JP2016002925A - 車体のサイドアウタパネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サイドアウタパネル25は、センタピラー主要部67の接合段部71にセンタピラー上部68の下端部68aが接合される。センタピラー上部68およびセンタピラー主要部67で壁凹部103が形成され、壁凹部103に光硬化型樹脂51が充填される。光硬化型樹脂51が光透過性材料の成形治具で押圧され、センタピラー上部68およびセンタピラー主要部67の外面と連続するドアシール面に形成される。この状態において、成形治具の外側から光が照射されることにより光硬化型樹脂51の表面51aが硬化される。
【選択図】図4
Description
センタピラーアウタ、サイドシルアウタやフロントピラーアウタが高強度鋼板で形成されることにより、従来の補強部材を廃止してサイドアウタパネルの軽量化と剛性を確保することが可能になる。
第1部材および第2部材の外面を面一にするため、第1部材と第2部材との接合部に凹状の段部からなる継ぎ目を設定する。この継ぎ目はサイドドアを開いた時に露出され、外観が悪いとともに、サイドドアのドアシールとの間に隙間が生じる。
この光硬化型樹脂を光透過性材料の成形治具で押圧して、光硬化型樹脂を第1部材および第2部材の外面と連続するドアシール面に形成する。この状態において、成形治具の外側から光硬化型樹脂に光を照射することにより光硬化型樹脂の表面を硬化できる。
すなわち、第1部材および第2部材の継ぎ目(凹部)にドアシール面を形成する光硬化型樹脂(すなわち、シーラー)を設けるので、第1部材、第2部材の外面および光硬化型樹脂のドアシール面にサイドドアのシール材(ドアシール)を確実に当接できる。これにより、第1部材、第2部材および光硬化型樹脂に対するシール材のシール性(すなわち、水密性)を向上させることができる。
ここで、車体のサイドアウタパネルを構成する鋼材は、防錆のためメッキ処理や防錆塗装されるが、端部の角部はメッキや塗料が付着し難いことが知られている。
そこで、請求項2において、第1部材の端部(外エッジ)を光硬化型樹脂で外側から覆うようにした。これにより、第1部材の端部を光硬化型樹脂で良好に防錆できる。
この場合でも、凹部の外側にはみ出すように光硬化型樹脂(具体的には、カバー部)を形成することにより、第1部材の端部の微少量浮上りを光硬化型樹脂で目立たないようにでき、サイドアウタパネルの外観性を好適に確保できる。
さらに、第1部材および第2部材の外面と段差のない端部をカバー部に有することにより、光硬化型樹脂のドアシール性を向上できる。
この光硬化型樹脂は、特開2013−129841号公報に記載された接着剤が用いられる。
請求項3は、この光硬化型樹脂の接着剤を継ぎ目のシーラー(ダストシーラー)として適用する点が特徴である。
すなわち、光硬化型樹脂に光を照射することにより、第1成分からアクリル系樹脂が生成されて光硬化型樹脂の表面が硬化される。光硬化型樹脂の表面が硬化した後、第2成分のエポキシ系樹脂が周囲温度で硬化される。
これにより、第1部材および第2部材の外面に合わせて光硬化型樹脂のドアシール面を形成でき、第1部材、第2部材および光硬化型樹脂に対するシール材のシール性を向上させることができる。
よって、成形治具で光硬化型樹脂を押圧してドアシール面を形成する際に、余分の光硬化型樹脂が断面略コ字状の帯状の凹部に沿って前壁、後壁の端部から排出される。これにより、第1部材および第2部材の外面と光硬化型樹脂との境界をきれいに仕上げて外観性を高めることができ、かつ、段差のないドアシール面を得て、第1部材、第2部材および光硬化型樹脂に対するドアのシール材のシール性を向上させることができる。
これにより、第2部材の接合段部および第1部材の端部を溶接電極でスポット溶接する際に生じる打痕(溶接電極の先端で形成される凹み)を目立たないように抑えることができ、外観性を好適に確保できる。
よって、スポット溶接用の溶接電極で生じた打痕を光硬化型樹脂で覆うことができるので、溶接電極を大形化することが可能になる。これにより、段部に第2部材の接合段部を一層強固に接合でき、接合強度を高めることができる。
このように、第1部材および第2部材の各側壁、各前壁および各後壁をスポット溶接で接合することにより、第2部材の接合段部および第1部材の端部を強固に接合でき、接合強度を高めることができる。
よって、第2部材の接合段部および第1部材の端部間に介在させた光硬化型樹脂が、凹部に充填した光硬化型樹脂に接触される。凹部に充填した光硬化型樹脂の表面に光を照射させて、表面を硬化させる際に表面硬化による反応熱が発生する。この反応熱で、第2部材の接合段部および第1部材の端部間に介在させた光硬化型樹脂を硬化させることができる。
これにより、第2部材の接合段部および第1部材の端部を光硬化型樹脂で強固に接合することができる。
これにより、凹部の光硬化型樹脂を成形治具で押圧することにより、光硬化型樹脂を第1部材および第2部材の外面と連続するドアシール面(同一平坦面)に一層良好に形成できる。
したがって、凹部の光硬化型樹脂を成形治具で押圧することにより、光硬化型樹脂を第1部材および第2部材の外面と連続するドアシール面(同一平坦面)に一層良好に形成できる。
したがって、凹部の光硬化型樹脂を成形治具で押圧することにより、光硬化型樹脂を第1部材および第2部材の外面と連続するドアシール面(同一平坦面)に一層良好に形成できる。
さらに、逃げ防止壁を第2部材に設けることにより、光硬化型樹脂に隣接させて弾性シールを接着する手間を省くことができ、生産性を高めることができる。
したがって、凹部の光硬化型樹脂を成形治具で押圧することにより、光硬化型樹脂を第1部材および第2部材の外面と連続するドアシール面(同一平坦面)に一層良好に形成できる。
加えて、逃げ防止壁を支え治具に設けることにより、逃げ防止壁を第2部材に設ける必要がなく、設計の自由度を高めることができる。
これにより、スポット溶接で接合する箇所を、前フランジおよび後フランジのみに減らすことができる。
また、前フランジおよび後フランジに、例えば、シール材を取り付けることができる。これにより、シール材でスポット溶接の打痕を覆うことができ、外観性を確保できる。
ここで、例えば、前交差部は側壁および前壁が曲げ成形されることにより形成される。また、後交差部は側壁および後壁が曲げ成形されることにより形成される。このため、前交差部や後交差部を精度よく形成することが難しい。
すなわち、支え治具と成形治具とで第1部材および第2部材を好適に挟持することが可能になる。これにより、凹部に充填された光硬化型樹脂を成形治具で押圧して、光硬化型樹脂が第1部材および第2部材の外面と連続するドアシール面(同一平坦面)になるように、光硬化型樹脂を精度よく平坦に形成できる。
なお、車体のサイドアウタパネル25を以下、サイドアウタパネル25と略記して説明する。
