JP4956022B2 - プレス機械のダイクッション制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、絞り加工等に用いられるプレス機械のダイクッション制御装置であって、スライドの動作と同期してダイクッションパッドの動作を制御するダイクッション制御装置に関するものである。
従来、サーボモータにより駆動されるダイクッションパッドの昇降動作を制御するダイクッション制御装置として、例えば特許文献1にて提案されているものが知られている。この特許文献1に係るダイクッション制御装置においては、スライドの上型がワークを挟んでダイクッションパッドに接触するまでは、ダイクッションのクッションストロークの制御を位置制御により行う。ダイクッションパッドに荷重がかかり始めた時のサーボモータの電流変化を検出すると、この電流変化の検出信号により位置制御から圧力制御に切り換え、ダイクッションパッドに予め設定されたクッション圧を与える。このようなダイクッション制御装置では、位置制御から圧力制御に切り換えることができるので、絞り加工を良好に行える。
ところで、位置制御と圧力制御とを切換可能に設けられたダイクッション制御装置では、スライドが下死点に達した時点で再度、圧力制御から位置制御に切り換え、スライドの上昇開始後の所定時間内にダイクッションパッドを上昇させ、次の加工のための待機位置に戻している。また、スライドが下死点位置に達した時には、ダイクッションパッドを自身の下死点位置に所定時間停止させておき(下死点ロッキング)、絞り加工が最後まで確実に行われるようにしている。
特開平10−202327号公報(第3頁)
ところで、加工中のようにダイクッションに負荷がかかっている状態では、ダイクッションパッド等に圧縮力が作用して弾性変形が生じており、ダイクッションパッドが縮んだまま下死点に停止することになる。このため、このような状態で下死点ロッキングを行うと、スライドが上昇することでダイクッションから負荷が抜けた瞬間に跳ね上がりが生じてしまい、ワークを確実に保持しておくことができないという問題がある。特に、ダイクッションとして、上型とワークとが接触するときに生じる衝撃を緩和するための油圧室やばね等が設けられている場合には、弾性変形量も大きく跳ね上がりが顕著であり、その解決が望まれている。
本発明の目的は、下死点ロッキング時のワークの跳ね上がりを確実に防止できるダイクッション制御装置を提供することにある。
本発明の請求項1に係るプレス機械のダイクッション制御装置は、ダイクッションパッドの位置目標値に応じた位置指令信号を出力する位置指令信号出力部と、前記ダイクッションパッドの位置を検出する位置検出手段と、前記位置指令信号に基づく位置目標値と前記位置検出手段からの位置検出信号に基づく位置検出値との偏差に応じた位置偏差信号を出力する位置比較部と、前記位置偏差信号に基づいて位置用速度指令信号を出力する位置制御部と、前記位置制御部からの前記位置用速度指令信号に基づいてモータ電流指令信号を出力する速度制御部と、前記モータ電流指令信号に応じた電流をダイクッション駆動用の電動サーボモータに供給するサーボアンプと、前記プレス機械のスライドが下死点位置に達した時点で出力されるプレス信号を受けて、前記ダイクッションパッド下死点位置しているときの位置検出値から所定の退避高さだけ下降側に退避させるための位置指令信号を出力する退避位置指令信号出力部と、前記位置指令信号出力部からの位置指令信号と前記退避位置指令信号出力部からの位置指令信号とを切り換えて前記位置比較部に出力する出力切換部とを備えていることを特徴とする。
スライドが下死点位置に到達すると、スライドに追従して下降するダイクッションパッドも自身の下死点位置で停止するが、この下死点位置では、ダイクッションパッド等に縮みが生じている。そこで、本発明の請求項1に発明では、スライドが下死点に達したことを受けて、退避位置信号出力部からの位置指令信号により、クッションパッドを自身の下死点位置から所定の退避高さだけ即座に下降させることとした。このため、ダイクッションパッドが退避位置まで下がることにより、スライドからの荷重によって生じていた縮みを解消でき、スライドが上昇に転じて負荷が抜けた場合でも、縮みが復帰することで生じていた下死点ロッキング時のワークの跳ね上がりを確実に防止できる。
なお、スライドが下死点に達した際のプレス信号に基づいてダイクッションパッドを退避させることにより、スライドが下死点に達する以前にダイクッションが退避位置まで下降したり、スライドが上昇に転じた後にダイクッションが退避位置まで下降したりすることがなく、退避動作を確実に行ってワークの加工や跳ね上がりを確実に防止できるのである。
また、請求項1の本発明によれば、ダイクッションパッドの退避位置は、位置目標値として与えられる下死点位置を基準にして決められるのではなく、ダイクッションパッドが実際に停止している下死点位置を基準に決められるので、ワークの板厚誤差や加工誤差によって実際の下死点位置がばらついても、このばらつきに影響させることなく下死点からの退避位置を一定にでき、縮みをより確実に解消できる。
次に、本発明によるダイクッション制御装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係るプレス機械の概略構成図が示されている。図2には、第1実施形態に係るダイクッション13の概略構成図が示されている。
