JP2016006410A - クロマトグラフィー担体およびそれを用いたタンパク質精製方法 - Google Patents
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Abstract
Description
前記ベース担体に結合したポリアミンと
を含み、
前記ポリアミンにおけるアミノ基の20〜40%が疎水基で修飾されている
クロマトグラフィー担体。
[2] 前記ポリアミンが、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリグアニジンおよびポリオルニチンからなる群より選択される[1]に記載のクロマトグラフィー担体。
[3] 前記ポリアミンが、ポリアリルアミンである[2]に記載のクロマトグラフィー担体。
[4] 前記ポリアリルアミンの重量平均分子量が、5000〜15000である[3]に記載のクロマトグラフィー担体。
[5] 前記疎水基が、以下の一般式(1)〜(3)のいずれかの構造を有する[1]〜[4]のいずれかに記載のクロマトグラフィー担体:
[式(1)〜(3)中、
nは、0〜8の整数であり、
R1は、nが0〜3の整数である場合はフェニル基であり、nが4〜8の整数である場合はHまたはフェニル基であり、
*は、前記ポリアミンにおけるアミノ基との結合部位である]。
[6] 前記疎水基が、前記一般式(1)の構造を有する[5]に記載のクロマトグラフィー担体。
[7] 前記一般式(1)において、nが4〜8の整数であり、R1がHである、[6]に記載のクロマトグラフィー担体。
[8] 前記一般式(1)において、nが0〜8の整数であり、R1がフェニル基である、[6]に記載のクロマトグラフィー担体。
[9] 前記疎水基が、無水吉草酸、無水カプロン酸、無水エナント酸、無水カプリル酸、無水ペラルゴン酸、無水安息香酸、ブチルグリシジルエーテル、およびフェニルグリシジルエーテルからなる群より選ばれる化合物に由来する基である[1]〜[4]のいずれかに記載のクロマトグラフィー担体。
[10] 前記疎水基が、無水吉草酸または無水安息香酸に由来する基である[9]に記載のクロマトグラフィー担体。
[10−1] 前記疎水基が、以下の一般式(4)または(5)の構造を有する[1]〜[4]のいずれかに記載のクロマトグラフィー担体:
[式(4)および(5)中、
R1は、複素環基であり、
*は、ポリアミンにおけるアミノ基との結合部位である]。
[10−2] 前記複素環基が、窒素原子を含む[10−1]に記載のクロマトグラフィー担体。
[10−3] 前記複素環基における複素環が、ピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ピラゾール、イミダゾリン、ピラジン、インドール、イソインドール、キノリン、イソキノリンおよびキノキサリンからなる群より選択される[10−2]に記載のクロマトグラフィー担体。
[10−4] 前記多孔性粒子が、架橋セルロース粒子である[1]〜[10−3]のいずれかに記載のクロマトグラフィー担体。
[10−5] 前記多孔性粒子の粒子径が、10〜500μmである[1]〜[10−4]のいずれかに記載のクロマトグラフィー担体。
[10−6] 前記多孔性粒子のKav値が、重量平均分子量1.5×105Daの標準ポリエチレンオキシドをサンプルとして使用し、純水を移動相として使用した場合に、0.15〜0.6の範囲である[1]〜[10−5]のいずれかに記載のクロマトグラフィー担体。
[11] 0.2MのNaCl溶液下で、クロマトグラフィー担体1mL当りのウシ血清アルブミンに対する静的結合容量が60mg以上である、[1]〜[10−6]のいずれかに記載のクロマトグラフィー担体。
[12] [1]〜[11]のいずれかに記載のクロマトグラフィー担体を用いてタンパク質を含む試料を分離精製することを含む、タンパク質の精製方法。
[13] 前記分離精製が、0.15〜0.4MのNaCl溶液下で行われる[12]に記載のタンパク質の精製方法。
本発明のクロマトグラフィー担体は、
多孔性粒子を含むベース担体と、
前記ベース担体に結合したポリアミンと
を含み、
