JP6228078B2 - 船舶用自動操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、同定モデルにおける同定パラメータを同定する船舶用自動操舵装置に関する。
船舶用自動操舵装置は、設定針路にジャイロコンパスからの方位を追従させるために舵を制御する装置であり、その制御系は、設定針路と船首方位との入力から偏差と旋回角速度とを求め、制御ゲインを乗じて制御量である命令舵角を操舵機に出力する。操舵機は舵を動かして、船体に旋回角速度を誘起させて方位を変化させる。ここで命令舵角は、より具体的には、偏差に制御ゲインを乗じるフィードバック制御器の出力と、フィードフォワード制御器の出力とが加算されることにより算出される。設定針路から軌道計画に基づいた参照方位を演算する軌道演算部、フィードバック制御器及びフィードフォワード制御器には同定された船体パラメータが入力され、この船体パラメータは軌道演算部、フィードバック制御器及びフィードフォワード制御器において各演算及び制御に用いられる。
船体パラメータは、船舶用自動操舵装置が制御対象とする船体の船体モデルを構成するパラメータである。この船体パラメータは殆どの場合で未知であるため、パラメータ同定によって取得される。例えば、貨物船やタンカーなどの船舶は荷物の積み下ろしにより船体の喫水が変化して船体特性が変化する。そのため、荷物を積んだ船体に荷物を積み下ろした状態の船体パラメータに基づく制御ゲインを用いた場合、操舵系の閉ループ安定性が低下してヨーイング現象が生じてしまう状況を招きかねない。このような状況を回避するため、船舶用自動操舵装置は船体パラメータを同定する。つまり、船舶用自動操舵装置は、この船体パラメータを適切に同定することによって船体の制御性を向上させる。
また、船体モデルに、船体のyaw運動に関するyaw同定モデルに加えて、船体のsway運動に関するsway同定モデルを含める場合、sway同定モデルについては、そのパラメータを同定するにあたって、船体のsurge速度を必要とする。
また、パラメータ同定に関連する技術として、船体パラメータを用いた参照方位と船首方位に基づく命令舵角の出力において、入力データ(命令舵角)及び出力データ(船首方位)を蓄積し、蓄積された入力データからモデル出力データを出力し、このモデル出力データと出力データとの比較結果から船体パラメータを調節する船舶用自動操舵装置が知られている(特許文献1参照)。
また、モデル出力データと出力データとの比較結果による船体パラメータの調整において、各変針に対して、その変針時における複数の入力データ及び複数の出力データに基づいて船体パラメータの調整を行うとともに、各変針の変針方向に応じて調節された船体パラメータを分別して記憶し、設定針路が変化した際にその変針方向に対応して記憶された船体パラメータの同定値として出力する船舶用自動操舵装置が知られている(特許文献2参照)。
特開2006−321455号公報 特開2008−137545号公報
しかしながら、中型または小型の船においては、航路制御システムに必要とされる航海センサのうち、コンパス、GNSSセンサは標準装備されるが、ログ速度計については、その設置のために船底を加工する必要があることから、装備するにあたって船体の大きさに見合わない費用が掛かるため、必ずしも装備されない。つまり、ログ速度計が装備されない船においてパラメータ同定を行うことができない、という問題がある。
本発明の実施形態は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ログ速度計が装備されない船においてパラメータ同定を行うことができる船舶用自動操舵装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本実施形態の船舶用自動操舵装置は、参照方位と船首方位とに基づいて船体パラメータを用いて命令舵角を出力する船舶用自動操舵装置であって、前記船体パラメータを同定する同定演算部を備え、前記同定演算部は、前記船舶用自動操舵装置で得られる所定の入力データからモデル出力データを出力し、船体のyaw運動に関するyaw同定モデルと前記船体のsway運動に関するsway同定モデルとを有する船体モデルを含む同定モデルと、前記同定モデルからのモデル出力データと、前記船体に係る実測値である出力データとの比較結果から前記船体パラメータを調整して同定するパラメータ調節部と、前記船体について検出された船首方位、対地速度、対地方位に基づいて、前記船体のsurge速度を算出する速度算出部とを備え、前記入力データは、前記速度算出部により算出された前記船体のsurge速度、前記船首方位、前記船舶用自動操舵装置により出力された命令舵角であることを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、ログ速度計が装備されない船においてパラメータ同定を行うことができる。
実施形態の船舶用自動操舵装置を含むシステムを示すブロック図である。 同定演算部の構成を示すブロック図である。 航路制御系で用いる座標系を示す説明図である。 自動操船における変針の制御方法を示す概略図である。 参照方位と参照舵角の時間変化を示すグラフである。 変針前後の航路を示す図である。 速度算出処理の動作を示すフローチャートである。 潮流成分がゼロの場合における変針応答の時系列データを示すグラフである。 検出方位に対する対地方位の遅れ時間とその評価量との関係を示すグラフである。 yaw同定モデル及びsway同定モデルの構成を示すブロック図である。 方位制御ループ及び航路制御ループの構成を示すブロック図である。 航路制御閉ループの根軌跡を示すプロット図である。 yaw同定及びsway同定を説明する概略図である。 安定船及び不安定船を示す図である。 同定処理の動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
1.1 船舶用自動操舵装置の構成
まず、本発明の船舶用自動操舵装置を含むシステムについて説明する。図1は、実施形態の船舶用自動操舵装置を含むシステムを示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態におけるシステムは、船舶用自動操舵装置1とその制御対象である船体プラント2とを含む。ここで船体プラント2は、操舵機21、船体22及びセンサ類23を合わせたものである。船舶用自動操舵装置1は、軌道演算部11、同定演算部12、減算器13、フィードバック制御器14、フィードフォワード制御器15、加算器16を備える。
軌道演算部11は、設定針路ψを入力し、設定針路ψから軌道計画に基づいた参照方位ψを演算するものである。同定演算部12は、船体パラメータを同定し、同定した船体パラメータを軌道演算部11、フィードバック制御器14及びフィードフォワード制御器15へ出力する。減算器13は、軌道演算部11から出力された参照方位ψと船体22の船首方位ψとの偏差eを出力する。フィードバック制御器14は、減算器13より出力された偏差eに制御ゲインを乗じてフィードバック舵角δFBを出力する。フィードフォワード制御器15は、軌道演算部11により出力された参照方位ψに基づいてフィードフォワード舵角δFFを出力する。加算器16は、フィードバック制御器14により出力されたフィードバック舵角δFBと、フィードフォワード制御器15により出力されたフィードフォワード舵角δFFとを加算して、操舵機21に対して命令舵角δを出力する。
また、船体プラント2のセンサ類23は、船体22の船首方位ψを検出するジャイロコンパス231、GPS等の衛星測位システム(GNSS)からの船体位置(x,y)を検出するGNSSセンサ232を含む。また、GNSSセンサ232は、船体位置(x,y)に加えて、船体22の対地速度U及び対地方位ψを出力する。同定演算部12には、センサ類23によって検出された船首方位ψ、船体位置(x,y)、対地速度U及び対地方位ψが入力されるものとする。なお、ここで船体位置(x,y)は、後述する局地水平座標系における船体位置である。
