JP2016007638A - 板材及びこれを備えた筒状構造物並びに筒状構造物の製造方法 - Google Patents

板材及びこれを備えた筒状構造物並びに筒状構造物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】隣接する板材への溶接時における強度低下を抑制することができる側板を提供する。
【解決手段】側板11は、軸方向D1に互いに溶接された一対の側板片16、17を有する。側板片16、17同士の間の溶接線は、軸方向D1に対する角度が処理用角度A2となるように配置された処理対象溶接線L2と、処理対象溶接線L2から側板11の上縁部まで延びるとともに軸方向D1に対する角度が処理対象角度A2よりも小さな第一角度A1となるように配置された第一溶接線L1とを含む。側板片16には、当該側板片16の疲労強度を向上するためのピーニング処理R1が処理対象溶接線L2に沿って施されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、軸方向に延びるとともに軸方向と直交する方向において閉断面を有する筒状構造物に関するものである。
従来から、軸線を取り囲むように配置された複数の板材を有し、複数の板材の互いに隣接する端部同士が溶接されることにより形成された筒状構造物が知られている。
この種の筒状構造物において、少なくとも1つの板材は、筒状構造物の強度及び剛性の確保、並びに筒状構造物の軽量化を目的として軸方向に複数の板材片に分割され、これらの板材片同士が溶接されることにより前記少なくとも1つの板材が製造される。
例えば、特許文献1に記載のブーム(筒状構造物)は、軸方向に延びる左右一対のウェブ板(板材)と、上及び下のフランジ板(板材)とを備えている。ウェブ板の各々は、軸方向に溶接された第1〜第5ウェブ材(板材片)によって構成されている。
また、特許文献1に記載のブームは、次のような方法で製造される。
まず、第1〜第5ウェブ材を軸方向に順次突合せ溶接することによりウェブ板を製造する。このように製造されたウェブ板を一対準備し、当該一対のウェブ板が対向した状態で当該ウェブ板同士を連結するようにウェブ板の上縁部に上のフランジ板を溶接する。次いで、ウェブ板同士を連結するようにウェブ板の下縁部に下のフランジ板を溶接する。
しかし、上述のように複数の板材片を溶接することによって板材を製造する場合、板材片における溶接部の止端部近傍の疲労強度が低下し、筒状構造物の変形時、特に軸方向と直交する方向の曲げ変形時に筒状構造物の強度が不足するという問題がある。
これを解決するために、溶接後の板材片に対し、疲労強度を向上するための処理(以下、疲労強度向上処理という)が施されることがある。
疲労強度向上処理としては、例えば、ひずみを与えることにより板材片に圧縮残留応力を与える処理(例えば、ピーニング、ショットブラスト、キャビテーション)、加工硬化による板材片の硬さを上昇させる処理(例えば、ピーニング、ショットブラスト、キャビテーション、冷間圧延加工)、及び板材片において塑性流動により結晶粒を微細化する処理(例えば、超音波ショットピーニング)等がある。
国際公開第2012/144037号
ここで、疲労強度向上処理が施された両板材には、上述のように、その後、残りの板材が溶接される。
この溶接時の熱は、板材における当該板材と隣接する板材の近傍の範囲に伝達し、板材片におけるひずみの回復、再結晶化、及び相変態等を引き起こすおそれがある。
この場合、板材片から疲労強度向上処理の効果が消失し、板材の強度が低下してしまう。
本発明の目的は、隣接する板材への溶接時における強度低下を抑制することができる板材及びこれを備えた筒状構造物並びに筒状構造物の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本願発明者等は、一対の板材片同士の間の溶接線の軸方向に対する角度(劣角。以下『軸方向に対する角度』について同様。)が小さいほど筒状構造物の曲げ方向の強度が向上する(溶接線に対して直交する方向に作用する曲げ応力の成分が低減される)点に着目して、一対の板材片同士の溶接線を軸方向と直交する方向に対して傾斜させる発明に想到した。
しかし、溶接線の全体について軸方向に対する角度を小さくすると、溶接線の長さ、つまり、板材片の長さが長くなって板材片自体の取り扱いが困難になるという問題がある。
そこで、本発明は、軸線を取り囲むように配置された複数の板材の互いに隣接する縁部同士を溶接することにより、軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向において閉断面を有する筒状構造物を製造するための前記板材であって、前記軸方向に互いに溶接された一対の板材片を有し、前記板材片同士の間の溶接線は、前記軸方向に対する角度が処理用角度となるように配置された処理対象溶接線と、前記処理対象溶接線から前記板材の縁部まで延びるとともに前記軸方向に対する角度が前記処理対象角度よりも小さな第一角度となるように配置された第一溶接線とを含み、前記板材片の少なくとも一方には、当該板材片の疲労強度を向上するための疲労強度向上処理が前記処理対象溶接線に沿って施されている、板材を提供する。
