JP2016002925A - 車体のサイドアウタパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】第1部材および第2部材の継ぎ目にドアシール面を形成することができるシーラーを有する車体のサイドアウタパネルを提供する。
【解決手段】サイドアウタパネル25は、センタピラー主要部67の接合段部71にセンタピラー上部68の下端部68aが接合される。センタピラー上部68およびセンタピラー主要部67で壁凹部103が形成され、壁凹部103に光硬化型樹脂51が充填される。光硬化型樹脂51が光透過性材料の成形治具で押圧され、センタピラー上部68およびセンタピラー主要部67の外面と連続するドアシール面に形成される。この状態において、成形治具の外側から光が照射されることにより光硬化型樹脂51の表面51aが硬化される。
【選択図】図4

Description

本発明は、車体のサイドアウタパネルを少なくとも第1部材と第2部材とに分割し、一方の分割された第2部材に他方の分割された第1部材が接合されることにより凹部を有する継ぎ目を備え、凹部に充填されたシーラーにより平坦化処理されて継ぎ目が目立たなくされた車体のサイドアウタパネルに関する。
車体側部構造は、車体側部がサイドインナパネルにサイドアウタパネルが接合されることにより形成され、車体側部の開口部にサイドドアが開閉自在に設けられている(例えば、特許文献1参照。)。ここで、特許文献1のサイドアウタパネルは、軽量化のため高強度鋼板(高張力鋼板)を含む複数の部材が接合されることにより一体に形成されている。
具体的には、サイドアウタパネルは、普通鋼板で一体に形成された第1部材と、高強度鋼板(高張力鋼板)で一体に形成された第2部材と、高強度鋼板で一体に形成された第3部材とを有する。第1部材は、ルーフサイドレールアウタ、リヤピラーアウタやリヤパネルが普通鋼板で一体に形成されている。
第2部材は、センタピラーアウタが高強度鋼板で形成されている。第3部材は、フロントピラーアウタやサイドシルアウタが高強度鋼板で一体に形成されている。
センタピラーアウタ、サイドシルアウタやフロントピラーアウタが高強度鋼板で形成されることにより、従来の補強部材を廃止してサイドアウタパネルの軽量化と剛性を確保することが可能になる。
第1部材および第2部材や、第1部材および第3部材は各々同様に接合されるので、以下、第1部材および第2部材の接合を代表例として説明する。
第1部材および第2部材の外面を面一にするため、第1部材と第2部材との接合部に凹状の段部からなる継ぎ目を設定する。この継ぎ目はサイドドアを開いた時に露出され、外観が悪いとともに、サイドドアのドアシールとの間に隙間が生じる。
ところで、特許文献1のサイドアウタパネルは、第2部材の接合部が第1部材の接合部に接合された状態で、第2部材および第1部材の継ぎ目に凹部が形成される。そこで、凹部にダストシーラー(シーラーともいう)を充填することにより、ダストシーラーで継ぎ目を密封させている。
国際公開第2013/008515号
しかし、特許文献1のサイドアウタパネルは、継ぎ目の凹部にダストシーラーを充填した後、ドアシール面を形成するためにヘラなどでダストシーラーを削り取って平滑化する必要があるが、シール性を保証できるように削り取ることが困難である。
本発明は、第1部材および第2部材の継ぎ目にドアシール面を形成することができるシーラーを有する車体のサイドアウタパネルを提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、第1部材と、該第1部材の端部が接合された状態において前記第1部材と外面が面一に配置されるように、前記第1部材の端部から離れる方向に段部を形成する接合段部を有する第2部材と、を備え、該第2部材の接合段部に前記第1部材の端部が接合された状態において、前記第1部材および前記第2部材で凹部が形成される車体のサイドアウタパネルであって、前記凹部を平滑化するシーラーを備え、該シーラーは、前記凹部に充填された状態で、光透過性材料の成形治具で押圧されることにより第1部材および第2部材の外面と連続するドアシール面が形成され、前記成形治具の外側から光が照射されることにより表面が硬化される光硬化型樹脂であることを特徴とする。
請求項2は、前記光硬化型樹脂は、前記第1部材の端部を覆うように前記凹部の外側にはみ出し、前記第1部材および前記第2部材の外面と段差のない端部を有し、前記ドアシール面を形成するカバー部を備えることを特徴とする。
請求項3は、前記光硬化型樹脂は、遊離ラジカル重合可能なモノマー、還元剤および光開始剤を含む第1成分と、酸化剤およびエポキシ化合物を含む第2成分と、を含有する反応性接着剤であり、前記第2成分の酸化剤が周囲温度で還元剤と反応することにより遊離ラジカル重合を開始および伝播することが可能である遊離ラジカルを生成することを特徴とする。
請求項4は、前記第1部材および前記第2部材は、車体前後方向に向けて平行に配置された側壁と、該側壁の車体前方側端部から車体前後方向に直交する方向に張り出された前壁と、前記側壁の車体後方側端部から車体前後方向に直交する方向に張り出された後壁と、をそれぞれ有し、前記側壁、前記前壁および前記後壁で断面略コ字状に形成され、前記凹部は、断面溝形に形成され、前記前壁から前記側壁を経て前記後壁まで帯状に延出され、前記成形治具は、前記第1部材の外面および前記第2部材の外面に沿って断面略コ字状に形成され、溝状の凹部に前記光硬化型樹脂が充填され、充填された前記光硬化型樹脂が前記成形治具で押圧され、前記前壁および前記後壁の溝状の凹部から余分の光硬化型樹脂を排出することを特徴とする。
請求項5は、前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部は、先端が平坦な円形に形成された溶接電極でスポット溶接されることにより接合されることを特徴とする。
請求項6は、前記第1部材の端部は、前記接合段部へ向けて凹状に形成された段部を有し、該段部に前記第2部材の接合段部がスポット溶接で接合されることにより前記接合段部および前記段部で接合凹部が形成され、該接合凹部に前記光硬化型樹脂が充填されることにより、前記スポット溶接で接合された部位が前記光硬化型樹脂で覆われることを特徴とする。
請求項7は、前記第1部材および前記第2部材は、前記第1部材の側壁および前記第2部材の側壁がスポット溶接で接合され、前記第1部材の前壁および前記第2部材の前壁がスポット溶接で接合され、前記第1部材の後壁および前記第2部材の後壁がスポット溶接で接合されることを特徴とする。
請求項8は、前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間に前記光硬化型樹脂が介在され、介在された前記光硬化型樹脂で前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部が接合されることを特徴とする。
請求項9は、前記第2部材の接合段部は、前記第1部材の端部へ向けて膨出された座部を有することを特徴とする。
請求項10は、前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間に介在された前記光硬化型樹脂に隣接して設けられ、前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間から前記光硬化型樹脂が前記凹部の反対側に流れることを防止する逃げ防止手段を備え、該逃げ防止手段は弾性シールであることを特徴とする。
請求項11は、前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間に介在された前記光硬化型樹脂に隣接して設けられ、前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間から前記光硬化型樹脂が前記凹部の反対側に流れることを防止する逃げ防止手段を備え、前記逃げ防止手段は、前記第2部材に設けられた逃げ防止壁であることを特徴とする。
