JP7335540B1 - 接合構造 - Google Patents

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Abstract

この接合構造は、RC造の壁と合成梁の端部とが接合される接合部の接合構造であって、壁は、壁コンクリートを有し、合成梁は、床スラブと、床スラブを下方から支持する鉄骨梁と、を有し、床スラブは、床コンクリートと、床コンクリート及び壁コンクリートに埋設される複数の鉄筋と、を有し、複数の鉄筋のそれぞれは、床コンクリート及び壁コンクリート内で鉄骨梁の長手方向に延びる鉄筋本体と、壁コンクリートに埋設され、鉄筋本体の径方向の長さが、鉄筋本体の径よりも長い拡径部と、を有し、鉄骨梁は、シアコネクタによって長手方向に離散的又は連続的に床スラブに接合され、複数の鉄筋の断面積比が数式1を満たし、投影定着長さ比が数式2を満たす。

Description

本発明は、接合構造に関する。
本願は、2022年2月28日に、日本に出願された特願2022-029521号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
床スラブの鉄筋による接合部の回転拘束効果を考慮した半剛接合が、既往技術として提案されている。これらの半剛接合は、一般に連続梁の中間接合部へ適用される。ここで言う中間接合部とは、半剛接合された梁を支持する部材(支持部材)を挟んで、両側に梁が配置され、床スラブが支持部材を跨いで連続している接合部のことを意味する。
半剛接合は、倉庫や工場、空港ターミナル等、都市の郊外に立地する1階当たりの床面積の大きな物件に適していた。一方で、都心に立地するビルディングでは、以下のような架構形式となることが多い。すなわち、比較的小さな平面の中央に、RC造のコア壁(以下では、単にRCコア壁とも言う。壁、梁等についても同様である)を配置している。そして、RC壁と外周フレームのRC大梁との間に、単スパンの合成梁を配置している。この種のビルディングでは、連続梁を用いることが少ない。
このような架構形式の場合、床スラブの鉄筋は、RC壁を跨いで連続させることができない。このため、一般に接合部はピン接合とする。従って、梁のたわみが大きくなり、不経済な設計となっている。
一方、RC柱とRC梁の接合部には、梁の主筋をRC柱に折曲げ定着する方法が用いられる(例えば、特許文献1及び2参照)。RC柱とRC梁の接合部の場合、梁の端部に作用する曲げモーメントは、接合部の折曲げ定着筋の引張力とコンクリートの圧縮力によって柱に伝達される。梁の端部に作用するせん断力は、柱と梁のコンクリートを一体打設し、せん断補強筋を配することで伝達される。なお、RC梁の折曲げ定着筋の引張力によるRC柱の破壊形式は、既往文献によると、掻出し定着破壊(raking out failure)、側方割裂破壊(side splitting failure)、及び局所支圧破壊(local compression failure)の3つが報告されている。
日本国特許第3826354号公報 日本国特開平11-148172号公報
RC壁と合成梁の接合部に床スラブの鉄筋を活用した半剛接合を用いる場合にも、床スラブの鉄筋を折曲げ(フック)定着する方法が考えられる。しかし、鉄骨梁とRC壁とを接合する場合、異種材料の接合のため、鉄骨梁とRC壁とを以下のように接合する。すなわち、せん断力の伝達手段として、壁コンクリートにシアプレートをシアコネクタ等で定着する。このシアプレートと鉄骨梁のウェブとを、ボルトで接合する。
この接合部をさらにモーメント伝達可能な半剛接合とするために、合成梁の床スラブの鉄筋をRC壁に折曲げ定着する。
RC壁と合成梁との接合部においても、折曲げ定着筋の引張力によるRC壁の破壊が問題となる。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、RC造の壁と合成梁の端部とが接合される接合部の接合構造において、RC造の壁の破壊を抑制できる接合構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明の態様1は、RC造の壁と合成梁の端部とが接合される接合部の接合構造であって、前記壁は、壁コンクリートを有し、前記合成梁は、床スラブと、前記床スラブを下方から支持する鉄骨梁と、を有し、前記床スラブは、床コンクリートと、前記床コンクリート及び前記壁コンクリートに埋設される複数の鉄筋と、を有し、前記複数の鉄筋のそれぞれは、前記床コンクリート及び前記壁コンクリート内で前記鉄骨梁の長手方向に延びる鉄筋本体と、前記壁コンクリートに埋設され、自身における前記鉄筋本体の径方向の長さが、前記鉄筋本体の径よりも長い拡径部と、を有し、前記鉄骨梁は、シアコネクタによって前記長手方向に離散的又は連続的に前記床スラブに接合され、前記複数の鉄筋の断面積比RArが(1)式を満たし、投影定着長さ比(L/d)が(2)式を満たす、接合構造である。
ここで、iは前記床コンクリート内で配筋される前記複数の鉄筋の層の数、ar,iは上方からi番目の前記層である第i層における、前記複数の鉄筋の一本当たりの前記複数の鉄筋の前記長手方向に直交する断面積(mm)、pは前記第i層の前記複数の鉄筋同士の前記床スラブの幅方向におけるピッチ(mm)、σry,iは前記第i層の前記複数の鉄筋の降伏応力(N/mm)、σは前記壁コンクリートの圧縮強度(N/mm)、Lh,iは前記第i層において前記複数の鉄筋のうち前記壁コンクリートに定着される部分の前記長手方向の長さである投影定着長さ(mm)、dr,iは前記第i層の前記複数の鉄筋の一本当たりの径(mm)である。
Figure 0007335540000001
ここで言う壁とは、上下方向及び水平方向にそれぞれ延びる構造物であって、水平面に沿う方向に向く1つの面に、2本以上の鉄骨梁が接合される構造物を意味する。又は、壁とは、上下方向及び水平方向にそれぞれ延びる構造物であって、平面視における自身の厚さに対する自身の幅が2倍以上である構造物を意味する。
この開示では、発明者等は、多数のケーススタディを行う検討の結果、RC造の壁と合成梁の端部とが接合される接合部の接合構造において、RC造の壁の破壊を抑制できる条件を検討した。その結果、壁が壁コンクリートを有し、合成梁が、床コンクリート及び複数の鉄筋を有する床スラブと、鉄骨梁と、を有する場合に、以下の条件を見出した。すなわち、複数の鉄筋の断面積比RArが(1)式を満たし、投影定着長さ比(L/d)が(2)式を満たすという条件である。
従って、断面積比RArが(1)式を満たし投影定着長さ比(L/d)が(2)式を満たすことにより、接合構造において、3つの破壊形式によるRC造の壁の破壊を抑制することができる。
(2)本発明の態様2は、前記接合部において、前記壁コンクリートに定着される前記複数の鉄筋の径比Rdrが(3)式を満たす、(1)に記載の接合構造であってもよい。
ここで、前記複数の鉄筋の径比Rdrは、前記幅方向の単位長さ当たりの前記複数の鉄筋の径(-)である。
Figure 0007335540000002