また、本発明は、軸線を取り囲むように配置された複数の板材の互いに隣接する縁部同士を溶接することにより、軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向において閉断面を有する筒状構造物を製造するための方法であって、前記複数の板材を準備する準備工程と、前記複数の板材の少なくとも1つに対し、当該少なくとも1つの板材の疲労強度を向上するための疲労強度向上処理を施す処理施行工程と、前記処理施行工程後に前記複数の板材の互いに隣接する縁部同士を溶接する溶接工程とを含み、前記準備工程では、前記軸方向に対する角度が処理用角度となるように配置された処理対象溶接線と、前記処理対象溶接線から前記板材の縁部まで延びるとともに前記軸方向に対する角度が前記処理対象溶接線よりも小さな第一角度となるように配置された第一溶接線とを含む溶接線に沿って、前記少なくとも1つの板材を形成するための一対の板材片を前記軸方向に互いに溶接し、前記処理施行工程では、前記一対の板材片の少なくとも一方に対し前記処理対象溶接線に沿って前記疲労強度向上処理を施す、筒状構造物の製造方法を提供する。
本発明によれば、軸方向に対する角度の大きな処理対象溶接線に沿って疲労強度向上処理を施すとともに、隣接する板材への溶接時に熱影響を受け易い板材の縁部に第一溶接線を設け、この第一溶接線の軸方向に対する第一角度を処理対象溶接線の処理用角度よりも小さくしている。
これにより、曲げ方向に対する強度面で不利となる処理対象溶接線に沿った溶接部ついては疲労強度向上処理によって補強することができるとともに、熱影響を受け易い部分に設けられた第一溶接線に沿った溶接部については当該第一溶接線と直交する方向に作用する曲げ応力の成分を低減して強度を確保することができる。
しかも、一対の板材片同士の間の溶接線の一部として第一溶接線を形成しているため、第一溶接線を設けることにより板材片(溶接線)が必要以上に長くなるのを抑制することができる。
したがって、本発明によれば、板材片の取り扱いが困難になるのを抑制しながら隣接する板材への溶接時における強度低下を抑制することができる。
なお、本発明において『軸方向に対する角度が処理用角度よりも小さな第一角度』は、第一溶接線及び処理対象溶接線の少なくとも一方が湾曲又は屈曲している場合、第一溶接線における軸方向に対する最大角度が処理対象溶接線における軸方向に対する最小角度よりも小さいことを意味する。
また、本発明の疲労強度向上処理は、例えば、ひずみを与えることにより板材片に圧縮残留応力を与える処理(例えば、ピーニング、ショットブラスト、キャビテーション)、加工硬化による板材片の硬さを上昇させる処理(例えば、ピーニング、ショットブラスト、キャビテーション、冷間圧延加工)、及び板材片において塑性流動により結晶粒を微細化する処理(例えば、超音波ショットピーニング)等を含む。
前記一対の板材片は、それぞれ2枚の板として準備されていてもよいが、この場合には、第一溶接線及び処理対象溶接線が画定されるように、大きな2枚の板材片同士を位置決めする必要があり、作業が煩雑となる。
そこで、前記板材において、一方の板材片は、他方の板材片との間で前記処理対象溶接線に沿って溶接された板材片本体と、他方の板材片に対して前記第一溶接線に沿って溶接されているとともに前記板材片本体に対して中継溶接線に沿って前記軸方向に溶接された中継部材とを有し、前記中継溶接線は、前記板材の縁部に設けられているとともに前記軸方向に対する角度が前記処理用角度よりも小さな中継用角度となるように配置されていることが好ましい。
また、前記筒状構造物の製造方法において、前記準備工程では、一方の板材片として、他方の板材片との間で前記処理対象溶接線を画定可能な板材片本体と、前記他方の板材片との間で前記第一溶接線を画定可能で、かつ、前記板材片本体との間で中継溶接線を画定可能な中継部材とを有する板材片を準備し、前記処理対象溶接線に沿って前記他方の板材片と前記板材片本体とを溶接するとともに前記第一溶接線及び前記中継溶接線に沿って前記他方の板材片及び前記板材片本体に対して前記中継部材を溶接し、前記中継溶接線は、前記板材の縁部に設けられているとともに前記軸方向に対する角度が前記処理用角度よりも小さな中継用角度となるように配置されていることが好ましい。
これらの態様によれば、一方の板材片が、他方の板材片との間で処理対象溶接線を画定するための板材片本体と、他方の板材片との間で第一溶接線を画定するための中継部材とに分割されている。
そのため、例えば、処理対象溶接線を介して互いに対向するように板材片本体と他方の板材片とを位置決めし、この状態で、比較的小さな中継部材を板材片本体及び他方の板材片に位置決めすることにより、板材片同士を位置決めすることできる。
したがって、比較的大きな板材片本体及び他方の板材片を取り扱う作業を簡素化することができる。
そして、板材片本体と他方の板材片とを溶接するとともに比較的小さな中継部材を板材片本体及び他方の板材片に溶接することにより板材を準備することができる。
さらに、中継溶接線の軸方向に対する角度が処理用角度よりも小さいため、中継溶接線に沿った溶接部について当該中継溶接線と直交する方向に作用する曲げ応力の成分を低減して強度を確保することができる。
したがって、上述のように板材の準備作業の効率化を図りながら板材の強度を確保することができる。
