JP2017075485A - 鋼管柱の補強構造 - Google Patents

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【課題】鋼管柱を補強しつつ、補強手段を溶接するための作業空間の確保を容易とする事が可能な、鋼管柱の補強構造を提供する事。【解決手段】鋼管柱10の補強構造は、鋼管柱10の軸心と並行な2つの基準線L1、L2であり、鋼管柱10の内周面上に位置する2つの基準線L1、L2を含み、かつ鋼管柱10の軸心Cを含まない仮想の対象面S1、S2上に配置された補強プレート40であって、補強プレート40の両端が鋼管柱10の内周面に接続された補強プレート40を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、鋼管柱の補強構造に関する。
従来、鋼管柱の補強構造としては、鋼管柱の内部に十字状断面のスチフナー鋼板を挿入して鋼管柱の内周面に溶接し、このスチフナー鋼板の端部にH形鋼大梁のウェブの端部を接続する補強構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−271419号公報
ここで、鋼管柱の内部にスチフナー鋼板を溶接する場合、鋼管柱の内部に作業員が溶接機を挿入して作業する必要がある。しかし、特許文献1では、スチフナー鋼板が大梁ウェブの梁軸方向の延長線上に連続して対応するように配置する必要があるため、鋼管柱の軸心位置にスチフナー鋼板が位置し、鋼管柱の内部に充分な作業空間を確保できない可能性があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、鋼管柱を補強しつつ、補強手段(上述したスチフナー鋼板に対応)を溶接するための作業空間の確保を容易とする事が可能な、鋼管柱の補強構造を提供する事を目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の鋼管柱の補強構造は、鋼管柱の補強構造であって、前記鋼管柱の軸心と並行な2つの基準線であり、前記鋼管柱の内周面上に位置する2つの基準線を含み、かつ前記鋼管柱の軸心を含まない仮想の対象面上に配置された補強手段であって、当該補強手段の両端が前記鋼管柱の内周面に接続された補強手段を備える。
請求項2に記載の鋼管柱の補強構造は、請求項1に記載の鋼管柱の補強構造において、前記鋼管柱の外周面にはH形鋼の第一梁が接続され、前記2つの基準線の一方は、前記第一梁の接続箇所に対応する内周面上の位置であって、前記第一梁のウェブと同一平面上の位置に設けられる。
請求項3に記載の鋼管柱の補強構造は、請求項2に記載の鋼管柱の補強構造において、前記補強手段は、前記第一梁のウェブせいの1/4以上の高さを有する補強プレートである。
請求項4に記載の鋼管柱の補強構造は、請求項2又は3に記載の鋼管柱の補強構造において、前記補強手段は、前記第一梁のウェブ厚の50%以上の厚みを有する補強プレートである。
請求項5に記載の鋼管柱の補強構造は、請求項2から4のいずれか一項に記載の鋼管柱の補強構造において、前記鋼管柱の外周面にはH形鋼の第二梁が接続され、前記2つの基準線の他方は、前記第二梁の接続箇所に対応する内周面上の位置であって、前記第二梁のウェブと同一平面上の位置に設けられる。
請求項6に記載の鋼管柱の補強構造は、請求項1から5のいずれか一項に記載の鋼管柱の補強構造において、前記補強手段を、前記鋼管柱の柱頭部又は柱脚部に配置した。
請求項1に記載の鋼管柱の補強構造によれば、鋼管柱の軸心と並行な2つの基準線であり、鋼管柱の内周面上に位置する2つの基準線を含み、かつ鋼管柱の軸心を含まない仮想の対象面上に補強手段を配置するので、補強手段により鋼管柱の面外変形を拘束して鋼管柱を補強しつつ、補強手段の配置の自由度を向上することにより、補強手段を溶接するための作業空間の確保を容易とすることができる。
請求項2に記載の鋼管柱の補強構造によれば、補強手段の一方の端部を、第一梁のウェブと同一平面上の位置に設けるので、第一梁のウェブから補強手段へのモーメント伝達を向上させることができ、鋼管柱をより効果的に補強する事ができる。
請求項3に記載の鋼管柱の補強構造によれば、補強手段は、第一梁のウェブせいの1/4以上の高さを有する補強プレートであるので、鋼管柱をより効果的に補強する事ができる。
請求項4に記載の鋼管柱の補強構造によれば、補強手段は、第一梁のウェブ厚の50%以上の厚みを有する補強プレートであるので、鋼管柱をより効果的に補強する事ができる。
請求項5に記載の鋼管柱の補強構造によれば、第一梁と第二梁を結ぶように補強手段を配置するので、第一梁のウェブ及び第二梁のウェブから補強手段へのモーメント伝達を向上させることができ、鋼管柱をより効果的に補強する事ができる。
請求項6に記載の鋼管柱の補強構造によれば、補強手段を、鋼管柱の柱頭部又は柱脚部に配置するので、地震時における鋼管柱の曲げ変形性能を向上させることができる。
