JP2016007195A - 作業車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】GNSSモジュールを備えて機体の測位データを出力する測位ユニットを備える。旋回して隣接する走行経路L02に進入した状態において、機体が走行経路L02から離れた位置に位置していると、走行経路L02の位置を機体の位置に補正する補正部を備える。機体が走行経路L02に沿って走行するように、ステアリング装置を自動的に操作する自動操向部を備える。
【選択図】図8
Description
従って、基準走行経路及び走行経路を作業行程の走行経路とすることにより、作業行程の走行経路に沿って機体を自動的に走行させることができる。これにより、運転者への負荷が軽減されるのであり、例えば作業行程の途中で苗のせ台に苗を補給する必要が生じた場合、機体を一時停止させずに走行させながら運転者は苗のせ台への苗の補給を行うことができる。
これによって、特許文献1に開示されているように、基準走行経路の横側に所定間隔を置いて基準走行経路に沿った走行経路が設定された場合、測位データ等に誤差が生じていると、走行経路の位置に調整を施す必要の生じることがある。
(構成)
本発明の第1特徴は、作業車において次のように構成することにある。
GNSSモジュールを備えて機体の測位データを出力する測位ユニットと、
第1所定位置及び第2所定位置を結んだ基準走行経路を設定する第1設定部と、
前記基準走行経路の横側に所定間隔を置いて前記基準走行経路に沿った走行経路を設定する第2設定部とを備え、
前記基準走行経路に沿っての走行を終了し旋回して隣接する前記走行経路に進入した状態、及び、一つの前記走行経路に沿っての走行を終了し旋回して隣接する前記走行経路に進入した状態において、機体が前記走行経路から離れた位置に位置していると、前記走行経路の位置を機体の位置に補正する補正部と、
機体が前記走行経路に沿って走行するように、ステアリング装置を自動的に操作する自動操向部とを備えている。
[I]−1
本発明の第1特徴によると、基準走行経路(走行経路)を終了し旋回して隣接する走行経路に進入する場合、運転者が機体の位置、基準走行経路(走行経路)を目視しながら機体を操縦し旋回して、機体を隣接する走行経路に進入させることがあり、運転者は、基準走行経路(走行経路)に対して機体を適切な位置に位置させる(基準走行経路(走行経路)の作業幅と隣接する走行経路の作業幅とが重複しないように、且つ、基準走行経路(走行経路)の作業幅と隣接する走行経路の作業幅とが離れすぎないようにする)。
以上のように、機体を隣接する走行経路に進入させる場合、機体を適切な位置に位置させることにより、走行経路の位置の調整が自動的に行われるので、手動のダイヤルスイッチ等を操作して走行経路の位置を調整する必要がなく、走行経路の位置の調整を容易に行うことができる。
機体を隣接する走行経路に進入させる場合、機体が走行経路から離れた位置に位置している状態で走行経路の位置の調整が行われないと、この後に機体が走行経路に戻るように機体の向きが大きく修正されることがあり、作業行程の乱れや乗り心地の悪化を招くことがある。
従って、この後に機体は走行経路に位置した状態から走行経路に沿って走行しようとするので、機体が走行経路に戻るように機体の向きが大きく修正されることはなく、作業行程の乱れや乗り心地の悪化を招くことはない。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の作業車において次のように構成することにある。
作業地の地図データを格納する情報格納部を備えている。
[II]−1
前項[I]に記載のように、GNSSモジュールを備えて機体の測位データを出力する測位ユニットだけであると、第1所定位置及び第2所定位置を結んだ基準走行経路を設定する場合、運転者が機体を操縦して第1所定位置から第2所定位置まで走行させて、測位データを蓄積して基準走行経路を設定したり(ティーチング)、別の装置等により蓄積された基準走行経路の測位データを入力したりすることになる。
前項[II]−1に記載の状態に対して、本発明の第2特徴によると、作業地の地図データを格納する情報格納部を備えているので、前項[II]−1に記載のような操作を行わなくても、地図データに基づいて第1及び第2所定位置を設定することができるのであり、基準走行経路を容易に設定することができる。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の作業車において次のように構成することにある。
機体に備えられた作業装置に動力を伝達及び遮断自在な作業クラッチを備えて、
