JP5042906B2 - 船舶用自動操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、航路制御系の船舶用自動操舵装置に関し、旋回時に横滑り角及び潮流成分を考慮することにより計画航路に追跡させることができる船舶用自動操舵装置に関する。
船舶用自動操舵装置は、舵角を制御して設定方位に船首方位を追従させる方位制御系(HCS: Heading Control System)と、計画航路に船体位置を追跡させる航路制御系(TCS:Track Control System)とに分けられる。マイクロチップの高機能化、衛星測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の小型化・低コスト化・高精度化により位置情報が簡単に得られるようになったことに伴い、航路制御系の要求が高まっている。
一般的な航路制御系の船舶用自動操舵装置は、図1に示すように軌道計画部12、軌道航路誤差演算部14、フィードバック制御部16及び加算器17を備える。誘導システム22からの計画航路に基づき軌道計画部12が出力する参照方位ψRと参照位置xR、yRと、センサから検出される方位ψと位置x、yとの誤差を軌道航路誤差演算部14が求める。フィードバック制御部16は、主として保針時にその誤差から船体の方位と位置とを追跡させるべくフィードバック舵角δFBを出力する。また、旋回時には軌道計画部12からフィードフォワード舵角δFFが出力される。加算器17は、フィードバック舵角δFBとフィードフォワード舵角δFFとを加算して指令舵角δcを船体の操舵機に出力する。計画航路は、直線と円弧の曲線とから定められる。
航路制御系のフィードバック制御系の制御時定数は方位制御系の制御時定数より長く、且つ、旋回時間は方位制御系の時定数より通常短いので、旋回で生じた航路誤差は、旋回中にフィードバック制御系で収斂させることは難しい。
ところで、船体は操舵によって、方位軸回りに旋回角速度を発生するのと同時に船体横方向に対水の反力による横滑り速度を発生させる。そのため、この横滑り特性により、旋回半径一定の計画航路に対して船体軌跡は計画した円弧状にならず航路誤差を生じる。また、方位は操舵を開始してから船体時定数が大きいためにすぐには変針しない。そのため旋回の操舵開始位置と旋回開始位置とに距離(リーチ(Reach)と呼ぶ)が生じる。リーチの見積りを誤ると航路誤差になるため、リーチ量、操舵量を調整する必要がある。
また、旋回時には、船体に印加する潮流成分は船首方位によって変化するために、潮流成分を考慮しないと、航路誤差が過渡的に生じることになる。
一方、本願発明者は、方位制御系において、船首方位を参照方位に遅れなく追従させることができる参照方位とフィードフォワード制御との技術を特許文献1、非特許文献1及び特許文献2で提案している。
羽根冬希,「航路軌跡生成のための参照針路の設計方法」,第6回計測自動制御学会制御部門大会,2006 特開平8−207894号公報 特開2007−290695号公報
そこで、本発明は、既に提案する船首方位を参照方位に遅れなく追従させることができる参照方位とフィードフォワード制御を基礎にし、船体の旋回時の横滑り特性及び/または潮流成分を考慮することによって、計画旋回の軌跡に乗せることができる船舶用自動操舵装置を提供することをその目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明は、センサで検出された船速が入力され、計画航路に基づき参照信号を発生すると共に旋回時に計画航路の軌跡に乗せるためのフィードフォワード舵角を出力する軌道計画部とを備える船舶用自動操舵装置において、
前記軌道計画部は、
計画航路に従う旋回を行うための参照方位ψRを発生する参照方位発生部と、
参照方位ψRの時間微分である参照角速度rRから舵を切ることによって発生する旋回角速度に対応する参照斜航角βRを求める横滑り修正部と、
前記参照方位と前記参照斜航角βRとに基づき、修正されたフィードフォワード舵角を発生する前記フィードフォワード舵角発生部と、
を備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の前記軌道計画部が、さらに、
参照方位ψRと船速Uを用いて、
Figure 0005042906
より参照速度ベクトル(uR,vR)を求める参照速度発生部と、
前記参照速度ベクトルを積分することにより参照位置を出力する参照位置発生部と、
を備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、センサで検出された船速が入力され、計画航路に基づき参照信号を発生すると共に旋回時に計画航路の軌跡に乗せるためのフィードフォワード舵角を出力する軌道計画部と、該軌道計画部からの参照信号とセンサで検出された検出信号とから軌道誤差を演算する軌道航路誤差演算部と、該軌道誤差から推定潮流成分とフィードバック舵角を出力するフィードバック制御部とを備え、
前記フィードバック舵角と前記フィードフォワード舵角とによって操舵を行わせる船舶用自動操舵装置において、
前記軌道計画部は、
計画航路に従う旋回を行うための参照方位ψRを発生する参照方位発生部と、
前記推定潮流成分を、参照方位発生部で出力する参照方位に基づき座標変換を行って潮流の船体の横方向成分を求める座標変換部と、
該座標変換部で座標変換された横方向成分から潮流に対抗する修正斜航角βdを求める潮流修正部と、
前記参照方位と前記修正斜航角βdとに基づき、修正されたフィードフォワード舵角を発生する前記フィードフォワード舵角発生部と、
を備えることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の前記軌道計画部が、さらに、参照方位ψRの時間微分である参照角速度rRから舵を切ることによって発生する旋回角速度に対応する参照斜航角βRを求める横滑り修正部を備え、
前記座標変換部は、参照方位ψRと参照斜航角βRとを加算した参照針路θRを用いて、推定潮流成分dx^、dy^から、
Figure 0005042906
に従い、潮流の船体の横方向成分vd^を求めることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項3または4記載の前記フィードバック制御部が、潮流成分を推定する推定器と、軌道誤差からフィードバックゲインを作用してフィードバック舵角を演算するフィードバックゲイン器とを有しており、
前記軌道計画部は、潮流に対向する修正斜航角βdに対してフィードバック制御部のフィードバックゲインを作用した修正量を算出して該修正量によりフィードフォワード舵角を修正するフィードフォワード舵角修正部をさらに備えることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、計画航路に基づき参照方位を発生すると共に、旋回時に計画航路の軌跡に乗せるためのフィードフォワード舵角を出力して開ループ制御を行う軌道計画部を備えて、該フィードフォワード舵角によって操舵を行わせる船舶用自動操舵装置において、
旋回操舵開始前に、旋回開始位置と操舵開始位置との距離(リーチという)を演算するリーチ演算部を備え、該リーチ演算部は、
