JP2016008038A - 船舶用自動操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ログ速度計を用いることなく航路制御を実現する。
【解決手段】船体の参照方位及び参照位置を出力する軌道計画部と、センサで検出された船体の方位および位置から船体の方位と位置とを参照方位及び参照位置に追従させるべく命令舵角を出力するフィードバック制御部と、を備えた船舶用自動操舵装置において、フィードバック制御部は、方位制御ループを構成する方位制御系フィードバックゲイン器と、方位制御ループを含む航路制御ループを構成する航路制御系フィードバックゲイン器とを備え、航路制御系フィードバックゲイン器は、sをラプラス演算子、Kを航路ゲイン、Kを積分ゲインとして、
Figure 2016008038

で表され、航路ゲイン及び積分ゲインは、互いに異なる減衰係数に基づくことを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、航路制御システムの船舶用自動操舵装置に関する。
船舶用自動操舵装置は、舵角を制御して参照方位に船首方位を追従させる方位制御システム(HCS:Heading Control System)と、舵角を制御して計画航路に船体位置を追従させる航路制御システム(TCS:Track Control System)とに分けられる。
方位制御システムにより運航を実施する場合、船体を航路から離れさせる、主に潮流などの外乱成分が作用することに起因して、航路に船体を追従させるために適宜変針を繰り返す必要がある。また、このような変針を繰り返すことによって、結果として運航距離が増加し、したがって、運航における省エネ、省コスト、時間削減の実現が阻害される。
一方、方位制御システムと比較して運航に掛かるコストを低減することができる航路制御システムは、コンパス、衛星測位システム(GNSS)からの船体位置を検出するGNSSセンサ、ログ速度計などの航海センサが装備される比較的大型の船に適用される。また、省エネ航海の需要が高まっているため、小型または中型の船についても、航路制御システムによる運航が求められている。
また、航路制御システムに関連する技術として、状態推定器を、方位誤差系を基礎とした方位制御系推定器と、航路誤差系を基礎とした航路制御系推定器とに分離して構成し、航路制御系推定器において、航路誤差系の状態量及び推定潮流ベクトルを推定する船舶用自動操舵装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2009−248896号公報
しかしながら、中型または小型の船においては、航路制御システムに必要とされる航海センサのうち、コンパス、GNSSセンサは標準装備されるが、ログ速度計については、その設置のために船底を加工する必要があることから、装備するにあたって船体の大きさに見合わない費用が掛かるため、必ずしも装備されない。つまり、ログ速度計が装備されない船においては、航路制御システムによる運航が実現できない、という問題があった。
本発明の実施形態は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ログ速度計を用いることなく航路制御を実現することができる船舶用自動操舵装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本実施形態の船舶用自動操舵装置は、船体の参照方位及び参照位置を出力する軌道計画部と、センサで検出された船体の方位および位置から船体の方位と位置とを前記参照方位及び前記参照位置に追従させるべく命令舵角を出力するフィードバック制御部と、を備えた船舶用自動操舵装置において、前記フィードバック制御部は、方位制御ループを構成する方位制御系フィードバックゲイン器と、前記方位制御ループを含む航路制御ループを構成する航路制御系フィードバックゲイン器とを備え、前記航路制御系フィードバックゲイン器は、sをラプラス演算子、Kを航路ゲイン、Kを積分ゲインとして、
Figure 2016008038
で表され、前記航路ゲイン及び前記積分ゲインは、互いに異なる減衰係数に基づくことを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、ログ速度計を用いることなく航路制御を実現することができる。
