JP2016015397A - 半導体記憶装置および半導体記憶装置の製造方法 - Google Patents

半導体記憶装置および半導体記憶装置の製造方法 Download PDF

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信行 五十嵐
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Abstract

【課題】半導体記憶装置(抵抗変化素子)の特性を向上させる。
【解決手段】下部電極LEとして、Ru膜をスパッタリング法などにより形成し、その上に、Ta膜をスパッタリング法などにより形成する。次いで、Ta膜をプラズマ酸化することにより、Ta膜を酸化しTaを形成するとともに、RuをTa中に拡散させ、Ta中にRuが拡散した層(抵抗変化層VR)を形成する。このように、遷移金属酸化物(例えば、Ta)TMO中に金属(例えば、Ru)Mを含有させることで、金属Mにより、フィラメントに対して付加的な電子伝導パスを形成することができ、フィラメントの密度や太さが低下し、低抵抗化し難くなるOFF固着を抑制し、ON特性を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体記憶装置および半導体記憶装置の製造方法に関し、例えば、抵抗変化型の半導体記憶装置に好適に利用できるものである。
不揮発性メモリ素子の一種として、抵抗変化素子(ReRAM)がある。例えば、以下の非特許文献1には、Taを用いた抵抗変化素子が開示されている。そして、この文献には、OFF抵抗値が通常のOFF抵抗値よりも高く、ON動作させても抵抗変化しないOFF固着不良が開示され、その不良を抑制するために、通常のONパルス電圧印加前に逆極性でより高電圧のパルスを印加する技術が開示されている。
A. Kawahara, et al., "Filament Scaling Forming Technique and Level-Verify-Write Scheme with Endurance Over 107 Cycles in ReRAM", ISSCC Dig. Tech Papers, pp. 220-222, Feb. 2013.
本発明者は、上記のような抵抗変化型の半導体記憶装置の研究開発に従事しており、その特性向上について、鋭意検討している。その過程において、抵抗変化型の半導体記憶装置の構造やその製造方法について更なる改善の余地があることが判明した。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本願において開示される一実施の形態に示される半導体記憶装置は、第1電極と第2電極との間に配置された抵抗変化層を有し、この抵抗変化層は、第1金属の酸化物層と、第1金属の酸化物層中に含まれている第2金属と、を有する。そして、第1金属は遷移金属であり、第2金属は、第1金属の酸化物のバンドギャップ内に電子準位を形成する金属である。
本願において開示される一実施の形態に示される半導体記憶装置の製造方法は、第1電極上に、第1金属の酸化物層と、第1金属の酸化物層中に含まれている第2金属と、を有する抵抗変化層を形成する工程を有する。そして、第1金属は遷移金属であり、第2金属は、第1金属の酸化物のバンドギャップ内に電子準位を形成する金属である。
本願において開示される以下に示す代表的な実施の形態に示される半導体記憶装置によれば、その特性を向上させることができる。
本願において開示される以下に示す代表的な実施の形態に示される半導体記憶装置の製造方法によれば、特性の良好な記憶装置を製造することができる。
実施の形態1の半導体記憶装置に用いられる半導体記憶素子の構成を示す断面図である。 実施の形態2の半導体記憶素子の構成を示す断面図である。 (a)〜(c)は、図2のX−Y面のRu濃度分布の例を示す図である。 図2のA−B面のRu濃度分布の例を示す図である。 実施の形態2の半導体記憶装置に用いられる半導体記憶素子の構成を示す断面図である。 実施の形態3の半導体記憶装置に用いられる半導体記憶素子の構成を示す断面図である。 実施の形態4の半導体記憶装置の構成を示す断面図である。 実施の形態4の半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態4の半導体記憶装置の製造工程を示す断面図であって、図8に続く製造工程を示す断面図である。 実施の形態4の半導体記憶装置の製造工程を示す断面図であって、図9に続く製造工程を示す断面図である。 実施の形態4の半導体記憶装置の製造工程を示す断面図であって、図10に続く製造工程を示す断面図である。 実施の形態4の半導体記憶装置の製造工程を示す断面図であって、図11に続く製造工程を示す断面図である。 実施の形態4の半導体記憶装置の製造工程を示す断面図であって、図12に続く製造工程を示す断面図である。 実施の形態4の半導体記憶装置の製造工程を示す断面図であって、図13に続く製造工程を示す断面図である。 (a)および(b)は、上部電極、抵抗変化層および下部電極の積層状態を示すTEM像であり、(c)は、(a)および(b)の場合の二次イオン質量分析結果である。 TiOの有無とOFF固着発生率との関係を示すグラフである。 (a)および(b)は、TiOの有無とON状態の保持特性との関係を示すグラフである。 (a)および(b)は、抵抗変化層の抵抗値のプラズマ酸化条件依存性を示すグラフである。 実施の形態5の応用例1の半導体記憶装置の構成を示す断面図である。 実施の形態5の応用例2の半導体記憶装置の構成を示す断面図である。 実施の形態5の応用例3の半導体記憶装置の構成を示す断面図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、応用例、詳細説明、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数等(個数、数値、量、範囲等を含む)についても同様である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一または関連する符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、複数の類似の部材(部位)が存在する場合には、総称の符号に記号を追加し個別または特定の部位を示す場合がある。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。
また、断面図において、各部位の大きさは実デバイスと対応するものではなく、図面を分かりやすくするため、特定の部位を相対的に大きく表示する場合がある。
(実施の形態1)
以下、図面を参照しながら本実施の形態の半導体記憶装置(記憶装置)ついて詳細に説明する。図1は、本実施の形態の半導体記憶装置に用いられる半導体記憶素子の構成を示す断面図である。
図1に示すように、本実施の形態の抵抗変化素子(半導体記憶素子)においては、下部電極LEと、抵抗変化層VRと、上部電極UEとを有する。このように、抵抗変化素子は、遷移金属酸化物の上下を電極材料で挟んだ構造、即ち、金属(Metal)―絶縁膜(Insulator)−金属(Metal)のMIM構造を有している。
このような抵抗変化素子においては、電極間に電圧を加えることで、抵抗変化層の抵抗値を変えることができる。この抵抗値が、高抵抗状態(OFF状態)であるか、低抵抗状態(ON状態)であるかにより、データ(0、1)を記憶する。例えば、高抵抗状態(OFF状態)を“0”とし、低抵抗状態(ON状態)を“1”として、データを記憶する。
また、抵抗変化素子では、スイッチング動作させる前にフォーミングと呼ばれる初期化処理が必要である。フォーミング処理では、抵抗変化素子に高電圧を印加して、金属酸化膜中に酸素欠損状態が連なったフィラメントと呼ばれる導電パスを形成する。フォーミング処理の後、電圧、電流印加により、導電パスの一部を消失させ、高抵抗状態(OFF状態)とする。言い換えれば、“0”を記憶させる。また、フォーミング処理の後、“1”を記憶させる場合には、導電パスを維持し、低抵抗状態(ON状態)とすればよい。また、高抵抗状態(OFF状態)、即ち“0”データを、低抵抗状態(ON状態)、即ち、“1”データに書き換える場合には、電圧、電流印加により、再び導電パスを形成する。
このように、抵抗変化素子に、“0”データまたは“1”データを記憶し、書き換えることができる。
本実施の形態の抵抗変化素子において、下部電極LEは、導電性材料よりなり、例えば、Ruよりなる。下部電極LEを構成する導電性材料は、例えば、スパッタリング法などにより形成することができる。上部電極UEは、導電性材料よりなり、例えば、Wよりなる。下部電極LEを構成する導電性材料は、例えば、スパッタリング法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより形成することができる。下部電極LEは、後述するように、例えば、選択用トランジスタと電気的に接続される(実施の形態4参照)。
抵抗変化層VRは、遷移金属酸化物TMOと、金属(異種金属)Mとを有する。