図1に示されるプレス機械1は、本体フレーム2に昇降自在に支承されてスライド駆動機構3により昇降駆動されるスライド4と、このスライド4と対向配置されベッド5上に取着されるボルスタ6とを備えている。前記スライド4の下面には上型7が取り付けられるとともに、前記ボルスタ6の上面には下型8が取り付けられている。こうして、スライド4の昇降動作により、上型7と下型8との間に配されたワーク9に対しプレス加工(絞り加工)が施される。
これらの構成のうち、ベッド5には、ダイクッション13が内蔵されている。このダイクッション13は、所要のダイクッションピン14と、ベッド5内においてそのベッド5に昇降自在に支持されるダイクッションパッド15と、このダイクッションパッド15を昇降駆動するダイクッションパッド駆動機構16とを備えて構成されている。
前記各ダイクッションピン14は、ボルスタ6および下型8のそれぞれに形成された上下方向に貫通する孔に挿通されている。各ダイクッションピン14において、その上端は下型8の凹部に配されたブランクホルダ17に当接されるとともに、その下端はダイクッションパッド15に当接されている。
前記ダイクッションパッド15の各側面とその各側面に対向するベッド5の内壁面との間には、ダイクッションパッド15を上下方向に案内する図示しない1個以上のガイド部材が設けられている。各ガイド部材は、互いに係合する一対のインナーガイドとアウターガイドとからなり、ダイクッションパッド15の各側面にインナーガイドが取り付けられ、ベッド5の内壁面にアウターガイドが取り付けられている。こうして、ダイクッションパッド15は、ベッド5内においてそのベッド5に昇降自在に支持されている。
前記ダイクッションパッド駆動機構16は、図2に示されるように、駆動源としての電動サーボモータ21と、ダイクッションパッド15の昇降手段としてのボールねじ機構22と、電動サーボモータ21とボールねじ機構22との間の動力伝達経路に配される巻掛け伝動機構23および連結部材24とを備え、ダイクッションパッド15と電動サーボモータ21との間で互いの動力が伝達自在に構成されている。
前記電動サーボモータ21は、回転軸を有する回転式のACサーボモータであり、当該電動サーボモータ21へ供給するモータ電流(電流)iの制御によって回転軸の回転速度や回転力が制御されるようになっている。電動サーボモータ21の本体部分は、ベッド5の内壁面間に架設されたビーム25に固定されている。また、この電動サーボモータ21には、エンコーダ(位置検出手段)36が付設されている。このエンコーダ36は、電動サーボモータ21の回転軸の角度および角速度を検出しその検出値をそれぞれモータ回転角度検出信号θ、モータ回転角速度検出信号ωとして出力する。このエンコーダ36から出力されたモータ回転角度検出信号θおよびモータ回転角速度検出信号ωは、後述するコントローラ41に入力される。
前記ボールねじ機構22は、ねじ部26とそのねじ部26に螺合するナット部27とを有してなり、ナット部27から入力された回転動力をねじ部26で直線動力に変換して出力する機能を有している。ねじ部26の下端部は連結部材24の中心部に形成された空間内において進退可能に配され、ナット部27の下端部は連結部材24の上端部に結合されている。前記連結部材24は、所要のベアリングおよびそれらベアリングを収容する軸受ハウジングよりなる軸受装置28を介して前記ビーム25に支持されている。
前記巻掛け伝動機構23は、電動サーボモータ21の回転軸に固定される小プーリ29と、連結部材24の下端部に固定される大プーリ30との間に、タイミングベルト31が巻装されることによって構成されている。
以上の構成により、電動サーボモータ21の回転動力が小プーリ29、タイミングベルト31、大プーリ30、および連結部材24を介してボールねじ機構22におけるナット部27に伝達され、このナット部27に伝達された回転動力によりボールねじ機構22におけるねじ部26が上下方向に移動してダイクッションパッド15が昇降駆動される。また、電動サーボモータ21へのモータ電流iを制御することにより、ダイクッションパッド15に与えられる付勢力が制御される。
ところで、このダイクッション13において、ダイクッションパッド15の下端部にはプランジャロッド80が接続されている。このプランジャロッド80は、その側面を筒状のプランジャガイド82で摺動自在に支持されている。このプランジャガイド82は、プランジャロッド80およびそのプランジャロッド80に連結されるダイクッションパッド15を昇降方向に案内する機能を有している。プランジャロッド80の下部には下方向に開口を有するシリンダ80Aが形成され、このシリンダ80Aの内部にはピストン81が摺動自在に収容されている。
シリンダ80Aの内壁面およびピストン81の上面で油圧室83が形成され、この油圧室83には圧油が充填される。油圧室83の軸心はプランジャロッド80およびボールねじ機構22の軸心と同一である。油圧室83の圧油ポートは油圧回路に接続され、油圧室83と油圧回路との間で圧油の授受が行われる。油圧室83の圧油は、上型7とワーク9とが接する際に生ずる衝撃を緩和するとともに、油圧が所定値以上になるとタンクに排出される。油圧室83の圧油はこうした過負荷保護機能を有する。
