JP3350726B2 - 溶接方法および溶接材料 - Google Patents

溶接方法および溶接材料

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JP3350726B2 JP35802397A JP35802397A JP3350726B2 JP 3350726 B2 JP3350726 B2 JP 3350726B2 JP 35802397 A JP35802397 A JP 35802397A JP 35802397 A JP35802397 A JP 35802397A JP 3350726 B2 JP3350726 B2 JP 3350726B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船舶や橋梁等のよ
うな大型構造物の製造に有用な溶接方法に係り、特に、
溶接材料を用いて溶接を行う際に溶接継手の疲労強度を
向上できる溶接方法および溶接材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】船舶,海洋構造物,ペンストック,橋梁
などにおいては、大型化とそれに伴う軽量化の目的から
使用鋼材の高強度化が求められている。これら構造物に
使用される材料としては、Cr,Ni,Mo等の各種合
金元素が3.0重量%未満のいわゆる低合金鉄鋼材料が
用いられ、これらの材料の引張強度レベルは30〜12
0kgf /mm2 である。
【0003】そして、前記高強度化への要望に対応し
て、低合金鉄鋼材料の中で高強度のものを用いる場合に
は、高強度鋼の疲労強度は、母材については当該母材の
材料強度の増加とともに上昇するが、溶接継手では材料
強度が増加しても疲労強度が向上しないといわれている
(溶接学会全国大会講演概要,NO. 52,1993,P
P.256−257参照)。
【0004】このため、従来、高強度鋼材の溶接継手の
疲労強度は低強度鋼のそれと同じであるため、隅肉溶接
等により接合した継手を採用する構造物では、高強度鋼
材を用いても設計強度を上げることができないという問
題があった。この高強度鋼材の溶接継手で疲労強度が向
上しない原因としては、引張残留応力が大きいことが挙
げられる(溶接学会論文集第13巻第3号PP.438−
443(1995)参照)。
【0005】なお、高強度鋼材の溶接継手では切欠き感
度が高いことも、疲労強度が向上しない原因ではある
が、これについては溶接施工方法の改善や、例えば、特
開平5−69128号公報に記載されているように、溶
接止端部をグラインダやロータリーカッタ等の研削工具
で滑らかに研削して止端半径を大きくすることによって
防止できる。
【0006】継手の溶接部に生じる引張残留応力は、溶
接後の溶接金属が冷却される際に熱収縮することに起因
する。図18は、低合金鋼の被溶接材に低合金鋼からな
る被溶接材料を用いて溶接した際の溶接後の冷却過程に
おける溶接金属の収縮状態を示す図である。溶接金属
は、溶接後に図18中の矢印の方向に熱収縮する。
【0007】ここで、温度低下するに従い従来の低合金
鋼からなる溶接材料を用いた場合、溶接金属は熱収縮し
て伸び(長さ)が小さくなるが、500℃付近で伸び
(長さ)が大きくなる領域が存在する。これは、500
℃付近にてマルテンサイト変態が生じ、このマルテンサ
イト変態にともなう溶接金属の膨張が発生するためであ
る。マルテンサイト変態が終了すると、再び熱収縮のみ
が起こり温度が下がるにつれて伸びが小さくなる。溶接
金属が凝固点から約600℃程度まで冷却される際に
は、溶接金属の降伏応力が低いので、塑性変形を伴いな
がら冷却され、そのため、収縮により生ずる引張残留応
力は、この塑性変形により緩和される。そして、約60
0℃以下で収縮すると、溶接金属の降伏応力が大きいた
めに、塑性変形が起こりにくく引張残留応力が導入され
ることとなる。
【0008】図18では、約500℃から約400℃ま
での冷却過程において、マルテンサイト変態により膨張
するので、この間では引張残留応力が緩和されるが、そ
の後室温までの熱収縮過程において引張残留応力が導入
されることとなる。
【0009】以上が、溶接部に引張残留応力が生ずる主
な理由であるが、例えば隅肉溶接のように接合される2
つの被溶接材の大きさが異なる場合、被溶接材の熱容量
の差に起因して、引張残留応力はさらに助長される。
【0010】図19(a)に示すような、T型継手を隅
肉溶接により作成する場合、図19(b)に示すよう
に、主板1と副板2とを長手方向4に沿って、矢印Aの
方向へと溶接施工を行う。この溶接施工中、主板1と副
板2の温度は、溶接部に与えられた熱により上昇してい
く。主板1と副板2とは大きさが異なる場合、主板1と
副板2とでは熱拡散の度合が異なってくる。副板2の方
が主板1に比べて体積が小さいため、この温度上昇量が
大きい。そのため、溶接施工中に生ずる熱膨張量は副板
の方が主板よりも大きくなる。したがって、溶接部(1)
を施工中に、これから溶接される溶接部(2) の部分で
は、主板1と副板2との間に熱膨張差が生じる。この熱
膨張差が生じた状態で溶接部(2) の溶接が行われるた
め、溶接部終了後の熱収縮過程で溶接部には引張残留応
力が発生する。
【0011】また、図20(a)(b)に示すような、
主板1に副板2を回し隅肉溶接する継手の場合、従来の
溶接施工手順は、図20(c)に示すように副板2の溶
接部断面3における長辺部(図20(c)中(1))→短
辺部(図20(c)中(2) )→(図20(c)中(3) )
の順に廻して行う。なお、図20(c)で示す施工で
は、副板2の溶接部断面3が大きいために、二つに分け
て回し溶接を実施している。そして、この場合も副板2
の方が主板1に比べて体積が小さいため、溶接時には副
板2の方が主板1に比べて温度上昇量が大きい。そのた
め、長辺部を溶接する際に、副板2の方が長手方向への
伸び量が大きくなり、溶接終了後の冷却過程において溶
接部に引張残留応力が発生する。
【0012】以上の主板と副板との間の熱膨張差に起因
した引張残留応力と、前述した溶接金属の熱収縮に伴う
引張残留応力が重畳した場合、この引張残留応力が降伏
