本発明に用いる(A)成分の光重合性化合物は式(1)で示される基を有する光重合性化合物である。
−OC(O)C(R)=CH2・・・(1)
式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。以下、式(1)で示される基を(メタ)アクリロイルオキシ基という。また、メタクリル酸とアクリル酸をあわせて(メタ)アクリル酸といい、メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルをあわせて(メタ)アクリル酸エステル、アクリレートとメタクリレートをあわせて(メタ)アクリレートという。
本発明においては、(A)成分と(B)成分を併用することにより、光照射後に接着剤の粘着性が発現し電子部品等の被着体を仮固定できるようになるとともに、最終的な被着体への接着強度も向上する。
(A)成分の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物は極性基のないものが好ましく、例えば、炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、炭素数13〜20の分岐状アルキルアルコールの(メタ)アクリル酸エステル、脂環式(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。
前記炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記炭素数13〜20の分岐状アルキルアルコールの(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、イソテトラデシルアルコール(別名:イソミリスチルアルコール)、イソペンタデシルアルコール、イソヘキサデシルアルコール、イソヘプタデシルアルコール、イソオクタデシルアルコール(別名:イソステアリルアルコール)、イソノナデシルアルコール等のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルが挙げられる。上記分岐状アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルは、それぞれ単独で用いてもよく、また2種以上を適宜に組み合わせて用いてもよい。
脂環式(メタ)アクリレートモノマーとしては、環状の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーが好ましく、例えば、特開昭61−136529号公報、特開平2−588529号公報などで公知のものが例示され、具体的には、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(A)成分として極性基を有する化合物を使用することができる。例えば、(メタ)アクリル酸;カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー;ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の窒素含有化合物等が挙げられる。極性基を有する化合物を使用することにより、硬化後の導電性接着剤の凝集力を向上させ、接着性を向上させることができる。
また、(A)成分として架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステルを使用することができる。このような化合物を使用すると本発明の導電性接着剤の基材への接着性を向上させることができる。このような化合物の例としてアクリロイルプロピルトリメトキシシランやメタクリロイルプロピルトリメトキシシランをあげることができる。
さらに、耐熱性を向上させる為、(A)成分として多官能性アクリルモノマーを使用することができる。多官能性アクリルモノマーとしては(メタ)アクリロイル基を有するモノマーが好ましい。多官能アクリルモノマーとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の2官能性ビニルモノマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3官能性ビニルモノマー、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上のビニルモノマー等が挙げられる。2官能性ビニルモノマーや3官能性ビニルモノマーが好ましく、2官能性ビニルモノマーがより好ましい。
また、(A)成分として、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、及びウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー等の光重合性オリゴマーを用いても良い。
ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸との脱水縮合物等が挙げられる。ここで、ポリエステルポリオールとしては、ポリオールとカルボン酸又はその無水物との反応物等が挙げられる。
ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリブチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトール等の低分子量ポリオール、並びにこれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
カルボン酸又はその無水物としては、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸及びトリメリット酸等の二塩基酸又はその無水物等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を付加反応させた化合物である。エポキシ樹脂としては、芳香族エポキシ樹脂及び脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。
芳香族エポキシ樹脂としては、具体的には、レゾルシノールジグリシジルエーテル;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレン又はそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル;フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;グリシジルフタルイミド;o−フタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。これら以外にも、文献「エポキシ樹脂−最近の進歩−」(昭晃堂、1990年発行)2章や、文献「高分子加工」別冊9・第22巻増刊号エポキシ樹脂〔高分子刊行会、昭和48年発行〕の4〜6頁、9〜16頁に記載されている様な化合物を挙げることができる。
脂肪族エポキシ樹脂としては、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオール等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル;ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル;ネオペンチルグリコール、ジブロモネオペンチルグリコール及びそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン及びそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル、並びにペンタエリスリトール及びそのアルキレンオキサイド付加体のジ、トリ又はテトラグリジジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル;水素添加ビスフェノールA及びそのアルキレンオキシド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル;テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエーテル;ハイドロキノンジグリシジルエーテル等が挙げられる。
これら以外にも、前記文献「高分子加工」別冊エポキシ樹脂の3〜6頁に記載されている化合物を挙げることができる。これら芳香族エポキシ樹脂及び脂肪族エポキシ樹脂以外にも、トリアジン核を骨格に持つエポキシ化合物、例えばTEPIC(日産化学(株))、デナコールEX−310(ナガセ化成(株))等が挙げられ、又、前記文献「高分子加工」別冊エポキシ樹脂の289〜296頁に記載されているような化合物等が挙げられる。上記において、アルキレンオキサイド付加物のアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が好ましい。
ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリアルキレングリコール(メタ)ジアクリレートがあり、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリオールと有機ポリイソシアネート反応物に対して、さらにヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させた反応物等が挙げられる。ここで、ポリオールとしては、低分子量ポリオール、ポリエチレングリコール及びポリエステルポリオール等がある。低分子量ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール及び3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられ、ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等が挙げられ、ポリエステルポリオールとしては、これら低分子量ポリオール又は/及びポリエーテルポリオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその無水物等の酸成分との反応物が挙げられる。有機ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネート等が挙げられる。ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、従来知られている合成法に従い製造されたもので良い。例えば、ジブチルスズジラウレート等の付加触媒存在下、使用する有機イソシアネートとポリオール成分を加熱撹拌し付加反応せしめ、さらにヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを添加し、加熱撹拌し付加反応せしめる方法等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの分子量としては、得られる導電性接着剤の硬化膜が耐久性に優れたものとなることから、数平均分子量で500〜10,000であることが好ましく、より好ましくは1,000〜10,000である。
オリゴマーである(A)成分として主鎖が(メタ)アクリル酸エステル系重合体であって(メタ)アクリロイルオキシ基を有するオリゴマーを使用することもできる。このような重合体はアニオン重合又はラジカル重合によって製造されることが好ましく、モノマーの汎用性あるいは制御の容易さからラジカル重合がより好ましい。ラジカル重合の中でも、リビングラジカル重合あるいは連鎖移動剤を用いたラジカル重合によって製造されるのが好ましく、リビングラジカル重合法がより好ましく、原子移動ラジカル重合法が特に好ましい。リビングラジカル重合法を用いると、重合体鎖末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合体を得ることができる。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造に用いられるラジカル重合法は、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物などを用いて、特定の官能基を有するモノマーとビニル系モノマーとを単に共重合させる「一般的なラジカル重合法」と、末端などの制御された位置に特定の官能基を導入することが可能な「制御ラジカル重合法」に分類することができる。
「一般的なラジカル重合法」は簡便な方法であるが、この方法では特定の官能基を有するモノマーは確率的にしか重合体中に導入されないので、官能化率の高い重合体を得ようとした場合には、このモノマーをかなり大量に使う必要があり、逆に少量の使用ではこの特定の官能基が導入されない重合体の割合が大きくなるという問題がある。また、フリーラジカル重合であるため、分子量分布が広く粘度の高い重合体しか得られないという問題もある。
「制御ラジカル重合法」は、さらに、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合を行なうことにより末端に官能基を有するビニル系重合体が得られる「連鎖移動剤法」と、重合生長末端が停止反応などを起こさずに生長することによりほぼ設計どおりの分子量の重合体が得られる「リビングラジカル重合法」とに、分類することができる。
