JP6885136B2 - 鋼板接合構造 - Google Patents

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Description

本発明は鋼板接合構造に関する。
構造体を構成する鋼板を補剛したり、この鋼板に他の部材を取りつけたりするために、構造体の鋼板には、この鋼板の板面から突出するように別の鋼板(ガセット鋼板等の付加板)が隅肉溶接によって接合されることで、ガセット溶接継手が形成されている場合がある(例えば特許文献1参照)。 このようなガセット溶接継手では、ガセット鋼板等の付加板が付加(接合)された主板の接合部分が、付加板の接合に起因して、付加板が付加(接合)されない部分より変形しにくいため、応力集中が起きる。繰返し応力変動下では、応力集中箇所から疲労き裂が発生し、この疲労き裂が構造物の耐久性を低下させる大きな原因となっている。特に、溶接接合が用いられる場合には、溶接によって形成される溶接止端や溶接ルート部といった形状急変部に局所的に応力が集中する上、溶接部には溶接によって導入された引張残留応力が存在しているため、疲労き裂が発生し易い状況にある。 既往の疲労対策技術として、鋼板どうしの溶接部の溶接止端に打撃処理等の止端処理を施すことにより、溶接止端の形状を応力が集中し難い滑らかな形状にするとともに、溶接止端およびその近傍の引張残留応力を緩和し、圧縮残留応力を付与する技術がある。その結果、溶接止端およびその近傍からのき裂の発生を防止し、疲労特性を改善することができる。
特許第5085743号公報
しかしながら、上述した疲労対策では、溶接止端からのき裂の発生は抑制されるが、溶接ルート部から繰返し荷重による疲労き裂を抑制することはできない。
このような溶接部の溶接ルート部からの疲労き裂の発生について、溶接部を完全溶込み溶接部にすれば、溶接ルート部がなくなるため疲労特性が向上するが、完全溶込み溶接を行う場合には、広範囲にわたって開先加工等の付加的な加工を施す必要があり、溶接作業に長時間を要し、溶接作業の負担が大きく、コストが増加する。
そこで本発明者は、ガセット鋼板等の付加板が付加(接合)される主板の接合部分の剛性が、付加板が接合されたために、付加板が付加(接合)されない接合部分以外の部分の剛性より高くなるため、この剛性差によって発生する応力集中が疲労き裂を引起していることに着目した。
本発明は、付加的な製作工程を要することなく、前記主板に生じる剛性差を減縮することで、ガセット鋼板継手部等の鋼板接合部の疲労耐久性を向上させることができる鋼板接合構造を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の鋼板接合構造は、鋼板からなる主板に鋼板からなる付加板を接合してなる鋼板接合構造であって、
前記主板の主応力方向において、前記付加板のヤング率を前記主板のヤング率より小さくしたことを特徴とする。
ここで、主板の主応力方向とは、主板の継手部(付加板が接合される接合部)およびその近傍に作用する主応力の方向のことであり、以下では継手軸方向と称することもある。
本発明においては、主板の主応力方向(継手軸方向)において、付加板のヤング率を主板のヤング率より小さくしたので、付加板が接合される主板の接合部分の剛性と、付加板が接合されない接合部分以外の部分(一般部)の剛性との差(剛性差)を減縮することができる。剛性差を縮減することで応力集中率が低減し、疲労き裂を引起し難くなるので、付加的な加工・溶接をすることなく、ガセット鋼板継手部等の鋼板接合部の疲労耐久性を向上させることができる。
また、本発明の前記構成において、前記付加板を、当該付加板の第1の方向のヤング率と、当該第1の方向と直交する第2の方向のヤング率とが相互に異なる異方性鋼板とし、
前記付加板は、前記第1の方向と前記第2の方向とのうちヤング率が小さい方向を前記主板の主応力方向に向けた状態で前記主板に接合されていることが好ましい。
また、本発明の前記構成において、前記主板は、当該主板の主応力方向のヤング率が、当該主応力方向と直交する直交方向のヤング率よりも大きい異方性鋼板であることが好ましい。