船舶用自動操舵装置と制御対象の全体のブロック図である。 フィードバック制御部の構成を示すブロック図である。 フィードバック制御部の詳細構成を示すブロック図である。 航路制御システムで用いる座標系を示す図である。 方位制御ループ及び航路制御ループを示すブロック図である。 航路ゲインKに関する3次式の根軌跡を示すグラフである。 減衰係数ζの特性根を示すグラフである。 積分特性の根軌跡を示すグラフである。 潮流修正なし、且つ積分動作なしとした場合のシミュレーション結果を示す図である。 潮流修正なし、且つ積分動作ありとした場合のシミュレーション結果を示す図である。 潮流修正あり、且つ積分動作なしとした場合のシミュレーション結果を示す図である。 潮流修正あり、且つ積分動作ありとした場合のシミュレーション結果を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以降の説明において、各記号は、変数、修飾、添字として、以下の表のように定義される。
Figure 2016008038
Figure 2016008038
Figure 2016008038
1. 船舶用自動操舵装置の構成
まず、本発明の船舶用自動操舵装置を含むシステムについて説明する。図1は、船舶用自動操舵装置と制御対象の全体のブロック図である。図2は、フィードバック制御部の構成を示すブロック図である。図3は、フィードバック制御部の詳細構成を示すブロック図である。
図1に示すように、船舶用自動操舵装置1は、計画航路に船体位置を追跡させるために舵を制御する装置であり、軌道計画部11、軌道航路誤差演算部12、フィードバック制御部13、加算器14及び各パラメータを同定する図示しない同定器を備えている。誘導システム2から計画航路が軌道計画部11に入力され、軌道計画部11からは参照方位ψ、参照位置x、yといった参照信号及び変針中にはフィードフォワード舵角δFFが出力される。
船体3のセンサ類4は、船体3の船首方位ψを検出するジャイロコンパス、GPS等の衛星測位システム(GNSS)からの船体位置(x,y)を検出するGNSSセンサを含む。
軌道航路誤差演算部12には、船首方位ψ、船体位置(x,y)等のセンサ類4からの検出信号が入力され、軌道航路誤差演算部12は、参照方位ψ、参照位置x、yと、検出信号との比較を行い方位誤差ψ、航路誤差x,y等を出力する。
船舶用自動操舵装置1の閉ループ系は、船体モデルと外乱モデルとからなる制御対象と、フィードバック制御部13とから構成される。フィードバック制御部13は、図2に示すように、推定器131と制御系フィードバックゲイン器132とを備える。推定器131には、軌道航路誤差演算部12からの方位誤差ψ、航路誤差x、yが入力される。
推定器131は、図3に示すように、方位制御系推定器131A、航路制御系推定器131Bを備える。方位制御系推定器131Aは、方位誤差の推定を行い、外乱が除去された推定方位誤差ψ^、推定旋回角誤差r^といった方位に関する状態量の推定値を出力する。航路制御系推定器131Bは、横方向の推定航路誤差y^といった航路に関する状態量の推定値を出力する。
制御系フィードバックゲイン器132は、方位制御系フィードバックゲイン器132Aと航路制御系フィードバックゲイン器132Bとを備える。方位制御系フィードバックゲイン器132Aは、推定方位誤差ψ^、推定旋回角誤差r^に対してフィードバックゲインとして方位制御ゲインを掛ける。航路制御系フィードバックゲイン器132Bは、推定航路誤差y^に対してフィードバックゲインとして航路制御ゲインを掛ける。方位制御系フィードバックゲイン器132Aと航路制御系フィードバックゲイン器132Bによる結果が加算されてフィードバック舵角δFBが出力される。
船体3の操舵機は、上述した構成による船舶用自動操舵装置1による命令舵角δに比例した舵角を動かすため、船体3は、舵角によって旋回角速度を生じ、方位、位置が変化する。また旋回角速度の発生と共に、斜航角(横方向速度)が発生する。
2. 定式化
2.1 座標系
ここで、航路座標系について説明する。図4は、航路制御システムで用いる座標系を示す図である。
図4に示すように、航路制御システムで用いる座標系は、対地座標系(局地水平座標系)O−XYとボディ座標系G−Xからなり、いずれも右手系3軸直交座標系である。座標系においてZ軸は重力方向を正とし、回転極性は右ねじ方向を正とする。なお、座標系はX軸、Y軸の2次元を用いるため、図4においてZ軸は省略される。また、対地座標系はX軸を北向きにとり、ボディ座標系はX軸を船首方位にとる。また、図4において、uはsurge速度、vはsway速度、rは旋回角速度、ψは船首方位、u,vは対水速度、βは斜航角を示す。
2.2 船体モデルと制御システム
次に、船体モデルと制御システムについて説明する。図5は、方位制御ループ及び航路制御ループを示すブロック図である。
図5に示すように、上述した船舶用自動操舵装置1による制御システムにおいて、航路制御ループは方位制御ループを含む構成をもつ。なお、図5において、簡単化のため、参照方位ψと設定航路yをゼロにおく。船体モデルを次式と定める。
Figure 2016008038
ここで、K:旋回力ゲイン、K:横流れゲイン、T,Tr3,T=T,Tv3=0:時定数。潮流成分は対地座標で