「連鎖移動剤法」は、官能化率の高い重合体を得ることが可能であるが、開始剤に対してかなり大量の特定の官能基を有する連鎖移動剤が必要であり、処理も含めて経済面で問題がある。また、前記の「一般的なラジカル重合法」と同様、フリーラジカル重合であるため分子量分布が広く、粘度の高い重合体しか得られないという問題もある。
これらの重合法とは異なり、「リビングラジカル重合法」は、重合速度が高く、ラジカル同士のカップリングなどによる停止反応が起こりやすいため制御が難しいとされるラジカル重合でありながら、停止反応が起こりにくく、分子量分布の狭い(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)重合体が得られるとともに、モノマーと開始剤の仕込み比によって分子量を自由にコントロールすることができる。
したがって、「リビングラジカル重合法」は、分子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任意の位置に導入することができるため、前記特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはより好ましいものである。
なお、リビング重合とは、狭義においては、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく重合のことをいうが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にありながら生長していく擬リビング重合も含まれる。本発明における定義も後者である。
「リビングラジカル重合法」は、近年様々なグループで積極的に研究がなされている。その例としては、例えばジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.)、1994年、116巻、7943頁に示されるようなコバルトポルフィリン錯体を用いるもの、マクロモレキュルズ(Macromolecules)、1994年、27巻、7228頁に示されるようなニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの、有機ハロゲン化物などを開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする「原子移動ラジカル重合」(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)などがあげられる。
「リビングラジカル重合法」の中でも、有機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物などを開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する「原子移動ラジカル重合法」は、前記の「リビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利なハロゲンなどを末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としては、さらに好ましい。
前記原子移動ラジカル重合法としては、例えばMatyjaszewskiら、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年、117巻、5614頁、マクロモレキュルズ(Macromolecules)1995年、28巻、7901頁、サイエンス(Science)1996年、272巻、866頁、WO96/30421号パンフレット,WO97/18247号パンフレットあるいはSawamotoら、マクロモレキュルズ(Macromolecules)1995年、28巻、1721頁などに記載の方法があげられる。
これらのうちのどの方法を使用するかには特に制約はないが、基本的には制御ラジカル重合法が利用され、さらに制御の容易さなどからリビングラジカル重合法が好ましく、特に原子移動ラジカル重合法が好ましい。
原子移動ラジカル重合において、重合触媒として用いられる遷移金属錯体としては、特に限定されないが、好ましくは0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄、または、2価のニッケルを中心金属とする遷移金属錯体、特に好ましくは、銅の錯体があげられる。
重合体に(メタ)アクリロイルオキシ基を導入する方法としては、公知の方法を利用することができる。例えば、特開2004−203932号公報段落[0080]〜[0091]記載の方法が挙げられる。これらの方法以外としては、水酸基末端を有する(メタ)アクリル系重合体にイソシアネート基および(メタ)アクリロイルオキシ基を有するモノマーを反応させる方法があり、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートなどを用いる方法が挙げられる。
前記(メタ)アクリロイルオキシ基含有オリゴマーの分子量分布(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比)には、特に限定はないが、好ましくは1.8未満、より好ましくは1.7以下、さらに好ましくは1.6以下、特に好ましくは1.5以下、特別に好ましくは1.4以下、最も好ましくは1.3以下である。
前記(メタ)アクリロイルオキシ基含有オリゴマーの数平均分子量の下限は、好ましくは500、より好ましくは3,000であり、上限は、好ましくは100,000、より好ましくは40,000である。分子量が500未満であると、重合体の本来の特性が発現されにくくなる傾向があり、100,000をこえると、ハンドリングが困難になりやすい傾向がある。
(メタ)アクリロイルオキシ基含有オリゴマーにおいて(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有するオリゴマーを用いてもよいし、一部の末端がエトキシ基やフェノキシ基等のアルコキシ基やアリールオキシ基でキャップされ(メタ)アクリロイルオキシ基を1個有するオリゴマーを用いてもよい。
(A)成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。(A)成分としては重合後の重合体が低いガラス転移温度(Tg)を有するように(A)成分を選択することが望ましい。0℃以下、さらにはマイナス20℃以下、のTgを有する重合体が生成するように(A)成分を選択することが望ましい。このためには(A)成分として炭素数4以上のアルキル基を有するアルコールの(メタ)アクリル酸とのエステル、ポリプロピレングリコールの(メタ)アクリル酸とのエステルや炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの重合体であって(メタ)アクリロイルオキシ基を有するオリゴマーを使用するのがよい。また、これら3成分のうち2成分を併用して(A)成分として使用したり、3成分を併用して(A)成分として使用するのがよい。なお、Tgは示差走査熱量測定法(DSC法)により測定される。
本発明では(A)成分として式(1)で表わされる基を有する光重合性デンドリマー系化合物を使用してよい。デンドリマー系化合物は樹枝状構造を有する化合物であるが、従来の直線状高分子や分岐型高分子とは異なり、3次元的に枝分かれ構造を繰り返し、高度に分岐している。その為、その最外面に反応性の官能基を数多く導入する事が可能であり硬化性に優れ、同一分子量の直線状高分子と比較して、粘度を低く抑える事が可能である。樹枝状ポリマーとしてはデンドリマー、リニア−デンドリティックポリマー、デンドリグラフトポリマー、ハイパーブランチポリマー、スターハイパーブランチポリマー、ハイパーグラフトポリマーが知られている。これらの中ではデンドリマーあるいはハイパーブランチポリマーが好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有する樹枝状ポリマーの具体例としては、ビスコート#1000(大阪有機化学工業(株)製)が挙げられる。この「ビスコート#1000」、は、ペンタエリスリトール系化合物をコアとして官能基を分岐させていったデンドリマー系化合物であり、最外面にアクリロイルオキシ基を有しており、好適に使用可能である。
光重合性デンドリマー系化合物の使用量は(A)成分の光重合性化合物に対し0.1〜10質量%が好ましい。さらに好ましくは0.5〜5質量%である。
本発明の導電性接着剤には(B)架橋性珪素基を有する有機重合体を使用する。このような重合体を使用すると被着体への接着強度が向上し、特許文献2に記載されているように光照射後に接着剤の粘着性が発現し電子部品等の被着体を仮固定できるようになる。
架橋性珪素基は珪素原子に結合した加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる基である。代表例としては、式(2):
(式中、R1は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基またはR2 3SiO−(R2は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基で3個のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Xは加水分解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2または3を、bは0、1または2を、それぞれ示す。またn個の式(3):
におけるbは同一である必要はない。nは0〜19の整数を示す。但し、a+(bの和)≧1を満足するものとする。)で表わされる基があげられる。該加水分解性基は1個の珪素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、a+(bの和)は1〜5の範囲が好ましい。架橋性珪素基を形成する珪素原子は1個でもよく、2個以上であってもよいが、シロキサン結合等により連結された珪素原子の場合には、20個程度あってもよい。なお、式(4):
(式中、R1,X,aは前記と同じ)で表わされる架橋性珪素基が、入手が容易である点から好ましい。また、式(4)の架橋性珪素基においてaが2又は3である場合が好ましい。aが3の場合、aが2の場合よりも硬化速度が大きくなる。
上記R1の具体例としては、たとえばメチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基や、R2 3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基等があげられる。これらの中ではメチル基が好ましい。
上記Xで示される加水分解性基としては、特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的には、たとえば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等があげられる。これらの中では、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましく、アルコキシ基、アミド基、アミノオキシ基がさらに好ましい。加水分解性が穏やかで取扱やすいという観点からアルコキシ基が特に好ましい。アルコキシ基の中では炭素数の少ないものの方が反応性が高く、メトキシ基>エトキシ基>プロポキシ基の順のように炭素数が多くなるほどに反応性が低くなる。目的や用途に応じて選択できるが、通常メトキシ基やエトキシ基が使用される。
架橋性珪素基の具体的な例としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基、−Si(OR’)3、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基等のジアルコキシシリル基、−SiR1(OR’)2、があげられる。ここでR1は上記と同じであり、R’はメチル基やエチル基のようなアルキル基である。
また、架橋性珪素基は1種で使用しても良く、2種以上併用してもかまわない。架橋性珪素基は、主鎖または側鎖あるいはいずれにも存在しうる。硬化物の引張特性等の硬化物物性が優れる点で架橋性珪素基が分子鎖末端に存在するのが好ましい。
架橋性珪素基は重合体1分子中に平均して1.0個以上5個以下、好ましくは1.1〜3個存在するのがよい。分子中に含まれる架橋性珪素基の数が1個未満になると、硬化性が不充分になり、また多すぎると網目構造があまりに密となるため良好な機械特性を示さなくなる。