請求項12は、断面略コ字状に形成された前記第1部材および前記第2部材の内面に支え治具が接触されることにより、該支え治具と前記成形治具とで第2部材の接合段部および前記第1部材の端部が重ね合わされた状態で挟持され、前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間に介在された前記光硬化型樹脂に隣接して設けられ、前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間から前記光硬化型樹脂が前記凹部の反対側に流れることを防止する逃げ防止手段を備え、前記逃げ防止手段は、前記支え治具に設けられた逃げ防止壁であることを特徴とする。
請求項13は、前記第1部材および前記第2部材は、車体前後方向に向けて平行に配置された側壁と、該側壁の車体前方側端部から車体前後方向に直交する方向に張り出された前壁と、前記側壁の車体後方側端部から車体前後方向に直交する方向に張り出された後壁と、前記前壁から車体前方に張り出された前フランジと、前記後壁から車体後方に張り出された後フランジと、をそれぞれ有し、前記第1部材の前フランジおよび前記第2部材の前フランジがスポット溶接で接合され、前記第1部材の後フランジおよび前記第2部材の後フランジがスポット溶接で接合されることを特徴とする。
請求項14は、断面略コ字状に形成された前記第1部材および前記第2部材の内面に支え治具が接触されることにより、該支え治具と前記成形治具とで第2部材の接合段部および前記第1部材の端部が重ね合わされた状態で挟持され、前記第1部材および前記第2部材は、前記側壁および前記前壁が交差することにより内面が凹状に形成された前交差部と、前記側壁および前記後壁が交差することにより内面が凹状に形成された後交差部と、をそれぞれを有し、前記前交差部および前記後交差部が前記支え治具から離れて配置されることを特徴とする。
請求項15は、前記車体のサイドアウタパネルは、車体の外側壁を形成するパネルであり、ルーフレールの外壁を形成するルーフレールアウタと、該ルーフレールアウタに連結されてセンタピラーの外壁を形成するセンタピラーアウタと、を有し、該センタピラーアウタに前記第1部材および前記第2部材が含まれ、前記第1部材は、前記ルーフレールアウタから下方に向けて延出され、普通鋼板で形成された前記センタピラーアウタの上部であり、前記第2部材は、前記接合段部から上方に向けて延出され、かつ、前記第1部材から離れるように凹状に形成された延長段部を有し、高強度鋼板で形成された前記センタピラーアウタの主要部であり、該延長段部にルーフサイドレールの補強部材が接合されることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、第2部材の接合段部に第1部材の端部を接合することにより、第1部材および第2部材が面一に配置され、かつ、第1部材および第2部材で凹部を形成する。この凹部にシーラーとして光硬化型樹脂(光硬化性樹脂、光硬化樹脂)を充填する。
この光硬化型樹脂を光透過性材料の成形治具で押圧して、光硬化型樹脂を第1部材および第2部材の外面と連続するドアシール面に形成する。この状態において、成形治具の外側から光硬化型樹脂に光を照射することにより光硬化型樹脂の表面を硬化できる。
このように、シーラーを成形治具で押圧するのでドアシールと隙間を発生しないドアシール面を形成できるとともに、シーラーである光硬化型樹脂を成形治具の押圧状態で表面を硬化し、表面が硬化した後に光硬化型樹脂の内部を硬化させるので、光硬化型樹脂が硬化する際に光硬化型樹脂が収縮して、光硬化型樹脂の表面にひけ(くぼみ)が発生することを抑制できる。
すなわち、第1部材および第2部材の継ぎ目(凹部)にドアシール面を形成する光硬化型樹脂(すなわち、シーラー)を設けるので、第1部材、第2部材の外面および光硬化型樹脂のドアシール面にサイドドアのシール材(ドアシール)を確実に当接できる。これにより、第1部材、第2部材および光硬化型樹脂に対するシール材のシール性(すなわち、水密性)を向上させることができる。
請求項2に係る発明では、光硬化型樹脂にカバー部を備え、カバー部を第1部材の端部を覆うように凹部の外側にはみ出させた。さらに、カバー部に、第1部材および第2部材の外面と段差のない端部を有し、カバー部でドアシール面を形成するようにした。
ここで、車体のサイドアウタパネルを構成する鋼材は、防錆のためメッキ処理や防錆塗装されるが、端部の角部はメッキや塗料が付着し難いことが知られている。
そこで、請求項2において、第1部材の端部(外エッジ)を光硬化型樹脂で外側から覆うようにした。これにより、第1部材の端部を光硬化型樹脂で良好に防錆できる。
さらに、第1部材および第2部材を接合した状態において、両部材の製造公差や接合公差により、第1部材の端部が第2部材から微少量浮き上がる(微少量離れる)ことが考えられる。
この場合でも、凹部の外側にはみ出すように光硬化型樹脂(具体的には、カバー部)を形成することにより、第1部材の端部の微少量浮上りを光硬化型樹脂で目立たないようにでき、サイドアウタパネルの外観性を好適に確保できる。
さらに、第1部材および第2部材の外面と段差のない端部をカバー部に有することにより、光硬化型樹脂のドアシール性を向上できる。
請求項3に係る発明では、光硬化型樹脂として、第1成分および第2成分を含有する反応性接着剤を用いるようにした。第1成分は、遊離ラジカル重合可能なモノマー、還元剤および光開始剤を含む。また、第2成分は、酸化剤およびエポキシ化合物を含む。第2成分の酸化剤が周囲温度で還元剤と反応することにより、遊離ラジカル重合を開始および伝播することが可能である遊離ラジカルを生成する。
この光硬化型樹脂は、特開2013−129841号公報に記載された接着剤が用いられる。
請求項3は、この光硬化型樹脂の接着剤を継ぎ目のシーラー(ダストシーラー)として適用する点が特徴である。
つまり、第1成分に光を照射することにより、モノマーが遊離ラジカル重合して硬質なアクリル系樹脂が生成される。第2成分が周囲温度に晒されることにより、エポキシ化合物から接着性に優れたエポキシ系樹脂が生成される。
すなわち、光硬化型樹脂に光を照射することにより、第1成分からアクリル系樹脂が生成されて光硬化型樹脂の表面が硬化される。光硬化型樹脂の表面が硬化した後、第2成分のエポキシ系樹脂が周囲温度で硬化される。
よって、第1部材および第2部材を後工程に搬送する途中で、シーラーが凹部から流出することを防止できる。さらに、エポキシ系樹脂は熱収縮率(すなわち、硬化する際の収縮率)が小さいので、光硬化型樹脂の表面にひけ(くぼみ)が発生することを抑制できる。
これにより、第1部材および第2部材の外面に合わせて光硬化型樹脂のドアシール面を形成でき、第1部材、第2部材および光硬化型樹脂に対するシール材のシール性を向上させることができる。
請求項4に係る発明では、第1部材および第2部材が側壁、前壁および後壁でそれぞれ断面略コ字状に形成されている。さらに、凹部が前壁から側壁を経て後壁まで帯状に延出されている。
よって、成形治具で光硬化型樹脂を押圧してドアシール面を形成する際に、余分の光硬化型樹脂が断面略コ字状の帯状の凹部に沿って前壁、後壁の端部から排出される。これにより、第1部材および第2部材の外面と光硬化型樹脂との境界をきれいに仕上げて外観性を高めることができ、かつ、段差のないドアシール面を得て、第1部材、第2部材および光硬化型樹脂に対するドアのシール材のシール性を向上させることができる。
請求項5に係る発明では、第2部材の接合段部および第1部材の端部を溶接電極でスポット溶接した。この溶接電極の先端を平坦な円形に形成した。