柱梁構造体の斜視図である。 図1のA1断面における断面斜視図である。 図1のA1断面における断面図である。 本実施例1に係る実験に用いた試験体一覧を示す表である。 材料引張試験による各鋼材の機械的性質を示す表である。 試験体の形状及び寸法を示す図であって、図6(a)はF1−N、図6(b)はF1−H06W、図6(c)はF1−H08Wを示す図である。 解析の詳細を示す図であって、図7(a)は解析モデル、図7(b)はθの定義、図7(c)は加力プログラム、図7(d)は部材特性を示す図である。 F1−Nの実験解析の結果を示すグラフで、図8(a)は繰返し履歴曲線、図8(b)はスケルトンカーブである。 F1−H06Wの実験解析の結果を示すグラフで、図9(a)は繰返し履歴曲線、図9(b)はスケルトンカーブである。 F1−H08Wの実験解析の結果を示すグラフで、図10(a)は繰返し履歴曲線、図10(b)はスケルトンカーブである。 梁端ウェブの応力度σの分布を示すグラフであって、図11(a)はF1−N、図11(b)はF1−H06W、図11(c)はF1−H08Wを示すグラフである。 接合部曲げ耐力を示す表である。 ウェブ接合部曲げ耐力を示す表である。 従来の補強構造を示す図であって、図14(a)は斜視図、図14(b)は図14(a)のA2断面における断面図、図14(c)は梁端部モーメントMと梁部材角θの関係を示すグラフである。 本願の補強構造を示す図であって、図15(a)は斜視図、図15(b)は図15(a)のA3断面における断面図、図15(c)は梁端部モーメントMと梁部材角θの関係を示すグラフである。 耐力比Q/Qと高さ比h/hの関係性を示すグラフである。 鋼管柱の荷重変形関係比較を示すグラフである。 鋼管柱の塑性変形能力比較を示すグラフである。 図1のA1断面に対応する変形例の断面図であり、図19(a)は変形例1、図19(b)は変形例2、図19(c)は変形例3、図19(d)は変形例4、図19(e)は変形例5、図19(f)は変形例6を示す図である。 図1のA1断面に対応する変形例の断面図であり、図20(a)は変形例7、図20(b)は変形例8、図20(c)は変形例9、図20(d)は変形例10である。 変形例11を示す図であり、図21(a)は斜視図、図21(b)は図21(a)のA4断面における断面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る鋼管柱の補強構造の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、鋼管柱の補強構造に関する。ここで、「補強構造」とは、鋼管柱の構造上の性能向上に多少なりとも寄与している事を示し、どの程度性能を向上できているかについては問わない。また、鋼管柱が設けられる建築物の用途は任意で、例えば商業施設、飲食施設、娯楽施設、又は居住施設等として利用することができる。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
まず、本実施の形態に係る補強構造が適用される柱梁構造体1の構成を説明する。図1は、柱梁構造体1の斜視図、図2は、図1のA1断面における断面斜視図、図3は、図1のA1断面における断面図である。なお、本実施の形態に係る建築物には柱と梁が接続される複数箇所に同様の柱梁構造体1が設けられているが、これらはいずれも同様に構成できるため図示や詳細な説明を省略し、以下では1つの柱梁構造体1のみに着目して説明する。ここで、これら図1から図3に示すように、本実施の形態に係る柱梁構造体1は、鋼管柱10、大梁20、ダイアフラム30、及び補強プレート40を備えて構成されている。ここで、以下では各図におけるX−X´方向を幅方向(特にX方向を右方向、X´方向を左方向)、Y−Y´方向を奥行き方向(特にY方向を前方向、Y´方向を後方向)、Z−Z´方向を高さ方向(特にZ方向を上方向、Z´方向を下方向)と必要に応じて称して説明する。また、特定の位置を基準として、鋼管柱10の軸心Cに近い位置を「内側」、鋼管柱10の軸心Cから遠い位置を「外側」と称して説明する。
(構成−鋼管柱)
鋼管柱10は、本実施の形態に係る補強構造による補強の対象となる柱である。この鋼管柱10は建築物における任意の箇所に配置されており、配置される階は建築物に応じて適宜決定でき、例えば地上階の柱でも地下階の柱でも構わない。ここで、鋼管柱10の形状は、内部に補強プレート40を配置可能な限りにおいて任意で、例えば円筒形状、多角筒形状等を適用できるが、本実施の形態では断面が略正方形状の四角筒形状であるものとして説明する。なお以下では、鋼管柱10の内側を向く面を「内周面」と称し、この内周面のうち軸心Cの前後左右に位置する4つの面をそれぞれ「前内周面」、「後内周面」、「右内周面」、及び「左内周面」と称する。また、鋼管柱10の外側を向く面を「外周面」と称し、この外周面のうち軸心Cの前後左右に位置する4つの面をそれぞれ「前外周面」、「後外周面」、「右外周面」、及び「左外周面」と称する。
