令信号TorR−VL、TorR−VRが加えられており、トルク指令信号TorR−VL,TorR−VRは、それぞれサーボアンプ15VL,15VRにより増幅され、電動サーボモータ3VL,3VRに出力される。
また、電動サーボモータ3VL,3VRには、駆動軸の角度を検出するエンコーダ(角度検出器)4VL,4VRが設けられている。
スクリュー・ナット機構20VL,20VR(ナット19VL,19VR)には、スクリュー・ナット機構20VL,20VRが発生する引張力を検出する荷重検出器12VL,12VRが設けられ、また、スクリュー・ナット機構20VL,20VRのスクリュー位置を検出するスクリュー位置検出器13VL,13VRが設けられている。
図20に示すようにプレス荷重は、スライド53に内蔵されたプレス(総)荷重を検出するプレス荷重検出器72(油圧室に作用する圧力を検出する方式のもの)により検出され、また、実施例にバリエーションを加える為にクランク角度を検出するエンコーダ71の代わりに、スライド位置を検出するスライド位置検出器73が、スライド53とボルスタ54と間に設けられている。
[横方向剛性制御部]
図21は、図19及び図20に示した第2の実施形態の横方向高剛性化装置に適用される横方向剛性制御部320の実施形態を示すブロック図である。
図21に示す横方向剛性制御部320は、電動サーボモータ3VL,3VRのトルクを制御することで、スクリュー・ナット機構20VL,20VRが発生する引張力を制御するもので、主として目標力演算器(指令器)321、速度変換器322VL,322VR、角速度変換器323VL,323VR、左荷重制御補償器325L、右荷重制御補償器325R、及びトルク指令演算器326VL,326VRから構成されている。
目標力演算器321は、目標引張力を示す目標値を演算して指令するもので、プレス横荷重演算器321a、及び前後方向目標力演算器321Vから構成されている。
プレス横荷重演算器321aには、プレス荷重検出器72からスライド53に加わるプレス(総)荷重を示すプレス荷重信号が加えられるとともに、スライド位置検出器73からスライド位置を示すスライド位置信号が加えられており、プレス横荷重演算器321aは、これらの入力信号に基づいてプレス横荷重を演算する。
即ち、プレス横荷重演算器321aは、スライド位置信号に基づいてスライド位置に応じて変化する、クランク駆動式プレスに特有のスライドに加わるプレス荷重とプレス横荷重との比を求める。プレス荷重とプレス横荷重との比は、スライド位置により一意的に決まるクランク軸のクランク角度と、固定値であるクランク半径R−crank、及びコンロッド長さL−crank(図6参照)とから算出するようにしてもよいし、予めスライド位置毎に求めたプレス荷重とプレス横荷重との比をメモリに格納しておき、スライド位置に応じてメモリから対応するプレス荷重とプレス横荷重との比を読み出すようにしてもよい。プレス横荷重演算器321aは、上記のように求めたプレス荷重とプレス横荷重との比と、プレス荷重信号が示すプレス荷重とを乗算することによりプレス横荷重を演算する。
前後方向目標力演算器321Vは、プレス横荷重演算器321aにより演算されたプレス横荷重を示すプレス横荷重信号を入力し、入力したプレス横荷重信号を若干(10%程度)大きくし、かつ高周波成分を角周波数100rad/sのローパスフィルタにより除去したプレス横荷重信号を、更に2分の1の大きさにすることにより前後方向目標力を算出し、算出した前後方向目標力を示す指令値を、それぞれ左荷重制御補償器325L及び右荷重制御補償器325Rに出力する。
左荷重制御補償器325Lの他の入力には、荷重検出器12VLからスクリュー・ナット機構20VLが発生する引張力(荷重)を示す左荷重信号が加えられており、左荷重制御補償器325Lは、前後方向目標力を示す指令値に左荷重信号を追従させる為の演算を行い、その為に必要な電動サーボモータ3VLの基本トルク指令信号TorR−VLpreを出力する。
トルク指令演算器326VLには、基本トルク指令信号TorR−VLpreと、角速度変換器323VLにより変換された電動サーボモータ3VLの角速度信号と、速度変換器322VLにより変換されたスクリュー・ナット機構20VLのスクリュー18VLが進退する移動速度を示すスクリュー速度信号とが入力され、トルク指令演算器326VLは、これらの入力信号に基づいて自動制御上の安定性と荷重追従精度とを確保する為の演算を行い、電動サーボモータ3VLを駆動する為のサーボアンプ15VL(図19)に対してトルク指令信号TorR−VLを出力する。