これにより、第2部材の接合段部および第1部材の端部を溶接電極でスポット溶接する際に生じる打痕(溶接電極の先端で形成される凹み)を目立たないように抑えることができ、外観性を好適に確保できる。
請求項6に係る発明では、第1部材の端部に段部を形成し、段部に第2部材の接合段部をスポット溶接で接合して接合段部および段部で接合凹部を形成する。さらに、接合凹部に光硬化型樹脂を充填することにより、スポット溶接で接合された部位を光硬化型樹脂で覆うようにした。
よって、スポット溶接用の溶接電極で生じた打痕を光硬化型樹脂で覆うことができるので、溶接電極を大形化することが可能になる。これにより、段部に第2部材の接合段部を一層強固に接合でき、接合強度を高めることができる。
請求項7に係る発明では、第1部材および第2部材の各側壁をスポット溶接で接合し、第1部材および第2部材の各前壁をスポット溶接で接合した。さらに、第1部材および第2部材の各後壁をスポット溶接で接合した。
このように、第1部材および第2部材の各側壁、各前壁および各後壁をスポット溶接で接合することにより、第2部材の接合段部および第1部材の端部を強固に接合でき、接合強度を高めることができる。
請求項8に係る発明では、第2部材の接合段部および第1部材の端部間に光硬化型樹脂を介在させた。ここで、第2部材の接合段部に第1部材の端部を接合状態に配置した状態において、第1部材および第2部材で凹部が形成される。
よって、第2部材の接合段部および第1部材の端部間に介在させた光硬化型樹脂が、凹部に充填した光硬化型樹脂に接触される。凹部に充填した光硬化型樹脂の表面に光を照射させて、表面を硬化させる際に表面硬化による反応熱が発生する。この反応熱で、第2部材の接合段部および第1部材の端部間に介在させた光硬化型樹脂を硬化させることができる。
これにより、第2部材の接合段部および第1部材の端部を光硬化型樹脂で強固に接合することができる。
請求項9に係る発明では、第2部材の接合段部に座部を形成し、座部を第1部材の端部へ向けて膨出させた。よって、座部に第1部材の端部を接触させることにより、第1部材の端部を所定位置(すなわち、第2部材と面一になる位置)に位置決めできる。これにより、第1部材および第2部材の平坦度を一層良好に確保できる。
さらに、第2部材の接合段部に座部を形成することにより、第2部材の接合段部および第1部材の端部間に介在させた光硬化型樹脂を座部で凹部に向けて押し出すことができる。よって、凹部に光硬化型樹脂を十分に充填させることができる。
これにより、凹部の光硬化型樹脂を成形治具で押圧することにより、光硬化型樹脂を第1部材および第2部材の外面と連続するドアシール面(同一平坦面)に一層良好に形成できる。
請求項10に係る発明では、第2部材の接合段部および第1部材の端部間に介在された光硬化型樹脂に隣接させて逃げ防止手段を設け、逃げ防止手段として弾性シールを用いた。よって、第2部材の接合段部および第1部材の端部間から光硬化型樹脂が凹部の反対側に流れることを弾性シールで防止できる。これにより、凹部に光硬化型樹脂を十分に充填させることができる。
したがって、凹部の光硬化型樹脂を成形治具で押圧することにより、光硬化型樹脂を第1部材および第2部材の外面と連続するドアシール面(同一平坦面)に一層良好に形成できる。
請求項11に係る発明では、逃げ防止手段として逃げ防止壁を第2部材に設けた。よって、第2部材の接合段部および第1部材の端部間から光硬化型樹脂が凹部の反対側に流れることを逃げ防止壁で防止できる。これにより、凹部に光硬化型樹脂を十分に充填させることができる。
したがって、凹部の光硬化型樹脂を成形治具で押圧することにより、光硬化型樹脂を第1部材および第2部材の外面と連続するドアシール面(同一平坦面)に一層良好に形成できる。
さらに、逃げ防止壁を第2部材に設けることにより、光硬化型樹脂に隣接させて弾性シールを接着する手間を省くことができ、生産性を高めることができる。
請求項12に係る発明では、逃げ防止手段として逃げ防止壁を支え治具に設けた。よって、第2部材の接合段部および第1部材の端部間から光硬化型樹脂が凹部の反対側に流れることを逃げ防止壁で防止できる。これにより、凹部に光硬化型樹脂を十分に充填させることができる。
したがって、凹部の光硬化型樹脂を成形治具で押圧することにより、光硬化型樹脂を第1部材および第2部材の外面と連続するドアシール面(同一平坦面)に一層良好に形成できる。
さらに、逃げ防止壁を支え治具に設けることにより、光硬化型樹脂に隣接させて弾性シールを接着する手間を省くことができ、生産性を高めることができる。
加えて、逃げ防止壁を支え治具に設けることにより、逃げ防止壁を第2部材に設ける必要がなく、設計の自由度を高めることができる。
請求項13に係る発明では、第2部材の接合段部および第1部材の端部間に介在させた光硬化型樹脂を硬化させて、第2部材の接合段部および第1部材の端部を接合するようにした。さらに、第1部材および第2部材の各前フランジをスポット溶接で接合し、第1部材および第2部材の各後フランジをスポット溶接で接合するようにした。
これにより、スポット溶接で接合する箇所を、前フランジおよび後フランジのみに減らすことができる。
また、前フランジおよび後フランジに、例えば、シール材を取り付けることができる。これにより、シール材でスポット溶接の打痕を覆うことができ、外観性を確保できる。
請求項14に係る発明では、第1部材および第2部材に前交差部、後交差部をそれぞれ有する。前交差部は、側壁および前壁が交差することにより凹状に形成されている。後交差部は、側壁および後壁が交差することにより凹状に形成されている。
ここで、例えば、前交差部は側壁および前壁が曲げ成形されることにより形成される。また、後交差部は側壁および後壁が曲げ成形されることにより形成される。このため、前交差部や後交差部を精度よく形成することが難しい。
そこで、請求項14において、前交差部および後交差部を支え治具から離して配置するようにした。よって、前交差部や後交差部を必要以上に精度よく形成しなくても、支え治具に第1部材および第2部材の側壁、前壁、後壁を確実に接触させることができる。
すなわち、支え治具と成形治具とで第1部材および第2部材を好適に挟持することが可能になる。これにより、凹部に充填された光硬化型樹脂を成形治具で押圧して、光硬化型樹脂が第1部材および第2部材の外面と連続するドアシール面(同一平坦面)になるように、光硬化型樹脂を精度よく平坦に形成できる。
請求項15に係る発明では、第2部材の接合段部から延長段部を上方に向けて延出し、この延長段部を第1部材から離れるように凹状に形成した。これにより、例えば、車両の走行中に発生する振動により、第2部材の延長段部が第1部材に当接することを抑え、延長段部および第1部材による当接音の発生を回避できる。
さらに、延長段部にルーフサイドレールの補強部材(スチフナなど)を接合した。よって、延長段部を補強部材で補強することができ、センタピラーアウタの剛性を確保できる。これにより、車両側方からセンタピラーアウタに入力した衝撃荷重をセンタピラーアウタ(具体的には、センタピラー)で支えることが可能になる。
加えて、センタピラーアウタの剛性を確保することにより、第2部材の接合段部および第1部材の端部の接合状態を良好に保つことができる。これにより、第2部材の接合段部および第1部材の端部間からセンタピラーの内部を経て車室に雨水などが浸入することを抑制できる。