なお、本願では図示の便宜上省略しているが、鋼管柱10の内部や外部に、鋼管柱10の補強や装飾等を目的とした付随的な要素を加えてもよく、例えば鋼管柱10の内部にコンクリートを充填してコンクリート充填鋼管構造(CFT構造)としても構わないし、さらに鉄筋を挿入して鉄筋内蔵コンクリート充填鋼管構造(CFT−R構造)としても構わない。
(構成−大梁)
大梁20は、鋼管柱10の外周面に接続されたH形鋼の梁である。この大梁20は、鋼管柱10の外周面に接続される限り任意の箇所に配置でき、例えば地上階に配置される梁であっても構わないし、基礎に埋設される基礎梁であっても構わない。なお、任意の数の大梁20を鋼管柱10に対して接続できるが、本実施の形態では1つの鋼管柱10に対して、前方、右方、後方、及び左方の四方向に大梁20が接続されているものとし、必要に応じてそれぞれ第一梁21、第二梁22、第三梁23、及び第四梁24と称して説明する。ただし、これらの各大梁20はいずれも同様に構成することができ、これらを区別する必要の無い場合には単に「大梁」20と称し、以下では特記しない限り第一梁21に着目して説明する。
ここで、大梁20を鋼管柱10に溶接する方法は公知であるが、本実施の形態では図示のように、各大梁20の上フランジ及び下フランジがそれぞれ上ダイアフラム及び下ダイアフラム(いずれも後述する)に対して溶接されており、各大梁20のウェブは、鋼管柱10の外周面に直接溶接されている。ただし、このような構成に限らず、例えば各大梁20のウェブを、鋼管柱10の外周面に溶接されたウェブプレートを介して鋼管柱10に接続しても良い。なお、このように大梁20を鋼管柱10に溶接する方法は公知であるため、詳細な説明を省略する。また、大梁20に形成されたスカラップ等は図示を省略する。ここで、本実施の形態では、図3に示すように各大梁20のウェブの梁軸方向の延長線上に鋼管柱10の軸心Cが位置するが、延長線上に鋼管柱10の軸心Cが位置しないように大梁20を接続して構わない。
(構成−ダイアフラム)
ダイアフラム30は、鋼管柱10に接続された公知のダイアフラム30であって、本実施の形態においては、上ダイアフラム及び下ダイアフラムを備えて構成されている。これらのダイアフラム30としては公知のものを用いて構成でき、例えば外ダイアフラム、内ダイアフラム、又は通しダイアフラム等を用いる事ができる。
なお、内ダイアフラムや通しダイアフラムを採用し、上述したように鋼管柱10の内部にコンクリートを打設する場合には、ダイアフラム30にコンクリート充填用の孔を形成する必要がある。このような孔は適宜必要箇所に設けて構わないが、特にコンクリートが行き渡り難い箇所には充分に設ける必要がある。例えば、図3において補強プレート40と内周面とによって構成される三角形状の領域にはコンクリートが行き渡り難いため、充分な数及び面積の孔を設ける必要がある。なお、補強プレート40に孔を設けることにより、当該孔を介して上述した三角形状の領域にコンクリートが行き渡るようにしても構わない。
(構成−補強プレート)
補強プレート40は、鋼管柱10の軸心Cと並行な2つの基準線L1であり、鋼管柱10の内周面上に位置する2つの基準線L1を含み、かつ鋼管柱10の軸心Cを含まない仮想の対象面上に配置された補強手段であって、当該補強手段の両端が鋼管柱10の内周面に接続された補強手段である。ここで、この補強手段は、鋼管柱10の内部に少なくとも1つ以上設けられていれば構わないが、本実施の形態では第一補強プレート41及び第二補強プレート42の2つが設けられている。
ここで、補強プレート40の配置の決定方法について、第一補強プレート41を例に挙げて説明する。まず、2つの基準線L1を決定する。これらの基準線L1は、鋼管柱10の軸心Cと並行であり(すなわち、高さ方向に沿うように配置されており)、かつ鋼管柱10の内周面上に位置する限り任意に決定して構わない。ただし、本実施の形態では、図示のように、2つの基準線L1の一方は、第一梁21の接続箇所に対応する内周面上の位置であって、第一梁21のウェブと同一平面上(具体的には、ウェブ厚の中央を通る面と同一平面上。以下同様。)の位置に設けられており、2つの基準線L1の他方は、第二梁22の接続箇所に対応する内周面上の位置であって、第二梁22のウェブと同一平面上の位置に設けられている。
また、本実施の形態では、2つの基準線L1を、鋼管柱10の内周面における隣り合う2面上(前内周面上と、右内周面上)に配置しているが、これに限らず、対向する2面(例えば、前内周面上と、後内周面上)に配置しても良いし、少なくとも一方の基準線を鋼管柱10の内周面の四隅(例えば、右後方の隅)に配置しても良い。