前記ピストン81の下端はボールねじ機構22におけるねじ部26の上端に当接されている。ピストン81の下端には球面状の凹面81Aが形成され,この凹面81Aに対向するねじ部26の上端には球面状の凸面が形成される。なお、これとは逆にピストン81の下端に凸面が形成され、ねじ部26の上端に凹面が形成されていてもよい。ねじ部26のような棒状の部材は端部に働く軸方向の力には強いものの、曲げモーメントには弱い。ねじ部26の上端が球面形状であると、仮にダイクッションパッド15が傾いてねじ部26の上端に曲げモーメントが発生したとしても、ねじ部26全体には軸方向の力のみが働く。このような構造によって偏心荷重によるねじ部26の損傷を防止することができる。
そして、このダイクッション13において、油圧室83の圧力が前述の油圧回路中で検出される。油圧室83のポートは、油圧回路を構成する管路85と連通しており、この管路85の途中には、圧力計(圧力検出手段)93が設けられている。圧力計93によって油圧室83の圧力すなわちダイクッションパッド15に生ずる負荷が検出される。圧力計93からは圧力検出信号Prがコントローラ41に向けて出力される。
次に、前記ダイクッション13を制御するダイクッション制御装置40の構成について図3の機能ブロック図および図4の制御ブロック図を用いて以下に説明することとする。
図3、図4に示されるダイクッション制御装置40は、コントローラ41と、このコントローラ41から出力されるモータ電流指令信号icに応じたモータ電流iを前記電動サーボモータ21に供給するサーボアンプ42とを備えている。
前記コントローラ41は、詳細図示による説明は省略するが、各種入力信号を変換・整形する入力インタフェースと、マイクロコンピュータや高速数値演算プロセッサ等を主体に構成され、決められた手順にしたがって入力データの算術・論理演算を行うコンピュータ装置と、演算結果を制御信号に変換して出力する出力インタフェースとを備えて構成されている。このコントローラ41には、ダイクッションパッド位置演算部43、ダイクッションパッド速度演算部44、位置指令信号出力部45、位置比較部46、位置制御部47、圧力指令信号出力部48、圧力比較部49、圧力制御部50、位置・圧力制御切換部51、速度比較部52、速度制御部53、出力切換部57、および退避位置指令信号出力部58の各種機能部が設けられている。これらの機能部は、前記コンピュータで処理されるソフトウェア等で形成されている。
前記ダイクッションパッド位置演算部43は、電動サーボモータ21に付設のエンコーダ36からのモータ回転角度検出信号θを入力し、この入力信号に基づいてモータ回転角度と所定の関係にあるダイクッションパッド15の位置を求め、その結果をダイクッションパッド位置検出信号(位置検出信号)hrとして出力する機能を有している。
前記ダイクッションパッド速度演算部44は、当該エンコーダ36からのモータ回転角速度検出信号ωを入力し、この入力信号に基づいてモータ回転速度と所定の関係にあるダイクッションパッド15の速度(昇降速度)を求め、その結果をダイクッションパッド速度検出信号υrとして出力する機能を有している。
前記位置指令信号出力部45は、ダイクッションパッド15の位置目標値を予め設定された位置パターン54を参照することで求め、その求められた位置目標値に基づく位置指令信号hcを生成・出力する機能を有している。ここで、前記位置パターン54は、時間
(あるいはプレス角度またはスライド位置)とダイクッションパッド位置との所望の対応関係を示すものである。
前記位置比較部46は、位置指令信号出力部45から出力切換部57を介して出力される位置指令信号hcと、ダイクッションパッド位置演算部43からのダイクッションパッド位置検出信号hrとを比較して位置偏差信号ehを出力する機能を有している。
前記位置制御部47は、位置比較部46からの位置偏差信号ehを入力しその入力信号
に所定の位置ゲインK1を乗じて出力する係数器55を備え、位置偏差信号ehに見合う大きさの位置用速度指令信号υhcを生成・出力する機能を有している。
前記圧力指令信号出力部48は、ダイクッションパッド15において発生させる圧力(クッション圧)目標値を、予め設定された圧力パターン56を参照することで求め、その求められた圧力目標値に基づく圧力指令信号Pcを生成・出力する機能を有している。こ
こで、前記圧力パターン56は、時間(あるいはプレス角度またはスライド位置)とダイクッションパッド15に生ずる圧力との所望の対応関係を示すものである。
前記圧力比較部49は、圧力指令信号出力部48からの圧力指令信号Pcと、圧力計93からの圧力検出信号Prとを比較して圧力偏差信号epを出力する機能を有している。
前記圧力制御部50は、圧力比較部49からの圧力偏差信号epを入力しその入力信号
に所定の比例ゲインK2を乗じて出力する係数器71と、圧力比較部49からの圧力偏差
信号epを入力しその入力信号を積分して出力する積分器72(ブロック内の記号sはラ
プラス演算子である。)と、この積分器72からの出力信号を入力しその入力信号に所定の積分ゲインK3を乗じて出力する係数器73とを備え、係数器71からの出力信号に係
数器73からの出力信号を加算して圧力用速度指令信号υpcを生成・出力する機能を有している。
この圧力制御部50においては、比例動作(P動作)と積分動作(I動作)とを組み合わせた比例+積分動作(PI動作)が行われることにより、当該圧力制御部50からは、圧力偏差信号epに見合う大きさで、かつ圧力偏差信号epがある限りその大きさが増加するような圧力用速度指令信号υpcが出力され、検出圧力が目標圧力に迅速かつ正確に一致するようになっている。