この開示では、発明者等は、多数のケーススタディを行う検討の結果、RC造の壁と合成梁の端部とが接合される接合部の接合構造において、支圧破壊を抑制できる条件を検討した。その結果、複数の鉄筋の径比Rdrが(3)式を満たすときに、接合構造において、3つの破壊形式によるRC造の壁の破壊を抑制しながら接合部の剛性と耐力を高めることができることを見出した。
このため、複数の鉄筋の径比Rdrが(3)式を満たすことにより、接合構造において、合成梁のたわみを抑制することができる。
(3)本発明の態様3は、前記複数の鉄筋が、前記床スラブの前記接合部における有効幅以上の領域にわたって前記壁コンクリートに定着されている、(1)又は(2)に記載の接合構造であってもよい。
この開示では、壁は、一般的なRC造の柱に比べて幅方向に有効幅以上に長くなる。このため、接合構造において、接合部の剛性と耐力に寄与する有効幅内の最外縁まで複数の鉄筋を壁コンクリートに定着しながら、RC造の柱との接合構造で生じる可能性がある破壊、すなわち壁コンクリートにおける定着筋(鉄筋)の側方(のかぶり部分の)コンクリートが、幅方向の外側に向かって割れるのを、抑制することができる。
(4)本発明の態様4は、前記拡径部は、前記鉄筋本体における、前記合成梁に対する前記壁側の端部から下方に向かって延びている、(1)から(3)のいずれか一に記載の接合構造であってもよい。
この開示では、前記鉄筋に機械式定着のための特殊な加工を施すことなく、曲げ加工のみで前記壁に適切に定着することができ、低コストで施工性が良い接合構造とすることができる。
(5)本発明の態様5は、前記壁に接合されたシアプレートと、H形鋼である前記鉄骨梁のウェブ及び前記シアプレートをそれぞれ接合するボルトと、を備え、前記ウェブ及び前記シアプレートの少なくとも一方に形成され、前記ボルトが通されるボルト孔は、前記長手方向に延びた長孔形状である、(1)から(4)のいずれか一に記載の接合構造であってもよい。
例えば、鉄骨梁が有する一対のフランジが上下方向に対向して配置される場合について説明する。鉛直荷重を支持する合成梁の端部の下フランジが、後述するコンタクトプレートや溶接接合等で壁コンクリートに圧縮力を伝達できるよう接合されている場合、鉄骨梁の端部は、その下端(下フランジ)を略中心に回転する。このため、この回転中心となる下端から離間するボルトほど、長手方向の移動量が大きくなる。ボルトが、ウェブ等におけるボルト孔の開口周縁部と接触することで、支圧力が伝達される。一般に、ボルト孔径はボルト軸径に対し若干大きいため、接合部の回転が小さい場合や、回転中心に近い位置にあるボルトは、ボルト孔径とボルト軸径のクリアランスにより、直ちに支圧状態にならず、支圧力の伝達は生じない。
しかし、接合部の回転が大きくなると、回転中心となる下端から遠くにあるボルトほど、クリアランスの大きさに対して回転によるボルトの移動量が大きくなり、ボルトの支圧が生じやすい。鉄骨梁の端部の下端(下フランジ)を中心とした回転は、回転中心となる下端から遠くにあるボルトほど、シアプレートを壁コンクリートから引き抜く方向に支圧力を生じる。シアプレートはアンカー鉄筋や頭付きスタッド等で壁コンクリートに固定されているが、支圧力によりアンカー鉄筋や頭付きスタッドの引き抜き力が作用すると、折曲げ定着筋の引き抜き力との複合力が壁コンクリートに作用するため、壁コンクリートの破壊が生じやすくなり、接合部の荷重支持能力が失われやすくなる。
この開示では、ボルト孔が長手方向に延びた長孔形状であるため、ボルト孔径とボルト軸(軸部)径のクリアランスが大きく、合成梁が曲げモーメントを受けてシアプレートに対して鉄骨梁が相対的に移動しても、ボルト孔内でボルトが長手方向に移動する。
従って、壁コンクリートに対してボルトが移動しても、ボルト孔とボルト軸が支圧状態にならない。このため、シアプレートを壁に接合するアンカー鉄筋や頭付きスタッドに作用する、ボルトの支圧力による引き抜きを抑制し、壁コンクリートの破壊を防止することができる。
特に、何らかのアクシデントにより設計で想定する以上の外的な力が建物に作用した場合、接合部には過大な回転が生じる恐れがある。このような場合にも、壁コンクリートに複合的な引張力が作用するのを防止し、壁コンクリートの破壊を防止することができる。
(6)本発明の態様6は、前記壁に接合されたシアプレートと、H形鋼である前記鉄骨梁のウェブ及び前記シアプレートをそれぞれ接合するボルトと、を備え、前記ウェブ及び前記シアプレートの少なくとも一方には、前記ボルトが通されるボルト孔が形成され、前記ボルト孔における前記鉄骨梁の高さ方向における平均位置は、前記鉄骨梁における前記高さ方向の中心よりも下方に位置する、(1)から(5)のいずれか一に記載の接合構造であってもよい。
この開示では、前記高さ方向におけるボルト孔の平均位置(重心)が鉄骨梁における前記高さ方向の中心に一致している場合に比べてボルトが全体的に回転中心である下フランジに近くなるため、合成梁が曲げモーメントを受けてシアプレートに対して鉄骨梁が相対的に移動したときに、壁コンクリートに対してボルトが移動し難くなる。
従って、壁コンクリートに対してボルトが移動しても、ボルト孔とボルト軸が支圧状態にならず、シアプレートを壁に接合するアンカー鉄筋や頭付きスタッドに作用する、ボルトの支圧力による引き抜きを抑制し、壁コンクリートの破壊を防止することができる。
本発明の接合構造では、RC造の壁と合成梁の端部とが接合される接合部の接合構造において、RC造の壁の破壊を抑制することができる。
本発明の一実施形態の接合構造が用いられる建築物の床組図である。 図1中の切断線A1-A1の断面図である。 図2中の切断線A2-A2の断面図である。 同建築物のシアプレートにおける要部の拡大図である。 本発明の一実施形態の第1変形例の接合構造における要部の断面図である。 本発明の一実施形態の第2変形例の接合構造における要部の断面図である。 本発明の一実施形態の第3変形例の接合構造における要部の断面図である。 掻出し定着破壊を説明するための、同建築物を平面視した断面図である。 掻出し定着破壊を説明するための、同建築物を側面視した断面図である。 支圧破壊を説明するための、同建築物を側面視した断面図である。 側方割裂破壊を説明するための、柱と合成梁の端部とが接合される建築物を平面視した断面図である。 床鉄筋の断面積比RArと(L/d)の値を制限した場合の、RC壁の破壊の抑制効果を示す図である。 壁厚400mmの場合の、床鉄筋の径比Rdrに対する、壁コンクリートの折り曲げ定着筋の軸剛性の関係を示す図である。 壁厚400mmの場合の、床鉄筋の径比Rdrと、床鉄筋の断面積比RArの関係を示す図である。 壁コンクリートの折り曲げ定着筋の軸剛性に対する、合成梁25のたわみの関係を示す図である。 床鉄筋の断面積比RArに対する、壁コンクリートの折り曲げ定着筋の軸剛性を示す図である。
以下、本発明に係る接合構造の一実施形態が用いられる建築物を、図1から図16を参照しながら説明する。
〔1.接合構造が用いられた建築物の構成〕