計画航路から得られる旋回半径及び所定の旋回角から、参照方位ψRを求める参照方位発生部と、
参照方位ψRから予想船体航路を求める船体航路発生部と、
船体航路発生部によって求められた予想船体航路上で、操舵開始位置から旋回開始時の方位方向に最も遠い位置までの該方位方向の距離(アドバンスという)を求め、該アドバンスから旋回半径を減算することで、リーチを求めるリーチ出力部と、
を備えることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の前記リーチ演算部が、さらに、
推定潮流成分を、参照方位発生部で出力する参照方位に基づき座標変換を行って潮流の船体の横方向成分を求める座標変換部と、
該座標変換部で座標変換された横方向成分から潮流に対抗する修正斜航角βdを求める潮流修正部と、
を備え、前記船体航路発生部は、前記修正斜航角βdを用いて、前記予想船体航路を求めることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項3ないし7のいずれか1項に記載の前記座標変換部が、潮流成分を、参照方位発生部で出力する参照方位に基づき座標変換を行って潮流の船体の船首方向成分を求めており、前記参照方位発生部は、該船首方向成分による対地速度の変化に応じて計画航路に従う旋回を行うための参照方位を求めることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項8に記載の前記参照方位発生部が、対地速度の変化に応じて修正した旋回指定角速度を用いて参照方位を出力することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の船舶用自動操舵装置が、旋回前の参照方位及び推定潮流ベクトル及び旋回後の参照方位及び推定潮流ベクトルから、旋回後に、船速オフセットを求めて、船速を修正する船速オフセット修正部を備えることを特徴とする。
請求項1記載の本発明によれば、船体が舵をきることによって、方位軸回りに旋回角速度を発生させ、同時に、船体の横方向に横滑り速度が発生するが、この横滑り速度による航路誤差を防止するために、参照斜航角を求めて、この参照斜航角に基づきフィードフォワード舵角を修正することで、横滑り速度と参照斜航角とを相殺して、航路誤差を防ぐことができる。
請求項2記載の本発明によれば、参照方位は、計画航路に沿った方位となるので、参照方位から求めた参照速度ベクトルを積分することで、参照位置を求めることができ、この参照位置によって決まる参照航路を計画航路の代わりに利用することもできる。
請求項3記載の本発明によれば、潮流による航路誤差を防止するために、推定器で推定された潮流成分を参照方位発生部で出力する参照方位に基づき座標変換を行って潮流の船体の横方向成分を求め、横方向成分から潮流に対抗する修正斜航角を求めて、この修正斜航角に基づきフィードフォワード舵角を修正することで、旋回により変化する横方向潮流成分と修正斜航角とを相殺して、航路誤差を防ぐことができる。
請求項4記載の本発明によれば、潮流の船体の横方向成分は、参照方位と、横滑り速度を相殺するための参照斜航角がある場合には参照斜航角とを加算した参照針路を用いて正確に求めることができる。
潮流成分はフィードバック制御器の推定器で推定されるために、この推定潮流成分に基づき決まる修正斜航角を参照方位に加算したものを参照信号とし、軌道航路誤差演算部で参照信号と検出信号との差異を軌道誤差としてフィードバック制御器に入力すると、マイナーループが出来てしまい制御系特性が変化してしまう。請求項5記載の本発明によれば、参照信号に修正斜航角を含めたものと同じ作用となるように、修正斜航角のフィードバック制御分に対応する修正量をフィードフォワード舵角に修正することで、マイナーループの生成を防ぐことができる。
請求項6記載の本発明によれば、操舵開始位置と旋回開始位置船体との差であるリーチを、予想船体航路上で、操舵開始位置から旋回開始時の方位方向に最も遠い位置までの該方位方向の距離であるアドバンス、いわゆる旋回縦距を求め、該アドバンスから旋回半径を減算することで、確実に求めることができる。
請求項7記載の本発明によれば、リーチの計算に潮流成分の影響を加味して正確なリーチを求めることができる。
請求項8及び9記載の本発明によれば、旋回によって潮流成分の船首方向成分が変化することに起因して対地速度が変化するので、この対地速度の変化に応じて修正した旋回指定角速度を用いて一定の旋回半径の計画航路に沿った軌跡を実現するための参照方位を出力することができる。
請求項10記載の本発明によれば、船速オフセットを、旋回前後の参照方位と推定潮流ベクトルから求めることができ、船速オフセットに起因する航路誤差を防ぐことができる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、船舶用自動操舵装置と制御対象の全体のブロック図である。既述のように、船舶用自動操舵装置10は、計画航路に船体位置を追跡させるために舵を制御する装置であり、軌道計画部12、軌道航路誤差演算部14、フィードバック制御部16、加算器17及び各パラメータを同定する図示しない同定器を備えている。誘導システム22から計画航路及びセンサ類26のスピードログからの船速Uが軌道計画部12に入力され、軌道計画部12からは参照方位ψR、参照位置xR、yRといった参照信号及び旋回時にはフィードフォワード舵角δFFが出力される。
軌道航路誤差演算部14には、ジャイロコンパスからの船首方位ψ、GPS等の衛星測位システム(GNSS)からの船体の位置(x,y)といったセンサ類26からの検出信号が入力され、軌道航路誤差演算部14は、前記参照方位ψR、参照位置xR、yRと検出信号との比較を行い方位誤差ψe、位置誤差xe、ye(方位誤差、位置誤差を合わせて軌道誤差とも称する)を出力する。
フィードバック制御部16は、図1に示すように、推定器18とフィードバックゲイン器20とからなる。軌道航路誤差演算部14からの方位誤差及び位置誤差は、推定器18に入力される。推定器18において、方位誤差及び位置誤差から、方位誤差系の状態量、位置誤差、潮流ベクトルを推定する。
誘導システム22から与えられる計画航路は、直線航路の場合は開始位置と終端位置とから決定され、曲線航路の場合は旋回の開始位置(直線航路の終端位置に相当する)と終端点(旋回半径と旋回角で決まり、直線航路の開始位置に相当する)とで規定される。船舶用自動操舵装置は直線航路と曲線航路とにおいて、船体を許容誤差内に航跡させることであり、直線航路に関してはフィードバック制御部16が受け持ち、曲線航路に関しては軌道計画部12が受け持つ。