前記ポリアミンにおけるアミノ基の20〜40%が疎水基で修飾されている。
1.ベース担体
クロマトグラフィー担体は、一般的に、ベース担体にリガンドが結合した構成を有する。本発明におけるベース担体は多孔性粒子を含み、多孔性粒子は、リガンドとしてのポリアミンを導入するための官能基(例えば、水酸基、カルバモイル基など)で修飾されている。そのような官能基で修飾され得る限り、使用される多孔性粒子は限定されないが、例えば、アガロース、デキストラン、でんぷん、セルロース、プルラン、キチン、キトサン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロースなどの多糖類およびその誘導体;ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアルキルビニルエーテル、ポリビニルアルコールなどの有機重合体などが好ましく挙げられる。多孔性粒子は、架橋構造を形成していることが、機械的強度を確保できる点から好ましい。これらの中でも、架橋反応によってセルロース粒子の骨格が補強された架橋セルロース粒子を用いることがより好ましい。
体積平均粒子径(MV)=Σ(nd4)/Σ(nd3)
[式中、dは光学顕微鏡画像から求めた各粒子の粒子径の値を表し、nは測定した粒子の個数を表す。]
Kav=(Ve−V0)/(Vt−V0)
[式中、Veはサンプルの保持容量(mL)、Vtは空カラム体積(mL)、V0はブルーデキストランの保持容量(mL)を表す。]
ゲル分配係数Kavの具体的な測定方法は、例えば、L.Fischer著生物化学実験法2「ゲルクロマトグラフィー」第1版(東京化学同人)などに記載されている。
本発明のクロマトグラフィー担体は、リガンドとしてポリアミンを含み、さらにポリアミンにおけるアミノ基の20〜40%が疎水基で修飾されている。
まず、ポリアミンについて説明する。
ポリアミンは、複数の第一級アミノ基が結合した脂肪族炭化水素の総称である。本発明において使用されるポリアミンは、ベース担体上の官能基と結合し得るものであれば、特に限定されない。具体的には、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリグアニジン、ポリオルニチン等が挙げられ、中でもポリアリルアミンおよびポリリジンが好ましく、ポリアリルアミンがより好ましい。
あるいは、ベース担体上でモノマーをグラフト重合させてポリアミンを形成してもよい。この場合、モノマーとして第一級アミノ基を含む化合物を使用してもよいし、グリシジルメタクリレートのようにアミンに対して反応性の基を有するモノマーをベース担体上でグラフト重合し、その後アンモニアと反応させてポリアミンを得てもよい。
疎水基としては、ポリアミンにおけるアミノ基に結合し、疎水性を有する限り特に限定されることはないが、疎水性クロマトグラフィー担体において通常用いられる疎水基が好ましい。そのような疎水基としては、飽和アルキル基および/またはフェニル基を含む基が挙げられる。飽和アルキル基は、直鎖状の飽和アルキル基であることが好ましく、C4〜C8の直鎖状飽和アルキル基であることがより好ましく、n−ブチル基であることが特に好ましい。
nは、0〜8の整数であり、
R1は、nが0〜3の整数である場合はフェニル基であり、nが4〜8の整数である場合はHまたはフェニル基であり、
*は、ポリアミンにおけるアミノ基との結合部位である]。
上記式(1)〜(3)で表される構造における炭素原子は、アルキル基やアルコキシ基等の置換基を有していてもよい。
上記一般式(1)〜(3)の構造のうち、一般式(1)の構造がより好ましい。
複素環基における炭素原子は、置換基を有していてもよい。置換基としては、アルキル基やアルコキシ基が挙げられ、メチル基およびメトシキ基であることが好ましい。
本発明の他の実施形態によると、上述したクロマトグラフィー担体を用いてタンパク質を含む試料を分離精製することを含む、タンパク質の精製方法が提供される。この分離精製は、0.15M以上のNaCl溶液下においても問題なく行うことができる。
<実施例1>
〔6%球状セルロース粒子(含水)の製造〕