次に、同定演算部の構成について説明する。図2は、同定演算部の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、同定演算部12は、出力データ記憶部121、入力データ記憶部122、同定モデル123、減算器124、パラメータ調節部125、速度算出部126を備える。出力データ記憶部121は、船体22の船首方位ψ、船体位置(x,y)を出力データとして時系列に蓄積する。入力データ記憶部122は、加算器16により出力された命令舵角δ、センサ類23によって出力された船首方位ψ、対地速度U及び対地方位ψを入力データとして時系列に蓄積する。なお、出力データ記憶部121、入力データ記憶部122は、いずれもリングバッファ型メモリとすることができる。速度算出部126は、軌道演算部11から出力された参照方位ψ、入力データ記憶部122に蓄積された入力データとしての船首方位ψ、対地速度U及び対地方位ψを入力し、これらに基づいてsurge速度uを算出する。このsurge速度uの算出方法については後に詳述する。同定モデル123は、船体モデル、初期値及びオフセット成分から構成され、入力データ記憶部122に蓄積された入力データとしての命令舵角δ,船首方位ψと、速度算出部126により算出されたsurge速度uを入力し、モデル出力データとしてモデル船首方位、モデル船体位置を出力する。減算器124は、同定モデル123により出力されたモデル出力データと、出力データ記憶部121に記憶された出力データとの差異である同定誤差を算出する。パラメータ調節部125は、減算器124により算出された同定誤差に基づいて、同定モデル123を構成するパラメータを調節する。このパラメータの調節については、後に詳述する。
1.2 船体運動方程式
ここで、船体運動方程式について説明する。図3は、航路制御系で用いる座標系を示す説明図である。
図3に示すように、航路制御系で用いる座標系は、局地水平座標系O−XYとボディ座標系G−Xからなり、いずれも右手系3軸直交座標系である。座標系においてZ軸は重力方向を正とし、回転極性は右ねじ方向を正とする。なお、座標系はX軸、Y軸の2次元を用いるため、図3においてZ軸は省略される。また、局地水平座標系はX軸を北向き、Y軸を東向きにとり、ボディ座標系はX軸をsurge方向、Y軸をsway方向にとる。また、図3において、uはsurge速度、vはsway速度、rは旋回角速度、ψは船首方位、u,vは対水速度、βは斜航角、Uは潮流速度、uはX方向の潮流速度、vはY方向の潮流速度、ψは潮流方位を示す。
線形の船体運動方程式は、surge速力を一定として、sway運動とyaw運動の連成運動から船体重心Gについて、
Figure 0006228078
になる。ここでtは時間、vは横流れ速度、rは旋回角速度、δは舵角を示し、ξ=[vr]^T、Tは転置行列を示し、
Figure 0006228078
である。
(1)式は14個の微係数からなり、数が多いため扱い難い。そこで、微係数を集約するために応答モデルを導く。(1)式を応答モデルに変更するため、ラプラス変換して両辺にM-1をかけて整理すると
Figure 0006228078
を得る。ここでPv2(s)はswayの2次系の伝達関数モデル、Pr2(s)はyawの2次系の伝達関数モデル、添字(・)は2次系、sはラプラス演算子、Iは2×2単位行列を示し、
Figure 0006228078
である。ここでdetは行列式を示し、さらに行列式は次の関係をもつ。
Figure 0006228078
よってPv2(s),Pr2(s)を整理するため、
Figure 0006228078
を用いて、
Figure 0006228078
と定める。ここでK は横流れゲイン、K は旋回力ゲイン、T,T,Tv3 ,Tr3 はいずれも時定数を示し、
Figure 0006228078
である。
よって、応答モデルのパラメータの数は、K ,K ,T,T,Tv3 ,Tr3 の6個となり、(1)式の微係数の14個より少なくなる。これがオートパイロットで応答モデルを用いる理由である。実用時においては、パラメータ同定が少ないことで取り扱いが容易になる。また、応答モデルは、(6)式において分母が共通で分子が異なる。また、操舵機モデルは舵角と命令舵角δとの伝達関数を、
Figure 0006228078
に近似する。ここでTは時定数を示す。このTは、実用時において、T,Tに比べ十分に小さいので省略して、δ≒δと扱う。
1.3 変針制御
変針応答は保針応答に比べ信号のダイナミックレンジが大きくSN比が大きいため、本実施の形態においては、パラメータ同定は自動操船における変針応答の時系列データを用いるものとする。なお、時系列データは、手動操船時における変針応答の時系列データを用いてもよい。ここで、自動操船における変針の制御方法について説明する。図4は、自動操船における変針の制御方法を示す概略図である。図5は、参照方位と参照舵角の時間変化を示すグラフである。
図4に示すように、自動操船における変針の制御は、後述する変針条件に基づいて、軌道演算部11が参照方位ψ(s)を生成し、フィードフォワード制御器15が船体モデルの逆モデルによってフィードフォワード舵角ΔFF(s)を生成する。また、変針条件として、連続的な変針動作を実現する方位初期値、操舵機飽和の防止を実現する操舵機制約を導入することによって、参照方位は、4次の時間関数
Figure 0006228078
になる。ここでηは係数を示す。フィードフォワード舵角(参照舵角)は、船体モデルの逆モデルを用いて、
Figure 0006228078
になる。このとき船首方位は
Figure 0006228078
になり、参照方位に一致する。
参照方位ψと参照舵角δは図5に示すように変針制御において一対で用いる。このような参照方位ψと参照舵角δの時系列において、参照方位ψは変針条件(変針量Δψ,指定旋回角速度r)、操舵機条件(舵角設定値δ、舵速度設定値δ )および方位初期値C1a・・ (0),C2a (0)により定まる(特開2007−290695号公報を参照)。ここでrは参照角速度、添え字はそれぞれ加速、等速、減速の各モード、Tは時間、ηは定数を示す。
2.1 surge速度算出方法
次に、surge速度を算出する原理について説明する。図6は、変針前後の航路を示す図である。
対地速度成分は局地水平座標において、船体速度成分と潮流速度成分からなり
Figure 0006228078
と定める。ここでψ:船首方位、u,v:それぞれx方向、y方向の対地速度、u,v:それぞれsurge方向、sway方向の船体速度、u,v:それぞれx方向、y方向の潮流速度、M:座標変換行列。また、対地速度はGNSSセンサ232により出力される信号を用いて、
Figure 0006228078
として得られる。ここでU:対地速度(SOG:speed of ground)、ψ:対地方位(COG:course of ground)。
(12)式において、船体速度および潮流速度を変針前後においてほぼ一定とすれば、対地速度は方位の変針角に起因して変化する。図6に示すような変針を行った場合、変針前後の対地速度は
Figure 0006228078
になる。ここで添字:それぞれ変針の前後。(15)、(16)式の差をとると
Figure 0006228078
になるので、船体速度は
Figure 0006228078
から求まる。潮流速度は上式を、時間的に新しい条件を用いるため、(16)式に代入すると
Figure 0006228078
から求まる。したがって、surge速度uは(18)式から求まり、uを用いることで、船体パラメータ同定が実現できる。
2.2 速度算出処理
次に、surge速度の具体的な算出方法として、速度算出処理について説明する。対地方位ψは、旋回時にsway速度が生じるため、船首方位ψに対して遅れ時間tdelayを持つ。そのため、速度算出処理においては、surge速度算出に用いる時系列データの時間帯について遅れ時間を考慮する。図7は、速度算出処理の動作を示すフローチャートである。図8は、潮流成分がゼロの場合における変針応答の時系列データを示すグラフである。図9は、検出方位に対する対地方位の遅れ時間とその評価量との関係を示すグラフである。なお、速度算出処理は変針終了から所定時間後になされるものとする。
図7に示すように、まず、速度算出部126は、参照方位ψに基づいて、変針状態時間tchangeを取得する(ステップS101)。ここで変針状態時間tchangeは参照方位ψが変針状態にある時間を示す。
次に、速度算出部126は、取得時間tstoreを算出する(ステップS102)。ここで取得時間tstoreは、出力データ記憶部121及び入力データ記憶部122に蓄積された時系列データのうち、速度算出処理に用いられる時系列データの時間帯を示す。この取得時間tstoreは、図8に示すように、
Figure 0006228078
とする。ここでtstore:取得時間、tsettle:変針前後の静定時間、tchange:変針状態時間で変針条件に依存、tdelay0:遅れ時間の初期値。標本時間はGNSSセンサ232の出力レートに連動し、本実施の形態においてはデフォルト1秒にする。
取得時間の算出後、速度算出部126は、取得時間内の時系列データとして、出力データ記憶部121から検出方位ψを取得し、入力データ記憶部122から対地速度U及び対地方位ψを取得する(ステップS103)。次に、速度算出部126は、ψの時間配分を定めるため、遅れ時間tdelayを算出する(ステップS104)。遅れ時間tdelayは図9に示すように評価量Jdelayを最小にする値である。すなわち
Figure 0006228078