強度程度まで上昇している場合がある。
【0013】このような溶接継手の引張残留応力を低減
する方法として、例えば、特開平4−21717号公報
に記載されているように、主板に副板を回し隅肉溶接に
て接合した後に、溶接止端部をショットピーニングやハ
ンマーピーニング等によって打撃することで圧縮応力を
付与して、溶接止端部の溶接時の引張残留応力を低減す
る方法が提案されている。
【0014】さらに、溶接部の残留応力軽減方法とし
て、特開昭54−130451号公報に記載された溶接
方法がある。この溶接方法は、溶接金属の少なくとも最
終層を、マルテンサイト変態開始温度が室温以下となる
オーステナイト系の鉄合金からなる溶接材料で溶接した
後、これを液体窒素を用い,例えば−60℃以下の温度
に冷却する方法である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開平4−21717号公報に記載されているような溶
接部(溶接継手)の疲労強度の向上方法では、溶接施工
後に特別な後工程を必要とし、当該溶接施工で通常,使
用されない機器及び作業を必要とする。このため、必ず
しも効率的でなく経済的な方法とはいえないという問題
がある。
【0016】また、上述の特開昭54−130451号
公報に記載の溶接方法においても、通常の溶接施工の後
に、液体窒素を用いて例えば−60℃以下の温度に冷却
する作業が必要であり、さらに、本願発明の主な適用対
象である極厚板の大型の溶接継手への適用を考えると、
液体窒素を使用して溶接部全体を−60℃等に冷却する
のは大変な作業である。
【0017】本発明は、このような問題点に着目してな
されたもので、通常の溶接後に止端処理や急冷処理を施
さなくても、溶接継手の疲労強度を向上できる溶接方法
及び溶接材料を提供することを課題としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のうち請求項1に記載の溶接方法は、溶接材
料を用いて構造物用の低合金鉄鋼材料を溶接する溶接方
法において、溶接により生成する溶接金属を、溶接後の
冷却過程でマルテンサイト変態を起こさせ、室温におい
て該マルテンサイト変態の開始時よりも膨張している状
態とすることを特徴とするものである。
【0019】鉄合金は先に述べたように、冷却過程にお
いて、マルテンサイト変態が生じると、マルテンサイト
変態開始からある程度温度が降下するまでの間に一旦膨
張する。本発明においては、溶接により生成する溶接金
属に、溶接後の冷却過程でマルテンサイト変態を起こさ
せ、しかも室温において該マルテンサイト変態の開始時
よりも膨張している状態とすることにより、冷却過程で
溶接金属に生じた引張残留応力を緩和する、あるいは、
引張残留応力に代えて圧縮残留応力を与えることができ
る。このため、通常の溶接継手の使用温度である室温に
おける溶接継手の疲労強度が向上する。
【0020】次に、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の溶接方法に対して、前記溶接材料としてマルテ
ンサイト変態開始温度が250℃未満170℃以上の鉄
合金を使用することを特徴とするものである。
【0021】図1に、本発明に係る溶接材料の変態特性
(図1中、実線)を従来の溶接材料の変態特性(図1
中、破線)と比較して示す。本発明においては、マルテ
ンサイト変態の開始温度が250℃未満170℃以上と
なる鉄合金を溶接材料として使用することで、溶接金属
のマルテンサイト変態による膨張量を大きくすることが
でき、且つ、該膨張量の大きな状態が室温付近となっ
て、溶接金属の冷却過程終了時には、当該金属がマルテ
ンサイト変態開始時よりも膨張している状態となる。こ
のため、当該膨張により圧縮残留応力が導入されて、溶
接金属の冷却過程で生じる引張残留応力が低減し、これ
によって溶接後の溶接継手の疲労強度が向上する。
【0022】なお、溶接金属のマルテンサイト変態開始
温度は被溶接材の化学組成と溶接材料の化学組成とに左
右されるが、本発明が対象とするのは被溶接材が低合金
鉄鋼材料の場合であるので、溶接材料のマルテンサイト
変態開始温度が250℃未満170℃以上となるように
溶接材料の化学組成を調整することにより、溶接金属の
マルテンサイト変態開始温度を250℃未満170℃以
上とすることが可能である。
【0023】ここで、マルテンサイト変態開始点の温度
を250℃未満としたのは、マルテンサイト変態開始温
度が高くなるほど当該変態による膨張量が小さく、且
つ、変態膨張の最大点が室温よりも高い温度となるた
め、その後の室温までの冷却過程で再度熱収縮が生じ、
これにより変態膨張の効果を充分に得ることができない
からである(上記図1中の破線参照)。
【0024】また、マルテンサイト変態開始温度を17
0℃以上としたのは、マルテンサイト変態開始温度が1
70℃未満ではマルテンサイト変態が開始しても冷却過
程終了までの変態膨張量が小さく、上記変態膨張の効果
を十分に得ることができないからである。
【0025】次に請求項3に記載した発明は、請求項1
または請求項2に記載した溶接方法に用いる溶接材料で
あって、C,Cr,Ni,Si,Mn,MoおよびNb
の含有量を下記(1)式を満たすように調整した鉄合金
であることを特徴とする溶接材料に係るものである。
【0026】 170 ≦ 719−795×C(重量%)−23.7×Cr(重量%) −26.5×Ni(重量%)−35.55×Si(重量%) −13.25×Mn(重量%)−23.7×Mo(重量%) −11.85Nb(重量%) <250 ・・・(1) 一般に鉄鋼材料のマルテンサイト変態開始温度(Ms
点)は化学組成の影響を受けることが知られている。村
田らは、溶接学会論文集、第9巻(1991)第1号
「応力緩和におよぼす合金元素および変態温度の影響」
において、Ms点と各種合金元素の含有量との関係につ
いて、 Ms(℃)=719−26.5×Nieq−23.7×Creq Nieq =30×C(重量%)+0.5×Mn(重量%) Creq =Cr(重量%)+Mo(重量%)+1.5×Si(重量%) +0.5×Nb(重量%) なる式を得ている。