図1に示すように、車体10は、車体10の側部において車室12および車外13を仕切る車体側部構造15と、車体側部構造15の前ドア開口部16に設けられた前サイドドア17と、車体側部構造15の後ドア開口部18に設けられた後サイドドア19と、車体側部構造15の下部15aに車外13側から設けられるサイドシルガーニッシュ21とを備えている。
サイドシル27、フロントピラー28、センタピラー29、リヤピラー31およびルーフサイドレール32は、車体側部構造15の骨格を形成する部材である。
前ドア開口部16は、サイドシル27の前半部、フロントピラー28、ルーフサイドレール32の前半部およびセンタピラー29で略矩形状に開口されている。前ドア開口部16を開閉する前サイドドア17がフロントピラー28にヒンジ部材(図略)を介して取り付けられている。
後ドア開口部18は、サイドシル27の後半部、センタピラー29、ルーフサイドレール32の後半部およびリヤピラー31で略矩形状に開口されている。後ドア開口部18を開閉する後サイドドア19がセンタピラー29にヒンジ部材(図略)を介して取り付けられている。
さらに、ルーフサイドレールインナ39でルーフサイドレール32の内壁が形成される。
さらに、ルーフサイドレールアウタ47でルーフサイドレールの外壁が形成される。
センタピラーアウタ45は、上端部45aがルーフサイドレールアウタ47の中央47bに連結され、下端部45bがサイドシルアウタ43の中央43bに連結されている。
サイドシルアウタ43は、前端部43aがフロントピラーアウタ44の下端部44bに連続して一体に形成され、後端部43cがリヤピラーアウタ46の下端部46aに連結されている。
さらに、リヤピラーインナ38およびリヤピラーアウタ46が接合されることにより、リヤピラー31が閉断面に形成される。
普通鋼板は外観面を形成するプレス成形性のよい(延性が高い)普通鋼(炭素鋼)で形成された板材である。高強度鋼板は、プレス成形性は劣るが普通鋼より引張強度が優れた高張力鋼で形成された板材である。
第1アウタパネル54、第2アウタパネル55および第3アウタパネル56が接合されることによりサイドアウタパネル25が一体に形成される。
第2アウタパネル55は、フロントピラーアウタ44の主要部(第2部材)64、およびサイドシルアウタ43の主要部(第2部材)61が高強度鋼板で一体に形成されたパネルである。
第3アウタパネル56は、センタピラーアウタ45の主要部(第2部材)67が第2アウタパネル55より高い引張強度の高強度鋼板で形成されたパネルである。
図4、図5に示すように、センタピラーアウタ45は、普通鋼板で形成されたセンタピラーアウタ45の上部68と、高強度鋼板で形成されたセンタピラーアウタ45の主要部67と、上部68および主要部67間に充填されたシーラー(光硬化型樹脂)51とを含む。
以下、センタピラーアウタ45の上部68を「センタピラー上部68」、センタピラーアウタ45の主要部67を「センタピラー主要部67」として説明する。
センタピラー上部68は、ルーフサイドレールアウタ47の中央47bから下方に向けて延出されている。このセンタピラー上部68は、センタピラー主要部67の接合段部71に接合される下端部(端部)68aを有する。
上部後壁77は、上部側壁75の車体後方側端部75bから車体前後方向に直交する方向で、かつ車幅方向内側へ向けて張り出すように折り曲げられている。
上部側壁75、上部前壁76および上部後壁77でセンタピラー上部68の上部壁74が断面略コ字状(断面略U字状)に形成されている。
上部後フランジ79は、上部後壁77の車幅方向内側端部77aから車体後方へ向けて張り出すように折り曲げられている。
上部側壁75、上部前壁76、上部後壁77、上部前フランジ78および上部後フランジ79でセンタピラー上部68が断面略ハット状に形成されている。
上部前交差部81は、上部側壁75および上部前壁76が交差することにより内面81aが凹状に形成されている。また、上部後交差部82は、上部側壁75および上部後壁77が交差することにより内面82aが凹状に形成されている。
接合段部71は、センタピラー上部68から離れる方向(すなわち、車幅方向内側に向けて)に向けて、センタピラー上部68の板厚寸法分だけ凹状に形成されている。
この状態において、センタピラー主要部67の外面67aにセンタピラー上部68の外面68bが面一に配置される。
これにより、例えば、車両の走行中に発生する振動により、延長段部72がセンタピラー上部68に当接することを抑え、延長段部72およびセンタピラー上部68による当接音の発生を回避できる。
さらに、延長段部72が補強部材85で補強され、センタピラーアウタ45の剛性が確保されている。これにより、車両側方からセンタピラーアウタ45に入力した衝撃荷重F1をセンタピラーアウタ45(具体的には、センタピラー29)で好適に支えることが可能になる。
これにより、接合段部71および下端部68a間からセンタピラー29の内部87に雨水などが浸入することを一層良好に抑制できる。
主要部後壁94は、主要部側壁92の車体後方側端部92bから車体前後方向に直交する方向で、かつ、車幅方向内側へ向けて張り出すように折り曲げられている。
主要部側壁92、主要部前壁93および主要部後壁94でセンタピラー主要部67の主要部壁91が断面略コ字状(断面略U字状)に形成されている。
主要部後フランジ96は、主要部後壁94の車幅方向内側端部94aから車体後方へ向けて張り出すように折り曲げられている。
主要部側壁92、主要部前壁93、主要部後壁94、主要部前フランジ95および主要部後フランジ96でセンタピラー主要部67が断面略ハット状に形成されている。
具体的には、図6、図7に示すように、センタピラー上部68(具体的には、下端部68a)の上部側壁75および接合段部71の主要部側壁92がスポット溶接で接合されている(図6、図7の板間の●印参照)。また、下端部68aの上部前壁76および接合段部71の主要部前壁93がスポット溶接で接合されている。さらに、下端部68aの上部後壁77および接合段部71の主要部後壁94がスポット溶接で接合されている。
よって、センタピラー主要部67の接合段部71およびセンタピラー上部68の下端部68aがスポット溶接で接合されている。これにより、センタピラー主要部67およびセンタピラー上部68でセンタピラーアウタ45が形成される。
センタピラー凹部101は、上部前フランジ78および主要部前フランジ95間に形成される前フランジ凹部102と、上部壁74および主要部壁91間に形成される壁凹部103(凹部)と、上部後フランジ79および主要部後フランジ96間に形成される後フランジ凹部104とで形成されている。
壁凹部103の前端部が前フランジ凹部102に連結され、壁凹部103の後端部が後フランジ凹部104に連結されている。よって、壁凹部103、前フランジ凹部102および後フランジ凹部104でセンタピラー凹部101が略ハット状に形成されている。