軌道計画部12は、図2に示すように、誘導システム22から曲線航路の計画航路が入力されると、その旋回条件を求め、旋回条件に合致する参照方位ψR及び参照角速度rRを発生する参照方位発生部30と、舵を切ることによって発生する旋回角速度に対応する参照斜航角βRを求める横滑り修正部32と、参照方位ψRに参照斜航角βRを加算した参照針路θRを発生する加算器33と、船体の参照速度を発生する参照速度発生部34と、船体の参照速度を積分して参照位置を発生する参照位置発生部36と、推定潮流を座標変換して船体の横方向(sway方向)の潮流成分を発生する座標変換部40と、潮流に対抗するための修正斜航角βdを発生する潮流修正部42と、対地速度の修正を行う対地速度修正部44と、船体方位を参照方位ψR+参照斜航角βR+修正斜航角βdに遅れなく追従させるためのフィードフォワード舵角δFFを出力するフィードフォワード舵角発生部46と、フィードフォワード舵角の修正を行うフィードフォワード舵角修正部48と、旋回開始位置と操舵開始位置との間の距離であるリーチを演算するリーチ演算部50と、を備える。
旋回時、フィードフォワード舵角δFFは指令舵角として操舵機に送出され、操舵機は、指令舵角に比例した舵角を動かすため、船体は舵角によって旋回角速度を生じ方位、位置が変化する。旋回角速度の発生と共に、斜航角即ち横滑り速度が発生する。この横滑り速度による航路誤差を防止するために、参照方位ψRに横滑り速度を変換した参照斜航角βRを加算器33により加えた参照針路θRとし、これを含めてフィードフォワード舵角発生部46でフィードフォワード舵角に変換してフィードフォワード制御を実行することにより、横滑り速度と参照斜航角βRが相殺されて、船体航路は参照方位ψRに従うことになる。
また、潮流による航路誤差を防止するために、対地系で推定される潮流成分を座標変換部40で変換して、潮流の船体の横方向(sway方向)成分の修正量である修正斜航角βdを潮流修正部42で求め、修正斜航角βdを含めてフィードフォワード舵角発生部46でフィードフォワード舵角に変換してフィードフォワード制御を実行することにより、潮流の船体の横方向(sway方向)成分と修正斜航角βdとが相殺されて、船体航路は参照方位ψRに従うことになる。
また、船体位置を決める対地速度は、対水速度と、対地系の潮流成分を変換した船体の船首方向速度成分とから定まる。潮流の船体の船首方向速度成分は方位に連動して変化するために、旋回中に対地速度は変化する。半径一定旋回を実現するために、対地速度が変化したら対地速度修正部44において、参照方位を求めるための旋回角速度r0 *を修正する。これによって対地速度に起因する旋回半径の変化と参照角速度の修正とが相殺されて、船体航路は半径一定旋回の航路に従う。
また、船体は舵を切ったときに、横滑り速度の積分の方が船首方向速度のそれより多少応答が速いのでsway 方向に移動(この量をキック(Kick)と呼ぶ)した後変針して旋回軌跡を描くように移動する。旋回開始時の船首方向(surge 方向)から見た船体の移動量をアドバンス(Advance)と呼び、舵を切った位置(操舵開始位置)と実際の旋回開始位置との距離をリーチ(Reach)と呼ぶ。リーチを求めるのに、キック(Kick)から求めようとすると、キックは船種により小さい場合があり、且つ上記斜航角の修正によりキックはより小さくなる。そのため、リーチ演算部50では、アドバンス(Advance)からリーチ(Reach)を求める。リーチの演算は、変針を開始する前に事前に行い、事前の計算上で、潮流成分を印加させた状態で、旋回角(変針量)を90度以上、好ましくは130度程度に設定して予想航路を求め、アドバンス(Advance)を求める。リーチ(Reach)はアドバンス(Advance)から旋回半径を引いた量として得られる。
以下、上記構成の詳細について説明する。
1.運動方程式
1.1 座標系
航路制御系で用いる座標系は、図3に示すように、以下の座標系から構成する。
・対地系(XOY):地球固定の緯度経度座標系で、GNSSからの位置出力(x、y)に相当する。
・船体系(XBGYB):船体固定の運動座標系で、船体の重心を原点とし、船首方位をXB 軸とし、船体運動を定める。
・参照系(XRRR):誘導システム22により生成され指定された計画航路から定まる移動座標系である。
尚、座標系の回転極性は右ネジ方向を正とし、Z軸方向は重力方向を正とする。座標系はX軸、Y軸の2次元を用いる。
1.2 船体の運動方程式
前記制御対象である船体モデルを定めるために、船体の運動方程式を導出する。船体の運動方程式は、前進方向を除き、横方向と方位軸回りとの運動を扱うので、
Figure 0005042906
を用いる。ここでMx ,My はそれぞれx, y方向の付加質量を含んだ質量を、Iz はz軸まわりの付加慣性モーメントを含んだ慣性モーメントを,Y,Nはそれぞれy方向の流体力、z軸まわりの流体モーメントを示し、添字は対応する変数を意味する。変数U,v,r,δはそれぞれ前進速度、横流れ(横滑り)速度、旋回(回頭)角速度と舵角とを示す。上式を整理すると
Figure 0005042906
になり、ラプラス変換すると(s はラプラス演算子を示す)
Figure 0005042906
のようになる。ここで、横滑り速度と旋回角速度とが舵角を入力とした関係で結ばれる。(5)式を整理して、舵加速度δ・・(t)≒0とし、
Figure 0005042906
を得る。ここで、
Figure 0005042906
とおいている。
(6)式より、横方向(sway)の横滑り速度とヨー軸回りの旋回角速度との運動方程式は同一の形でかつ舵角による入力係数が異なるだけである。船体特性は舵を切ることによって、方位軸回りに旋回角速度を発生させ、同時に船体の横方向に対水の反力による横滑り速度を発生させる。(6)式において、実用的見地からs2 項による影響は無視できるためにs2 項を省略する。すると、(6)式は
Figure 0005042906
になる。ここで、
Figure 0005042906
であり、Ts = T1+T2である。ここでKs は旋回力ゲイン、Kv は横滑りゲイン、Ts3、Tv3は時定数である。
また、船舶用自動操舵装置は、舵角を通して制御量を入力するので、制御変数は角度単位の方が都合がよい場合があるため、
Figure 0005042906

を用いて横滑り速度vを斜航角βに変換すると、
Figure 0005042906

として導出される。ここで、Kβ は横滑り角ゲインまたは斜航角ゲイン(旋回力ゲインKs と異符号となる)で、Tβ3は時定数で
Figure 0005042906
を示す。
船体モデルの横滑り速度vおよび斜航角β は旋回角速度rと共通の一次遅れ要素をもつので、(13)式からrを基準にすると
Figure 0005042906
になる。これよりv, β はr にそれぞれゲインKv /Ks,Kβ/Ks によってほぼ比例することがわかる。Tv3 >Tβ3,Ts3 >Tβ3 の関係があるので,船体によりTv3,Tβ3 が省略可能である一方で、Kv およびKβ が必須なパラメータになる。
(1)式、(2)式はテーラー展開で1次の項までを考慮しているが、大きな変針角や旋回角速度に対応するためには、非線形項までを考慮する必要がある。その場合には、(9)式の運動方程式は、
Figure 0005042906

とするとよい。ここでαsは非線形係数であり、ゲイン、時定数と同様前記同定器によって与えられる。
1.3 対地速度と対地位置
船体の位置は、対地系で定義され、船体運動と潮流速度とからの対地速度を積分することで求めることができる。船体速度は対水速度で、潮流速度は対地速度でそれぞれ表す。
