JP6319027B2 - 溶接継手、溶接継手の製造方法 - Google Patents

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本発明は鋼材同士の溶接継手、および溶接継手の製造方法に関し、特に、鋼材の小口を他の鋼材に突き当てて両者を接合するレ形開先(single bevel groove weld)、V形開先の完全溶け込みによる溶接継手、および溶接継手の製造方法に関する。
構造部材を溶接接合する場合、部材(例えば梁)断面の小口同士を突き合わせて直線状溶接をしたり、板面(例えば柱の一つの面)に部材断面の小口を付き合わせてT字形溶接をしたりする。この溶接接合部に引張応力がかかった場合、破壊が溶接金属ではなく母材側から先に発生するように、溶接金属側の変形抵抗を高めている。すなわち、溶接金属材料は、母材強度と同等以上の強度をもつ溶接金属材料を使用する。例えば、400N/mm級の母材に対しては、490N/mm級の溶接金属材料を使用し、490N/mm級の母材に対しては、490N/mm級または550N/mm級の溶接金属材料を使用することが多い。
溶接接合部に完全溶け込み溶接を用いる際、開先を設けて溶接金属を充填する。たとえば、レ形開先又はV形開先の場合、開先角度はJASS6(建築工事標準仕様書、日本建築学会)で35°、AWS(アメリカ溶接協会)で30°以上45°以下を推奨している。また、溶接接合部で完全溶け込み溶接を用いる際、溶接金属は適切な余盛り高さを設けることとしている。たとえば上記JASS6ではT字形継手の場合、余盛り高さは、突き合わせる材料の板厚の1/4倍以上とし、板厚が40mmを超える場合は10mm以上としている。
鋼材の場合、降伏強度及び引張強さは材料規格で上下限値が設定されているが、従来の溶接金属材料の選定方法に従うと、溶接金属材料の強度が母材強度を下回り(アンダーマッチング)、溶接金属側で破壊が先行する可能性がある。例えば490N/mm級の母材の規格の引張強さ上限は610N/mmなので、550N/mm級の溶接金属材料を用いると母材強度が溶接金属強度を上回る場合がある。さらに、冷間加工した母材を用いる場合には母材強度が加工硬化により上昇しており、規格強度を上回る場合があるので溶接金属材料より母材の引張強さが高くなる可能性がある。
さらに、図15に示したように例えば柱70に梁71を溶接金属72で溶接すると、溶接金属72と母材(この場合には梁71)との境界部73(Fusion Line)に沿って、ハッチングで示した部分XVのように、所定の幅を有してHeat Affected Zone(HAZ、溶接熱影響部)が生じる。特に加速冷却等により圧延時の細粒化で高強度化した鋼板において、HAZは溶接熱によってオーステナイト化温度より高温となるため、母材の組織が残存せず母材に比べ強度が低下する場合がある。
これに対してアンダーマッチングやHAZの軟化を許容することに関連する溶接方法の従来技術として、特許文献1乃至5がある。
特許文献1、2は、大入熱の突き合わせ溶接を対象に、溶接金属のマッチング条件をHvwm/Hvbm≦110%とすると、FLのディープノッチ試験において高い破壊靭性値Kcを確保できるという技術である。特にビード幅を板厚の70%以下とすれば、70%≦Hvwm/Hvbm≦110%のアンダーマッチでも継手の引張強さを確保できる。
特許文献3は、溶接継手の応力集中部において、発生した延性き裂の進展に伴い生じるくびれによる断面積減少を、鋼材の加工硬化特性(n値)を高めることで防止することができ、許容欠陥寸法を大きくできる技術である。
特許文献4は、溶接継手の母材および熱影響部の板厚表面の降伏応力YPsと内部の降伏応力YPcの比(YPs/YPc)を1.3以下とすることで、板厚中心の変形拘束が高くなりすぎないようにし、全厚の脆性破壊発生特性Kc、アレスト性Kcaともに高い値を確保する技術である。
特許文献5は、9%Ni鋼に限定し、オーステナイト系の溶接金属は極低温下でも脆性破壊がきわめて生じ難いことから、溶接金属をHAZに対してアンダーマッチ(Hvを規定)として溶接金属内に延性き裂を発生・進展させ、極低温でも脆性破壊に対して高い安全性を持つ溶接継手を実現する技術である。ただし、ΔHvが200を超えるアンダーマッチの場合、溶金の靭性(CTOD)が低下することから、0≦ΔHv≦200と規定している。