前記位置・圧力制御切換部51は、ダイクッションパッド15の位置を制御する位置制御と、ダイクッションパッド15に生ずる圧力を制御する圧力制御とを切り換えるものであり、b接点を基準にa接点とc接点との接続を切り換えるスイッチ60と、このスイッチ60の切換動作の選択を行うための位置・圧力比較部61とを備えている。
スイッチ60によってb接点とa接点とが接続(以下、この接続動作を「b−a接点接続動作」という。)された場合には、位置制御部47からの位置用速度指令信号υhcが速度比較部52へと流れ、一方、同スイッチ60によってb接点とc接点とが接続(以下、この接続動作を「b−c接点接続動作」という。)された場合には、圧力制御部50からの圧力用速度指令信号υpcが速度比較部52へと流れるようになっている。
位置・圧力比較部61は、圧力制御部50からの圧力用速度指令信号υpcと、位置制御部47からの位置用速度指令信号υhcとを比較し、両者のうち小さい方を選択するように設定されている。
ここで、位置・圧力比較部61の切換ロジックを図5〜図7を用いて説明する。図5には、位置用速度指令信号υhcが示されている。図5において、ダイクッションパッド15の位置パターン(位置目標値)を常に0(待機位置)に設定した場合、上型7がワーク9と接する前には、ダイクッションパッド15の位置は、待機位置に一致するため、位置偏差信号ehは0となり、位置用速度指令信号υhcは0となる。その後、ダイクッションパッド15が下方に向かって所定の加速度で下降した後、一定の速度で下降するため、位置用速度指令信号υhcは、待機状態から所定の時定数で下がった後に一定の値に維持される。そして、予備加速の途中でタッチ位置に達した後は、ダイクッションパッド15が実際にはスライド4と共に下降する一方で、位置パターン54が実際のダイクッションパッド15よりも高い位置に設定されているため、位置偏差信号ehが上向きに徐々に大きくなり、これに従い位置用速度指令信号υhcも大きくなる。
一方、図6には、圧力用速度指令信号υpcが示されている。図6においてダイクッションパッド15の圧力パターン(圧力目標値)を常に一定値に設定した場合、上型7がワーク9と接する前には、ダイクッションパッド15には圧力が発生しないため、圧力偏差信号epが圧力パターンの一定値に一致し、圧力用速度指令信号υpcは圧力パターンの一定値に応じた値となる。その後、上型7がワーク9と接する位置(タッチ位置)に達すると、ダイクッションパッド15が上型7に押されて圧力が発生する。この圧力はダイクッションパッド15の下降に伴って大きくなって当初から設定されてある圧力目標値に近づくため、圧力偏差信号epは徐々に小さくなり、これに従い圧力用速度指令信号υpcも小さくなる。
位置・圧力比較部61は、図7に示されるように、位置用速度指令信号υhcと圧力用速度指令信号υpcとを比較し、両者のうち小さい方を選択するように設定されている。このため、上型7がワーク9と接する前の下降時には、位置用速度指令信号υhcの方が圧力用速度指令信号υpcより小さいので、位置用速度指令信号υhcが選択される。この選択により、スイッチ60によってb接点とa接点とが接続され、位置用速度指令信号υhcが速度比較部52へ流れ、位置制御が行われる。
次に、上型7がワーク9と接するタッチ位置に達すると、位置用速度指令信号υhcは増加し、圧力用速度指令信号υpcは減少する。これらの速度指令信号υhc,υpcの大小関係が逆転したとき、位置・圧力比較部61は位置用速度指令信号υhcより小さい圧力用速度指令信号υpcを選択し、スイッチ60のb接点とc接点とが接続される。この接続切換動作により、圧力用速度指令信号υpcが速度比較部52に流れ、圧力制御が行われることとなる。
位置・圧力比較部61が、位置用速度指令信号υhcと圧力用速度指令信号υpcとを常に比較し、両者のうちより小さい方を選択するように設定されているので、位置制御と圧力制御との切換を適切なタイミングで自動的に行うことができる。したがって、上型7がワーク9を介してダイクッションパッド15に接触したときの衝撃や振動などの影響を最小限に抑制でき、適切なタイミングで安定的かつ確実に位置制御と圧力制御との切換を行える。また、位置用速度指令信号υhcと圧力用速度指令信号υpcとの両方を常に監視しているので、上型7がワーク9に接触したときのタッチ位置を確実に把握でき、迅速かつ確実な切換を行える。
前記速度比較部52は、位置・圧力制御切換部51による切換動作にて位置制御が選択された場合に、位置制御部47からの位置用速度指令信号υhcと、ダイクッションパッド速度演算部44からのダイクッションパッド速度検出信号υrとを比較して速度偏差信号
evを出力し、位置・圧力制御切換部51による切換動作にて圧力制御が選択された場合
に、圧力制御部50からの圧力用速度指令信号υpcと、ダイクッションパッド速度演算部44からのダイクッションパッド速度検出信号υrとを比較して速度偏差信号evを出力する機能を有している。
本実施形態によれば、圧力制御時において、圧力制御部50からは圧力偏差信号epに
見合う大きさで、かつ圧力偏差信号epがある限りその大きさが増加するような圧力用速
度指令信号υpcが出力されるので、圧力偏差を迅速かつ確実に減少させることができる。したがって、圧力制御の精度を向上させることができる。
前記速度制御部53は、速度比較部52からの速度偏差信号evを入力しその入力信号
に所定の比例ゲインK4を乗じて出力する係数器62と、速度比較部52からの速度偏差
信号evを入力しその入力信号を積分して出力する積分器63(ブロック内の記号sはラ