図1及び図2に示すように、この建築物1は、コア壁10と、複数の柱20と、合成梁25と、を備える。なお、図1では、合成梁25(後述する床スラブ28)を二点鎖線で示す。
コア壁10は、角筒状である。コア壁10は、一対の第1壁(壁)11と、一対の第2壁(壁)12と、を有する。第1壁11及び第2壁12は、それぞれ支持部材である。一対の第1壁11及び一対の第2壁12は、それぞれRC(Reinforced Concrete)造である。
図2に示すように、第1壁11は、壁コンクリート14と、複数の壁鉄筋15と、ベースプレート16と、複数の頭付きスタッド17と、を有する。
壁コンクリート14は、自身の厚さ方向に見たときに矩形となる板状である。壁コンクリート14は、自身の厚さ方向が水平面に沿うとともに、上下方向Zに延びた状態に配置されている。本明細書で言う部材がA方向に延びるとは、部材が延びる方向とA方向とがなす角度が30度以下であることを意味する。この角度は、15度以下であることがより好ましい。
複数の壁鉄筋15は、複数の縦筋15aと、複数の横筋15bと、を有する。複数の縦筋15a及び複数の横筋15bは、壁コンクリート14に埋設されている。複数の縦筋15aは、互いに離間するように配置されるとともに、上下方向Zに延びている。複数の横筋15bは、水平面に沿って延び、複数の縦筋15aにそれぞれ接するように配置されている。
図2及び図3に示すように、ベースプレート16は、壁コンクリート14の外面に配置されている。ベースプレート16は、その主面16bが外部に露出している。
図2に示すように、複数の頭付きスタッド17は、ベースプレート16の主面16aに固定されている。主面16aは、壁コンクリート14の内側を向く面である。複数の頭付きスタッド17は、ベースプレート16から壁コンクリート14の内側に向かって突出している。複数の頭付きスタッド17は、壁コンクリート14に埋設されている。
図1に示すように、一対の第1壁11は、水平面に沿う方向に対向している。
図2に示すように、ベースプレート16の主面16bは、ベースプレート16のうち主面16aとは反対側の面である。主面16bには、シアプレート18が溶接等により接合されている。シアプレート18は、第1壁11に接合されている。
シアプレート18には、図4に示すボルト孔18aが形成されている。ボルト孔18aは、シアプレート18の厚さ方向に見たときに、後述する第2鉄骨梁27の長手方向Xに延びた長孔形状である。本実施形態では、長手方向Xは、水平面に沿う方向である。しかし、長手方向Xは、水平面に対して傾斜する方向であってもよい。
シアプレート18には、ボルト孔18aが複数形成されている。複数のボルト孔18aは、互いに上下方向Zに離間した状態で並べて配置されている。
なお、シアプレート18に形成されるボルト孔18aの数は、1つでもよい。
図1に示すように、一対の第2壁12は、一対の第1壁11と同様に構成される。
第2壁12は、自身の厚さ方向が水平面に沿うとともに、上下方向Zに延びた状態に配置されている。一対の第2壁12は、水平面に沿う方向に対向している。一対の第2壁12は、各第1壁11の幅方向の端部同士を連結している。
コア壁10内の空間には、図示しないエレベータのシャフトや、階段室等が配置される。
柱20は、上下方向Zに沿って延びている。複数の柱20は、コア壁10の周囲に、互いに間隔を開けるとともに、コア壁10から離間した位置に配置されている。例えば、柱20は、RC造である。なお、柱は、鋼製、SRC(Steel Reinforced Concrete)造、CFT(Concrete-Filled steel Tube)造等でもよい。
図1及び図2に示すように、合成梁25は、複数の第1鉄骨梁(鉄骨梁)26と、複数の第2鉄骨梁(鉄骨梁)27と、床スラブ28と、を有している。
例えば、第1鉄骨梁26及び第2鉄骨梁27は、それぞれ鋼製のH形鋼である。なお、第1鉄骨梁26及び第2鉄骨梁27は、H形鋼でなくてもよく、例えばT形鋼等でもよい。
第1鉄骨梁26は、隣り合うコア壁10と柱20との間、及び隣り合う柱20の間にそれぞれかけ渡され、第1鉄骨梁26の長手方向である水平面に沿う方向に延びている。第2鉄骨梁27は、隣り合うコア壁10と第1鉄骨梁26との間、及び隣り合う第1鉄骨梁26の間にそれぞれかけ渡され、長手方向Xに延びている。
以下では、長手方向Xのうち、合成梁25に対する第1壁11側を、第1側X1と言う。長手方向Xのうち、第1壁11に対する合成梁25側を、第2側X2と言う。
第1鉄骨梁26及び第2鉄骨梁27の構成は、互いに同等であるため、以下では第2鉄骨梁27を例にとって説明する。
図2及び図3に示すように、第2鉄骨梁27は、第1フランジ31と、第2フランジ32と、ウェブ33と、を備えている。第1フランジ31及び第2フランジ32は、それぞれ水平面に沿って配置され、互いに上下方向Zに対向している。以下では、上下方向Z及び長手方向Xにそれぞれ直交する方向を、幅方向Yと言う。
第1フランジ31は、第2フランジ32よりも上方に配置されている。
ウェブ33は、第1フランジ31と第2フランジ32との間に配置されている。ウェブ33は、第1フランジ31の幅方向の中心及び第2フランジ32の幅方向の中心を互いに接合している。
図4に示すように、ウェブ33の長手方向Xの各端部には、複数のボルト孔33aが形成されている(図4中には、1つのボルト孔33aのみを示す)。例えば、ボルト孔33aは、ウェブ33の厚さ方向に見たときに円形状である。複数のボルト孔33aは、互いに上下方向Zに離間した状態で並べて配置されている。
なお、ウェブ33に形成されるボルト孔33aの数は、1つでもよい。
図2及び図3に示すように、床スラブ28は、デッキプレート36と、床コンクリート37と、複数の床鉄筋(鉄筋)38と、複数の連結鉄筋39と、を有している。
デッキプレート36は、鋼板を折り曲げること等により形成されている。デッキプレート36は、第2鉄骨梁27の第1フランジ31上に配置されている。
床コンクリート37は、平板状に形成され、デッキプレート36上に配置されている。複数の床鉄筋38は、複数の第1床鉄筋42と、複数の第2床鉄筋43と、を有する。
例えば、第1床鉄筋42は、鉄筋を曲げ加工することにより形成される。第1床鉄筋42は、床コンクリート37及び壁コンクリート14に埋設されている。第1床鉄筋42は、鉄筋本体42aと、折れ部(拡径部)42bと、を有する。
例えば、鉄筋本体42aは、円柱状に形成されている。鉄筋本体42aは、床コンクリート37及び壁コンクリート14内で長手方向Xに延びている。
ここで、鉄筋本体42aの径(径方向の長さ)は、鉄筋本体42aの公称径を意味する。公称径とは、例えばJIS G 3112 鉄筋コンクリート用棒鋼の異形棒鋼D10、D13、D16の場合、それぞれ順に10mm、13mm、16mmである。
折れ部42bは、鉄筋本体42aの第1側X1の端部から下方に向かって延びている。折れ部42bは、壁コンクリート14に埋設されている。すなわち、折れ部42bの第1側X1及び第2側X2には、それぞれ壁コンクリート14が配置されている。