なお、前記態様において『軸方向に対する角度が前記処理用角度よりも小さな中継用角度』は、中継溶接線及び処理対象溶接線の少なくとも一方が湾曲又は屈曲している場合、中継溶接線における軸方向に対する最大角度が処理対象溶接線における軸方向に対する最小角度よりも小さいことを意味する。
ここで、第一溶接線及び中継溶接線が第一溶接線と処理対象溶接線との連結点において互いに連結されている場合、処理対象溶接線を基準として軸方向の一方の側にまとめて第一溶接線及び中継溶接線を配置することも可能であるが、この場合、処理対象溶接線を基準として軸方向片側に応力が集中する。
そこで、前記第一溶接線及び前記中継溶接線は、前記第一溶接線と前記処理対象溶接線との連結点において互いに連結されているとともに、それぞれ前記処理対象溶接線から前記軸方向の逆向きに延びることが好ましい。
また、前記筒状構造物の製造方法において、前記準備工程では、前記第一溶接線と前記処理対象溶接線との連結点において互いに連結され、かつ、それぞれ前記処理対象溶接線から前記軸方向の逆向きに延びる前記第一溶接線及び前記中継溶接線を画定可能な一対の板材片を準備することが好ましい。
これらの態様によれば、処理対象溶接線を基準として軸方向の両側に第一溶接線及び中継溶接線が設けられているため、処理対象溶接線を基準として軸方向の片側に応力が集中するのを抑制することができる。
したがって、より有効に板材の強度を向上することができる。
前記板材において、前記疲労強度向上処理は、ピーニングであり、前記処理対象溶接線は、前記板材において当該板材と隣接する他の板材との溶接時の温度が400℃以下となる領域に設けられていることが好ましい。
また、前記筒状構造物の製造方法において、前記準備工程では、前記板材において当該板材と隣接する他の板材との溶接時の温度が400℃以下となる領域に前記処理対象溶接線を画定可能な一対の板材片を準備し、前記処理施行工程では、ピーニングを施すことが好ましい。
図5に示すように、ピーニング処理の効果は、隣接する他の板材との溶接時に板材においてピーニング処理が施された部分の温度が400℃を超えると、急激に低下することが確認されている。
そこで、前記各態様のように、板材において400℃以下となる領域にピーニング処理が施されていることにより、その後に隣接する他の板材を溶接しても、ピーニング処理の効果を確実に維持することができる。
前記板材において、前記第一溶接線の前記軸方向に対する角度は、45°以下であることが好ましい。
また、前記筒状構造物の製造方法において、前記準備工程では、前記軸方向に対する角度が45°以下である前記第一溶接線を画定可能な一対の板材片を準備することが好ましい。
なお、これらの態様において『軸方向に対する角度が45°以下』は、第一溶接線が湾曲又は屈曲している場合には、第一溶接線における軸方向に対する最大角度が45°以下であることを意味する。
これらの態様によれば、第一溶接線が軸方向と直交する方向に配置されている場合と比較して、第一溶接線と直交する方向に作用する曲げ応力の成分を約7割(1/√2)以下に減少させることができる(相対的に疲労強度を少なくとも約1.4倍にすることができる)。
したがって、例えば、疲労強度向上処理によらなくても第一溶接線に沿った溶接部の疲労強度を十分に確保することができる。
前記板材において、前記板材片同士の間の溶接線は、前記処理対象溶接線から前記板材の前記第一溶接線と反対側の縁部まで延びるとともに、前記軸方向に対する角度が前記処理用角度よりも小さな第二角度となるように配置された第二溶接線を含んでいることが好ましい。
また、前記筒状構造物の製造方法において、前記準備工程では、前記処理対象溶接線から前記板材の前記第一溶接線と反対側の縁部まで延びるとともに、前記軸方向に対する角度が前記処理用角度よりも小さな第二角度となるように配置された第二溶接線を画定可能な前記一対の板材片を準備するとともに、前記第二溶接線に沿って一対の板材片同士を溶接することが好ましい。
これらの態様によれば、第一溶接線に沿った溶接部だけでなく第二溶接線に沿った溶接部についても第二溶接線と直交する方向に作用する曲げ応力の成分を低減して板材の強度を確保することができる。
したがって、縦板の両縁部の溶接時における板材全体の強度低下を確実に抑えることができる。
なお、『軸方向に対する角度が処理用角度よりも小さな第二角度』は、第二溶接線及び処理対象溶接線の少なくとも一方が湾曲又は屈曲している場合、第二溶接線における軸方向に対する最大角度が処理対象溶接線における軸方向に対する最小角度よりも小さいことを意味する。
また、本発明は、軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向において閉断面を有する筒状構造物であって、前記軸線を取り囲むように配置された複数の板材を備え、前記複数の板材の互いに隣接する縁部同士が溶接され、前記複数の板材の少なくとも1つは、前記板材である、筒状構造物を提供する。