遷移金属とは、第3族元素から第11族元素の間に存在する元素である。遷移金属酸化物TMOとしては、Ta、ZrO、HfOなどを用いることができる。また、遷移金属酸化物TMOは非晶質であることが望ましい。
金属Mは、遷移金属酸化物TMO中に含まれている。金属Mは、遷移金属酸化物TMOを構成する金属とは異なる金属であって、遷移金属酸化物TMOのバンドギャップ内に電子準位を形成する金属である。金属Mとしては、例えば、Ru、Re、Ir、Os、Nbなどを用いることができる。
このように、遷移金属酸化物TMO中に金属Mを含有させることで、OFF固着を抑制し、ON特性を向上させることができる。ここで言う、ON特性とは、OFF状態からON状態への書き換え特性、ON状態の維持特性、ON状態の読み出し特性などを言う。
即ち、遷移金属酸化物TMO中に金属Mを含有させることで、金属Mにより、フィラメントに対して付加的な電子伝導パスを形成することができ、ON特性を向上させることができる。
特に、抵抗変化素子において、データの書き換え(ON、OFF動作)を繰り返し行った場合、フィラメント(酸素欠損部)の密度や太さが低下し、低抵抗化し難くなる(OFF固着)。
これに対し、本実施の形態においては、遷移金属酸化物TMO中に金属Mを含有させることで、フィラメント(酸素欠損部)の密度や太さの低下を、金属Mによる付加的な電子伝導パスにより補うことができ、OFF固着を回避することができる。これにより、データの書き換え特性や読み出し特性を向上させることができる。
遷移金属酸化物TMOと金属Mとを有する抵抗変化層VRの形成方法に制限はないが、一例について以下に説明する。図2は、本実施の形態の半導体記憶素子の構成を示す断面図である。
例えば、下部電極LEから遷移金属酸化物TMO中に金属Mを拡散させることにより、遷移金属酸化物TMOと金属Mとを有する抵抗変化層VRを形成することができる。
具体的には、下部電極LEとして、Ru膜をスパッタリング法などにより形成し、その上に、Ta膜をスパッタリング法などにより形成する。次いで、Ta膜をプラズマ酸化することにより、Ta膜を酸化し化学量論的組成であるTa(遷移金属酸化物TMO)を形成する。ここで、Taは非晶質な膜構造となる。プラズマ酸化の際、Ru(金属M)がTa中に拡散する。プラズマ酸化の条件を変えることでTa中のRu量を制御することが可能である(実施の形態4参照)。
後述するように、Ru量(Ruの含有量)は、Ta中のTaの1〜20atomic%程度である(実施の形態4参照)。Ru量が20atomic%を超える場合には、Ruによる付加的な電子伝導パスが繋がった定常導電パスが形成されOFF動作がし難くなる。一方、Ru量が1atomic%未満では、OFF固着を十分に回避することができない。
なお、遷移金属酸化物TMOと金属Mとの共スパッタリングにより、抵抗変化層VRを形成してもよい。但し、下部電極LEから遷移金属酸化物TMO中に金属Mを拡散させる工程によれば、遷移金属酸化物TMOと抵抗変化層VRとを短工程で形成することができる。また、以下に説明する好ましいRu濃度分布を有する抵抗変化層VRを容易に形成することができる。
次いで、抵抗変化層VR中の金属Mの濃度分布について説明する。図3(a)〜(c)は、図2のX−Y面のRu濃度分布の例を示す図である。図3(a)に示すように、Ta中のRu濃度を上下電極に平行な平面でみた場合に、Ru濃度が均一(濃度差が20%未満)であることが望ましい。濃度分布が図3(b)、(c)のように不均一な場合は、特性のばらつきが生じる。特性ばらつき抑制の点から図3(a)のような均一な濃度分布であることが望ましい。また、下部電極LEから金属Mを拡散させる場合、図4に示すようにTa中のRu濃度はRu膜に近い側で高濃度の分布を持つことになる。図4は、図2のA−B面のRu濃度分布の例を示す図である。即ち、Ru膜に近い側が高濃度となり、上部電極UE方向に向かうにしたがって、Ru濃度が小さくなる。スイッチング動作はRu膜の近傍でのフィラメントの切断、成長によって起こると考えられるが、そのスイッチング動作に関与する電極に近い側の金属Mの濃度を高めておくことで、効果的にOFF固着を抑制し、ON特性を安定化させることができる。但し、A−B面でRuが高濃度(例えば、20atomic%を超える濃度)で均一に分布した場合は、初期リークが増大し、フィラメント形成不良が発生する恐れがある。また、A−B面でRuが低濃度(例えば、1atomic%未満の濃度)で均一に分布した場合は、OFF固着不良が十分に抑制できない可能性がある。このように、スイッチングに関与するRu膜(下部電極LE)近傍でより高濃度にRuを配置しつつ、上部電極UE方向に向かうにしたがって、Ru濃度が低下するような濃度分布とすることが好ましい。
(実施の形態2)
実施の形態1(図2)においては、下部電極(例えば、Ru膜)LE、抵抗変化層(例えば、Ta膜)VRおよび上部電極(例えば、W膜)UEを下から順に配置した構造としたが、抵抗変化層(例えば、Ta膜)VRと上部電極(例えば、W膜)UEとの間に、酸素引き抜き層ODLを設けてもよい。また、酸素引き抜き層ODL上に、酸化防止層OPLを設けてもよい。
図5は、本実施の形態の半導体記憶装置に用いられる半導体記憶素子の構成を示す断面図である。本実施の形態の抵抗変化素子は、下部電極LE、抵抗変化層VR、酸素引き抜き層ODL、酸化防止層OPLおよび上部電極UEを下から順に配置した構造である。
下部電極LE、抵抗変化層VRおよび上部電極UEは、実施の形態1の場合と同様の材料を用いて、同様に形成することができる。
即ち、下部電極LEは、導電性材料よりなり、例えば、Ruよりなる。下部電極LEを構成する導電性材料は、例えば、スパッタリング法などにより形成することができる。上部電極UEは、導電性材料よりなり、例えば、Wよりなる。下部電極LEを構成する導電性材料は、例えば、スパッタリング法やCVD法などにより形成することができる。下部電極LEは、後述するように、例えば、選択用トランジスタと電気的に接続される(実施の形態4参照)。
抵抗変化層VRは、遷移金属酸化物TMOと、金属Mとを有する。
遷移金属とは、第3族元素から第11族元素の間に存在する元素である。遷移金属酸化物TMOとしては、Ta、ZrO、HfOなどを用いることができる。また、遷移金属酸化物TMOは非晶質であることが望ましい。
金属Mは、遷移金属酸化物TMO中に含まれている。金属Mは、遷移金属酸化物TMOを構成する金属とは異なる金属であって、遷移金属酸化物TMOのバンドギャップ内に電子準位を形成する金属である。金属Mとしては、例えば、Ru、Re、Ir、Os、Nbなどを用いることができる。
抵抗変化層VRは、例えば、下部電極LE上に遷移金属を形成し、この遷移金属をプラズマ酸化することにより、遷移金属酸化物TMOを形成するとともに、下部電極LE中の金属Mを遷移金属酸化物TMOに拡散させることにより形成することができる。
例えば、下部電極LEとして、Ru膜をスパッタリング法などにより形成し、その上に、Ta膜をスパッタリング法などにより形成する。次いで、Ta膜をプラズマ酸化することにより、Ta膜を酸化し化学量論的組成であるTaを形成するとともに、RuをTa中に拡散させる。このようにして形成されたRuが拡散したTaは非晶質な膜構造となる。
酸素引き抜き層ODLは、抵抗変化層VR上に形成される。酸素引き抜き層ODLは、導電性材料(ここでは、金属)よりなり、例えば、Ta膜よりなる。酸素引き抜き層ODLとしてはTaの他、Ti、Zr、Hfなどの金属を主成分(例えば、50%以上)とする膜を用いることができる。酸素引き抜き層ODLを構成する導電性材料は、例えば、スパッタリング法などにより形成することができる。
酸化防止層OPLは、酸素引き抜き層ODL上に形成される。酸化防止層OPLは、導電性材料よりなり、例えば、TaN膜よりなる。酸化防止層OPLを構成する導電性材料は、例えば、スパッタリング法などにより形成することができる。酸化防止層OPLとしてはTaN膜の他、TiN膜や、WN膜などの金属の化合物膜を用いてもよい。酸素引き抜き層ODLおよび酸化防止層OPLは、外気に触れることなく、真空状態を維持した状態で、連続して形成することが好ましい。また、酸素引き抜き層ODLおよび酸化防止層OPLを形成した後、熱処理を施す。この熱処理により、抵抗変化層VR中の酸素が引き抜かれ、抵抗変化層VR中に酸素欠損が導入される。その結果、抵抗変化層(例えば、Ta膜)VRの上面(上部電極側の面)には、より酸素濃度が低い層(例えば、TaOx膜)が形成される。なお、酸素引き抜き層ODLの下面(下部電極側の面)は酸化され、部分的に金属酸化物が形成されることとなる。また、上記熱処理は、以降の製造工程(例えば、配線形成工程等、実施の形態4等参照)の熱履歴を利用してもよい。
酸素引き抜き層ODLを設けることにより、酸素濃度が低い層(例えば、TaOx膜)が形成される。また、酸化防止層OPLを設けることにより、酸素引き抜き層ODLにより酸素引き抜き効果を高めることができる。また、酸素引き抜き層ODLの表面に不所望の酸化膜が形成された場合、この酸化膜が寄生抵抗となり素子特性を低下させるため、酸化防止層OPLを設けることにより、寄生抵抗を低減し、素子特性を安定化させることができる。このように、抵抗変化層VR中の酸素が引き抜かれ、抵抗変化層VR中に酸素欠損が導入されることで、フォーミング電圧を低減することができる。