折れ部42bを上下方向Zに投影した寸法(折れ部42bの鉄筋本体42aの径方向の長さ)Lは、鉄筋本体42aの径よりも大きい。寸法Lは、折れ部42bの鉄筋本体42aの径方向の最大長さであることが好ましい。折れ部42bを上下方向Zに投影した寸法Lは、鉄筋本体42aの径の12倍以上であることが好ましい。
なお、拡径部は、鉄筋本体42aの径よりも上下方向Zに拡大された幅(折れ部42bを上下方向Zに投影した寸法L)を持つのみでなく、鉄筋本体42aの径よりも幅方向Yに拡大された幅(折れ部42bを幅方向Yに投影した寸法)を持つように構成されていてもよい。
第1床鉄筋42は、長手方向X及び上下方向Zにそれぞれ平行な基準面(XZ平面)内で、折り曲げられている。この場合、第1床鉄筋42において、鉄筋本体42aに対して折れ部42bが折り曲げられる角度は、約90°である。
第2床鉄筋43は、第1床鉄筋42と同様に構成される。第2床鉄筋43は、鉄筋本体43aと、折れ部43bと、を有する。
鉄筋本体43aは、長手方向Xに延びている。鉄筋本体43aは、鉄筋本体42aよりも下方に配置されている。
折れ部43bは、鉄筋本体43aの第1側X1の端部から下方に向かって延びている。折れ部43bは、壁コンクリート14に埋設されている。
折れ部43bの下端、及び折れ部42bの下端は、上下方向Zにおいて互いに同等の位置である。
折れ部43bを上下方向Zに投影した寸法は、折れ部42bの寸法Lと同様に規定され、鉄筋本体43aの径よりも大きい。なお、折れ部43bの下端、及び折れ部42bの下端は、上下方向Zにおいて互いに異なる位置に配置されてもよい。
複数の第1床鉄筋42の鉄筋本体42aは、上下方向Zにおいて同じ高さに配置されている。複数の第2床鉄筋43の鉄筋本体43aは、上下方向Zにおいて同じ高さであって、複数の鉄筋本体42aよりも下方に配置されている。
このように、複数の第1床鉄筋42の鉄筋本体42aは、上方から1番目の床鉄筋38の層38を構成する。複数の第2床鉄筋43の鉄筋本体43aは、上方から2番目の床鉄筋38の層38を構成する。本実施形態では、床コンクリート37内で配筋される床鉄筋38の層の数は、2である。なお、床コンクリート37内で配筋される床鉄筋38の層の数は、限定されない。
複数の第1床鉄筋42の鉄筋本体42a、及び複数の第2床鉄筋43の鉄筋本体43aは、壁コンクリート14側と床コンクリート37側に分割され、これらが壁コンクリート14と床コンクリート37の境界でネジ式やグラウト注入式のカプラーなどを用いて一体化されていてもよい。
連結鉄筋39は、幅方向Yに延びている。複数の連結鉄筋39の一部である連結鉄筋39は、複数の第1床鉄筋42の鉄筋本体42aに接している。なお、連結鉄筋39は、複数の第1床鉄筋42の鉄筋本体42aに番線、または溶接で固定されていてもよい。
複数の連結鉄筋39の残部である連結鉄筋39は、複数の第2床鉄筋43の鉄筋本体43aに接している。
なお、連結鉄筋39は鉄筋本体42aに接していればよく、連結鉄筋39は鉄筋本体43aに接していればよい。
なお、床スラブ28は、デッキプレート36及び複数の連結鉄筋39を有さなくてもよい。床スラブ28が有する床鉄筋38の数は、1つでもよい。この場合、床コンクリート37内で配筋される床鉄筋38の層の数は、1である。
第2鉄骨梁27の第1フランジ31には、複数の頭付きスタッド(シアコネクタ)46が固定されている。複数の頭付きスタッド46は、長手方向X及び幅方向Yに互いに間隔を開けて配置されている。複数の頭付きスタッド46は、床スラブ28のデッキプレート36を通して、床コンクリート37に埋設されている。
以上のように、第2鉄骨梁27は、複数の頭付きスタッド46によって長手方向Xに離散的に床スラブ28に接合される。
なお、シアコネクタは、第2鉄骨梁27の第1フランジ31とデッキプレート36とを長手方向Xに連続的に溶接する溶接部であってもよい。この場合、第2鉄骨梁27は、溶接部によって長手方向Xに連続的に床スラブ28に接合される。
図2に示すように、第2鉄骨梁27の第2フランジ32と第1壁11のベースプレート16とは、コンタクトプレート47を介して溶接やメタルタッチ等により接合されている。
複数の床鉄筋38は、第1壁11と合成梁25の端部とが接合される接合部51において、幅方向Yで有効幅(図3中に、Beffとして示す)以上の領域にわたって壁コンクリート14に定着されている。ここで言う有効幅は、下記の非特許文献1、非特許文献2等に規定される。
非特許文献1:“Eurocode 4: Design of composite steel and concrete structures - Part 1-1: General rules and rules for buildings”, December 2004, Authority: The European Union Per Regulation 305/2011, Directive 98/34/EC, Directive 2004/18/EC
非特許文献2:日本建築学会編、「各種合成構造設計指針・同解説」、2010年11月
具体的には、非特許文献1の有効幅Beffは、(5-1)式及び(5-2)式を用いて、(5-3)式により求められる。
Figure 0007335540000003
ただし、Lは、第2鉄骨梁27の長さである。Lは、第2鉄骨梁27の長手方向Xにおける、接合部51に接する側の負曲げ領域(第2鉄骨梁27の第2フランジ(下フランジ)32が圧縮となる領域)の長さである。半剛接合の場合、(5-1)式のように、長さLは、第2鉄骨梁27の長さLの0.15倍以上0.25倍以下程度となる。
は、第2鉄骨梁27の第1フランジ31の幅方向における、第2鉄骨梁27上の頭付きスタッド(シアコネクタ)46の芯の位置から、その隣の第1鉄骨梁26又は第2鉄骨梁27の近い方の梁上の頭付きスタッド(シアコネクタ)46の芯の位置までの間隔である。頭付きスタッド46が前記幅方向に2列以上配置されている場合は、前記幅方向における最も内側の頭付きスタッド46の芯の位置同士の間隔とする(bが最も小さくなるように頭付きスタッド46の芯をとる)。
シアコネクタが頭付きスタッド以外の場合にも同様に、前記幅方向におけるシアコネクタの重心を基準に同様の手順で有効幅を得ることができる。
は、合成梁25の第1フランジ31に設置された頭付きスタッド46の、第2鉄骨梁27の第1フランジ31の幅方向における間隔である。頭付きスタッド46が1列配置の場合は、間隔bを0とする。
eff,iは、合成梁25の床スラブ28の片側あたりの有効幅である。片側とは、第1フランジ31の幅方向において第2鉄骨梁27の軸を境に両側に分割したうちの片側を意味する。両側スラブ(床スラブ28が両側に延びる)の場合、i=2、片側スラブ(床スラブ28が片側のみに延びる)の場合、i=1となる。
長さL等の単位には、SI単位等が用いられる。
図3及び図4に示すように、第2鉄骨梁27のウェブ33及びシアプレート18は、ボルト48及びナット49によりそれぞれ接合されている。より詳しく説明すると、ボルト48の軸部48aは、シアプレート18のボルト孔18a、及び第2鉄骨梁27のウェブ33のボルト孔33aにそれぞれ通されている。ボルト48の頭部48bは、シアプレート18に、ウェブ33とは反対側から係止している。