前記基準走行経路に沿っての走行を終了し旋回して隣接する前記走行経路に進入した状態、及び、一つの前記走行経路に沿っての走行を終了し旋回して隣接する前記走行経路に進入した状態において、
前記作業クラッチが伝動状態に操作されると、機体の位置と前記走行経路との差を検出して、機体が前記走行経路から離れた位置に位置していると、前記走行経路の位置を機体の位置に補正するように、前記補正部が構成されている。
[III]−1
前項[I]に記載のように、機体を隣接する走行経路に進入させる際において、運転者が基準走行経路(走行経路)に対して機体を適切な位置に位置させる場合、機体を隣接する走行経路に進入させながら機体の向きの修正を行って、機体を適切な位置に位置させることがあり、この後に作業装置を作動させて(作業クラッチを伝動状態に操作して)、作業を開始することがある。
前項[III]−1に記載の状態において、本発明の第3特徴によれば、機体を隣接する走行経路に進入させると直ぐに走行経路の位置が機体の位置に補正されるのではなく、この後に作業クラッチが伝動状態に操作されると、走行経路の位置が機体の位置に補正される。
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第3特徴の作業車において次のように構成することにある。
前記作業クラッチが伝動状態に操作されると前記自動操向部が作動状態となり、前記作業クラッチが遮断状態に操作されると前記自動操向部が停止状態となるように、前記自動操向部が構成されている。
[IV]−1
前項[I]に記載のように、基準走行経路(走行経路)を終了し旋回して隣接する走行経路に進入する場合、作業装置を停止させて(作業クラッチを遮断状態に操作して)、旋回を行う。
本発明の第4特徴によると、基準走行経路(走行経路)を終了し旋回して隣接する走行経路に進入する場合、作業クラッチが遮断状態に操作されるのに伴って自動操向部が自動的に停止状態となるので、運転者は自動操向部の干渉を受けることなくステアリング装置を操作することができるのであり、基準走行経路(走行経路)に対して、機体を無理なく適切な位置に位置させることができる。
この場合、自動操向部を手動で停止状態に操作する必要がなく、操作性の面で良好なものとなる。
本発明の第4特徴によれば、機体を隣接する走行経路に進入させて、この後に作業クラッチが伝動状態に操作されると、走行経路の位置が機体の位置に補正され、これに加えて自動操向部が自動的に作動状態となるのであり、機体が走行経路に沿って自動的に走行する。
これにより、自動操向部を手動で作動状態に操作する必要がなく、操作性の面で良好なものとなる。
(構成)
本発明の第5特徴は、本発明の第1又は第2特徴の作業車において次のように構成することにある。
前記自動操向部を人為的に作動及び停止させる手動操作具を備えて、
前記基準走行経路に沿っての走行を終了し旋回して隣接する前記走行経路に進入した状態、及び、一つの前記走行経路に沿っての走行を終了し旋回して隣接する前記走行経路に進入した状態において、
前記手動操作具が操作されて前記自動操向部が作動状態になると、機体の位置と前記走行経路との差を検出して、機体が前記走行経路から離れた位置に位置していると、前記走行経路の位置を機体の位置に補正するように、前記補正部が構成されている。
[V]−1
前項[I]に記載のように、機体を隣接する走行経路に進入させる際において、運転者が基準走行経路(走行経路)に対して機体を適切な位置に位置させる場合、機体を隣接する走行経路に進入させながら機体の向きの修正を行って、機体を適切な位置に位置させてから、作業を開始することがある。
前項[V]−1に記載の状態において、本発明の第5特徴によると、手動操作具により自動操向部を停止状態に操作して、旋回を行えばよい。
これにより、基準走行経路(走行経路)を終了し旋回して隣接する走行経路に進入する場合、自動操向部を停止状態とすることができるので、運転者は自動操向部の干渉を受けることなくステアリング装置を操作することができるのであり、基準走行経路(走行経路)に対して、機体を無理なく適切な位置に位置させることができる。
本発明の第5特徴によれば、機体を隣接する走行経路に進入させると、直ぐに走行経路の位置が機体の位置に補正されるのではなく、この後に運転者が手動操作具を操作して自動操向部を作動状態に操作すると、走行経路の位置が機体の位置に補正される。
これにより、機体を隣接する走行経路に進入させる際において、機体を隣接する走行経路に進入させながら機体の向きの修正を行うことができるのであり、機体の向きの修正を行って機体を十分に適切な位置に位置させてから、運転者が手動操作具を操作して自動操向部を作動状態に操作することにより、走行経路の位置が機体の位置に補正されるようにすることができて、走行経路の位置の調整の精度を高めることができる。