特開2005−125348号公報 特開2005−144552号公報 特開2013−39605号公報 特開2007−254767号公報 特開2007−119811号公報
しかしながら、これらアンダーマッチング溶接やHAZの軟化を許容することに関連する従来技術は、いずれもアンダーマッチングとなる溶接部内の破壊を前提とし、該溶接部の破壊靭性を高めるためのものであり、本来あるべき態様である母材を破壊させるという視点からの解決策は提案されていない。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、アンダーマッチングであっても溶接金属部で破壊が生じることを防止できる溶接継手を提供することを課題とする。また、この溶接継手を製造する方法を提供する。
以下、本発明について説明する。
請求項1に記載の発明は、レ形又はV形開先の完全溶け込みの溶接継手であって、開先角度をα(°)、ルートギャップをg(mm)、余盛り高さをe(mm)、溶接金属の引張強さをWMσ(N/mm)、母材の引張強さをBMσ(N/mm)、及び母材の厚さをt(mm)としたとき、下記式(1)及び式(2)を満たす溶接継手である。
ただし、βは0以上であって、下記式(3)を満たすβ’及びαの値のうち小さい方の値をとる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の溶接継手において、溶接金属のビッカース硬さをWMHv、母材のビッカース硬さをBMHvとしたとき、さらに下記式(4)、式(5)が成り立つ。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の溶接継手において、溶接熱影響部の引張強さをHAZσ(N/mm)としたとき、下式(6)を満たす。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の溶接継手において、溶接熱影響部のビッカース硬さをHAZHv、母材のビッカース硬さをBMHvとしたとき、さらに下記式(7)、式(8)が成り立つ。
請求項5に記載の発明は、レ形又はV形開先の完全溶け込みの溶接継手を製造する方法であって、開先角度をα(°)、ルートギャップをg(mm)、余盛り高さをe(mm)、溶接金属の引張強さをWMσ(N/mm)、母材の引張強さをBMσ(N/mm)、及び母材の厚さをt(mm)として下記式(1)及び式(2)を満たすように設計し、これにより溶接をおこなう溶接継手の製造方法である。
ただし、βは0以上であって、下記式(3)を満たすβ’及びαの値のうち小さい方の値をとる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の溶接継手の製造方法において、溶接金属のビッカース硬さをWMHv、母材のビッカース硬さをBMHvとしたとき、WMσ(N/mm)、BMσ(N/mm)を下記式(4)、式(5)により求める。
本発明によれば、一律にオーバーマッチング溶接を設定する従来の常識にとらわれずに、上記関係を満たす限りアンダーマッチング溶接でも母材破壊させることができる。すなわち、例えアンダーマッチング溶接であっても、母材に比較して靭性が低い溶接部に変形が集中するのを避けることで、粘り強い溶接継手を実現できる。
実施形態の一つの例を説明する図で、通しダイヤフラム形式で構成された柱梁接合部(溶接継手10)の外観を示す図である。 溶接継手10の断面を示す図である。 実施形態の一つの例を説明する図で、内ダイヤフラム形式で構成された柱梁接合部(溶接継手10’)の外観を示す図である。 溶接継手10’の断面を示す図である。 溶接部20を説明する図である。 n−t−w座標系を表した図である。 溶接部21をモデル化した図である。 図8(a)は母材の破壊に用いるモデルを説明する図で、2次元の座標系、図8(b)はそのn−t−w直交座標系による表示である。 図9(a)は溶接金属の破壊に用いるモデルを説明する図で、2次元の座標系、図9(b)はそのn−t−w直交座標系による表示である。 本発明の効果を説明する1つの例を説明する図で、横軸に開先角度、縦軸にWMσBMσをとったグラフである。 本発明の効果を説明する他の1つの例を説明する図で、横軸に余盛り高さ/板厚、縦軸にWMσBMσをとったグラフである。 溶接金属に関する1つの実験例を説明する図で、横軸にBMσ、縦軸にWMσをとったグラフである。 HAZに関する1つの実験例を説明する図で、横軸にBMσ、縦軸にHAZσをとったグラフである。 V形開先のパラメータの配置を説明する図である。 溶接熱影響部(HAZ)について説明する図である。