上部壁74の外面74aは、センタピラー上部68の外面68bから上部前フランジ78および上部後フランジ79(図6参照)の各外面を除いた面である。
主要部壁91の外面91aは、センタピラー主要部67の外面67aから主要部前フランジ95および主要部後フランジ96(図6参照)の各外面を除いた面である。
よって、光硬化型樹脂51の表面51a、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aに、前サイドドア17の前ドアシール材106や後サイドドア19の後ドアシール材107を確実に当接(接触)させることにより雨水の浸入を抑制できる。
すなわち、光硬化型樹脂51の表面51aは、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと連続するドアシール面に形成されている。
また、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aの略全域を、壁凹部(継ぎ目)103を含めた状態で平坦に形成することにより、前サイドドア17や後サイドドア19(図1参照)を開いた時のセンタピラー上部68およびセンタピラー主要部67(すなわち、センタピラー29)の外観性を高めることができる。
センタピラー29の前フランジ29bに前シール材108が取り付けられることにより、前フランジ凹部102が前シール材108で覆われている。同様に、センタピラー29の後フランジ29cに後シール材109が取り付けられることにより、後フランジ凹部104が後シール材109で覆われている。
これにより、センタピラー上部68およびセンタピラー主要部67(すなわち、センタピラー29)の外観性を一層高めることができる。
光硬化型樹脂51は、遊離ラジカル重合可能なモノマー、還元剤および光開始剤を含む第1成分と、酸化剤およびエポキシ化合物を含む第2成分とを含有する反応性接着剤である。
第2成分の酸化剤が周囲温度で還元剤と反応することにより、遊離ラジカル重合を開始および伝播することが可能である遊離ラジカルが生成される。
図11(a)に示すように、センタピラー主要部67の接合段部71にセンタピラー上部68の下端部68aが重ね合わされる。この状態において、接合段部71および下端部68aが一対の溶接電極112でスポット溶接されることにより接合される。
これにより、センタピラー29の外観性が接合部の打痕で損なわれることを一層良好に回避できる。
この状態で、センタピラー主要部67およびセンタピラー上部68を支え治具115に載せ、壁凹部103に光硬化型樹脂51を充填する。
センタピラー主要部67およびセンタピラー上部68(図11(b)参照)を支え治具115に載せた状態において、主要部壁91および上部壁74(具体的には、上部壁74のうち延長段部72から離れた部位)が支え治具115に直接接触する。
また、センタピラー上部68の上部前交差部81(図6参照)が前逃げ部116から離して配置される。また、センタピラー上部68の上部後交差部82(図6参照)が後逃げ部117から離して配置される。
さらに、上部前交差部81および上部後交差部82を必要以上に精度よく形成しなくても、上部壁74の内面74b(図6参照)を支え治具115の表面に確実に接触させることができる。上部壁74の内面74bは、上部側壁75、上部前壁76、上部後壁77の各内面で形成されている。
この状態において、上部壁74の外面74a、主要部壁91の外面91aおよび光硬化型樹脂51に成形治具118を載せる。この成形治具118は、成形面118aが上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aに沿って断面略コ字状(断面略U字状)に形成されている(図13(a)参照)。
上部壁74および主要部壁91の各外面74a,91aや光硬化型樹脂51に成形治具118を載せることにより、成形治具118と支え治具115とで接合段部71および下端部68aが重ね合わされた状態で好適に挟持される。
これにより、光硬化型樹脂51の表面51aが主要部壁91の外面91aや上部壁74の外面74aと連続する同一平坦面(すなわち、ドアシール面)になるように、成形治具118の成形面118aで光硬化型樹脂51の表面51aを精度よく平坦に形成できる。
よって、成形治具118に向けて照射された光エネルギー122が成形治具118を透過して、光硬化型樹脂51の表面51aを照射する。表面51aを光エネルギー122で照射することにより、光硬化型樹脂51の表面51aが硬化される。
すなわち、主要部壁91の外面91aや上部壁74の外面74a(図12(b)参照)に合わせて光硬化型樹脂51の表面51aが面一になるように、表面51aを平坦に保つことができる。
光硬化型樹脂51を硬化させた後、センタピラー主要部67およびセンタピラー上部68(すなわち、センタピラーアウタ45)を支え治具115および成形治具118から外す。
これにより、主要部壁91の外面91a、上部壁74の外面74aおよび光硬化型樹脂51の表面51aに対する前ドアシール材106のシール性(すなわち、水密性)を向上させることができる。
すなわち、光硬化型樹脂51の表面51aは、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと連続するドアシール面に形成されている。
第2成分の酸化剤が周囲温度で還元剤と反応することにより、遊離ラジカル重合を開始および伝播することが可能である遊離ラジカルを生成する。
ここで、周囲温度とは、接着すべき部材(すなわち、センタピラー主要部67およびセンタピラー上部68)を囲む領域の作業環境温度をいう。周囲温度は、通常、10〜40℃、好ましくは、17〜35℃である。
光硬化型樹脂51に光エネルギー122を照射させた後工程(例えば、塗装工程)において、車体10(図1参照)が電着塗装され、化成炉内に搬送されることにより第2成分のエポキシ系樹脂が完全に熱硬化される。
溶接工程において、まず、光硬化型樹脂51の表面51aが硬化され、ついで、第2成分のエポキシ系樹脂が殆ど硬化されることにより、図13(b)に示すセンタピラー主要部67およびセンタピラー上部68を後工程に搬送する途中に、光硬化型樹脂51が壁凹部103から流出することを防止できる。
したがって、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aに合わせて光硬化型樹脂51の表面51aを平坦に保つことができ、各外面74a,外面91aや表面51aに対する前ドアシール材106のシール性を一層良好に向上させることができる。
これにより、センタピラーアウタ45(図4参照)の外観性を高めることができ、かつ、上部壁74の外面74a、主要部壁91の外面91aおよび光硬化型樹脂51の表面51aを連続する平坦なドアシール面に形成できる。