(構成)
本発明の第6特徴は、本発明の第4又は第5特徴の作業車において次のように構成することにある。
機体と前記基準走行経路又は前記走行経路とを表示する表示装置を備え、
前記自動操向部が停止状態になると前記表示装置が表示状態となり、前記自動操向部が作動状態になると前記表示装置が非表示状態になるように、前記表示装置が構成されている。
[VI]−1
本発明の第6特徴によると、機体と基準走行経路(走行経路)とを表示する表示装置を備えており、自動操向部が停止状態であると、機体と基準走行経路(走行経路)とが表示装置に表示される。
前項[III][IV]に記載の状態において、例えば走行経路を終了し旋回して隣接する次の走行経路に進入する場合、作業装置を停止させると(作業クラッチを遮断状態に操作すると)、自動操向部が自動的に停止状態となる。
これにより、自動操向部の停止状態において運転者がステアリング装置を操作して旋回を行う場合、機体と走行経路とが表示装置に表示されると、運転者は表示装置を目視することにより機体と走行経路との位置関係を把握しながら、走行経路に対して機体を無理なく適切な位置に位置させることができる。
本発明の第6特徴によると、自動操向部が作動状態であると、機体と基準走行経路(走行経路)とが表示装置に表示されない。
これにより、機体が走行経路に沿って自動的に走行する状態(自動操向部の作動状態)において、運転者は機体と基準走行経路(走行経路)との表示を目視することにより不安を感じるような状態になることはなく、作業に専念することができる。
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2を備えた機体の後部に、リンク機構3及びリンク機構3を昇降させる油圧シリンダ4が備えられており、リンク機構3の後部に苗植付装置5(作業装置に相当)が支持されて、作業車の一例である乗用型田植機が構成されている。
図1に示すように、機体の前部の右及び左側部に右及び左の支柱29が連結されて、右及び左の支柱29の上部に亘って横向きのフレーム30が連結されており、右及び左の支柱29に補強のフレーム31が連結されている。複数段の予備苗のせ台32が右及び左の支柱29に外向きに連結されている。
次に施肥装置17及び整地装置35について説明する。
図1に示すように、運転座席11の後側に繰り出し部12及びホッパー13が備えられて、運転座席に下側にブロア14が備えられており、フロート9に備えられた作溝器15と繰り出し部12とに亘ってホース16が接続されて、施肥装置17が構成されている。これにより、ホッパー13に貯留された肥料が繰り出し部12により繰り出されて、ブロア14の搬送風によりホース16から作溝器15に供給され、作溝器15により田面Gに形成された溝に供給される。
整地装置35を昇降する電動モータ36が、苗植付装置5に備えられている。昇降モータ36により整地装置35を、田面Gに接地した作動位置、及び田面Gより上方に位置して田面Gに接地しない停止位置に昇降する。
静油圧式無段変速装置と副変速装置との間から分岐した動力が、植付クラッチ26(作業クラッチに相当)を介して苗植付装置5に伝達され、苗植付装置5から整地装置35に伝達される。
静油圧式無段変速装置と副変速装置との間から分岐した動力が、施肥クラッチ27を介して繰り出し部12に伝達されており、植付及び施肥クラッチ26,27を伝動及び遮断状態に操作する電動モータ28が備えられている。
植付クラッチ26が遮断状態に操作されると、苗植付装置5において苗のせ台10及び回転ケース7が停止するのであり、整地装置35において整地ロータ34が停止する。
次に、苗植付装置5の自動昇降制御部40について説明する。
図2に示すように、自動昇降制御部40が制御装置23にソフトウェアとして備えられている。苗植付装置5の横軸芯P1周りに中央のフロート9の後部が上下に揺動自在に支持されて、苗植付装置5に対する中央のフロート9の高さを検出するポテンショメータ22が備えられており、ポテンショメータ22の検出値が制御装置23に入力されている。機体の進行に伴って中央のフロート9が田面Gに接地追従するのであり、ポテンショメータ22の検出値により苗植付装置5に対する中央のフロート9の高さを検出することにより、田面G(中央のフロート9)から苗植付装置5までの高さを検出することができる。
次に、操作レバー25について説明する。
