JP6996544B2 - 既存構造物の耐震改修方法 - Google Patents

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本発明は、冷間成形角形鋼管からなる柱本体を有する柱部材を備えた既存構造物の耐震改修方法に関する。
従来の冷間成形角形鋼管を用いた柱部材では、鋼管角部が強い冷間加工を受けることにより、この鋼管角部とベースプレートやダイヤフラムとの溶接部が脆性破断して塑性変形性能が低下することが懸念される。脆性破断は、引張応力の高さ、靱性の低さ、部材の形状や切欠き等による応力集中の三条件が揃う場合に発生する。
そこで、例えば非特許文献1に示される方法に従って、柱部材に作用する応力を割り増して構造物の設計を行うなどの対応をとる必要がある。
しかし、過去に建設された既存構造物には、非特許文献1に示されるような対応がとられていない構造物も存在する。このような既存構造物の耐震改修を行う場合、ブレース等の補強部材を取り付けることによる既存構造物の耐力向上や、既存構造物の一部を取り除く減築を行うことによる外力入力低減といった通常の耐震改修方法では、必ずしも十分な耐震改修効果が得られない場合がある。具体的には、上記のような通常の耐震改修方法に加えて、冷間成形角形鋼管を用いた柱部材の脆性破断が発生しないよう、冷間成形角形鋼管を用いた柱部材の応力状態の詳細な検討、およびこの冷間成形角形鋼管を用いた柱部材の補強が必要となる場合がある。
非特許文献2には、冷間成形角形鋼管を用いた柱部材の補強方法の具体例が複数示されている。これら補強方法の概要を、図34(a)~(d)に示す。
図34(a)、(b)の補強方法は、既存構造物の冷間成形角形鋼管を用いた柱部材9の柱脚部および柱頭部に、平鋼板や山形鋼からなる補強材91、92を側面隅肉溶接により取り付けるものである。これらの補強方法では、柱端部断面において補強材に作用する垂直応力を適切に伝達させるために、補強材91、92をダイヤフラム(やベースプレート)に完全溶込み溶接しなければならない。通常、既存構造物の柱部材の柱脚部には床スラブが設置されているので、図34(a)、(b)の補強方法を適用するには、柱部材9周辺の床スラブを除去する必要がある。
図34(c)の補強方法は、既存構造物の冷間成形角形鋼管を用いた柱部材9の柱脚部および柱頭部に、平鋼板からなる補強板93を側面隅肉溶接により取り付けたうえで、これら柱脚部の床スラブ上面および柱頭部の梁下面に、平鋼板からなる定着板94を配置して、この定着板に設けられた補強リブ94aにより上記補強板93を押さえつけるようにし、この状態で柱脚部側および柱頭部側の両定着板94、94を、床スラブごとPC鋼棒95で締結するものである。
図34(d)の補強方法は、既存構造物の冷間成形角形鋼管を用いた柱部材9の柱脚部に、シヤーコッター96を溶接により取り付けたうえで、この柱脚部を鋼板型枠97で取り囲み、柱部材9の柱脚部と鋼板型枠97の間に無収縮モルタル98を充填して、柱部材の柱脚部を根巻き補強するものである。
これら図34(c)、(d)の補強方法では、必ずしも柱周辺の床スラブを除去する必要は無いが、補強構造を構成する補強部材の点数が多く、複雑である。
このように、非特許文献2に示される方法では、冷間成形角形鋼管を用いた柱部材を補強するために、床スラブを一旦除去したり、複雑な構造の補強部材を取り付けたりする必要があり、大がかりな工事が必要となる問題がある。
「2018年版 冷間成形角形鋼管設計・施工マニュアル」、日本建築センター、2018年、pp.27~62 「-2008年版 冷間成形角形鋼管設計・施工マニュアル 補遺- STKR柱補強設計・施工マニュアル」、日本建築センター、2014年、p.5
本発明は、冷間成形角形鋼管を用いた柱部材を備えた既存構造物において、冷間成形角形鋼管を用いた柱部材の鋼管角部とベースプレートやダイヤフラムとの溶接部の脆性破断を防止すべく、柱部材に作用する応力を割り増す対応が設計時に取られていない場合にも、簡単な方法により、上記溶接部が脆性破断することを抑制し、柱部材の柱脚部や柱梁接合部における塑性変形性能を高めて、既存構造物の十分な耐震改修効果を得ることのできる、既存構造物の耐震改修方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の特徴を有する。
[1] 冷間成形角形鋼管からなる柱本体と、前記柱本体の柱脚部に溶接接合されたベースプレートとを有する柱部材を備えた既存構造物の耐震改修方法であって、前記冷間成形角形鋼管の四つの角部の各々に、前記ベースプレートとの溶接部止端部に近接するようにして、少なくとも一つの孔を設けることを特徴とする既存構造物の耐震改修方法。
[2] 前記柱部材は、前記柱本体の梁取付部に溶接接合されたダイヤフラムをさらに有し、前記冷間成形角形鋼管の四つの角部の各々に、前記ダイヤフラムとの溶接部止端部に近接するようにして、少なくとも一つの孔を設けることを特徴とする[1]に記載の既存構造物の耐震改修方法。