ここで、異方性鋼板とは、高ヤング率鋼板とも呼ばれ、部材の剛性を高めるために開発された鋼板を指し、強軸方向において、異方性を有しない普通鋼のヤング率(約205GPa程度)より高いヤング率、前記強軸方向と直交する弱軸方向に前記普通鋼のヤング率より低いヤング率を有する。従って前記付加板を異方性鋼板とする場合には、その弱軸方向(前記第1の方向と前記第2の方向とのうちヤング率が小さい方向)が前記主板の主応力方向(継手軸方向)と揃うように配置して、前記付加板を前記主板に接合することが好ましく、前記主板を異方性鋼板とする場合には、その強軸方向が前記主板の主応力方向(継手軸方向)に揃うように配置することが好ましい。
前記付加板を異方性鋼板とし、その弱軸方向が主板の主応力方向(継手軸方向)と揃うように配置することで、主板の接合部を変形しにくくしている要因である付加板が継手軸方向に変形し易くなり、付加板が接合される主板の接合部分の剛性と、付加板が接合されない一般部分の剛性との差(剛性差)を減縮することができる。つまり、付加板に使用される高ヤング率鋼板(異方性鋼板)の副次的な特徴である低ヤング率を活用して、剛性差減縮により、応力集中を緩和させることで、疲労き裂を引起し難くなる。
特に主板と付加板とが溶接によって接合されている場合、主板と付加板との距離が最短となる溶接ルート部において、溶接止端に比して大きな応力集中低減効果が得られる。
加えて主板を、当該主板の主応力方向のヤング率が、当該主応力方向と直交する直交方向のヤング率よりも大きい異方性鋼板とすることで、より両部材(主板と付加板)の剛性差が縮まり、さらに応力集中低減が可能となる。
また、本発明の前記構成において、前記主板と前記付加板とが溶接部によって接合され、前記溶接部に止端処理が施されていてもよい。
溶接部の溶接止端と溶接ルート部のどちらが先行して疲労損傷するかは、構造寸法および荷重状態に左右されるが、主板と付加板との溶接部に止端処理が施されているので、つまり、溶接止端の疲労強度を向上させる止端処理技術と剛性差縮減による応力集中率が低減技術を組み合わせることで、確実に溶接止端と溶接ルート部の両者を高疲労強度とすることができる。
本発明によれば、主板の主応力方向において、付加板のヤング率を主板のヤング率より小さくすることによって、付加板が接合される主板の接合部分の剛性と、付加板が接合されない接合部分以外の部分(一般部)の剛性との差(剛性差)を減縮して、疲労き裂を起し難くなるので、付加的な加工・溶接をすることなく、ガセット鋼板継手部等の鋼板接合部の疲労耐久性を向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る鋼板接合構造を示すもので、斜視図である。 同、平面図である。 同、図2におけるA−A断面図である。 本発明に係る鋼板接構造のモデルを解析した結果を示すもので、ヤング率の変化率と応力との関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係る鋼板接合構造を示すもので、斜視図である。 同、図5におけるB−B断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施の形態に係る鋼板接合構造を示す斜視図、図2は同平面図、図3は図2におけるA−A断面図である。
本実施の形態は、本発明の鋼板接合構造をガセット継手に適用した例であるが、本発明はこれに限ることはなく、他の鋼板接合構造に適用できる。
図1〜図3において、符号1は主板、符号2は主板1に接合される付加板を示す。主板1は鋼板からなるものであり、例えばH形鋼のウエブであり、付加板2は主板1より薄い鋼板からなるものであり、例えばH形鋼のウエブの一方の面に面外方向において溶接接合されたガセット鋼板である。なお、付加板2をウエブの他方の面にも接合してもよく、さらに、主板1と付加板2とは同厚にしてもよい。
ここで、本発明における「鋼板」とは鋼製の平板の他、例えば形鋼の一部のフランジやウエブ、さらには、鋼製部材を構成する板状の鋼材を含むものである。
主板1は、矩形板状に形成された異方性鋼板(高ヤング率鋼板)であり、図1においてX方向(一方向)、つまり主板1の主応力方向において、異方性を有しない普通鋼のヤング率より高いヤング率(高ヤング率)を有し、X方向と直交するY方向(直交方向)において、異方性を有しない普通鋼のヤング率より低いヤング率(低ヤング率)を有している。