【0027】前述のように、溶接継手の使用温度が室温
である場合、マルテンサイト変態開始温度が250℃未
満170℃以上の鉄合金を溶接材料として使用すること
で溶接金属のマルテンサイト変態による膨張量を大きく
することができ、且つ、該膨張量の大きな状態が室温付
近となって、溶接金属の冷却過程終了時には、当該溶接
金属がマルテンサイト変態開始時よりも膨張している状
態となる。このため、当該膨張により圧縮残留応力が導
入されて、溶接金属の冷却過程で生じる引張残留応力を
低減し、これによって溶接後の溶接継手の疲労強度が向
上する。したがって、上式によるMs点が250℃未満
170℃以上となるように鉄合金のC,Cr,Ni,S
i,Mn,MoおよびNbの含有量を調整することによ
り、溶接継手の疲労強度を向上させることが可能な溶接
材料を得ることができる。
【0028】次に、請求項4に記載された発明は、請求
項3に記載の溶接材料に対して、Cを0.10重量%以
下、Crを8.0〜13.0重量%、Niを5.0〜1
2.0重量%含有することを特徴とするものである。
【0029】ここで、Cの含有量は、溶接性を確保し、
マルテンサイトの硬さをさげるために少ない方が好まし
く、溶接割れを生じさせないためには0.1重量%以
下、好ましくは0.06重量%以下とするのが好まし
い。
【0030】また、上記マルテンサイト変態開始温度
は、C,Cr,Ni,Si,Mn,MoおよびNbの含
有量を調整することにより変化させることができるが、
これら元素のうちCrおよびNiは含有量を増加させて
も、製造工程における加工性にさほど影響を及ぼさない
ので、CrおよびNi含有量を増加させてマルテンサイ
ト変態開始温度を調整することが好ましい。
【0031】ここで、Crの含有量を8.0重量%以上
としたのは、8.0重量%未満であるとマルテンサイト
変態開始温度を250℃未満とするために、高価なNi
や、溶接材料の製造時の加工性を劣化させるその他の成
分を多量に含有させる必要がでてくるためである。ま
た、13.0重量%以下としたのは、13.0重量%を
超えると溶接金属の組織にフェライト組織が出現して好
ましくないからである。
【0032】また、Niの含有量を5.0〜12.0重
量%に規制したのは、5.0重量%未満ではマルテンサ
イト変態開始温度を250℃未満とするために溶接材料
の製造時の加工性を劣化させるその他の成分を多量に含
有させる必要が生じる。また、Niは高価な元素であり
多量に添加するのは経済的にも好ましくないので、Ni
含有量の上限値は12.0重量%とした。
【0033】なお、従来は、船舶、海洋構造物、ペンス
トック、橋梁等に用いられる厚鋼板の溶接継手を制作す
る際は、溶接材料としてNi含有量が3.0重量%未
満、Cr含有量が1.0重量%未満のものが用いられて
いた。
【0034】次に、請求項5に記載された発明は、請求
項4に記載した溶接材料に対して、Siを0.2〜1.
0重量%、Mnを0.4〜2.5重量%、Moを4.0
重量%以下、Nbを1.0重量%以下含有することを特
徴とするものである。
【0035】ここで、Siの含有量を0.2〜1.0重
量%としたのは、Siは脱酸材として添加されるため
0.2重量%は必要であり、1.0重量%を超えると溶
接材料製造工程における加工性が低下するためである。
【0036】同様に、Mnの含有量を0.4〜2.5重
量%としたのは、Mnは脱酸材として添加されるため
0.4重量%以上は必要であり、2.5重量%を超える
と溶接材料製造工程における加工性が低下するためであ
る。
【0037】また、Moは、溶接部に耐食性を持たせる
目的で添加することができるが、Moの含有量が4.0
重量%を超えると溶接材料製造工程における加工性が低
下するため、Moの含有量を4.0重量%以下とした。
【0038】また、Nbは、マルテンサイト変態開始温
度を低下させる効果があるために添加することができる
が、Nb含有量が1.0重量%を超えると、溶接材料製
造工程における加工性が低下するため、Nbの含有量は
1.0重量%以下とした。
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。本実施形態は、HT780MP
aクラスの高強度鋼の鋼板からなる主板1に、図2に示
すように、同一の高強度鋼材からなる副板であるリブ板
2を、回し隅肉溶接にて接合して溶接継手を形成するも
のである。
【0048】溶接材料としては、Cを0.025重量
%、Siを0.33重量%、Mnを0.70重量%、N
iを10.0重量%、Crを10.0重量%、Moを
0.13重量%を含有する鉄合金を使用する。この溶接
材料は、マルテンサイト変態開始点Msの温度が約19
0℃であり、図1中実線に示すようなマルテンサイト変
態特性を備える。
【0049】なお、Moを含有するのは耐食性を持たせ
るためであり、また、従来の溶接材料においては、上記
添加物のうちNi及びCrは添加されていないか、添加
されても、Ni含有量が3.0重量%未満、Cr含有量
が1.0重量%未満と微小量である。
【0050】そして、主板1表面の溶接部にリブ板2の
溶接部である端面を当接する前に、主板1側の溶接部及
びその近傍をバーナで加熱して予備加熱を与えた後、つ
まり主板1の溶接部のみを110℃に予熱した後に当該
主板1の溶接部にリブ板2を当接する。その後、上記溶
接材料を使用したガスシールドの半自動アーク溶接によ
る回し隅肉溶接を行って両者1,2を接合し溶接継手6
を作製する。
【0051】上記回し隅肉溶接の施工順序は、図3に示
すように、先ずリブ板2の溶接部断面3における長手方
向4で対向する端部3a,3b(図3中、(1) 及び(2)
)を溶接する。これによって、リブ板2の長手方向4
で対向する両端部分が主板1に固定された状態となる。
即ち、リブ板2の溶接部断面3における長手方向4の伸
びが主板1に拘束された状態となる。
【0052】次に、リブ板2の溶接部断面3における短
辺方向5で対向する部分、つまり長辺に沿って溶接を行
う(図3中、(3) 及び(4) )。これによって、主板1に
リブ板2が隅肉溶接によって接合されて溶接継手6が形
成される。