本発明に係る実施例1の車体側部構造を示す斜視図である。 図1の車体側部構造を示す分解斜視図である。 図1のサイドアウタパネルを示す斜視図である。 図1の4部拡大図である。 図4のセンタピラーアウタを示す分解斜視図である。 図4の6−6線断面図である。 図4の7−7線断面図である。 図4の8−8線断面図である。 図7の9部拡大図であり、構成の理解を容易にするため図6のシール材を想像線で図示する。 図4の10−10線断面図である。 実施例1のセンタピラー主要部の接合段部にセンタピラー上部の下端部を接合する方法を説明する図である。 実施例1の凹部に充填した光硬化型樹脂の表面を主要部壁や上部壁の外面と連続するドアシール面に形成する方法を説明する図である。 実施例1の光硬化型樹脂の表面を主要部壁や上部壁の外面と連続するドアシール面に硬化させた状態を説明する図であり、図13(a)は図12(b)の13a−13a線断面図を示す。 図1の14−14線断面図である。 図14の15−15線断面図である。 図1の16−16線断面図である。 図1の17−17線断面図である。 図17の18−18線断面図である。 図1の19−19線断面図である。 本発明に係る実施例2のセンタピラーアウタを示す断面図である。 本発明に係る実施例3のセンタピラーを示す斜視図である。 図21の22−22線断面図である。 図21の23−23線断面図である。 図22の24部拡大図であり、構成の理解を容易にするため図23のシール材を想像線で図示する。 図21の25−25線断面図である。 実施例3のセンタピラー主要部(接合段部)の接合壁部位に光硬化型樹脂を塗布する方法を説明する図である。 実施例3の光硬化型樹脂を硬化する方法を説明する図である。 実施例3の接合段部および下端部を光硬化型樹脂で接着し、かつ、光硬化型樹脂の表面を上部壁や主要部壁の外面と面一に形成した状態を説明する図であり、図28(a)は図27(b)の28a−28a線断面図を示す。 本発明に係る実施例4のセンタピラーアウタを示す分解斜視図である。 実施例4のセンタピラーアウタを示す断面図である。 実施例4の接合段部および下端部を光硬化型樹脂で接着し、かつ、光硬化型樹脂の表面を上部壁や主要部壁の外面と面一に形成する方法を説明する図である。 本発明に係る実施例5のセンタピラーアウタを示す断面図である。 実施例5の接合段部および下端部を光硬化型樹脂で接着し、かつ、光硬化型樹脂の表面を上部壁や主要部壁の外面と面一に形成する方法を説明する図である。 本発明に係る実施例6のセンタピラーアウタを示す断面図である。 実施例6の接合段部および下端部を光硬化型樹脂で接着し、かつ、光硬化型樹脂の表面を上部壁や主要部壁の外面と面一に形成する方法を説明する図である。 本発明に係る実施例7のセンタピラーアウタを示す断面図である。 実施例7の接合段部および下端部を光硬化型樹脂で接着し、かつ、光硬化型樹脂の表面を上部壁や主要部壁の外面と面一に形成する方法を説明する図である。 本発明に係る実施例8のセンタピラーアウタを示す断面図である。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前(Fr)」、「後(Rr)」、「左(L)」、「右(R)」は運転者から見た方向にしたがう。
実施例1に係る車体のサイドアウタパネル25について説明する。
なお、車体のサイドアウタパネル25を以下、サイドアウタパネル25と略記して説明する。
図1に示すように、車体10は、車体10の側部において車室12および車外13を仕切る車体側部構造15と、車体側部構造15の前ドア開口部16に設けられた前サイドドア17と、車体側部構造15の後ドア開口部18に設けられた後サイドドア19と、車体側部構造15の下部15aに車外13側から設けられるサイドシルガーニッシュ21とを備えている。
図2に示すように、車体側部構造15は、車室12側に設けられたサイドインナパネル24と、サイドインナパネル24に車外13側から接合されるサイドアウタパネル25とを備えている。サイドインナパネル24にサイドアウタパネル25が接合されることにより車体側部構造15が一体に形成される。
図1に戻って、車体側部構造15は、フロアパネルの側部を支持するサイドシル27と、サイドシル27の前端部27aに立設されたフロントピラー28と、サイドシル27の中央部27bに立設されたセンタピラー29と、サイドシル27の後端部27cに立設されたリヤピラー31とを備えている。
さらに、車体側部構造15は、フロントピラー28、センタピラー29およびリヤピラー31の各上端部28a,29a,31aに連結されたルーフサイドレール32と、ルーフサイドレール32の後端部32aおよびリヤピラー31から車体後方に延ばされたリヤパネル33とを備えている。
サイドシル27、フロントピラー28、センタピラー29、リヤピラー31およびルーフサイドレール32は、車体側部構造15の骨格を形成する部材である。
車体側部構造15の前半部に前ドア開口部16が形成され、車体側部構造15の後半部に後ドア開口部18が形成されている。
前ドア開口部16は、サイドシル27の前半部、フロントピラー28、ルーフサイドレール32の前半部およびセンタピラー29で略矩形状に開口されている。前ドア開口部16を開閉する前サイドドア17がフロントピラー28にヒンジ部材(図略)を介して取り付けられている。
後ドア開口部18は、サイドシル27の後半部、センタピラー29、ルーフサイドレール32の後半部およびリヤピラー31で略矩形状に開口されている。後ドア開口部18を開閉する後サイドドア19がセンタピラー29にヒンジ部材(図略)を介して取り付けられている。
図2に示すように、サイドインナパネル24は、車体側部構造15の内側壁を形成するパネルである。このサイドインナパネル24は、サイドシルインナ35、フロントピラーインナ36、センタピラーインナ37、リヤピラーインナ38およびルーフサイドレールインナ39を有する。
図1、図2に示すように、サイドシルインナ35でサイドシル27の内壁が形成され、フロントピラーインナ36でフロントピラー28の内壁が形成される。また、センタピラーインナ37でセンタピラー29の内壁が形成され、リヤピラーインナ38でリヤピラー31の内壁が形成される。
さらに、ルーフサイドレールインナ39でルーフサイドレール32の内壁が形成される。
図1、図3に示すように、サイドアウタパネル25は、車体10の外側壁(具体的には、車体側部構造15の外側壁)を形成するパネルである。このサイドアウタパネル25は、サイドシルアウタ43、フロントピラーアウタ44、センタピラーアウタ45、リヤピラーアウタ46、ルーフサイドレールアウタ47、リヤパネル33およびシーラー(ダストシーラー、光硬化型樹脂)51を有する。
サイドシルアウタ43でサイドシル27の外壁が形成され、フロントピラーアウタ44でフロントピラー28の外壁が形成される。また、センタピラーアウタ45でセンタピラー29の外壁が形成され、リヤピラーアウタ46でリヤピラー31の外壁が形成される。
さらに、ルーフサイドレールアウタ47でルーフサイドレールの外壁が形成される。
フロントピラーアウタ44は、上端部44aがルーフサイドレールアウタ47の前端部47aに連結され、下端部44bがサイドシルアウタ43の前端部43aに連結されている。
センタピラーアウタ45は、上端部45aがルーフサイドレールアウタ47の中央47bに連結され、下端部45bがサイドシルアウタ43の中央43bに連結されている。
サイドシルアウタ43は、前端部43aがフロントピラーアウタ44の下端部44bに連続して一体に形成され、後端部43cがリヤピラーアウタ46の下端部46aに連結されている。
図1、図2に戻って、サイドシルインナ35およびサイドシルアウタ43が接合されることにより、サイドシル27が閉断面に形成される(図17も参照)。また、フロントピラーインナ36およびフロントピラーアウタ44が接合されることにより、フロントピラー28が閉断面に形成される(図14も参照)。
さらに、リヤピラーインナ38およびリヤピラーアウタ46が接合されることにより、リヤピラー31が閉断面に形成される。