ナット49は、ウェブ33に、シアプレート18とは反対側から係止している。ナット49は、ボルト48の軸部48aと嵌め合っている。ボルト48の頭部48b及びナット49は、シアプレート18及びウェブ33を挟み込んでいる。ナット49とウェブ33の間、及びボルト48の頭部48bとシアプレート18の間には、図示はしないが、ワッシャが挟まれている。
なお、シアプレート18のボルト孔18a及びウェブ33のボルト孔33aのうち、ボルト孔18aが長孔形状であるとした。しかし、ボルト孔33aのみが長孔形状であるとしてもよいし、ボルト孔18a及びボルト孔33aが長孔形状であるとしてもよい。
以上のように、第2鉄骨梁27は、床スラブ28を、床スラブ28の下方から支持する。第1鉄骨梁26は、第2鉄骨梁27と同様に、床スラブ28を、床スラブ28の下方から支持する。
なお、一般的に、第1壁11の幅方向Yの長さは、柱の幅方向Yの長さよりも長い。
図2及び図3に示すように、以上のようにして、第1壁11と合成梁25の端部とが接合される接合部51の接合構造52が構成される。
図1に示すように、第2壁12についても第1壁11と同様に、第2壁12と合成梁25の端部とが接合される接合部54の接合構造55が構成される。
なお、床スラブ28は、屋根に用いられるスラブ(屋根スラブ)でもよい。
また、第1壁11の上端は、合成梁25の上端よりも上方に延びていることが好ましい。第1壁11が合成梁25よりも上方に延びる長さは、投影定着長さ(L)以上であることが好ましい。
図2中に、合成梁25に鉛直荷重等による曲げモーメントが作用したときの第2鉄骨梁27の変位を二点鎖線で示す。この場合、第2鉄骨梁27の長手方向Xの端部は、その下端を中心に回転する。
このとき、床鉄筋38には、第2鉄骨梁27の長手方向Xに引張り力が作用する。第2鉄骨梁27の第2フランジ32は、コンタクトプレート47を介してベースプレート16を圧縮する。
なお、第1床鉄筋42の構成は、以下のように変形することができる。
図5に示すように、第1床鉄筋65は、鉄筋本体66と、拡径部67と、を有してもよい。拡径部67は、環状に形成され、鉄筋本体66の第1側X1の端部に設けられている。拡径部67は、第1壁11の壁コンクリート14に定着されている。鉄筋本体66は、長手方向Xに延びる直状部66aの外面に、環状の第2拡径部66bが設けられて構成されている。なお、拡径部67は、壁コンクリート14に定着されていれば、鉄筋本体66の端部に設けられず、鉄筋本体66の中間部等に設けられてもよい。
例えば、第1床鉄筋65は、異形鉄筋により構成される。拡径部67は、鉄筋本体66に軸方向の圧縮力を加えた状態で高周波誘導加熱する方法や転造等により形成される。
図6に示すように、第1床鉄筋70は、前記鉄筋本体42aと、拡径部71と、を有してもよい。拡径部71は、円や矩形の板状に形成されている。拡径部71は、鉄筋本体42aの端部に、鉄筋本体42aと同軸に配置されている。拡径部71は、前記鉄筋本体42aとは別の部品を溶接等で接合したものであってもよく、前記鉄筋本体42aに軸方向の圧縮力を加えた状態で高周波誘導加熱する方法や転造等により形成されてもよい。拡径部71を上下方向Zに投影した寸法Lは、鉄筋本体42aの径の11倍以上であることが好ましい。
図7に示す第1床鉄筋75のように、鉄筋本体42aに対して折れ部(拡径部)42cが折り曲げられる角度θは、約90°を超えて、180°以下でもよい。この場合、第1床鉄筋75は、長手方向X及び上下方向Zにそれぞれ平行な基準面(XZ平面)上で、折り曲げられることが好ましい。
第1床鉄筋65,70,75でも、本実施形態の第1床鉄筋42と同様の効果を奏することができる。
なお、角度θによらず、折れ部42cの内側の半径は、折り曲げられる床鉄筋の直径の3倍以上とすることが好ましい。折れ部42cのうちの直線部の長さは、角度θが180°の場合は床鉄筋の直径の4倍以上、角度θが135°以上180°未満の場合は床鉄筋の直径の6倍以上、角度θが90°以上135°未満の場合は床鉄筋の直径の8倍以上とすることが好ましい。
次に、以上のように構成された接合構造52において、掻出し定着破壊、側方割裂破壊及び支圧破壊の抑制を検討した結果について説明する。
〔2.接合構造の掻出し定着破壊、側方割裂破壊及び支圧破壊の説明〕
まず、掻出し定着破壊、側方割裂破壊及び支圧破壊について、図8から図11を用いて説明する。なお、図8から図11では、構成を簡略化するとともに、一部の表示を省略して示している。
図8及び図9に示すように、掻出し定着破壊は、壁コンクリート14が合成梁25側にコーン形状の塊R10のように掻出され、全床鉄筋38が耐力を失う破壊のことを意味する。
図10に示すように、第1床鉄筋42が折れ曲がっている内側の領域R1に、壁コンクリート14がある。支圧破壊は、第1床鉄筋42が第2鉄骨梁27の長手方向Xに引張られる際に、領域R1の壁コンクリート14が支圧を受けて割れる破壊のことを意味する。第1床鉄筋42が引張られて二点鎖線L1で示すように移動すると、領域R1の壁コンクリート14が領域R2に移動する。この際に、領域R2の壁コンクリート14が、支圧を受けて割れる。
一方で、図11に示す、比較例の接合構造60について説明する。接合構造60は、RC造の柱61と合成梁25の端部とが接合される接合部62の接合構造である。
柱61は、第1壁11に比べて幅方向Yの長さが短いため、第1床鉄筋42が第2鉄骨梁27の長手方向Xに引張られる際に、壁コンクリート14のうち、第1床鉄筋42の側方かぶりとなる領域R4の部分が、柱61の側方(幅方向Y)に向かって引き裂かれる、側方割裂破壊が生じうる。しかし、本実施形態の接合構造52の第1壁11は、柱61に比べて幅方向Yの長さが長いため、側方かぶりとなる壁コンクリート14が引き裂かれ難く、側方割裂破壊が生じない。
〔3.接合構造の掻出し定着破壊、側方割裂破壊及び支圧破壊の抑制の検討〕
〔3.1.ケーススタディの条件〕
発明者等は、接合構造の仕様を変えて、表1から表3に示すサンプルNo.1から30のケーススタディ(事例研究法)を行った。サンプルNo.1から30における床鉄筋38の層の数は、2である。
Figure 0007335540000004
Figure 0007335540000005
Figure 0007335540000006
例えば、サンプルNo.1は、以下の設計条件で設計した。
第1壁11の厚さは、400mmである。壁コンクリート14の設計強度σは、30N/mm(ニュートン・パー・平方ミリメートル)である。床鉄筋38の設計降伏強度σry,iは、550N/mmである。第1壁11の横筋15bにおいて、直径は、13mmである。上下方向Zのピッチは、200mmである。