図1及び図2に示すように、操縦ハンドル20の下側の右横側に操作レバー25が備えられて、操作レバー25が右の横外側に延出されている。操作レバー25は中立位置Nから上方の上昇位置U、下方の下降位置D、後方の右マーカー位置R及び前方の左マーカー位置Lの十字方向に操作自在に構成されて、中立位置Nに付勢されており、操作レバー25の操作位置が制御装置23に入力されている。
右(左)のマーカー19が格納姿勢に操作された状態において、操作レバー25を右マーカー位置R(左マーカー位置L)に第1設定時間(比較的短い時間)以上に亘って操作すると、右(左)のマーカー19が作用姿勢に操作される。
右(左)のマーカー19が作用姿勢に操作された状態において、操作レバー25を右マーカー位置R(左マーカー位置L)に第2設定時間(第1設定時間よりも長い時間)以上に亘って操作すると、右(左)のマーカー19が格納姿勢に操作される。
次に、自動走行制御の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、測位ユニット37がフレーム30の左右中央に連結されている。測位ユニット37はGNSSモジュール及びジャイロセンサーモジュール等を備えて構成されており、機体の測位データを制御装置23に出力する。
モニター39の外側のフレーム部分に、メインスイッチ56、第1所定スイッチ57及び第2所定スイッチ58が備えられている。
次に、乗用型田植機の作業形態について説明する(その1)。
例えば図3及び図4に示すように、平面視で四角形の水田において、乗用型田植機は以下のような作業形態を採用することがある。
次に、乗用型田植機の作業形態について説明する(その2)。
前項[6]の記載、図3及び図4に示すように、複数回の作業行程(基準走行経路L01、走行経路L02,L03,L04,L05)及び旋回LL1(左方向),LL2(右方向),LL3(左方向),LL4(右方向),LL5(左方向)を行うと、畦Bに沿って苗の植え付け及び肥料の供給が行われていない部分が、畦Bに沿って形成される。
次に、前項[6][7]に記載の乗用型田植機の作業形態において、本発明の自動走行制御を行った場合の空走行経路LA1について図5(a)及び図9に基づいて説明する。
次に、前項[6][7]に記載の乗用型田植機の作業形態において、本発明の自動走行制御を行った場合の基準走行経路L01について、図5(b),9,10に基づいて説明する。
以上のようにして第1及び第2所定位置A1,A2が記憶されると、第1設定部41により、第1及び第2所定位置A1,A2を直線で結んだ経路(測位データ)が、基準走行経路L01として設定されて記憶される(ステップS12)。
次に、前項[6][7]に記載の乗用型田植機の作業形態において、本発明の自動走行制御を行った場合の基準走行経路L01が設定された後の第2設定部42の処理について図5(b),6,10に基づいて説明する。
第1所定位置A1の隣の同じ位置(畦Bから第1所定位置A1までの距離と同じ距離の位置)に、作業終了位置A4及び作業開始位置A3が交互に設定され、第2所定位置A2の隣の同じ位置(畦Bから第2所定位置A2までの距離と同じ距離の位置)に、作業開始位置A3及び作業終了位置A4が交互に設定される(ステップS12)。
走行経路L02〜L05が設定されると、機体、地図及び走行経路L02〜L05がモニター39に表示される(ステップS13)。
8条植え型式の苗植付装置5に2条を停止可能な少数条クラッチ(図示せず)を4個備えた場合、走行経路L05において、苗植付装置5の右側のどれだけの数(2条や4条)の少数条クラッチを遮断状態に操作すれば、回り植え行程(走行経路LB1)において苗植付装置5の横幅が残るのかが、測位データと地図データとに基づいて演算されて所定間隔W1が設定される。
そして、走行経路L05に入る前(旋回LL5(左方向)において、どの少数条クラッチを遮断状態に操作すべきかがモニター39に表示されるので、運転者は、モニター39の表示に従って少数条クラッチを遮断状態に操作する。
後述する[11][12][13]に記載のように、走行経路L02〜L05において整地装置操作部51により、整地装置35は停止位置に操作されている。
次に、前項[6][7]に記載の乗用型田植機の作業形態において、本発明の自動走行制御を行った場合の旋回LL2(右方向)から走行経路L02について、図6及び図8(a)(b)(c)に基づいて説明する。
この場合に、図8(a)(b)に示すように、機体が走行経路L02の作業開始位置A3に接近してから、植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作されるまでの間、運転者は、基準走行経路L01において田面Gに形成された指標やモニター39を目視しながら、操縦ハンドル20を操作することにより機体の位置を修正しながら、走行経路L02に入る。