図4に示すように、ルーフサイドレールインナ39およびルーフサイドレールアウタ47が接合されることにより、ルーフサイドレール32が閉断面に形成される。また、センタピラーインナ37およびセンタピラーアウタ45が接合されることにより、センタピラー29が閉断面に形成される。
図3に戻って、サイドアウタパネル25は、普通鋼板で形成された第1アウタパネル54と、高強度鋼板(高張力鋼板)で形成された第2アウタパネル55と、高強度鋼板で形成された第3アウタパネル56とを有する。
普通鋼板は外観面を形成するプレス成形性のよい(延性が高い)普通鋼(炭素鋼)で形成された板材である。高強度鋼板は、プレス成形性は劣るが普通鋼より引張強度が優れた高張力鋼で形成された板材である。
第1アウタパネル54、第2アウタパネル55および第3アウタパネル56が接合されることによりサイドアウタパネル25が一体に形成される。
第1アウタパネル54は、リヤピラーアウタ46、リヤパネル33、サイドシルアウタ43の後部(第1部材)62、フロントピラーアウタ44の上部(第1部材)65、およびセンタピラーアウタ45の上部(第1部材)68が普通鋼板で一体に形成されたパネルである。
第2アウタパネル55は、フロントピラーアウタ44の主要部(第2部材)64、およびサイドシルアウタ43の主要部(第2部材)61が高強度鋼板で一体に形成されたパネルである。
第3アウタパネル56は、センタピラーアウタ45の主要部(第2部材)67が第2アウタパネル55より高い引張強度の高強度鋼板で形成されたパネルである。
センタピラーアウタ45を図4〜図13に基づいて説明する。
図4、図5に示すように、センタピラーアウタ45は、普通鋼板で形成されたセンタピラーアウタ45の上部68と、高強度鋼板で形成されたセンタピラーアウタ45の主要部67と、上部68および主要部67間に充填されたシーラー(光硬化型樹脂)51とを含む。
以下、センタピラーアウタ45の上部68を「センタピラー上部68」、センタピラーアウタ45の主要部67を「センタピラー主要部67」として説明する。
センタピラー上部68は、ルーフサイドレールアウタ47の中央47bから下方に向けて延出されている。このセンタピラー上部68は、センタピラー主要部67の接合段部71に接合される下端部(端部)68aを有する。
図6に示すように、センタピラー上部68は、上部壁74、上部前フランジ(前フランジ)78および上部後フランジ(後フランジ)79を有する。上部壁74は、上部側壁(側壁)75、上部前壁(前壁)76および上部後壁(後壁)77を有する。さらに、上部壁74は、上部側壁75および上部前壁76が交差することにより形成された上部前交差部(前交差部)81と、上部側壁75および上部後壁77が交差することにより形成された上部後交差部(後交差部)82とを有する。
上部側壁75は、車体前後方向に向けて平行に配置されている。上部前壁76は、上部側壁75の車体前方側端部75aから車体前後方向に直交する方向で、かつ車幅方向内側へ向けて張り出すように折り曲げられている。
上部後壁77は、上部側壁75の車体後方側端部75bから車体前後方向に直交する方向で、かつ車幅方向内側へ向けて張り出すように折り曲げられている。
上部側壁75、上部前壁76および上部後壁77でセンタピラー上部68の上部壁74が断面略コ字状(断面略U字状)に形成されている。
上部前フランジ78は、上部前壁76の車幅方向内側端部76aから車体前方へ向けて張り出すように折り曲げられている。
上部後フランジ79は、上部後壁77の車幅方向内側端部77aから車体後方へ向けて張り出すように折り曲げられている。
上部側壁75、上部前壁76、上部後壁77、上部前フランジ78および上部後フランジ79でセンタピラー上部68が断面略ハット状に形成されている。
上部前交差部81は、上部側壁75および上部前壁76が交差することにより内面81aが凹状に形成されている。また、上部後交差部82は、上部側壁75および上部後壁77が交差することにより内面82aが凹状に形成されている。
図4、図5に示すように、センタピラー主要部67は、サイドシルアウタ43の中央43bに接合される下端部45b(図3参照)と、センタピラー上部68の下端部68aに接合される接合段部71と、接合段部71の上端71aから上方へ向けて延出される延長段部72を有する。
接合段部71は、センタピラー上部68から離れる方向(すなわち、車幅方向内側に向けて)に向けて、センタピラー上部68の板厚寸法分だけ凹状に形成されている。
図7、図8に示すように、接合段部71にセンタピラー上部68の下端部68aが車外13側から接触された状態において接合段部71に下端部68aがスポット溶接で接合されている。
この状態において、センタピラー主要部67の外面67aにセンタピラー上部68の外面68bが面一に配置される。
延長段部72は、接合段部71の上端71aから上方へ向けて延出され、かつ、接合段部71より車幅方向内側に向けて一段低く形成されている。よって、接合段部71にセンタピラー上部68の下端部68aが接合された状態において、センタピラー上部68から延長段部72が離れるように配置される。
これにより、例えば、車両の走行中に発生する振動により、延長段部72がセンタピラー上部68に当接することを抑え、延長段部72およびセンタピラー上部68による当接音の発生を回避できる。
延長段部72に車幅方向内側から補強部材(すなわち、スチフナ)85の下端部85aがスポット溶接で接合されている。補強部材85は、ルーフサイドレール32の内部86に設けられる。ルーフサイドレール32の内部86に補強部材85が設けられることにより、ルーフサイドレール32が補強部材85で補強されている。
さらに、延長段部72が補強部材85で補強され、センタピラーアウタ45の剛性が確保されている。これにより、車両側方からセンタピラーアウタ45に入力した衝撃荷重F1をセンタピラーアウタ45(具体的には、センタピラー29)で好適に支えることが可能になる。
加えて、下方に設けられるセンタピラー主要部67の接合段部71を、上方に設けられるセンタピラー上部68の下端部68aが覆う接合状態を良好に保つことができる。これにより、接合段部71および下端部68a間からセンタピラー29の内部87を経て車室12に雨水などが浸入することを抑制できる。
特に、後述する継ぎ目を有する壁凹部103(図9参照)にシーラーとして光硬化型樹脂51が充填されている。よって、接合段部71および下端部68a間(すなわち、接合段部71および下端部68aの継ぎ目)が光硬化型樹脂51で密封されている。
これにより、接合段部71および下端部68a間からセンタピラー29の内部87に雨水などが浸入することを一層良好に抑制できる。
図6に戻って、センタピラー主要部67は、主要部壁91、主要部前フランジ(前フランジ)95および主要部後フランジ(後フランジ)96を有する。主要部壁91は、主要部側壁(側壁)92、主要部前壁(前壁)93および主要部後壁(後壁)94を有する。さらに、主要部壁91は、主要部側壁92および主要部前壁93が交差することにより形成された主要部前交差部(前交差部)97と、主要部側壁92および主要部後壁94が交差することにより形成された主要部後交差部(後交差部)98とを有する。
主要部側壁92は、車体前後方向に向けて平行に配置されている。主要部前壁93は、主要部側壁92の車体前方側端部92aから車体前後方向に直交する方向で、かつ、車幅方向内側へ向けて張り出すように折り曲げられている。
主要部後壁94は、主要部側壁92の車体後方側端部92bから車体前後方向に直交する方向で、かつ、車幅方向内側へ向けて張り出すように折り曲げられている。
主要部側壁92、主要部前壁93および主要部後壁94でセンタピラー主要部67の主要部壁91が断面略コ字状(断面略U字状)に形成されている。
主要部前フランジ95は、主要部前壁93の車幅方向内側端部93aから車体前方へ向けて張り出すように折り曲げられている。