第1床鉄筋42において、直径は、16mmである。幅方向Yのピッチは、150mmである。投影定着長さは、350mmである。ここで言う投影定着長さとは、第1床鉄筋42のうち壁コンクリート14に定着される部分の長手方向Xの長さ(図2における投影定着長さLを参照)である。第1床鉄筋42において、鉄筋本体42aと折れ部42bとの間に、曲げ部を設けた。曲げ部の内側の半径は、96mmである。なお、曲げ部の内側の半径は、第1床鉄筋42の直径の6倍とした。これにより、支圧破壊を抑制した。
第2床鉄筋43において、直径は、10mmである。幅方向Yのピッチは、200mmである。投影定着長さは、折れ部42b及び43bから壁11の表面まで50mmのかぶり厚を確保し、350mmである。曲げ部の内側の半径は、60mmである。
なお、サンプルNo.1から30において、有効幅Beffは1050mmとした。床鉄筋38の配筋領域は、1050mm以上であって、第2鉄骨梁27の支配幅以下とした。
第1床鉄筋42及び第2床鉄筋43の設計降伏強度は、550N/mmであり、設計引張強度は、650N/mmである。
サンプルNo.1から30において、下記の非特許文献3による掻出し定着破壊耐力が、非特許文献1によるスラブ有効幅内の鉄筋の引張降伏耐力よりも小さいときに、掻出し定着破壊が生じると判定した。すなわち、掻出し定着破壊及び引張降伏のうち、最小の耐力を与える破壊形式になるとした。下記の非特許文献4による折り曲げ定着部の耐力が、非特許文献1によるスラブ有効幅内の鉄筋の引張降伏耐力よりも小さいときに、側方割裂破壊が生じると判定した。支圧破壊については、非特許文献4によれば曲げ部の寸法が非特許文献5の規程を満たせば防止できる。
サンプルNo.1から30において、非特許文献5の規程を満たすよう、曲げ部の内側の半径は、第1床鉄筋42の直径の6倍とした。なお、非特許文献4は、側方割裂破壊と支圧破壊の破壊形式によらず同じ耐力式を用いている。
非特許文献3:日本建築学会編、「鉄筋コンクリート造建物の靭性保証型耐震設計指針・同解説」、2001年9月
非特許文献4:藤井ら、「90°折り曲げ鉄筋の定着耐力の再評価」、日本建築学会構造系論文報告集、第429号、1991年11月
非特許文献5:日本建築学会編、「建築工事標準仕様書・同解説 JASS5 鉄筋コンクリート工事」、2018年7月
各サンプルNo.1から30に対して、様々なパラメータを検討した。以下では、その結果について説明する。
〔3.2.掻出し定着破壊を抑制する条件〕
(6)式によって求められる床鉄筋の断面積比RAr、及び、(7)式によって求められる投影定着長さ比(L/d)について検討を行った。なお、床鉄筋の断面積比RArは、床鉄筋と壁コンクリートの強度比で重みづけした床スラブ28の幅方向Yの単位長さ当たりの床鉄筋38の断面積比である。
Figure 0007335540000007
ここで、iは、床コンクリート37内で配筋される床鉄筋38の層38,38の数である。iは、自然数である。この例では、iは2である。床鉄筋の断面積比RArは、((ar,i/p)・(σry,i/σ))の値を、全ての層38,38に対して足した値をとる。
r,iは、上方からi番目の層である第i層38における、床鉄筋38の一本当たりの床鉄筋38の長手方向Xに直交する断面積(mm)である。第i層38が断面積の異なる複数の種類の床鉄筋38を有する場合には、この断面積は、第i層38の各床鉄筋38の断面積の平均値である。
(p,pについて、図3参照)は、第i層38の床鉄筋38同士の床スラブ28の幅方向Yのピッチ(mm)である。σry,iは、第i層38の床鉄筋38の設計降伏応力(N/mm)である。σは、壁コンクリート14の圧縮強度(N/mm)である。σry,iは、550N/mmである。
h,i(mm)は、第i層38の各床鉄筋38の投影定着長さである。なお、合成梁25が1つの層を有する場合には、投影定着長さL(mm)はその層の投影定着長さである。dr,iは、第i層の床鉄筋38の一本当たりの径(mm)である。第i層38が断面積の異なる複数の種類の床鉄筋38を有する場合には、dr,iは、この床鉄筋の径dr,iは、第i層38の各床鉄筋38の径の平均値である。
合成梁25が複数の層を有する場合には、投影定着長さ比(L/d)は、各層の投影定着長さ比(Lh,i/dr,i)の最小値である。
図12及び表4に、試算結果を示す。
図12において、横軸は、床鉄筋の断面積比RAr(mm/mm)を表す。縦軸は、投影定着長さ比(L/d)の値を表す。
Figure 0007335540000008
例えば、サンプルNo.1において、床鉄筋の断面積比RArは、31.77mm/mmである。(L/d)の値は、21.875ある。
図12において、掻出し定着破壊が生じないと判定したサンプルを、「OK」として○(白抜きの丸)印で表す。図12において、掻出し定着破壊が生じると判定したサンプルを、「NG」として●(塗り潰した丸)印で表す。
図12から、床鉄筋の断面積比RArが30.70よりも小さく、(L/d)の値が15.600よりも大きければ、掻出し定着破壊が生じないと判定できることが分かる。すなわち、床鉄筋の断面積比RArが、(8)式を満たし、かつ、投影定着長さ比(L/d)が(9)式を満たせば、接合構造52において、掻出し定着破壊を抑制できることが分かった。
Figure 0007335540000009
〔3.3.支圧破壊及び側方割裂破壊を抑制する条件〕
(12)式によって求められる床鉄筋の径比Rdrについて検討を行った。
Figure 0007335540000010
床鉄筋の径比Rdrは、床スラブ28の幅方向Yの単位長さ当たりの床鉄筋38の径(-)である。ここでいう単位長さとは、第i層38の床鉄筋38同士の床スラブ28の幅方向Yにおけるピッチp(mm)である。この例では、iは2であるから、床鉄筋の径比Rdrは、((dr,i/p)・(σry,i/σ))の値を、全ての層38,38に対して足した値をとる。
図13及び図14、表4に、試算結果を示す。ここでは、サンプルNo.1から30のうち、壁の厚さ400mmの試算結果を抽出して示す。
壁の厚さを一定にしているのは、壁の厚さが変わると、投影定着長さ比(L/d)が変わるためである。
図13及び図14において、横軸は、床鉄筋の径比Rdr(mm/mm)を表す。図13の縦軸は、床鉄筋の軸剛性kの値を表す。図14の縦軸は、床鉄筋の断面積比RArの値を表す。
軸剛性kは、非特許文献1に従い、(13-1)式、(13-2)式で計算できる。
Figure 0007335540000011
ここで、Eは鉄筋のヤング係数(N/mm)である。Σar,iは第i層38の有効幅内にある床鉄筋38の断面積ar,i(mm)の総和(mm)であり、lj,iは第i層38の床鉄筋38の有効長さ(mm)である。
例えば、表4に示すように、サンプルNo.1において、床鉄筋の径比Rdrは、2.872mm/mm、軸剛性kは585.8(kN/mm)である。
図13及び図14において、柱梁接合部を対象とする非特許文献4に基づくと図11に示すような支圧破壊が生じないと判定したサンプルを○印で表す。図13及び図14において、柱梁接合部を対象とする非特許文献4に基づくと図11に示すような支圧破壊が生じると判定したサンプルを、●印で表す。図13及び図14において、非特許文献3に基づくと図8及び図9に示すような掻出し定着破壊が生じると判定したサンプルを、×印で表す。
