JP6740805B2 - 溶接方法、溶接継手の製造方法および溶接継手 - Google Patents
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通常溶接材料を用いて部材と部材とが溶接された既設の鋼構造物において、溶接欠陥あるいは割れが発生しやすい溶接箇所、または既に亀裂が発生している溶接箇所、もしくは将来亀裂が発生すると予測される溶接箇所の表面に、マルテンサイト変態開始点が400℃以下の低変態温度溶接材料を用いて、前記溶接箇所の亀裂の成長方向に対して交差する方向に、肉盛溶接により溶接ビードを形成することを特徴とする溶接方法である。
部材と部材とを通常溶接材料を用いて溶接した後、溶接欠陥あるいは割れが発生しやすい溶接箇所、または既に亀裂が発生している溶接箇所、もしくは将来亀裂が発生すると予測される溶接箇所の表面に、マルテンサイト変態開始点が400℃以下の低変態温度溶接材料を用いて、前記溶接箇所の亀裂の成長方向に対して交差する方向に、肉盛溶接により溶接ビードを形成することを特徴とする溶接方法である。
前記溶接ビードの形成を、前記部材の一面または両面で行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶接方法である。
前記溶接箇所の亀裂の成長方向に対して交差する方向が、90±30°の範囲内の方向であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の溶接方法である。
前記溶接箇所の亀裂の成長方向に対して交差する方向が、略垂直であることを特徴とする請求項4に記載の溶接方法である。
前記溶接ビードを、一方から他方へ向けて一方向に形成することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の溶接方法である。
運棒法にウィービング法を用いて前記溶接ビードを形成することを特徴とする請求項6に記載の溶接方法である。
複数の部材を溶接して鋼構造物を構成する溶接継手の製造方法であって、
前記部材同士を通常溶接材料を用いて溶接した後、
溶接欠陥あるいは割れが発生しやすい溶接箇所、または既に亀裂が発生している溶接箇所、もしくは将来亀裂が発生すると予測される溶接箇所の表面に、マルテンサイト変態開始点が400℃以下の低変態温度溶接材料を用いて、前記溶接箇所の亀裂の成長方向に対して交差する方向に、肉盛溶接により溶接ビードを形成することを特徴とする溶接継手の製造方法である。
複数の部材が溶接されて鋼構造物を構成する溶接継手であって、
前記部材同士が溶接された溶接箇所には通常溶接材料が使用されており、
溶接欠陥あるいは割れが発生しやすい溶接箇所、または既に亀裂が発生している溶接箇所、もしくは将来亀裂が発生すると予測される溶接箇所の表面に、マルテンサイト変態開始点が400℃以下の低変態温度溶接材料を用いて肉盛溶接された溶接ビードが、前記溶接箇所の亀裂の成長方向に対して交差する方向に設けられていることを特徴とする溶接継手である。
前記部材として第1と第2の2枚の平板を備え、前記2枚の平板が互いの端面同士が通常溶接材料で突合せ溶接されて平板状をなしていると共に、
前記平板の面上に、肉盛溶接された前記溶接ビードが、前記突合せ溶接の溶接ビードに対して交差する方向に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の溶接継手である。
断面T字状で、前記部材として、第1、第2および第3の3枚の平板を備え、
第1と第2の平板は端面で突合せ溶接されて平板状をなしており、
第3の平板は、第1と第2の平板がなす平板の一方の面上に前記面に対して垂直で、第1と第2の平板を跨ぎ、前記突合せ溶接の溶接ビードに対して垂直方向に隅肉溶接されており、
前記突合せ溶接の溶接ビードと前記第3の平板とを跨いで、肉盛溶接された前記溶接ビードが、前記隅肉溶接の溶接ビードに対して交差する方向に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の溶接継手である。
第1の平板と第2の平板とが突き合わせ溶接されている第1部材と、
第3の平板と第4の平板とが突き合わせ溶接されている第2部材とを備え、
前記第1の部材に対して前記第1の部材の溶接ビードに直交する方向に、前記第2の部材が垂直に隅肉溶接されており、