船体運動は舵角δを取ると角速度r=ψを生じるが、同時に横流れ速度v=yも生じる。その様子を、図4を用いて説明する。同図のように定常に旋回しているときまたは参照系が接線方位に一致しているとき、船体系は接線方位に対して斜航角βだけ内側に傾いて釣り合う。このとき船体速度の対地速度成分は
Figure 0005042906
になる。ここでux,vy は対地系のそれぞれ北向き,東向きの船体速度、u,vは船体系の速度を示す。船体速度と斜航角との関係は、
Figure 0005042906
を用いる。
これより、対地系の速度は、船体速度と潮流速度との和になるから、
Figure 0005042906
になる。ここでx、yは船体位置でそれぞれ北向き、東向きを示す。なおdx,dy は風が船体の上部構造物を押すことによる速度成分も含まれているとする。
位置と方位とはそれぞれ速度x、yと角速度rとを積分して
Figure 0005042906
得る。ここで(0)は初期値を意味する。
2 旋回軌道
2.1 参照方位と参照角速度
船体の方位ψは、特許文献1、2、非特許文献1で示される方位制御系の変針制御系を利用すると参照方位ψRに追従させることができる。
軌道計画部12に入力される信号は、計画航路と船速U、出力は参照方位ψR、参照位置xR、yR、フィードフォワード舵角δFFとなる。
参照方位発生部30は、誘導システム22から曲線航路の計画航路が入力されると、旋回条件である旋回半径R、変針量(旋回角)ψ0を求める。この旋回条件から、指定角速度r0が決定する。また、これ以外の旋回条件として、船体パラメータTs、Ks,TS3、T、Cβ=Kβ /Ks(これらの船体パラメータは既定値であるか、または同定器によって旋回する毎に同定される)、船体運動の初期角加速度C1a、初期角速度C2a、最大舵角δ0、舵速度の上限値δRH 、δRL などがある。
そして、この旋回条件を満足する参照方位を算出する。この算出にあたっては、特許文献1または特許文献2で提案する軌道演算部を利用することができ、軌道演算部は、船舶の所望される変針量に対して参照方位を加速モード、等速モード及び減速モードに分けて順次、時系列的に出力し、その際に、変針量に応じて最大舵速度を決定し、演算される参照方位に対応するフィードフォワード舵角の舵速度が前記決定された最大舵速度を超えないように、各モードの参照方位を演算して、参照方位ψR、参照角速度rR(rR=sψR(s))を出力する。具体的には、次のようにすることができる。
加速モードにおける参照方位の2階微分、1階微分、参照方位は、次のように表すことができる。
Figure 0005042906
等速モードにおける参照方位の2階微分、1階微分、参照方位は、次のように表すことができる。
Figure 0005042906
減速モードにおける参照方位の2階微分、1階微分、参照方位は、次のように表すことができる。
Figure 0005042906
a、Tv、Tdは、それぞれ加速時間、等速時間、減速時間を表しており、各モード間の連続性等を考慮すると、
Figure 0005042906
の関係が成り立つ。
ここで、等速時間Tv(初期角加速度C1aと初期角速度C2aがゼロであればTv=Taとなる)と減速時間Tdとの比率を等減速比Rvdとする。即ち、
Figure 0005042906
とする。
等速時の角速度r0(=Taβa/6)=U/Rが指定されており、加速時間Ta、加速定数βa及びRvdを決定すれば、各係数は決まり、各モードにおける参照方位ψを求めることができる。
以降、初期角加速度C1aと初期角速度C2aがゼロとすると、加速時間Taと加速定数βaと、最大舵速度δR との関係は、
Figure 0005042906
となる。ここで、CRは舵定数と呼ぶ。加速モード、等速モード、減速モードの全モードの変針量ψ0は、
Figure 0005042906
となり、書き直すと、
Figure 0005042906
になる。Rvdは、一定値とし、等速モード時の旋回角速度が指定旋回角速度に可能な限り近くなる値が選択されるとよい。
また、変針量から最大舵速度を決定し、演算される参照方位に基づきそれに対応するフィードフォワード舵角の舵速度が前記決定された最大舵速度を超えないように、且つ最大舵角を超えないように、Ta、βaを決定し、各モードの参照方位を演算する。
まとめると、特許文献2で提案する参照方位ψRは、具体的には、
Figure 0005042906
と表すことができる。ここで、係数R5、R4、R3、R2、R1は、次の表のように表すことができる。
Figure 0005042906
参照方位発生部30は、逐次計算される参照方位ψR及びその一次微分である参照角速度rRを出力する。
2.2 フィードフォワード舵角修正
図5に、基本的な旋回制御系におけるフィードフォワード制御の概要を示す。同図においてGFB はフィードバック制御部16のゲインを、Pは船体モデルを、P−1 は逆の船体モデルを示す。このとき,参照方位ψR から船首方位ψ までの伝達特性は
Figure 0005042906
になる。
船体モデルPは、(9)式から、
Figure 0005042906
となる。ここでP−1 のパラメータ不確かさは無視できるほど小さいとする。これより、船首方位ψを参照方位ψR に遅れなく追従する。
よって、フィードフォワード舵角発生部46は、参照方位ψRに対して、P−1の伝達特性を持つように、フィードフォワード舵角を求める。
さらに、フィードフォワード舵角発生部46は、計画航路に船体航路を追跡させるために、参照方位に加えて船体の斜航角、潮流の斜航角に対応するフィードフォワード舵角を求める。ここで、(16)式で示したように、船体の斜航角と等価な参照斜航角βRは閉ループ系から独立して参照方位ψRまたは参照角速度rRに基づいて得られるから、図6(a)に示すように、ψRに加算することによって、船体の斜航角の影響を打ち消すことが可能である。ところが、潮流の斜航角βdは閉ループ系のフィードバック制御部16内にある推定器18から得られる推定潮流成分d x^、d y^から求まるので、図6(a)に示すように参照方位に加算するとマイナーループが構成されて、制御系特性が変化してしまう。
よって、βdは前方に帰還できないので、図6(b)に示すように、フィードフォワード舵角修正部48によって、後方で修正することにし、図6(a)の前方で修正した場合と等価な処理になるようにする。なお同図でδψR,dβR,dβd はフィードフォワード舵角でそれぞれψR,βR,βd に対応する。
まず潮流の斜航角βdに対応するフィードフォワード舵角は
Figure 0005042906
により得られる.ここでsはラプラス演算子を、P-1 ψは(23)式で表される船体モデルである。βd を前方に帰還した場合の軌道航路誤差演算部14で求まる偏差は、
Figure 0005042906
になる。ここでψe =ψR−ψである。潮流の斜航角bdを含めたフィードバック舵角は、
Figure 0005042906
なる。尚、フィードバックゲインGFBは、GFB=KP+KDsである。
よってβd の修正はフィードフォワード舵角δβd とフィードバック舵角
Figure 0005042906
とによる修正を実施すれば、前方のψR に帰還した場合と同等の応答特性、すなわち
Figure 0005042906