Figure 2016008038
に定める。
方位誤差と航路誤差を導出する。図5に示すように、線形化した場合は、
Figure 2016008038
になる。ここで、F(s)=Ks+K:方位フィードバック,K:微分ゲイン、K:比例ゲイン、F(s):航路制御ゲイン、γ:修正項。
方位と航路の伝達特性を導出する。(4),(5)式より
Figure 2016008038
になる。ここで
Figure 2016008038
(7),(9)式より
Figure 2016008038
になる。方位の伝達特性は、(6)式の右辺に、(4),(8)式を代入すると、
Figure 2016008038
になり、上式に(11)式を代入すると
Figure 2016008038
となる。一方、航路の伝達特性は、(11)式に(12)式を代入すると、
Figure 2016008038
となる。(13)、(14)式において、左辺の係数は同じであるが、右辺の係数が異なる。
2.3 定常誤差
次に、定常誤差を求める。なお、閉ループ系は安定とし、参照方位ψ=0,設定航路y=0とし、航路フィードバックに積分制御がない場合、F(s)=Kとする。
方位誤差ψ=ψ−ψを(13)式から、航路誤差y=y−yを(14)式から求めると、定常誤差は、それぞれ、
Figure 2016008038
となる。方位誤差は斜航角をもち、航路誤差は修正量
Figure 2016008038
を用いる。ここで、δor^(0)は方位制御系推定器131Aにより求められる。また、v^(0)+v^(0)は、一般的に、航路制御において、ログ速度計により得られる対水ログを用いた潮流推定により求められる。この潮流推定は船体位置の移動速度から求められるため、風や船体の不釣合いによる移動速度を分離できずに含み、したがって、潮流修正は航路誤差をゼロに収斂できる。
一方、航路フィードバックに積分制御がある場合、
Figure 2016008038
として、積分制御がない場合と同様に方位誤差及び航路誤差を求めると、それぞれ
Figure 2016008038
となり、方位誤差は斜航角をもつが、航路誤差はγ(0)を用いなくともゼロに収斂し、したがって、航路保針には、潮流推定とその修正に代えて、積分ゲインKを用いることが有効であることがわかる。
3. 航路ゲイン
3.1 航路ゲインの計算方法
航路ゲインKの計算方法について説明する。航路制御、方位制御のそれぞれについて、閉ループの特性多項式D(s)、D(s)は、(13)、(14)及び(18)式より、
Figure 2016008038
になる。ここでζ=1/√2。設計する特性多項式は、
Figure 2016008038
になる。(21)式、(24)式の係数を比較すると、
Figure 2016008038
になる。上式をωに関して解くと、3次方程式
Figure 2016008038

を得る。上式のωは設計パラメータζを与えれば、3次式の代数解より求まり、係数a、航路ゲインKは順に、
Figure 2016008038
として求まる。
3.2 設計パラメータζの設定
設計パラメータのζ設定方法について説明する。図6は、航路ゲインKに関する3次式の根軌跡を示すグラフである。図7は、減衰係数ζの特性根を示すグラフである。なお、図6(a)は根軌跡を広範囲に示し、図6(b)、図7(a)及び図7(b)は根軌跡における原点付近を拡大して示す。また、図6及び図7において、ゼロ点がある場合の根軌跡は実線により示され、ゼロ点がない場合の根軌跡は破線により示される。
まず、設計パラメータζについて、ゼロ点の有無の影響から調べる。航路制御ループはsway運動から起点したゼロ点をもつ。ゼロ点に関する特性多項式は、(21)式から
Figure 2016008038
になる。ここで、z:ゼロ点。上式による航路ゲインKに関する根軌跡において、共役根は極から移動し、図6(a)に示すように、ゼロ点がない場合に漸近線±60度に収束し、ゼロ点がある場合にゼロ点と正の値に向かう。一方、図6(b)に示すように、ゼロ点がある場合、共役根は、ゼロ点がない場合に比べて下方側に配置する。(21)式において、Kに関する特性根の感度を求めるために、Kに関して微分すると、
Figure 2016008038
になる。感度はKに関するsの微係数に相当し、
Figure 2016008038
になる。ここでz:ゼロ点。また、
Figure 2016008038
=0である極での感度を求める。極は方位制御ループの根に相当し、その共役根を
Figure 2016008038
に選ぶ。ここで減衰係数ζr1=ζと偏角θr1との関係は
Figure 2016008038
で与えられる。rを(30)式に代入すると
Figure 2016008038
になる。ここで極においてK=0のため項KC=0となり、次式の関係を用いる。