主要部後フランジ96は、主要部後壁94の車幅方向内側端部94aから車体後方へ向けて張り出すように折り曲げられている。
主要部側壁92、主要部前壁93、主要部後壁94、主要部前フランジ95および主要部後フランジ96でセンタピラー主要部67が断面略ハット状に形成されている。
センタピラー主要部67の接合段部71にセンタピラー上部68の下端部68aが車外13側から重ね合わされた状態においてスポット溶接で接合されている(図4の×印参照)。
具体的には、図6、図7に示すように、センタピラー上部68(具体的には、下端部68a)の上部側壁75および接合段部71の主要部側壁92がスポット溶接で接合されている(図6、図7の板間の●印参照)。また、下端部68aの上部前壁76および接合段部71の主要部前壁93がスポット溶接で接合されている。さらに、下端部68aの上部後壁77および接合段部71の主要部後壁94がスポット溶接で接合されている。
また、図6、図8に示すように、センタピラー上部68(具体的には、下端部68a)の上部前フランジ78および接合段部71の主要部前フランジ95がスポット溶接で接合されている。さらに、下端部68aの上部後フランジ79および接合段部71の主要部後フランジ96がスポット溶接で接合されている。
よって、センタピラー主要部67の接合段部71およびセンタピラー上部68の下端部68aがスポット溶接で接合されている。これにより、センタピラー主要部67およびセンタピラー上部68でセンタピラーアウタ45が形成される。
センタピラー主要部67の接合段部71およびセンタピラー上部68の下端部68aがスポット溶接で接合されることにより、センタピラー主要部67の接合段部71およびセンタピラー上部68の下端部68aが強固に接合される。
主要部前交差部97は、主要部側壁92および主要部前壁93が交差することにより内面97aが凹状に形成されている。また、主要部後交差部98は、主要部側壁92および主要部後壁94が交差することにより内面98aが凹状に形成されている。
図4、図9に示すように、センタピラー主要部67の接合段部71およびセンタピラー上部68の下端部68aが接合された状態において、接合段部71の傾斜壁71bおよび下端部68aの縁部68cが間隔L1をおいて対峙されている。よって、接合段部71(特に、傾斜壁71b)および下端部68aの縁部68cでセンタピラー凹部(すなわち、継ぎ目)101が断面溝形に形成されている。
センタピラー凹部101は、上部前フランジ78および主要部前フランジ95間に形成される前フランジ凹部102と、上部壁74および主要部壁91間に形成される壁凹部103(凹部)と、上部後フランジ79および主要部後フランジ96間に形成される後フランジ凹部104とで形成されている。
図10に示すように、壁凹部103は、接合段部71の主要部前壁93から主要部側壁92を経て主要部後壁94まで略コ字状(略U字状)に形成されることにより帯状に延びている。換言すれば、壁凹部103は、主要部壁91に略コ字状に形成されている。
壁凹部103の前端部が前フランジ凹部102に連結され、壁凹部103の後端部が後フランジ凹部104に連結されている。よって、壁凹部103、前フランジ凹部102および後フランジ凹部104でセンタピラー凹部101が略ハット状に形成されている。
図9、図10に示すように、壁凹部103に光硬化型樹脂51が充填されている。光硬化型樹脂51は、壁凹部103に沿って略コ字状(略U字状)に延びた状態で硬化されている。この状態において、光硬化型樹脂51の表面51aが、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと面一になるように、各外面74a,91aと連続する同一平坦面(すなわち、ドアシール面)に形成されている。
上部壁74の外面74aは、センタピラー上部68の外面68bから上部前フランジ78および上部後フランジ79(図6参照)の各外面を除いた面である。
主要部壁91の外面91aは、センタピラー主要部67の外面67aから主要部前フランジ95および主要部後フランジ96(図6参照)の各外面を除いた面である。
ここで、壁凹部103に沿って光硬化型樹脂51が略コ字状に延びた状態で硬化されることにより、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aの略全域を平坦に形成できる。
よって、光硬化型樹脂51の表面51a、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aに、前サイドドア17の前ドアシール材106や後サイドドア19の後ドアシール材107を確実に当接(接触)させることにより雨水の浸入を抑制できる。
すなわち、光硬化型樹脂51の表面51aは、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと連続するドアシール面に形成されている。
また、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aの略全域を、壁凹部(継ぎ目)103を含めた状態で平坦に形成することにより、前サイドドア17や後サイドドア19(図1参照)を開いた時のセンタピラー上部68およびセンタピラー主要部67(すなわち、センタピラー29)の外観性を高めることができる。
さらに、センタピラーアウタ45を車外13側からセンタピラーインナ37に接合することにより、センタピラーアウタ45およびセンタピラーインナ37でセンタピラー29が形成される。
センタピラー29の前フランジ29bに前シール材108が取り付けられることにより、前フランジ凹部102が前シール材108で覆われている。同様に、センタピラー29の後フランジ29cに後シール材109が取り付けられることにより、後フランジ凹部104が後シール材109で覆われている。
これにより、センタピラー上部68およびセンタピラー主要部67(すなわち、センタピラー29)の外観性を一層高めることができる。
光硬化型樹脂51は、特開2013−129841号公報に記載された接着剤が用いられ、光が照射されることにより表面51aが硬化される光硬化型樹脂(光硬化性樹脂、光硬化樹脂ともいう)である。
光硬化型樹脂51は、遊離ラジカル重合可能なモノマー、還元剤および光開始剤を含む第1成分と、酸化剤およびエポキシ化合物を含む第2成分とを含有する反応性接着剤である。
第2成分の酸化剤が周囲温度で還元剤と反応することにより、遊離ラジカル重合を開始および伝播することが可能である遊離ラジカルが生成される。
つぎに、光硬化型樹脂51の表面51aを上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと面一に形成する方法を図6、図11〜図13に基づいて説明する。
図11(a)に示すように、センタピラー主要部67の接合段部71にセンタピラー上部68の下端部68aが重ね合わされる。この状態において、接合段部71および下端部68aが一対の溶接電極112でスポット溶接されることにより接合される。
ここで、一対の溶接電極112は、先端112aが平坦な円形に形成されている。よって、接合段部71および下端部68aを一対の溶接電極112でスポット溶接する際に、接合段部71や下端部68aの接合部113の表面113aに生じる打痕(溶接電極112の先端112aで形成される凹み)を目立たないように抑えることができる。これにより、センタピラー29の外観性を好適に確保することができる。
さらに、接合段部71の主要部側壁92および下端部68aの上部側壁75の接合部113は、表面113aが前サイドドア17や後サイドドア19(図6参照)で車外13側から目視できないように隠される。