になる。ここで:時系列データの指数、isettle=(2×tsettle+tchange)/(出力レート)、出力レート1回/1秒。上式はψ(t)を固定して、ψ(t+tdelay)をtdelayだけ進ませて、両者を一致させるtdelayを求める。すなわち1変数に対する最小値探索に相当するので、黄金分割算法を用いる。
次に、速度算出部126は、時系列データにおける変針前の静定時間、変針後の静定時間それぞれについて、ψ(t)、ψ(t+tdelay)、U(t+tdelay)のそれぞれの平均値を算出する(ステップS105)。具体的には、速度算出部126は、変針前、変針後それぞれの静定時間内において、tを基準とする所定時間内のψの平均値、t+tdelayを基準とする所定時間内のψ、Uの平均値を算出する。このように平均値を算出することによって、それぞれのパラメータに含まれる外乱が除去される。次に、速度算出部126は、算出した6つの平均値に基づいて、船体速度を(18)式から、潮流速度を(19)式からそれぞれ求める(ステップS106)。
3.1 船体モデル設定
次に、パラメータ同定に用いる船体モデルについて説明する。実用時航行中に(1)式の微係数を取得することは極めて難しい。(6)式のパラメータの数は微係数の数より少ないが、6個のパラメータを得ることもまた難しい。そこで、船体モデルはさらに次数を低減した応答モデルを用いる。(6)式において、伝達関数を低周波域で近似したyawおよびsway運動に関する船体モデルは野本の1次モデル(以降、野本モデルと呼称する)と呼ばれ、yawおよびswayそれぞれについて、
Figure 0006228078