Figure 2016008038
よって、極での感度は(29)式より
Figure 2016008038
になる。上式において、係数は−C>0より正になり、偏角θが分かれば、航路ゲインによる感度変化量を把握できる。そのためN(s)|s=r1の偏角θ角をゼロ点の影響を通して調べる。(34)式より
Figure 2016008038
になる。ここでz=−∞は(28)式のゼロ点なしの場合に相当する。θは上式からゼロ点の存在により3π/4<θ<πになる。このとき感度の偏角は
Figure 2016008038
になる。ゼロ点は−∞<z<0の範囲であるから、極での偏角は−90<θ<−45degで、−45度より下向きになる。感度は極rの位置変化の割合であり、位置変化は航路ゲインを微小として
Figure 2016008038
になる。なお、上式はΔKが微小である場合に有効なため、ΔKが大きくなる場合は(21)式を解く必要がある。よって、極rから航路ゲイン変化ΔKでの偏角はθ’r1>θr1=135[deg]になり、その減衰係数ζ’>ζ=1/√2になる。ΔKが大きくなるに従い、図6(b)に示すように、ζ’は最大値に達し、その後減少する。この過程で減衰係数ζ’はζ’=ζに一致する場合を生じる。ここで、ζの相対評価を以下の表に示す。
Figure 2016008038
航路ゲインの設計パラメータである減衰係数は、表4に示した減衰係数のうち、最もバランスの良い中間値ζ=ζを設定する。
4. 積分ゲイン
4.1 積分ゲインの計算方法
積分ゲインの計算方法を説明する。閉ループの特性多項式D(s)、D(s)は、(13)、(14)及び(18)式より
Figure 2016008038
になる。ここで
Figure 2016008038
また、D(s)を
Figure 2016008038
と書き直す。ここで
Figure 2016008038
4.2 積分ゲインの安定範囲
積分ゲインの安定範囲について説明する。本実施の形態において、積分ゲインはフルビッツの安定判別法に基づいて求める。したがって、以下に詳述するステップ1からステップ3までの条件を満足する積分ゲインの範囲を求める。なお、この安定判別法において、3次方程式の場合
Figure 2016008038
を用い、4次方程式の場合
Figure 2016008038
ステップ1として、係数が正の条件より、K>0を得る。
ステップ2として、H>0より、K>0を得る。
Figure 2016008038
上式より
Figure 2016008038
ステップ3として、H>0より、Kを求める。
Figure 2016008038
ここで、
Figure 2016008038
上式より、Kに関する2次不等式
Figure 2016008038
を得る。ここで
Figure 2016008038
上式はa>0より下に凸になり、b>0より1つの根は負になる。よって積分ゲインKは、
Figure 2016008038
の範囲になる。なお、数値検証によりcの絶対値はa、bに比べて小さいため
Figure 2016008038
のように近似でき、概算値が求まる。
4.3 積分ゲインの設定方法
積分ゲインの設定方法について説明する。積分ゲインは閉ループ安定性を主に、外乱除去性を従に考慮し、航路ゲインと同様に船体および制御の各パラメータから求める。ここで外乱除去性は外乱を抑制するまでの応答時間を意味する。また、積分ゲインに比例して閉ループ安定性が低下することに起因して、応答時間を早めるにしたがって過渡現象が大きくなる傾向がある。積分要素の導入によって3次式から4次式になり、新たに派生した原点付近の共役根の減衰係数に着目し、減衰係数に設計パラメータを一致させる積分ゲインを以下のように計算する。図8に積分特性の根軌跡を示す。
(50)式の積分ゲインKの安定限界を(50)式から
Figure 2016008038
に定める。ここで安定限界とは、(42)式の特性根で共役根が虚軸上に配置する状態または減衰係数がゼロになる状態である。この(42)式に航路ゲイン
Figure 2016008038

を与えると
Figure 2016008038
のように因数分解できる。ここでCKi:積分ゲイン係数、添字Kt:航路ゲインから派生したもの、添字Ki:積分ゲインから派生したもの、ζKt≠ζであり、便宜上、添字にを付ける。
設計パラメータまたは仕様は、共役根の減衰係数を
Figure 2016008038

と定める。上式が1に近いほど閉ループ安定性が高く、且つ外乱除去性は弱くなり、0に近いほど逆の特性となる。なお、上式については、後述する有効性の確認において検証する。また、仕様を満足する積分ゲインは、以下に説明する2つのステップから求められる。
まず、ステップ1として、粗い探索により、仕様を挟む積分ゲインKijを求める。(53)式のCKiを、区間[0.05,1.0]として、対数的に等間隔に分割する対数分布を用いて、7つに分割すると