(B)成分の架橋性珪素基を有する有機重合体の主鎖骨格は特に制限はなく、各種の主鎖骨格を持つものを使用することができる。具体的には、ポリオキシアルキレン系重合体、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体、エチレン−プロピレン系共重合体、ポリイソブチレン、イソブチレンとイソプレン等との共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、イソプレンあるいはブタジエンとアクリロニトリルおよび/またはスチレン等との共重合体、ポリブタジエン、イソプレンあるいはブタジエンとアクリロニトリル、および/またはスチレン等との共重合体、これらのポリオレフィン系重合体に水素添加して得られる水添ポリオレフィン系重合体等の炭化水素系重合体;アジピン酸、テレフタル酸、琥珀酸等の多塩基酸とビスフェノールA、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコールとの縮合重合体やラクトン類の開環重合体等のポリエステル系重合体;ε−カプロラクタムの開環重合によるナイロン6、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の縮重合によるナイロン6・6、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の縮重合によるナイロン6・10、ε−アミノウンデカン酸の縮重合によるナイロン11、ε−アミノラウロラクタムの開環重合によるナイロン12、上記のナイロンのうち2成分以上の成分を有する共重合ナイロン等のポリアミド系重合体;ポリサルファイド系重合体;たとえばビスフェノールAと塩化カルボニルより縮重合して製造されるポリカーボネート系重合体、ジアリルフタレート系重合体等が例示される。
(B)架橋性珪素基を有する有機重合体としては、架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン系重合体及び架橋性シリル基含有(メタ)アクリル系重合体からなる群から選択された少なくとも1種の化合物が好適である。
(B)成分としてポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体を使用すると硬化物の耐候性、基材への接着性あるいは耐薬品性を改善できる。また、(B)成分としてTgが高いポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体、例えばTgが10℃以上の重合体を使用すると、本発明の導電性接着剤を光重合した場合、粘着性が発現しやすいという利点がある。特に(A)成分としては重合後の重合体が低いガラス転移温度(Tg)を有するように(A)成分を選択した場合この傾向が大きい。Tgが高い重合体を得るには高いTgが高い重合体を与えることが知られているメチルメタアクリレート等のモノマーを使用すればよい。また、他のアクリル系モノマーと共重合させることでTgを調整することができる。好ましいTgは50℃以上である。ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体は本質的に式(5)で示される繰り返し単位を有する重合体である。
(式中、R3は水素原子またはメチル基、R4はアルキル基を示す)
式(5)におけるR4はアルキル基であり、炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。R4は直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。また、ハロゲン原子、フェニル基、アミノ基あるいはグリシジル基等を有する置換アルキル基でもよい。R4の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基等をあげることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体の分子鎖は本質的に式(5)の単量体単位からなるが、ここでいう本質的にとは該重合体中に存在する式(5)の単量体単位の合計が50質量%をこえることを意味する。式(5)の単量体単位の合計は好ましくは70質量%以上である。
式(5)以外の単量体単位の例としては、アクリル酸、メタクリル酸等の(メタ)アクリル酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含む単量体;その他アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位があげられる。
架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体は通常、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルをラジカル共重合して得ることができる。また、架橋性珪素基を有する開始剤や架橋性珪素基を有する連鎖移動剤を使用すると分子鎖末端に架橋性珪素基を導入することができる。
特開2001−040037号公報、特開2003−048923号公報および特開2003−048924号公報には架橋性珪素基を有するメルカプタンおよびメタロセン化合物を使用して得られる架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体が記載されている。また、特開2005−082681号公報合成例には高温連続重合による架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体が記載されている。
特開2000−086999号公報等にあるように、架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体であって架橋性珪素基が分子鎖末端に高い割合で導入された重合体も知られている。このような重合体はリビングラジカル重合によって製造されているため、高い割合で架橋性珪素基を分子鎖末端に導入することができる。本発明では以上に述べたような(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体を使用することができる。
(B)成分がポリオキシアルキレン系重合体の場合、ポリオキシアルキレン系重合体は本質的に式(6)で示される繰り返し単位を有する重合体である。
(式中、R5は2価の有機基)
式(6)におけるR5は、炭素数1〜14の、さらには2〜4の、直鎖状もしくは分岐状アルキレン基が好ましい。
式(6)で示される繰り返し単位の具体例としては、例えば、
等があげられる。ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位からなってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなってもよい。特にオキシプロピレンを主成分とする重合体から成るのが好ましい。
架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体の分子量は5,000〜50,000が好ましい。なお、本発明でいう数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量をいう。数平均分子量が5,000未満の場合、接着強度が十分でない場合があり、50,000を超えると導電性接着剤の粘度が大きくなり作業性が低下することがある。
架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は直鎖状でもよくまたは分岐を有してもよい。
ポリオキシアルキレン系重合体の合成法としては、たとえばKOHのようなアルカリ触媒による重合法、たとえば特開昭61−197631号、同61−215622号、同61−215623号、同61−215623号に示されるような有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる、有機アルミニウム−ポルフィリン錯体触媒による重合法、たとえば特公昭46−27250号および特公昭59−15336号などに示される複金属シアン化物錯体触媒による重合法等があげられるが、特に限定されるものではない。有機アルミニウム−ポルフィリン錯体触媒による重合法や複金属シアン化物錯体触媒による重合法によれば数平均分子量6,000以上、Mw/Mnが1.6以下の高分子量で分子量分布が狭いポリオキシアルキレン系重合体を得ることができる。
上記ポリオキシアルキレン類の主鎖骨格中にはウレタン結合成分等の他の成分を含んでいてもよい。ウレタン結合成分としては、たとえばトルエン(トリレン)ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートと水酸基を有するポリオキシアルキレン類との反応から得られるものをあげることができる。
ポリオキシアルキレン系重合体への架橋性珪素基の導入は、分子中に不飽和基、水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基および架橋性珪素基を有する化合物を反応させることにより行うことができる。この方法(以下、高分子反応法という)はポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、リビング重合により得られる不飽和単量体の重合体にも好適に使用される。これらの重合体は分子鎖末端に水酸基等の官能基を有しているので、末端に架橋性珪素基を導入しやすいためである。
高分子反応法の具体例として、不飽和基含有オキシアルキレン系重合体に架橋性珪素基を有するヒドロシランや架橋性珪素基を有するメルカプト化合物を作用させてヒドロシリル化やメルカプト化し、架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体を得る方法をあげることができる。不飽和基含有オキシアルキレン系重合体は水酸基等の官能基を有するオキシアルキレン系重合体に、不飽和ハロゲン化合物のような、この官能基に対して反応性を示す活性基および不飽和基を有する有機化合物を反応させ、不飽和基を含有するオキシアルキレン系重合体を得ることができる。
また、高分子反応法の他の具体例として、末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体とイソシアネート基および架橋性珪素基を有する化合物を反応させる方法や末端にイソシアネート基を有するオキシアルキレン系重合体と水酸基やアミノ基等の活性水素基および架橋性珪素基を有する化合物を反応させる方法をあげることができる。イソシアネート化合物を使用すると、容易に架橋性珪素基を有するオキシアルキレン系重合体を得ることができる。高分子反応法はポリオキシアルキレン系重合体以外の他の重合体にも適用することが可能である。
架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン重合体の具体例としては、特公昭45−36319号、同46−12154号、特開昭50−156599号、同54−6096号、同55−13767号、同57−164123号、特公平3−2450号、特開2005−213446号、同2005−306891号、国際公開特許WO2007−040143号、米国特許3,632,557号、同4,345,053号、同4,960,844号等の各公報に提案されているものをあげることができる。
本発明においては、上記したように(B)成分としてTgが10℃以上のポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体を使用すると粘着性が発現しやすいという利点がある。この重合体にさらにTgが0℃以下の架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン重合体及び/又はポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体を加えると、光重合した場合、粘着性が発現しやすくなり、かつ、最終的な硬化物の基材に対する接着性が改善されるという利点が生じる。Tgが10℃以上のポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体とTgが0℃以下の架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン重合体及び/又はポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体の混合比率は質量で1:5〜5:1、好ましくは1:3〜1:1である。(B)成分の架橋性珪素基を有する有機重合体の使用量は(A)成分の光重合性化合物100質量部に対し40〜200質量部が好ましい。
本発明では(C)成分として導電性粉末を使用し、この導電性粉末としては結晶成長させた金属粒子であって結晶成長後の形状が樹枝状の金属粒子である導電性粉末を使用する。金属の例としては金、白金、パラジウム、ロジウム、銀、銅等をあげることができ、銀粉末や銀被覆銅粉末が好ましい。(C)成分の導電性粉末としては、50%粒子径(D50)が3〜30μm、さらには4.0μm〜25.0μm、比表面積が0.3〜1.5m2/g、さらには0.4〜1.40m2/g、タップ密度が0.3〜2.0g/cm3のものが好ましい。なお、比表面積はBET一点法で測定される。