前記隅肉溶接の溶接ビード上に、肉盛溶接された前記溶接ビードが、前記第1の平板および前記第2の平板同士の突合せ溶接の溶接ビードおよび前記第3の平板および前記第4の平板同士の突合せ溶接の溶接ビードに対して交差する方向に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の溶接継手である。
円筒状で、前記部材として、外径および内径が同じ第1の円筒と第2の円筒の2個の円筒を備え、
前記2個の円筒は、側面に長手方向に沿って突合せ溶接された継ぎ目を有し、
前記継ぎ目の溶接ビードが合致しないようにして、前記第1の円筒と前記第2の円筒が端面で突合せ溶接されており、
前記端面における突合せ溶接の溶接ビードの外周面側に、肉盛溶接された前記溶接ビードが、前記継ぎ目の溶接の溶接ビートに対して交差する方向に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の溶接継手である。
円筒状で、前記部材として、外径および内径が同じ第1の円筒と第2の円筒の2個の円筒を備え、
前記2個の円筒は、側面に長手方向に沿って突合せ溶接された継ぎ目を有し、
前記継ぎ目の溶接ビードが合致しないようにして、前記第1の円筒と前記第2の円筒が端面で突合せ溶接されており、
円筒の外周面側に、前記第1の円筒と前記第2の円筒の前記継ぎ目の溶接ビードとを跨いで、肉盛溶接された前記溶接ビードが前記端面の突合せ溶接の溶接ビードに対して交差する方向に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の溶接継手である。
平板の一方の面上に前記面に対して垂直で、かつ前記平板の長手方向に梁が隅肉溶接された断面T字状の部材を2個備え、
2個の部材の端面同士で突合せ溶接され、
前記2個の部材は、前記端面で一方の部材が他方の部材に対して前記梁が設けられていない側に所定の角度で屈折しており、
前記梁が隅肉溶接されていない面上の前記梁の真裏の部分において、肉盛溶接された前記溶接ビードが、2枚の平板の突合せ溶接の溶接ビードに対して交差する方向に前記2枚の平板を跨いで設けられていることを特徴とする請求項9に記載の溶接継手である。
最初に、本発明の背景となる技術について説明する。
そして、このような引張応力の低減を図ることができる材料として、本発明者は、マルテンサイト変態を開始する温度(「Ms温度」)が低い溶接材料(以下、低変態温度溶接材料、Low Transformation Temperature:LTT溶材という)に着目した。
上記知見に基づき、本発明者は、部材と部材の溶接に際しては通常溶材を用いることにより、割れがなく、延性や耐脆性に優れた溶接部を形成した上で、LTT溶材を用いて肉盛溶接することにより、大きな圧縮残留応力を形成させることを考えた。
なお、本発明の実施にあたって、溶接ビードを肉盛溶接により形成する際には、前記したように、亀裂の成長方向に対応に対して垂直方向に形成させることが好ましいが、溶接箇所の亀裂の成長方向に対して交差する方向であればよい。
本発明の技術は、鋼構造物の脆性破壊を十分に防止することを目的として、鋼構造物に潜む内部欠陥の成長を遅くし、脆性破壊への発生及び伝播を妨げることを主旨としているが、同時に疲労亀裂の発生も抑止する効果を併せ持っている。この結果、鋼構造物の弱点箇所の破壊強度は大きく上昇し、この上昇効果によって、鋼構造物は以下に記載するような利点を得ることが可能となる。
次に、本発明に係る溶接方法の実施の形態について説明する。
通常溶接材料を用いて部材と部材とが溶接された既設の鋼構造物において、溶接欠陥あるいは割れが発生しやすい溶接箇所、または既に亀裂が発生している溶接箇所、もしくは将来亀裂が発生すると予測される溶接箇所の表面に、マルテンサイト変態開始点が400℃以下の低変態温度溶接材料を用いて、前記溶接箇所の亀裂の成長方向に対して交差する方向に、肉盛溶接により溶接ビードを形成することを特徴とする溶接方法である。
部材と部材とを通常溶接材料を用いて溶接した後、溶接欠陥あるいは割れが発生しやすい溶接箇所、または既に亀裂が発生している溶接箇所、もしくは将来亀裂が発生すると予測される溶接箇所の表面に、マルテンサイト変態開始点が400℃以下の低変態温度溶接材料を用いて、前記溶接箇所の亀裂の成長方向に対して交差する方向に、肉盛溶接により溶接ビードを形成することを特徴とする溶接方法である。
前記溶接ビードの形成を、前記部材の一面または両面で行うことを特徴とする溶接方法である。
前記溶接箇所の亀裂の成長方向に対して交差する方向が、90±30°の範囲内の方向であることを特徴とする溶接方法である。