6%球状セルロース粒子を、以下の手順に従って製造した。ここで、以下の(1)の工程で結晶性セルロースの濃度が6重量%である場合に、製造されるセルロース粒子を「6%球状セルロース粒子」と呼ぶ。
(1)100gのチオシアン酸カルシウム60重量%水溶液に、6.4gの結晶性セルロース(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:セオラスPH101)を加え、110〜120℃に加熱して溶解した。
(2)この溶液に、界面活性剤としてソルビタンモノオレエート6gを添加した。それを、130〜140℃に予め加熱したo−ジクロロベンゼン480mL中に滴下し、200〜300rpmにて撹拌して分散液を得た。
(3)次いで、上記分散液を40℃まで冷却した。それをメタノール190mL中に注ぎ、粒子の懸濁液を得た。
(4)得られた懸濁液を濾過分別して粒子を回収し、その粒子をメタノール190mLで洗浄した。この洗浄操作を数回行った。
(5)さらに大量の水で粒子を洗浄し、球状セルロース粒子を得た。
(6)次いで、この球状セルロース粒子をJIS標準ふるい規格53μm〜125μmのふるいにかけて、所望の粒子径(粒子径:50〜150μm、平均粒子径:約100μm)を有する6%球状セルロース粒子(含水、セルロース溶解濃度:6重量%)を得た。
体積平均粒子径(MV)=Σ(nd4)/Σ(nd3)
[式中、dは光学顕微鏡画像から求めた各粒子の粒子径の値を表し、nは測定した粒子の個数を表す。]
上記で製造した6%球状セルロース粒子を架橋反応させ、架橋6%セルロース粒子を製造した。その手順は以下の通りである。
(1)上記で得られた6%球状セルロース粒子(含水)100gに121gの純水を加え、撹拌しながら加温した。30℃に到達したところで、45重量%のNaOH水溶液3.3gおよびNaBH40.5gを加え、さらに加温および撹拌した。ここでの初期アルカリ濃度は、0.69%(w/w)であった。
(2)30分後、45℃に加温された反応液に60gのNa2SO4を加え、溶解させた。混合物の温度が50℃に到達した時点から、温度を50℃に維持しながらさらに2時間撹拌を継続した。
(3)50℃で混合物の撹拌を継続しながら、45重量%のNaOH水溶液48gと、エピクロロヒドリン50gとをそれぞれ25等分した量を、15分おきにおよそ6時間かけて添加した。
(4)添加終了後、この混合物を温度50℃で16時間反応させた。
(5)反応混合物を40℃に冷却した後、酢酸2.6gを加えて中和した。
(6)反応混合物を濾過してセルロース粒子を回収し、セルロース粒子を純水で濾過洗浄して架橋6%セルロース粒子を得た。
(平均粒子径の測定)
レーザー回折/散乱式の粒子径分布測定装置LA−950(株式会社堀場製作所製)を用いて平均粒子径を測定したところ、85μmであった。
ゲル分配係数Kavは、重量平均分子量1.5×105Daの標準ポリエチレンオキシドをサンプルとして用い、その保持容量とカラム体積との関係から、次式により算出した。なお、移動相としては純水を使用した。
Kav=(Ve−V0)/(Vt−V0)
[式中、Veはサンプルの保持容量(mL)、Vtは空カラム体積(mL)、V0はブルーデキストランの保持容量(mL)を表す。]
上記で得られた架橋6%セルロース粒子のゲル分配係数Kavは、0.38であった。
上記で得られた架橋6%セルロース粒子500gを2Lセパラブルフラスコに入れ、純水745gを加えてスラリーとした。温浴で液温を26℃まで上げ、48.7重量%水酸化ナトリウム水溶液を液温が30℃を超えないように時間をかけて加えた。その後、エピクロロヒドリン343gを加え、液温30℃で2時間撹拌した。反応終了後、セルロース粒子を濾過により回収し、回収したセルロース粒子を1Lの純水で10回洗浄してエポキシ化セルロース粒子を得た。
上記で得られたエポキシ化セルロース粒子150gを1Lセパラブルフラスコに入れ、重量平均分子量5000のポリアリルアミン20%(w/w)水溶液PAA−05(ニットーボーメディカル株式会社製)385gを加えて、45℃で18時間撹拌した。反応終了後、セルロース粒子を濾過し、回収したセルロース粒子を300mLの純水で10回洗浄して、ポリアリルアミン付加セルロース粒子を得た。このポリアリルアミン付加セルロース粒子のイオン交換容量は、0.22mmol/mLであった。イオン交換容量の測定方法は、後述する通りである。