同様に右荷重制御補償器325Rの他の入力には、荷重検出器12VRからスクリュー・ナット機構20VRが発生する引張力(荷重)を示す右荷重信号が加えられており、右荷重制御補償器325Rは、前後方向目標力を示す指令値に右荷重信号を追従させる為の演算を行い、その為に必要な電動サーボモータ3VRの基本トルク指令信号TorR−VRpreを出力する。
トルク指令演算器326VRには、基本トルク指令信号TorR−VRpreと、角速度変換器323VRにより変換された電動サーボモータ3VRの角速度信号と、速度変換器322VRにより変換されたスクリュー・ナット機構20VRのスクリュー18VRが進退する移動速度を示すスクリュー速度信号とが入力され、トルク指令演算器326VRは、これらの入力信号に基づいて自動制御上の安定性と荷重追従精度とを確保する為の演算を行い、電動サーボモータ3VRを駆動する為のサーボアンプ15VR(図19)に対してトルク指令信号TorR−VRを出力する。
尚、速度変換器322VL,322VRは、それぞれスクリュー位置検出器13VL,13VR(図19)により検出されるスクリュー位置信号を時間で微分することによりスクリュー速度信号V−VL,V−VRに変換し、角速度変換器323VL,323VRは、それぞれエンコーダ4VL,4VR(図19)により検出されるモータ角度信号を時間で微分することにより角速度信号に変換する。
上記のように横方向剛性制御部320により生成したトルク指令信号TorR−VL,TorR−VRを、サーボアンプ15VL,15VRを介して電動サーボモータ3VL,3VRに出力し、電動サーボモータ3VL,3VRのトルクを制御することにより、プレス機械によるハイテン材のプレス成形中に、プレス機械のコラムの横方向(前後方向)に作用する横荷重よりも若干大きい引張力を、左右一対のスクリュー・ナット機構20VL,20VRから発生させる。
これにより、コラムの横方向(前後方向)の剛性を能動的に高めることができ、ハイテン材を使用した成形時等、急激に大きなプレス荷重が作用し、横方向に発生するギブ隙間の変化と相俟って生じるスライド横方向の振動によって、プレス成形品に“ダレ”が生じたり、“振動痕”が生じたりして“うまくいかなかった”成形が、“スムーズに”実現可能になる。
尚、目標力演算器321のプレス横荷重演算器321aに代えて、図16に示したプレス横荷重演算器21a”、又は図17に示したプレス横荷重演算器21a'''を使用してもよい。
[比較例]
図22(A)及び(B)は、それぞれ従来のプレス機械に、従来技術のギブの隙間を0に調整するギブ隙間0化調整装置(の1例)と、本発明に係る横方向高剛性化装置とを装着し、無負荷状態(プレス荷重が作用しない状態)で、それぞれ油圧シリンダに(ギブ隙間を0に調整する、横方向を高剛性化する)荷重を作用させた場合を模式的に示した図である。
図22(C)及び(D)は、それぞれ従来のプレス機械に、従来技術のギブの隙間を0に調整するギブ隙間0化調整装置(の1例)と、本発明に係る横方向高剛性化装置とを装着し、プレス荷重作用状態で、それぞれ油圧シリンダに(ギブ隙間を0に調整する、横方向を高剛性化する)荷重を作用させた場合を模式的に示した図である。
図22(A)に示すプレス機械は、スライド53にギブ隙間ゼロ化調整装置(油圧シリンダ)53L,53Rを設け、油圧シリンダ53L,53Rのヘッド側に油圧を作用させてスライドからコラムに対して荷重を作用させて、ギブ隙間をほぼゼロに調整できるようにしている。
図22(B)に示すプレス機械は、コラム55Lと55R間に横方向高剛性化装置(油圧シリンダ1)を設け、スライド53を挟んだ状態で油圧シリンダ1のロッド側に油圧を作用させることにより、油圧シリンダ1には引張荷重を、スライド53には圧縮荷重を作用させ、両コラム55L,55Rとスライド53とを一体化させることで、プレス機械の横方向が高剛性化できるようにしている。
図22(A)に示すようにギブ隙間ゼロ化調整装置で、無負荷時にギブ隙間をほぼゼロに調整すべく油圧シリンダ53L,53Rで各コラム55L,55Rに荷重を作用させても、各コラム55L,55Rの剛性は変化せず、コラム55L,55Rはその剛性に応じて変形する。さらに図22(C)に示すプレス荷重作用時には、クランク駆動式プレスでは、プレス荷重作用が下死点近傍になる為、プレス荷重Fの2〜4%程度が横方向荷重f1としてスライド53に加わり、この横方向荷重f1によりコラム55L、55Lが非対称に変形させられ、またコラム55L,55Rが横方向に振動する。これらの挙動はギブ隙間0化調整装置の機能では変化(低減)させることができなない。