前記溶接箇所の亀裂の成長方向に対して交差する方向が、略垂直であることを特徴とする溶接方法である。
前記溶接ビードを、一方から他方へ向けて一方向に形成することを特徴とする溶接方法である。
運棒法にウィービング法を用いて前記溶接ビードを形成することを特徴とする溶接方法である。
上記した溶接方法は多様な鋼構造物の製造および保守に用いることができるが、特に溶接継手の製造に用いることが好適である。
鋼構造物に用いられる溶接継手として、後述する(a)平板タイプ、(b)T字タイプ1、(c)T字タイプ2、(d)円筒状タイプ1、(e)円筒状タイプ2および(f)屈折タイプが挙げられる。これらの溶接継手は以下の方法で製造することができる。
複数の部材を溶接して鋼構造物を構成する溶接継手の製造方法であって、
前記部材同士を通常溶接材料を用いて溶接した後、
溶接欠陥あるいは割れが発生しやすい溶接箇所、または既に亀裂が発生している溶接箇所、もしくは将来亀裂が発生すると予測される溶接箇所の表面に、マルテンサイト変態開始点が400℃以下の低変態温度溶接材料を用いて、前記溶接箇所の亀裂の成長方向に対して交差する方向に、肉盛溶接により溶接ビードを形成することを特徴とする溶接継手の製造方法である。
次に、上記した溶接継手について具体的に説明する。
複数の部材が溶接されて鋼構造物を構成する溶接継手であって、
前記部材同士が溶接された溶接箇所には通常溶接材料が使用されており、
溶接欠陥あるいは割れが発生しやすい溶接箇所、または既に亀裂が発生している溶接箇所、もしくは将来亀裂が発生すると予測される溶接箇所の表面に、マルテンサイト変態開始点が400℃以下の低変態温度溶接材料を用いて肉盛溶接された溶接ビードが、前記溶接箇所の亀裂の成長方向に対して交差する方向に設けられていることを特徴とする溶接継手である。
図9は平板タイプの溶接継手の斜視図であり、(a)、(b)図はそれぞれLTT製の伸長ビード形成前と形成後の状態を示す。
前記部材として第1と第2の2枚の平板を備え、前記2枚の平板が互いの端面同士が通常溶接材料で突合せ溶接されて平板状をなしていると共に、
前記平板の面上に、肉盛溶接された前記溶接ビードが、前記突合せ溶接の溶接ビードに対して交差する方向に設けられていることを特徴とする溶接継手である。
図10はT字タイプ1の溶接継手を示す図であり、(a)、(b)図はそれぞれ斜視図および横断面図である。
断面T字状で、前記部材として、第1、第2および第3の3枚の平板を備え、
第1と第2の平板は端面で突合せ溶接されて平板状をなしており、
第3の平板は、第1と第2の平板がなす平板の一方の面上に前記面に対して垂直で、第1と第2の平板を跨ぎ、前記突合せ溶接の溶接ビードに対して垂直方向に隅肉溶接されており、
前記突合せ溶接の溶接ビードと前記第3の平板とを跨いで、肉盛溶接された前記溶接ビードが、前記隅肉溶接の溶接ビードに対して交差する方向に設けられていることを特徴とする溶接継手である。
図11はT字タイプ2の溶接継手を示す図であり、(a)、(b)図はそれぞれ斜視図および横断面図である。
第1の平板と第2の平板とが突き合わせ溶接されている第1部材と、
第3の平板と第4の平板とが突き合わせ溶接されている第2部材とを備え、
前記第1の部材に対して前記第1の部材の溶接ビードに直交する方向に、前記第2の部材が垂直に隅肉溶接されており、
前記隅肉溶接の溶接ビード上に、肉盛溶接された前記溶接ビードが、前記第1の平板および前記第2の平板同士の突合せ溶接の溶接ビードおよび前記第3の平板および前記第4の平板同士の突合せ溶接の溶接ビードに対して交差する方向に設けられていることを特徴とする溶接継手である。
図12は円筒状タイプ1の溶接継手の斜視図である。
円筒状で、前記部材として、外径および内径が同じ第1の円筒と第2の円筒の2個の円筒を備え、
前記2個の円筒は、側面に長手方向に沿って突合せ溶接された継ぎ目を有し、
前記継ぎ目の溶接ビードが合致しないようにして、前記第1の円筒と前記第2の円筒が端面で突合せ溶接されており、
前記端面における突合せ溶接の溶接ビードの外周面側に、肉盛溶接された前記溶接ビードが、前記継ぎ目の溶接の溶接ビートに対して交差する方向に設けられていることを特徴とする溶接継手である。
図13は円筒状タイプ2の溶接継手の斜視図である。
円筒状で、前記部材として、外径および内径が同じ第1の円筒と第2の円筒の2個の円筒を備え、
前記2個の円筒は、側面に長手方向に沿って突合せ溶接された継ぎ目を有し、