〔疎水基による修飾〕
上記で得られたポリアリルアミン付加セルロース粒子15gを、45mLのメタノールで5回洗浄した。メタノール洗浄した粒子を50mL遠沈管に入れ、そこにメタノール15mLを加えてスラリーとした。その後、無水吉草酸0.30gおよびトリスヒドロキシメチルアミノメタン0.30gを加え、25℃で24時間撹拌した。反応終了後、セルロース粒子を濾過し、回収したセルロース粒子を100mLのメタノールで1回、100mLの純水で5回洗浄して、疎水基で修飾されたポリアリルアミン付加セルロース粒子を得た。
実施例1と同様に、ポリアリルアミン付加セルロース粒子を製造した。
添加する無水吉草酸の量を0.60g、トリスヒドロキシメチルアミノメタンの量を0.60gとしたことを除き、実施例1と同様に疎水基で修飾されたポリアリルアミン付加セルロース粒子を得た。
実施例1と同様に、ポリアリルアミン付加セルロース粒子を製造した。
添加する無水吉草酸の量を1.40g、トリスヒドロキシメチルアミノメタンの量を1.41gとしたことを除き、実施例1と同様に疎水基で修飾されたポリアリルアミン付加セルロース粒子を得た。
実施例1と同様に、ポリアリルアミン付加セルロース粒子を製造した。
得られたポリアリルアミン付加セルロース粒子15gを、45mLのメタノールで5回洗浄した。メタノール洗浄した粒子を50mL遠沈管に入れ、そこにメタノール15mLを加えてスラリーとした。その後、無水安息香酸0.35gおよびトリスヒドロキシメチルアミノメタン0.35gを加え、25℃で24時間回転撹拌した。反応終了後、セルロース粒子を濾過し、回収したセルロース粒子を100mLのメタノールで1回、100mLの純水で5回洗浄して、疎水基で修飾されたポリアリルアミン付加セルロース粒子を得た。
実施例1と同様に、ポリアリルアミン付加セルロース粒子を製造した。
添加する無水安息香酸の量を0.72g、トリスヒドロキシメチルアミノメタンの量を0.73gとしたことを除き、実施例2と同様に疎水基で修飾されたポリアリルアミン付加セルロース粒子を得た。
実施例1と同様に、ポリアリルアミン付加セルロース粒子を製造した。
添加する無水安息香酸の量を1.66g、トリスヒドロキシメチルアミノメタンの量を1.67gとしたことを除き、実施例2と同様に疎水基で修飾されたポリアリルアミン付加セルロース粒子を得た。
実施例1と同様に、ポリアリルアミン付加セルロース粒子を製造した。
得られたポリアリルアミン付加セルロース粒子15gを、45mLのメタノールで5回洗浄した。メタノール洗浄した粒子を50mL遠沈管に入れ、そこにメタノール15mLを加えてスラリーとした。その後、無水酢酸0.20gおよびトリスヒドロキシメチルアミノメタン0.15gを加え、25℃で24時間回転撹拌した。反応終了後、セルロース粒子を濾過し、回収したセルロース粒子を100mLのメタノールで1回、100mLの純水で5回洗浄して、疎水基で修飾されたポリアリルアミン付加セルロース粒子を得た。
実施例1と同様に、ポリアリルアミン付加セルロース粒子を製造した。
添加する無水酢酸の量を0.35g、トリスヒドロキシメチルアミノメタンの量を0.35gとしたことを除き、比較例5と同様に疎水基で修飾されたポリアリルアミン付加セルロース粒子を得た。
実施例1と同様に、ポリアリルアミン付加セルロース粒子を製造した。
添加する無水酢酸の量を0.80g、トリスヒドロキシメチルアミノメタンの量を0.81gとしたことを除き、比較例5と同様に疎水基で修飾されたポリアリルアミン付加セルロース粒子を得た。
実施例1と同様に、エポキシ化セルロース粒子を製造した。
得られたエポキシ化セルロース粒子150gを1Lセパラブルフラスコに入れ、重量平均分子量15000のポリアリルアミン15%(w/w)水溶液PAA−15C(ニットーボーメディカル株式会社製)280gを加えて、45℃で18時間撹拌した。反応終了後、セルロース粒子を濾過し、回収した湿潤粒子を300mLの純水で10回洗浄して、ポリアリルアミン付加セルロース粒子を得た。このポリアリルアミン付加セルロース粒子のイオン交換容量は、0.29mmol/mLであった。イオン交換容量の測定方法は、後述する通りである。