図13及び図14から、床鉄筋の径比Rdrが1.57以上の場合、図11に示すような支圧破壊が生じると判定できることが分かる。ところが、図11のような破壊は、側方かぶりとなる領域R4の部分が十分に大きい場合、生じないことを、発明者らは実験により確認した。
図11の側方割裂破壊は、図10に示すように第1床鉄筋42が引張られて二点鎖線L1で示すように移動することで、第1床鉄筋42の側方かぶりとなる領域R4の部分が柱61の側方(幅方向Y)に向かって引き裂かれて生じる。ところが、側方かぶりとなる領域R4の部分が十分に大きい場合、第1床鉄筋42が領域R4のコンクリートによって拘束されるため、二点鎖線L1で示すような移動が生じにくいことを、実験により知見した。
すなわち、本発明が対象とする第1壁11と合成梁25の端部とが接合される接合部51の接合構造52、第2壁12と合成梁25の端部とが接合される接合部54の接合構造55においては、床鉄筋の径比Rdrが(14)式を満たすような過密な鉄筋量の場合でも、支圧破壊及び側方割裂破壊が生じない。
一方で、図13に示すように、壁コンクリート14に定着する合成梁25の床鉄筋38の量を多くするほど、言い換えればRdrを大きくするほど、接合部51及び接合構造52の回転に対して抵抗する鉄筋の剛性は向上し、合成梁25のたわみは抑制される。床鉄筋の径比Rdrが1.570以上の場合、軸剛性kが400kN/mm以上となる。軸剛性kは接合部51の回転剛性と比例する。回転剛性が増大すると、合成梁25のたわみが低減される。
図15に、床鉄筋の軸剛性kと合成梁25のたわみの関係の試算例を示す。本試算例は、第1鉄骨梁26又は第2鉄骨梁27の断面寸法が700x200x9x12(梁せいxフランジ幅xウェブ厚xフランジ厚、単位mm)のH形鋼で、床スラブ28は厚さ130mm、合成梁25の長さは10m、合成梁25の両端の接合部51が同じ回転剛性を有するとの条件に基づく。
この条件によると、合成梁25の梁中央のたわみδの、両端がピン接合で支持される合成梁25のたわみδpinに対する比率は、軸剛性kが400kN/mmでおおよそδ/δpin=2/3=66.7%まで低減できる。
なお、その他の条件の場合、例えば梁せい1200mm、梁長さ25mの場合、軸剛性kが400kN/mmでおおよそδ/δpin=2/5=40%まで低減できる。梁せい400mm、梁長さ8mの場合、軸剛性kが400kN/mmでおおよそδ/δpin=4/5=80%まで低減できる。これより小さい軸剛性kでは、たわみの低減効果が小さくなり、第1鉄骨梁26又は第2鉄骨梁27に圧延H形鋼を用いる場合は、同一のたわみ量を保ったまま第1鉄骨梁26又は第2鉄骨梁27の断面を軽量化することが難しくなる。
言い換えると、圧延H形鋼は断面寸法の選択肢が限られるため、軸剛性kが400kN/mmを下回る場合に第1鉄骨梁26または第2鉄骨梁27を軽量化すると、たわみの低減効果を上回る断面の軽量化となってしまい、軽量化によりたわみが大きくなってしまう。
以上から、軸剛性kが400kN/mm以上となると、梁せいや梁長さの条件によらず、半剛接合としての効果が高まり、梁のたわみを有効に抑制できる。これにより、第1鉄骨梁26又は第2鉄骨梁27が圧延H形鋼の場合、断面寸法を小さくでき、軽量化によって省材料化、経済設計が可能になる。
一方で、床鉄筋38の量を多くするほど、図14に示すように、前述の掻出し定着破壊は生じやすくなる。
従って、(14)式を満たすことで接合部51及び接合構造52の剛性を高め、(8)式かつ(9)式を満たすことで掻出し定着破壊を防止し、これらにより接合部51及び接合構造52が破壊しない安全な範囲で最大限に接合部51及び接合構造52の回転抵抗を高め、合成梁25のたわみを抑制することが可能となる。
なお、図14において、領域R11は、柱梁接合部の場合に支圧破壊、側方割裂破壊及び掻出し定着破壊が生じない領域である。領域R12は、柱梁接合部の場合に支圧破壊及び側方割裂破壊が生じ、壁梁接合部の場合は破壊しない領域である。領域R13は、掻出し定着破壊が生じる領域である。
Figure 0007335540000012
図16に、床鉄筋の断面積比RArに対する床鉄筋の軸剛性kの変化を示す。図16では、第1壁11の厚さは、400mmであるとした。
一般的に、床鉄筋の断面積比RArが大きくなるのに従い、床鉄筋の軸剛性kも大きくなる。床鉄筋の断面積比RArが13.0以上であると、軸剛性kが400kN/mmを超える。従って、前述の通り、半剛接合としての効果が高まり、梁のたわみを有効に抑制できる。
〔4.本実施形態の効果〕
以上説明したように、本実施形態の接合構造52では、発明者等は、多数のケーススタディを行う検討の結果、RC造の第1壁11と合成梁25の端部とが接合される接合部51の接合構造52において、掻出し定着破壊を抑制できる条件を検討した。その結果、第1壁11が壁コンクリート14を有し、合成梁25が、床コンクリート37及び床鉄筋38を有する床スラブ28と、第2鉄骨梁27と、を有する場合に、以下の条件を見出した。すなわち、鉄筋の断面積比RArが(8)式を満たし、鉄筋の投影定着長さ比(L/d)が(9)式を満たすという条件である。
従って、断面積比RArが(8)式を満たし投影定着長さ比(L/d)が(9)式を満たすことにより、接合構造52において、掻出し定着破壊、側方割裂破壊、及び局所支圧破壊という3つの破壊形式によるRC造の第1壁11の破壊を抑制することができる。
床鉄筋の径比Rdrが、(14)式を満たす。発明者等は、多数のケーススタディを行う検討の結果、第1壁11と合成梁25の端部とが接合される接合部51の接合構造52において、柱梁接合部で生じうる支圧破壊が壁梁接合部では生じない特性を実験により確認し、これを活用することで、接合部の剛性を向上できる条件を検討した。その結果、鉄筋の径比Rdrが(14)式を満たすときに、接合構造52において、3つの破壊形式によるRC造の第1壁11の破壊を抑制しながら接合部51の剛性と耐力を高めることができることを見出した。
このため、鉄筋の径比Rdrが(14)式を満たすことにより、接合構造52において、合成梁25のたわみを抑制することができる。具体的には、鉄筋の径比Rdrが(14)式を満たすことにより、軸剛性kが400kN/mmを超える。従って、前述の通り、半剛接合としての効果が高まり、合成梁25のたわみを有効に抑制できる。
複数の床鉄筋38は、床スラブ28の接合部51の有効幅以上の領域にわたって壁コンクリート14に定着されている。これにより、(14)式で計算される接合部51、接合構造52の床鉄筋38の剛性が大きくでき、接合部の回転抵抗が大きくなるため合成梁25のたわみが抑制される。第1壁11は、一般的なRC造の柱に比べて幅方向Yに有効幅以上に長くなる。このため、接合構造52において、接合部51の剛性と耐力に寄与する有効幅内の最外縁まで複数の床鉄筋38を壁コンクリート14に定着しながら、RC造の柱との接合構造52で生じる可能性がある破壊、すなわち壁コンクリート14における複数の床鉄筋38の側方コンクリートが幅方向Yの外側に向かって割れるのを、抑制することができる。