プラス演算子である。)と、この積分器63からの出力信号を入力しその入力信号に所定の積分ゲインK5を乗じて出力する係数器64とを備え、係数器62からの出力信号に係
数器64からの出力信号を加算してモータ電流指令信号(トルク指令信号)icを生成・
出力する機能を有している。
この速度制御部53においても、比例動作(P動作)と積分動作(I動作)とを組み合わせた比例+積分動作(PI動作)が行われることにより、当該速度制御部53からは、速度偏差信号evに見合う大きさで、かつ速度偏差信号evがある限りその大きさが増加するようなモータ電流指令信号icが出力され、検出速度が目標速度に迅速かつ正確に一致
される。こうして、安定した位置・圧力制御ができるようにされている。
前記出力切換部57は、プレス機械1に設けられたプレス信号生成部10からのプレス信号Sによって換わるスイッチとして機能し、制御ブロック的には接点d、e、fを備えている。この出力切換部57において、接点eと接点dとが接続された場合のe−d接点接続動作時には、位置指令信号出力部45からの位置指令信号hcが前述したように位置比較部46に出力される。これに対して、接点eと接点fとが接続された場合のe−f接点接続動作時には、退避位置指令信号出力部58からの位置検出信号hcが位置比較部46に出力される。
退避位置指令信号出力部58は、下死点位置保持手段581と退避位置指令生成手段582とを備えている。
下死点位置保持手段581は、プレス信号Sによりスライド4下死点に到達したと判断した時点で、ダイクッションパッド位置演算部43からダイクッションパッド位置検出信号hrを単発的に読み込み、このhrをダイクッションパッド15の下死点位置検出信号hr′として保持する機能を有している。
退避位置指令生成手段582は、ダイクッションパッド15を下死点位置から予め決められた所定の高さだけ下方に退避させるための位置指令信号hcを生成する。具体的には、下死点位置検出信号hr′から退避高さΔhを減じることで生成される指令を位置指令信号hcとし(hc=hr′−Δh)、これを出力切換部57に出力する。この退避高さΔhは、ダイクッション13にかかる荷重や構造等を勘案して適宜に設定可能であり、図示しない操作パネルの設定画面上で作業者が適切な値を設定する。本実施形態では、例えば2mm程度の退避高さΔhが設定される。
なお、プレス信号生成部10で生成されるプレス信号Sはスライド位置と関係付けられており、スライド4駆動用のサーボモータ11に設けられたエンコーダ12からのモータ回転角度信号θpに基づいて生成される。スライド4が上死点から下死点に至るまでの間は、プレス信号SとしてON信号が出力され、下死点に達した時点からスライド4が上昇に転じて所定高さに達する至るまでの間は、プレス信号SとしてOFF信号が出力され、所定高さから上死点に至るまでは再度ON信号が出力される(図8参照:下死点Hldc、所定高さH)。また、このプレス信号SがOFFの間に、ダイクッション13において下死点ロッキングが行われることになる。
前記サーボアンプ42は、電流比較部65と電流制御部66と電流検出部67とを備えて構成されている。このサーボアンプ42において、電流検出部67は、電動サーボモータ21に供給されるモータ電流iを検出しその検出値をモータ電流検出信号irとして出
力する。電流比較部65は、速度制御部53からのモータ電流指令信号icと、電流検出
部67からのモータ電流検出信号irとを比較してモータ電流偏差信号eiを出力する。電流制御部66は、電流比較部65からのモータ電流偏差信号eiに基づいて電動サーボモ
ータ21へのモータ電流iを制御する。
以下には、本実施形態の位置指令信号出力部45の位置パターン54、圧力指令信号出力部48の圧力パターン56、およびプレス信号Sについて詳説する。図8には、本実施形態における位置パターン54およびプレス信号Sがスライド動作と関連付けられて示されており、図9には本実施形態における圧力パターン56が示されている。
位置パターン54は、図8に示されるように、まずダイクッションパッド15の待機位置に相当する位置h1が時刻t1まで設定され、その後、予備加速のために時刻t1から時刻t2まで所定の時定数をもって位置が位置h2まで下降するように設定されている。そして、位置h2まで達する途中の位置h12にて、上型7がワーク9に接することになる(時刻t12)。上型7がワーク9に接して絞り加工が行われる際には圧力制御が行われることが望ましいため、スライド4が下死点に達する時刻t4までの位置パターン54による位置目標値は、ダイクッションパッド15の実際の位置よりも高くなるように設定されている。このことにより、ダイクッションパッド15が下降しても位置偏差信号ehが大きくなり、この位置偏差信号ehよりも小さくなる圧力偏差信号epが選択されて圧力制御が行われるようになっている。この際の位置パターン54としては具体的に、位置h2までの予備加速の後、時刻t2から時刻t3にかけて別の時定数を持って位置h3まで下降するように位置指令信号hcが出力される。
次いで、時刻t3からは、スライド4が下死点Hldcに達するまでの間、すなわち、プレス信号SとしてのOFF信号がプレス信号生成部10から出力切換部57および退避位置指令信号出力部58に出力されるまでの間は、ダイクッションパッド15が位置h3で停止するように位置指令信号hcが出力される。下降するスライド4にダイクッションパッド15が追従しているために、スライド4が下死点に達すると、ダイクッションパッド15も自身の本来の下死点位置である位置h4に停止する。この際、停止する位置h4は位置パターン54による位置目標値上での停止位置h3よりも低いため、ダイクッションパッド15はある大きさの位置偏差信号ehが出力された状態で位置h4に停止していることになるが、位置h4にあっては、次説する圧力パターン56での圧力目標値が十分に高く設定されているため、圧力偏差信号epの方が大きくなり、位置制御に切り換わる。