[3] 冷間成形角形鋼管からなる柱本体と、前記柱本体の梁取付部に溶接接合されたダイヤフラムとを有する柱部材を備えた既存構造物の耐震改修方法であって、前記冷間成形角形鋼管の四つの角部の各々に、前記ダイヤフラムとの溶接部止端部に近接するようにして、少なくとも一つの孔を設けることを特徴とする既存構造物の耐震改修方法。
ここで、[1]~[3]における「角部」は、曲率を有する部分だけでなく、この曲率を有する部分の両側近傍の部分も含むものとする。
[4] 前記孔は、前記柱部材に外力が作用した際に、前記溶接部に発生する応力を低減する形状を有することを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の既存構造物の耐震改修方法。
[5] 前記孔は、前記柱部材に外力が作用した際に、これら孔の断面欠損に起因する前記柱本体の局部座屈の発生を抑制する形状を有することを特徴とする[1]~[4]のいずれかに記載の既存構造物の耐震改修方法。
ここで、[4]および[5]における「形状」は、孔の輪郭の形だけでなく、孔の大きさ、孔の個数、孔の位置も含む概念である。
[6] 前記孔に近接する前記溶接部止端部と前記孔の縁の離間距離が、前記孔の直径の1倍以上5倍以下であることを特徴とする[1]~[5]のいずれかに記載の既存構造物の耐震改修方法。
[7] 前記孔は複数であり、前記冷間成形角形鋼管の四つの角部の各々の稜線の両側に対称に配置されることを特徴とする[1]~[6]のいずれかに記載の既存構造物の耐震改修方法。
[8] 前記孔の各々の縁は滑らかに加工されていることを特徴とする[1]~[7]のいずれかに記載の既存構造物の耐震改修方法。
[9] 前記既存構造物の耐力を増加させる補強部材を取り付けることを特徴とする[1]~[8]のいずれかに記載の既存構造物の耐震改修方法。
ここで、[9]における「補強部材」は、ブレースやダンパーなど、既存構造物の耐力を増加させることが可能なあらゆる補強部材を含む。
[10] 前記既存構造物の一部を取り除く減築を行い、減築後の前記既存構造物に入力する外力を低減させることを特徴とする[1]~[9]のいずれかに記載の既存構造物の耐震改修方法。
[11] 前記既存構造物と構造的に一体となる増築部を設ける増築を行い、前記既存構造物と前記増築部が一体となった構造物全体の耐力が、前記既存構造物の耐力よりも大きくなるようにすることを特徴とする[1]~[10]のいずれかに記載の既存構造物の耐震改修方法。
本発明によれば、冷間成形角形鋼管を用いた柱部材を備えた既存構造物において、冷間成形角形鋼管の四つの角部の各々に、ベースプレートまたはダイヤフラムとの溶接部止端部に近接するようにして、孔を設けることにより、地震時などに耐震改修後の前記柱本体に外力が作用する場合に前記溶接部に生じる引張応力を拡散、低減して、溶接部が脆性破断することを抑制できる。
よって、既存構造物の設計時に、冷間成形角形鋼管を用いた柱部材の鋼管角部とベースプレートやダイヤフラムとの溶接部が脆性破断して塑性変形性能が低下することを防止すべく、柱部材に作用する応力を割り増す対応が取られていなくても、既存構造物の十分な耐震改修効果が得られる。
また、柱本体の角部に孔を設ける簡単な方法により、床スラブを一旦除去したり、複雑な構造の補強部材を取り付けたりする大がかりな工事を必要とせずに、溶接部が脆性破断することを抑制し、既存構造物の十分な耐震改修効果が得られる。したがって、経済性に優れた耐震改修方法となる。
さらに、上記孔の大きさが比較的小さくても、溶接部の脆性破断の抑制効果が十分得られるため、孔の断面欠損による柱部材の耐力低下はわずかである。また、孔の断面欠損による柱部材の耐力低下に対しては、既存構造物の耐力を増加させる補強部材を取り付けたり、既存構造物の一部を取り除く減築を行ったり、既存構造物と構造的に一体となる増築部を設ける増築を行ったりする方法を併用して、耐震改修後の構造物全体の保有耐力を必要耐力以上とし、耐震性能を確保できるため、既存構造物の耐震改修効果が確実に得られる。
加えて、柱部材の柱脚部や柱梁接合部における塑性変形性能や低サイクル疲労特性が向上し、既存構造物の耐震改修効果がさらに高められる。
