JP2008106582A - 開口を有する鉄筋コンクリート梁の補強構造、開口を有する鉄筋コンクリート梁の製造方法、梁構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鉄筋コンクリート梁20の開口12の補強構造10は、開口12の内側に嵌挿された円筒状の開口補強部材11と、鉄筋コンクリート梁20の少なくとも幅方向両端の梁主筋16を含む梁主筋16に沿うように屈曲した屈曲部が設けられ、開口補強部材11の外周面に接合された第1の補強筋13と、複数の第1の補強筋16と一部が重なり合い、かつ複数の梁主筋16を跨ぐように設けられた第2の補強筋14と、で構成されるせん断補強筋15と、を備える。
【選択図】図1
Description
上記の鉄筋コンクリート梁の補強構造において、前記開口補強部材は、前記開口の軸方向に複数に分割された鋼管からなるものであってもよい。
また、本発明は、上記の製造方法により製造された鉄筋コンクリート梁を含む梁構造を含むものとする。
以下、本発明の開口の補強構造の一実施形態について図面に基づき説明する。
図1(A)は、本実施形態の補強構造10が適用された鉄筋コンクリート梁20の長手方向断面図であり、同図(B)は、(A)におけるA−A´断面の鉛直断面図である。同図に示すように鉄筋コンクリート梁20は幅方向に貫通する開口12を有しており、この開口12を利用して設備配管などが行われる。
せん断補強筋15は、開口補強部材11の表面に接合された第1の補強筋13と、梁の幅方向両端の梁主筋16に跨るように設けられた第2の補強筋14とで構成される。第1の補強筋13は、一端は鋼管11A,11Bの外周面に溶接接合されており、他端には梁主筋16の外周に沿って引っ掛けられるように屈曲した屈曲部が設けられており、この屈曲部において梁主筋16と係合するように配置されている。また、第2の補強筋14の一端(図1(B)では、左端)には約90度屈曲された屈曲部が、他端(図1(B)では、右端)には、約135度屈曲された屈曲部が形成され、第2の補強筋14は、これらの屈曲部において梁主筋16と係合するように配置されている。なお、図1(B)の例では、第1の補強筋13を全ての梁主筋16に対応して設けているが、これに限らず、少なくとも梁の幅方向両端の梁主筋16を含む複数の梁主筋16に対応して設ければよい。
かかる構成により、第1の補強筋13と第2の補強筋14とが重なり合う部分において重ね継手が構成されるため、第1の補強筋13と第2の補強筋14との間で応力の伝達が可能となり、第1の補強筋13及び第2の補強筋14は長方形状に形成されたせん断補強筋と同様に機能することができる。
図2は、本実施形態の補強構造10を有する鉄筋コンクリート梁20の構築方法を説明するための図である。まず、同図(A)に示すように、通常の鉄筋コンクリート梁を構築する場合と同様に梁主筋16を配筋する。
次に、型枠を配置し、鉄筋コンクリート梁20を構成するコンクリートを打設する。
以上の工程により補強構造10を有する鉄筋コンクリート梁20を構築することができる。
鉄筋コンクリート梁20の強度を低下させることなく、径が梁せいの1/3以上の大開口12を設けることができる。また、特許文献1記載の開口補強構造に比べて鋼材の使用量が少ないため、コストを削減することができる。さらに、補強構造10は、従来の開口補強構造に比べてコンパクトであるため、設計の自由度が向上する。
なお、本実施形態では、開口補強部材11が2つの鋼管11A、11Bに分割される構成としたが、これに限らず、3つ以上に分割される構成としてもよい。ただし、本発明は開口補強部材11が分割される場合に限らず、一の鋼管からなる構成としてもよい。
本発明の鉄筋コンクリート梁の開口の補強構造は、上記の実施形態に限らない。図3は、第2実施形態の補強構造30を示す図である。同図に示すように、本実施形態の開口の補強構造30は、端面同士が当接するように設置された一対の鋼管11A,11Bからなる円筒状の開口補強部材11と、鋼管11A、11Bに接合された一対の補強筋21A,21Bからなるせん断補強筋21とで構成される。補強筋21A,21Bは、一端が鋼管11A,11Bの外周面に接合され、夫々、梁の幅方向両端の梁主筋16の外周に沿って、約90°屈曲されており、補強筋21A,21B同士の先端が互いに重なり合うことにより重ね継手を形成している。なお、この補強筋21A,21Bはフレアー溶接により溶接接合してもよい。