図22(B)に示すプレス機械の横方向高剛性化装置で、無負荷時にコラム55L,55R間を連結する油圧シリンダ1で、コラム55L,55R間に引張荷重を作用させても、コラム55L,55R間に介在するスライド53に圧縮荷重を作用させることで、引張荷重と圧縮荷重とは相殺し合う為、両コラム55L,55Rは変形せずスライド53を介して一体化(高剛性化)する。さらに図22(D)に示すプレス荷重作用時には、クランク駆動式プレスでは、プレス荷重作用が下死点近傍になる為、プレス荷重Fの2〜4%程度が横方向荷重f1としてスライド53に加わり、この横方向荷重f1によりコラム55L、55Lが非対称に変形させられようとするが、スライド53から加わる横方向荷重f1に対して引張力f2を、横方向荷重f1以上になるように制御する為、引張力f2によって両コラム55L,55Rはスライド53を介して一体化する。
これにより、プレス機械(コラム)の横方向の剛性を能動的に高くすることができ、図22(D)に示すようにプレス荷重Fに伴う横方向荷重f1が加わってもコラム55L,55Rの変形及び振動を抑制することができる。
[その他]
本実施形態ではクランク駆動式プレスを例に説明したが、これに限らず、本発明はリンク駆動式プレス等の他の機械式プレスを筆頭に、あらゆる種類のプレス機械に適用することができる。
また、引張力発生機構として油圧シリンダを適用し、油圧シリンダが発生する引張力を制御する場合、油圧シリンダが発生する引張力と、油圧シリンダのピストンロッド側の油圧室の圧力(物理量)とは一対一に対応するため、油圧シリンダが発生する引張力を制御するための目標値及び検出値は、引張力(力)の目標値及び検出値に限らず、圧力の(物理量の)目標値及び検出値を使用してもよい。
更に、本実施形態では互いに対向するコラム間(前後のコラム間、左右のコラム間)に、1つの引張力発生機構(油圧シリンダ、スクリュー・ナット機構)を配設するようにしたが、一対のコラムに対してコラムへの取付位置を変えて複数の引張力発生機構を配設するようにしてもよい。
本実施の形態では、液圧シリンダの作動液として油を使用した場合について説明したが、これに限らず、水やその他の液体を使用してもよい。即ち、本願実施例においては、油圧シリンダ、油圧回路を使用した形態で説明したが、これらに限定されるものではなく、水やその他の液体を使用した液圧シリンダ、液圧回路を本発明において使用できることは言うまでもない。
また、油圧シリンダ、スクリュー・ナット機構等の引張力発生機構が発生する引張力を制御する際に、目標力と検出値とに基づいて電動サーボモータを制御するための基本トルク指令信号を生成し、更に電動サーボモータの角速度及び引張力発生機構の移動速度に基づいて自動制御上の安定性と荷重追従精度を確保するめのトルク指令信号を生成するようにしているが、これに限らず、基本トルク指令信号により電動サーボモータを制御してもよいし、電動サーボモータの角速度及び引張力発生機構の移動速度のうちの一方を使用してトルク指令信号を生成するようにしてもよい。
本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいことは言うまでもない。
1,1PF,1PB,1VL,1VR…油圧シリンダ、2,2Pa,2Pb,2Va,2Vb…油圧ポンプ/モータ、3,3Pa,3Pb,3Va,3Vb,3VL,3VR…電動サーボモータ、4,4Pa,4Pb,4Va,4Vb,4VL,4VR,71…エンコーダ、9,9P,9V 、10、10P,10V…圧力検出器、11PF,11PB,11VL,11VR…シリンダ位置検出器、12VL,12VR…荷重検出器、13VL,13VR…スクリュー位置検出器、120VL,20VR…スクリュー・ナット機構、51…クラウン、52…ベッド、53…スライド、55,55LF,55RF,55LB,55RB…コラム、56…ギブ、57…クランク軸、72,72LF,72RF,72LB,72RB…プレス荷重検出器、21,321……目標力演算器、21a,321a…プレス横荷重演算器、21b…プレス偏心荷重演算器、21V,321V…前後方向目標力演算器、21P…左右方向目標力演算器、25P…左右荷重制御補償器、25V…前後荷重制御補償器、26P,26Pa,26Pb,26V,26Va,26Vb,326VL,326VR…トルク指令演算器、100…プレス機械、200,200…横方向高剛性化装置、210,210P,210V…油圧回路、220,320…横方向剛性制御部、325L…左荷重制御補償器、325R…右荷重制御補償器

Claims (11)