本発明の第1の実施形態の既存構造物の耐震改修方法を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態の既存構造物の耐震改修方法を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態の既存構造物の耐震改修方法を示す斜視図である。 本発明の第4の実施形態の既存構造物の耐震改修方法を示す斜視図である。 本発明の第5の実施形態の既存構造物の耐震改修方法を示す斜視図である。 本発明の第6の実施形態の既存構造物の耐震改修方法を示す斜視図である。 耐震改修前の柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すコンター図である。 耐震改修前の柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すコンター図である。 耐震改修前の柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すコンター図である。 本発明の既存構造物の耐震改修方法により改修された柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すコンター図である。 本発明の既存構造物の耐震改修方法により改修された柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すコンター図である。 本発明の既存構造物の耐震改修方法により改修された柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すコンター図である。 本発明の既存構造物の耐震改修方法により改修された柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すコンター図である。 本発明の既存構造物の耐震改修方法により改修された柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すコンター図である。 本発明の既存構造物の耐震改修方法により改修された柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すコンター図である。 耐震改修前の柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すグラフである。 本発明の既存構造物の耐震改修方法により改修された柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すグラフである。 本発明の既存構造物の耐震改修方法により改修された柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すグラフである。 耐震改修前の柱部材と本発明の既存構造物の耐震改修方法により改修された柱部材における、荷重-たわみ関係の数値解析結果を比較して示すグラフである。 本発明の既存構造物の耐震改修方法により改修された柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すコンター図である。 本発明の既存構造物の耐震改修方法により改修された柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すコンター図である。 本発明の既存構造物の耐震改修方法により改修された柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すコンター図である。 本発明の既存構造物の耐震改修方法により改修された柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すコンター図である。 本発明の既存構造物の耐震改修方法により改修された柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すグラフである。 本発明の既存構造物の耐震改修方法により改修された柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すグラフである。 本発明の既存構造物の耐震改修方法により改修された柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すグラフである。 本発明の既存構造物の耐震改修方法により改修された柱部材に発生するひずみ分布の数値解析結果を示すグラフである。 本発明の既存構造物の耐震改修方法が適用される前の既存構造物の構面を示す模式図である。 本発明の既存構造物の耐震改修方法の第1の変形例を示す模式図である。 本発明の既存構造物の耐震改修方法の第2の変形例を示す模式図である。 本発明の既存構造物の耐震改修方法の第3の変形例を示す模式図である。 本発明の既存構造物の耐震改修方法の第4の変形例を示す模式図である。 本発明の既存構造物の耐震改修方法の第5の変形例を示す模式図である。 従来の既存構造物の耐震改修方法を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の既存構造物の耐震改修方法の実施形態を詳細に説明する。
図1~図6に、本発明の第1~第6の実施形態の既存構造物の耐震改修方法をそれぞれ示す。
第1~第6の実施形態の既存構造物の耐震改修方法が適用される既存構造物の柱部材1は、冷間成形角形鋼管からなる柱本体10と、柱本体10の柱脚部に溶接接合されたベースプレート15とを有する。