図3、図14に示すように、フロントピラーアウタ44は、普通鋼板で形成されたフロントピラーアウタ44の上部65と、高強度鋼板で形成されたフロントピラーアウタ44の主要部64と、上部65および主要部64間に充填された光硬化型樹脂51とを含む。
以下、フロントピラーアウタ44の上部65を「フロントピラー上部65」、フロントピラーアウタ44の主要部64を「フロントピラー主要部64」として説明する。
フロントピラー主要部64の接合段部125にフロントピラー上部65の下端部(端部)65aが車外13側から重ね合わされた状態においてスポット溶接で接合されている(図15も参照)。
これにより、フロントピラー主要部64の接合段部125およびフロントピラー上部65の下端部65aがスポット溶接で接合されている(図15も参照)。
これにより、フロントピラー主要部64の接合段部125およびフロントピラー上部65の下端部65aの接合強度が高められている。
よって、接合段部125(特に、傾斜壁125a)および下端部65aの縁部65bでフロントピラー凹部142が断面溝形に形成されている。フロントピラー凹部142は、上部壁127および主要部壁134間に壁凹部(凹部)143(図16も参照)が形成されている。
上部壁127は、センタピラー上部68の上部壁74に相当する部位であり、断面略コ字状(断面略U字状)に形成されている。主要部壁134は、センタピラー主要部67の主要部壁91に相当する部位であり、断面略コ字状(断面略U字状)に形成されている。
この壁凹部143に光硬化型樹脂51が充填されている。光硬化型樹脂51は、壁凹部143に沿って略コ字状(略U字状)に延びた状態で硬化されている。
ここで、壁凹部143に沿って光硬化型樹脂51が略コ字状に延びた状態で硬化されることにより(図16参照)、上部壁127の外面127aおよび主要部壁134の外面134aの略全域を平坦に形成できる。
すなわち、光硬化型樹脂51の表面51aは、上部壁127の外面127aおよび主要部壁134の外面134aと連続するドアシール面に形成されている。
また、上部壁127の外面127aおよび主要部壁134の外面134aの略全域を、壁凹部(継ぎ目)143を含めた状態で平坦に形成することにより、フロントピラー上部65およびフロントピラー主要部64(すなわち、フロントピラー28)の外観性を高めることができる。
図3、図17に示すように、サイドシルアウタ43は、普通鋼板で形成されたサイドシルアウタ43の後部62と、高強度鋼板で形成されたサイドシルアウタ43の主要部61と、後部62および主要部61間に充填された光硬化型樹脂51とを含む。
以下、サイドシルアウタ43の後部62を「サイドシル後部62」、サイドシルアウタ43の主要部61を「サイドシル主要部61」として説明する。
サイドシル主要部61の接合段部145にサイドシル後部62の前端部(端部)62aが車外13側から重ね合わされた状態においてスポット溶接で接合されている(図18参照)。
これにより、サイドシル主要部61の接合段部145およびサイドシル後部62の前端部62aがスポット溶接で接合されている。
よって、接合段部145(特に、傾斜壁145a)および前端部62aの縁部62bでサイドシル凹部156が断面溝形に形成されている。
サイドシル凹部156は、前部壁146および主要部壁151(図17も参照)間に壁凹部(凹部)157が形成されている。
この壁凹部157に光硬化型樹脂51が充填され、壁凹部157に沿って略L字状に延びた状態で硬化されている。
ここで、壁凹部157に沿って光硬化型樹脂51が略L字状に延びた状態で硬化されることにより、前部壁146の外面146aおよび主要部壁151の外面151aの略全域を平坦に形成できる。
すなわち、光硬化型樹脂51の表面51aは、前部壁146の外面146aおよび主要部壁151の外面151aと連続するドアシール面に形成されている。
また、前部壁146の外面146aおよび主要部壁151の外面151aの略全域を、壁凹部(継ぎ目)157を含めた状態で平坦に形成することにより、サイドシル後部62およびサイドシル主要部61(すなわち、サイドシル27)の外観性を高めることができる。
ここで、実施例2〜実施例8においては、センタピラーアウタについて例示するが、これに限定するものではなく、実施例2〜実施例8の構成をフロントピラーアウタやサイドシルアウタなどに適用することも可能である。
まず、実施例2に係るセンタピラーアウタ161を図20に基づいて説明する。
具体的には、センタピラー上部68は下端部68aに上段部164を有する。上段部164は接合段部71へ向けて凹状に形成されている。接合段部71に上段部164が車外13側から接触され、接合段部71および上段部164がスポット溶接で接合されている。
接合凹部163に光硬化型樹脂51が充填され、光硬化型樹脂51の表面51aが平坦面に形成されている。接合凹部163に光硬化型樹脂51が充填されることにより、スポット溶接で接合された部位163bが光硬化型樹脂51で車外13側から覆われている。
このように、スポット溶接用の溶接電極112(図11(a)参照)で生じた打痕を光硬化型樹脂51で覆うことができるので、溶接電極112の先端を尖らせて溶接性を高めたり、溶接電極112を大形化することが可能になる。
これにより、外エッジ163cの錆び発生を抑制できるなど、後述する実施例8と同様の作用効果が得られる。
また、光硬化型樹脂51の表面51aは、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと連続するドアシール面に形成されている。
加えて、実施例2のセンタピラーアウタ161によれば、実施例1のセンタピラーアウタ45と同様の作用・効果を得ることができる。
センタピラーアウタ171は、実施例1のセンタピラー主要部67(すなわち、接合段部71)にセンタピラー上部68の下端部68aが光硬化型樹脂51で接着接合されたもので、その他の構成は実施例1のサイドアウタパネル25と同様である。
接合壁部位91cに対して下端壁部位74cが車外13側から間隔L4をおいて配置され、間隔L4に光硬化型樹脂51が充填されている。すなわち、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間に光硬化型樹脂51が介在されている。
よって、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間(すなわち、接合壁部位91cおよび下端壁部位74cの継ぎ目)が光硬化型樹脂51で密封されている。これにより、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間からセンタピラー170の内部173に雨水などが浸入することを良好に抑制できる。
つまり、センタピラー170の前フランジ170aに前シール材108が取り付けられることにより、前フランジ170a(具体的には、接合部)の打痕が前シール材108で覆われている。同様に、センタピラー170の後フランジ170bに後シール材109が取り付けられることにより、後フランジ170b(具体的には、接合部)の打痕が後シール材109で覆われている。