一方、酸素欠損が導入され、フォーミング電圧が下がると、形成されるフィラメントは低密度化し、細くなると考えられる。その結果、よりONし難く、OFF状態に偏重した状態になる。このため、実施の形態1で説明したように、金属Mによる付加的な電子伝導パスを形成することにより、ON特性を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、酸素引き抜き層ODL、酸化防止層OPLおよび上部電極UEを個別の層として説明したが、酸素引き抜き層ODLおよび酸化防止層OPLは導電性を有するため、酸素引き抜き層ODLおよび酸化防止層OPLを上部電極の一部とみなしてもよい。
(実施の形態3)
実施の形態2(図5)においては、酸素引き抜き層ODLとして、Ta膜などの金属膜を例示したが、酸素引き抜き層ODLとして、化学量論的組成を有する遷移金属酸化物よりも酸素量が少ない膜を用いてもよい。
図6は、本実施の形態の半導体記憶装置に用いられる半導体記憶素子の構成を示す断面図である。本実施の形態の抵抗変化素子は、下部電極LE、抵抗変化層VR、酸素引き抜き層ODL、酸化防止層OPLおよび上部電極UEを下から順に配置した構造である。
下部電極LE、抵抗変化層VRおよび上部電極UEは、実施の形態2の場合と同様の材料を用いて、同様に形成することができる。
酸素引き抜き層ODLは、抵抗変化層VR上に形成される。酸素引き抜き層ODLは、化学量論的組成を有する遷移金属酸化物よりも酸素量が少ない遷移金属の酸化物である。例えば、酸素引き抜き層ODLとしてTaの酸化物を用いた場合、酸素引き抜き層ODLは、化学量論的組成のTa膜よりも酸素量が少ないTaOx(x<2.5)膜となる。酸素引き抜き層ODLとしてはTaの酸化物の他、Ti、Zr、Hfなど酸化物で、化学量論的組成よりも酸素量の少ない酸化物を用いることができる。酸素引き抜き層ODLは、例えば、スパッタリング法などにより形成することができる。また、遷移金属(例えば、Ta)をスパッタリング法により堆積した後、酸化処理を施すことにより、上記酸素引き抜き層(例えば、TaOx(x<2.5))を形成してもよい。酸化処理としては、プラズマ酸化、ラジカル酸化、熱酸化などの処理を用いることができる。
酸化防止層OPLは、酸素引き抜き層ODL上に形成される。酸化防止層OPLは、導電性材料よりなり、例えば、TaN膜よりなる。酸化防止層OPLを構成する導電性材料は、例えば、スパッタリング法などにより形成することができる。酸化防止層OPLとしてはTaN膜の他、TiN膜や、WN膜などを用いてもよい。酸素引き抜き層ODLおよび酸化防止層OPLは、外気に触れることなく、真空状態を維持した状態で、連続して形成することが好ましい。また、酸素引き抜き層ODLおよび酸化防止層OPLを形成した後、熱処理を施す。この熱処理により、抵抗変化層VR中の酸素が引き抜かれ、抵抗変化層VR中に酸素欠損が導入される。その結果、抵抗変化層(例えば、Ta膜)VRの上面(上部電極側の面)には、より酸素濃度が低い層(例えば、TaOy膜)が形成される。また、上記熱処理は、以降の製造工程(例えば、配線形成工程等、実施の形態4等参照)の熱履歴を利用してもよい。
酸素引き抜き層ODLを設けることにより、酸素濃度が低い層(例えば、TaOy膜)が形成される。また、酸化防止層OPLを設けることにより、酸素引き抜き層ODLにより酸素引き抜き効果を高めることができる。また、酸素引き抜き層ODLの表面に不所望の酸化膜が形成された場合、この酸化膜が寄生抵抗となり素子特性を低下させるため、酸化防止層OPLを設けることにより、寄生抵抗を低減し、素子特性を安定化させることができる。このように、酸素が引き抜かれ、酸素欠損が導入されることで、フォーミング電圧を低減することができる。
一方、酸素欠損が導入され、フォーミング電圧が下がると、形成されるフィラメントは低密度化し、細くなると考えられる。その結果、よりONし難く、OFF状態に偏重した状態になる。このため、実施の形態1で説明したように、金属Mによる付加的な電子伝導パスを形成することにより、ON特性を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、酸素引き抜き層ODL、酸化防止層OPLおよび上部電極UEを個別の層として説明したが、酸素引き抜き層ODLおよび酸化防止層OPLは導電性を有するため、酸素引き抜き層ODLおよび酸化防止層OPLを上部電極の一部とみなしてもよい。
(実施の形態4)
以下、図面を参照しながら本実施の形態の半導体装置について詳細に説明する。図7は、本実施の形態の半導体記憶装置の構成を示す断面図である。
図7に示す半導体記憶装置は、選択用トランジスタと、抵抗変化素子(抵抗変化メモリ)RMとを有する。抵抗変化素子RMの下部電極LEは、選択用トランジスタ(スイッチング用MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor))の一方のソース、ドレイン領域SDと接続される。例えば、選択用トランジスタの他方のソース、ドレイン領域SDは、ビット線(M1)と接続される。また、例えば、選択用トランジスタのゲート電極GEは、ワード線となる。
抵抗変化素子RMが、ビット線とワード線との交点に、複数配置され、メモリセルアレイを構成する。
[構造説明]
<選択用トランジスタ>
図7に示すように、選択用トランジスタは、半導体よりなる基板(p型ウエルPW)Sの主表面のうち、素子分離領域STで区画された領域に形成されている。選択用トランジスタは、基板(p型ウエルPW)S上に、ゲート絶縁膜GIを介して形成されたゲート電極GEおよびゲート電極GEの両側の基板(p型ウエルPW)S中に設けられたソース、ドレイン領域SDを有する。ゲート電極GEの側壁には、サイドウォール膜SWが配置され、ソース、ドレイン領域SDは、いわゆるLDD(Lightly doped Drain)構造を有する。
選択用トランジスタと、抵抗変化素子RMとは、プラグP1を介して接続されている。プラグP1は、層間絶縁膜IL1中に配置されている。具体的には、選択用トランジスタの一方のソース、ドレイン領域SDは、プラグP1を介して抵抗変化素子RMの下部電極LEに接続されている。また、選択用トランジスタの他方のソース、ドレイン領域SDは、プラグP1等を介して、配線(例えば、ビット線)M1と接続されている。選択用トランジスタと、抵抗変化素子RMとでユニットセルUCが構成される。例えば、ユニットセルUCは、素子分離領域STまたは配線(例えば、ビット線)M1と接続されているプラグP1に対して対称に配置される。
<抵抗変化素子>
図7に示すように、抵抗変化素子RMは、下部電極LEと、抵抗変化層VRと、上部電極UEとを有する。下部電極LEは、導電性材料よりなり、例えば、Ruよりなる。上部電極UEは、導電性材料よりなり、例えば、Wよりなる。
抵抗変化層VRは、遷移金属酸化物TMOと、金属Mよりなる。別の言い方をすれば、遷移金属酸化物TMO中に金属Mが分散した構成よりなる。
遷移金属とは、第3族元素から第11族元素の間に存在する元素である。遷移金属酸化物TMOとしては、Ta、ZrO、HfOなどを用いることができる。
金属Mは、遷移金属酸化物TMO中に含まれている。金属Mは、遷移金属酸化物TMOを構成する金属とは異なる金属であって、遷移金属酸化物TMOのバンドギャップ内に電子準位を形成する金属である。金属Mとしては、例えば、Ru、Re、Ir、Os、Nbなどを用いることができる。
このように、遷移金属酸化物TMO中に金属Mを含有させることで、実施の形態1等で詳細に説明したように、OFF固着を抑制し、ON特性を向上させることができる。
ここで、本実施の形態の抵抗変化素子RMにおいて、下部電極LEと、抵抗変化層VRとの間には、開口部OAを有する絶縁膜IF1が形成されている(図9参照)。そして、下部電極LEと、抵抗変化層VRとは、開口部OAにおいて接している。この開口部OAの形成領域が、抵抗変化素子RMの抵抗変化領域となる。開口部OAの形成領域は、下部電極LEの形成領域および抵抗変化層VRの形成領域より小さい。また、開口部OAの形成領域は、上部電極UEの形成領域より小さい。
このように、エッチング時にダメージが加わり、また、Ru濃度の変化が生じ易い抵抗変化層VRの端部を避けて、開口部OAにより、抵抗変化素子RMの抵抗変化領域を規定することで、ON特性などの素子特性のばらつきを低減することができる。
[製法説明]
次いで、図8〜図14を参照しながら、本実施の形態の半導体記憶装置の製造方法を説明するとともに、当該半導体記憶装置の構成をより明確にする。図8〜図14は、本実施の形態の半導体記憶装置の製造工程を示す断面図である。
まず、図8に示すように、半導体よりなる基板(半導体基板)Sの主表面に、選択用トランジスタを形成し、さらに、その上部に、層間絶縁膜IL1を形成する。これらの形成方法に制限はないが、例えば、以下の工程により形成することができる。
まず、基板Sを準備する。基板Sとしては、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる基板を用いることができる。