図1に示す第1の実施形態の既存構造物の耐震改修方法では、柱本体(角形鋼管)10の四つの角部の各々に、ベースプレート15との溶接部止端部(溶接部と柱本体10との境界位置)に近接するようにして、孔11を一つずつ設ける。四つの角部に設けられる孔11は、溶接部止端部からの高さが同じとなるように配置する。
ここで、上記「近接して」とは、構造物の自重による鉛直力や地震力等の水平力が柱部材1に入力するとき、柱本体10とベースプレート15との溶接部のうち、角形鋼管角部に隣接する部位に発生する応力を低減することができる位置を意味する。具体的には、孔11の縁と溶接部止端部との離間距離が、例えば数mmから孔の直径の5倍程度となるような位置に孔11を設けることをいう。また、上記「角部」は、曲率を有する部分だけでなく、この曲率を有する部分の両側の近傍の部分も含む。
孔11は、この孔11が設けられた柱部材1に地震力等による外力が作用した際に、上記溶接部に発生する引張応力が、この溶接部の各位置において低減されるような形状に形成する。
本実施の形態では、孔11の輪郭の形は、正円形とする。これに代えて、孔の輪郭の形を、楕円形、長円形などとすることも可能である。
孔11の直径は、柱部材1に要求される耐力、塑性変形性能や柱本体(角形鋼管)10の寸法とのバランスで決定される。孔の輪郭の形が正円形でない場合も、孔の大きさは、上記に相当する寸法とすることが好ましい。
第1の実施形態の既存構造物の耐震改修方法によれば、冷間成形角形鋼管を用いた柱部材1を備えた既存構造物において、柱本体(角形鋼管)10の四つの角部の各々に、ベースプレート15の溶接部止端部に近接するようにして孔11を設けることにより、地震時などに耐震改修後の柱本体10に作用する外力によって孔11の下側の鋼管角部溶接部付近に生じる引張応力が拡散、低減され、この溶接部が脆性破断することを抑制できる。
よって、既存構造物の設計時に、冷間成形角形鋼管を用いた柱部材1の鋼管角部とベースプレート15との溶接部が脆性破断して塑性変形性能が低下することを防止すべく、柱部材1に作用する応力を割り増す対応が取られていなくても、既存構造物の十分な耐震改修効果が得られる。
また、柱本体10の角部に孔11を設ける簡単な方法により、床スラブを一旦除去したり、複雑な構造の補強部材を取り付けたりする大がかりな工事を必要とせずに、溶接部が脆性破断することを抑制し、既存構造物の十分な耐震改修効果が得られる。したがって、経済性に優れた耐震改修方法となる。
さらに、孔11の大きさが比較的小さくても、溶接部の脆性破断の抑制効果が十分得られるため、孔11の断面欠損による柱部材の耐力低下はわずかである。また、孔11の断面欠損による柱部材の耐力低下に対しては、後述の第1~第5の変形例で説明するように、既存構造物の耐力を増加させる補強部材を取り付けたり、既存構造物の一部を取り除く減築を行ったり、既存構造物と構造的に一体となる増築部を設ける増築を行ったりする方法を併用して、耐震改修後の構造物全体の保有耐力を必要耐力以上とし、耐震性能を確保できるため、既存構造物の耐震改修効果が確実に得られる。
加えて、柱部材1の柱脚部や柱梁接合部における塑性変形性能や低サイクル疲労特性を向上させ、既存構造物の耐震改修効果を高めることができる。
図2~図6に示す第2~第6の実施形態の既存構造物の耐震改修方法は、第1の実施形態の既存構造物の耐震改修方法から、孔の数や位置を変更したものである。これら第2~第6の実施形態の既存構造物の耐震改修方法では、柱本体(角形鋼管)10の四つの角部の各々に、二つ~四つの孔が、ベースプレートとの溶接部止端部に近接するようにして設けられている。
図2に示す第2の実施形態の既存構造物の耐震改修方法では、柱本体(角形鋼管)10の四つの角部の各々において、二つの孔21、22を、角形鋼管角部の稜線の両側に対称に設ける。
第2の実施形態の既存構造物の耐震改修方法では、地震力などの外力により耐震改修後の柱本体10に曲げが発生したときに角形鋼管角部に生じる材軸方向引張応力が、孔21、22の下側の鋼管角部溶接部付近において拡散され、この部位における引張応力が低減される。
図3、図4に示す第3、第4の実施形態の既存構造物の耐震改修方法では、柱部材1の在軸方向に孔31、32、41~44を設ける。
図3に示す第3の実施形態の既存構造物の耐震改修方法では、柱本体(角形鋼管)10の四つの角部の各々において、二つの孔31、32を、角形鋼管角部の稜線上に沿って並ぶように設ける。
図4に示す第4の実施形態の既存構造物の耐震改修方法では、柱本体(角形鋼管)10の四つの角部の各々において、四つの孔41~44を、角形鋼管角部の稜線の両側に二つずつ対称に設ける。