【0053】このとき、主として、上記長辺部分を溶接
する際の溶接線方向である上記長手方向4に熱膨張によ
る伸びを生じるが、リブ板2の溶接部断面3での長手方
向両端部分3a,3bは、先の溶接にて主板1に拘束さ
れることで、加熱時の伸びが抑えられる。このため、溶
接時の主板1とリブ板2の拘束の違いによる熱膨張差、
特に、リブ板2の溶接部断面3での長手方向4に生じる
熱膨張差が小さく抑えられる。
【0054】また、冷却過程において溶接金属は収縮す
るが、上述のように190℃まで冷却するとマルテンサ
イト変態を起こして膨張し最大に膨張した室温近傍で冷
却過程が終了する(図1参照)。この結果、溶接金属に
圧縮残留が付与され引張残留応力が低減する。
【0055】さらに、主板1の溶接部は予備加熱によっ
てリブ板2の溶接部よりも若干膨張させてから上記のよ
うな溶接を実施しているので、溶接部の温度の違いから
くる溶接時の熱膨張差が小さく抑えられて、これによっ
ても引張残留応力がさらに低減する。
【0056】これによって、溶接継手6において、一般
に生じる溶接止端近傍の引張残留応力が低減されるか又
は圧縮残留応力となる。この結果、溶接施工後の研削等
の特別な後処理を行わなくても溶接継手6の疲労強度が
向上する。
【0057】勿論、溶接施工後に従来のような研削等の
特別な後処理を実施して、切欠き感度も下げて更に溶接
継手6の疲労強度を向上させてもよい。ここで、上記実
施形態の溶接方法では、先ずリブ板2の溶接部断面3に
おける長手方向4で対向する端部3a,3b(図3中、
(1) 及び(2) )を溶接した後に、長辺に沿って溶接を行
う(図3中、(3) 及び(4) )が、このとき、先の端部3
a,3b(図3中、(1) 及び(2) )に施した溶接金属が
融点以下で且つマルテンサイト変態開始温度より高いう
ちに、長辺に沿った溶接を行うことが好ましい。
【0058】すなわち、(1) 及び(2) に施した溶接金属
が、マルテンサイト変態開始温度より低い温度まで冷却
され、圧縮残留応力が導入された後に、(3) 及び(4) 位
置の溶接を行うと、新たな溶接金属の熱によって、該新
たな溶接金属に接触した(1)又は(2) の端部(溶接部断
面の角度位置)の溶接金属に対し、拘束状態で再び加熱
が行われることで上記圧縮残留応力が緩和されてしま
う。このため、(1) 又は(2) の端部における上述の変態
膨張の効果が低減してしまう。これに対して、(1) 及び
(2) に施した溶接金属がマルテンサイト変態開始温度よ
り高い温度状態のうちに、(3) 及び(4) 位置の溶接を行
うことで、(1) 及び(2) の溶接金属が変態膨張が生じる
前に再加熱され、この結果、変態膨張による引張残留応
力の緩和の効果が有効に働くようになる。
【0059】また、全溶接金属がマルテンサイト変態開
始温度よりも高い温度であるうちに溶接施工を終了させ
ることが困難である場合は、溶接施工終了後に全溶接金
属をオーステナイト化温度まで加熱し、その後は冷却す
ることにより、マルテンサイト変態を全ての溶接金属に
ついて同時に開始させるようにしてもよい。
【0060】また、溶接材料の施工手順は、上記手順に
限定されない。例えば、図4に示すように、リブ板2の
溶接部断面3における長手方向4で対向する端部分3
a,3bのうち、対向する一対の角部を溶接した後に
(図4中、(1) 及び(2) )、他の対向する一対の角部を
溶接して(図4中、(3)(4))、主板1でリブ板2の長手
方向4の伸びを拘束した後に、残りの部分を溶接するよ
うにしてもよい(図4中、(5)(6))。
【0061】また、上記の発明の実施の形態において
は、主板1とリブ板2の溶接は、層を重ねず1層にて行
っているが、本発明における溶接材料の積層はこれに限
定されない。例えば、図5に示すように積層を3層とし
てもよい。図5(a)における、(1) 〜(18)は溶接積層
順を示す。この例では、リブ板2の溶接部断面3におけ
る長手方向4で対向する端部3a,3bのうち、対向す
る一対の角部の1層目の溶接を行った後に(図5(a)
中、(1) 及び(2) )、他の対向する一対の角部の1層目
を溶接して(図5(a)中、(3) 及び(4) )、主板1で
リブ板2の長手方向4の伸びを拘束する。その後に、長
手方向4に沿って3層の溶接を行う(図5(a)中、
(5)(6)(7) 及び(8)(9)(10))。最後に上記角部の2層目
及び3層目の溶接を行う(図5(a)中、(11)〜(1
8))。
【0062】ここで、最初にリブ板2の長手方向で対向
する端部を溶接して、リブ板2の長手方向の伸びを拘束
してあればよく、その後の溶接材料の積層順は特に限定
されない。
【0063】なお、図5(b)は、図5(a)中の断面
A−A’を示す図であり、上記3層の積層位置を示す図
である。この実施形態においては、1層目を積層し(図
5(b)中、(1) 及び(4) )、2層目は1層目の溶接部
に沿ってリブ板側に積層し(図5(b)中、(11)及び(1
2))、3層目を主板1に積層している(図5(b)中、
(13)及び(14))。
【0064】このように、積層を多層とする場合、図5
に示される例のように、最終層が主板1に接するように
することが好ましい。これは、最も疲労亀裂の発生し易
い主板1と溶接部の境界(溶接止端部)の圧縮残留応力
を最大にするためであり、この溶接部分が後続の積層に
よりオーステナイト化温度以下の温度範囲で加熱される
と、圧縮残留応力が減少するためである。
【0065】また、同様の理由、および、リブ板2の長
手方向の伸びが十分拘束された状態で溶接を行うため
に、リブ板2の長手方向で対向する端部が最後に凝固す
るように、該端部の最終層を一番最後に積層することが
好ましい。
【0066】また、溶接材料は、上記組成に限定され
ず、上記(1)式を満たす組成であれば、さらに望まし
くは,Cを0.10重量%以下好ましくは0.06重量
%以下、Crを8.0〜13.0重量%、Niを5.0
〜12.0重量%含有すると共にマルテンサイト若しく
はマルテンサイト及び残留オーステナイトの組織からな
る鉄合金であれば他の溶接金属であってもよい。
【0067】また、上記実施の形態では、主板1側の溶