X方向は、主板1の継手部(付加板2が接合される接合部)およびその近傍に作用する応力の主応力方向(継手軸方向)であり、主板1の材軸方向である。Y方向は材軸方向と直交する方向である。
付加板2は、当該付加板2の第1の方向(X方向)のヤング率と、当該第1の方向と直交する第2の方向(Z方向)のヤング率とが相互に異なる矩形板状に形成された異方性鋼板(高ヤング率鋼板)であり、図1においてX方向(一方向)において、異方性を有しない普通鋼のヤング率より低いヤング率(低ヤング率)を有し、X方向と直交するZ方向(直交方向)において、異方性を有しない普通鋼のヤング率より高いヤング率(高ヤング率)を有している。つまり、付加板2はZ方向が高剛性方向(強軸方向)であり、主板1はX方向が高剛性方向(強軸方向)である。Z方向は主板1の上面と直交する面内において、付加板2の材軸方向と直交する方向である。
そして、付加板2はヤング率が小さい方向を主板1のヤング率が高い主応力方向Xに向けて主板1に接合されている。すなわち、主板1の高ヤング率を有する方向(X方向)と、付加板2の低ヤング率を有する方向(X方向)とを一致させて溶接接合されている。
また、付加板2は主板1の面外方向において当該主板1と直角に溶接接合されている。
ここで、主応力方向(この実施の形態の場合はX方向)において、付加板2のヤング率は、主板1のヤング率より5%以上小さくすることが好ましい。
これは、普通鋼のヤング率が一定値でなく、分布を有することが理由であり、普通鋼を用いた場合においても、付加板2のX方向(主応力方向)におけるヤング率と、主板1のX方向(主応力方向)におけるヤング率に5%程度までの差が生じる場合があるためである。したがって、普通鋼を用いた継手の疲労寿命はある程度の分布を有することになるが、設計等では疲労寿命の分布の下限をもって継手の性能を評価することが必要となる。このため、本発明による継手に、普通鋼を用いた従来の継手よりも明確且つ安定的に高い性能を付与するためには、付加板2のX方向(主応力方向)におけるヤング率は、主板1のX方向(主応力方向)におけるヤング率より5%以上小さくすることが好ましい。
また、主板1と付加板2との溶接接合は、付加板2の基端部と主板1の表面(上面)とを隅肉溶接によって全周溶接することによって行われている。この溶接部3は例えばアーク溶接によって横断面直角三角形状に形成されている。なお、溶接は全周溶接に限らず、断続溶接や、点溶接(スポット溶接)であってもよい。
また、溶接部3には止端処理が施されている。止端処理としては、例えば、溶接止端3aにグラインダー処理、TIGドレッシング処理、化粧盛り溶接などを施して溶接止端3aの曲率を大きくする方法や、溶接後熱処理による溶接止端3aの引張残留応力を低減する方法、もしくは溶接止端3aにショットピーニング、ハンマーピーニング、レーザーピーニング、ウォータージェットピーニング、超音波打撃処理などの機械的打撃処理施すことで上記の両者の効果、すなわち、溶接止端3aの曲率を大きくし、かつ引張残留応力を低減する方法がある。
以上のように本実施の形態によれば、付加板2は主板1の主応力方向(継手軸方向)に低ヤング率を有するとともに、付加板2の主応力方向(X方向)のヤング率を主板1の主応力方向(X方向)のヤング率より小さくし、さらに、主板1は主応力方向(X方向)に高ヤング率を有するので、付加板2が接合される主板1の接合部分の剛性と、付加板2が接合されない接合部分以外の部分(一般部分)の剛性との差(剛性差)を減縮することができる。
このように剛性差縮減により応力集中率が低減し、疲労き裂を引起し難くなるので、付加的な加工・溶接をすることなく、ガセット鋼板継手部等の鋼板接合部の疲労耐久性を向上させることができる。
また、溶接部3の溶接止端3aと溶接ルート部3bのどちらが先行して疲労損傷するかは、構造寸法および荷重状態に左右されるが、主板1と付加板2との溶接部3に止端処理が施されているので、つまり、溶接止端3aの疲労強度を向上させる止端処理技術と剛性差縮減による応力集中率が低減技術を組み合わせることで、確実に溶接止端3aと溶接ルート部3bの両者を高疲労強度とすることができる。