上記で得られたポリアリルアミン付加セルロース粒子15gを、45mLのメタノールで5回洗浄した。メタノール洗浄した粒子を50mL遠沈管に入れ、そこにメタノール15mLを加えてスラリーとした。その後、無水吉草酸0.37gおよびトリスヒドロキシメチルアミノメタン0.37gを加え、25℃で24時間回転撹拌した。反応終了後、セルロース粒子を濾過し、回収したセルロース粒子を100mLのメタノールで1回、100mLの純水で5回洗浄して、疎水基で修飾されたポリアリルアミン付加セルロース粒子を得た。
実施例3と同様に、ポリアリルアミン付加セルロース粒子を製造した。
添加する無水吉草酸の量を0.87g、トリスヒドロキシメチルアミノメタンの量を0.88gとしたことを除き、実施例3と同様に疎水基で修飾されたポリアリルアミン付加セルロース粒子を得た。
実施例3と同様に、ポリアリルアミン付加セルロース粒子を製造した。
添加する無水吉草酸の量を2.50g、トリスヒドロキシメチルアミノメタンの量を2.52gとしたことを除き、実施例3と同様に疎水基で修飾されたポリアリルアミン付加セルロース粒子を得た。
実施例3と同様に、ポリアリルアミン付加セルロース粒子を製造した。
得られたポリアリルアミン付加セルロース粒子15gを、45mLのメタノールで5回洗浄した。メタノール洗浄した粒子を50mL遠沈管に入れ、そこにメタノール15mLを加えてスラリーとした。その後、無水安息香酸0.50gおよびトリスヒドロキシメチルアミノメタン0.50gを加え、25℃で24時間回転撹拌した。反応終了後、セルロース粒子を濾過し、回収したセルロース粒子を100mLのメタノールで1回、100mLの純水で5回洗浄して、疎水基で修飾されたポリアリルアミン付加セルロース粒子を得た。
実施例3と同様に、ポリアリルアミン付加セルロース粒子を製造した。
添加する無水安息香酸の量を1.00g、トリスヒドロキシメチルアミノメタンの量を1.01gとしたことを除き、実施例4と同様に疎水基で修飾されたポリアリルアミン付加セルロース粒子を得た。
実施例3と同様に、ポリアリルアミン付加セルロース粒子を製造した。
添加する無水安息香酸の量を3.00g、トリスヒドロキシメチルアミノメタンの量を3.02gとしたことを除き、実施例4と同様に疎水基で修飾されたポリアリルアミン付加セルロース粒子を得た。
(1)イオン交換容量
1mLのクロマトグラフィー担体(湿潤ゲルの状態でカラムに詰めた際に容積1mLを構成する量のクロマトグラフィー担体)を、50mL三角フラスコに加えた。そこに0.01mol/Lの塩酸水溶液50mLを加えて軽く振とうした。1時間室温で静置後、上澄み10mLをホールピペットで50mLビーカーに量りとった。そこにフェノールフタレイン溶液を加え、0.01mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で滴定した。滴定量から塩酸の吸着量を計算し、クロマトグラフィー担体1mL当たりのイオン交換容量を求めた。
ベース担体に結合したポリアミンのアミノ基を疎水基で修飾する前および後(以下、「疎水基での修飾前」および「疎水基での修飾後」とも称する)のクロマトグラフィー担体について、それぞれイオン交換容量を上記の方法で測定した。測定したイオン交換容量の値を用い、下式よりポリアミンにおけるアミノ基の修飾率を計算した。
クロマトグラフィー担体0.1gを15mL遠沈管に入れ、そこに50mMのTris−HClバッファー(pH8.5)に溶解した3mg/mLのBSA溶液を10mL加えて、24時間室温で回転撹拌した。その後、遠心分離で固液を分離し、上澄みの吸光度(280nm)を測定した。予め測定しておいたBSA溶液の吸光度(280nm)と上記で測定した上澄みの吸光度との差から、BSA吸着量を求めた。最後に、クロマトグラフィー担体の重量および体積を考慮して、クロマトグラフィー担体1mL当たりのBSA吸着量を計算した。
・BSA溶液におけるNaCl濃度=0M(電気伝導度:1.5mS/cm)