本発明の上記した作用および利得は、次に説明する発明の形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし本発明はこれら形態に限定されるものではない。
図1は、形態の1つの例を説明する図で、溶接継手10の外観を模式的に表した斜視図である。そして図2は、溶接継手10の断面図であり、溶接部が延びる方向(溶接線方向)に対して直交する方向の断面である。
図1、図2からわかるように、溶接継手10は、柱11、ダイヤフラム12、サイコロ13、梁14、溶接金属15、裏当て金16を有して構成されている。すなわち溶接継手10は、柱11の長手方向に対して直交する方向から梁14の小口をダイヤフラム12の小口に突き当ててI字形になるように溶接されている継手(溶接部20)と、柱11とダイヤフラム12がT字形になるよう溶接されている継手(溶接部21)と、から構成される。そしてこの形態では通しダイヤフラム形式により継手が形成されている。
本形態の溶接継手10においても、後で説明する溶接部における構成以外の基本的な継手の構成については公知のものと同様である。従って、溶接継手10では同軸に配置された矩形中空鋼管である2つの柱11の向かい合う端面間にサイコロ(タイコと呼ばれることもある。)13が配置される。サイコロ13も矩形中空鋼管により形成されている。これによりサイコロ13の端面と柱11の端面とが対向する部位が2か所に形成されるが、ここにそれぞれダイヤフラム12が備えられる。ダイヤフラム12は柱11及びサイコロ13よりも大きな外形を有する板状の鋼材であり、その一方の面が柱11に溶接され、他方の面がサイコロ13に溶接されている。従って、図1、図2からわかるように、柱11、サイコロ13の外周からダイヤフラム12の外周が突出した形態となる。
一方、梁14はH形鋼であり、溶接部20における母材である。以降、溶接に関する説明をする際には「母材」と記載することがある。梁14はH形鋼であるから、平行に設けられ、溶接される2つの溶接片14aと、これを連結する連結片14bを有している。そして梁14のうち溶接する側の端部において、連結片14bは溶接片14aとの接続部分が切りかかれてスカラップ14cが形成されている。
梁14の小口がサイコロ13の側面、及びダイヤフラム12の外周端面に突き当てられて溶接されている。より詳しくは、サイコロ13の側面に梁14の接続片14bの端面が接触し、ダイヤフラム12の外周端面に梁14の溶接片14aの端面が当てられて溶接部20を形成することにより接合されている。
溶接部20では、溶接片14aとダイヤフラム12との間に溶接金属15が盛られ、溶接金属15が盛られる部位の反対側の溶接片14aの面には裏当て金16が配置されている。
図3は、他の1つの形態例を説明する図で、溶接継手10’の外観を模式的に表した斜視図である。そして図4は、溶接継手10’の断面図であり、溶接部が延びる方向(溶接線方向)に対して直交する方向の断面である。
図3、図4からわかるように、溶接継手10’は、柱11’、ダイヤフラム12’、梁14、溶接金属15、裏当て金16、ボルト接合部材13’を有して構成されている。すなわち溶接継手10’は、柱11’の長手方向に対して直交する方向から梁14の小口を柱11’の側面に突き当ててT字形になるように溶接されている継手(溶接部21)を有し、溶接部以外の部位はボルト接合部材13’で接合されている。ボルト接合の代わりにここを溶接することもある。一方、柱11’の内側ではダイヤフラム12’が柱11’に溶接されている。すなわちこの形態では内ダイヤフラム形式により継手が形成されている。
本形態の溶接継手10’においても、後で説明する溶接部における構成以外の基本的な継手の構成については公知のものと同様である。
次に、本発明の特徴部分である溶接部20の構成について説明する。図5に図2と同じ視点で表した1つの溶接部20に注目した図を表した。この図からわかるように、梁14の溶接片14aである母材14の端面はダイヤフラム12の外周端面に対して傾斜しており、レ形開先が形成されている。ダイヤフラム12と母材14との間に溶接金属15が介在して接合されている。このとき次の形状、及び値を定義する。