として知られている。ここでT =T+T−Tr3 ,T =T+T−Tv3 である。上式において分母は1次系に低減し、分子は時定数がなくなる。これはT>Tr3>T,Tv3≒0.3Tr3の条件を用い、T ,T はTが支配的になる。また、船首方位は、旋回角速度の積分値であるので、(24)式より
Figure 0006228078
になる。
上述したように、本実施の形態において、自動操舵における変針は参照方位ψとフィードフォワード舵角δFFを用いる。フィードフォワード舵角は上式を用いると
Figure 0006228078
になり、そのとき船首方位は(6)式を用いて、
Figure 0006228078
と近似すると、Tr3 による過渡現象を生じる。
これは(6)式の時定数で2番目に大きいTr3 はδFFから除外できないことを示す。一方Tv3 はTr3 より十分に小さいため省略する。よって、船体モデルは、yaw同定モデル、sway同定モデルとして、(24)式のP (s)、(25)式のP (s)の代わりに、
Figure 0006228078

を採用する。
ここでK≠K ,Tv3≠Tv3 ,T≠T ,K≠K ,Tv3=0,T=T。T=Tなる関係は(24)式の分母が共通であることに起因する。Tは便宜的に用いる。P(s)は直達項を含み、P(s)は含まない。船体モデルは線形の2次系を1次系に低次元化したので、モデル誤差を陽にもつ。よって、船体パラメータまたは操縦性指数は[K,T,Tr3,K]になり、これらを同定手法によって推定する。
yawモデルは、船首方位信号を直接に利用できるため、3つのパラメータでも同定することができる。一方、swayモデルは、sway速度を直接に利用できないため、T=Tの設定は都合がよく、パラメータの低減だけでなく、信号処理においても有効である。sway速度はsurge速度に比べて一桁程度小さい。したがってswayパラメータが少ない程、同定精度は向上する。またsway速度はyaw角速度を用いて、
Figure 0006228078
になる。
3.2 同定モデル設定
次に、上述した船体モデルを含む同定モデルについて説明する。図10は、yaw同定モデル及びsway同定モデルの構成を示すブロック図である。なお、図10において、(a)はyaw同定モデルを示し、(b)はsway同定モデルを示す。以下、まず、yaw同定モデルについて説明し、次に、sway同定モデルについて説明する。
同定モデル123は、図10に示すように、船体モデルと初期値およびオフセット成分から構成される。初期値は積分器の初期値であり、オフセット成分は状態量のオフセット成分であり、これらは船体モデルの応答を実際の応答に一致させる働きをする。具体的には、初期値として、船体運動の初期値r,vを設定することにより、初期応答の変動を捉える。また、オフセット成分として、舵角オフセット成分及び局地水平座標系の速度オフセット成分を用いる。ここで、舵角オフセット成分は、一定風力に起因して船体22の上部構造物に作用するモーメントを舵角換算値によって、
Figure 0006228078