・BSA溶液におけるNaCl濃度=0.1M(電気伝導度:11.7mS/cm)
・BSA溶液におけるNaCl濃度=0.2M(電気伝導度:21.1mS/cm)
アリルグリシジルエーテル付加
実施例3と同様に、ポリアリルアミン付加セルロース粒子を製造した。
得られたポリアリルアミン付加セルロース粒子30gを、150mLのメタノールで5回洗浄した。メタノール洗浄した粒子を150mLフラスコに入れそこにメタノール60mLを加えてスラリーとした。その後メタノール1.0mLに溶解させたアリルグリシジルエーテル1.50gを加え25℃で24時間、その後40℃に昇温しさらに24時間撹拌した。反応終了後、セルロース粒子を濾過し、回収したセルロース粒子を50mLのメタノールで3回、100mLの純水で5回洗浄してアリルグリシジルエーテル付加セルロース粒子を得た。
得られたアリルグリシジルエーテル付加セルロース粒子8gを150mLフラスコに入れそこに純水50mLを加えスラリーとした。その後フラスコ内を減圧と窒素置換を三回繰り返すことで窒素置換した。次に純水5.0mLに溶解させた4−ピリジンエタンチオール塩酸塩0.8gを窒素気流化でフラスコ内に加えた。次に純水5.0mLに溶解させたV−50(ラジカル開始剤)0.31gを窒素気流化でフラスコ内に加えた。その後60℃に昇温し窒素雰囲気下で18時間撹拌した。反応終了後、セルロース粒子を濾過し、回収したセルロース粒子を30mLの純水で4回、30mLの1M食塩水で3回、50mLの純水で5回洗浄して4−ピリジンエタンチオール付加セルロース粒子を得た。得られた粒子のN含量は4.0%、S含量は3.2%だった。
(4)N含量測定方法
比較例12,13のN含量測定は全自動元素分析装置JM10(ジェイ・サイエンス社)を用いて測定した。
Claims (13)
- 多孔性粒子を含むベース担体と、
前記ベース担体に結合したポリアミンと
を含み、
前記ポリアミンにおけるアミノ基の20〜40%が疎水基で修飾されている
クロマトグラフィー担体。 - 前記ポリアミンが、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリグアニジンおよびポリオルニチンからなる群より選択される請求項1に記載のクロマトグラフィー担体。
- 前記ポリアミンが、ポリアリルアミンである請求項2に記載のクロマトグラフィー担体。
- 前記ポリアリルアミンの重量平均分子量が、5000〜15000である請求項3に記載のクロマトグラフィー担体。
- 前記疎水基が、前記一般式(1)の構造を有する請求項5に記載のクロマトグラフィー担体。
- 前記一般式(1)において、nが4〜8の整数であり、R1がHである、請求項6に記載のクロマトグラフィー担体。
- 前記一般式(1)において、nが0〜8の整数であり、R1がフェニル基である、請求項6に記載のクロマトグラフィー担体。
- 前記疎水基が、無水吉草酸、無水カプロン酸、無水エナント酸、無水カプリル酸、無水ペラルゴン酸、無水安息香酸、ブチルグリシジルエーテル、およびフェニルグリシジルエーテルからなる群より選ばれる化合物に由来する基である請求項1〜4のいずれか1項に記載のクロマトグラフィー担体。
- 前記疎水基が、無水吉草酸または無水安息香酸に由来する基である請求項9に記載のクロマトグラフィー担体。
- 0.2MのNaCl溶液下で、クロマトグラフィー担体1mL当りのウシ血清アルブミンに対する静的結合容量が60mg以上である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のクロマトグラフィー担体。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載のクロマトグラフィー担体を用いてタンパク質を含む試料を分離精製することを含む、タンパク質の精製方法。
- 前記分離精製が、0.15〜0.4MのNaCl溶液下で行われる請求項12に記載のタンパク質の精製方法。
Priority Applications (1)
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