母材厚さ:t(mm)
余盛り高さ:e(mm)
ルートギャップ:g(mm)
開先角度:α(°)(0°≦α<90°)
母材の引張強さ:BMσ(N/mm
溶接金属の引張強さ:WMσ(N/mm
そして本発明では式(1)乃至式(3)が成立する。
ここで、式(1)中のβ(°)は溶接金属における破壊の生じる角度を表し、0≦β≦αであるから、βは下式を満たすβ’、及びαのうち小さい方の値をとる。
式(1)乃至式(3)は後でその導出について説明するが、溶接金属で破壊することなく母材で破壊するための溶接金属の必要な強度を表わす。これによれば、溶接継手10において、破壊が生じる場合であっても、溶接金属で破壊されることに先んじて、母材から破壊を生じさせることができる。そして、式(2)に表れているように、アンダーマッチング又はイーブンマッチング(母材強度と溶接金属強度が等しい場合)であっても、式(1)を満たすことによって、当該母材からの破壊が可能となる。従って、これを満たす限りにおいて公知の材料、及び公知の溶接条件を適用することができ、溶接に関する規制、管理をより緩和することが可能となる。このことはより適切な溶接を行う信頼性を向上させることも意味する。そしてその際にも溶接金属の破壊靱性を向上させる等の特別な措置を必要としない。例えば必要以上に高強度で高価な溶接金属を適用しなくてもよい。
ここで、より簡便に母材の引張強さBMσ(N/mm)、溶接金属の引張強さWMσ(N/mm)を得る手段として、それぞれのビッカース硬さからの算出を挙げることができる。具体的には式(4)、式(5)を演算すればよい。式(4)、式(5)は、文献(SAE International,SAE J 417,1983)のビッカース硬さHvと引張強さの換算表をもとに、Hvと引張強さを関係式で表わしたものである。
ここでWMは溶接金属15のビッカース硬さ(Hv)であり、BMHvは母材14のビッカース硬さ(Hv)である。
また、以上によれば、上記式(1)、式(2)を満たすように溶接継手を設計し、これに基づいて溶接する溶接継手の製造方法を提供することができる。さらに、外表面から2mm内面側の位置でJIS Z2244:2009に基づき溶接金属および母材のビッカース硬さを測定し、その測定値の最小値から式(4)、式(5)によりそれぞれの引張強さを求めて、上記設計をすることもできる。
さらに、HAZに沿う破壊を想定する場合、式(1)において溶接金属引張強さWMσの代わりにHAZの引張強さHAZσを用い、破壊の角度βは開先角度αに一致することから、HAZで破壊することなく母材で破壊するためのHAZの必要な強度として、下式(6)が成立する。
この式(6)を満たすことにより、アンダーマッチング溶接でかつHAZが軟化していても、この関係を満たす限り母材破壊させることができる。すなわち、例えアンダーマッチング溶接でかつHAZが軟化していても、母材に比較して靭性が低い溶接部に変形が集中するのを避けることで、粘り強い溶接継手を実現できる。
ここで、より簡便に母材の引張強さBMσ(N/mm)、HAZの引張強さHAZσ(N/mm)を得る手段として、それぞれのビッカース硬さからの算出を挙げることができる。具体的には、外表面から2mm内面側の位置でJIS Z2244:2009に基づきビッカース硬さ試験を行い、その測定値の最小値から式(7)、式(8)を演算すればよい。
次に、式(1)乃至式(3)の根拠について説明する。すなわち、溶接金属で破壊することなく、母材で破壊するための各部が備えるべき強度を極限解析により求めた。
ここでは、以下の(i)乃至(iv)を前提とする。
(i)Von Misesの降伏条件における降伏応力σを、単軸引張試験から得られる引張強さσに置き換えた式(10)の破壊条件が成り立つ。
ここで、σ、σ、σは3次元応力状態の主応力である。さらに、式(10)の破壊条件を任意の座標系に対する応力で記述するため、図6に示したn−t−w直交座標系を設定すると、各座標の6つ応力成分(σ、σ、σ、τnt、τtw、τwn)を用いて式(11)で表わされる。
(ii)溶接長さはそのビード幅に比べて十分大きく、破壊面での溶接線方向の伸縮は生じないものとする。すなわち、溶接線方向の垂直ひずみは0とする。