次に、図1に示す鋼板接合構造と同様の構成のモデルについてソリッド要素有限要素法によって解析した結果について説明する。
まず、主板および付加板とも異方性鋼板(高ヤング率鋼板)とした場合、主板は、図1に示すように主応力方向(X方向)に高剛性(高ヤング率)、付加板は主応力方向(X方向)に低剛性(低ヤング率)としている。
また、付加板のみ異方性鋼板(高ヤング率鋼板)とした場合、付加板は主応力方向(X方向)に低剛性(低ヤング率)としている。
高ヤング率鋼板のヤング率については、通常の普通鋼板のヤング率を205GPaとすると、通常の鋼板のヤング率(205GPa)より、高ヤング率側で+5〜+25%(5〜25%高い)、低ヤング率側で−5〜−25%(5〜25%低い)としている。ポアソン比は0.3としている。ここで、普通鋼は異方性を有せず、鋼板面内の何れの方向にも等しいヤング率を有するとする。
また、主板と付加板とは双方とも厚さを25mmとし、隅肉溶接によって全周溶接し、溶接脚長は8mmとしている。
解析結果を図4に示す。図4に示すグラフでは、縦軸を普通鋼による継手の結果で標準化(鋼板接合部の応力を普通鋼による継手の応力で除した値)した応力低減率とし、横軸を異方性鋼板のヤング率の普通鋼に比した変化率としている。
また、図4に示すグラフにおいて、「●」は、主板、付加板の双方が異方性鋼板(高ヤング率鋼板)の場合における溶接ルート部の応力、「〇」は主板、付加板の双方が異方性鋼板(高ヤング率鋼板)の場合における溶接止端の応力、「▲」は付加板のみが異方性鋼板(高ヤング率鋼板)の場合における溶接ルート部の応力、「△」は付加板のみが異方性鋼板(高ヤング率鋼板)の場合における溶接止端の応力を示す。
なお、図4のグラフにおいて、横軸のヤング率の変化率が「0」、縦軸の応力が「1.00」の点は、普通鋼で形成された主板に普通鋼で形成された付加板を溶接接合した場合を示す。
図4のグラフから明らかなように、溶接止端と溶接ルート部の双方とも、ヤング率の変化率が大きくなるほど応力が小さくなることが分かる。すなわち、ヤング率の変化率が大きくなるほど、上述した剛性差が小さくなるので、この剛性差縮減により応力集中率が低減することがわかる。
特に、溶接止端より溶接ルート部の方がヤング率の変化率が大きいほど、応力が低くなるので、溶接ルート部の応力集中率の低減に有効である。
また、主板および付加板とも異方性鋼板(高ヤング率鋼板)とした場合の方が付加板のみ異方性鋼板(高ヤング率鋼板)とした場合に比して応力が低くなるので、主板および付加板とも異方性鋼板(高ヤング率鋼板)とした方が応力集中率の低減に有効である。
(第2の実施の形態)
図5は第2の実施の形態に係る鋼板接合構造を示す斜視図、図6は図5におけるB−B断面図である。
本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、付加板12を主板11の端面(こば面)に溶接接合した点である。
主板11は鋼板からなるものであり、例えばH形鋼のフランジである。付加板12は主板11より薄い鋼板からなるものであり、例えばH形鋼のフランジに面内方向において溶接接合されたガセット鋼板である。
主板11は、矩形板状に形成された異方性鋼板(高ヤング率鋼板)であり、図5においてY方向(一方向)、つまり主応力方向において、異方性を有しない普通鋼のヤング率より高いヤング率(高ヤング率)を有し、Y方向と直交するX方向(直交方向)において、異方性を有しない普通鋼のヤング率より低いヤング率(低ヤング率)を有している。
付加板12は、矩形板状に形成された異方性鋼板(高ヤング率鋼板)であり、図5においてY方向(一方向)において、異方性を有しない普通鋼のヤング率より低いヤング率(低ヤング率)を有し、Y方向と直交するX方向(直交方向)において、異方性を有しない普通鋼のヤング率より高いヤング率(高ヤング率)を有している。つまり、付加板12はX方向が高剛性方向であり、主板1はY方向が高剛性方向である。
そして、付加板12はヤング率が小さい方向を主板11のヤング率が高い主応力方向Yに向けて主板11に接合されている。すなわち、主板11の高ヤング率を有する方向(Y方向)と、付加板12の低ヤング率を有する方向(Y方向)とを一致させて溶接接合されている。