を得ることができる。
フィードフォワード舵角修正部48は、フィードフォワード舵角発生部46で得られたフィードフォワード舵角に対して、潮流の斜航角βdに対してフィードバックゲインGFBを掛けたものを修正フィードバック舵角として、加算して修正する。
2.3 参照方位による参照航路
参照速度発生部34によって発生する参照速度は、
Figure 0005042906
から得られる。ここでuR,vR は対地系参照速度でそれぞれx,y方向を、tは時間を、ψRは参照方位を、Uは一定船速を示す。これより、参照位置発生部36で求まる参照航路は、(28)、(29)式を積分することにより、
Figure 0005042906
になる。ここでxR,yR は対地系参照航路でそれぞれx,y方向を、rRは参照旋回角速度でrR=ψR の関係を持ち、cx,cy はそれぞれx,y の初期値を,R =U/rR は旋回半径を示す。初期条件t=0 のときxR =yR =0 と置けば
Figure 0005042906
を得る。よって参照航路は
Figure 0005042906
になる。上式より
Figure 0005042906
を得る。よって参照方位による参照速度を積分した参照航路は中心が(0,R) で、円状の軌道を描く。これより参照航路を計画航路の代わりに利用することが可能になる。
2.4 船体の横滑り速度
船体の横滑り速度を換算した横滑り角または斜航角が半径一定旋回に及ぼす影響を説明し、横滑り修正部32の作用を説明する。船体の特性が既知とすれば、横滑り速度、斜航角は参照方位に置き換えられる。
参照斜航角βRは、(16)式より、簡単化のため、rR =0、時定数Ts3,Tβ3はゼロとすると、βR =CβrR,Cβ =Kβ/Ksである。
参照斜航角を含んだ参照速度は上述より
Figure 0005042906
になる。ここでu ,v は参照斜航角を含んだ対地系参照速度でそれぞれx,y方向を示す。これより参照航路は、
Figure 0005042906
になる。ここでx,y は対地系参照航路でそれぞれx,y方向を、c,c はそれぞれ初期値を示す。初期条件t=0のときx =y =0と置けば
Figure 0005042906
を得る。よって参照航路は
Figure 0005042906
になるから、参照斜航角を含まない参照航路を用いると
Figure 0005042906
になる。x,y の軌跡は上式より、xR,yRの円状軌跡を−βRだけ原点周りに回転させたものになる。
次に、斜航角特性を、図7を用いて説明する。同図において対地座標系XYで中心(0,R)半径Rの細線の円が設定された航路を示し、−βRの回転座標系をξηで表す。太線の円が細線の円を−β だけ原点回りに回転している。航路は細線の円上の計画であったが、斜航角のために太線の円上を航跡する。このとき太線の航路に関して
1. 半径は細線の航路と変わらないが、中心は
Figure 0005042906
に変化する
2. 軌跡は一度旋回方向と反対方向に移動し、その後旋回し始める。その移動量は
Figure 0005042906
になる。さらにxの最大位置はxβ +R=R(sinβR+1) になる
3. 対地系方位または針路φRはψRからξη系回転角βR だけ遅れている。すなわち
Figure 0005042906
になり、斜航角により回転した円の接線方向を向いている
なる特性をもつ。この斜航角特性から、船速一定の旋回に関する移動量x,yについて調べる。βR(<30o)を微小角とする。
Figure 0005042906
になる。ここで、βR≒CβR、Cβ=Kβ/Ks、R=U/Rである。
これより、x はCKにUを乗じたものになり、R,rR に無関係であることが分かる。一方、yはx の2乗を2Rで割ったものになり、R,rRに関係し、UrRに比例する。
数値例を挙げると、Cβ = 30[s],U= 20[knot],R= 1500[m]のとき、x = 30×20×0.5144 = 308.6[m],y =−31.75[m]になる。またy を−50[m] 以下にする半径は、R<952.6[m]になる。
さて、船体の斜航角が航路に及ぼす影響が確認されたので、上記特性から、船体航路を参照航路に一致させるために、参照方位に参照斜航角を逆に加算した参照針路を用いると良いことが分かる。すなわち
Figure 0005042906
になる。ここでθRは参照針路を示す。上式を用いることによって、
Figure 0005042906
になり、船体航路は参照航路つまり円状軌跡に描く。
横滑り修正部32は、参照方位発生部30から出力される参照角速度rRから、(16)式の関係を用いて斜航角βRを発生し、修正斜航角を実施するために、フィードフォワード舵角発生部46は、(24)式で表されるのと同じように、逆船体モデルP-1で表される伝達特性により横滑りによる斜航角に対応するフィードフォワード舵角δβRを求める。但し、このフィードフォワード舵角δβRの算出は、斜航角βRと参照方位ψRとを加算した上で、逆船体モデルP-1で表される伝達特性によりフィードフォワード舵角δψR+δβR を求めることでもよい。
2.5 潮流成分の修正
フィードバック制御部16の推定器18で推定される対地系潮流成分を用いて、船体のsway 方向に印加する潮流成分を修正する。
座標変換部40は、推定器18から得られた対地系の潮流成分の推定値dx ^、dy ^から、船体系の潮流成分に変換する。即ち、
Figure 0005042906
になる。ここで、θRは(49)式で表される参照針路である。
これより、潮流修正部42は、sway 方向の潮流成分vd に起因した航路誤差を低減させるためのsway 方向の修正斜航角を
Figure 0005042906
から求める。ここで
Figure 0005042906
を示す。
よって、修正斜航角を実施するために、フィードフォワード舵角発生部46は、(24)式により修正斜航角に対応するフィードフォワード舵角δβdを求め、フィードフォワード舵角修正部48は、(26)式により、修正値を求める。この計算に必要なβdの1階微分値と2階微分値との導出は、数値微分でも求めることができるが、サンプリング時間の影響を受け、舵角変動が大きいので、潮流成分はほぼ一定値としたβx ,βy =0の近似解とした解析微分の方が好ましい。
すなわち、解析により、
Figure 0005042906
として得られる。ここで、
Figure 0005042906
を示す。ψR,rR,rR は参照方位発生部30から得られる。
2.6 対地速度修正
対地速度修正部44は、対地速度変化による旋回角速度の修正を行う。
船体航路は対地系速度を積分して得られる。船体速度は対水船速(ログ船速)と、潮流(風による成分も含む)とからなる。
まず、座標変換部40によって得られたsurge方向の潮流成分ud((51)式参照)から、潮流の影響を加味した対地速度U*
Figure 0005042906
から求める。尚、ここで、U≒uとし、変針中の船速および潮流速度をほぼ一定値とし、(51)式より、ud≒ud^を用いる。旋回半径を一定に保つためには、ψR により変化するU*に対応して旋回角速度を修正する必要が生じる。すなわち
Figure 0005042906