次いで、基板Sの主面に、素子分離領域STを形成する。この素子分離領域STは、例えば、STI(Shallow Trench Isolation)法などにより形成することができる。この場合、まず基板Sの素子分離領域をエッチングすることにより、溝を形成する。次いで、この溝の内部に酸化シリコン膜などの絶縁膜を埋め込む。例えば、溝の内部を含む基板上に酸化シリコン膜などの絶縁膜を堆積し、CMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法などを用いて、溝以外の絶縁膜を除去することにより、溝の内部に絶縁膜を埋め込む。
この素子分離領域STにより活性領域が区画され、この活性領域に、選択用トランジスタなどの半導体素子が形成される。なお、ここでは、選択用トランジスタとして、nチャネル型のMISFETを例に説明する。但し、例えば、メモリセルアレイを駆動する周辺回路用の形成領域に、周辺回路用の半導体素子として、導電型を逆にしたpチャネル型のMISFETを形成してもよく、また、nチャネル型のMISFETとpチャネル型のMISFETの両方を形成してもよい。
次いで、基板Sの活性領域に、p型ウエルPWを形成する。p型ウエルPWは、例えば、基板S中に、p型の不純物をイオン注入することにより形成される。これにより、基板Sの主面から所定の深さまでのp型の半導体領域であるp型ウエルPWを形成することができる。
次いで、基板(p型ウエルPW)Sの主面上に、ゲート絶縁膜GIを介してゲート電極GEを形成する。まず、基板Sの主面に、絶縁膜よりなるゲート絶縁膜GIを形成する。例えば、熱酸化法などを用いて、酸化シリコン膜などよりなるゲート絶縁膜GIを形成する。次いで、ゲート絶縁膜GI上に、例えば、多結晶シリコン膜などよりなるゲート電極材料をCVD法などを用いて堆積し、この多結晶シリコン膜を所望の形状にパターニングすることにより、ゲート電極GEを形成する。パターニングとは、多結晶シリコン膜などの膜上に、フォトリソグラフィ技術を用いて所望の形状のフォトレジスト膜などを形成し、このフォトレジスト膜をマスクとして、膜を選択的にエッチングすることにより、膜を所望の形状に加工することをいう。
次いで、ゲート電極GEの両側の基板S中に、ソース、ドレイン領域SDを形成する。まず、ゲート電極GEをマスク(イオン注入阻止マスク)としたイオン注入により低不純物濃度のn型半導体領域を形成する。次いで、ゲート電極GE上を含む基板S上に酸化シリコン膜などよりなる絶縁膜を形成し、異方的にエッチングすることにより、ゲート電極GEの側壁にサイドウォール膜SWを形成する。次いで、ゲート電極GEおよびサイドウォール膜SWをマスクとしたイオン注入により、高不純物濃度のn型半導体領域を形成する。これにより、低不純物濃度のn型半導体領域と、それよりも高不純物濃度で接合深さが深いn型半導体領域とからなるLDD構造のソース、ドレイン領域SDを形成することができる。
次いで、アニール処理(熱処理)を施し、これまでのイオン注入で導入した不純物を活性化する。
以上の工程により、基板Sの主表面に、選択用トランジスタを形成することができる。
次いで、サリサイド技術を用いて、n型半導体領域の上部に、金属シリサイド膜SILを形成する。例えば、基板S上のゲート電極GEを覆うマスク膜を形成した後、基板S上に金属膜としてコバルト(Co)膜(図示せず)をスパッタリング法などを用いて形成する。次いで、熱処理を施すことによって、n型半導体領域(SD)を構成するシリコンとCo膜とを反応させる。これにより、n型半導体領域(SD)上に、金属シリサイド膜SILが形成される。次いで、未反応のCo膜を除去する。
次いで、基板S上に層間絶縁膜IL1を形成する。例えば、基板S上に酸化シリコン膜などの絶縁膜を、CVD法などを用いて堆積する。この後、必要に応じて、CMP法などを用いて絶縁膜の表面を平坦化する。
次いで、層間絶縁膜IL1中にプラグ(接続部)P1を形成する。まず、ソース、ドレイン領域SD上の層間絶縁膜IL1をエッチングすることにより、コンタクトホールを形成し、この内部に、導電性膜を埋め込むことにより、プラグ(接続部)P1を形成する。例えば、コンタクトホール内を含む層間絶縁膜IL1上に、バリア導体膜(図示せず)および主導体膜(例えば、W膜など)の積層膜を形成し、層間絶縁膜IL1上の不要な膜をCMP法またはエッチバック法などによって除去する。
次いで、プラグP1上に、抵抗変化素子RMを形成する。まず、プラグP1および層間絶縁膜IL1の表面をArプラズマによりエッチングする。これにより、プラグP1の表面の酸化膜を除去することができ、プラグP1と抵抗変化素子RMとの接続状態を良好にすることができる。
次いで、図9に示すように、プラグP1上に下部電極LEを形成する。例えば、プラグP1および層間絶縁膜IL1上に、導電性膜をスパッタリング法などにより堆積する。ここでは、導電性膜として、Ru膜/Ta膜の積層膜を堆積する。まず、プラグP1上にTa膜をスパッタリング法により堆積し、Ta膜上にRu膜をスパッタリング法により堆積する。この際、Ta膜が外気に触れることなく、真空状態を維持した状態で、連続して、Ru膜を堆積することが好ましい。ここで、積層膜中のTa膜は、密着層として働く。即ち、Ru膜とプラグP1との間にTa膜を介在させることで、下部電極LEとプラグP1との密着性が向上する。また、積層膜中のRu膜は、下部電極LEを構成する主金属(主電極層)として働くとともに、後述する遷移金属酸化物TMO中への金属Mの導入層(金属Mの拡散源)として働く。なお、ここでは、導電性膜をスパッタリング法で形成したが、CVD法を用いて堆積してもよい。次いで、導電性膜(Ru膜/Ta膜)をパターニングすることにより、下部電極LEを形成する。なお、パターニングの際、フォトレジスト膜により加工された酸化シリコン膜などの絶縁膜をマスク(ハードマスクともいう)として、下層の導電性膜(Ru膜/Ta膜)をエッチングしてもよい。
次いで、下部電極LE上に開口部OAを有する絶縁膜IF1を形成する。例えば、下部電極LE、プラグP1および層間絶縁膜IL1上に、絶縁膜IF1として窒化シリコン膜を、CVD法などを用いて堆積する。絶縁膜IF1としては、窒化シリコン膜の他、酸窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、炭窒化シリコン膜(SiCN膜)などを用いてもよい。
次いで、絶縁膜(窒化シリコン膜)IF1をパターニングすることにより、下部電極LE上に開口部(メモリホールともいう)OAを形成する。開口部OAの形成領域は、下部電極LE上に位置し、開口部OAの形成領域は、下部電極LEの形成領域より小さい。この開口部OAにより、抵抗変化の活性領域が定義される。別の言い方をすれば、この開口部OAの形成領域が、抵抗変化素子RMの抵抗変化領域となる。
次いで、図10に示すように、開口部OA上に、抵抗変化層VRを形成する。例えば、開口部OA内を含む絶縁膜IF1上に、Ta膜をスパッタリング法で堆積する。次いで、プラズマ酸化処理を行う。例えば、8.25トル(1Torr=1mmHg=133.322Pa)のチャンバー内に、800Wの高周波パワーを印加し、NOを1000sccmの流量で導入しながら、300秒間の処理を行う。
このように、Ta膜をプラズマ酸化することにより、Taを形成することができる。そして、この酸化プロセスによって、Ta中にRuが拡散する。即ち、Ta中にRuが拡散した層である抵抗変化層VRを形成することができる。
ここで、Ruの拡散量(抵抗変化層VR中のRu量)は、プラズマ処理条件を調整することにより制御することができる。例えば、後述するように、プラズマパワーや処理温度を大きくすることで、Ruの拡散量を大きくすることができる。但し、実施の形態1において説明したように、Ru量が多すぎると、Ruによる付加的な電子伝導パスが繋がった定常導電パスが形成されOFF動作がし難くなり、Ru量が少なすぎると、OFF固着を十分に回避することができない。このため、Ru量を、Ta中のTaの1〜20atomic%程度に調整することが好ましい。
次いで、抵抗変化層VR上に、上部電極UEを形成する。なお、本実施の形態においては、酸素引き抜き層、酸化防止層および主電極層の積層膜を上部電極UEとして示してある。例えば、抵抗変化層VR上に、酸素引き抜き層としてTa膜をスパッタリング法で堆積する。この酸素引き抜き層(Ta膜)により、下層の抵抗変化層(Ta)VRから酸素が引き抜かれ、抵抗変化層(Ta)VRの上部において酸素欠損部が生じる。言い換えれば、抵抗変化層(Ta)VRの上部において酸素濃度が低い層(TaOx、x<2.5)が形成される。その結果、酸素引き抜き層(Ta膜)と抵抗変化層(Ta)との境界部近傍において、酸素の濃度勾配が生じる。例えば、抵抗変化層(遷移金属酸化物)VR中の酸素濃度は、選択トランジスタに接続する下部電極LEに接している側で最も高く、かつ、化学量論的に安定な濃度を有する。そして、下部電極LEから上部電極UE側に離れるにしたがって酸素濃度が低下する。