第3、第4の実施形態の既存構造物の耐震改修方法では、柱部材1の材軸方向に複数設けた孔31、32、41~44近傍において、耐震改修後の柱本体30、40の塑性変形が促進され、柱部材1の塑性変形性能や低サイクル疲労特性がさらに向上して、既存構造物の耐震改修効果がさらに高められる。
図5、図6に示す第5、第6の実施形態の既存構造物の耐震改修方法では、孔51~53、61~63を千鳥状に配置するように設ける。
図5に示す第5の実施形態の既存構造物の耐震改修方法では、柱本体(角形鋼管)10の四つの角部の各々において、孔51を、溶接部止端部に近接するようにして、角形鋼管角部の稜線上に設けるとともに、孔52、53を、上記孔51よりも溶接部止端部からの高さが大きい位置に、角形鋼管角部の稜線の両側に対称に設ける。
図6に示す第6の実施形態の既存構造物の耐震改修方法では、柱本体(角形鋼管)10の四つの角部の各々において、孔61、62を、溶接部止端部に近接するようにして、角形鋼管角部の稜線の両側に対称に設けるとともに、孔63を、上記孔61、62よりも溶接部止端部からの高さが大きい位置に、角形鋼管角部の稜線上に設ける。
第1~第6の実施形態の既存構造物の耐震改修方法のいずれにおいても、上記孔11、21、22、31、32、41~44、51~53、61~63は、耐震改修後の柱部材1に外力が作用した際に、これら孔の断面欠損に起因する柱本体10の局部座屈の発生を抑制するような大きさや位置に配列される。「局部座屈の発生を抑制」とは、孔を設けることによる局部座屈強度の低下が、孔を設けない場合の局部座屈強度に対して一定の割合以内に抑えられていることを指すものとする。
上記孔11、21、22、31、32、41~44、51~53、61~63は、この孔に近接する溶接部止端部と、孔の縁の離間距離が、孔の直径の1倍以上5倍以下となるように設けられることが好ましい。このようにすることで、孔を設けることによって得られる溶接部止端部の応力低減効果が高められる。
上記孔11、21、22、31、32、41~44、51~53、61~63の縁は滑らかに加工することが好ましい。具体的には、ガス溶断による孔加工ではなくドリル加工によるキリ孔加工とし、孔の縁に面取り加工や丸み付け加工を施すことが好ましい。このようにすることで、孔の縁における応力集中の発生を抑制して、溶接部が脆性破断することを確実に抑制できる。
なお、上記第1~第6の実施形態では、柱本体10の柱脚部にベースプレート15が溶接接合されてなる柱部材1に対して、本発明の既存構造物の耐震改修方法が適用される場合について説明したが、本発明は、ベースプレート15に代えて、あるいはベースプレート15に加えて、柱本体の梁取付部にダイヤフラムが溶接されてなる柱部材に対しても同様に適用可能である。具体的には、角形鋼管の四つの角部の各々において、ダイヤフラムの溶接部止端部に近接するようにして、少なくとも一つの孔を設けるようにすれば良い。
本発明の既存構造物の耐震改修方法の変形例を、図28~図33を参照して説明する。
図28は、本発明の既存構造物の耐震改修方法を適用する前の、既存構造物100の構面を示す。
図29に、本発明の既存構造物の耐震改修方法の第1の変形例を示す。この第1の変形例では、既存構造物100に対し、冷間成形角形鋼管からなる柱本体10を有する柱部材1の柱脚部に溶接接合されたベースプレートの溶接部止端部、および上記柱本体10の梁取付部に溶接接合されたダイヤフラムの溶接部止端部に近接するようにして、冷間成形角形鋼管の四つの角部の各々に、少なくとも一つの孔を設けている。この孔は、必ずしも柱脚部のベースプレートの溶接部止端部近傍、梁取付部のダイヤフラムの溶接部止端部近傍の全てに設ける必要はない。具体的には、既存構造物100のうち柱部材1の耐力や柱梁耐力比に余裕のある部位には孔を設けなくとも、既存構造物の十分な耐震改修効果が得られる。
図30に、本発明の既存構造物の耐震改修方法の第2の変形例を示す。この第2の変形例では、図29に示す第1の変形例に加えて、既存構造物100の耐力を増加させる補強部材121(ブレースやダンパーなど)を、既存構造物100の構面に取り付ける。
この第2の変形例によれば、補強部材121により既存構造物100の耐力が増加することで、既存構造物100の柱部材1に設けた孔の断面欠損による柱部材1の耐力低下が補われる。よって、耐震改修後の構造物全体の保有耐力を必要耐力以上とし、耐震性能を確保できる。
図31に、本発明の既存構造物の耐震改修方法の第3の変形例を示す。この第3の変形例では、図29に示す第1の変形例に加えて、既存構造物100の耐力を増加させる補強部材122(ブレースやダンパーなど)を、既存構造物100の構面に取り付ける。また、既存構造物100の上に、この既存構造物100と構造的に一体となるように、一層分の増築部101を設ける増築を行う。
この第3の変形例によれば、補強部材122により既存構造物100の耐力が増加することで、既存構造物100の柱部材1に設けた孔の断面欠損による耐力低下が補われる。よって、既存構造物100の上に増築部101を設けることによる外力入力増加を加味しても、耐震改修後の構造物全体の保有耐力を必要耐力以上とし、耐震性能を確保できる。