本発明で使用する樹枝状導電性粉末としては結晶成長させた金属粒子であって結晶成長後の形状が樹枝状の金属粒子が必要であって、樹枝状導電性粉末であっても一次粒子が凝集した状態において、一次粒子が互いに結合して樹枝状を形成している金属粒子は好ましくない。本発明で使用できる金属粒子の例は特開2004−068111号公報に記載されている。また、三井金属(株)よりACAX−3なる商品名で市販されている。(C)成分としては銀被覆銅粉末が好ましい。
導電性粉末として(C)成分の導電性粉末に加えて(C)成分以外の導電性粉末を併用してもよい。(C)成分以外の導電性粉末の例として鱗片状(フレーク状)や球状の導電性粉末を挙げることができる。鱗片状の導電性粉末を併用することが好ましく、特に、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による10%粒子径をD10、50%粒子径をD50、90%粒子径をD90及び粒径の標準偏差をSDとしたとき、SD/D50が0.5以下であり、且つ、D90/D10が4.0以下の鱗片状導電性粉末を使用することが好ましい。D90/D10の好ましい範囲は3.0以下である。このような鱗片状導電性粉末としては50%粒子径(D50)が1.0〜10.0μmが好ましく、比表面積が0.3〜1.5m2/gが好ましく、タップ密度1.0〜7.0g/cm3が好ましい。
(C)成分の導電性粉末の使用量は溶剤及び全導電性粉末を除いた導電性接着剤100質量部に対し100〜600質量部である。100〜500質量部が好ましく、200〜400質量部がさらに好ましい。100質量部未満であると導電性が低くなり、600質量部を超えると接着剤の粘度が大きくなり作業性が低下する。(C)成分と鱗片状の導電性粉末を併用する場合、(C)成分と鱗片状の導電性粉末は30/70〜95/5の質量比が好ましい。特に50/50〜95/5の質量比が好ましい。
また、導電性接着剤中の有機成分との親和性を向上させて、導電性接着剤中での導電性粉末の分散性を向上させるために、導電性粉末の製造工程中あるいは製造後に粉末の表面の処理を行うことも好ましく行われる。表面処理剤は、界面活性剤や有機化合物を用いることができる。
本発明の導電性接着剤にはさらに光ラジカル開始剤、シラノール縮合触媒、樹脂フィラー、脱水剤、遮光性材料、樹脂フィラーや遮光性材料以外の充填材、酸化防止剤、可塑剤、反応性希釈剤、光安定剤、接着性付与剤、溶剤、光増感剤、難燃剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、発泡剤を添加してもよい。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。このような添加物の具体例は、たとえば、特公平4−69659号公報、特公平7−108928号公報、特開昭63−254149号公報、特開昭64−22904号公報の各明細書などに記載されている。
光ラジカル開始剤としては、公知の光ラジカル開始剤を広く使用することができ特に制限はないが、例えば、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル類;4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン及び4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、及びN,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン及び2−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール等のケタール類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類;エチル−p−ジメチルアミノベンゾエート、(2−ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、ビス−4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等のアミン相乗剤等が挙げられる。
これらの中でも、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1及び2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン等のα−アミノアセトフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類;及びアミン相乗剤等の長波長(例えば、波長300nm)に光吸収を持つ光ラジカル開始剤が深部硬化性の点で好ましく、アシルフォスフィンオキサイド類及びアミン相乗剤がより好ましい。
また、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアセトフェノン類は表面硬化性を向上させることができ、好適である。
光ラジカル開始剤の配合割合は特に制限はないが、(A)成分の光重合性化合物100質量部に対して、0.01〜40質量部が好ましく、0.1〜30質量部がより好ましい。光ラジカル開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シラノール縮合触媒は(B)成分の架橋性珪素基を有する有機重合体を架橋硬化させる触媒である。架橋硬化は湿分の作用により進行する。シラノール縮合触媒としては金属アルコキシドまたはそのキレート化合物を使用することができる。たとえばアルミニウム、チタニウム、ジルコニウムもしくはセリウムの如き金属のアルコキシド、あるいはたとえばアセト酢酸エステルもしくはアセチルアセトンによってキレート化された上記金属のアルコキシドを挙げることができる。これらの中ではアルミニウムキレート化合物(アルミニウム錯体)が本発明の導電性接着剤を使用する場合に必要な可使時間が取れるので好ましい。
シラノール縮合触媒として、光塩基発生剤、Si−F結合を有するケイ素化合物、及びフッ素系化合物も好適に使用できる。また、シラノール縮合触媒として酸や光酸発生剤も知られているが酸は金属を腐食させるので、特に電子回路等に使用することは適切でない。また、シラノール縮合触媒としてよく使用される錫触媒は活性が大きすぎてスクリーン印刷等で十分な可使時間が得ることが困難である。従って、シラノール縮合触媒としてはアルミニウム、チタニウム、ジルコニウムもしくはセリウムの如き金属アルコキシドまたはそのキレート化合物や、光塩基発生剤、Si−F結合を有するケイ素化合物、フッ素系化合物が好ましく、特にキレート化合物が好ましい。
アルミニウム錯体は、Al−O結合を有する錯体であり、かかる化合物としては例えば、アルミニウム原子にアルコキシ基、フェノキシ基、アシルオキシ基、o−カルボニルフェノラト基およびβ−ジケトナト基などが結合した化合物が挙げられる。
ここで、アルコキシ基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、より具体的にはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシなどが挙げられ、フェノキシ基としてはフェノキシ基、o−メチルフェノキシ基、o−メトキシフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基などが挙げられる。アシルオキシ基としては、アセタト、プロピオナト、イソプロピオナト、ブチラト、ステアラト、エチルアセトアセタト、プロピルアセトアセタト、ブチルアセトアセタト、ジエチルマラト、ジピバロイルメタナトなどの配位子が挙げられ、o−カルボニルフェノラト基としては、例えば、サリチルアルデヒダトが挙げられる。β−ジケトナト基としては、例えば、アセチルアセトナト、トリフルオロアセチルアセトナト、ヘキサフルオロアセチルアセトナト、および以下に示す式(7)〜(8)で表わされる配位子などが挙げられる。
具体的には、トリスメトキシアルミニウム、トリスエトキシアルミニウム、トリスイソプロポキシアルミニウム、トリスフェノキシアルミニウム、トリスパラメチルフェノキシアルミニウム、イソプロポキシジエトキシアルミニウム、トリスブトキシアルミニウム、トリスー2ーエチルヘキソキシアルミニウム、トリスアセトキシアルミニウム、トリスステアラトアルミニウム、トリスブチラトアルミニウム、トリスプロピオナトアルミニウム、トリスイソプロピオナトアルミニウム、トリスアセチルアセトナトアルミニウム、トリストリフルオロアセチルアセトナトアルミニウム、トリスヘキサフルオロアセチルアセトナトアルミニウム、トリスエチルアセトアセタトアルミニウム、トリスサリチルアルデヒダトアルミニウム、トリスジエチルマロラトアルミニウム、トリスプロピルアセトアセタトアルミニウム、トリスブチルアセトアセタトアルミニウム、トリスジビバロイルメタナトアルミニウム、シクロヘキシルオキシ・ジイソプロポキシアルミニウム、ジイソプロポキシ・トリクロロアセタトアルミニウム、イソプロポキシ・ジステアラトアルミニウム、ジイソプロポキシ・アセチルアセトナトアルミニウム、ジイソプロポキシ・エチルアセトアセタトアルミニウム、ジアセチルアセトナトビバロイルメタナトアルミニウム、さらに下記化学式で表わされる化合物が挙げられる。
アルミニウム錯体は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらの中では溶解性や長期間保管した場合に活性が低下しにくいことから、トリスアセチルアセトナトアルミニウム、トリスエチルアセトアセトナトアルミニウムがとりわけ好ましい。
チタニウム、ジルコニウムあるいはセリウムの錯体の例としてはテトライソプロピル・チタネート、テトライソブチル・チタネートもしくはトリイソプロピル・アセチルアセトニル・チタネート;テトライソプロピル・ジルコネートもしくはトリイソプロピル・アセチルアセトニル・ジルコネート;あるいはセリウム・トリイソプロポキシドもしくはセリウム・アセチルアセトネート・ジイソプロポキシドを挙げることができる。
光塩基発生剤としては、公知の光塩基発生剤を用いることができるが、活性エネルギー線の作用によりアミン化合物を発生する光潜在性アミン化合物が好ましい。該光潜在性アミン化合物としては、活性エネルギー線の作用により第1級アミノ基を有するアミン化合物を発生する光潜在性第1級アミン、活性エネルギー線の作用により第2級アミノ基を有するアミン化合物を発生する光潜在性第2級アミン、及び活性エネルギー線の作用により第3級アミノ基を有するアミン化合物を発生する光潜在性第3級アミンのいずれも使用可能であるが、発生塩基が高い触媒活性を示す点から光潜在性第3級アミンがより好適である。
また、光塩基発生剤として、例えば、下記式(VII)〜(X)で示されるα−アミノケトン化合物が好適な例として挙げられる。
前記式(VII)中、式中、R51は、芳香族又は複素芳香族基であり、R51が、芳香族基(これは、非置換であるか、又はC1−C18アルキル、C3−C18アルケニル、C3−C18アルキニル、C1−C18ハロアルキル、NO2、NR58R59、N3、OH、CN、OR60、SR60、C(O)R61、C(O)OR62若しくはハロゲンにより1回以上置換されている。R58、R59、R60、R61及びR62は、水素又はC1−C18アルキルである)であることが好ましく、フェニル、ナフチル、フェナントリル、アントラシル、ピレニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3−b]チエニル、チアトレニル、ジベンゾフリル、クロメニル、キサンテニル、チオキサンチル、フェノキサチイニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリル、フラザニル、テルフェニル、スチルベニル、フルオレニル若しくはフェノキサジニルからなる群から選択されることがより好ましい。
R52及びR53は、互いに独立して、水素、C1−C18アルキル、C3−C18アルケニル、C3−C18アルキニル又はフェニルであり、そしてもしR52が水素又はC1−C18アルキルであれば、R53は、更に、基−CO−R64(式中、R64は、C1−C18アルキル又はフェニルである)であるか;或いは、R51とR53は、カルボニル基及びR53が結合しているC原子と一緒になって、ベンゾシクロペンタノン基を形成し;R54とR56が、一緒になって、C3アルキレン橋を形成し;R55とR57が、一緒になって、プロピレン又はペンチレンである。
前記式(VIII)〜(X)において、R75はそれぞれ独立して芳香族又は複素芳香族基であり、前記式(VII)のR51と同様のものが挙げられる。R71及びR72は前記式(VII)のR52及びR53と同様であり、R71及びR72が複数存在する場合それらは同じであっても異なっていてもよい。