補正部43により走行経路L02の位置が機体の位置に補正されると、第2設定部42において、新たな走行経路L02に基づいて前項[10]に記載の処理が再び行われる(ステップS19)。
これにより、運転者は、操作レバー25を左マーカー位置Lに操作して、左のマーカー19を作用姿勢(右のマーカー19は格納姿勢)に操作する(ステップS22)。
次に、前項[6][7]に記載の乗用型田植機の作業形態において、本発明の自動走行制御を行った場合の走行経路L02について、図6,11,12に基づいて説明する。
植付及び施肥クラッチ26,27が遮断状態に操作されるのに基づいて、自動操向部44が停止状態となるのであり(ステップS26)、モニター39において、機体、地図及び走行経路L02〜L05が表示され、自動操向部44が作動状態であることが非表示となり、ランプ54が消灯する(ステップS27)。
次に、前項[6][7]に記載の乗用型田植機の作業形態において、本発明の自動走行制御を行った場合の走行経路L03,L04,L05について、図6及び図12に基づいて説明する。
旋回LL3(左方向)。
機体が走行経路L03の作業開始位置A3に達するまでの距離と時間との演算、及び演算結果のモニター39での表示(ステップS28)。
運転者が操作レバー25を下降位置Dに操作することによる苗植付装置5の田面Gへの下降(自動昇降制御部40の作動状態、植付及び施肥クラッチ26,27の遮断状態、整地装置35の停止位置)(ステップS29)。
機体が位置K6に達して、機体が走行経路L03の作業開始位置A3に達したことのモニター39での表示及びブザー55の作動(ステップS30)。
運転者が操作レバー25を下降位置Dに操作することによる植付及び施肥クラッチ26,27の伝動状態への操作(ステップS31)。
補正部43による走行経路L03の位置の機体の位置への補正(ステップS32)。
第2設定部42による新たな走行経路L03に基づく前項[10]に記載の処理(ステップS33)。
自動操向部44の作動(ステップS34)。
モニター39における機体、地図及び走行経路L02〜L05の非表示、自動操向部44が作動状態であることの表示、ランプ54の点滅(ステップS35)。
運転者が操作レバー25を右マーカー位置Rに操作することによる右のマーカー19の作用姿勢(左のマーカー19は格納姿勢)(ステップS36)。
次に、回り植え行程(走行経路LB1〜LB4)について、図4及び図13に基づいて説明する(その1)。
この場合、前項[10]に記載のように、走行経路LB1〜LB4が整地装置35を田面Gに接地した作動位置に操作すべき位置として整地設定部50に設定されているので、整地装置操作部51により、整地装置35が作動位置に操作される(ステップS55)。
次に、回り植え行程(走行経路LB1〜LB4)について、図4,13,14に基づいて説明する(その2)。
この場合、前項[10]に記載のように、走行経路LB1〜LB4が整地装置35を田面Gに接地した作動位置に操作すべき位置として整地設定部50に設定されているので、整地装置操作部51により、整地装置35が作動位置に操作される(ステップS60)。
機体が走行経路LB1の作業終了位置AB4に達する前に、運転者が操作レバー25を上昇位置Uに操作したことにより苗が植え付けられなかった部分は、手で苗を植え付けることになる。
次に、補給演算部47について説明する。
乗用型田植機では機体に搭載される苗の量に限界があるので、機体に搭載される苗の残量が少なくなると、畦際で停止して畦Bから苗を機体に補給する必要がある。この場合、機体が畦際で停止してから、機体が停止した畦Bの位置まで苗を運ぶというような作業を行うと効率が悪いので、畦Bから苗を機体に補給する必要があると予測される畦Bの位置に、機体が到着する前に苗を置いておく必要がある。
これによって、運転者はモニター39に表示された演算結果(畦Bの位置B1,B2)を他の作業者に伝えればよく、他の作業者は畦Bから苗を機体に補給する必要があると予測される畦Bの位置B1,B2に、機体が到着する前に苗を運んで置いておくことができる。この場合、他の作業者が持つ携帯端末に、補給演算部47の演算結果が自動的に送信されるように構成してもよい。
次に、供給設定部48及び供給装置操作部49について説明する。