続いて、上記のように決定した2つの基準線L1を含む対象面S1を決定する。ここで、「基準線を含む」とは、対象面上に基準線が位置していることを示す。この基準線は、2つの基準線L1を含む限り任意に決定でき、例えば本実施の形態では2つの基準線L1を向かい合う2辺とする長方形状の面(図3にて一点鎖線で図示した面)とするがこれに限らない。例えば、2つの基準線を含む曲面(平面視において円弧上に湾曲した曲面)であっても構わない。
また、鋼管柱10の内周面と、対象面との角度α、βについては任意であるが、本実施の形態では図示のように前内周面及び右内周面のいずれに対しても45度となっている。このように45度の角度とすることにより、第一梁21と第二梁22のいずれからも均等に鋼管柱10にモーメントを伝達できる。ただし角度α、βはその他の角度でもよく、例えば30度、60度、90度等であっても良い。
最後に、上記のように決定した対象面に沿って補強プレート40を配置する。ここで、「対象面に沿って配置」とは、補強プレート40の厚みの中央を通る面と、対象面とが同一面上に位置するように配置することを示す。なお、補強プレート40の高さ及び厚みは、鋼管柱10の内部に収まる限り任意であるが、鋼管柱10の補強の効果の観点からは、大梁20のウェブせいの1/4以上の高さを有する補強プレート40を用いる事が好ましく、また、大梁20のウェブ厚の50%以上の厚みを有する補強プレート40を用いることが好ましい。
また、上述したように大梁20のウェブと同一平面上に基準線を決定することで、大梁20の端部に対応する位置に補強プレート40の端部を配置することで、大梁20のウェブから補強プレート40へのモーメント伝達を向上させることができ、鋼管柱10をより効果的に補強できる。
また、上述したように対象面が軸心Cを通らないので、補強プレート40によって2つに仕切られる鋼管柱10の内部空間のうち、一方の空間を他方の空間よりも広く確保でき、この広い方の空間を溶接用の作業空間として確保する事が可能となる。また、この2つに仕切られた内部空間のうち狭い方の空間側の角度α、βをいずれも90度未満(本実施の形態ではいずれも45度)とすることで、図2や図3に示すように補強プレート40の端面と鋼管柱10の内周面との間にも角度ができるので、この部分に溶接機の先端を挿入して溶接することができる。したがって、補強プレート40に溶接用の開先を形成する手間や時間や費用を省略する事が可能となる。
なお、第二補強プレート42についても、第一補強プレート41と同様に、2つの基準線L2を決定し、続いて対象面S2を決定し、最後に対象面S2に沿って第二補強プレート42を配置する。
ここで、従来の補強構造においても、鋼管柱10とH形鋼大梁とを組み合わせて用いる場合、柱梁構造体1の大梁ウェブを、鋼管柱10の柱フランジ(スキンプレート)に接合していた。ここで、大地震時には梁端部は塑性化し、大きな曲げモーメントを生ずるが、柱フランジに面外変形が生じるため、大梁ウェブのモーメントが十分には鋼管柱10に伝達できなかった。そこで、構造設計では安全側の評価となるよう、H形鋼大梁の曲げ耐力は大梁ウェブの曲げ耐力がないとみなし、大梁フランジのみ負担するとして算定している。このため、梁部材の持つ性能を十分に利用できていない。この問題を解決するために、柱フランジを増厚する方法や梁端部の大梁フランジを拡幅する方法があるが、経済合理性の低下の問題や、外周部の鋼管柱10に対して適用する場合に大梁20を外へ寄せることができないといった設計自由度を喪失する問題が生じていた。しかし、本願の補強構造では、柱フランジの拡幅や大梁フランジの拡幅が不要であるため上記の問題が生じることはなく、さらに鋼管柱10の軸心Cの位置に補強プレート40を配置する必要がないので、補強プレート40を溶接するための作業空間の確保が容易となる。
(実施例1)
続いて、鋼管柱の補強構造の実施例1について説明する。
本実施例1では、本実施の形態に係る補強構造を適用した鋼管柱の曲げ耐力や塑性変形性能を確認する実験及び解析を行った。図4は、本実施例1に係る実験に用いた試験体一覧を示す表である。この図4に示すように、梁のウェブの負担曲げモーメントの向上を確認するため、3つの試験体F1−N、F1−H06W、及びF1−H08Wを用意した。なお、これらの構成部材は同一とし、試験パラメータは補強プレートの有無と、補強プレートの高さとした。梁には、BH−600×200×16×22、接合部(上ダイアフラムと下ダイアフラムの間の鋼管部分)にはB□−450×12(幅厚比35.5)、柱(上ダイアフラムより上方の鋼管部分、及び下ダイアフラムより下方の鋼管部分)には□−450×22を用いた。梁の接合は工場溶接を想定してノンスカラップ形式とした。なお、図5は、材料引張試験による各鋼材の機械的性質を示す表である。