接部にのみ予備加熱を行っているが、リブ板2側も溶接
割れを抑えるために予備加熱を行ってもよい。この場合
であっても、リブ板2の加熱時間を短くする等、加熱温
度を主板1側よりも低く抑えることが好ましい。
【0068】また、母材である主板1や副板の材質や隅
肉溶接の条件によっては、上述の全てを採用する必要は
ない。
【0069】なお、上記隅肉溶接による接合方法での施
工手順は、特に、副板であるリブ板2の溶接部断面3が
長方形状の場合に有効であるが、例えば、リブ板2の溶
接部断面3が正方形断面等であってもよい。正方形断面
の場合の施工手順は、図6に示すように、対角線上の角
部を溶接して(図6中(1) →(2) →(3) →(4) )、主板
1にリブ板2の角部を拘束した後に、残部((5)(6)(7)
(8))を溶接すればよい。このようにすることで、(5)
等の辺部を溶接する際の溶接線方向の伸びが主板1に拘
束されるようになる。
【0070】また、上記実施の形態では、主板1及び副
板であるリブ板2を高強度鋼材としたが、これに限定さ
れない。低強度鋼材等であってもよい。また、図7に示
すように、リブ板2の溶接部における縁端部に開先加工
を施すことが好ましい。図7は、図2および図3に示し
た主板1とリブ板2の回し隅肉溶接において、開先加工
を施す場合を示している。
【0071】この開先加工により、一か所に施すことが
できる溶接金属5の量が増加して、上述の変態膨張によ
る圧縮応力を大きくすることができる。さらに、図8に
示すように、リブ板2の溶接部における縁端部に開先加
工を施すと共に、主板1とリブ板2先端部との間に1m
m以上5mm以下の隙間δを開けた状態で溶接を行うこ
とが好ましい。
【0072】これにより、一か所に施すことができる溶
接金属5の量が更に増加して、上述の変態膨張による圧
縮応力を大きくすることができる。なお、本実施形態で
開先加工を併用しているが、必ずしも開先加工を施さな
くてもよい。主板1とリブ板2先端部との間に隙間を設
けるだけでも溶接金属5の量を増加できるからである。
【0073】次に、第2の実施形態について図面を参照
しつつ説明する。上記実施形態と同様な部材等について
は同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態は、
室温で用いられるT形継手を隅肉溶接にて作製する際に
本願発明を採用した例である。
【0074】即ち、図9に示すように、被溶接材である
主板1と副板2とをT形に位置させ、主板1と副板2の
溶接部に長手方向4に沿って溶接材料を盛っていく。こ
のとき、溶接材料として前述の実施形態の場合と同様
に、Cを0.025重量%、Siを0.33重量%、M
nを0.70重量%、Niを10.0重量%、Crを1
0.0重量%、Moを0.13重量%含有する鉄合金を
用いる。まず、(1) →(2) →(3) →(4) →・・・の順
に、溶接部について所定の間隔を開けて部分的に溶接材
料5aを施す。そして、副板2の板厚方向に対向する溶
接部についても同様に、(1)'→(2)'→(3)'→(4)'→・・
・というように所定の間隔を開けて部分的に溶接を行っ
ておく。これにより、副板2が主板1により拘束され
る。
【0075】次に、矢印O,P,Qの順で長手方向4に
沿った溶接材料5bを施す。また、副板2の板厚方向に
対向する溶接部についても同様に、矢印O’,P’,
Q’の順で長手方向4に沿った溶接を行っていく。この
時、溶接による熱により、副板2が主板1よりも温度が
高くなるが、副板2と主板1が予め部分的に溶接されて
いる( (1)〜(4) ・・・および(1)'〜(4)'・・・)の
で、副板2の被溶接部と主板1の被溶接部との熱膨張差
が拘束される。したがって、溶接終了後の冷却過程にお
ける、主板1と副板2の収縮量の違いにより導入される
引張残留応力が小さくできる。
【0076】また、溶接材料として、Cを0.025重
量%、Siを0.33重量%、Mnを0.70重量%、
Niを10.0重量%、Crを10.0重量%、Moを
0.13重量%含有する鉄合金を用いているので、該溶
接金属が溶接後に190℃まで冷却されるとマルテンサ
イト変態が生じ、これによりマルテンサイト変態開始温
度から室温までの冷却過程で溶接金属が膨張する。その
ため、溶接金属が収縮することにより導入される引張残
留応力を緩和、あるいは、圧縮残留応力を与えることが
できる。
【0077】なお、溶接施工前((1) の溶接を行う前)
に副板2の被溶接部の温度が主板1の被溶接部の温度よ
りも高くなるように予備加熱しておくことが好ましい。
これにより、溶接施工中の主板1と副板2の温度差を小
さくすることができ、熱膨張差に起因する引張残留応力
の発生を低減でき、溶接施工後に導入される圧縮残留応
力を大きくできる。
【0078】また、溶接部に施した全溶接材料がマルテ
ンサイト変態開始温度より高いうち、溶接施工を終了さ
せることが好ましい。これは、先に施した溶接金属が、
マルテンサイト変態開始温度より低い温度まで冷却され
て、圧縮応力が導入された後に次の溶接を行うと、新た
な溶接金属の熱によって、該新たな溶接金属に接触した
先に溶接した部分が加熱されることにより、上記圧縮残
留応力が緩和されてしまい、先に溶接した部分の変態膨
張の効果が低減してしまうためである。
【0079】なお、母材である主板1や副板の材質や隅
肉溶接の条件によっては、上述の全てを採用する必要は
ない。
【0080】次に、第3の実施形態について図面を参照
しつつ説明する。上記実施形態と同様な部材については
同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態は、突
合せ溶接に本願発明を採用した例である。
【0081】即ち、図10に示すように、被溶接材であ
る極厚板10,11の端部同士を所定間隔を開けて対向
させ、その隙間に対し、多くの層を重ねるようにして溶
接を行ったものである。
【0082】なお、極板厚であるので、板厚中央を境と
して板厚方向両側から、個別に溶接金属を重ねている。
即ち、板の両面に最終層20が位置する。この溶接に使
用されている溶接金属としては、上記第1の実施形態に