次いで、酸素引き抜き層上に酸化防止層として、TaN膜をスパッタリング法で堆積する。この際、例えば、マルチチャンバー装置を用い、酸素引き抜き層であるTa膜が外気に触れることなく、真空状態を維持した状態で、連続して、酸化防止層であるTaN膜を形成することが好ましい。この酸化防止層(TaN膜)により、酸素引き抜き層(Ta膜)の表面の自然酸化を防止することができる。これにより、酸素引き抜き層(Ta膜)による下層の抵抗変化層(Ta)VRからの酸素引き抜き効果が向上する。また、自然酸化膜による寄生抵抗を低減し、素子特性を安定化させることができる。
次いで、酸化防止層上に上部電極UEを形成する。例えば、酸化防止層(TaN膜)上に、導電性膜を堆積する。ここでは、導電性膜として、W膜をスパッタリング法またはCVD法により堆積する。
次いで、上部電極UE(酸素引き抜き層、酸化防止層および主電極層)および抵抗変化層VRをパターニングすることにより、抵抗変化素子RMを形成する。このように、上部電極UEおよび抵抗変化層VRを一度に加工する。ここで、上部電極UEの形成領域および抵抗変化層VRの形成領域は、開口部OAの形成領域を含み、開口部OAより大きい。このように、開口部OAにより、抵抗変化素子RMの抵抗変化領域を規定することで、エッチング時にダメージが加わり、また、Ru濃度の変化が生じ易い抵抗変化層VRの端部を避けて、抵抗変化領域が規定されることとなり、ON特性などの素子特性のばらつきを低減することができる。
具体的には、例えば、エッチング時のプラズマ雰囲気や、マスクとして用いた膜(フォトレジスト膜やハードマスクなど)の剥離処理により、抵抗変化層VRの端部においては、Ru濃度が内部の濃度と異なった状態となる可能性が高い。例えば、上部電極UE(酸素引き抜き層、酸化防止層および主電極層)、抵抗変化層VRおよび下部電極LEを順次積層し、一度に加工した場合には、抵抗変化層VRの端部も抵抗変化領域となる。このような抵抗変化層VRの端部を含むように抵抗変化領域を規定した場合には、実施の形態1においても説明したように、端部のRu濃度が不安定となり、特性のばらつきが大きくなる恐れがある。
これに対して、下部電極LEの形成後、開口部OAを有する絶縁膜IF1を介して、抵抗変化層VRおよび上部電極UEを形成する場合には、Ru濃度の変化がより均一な抵抗変化層VRの内部領域が抵抗変化領域となるため、ON特性などの素子特性の安定性が向上する。
この後、図11に示すように、絶縁膜IF1および抵抗変化層VR上に、絶縁膜(カバー絶縁膜)IF2および層間絶縁膜IL2を順次堆積する。例えば、絶縁膜IF1および上部電極UE上に、絶縁膜(カバー絶縁膜)IF2として窒化シリコン膜を、CVD法などを用いて堆積する。絶縁膜IF2としては、窒化シリコン膜の他、酸窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、炭窒化シリコン膜(SiCN膜)などを用いてもよい。次いで、絶縁膜IF2上に、層間絶縁膜IL2として、酸化シリコン膜を、CVD法などを用いて堆積する。層間絶縁膜IL2としては、酸化シリコン膜の他、炭窒化シリコン膜(SiCN膜)などを用いてもよい。次いで、CMP法などを用いて、層間絶縁膜IL2の上部を除去することにより、層間絶縁膜IL2の表面を平坦化する(図12)。
次いで、図13に示すように、層間絶縁膜IL2および絶縁膜IF1、IF2中にプラグP2を形成する。まず、プラグP1および上部電極UE上の層間絶縁膜IL2および絶縁膜IF1、IF2をエッチングすることにより、コンタクトホールを形成し、この内部に、導電性膜を埋め込むことにより、プラグP2を形成する。例えば、コンタクトホール内を含む層間絶縁膜IL2上に、バリア導体膜(図示せず)および主導体膜(例えば、W膜など)の積層膜を形成し、層間絶縁膜IL2上の不要な膜をCMP法またはエッチバック法などによって除去する。
次いで、図14に示すように、プラグP2が埋め込まれた層間絶縁膜IL2上に配線M1を形成する。例えば、ダマシン技術(ここではシングルダマシン技術)を用いて配線M1を形成する。具体的には、層間絶縁膜IL2上に、溝用絶縁膜IL3を形成し、この溝用絶縁膜IL3中に配線溝を形成した後、配線溝の内部に導電性膜を埋め込むことにより配線M1を形成する。配線M1を構成する導電性膜としては、W、Al、Cuなどの金属を主成分とする膜を用いることができる。
この後、配線M1上に、層間絶縁膜、プラグおよび溝用絶縁膜を形成し、多層の配線を形成してもよい。なお、配線の形成の際には、デュアルダマシン法を用いてもよい。即ち、層間絶縁膜および溝用絶縁膜のそれぞれに形成されたコンタクトホールおよび配線溝を、同時に導電性膜で埋め込むことにより、プラグと配線とを一体的に形成してもよい。なお、ここでは、ダマシン法で配線を形成したが、パターニングにより配線M1および配線M1より上層の配線を形成してもよい。例えば、プラグP2が埋め込まれた層間絶縁膜IL2上に、導電性膜を堆積し、パターニングすることにより配線M1を形成してもよい。
このように、本実施の形態においても、実施の形態1等と同様に、遷移金属酸化物TMO中に金属Mを拡散させることにより、OFF固着を抑制し、ON特性を向上させることができる。
(実施例)
次いで、本発明者の検証例について説明する。
<検証1>
図15(a)および図15(b)は、上部電極、抵抗変化層および下部電極の積層状態を示すTEM(Transmission Electron Microscope)像である。具体的には、図15(a)は、下層側から、Ta膜、Ru膜、Ta膜およびTa膜が順次積層された状態を示す。図15(b)は、下層側から、Ta膜、Ru膜、TiO膜、Ta膜およびTa膜が順次積層された状態を示す。図15(a)と図15(b)の差は、Ta膜とRu膜との間に、TiO膜がある(b)か、ない(a)かである。図15(c)は、図15(a)および図15(a)の場合の二次イオン質量分析(SIMS分析)結果である。縦軸は、信号強度(任意単位)であり、横軸は、表面からの深さ(サイクル)を示す。
以下に詳細に説明する。
図15(a)、即ち、TiOなしの場合は、Ru膜上に、Ta膜をスパッタリング法により形成した後、He/NOガスを用い、350℃、800Wで、5分のプラズマ酸化を行うことによりTa膜を形成した。そして、Ta膜上に、Ta膜(酸素引き抜き層)をスパッタリング法により形成した。
図15(b)、即ち、TiOありの場合は、Ru膜上に、Ti膜をスパッタリング法により形成した後、He/NOガスを用い、350℃、300Wで、10分のプラズマ酸化を行うことによりTiO膜を形成した。さらに、TiO膜上に、Ta膜をスパッタリング法により形成した後、He/NOガスを用い、350℃、800Wで、5分のプラズマ酸化を行うことによりTa膜を形成した。そして、Ta膜上に、Ta膜(酸素引き抜き層)をスパッタリング法により形成した。
図15(c)に示すように、TiOなしのグラフ(実線)の場合およびTiOありのグラフ(破線)の場合のいずれの構造においても、Ru膜に近い側のTa中にRuの信号が確認された。これは、いずれの場合も、Ta中へのRu拡散が生じていることを示す。そして、TiOなしのグラフ(実線)の場合は、TiOありのグラフ(破線)の場合と比べて、約10倍の信号が検出されている。
これは、TiOありの構造では、TiOによりTa中へのRu拡散が抑制されていること、また、TiOなしの構造では、TiOがないためRuがTa中により多く拡散することを示している。
但し、TiOなしのグラフ(実線)において、Ruの信号強度が、Ru膜中よりもTa膜中において大きくなっているが、これは、分析膜によってイオン化率やスパッタ収率が異なることによるマトリックス効果の影響であり、Ru膜のRu濃度とTa膜中のRu濃度との差を示すものではない。このように、二次イオン質量分析では、グラフから異なる膜種間の濃度比較はできない。
TiOなしの構造において、Ta中のRuの拡散の濃度分布から、Ta中のRuの拡散方程式を決定し、Ta中のRuの原子密度を求めると、Ru膜界面の原子密度を1とすると、界面から2nmで約1/5、5nmで約1/100と見積もられる。このように、Ru膜に近い側で高濃度のRuが検出される。
また、界面ラフネスの影響を考慮すると、実際の量はもう少し低いと考えられ、効果が期待できるRuの濃度範囲は、Ta中のTaの1〜20atomic%と推測される。また、Ruの拡散量については、Taを形成する際のプラズマ酸化の条件によって制御することが可能である。
<検証2>
図16は、TiOの有無とOFF固着発生率との関係を示すグラフである。前述したTiOなしの構造およびTiOありの構造のそれぞれについて、ON/OFF動作を1000サイクル実施し、OFF固着発生率を調べた。ここで、OFF固着とは、ON動作時の抵抗が1MΩ以上の高抵抗となった不良率とした。縦軸は、OFF固着発生率(任意単位)である。
図16に示すように、TiOあり、即ち、Ruの拡散が抑制されている場合には、OFF固着発生率が0.54であったのに対し、TiOなし、即ち、Ruの拡散が有る場合には、OFF固着発生率が0であった。このように、TiOなしの構造においては、Ruの拡散により、OFF固着が抑制されていることがわかる。
<検証3>