また、図6に示すように、センタピラー29の前フランジ29bに前シール材108が取り付けられることにより、前フランジ29b(具体的には、接合部)の打痕が前シール材108で覆われている。同様に、センタピラー29の後フランジ29cに後シール材109が取り付けられることにより、後フランジ29c(具体的には、接合部)の打痕が後シール材109で覆われている。
これにより、センタピラー29の外観性が接合部の打痕で損なわれることを一層良好に回避できる。
図11(b)に示すように、センタピラー主要部67の接合段部71にセンタピラー上部68の下端部68aが接合された状態において、上部壁74および主要部壁91間に壁凹部103が形成される。
この状態で、センタピラー主要部67およびセンタピラー上部68を支え治具115に載せ、壁凹部103に光硬化型樹脂51を充填する。
図12(a)に示すように、支え治具115に前逃げ部116および後逃げ部117が形成されている。前逃げ部116および後逃げ部117は、支え治具115の前上角部および後上角部が面取りされた状態に形成されている。
センタピラー主要部67およびセンタピラー上部68(図11(b)参照)を支え治具115に載せた状態において、主要部壁91および上部壁74(具体的には、上部壁74のうち延長段部72から離れた部位)が支え治具115に直接接触する。
センタピラー主要部67およびセンタピラー上部68を支え治具115に載せた状態において、センタピラー主要部67の主要部前交差部97が前逃げ部116から離して配置される。同様に、センタピラー主要部67の主要部後交差部98が後逃げ部117から離して配置される。
また、センタピラー上部68の上部前交差部81(図6参照)が前逃げ部116から離して配置される。また、センタピラー上部68の上部後交差部82(図6参照)が後逃げ部117から離して配置される。
これにより、主要部前交差部97および主要部後交差部98を必要以上に精度よく形成しなくても、主要部壁91の内面91bを支え治具115の表面に確実に接触させることができる。主要部壁91の内面91bは、主要部側壁92、主要部前壁93、主要部後壁94の各内面92c,93b,94bで形成されている。
さらに、上部前交差部81および上部後交差部82を必要以上に精度よく形成しなくても、上部壁74の内面74b(図6参照)を支え治具115の表面に確実に接触させることができる。上部壁74の内面74bは、上部側壁75、上部前壁76、上部後壁77の各内面で形成されている。
主要部壁91の内面91bや上部壁74の内面74bを支え治具115の表面に確実に接触させることにより、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aが面一に配置した状態に保たれる。これにより、主要部壁91の外面91a、上部壁74の外面74aおよび光硬化型樹脂51の表面51aを連続する面一に形成することができる。
したがって、図12(b)に示すように、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aが連続する面一に配置した状態に保たれる。
この状態において、上部壁74の外面74a、主要部壁91の外面91aおよび光硬化型樹脂51に成形治具118を載せる。この成形治具118は、成形面118aが上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aに沿って断面略コ字状(断面略U字状)に形成されている(図13(a)参照)。
上部壁74および主要部壁91の各外面74a,91aや光硬化型樹脂51に成形治具118を載せることにより、成形治具118と支え治具115とで接合段部71および下端部68aが重ね合わされた状態で好適に挟持される。
特に、成形治具118の成形面118aを上部壁74の外面74aや主要部壁91の外面91aに好適に接触させることができる。この状態において、成形治具118の成形面118aで光硬化型樹脂51を押圧する。
これにより、光硬化型樹脂51の表面51aが主要部壁91の外面91aや上部壁74の外面74aと連続する同一平坦面(すなわち、ドアシール面)になるように、成形治具118の成形面118aで光硬化型樹脂51の表面51aを精度よく平坦に形成できる。
光硬化型樹脂51の表面51aを精度よく形成した状態において、成形治具118の外側から照射手段(可視光照射手段または光エネルギー発生手段)121で光エネルギー(光)122を成形治具118に向けて照射する。ここで、成形治具118は、シリコンなどの光透過性材料が用いられ、鋼板に傷を発生させない材料で形成されている。
よって、成形治具118に向けて照射された光エネルギー122が成形治具118を透過して、光硬化型樹脂51の表面51aを照射する。表面51aを光エネルギー122で照射することにより、光硬化型樹脂51の表面51aが硬化される。
図13(a)に示すように、光硬化型樹脂51の表面51aを硬化させた後、光硬化型樹脂51の内部51bを硬化させる。よって、光硬化型樹脂51の内部51bが硬化する際に光硬化型樹脂51の内部51bが収縮して、光硬化型樹脂51の表面51aにひけ(くぼみ)が発生することを抑制できる。
すなわち、主要部壁91の外面91aや上部壁74の外面74a(図12(b)参照)に合わせて光硬化型樹脂51の表面51aが面一になるように、表面51aを平坦に保つことができる。
このように、成形治具118を光透過性材料で形成し、成形治具118に光エネルギー122を照射させることにより、製造ラインの溶接工程において光硬化型樹脂51を短時間で硬化させることができる。これにより、つぎの車体10の製造ラインの塗装工程への搬送により光硬化型樹脂51が流動して、光硬化型樹脂51のドアシール面が維持できなくなることを防止できる。
光硬化型樹脂51を硬化させた後、センタピラー主要部67およびセンタピラー上部68(すなわち、センタピラーアウタ45)を支え治具115および成形治具118から外す。
図13(b)に示すように、主要部壁91の外面91a、上部壁74の外面74aおよび光硬化型樹脂51の表面51aが面一に形成されることにより、各外面91a,74aや表面51aに、例えば前サイドドア17(図1参照)の前ドアシール材106を確実に当接できる。
これにより、主要部壁91の外面91a、上部壁74の外面74aおよび光硬化型樹脂51の表面51aに対する前ドアシール材106のシール性(すなわち、水密性)を向上させることができる。
すなわち、光硬化型樹脂51の表面51aは、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと連続するドアシール面に形成されている。
また、光硬化型樹脂51として、第1成分および第2成分を含有する反応性接着剤を用いている。第1成分は、遊離ラジカル重合可能なモノマー、還元剤および光開始剤を含む。また、第2成分は、酸化剤およびエポキシ化合物を含む。
第2成分の酸化剤が周囲温度で還元剤と反応することにより、遊離ラジカル重合を開始および伝播することが可能である遊離ラジカルを生成する。
第1成分に光エネルギー122を照射することにより、モノマーが遊離ラジカル重合して硬質なアクリル系樹脂が生成される。第2成分が周囲温度に晒されることにより、エポキシ化合物から接着性に優れたエポキシ系樹脂が生成される。
ここで、周囲温度とは、接着すべき部材(すなわち、センタピラー主要部67およびセンタピラー上部68)を囲む領域の作業環境温度をいう。周囲温度は、通常、10〜40℃、好ましくは、17〜35℃である。
よって、図13(a)に戻って、光硬化型樹脂51に光エネルギー122を照射することにより、第1成分からアクリル系樹脂が生成されて光硬化型樹脂51の表面51aが硬化される。光硬化型樹脂51の表面51aが硬化した後、第2成分のエポキシ系樹脂が周囲温度で殆ど硬化される。