になる。ここで、r0 *は軌道計画の指定旋回角速度(等速時の角速度)を、Rは計画航路の旋回半径を、SetΔUは設定値(例えば5%)を、U0 *は前回の値を示す。
対地速度修正部44は、座標変換部40から順次出力される潮流成分ud^の変化によるU*の変化を検出し、(60)式に基づき、その変化量が設定値を超えたならば、r0 *を更新して、それを参照方位発生部30に出力する。
参照方位発生部30では、r0 *が更新されたら、r0 *を満足するべく、参照方位ψR及びその一次微分である参照角速度rRを再構成して、出力する。その際の指定変針量は既に変針された方位分を差し引いた量
Figure 0005042906
になる。ここでψ0 *は指定変針量(旋回角)を、ψ0 は計画航路の指定変針量(旋回角)を、Δψ'Rはr0 *が更新されるまでの変針量(旋回角)を示す。
2.7 リーチ(Reach)計算
本発明では、リーチ計算をすることを特徴の一つとしており、3つの修正である、船体斜航角、潮流斜航角および速度修正(角速度修正)が、すべてフィードフォワード制御を用いて開ループによって実施される。ここではパラメータ不確かさは無いものとする。
フィードフォワード制御を用いない場合は船体の運動方程式と制御系とを合せた閉ループ系に参照信号を与えて数値計算することになる。なぜなら、潮流が印加するとsway 方向誤差が生じるため、制御系が必要になる。
一方、フィードフォワード制御を用いる場合は閉ループ系を利用する必要がない。潮流成分の影響は潮流斜航角および速度修正によって打ち消されるために、sway 方向誤差が生じない。故に制御系は不要になり、図8のように構成が簡単化される。図8において、リーチ演算部50は、誘導システム22からの計画航路が入力されると、その旋回条件を求め、旋回開始の方位を北向きに変換した第2座標系における、旋回条件の旋回半径及び所定の旋回角に合致する参照方位ψR及び参照角速度rRを発生する参照方位発生部52と、舵を切ることによって発生する旋回角速度に対応する参照斜航角βRを求める横滑り修正部54と、推定潮流を座標変換して旋回開始の方位を北向きに変換した第2座標系の潮流成分に座標変換する前段座標変換部62と、第2座標系の潮流成分から船体の横方向(sway方向)の潮流成分を発生する座標変換部64と、潮流に対向する修正斜航角βdを発生する潮流修正部66と、対地速度の修正を行う対地速度修正部68と、参照方位ψRと修正斜航角βdとを加算する加算器70と、第2座標系における船体速度成分を発生する船体速度発生部72と、第2座標系における潮流速度成分を加算する加算器74と、加算した速度成分を積分して予想船体航路を求める船体位置発生部76と、船体位置発生部76からアドバンスを求め、アドバンスからリーチを求めるリーチ出力部78と、を備える。船体速度発生部72、加算器74及び船体位置発生部76とから船体航路発生部が構成される。
リーチ計算を参照信号ではなくフィードフォワード舵角によって実施したとしたら、潮流成分が印加されていなければ、参照信号の場合とほぼ一致するが、潮流成分が印加されたならば、sway 方向誤差が生じるため制御系が必要になる。したがってリーチ計算はフィードフォワード制御に基づいた参照信号(ψR,rR)と修正信号(βR,βd)とによって達成される。
リーチは、旋回のために操舵を開始してから,船体が旋回方向に移動するまでの船首方向の移動距離であり、Wheel Over Point(WOP) と旋回開始位置または円の中心との距離になる。
リーチ計算は旋回前に行い、旋回軌跡を数値計算する。その手順を以下に示す。
計画航路は図9(a)に示すように3つのWay-Point(WP1,WP2,WP3)と、旋回半径Rとによって決定される。この座標関係では計算が煩雑になるので、旋回開始の方位ψR1を北向きに常に固定することで、リーチ計算は簡単化される。そのXOY系の計画航路を図9(b)のようなX’O’Y’ 系(第2座標系とも言う)の計画航路に座標変換して考える。それと共に旋回角(変針量)を計画航路による旋回角にかかわらず、90度以上、例えば130度の所定旋回角とする。
その際、潮流成分の方位角はψd から
Figure 0005042906
に変換される。
X’O’Y’ 系の速度成分x'、y'は(20)式を参考にすると
Figure 0005042906
になる。ここでux 、vy はX’O’Y’ 系の船体速度成分で、dx 、dy はX’O’Y’ 系の潮流速度成分で、それぞれ
Figure 0005042906
Figure 0005042906
を示す。
参照方位発生部52は、参照方位発生部30と同じ構成であるが、X’O’Y’ 系における参照信号ψR,rRを時系列的に出力する。また、対地速度修正部68は、対地速度修正部44と同じ構成であり、対地速度の変化を修正した更新指定旋回角速度を適宜、参照方位発生部52に供給する。
横滑り修正部54は、X’O’Y’ 系における船体の参考斜航角である修正信号βRを時系列的に出力する。加算器55で参照方位ψRと修正信号βRの加算がなされる。
前段座標変換部62は、推定潮流速度成分dx^、dy^と旋回開始の方位ψR1から、dx^≒dx、dy^≒dy から、(64)式に基づき、X’O’Y’ 系の潮流速度成分d'x、d'yに変換し、座標変換部64は、参照針路θRに基づき、船体系の潮流速度成分ud^、vd^に変換し、潮流修正部66がその潮流斜航角である修正信号βdを出力する。
加算器70で参照方位ψRと修正信号βdとが加算されて、船体速度発生部72により、(63)式に基づき、X’O’Y’ 系における速度成分を求める。ここで船体斜航角β はその修正信号βR によって相殺されるので、含まれないことに注意されたい。船体速度発生部72からの船体速度成分には、加算器74によって、X’O’Y’ 系における潮流速度成分が加算される。
船体位置発生部76は、これよりX’O’Y’ 系の船体航路x’,y’を、
Figure 0005042906
から求める。このときτは、x'座標が最大値をとるP2点を通過する変針時間とし、変針時間は、加速モードの加速時間Ta、等速モードの等速時間Tv、減速モードの減速時間Tdのうちの等速時間を超える、τ≧Ta+Tvとする。
リーチ出力部78は、上記x’y’から、x’座標が最大値をとるときのy’座標を求める。このy’座標がアドバンスとなる。そして、アドバンスから旋回半径Rを差し引くことで、リーチを求める。
即ち、リーチは、次式より求まる。
Figure 0005042906
尚、このリーチ演算部50による演算は、計画航路が立てられてから実行されるが、WOP の手前付近(例えば3L〜5L範囲内,Lは船長)に近づいてから再度計算することが望ましい。船速や潮流の変化に対応するためである。
2.8 船速のオフセット
対水速度である船速は、センサ類のスピードログから得られるが、スピードログはバイアス誤差、オフセットを持つ。この船速オフセットがあると、直線時には、この船速オフセットを潮流成分として扱うために航路誤差が生じないが、旋回時には、潮流成分に含まれるオフセットのために航路誤差が生じる。数値例として、潮流なしの場合にオフセットを、船速20ktの+10%とすると、誤差が−5mから−100mになる。これは、実質的に潮流が2kt印加した状態に相当する。よって、このオフセットを除去する船速オフセット修正部80(図2参照)をさらに、備える。