本発明によれば、隣接する板材への溶接時における強度低下を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る油圧ショベルの全体構成を示す側面図である。 図1に示すブームの側面図である。 図2に示すブームの一部を拡大して示す側面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 連結部材の溶接前のピーニング処理部における側板の硬度に対する連結部材の溶接後のピーニング処理部における側板の硬度の比率を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係るブームの図3相当図である。 本発明の第3実施形態に係るブームの図3相当図である。
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
<第1実施形態(図1〜図5)>
図1を参照して、本発明の実施形態に係る油圧ショベル1は、一対のクローラ2aを有する下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に設けられた上部旋回体3と、上部旋回体3に対して変位可能に取り付けられた作業アタッチメント4とを備えている。
作業アタッチメント4は、上部旋回体3に対して上げ下げ可能に取り付けられたブーム(筒状構造物)5と、ブーム5の先端部に対して回転可能に取り付けられたアーム6と、アーム6の先端部に対して回転可能に取り付けられたバケット7とを備えている。
また、作業アタッチメント4は、上部旋回体3に対してブーム5を上げ下げ駆動するブームシリンダ8と、ブーム5に対してアーム6を回転駆動するアームシリンダ9と、アーム6に対してバケット7を回転駆動するバケットシリンダ10とを備えている。
図2及び図4を参照して、ブーム5は、軸方向D1に延びるとともに軸方向D1と直交する方向において閉断面を有する。なお、軸方向D1は、側面視(図2)においてブーム5の高さ範囲(後述する第一連結部材12と第二連結部材13との間の範囲)の中央を通り、かつ、ブーム5の幅範囲(後述する側板11同士の間の範囲)の中央を通る軸線Jに沿った方向である。
ブーム5は、軸線Jを取り囲むように配置された複数の板材の互いに隣接する縁部同士を溶接することにより製造されたものである。具体的に、ブーム5は、軸方向D1に延びるとともに軸方向D1と直交する方向に対向する一対の側板(板材)11と、側板11の第一縁部(図の上縁部)同士を連結する第一連結部材(板材)12と、側板11の第二縁部(図の下縁部)同士を連結する第二連結部材(板材)13と、ブームシリンダ8の先端部を取り付けるためのボス14と、アームシリンダ9の基端部を取り付けるためのブラケット15とを備えている。
ボス14は、当該ボス14が両側板11を貫通した状態で両側板11に固定(溶接)されている。ブラケット15は、第一連結部材12の外側面に固定(溶接)されている。ボス14は、軸方向D1においてブラケット15よりもブーム5の基端側に配置されている。
両側板11は同様の構成を有するため、以下、一方の側板11について説明し、他方の側板11の説明を省略する。
図2に示すように、側板11は、軸方向D1に溶接された3枚の側板片(板材片)16〜18を備えている。側板片16の基端部と側板片17の先端部とが互いに突合せ溶接され、側板片17の基端部と側板片18の先端部とが互いに突合せ溶接されている。側板片16と側板片17との境界線(溶接線)は、ブラケット15の先端側に配置され、側板片17と側板片18との境界線(溶接線)は、ボス14の基端側に配置されている。なお、側板片16と側板片17との溶接部と側板片17と側板片18との溶接部とは同様に構成されているため、以下、側板片16と側板片17との溶接部のみについて説明する。
図3及び図4を参照して、側板片16は、ブーム5の軽量化を図るために後述する側板片17よりも薄い板材によって構成されている。また、側板片16は、側板片17に対して溶接線L1、L2、L4において溶接されている。具体的に、側板片16は、側板片本体16aと、側板片本体16aに対して溶接線L5において溶接されているとともに側板片17に対して溶接線L4において溶接された第二中継部材16bとを備えている。第二中継部材16bは、側板11の第二縁部(図の下縁部)に設けられている。
一方、側板片17は、側板片本体16aに対して溶接線L2において溶接された側板片本体(板材片本体)17aと、側板片本体17aに対して溶接線L3において溶接されているとともに側板片本体16aに対して溶接線L1において溶接された第一中継部材(中継部材)17bとを備えている。第一中継部材17bは、側板11の第一縁部(図の上縁部)に設けられている。
以下、溶接線L1〜L5について説明する。
溶接線L2(以下、処理対象溶接線L2ともいう)は、軸方向D1に対する角度が処理用角度A2(第1実施形態では約90°)となるように配置されている。
溶接線L1(以下、第一溶接線L1ともいう)は、処理対象溶接線L2から側板11の第一縁部(図の上縁部)まで延びるとともに軸方向D1に対する角度が処理対象角度A2よりも小さな第一角度A1となるように配置されている。
また、側板片16(側板片本体16a)には、側板片16の疲労強度を向上するためのピーニング処理(疲労強度向上処理)R1が処理対象溶接線L2に沿って施されている。なお、ピーニング処理R1は、側板片16の表裏両面に施されている。
溶接線L3(以下、第一中継溶接線L3ともいう)は、処理対象溶接線L2から側板11の第一縁部(図の上縁部)まで延びるとともに軸方向D1に対する角度が処理用角度A2よりも小さな第一中継用角度A3となるように配置されている。