示した溶接材料を使用する。即ち、冷却過程で、室温付
近でマルテンサイト変態膨張が最大となる溶接材料を使
用する。
【0083】これによって、溶接金属に生じる熱収縮に
よる引張残留応力が変態膨張によって緩和される。この
場合に、先に置かれた溶接金属がマルテンサイト変態開
始温度以上のうちに次の溶接を重ねることが好ましい。
このようにすることで、先に置かれた溶接金属の変態膨
張による残留応力緩和効果を有効に作用させることが可
能となる。
【0084】このとき、図11に示すように、最終層2
0(図11中、ハッチング部分)の溶接に対してのみ上
記第1の実施形態に示した溶接材料を使用し、それ以外
の層の溶接には、従来の溶接材料を使用して溶接を行っ
てもよい。
【0085】この場合には、上記の場合と比べると劣る
ものの、一般に溶接方向(板厚方向)に直交する方向の
残留応力が最大となる最終層直下近傍の残留応力が変態
膨張の効果によって緩和されて継手強度が向上する。
【0086】なお、本発明に基づく第2の実施形態で示
した溶接方法は、上記実施形態に限定されない。例え
ば、図12に示されるように、副板2がパイプ形状であ
る場合にも適用できる。この場合、同図(a)(b)に
示すように上記第1の実施形態に示した溶接材料を用い
て、溶接施工は矢印Nに示すように1回にて行うように
してもよいし、同図(c)(d)に示すように溶接材料
として従来の溶接材料を用い、溶接施工手順について
は、所定の間隔を置いて部分的に溶接金属5aを施した
後に(図12(c)中、(1) 〜(4) )、矢印O,P,
Q,Rの順で残部の溶接金属5bの溶接を行うようにし
てもよい。また、上記第1の実施形態に示した溶接材料
を用いて、図12(c)(d)の溶接施工手順を採用す
ればより効果的である。
【0087】同様に、図13〜図15にそれぞれ示され
る、十字溶接継手、四面組立ボックス構造の溶接継手、
溶接H形鋼を作製する場合にも本発明は有効である。図
13(a)(b)や図14(a)、図15(a)のそれ
ぞれに示すように、上記第1の実施形態に示した溶接材
料を用いて溶接継手を作成してもよいし、また、従来の
溶接材料を用いて、図13(c)(d)や図14
(b)、図15(b)のそれぞれに示すように、予め部
分的に溶接金属5aを施した後に、残部に溶接金属5b
を施すようにしてもよい。なお、図13(c)(d)や
図14(b)、図15(b)のそれぞれに示す溶接施工
手順を実施する際に、上記第1の実施形態に示した溶接
材料を用いればより効果的である。
【0088】また、上記第1の実施形態で示した溶接材
料による溶接は、アーク溶接に限定されず、図16に示
すような溶接継手を形成するためのエレクトロスラグ溶
接に適用することもできる。
【0089】また、上記第1の実施形態で示した溶接材
料は、鉄鋼材料に疲労亀裂が発見された場合等に、該疲
労亀裂部を溶接にて再接合したり、母材の欠陥部を肉盛
り溶接する場合等の補修溶接を行う際の溶接材料として
適用することもできる。
【0090】
【実施例】上記実施形態の方法により形成した溶接継手
の疲労強度の向上を確認すべく、次のようなことを行っ
た。
【0091】れぞれ板厚20mmのHT780MPa
の鋼板からなる主板1とリブ板2(副板)とを接合して
溶接継手を作製した。ここで、主板1とリブ板2の寸法
は、図20(a)(b)に示すものであり、主板1の両
面にリブ板2を溶接する。
【0092】このとき、溶接継手としては、図20
(a)(b)に示す継手形式の他、後述の表2中に示す
ように、図7,図8,図10,図11,図13,図19
(a)の継手形式によっても実施している。
【0093】ここで、使用する溶接材料は、下記表1の
ものを使用する。溶接材料A,B,C、D,E及びF
は、請求項3〜請求項5のいずれかに記載される本発明
に基づく溶接材料であり、溶接材料Lは、従来使用され
ている溶接材料である。また、溶接材料G,H,I,J
及びKは各種元素の含有量が(1)式を満たしてない、
即ち、請求項3,4及び5のいずれに記載の本発明に係
る溶接材料の限定範囲も満たしていない比較例である。
また、表中数値の単位は重量%であり残部は鉄及び不可
避的元素である。
【0094】
【表1】
【0095】そして、下記表2に示す組合せで溶接継手
をそれぞれ形成して、室温大気中で片振疲労試験を実施
した。疲労試験結果は、破断寿命が2×106 回に対応
する疲労強度で示してある。
【0096】
【表2】
【0097】この表のうち、継手NO. 1〜12の、回し
隅肉溶接により作製した溶接継手に着目すると、溶接材
料として、マルテンサイト変態開始温度が170℃〜2
50℃の範囲内にある溶接材料A〜Fを用いることによ
り(継手NO. 1〜6)、従来の溶接材料Lを用いた場合
(継手NO. 12)よりも疲労強度が向上していることが
わかる。また、継手NO. 7〜11のように、溶接材料と
してNiやCrを含有したものを用いても、溶接材料が
請求項3,4及び5に記載の本発明のいずれの範囲から
も外れたものである場合には、疲労強度が向上しないこ
とがわかる。継手NO. 7,8,10及び11に示すよう
に、溶接材料G,H,J及びKを使用した場合、表1か
らわかるようにマルテンサイト変態開始温度Ms点が2
50℃以上であるため、マルテンサイト変態後の冷却過
程において溶接金属が収縮して疲労強度が向上しないこ
とがわかる。また、継手NO. 9のように、溶接材料Iを
使用した場合は、マルテンサイト変態開始温度Ms点が
室温よりも低いため、溶接後、使用温度である室温まで
の冷却過程において溶接材料のマルテンサイト変態が生
じないため大きな引張残留応力が生じてしまうためであ
る。
【0098】また、上記表1及び表2に基づき、溶接材
料のマルテンサイト変態開始点Msと疲労強度との関係
を求めて見ると図17に示すような結果になった。この
図17から次のようなことが分かる。
【0099】即ち、溶接材料以外を従来の溶接方法を使
用した溶接継手NO. 1〜12に着目すると、一点鎖線で
示すような関係があり、マルテンサイト変態開始点Ms
が250℃以下である本願発明に基づく溶接材料を使用
することで、有効に疲労強度が向上していることが分か
る。