(iii)継手には軸方向の引張力のみが作用しているものとする。
(iv)図7に示した溶接部のように溶接部はレ形開先、開先角度α(°)、ルートギャップg(mm)、ルートフェースは0(mm)、余盛り高さはe(mm)とする。
次に、母材の破壊、及び溶接金属の破壊の2つについて、それぞれ破壊機構を仮定し、モデル化したうえで最大耐力を算出し、関係式を導く。以下にそれぞれについて説明する。
<母材の破壊>
図8に母材の破壊に用いるモデルを示した。もととなる形状は図7の通りである。図8(a)は2次元の座標系、図8(b)はn−t−w直交座標系による表示である。
図8(a)に示したように、荷重作用方向の塑性変形増分をuとし、破壊機構が生ずる角度を板厚方向に対しθとする。さらに、図8(b)に示したように、破壊機構に対し、n軸は破壊機構の直交方向、t軸は破壊機構に沿う方向、w軸は溶接線と平行な方向となるように直交座標系n−t−wをとる。すると、破壊機構に沿う方向(t方向)およびこれに直交する方向(n方向)の応力成分はそれぞれ、u・sinθ、u・cosθとなる。t軸方向の垂直応力σは0とみなされるから、上記式(11)式にσ=0を代入して、破壊条件は式(12)で表わされる。
図8(a)に示す破壊機構は、w軸方向のひずみεは0、t−w平面内のせん断ひずみγtwは0、w−n平面内のせん断ひずみγwnは0なので、式(12)およびと塑性流れの法線則から、式(13)に示す関係がそれぞれ成立する。
式(13)を式(12)に代入すると、破壊条件式は式(14)のようになる。
ここで図8(b)に示した単位長さ(=1)あたりの図8(a)における応力仕事増分Wは式(15)で表される。
ここで、応力σ、τntは破壊条件である式(14)を満たす。塑性流れの法則から、u・cosθ、及びu・sinθは式(16)のようになる。
式(16)からτntはσを用いて式(17)のように表される。
式(14)及び式(17)から式(18)のようにσ、τntを求め、これを式(15)に代入することにより応力仕事増分は式(19)のようになる。
一方、外力による仕事増分Wexは、溶接線方向(w方向)を単位長さとした場合の母材の最大耐力をPとすると、式(20)により表される。
仮想仕事の原理より、式(19)と式(20)とが等しいので、Pについて解くと式(21)が得られる。
式(21)を最小とするθは0であるから、母材の引張強さをBMσとすると、Pは図8(a)に示した破壊機構図に関する最大耐力であり、これをPBMとすると式(22)で表される。
<溶接金属の破壊>
溶接金属の破壊に用いるモデルを図9に示した。もととなる形状は図7の通りである。図9(a)は2次元の座標系、図9(b)はn−t−w直交座標系による表示である。
荷重作用方向の塑性変形増分をuとし、破壊機構が裏当て金、溶接金属、母材の3つが接合する線と、余盛り側とを結ぶ面内の角度βの位置で生じたとする。さらに、図9(b)に示す通り破壊機構に対し、nは破壊機構の直交方向、tは破壊機構に沿う方向、wは溶接線と平行な方向となるように直交座標系n−t−wをとる。すると、破壊機構に沿う方向(t方向)およびこれに直交する方向(n方向)の応力成分はそれぞれ、u・sinβ、u・cosβとなる。
母材の破壊において説明した破壊機構と同様、t軸方向の垂直応力σは0、w方向のひずみεは0、t−w平面内のせん断ひずみγtwは0、w−n平面内のせん断ひずみγwnは0と仮定すると、破壊条件式は上記式(14)となる。
ここで溶接線方向(w方向)の単位長さあたりの、図9(a)における応力仕事増分Wは、式(23)で表わすことができる。
ここでlcrは図9(a)に示したように破壊機構のt軸方向の長さである。また、上記式(16)乃至式(18)と同様の手順により、Wについて式(24)を得る。
ここで、lcr(mm)は式(25)で表すことができる。
一方、外力による仕事増分Wexは、溶接継手の溶接線方向(w方向)の単位長さあたりの耐力をPとすると式(26)となる。
仮想仕事の原理より、式(24)と式(26)とを等しいとし、溶接金属の引張強さをWMσとすると、Pは図9(a)に示した破壊機構に関する溶接金属の最大耐力であり、これをPWMと置くと角度βを用いて式(27)で表される。