  1. クラウンとベッドとの間に配設された複数のコラムと、前記複数のコラム間に移動自在に案内されるスライドと、前記スライドを昇降させるスライド駆動機構とを備えたプレス機械において、
    前記複数のコラムの間を連結するように前記クラウンと前記ベッドとの中間の位置に配設され、前記スライドによるプレス成形中に前記複数のコラム間に引張力を発生させる引張力発生機構と、
    前記引張力発生機構が発生する引張力を制御する引張力制御部と、
    を備えたことを特徴とするプレス機械の横方向高剛性化装置。
  2. 前記複数のコラムは、プレス機械の前後方向及び左右方向に配設され、
    前記引張力発生機構は、前後のコラム間、又は左右のコラム間、又は前後及び左右のコラム間に配設される請求項1に記載のプレス機械の横方向高剛性化装置。
  3. 前記引張力制御部は、前記スライドに作用するプレス荷重、前記スライドのストローク位置あるいは前記スライド駆動機構を構成するクランク軸のクランク角度、又は前記スライドに作用するプレス荷重と前記スライドのストローク位置あるいは前記スライド駆動機構を構成するクランク軸のクランク角度に基づいて、前記引張力発生機構が発生する引張力を制御する請求項1又は2に記載のプレス機械の横方向高剛性化装置。
  4. 前記引張力制御部は、前記スライドに作用する偏心荷重に応じて前記引張力発生機構が発生する引張力を制御する請求項1から3のいずれか1項に記載のプレス機械の横方向高剛性化装置。
  5. 前記引張力発生機構は、前記複数のコラムのうちの対向するコラム間の一方にシリンダが配設され、他方にピストンロッドが配設された1又は複数の液圧シリンダである請求項1から4のいずれか1項に記載のプレス機械の横方向高剛性化装置。
  6. 前記引張力制御部は、前記液圧シリンダのピストンロッド側の液圧室に配管が接続された液圧ポンプ/モータと、前記液圧ポンプ/モータに回転軸が接続された電動サーボモータと、前記電動サーボモータのトルクを操作することにより前記液圧シリンダのピストンロッド側の液圧室の圧力を制御する制御部と、を有する請求項5に記載のプレス機械の横方向高剛性化装置。
  7. 前記引張力発生機構は、前記複数のコラムのうちの対向するコラム間の一方にスクリューが配設され、他方に前記スクリューと螺合するナットが配設された1又は複数のスクリュー・ナット機構である請求項1から4のいずれか1項に記載のプレス機械の横方向高剛性化装置。
  8. 前記引張力制御部は、前記スクリュー・ナット機構のスクリュー又はナットのいずれか一方を回転させる電動サーボモータと、前記電動サーボモータのトルクを操作することにより、前記スクリュー・ナット機構が発生する引張力を制御する制御部と、を有する請求項7に記載のプレス機械の横方向高剛性化装置。
  9. 前記スライドに作用するプレス荷重、前記スライドのストローク位置あるいは前記スライド駆動機構を構成するクランク軸のクランク角度、又は前記スライドに作用するプレス荷重及び前記スライドのストローク位置もしくは前記スライド駆動機構を構成するクランク軸のクランク角度に基づいて前記引張力発生機構が発生する引張力、又は当該引張力に対応する物理量を目標値として指令する指令器と、
    前記引張力発生機構が発生する引張力、又は当該引張力に対応する物理量を検出値として検出する検出器と、を備え、
    前記引張力制御部は、前記指令器から指令される目標値と前記検出器により検出される検出値とを用いて演算した操作量に基づいて、前記検出器により検出される検出値が前記指令器により指令される目標値に追従すべく前記電動サーボモータのトルクを制御する請求項6又は8に記載のプレス機械の横方向高剛性化装置。
  10. 前記電動サーボモータの角速度を検出する角速度検出器を備え、
    前記引張力制御部は、前記指令器から指令される目標値と前記検出器により検出される検出値とを用いて演算した操作量と、前記角速度検出器により検出された前記電動サーボモータの角速度とに基づいて前記電動サーボモータのトルクを制御する請求項9に記載のプレス機械の横方向高剛性化装置。
  11. 前記引張力発生機構が進退する移動速度を検出する速度検出器を備え、
    前記引張力制御部は、前記指令器から指令される目標値と前記検出器により検出される検出値とを用いて演算した操作量と、前記角速度検出器により検出された前記電動サーボモータの角速度と、前記速度検出器により検出された移動速度とに基づいて前記電動サーボモータのトルクを制御する請求項10に記載のプレス機械の横方向高剛性化装置。
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