図6は、試験体の形状及び寸法を示す図であって、図6(a)はF1−N、図6(b)はF1−H06W、図6(c)はF1−H08Wを示す図である。図7は、解析の詳細を示す図であって、図7(a)は解析モデル、図7(b)はθの定義、図7(c)は加力プログラム、図7(d)は部材特性を示す図である。これら図6及び図7に示すように、加力は、柱両端を固定し梁の先端に荷重を与える片持ち梁形式とした。また、梁中間部で横座屈を拘束した。加力サイクルは梁部材角θで制御した。
図8は、F1−Nの実験解析の結果を示すグラフで、図8(a)は繰返し履歴曲線、図8(b)はスケルトンカーブである。また、図9は、F1−H06Wの実験解析の結果を示すグラフで、図9(a)は繰返し履歴曲線、図9(b)はスケルトンカーブである。また、図10は、F1−H08Wの実験解析の結果を示すグラフで、図10(a)は繰返し履歴曲線、図10(b)はスケルトンカーブである。なお、これら図8から図10における各図(a)の縦軸は梁端部モーメントM、横軸は梁部材角θである。また、これら図8から図10における各図(b)のスケルトンカーブは、対応する各図(a)に基づいて求めたものであり、縦軸はM/pe、横軸はθ/θpeである。
ここで、pe及びpnは、引張試験による降伏強度及び降伏強度の公称値Fから求めた梁の全塑性モーメントであり、θpepe時の弾性変形角である。u,calは、材料強度から推定したウェブの最大曲げ耐力Zwp・σwyとフランジの最大曲げ耐力Zfp・σfuの和である。図中の点線は、FEM解析の結果を示しており、実線の実験結果をよく再現できている。図中の黒塗りの三角形は、最大及び最小曲げモーメントの位置であり、各図(a)は、Mmax及びMmin、各図(b)は、Mmaxpe及びMminpeを示している。ここで、F1−H06WやF1−H08Wのこれらの絶対値は、F1−Nよりも大きく、ほぼu,calまで上昇しており、補強プレートによる塑性変形能力の向上が確認できる。なお、いずれの試験体も梁端引張側フランジ縁に亀裂が生じ、梁幅の10%程度まで進展した後にフランジ全断面の破断に至った。また破断は裏当金やウェブにも生じていた。
図11は、梁端ウェブの応力度σの分布を示すグラフであって、図11(a)はF1−N、図11(b)はF1−H06W、図11(c)はF1−H08Wを示すグラフである。いずれの試験体も実験結果とFEM解析結果はよく対応している。また、補強プレートの取り付く試験体は、θ=±20/1000rad時にはウェブ中央部分においてもσが降伏レベルまで上昇している。FEMのσ分布をもとに基準化ウェブ負担モーメントpeを求め、図8(b)、図9(b)、図10(b)に二点鎖線で示した。補強プレートのあるF1−H06W(図9(b))やF1−H08W(図10(b))では、M=時にはZwp・σwyとほぼ同等となっている。
図12は、接合部曲げ耐力を示す表、図13は、ウェブ接合部曲げ耐力を示す表である。ここで、は、図8から図10の繰返し履歴曲線における|Mmax|と|Mmin|とを比較して小さい側の値とした。図12におけるαexpは、pnであり、αに対応する値である。F1−H06WとF1−H08Wのαexpは、SM490材の母材破断形式で設計する際のα=1.35を上回った。
図8から図10におけるwuは、時のであり、Zwp・σwyで除した無次元化曲げ耐力mは、補強プレートによって上昇しており、F1−H08Wでは1.0を上回った。
以上に示すように、箱形断面にH形断面梁が取りつく柱梁構造体1を対象とした、梁端部ウェブの曲げ耐力を増大させる新たな接合部形式の効果を、実施例1に示す実験と解析により確認した。
(実施例2)
続いて、実施例2について説明する。この実施例2では、従来の補強構造と、本願の補強構造との補強効果の比較を行った。
図14は、従来の補強構造を適用した柱梁構造体2を示す図であって、図14(a)は斜視図、図14(b)は図14(a)のA2断面における断面図、図14(c)は梁端部モーメントMと梁部材角θの関係を示すグラフである。なお、図14(a)では、鋼管柱10の内部が見え易いように、鋼管柱10の前側の一部を省略して図示している。なお、後述する図15(a)及び図21(a)も同様に一部を省略して図示している。ここで、この図14(a)及び図14(b)に示すように、従来の補強構造としては、鋼管柱10の軸心Cを通るようにX−X´方向に沿って補強プレート50を配置した構成を採用した。また、図15は、本願の補強構造を適用した柱梁構造体3を示す図であって、図15(a)は斜視図、図15(b)は図15(a)のA3断面における断面図、図15(c)は梁端部モーメントMと梁部材角θの関係を示すグラフである。この図15(a)、図15(b)に示すように、本願の補強構造としては、鋼管柱10の軸心Cを通らないように傾けて補強プレート60を配置した構成を採用した。なお、図14(c)及び図15(c)のグラフは、縦軸は梁端部モーメントM、横軸は梁部材角θを示している。この結果に示すように、本願の補強構造では、フル耐力に近い補強効果を得ることができ、また、従来のように(図14に示すように)補強プレート50を配置した場合と同等の効果を得ることができる事が分かる。したがって、本願の補強構造は、従来の補強構造と同等の補強効果を確保しつつ、補強プレート60の配置の自由度を向上することにより、補強プレート60を溶接するための作業空間の確保を容易とすることができる。