R73は炭素原子数1〜12のアルキル基;−OH、−炭素原子数1〜4のアルコキシ、−CNもしくは−COO(炭素原子数1〜4のアルキル)で置換された炭素原子数2〜4のアルキル基を表すか、または、R73は炭素原子数3〜5のアルケニル基、炭素原子数5〜12のシクロアルキル基またはフェニル−炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。R74は炭素原子数1〜12のアルキル基;または−OH、−炭素原子数1〜4のアルコキシ基、−CNもしくは−COO(炭素原子数1〜4のアルキル)で置換された炭素原子数2〜4のアルキル基を表すかまたはR74は炭素原子数3〜5のアルケニル基、炭素原子数5〜12のシクロアルキル基、フェニル−炭素原子数1〜3のアルキル基、または、未置換であるかまたは炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基もしくは−COO(炭素原子数1〜4のアルキル)によって置換されたフェニル基を表すか、あるいはR74はR73と一緒になって炭素原子数1〜7のアルキレン基、フェニル−炭素原子数1〜4のアルキレン基、o−キシリレン基、2−ブテニレン基または炭素原子数2もしくは3のオキサアルキレン基を表すか、あるいはR73およびR74は一緒になって−O−、−S−もしくは−CO−で中断され得る炭素原子数4〜7のアルキレン基を表すか、またはR73及びR74は一緒になってOH、炭素原子数1〜4のアルコキシ基もしくは−COO(炭素原子数1〜4のアルキル)で置換され得る炭素原子数3〜7のアルキレン基を表す。R73及びR74が複数存在する場合それらは同じであっても異なっていてもよい。
Y1は下記式(XI)で示される2価の基、−N(R81)−又は−N(R81)−R82−N(R81)−で示される2価の基を表し、R81は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数3〜5のアルケニル基、フェニル−炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜4のヒドロキシアルキル基もしくはフェニル基を表し、R82は1もしくはそれ以上の−O−または−S−により中断され得る枝分かれしていないまたは枝分かれした炭素原子数2〜16のアルキレン基を表す。
Y2は炭素原子数1〜6のアルキレン基、シクロヘキシレン基もしくは直接結合を表す。
また、α−アミノケトン化合物として、特開平11−71450号公報記載の4−(メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン(イルガキュア907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン(イルガキュア369)、2−(4−メチルベンジル)−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン(イルガキュア379)、特開2001−512421号公報記載の5−(4’−フェニル)フェナシル−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−フェナシル−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−ナフトイルメチル−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(1’−ピレニルカルボニルメチル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(4’−ニトロ)フェナシル−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(2’、4’−ジメトキシ)フェナシル−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(9’−アンスロイルメチル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、8−(4’−フェニル)フェナシル−(1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン)等のα−アミノケトン誘導体が挙げられる。
また、光塩基発生剤として、例えば、下記式(XII)で示されるα−アンモニウムケトン化合物が挙げられる。
前記式(XII)において、kは1又は2であって、カチオンの正電荷数に相当する。V−はカウンターアニオンであり、ボレートアニオン(テトラフェニルボレート、メチルトリフェニルボレート、エチルトリフェニルボレート、プロピルトリフェニルボレート及びブチルトリフェニルボレート等)、フェノラートアニオン(フェノラート、4−tert−ブチルフェノラート、2,5−ジ−tert−ブチルフェノラート、4−ニトロフェノラート、2,5−ジニトロフェノラート及び2,4,6−トリニトロフェノラート等)及びカルボキシレートアニオン(安息香酸アニオン、トルイル酸アニオン及びフェニルグリオキシル酸アニオン等)等が挙げられる。これらのうち、光分解性の観点から、ボレートアニオン及びカルボキシレートアニオンが好ましく、さらに好ましくはブチルトリフェニルボレートアニオン、テトラフェニルボレートアニオン、安息香酸アニオン及びフェニルグリオキシル酸アニオン、光分解性及び熱安定性の観点から特に好ましくはテトラフェニルボレートアニオン及びフェニルグリオキシル酸アニオンである。
前記式(XII)において、R91は前記式(VII)のR51と同様である。
R92、R93およびR94は、それぞれ互いに独立に、水素、C1〜C18アルキル、C3〜C18アルケニル、C3〜C18アルキニルもしくはフェニルであり;またはR92とR93および/もしくはR94とR93が、互いに独立にC2〜C12アルキレン架橋を形成しているか;あるいはR92、R93、R94が、結合している窒素原子とともに、P1、P2、P<t/4>型のホスファゼン塩基を、または、下記構造式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)もしくは(g)の基を形成している。
R95は、水素またはC1〜C18アルキルであり;あるいはR95およびR91は、結合している炭素原子とともに、ベンゾシクロペンタノン基を形成している。
前記式(a)〜(g)中、R91及びR95は前記式(XII)と同様であり、l及びqはそれぞれ互いに独立に2〜12の数である。
また、α−アンモニウムケトン化合物として、特表2001−513765号公報、WO2005/014696号公報記載のフェナシルトリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、(4−メトキシフェナシル)トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、1−フェナシル−(1−アゾニア−4−アザビシクロ[2,2,2]−オクタン)テトラフェニルボレート、(1,4−フェナシル−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン)ビス(テトラフェニルボレート)、1−ナフトイルメチル−(1−アゾニア−4−アザビシクロ[2,2,2]−オクタン)テトラフェニルボレート、1−(4’−フェニル)フェナシル−(1−アゾニア−4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン)テトラフェニルボレート、5−(4’−フェニル)フェナシル−(5−アゾニア−1−アザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン)テトラフェニルボレート、5−(4’−メトキシ)フェナシル−(5−アゾニア−1−アザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン)テトラフェニルボレート、5−(4’−ニトロ)フェナシル−(5−アゾニア−1−アザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン)テトラフェニルボレート、5−(4’−フェニル)フェナシル−(8−アゾニア−1−アザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン)テトラフェニルボレート等のα−アンモニウムケトン誘導体が挙げられる。
また、光塩基発生剤として、例えば、下記式(XIII)で示されるベンジルアミン化合物が挙げられる。
前記式(XIII)において、R101は前記式(VII)のR51と同様である。R102およびR103は、相互に独立して、水素またはC1〜C18アルキルである。R104およびR106は、一緒になって、非置換であるか、または1個以上のC1〜C4アルキル基によって置換されているC2〜C12アルキレンブリッジを形成する。R105およびR107は、一緒になって、R104およびR106とは独立して、非置換であるか、または1個以上のC1〜C4アルキル基によって置換されているC2〜C12アルキレンブリッジを形成する。
また、ベンジルアミン化合物として、特表2005−511536号公報記載の5−ベンジル−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(アントラセン−9−イル−メチル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(4’−シアノベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(3’−シアノベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(2’−クロロベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(2’,4’,6’−トリメチルベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(4’−エテニルベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(3’−メトキシベンジル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、5−(ナフト−2−イル−メチル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナン、1,4−ビス(1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナニルメチル)ベンゼン、8−(2’,6’−ジクロロベンジル)−1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカン等のベンジルアミン誘導体が挙げられる。
また、光塩基発生剤として、例えば、下記式(XIV)で示されるベンジルアンモニウム塩が挙げられる。
前記式(XIV)において、V−は前記式(XII)のV−と同様である。R111は前記式(VII)のR51と同様である。R112〜R114はそれぞれ独立して、前記式(XII)のR92、R93およびR94と同様である。R115及びR116は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又はハロゲン原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜20のアルキルシリル基、炭素数1〜20のアシル基、アミノ基、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基及びフェ二ルチオ基の群から選ばれる基で置換されていてもよいフェニル基を表し、R115及びR116は互いに結合して環構造を形成していてもよい。
また、ベンジルアンモニウム塩として、WO2010/095390号公報及びWO2009/122664号公報記載の光塩基発生剤、例えば、(9−アントリル)メチルトリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、(9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)メチルトリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、(9−アントリル)メチル1−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタニウムテトラフェニルボレート、(9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)メチル1−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタニウムテトラフェニルボレート、9−アントリルメチル−1−アザビシクロ〔2.2.2〕オクタニウムテトラフェニルボレート、5−(9−アントリルメチル)−1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕−5−ノネニウムテトラフェニルボレート、8−(9−アントリルメチル)−1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセニウムフェニルグリオキシラート、N−(9−アントリルメチル)−N,N,N−トリオクチルアンモニウムテトラフェニルボレート、8−(9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)メチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウムテトラフェニルボレート、8−(4−ベンゾイルフェニル)メチル−1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセニウムテトラフェニルボレート、{8−(t−ブチル−2−ナフタリルメチル)−1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセニウムテトラフェニルボレート、8−(9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムテトラフェニルボレート、N−ベンゾフェノンメチルトリ−N−メチルアンモニウムテトラフェニルボレート等のベンジルアンモニウム塩誘導体等が挙げられる。