この時点で、プレス信号SとしてOFF信号が出力されると、出力切換部57にてe−f接点接続動作に切り換えられ、退避位置指令信号出力部58側からの位置指令信号hcが位置比較部46に出力されることになる。具体的に、退避位置指令信号出力部58の下死点位置保持手段581は、プレス信号SとしてOFF信号を入力すると、ダイクッションパッド位置検出信号hr(実際には位置h4)を一回入力し、このダイクッションパッド位置検出信号hrを下死点位置検出信号hr′として保持するとともに、プレス信号SがOFFである間は、下死点の位置h4から退避高さΔhだけ下がった位置h5を位置目標値とする位置指令信号hcを退避位置指令整正手段582が出力切換部57に出力し、この位置指令信号hcが位置比較部46に出力されるのである。
この結果、位置h5を位置目標値とする位置指令信号hcは、ダイクッションパッド15の実際の下死点である位置h4を基準に、この位置h4から退避高さΔhだけ下がった位置を位置目標として生成されることになるから、ワーク9の板厚誤差や加工誤差によってその都度ダイクッションパッド15の実際の下死点が変動しても、実際の下死点から常に退避高さΔhだけ差がった位置h5にダイクッションパッド15を正確に退避させることができ、ダイクッションパッド15や油圧室83に生じていた縮みを確実に解消できる。
そして、ダイクッションパッド15が下死点である位置h4を越えて退避位置である位置h5まで下がると、位置比較部46に入力される出力切換部57からの位置指令信号hcとダイクッションパッド位置演算部43からのダイクッションパッド位置検出信号hrとの位置偏差信号ehは0となるため、ダイクッションパッド15は退避位置である位置h5に停止することになり、下死点ロッキングが行われる。また、ダイクッション15が退避位置まで下がることで、絞り加工中に生じていたダイクッションパッド15や油圧室83での縮みを解消できるから、スライド4の上昇によってダイクッション13から負荷が抜けてもワーク9の跳ね上がりを防止できる。
この後、スライド4が所定高さHまで上昇すると(時刻t4から時刻t5に達すると)、プレス信号生成部10からはプレス信号SとしてON信号が出力されるため、出力切換部57においては、e−d接点接続動作が再開され、予め設定された位置パターン54にしたがった位置指令信号出力部45からの位置指令信号hcが、出力切換部57を介して位置比較部46に出力される。時刻t5から時刻t6の間は、所定高さ上昇する補助リフト動作のため、時刻t6で位置h6となるように設定がされ、そして時刻t6以降は、待機位置に相当する位置h1に復帰するように設定されている。
一方、図9に示されるように、圧力パターン56は、上型7がワーク9に接する前の時刻t12までは、所定値P1が設定されている。この所定値P1は、ダイクッションパッド15の予圧よりも所定割合だけ高い値に設定されており、これにより、上型7がワーク9に接する前の状態では、所定の圧力偏差信号epが発生する。次に、上型7がワーク9に接して絞り加工が行われる時刻t12から時刻t4までの範囲においては、圧力パターン56には、それぞれ所定時間で最適な圧力が設定されている。
具体的には、絞り加工の開始時には、所定の時定数を持って圧力目標値が所定値P1から所定値P2に斜めに上昇し、時刻t21に達するまでその所定値P2を保持する。その後、時刻t21から時刻t22まで、所定の時定数を持って圧力目標値が所定値P2から所定値P3まで斜めに下降し、スライド4が下死点に達するまでの時刻t22から時刻t4までの間、その所定値P3を保持する。スライド4が下死点に達した後(時刻t4以降)は位置制御が行われることが望ましいため、圧力偏差信号epが大きくなるように圧力目標値が一気に所定値P4と高い値に設定されている。
次に、ダイクッションパッド15の動作と圧力・位置制御との関係について以下に説明する。図10には、スライド4とダイクッションパッド15の動作説明図が示されており、時間の経過に伴うスライド4とダイクッションパッド15との位置の変化が線図で表わされている。
なお、以下の説明において、ダイクッションパッド位置演算部43からのダイクッションパッド位置検出信号hrを「位置フィードバック信号hr」と称し、ダイクッションパッド速度演算部44からのダイクッションパッド速度検出信号υrを「速度フィードバック
信号υr」と称し、圧力計93からの圧力検出信号Prを「圧力フィードバック信号Pr」
と称することとする。また、位置制御を「位置フィードバック制御」と称するとともに、圧力制御を「圧力フィードバック制御」と称することとする。
まず、プレス加工動作開始から時刻t1までの間は、ダイクッションパッド15が待機位置の位置h1にあるため、位置用速度指令信号υhcは0であるのに対し、圧力用速度指令信号υpcは所定値P1に対応した値となる。このため、プレス加工動作開始から時刻t1までの間は、位置・圧力比較部61は位置用速度指令信号υhcを選択し、b接点とa接点とがスイッチ60によって接続状態とされて、位置フィードバック制御が行われる。また、時刻t1から時刻t12の間においても、圧力用速度指令信号υpcが所定値P1に対応した値となるため、引き続き位置フィードバック制御が行われる。