(実施例3)
続いて、実施例3について説明する。この実施例3では、補強効果を得るための補強プレートの適切な高さを調べるための解析を行った。
図16は、耐力比Q/Qと高さ比h/hの関係性を示すグラフである。この図16において、縦軸は耐力比Q/Qを示し、横軸は高さ比h/hを示す。ここで、Q=耐力[kN]、Q=完全固定時耐力[kN]、h=補強プレートの高さ、h=大梁のウェブせいを示す。このように、大梁のウェブせいhを固定して補強プレートの高さhを適宜変更して解析を行い、解析結果をグラフに示した。ここで、実線は30/1000rad時耐力のグラフを示し、点線は降伏耐力を示す。
この図16からも明らかなように、高さ比h/hが大きい程、耐力比Q/Qが大きくなることが分かり、特に、高さ比h/hが0.25以上である場合には、補強プレートを設けない場合と比べて耐力比Q/Qの顕著な上昇が確認できる。したがって、大梁のウェブせいの1/4以上の高さを有する補強プレートを用いる事が好ましいことが分かる。
(実施例4)
続いて、実施例4について説明する。この実施例4では、本実施の形態に係る補強プレートを、本実施の形態のような柱梁接合部ではなく、鋼管柱の柱脚及び柱頭に設けて、鋼管柱の補強効果を解析した。
図17は、鋼管柱の荷重変形関係比較を示すグラフである。ここで、図17における縦軸はモーメントM、横軸は梁部材角θを示し、また、実線は補強プレートを設けた場合、点線は補強プレートを設けない場合を示す。また、図18は、鋼管柱の塑性変形能力比較を示すグラフである。ここで、図18における縦軸は塑性変形倍率R、横軸は無次元化幅厚比B/t(σ/E)1/2を示し、また、黒丸は補強プレートを設けた場合、点線は補強プレートを設けない場合を示す。これら図17及び図18に示すように、鋼管柱の柱脚及び柱頭に補強プレートを設けることにより、補強プレートを設けない場合と比べて鋼管柱を補強できる事が分かる。したがって、実施の形態のように柱梁接合部に代えて、又は加えて、鋼管柱の柱脚又は柱頭に補強プレートを配置することにより、鋼管柱を補強する事が可能である。
(実施の形態の効果)
このように、本実施の形態の鋼管柱10の補強構造によれば、鋼管柱10の軸心Cと並行な2つの基準線L1であり、鋼管柱10の内周面上に位置する2つの基準線L1を含み、かつ鋼管柱10の軸心Cを含まない仮想の対象面上に補強プレート40を配置するので、補強プレート40により鋼管柱10の面外変形を拘束して鋼管柱10を補強しつつ、補強プレート40の配置の自由度を向上することにより、補強プレート40を溶接するための作業空間の確保を容易とすることができる。
また、補強プレート40の一方の端部を、第一梁21のウェブと同一平面上の位置に設けるので、第一梁21のウェブから補強プレート40へのモーメント伝達を向上させることができ、鋼管柱10をより効果的に補強する事ができる。
また、補強手段は、第一梁21のウェブせいの1/4以上の高さを有する補強プレート40であるので、鋼管柱10をより効果的に補強する事ができる。
また、補強手段は、第一梁21のウェブ厚の50%以上の厚みを有する補強プレート40であるので、鋼管柱10をより効果的に補強する事ができる。
また、第一梁21と第二梁22を結ぶように補強プレート40を配置するので、第一梁21のウェブ及び第二梁22のウェブから補強プレート40へのモーメント伝達を向上させることができ、鋼管柱10をより効果的に補強する事ができる。
また、補強プレート40を、鋼管柱10の柱頭部又は柱脚部に配置するので、地震時における鋼管柱10の曲げ変形性能を向上させることができる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。例えば、実施の形態に係る鋼管柱10の補強構造によって補強手段を溶接するための作業空間の確保を容易とすることができない場合であっても、従来と異なる技術により鋼管柱10を補強できている場合には、本願発明の課題が解決されている。
(寸法や材料について)
発明の詳細な説明や図面で説明した鋼管柱10の補強構造の各部の寸法、形状、材料、比率等は、あくまで例示であり、その他の任意の寸法、形状、材料、比率等とすることができる。
(補強手段について)
本実施の形態では、補強手段は鋼板の補強プレート40であるものとして説明したが、補強手段の両端を鋼管柱10の内周面に接続可能な限り、任意の構成を採用できる。例えば、鉄筋を網目状に接続して構成したメッシュ筋等を用いても構わない。また、長方形状以外の形状の補強プレート40を用いてもよく、例えば平行四辺形状や台形状のプレートを用いても良い。特に、例えば第一梁21と第二梁22の設置高さや梁せいが異なる場合には、このような形状のプレートを用いることで、各大梁20を補強プレート40で好適に接続する事ができる。