図15に示すように、田面Gに除草剤等の薬剤を散布して供給する供給装置60を、苗植付装置5の後部に連結することがある。この場合に、田面Gの全ての部分に薬剤を供給するのではなく、薬剤を供給する位置(範囲)及び薬剤を供給しない位置(範囲)が存在する。これは、常に供給装置60を作動させて薬剤を田面Gに供給するのではなく、供給装置60を作動させたり停止させたりして、田面Gへの薬剤の過剰供給を避けながら、薬剤をできるだけ均一に田面Gに供給するようにする為である。
この場合、基準走行経路L01において薬剤が供給された位置(範囲)B3とは異なる位置となるようにする点、並びに、畦Bに近接した位置では薬剤の供給は行わない点に基づいて、走行経路L02〜L05に対して、薬剤を供給する位置(範囲)B4が供給設定部48に記憶される。
前述の[発明を実施するための形態]では、植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作されると自動操向部44が作動状態となり、植付及び施肥クラッチ26,27が遮断状態に操作されると自動操向部44が停止状態となるように構成されているが、これに代えて、自動操向部44を作動及び停止させる手動スイッチ(図示せず)(手動操作具)を備えてもよい。
これにより、例えば図3に示すように、旋回LL2(右方向)から走行経路L02に入った場合、手動スイッチを停止位置に操作しておいて(自動操向部44の停止状態)、運転者はセンターマスコット53及びモニター39を目視しながら操縦ハンドル20を操作して、基準走行経路L01において田面Gに形成された指標に沿って機体を走行させる。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]において、基準走行経路L01を設定する場合、前項[9]に記載のように、機体を第1及び第2所定位置A1,A2に位置させて記憶することにより基準走行経路L01を設定(テーチィング)するのではなく、情報格納部45の地図データに基づいて、第1及び第2所定位置A1,A2を設定して基準走行経路L01を設定するように構成してもよい。
このように構成すると機体が水田に入る前から基準走行経路L01及び走行経路L02〜L05を設定することができるのであり、基準走行経路L01から自動操向部44を作動状態とすることができる。
情報格納部45の地図データに基づいて、基準走行経路L01を設定するように構成した場合、走行経路L02〜L05の途中で運転者の意思により機体の方向や位置を大きく変更した場合、機体の方向や位置に応じて最適な走行経路L02〜L05が再設定されるように構成することができる。
情報格納部45の地図データに基づいて基準走行経路L01を設定した後、走行経路L02〜L5の作業開始位置A3及び作業終了位置A4を、地図データに基づいて畦Bから所定距離だけ離れた位置に設定して、走行経路L02〜L05を設定する。
これにより、走行経路L02〜L05は基準走行経路L01に沿ったものに設定されるが、基準走行経路L01と走行経路L02〜L05とは同じ長さにはならない。基準走行経路L01と走行経路L02〜L05とを直線ではなく、変形した水田の畦Bに沿って曲線に設定することもできる。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]において、情報格納部45を備えないように構成してもよい。
このように構成すると、畦Bの地図データが得られないので、機体を第1及び第2所定位置A1,A2に位置させて記憶して基準走行経路L01を設定した後、第1及び第2所定位置A1,A2から畦Bまでの距離を入力して、畦Bの測位データを設定する。
トラクタにより水田の代掻き作業を行う場合、トラクタが測位ユニット及び情報格納部を備えていれば、トラクタによる代掻き作業で得られた畦Bの地図データを、本発明の乗用型田植機(制御装置23)に畦Bの測位データとして入力するようにしてもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第3別形態]において、図11及び図12のステップS21,S35で機体、地図及び走行経路L02〜L05をモニター39に非表示とした場合、この間、苗植付装置5による苗の植付状態をカメラで撮影して、苗の植付状態の撮影画像をモニター39に表示するように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第4別形態]において、燃料タンク(図示せず)に搭載される燃料の残量を検出する燃料残量検出部(図示せず)や、ホッパー13の肥料の残量を検出する肥料残量検出部(図示せず)を備えることにより、機体がこのまま進行すると畦Bのどの位置に到着すれば畦Bから燃料や肥料を機体に補給する必要があるかを、単位走行距離当たりの燃料や肥料の消費率、測位データ及び燃料残量検出部、肥料残