これにより、センタピラー170の外観性が接合部の打痕で損なわれることを良好に回避できる。
よって、光硬化型樹脂51の表面51a、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aに、前サイドドア17の前ドアシール材106や後サイドドア19の後ドアシール材107を確実に当接(接触)させることができる。
すなわち、光硬化型樹脂51の表面51aは、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと連続するドアシール面に形成されている。
また、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aの略全域を平坦に形成することにより、センタピラー上部68およびセンタピラー主要部67(すなわち、センタピラー170)の外観性を高めることができる。
これにより、車両側方からセンタピラーアウタ171に入力した衝撃荷重F2をセンタピラーアウタ171(具体的には、センタピラー170)で好適に支えることが可能になる。
これにより、接合段部71および下端部68a間からセンタピラー170の内部173を経て車室12に雨水などが浸入することを抑制できる。
さらに、図24に示すように、壁凹部103に光硬化型樹脂51が充填されているので、接合段部71および下端部68a間からセンタピラー170の内部173に雨水などが浸入することを一層良好に抑制できる。
図26(a)に示すように、センタピラー主要部67を支え治具115に上方から載せる。
ここで、支え治具115に前逃げ部116および後逃げ部117が形成されている。よって、センタピラー主要部67を支え治具115に載せた状態において、センタピラー主要部67の主要部前交差部97が前逃げ部116から離して配置される。同様に、センタピラー主要部67の主要部後交差部98が後逃げ部117から離して配置される。
センタピラー上部68を支え治具115に載せた状態において、センタピラー上部68の上部前交差部81(図23参照)が前逃げ部116(図26(a)参照)から離して配置される。同様に、センタピラー上部68の上部後交差部82(図23参照)が後逃げ部117(図26(a)参照)から離して配置される。
この状態において、下端壁部位74cが接合壁部位91cの上方に間隔L4をおいて配置される。よって、センタピラー上部68(具体的には、上部壁74)の外面74aおよびセンタピラー主要部67の(具体的には、主要部壁91)の外面91aが面一に配置される。さらに、上部壁74および主要部壁91間に壁凹部103が形成される。
この状態において、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間に光硬化型樹脂51が介在(充填)される。
よって、成形治具118の成形面118aを上部壁74の外面74aや主要部壁91の外面91aに好適に接触させることができる。
光硬化型樹脂51の表面51aを精度よく形成した状態において、成形治具118の外側から照射手段121で光エネルギー122を成形治具118に向けて照射する。よって、成形治具118に向けて照射された光が成形治具118を透過して、光硬化型樹脂51の表面51aを照射する。表面51aを光エネルギー122で照射することにより、光硬化型樹脂51の表面51aが硬化される。
すなわち、主要部壁91の外面91aや上部壁74の外面74aに合わせて光硬化型樹脂51の表面51aが面一になるように、表面51aを平坦に保つことができる。
すなわち、センタピラー上部68の上部前交差部81および上部後交差部82や、センタピラー主要部67の主要部前交差部97および主要部後交差部98を必要以上に精度よく形成しなくても、接合壁部位91cおよび下端壁部位74cの接着強度を確実に確保できる。
光硬化型樹脂51を硬化させた後、センタピラー主要部67およびセンタピラー上部68を支え治具115および成形治具118から外す。
光硬化型樹脂51が完全に硬化されることにより、センタピラー主要部67、センタピラー上部68および光硬化型樹脂51でセンタピラーアウタ171が形成される。
これにより、主要部壁91の外面91a、上部壁74の外面74aおよび光硬化型樹脂51の表面51aに対する前ドアシール材106のシール性を向上させることができる。
加えて、実施例3のセンタピラーアウタ171によれば、実施例1のセンタピラーアウタ45と同様の作用・効果を得ることができる。
前フランジ座部182に上部前フランジ78が車外13側から接触され、前フランジ座部182および上部前フランジ78がスポット溶接で接合される。
後フランジ座部183に上部後フランジ79が車外13側から接触され、前フランジ座部182および上部後フランジ79がスポット溶接で接合される。
接合座部184に上部側壁75が接触されることにより、上部壁74の外面74aを所定位置(すなわち、主要部壁91の外面91aと面一になる位置)に位置決めできる。これにより、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aの平坦度を良好に確保できる。
図31(a)に示すように、センタピラー主要部67を支え治具115に上方から載せる。センタピラー主要部67を載せた後、センタピラー主要部67の接合段部71のうち接合壁部位91c(接合座部184も含む)に光硬化型樹脂51を上方から塗布する。
この状態において、上部壁74の外面74a、主要部壁91の外面91a、および壁凹部103の光硬化型樹脂51に成形治具118を載せる。
表面51aを各外面74a,外面91aに対して面一に形成した状態で、実施例3と同様に、照射手段121から照射された光エネルギー122で表面51aを硬化する。
すなわち、光硬化型樹脂51の表面51aは、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと連続するドアシール面に形成されている。
加えて、実施例4のセンタピラーアウタ181によれば、実施例1のセンタピラーアウタ45と同様の作用・効果を得ることができる。
ここで、下端部近傍68dは、センタピラー上部68の下端部68aに隣接し、かつ、壁凹部103の反対側に位置する部位である。
また、逃げ防止手段193として弾性シールが用いられている。以下、逃げ防止手段193を「弾性シール193」として説明する。
弾性シール193を光硬化型樹脂51の端縁51dに隣接させることにより、接合段部71の接合壁部位91cおよび下端部68aの下端壁部位74c間から壁凹部103の反対側(すなわち、延長壁部位91d側)に光硬化型樹脂51が流れることが防止される。
図33(a)に示すように、支え治具115にセンタピラー主要部67を載せた後、センタピラー主要部67の接合段部71のうち接合壁部位91cに光硬化型樹脂51を上方から塗布する。