(補強構造のパターンについて)
図19は、図1のA1断面に対応する変形例の断面図であり、図19(a)は変形例1、図19(b)は変形例2、図19(c)は変形例3、図19(d)は変形例4、図19(e)は変形例5、図19(f)は変形例6を示す図である。ここで、本実施の形態においては、図1から図3に示すように、鋼管柱10に対して四方から大梁20が接続された構成において、2つの補強プレート40を配置する構成としたが、このような構成に限らず本願に係る補強を行うことができる。例えば、鋼管柱10に大梁20が接続される場合は、鋼管柱10が接続された外周面と対応する内周面に対して補強プレート40の端部が接続されるように、補強プレート40を配置する事が望ましい。具体的には、図19(a)の変形例1に示すように、鋼管柱10の1つの外周面(例えば、後外周面)にのみ大梁20が接続される場合、この大梁20が接続された外周面に対応する内周面(後内周面)に補強プレート70を接続する事が好ましい。
また、図19(b)の変形例2に示すように、鋼管柱10に対して、隣合う2つの外周面(例えば後外周面、及び右外周面)に大梁20が接続される場合、これら大梁20が接続された外周面に対応する内周面(後内周面、及び右内周面)を架け渡すように1つの補強プレート80を配置する事が好ましい。なお、図19(c)の変形例3に示すように、鋼管柱10に対して、相互に対向する2つの外周面(例えば前外周面、及び後外周面)に大梁20が接続される場合、2つの補強プレート90を配置し、上記の2つの外周面に対応する内周面(前内周面、及び後内周面)にいずれかの補強プレート90の端部が接続されるように配置しても構わない。また、図19(d)の変形例4に示すように、鋼管柱10に対して、3つの外周面(例えば前外周面、右外周面、及び後外周面)に大梁20が接続される場合も同様に、これら大梁20が接続された外周面に対応する内周面(前内周面、右内周面、及び後内周面)にいずれかの補強プレート100の端部が接続されるように配置しても構わない。
また、本実施の形態では2つの補強プレート40が互いに平行になるように配置したが、これに限らず、例えば2つの補強プレート40が互いに直交するように配置しても構わない。例えば、図19(e)の変形例5に示すように、補強プレート110のうち一方を前内周面及び右内周面に接続し、他方を後内周面及び右内周面に接続しても良い。なお、変形例5においては、2つの補強プレート110が右内周面で交わる構成としたが、左内周面で交わる構成としても良い。ただし、図19(f)の変形例6に示すように、大梁20が3つ接続される場合には、大梁20が接続される側の内周面(右内周面)で補強プレート120が交わる構成とした方が好ましい。なお、変形例5や変形例6のように補強プレート110、120が交わると、交わっている部分の溶接が困難となってしまうが、この場合には、2つの補強プレート110、120同士を予め溶接した状態で鋼管柱10の内部に挿入しても構わないし、2つの補強プレート110、120のそれぞれの高さ方向の位置をずらしても構わない。
ここで、本実施の形態に係る補強手段(補強プレート40等)は鋼管柱10の軸心Cを通らない限り任意に配置できる。ここで、図20は、図1のA1断面に対応する変形例の断面図であり、図20(a)は変形例7、図20(b)は変形例8、図20(c)は変形例9、図20(d)は変形例10を示す。例えば図20(a)の変形例7に示すように、補強プレート130を後内周面から内周面の隅に至るように配置してもよいし、図20(b)の変形例8に示すように、補強プレート140を各大梁20のウェブと対応する位置以外に配置しても構わない。
また、上述したように鋼管柱10や補強手段(補強プレート40等)の形状は任意で、例えば図20(c)の変形例9に示すように、鋼管柱150を円筒形状に構成しても良く、この場合にも各大梁20が接続された外周面と対応する位置に補強プレート160を接続する事が好ましい。また、図20(d)の変形例10に示すように、補強プレート170は湾曲していても良い。
図21は、変形例11を示す図であり、図21(a)は斜視図、図21(b)は図21(a)のA4断面における断面図である。ここで、補強手段(補強プレート40等)の高さ方向の位置は、補強手段を柱梁接合部に設ける場合、大梁20の梁せいの中央に対応する位置に設ける事が好ましいが、これに限らず、大梁20の梁せいの中央以外に配置しても構わない。例えばこの変形例11に示すように、補強プレート180を分離した複数枚(本変形例では2枚)のプレートで構成し、大梁20の梁せいの中央付近に補強手段を配置しない構成としても構わない。
(付記)