溶接線L4(以下、第二溶接線L4ともいう。)は、処理対象溶接線L2から側板11の第二縁部(図の下縁部)まで延びるとともに、軸方向D1に対する角度が処理用角度A2よりも小さな第二角度(符号省略)となるように配置されている。第二角度は、前記第一角度A1と同一である。
溶接線L5(以下、第二中継溶接線L5ともいう。)は、処理対象溶接線L2から側板11の第二縁部(図の下縁部)まで延びるとともに軸方向D1に対する角度が処理用角度A2よりも小さな第二中継用角度(符号省略)となるように配置されている。第二中継用角度は、前記第一中継用角度A3と同一である。
なお、第一溶接線L1及び第一中継溶接線L3は、第一溶接線L1と処理対象溶接線L2との連結点において互いに連結されているとともに、それぞれ処理対象溶接線L2から軸方向D1の逆向きに延びている。同様に、第二溶接線L4及び第二中継溶接線L5は、第二溶接線L4と処理対象溶接線L2との連結点において互いに連結されているとともに、それぞれ処理対象溶接線L2から軸方向D1の逆向きに延びている。
また、第一角度A1、第二角度、第一中継用角度A3、及び、第二中継角度は、同じ角度(第1実施形態では約20°)に設定されている。
図4に示すように、第一連結部材12は、側板11の第一縁部(図の上縁部)に対して溶接部W1において隅肉溶接されている。同様に、第二連結部材13は、側板11の第二縁部(図の下縁部)に対して溶接部W2によって隅肉溶接されている。
ここで、側板11に対する連結部材12、13(板材と隣接する他の板材)の溶接時の熱は、側板11における両連結部材12、13の近傍の範囲に伝達される。この熱が所定温度以上となると、ピーニング処理R1による側板11の疲労強度向上の効果が急激に低減する。以下、図5を参照して、ピーニング処理R1に対する熱影響について説明する。
図5は、ピーニング処理R1が施された部分(以下、ピーニング処理部という)における連結部材12、13の溶接前の側板11の硬度と、連結部材12、13の溶接後のピーニング処理部における側板11の硬度との比率を示すグラフである。なお、硬度及び疲労強度は、高強度鋼を除き、一般に比例する関係にあるため、図5において側板11の硬度を比較することにより当該側板11の疲労強度の比率を確認することができる。
図5においては、連結部材12、13の溶接前のピーニング処理部における側板11の硬度が基準(100%)として設定されている。ピーニング処理部における側板11の硬度は、ピーニング処理前の側板11の硬度に対し約5%向上している。
また、連結部材12、13の溶接時に100℃以上400℃以下となるピーニング処理部における側板11の硬度は、連結部材12、13の溶接前のピーニング処理部における側板11の硬度以上の硬度を維持している。ここで、連結部材12、13の溶接時に200℃以上400℃以下となるピーニング処理部における側板11の硬度が連結部材12、13の溶接前のピーニング処理部における側板11の硬度を超えている理由は、側板11にひずみ時効が生じているためであると考えられる。
一方、連結部材12、13の溶接時に500℃以上となるピーニング処理部における側板11の硬度は、連結部材12、13の溶接前のピーニング処理部における側板11の硬度よりも低くなっている。
そこで、ピーニング処理R1が施される処理対象溶接線L2は、連結部材12、13の溶接時に側板11において温度が400℃以下となる領域に設けられている。
以下、図3及び図4を参照して、ブーム5の製造方法について説明する。
まず、一対の側板11を準備する(準備工程)。
具体的に、準備工程では、側板片16との間で処理対象溶接線L2を画定可能な側板片本体17aと、側板片16との間で第一溶接線L1を画定可能で、かつ、側板片本体17aとの間で第一中継溶接線L3を画定可能な第一中継部材17bとを有する側板片17を準備する。また、側板片17との間で処理対象溶接線L2を画定可能な側板片本体16aと、側板片17との間で第二溶接線L4を画定可能で、かつ、側板片本体16aとの間で第二中継溶接線L5を画定可能な第二中継部材16bとを有する側板片16を準備する。
また、準備工程では、一対の側板片16、17を軸方向D1に互いに溶接する。具体的に、処理対象溶接線L2に沿って両側板片本体16a、17aが互いに接触し、第一溶接線L1及び第一中継溶接線L3に沿って第二中継部材16bが両側板片本体16a、17aに接触し、かつ、第二溶接線L4及び第二中継溶接線L5に沿って第一中継部材17bが両側板片本体16a、17aに接触するように、両側板片本体16a、17a及び両中継部材16b、17bを位置決めする。この状態で、溶接線L2に沿って両側板片本体16a、17a同士を溶接し、かつ、溶接線L1、L3〜L5に沿って両側板片本体16a、17aに対して両中継部材16b、17bを溶接する。
次いで、一対の側板11の各々に対し、当該一対の側板11の疲労強度を向上するためのピーニング処理R1を施行する(処理施行工程)。具体的に、各側板11における側板片16に対し処理対象溶接線L2に沿ってピーニング処理R1を施す。
処理施行工程後の一対の側板11の第一縁部(図の上縁部)同士を連結するように前記第一縁部に第一連結部材12の縁部を溶接するとともに、一対の側板11の第二縁部(図の下縁部)同士を連結するように前記第二縁部に第二連結部材13の縁部を溶接する(溶接工程)。