この位置フィードバック制御時において、位置比較部46は、位置指令信号hcから位
置フィードバック信号hrを減じて位置偏差信号ehを出力し、位置制御部47は、位置偏差信号ehを減少させる位置用速度指令信号υhcを出力し、速度比較部52は、位置用速
度指令信号υhcから速度フィードバック信号υrを減じて速度偏差信号evを出力し、速度制御部53は、速度偏差信号evを減少させるモータ電流指令信号(トルク指令信号)icを出力し、サーボアンプ42は、モータ電流指令信号icに応じたモータ電流iを電動サ
ーボモータ21に供給する。これにより、エンコーダ36による位置検出値が予め設定された位置パターン54に追従するようにダイクッションパッド15の位置が制御される。 これにより、ダイクッションパッド15は時刻t1までは待機位置で待機し、その後上型7とワーク9とが接する際の衝撃を緩和するために、時刻t1から時刻t2までの間、ダイクッションパッド15の予備加速を行う。
次いで、予備加速途中の時刻t12において上型7とワーク9とが位置h12で接すると、位置パターン54の位置目標値としては依然として、位置h2に向けて変化し、その後に位置h3に向けて変化する。しかし、実際のダイクッションパッド15は、スライド4に追従することで位置目標よりもさらに下方位置を下降するため、ある値以上の位置偏差信号ehが存在することになる。一方上型7とワーク9とが接すると圧力が上昇するため、発生圧力としては、圧力パターン56の圧力目標値である所定値P1に近づいていく。したがって、圧力偏差信号epが次第に小さくなる。圧力偏差信号epに基づく圧力用速度指令信号υpcが位置偏差信号ehに基づく位置用速度指令信号υhcよりも小さくなったとき、位置・圧力比較部61が圧力用速度指令信号υpcを選択する。
これにより、位置・圧力制御切換部51におけるb−c接点接続動作にてb接点とc接点とがスイッチ60によって接続されて、位置フィードバック制御から圧力フィードバック制御に自動的に切り換えられる。したがって、位置・圧力制御切換部51による自動的な切換動作により、上型7がワーク9に接触した直後に確実に位置制御と圧力制御とを切り換えることができる。以上により、時刻t12から時刻t4までの間は、スライド4とダイクッションパッド15とが一体となって下降し、ワーク9に対し絞り加工が施される。この時刻t12から時刻t4までの間においては、圧力フィードバック制御が行われることとなる。
この圧力フィードバック制御時において、圧力比較部49は、圧力指令信号Pcから圧
力フィードバック信号Prを減じて圧力偏差信号epを出力し、圧力制御部50は、圧力偏差信号epを減少させる圧力用速度指令信号υpcを出力し、速度比較部52は、圧力用速
度指令信号υpcから速度フィードバック信号υrを減じて速度偏差信号evを出力し、速度制御部53は、速度偏差信号evを減少させるモータ電流指令信号(トルク指令信号)icを出力し、サーボアンプ42は、モータ電流指令信号icに応じたモータ電流iを電動サ
ーボモータ21に供給する。これにより、圧力計93による圧力検出値が予め設定された圧力パターン56に追従するようにダイクッションパッド15のクッション圧が制御される。
次いで、時刻t4においてスライド4とダイクッションパッド15とが下死点に達する
と、圧力パターン56の圧力目標値は一気に所定値P4に上昇するため圧力偏差信号epが
大きくなるため、位置偏差信号ehに基づく位置用速度指令信号υhcが圧力偏差信号epに基づく圧力用速度指令信号υpcよりも小さくなり、位置・圧力比較部61では、位置用速度指令信号υhcを選択する。したがって、位置・圧力制御切換部51におけるb−a接点接続動作にてb接点とa接点とがスイッチ60によって接続されて、圧力フィードバック制御から位置フィードバック制御に自動的に切り換えられる。また、スライド4が下死点に達するとダイクッションパッド15は、自身の実際の下死点の位置h4を基準として退避位置である位置h5まで下がるので、ダイクッションパッド15や油圧室83で生じた縮みを確実に解消でき、回転ロッキングの開始時にスライド4が上昇に転じてダイクッションパッド15から負荷が抜けた場合でも、ワーク9の跳ね上がりが発生しない。
ここで、図11のフローチャートを参照し、出力切換部57および退避位置指令信号出力部58の動作をより具体的に説明する。図11において、スライド4が上死点から下死点までの間では、プレス信号生成部10からのプレス信号としてON信号が出力されるため、このON信号が入力されている間の出力切換部57は、e−d接点接続動作を行い、位置パターン54による位置目標に基づいた位置指令信号hcを位置指令信号出力部45から入手して位置比較部46に出力する(ST1)。この位置指令信号hcは、ダイクッションパッド15が位置h3に達した時点で、この位置h3を維持するように出力され、出力切換部57としては、プレス信号SとしてOFF信号の入力待ちの状態となる(ST2)。