折れ部42bは、鉄筋本体42aにおける、合成梁25に対する第1壁11側の端部から下方に向かって延びている。このため、例えば、合成梁25に下方に向かう荷重が作用したときに、鉄筋本体42aに作用する引張力の反力が折れ部42bの入隅部から圧縮力として壁コンクリート14に作用する。この反力は合成梁25の第2フランジ32から壁コンクリート14に作用する圧縮力と釣り合うことで、壁コンクリート14の内力がより安定的に平衡を保つことができる。
シアプレート18のボルト孔18aは、長手方向Xに延びた長孔形状である。鉛直荷重を支持する合成梁25の端部の第2フランジ32が、コンタクトプレート47や溶接接合等で壁コンクリート14に圧縮力を伝達できるよう接合されている場合、合成梁25が曲げモーメントを受けると、鉄骨梁の端部は、その下端を中心に回転する。このため、この回転中心となる下端から離間するボルトほど、長手方向の移動量が大きくなり、壁コンクリートに与える支圧(圧縮力)が大きくなる。
この開示では、ボルト孔18aが長手方向Xに延びた長孔形状であるため、ボルト孔18aとボルト48の軸部48aとのクリアランスが大きく、合成梁25が曲げモーメントを受けてシアプレート18に対して第2鉄骨梁27が相対的に移動しても、ボルト孔18a内でボルト48が長手方向Xに移動する。
従って、壁コンクリート14に対してボルト48が移動しても、ボルト孔18aとボルト48の軸部48aが支圧状態にならず、ボルト48からシアプレート18に支圧力が作用しないため、シアプレート18のアンカー鉄筋や頭付きスタッド17の引き抜きを抑制し、壁コンクリート14の破壊を防止することができる。
なお、複数のボルト孔18aにおける、第2鉄骨梁27の高さ方向(第2鉄骨梁27の梁せい方向)の平均位置は、第2鉄骨梁27の前記高さ方向の中心よりも下方に位置してもよい。言い換えれば、複数のボルト孔18aの重心は、第2鉄骨梁27の軸心よりも下方に位置してもよい。
このように構成することにより、複数のボルト孔18aの前記高さ方向の平均位置が第2鉄骨梁27の前記高さ方向の中心に一致している場合に比べて、合成梁25が曲げモーメントを受けてシアプレート18に対して第2鉄骨梁27が相対的に移動したときに、壁コンクリート14に対してボルト48が移動し難くなる。
従って、壁コンクリート14に対してボルト48が移動する量が抑えられ、ボルト48が壁コンクリート14に与える支圧を抑制することができる。
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。
例えば、前記実施形態では、床鉄筋の径比Rdrは(14)式を満たさなくてもよい。シアプレート18のボルト孔18aは、シアプレート18の厚さ方向に見たときに円形状であってもよい。床鉄筋38(42,43)及び連結鉄筋39は丸鋼でもよく、異形鉄筋でもよい。
接合構造は、RC造の壁と合成梁の端部とが接合される接合部の接合構造において、RC造の壁の定着破壊を抑制できる。よって、産業上の利用可能性は大きい。
11 第1壁(壁)
12 第2壁(壁)
14 壁コンクリート
18 シアプレート
18a ボルト孔
20 柱
25 合成梁
26 第1鉄骨梁(鉄骨梁)
27 第2鉄骨梁(鉄骨梁)
28 床スラブ
37 床コンクリート
38 床鉄筋(鉄筋)
38,38
46 頭付きスタッド(シアコネクタ)
48 ボルト
42,65,70,75 第1床鉄筋(鉄筋)
42a,66 鉄筋本体
42b,42c 折れ部(拡径部)
43 第2床鉄筋(鉄筋)
51,54 接合部
52,55 接合構造
67,71 拡径部
X 長手方向

Claims (6)

  1. RC造の壁と合成梁の端部とが接合される接合部の接合構造であって、
    前記壁は、壁コンクリートを有し、
    前記合成梁は、床スラブと、前記床スラブを下方から支持する鉄骨梁と、を有し、
    前記床スラブは、床コンクリートと、前記床コンクリート及び前記壁コンクリートに埋設される複数の鉄筋と、を有し、
    前記複数の鉄筋のそれぞれは、
    前記床コンクリート及び前記壁コンクリート内で前記鉄骨梁の長手方向に延びる鉄筋本体と、
    前記壁コンクリートに埋設され、自身における前記鉄筋本体の径方向の長さが、前記鉄筋本体の径よりも長い拡径部と、を有し、
    前記鉄骨梁は、シアコネクタによって前記長手方向に離散的又は連続的に前記床スラブに接合され、
    前記複数の鉄筋の断面積比RArが(1)式を満たし、
    投影定着長さ比(L/d)が(2)式を満たす、接合構造。
    ここで、iは前記床コンクリート内で配筋される前記複数の鉄筋の層の数、ar,iは上方からi番目の前記層である第i層における、前記複数の鉄筋の一本当たりの前記複数の鉄筋の前記長手方向に直交する断面積(mm)、pは前記第i層の前記複数の鉄筋同士の前記床スラブの幅方向におけるピッチ(mm)、σry,iは前記第i層の前記複数の鉄筋の降伏応力(N/mm)、σは前記壁コンクリートの圧縮強度(N/mm)、Lh,iは前記第i層において前記複数の鉄筋のうち前記壁コンクリートに定着される部分の前記長手方向の長さである投影定着長さ(mm)、dr,iは前記第i層の前記複数の鉄筋の一本当たりの径(mm)である。
    Figure 0007335540000013
  2. 前記接合部において、前記壁コンクリートに定着される前記複数の鉄筋の径比Rdrが(3)式を満たす、請求項1に記載の接合構造。
    ここで、前記複数の鉄筋の径比Rdrは、前記幅方向の単位長さ当たりの前記複数の鉄筋の径(-)である。
    Figure 0007335540000014
  3. 前記複数の鉄筋が、前記床スラブの前記接合部における有効幅以上の領域にわたって前記壁コンクリートに定着されている、請求項1又は2に記載の接合構造。
  4. 前記拡径部は、前記鉄筋本体における、前記合成梁に対する前記壁側の端部から下方に向かって延びている、請求項1又は2に記載の接合構造。
  5. 前記壁に接合されたシアプレートと、
    H形鋼である前記鉄骨梁のウェブ及び前記シアプレートをそれぞれ接合するボルトと、
    を備え、
    前記ウェブ及び前記シアプレートの少なくとも一方に形成され、前記ボルトが通されるボルト孔は、前記長手方向に延びた長孔形状である、請求項1又は2に記載の接合構造。
  6. 前記壁に接合されたシアプレートと、
    H形鋼である前記鉄骨梁のウェブ及び前記シアプレートをそれぞれ接合するボルトと、
    を備え、
    前記ウェブ及び前記シアプレートの少なくとも一方には、前記ボルトが通されるボルト孔が形成され、
    前記ボルト孔における前記鉄骨梁の高さ方向における平均位置は、前記鉄骨梁における前記高さ方向の中心よりも下方に位置する、請求項1又は2に記載の接合構造。
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