以上説明したように、軸方向D1に対する角度の大きな処理対象溶接線L2に沿ってピーニング処理R1を施すとともに、第一連結部材12の溶接時に熱影響を受け易い側板11の第一縁部に第一溶接線L1を設け、この第一溶接線L1の軸方向D1に対する第一角度A1を処理対象溶接線L2の処理用角度A2よりも小さくしている。
これにより、曲げ方向に対する強度面で不利となる処理対象溶接線L2に沿った溶接部ついてはピーニング処理R1によって補強することができるとともに、熱影響を受け易い部分に設けられた第一溶接線L1に沿った溶接部については当該第一溶接線L1と直交する方向に作用する曲げ応力の成分を低減して強度を確保することができる。
しかも、一対の側板片16、17同士の間の溶接線の一部として第一溶接線L1を形成しているため、第一溶接線L1を設けることにより側板片16、17(溶接線)が必要以上に長くなるのを抑制することができる。
したがって、側板片16、17の取り扱いが困難になるのを抑制しながら連結部材12への溶接時における強度低下を抑制することができる。
また、第1実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
側板片17は、側板片16との間で処理対象溶接線L2を画定するための側板片本体17aと、側板片16との間で第一溶接線L1を画定するための第一中継部材17bとに分割されている。
そのため、例えば、処理対象溶接線L2を介して互いに対向するように側板片本体17aと側板片16とを位置決めし、この状態で、比較的小さな第一中継部材17bを側板片本体17a及び側板片16に位置決めすることにより、側板片16、17同士を位置決めすることできる。
したがって、比較的大きな側板片本体17a及び側板片16を取り扱う作業を簡素化することができる。
そして、側板片本体17aと側板片16とを溶接するとともに比較的小さな第一中継部材17bを側板片本体17a及び側板片16に溶接することにより側板11を準備することができる。
さらに、第一中継溶接線L3の軸方向D1に対する第一中継用角度A3が処理用角度A2よりも小さいため、第一中継溶接線L3に沿った溶接部について当該第一中継溶接線L3と直交する方向に作用する曲げ応力の成分を低減して強度を確保することができる。
したがって、上述のように側板11の準備作業の効率化を図りながら側板11の強度を確保することができる。
特に、第1実施形態では、側板片16も側板片本体16aと第二中継部材16bとに分割されているため、側板片16によっても上述した効果を得ることができる。
第1実施形態によれば、処理対象溶接線L2を基準として軸方向D1の両側に第一溶接線L1及び第一中継溶接線L3が設けられているため、処理対象溶接線L2を基準として軸方向D1の片側に応力が集中するのを抑制することができる。
したがって、より有効に側板11の強度を向上することができる。
図5に示すように、ピーニング処理R1の効果は、第一連結部材12との溶接時に側板11においてピーニング処理R1が施された部分の温度が400℃を超えると、急激に低下することが確認されている。
そこで、第1実施形態のように、側板11において400℃以下となる領域にピーニング処理R1が施されていることにより、その後に第一連結部材12を溶接しても、ピーニング処理R1の効果を確実に維持することができる。
第1実施形態によれば、第一溶接線L1に沿った溶接部だけでなく第二溶接線L4に沿った溶接部についても第二溶接線L4と直交する方向に作用する曲げ応力の成分を低減して側板11の強度を確保することができる。
したがって、第1連結部材12及び第2連結部材13の溶接時における側板11全体の強度低下を確実に抑えることができる。
<第2実施形態(図6)>
第1実施形態において、第一溶接線L1、L4及び中継溶接線L3、L5がそれぞれ直線に設定されているが、これらの溶接線は直線に限定されない。
例えば、第2実施形態に係る側板11において、第一溶接線L6、第二溶接線L8、第一中継溶接線L7、及び第二中継溶接線L9は、それぞれ屈曲した溶接線である。なお、溶接線L6、L7と溶接線L8、L9との関係は、軸線(図で符号D1で示す線)を基準として線対称の関係であるため、溶接線L6、L7のみを説明し、溶接線L8、L9の説明を省略する。
第一溶接線L6及び第一中継溶接線L7(以下、溶接線L6、L7ともいう)は、第一溶接線L6と処理対象溶接線L2との連結点から軸方向D1において互いに逆向きに延びている。
具体的に、各溶接線L6、L7は、軸方向D1と略平行な平行部分と、平行部分に対して傾斜して側板11の第一縁部(図の上縁部)側に延びる傾斜部分とを有している。第一溶接線L6の傾斜部分の軸方向D1に対する第一角度A4は、処理用角度A2よりも小さい角度(図例では約40°)に設定されている。第一中継溶接線L7の傾斜部分の軸方向D1に対する第一中継用角度A5は、処理用角度A2よりも小さい角度(図例では第一角度A4と同角度)に設定されている。
このように、第一溶接線L6が屈曲している場合であっても、第一溶接線L6における軸方向D1に対する最大角度(第一角度A4)が処理対象溶接線L2における軸方向D1に対する最小角度(処理用角度A2)よりも小さい場合には第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