図32に、本発明の既存構造物の耐震改修方法の第4の変形例を示す。この第4の変形例では、図29に示す第1の変形例に加えて、既存構造物100の横に、この既存構造物100と構造的に一体となるように、3スパン分の増築部102を設ける増築を行う。また、既存構造物100と増築部102が一体となった構造物全体の耐力を増加させるよう、補強部材123(ブレースやダンパーなど)を、増築部102の構面に取り付ける。
この第4の変形例によれば、既存構造物100の横に、この既存構造物100と構造的に一体となる増築部102を設ける増築を行うことで、既存構造物100と増築部102が一体となった構造物全体の耐力が増加する。また、補強部材123により、既存構造物100と増築部102が一体となった構造物全体の耐力がさらに増加する。よって、既存構造物100の柱部材1に設けた孔の断面欠損による耐力低下が補われ、耐震改修後の構造物全体の保有耐力を必要耐力以上とし、耐震性能を確保できる。なお、補強部材123を、増築部102でなく既存構造物100の構面に取り付けても、同様の効果が得られる。
図33に、本発明の既存構造物の耐震改修方法の第5の変形例を示す。この第5の変形例では、図28に示される既存構造物100の最上層を取り除く減築を行い、減築後の既存構造物に入力する外力を低減させる。
この第5の変形例によれば、既存構造物100の最上層を取り除く減築を行い、減築後の既存構造物に入力する外力を低減させることで、既存構造物100の柱部材1に設けた孔の断面欠損による耐力低下が補われ、耐震改修後の構造物全体の保有耐力を必要耐力以上とし、耐震性能を確保できる。
冷間成形角形鋼管からなる柱本体と、前記柱本体の梁取付部に溶接接合されたダイヤフラムとを有する柱部材に対して、耐震改修前のもの、本発明の既存構造物の耐震改修方法により改修されたものの各々について、地震等による水平外力が作用した場合に、柱部材とダイヤフラムとの溶接部に生じる相当塑性ひずみについて、孔の有無、孔の直径をパラメータとして、有限要素法による数値解析を行った。
本数値解析においては、冷間成形角形鋼管からなる柱本体の形状を、外寸400mm角、板厚22mm、角部の曲率半径(外周側)25mm、柱本体の長さ1982mmとした。また、柱本体の柱脚部とダイヤフラムとの間の溶接部の形状を、ルートギャップ7mm、開先角度35度、柱側フランク角度140度、ダイヤフラム側余盛8mm、裏当て金9mm×25mmとした。溶接部の溶け込みは考慮しないものとした。
パラメータとなる孔の有無および孔の直径については、耐震改修前の例として孔を設けていない場合、本発明例1として直径が39mmの孔を設けた場合、本発明例2として直径が78mmの孔を設けた場合の三例とした。孔の縁と溶接部止端部(溶接部と柱本体との境界位置)との離間距離は10mmとした。
上記従来例および本発明例1、2において、各柱部材の柱脚部のダイヤフラム側を固定端、反対側の柱頭部を自由端とし、この自由端に45度方向(角形鋼管からなる柱本体の断面係数が最大となる方向)に水平力(せん断力)を入力する条件で、数値解析を行った。
図7~図9に、従来例において、柱部材の変形角(自由端の変位/柱本体の長さ)が、0.006rad、0.01rad、0.02radとなった各時点での、柱本体のダイヤフラム近傍に発生する相当塑性ひずみの数値解析結果を、コンター図で示す。
同様に、図10~図12に、本発明例1において、柱部材の変形角が、0.006rad、0.01rad、0.02radとなった各時点での、柱本体のダイヤフラム近傍に発生する相当塑性ひずみの数値解析結果を、コンター図で示す。
また、図13~図15に、本発明例2において、柱部材の変形角が、0.006rad、0.01rad、0.02radとなった各時点での、柱本体のダイヤフラム近傍に発生する相当塑性ひずみの数値解析結果を、コンター図で示す。
図16に、従来例において、柱部材が、0.006rad、0.01rad、0.02radとなった各時点での、この柱部材に発生する上記相当塑性ひずみ(図7~図9にも図示)の溶接部止端部位置における値と、角形鋼管(柱本体)の角部からの距離との関係を、グラフで示す。図16のグラフにおいて、横軸の止端部座標は、角形鋼管(柱本体)を水平45°方向(上記水平力の入力方向)から見たときの、角部からの距離を投影した長さ(角部位置を0とする)である。
同様に、図17に、本発明例1において、柱部材が、0.006rad、0.01rad、0.02radとなった各時点での、この柱部材に発生する上記相当塑性ひずみ(図10~図12にも図示)の溶接部止端部位置における値と、角形鋼管(柱本体)の角部からの距離との関係を、グラフで示す。