さらに、延長段部72の延長壁部位91dに弾性シール193を上方から塗布する。
光硬化型樹脂51に下端壁部位74cを載せ、弾性シール193に下端近傍壁部位74dを載せた状態において、センタピラー上部68が支え治具115に載置される。
よって、弾性シール193が光硬化型樹脂51の端縁51dに隣接する。これにより、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間から壁凹部103の反対側(すなわち、延長壁部位91d側)に光硬化型樹脂51が流れることを防止できる。
すなわち、壁凹部103に光硬化型樹脂51を矢印Cの如く十分に充填させることができる。
光硬化型樹脂51の表面51aが成形面118aで上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aに対して面一になるように平坦に形成される。
これにより、主要部壁91の外面91a、上部壁74の外面74aおよび光硬化型樹脂51の表面51aに対する前ドアシール材106のシール性を向上させることができる。
すなわち、光硬化型樹脂51の表面51aは、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと連続するドアシール面に形成されている。
加えて、実施例5のセンタピラーアウタ191によれば、実施例3のセンタピラーアウタ171と同様の作用・効果を得ることができる。
実施例6においては、逃げ防止手段205として、センタピラー主要部67に設けられた逃げ防止壁205が用いられている。以下、逃げ防止手段205を「逃げ防止壁205」として説明する。
接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間の空間が逃げ防止壁205で仕切られることにより、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間から壁凹部103の反対側に光硬化型樹脂51が流れることが防止される。
図35(a)に示すように、支え治具115にセンタピラー主要部67を載せた後、センタピラー主要部67の接合段部71のうち接合壁部位91cに光硬化型樹脂51を上方から塗布する。
光硬化型樹脂51に下端壁部位74cを載せることにより、光硬化型樹脂51が下端壁部位74cで押圧される。
すなわち、壁凹部103に光硬化型樹脂51を矢印Dの如く十分に充填させることができる。
光硬化型樹脂51の表面51aが成形面118aで上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aに対して面一になるように平坦に形成される。
これにより、主要部壁91の外面91a、上部壁74の外面74aおよび光硬化型樹脂51の表面51aに対する前ドアシール材106のシール性を向上させることができる。
すなわち、光硬化型樹脂51の表面51aは、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと連続するドアシール面に形成されている。
加えて、実施例6のセンタピラーアウタ201によれば、実施例3のセンタピラーアウタ171と同様の作用・効果を得ることができる。
実施例7においては、逃げ防止手段213として、支え治具115に設けられた逃げ防止壁213(図37(a)参照)が用いられている。以下、逃げ防止手段213を「逃げ防止壁213」として説明する。
すなわち、支え治具115にセンタピラー主要部67を載せた状態において、接合段部71の上端71aが逃げ防止壁213に当接する。
接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間の空間が逃げ防止壁213で仕切られることにより、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間から壁凹部103の反対側に光硬化型樹脂51が流れることが防止される。
図37(a)に示すように、支え治具115にセンタピラー主要部67を載せることにより、接合段部71の上端71aが逃げ防止壁213に当接する。センタピラー主要部67を支え治具115に載せた後、センタピラー主要部67の接合段部71のうち接合壁部位91cに光硬化型樹脂51を上方から塗布する。
センタピラー上部68が接触面214に接触されることにより、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間の空間が逃げ防止壁213で仕切られる。
すなわち、壁凹部103に光硬化型樹脂51を矢印Eの如く十分に充填させることができる。
光硬化型樹脂51の表面51aが成形面118aで上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aに対して面一になるように平坦に形成される。
これにより、主要部壁91の外面91a、上部壁74の外面74aおよび光硬化型樹脂51の表面51aに対する前ドアシール材106のシール性を向上させることができる。
すなわち、光硬化型樹脂51の表面51aは、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと連続するドアシール面に形成されている。
また、逃げ防止壁213を支え治具115に設けることにより、逃げ防止壁213を接合段部71(すなわち、センタピラー主要部67)に設ける必要がなく、設計の自由度を高めることができる。
加えて、実施例7のセンタピラーアウタ211によれば、実施例3のセンタピラーアウタ171と同様の作用・効果を得ることができる。
なお、実施例8の構成は、実施例1のセンタピラーアウタ45に限らないで、実施例2〜実施例7のセンタピラーアウタに適用させることも可能である。
上エッジ51iは、先端が上方へ向けて尖った形状に形成されている。上エッジ51iの先端を上方へ向けて尖った形状にすることにより、上エッジ51iが上部壁74の外面74aに対して段差のない端部に形成されている。よって、外面74aおよび上エッジ51iで略平坦に連続する滑らかな面(すなわち、ドアシール面)が形成されている。
これにより、カバー部51gは、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aとともにドアシール面を形成する。
上部壁74の凹部近傍外面74gは、上部壁74の外面74aのうち壁凹部103近傍側の外面である。また、主要部壁91の凹部近傍外面91fは、主要部壁91の外面91aのうち壁凹部103の近傍の外面である。
よって、車体10(図1参照)の電着塗装の際に、上部壁74の外エッジ74fに塗料を付着させ難い場合でも、外エッジ74fをカバー部51gで良好に防錆できる。これにより、センタピラーアウタ221の外観性をカバー部51gで好適に確保できる。