【0100】また、溶接継手NO. 12及び14に着目す
れば、溶接の施工手順を変えるだけでも有効に疲労強度
が向上していることが分かる。さらに、溶接継手NO. 1
3及び15に着目すれば、主板1のみを予備加熱するこ
とにより有効に疲労強度が向上していることが分かる。
また、溶接継手NO. 29及び31の比較においても、主
板1のみを予備加熱することにより有効に疲労強度が向
上していることが分かる。
【0101】さらに、溶接継手NO. 16及び17に着目
すれば、主板1のみの予備加熱と溶接の施工手順とを
記実施形態に基づく方法を採用すると共に溶接材料につ
いても上記実施形態に基づくものを使用すると、大幅に
疲労強度が向上していることが分かる。
【0102】また、溶接継手NO. 16及び20に着目す
れば、開先加工を行うことで更に疲労強度が向上するこ
とが分かる。
【0103】また、溶接継手NO. 12及び21に着目す
れば、大幅に疲労強度が向上していることが分かる。
【0104】また、溶接継手NO. 16及び22、又は溶
接継手NO. 19及び23に着目すれば、隙間を開けた状
態で溶接を行うことを加えるだけで、更に疲労強度が向
上することが分かる。
【0105】また、溶接継手NO. 20及び24に着目す
れば、開先加工と隙間を開けた状態で溶接を行うことを
併用すると、更に疲労強度が向上していることが分か
る。このとき、溶接継手NO. 25に着目すると、リブ板
の溶接割れを防止するために該リブ板側に予熱を加えて
も、溶接継手NO. 20と同程度の疲労強度が得られるこ
とが分かる。
【0106】さらに、溶接継手NO. 28に着目すると、
この溶接方法は、施工した全溶接金属がマルテンサイト
変態開始温度以上の状態で全ての溶接施工を終了させた
場合であるが、施工完了時の全溶接金属がマルテンサイ
ト変態開始温度以上となるように調整すると、上記溶接
継手NO. 24に比べて更に疲労強度が向上していること
が分かる。
【0107】また、溶接継手NO. 46に着目すると、溶
接施工後に溶接部全体をオーステナイト化温度よりも高
い温度である720℃に加熱してから冷却することによ
り、さらに疲労強度が向上することが分かる。
【0108】また、溶接継手NO. 23及び26に着目す
れば、主板とリブ板との間の隙間を5mmに設定し、さ
らに開先加工を施すと、疲労強度が向上していることが
分かる。
【0109】また、溶接継手NO. 27は、主板とリブ板
との間の隙間を7mmとしているが、溶接継手NO. 26
の主板とリブ板との間の隙間が5mmの場合と比べてさ
ほど疲労強度は向上していない。
【0110】また、溶接継手NO. 29〜33は、回し隅
肉溶接において、図5に示す如く3層の溶接を行う場合
に本発明を適用した例である。また、溶接継手NO. 34
は、図20(b)の (1)〜(6) の溶接施工順を3回繰り
返すことにより3層の積層を行った場合の例である。
【0111】溶接継手NO. 34と溶接継手NO. 31に着
目すると、図5に示す溶接施工手順を採用することによ
り疲労強度が向上していることがわかる。また、溶接継
手NO. 29〜31に着目すると、溶接材料として溶接材
料Aを用いることによりさらに疲労強度が向上すること
がわかる。さらに、溶接継手NO.33に着目すると、主
板とリブ板との隙間を2mmに設定するとともに、開先
加工を施すことにより、大幅に疲労強度が向上すること
がわかる。
【0112】また、継手NO. 35〜38は、T形継手に
上記実施形態を適用した例である。溶接継手NO. 37に
着目すると、図9に示す溶接施工手順を採用することに
より、T形継手についての従来例である溶接継手NO. 3
9に比較して疲労強度が向上していることがわかる。
【0113】また、溶接継手NO. 36および35に着目
すると、溶接材料として本願発明に基づく溶接材料Aを
用いること、および、予熱を主板のみとすることにより
さらに疲労強度が向上することがわかる。
【0114】また、溶接継手NO. 40〜42から分かる
ように、突合せ溶接に採用した場合に大幅に疲労強度が
向上することが分かる。このとき、溶接継手NO. 41と
42に着目すると、最終層のみ本願発明に基づく溶接方
法で実施するだけでも有効であることが分かる。
【0115】また、溶接継手NO. 43及び45から分か
るように、十字継手に本願に基づく隅肉溶接による溶接
方法を採用しても、大幅に疲労強度が向上していること
が分かる。
【0116】また、図20(a)(b)に示される溶接
継手を、溶接材料Lを用いて、図20(c)の施工手順
にて作製し、120MPaの応力にて片振り引張疲労試
験を実施し、長手方向で対向する溶接止端部に疲労亀裂
が発生するのを目視にて確認できたと同時に試験を中断
した。その後に、前記長手方向で対向する両溶接止端部
を溶接材料A及びLを用いて肉盛りによる補修溶接を行
って、再疲労試験を行った。
【0117】その結果、肉盛り補修溶接後の200万回
の疲労強度は、補修溶接に溶接材料Aを用いた場合は1
70MPaであり、補修溶接に溶接材料Lを用いた場合
は82MPaであった。
【0118】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の溶接
方法では、溶接施工後に研削等の後工程(特別な止端処
理)や冷却処理を施さなくても、マルテンサイト変態膨
張を有効に利用して、形成された後の溶接継手の疲労強
度を向上させることができるという効果がある。
【0119】このとき、請求項1から請求項5のいずれ
かの発明を採用することで、溶接材料を特定するだけで
通常の溶接を実施しても溶接継手の疲労強度を向上でき
るという効果がある。
【0120】
【0121】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る溶接材料(実線)及
び従来の溶接材料(破線)の変態特性を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る主板にリブ板を溶接
した状態を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る溶接方法の施工手順