同様に、第一中継溶接線L7が屈曲している場合であっても、第一中継溶接線L7における軸方向D1に対する最大角度(第一中継用角度A5)が処理対象溶接線L2における軸方向D1に対する最小角度(処理用角度A2)よりも小さい場合には第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、第2実施形態では、溶接線L6〜L9が屈曲した例について説明したが、溶接線L6〜L9及び処理対象溶接線L2の少なくとも一方が屈曲又は湾曲している場合には、上述した角度条件を満たすことにより、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第3実施形態(図7)>
前記各実施形態では、側板片16、17が中継部材16b、17bを有しているが、中継部材を省略することもできる。
具体的に、図7に示す第3実施形態に係る側板11は、第一溶接線L1、処理対象溶接線L2、及び第二溶接線L4において側板片16、17が互いに軸方向D1に溶接されることによって形成されている。
この側板11においても、第一溶接線L1及び第二溶接線L4の軸方向D1に対する角度が処理対象溶接線L2の軸方向D1に対する角度よりも小さいため、前記実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、例えば、以下のような態様を採用することもできる。
前記実施形態では、ブーム5の側方に向く側板11が一対の板材片(側板片16〜18)を有する板材に相当する例を説明したが、板材は側方を向くものに限定されず、例えば、上又は下に向く連結部材12、13が一対の板材片を有していてもよい。
前記実施形態では、図面における側板11の上縁部を第一縁部とし、図面における側板11の下縁部を第二縁部として説明したが、第一縁部及び第二縁部の向きは限定されない。
前記実施形態では、第一溶接線L1、L6、及び第二溶接線L4、L8が設けられているが、処理対象溶接線L2と第一溶接線又は第二溶接線のみとが設けられていてもよい。この場合であっても、第一連結部材12又は第二連結部材13の溶接時における熱によりピーニングの効果が低下するのを抑制することができる。
前記実施形態では、ピーニング処理R1を側板片16のみに施しているが、ピーニング処理R1を両側板片16、17に施してもよい。
第一角度A1、A4、第二角度、第一中継用角度A3、A5、第二中継用角度は、軸方向D1に対して45°以下に設定することができる。このようにすれば、溶接線L1、L3、L4〜L9が軸方向D1と直交する方向に配置されている場合と比較して、溶接線L1、L3、L4〜L9と直交する方向に作用する曲げ応力の成分を約7割(1/√2)以下に減少させることができる(相対的に疲労強度を少なくとも約1.4倍にすることができる)。
したがって、例えば、疲労強度向上処理によらなくても第一溶接線L1、L6、第二溶接線L4、L8、第一中継溶接線L3、L7、及び第二中継溶接線L5、L9に沿った溶接部の疲労強度を十分に確保することができる。
また、第一角度A1、A4、第二角度、第一中継用角度A3、A5、第二中継用角度は、それぞれ異なる角度に設定することもできる。
本発明の疲労強度向上処理は、ピーニング処理R1に限定されない。例えば、ひずみを与えることにより側板片16、17に圧縮残留応力を与える処理(例えば、ピーニング、ショットブラスト、キャビテーション)、加工硬化による側板片16、17の硬さを上昇させる処理(例えば、ピーニング、ショットブラスト、キャビテーション、冷間圧延加工)、及び側板片16、17において塑性流動により結晶粒を微細化する処理(例えば、超音波ショットピーニング)等を疲労強度向上処置として施すことができる。
本発明の筒状構造物は、ブーム5に限定されない。例えば、アーム6を筒状構造物として製造することもできる。
A1、A4 第一角度
A2 処理用角度
A3、A5 第一中継用角度
D1 軸方向
J 軸線
L1、L6 第一溶接線
L2 処理対象溶接線
L3、L7 第一中継溶接線
L4、L8 第二溶接線
L5、L9 第二中継溶接線
R1 ピーニング処理(疲労強度向上処理の一例)
W1、W2 溶接部(溶接工程により形成される溶接部の一例)
5 ブーム(筒状構造物の一例)
11 側板(板材の一例)
12 第一連結部材(板材の一例)
13 第二連結部材(板材の一例)
16、17、18 側板片(板材片の一例)
16a、17a 側板片本体(板材片本体の一例)
17b 第一中継部材(中継部材の一例)

Claims (13)

  1. 軸線を取り囲むように配置された複数の板材の互いに隣接する縁部同士を溶接することにより、軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向において閉断面を有する筒状構造物を製造するための前記板材であって、
    前記軸方向に互いに溶接された一対の板材片を有し、
    前記板材片同士の間の溶接線は、前記軸方向に対する角度が処理用角度となるように配置された処理対象溶接線と、前記処理対象溶接線から前記板材の縁部まで延びるとともに前記軸方向に対する角度が前記処理対象角度よりも小さな第一角度となるように配置された第一溶接線とを含み、