この場合でも、上部壁74の外エッジ74fをカバー部51gで車外13側から覆うことにより、外エッジ74fの微少量浮上りをカバー部51gで目立たないようにできる。これにより、センタピラーアウタ221の外観性をカバー部51gで好適に確保できる。
ここで、上エッジ51iおよび下エッジ51jは、傾斜角θ1に設定されている。傾斜角θ1は、例えば、13.5°以下になるように小さく抑えられている。
また、上エッジ51iおよび下エッジ51jは、先端が高さ寸法H1に設定されている。先端の高さ寸法H1は、例えば、最大0.1mmになるように小さく抑えられている。
このように、傾斜角θ1や先端の高さ寸法H1を小さく抑え、距離寸法L5を12.5mmに設定することにより、表面51h中央が各外面74a,91aから車外13側に僅かな量に設定される。具体的には、表面51h中央が各外面74a,91aから車外13側に突出する突出寸法L5は、例えば、0.6mm以下で、好ましくは0.45mmに抑えられている。
よって、例えば、前サイドドア17(図1参照)の前ドアシール材106を、各外面91a,74aに確実に当接させた状態で、表面51hに沿って好適に弾性変形させることができる。
このように、カバー部51gの表面51hは、実施例1の表面51aと同様に、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと連続するドアシール面に形成されている。
これにより、センタピラーアウタ221の外観性を高めることができ、かつ、上部壁74の外面74a、主要部壁91の外面91aおよびカバー部51gの表面51hを段差のないドアシール面に形成できる。
例えば、前記実施例1〜実施例7で示した車体、車体側部構造、サイドアウタパネル、センタピラーアウタ、ルーフサイドレールアウタ、光硬化型樹脂、カバー部、サイドシル主要部、サイドシル後部、フロントピラー主要部、フロントピラー上部、センタピラー主要部、センタピラー上部、接合段部、延長段部、センタピラー上部の上部壁、補強部材、センタピラー主要部の主要部壁、壁凹部、溶接電極、支え治具、成形治具、フロントピラー上部の上部壁、フロントピラー主要部の主要部壁、サイドシル後部の前部壁、サイドシル主要部の主要部壁、接合凹部、段部、接合座部、弾性シールおよび逃げ防止壁などの形状、構成や材質は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
15 車体側部構造
25 車体のサイドアウタパネル
45,161,171,181,191,201,211,221 センタピラーアウタ
47 ルーフサイドレールアウタ
51 光硬化型樹脂(シーラー)
51a 光硬化型樹脂の表面(ドアシール面)
51g カバー部
51h カバー部の表面(光硬化型樹脂の表面、ドアシール面)
51i,51j カバー部の上下のエッジ(端部)
61 サイドシル主要部(第2部材)
62 サイドシル後部(第1部材)
62a サイドシル後部の前端部(第1部材の端部)
64 フロントピラー主要部(第2部材)
65 フロントピラー上部(第1部材)
65a フロントピラー上部の下端部(第1部材の端部)
67 センタピラー主要部(第2部材、センタピラーアウタの主要部)
68 センタピラー上部(第1部材、センタピラーアウタの上部)
68a センタピラー上部の下端部(第1部材の端部)
71,125 接合段部
72 延長段部
74 センタピラー上部の上部壁
74a センタピラー上部の外面(第1部材の外面、上部壁の外面)
74b 上部壁74の内面
74e 上部壁の端部(第1部材の端部)
75 上部側壁(側壁)
76 上部前壁(前壁)
77 上部後壁(後壁)
78 上部前フランジ(前フランジ)
79 上部後フランジ(後フランジ)
81 上部前交差部(前交差部)
81a 上部前交差部の内面
82 上部後交差部(後交差部)
82a 上部後交差部の内面
85 補強部材
91 センタピラー主要部の主要部壁
91a センタピラー主要部の外面(第2部材の外面、主要部壁の外面)
91b 主要部壁91の内面
92 主要部側壁(側壁)
93 主要部前壁(前壁)
94 主要部後壁(後壁)
95 主要部前フランジ(前フランジ)
96 主要部後フランジ(後フランジ)
97 主要部前交差部(前交差部)
97a 主要部前交差部の内面
98 主要部後交差部(後交差部)
98a 主要部後交差部の内面
103,143,157 壁凹部(凹部)
112 溶接電極
112a 溶接電極の先端
115 支え治具
118 成形治具
122 光エネルギー(光)
127 フロントピラー上部の上部壁
127a フロントピラー上部の外面(第1部材の外面、上部壁の外面)
134 フロントピラー主要部の主要部壁
134a センタピラー主要部の外面(第2部材の外面、主要部壁の外面)
146 サイドシル後部の前部壁
146a サイドシル後部の外面(第1部材の外面、前部壁の外面)
151 サイドシル主要部の主要部壁
151a サイドシル主要部の外面(第2部材の外面、主要部壁の外面)
163 接合凹部
163b スポット溶接で接合された部位
164 上段部
184 接合座部(座部)
193 弾性シール(逃げ防止手段)
205 センタピラー主要部の逃げ防止壁(逃げ防止手段)
213 支え治具の逃げ防止壁(逃げ防止手段)
L1,L2,L3 間隔
Claims (15)
- 第1部材と、
該第1部材の端部が接合された状態において前記第1部材と外面が面一に配置されるように、前記第1部材の端部から離れる方向に段部を形成する接合段部を有する第2部材と、を備え、
該第2部材の接合段部に前記第1部材の端部が接合された状態において、前記第1部材および前記第2部材で凹部が形成される車体のサイドアウタパネルであって、
前記凹部を平滑化するシーラーを備え、
該シーラーは、
前記凹部に充填された状態で、光透過性材料の成形治具で押圧されることにより第1部材および第2部材の外面と連続するドアシール面が形成され、前記成形治具の外側から光が照射されることにより表面が硬化される光硬化型樹脂であることを特徴とする車体のサイドアウタパネル。 - 前記光硬化型樹脂は、
前記第1部材の端部を覆うように前記凹部の外側にはみ出し、前記第1部材および前記第2部材の外面と段差のない端部を有し、前記ドアシール面を形成するカバー部を備えることを特徴とする請求項1記載の車体のサイドアウタパネル。 - 前記光硬化型樹脂は、
遊離ラジカル重合可能なモノマー、還元剤および光開始剤を含む第1成分と、
酸化剤およびエポキシ化合物を含む第2成分と、を含有する反応性接着剤であり、
前記第2成分の酸化剤が周囲温度で還元剤と反応することにより遊離ラジカル重合を開始および伝播することが可能である遊離ラジカルを生成することを特徴とする請求項1または請求項2記載の車体のサイドアウタパネル。 - 前記第1部材および前記第2部材は、
車体前後方向に向けて平行に配置された側壁と、
該側壁の車体前方側端部から車体前後方向に直交する方向に張り出された前壁と、