まず船速オフセットの特性を検討する。
軌道航路誤差演算部14で求められる位置誤差及び方位誤差(航路誤差)は、参照系に対する船体系の位置誤差及び方位誤差であり、図3より、
Figure 0005042906
になる。ここでψ,x,yは船首方位と対地位置とを、ψR,xR,yR は参照方位と参照位置とを、ψ,x,yは方位誤差と航路誤差とをそれぞれ示す。x,yは船体位置Gから参照系のY,X 軸にそれぞれ垂線を下ろした距離に相当する。
船体系による速度誤差は(67)式,(20)式から導出され
Figure 0005042906
になる。潮流速度による速度誤差は対地系成分を参照系成分に変換すると
Figure 0005042906
になる。ここでud,vd は参照系の潮流速度成分を、dx,dy は対地系の潮流速度成分をそれぞれ示す。よって速度誤差は
Figure 0005042906
で与えられる。ここで、ud,vdにログオフセットが含まれるとして、
Figure 0005042906
を示す。ここで、Uは船速を、Uoはログオフセットを示す。(71)式を(70)式に代入すると、
Figure 0005042906
を得る。(72)式より、
・オフセットは、x e にだけ現れ、方位に無関係である。
・潮流はx e , y e に現れ、方位の座標変換に連動する。
・直線時ψR一定であるので、(−Uo+ud)は一定になる。
・旋回の前後で、udは変化する。
という特性が分かる。これらの特性から、Uo,dx,dyが旋回前後においてほぼ一定とすれば、旋回前後の潮流推定値から船速オフセットUoを求めることができることが分かる。dx,dyは一定であるが、x e , y e においては、ψRを介してその影響が出るので、変化する。逆に、Uoはx e において一定であるが、対地系ではψRを介してその影響が出る。このUo,dx,dyの性質を利用する。
再度、(68)式及び(70)式から、斜航角及び横滑り速度を0とすると、
Figure 0005042906
となる。ここで、横滑り速度v=0とし、ψe≒0とした。従って、速度誤差の推定値の推定誤差は、
Figure 0005042906
となる。ここで、Uoψe≒0として省き、推定誤差をゼロとして定常値を求めると、
Figure 0005042906
になる。(78)式より潮流推定値はUoによる誤差を持ち、方位により変化することが分かる。
図9(a)を参照して、旋回前後の方位をそれぞれψR1, ψR2とすると、(77)式より、
Figure 0005042906
が得られる。これより
Figure 0005042906
を得る。また、ψR1R2により、
cosψR1 = cosψR2 あるいは sinψR1 =sinψR2
の場合が生じる。この関係にならないことに注意すれば、U0
Figure 0005042906
より求まる。潮流値をU0 によって校正すると、
Figure 0005042906
になる。dx2^,dy2^は現在の値である。
よって、船速オフセット修正部80は、(82)式のU0を求めて、潮流推定値に対して(83)式の修正を行うと共に、ログスピードからの信号(U+U0)に−U0 を加算する。こうして、オフセットU0 に起因した航路誤差への影響は低減される。
この船速オフセット修正部80による船速オフセットの演算は、1回の旋回が終了した地点、図9(a)のP4で行われる。推定器18による潮流推定は、図9(a)においてP0 からWOPの間、及びWP2 からP4 までの間で行われ、P4 の地点で、船速オフセット修正部80による修正が行われて、潮流推定成分及び船速は修正される。変針中WOPからWP2 までの間には、船速オフセット修正部80による新たな修正は行われず、前に修正された潮流推定成分及び船速を用いて演算される。
2.9 数値計算例
以上のように構成される船舶用自動操舵装置の旋回運動において、その性能をシミュレーションによって検証する。
船体パラメータ: U= 20[knot],Ks = 0.027[1/s],Kv = −100Ks[m/deg],Kβ =−Kv/U
s = 17.5[s],Ts3 = 0.1[s],Tβ3 = 0.03[s],Tβ3 = 0.03[s]
センサ分解能: 速度0.1[knot],方位0.1[deg],位置1.852[m]= 0.001[arc min]、船速オフセットはなし
計画航路: 初期方位ψR1 =40[deg],最終方位ψR2 =140[deg],原点から距離Dist=4[NM]で半径R= 1[NM],旋回角ψ0 =100[deg],旋回角速度r0 = 19.1[deg/min] 相当
外乱: 潮流の大きさUd = 0, 5[knot],方向は別途記載,舵角オフセットδo=0,波浪はなし
シミュレーション結果: シミュレーション条件から求まる船体の横滑り速度vR および斜航角βR と、潮流の最大斜航角βdmax とはつぎのようになる。
Figure 0005042906
である。
図10には、その際の参照信号である参照方位ψR、参照旋回角速度rR、参照旋回角加速度drR/dt,フィードフォワード舵角δFFを示す。
シミュレーション結果を以下の表にまとめる。
Figure 0005042906
図中、non-correctionは全く修正をしないことを、SSは横滑り速度を参照斜航角で修正することを、CSは潮流の修正斜航角を修正することを、SCは対地速度を修正することを表す。
図のキャプションにおいて,(a) はReach 計算を,(b) は航路軌跡をそれぞれ示し,各図の(b) でSTWは対地速度speed over the ground を,STWは対水速度speed through the water を意味する。その結果より
1. 表2より、リーチはほぼ100[m] で、短いほど良好とされる。参照方位の加速時間の移動距離はTa×U = 19×10.3 = 195.5 [m](図10よりTa = 19 [s])になるから、加速モードの途中から旋回している。
2. 図11より、βR による航路誤差の修正量は100[m] の効果になる。修正しないと、リーチは200[m] に達する。
3. 図12のSS とSS+CS とにより、潮流成分の斜航角修正量は0.3[NM] の効果になる。
4. 図13のSS+CSとSS+CS+SCとにより、潮流成分の速度修正量は0.2[NM] の効果になる。
5. 図13のSSとSS+CS+SCとにより、潮流成分の斜航角修正および速度修正量は0.45[NM] の効果になる。
が確認された。従って、本発明による本制御系は各修正の効果があることが検証された。