を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る溶接方法の施工手順
の別の例を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る溶接方法の施工手順
の別の例を説明する図であり、(a)は平面図を、
(b)はそのA−A′断面図を表している。
【図6】本発明の実施の形態に係る溶接方法の施工手順
の別の例を説明する図である。
【図7】実施例に係る試験片の形状及び接合を示す側面
図を表している。
【図8】本発明の実施の形態に係る開先加工と間隙とを
設けた場合の例を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る主板と副板とをT形
に接合する例を説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る突合せ溶接に対
し、本発明を適用した例を説明する図であり、(a)は
平面図を、(b)は側面図をそれぞれ表している。
【図11】本発明の実施の形態に係る突合せ溶接に対
し、本発明を適用した別の例を説明する図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る副板がパイプ形状
の場合を説明する図であり、(a)は、その平面図、
(b)はその側面図、(c)は、その平面図、(d)は
その側面図をそれぞれ示している。
【図13】十字継手に適用した例を示す図であり、
(a)は平面図を、(b)は側面図を(c)は平面図
を、(d)は側面図をそれぞれ表している。
【図14】四面組立ボックス構造に適用した図であり、
(a)はその溶接の一例であり、(b)はその溶接の別
例である。
【図15】溶接H形鋼に適用した図であり、(a)はそ
の溶接の一例であり、(b)はその溶接の別例である。
【図16】エレクトロスラグ溶接に適用した図である。
【図17】マルテンサイト変態開始点の温度と疲労強度
との関係を表す図である。
【図18】溶接後の冷却過程における溶接金属の収縮状
態を示す図である。
【図19】T型継手を隅肉溶接により作成する場合を説
明する図であり、(a)はその斜視図であり、(b)も
その斜視図である。
【図20】溶接方法の施工を説明する図であり、(a)
はその平面図、(b)はその側面図、(c)は、従来の
溶接方法の施工手順を説明する図である。
【符号の説明】
Ms マルテンサイト変態開始点 1 主板 2 リブ板(副板) 3 溶接部断面 3a,3b 長手方向で対向する端部 4 長手方向 5 短辺方向 6 溶接継手 (1) 〜(18) 施工手順
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C22C 38/00 302 C22C 38/00 302Z 38/48 38/48 B23K 103:04 B23K 103:04 (72)発明者 志賀 千晃 茨城県つくば市千現1丁目2番1号 科 学技術庁金属材料技術研究所内 (72)発明者 西島 敏 茨城県つくば市千現1丁目2番1号 科 学技術庁金属材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平9−67643(JP,A) 特開 昭54−130451(JP,A) 社団法人日本鉄鋼協会 高強度鋼板の 疲労強度向上研究部会,溶接用鋼の疲労 強度向上に関する基礎検討,日本,社団 法人日本鉄鋼協会,1995年11月15日,P 11,15,79.82−86,98−99,151−154 村田博隆 外2名,溶接残留応力にお よぼす相変態の影響〜変態超塑性による 応力緩和(第7報)〜,溶接学会全国大 会講演概要 第51集,日本,社団法人溶 接学会,1992年 9月 1日,P278− 279 村田博隆 外2名,応力緩和におよぼ す合金元素および変態温度の影響−変態 超塑性による応力緩和(第2報)−,溶 接学会論文集,日本,社団法人溶接協 会,1991年 3月11日,第9巻,第1 号,P160−167,特許庁資料館平成3年 3月11日受入 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 31/00 B23K 9/23 - 9/235

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接材料を用いて構造物用の低合金鉄鋼
    材料を溶接する溶接方法において、溶接により生成する
    溶接金属を、溶接後の冷却過程でマルテンサイト変態を
    起こさせ、室温において該マルテンサイト変態の開始時
    よりも膨張している状態とすることを特徴とする溶接方
    法。
  2. 【請求項2】 前記溶接材料としてマルテンサイト変態
    開始温度が250℃未満170℃以上の鉄合金を使用す
    ることを特徴とする請求項1に記載した溶接方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載した溶接
    方法に用いる溶接材料であって、C,Cr,Ni,S
    i,Mn,MoおよびNbの含有量を下記(1)式を満
    たすように調整した鉄合金であることを特徴とする溶接
    材料。170≦719−795×C(重量%)−23.
    7×Cr(重量%)−26.5×Ni(重量%)−3
    5.55×Si(重量%)−13.25×Mn(重量
    %)−23.7×Mo(重量%)−11.85Nb(重
    量%)<250・・・(1)
  4. 【請求項4】 Cを0.10重量%以下、Crを8.0
    〜13.0重量%、Niを5.0〜12.0重量%含有
    することを特徴とする請求項3に記載された溶接材料。
  5. 【請求項5】 Siを0.2〜1.0重量%、Mnを
    0.4〜2.5重量%、Moを4.0重量%以下、Nb
    を1.0重量%以下含有することを特徴とする請求項4
    に記載された溶接材料。
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