量検出部の検出値に基づいて、補給演算部47が演算するように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第5別形態]において、植付及び施肥クラッチ26,27を同じ電動モータ28で伝動及遮断状態に操作するのではなく、植付クラッチ26と施肥クラッチ27とを別々の電動モータにより独立で伝動及び遮断状態に操作できるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第6別形態]において、ステアリングモータ52により操縦ハンドル20を操作するのではなく、前輪1の操向用のピットマンアーム(図示せず)(ステアリング装置に相当)やパワーステアリング用の操作シリンダ(図示せず)(ステアリング装置に相当)を、ステアリングモータ52により操作する。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第7別形態]において、後輪2の回転数及び測位データに基づいて(測位データと地図データとに基づいて)、機体の走行速度及び後輪2のスリップ率を演算して、以下に示す処理を行うように構成してもよい。
苗植付装置5において、株間、植付深さ、植付アーム8による苗取り量、苗のせ台10の横送り速度を自動的に調整する。施肥装置17において、肥料の繰り出し量を自動的に調整する。供給装置60において、薬剤の散布量(供給量)を自動的に調整する。
基準走行経路L01及び走行経路L02〜L05においてスリップ率が大きくなると、停止位置の整地装置35を作動位置に操作して、整地装置35により田面Gの整地が行われるようにする。
20 ステアリング装置
26 作業クラッチ
37 測位ユニット
39 表示装置
41 第1設定部
42 第2設定部
43 補正部
44 自動操向部
45 情報格納部
A1 第1所定位置
A2 第2処置位置
L01 基準走行経路
L02〜L05 走行経路
W1 所定間隔
Claims (6)
- GNSSモジュールを備えて機体の測位データを出力する測位ユニットと、
第1所定位置及び第2所定位置を結んだ基準走行経路を設定する第1設定部と、
前記基準走行経路の横側に所定間隔を置いて前記基準走行経路に沿った走行経路を設定する第2設定部とを備え、
前記基準走行経路に沿っての走行を終了し旋回して隣接する前記走行経路に進入した状態、及び、一つの前記走行経路に沿っての走行を終了し旋回して隣接する前記走行経路に進入した状態において、機体が前記走行経路から離れた位置に位置していると、前記走行経路の位置を機体の位置に補正する補正部と、
機体が前記走行経路に沿って走行するように、ステアリング装置を自動的に操作する自動操向部とを備えている作業車。 - 作業地の地図データを格納する情報格納部を備えている請求項1に記載の作業車。
- 機体に備えられた作業装置に動力を伝達及び遮断自在な作業クラッチを備えて、
前記基準走行経路に沿っての走行を終了し旋回して隣接する前記走行経路に進入した状態、及び、一つの前記走行経路に沿っての走行を終了し旋回して隣接する前記走行経路に進入した状態において、
前記作業クラッチが伝動状態に操作されると、機体の位置と前記走行経路との差を検出して、機体が前記走行経路から離れた位置に位置していると、前記走行経路の位置を機体の位置に補正するように、前記補正部が構成されている請求項1又は2に記載の作業車。 - 前記作業クラッチが伝動状態に操作されると前記自動操向部が作動状態となり、前記作業クラッチが遮断状態に操作されると前記自動操向部が停止状態となるように、前記自動操向部が構成されている請求項3に記載の作業車。
- 前記自動操向部を人為的に作動及び停止させる手動操作具を備えて、
前記基準走行経路に沿っての走行を終了し旋回して隣接する前記走行経路に進入した状態、及び、一つの前記走行経路に沿っての走行を終了し旋回して隣接する前記走行経路に進入した状態において、
前記手動操作具が操作されて前記自動操向部が作動状態になると、機体の位置と前記走行経路との差を検出して、機体が前記走行経路から離れた位置に位置していると、前記走行経路の位置を機体の位置に補正するように、前記補正部が構成されている請求項1又は2に記載の作業車。 - 機体と前記基準走行経路又は前記走行経路とを表示する表示装置を備え、
前記自動操向部が停止状態になると前記表示装置が表示状態となり、前記自動操向部が作動状態になると前記表示装置が非表示状態になるように、前記表示装置が構成されている請求項4又は5に記載の作業車。
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