前記側壁の車体後方側端部から車体前後方向に直交する方向に張り出された後壁と、をそれぞれ有し、
前記側壁、前記前壁および前記後壁で断面略コ字状に形成され、
前記凹部は、
断面溝形に形成され、前記前壁から前記側壁を経て前記後壁まで帯状に延出され、
前記成形治具は、
前記第1部材の外面および前記第2部材の外面に沿って断面略コ字状に形成され、
溝状の凹部に前記光硬化型樹脂が充填され、充填された前記光硬化型樹脂が前記成形治具で押圧され、前記前壁および前記後壁の溝状の凹部から余分の光硬化型樹脂を排出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車体のサイドアウタパネル。 - 前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部は、先端が平坦な円形に形成された溶接電極でスポット溶接されることにより接合されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車体のサイドアウタパネル。
- 前記第1部材の端部は、前記接合段部へ向けて凹状に形成された段部を有し、
該段部に前記第2部材の接合段部がスポット溶接で接合されることにより前記接合段部および前記段部で接合凹部が形成され、
該接合凹部に前記光硬化型樹脂が充填されることにより、前記スポット溶接で接合された部位が前記光硬化型樹脂で覆われることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の車体のサイドアウタパネル。 - 前記第1部材および前記第2部材は、
前記第1部材の側壁および前記第2部材の側壁がスポット溶接で接合され、
前記第1部材の前壁および前記第2部材の前壁がスポット溶接で接合され、
前記第1部材の後壁および前記第2部材の後壁がスポット溶接で接合されることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項記載の車体のサイドアウタパネル。 - 前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間に前記光硬化型樹脂が介在され、介在された前記光硬化型樹脂で前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部が接合されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車体のサイドアウタパネル。
- 前記第2部材の接合段部は、
前記第1部材の端部へ向けて膨出された座部を有することを特徴とする請求項8記載の車体のサイドアウタパネル。 - 前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間に介在された前記光硬化型樹脂に隣接して設けられ、前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間から前記光硬化型樹脂が前記凹部の反対側に流れることを防止する逃げ防止手段を備え、
該逃げ防止手段は弾性シールであることを特徴とする請求項8記載の車体のサイドアウタパネル。 - 前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間に介在された前記光硬化型樹脂に隣接して設けられ、前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間から前記光硬化型樹脂が前記凹部の反対側に流れることを防止する逃げ防止手段を備え、
前記逃げ防止手段は、前記第2部材に設けられた逃げ防止壁であることを特徴とする請求項8記載の車体のサイドアウタパネル。 - 断面略コ字状に形成された前記第1部材および前記第2部材の内面に支え治具が接触されることにより、該支え治具と前記成形治具とで第2部材の接合段部および前記第1部材の端部が重ね合わされた状態で挟持され、
前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間に介在された前記光硬化型樹脂に隣接して設けられ、前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間から前記光硬化型樹脂が前記凹部の反対側に流れることを防止する逃げ防止手段を備え、
前記逃げ防止手段は、前記支え治具に設けられた逃げ防止壁であることを特徴とする請求項8記載の車体のサイドアウタパネル。 - 前記第1部材および前記第2部材は、
車体前後方向に向けて平行に配置された側壁と、
該側壁の車体前方側端部から車体前後方向に直交する方向に張り出された前壁と、
前記側壁の車体後方側端部から車体前後方向に直交する方向に張り出された後壁と、
前記前壁から車体前方に張り出された前フランジと、
前記後壁から車体後方に張り出された後フランジと、をそれぞれ有し、
前記第1部材の前フランジおよび前記第2部材の前フランジがスポット溶接で接合され、前記第1部材の後フランジおよび前記第2部材の後フランジがスポット溶接で接合されることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項記載の車体のサイドアウタパネル。 - 断面略コ字状に形成された前記第1部材および前記第2部材の内面に支え治具が接触されることにより、該支え治具と前記成形治具とで第2部材の接合段部および前記第1部材の端部が重ね合わされた状態で挟持され、
前記第1部材および前記第2部材は、
前記側壁および前記前壁が交差することにより内面が凹状に形成された前交差部と、
前記側壁および前記後壁が交差することにより内面が凹状に形成された後交差部と、をそれぞれを有し、
前記前交差部および前記後交差部が前記支え治具から離れて配置されることを特徴とする請求項4〜13のいずれか1項記載の車体のサイドアウタパネル。 - 前記車体のサイドアウタパネルは、
車体の外側壁を形成するパネルであり、
ルーフレールの外壁を形成するルーフレールアウタと、
該ルーフレールアウタに連結されてセンタピラーの外壁を形成するセンタピラーアウタと、を有し、
該センタピラーアウタに前記第1部材および前記第2部材が含まれ、
前記第1部材は、
前記ルーフレールアウタから下方に向けて延出され、普通鋼板で形成された前記センタピラーアウタの上部であり、
前記第2部材は、
前記接合段部から上方に向けて延出され、かつ、前記第1部材から離れるように凹状に形成された延長段部を有し、高強度鋼板で形成された前記センタピラーアウタの主要部であり、
該延長段部にルーフサイドレールの補強部材が接合されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項記載の車体のサイドアウタパネル。
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