図17(a)および(b)は、TiOの有無とON状態の保持特性との関係を示すグラフである。前述したTiOなしの構造およびTiOありの構造のそれぞれについて、高温状態における、ON状態の保持特性を調べた。具体的には、300℃の温度下で、保持時間に対する1024ビット分の抵抗変動を調べた。図17(a)は、TiOありの構造の場合を示し、図17(b)は、TiOなしの構造の場合を示す。縦軸は、抵抗(任意単位)を示し、横軸は、保持時間(時間)を示す。中央値とは、1024ビット分の抵抗値のデータを大きさの順に並べたとき、中央にくるデータの値である。高抵抗側10%値とは、1024ビット分の抵抗値のデータを大きさの順に並べたとき、高抵抗側から10%の位置にくるデータの値である。低抵抗側10%値とは、1024ビット分の抵抗値のデータを大きさの順に並べたとき、低抵抗側から10%の位置にくるデータの値である。
図17(a)に示すように、TiOあり、即ち、Ruの拡散が抑制されている場合には、中央値に対して10%以上高抵抗側にあるビットが多く確認され、保持時間が大きくなるに伴い、抵抗値が上昇している。これに対し、図17(b)に示すように、TiOなし、即ち、Ruの拡散が有る場合には、抵抗値の上昇は確認されず、抵抗変動が抑制されていることがわかる。このように、TiOなし、即ち、Ruの拡散が有る場合には、ON状態の保持特性が優れていることがわかる。
<検証4>
Ru拡散量については、プラズマ酸化条件により制御することが可能である。即ち、前述したように、Ru膜上にTa膜を形成後、プラズマ酸化によりTa膜を酸化し、化学量論的組成であるTaを形成する。この際のプラズマ酸化条件により、Ru拡散量を制御することが可能である。
図18(a)および(b)は、抵抗変化層の抵抗値のプラズマ酸化条件依存性を示すグラフである。図18(a)は、プラズマ酸化条件のうち、パワー依存性を示し、図18(b)は、プラズマ酸化条件のうち、温度依存性を示す。図18(a)において、縦軸は、初期抵抗(任意単位)を示し、横軸は、パワー(W)を示す。図18(b)において、縦軸は、初期抵抗(任意単位)を示し、横軸は、温度(℃)を示す。初期抵抗とは、フォーミング処理を行う前の抵抗変化素子の電極間の抵抗値である。図18(a)の温度は、350℃であり、図18(b)のパワーは、800Wである。
Ru膜上のTaにRuが多く拡散している場合には、付加的な導電パスが多く形成されることから、初期抵抗は低くなる。そして、図18(a)に示すように、プラズマのパワーが高いほど初期抵抗が低下している。また、図18(b)に示すように、プラズマ処理の温度が高いほど初期抵抗が低下している。このように、Ru拡散量については、プラズマ酸化条件(パワーや温度)により制御することが可能であるといえる。
ここで、図18(a)と(b)の比較から、温度による抵抗変動は、パワーを変えた場合よりも大きい。このように、温度に対する感度が相対的に高いことがわかる。よって、プラズマ酸化条件により、効果的にRuを拡散させ、初期抵抗を小さくするには、250℃から400℃の温度領域でプラズマ酸化を行うことが好ましく、300℃から350℃の温度領域でプラズマ酸化を行うことがより好ましい。このような温度領域は比較的設定がし易く、プラズマのパワーを上げるよりも容易に対応が可能である。よって、例えば、比較的低パワー(例えば、300W〜500W)であっても、250℃から400℃、より好ましくは300℃から350℃の温度領域でプラズマ酸化処理を行うことで、効果的にRuを拡散させることができる。ここで、本明細書において、プラズマ酸化とは、酸化性ガス(ここでは、酸素、オゾン又は亜酸化窒素など)を高周波放電により励起してプラズマ化し、反応処理室内に設置された被処理体(ここでは、酸化される膜)を酸化することをいう。そして、パワー(プラズマパワー)とは、反応ガスを励起するパワーをいい、例えば、反応処理室内の放電電極に印加される電力を意味する。また、温度は、反応処理室内の温度を意味する。
(実施の形態5)
本実施の形態においては、半導体記憶装置の応用例について説明する。
(応用例1)
実施の形態4(図7)においては、プラグP1と下部電極LEとを直接接続し、また、プラグP1とプラグP2とを直接接続したが、これらの間に配線を設けても良い。
[構造説明]
図19は、本実施の形態の応用例1の半導体記憶装置の構成を示す断面図である。
選択トランジスタは、実施の形態4と同様の構造である。即ち、選択トランジスタは、基板(p型ウエルPW)Sの主表面のうち、素子分離領域STで区画された領域上に設けられ、ゲート絶縁膜GIを介して形成されたゲート電極GEおよびゲート電極GEの両側の基板(p型ウエルPW)S中に設けられたソース、ドレイン領域SDを有する。ソース、ドレイン領域SDは、LDD構造を有する。選択用トランジスタのソース、ドレイン領域SD上には、プラグP1が配置されている。このうち、一方のプラグP1は、配線M1を介して抵抗変化素子RMの下部電極LEに接続されている。また、他方のプラグP1は、配線M1を介してプラグP2と接続されている。配線M1は、溝用絶縁膜IL11中に埋め込まれている。
配線M1上の抵抗変化素子RMは、実施の形態4と同様の構造である。即ち、抵抗変化素子RMは、下部電極LEと、抵抗変化層VRと、上部電極UEとを有する。下部電極LEは、導電性材料よりなり、例えば、Ruよりなる。上部電極UEは、導電性材料よりなり、例えば、Wよりなる。抵抗変化層VRは、実施の形態1の場合と同様に、遷移金属酸化物TMO中に金属Mが分散した構成よりなる。このように、遷移金属酸化物TMO中に金属Mを含有させることで、実施の形態1等で詳細に説明したように、OFF固着を抑制し、ON特性を向上させることができる。また、本実施の形態の抵抗変化素子RMにおいても、下部電極LEと、抵抗変化層VRとの間には、開口部OAを有する絶縁膜IF1が形成されている。このように、エッチング時にダメージが加わり、また、Ru濃度の変化が生じ易い抵抗変化層VRの端部を避けて、開口部OAにより、抵抗変化素子RMの抵抗変化領域を規定することで、ON特性などの素子特性のばらつきを低減することができる。
配線M1および上部電極UE上には、実施の形態4と同様にプラグおよび配線が形成されている。ここでは、配線M1および上部電極UE上に、プラグP2が配置され、プラグP2上に、配線M2が配置されている。
このように、本応用例の半導体記憶装置によれば、実施の形態4で説明した効果に加え、以下の効果を奏する。即ち、本応用例によれば、層間絶縁膜IL1上に、配線M1を設けることで、配線M1と基板Sとの距離が小さくなる。これにより、例えば、メモリセルアレイを駆動する周辺回路用の半導体素子の動作速度が向上する。また、抵抗変化素子RMが形成されていない半導体装置(例えば、ロジックチップ)と、回路の動作速度が一致するため、抵抗変化素子使用の有無によらず各装置(チップ)の回路設計の互換性を高めることができる。
[製法説明]
プラグP1の形成工程までは、実施の形態4の場合と同様である。即ち、半導体よりなる基板(p型ウエルPW)Sの主表面に、選択用トランジスタを形成し、さらに、その上部に、層間絶縁膜IL1を形成した後、層間絶縁膜IL1中にプラグ(接続部)P1を形成する。
次いで、層間絶縁膜IL1中のプラグP1上に配線M1を形成する。例えば、ダマシン技術(ここではシングルダマシン技術)を用いて配線M1を形成する。具体的には、層間絶縁膜IL1上に、溝用絶縁膜IL11を形成し、この溝用絶縁膜IL11中に配線溝を形成した後、配線溝の内部に導電性膜を埋め込むことにより配線M1を形成する。配線M1を構成する導電性膜としては、W、Al、Cuなどの金属を主成分とする膜を用いることができる。
次いで、実施の形態4の場合と同様に、配線M1上に下部電極LEを形成し、次いで、下部電極LE上に開口部OAを有する絶縁膜IF1を形成する。次いで、開口部OA上に、抵抗変化層VRを形成する。例えば、開口部OA内を含む絶縁膜IF1上に、Ta膜をスパッタリング法で堆積する。次いで、プラズマ酸化処理を行い、Ta膜を酸化し、化学量論的組成であるTa膜を形成する。次いで、抵抗変化層VR上に、上部電極UE(酸素引き抜き層、酸化防止層および主電極層)を形成し、上部電極UEおよび抵抗変化層VRをパターニングすることにより、抵抗変化素子RMを形成する。
この後、実施の形態4の場合と同様にして、抵抗変化層VR上に、絶縁膜(カバー絶縁膜)IF2および層間絶縁膜IL2を順次堆積し、層間絶縁膜IL2および絶縁膜IF1、IF2中にプラグP2を形成する。次いで、プラグP2が埋め込まれた層間絶縁膜IL2上に、ダマシン技術を用いて配線M2を形成する。ここでは、ダマシン法で配線を形成したが、パターニングにより配線M1、M2および配線M1より上層の配線を形成してもよい。
(応用例2)
実施の形態4(図7)においては、プラグP1のほぼ真上に、開口部OAを配置したが、開口部OAをプラグP1上からずらして配置してもよい。
[構造説明]
図20は、本実施の形態の応用例2の半導体記憶装置の構成を示す断面図である。