前記継ぎ目の溶接ビードが合致しないようにして、前記第1の円筒と前記第2の円筒が端面で突合せ溶接されており、
円筒の外周面側に、前記第1の円筒と前記第2の円筒の前記継ぎ目の溶接ビードとを跨いで、肉盛溶接された前記溶接ビードが前記端面の突合せ溶接の溶接ビードに対して交差する方向に設けられていることを特徴とする溶接継手である。
図15は屈折タイプの溶接継手を示す図であり、(a)図は斜視図、(b)図は屈折部分の縦断面図である。
平板の一方の面上に前記面に対して垂直で、かつ前記平板の長手方向に梁が隅肉溶接された断面T字状の部材を2個備え、
2個の部材の端面同士で突合せ溶接され、
前記2個の部材は、前記端面で一方の部材が他方の部材に対して前記梁が設けられていない側に所定の角度で屈折しており、
前記梁が隅肉溶接されていない面上の前記梁の真裏の部分において、肉盛溶接された前記溶接ビードが、2枚の平板の突合せ溶接の溶接ビードに対して交差する方向に前記2枚の平板を跨いで設けられていることを特徴とする溶接継手である。
(1)実施例
図15は評価用サンプルの作製方法を説明する図である。まず、(a)図に示す溶接継手1を作製後、溶接継手1を図の破線に沿って切断して評価用サンプルを作製した。(b)図は、評価用のサンプルの正面図である。
肉盛 :2mm
幅 :20mm
溶接長 :80mm
溶け込み深さ:2mm
比較例1:伸長ビードの形成に通常溶材を用いたこと以外は実施例と同じ方法で評価用のサンプルを作製した。
(1)残留応力の測定
実施例、比較例1、2のそれぞれについてひずみゲージによる弛緩法により評価用サンプルの正面のビード表面の位置で長手方向の残留応力を測定した。
図16は破断までの荷重応力の測定方法を説明する斜視図である。実施例、比較例1、比較例2のそれぞれのサンプルSの正面の溶金部(突合せ溶接ビード13のセンター)、HAZ部および母材部のそれぞれの部位に切欠きノッチを設けた後、試験温度−10℃において矢印で示す方向の3点に荷重を加えてそれぞれの部位の破断までの荷重応力を測定した。
実施例、比較例1、2の評価結果をまとめて表1に示す。なお、残留応力は圧縮応力に「−」を付した。
11、12、21、22、24 平板
33、34、35、36、63、65 平板
13、23、38、43、44、53 突合せ溶接ビード
54、68、69 突合せ溶接ビード
14、26、39、45、55、70 伸長ビード
25、37、67 隅肉溶接ビード
27 亀裂
31、32、61、62 部材
41、42、51、52 円筒部材
64、66 梁
S サンプル
θ 角度
Claims (15)
- 通常溶接材料を用いて部材と部材とが溶接された既設の鋼構造物において、溶接欠陥あるいは割れが発生しやすい溶接箇所、または既に亀裂が発生している溶接箇所、もしくは将来亀裂が発生すると予測される溶接箇所の表面に、マルテンサイト変態開始点が400℃以下の低変態温度溶接材料を用いて、前記溶接箇所の亀裂の成長方向に対して交差する方向に、肉盛溶接により溶接ビードを形成することを特徴とする溶接方法。
- 部材と部材とを通常溶接材料を用いて溶接した後、溶接欠陥あるいは割れが発生しやすい溶接箇所、または既に亀裂が発生している溶接箇所、もしくは将来亀裂が発生すると予測される溶接箇所の表面に、マルテンサイト変態開始点が400℃以下の低変態温度溶接材料を用いて、前記溶接箇所の亀裂の成長方向に対して交差する方向に、肉盛溶接により溶接ビードを形成することを特徴とする溶接方法。
- 前記溶接ビードの形成を、前記部材の一面または両面で行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶接方法。
- 前記溶接箇所の亀裂の成長方向に対して交差する方向が、90±30°の範囲内の方向であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の溶接方法。
- 前記溶接箇所の亀裂の成長方向に対して交差する方向が、略垂直であることを特徴とする請求項4に記載の溶接方法。
- 前記溶接ビードを、一方から他方へ向けて一方向に形成することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の溶接方法。
- 運棒法にウィービング法を用いて前記溶接ビードを形成することを特徴とする請求項6に記載の溶接方法。
- 複数の部材を溶接して鋼構造物を構成する溶接継手の製造方法であって、
前記部材同士を通常溶接材料を用いて溶接した後、