    前記板材片の少なくとも一方には、当該板材片の疲労強度を向上するための疲労強度向上処理が前記処理対象溶接線に沿って施されている、板材。
  2. 一方の板材片は、他方の板材片との間で前記処理対象溶接線に沿って溶接された板材片本体と、他方の板材片に対して前記第一溶接線に沿って溶接されているとともに前記板材片本体に対して中継溶接線に沿って前記軸方向に溶接された中継部材とを有し、
    前記中継溶接線は、前記板材の縁部に設けられているとともに前記軸方向に対する角度が前記処理用角度よりも小さな中継用角度となるように配置されている、請求項1に記載の板材。
  3. 前記第一溶接線及び前記中継溶接線は、前記第一溶接線と前記処理対象溶接線との連結点において互いに連結されているとともに、それぞれ前記処理対象溶接線から前記軸方向の逆向きに延びる、請求項2に記載の板材。
  4. 前記疲労強度向上処理は、ピーニングであり、
    前記処理対象溶接線は、前記板材において当該板材と隣接する他の板材との溶接時の温度が400℃以下となる領域に設けられている、請求項1〜3の何れか1項に記載の板材。
  5. 前記第一溶接線の前記軸方向に対する角度は、45°以下である、請求項1〜4の何れか1項に記載の板材。
  6. 前記板材片同士の間の溶接線は、前記処理対象溶接線から前記板材の前記第一溶接線と反対側の縁部まで延びるとともに、前記軸方向に対する角度が前記処理用角度よりも小さな第二角度となるように配置された第二溶接線を含んでいる、請求項1〜5の何れか1項に記載の板材。
  7. 軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向において閉断面を有する筒状構造物であって、
    前記軸線を取り囲むように配置された複数の板材を備え、
    前記複数の板材の互いに隣接する縁部同士が溶接され、
    前記複数の板材の少なくとも1つは、請求項1〜6の何れか1項に記載の板材である、筒状構造物。
  8. 軸線を取り囲むように配置された複数の板材の互いに隣接する縁部同士を溶接することにより、軸方向に延びるとともに前記軸方向と直交する方向において閉断面を有する筒状構造物を製造するための方法であって、
    前記複数の板材を準備する準備工程と、
    前記複数の板材の少なくとも1つに対し、当該少なくとも1つの板材の疲労強度を向上するための疲労強度向上処理を施す処理施行工程と、
    前記処理施行工程後に前記複数の板材の互いに隣接する縁部同士を溶接する溶接工程とを含み、
    前記準備工程では、前記軸方向に対する角度が処理用角度となるように配置された処理対象溶接線と、前記処理対象溶接線から前記板材の縁部まで延びるとともに前記軸方向に対する角度が前記処理対象溶接線よりも小さな第一角度となるように配置された第一溶接線とを含む溶接線に沿って、前記少なくとも1つの板材を形成するための一対の板材片を前記軸方向に互いに溶接し、
    前記処理施行工程では、前記一対の板材片の少なくとも一方に対し前記処理対象溶接線に沿って前記疲労強度向上処理を施す、筒状構造物の製造方法。
  9. 前記準備工程では、一方の板材片として、他方の板材片との間で前記処理対象溶接線を画定可能な板材片本体と、前記他方の板材片との間で前記第一溶接線を画定可能で、かつ、前記板材片本体との間で中継溶接線を画定可能な中継部材とを有する板材片を準備し、前記処理対象溶接線に沿って前記他方の板材片と前記板材片本体とを溶接するとともに前記第一溶接線及び前記中継溶接線に沿って前記他方の板材片及び前記板材片本体に対して前記中継部材を溶接し、
    前記中継溶接線は、前記板材の縁部に設けられているとともに前記軸方向に対する角度が前記処理用角度よりも小さな中継用角度となるように配置されている、請求項8に記載の筒状構造物の製造方法。
  10. 前記準備工程では、前記第一溶接線と前記処理対象溶接線との連結点において互いに連結され、かつ、それぞれ前記処理対象溶接線から前記軸方向の逆向きに延びる前記第一溶接線及び前記中継溶接線を画定可能な一対の板材片を準備する、請求項9に記載の筒状構造物の製造方法。
  11. 前記準備工程では、前記板材において当該板材と隣接する他の板材との溶接時の温度が400℃以下となる領域に前記処理対象溶接線を画定可能な一対の板材片を準備し、
    前記処理施行工程では、ピーニングを施す、請求項8〜10の何れか1項に記載の筒状構造物の製造方法。
  12. 前記準備工程では、前記軸方向に対する角度が45°以下である前記第一溶接線を画定可能な一対の板材片を準備する、請求項8〜11の何れか1項に記載の筒状構造物の製造方法。
  13. 前記準備工程では、前記処理対象溶接線から前記板材の前記第一溶接線と反対側の縁部まで延びるとともに、前記軸方向に対する角度が前記処理用角度よりも小さな第二角度となるように配置された第二溶接線を画定可能な前記一対の板材片を準備するとともに、前記第二溶接線に沿って一対の板材片同士を溶接する、請求項8〜12の何れか1項に記載の筒状構造物の製造方法。
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