ただし、βは溶接部の破壊線の角度であり、0≦β≦αの範囲で、PWMを最小とするβのとき、PWMは真の最大耐力となる。βは、式(27)のβに関する一階偏微分式を0と等しいと置いて求めた下式(3)を満たすβ’(β’≧0)と、αのいずれか小さい方の値をとる。
<溶接部及びHAZで破壊しないための規定>
ここまでで導出した式を用いて、溶接部に先行して母材が破壊するための規定をする。具体的には式(22)、式(27)から、PBM<PWMとすることにより、式(1)を得る。
ただし、βは溶接部の破壊線の角度であり、0≦β≦αであるから、βは上記式(3)満たすβ’(β’≧0)と、αのいずれか小さい方の値をとる。
次に、以上に示した式(1)、式(2)に基づいて得られる効果について、図10乃至図12を参照しつつ説明する。
図10は母材の板厚tを32mm、余盛り高さeを1/4t=8mm、ルートギャップgを7mmとしたときにおける開先角度α(°)と、マッチング度合(=WMσBMσ)との関係を示した。
図10に示した一点鎖線による線30は式(2)の右辺と左辺とが等しいときの線であり、イーブンマッチングを表す線である。従って、この線より上はオーバーマッチングの組み合わせなので、従来から行われていた溶接の範囲である。ここでは母材破壊が先行する。一方、この線30より下はアンダーマッチングの組み合わせなので、従来の溶接では避けられていた範囲である。
図10に示した実線による線31は式(1)の右辺と左辺とが等しいときの線である。
そして本発明は図10にハッチングして示した範囲による溶接であり、この範囲で溶接を行えば、アンダーマッチングであっても溶接部に先んじて母材の破壊が生じる。すなわち、従来に比べて許容される範囲が拡張され、その分、溶接の条件、管理、及び信頼性を向上させることができることがわかる。
図11は母材の板厚tを32mm、開先角度αを35°、ルートギャップgを7mmとしたときにおける、余盛り高さe/板厚tと、マッチング度合(=WMσBMσ)との関係を示した。
図11に示した一点鎖線による線40は式(2)の右辺と左辺とが等しいときの線であり、イーブンマッチングを表す線である。従って、この線より上はオーバーマッチングの組み合わせなので、従来から行われていた溶接の範囲である。ここでは母材破壊が先行する。一方、この線40より下はアンダーマッチングの組み合わせなので、従来の溶接では避けられていた範囲である。
また、図11に示した実線による線41は式(1)の右辺と左辺とが等しいときの線である。
そして本発明は図11にハッチングして示した範囲による溶接であり、この範囲で溶接を行えば、アンダーマッチングであっても溶接部に先んじて母材の破壊が生じる。すなわち、従来に比べて許容される範囲が拡張され、その分、溶接の条件、管理、及び信頼性を向上させることができることがわかる。
初めに溶接金属破断に関連して、実際に溶接継手を作製してこれを破壊し、破壊した位置を調べた。開先角度αは35°で一定とし、他の要件は表1に示した。破壊は溶接継手引張試験によりおこない、JIS Z3131:1976に準拠し、同規格に示す4号試験片の溶接部をレ形開先完全溶け込みに変更して実施した。
条件は表1に示した通りであるが、母材については、その材質、化学成分(Fe以外)、板厚、降伏点(YP)、及び引張強さBMσを表し、溶接金属については、その規格、降伏点(YP)及び引張強さWMσを表した。また、表1には母材の引張強さ(BMσ)に対する溶接金属の引張強さ(WMσ)の割合を百分率で示した。
ここで母材引張強さBMσはJIS Z2241:2011に従い、全厚または板厚の1/4を中心として採取した丸棒引張試験により求めた。一方、溶接金属引張強さWMσはJIS Z3111:2005に従い、板厚の1/4または1/2を中心として採取した丸棒引張試験により求めた。
そして実際に破断した位置(破断位置)、及び、溶接金属マッチングによる破断位置の予測位置(破断位置予測)を表1に表した。
一方、図12には結果をグラフで表した。図12のグラフでは、横軸に母材引張強さBMσ(N/mm)、縦軸に溶接金属引張強さWMσ(N/mm)を取っている。図12に示した実線による線50は、BMσ(N/mm)=WMσ(N/mm)である。従って、線50の左上はオーバーマッチング領域である。一方、破線51と線50との間の領域は式(1)及び式(2)を満たす領域である。