と設定する。ここで添字(・)はオフセットを示す。また、局地水平座標系の速度オフセット成分は潮流成分や船体を移動させる成分からなり、
Figure 0006228078

と設定する。yaw同定モデルの方位出力は、検出された船首方位と直接に比較できるので、図10(a)に示すように、
Figure 0006228078

と定める。これより同定するパラメータは、
Figure 0006228078
になる。
ここで、本発明におけるyaw同定モデルと従来のyaw同定モデルとを比較する。具体的には、従来のyaw同定モデルを用いた場合、波浪外乱時にパラメータ同定値が変動する原因を示す。従来のyaw同定モデルのパラメータは上述の舵角オフセットδroに比較して、
Figure 0006228078
というように、方位変化に連動する舵角オフセットを加えた形になる。ここで、δrψは風などに起因するyawまわりモーメントを舵角換算した方位係数を示し、ψは検出された船首方位、ψは変針前の船首方位である初期方位を示す。このときパラメータは、
Figure 0006228078
になり、(38)式に比べて1つ多い。δrψは変針後の舵角オフセット変動による同定誤差を防止するが、波浪外乱成分がδrψを介して同定値に影響を与える。この同定値への影響について説明する。まず、(36),(37)と(40)式から、
Figure 0006228078

を定める。ここで簡単化のためTr3=0,δro=0,r=0,ψ=0として、上式をラプラス変換して、同定誤差を求めると、
Figure 0006228078
を得る。ここで、Ψ(s)=Ψ(s)+Ψ(s),Ψ(s)は2次船体モデルの方位、Ψ(s)は波浪外乱を示す。
上式より従来のyaw同定モデルによる同定誤差は波浪外乱の影響を受ける。一方、本発明におけるyaw同定モデルはδrψをもたないので、同定誤差は、
Figure 0006228078
になり、波浪外乱から直接影響されない。
このように、本発明におけるyaw同定モデルは、変針後の舵角オフセット変化による同定誤差を無視し、同定値の変動を低減する対策を優先した。なお、変針量が小さければ、舵角オフセット変化も小さいと仮定する。
次に、sway同定モデルについて説明する。このsway同定モデルは、上述したyaw同定モデルと同様の理由から、舵角オフセットに方位に連動するオフセットを含まない。sway速度は検出不可とし、ボディ座標系の速度成分を局地水平座標系の速度成分に変換し積分することによって位置として検出する。よって、図10(b)に示すように、
Figure 0006228078
と定める。ここでx,yはそれぞれnorth方向、east方向の船体位置を示し、ψは検出方位を示す。これより同定するパラメータは、
Figure 0006228078
になる。ここで、検出方位に含まれる波浪外乱が船体位置に与える影響を示す。検出方位を
Figure 0006228078
とおく。ここでψは波浪外乱を示す。微小の波浪振幅としてa,波浪周波数としてω,ψ=0(簡単化のため)およびψ=asinωtを(46)式に代入すると、
Figure 0006228078
になる。vを積分すると、
Figure 0006228078
になる。ここでCは積分定数を示す。上式の係数は、
Figure 0006228078
になる。ここでperiodは波浪周期を示す。
数値例として、u=20kn,a=2deg,period=10secとした場合、係数は0.57mになり、period=20secとした場合、係数は1.14mになる。よって波浪外乱は(51)式でsway速度積分値より小さく、その影響は実用上無視できる。
3.3 同定値評価方法
次に、同定したパラメータの評価方法について説明する。評価方法は追従誤差と閉ループ特性とに基づき、より具体的には、同定パラメータと前記船舶用自動操舵装置の制御仕様とに基づいて算出したフィードバックゲインと2次船体モデルとにより構成される閉ループによる閉ループ特性と、1次船体モデルにより構成される閉ループによる閉ループ特性との比較に基づいて行われる。
まず、追従誤差について説明する。追従誤差は、yaw同定モデル、sway同定モデルのそれぞれについて、制御対象の出力と同定モデルの出力との応答誤差の二乗和
Figure 0006228078