まず、同図(A)に示すように、通常の鉄筋コンクリート梁を構築する場合と同様に、鉄筋コンクリート梁40を構成する梁主筋16を配筋する。
次に、同図(B)に示すように、予め補強筋21A,21Bが接合された鋼管11A,11Bを端面同士が当接するように開口12に相当する位置に梁の側面方向より設置する。
次に、型枠を配置し、鉄筋コンクリート梁を構成するコンクリートを打設する。
以上の工程により開口の補強構造を有する鉄筋コンクリート梁40を構築することができる。
なお、本実施形態では、補強筋21A,21B同士を重ね継手により継手しているが、これに限らず、溶接継手などを用いることもでき、要するに、補強筋21A,21Bの間で応力伝達が行われ、一体となってせん断補強筋21として機能すればよい。
また、上記の各実施形態では、せん断補強筋15、21を構成する補強筋(第1実施形態では第1の補強筋13、第2実施形態では一対の補強筋21A,21B)を鉛直方向に鋼管11A,11Bに接続する構成としたが、これに限らず、図5に示すように、鋼管11A,11Bの外周面に対して略垂直となるように溶接接合する構成としてもよい。係る構成によれば、以下の効果も得られる。
11 開口補強部材
11A、11B 鋼管
12 開口
13 第1の補強筋
14 第2の補強筋
15、17、21 せん断補強筋
16 梁主筋
20、40 鉄筋コンクリート梁
21A,21B 補強筋
Claims (8)
- 開口を有する鉄筋コンクリート梁を補強する構造であって、
前記開口の内側に嵌挿された円筒状の開口補強部材と、
前記鉄筋コンクリート梁の少なくとも幅方向両端の梁主筋を含む複数の梁主筋の外周に夫々沿うように屈曲した屈曲部が設けられ、前記開口補強部材の外周面に接合された複数の第1の補強筋と、前記複数の第1の補強筋と一部が重なり合い、かつ前記複数の梁主筋を跨ぐように設けられた第2の補強筋と、で構成されるせん断補強筋と、
を備えることを特徴とする開口を有する鉄筋コンクリート梁の補強構造。 - 前記開口補強部材は、前記開口の軸方向に複数の分割された鋼管からなることを特徴とする請求項1記載の開口を有する鉄筋コンクリート梁の補強構造。
- 開口を有する鉄筋コンクリート梁を補強する構造であって、
前記開口の内側に嵌挿され、軸方向に複数に分割された鋼管からなる円筒状の開口補強部材と、
前記開口補強部材の外周面に夫々接合され、前記鉄筋コンクリート梁の幅方向両端の梁主筋の外周に沿って略直角に屈曲し、先端同士が継手された一対の補強筋からなるせん断補強筋と、を備えることを特徴とする開口を有する鉄筋コンクリート梁の補強構造。 - 前記せん断補強筋は、前記開口補強部材表面に対して、ほぼ垂直となるように接合されていることを特徴とする請求項1から3何れかに記載の開口を有する鉄筋コンクリート梁の補強構造。
- 前記開口の径が鉄筋コンクリート梁の梁せいの1/3以上、かつ、梁せいより、前記鉄筋コンクリート梁の上下のかぶり厚と、せん断補強筋の径と、梁主筋の径と、の合計を減じた値以下であることを特徴とする請求項1から4何れかに記載の開口を有する鉄筋コンクリート梁の補強構造。
- 開口を有する鉄筋コンクリート梁の製造方法であって、
前記鉄筋コンクリート梁の少なくとも幅方向両端の梁主筋を含む複数の梁主筋の外周に夫々沿うように屈曲した屈曲部が設けられた第1の補強筋が外周面に接合された円筒状の開口補強部材を前記開口の内側部分に設置し、
前記複数の第1の補強筋と一部が重なり合い、かつ前記梁主筋を跨ぐように第2の補強筋を設け、
前記鉄筋コンクリート梁を構成するコンクリートを打設することを特徴とする開口を有する鉄筋コンクリート梁の製造方法。 - 開口を有する鉄筋コンクリート梁の製造方法であって、
前記鉄筋コンクリート梁の幅方向両端の梁主筋の外周に沿って略直角に屈曲する一対の補強筋が外周面に接合され、前記開口の内側部分に軸方向に複数に分割された鋼管からなる円筒状の開口補強部材を設置し、
前記一対の補強筋の先端同士を継手し、
前記鉄筋コンクリート梁を構成するコンクリートを打設することを特徴とする開口を有する鉄筋コンクリート梁の製造方法。 - 請求項6又は7記載の製造方法により製造された鉄筋コンクリート梁を含む梁構造。
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