以上からわかるように、オーバーマッチングの領域のみでなく、アンダーマッチングであっても本発明で規定した範囲であれば溶接金属に先んじて母材で破壊させることができる。
次にHAZに関連して、実際に溶接継手を作製してこれを破壊し、破壊した位置を調べた。開先角度αは35°で一定とし、他の要件は表2に示した。破壊は溶接継手引張試験によりおこない、JIS Z3131:1976に準拠し、同規格に示す4号試験片の溶接部をレ形開先完全溶け込みに変更して実施した。
条件は表2に示した通りであるが、母材については、その材質、化学成分(Fe以外)、板厚、降伏点(YP)、及び母材引張強さBMσを表し、HAZについてはHAZ引張強さHAZσを表した。BMσはJIS Z2241:2011に従い、全厚または板厚の1/4を中心として採取した丸棒引張試験により求めた。HAZσは、外表面から2mm内面側の位置を通るライン上のHAZ内で、0.5mm間隔でJIS Z2244:2009に基づきビッカース硬さ試験を行い、HAZの硬さ最小値を用いて式(7)から換算して求めた。
また、表2には母材の引張強さ(BMσ)に対するHAZの引張強さ(HAZσ)の割合を百分率で示した。
そして実際に破断した位置(破断位置)、及び、HAZ強度マッチングによる破断位置の予測位置(破断位置予測)を表2に表した。
一方、図13には結果をグラフで表した。図13のグラフでは、横軸にはBMσ(N/mm)、縦軸にHAZσ(N/mm)を取っている。図13に示した実線による線52は、BMσ(N/mm)=HAZσ(N/mm)である。従って、線52の左上はHAZの引張強さが母材の引張強さを上回る領域である。一方、線52と破線53との間の領域は式(6)を満たす領域である。
以上からわかるように、HAZの引張強さが母材の引張強さを上回る領域のみでなく、HAZの引張強さが母材の引張強さを下回る場合であっても、上記規定した範囲であればHAZに先んじて母材で破壊させることができる。
以上で規定した式(1)、式(2)の規定の適用は、上記例示した通しダイヤフラム形式のみでなく、内ダイヤフラム形式、外ダイヤフラム形式、梁継手、ベースプレートの溶接等にも適用できる。また、レ形開先の場合においてルートギャップがある場合や、V形開先の場合にも適用可能である。V形開先の場合のパラメータの配置については図14に表した。
10 溶接継手
11 柱
12 ダイヤフラム
13 サイコロ
14 梁(母材)
15 溶接金属
16 裏当て金
20 溶接部(I字継手溶接部)
21 溶接部(T字継手溶接部)

Claims (6)

  1. レ形又はV形開先の完全溶け込み溶接継手であって、
    開先角度をα(°)、ルートギャップをg(mm)、余盛り高さをe(mm)、溶接金属の引張強さをWMσ(N/mm)、母材の引張強さをBMσ(N/mm)、及び母材の厚さをt(mm)としたとき、下記式(1)及び式(2)を満たす溶接継手。
    ただし、βは0以上であって、下記式(3)を満たすβ’及びαの値のうち小さい方の値をとる。
  2. 前記溶接金属のビッカース硬さをWMHv、前記母材のビッカース硬さをBMHvとしたとき、さらに下記式(4)、式(5)が成り立つ請求項1に記載の溶接継手。
  3. 溶接熱影響部の引張強さをHAZσ(N/mm)としたとき、下式(6)を満たす請求項1又は2に記載の溶接継手。
  4. 前記溶接熱影響部のビッカース硬さをHAZHv、前記母材のビッカース硬さをBMHvとしたとき、さらに下記式(7)、式(8)が成り立つ請求項3に記載の溶接継手。
  5. レ形又はV形開先の完全溶け込み溶接継手を製造する方法であって、
    開先角度をα(°)、ルートギャップをg(mm)、余盛り高さをe(mm)、溶接金属の引張強さをWMσ(N/mm)、母材の引張強さをBMσ(N/mm)、及び母材の厚さをt(mm)として下記式(1)及び式(2)を満たすように設計し、これにより溶接をおこなう溶接継手の製造方法。
    ただし、βは0以上であって、下記式(3)を満たすβ’及びαの値のうち小さい方の値をとる。
  6. 前記溶接金属のビッカース硬さをWMHv、前記母材のビッカース硬さをBMHvとしたとき、前記WMσ(N/mm)、前記BMσ(N/mm)を下記式(4)、式(5)により求める請求項5に記載の溶接継手の製造方法。
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