時刻t4にてスライド4が下死点位置に達すると、プレス信号SがON信号からOFF信号に切り換わり、OFF信号が出力切換部57および退避位置指令信号出力部58に入力する。すると、退避位置指令信号出力部58は、ダイクッションパッド位置演算部43からダイクッションパッド位置検出信号hrを単発的に入手し、このhrを下死点位置検出信号hr′として保持するとともに、このhr′から退避高さΔhを減じた位置を位置目標値とする位置指令信号hcを生成し、出力切換部57に出力する。一方の出力切換部57では、e−f接点接続動作に切り換わり、退避位置指令信号出力部58からの位置指令信号hcを位置比較部46に出力する(ST3)。このようなe−f接点接続動作は、スライド4が所定高さHに達し、プレス信号SとしてON信号が出力切換部57に入力するまで継続される(ST4)。ON信号が入力すると、出力切換部57は再び、ST1に戻ってe−f接点接続動作に切り換え、位置パターン54による位置目標に基づいた位置指令信号hcを出力する。
図10に戻って、以上のように時刻t4から時刻t5までの間は、ダイクッションパッド15は実際の下死点位置である位置h4から退避高さΔh下がった位置h5で正確にロッキングし、上昇動作を一旦停止する。この後の時刻t5から時刻t6までの間において、ダイクッションパッド15は補助リフト分だけ上昇する。時刻t6において、ダイクッションパッド15は再び上昇動作を開始して待機位置h1に復帰した後停止する。時刻t4以降においては、位置フィードバック制御が行われており、前述したような各種信号の流れにより、エンコーダ36による位置検出値が予め設定された位置パターン54に追従するようにダイクッションパッド15の位置が制御される。
なお、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、数量などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、数量などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、本発明に係る圧力検出手段として、油圧回路中に設けられた圧力計が用いられていたが、ダイクッションパッドの側面に設けられたひずみゲージなどであってもよい。また、位置検出手段としても、ダイクッション駆動用の電動サーボモータに設けられたエンコーダに限らず、ダイクッションパッドとベッドとの間に設けられるリニアスケールなどであってもよい。さらに、電動サーボモータとしては、回転型に限らず、リニアサーボモータなどの直動型であってもよい。
前記実施形態では、ダイクッション制御装置が位置制御と圧力制御とを切り換える構成になっていたが、少なくとも下死点位置で位置制御になっていればよく、ストロークを通して位置制御が行われる場合でも、本発明に含まれる。
本発明は、絞り加工等を行うプレス機械に用いられるダイクッションを制御するためのダイクッション制御装置に利用でき、特に電動サーボモータで駆動されるダイクッションのダイクッション制御装置として好適に利用できる。
本発明の一実施形態に係るプレス機械の概略構成図。 前記実施形態に係るダイクッションの概略構成図。 ダイクッション制御装置の構成を説明する機能ブロック図。 ダイクッション制御装置の構成を説明する制御ブロック図。 時間と位置用速度指令信号との関係を示す図。 時間と圧力用速度指令信号との関係を示す図。 位置制御と圧力制御との切換動作を説明するための説明図。 位置パターンを示す図。 圧力パターンを示す図。 スライドとダイクッションパッドの動作説明図。 出力切換部および退避位置指令信号出力部の動作を説明するためのフローチャート。
符号の説明
9…ワーク、13…ダイクッション、15…ダイクッションパッド、21…電動サーボモータ、36…位置検出手段であるエンコーダ、40…ダイクッション制御装置、42…サーボアンプ、45…位置指令信号出力部、46…位置比較部、47…位置制御部、53…速度制御部、58…退避位置指令信号出力部、ic…モータ電流指令信号、i…電流であるモータ電流、hc…位置指令信号、hr…位置検出信号であるダイクッションパッド位置検出信号、eh…位置偏差信号、υhc…位置用速度指令信号。

Claims (1)

  1. プレス機械のダイクッション制御装置において、
    ダイクッションパッド(15)の位置目標値に応じた位置指令信号を出力する位置指令信号出力部(45)と、
    前記ダイクッションパッド(15)の位置を検出する位置検出手段(36)と、
    前記位置指令信号に基づく位置目標値と前記位置検出手段(36)からの位置検出信号に基づく位置検出値との偏差に応じた位置偏差信号を出力する位置比較部(46)と、
    前記位置偏差信号に基づいて位置用速度指令信号を出力する位置制御部(47)と、
    前記位置制御部(47)からの前記位置用速度指令信号に基づいてモータ電流指令信号を出力する速度制御部(53)と、
    前記モータ電流指令信号に応じた電流をダイクッション駆動用の電動サーボモータ(21)に供給するサーボアンプ(42)と、
    前記プレス機械(1)のスライド(4)が下死点位置に達した時点で出力されるプレス信号を受けて、前記ダイクッションパッド(15)下死点位置しているときの位置検出値から所定の退避高さだけ下降側に退避させるための位置指令信号を出力する退避位置指令信号出力部(58)と
    前記位置指令信号出力部(45)からの位置指令信号と前記退避位置指令信号出力部(58)からの位置指令信号とを切り換えて前記位置比較部(46)に出力する出力切換部(57)とを備えている
    ことを特徴とするプレス機械(1)のダイクッション制御装置(40)。
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