また、図18に、本発明例2において、柱部材が、0.006rad、0.01rad、0.02radとなった各時点での、この柱部材に発生する上記相当塑性ひずみ(図10~図12にも図示)の溶接部止端部位置における値と、角形鋼管(柱本体)の角部からの距離との関係を、グラフで示す。
通常は、冷間成形角形鋼管からなる柱本体の溶接部に発生する脆性破断は、溶接部止端部が起点となるから、この溶接部止端部に発生する相当塑性ひずみが小さい程、柱部材の溶接部が脆性破断するリスクが小さいと評価できる。
図7~図9、図10~図12、図13~図15を比較すると、孔の縁に近接する溶接部止端部に発生する相当塑性ひずみが、本発明例1では従来例よりも小さくなっており、本発明例2ではさらに本発明例1よりも小さくなっていることが分かる。
また、図16~図18を見ると、柱部材の変形角0.02rad時点での相当塑性ひずみの最大値が、従来例では0.0825であるのに対し、本発明例1では0.0276(従来例に対し67%減)、本発明例2では0.0138(従来例に対し83%減)となっている。
したがって、本発明のように、柱本体とダイヤフラムとの溶接部止端部に近接するようにして、角形鋼管角部に孔を設けることで、溶接部が脆性破断することを抑制する効果が得られることが分かる。
図19のグラフに、従来例および本発明例1、2の各々における、柱部材の自由端の変位と荷重(入力する水平力)との関係を、比較して示す。本発明例1、2では、孔の断面欠損により、柱部材の耐力低下が生じている。しかし、この柱部材の耐力低下を、柱部材の変形角0.02rad時点において比較すると、本発明例1では従来例に対し6%減、本発明例2では従来例に対し19%減にとどまっており、孔の断面欠損による影響は小さく、柱部材に必要な耐力が確保されていることが分かる。
冷間成形角形鋼管からなる柱本体と、前記柱本体の梁取付部に溶接接合されたダイヤフラムとを有する柱部材であって、本発明の既存構造物の耐震改修方法により改修されたものについて、地震等による水平外力が作用した場合に、柱部材とダイヤフラムとの溶接部に生じる相当塑性ひずみについて、冷間成形角形鋼管の四つの角部に設ける孔の縁と、この孔に近接する前記ダイヤフラムの溶接部止端部との離間距離をパラメータとして、有限要素法による数値解析を行った。
本数値解析においては、図2に示す第2の実施形態のように、冷間成形角形鋼管の四つの角部の各々に、角部の稜線の両側に対称に一対の孔が設けられた柱部材を解析対象とした。孔の直径は39mmとし、各孔の縁が角部の稜線の曲率を有する部分から14mm離れるようにして、各孔が設けられるものとした。
冷間成形角形鋼管からなる柱本体の形状は、実施例1と同様に、外寸400mm角、板厚22mm、角部の曲率半径(外周側)25mm、柱本体の長さ1982mmとした。また、柱本体の柱脚部とダイヤフラムとの間の溶接部の形状も、実施例1と同様に、ルートギャップ7mm、開先角度35度、柱側フランク角度140度、ダイヤフラム側余盛8mm、裏当て金9mm×25mmとし、溶接部の溶け込みは考慮しないものとした。
本実施例の数値解析のパラメータとなる、ダイヤフラムの溶接部止端部(溶接部と柱本体との境界位置)と孔の縁との離間距離は、孔の直径の1倍である39mm(本発明例A)、2倍である78mm(本発明例B)、3.8倍である150mm(本発明例C)、0.26倍である10mm(本発明例D)の四例とした。
上記本発明例A~Dにおいて、各柱部材の柱脚部のダイヤフラム側を固定端、反対側の柱頭部を自由端とし、この自由端に45度方向(角形鋼管からなる柱本体の断面係数が最大となる方向)に水平力(せん断力)を入力する条件で、数値解析を行った。
図20~図23に、本発明例A~Dにおいて、柱部材の変形角(自由端の変位/柱本体の長さ)が0.02radとなった各時点での、柱本体のダイヤフラム近傍に発生する相当塑性ひずみの数値解析結果を、コンター図で示す。
図24~図27に、本発明例A~Dにおいて、柱部材が0.006rad、0.01rad、0.02radとなった各時点での、この柱部材に発生する上記相当塑性ひずみ(図20~図23にも図示)の溶接部止端部位置における値と、角形鋼管(柱本体)の角部からの距離との関係を、グラフで示す。図24~図27のグラフにおいて、横軸の止端部座標は、角形鋼管(柱本体)を水平45°方向(上記水平力の入力方向)から見たときの、角部からの距離を投影した長さ(角部位置を0とする)である。
通常は、冷間成形角形鋼管からなる柱本体の溶接部に発生する脆性破断は、溶接部止端部が起点となるから、この溶接部止端部に発生する相当塑性ひずみが小さい程、柱部材の溶接部が脆性破断するリスクが小さいと評価できる。
図20~図23を比較すると、孔の縁と溶接部止端部との離間距離が大きくなるにつれて、孔の周辺に発生する部分的な応力集中箇所も溶接部止端部から離れていき、孔を設けることによって得られる溶接部止端部の応力低減効果が確実に確保されることがわかる。