選択トランジスタは、実施の形態4と同様の構造である。即ち、選択トランジスタは、基板(p型ウエルPW)Sの主表面のうち、素子分離領域STで区画された領域上に設けられ、ゲート絶縁膜GIを介して形成されたゲート電極GEおよびゲート電極GEの両側の基板(p型ウエルPW)S中に設けられたソース、ドレイン領域SDを有する。ソース、ドレイン領域SDは、LDD構造を有する。選択用トランジスタのソース、ドレイン領域SD上には、プラグP1が配置されている。このうち、一方のプラグP1は、抵抗変化素子RMの下部電極LEに接続されている。また、他方のプラグP1は、プラグP2と接続されている。配線M1は、溝用絶縁膜IL3中に埋め込まれている。
プラグP1上には、下部電極LEと、抵抗変化層VRと、上部電極UEとを有する抵抗変化素子RMが形成される。このうち、下部電極LEは、プラグP1上から一の方向(ここでは、ゲート電極GE側)へ延在するように形成される。この下部電極LEは、導電性材料よりなり、例えば、Ruよりなる。下部電極LE上には、開口部OAを有する絶縁膜IF1が形成されている。そして、開口部OAは、プラグP1上からずれて配置されている。開口部OA上には、実施の形態4の場合と同様に、抵抗変化層VRおよび上部電極UEが形成されている。
このように、抵抗変化素子RMの抵抗変化領域を規定する開口部OAを、プラグP1上からずらして配置することで、抵抗変化領域に対するプラグP1に起因する段差の影響を回避することができる。例えば、プラグP1の表面にシーム(窪み)などが形成された場合、その上の下部電極LEの表面にもシームに対応した窪みが生じる。このように、下部電極LEの平坦性が損なわれる。このような平坦性の低い領域上に、抵抗変化層VRおよび上部電極UEを順次形成すると、抵抗変化素子の動作の安定性や均一性が損なわれる。これに対し、本応用例のように、開口部OAをプラグP1上からずらして配置し、抵抗変化領域とすることで、抵抗変化素子の動作の安定性や均一性を向上させることができる。また、もちろん、エッチング時にダメージが加わり、また、Ru濃度の変化が生じ易い抵抗変化層VRの端部を避けて、開口部OAにより、抵抗変化素子RMの抵抗変化領域を規定することで、ON特性などの素子特性のばらつきを低減することができる。
上記上部電極UEは、導電性材料よりなり、例えば、Wよりなる。また、抵抗変化層VRは、実施の形態1の場合と同様に、遷移金属酸化物TMO中に金属Mが分散した構成よりなる。このように、遷移金属酸化物TMO中に金属Mを含有させることで、実施の形態1等で詳細に説明したように、OFF固着を抑制し、ON特性を向上させることができる。
プラグP1および上部電極UE上には、実施の形態4と同様に、プラグP2が配置され、プラグP2上に、配線M1が配置されている。
このように、本応用例の半導体記憶装置によれば、実施の形態4で説明した効果に加え、以下の効果を奏する。即ち、本応用例によれば、開口部OAをプラグP1上からずらして配置することで、抵抗変化素子の動作の安定性や均一性を向上させることができる。
[製法説明]
プラグP1の形成工程までは、実施の形態4の場合と同様である。即ち、半導体よりなる基板(p型ウエルPW)Sの主表面に、選択用トランジスタを形成し、さらに、その上部に、層間絶縁膜IL1を形成した後、層間絶縁膜IL1中にプラグ(接続部)P1を形成する。
次いで、層間絶縁膜IL1中のプラグP1上に下部電極LEを形成する。この際、下部電極LEを、プラグP1上から一の方向(ここでは、ゲート電極GE側)へ延在するようにパターニングする。言い換えれば、下部電極LEの一端側にプラグP1が配置し、下部電極LEの他端側に後述の開口部OA形成領域を設ける。次いで、下部電極LE上に絶縁膜IF1を形成し、下部電極LEの他端側の絶縁膜IF1を除去することにより、開口部(メモリホールともいう)OAを形成する。次いで、開口部OA上に、抵抗変化層VRを形成する。例えば、開口部OA内を含む絶縁膜IF1上に、Ta膜をスパッタリング法で堆積する。次いで、プラズマ酸化処理を行い、Ta膜を酸化し、化学量論的組成であるTa膜を形成する。次いで、抵抗変化層VR上に、上部電極UE(酸素引き抜き層、酸化防止層および主電極層)を形成し、上部電極UEおよび抵抗変化層VRをパターニングすることにより、抵抗変化素子RMを形成する。
この後、実施の形態4の場合と同様にして、抵抗変化層VR上に、絶縁膜(カバー絶縁膜)IF2および層間絶縁膜IL2を順次堆積し、層間絶縁膜IL2および絶縁膜IF2中にプラグP2を形成する。次いで、プラグP2が埋め込まれた層間絶縁膜IL2上に、ダマシン技術などを用いて配線M1を形成する。
(応用例3)
応用例2(図20)においては、隣り合う抵抗変化層VR上にそれぞれプラグP2を配置したが、2つの抵抗変化素子の上部電極UEを繋げ、2つの抵抗変化素子に接続する大面積の上部電極UEとし、この上にプラグP2を配置してもよい。
[構造説明]
図21は、本実施の形態の応用例3の半導体記憶装置の構成を示す断面図である。
選択トランジスタは、実施の形態4と同様の構造である。即ち、選択トランジスタは、基板(p型ウエルPW)Sの主表面のうち、素子分離領域STで区画された領域上に設けられ、ゲート絶縁膜GIを介して形成されたゲート電極GEおよびゲート電極GEの両側の基板(p型ウエルPW)S中に設けられたソース、ドレイン領域SDを有する。ソース、ドレイン領域SDは、LDD構造を有する。選択用トランジスタのソース、ドレイン領域SD上には、プラグP1が配置されている。このうち、一方のプラグP1は、抵抗変化素子RMの下部電極LEに接続されている。また、他方のプラグP1は、プラグP2と接続されている。配線M1は、溝用絶縁膜IL11中に埋め込まれている。
図21において、素子分離領域STを挟んで対称に配置されている2つの選択トランジスタについて、それぞれ、素子分離領域ST側のソース、ドレイン領域SD上には、プラグP1が配置されている。この2つのプラグP1上には、下部電極LEと、抵抗変化層VRと、上部電極UEとを有する抵抗変化素子RMが形成されるが、抵抗変化層VRおよび上部電極UEについては、2つの抵抗変化素子(セル、ユニットセル)分が繋がるように配置されている。
例えば、素子分離領域STの両側のプラグP1上には、それぞれ、下部電極LEが配置される。この下部電極LEは、応用例2の場合と同様に、プラグP1上から一の方向(ここでは、ゲート電極GE側)へ延在するように形成される。この下部電極LEは、導電性材料よりなり、例えば、Ruよりなる。
そして、2つの下部電極LE上には、絶縁膜IF1が形成され、それぞれの下部電極LE上の絶縁膜IF1が除去され、開口部OAが形成されている。そして、この開口部OA間を繋ぐように、抵抗変化層VRおよび上部電極UEの積層部が配置されている。そして、2つの下部電極LEと抵抗変化層VRを介して対向するように配置された上部電極UE上には、1つのプラグP2が配置されることとなる。
このように、2つの抵抗変化素子の上部電極UEを繋げ、上部電極UEを2つの抵抗変化素子(セル、ユニットセル)で共有することで、メモリセルアレイの面積を縮小化することができる。また、メモリセルアレイを高集積化することができる。なお、本応用例においては、上部電極UEを2つの抵抗変化素子で共有したが、3以上の抵抗変化素子で共有してもよい。
また、本応用例においても、応用例2の場合と同様に、開口部OAをプラグP1上からずらして配置したので、抵抗変化素子の動作の安定性や均一性を向上させることができる。
上記上部電極UEは、導電性材料よりなり、例えば、Wよりなる。また、抵抗変化層VRは、実施の形態1の場合と同様に、遷移金属酸化物TMO中に金属Mが分散した構成よりなる。このように、遷移金属酸化物TMO中に金属Mを含有させることで、実施の形態1等で詳細に説明したように、OFF固着を抑制し、ON特性を向上させることができる。また、本実施の形態の抵抗変化素子RMにおいても、下部電極LEと、抵抗変化層VRとの間には、開口部OAを有する絶縁膜IF1が形成されている。このように、エッチング時にダメージが加わり、また、Ru濃度の変化が生じ易い抵抗変化層VRの端部を避けて、開口部OAにより、抵抗変化素子RMの抵抗変化領域を規定することで、ON特性などの素子特性のばらつきを低減することができる。
プラグP2は、プラグP1上にも配置され、プラグP2上には、実施の形態4と同様に配線M1が配置されている。
このように、本応用例の半導体記憶装置によれば、応用例2で説明した効果に加え、以下の効果を奏する。即ち、本応用例によれば、上部電極UEを複数の抵抗変化素子で共有することで、メモリセルアレイの面積を縮小化することができる。また、メモリセルアレイを高集積化することができる。
[製法説明]
プラグP1の形成工程までは、実施の形態4の場合と同様である。即ち、半導体よりなる基板(p型ウエルPW)Sの主表面に、選択用トランジスタを形成し、さらに、その上部に、層間絶縁膜IL1を形成した後、層間絶縁膜IL1中にプラグ(接続部)P1を形成する。
次いで、層間絶縁膜IL1中のプラグP1上に、応用例2の場合と同様にして、下部電極LEを形成する。即ち、下部電極LEを、プラグP1上から一の方向(ここでは、ゲート電極GE側)へ延在するようにパターニングする。言い換えれば、下部電極LEの一端側にプラグP1が配置し、下部電極LEの他端側に後述の開口部OA形成領域を設ける。次いで、下部電極LE上に絶縁膜IF1を形成し、下部電極LEの他端側の絶縁膜IF1を除去することにより、開口部(メモリホールともいう)OAを形成する。