また、付加板12のY方向(主応力方向)におけるヤング率は、主板1のY方向(主応力方向)におけるヤング率より小さくなっている。なお、主応力方向において、付加板12のヤング率は、主板1のヤング率より5%以上小さいことが好ましいことは、第1の実施の形態と同じである。
さらに、付加板12は主板11の面内方向において当該主板11の端面(こば面)と直角に溶接接合されている。
また、主板11と付加板12との溶接接合は、付加板12の基端部と主板11の端面(こば面)とを隅肉溶接によって全周溶接することによって行われている。この溶接部13はアーク溶接によって横断面直角三角形状に形成されている。さらに、溶接部13には上述した溶接部3と同様の止端処理が施されている。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、付加板12は主応力方向に低ヤング率を有するとともに、付加板12の主応力方向(Y方向)のヤング率を主板11の主応力方向(X方向)のヤング率より小さくし、さらに、主板11は主応力方向(Y方向)に高ヤング率を有するので、付加板12が接合される主板11の接合部分の剛性と、付加板12が接合されない接合部分以外の部分(一般部分)の剛性との差(剛性差)を減縮することができる。
このように剛性差縮減により応力集中率が低減し、疲労き裂を引起し難くなるので、付加的な加工・溶接をすることなく、ガセット鋼板継手部等の鋼板接合部の疲労耐久性を向上させることができる。
また、第1の実施の形態と同様に、溶接止端13aの疲労強度を向上させる止端処理技術と剛性差縮減による応力集中率が低減技術を組み合わせることで、確実に溶接止端13aと溶接ルート部13bの両者を高疲労強度とすることができる。
なお、第1および第2の実施の形態では、本発明の鋼板接合構造を主板1,11と付加板2,12とを溶接によって接合されている場合を例にとって説明したが、本発明は溶接接合に限らず、例えば摩擦撹拌接合や高力ボルト接合等によって主板1,11と付加板2,12とを接合する場合も適用できる。
また、第1および第2の実施の形態では、主板1,11と付加板2,12の双方を異方性鋼板(高ヤング率鋼板)としたが、付加板2,12のみを異方性鋼板(高ヤング率鋼板)としてもよい。
また、第1および第2の実施の形態では、主板1,11の高剛性方向(強軸方向)と、付加板2,12の低剛性方向(弱軸方向)とが一致しているが、本発明はこれに限ることはない。要は主板の主応力方向(継手軸方向)において、付加板のヤング率を主板のヤング率より小さくして、主板に付加板を接合すればよい。この場合、主板や付加板の高剛性方向・低剛性方向は関係ない。
また、第1の実施の形態では、図1に示すように、主板1の材軸方向と付加板2の材軸方向とが同じX方向であるが、主板1の材軸方向と付加板2の材軸方向が水平方向において直交していてもよい。
1,11 主板
2,12 付加板
3,13 溶接部
3a,13a 溶接止端
3b,13b 溶接ルート部

Claims (4)

  1. 鋼板からなる主板に鋼板からなる付加板を接合してなる鋼板接合構造であって、
    前記主板の主応力方向が前記付加板の面内方向に向けられ、
    前記主板の主応力方向において、前記付加板のヤング率を前記主板のヤング率より小さくしたことを特徴とする鋼板接合構造。
  2. 前記付加板を、当該付加板の第1の方向のヤング率と、当該第1の方向と直交する第2の方向のヤング率とが相互に異なる異方性鋼板とし、
    前記付加板は、前記第1の方向と前記第2の方向とのうちヤング率が小さい方向を前記主板の主応力方向に向けた状態で前記主板に接合されていることを特徴とする請求項1に記載の鋼板接合構造。
  3. 前記主板は、当該主板の主応力方向のヤング率が、当該主応力方向と直交する直交方向のヤング率よりも大きい異方性鋼板であることを特徴とする請求項1または2に記載の鋼板接合構造。
  4. 前記主板と前記付加板とが溶接部によって接合され、
    前記溶接部に止端処理が施されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼板接合構造。
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