また、図24~図27を見ると、孔の縁から溶接部止端部までの離間距離が10mm(孔の直径の0.26倍)の本発明例Dでは、角形鋼管角部における溶接部止端部の相当塑性ひずみが抑えられていないのに対し、離間距離が39mm~150mm(孔の直径の1~3.8倍)の本発明例A~Cでは、角形鋼管角部における溶接部止端部の相当塑性ひずみが抑えられている。このように、孔に近接する溶接部止端部と孔の縁の離間距離を、孔の直径の1倍以上5倍以下とすれば、孔を設けることによって得られる溶接部止端部の応力低減効果が高められることがわかる。
1 柱部材
10 柱本体
11、21、22、31、32、41~44、51~53、61~63 孔
15 ベースプレート
100 既存構造物
101、102 増築部
111 減築部
121、122、123 補強部材

Claims (11)

  1. 冷間成形角形鋼管からなる柱本体と、
    前記柱本体の柱脚部に溶接接合されたベースプレートと
    を有する柱部材を備えた既存構造物の耐震改修方法であって、
    前記冷間成形角形鋼管の四つの角部の各々に、前記ベースプレートとの溶接部止端部に近接するようにして、少なくとも一つの孔を設け、前記孔は、前記柱部材に外力が作用した際に、前記溶接部に発生する応力を低減する形状を有することを特徴とする既存構造物の耐震改修方法。
  2. 冷間成形角形鋼管からなる柱本体と、
    前記柱本体の柱脚部に溶接接合されたベースプレートと
    を有する柱部材を備えた既存構造物の耐震改修方法であって、
    前記冷間成形角形鋼管の四つの角部の各々に、前記ベースプレートとの溶接部止端部に近接するようにして、少なくとも一つの孔を設け、前記孔は、前記柱部材に外力が作用した際に、これら孔の断面欠損に起因する前記柱本体の局部座屈の発生を抑制する形状を有することを特徴とする既存構造物の耐震改修方法。
  3. 前記柱部材は、前記柱本体の梁取付部に溶接接合されたダイヤフラムをさらに有し、
    前記冷間成形角形鋼管の四つの角部の各々に、前記ダイヤフラムとの溶接部止端部に近接するようにして、少なくとも一つの孔を設けることを特徴とする請求項1または2に記載の既存構造物の耐震改修方法。
  4. 冷間成形角形鋼管からなる柱本体と、
    前記柱本体の梁取付部に溶接接合されたダイヤフラムと
    を有する柱部材を備えた既存構造物の耐震改修方法であって、
    前記冷間成形角形鋼管の四つの角部の各々に、前記ダイヤフラムとの溶接部止端部に近接するようにして、少なくとも一つの孔を設け、前記孔は、前記柱部材に外力が作用した際に、前記溶接部に発生する応力を低減する形状を有することを特徴とする既存構造物の耐震改修方法。
  5. 冷間成形角形鋼管からなる柱本体と、
    前記柱本体の梁取付部に溶接接合されたダイヤフラムと
    を有する柱部材を備えた既存構造物の耐震改修方法であって、
    前記冷間成形角形鋼管の四つの角部の各々に、前記ダイヤフラムとの溶接部止端部に近接するようにして、少なくとも一つの孔を設け、前記孔は、前記柱部材に外力が作用した際に、これら孔の断面欠損に起因する前記柱本体の局部座屈の発生を抑制する形状を有することを特徴とする既存構造物の耐震改修方法。
  6. 前記孔に近接する前記溶接部止端部と前記孔の縁の離間距離が、前記孔の直径の1倍以上5倍以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の既存構造物の耐震改修方法。
  7. 前記孔は複数であり、前記冷間成形角形鋼管の四つの角部の各々の稜線の両側に対称に配置されることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の既存構造物の耐震改修方法。
  8. 前記孔の各々の縁は滑らかに加工されていることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の既存構造物の耐震改修方法。
  9. 前記既存構造物の耐力を増加させる補強部材を取り付けることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の既存構造物の耐震改修方法。
  10. 前記既存構造物の一部を取り除く減築を行い、減築後の前記既存構造物に入力する外力を低減させることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の既存構造物の耐震改修方法。
  11. 前記既存構造物と構造的に一体となる増築部を設ける増築を行い、前記既存構造物と前記増築部が一体となった構造物全体の耐力が、前記既存構造物の耐力よりも大きくなるようにすることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の既存構造物の耐震改修方法。
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