Figure 2016008038
になる。Kijの範囲は上式に対応する(54)式のζKijから
Figure 2016008038
になる。ここでζKi0=1。
次に、ステップ2として、細かい探索により、仕様に一致する積分ゲインを求める。ステップ1から仕様を挟む積分ゲインの下限値と上限値が与えられる。減衰係数の誤差は偏差の2乗和
Figure 2016008038
によって定める。上式はKを変数として(54)式のζKiを、1変数による最小値問題を効率良く計算する黄金分割探索により求める。
5. 有効性の確認
本実施の形態に係る船舶用自動操舵装置の航路制御により、航路誤差をゼロに収束させることを、潮流修正の有無、航路制御ゲインにおける積分動作の有無の比較に基づいて、シミュレーションによって確認する。図9は、潮流修正なし、且つ積分動作なしとした場合のシミュレーション結果を示す図である。図10は、潮流修正なし、且つ積分動作ありとした場合のシミュレーション結果を示す図である。図11は、潮流修正あり、且つ積分動作なしとした場合のシミュレーション結果を示す図である。図12は、潮流修正あり、且つ積分動作ありとした場合のシミュレーション結果を示す図である。
シミュレーションの条件は、船体パラメータ:u=5.14[m/s],K=0.0785[1/s],K=−4.73[m/s],T=T=83.5[s],Tr3=4.5[s],Tv3=0[s]。潮流成分:U=2.57[m/s],ψ=0[deg],舵角オフセット:δor(0)=δov(0)=0deg。制御システム(添字:ノミナル値):パラメータ初期値:Krn=0.0267[1/s],Kvn=−2.67[m/s],Trn=Tvn=36.1[s],Tr3n=3.6[s],Tv3n=0[s]。制御ゲイン:K=1.5,K=22.7[s],K=0.00197m/s,K=0.00275。初期方位:40[deg],変針量:100[deg],終端方位:140[deg]とする。
図9に示すように、潮流修正なし、且つ積分動作なしとした場合、図11及び図12に示した潮流修正ありとした場合と比較して、航路誤差が低減されない。これに対し、図10に示したシミュレーションによれば、潮流修正がなされなくとも、積分動作により航路誤差が低減され、本実施の形態における航路制御が有効であることがわかる。したがって、以上に説明した航路ゲインK及び積分ゲインKに基づく航路制御ゲインF(s)による航路制御によれば、対水速度ログに基づく潮流推定による潮流修正を行うことなく、航路誤差を適切に低減させることができ、ひいては、ログ速度計を用いることなく航路制御を実現することができる。
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 船舶用自動操舵装置
11 軌道計画部
13 フィードバック制御部
131 推定器
132 制御系フィードバックゲイン器
132A 方位制御系フィードバックゲイン器
132B 航路制御系フィードバックゲイン器

Claims (4)

  1. 船体の参照方位及び参照位置を出力する軌道計画部と、センサで検出された船体の方位および位置から船体の方位と位置とを前記参照方位及び前記参照位置に追従させるべく命令舵角を出力するフィードバック制御部と、を備えた船舶用自動操舵装置において、
    前記フィードバック制御部は、方位制御ループを構成する方位制御系フィードバックゲイン器と、前記方位制御ループを含む航路制御ループを構成する航路制御系フィードバックゲイン器とを備え、
    前記航路制御系フィードバックゲイン器は、sをラプラス演算子、Kを航路ゲイン、Kを積分ゲインとして、
    Figure 2016008038
    で表され、
    前記航路ゲイン及び前記積分ゲインは、互いに異なる減衰係数に基づくことを特徴とする船舶用自動操舵装置。
  2. 前記積分ゲインを除く前記航路制御ループは3次式であり、前記方位制御ループは2次式であり、前記航路ゲインは、前記航路ゲインの減衰係数をζ、前記方位制御ループの2次系の減衰係数をζとして、ζ=ζを用いて算出されることを特徴とする請求項1に記載の船舶用自動操舵装置。
  3. 前記積分ゲインは、仕様として予め設定した前記積分ゲインの仕様減衰係数に基づいて算出されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の船舶用自動操舵装置。
  4. 前記積分ゲインは、該積分ゲインの安定範囲内において、該積分ゲインの減衰係数を前記仕様減衰係数に一致させて算出することを特徴とする請求項3に記載の船舶用自動操舵装置。
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