によって定める。ここでeは追従誤差量、添字(・)は検出量、nはデータ数を示す。また、(53)式はyaw同定モデルを示し、(54)式はsway同定モデルを示す。
次に、閉ループ特性について説明する。モデル誤差が陽にあるため、同定パラメータを直接に(6)式の2次船体パラメータと比較することはできない。そこで、同定パラメータと制御仕様からフィードバックゲインを求め、それと2次船体モデルからなる閉ループを構成し、閉ループ特性を評価する。ここで、方位制御ループ及び航路制御ループについて説明する。図11は、方位制御ループ及び航路制御ループの構成を示すブロック図である。また、図12は、航路制御閉ループの根軌跡を示すプロット図である。
方位制御ループは、図11(a)に示すように、方位モデルとフィードバック制御から構成され、
Figure 0006228078

になる。ここで添字(・)は方位制御ループ、Kは微分ゲイン、Kは比例ゲインを示す。上式より
Figure 0006228078

になる。よって、特性多項式D(s)は上式より
Figure 0006228078

になる。ここでζは減衰係数、ωは固有周波数を示す。設計パラメータをKとζとし、上式に与えると、
Figure 0006228078

が求まり、制御ゲインが確定する。
制御ゲインを方位2次モデルに適用した場合、閉ループ特性はモデル誤差の影響により仕様と異なる。その変化量を同定誤差の評価量とする。(55)式のP(s)を(6)式のPr2(s)に置き換えると、
Figure 0006228078

になるから、特性多項式Dh2(s)は、
Figure 0006228078

になる。ここで添字(・)h2は方位2次モデルを利用した場合、ah2は実数、s=−1/Tから派生したものを示す。
よって、同定パラメータは、方位モデルの減衰係数ζ、固有周波数ωと方位2次モデルの減衰係数ζh2、固有周波数ωh2との比較から評価する。閉ループ安定性はζh2の変動に影響する。
また、航路制御ループは、図11(b)に示すように、方位制御ループを併設してswayモデルとフィードバック制御から構成し、
Figure 0006228078

になる。ここで添字(・)は航路制御ループ、Kは航路ゲインを示す。(31)式を用いて、
Figure 0006228078

とし、(63)式から(65)式を整理すると、
Figure 0006228078

になる。よって特性多項式Dt(s)は、
Figure 0006228078
になる。ここで
Figure 0006228078
である。
上式の右辺の第1項はK<0,K>0(安定船の場合)よりK/K<0になり、その第2項はTr3>0,u>0よりTr3u>0になる。これよりCはuに比例して大きくなるが正に達しないとする。したがってゼロ点
Figure 0006228078
はuに比例して大きくなり、原点から右方向に遠ざかる。
次に、航路ゲインKを求める。仕様の特性多項式を、
Figure 0006228078
に定める。2つのDt(s)において、sの係数を比べると
Figure 0006228078

になる。上式よりωに関して解くと3次方程式
Figure 0006228078
が得られる。上式の3次と0次の係数は負になるので、少なくとも上式の根のひとつは負になる。
ωは設計パラメータζを上式に与えると代数解法によって求まる。ここで、図12を参照しつつ、ζの選び方を説明する。(68)式からゼロ点を削除した2次式を点線で示す。図12(a)は、0<K<∞の様子を示し、極(×記号)の付近では両者の特性は似ている。なお,K=1.5,ζ=1/√2,u=10knの場合である。
図12(b)は、原点付近を拡大したものである。根軌跡の減衰係数ζは,ゼロ点なしの場合1/√2から始まりその後小さくなり,ゼロ点あり(3次式)の場合1/√2から始まりさらに大きくなりその後小さくなる。したがって,3次式の減衰係数ζはこの過程で1/√2になるので,ζ=1/√2を用いる。図中の黒点が求める根である。
なお図12より,ζ=1/√2になる共役根は3つあり,K=0の極×の場合,上記の場合,および右半平面の場合(不安定根)に相当する。それぞれの場合のωtは,極×の場合と比較すると,上記の場合小さくなり,不安定根の場合は負になる。
よって,(75)式から正の最小のωtを解にして、
Figure 0006228078