次いで、開口部OA上に、抵抗変化層VRを形成する。例えば、開口部OA内を含む絶縁膜IF1上に、Ta膜をスパッタリング法で堆積する。次いで、プラズマ酸化処理を行い、Ta膜を酸化し、化学量論的組成であるTa膜を形成する。次いで、抵抗変化層VR上に、上部電極UE(酸素引き抜き層、酸化防止層および主電極層)を形成し、上部電極UEおよび抵抗変化層VRをパターニングする。この際、2つの開口部OA間を繋ぐように上部電極UEおよび抵抗変化層VRをパターニングする。
この後、実施の形態4の場合と同様にして、抵抗変化層VR上に、絶縁膜(カバー絶縁膜)IF2および層間絶縁膜IL2を順次堆積し、層間絶縁膜IL2および絶縁膜IF1、IF2中にプラグP2を形成する。この際、2つの抵抗変化素子(セル)で共有する上部電極UE上には、1つのプラグP2を形成すればよい。次いで、プラグP2が埋め込まれた層間絶縁膜IL2上に、ダマシン技術などを用いて配線M1を形成する。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、応用例1のプラグP1とプラグP2との間の配線構造を応用例2や応用例3に適用してもよい。また、応用例3の複数の抵抗変化素子(セル)で共有する上部電極UEの構造を実施の形態4に適用してもよい。
GE ゲート電極
GI ゲート絶縁膜
IF1 絶縁膜
IF2 絶縁膜
IL1 層間絶縁膜
IL11 溝用絶縁膜
IL2 層間絶縁膜
IL3 溝用絶縁膜
LE 下部電極
M 金属
M1 配線
M2 配線
OA 開口部
ODL 酸素引き抜き層
OPL 酸化防止層
P1 プラグ
P2 プラグ
PW p型ウエル
RM 抵抗変化素子
S 基板
SD ソース、ドレイン領域
SIL 金属シリサイド膜
ST 素子分離領域
SW サイドウォール膜
TMO 遷移金属酸化物
UC ユニットセル
UE 上部電極
VR 抵抗変化層

Claims (23)

  1. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に配置された抵抗変化層と、
    を有し、
    前記抵抗変化層は、第1金属の酸化物層と、前記第1金属の酸化物層中に含まれている第2金属と、を有し、
    前記第1金属は、遷移金属であり、
    前記第2金属は、前記第1金属の酸化物のバンドギャップ内に電子準位を形成する金属である、半導体記憶装置。
  2. 請求項1記載の半導体記憶装置において、
    前記第1金属の酸化物層は、Ta、ZrOおよびHfOのうち、少なくとも1つを含有する、半導体記憶装置。
  3. 請求項2記載の半導体記憶装置において、
    前記第2金属は、Ru、Re、Ir、OsおよびNbから選択されるものである、半導体記憶装置。
  4. 請求項3記載の半導体記憶装置において、
    前記第2金属の含有量は、前記第1金属の酸化物層中の前記第1金属の1〜20atomic%である、半導体記憶装置。
  5. 請求項1記載の半導体記憶装置において、
    前記第1電極上に、前記抵抗変化層が配置され、
    前記第1電極は、前記第2金属を含有する、半導体記憶装置。
  6. 請求項5記載の半導体記憶装置において、
    前記第1金属の酸化物層中に含まれている前記第2金属は、前記第1電極から拡散したものである、半導体記憶装置。
  7. 請求項1記載の半導体記憶装置において、
    前記第2電極と前記抵抗変化層との間に、第3金属層を有し、
    前記第3金属層は、Ta、Ti、ZrおよびHfのうち、少なくとも1つを含有する、半導体記憶装置。
  8. 請求項7記載の半導体記憶装置において、
    前記第2電極と前記第3金属層との間に、第4金属の化合物層を有し、
    前記第4金属の化合物層は、導電性を有する、半導体記憶装置。
  9. 請求項8記載の半導体記憶装置において、
    前記第4金属の化合物層は、TaN、TiNおよびWNから選択されるものである、半導体記憶装置。
  10. 請求項1記載の半導体記憶装置において、
    前記第2電極と前記抵抗変化層との間に、前記第1金属の酸化物層より酸素量が少ない層を有する、半導体記憶装置。
  11. 請求項10記載の半導体記憶装置において、
    前記第2電極と前記第1金属の酸化物層より酸素量が少ない層との間に、第4金属の化合物層を有し、
    前記第4金属の化合物層は、導電性を有する、半導体記憶装置。
  12. 請求項11記載の半導体記憶装置において、
    前記第4金属の化合物層は、TaN、TiNおよびWNから選択されるものである、半導体記憶装置。
  13. 請求項5記載の半導体記憶装置において、
    前記第1電極と前記抵抗変化層との間に、開口部を有する絶縁膜を有し、
    前記第1電極と前記抵抗変化層とは、前記絶縁膜の前記開口部において接している、半導体記憶装置。
  14. MISFETと抵抗変化素子とを有し、
    前記MISFETは、
    半導体基板上にゲート絶縁膜を介して配置されたゲート電極と、
    前記ゲート電極の両側の前記半導体基板中に形成されたソース、ドレイン領域と、を有し、
    前記抵抗変化素子は、
    第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に配置された抵抗変化層と、を有し、
    前記抵抗変化層は、第1金属の酸化物層と、前記第1金属の酸化物層中に含まれている第2金属と、を有し、
    前記第1金属は、遷移金属であり、
    前記第2金属は、前記第1金属の酸化物のバンドギャップ内に電子準位を形成する金属であり、
    前記第1電極は、前記ソース、ドレイン領域と電気的に接続されている、半導体記憶装置。
  15. (a)半導体基板の上方に、第1電極を形成する工程、
    (b)前記第1電極上に、第1金属の酸化物層と、前記第1金属の酸化物層中に含まれている第2金属と、を有する抵抗変化層を形成する工程、
    (c)前記抵抗変化層上に、第2電極を形成する工程、
    を有し、
    前記第1金属は遷移金属であり、
    前記第2金属は、前記第1金属の酸化物のバンドギャップ内に電子準位を形成する金属である、半導体記憶装置の製造方法。
  16. 請求項15記載の半導体記憶装置の製造方法において、
    前記(b)工程で形成される抵抗変化層を構成する前記第1金属の酸化物層は、Ta、ZrOおよびHfOのうち、少なくとも1つを含有する、半導体記憶装置の製造方法。
  17. 請求項16記載の半導体記憶装置の製造方法において、
    前記(b)工程で形成される抵抗変化層中の前記第2金属は、Ru、Re、Ir、OsおよびNbから選択されるものである、半導体記憶装置の製造方法。
  18. 請求項17記載の半導体記憶装置の製造方法において、
    前記第2金属の含有量は、前記第1金属の酸化物層中の前記第1金属の1〜20atomic%である、半導体記憶装置の製造方法。
  19. 請求項18記載の半導体記憶装置の製造方法において、
    前記(a)工程は、前記第2金属を含有する前記第1電極を形成する工程であり、
    前記(b)工程は、
    (b1)前記第1電極上に、前記第1金属を堆積する工程、
    (b2)前記第1金属をプラズマ酸化することにより前記第1金属の酸化物層を形成し、前記第1電極中の前記第2金属を前記第1金属の酸化物層中に拡散させる工程、を有する、半導体記憶装置の製造方法。
  20. 請求項15記載の半導体記憶装置の製造方法において、
    前記(b)工程と前記(c)工程との間に、
    (d)前記抵抗変化層上に、第3金属層または前記第1金属の酸化物層より酸素量が少ない層を形成する工程を有する、半導体記憶装置の製造方法。
  21. 請求項20記載の半導体記憶装置の製造方法において、
    前記(d)工程と前記(c)工程との間に、
    (e)前記第3金属層または前記第1金属の酸化物層より酸素量が少ない層上に、第4金属の化合物層を形成する工程を有し、
    前記第4金属の化合物層は、TaN、TiNおよびWNから選択されるものである、半導体記憶装置の製造方法。
  22. 請求項15記載の半導体記憶装置の製造方法において、
    前記(a)工程と前記(b)工程との間に、(f)工程を有し、
    前記(f)工程は、
    (f1)前記第1電極上に、絶縁膜を形成する工程、
    (f2)前記絶縁膜に、前記第1電極を露出する開口部を形成する工程、を有し、
    前記(b)工程は、前記第1電極および前記開口部上に、前記抵抗変化層を形成する工程である、半導体記憶装置の製造方法。
  23. 請求項15記載の半導体記憶装置の製造方法において、
    前記(a)工程の前に、
    (g)前記半導体基板上に、MISFETを形成する工程を有し、
    前記(a)工程の前記第1電極は、前記MISFETのソース、ドレイン領域と電気的に接続されるように形成される、半導体記憶装置の製造方法。
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