(a)は本発明による船舶用自動操舵装置の全体構成を表すブロック図、(b)はフィードバック制御部の構成を表すブロック図である。 図1の軌道計画部の構成を表すブロック図である。 航路制御系で用いる座標系を表す説明図である。 舵を取ったときに発生する横流れ速度を表す説明図である。 (a)は旋回制御系におけるフィードフォワード制御の概要を示すブロック図であり、(b)は(a)中のフィードバック制御部の構成を示すブロック図である。 (a)は潮流の斜航角を参照方位に加算した場合にマイナーループが形成されることを表すブロック図であり、(b)は潮流の斜航角を参照方位に加算せずに、フィードフォワード舵角修正部によって(a)と同じように構成することを示す本発明に対応するブロック図である。 計画航路(細線)と、横滑り角の影響を受けた船体の航路(太線)を表す図である。 リーチ演算部のブロック図である。 (a)はリーチに関する航路を表す図であり、(b)は(a)をX'O'Y'座標に変換した図である。 シミュレーション結果を表すグラフである。 シミュレーション結果を表すグラフである。 シミュレーション結果を表すグラフである。 シミュレーション結果を表すグラフである。 シミュレーション結果を表すグラフである。 シミュレーション結果を表すグラフである。
符号の説明
10 船舶用自動操舵装置
12 軌道計画部
14 軌道航路誤差演算部
16 フィードバック制御部
18 推定器
20 フィードバックゲイン器
30 参照方位発生部
32 横滑り修正部
34 参照速度発生部
36 参照位置発生部
40 座標変換部
42 潮流修正部
46 フィードフォワード舵角発生部
48 フィードフォワード舵角修正部
50 リーチ演算部
52 参照方位発生部
62 前段座標変換部
64 座標変換部
66 潮流修正部
72 船体速度発生部(船体航路発生部)
74 加算器(船体航路発生部)
76 船体位置発生部(船体航路発生部)
78 リーチ出力部
80 船速オフセット修正部

Claims (10)

  1. センサで検出された船速が入力され、計画航路に基づき参照信号を発生すると共に旋回時に計画航路の軌跡に乗せるためのフィードフォワード舵角を出力する軌道計画部を備える船舶用自動操舵装置において、
    前記軌道計画部は、
    計画航路に従う旋回を行うための参照方位ψRを発生する参照方位発生部と、
    参照方位ψRの時間微分である参照角速度rRから舵を切ることによって発生する旋回角速度に対応する参照斜航角βRを求める横滑り修正部と、
    前記参照方位と前記参照斜航角βRとに基づき、修正されたフィードフォワード舵角を発生する前記フィードフォワード舵角発生部と、
    を備えることを特徴とする船舶用自動操舵装置。
  2. 前記軌道計画部は、さらに、
    参照方位ψRと船速Uを用いて、
    Figure 0005042906
    より参照速度ベクトル(uR,vR)を求める参照速度発生部と、
    前記参照速度ベクトルを積分することにより参照位置を出力する参照位置発生部と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の船舶用自動操舵装置。
  3. センサで検出された船速が入力され、計画航路に基づき参照信号を発生すると共に旋回時に計画航路の軌跡に乗せるためのフィードフォワード舵角を出力する軌道計画部と、該軌道計画部からの参照信号とセンサで検出された検出信号とから軌道誤差を演算する軌道航路誤差演算部と、該軌道誤差から推定潮流成分とフィードバック舵角を出力するフィードバック制御部とを備え、
    前記フィードバック舵角と前記フィードフォワード舵角とによって操舵を行わせる船舶用自動操舵装置において、
    前記軌道計画部は、
    計画航路に従う旋回を行うための参照方位ψRを発生する参照方位発生部と、
    前記推定潮流成分を、参照方位発生部で出力する参照方位に基づき座標変換を行って潮流の船体の横方向成分を求める座標変換部と、
    該座標変換部で座標変換された横方向成分から潮流に対抗する修正斜航角βdを求める潮流修正部と、
    前記参照方位と前記修正斜航角βdとに基づき、修正されたフィードフォワード舵角を発生する前記フィードフォワード舵角発生部と、
    を備えることを特徴とする船舶用自動操舵装置。
  4. 前記軌道計画部は、さらに、参照方位ψRの時間微分である参照角速度rRから舵を切ることによって発生する旋回角速度に対応する参照斜航角βRを求める横滑り修正部を備え、
    前記座標変換部は、参照方位ψRと参照斜航角βRとを加算した参照針路θRを用いて、推定潮流成分dx^、dy^から、
    Figure 0005042906
    に従い、潮流の船体の横方向成分vd^を求めることを特徴とする請求項3記載の船舶用自動操舵装置。
  5. 前記フィードバック制御部は、潮流成分を推定する推定器と、軌道誤差からフィードバックゲインを作用してフィードバック舵角を演算するフィードバックゲイン器とを有しており、
    前記軌道計画部は、潮流に対向する修正斜航角βdに対してフィードバック制御部のフィードバックゲインを作用した修正量を算出して該修正量によりフィードフォワード舵角を修正するフィードフォワード舵角修正部をさらに備えることを特徴とする請求項3または4記載の船舶用自動操舵装置。
  6. 計画航路に基づき参照方位を発生すると共に、旋回時に計画航路の軌跡に乗せるためのフィードフォワード舵角を出力して開ループ制御を行う軌道計画部を備えて、該フィードフォワード舵角によって操舵を行わせる船舶用自動操舵装置において、
    旋回操舵開始前に、旋回開始位置と操舵開始位置との距離(リーチという)を演算するリーチ演算部を備え、該リーチ演算部は、
    計画航路から得られる旋回半径及び所定の旋回角から、参照方位ψRを求める参照方位発生部と、
    参照方位ψRから予想船体航路を求める船体航路発生部と、
    船体航路発生部によって求められた予想船体航路上で、操舵開始位置から旋回開始時の方位方向に最も遠い位置までの該方位方向の距離(アドバンスという)を求め、該アドバンスから旋回半径を減算することで、リーチを求めるリーチ出力部と、
    を備えることを特徴とする船舶用自動操舵装置。
  7. 前記リーチ演算部は、さらに、
    推定潮流成分を、参照方位発生部で出力する参照方位に基づき座標変換を行って潮流の船体の横方向成分を求める座標変換部と、
    該座標変換部で座標変換された横方向成分から潮流に対抗する修正斜航角βdを求める潮流修正部と、
    を備え、前記船体航路発生部は、前記修正斜航角βdを用いて、前記予想船体航路を求めることを特徴とする請求項6記載の船舶用自動操舵装置。
  8. 前記座標変換部は、潮流成分を、参照方位発生部で出力する参照方位に基づき座標変換を行って潮流の船体の船首方向成分を求めており、前記参照方位発生部は、該船首方向成分による対地速度の変化に応じて計画航路に従う旋回を行うための参照方位を求めることを特徴とする請求項3ないし7のいずれか1項に記載の船舶用自動操舵装置。
  9. 前記参照方位発生部は、対地速度の変化に応じて修正した旋回指定角速度を用いて参照方位を出力することを特徴とする請求項8に記載の船舶用自動操舵装置。
  10. 旋回前の参照方位及び推定潮流ベクトル及び旋回後の参照方位及び推定潮流ベクトルから、旋回後に、船速オフセットを求めて、船速を修正する船速オフセット修正部を備えることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の船舶用自動操舵装置。
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