前述した光塩基発生剤の中でも、発生塩基が高い触媒活性を示す点から光潜在性第3級アミンが好ましく、塩基の発生効率が良いこと及び組成物としての貯蔵安定性が良いことなどから、ベンジルアンモニウム塩誘導体、ベンジル置換アミン誘導体、α−アミノケトン誘導体、α−アンモニウムケトン誘導体が好ましく、特に、光が当たっていない時は塩基が発生せず、光が当たると塩基が効率よく発生することから、α−アミノケトン誘導体、ベンジル置換アミン誘導体がより好ましい。
これら光塩基発生剤は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記光塩基発生剤の配合割合は特に制限はないが、(B)有機重合体100質量部に対して、0.01〜50質量部が好ましく、0.1〜40質量部がより好ましく、0.5〜30質量部がさらに好ましい。
Si−F結合を有するケイ素化合物は、(B)有機重合体の硬化触媒として作用する。Si−F結合を有するケイ素化合物としては、Si−F結合を有するケイ素基(以下、フルオロシリル基と称することがある)を含む公知の化合物を広く使用することができ、特に制限はなく、低分子化合物及び高分子化合物のいずれも使用可能であるが、フルオロシリル基を有する有機珪素化合物が好ましく、フルオロシリル基を有する有機重合体が、安全性が高くより好適である。また、配合物が低粘度となる点からフルオロシリル基を有する低分子有機珪素化合物が好ましい。
Si−F結合を有するケイ素化合物としては、具体的には、下記式(7)で示されるフルオロシラン類等の下記式(8)で示されるフルオロシリル基を有する化合物、フルオロシリル基を有する有機重合体等が好適な例として挙げられる。
R11 4−dSiFd ・・・(7)
(式(7)において、R11はそれぞれ独立して、置換あるいは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基、またはR12SiO−(R12はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜20の置換あるいは非置換の炭化水素基、又はフッ素原子である)で示されるオルガノシロキシ基のいずれかを示す。dは1〜3のいずれかであり、dが3であることが好ましい。R11及びR12が複数存在する場合、それらは同じであっても異なっていてもよい。)
−SiFdR11 eZf ・・・(8)
(式(8)中、R11及びdはそれぞれ式(7)と同じであり、Zはそれぞれ独立して水
酸基又はフッ素以外の加水分解性基であり、eは0〜2のいずれかであり、fは0〜2のいずれかであり、d+e+fは3である。R11、R12及びZが複数存在する場合、それらは同じであっても異なっていてもよい。)
前記式(8)で示されるフルオロシリル基を有する化合物において、式(8)中のZで示される加水分解性基としては、例えば、式(1)のXの加水分解性基と同様の基を挙げることができるが、具体的には、水素原子、フッ素以外のハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましく、加水分解性が穏やかで取扱いやすいという観点からアルコキシ基が特に好ましい。
また、前記式(8)中のR11としては、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基や、R12がメチル基、フェニル基等であるR12SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基等が挙げられる。これらの中ではメチル基が特に好ましい。
また、Si−F結合を有するケイ素化合物として、WO2007/123167号、特開2008−156482号公報、WO2008/032539、特開2009−215331号公報及び特開2009−215330号公報等に記載のSi−F結合を有するケイ素化合物が挙げられる。
フッ素系化合物は、架橋性珪素基の加水分解縮合反応を促進させる化合物となり、(B)有機重合体の硬化触媒として作用する。フッ素系化合物としては、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素の錯体、フッ素化剤及び多価フルオロ化合物のアルカリ金属塩からなる群から選択される1種以上のフッ素系化合物が好ましい。
前記三フッ化ホウ素の錯体としては、例えば、三フッ化ホウ素のアミン錯体、アルコール錯体、エーテル錯体、チオール錯体、スルフィド錯体、カルボン酸錯体、水錯体等が例示される。上記三フッ化ホウ素の錯体の中では、安定性と触媒活性を兼ね備えたアミン錯体が特に好ましい。
また、フッ素系化合物として、特開2008−7586号公報、特開2008−260932号公報、特開2010−77226号公報、特開2008−260933号公報、特開2007−63523号公報等に記載のフッ素系化合物が挙げられる。
シラノール縮合触媒の配合割合は特に制限はないが、(B)成分の珪素含有基を有する有機重合体100質量部に対して、0.01〜30質量部が好ましく、0.1〜20質量部がより好ましい。シラノール縮合触媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の導電性接着剤は、平均粒子径1〜150μmの樹脂フィラーをさらに含むことができる。
前記樹脂フィラーは、有機樹脂等からなる粒子状のフィラーであり、ポリアクリル酸エチル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の公知の有機質微粒子を用いることができる。
例えば尿素樹脂系フィラーとしては、ALBEMARLE社製の「PERGOPAKシリーズ」等が挙げられる。またメラミン樹脂系フィラーとしては、日本触媒株式会社製の「エポスターM30」等が挙げられる。またウレタン樹脂系フィラーとしては、根上工業株式会社製の「アートパールC−200、C−300、C−400、C−800」などの架橋ウレタン樹脂フィラー等が挙げられる。また、ベンゾグアナミン樹脂系フィラーとしては、日本触媒株式会社製の「エポスターM05、MS」等が挙げられる。フェノール樹脂系フィラーとしては、住友ベークライト社製「PR−RES−5」、昭和高分子社製「ショウノールPMB−1010」等が挙げられる。アクリル樹脂系フィラーとしては、積水化成品工業株式会社製の「テクポリマーMBXシリーズ」、根上工業社製のアートパールG−400、G−800、GR−400、GR−800、J−4PY、J−4P、J−4PY、J−5P、J−7P、J7PY、S−5P等が挙げられる。また、スチレン樹脂系フィラーとしては、積水化成品工業株式会社製の「テクポリマーSBXシリーズ」等が挙げられる。
本発明で用いる樹脂フィラー(樹脂微粉末)は、単量体(例えば、メタクリル酸メチル)などを懸濁重合させること等によって容易に得られる真球状のものが好適である。また、本発明で用いる樹脂フィラーは、溶液組成物に充てん材として好適に含有されるものであるから、好ましくは球状の架橋樹脂フィラーである。
樹脂フィラーとしては、(A)成分や(B)成分に対する相溶性が良い点でウレタン樹脂系フィラー、アクリル樹脂系フィラーが好ましく、ウレタン樹脂系フィラーがより好ましい。
樹脂フィラーの平均粒子径は1〜150μmが好ましく、5〜30μmがさらに好ましい。本発明において、前記平均粒子径はレーザー回折散乱法により測定される50%累積粒径である。平均粒子径が1μmより小さいと、導電性接着剤の系中に分散しにくくなる場合がある。また、150μmより大きいとアプリケーションのノズルで詰まりやすくなる傾向がある。
樹脂フィラーのTgが20℃〜−60℃であることが好ましく、0℃〜−50℃がさらに好ましい。なお、Tgは示差走査熱量測定法(DSC法)により測定される。樹脂フィラーの配合割合は特に制限はないが、(A)成分100質量部に対して、0.5〜200質量部が好ましく、1〜50質量部がより好ましい。樹脂フィラーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の導電性接着剤は、水分吸収剤をさらに含むことができる。水分吸収剤は(B)成分が保存中に硬化するのを防止できる。水分吸収剤としては、後述するシランカップリング剤やシリケートが好適である。シリケートとしては、特に限定されず、例えば、テトラアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物があげられ、より具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エトキシトリメトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、メトキシトリエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン(テトラアルキルシリケート)、および、それらの部分加水分解縮合物が挙げられる。
水分吸収剤として用いられるシランカップリング剤としては、水分吸収剤として作用するものであればよく特に制限はないが、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基以外のビニル基を含有するビニル型不飽和基含有シラン類;ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等のアルキルシラン類;フェニル基含有シラン類が好ましい。
水分吸収剤の配合割合は特に制限はないが、(B)成分100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましく、1〜50質量部がより好ましい。水分吸収剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の導電性接着剤は、遮光性材料をさらに含むことができる。遮光性材料は、導電性接着剤に遮光性を付与するものであり、黒色顔料が好ましい。遮光性材料は、導電性接着剤の加工性を維持するために、少量の添加で遮光性を付与するものが好ましい。遮光性材料としては、無機又は有機顔料が挙げられる。無機顔料としては、炭素粉末、アイボリーブラック、マルスブラック、ピーチブラック、ランプブラック、銅、鉄、クロム、マンガン、コバルトなどを含有した無機系ブラック、チタンブラックなどが挙げられる。炭素粉末であることが好ましく、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末等がより好ましく、少量の添加で硬化後の導電性接着剤に遮光性を付与する観点から、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックが特に好ましい。有機顔料としては、アニリンブラック、ペリレンブラックが上げられ、ペリレンブラックが好ましい。市販されている製品としては、日弘ビックス株式会社製黒色顔料(製品名:NBD−0744)等が挙げられる。
遮光性材料の配合割合は特に制限はないが、(A)成分100質量部に対して、0.001〜20質量部が好ましく、0.01〜10質量部がより好ましい。遮光性材料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂フィラーや遮光性材料以外の充填材としては、特開2005−232419号公報段落[0158]記載の充填材が挙げられる。これら充填材のうちでは、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク等が好ましい。
特に、これら充填材で強度の高い硬化物を得たい場合には、主に結晶性シリカ、溶融シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、表面処理微細炭酸カルシウム、焼成クレー、クレー及び活性亜鉛華等から選ばれる充填材を添加できる。なかでも、比表面積(BET吸着法による)が50m2/g以上、通常50〜400m2/g、好ましくは100〜300m2/g程度の超微粉末状のシリカが好ましい。またその表面が、オルガノシランやオルガノシラザン、ジオルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物で予め疎水処理されたシリカが更に好ましい。