が順次求まる。
航路制御ループにおける同定誤差の評価量は、方位制御ループの場合と同様に定める。制御ゲインK,K,Kを方位2次モデル、sway2次モデルを用いた航路制御ループにおいて、閉ループ特性を仕様と比べる。(63),(64)式にそれぞれ(6)式のPr2(s),Pv2(s)を適用すると、
Figure 0006228078

になるから、特性多項式Dt(s)は、
Figure 0006228078

になる。ここで添字(・)t2は方位2次モデルおよびsway2次モデルを利用した場合、bt2は実数、s=−1/Tから派生したものを示す。よって、同定パラメータは航路モデルのζ,ωと航路2次モデルのζt2,ωt2との比較から評価する。閉ループ安定性はζt2の変動に影響する。
4.1 同定処理
次に、パラメータの同定処理について説明する。図13は、yaw同定及びsway同定を説明する概略図である。図14は、安定船及び不安定船を示す図である。図15は、同定処理の動作を示すフローチャートである。
パラメータ調節部125は、図13に示すように、変針応答時の時系列データに基づいてyaw同定を行い、yaw同定において同定した同定値(T)と時系列データとに基づいてsway同定を行う。ここで、パラメータ調節部125は、sway同定においてはyaw同定により同定された同定値を参照するが、これ以外においてはyaw同定及びsway同定は互いに干渉しない。このように同定した船体パラメータ同定値によって、方位制御及び航路制御における制御ゲインが設定されることにより、従来に比べてより実用に即した適応型オートパイロットが実現する。
ここで、yaw同定及びsway同定を行う同定処理について説明する。この同定処理は、yaw同定及びsway同定について略同様の手順で行われ、同定値は1回の変針応答から求められるものとする。まず、出力データ記憶部121及び入力データ記憶部122は、変針時における時系列データとして、それぞれ、出力データ、入力データを記憶する(S201)。ここで出力データは、センサ類23により検出された船首方位及び船体位置であり、yaw同定においては船首方位が用いられ、sway同定においては船体位置が用いられる。また、yaw同定において入力データは命令舵角であり、sway同定において入力データは命令舵角、船首方位、及び速度算出部126により算出されたsurge速度である。変針後、同定モデル123に計算条件及び入力データが与えられモデル出力データが出力される(S202)。ここで、モデル出力データは、図10(a)に示したようにyaw同定においては船首方位であり、図10(b)に示したようにsway同定においては船体位置である。モデル出力データが出力された後、パラメータ調節部125は、減算器124により算出された出力データとモデル出力データとの誤差(同定誤差)の評価量を算出し(S203)、算出した評価量の極小値を算出し(S204)、算出した極小値から最小値を選択し(S205)、評価量が最小値となるパラメータを同定値として出力する(S206)。なお、評価量の算出、極小値の算出、最小値の選択については後述する同定算法の項において説明する。
このように、パラメータ調節部125は、yaw同定においてはyaw同定モデルによる出力を船首方位に追従させることにより同定値を求め、sway同定においてはsway同定モデルによる出力を船体位置に追従させることにより同定値を求める。また、パラメータ調節部125は、船舶用自動操舵装置1の制御対象である船体プラント2が安定船か不安定船かを判断するために、図14に示す安定船、不安定船それぞれのパラメータ範囲で同定誤差を求めてそれぞれの同定誤差を比較し、より小さい同定誤差がいずれのパラメータ範囲に属するかを判定する。これについても同定算法の項において説明する。
4.2 同定算法
次に、上述した同定処理においてパラメータを同定する算法について説明する。同定算法は一回の変針応答から計算する必要があるため、パラメータ同定を多変数関数の最小値問題に帰着させ、最小値を求めるにあたって、SQP(Sequential Quadratic Programming:逐次二次計画法)を採用する。このSQPを採用することにより、データを繰り返し用いてパラメータを調整して同定誤差を減少させることができ、かつ安定船・不安定船の船体パラメータ制約を与えることができる。
まず、評価量の算出について説明する。同定誤差の評価量は、同定誤差は同定モデルの出力とその対象の出力との差から求め、その評価量は同定誤差の2乗和とし、
Figure 0006228078

になる。ここでJはyaw同定における同定誤差の評価量、Jはsway同定における同定誤差の評価量、添字(・)は検出量、nはデータ数を示す。なお、同定モデルの出力ψ,x,yはパラメータの初期値Xr0,Xv0から計算する。評価量は誤差の2乗和で定めるので、その特性は最小二乗法に準じる。
次に、極小値の算出について説明する。上述の評価量J,JはそれぞれのパラメータX,Xを関数とする多変数関数である。その最小値(この最小値はステップS204における極小値を示す)はパラメータに関する偏微係数がゼロになるときの値である。すなわち、
Figure 0006228078