溶接欠陥あるいは割れが発生しやすい溶接箇所、または既に亀裂が発生している溶接箇所、もしくは将来亀裂が発生すると予測される溶接箇所の表面に、マルテンサイト変態開始点が400℃以下の低変態温度溶接材料を用いて、前記溶接箇所の亀裂の成長方向に対して交差する方向に、肉盛溶接により溶接ビードを形成することを特徴とする溶接継手の製造方法。 - 複数の部材が溶接されて鋼構造物を構成する溶接継手であって、
前記部材同士が溶接された溶接箇所には通常溶接材料が使用されており、
溶接欠陥あるいは割れが発生しやすい溶接箇所、または既に亀裂が発生している溶接箇所、もしくは将来亀裂が発生すると予測される溶接箇所の表面に、マルテンサイト変態開始点が400℃以下の低変態温度溶接材料を用いて肉盛溶接された溶接ビードが、前記溶接箇所の亀裂の成長方向に対して交差する方向に設けられていることを特徴とする溶接継手。 - 前記部材として第1と第2の2枚の平板を備え、前記2枚の平板が互いの端面同士が通常溶接材料で突合せ溶接されて平板状をなしていると共に、
前記平板の面上に、肉盛溶接された前記溶接ビードが、前記突合せ溶接の溶接ビードに対して交差する方向に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の溶接継手。 - 断面T字状で、前記部材として、第1、第2および第3の3枚の平板を備え、
第1と第2の平板は端面で突合せ溶接されて平板状をなしており、
第3の平板は、第1と第2の平板がなす平板の一方の面上に前記面に対して垂直で、第1と第2の平板を跨ぎ、前記突合せ溶接の溶接ビードに対して垂直方向に隅肉溶接されており、
前記突合せ溶接の溶接ビードと前記第3の平板とを跨いで、肉盛溶接された前記溶接ビードが、前記隅肉溶接の溶接ビードに対して交差する方向に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の溶接継手。 - 第1の平板と第2の平板とが突き合わせ溶接されている第1部材と、
第3の平板と第4の平板とが突き合わせ溶接されている第2部材とを備え、
前記第1の部材に対して前記第1の部材の溶接ビードに直交する方向に、前記第2の部材が垂直に隅肉溶接されており、
前記隅肉溶接の溶接ビード上に、肉盛溶接された前記溶接ビードが、前記第1の平板および前記第2の平板同士の突合せ溶接の溶接ビードおよび前記第3の平板および前記第4の平板同士の突合せ溶接の溶接ビードに対して交差する方向に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の溶接継手。 - 円筒状で、前記部材として、外径および内径が同じ第1の円筒と第2の円筒の2個の円筒を備え、
前記2個の円筒は、側面に長手方向に沿って突合せ溶接された継ぎ目を有し、
前記継ぎ目の溶接ビードが合致しないようにして、前記第1の円筒と前記第2の円筒が端面で突合せ溶接されており、
前記端面における突合せ溶接の溶接ビードの外周面側に、肉盛溶接された前記溶接ビードが、前記継ぎ目の溶接の溶接ビートに対して交差する方向に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の溶接継手。 - 円筒状で、前記部材として、外径および内径が同じ第1の円筒と第2の円筒の2個の円筒を備え、
前記2個の円筒は、側面に長手方向に沿って突合せ溶接された継ぎ目を有し、
前記継ぎ目の溶接ビードが合致しないようにして、前記第1の円筒と前記第2の円筒が端面で突合せ溶接されており、
円筒の外周面側に、前記第1の円筒と前記第2の円筒の前記継ぎ目の溶接ビードとを跨いで、肉盛溶接された前記溶接ビードが前記端面の突合せ溶接の溶接ビードに対して交差する方向に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の溶接継手。 - 平板の一方の面上に前記面に対して垂直で、かつ前記平板の長手方向に梁が隅肉溶接された断面T字状の部材を2個備え、
2個の部材の端面同士で突合せ溶接され、
前記2個の部材は、前記端面で一方の部材が他方の部材に対して前記梁が設けられていない側に所定の角度で屈折しており、
前記梁が隅肉溶接されていない面上の前記梁の真裏の部分において、肉盛溶接された前記溶接ビードが、2枚の平板の突合せ溶接の溶接ビードに対して交差する方向に前記2枚の平板を跨いで設けられていることを特徴とする請求項9に記載の溶接継手。
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