また、低強度で伸びが大である硬化物を得たい場合には、主に酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、酸化第二鉄、酸化亜鉛及びシラスバルーン等から選ばれる充填材を添加できる。なお、一般的に、炭酸カルシウムは、比表面積が小さいと、硬化物の破断強度、破断伸びの改善効果が充分でないことがある。比表面積の値が大きいほど、硬化物の破断強度、破断伸びはより大きくなる。
更に、炭酸カルシウムは、表面処理剤を用いて表面処理を施してある方がより好ましい。表面処理炭酸カルシウムを用いた場合、表面処理していない炭酸カルシウムを用いた場合に比較して、本発明の導電性接着剤の貯蔵安定性がより向上する。
前記の表面処理剤としては、公知のものを使用でき、例えば、特開2005−232419号公報段落[0161]記載の表面処理剤が挙げられる。この表面処理剤の処理量は、炭酸カルシウムに対して、0.1〜20質量%の範囲で処理するのが好ましく、1〜5質量%の範囲で処理するのがより好ましい。処理量が0.1質量%未満の場合には、作業性の改善効果が充分でないことがあり、20質量%を越えると、導電性接着剤の貯蔵安定性が低下することがある。特に限定はされないが、炭酸カルシウムを用いる場合、配合物のチクソ性や硬化物の破断強度、破断伸び等の改善を特に期待する場合には、膠質炭酸カルシウムを用いるのが好ましい。一方、重質炭酸カルシウムを配合物の増量、コストダウン等を目的として添加する場合、特開2005−232419号公報段落[0163]記載のものを使用することができる。
上記充填材は、目的や必要に応じて単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。充填材を用いる場合の添加量は、(A)成分100質量部に対して、充填材を5〜1000質量部の範囲で使用するのが好ましく、20〜500質量部の範囲で使用するのがより好ましく、40〜300質量部の範囲で使用するのが特に好ましい。配合量が5質量部未満の場合には、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果が充分でないことがあり、1000質量部を越えると導電性接着剤の作業性が低下することがある。
酸化防止剤としては、p−フェニレンジアミン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤や、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。
酸化防止剤の添加量は、特に限定されないが、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、更に好ましくは0.5〜5質量部の範囲で使用できる。
可塑剤としては特に限定されないが、物性の調整、性状の調節等の目的により、例えば、特開2005−232419号公報段落[0173]記載の可塑剤が挙げられる。これらの中では、粘度の低減効果が顕著であり、高温時等の揮散率が低いという点から、ポリエステル系可塑剤、ビニル系重合体が好ましい。また、数平均分子量500〜15000の重合体である高分子可塑剤が、導電性接着剤の粘度及び導電性接着剤の硬化物の引張り強度、伸び等の機械特性が調整できるとともに、低分子可塑剤を使用した場合に比較して、初期の物性を長期にわたり維持できるため好適である。なお、高分子可塑剤は、官能基を有しても有しなくても構わない。
高分子可塑剤の数平均分子量は、500〜15000が好適であるが、好ましくは800〜10000であり、より好ましくは1000〜8000である。分子量が低すぎると熱にさらされたり液体に接した場合に可塑剤が経時的に流出し、初期の物性を長期にわたり維持できないことがある。また、分子量が高すぎると粘度が高くなり、作業性が低下する傾向がある。
高分子可塑剤のうちで、ビニル系重合体と相溶するものが好ましい。中でも相溶性及び耐候性、耐熱老化性の点からビニル系重合体が好ましい。ビニル系重合体の中でも(メタ)アクリル系重合体が好ましく、アクリル系重合体がさらに好ましい。このアクリル系重合体の合成法は、従来からの溶液重合で得られるものや、無溶剤型アクリルポリマー等を挙げることができる。後者のアクリル系可塑剤は溶剤や連鎖移動剤を使用せず高温連続重合法(USP4414370、特開昭59−6207号公報、特公平5−58005号公報、特開平1−313522号公報、USP5010166)にて作製されるためより好ましい。その例としては、東亞合成品UPシリーズ等が挙げられる(工業材料1999年10月号参照)。勿論、他の合成法としてリビングラジカル重合法をも挙げることができる。この方法によれば、その重合体の分子量分布が狭く、低粘度化が可能なことから好ましく、更には原子移動ラジカル重合法がより好ましいが、これに限定されるものではない。
高分子可塑剤の分子量分布は特に限定されないが、狭いことが好ましく、1.8未満が好ましい。1.7以下がより好ましく、1.6以下がなお好ましく、1.5以下がさらに好ましく、1.4以下が特に好ましく、1.3以下が最も好ましい。
上記高分子可塑剤を含む可塑剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、必ずしも必要とするものではない。また必要によっては高分子可塑剤を用い、物性に悪影響を与えない範囲で低分子可塑剤を更に併用しても良い。なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。
可塑剤を用いる場合の使用量は、限定されないが、(A)成分100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜50質量部である。1質量部未満では可塑剤としての効果が発現しにくい傾向があり、100質量部を越えると硬化物の機械強度が不足する傾向がある。
反応性希釈剤として、硬化養生中に揮発し得るような低沸点の化合物を用いた場合は、硬化前後で形状変化を起こしたり、揮発物により環境にも悪影響を及ぼしたりすることから、常温での沸点が100℃以上である有機化合物が特に好ましい。
反応性希釈剤の具体例としては、1−オクテン、4−ビニルシクロヘキセン、酢酸アリル、1,1−ジアセトキシ−2−プロペン、1−ウンデセン酸メチル、8−アセトキシ−1,6−オクタジエン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応性希釈剤の添加量は、(A)成分100質量部に対し、好ましくは0.1〜100質量部、より好ましくは0.5〜70質量部、さらに好ましくは1〜50質量部である。
光安定剤は各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
光安定剤の中でも、紫外線吸収剤が好ましく、具体的には、チヌビンP、チヌビン234、チヌビン320、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン329、チヌビン213(以上いずれも日本チバガイギー社製)等のようなベンゾトリアゾール系化合物やチヌビン1577等のようなトリアジン系、CHIMASSORB81等のようなベンゾフェノン系、チヌビン120(日本チバガイギー社製)等のようなベンゾエート系化合物等が例示できる。
また、ヒンダードアミン系化合物も好ましく、そのような化合物は具体的には特開2006−274084号公報記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。更には紫外線吸収剤とヒンダードアミン系化合物の組み合わせはより効果を発揮することがあるため、特に限定はされないが併用しても良く、併用することが好ましいことがある。
光安定剤は前述した酸化防止剤と併用してもよく、併用することによりその効果を更に発揮し、特に耐候性が向上することがあるため特に好ましい。予め光安定剤と酸化防止剤を混合してあるチヌビンC353、チヌビンB75(以上いずれも日本チバガイギー社製)などを使用しても良い。
光安定剤の使用量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜10質量部の範囲であることが好ましい。0.1質量部未満では耐候性を改善の効果が少なく、10質量部超では効果に大差がなく経済的に不利である。
接着付与剤を配合することにより、金属、プラスチック、ガラス等、全般的な被着体に対する接着性を向上させることができる。接着付与剤としては、公知のシランカップリング剤が好ましく、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、1,3−ジアミノイソプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン等のケチミン型シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等の塩素原子含有シラン類;γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート含有シラン類;フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等のフェニル基含有シラン類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記アミノ基含有シラン類と前記のシラン類を含むエポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物とを反応させて、アミノ基を変性した変性アミノ基含有シラン類を用いてもよい。
接着性付与剤は、(A)成分100質量部に対して、0.01〜20質量部配合するのが好ましい。0.01質量部未満では接着性の改善効果が小さく、20質量部を越えると硬化物物性が低下し易い傾向がある。好ましくは0.1〜10質量部であり、更に好ましくは0.5〜5質量部である。接着性付与剤は1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
溶剤としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。
光増感剤としては、例えば、9,10−ジブトキシアントラセン、アントラセン、ペリレン、コロネン、テトラセン、ベンズアントラセン、フェノチアジン、フラビン、アクリジン、ケトクマリン、チオキサントン誘導体、ベンゾフェノン、アセトフェノン、2−クロロチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、又はイソプロピルチオキサンソン等が挙げられる。
本発明の導電性接着剤は、全ての配合成分を予め配合密封した1液型として調製でき、また、光ラジカル開始剤等の開始剤だけを抜いたA液と、開始剤を充填材、可塑剤、溶剤等と混合したB液を成形直前に混合する2液型としても調製できる。
本発明の導電性接着剤は、次の工程を含む導電接着方法に使用することができる。
(1)回路基板等の第1の部材の一部に導電性接着剤を塗布する工程
(2)塗布された導電性接着剤に光を照射し、(A)成分のアクリル化合物を光重合硬化させ導電性接着剤に粘着性を付与する第1硬化工程
(3)第1の部材の導電性接着剤塗布部分にICチップ等の第2の部材を接合する工程
(4)接合後、(B)成分の架橋性珪素基を有する有機重合体を湿分硬化により第1の部材と第2の部材とが接着硬化せしめられる第2硬化工程
この方法において第1硬化工程で導電性接着剤に粘着性を付与するため、ICチップ等の第2の部材を接合時、固定治具等を使用しなくても第2の部材を仮固定できる。
本発明の導電性接着剤を使用して上記の導電接着方法により電気製品を製造する流れを図1に模式的に示す。
図1に示すように、基板10に金属配線12を形成し(図1(a))、前記金属配線12上に導電性接着剤14を塗布する(図1(b))。塗布は例えばスクリーン印刷で行うことができる。そして、前記導電性接着剤14に紫外線を照射することで粘着性を発現させ(図1(c))、前記粘着性が発現された導電性接着剤14でICチップ16を貼り付ける(図1(d))。そして、空気中の湿気により硬化せしめられて電気製品18が出来上がる。
基板10に金属配線12として銅電極を形成した例を図2に示す。また、導電性接着剤14を塗布し、紫外線を照射して粘着性を発現させてICチップ16を貼り付けて硬化させると、図3に示すように電気製品18が出来上がる。
電磁波を照射するに際し、電磁波は、200〜450nmの波長域の光が好ましく、250〜430nmの波長域の光がより好ましい。光源は、特に限定されるものではなく、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、炭素アーク灯、水銀蒸気アーク、蛍光ランプ、アルゴングローランプ、ハロゲンランプ、白熱ランプ、低圧水銀灯、フラッシュUVランプ、ディープUVランプ、キセノンランプ、タングステンフィラメントランプ、LEDランプ、太陽光等が挙げられる。これらの光源を用い、積算光量が500mJ/cm2以上、好ましくは1500mJ/cm2以上5000mJ/cm2以下 になるように光を照射することにより、本発明の導電性接着剤を硬化させることができる。本発明の導電性接着剤は、低積算光量で硬化可能という顕著な効果を奏する。