になる。ここで∂ψ/∂X,∂x/∂X,∂y/∂Xは勾配ベクトル、0はゼロベクトルを示す。勾配ベクトルがゼロになるパラメータを探索する算法として、上述したSQP技法を用いる。
次に、上述したパラメータ制約の導入について説明する。図14に示した安定船・不安定船の船体パラメータ制約や初期値及びオフセット成分制約を同定計算に組み込むため、ラグランジェの未定乗数法を用いる。このとき評価量は、
Figure 0006228078

となる。ここでΛ,Λはラグランジェの未定乗数の横ベクトル、B,Bはパラメータ制約の横ベクトルを示す。パラメータ制約内の同定値はJ,Jの代わりに上式のJrλ,Jvλによって求められる。そのためΛr,Λvが同定変数として追加される。
次に、最小値の選択について説明する。極小値はパラメータの初期値から評価量の極小値を探索することによって算出される。そのため、極小値は初期値に依存し必ずしも最小値にならない場合があるため、ローカルミニマムである。そこで、グローバルミニマムの最小値は初期値に対するローカルミニマムの極小値から選択し、同定値はグローバルミニマムの最小値を与えるパラメータとなり、
Figure 0006228078

になる。ここでX はyaw同定の同定値、X はsway同定の同定値、添字(・),(・)は初期値の指標を示す。
以上説明したように、検出された船首方位、対地速度、対地方位に基づいて、surge速度を算出し、このsurge速度に基づいて、yaw同定モデル及びsway同定モデルを含む船体モデルの船体パラメータを同定することによって、ログ速度計を備えることができない船におけるパラメータ同定を行うことができる。
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 船舶用自動操舵装置
12 同定演算部
122 入力データ記憶部
123 同定モデル
125 パラメータ調節部
126 速度算出部
22 船体

Claims (5)

  1. 参照方位と船首方位とに基づいて船体パラメータを用いて命令舵角を出力する船舶用自動操舵装置であって、
    前記船体パラメータを同定する同定演算部を備え、
    前記同定演算部は、
    前記船舶用自動操舵装置で得られる所定の入力データからモデル出力データを出力し、船体のyaw運動に関するyaw同定モデルと前記船体のsway運動に関するsway同定モデルとを有する船体モデルを含む同定モデルと、
    前記同定モデルからのモデル出力データと、前記船体に係る実測値である出力データとの比較結果から前記船体パラメータを調整して同定するパラメータ調節部と、
    前記船体について検出された船首方位、対地速度、対地方位に基づいて、前記船体のsurge速度を算出する速度算出部とを備え、
    前記入力データは、前記速度算出部により算出された前記船体のsurge速度、前記船首方位、前記船舶用自動操舵装置により出力された命令舵角であることを特徴とする船舶用自動操舵装置。
  2. 前記速度算出部は、前記船体の変針に応じて、変針前、変針後それぞれにおける船首方位と対地速度と対地方位とに基づいて、surge速度を算出することを特徴とする請求項1に記載の船舶用自動操舵装置。
  3. 前記同定演算部は、
    前記船首方位、前記対地速度、前記対地方位を時系列データとして蓄積する入力データ記憶部を更に備え、
    前記速度算出部は、前記船体の変針時点と、前記時系列データにおいて前記変針時点における変針時船首方位と前記変針時船首方位との差が最小となる対地方位の前記変針時点後におけるタイミングとの差を遅れ時間とし、前記入力データ記憶部に蓄積された時系列データのうち、変針前、変針後それぞれにおける船首方位と、変針前から前記遅れ時間後、変針後から前記遅れ時間後のそれぞれにおける対地速度及び対地方位とに基づいて、前記surge速度を算出することを特徴とする請求項2に記載の船舶用自動操舵装置。
  4. 前記速度算出部は、前記入力データ記憶部に蓄積された時系列データのうち、前記変針前の第1時点を基準とする所定時間内における船首方位、前記変針後の第2時点を基準とする所定時間内における船首方位、前記第1時点から前記遅れ時間後である第3時点を基準とする所定時間内における対地速度、前記第2時点から前記遅れ時間後である第4時点を基準とする所定時間内における対地速度、前記第3時点を基準とする所定時間内における対地方位、前記第4時点を基準とする所定時間内における対地方位のそれぞれについて平均値を算出し、該平均値に基づいて前記surge速度を算出することを特徴とする請求項3に記載の船舶用自動操舵装置。
  5. 前記yaw同定モデルの伝達関数は、
    sをラプラス演算子、K、T、Tr3を同定するべき船体パラメータとして、
    Figure 0006228078
    で表され、
    前記sway同定モデルの伝達関数は、sをラプラス演算子、K、Tを同定するべき船体パラメータとして、
    Figure 0006228078
    で表され、T=Tであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の
    船舶用自動操舵装置。
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