付記1の鋼管柱の補強構造は、鋼管柱の補強構造であって、前記鋼管柱の軸心と並行な2つの基準線であり、前記鋼管柱の内周面上に位置する2つの基準線を含み、かつ前記鋼管柱の軸心を含まない仮想の対象面上に配置された補強手段であって、当該補強手段の両端が前記鋼管柱の内周面に接続された補強手段を備える。
付記2の鋼管柱の補強構造は、付記1に記載の鋼管柱の補強構造において、前記鋼管柱の外周面にはH形鋼の第一梁が接続され、前記2つの基準線の一方は、前記第一梁の接続箇所に対応する内周面上の位置であって、前記第一梁のウェブと同一平面上の位置に設けられる。
付記3の鋼管柱の補強構造は、付記2に記載の鋼管柱の補強構造において、前記補強手段は、前記第一梁のウェブせいの1/4以上の高さを有する補強プレートである。
付記4の鋼管柱の補強構造は、付記2又は3に記載の鋼管柱の補強構造において、前記補強手段は、前記第一梁のウェブ厚の50%以上の厚みを有する補強プレートである。
付記5の鋼管柱の補強構造は、付記2から4のいずれか一項に記載の鋼管柱の補強構造において、前記鋼管柱の外周面にはH形鋼の第二梁が接続され、前記2つの基準線の他方は、前記第二梁の接続箇所に対応する内周面上の位置であって、前記第二梁のウェブと同一平面上の位置に設けられる。
付記6の鋼管柱の補強構造は、付記1から5のいずれか一項に記載の鋼管柱の補強構造において、前記補強手段を、前記鋼管柱の柱頭部又は柱脚部に配置した。
(付記の効果)
付記1に記載の鋼管柱の補強構造によれば、鋼管柱の軸心と並行な2つの基準線であり、鋼管柱の内周面上に位置する2つの基準線を含み、かつ鋼管柱の軸心を含まない仮想の対象面上に補強手段を配置するので、補強手段により鋼管柱の面外変形を拘束して鋼管柱を補強しつつ、補強手段の配置の自由度を向上することにより、補強手段を溶接するための作業空間の確保を容易とすることができる。
付記2に記載の鋼管柱の補強構造によれば、補強手段の一方の端部を、第一梁のウェブと同一平面上の位置に設けるので、第一梁のウェブから補強手段へのモーメント伝達を向上させることができ、鋼管柱をより効果的に補強する事ができる。
付記3に記載の鋼管柱の補強構造によれば、補強手段は、第一梁のウェブせいの1/4以上の高さを有する補強プレートであるので、鋼管柱をより効果的に補強する事ができる。
付記4に記載の鋼管柱の補強構造によれば、補強手段は、第一梁のウェブ厚の50%以上の厚みを有する補強プレートであるので、鋼管柱をより効果的に補強する事ができる。
付記5に記載の鋼管柱の補強構造によれば、第一梁と第二梁を結ぶように補強手段を配置するので、第一梁のウェブ及び第二梁のウェブから補強手段へのモーメント伝達を向上させることができ、鋼管柱をより効果的に補強する事ができる。
付記6に記載の鋼管柱の補強構造によれば、補強手段を、鋼管柱の柱頭部又は柱脚部に配置するので、地震時における鋼管柱の曲げ変形性能を向上させることができる。
1、2、3 柱梁構造体
10 鋼管柱
20 大梁
21 第一梁
22 第二梁
23 第三梁
24 第四梁
30 ダイアフラム
40 補強プレート
41 第一補強プレート
42 第二補強プレート
50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、 補強プレート
150 鋼管柱
160、170、180 補強プレート
C 軸心
L1、L2 基準線
S1、S2 対象面

Claims (6)

  1. 鋼管柱の補強構造であって、
    前記鋼管柱の軸心と並行な2つの基準線であり、前記鋼管柱の内周面上に位置する2つの基準線を含み、かつ前記鋼管柱の軸心を含まない仮想の対象面上に配置された補強手段であって、当該補強手段の両端が前記鋼管柱の内周面に接続された補強手段を備える、
    鋼管柱の補強構造。
  2. 前記鋼管柱の外周面にはH形鋼の第一梁が接続され、
    前記2つの基準線の一方は、前記第一梁の接続箇所に対応する内周面上の位置であって、前記第一梁のウェブと同一平面上の位置に設けられる、
    請求項1に記載の鋼管柱の補強構造。
  3. 前記補強手段は、前記第一梁のウェブせいの1/4以上の高さを有する補強プレートである、
    請求項2に記載の鋼管柱の補強構造。
  4. 前記補強手段は、前記第一梁のウェブ厚の50%以上の厚みを有する補強プレートである、
    請求項2又は3に記載の鋼管柱の補強構造。
  5. 前記鋼管柱の外周面にはH形鋼の第二梁が接続され、
    前記2つの基準線の他方は、前記第二梁の接続箇所に対応する内周面上の位置であって、前記第二梁のウェブと同一平面上の位置に設けられる、
    請求項2から4のいずれか一項に記載の鋼管柱の補強構造。
  6. 前記補強手段を、前記鋼管柱の柱頭部又は柱脚部に配置した、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の鋼管柱の補強構造。
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