電磁波としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波のほか、電子線、プロトン線、中性子線等が挙げられる。硬化速度、照射装置の入手容易さ、価格等の観点において、紫外線照射による硬化が好ましい。
本発明の導電性接着剤は、ハンダに代替できる導電性接着剤としても好適に使用することができる。また、スクリーン印刷や光レジスト法によってプリント基板の導電回路を形成するのにも使用することができる。本発明の導電性接着剤を使用するとハンダを使用しない電気製品を安価に製造することができる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
(合成例1)2官能アクリルオリゴマーの合成
原子移動ラジカル法を用いて、アクリロイル基を有する重合体A1を合成した。アクリル酸n−ブチル100部を脱酸素した。反応容器の内部を脱酸素し、臭化第一銅0.42部、脱酸素したアクリル酸n−ブチルのうち20部、アセトニトリル4.4部、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル1.8部を添加して80℃で混合し、ペンタメチルジエチレントリアミン(以下、トリアミンと略す)0.018部を添加し、重合反応を開始した。残りのアクリル酸n−ブチル80部を逐次添加し、重合反応を進めた。重合途中、適宜トリアミンを追加して重合速度を調整し、内温を約80℃〜約90℃に調整しながら重合を進行させた。モノマー転化率(重合反応率)が約95%以上の時点で反応容器気相部に酸素−窒素混合ガスを導入し、内温を約80℃〜約90℃に保ちながら加熱撹拝した。揮発分を減圧除去して濃縮した。これを酢酸ブチルで希釈し、ろ過助剤を加えてろ過した。ろ液に対して吸着剤(協和化学工業製キョーワード700SEN、キョーワード500SH)を添加して加熱撹拝後、ろ過してろ液を濃縮した。これをN,N−ジメチルアセトアミドに溶解させ、アクリル酸カリウム(末端Br基に対して約2モル当量)、熱安定剤(H−TEMPO:4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンーn−オキシル)、吸着剤(キョーワード700SEN)、を添加し、約70℃で加熱撹拝した。揮発分を減圧留去してから酢酸ブチルで希釈し、ろ過助剤を添加してろ過した。ろ液を濃縮し、両末端に紫外線架橋基としてアクリロイル基を有する重合体A1を得た。重合体A1の数平均分子量は22500、分子量分布は1.25、重合体1分子当たりに導入された平均のアクリロイル基数は1.9であった。
(合成例2)架橋性珪素基を有するアクリル酸エステル系重合体の合成
窒素雰囲気下、250L反応機にCuBr(1.09kg)、アセトニトリル(11.4kg)、アクリル酸ブチル(26.0kg)及び2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル(2.28kg)を加え、70〜80℃で30分程度撹拌した。これにペンタメチルジエチレントリアミンを加え、反応を開始した。反応開始30分後から2時間かけて、アクリル酸ブチル(104kg)を連続的に追加した。反応途中ペンタメチルジエチレントリアミンを適宜添加し、内温70℃〜90℃となるようにした。ここまでで使用したペンタメチルジエチレントリアミン総量は220gであった。反応開始から4時間後、80℃で減圧下、加熱攪拌することにより揮発分を除去した。これにアセトニトリル(45.7kg)、1,7−オクタジエン(14.0kg)、ペンタメチルジエチレントリアミン(439g)を添加して8時間撹拌を続けた。混合物を80℃で減圧下、加熱攪拌して揮発分を除去した。この濃縮物にトルエンを加え、重合体を溶解させた後、ろ過助剤として珪藻土、吸着剤として珪酸アルミ、ハイドロタルサイトを加え、酸素窒素混合ガス雰囲気下(酸素濃度6%)、内温100℃で加熱攪拌した。混合液中の固形分をろ過で除去し、ろ液を内温100℃で減圧下、加熱攪拌して揮発分を除去した。
更にこの濃縮物に吸着剤として珪酸アルミ、ハイドロタルサイト、熱劣化防止剤を加え、減圧下、加熱攪拌した(平均温度約175℃、減圧度10Torr以下)。更に吸着剤として珪酸アルミ、ハイドロタルサイトを追加し、酸化防止剤を加え、酸素窒素混合ガス雰囲気下(酸素濃度6%)、内温150℃で加熱攪拌した。この濃縮物にトルエンを加え、重合体を溶解させた後、混合液中の固形分をろ過で除去し、ろ液を減圧下加熱攪拌して揮発分を除去し、アルケニル基を有する重合体を得た。このアルケニル基を有する重合体、ジメトキシメチルシラン(アルケニル基に対して2.0モル当量)、オルトギ酸メチル(アルケニル基に対して1.0モル当量)、白金触媒[ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒のキシレン溶液白金として重合体1kgに対して10mg)を混合し、窒素雰囲気下、100℃で加熱攪拌した。アルケニル基が消失したことを確認し、反応混合物を濃縮して末端にジメトキシシリル基を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)重合体B1を得た。得られた重合体B1の数平均分子量は約26000、Mw/Mnが1.3であり、Tgは−56.0℃であった。重合体1分子当たりに導入された平均のシリル基の数を1H NMR分析により求めたところ、約1.8個であった。
(合成例3)架橋性珪素基を有するアクリル酸エステル系重合体の合成
フラスコに溶剤である酢酸エチル40質量部、メチルメタクリレート59質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート25質量部、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン21質量部、及び金属触媒としてルテノセンジクロライド0.1質量部を仕込み窒素ガスを導入しながら80℃に加熱した。ついで、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン7.5質量部をフラスコ内に添加し80℃で6時間反応を行った。室温に冷却後、ベンゾキノン溶液(95%THF溶液)を20質量部添加して重合を停止した。溶剤および未反応物を留去し、ポリスチレン換算の質量平均分子量が約6000であり、Mw/Mnが1.6であり、Tgが約60℃であるジメトキシシリル基を有するアクリル酸エステル系重合体B2を得た。
(実施例1)
表1に示す配合割合(質量比)にて、攪拌機、温度計を装着したフラスコに、ラウリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、フェノキシ-ポリエチレングリコールアクリレート、合成例1で得られた重合体A1、合成例2で得られた重合体B1、合成例3で得られた重合体B2、樹枝状銀コート銅(ACAX−3、三井金属)及び鱗片状銀コート銅(1400YP(10%)、三井金属)を混合した。該混合物を加熱(100℃)、脱気、撹拌を2時間することによって混練及び脱水をした。
冷却後、その混合物に1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、光重合性デンドリマー系化合物をそれぞれ添加し、混合撹拌をした。
更に、光開始剤としてDarocur1173(BASFジャパン社製、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)とシラノール縮合触媒としてアルミキレートD(川研ファインケミカル(株)製、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート))の混合物を添加し、混合撹拌することにより導電性接着剤を調製した。
得られた導電性接着剤に対してUV照射直後のタック、チップの横押しせん断接着力及び体積抵抗率の評価を行った。試験結果を表1に示す。実施例1ではUV照射後にタックが発現する程度に積算光量を調整したが、さらに積算光量を多くするとタックが低減し接着剤の硬化がより進行する。また、(A)成分の光重合性化合物の量を増加したり、反応性が大きい光重合性化合物を使用することにより、タックがない程度に十分に接着剤の硬化を進行させることができる。
(実施例2)
実施例1の鱗片状銀コート銅(1400YP(10%)、三井金属)に代えて鱗片状銀コート銅(シルコートAgB、福田金属)を使用した以外は実施例1と同様に導電性接着剤を調製し、UV照射直後のタック、チップの横押しせん断接着力及び体積抵抗率の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
樹枝状銀コート銅(ACAX−3、三井金属)200質量部を使用し鱗片状銀コート銅(1400YP(10%)、三井金属)を使用しなかった以外は実施例1と同様に導電性接着剤を調製し、UV照射直後のタック、チップの横押しせん断接着力及び体積抵抗率の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例1〜3)
表1に示す配合割合にて導電性粉末を使用した以外は実施例1と同様に導電性接着剤を調製し、UV照射直後のタック、チップの横押しせん断接着力及び体積抵抗率の評価を行った。評価結果を表1に示す。
UV照射直後のタック、チップの横押しせん断接着力及び体積抵抗率の評価方法は次のとおりである。
1)UV照射直後のタック(初期粘着性)試験
PETフィルム(100mm×100mm×0.1mm)上に導電性接着剤を約100μm厚に塗布し、UV照射(照射条件:メタルハライドランプ(照度770mW/cm2)、積算光量:3000mJ/cm2)し、指触により試料の粘着性(タック)を下記評価基準で評価した。
○:粘着性あり、△:粘着性ややあり(粘着状と液状の中間)、×:液状
2)チップの横押しせん断接着力試験
まず、図2に示したように、銅電極12が表面に形成されたプリント基板(FR4)を準備した。そして、図1に示した流れと同様にして、プリント基板(FR4)の銅電極上に厚さ100μmのマスクを用いて導電性接着剤をスクリーン(孔版)印刷し、UV照射(照射条件:メタルハライドランプ(照度770mW/cm2)、積算光量:3000mJ/cm2)した後、スズメッキされたチップ(2012サイズ)を圧着し、図1(d)に示すような試験片を作製した。その後、23℃50%RHで24時間養生または80℃1時間+23℃50%RHで12時間養生した後、チップの横押しせん断試験を行った。チップの横押しせん断試験はプルプッシュメーターを用いて、試験速度30mm/secで行った。
3)体積抵抗率の測定
PETフィルム(100mm×100mm×0.1mm)上に導電性接着剤を約100μm厚に塗布し、UV照射(照射条件:メタルハライドランプ(照度770mW/cm2)、積算光量:3000mJ/cm2)し、硬化物シートを作成した。体積抵抗率は、三菱化学株式会社製ロレスターMCP−T360を使用し、四端針法により測定した。なお、体積抵抗率が測定時に定めた上限値である1×107Ω・cm以上となり、測定値が得られなかった場合はN.D.とした。
*1 ライトアクリレート P−200A、共栄社化学(株)製
*2 KBM−5103、信越化学工業社製
*3 ビスコート #1000:大阪有機化学工業社製
*4 ACAX−3:三井金属鉱業(株)製、デンドライト状(樹枝状)に結晶成長させた銅粉に重量比20%で銀メッキした銀メッキ銅粉、50%平均粒径(D50)16.4μm、比表面積0.41m2/g、タップ密度1.05g/cm3。
*5 TC−403:(株)徳力化学研究所製、一次粒子が凝集してデンドライト状(樹枝状)になっている銀粉、50%平均粒径(D50)7−10μm、比表面積1.5−2.5m2/g、タップ密度1.5−2.0g/cm3。
*6 1400YP(10%):三井金属鉱業(株)製、1400YP(銅粉)に重量比10%で銀メッキした銀メッキ銅粉、50%粒子径(D50)5.81μm、標準偏差(SD)2.74μm、10%粒子径(D10)3.58μm、90%粒子径(D90)9.03μm、SD/D50値0.47、D90/D10値2.52。
*7 シルコートAgB:福田金属(株)製、銀粉、50%粒子径4.19μm、標準偏差(SD)4.31μm、10%粒子径(D10)1.50μm、90%粒子径(D90)9.94μm、SD/D50値1.03、D90/D10値6.63。
*8 Darocur1173、BASFジャパン社製、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン。
*9 Irgacure651、BASFジャパン社製、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン。
*10 Irgacure819、BASFジャパン社製、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド。
*11 アルミキレートD、川研ファインケミカル(株)製の商品名、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)。