光硬化型樹脂51に光エネルギー122を照射させた後工程(例えば、塗装工程)において、車体10(図1参照)が電着塗装され、化成炉内に搬送されることにより第2成分のエポキシ系樹脂が完全に熱硬化される。
溶接工程において、まず、光硬化型樹脂51の表面51aが硬化され、ついで、第2成分のエポキシ系樹脂が殆ど硬化されることにより、図13(b)に示すセンタピラー主要部67およびセンタピラー上部68を後工程に搬送する途中に、光硬化型樹脂51が壁凹部103から流出することを防止できる。
さらに、エポキシ系樹脂は熱収縮率(すなわち、硬化する際の収縮率)が小さいので、光硬化型樹脂51の表面51aにひけ(くぼみ)が発生することを一層良好に抑制できる。
したがって、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aに合わせて光硬化型樹脂51の表面51aを平坦に保つことができ、各外面74a,外面91aや表面51aに対する前ドアシール材106のシール性を一層良好に向上させることができる。
ここで、成形治具118で光硬化型樹脂51を押圧してドアシール面を形成する際に、余分の光硬化型樹脂51が壁凹部103に沿って流れ、壁凹部103の前後の開口端から排出される。よって、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91a(図12b参照)と光硬化型樹脂51の表面51aとの境界をきれいに仕上げることができる。
これにより、センタピラーアウタ45(図4参照)の外観性を高めることができ、かつ、上部壁74の外面74a、主要部壁91の外面91aおよび光硬化型樹脂51の表面51aを連続する平坦なドアシール面に形成できる。
つぎに、フロントピラーアウタ44を図3、図14〜図16に基づいて説明する。フロントピラーアウタ44はセンタピラーアウタ45と略同様に形成されている。
図3、図14に示すように、フロントピラーアウタ44は、普通鋼板で形成されたフロントピラーアウタ44の上部65と、高強度鋼板で形成されたフロントピラーアウタ44の主要部64と、上部65および主要部64間に充填された光硬化型樹脂51とを含む。
以下、フロントピラーアウタ44の上部65を「フロントピラー上部65」、フロントピラーアウタ44の主要部64を「フロントピラー主要部64」として説明する。
フロントピラー主要部64の接合段部125にフロントピラー上部65の下端部(端部)65aが車外13側から重ね合わされた状態においてスポット溶接で接合されている(図15も参照)。
具体的には、下端部65aの上部側壁128および接合段部125の主要部側壁135がスポット溶接で接合されている。また、下端部65aの上部前壁129および接合段部125の主要部前壁136がスポット溶接で接合されている。さらに、下端部65aの上部後壁131および接合段部125の主要部後壁137がスポット溶接で接合されている。
また、下端部65aの上部前フランジ132および接合段部125の主要部前フランジ138がスポット溶接で接合されている。さらに、下端部65aの上部後フランジ133および接合段部125の主要部後フランジ139がスポット溶接で接合されている。
これにより、フロントピラー主要部64の接合段部125およびフロントピラー上部65の下端部65aがスポット溶接で接合されている(図15も参照)。
図15に示すように、フロントピラー主要部64の接合段部125およびフロントピラー上部65の下端部65aがスポット溶接で接合されることにより、接合段部125および下端部65aが強固に接合される。
これにより、フロントピラー主要部64の接合段部125およびフロントピラー上部65の下端部65aの接合強度が高められている。
フロントピラー主要部64の接合段部125およびフロントピラー上部65の下端部65aが接合された状態において、接合段部125の傾斜壁125aおよび下端部65aの縁部65bが間隔L2をおいて突き合わされている。
よって、接合段部125(特に、傾斜壁125a)および下端部65aの縁部65bでフロントピラー凹部142が断面溝形に形成されている。フロントピラー凹部142は、上部壁127および主要部壁134間に壁凹部(凹部)143(図16も参照)が形成されている。
上部壁127は、センタピラー上部68の上部壁74に相当する部位であり、断面略コ字状(断面略U字状)に形成されている。主要部壁134は、センタピラー主要部67の主要部壁91に相当する部位であり、断面略コ字状(断面略U字状)に形成されている。
図16に示すように、壁凹部143は、接合段部125の主要部前壁136から主要部側壁135を経て主要部後壁137まで略コ字状(略U字状)に形成されることにより帯状に延びている。
この壁凹部143に光硬化型樹脂51が充填されている。光硬化型樹脂51は、壁凹部143に沿って略コ字状(略U字状)に延びた状態で硬化されている。
図15に戻って、光硬化型樹脂51の表面51aが、上部壁127の外面127aおよび主要部壁134の外面134aと面一になるように、各外面127a,134aと同一平坦面に形成されている。
ここで、壁凹部143に沿って光硬化型樹脂51が略コ字状に延びた状態で硬化されることにより(図16参照)、上部壁127の外面127aおよび主要部壁134の外面134aの略全域を平坦に形成できる。
よって、光硬化型樹脂51の表面51a、上部壁127の外面127aおよび主要部壁134の外面134aに、前サイドドア17の前ドアシール材106を確実に当接(接触)させることができる。
すなわち、光硬化型樹脂51の表面51aは、上部壁127の外面127aおよび主要部壁134の外面134aと連続するドアシール面に形成されている。
また、上部壁127の外面127aおよび主要部壁134の外面134aの略全域を、壁凹部(継ぎ目)143を含めた状態で平坦に形成することにより、フロントピラー上部65およびフロントピラー主要部64(すなわち、フロントピラー28)の外観性を高めることができる。
ついで、サイドシルアウタ43を図3、図17〜図19に基づいて説明する。
図3、図17に示すように、サイドシルアウタ43は、普通鋼板で形成されたサイドシルアウタ43の後部62と、高強度鋼板で形成されたサイドシルアウタ43の主要部61と、後部62および主要部61間に充填された光硬化型樹脂51とを含む。
以下、サイドシルアウタ43の後部62を「サイドシル後部62」、サイドシルアウタ43の主要部61を「サイドシル主要部61」として説明する。
サイドシル主要部61の接合段部145にサイドシル後部62の前端部(端部)62aが車外13側から重ね合わされた状態においてスポット溶接で接合されている(図18参照)。
具体的には、前端部62aの後部上フランジ147および接合段部145の主要部上フランジ152がスポット溶接で接合されている。また、前端部62aの後部側壁148および接合段部145の主要部側壁153がスポット溶接で接合されている。
これにより、サイドシル主要部61の接合段部145およびサイドシル後部62の前端部62aがスポット溶接で接合されている。
サイドシル主要部61の接合段部145およびサイドシル後部62の前端部62aがスポット溶接で接合されることにより、接合段部145および前端部62aが強固に接合される。これにより、サイドシル主要部61の接合段部145およびサイドシル後部62の前端部62aの接合強度が高められている。
図18に示すように、サイドシル主要部61の接合段部145およびサイドシル後部62の前端部62aが接合された状態において、接合段部145の傾斜壁145aおよび前端部62aの縁部62bが間隔L3をおいて突き合わされている。
よって、接合段部145(特に、傾斜壁145a)および前端部62aの縁部62bでサイドシル凹部156が断面溝形に形成されている。
サイドシル凹部156は、前部壁146および主要部壁151(図17も参照)間に壁凹部(凹部)157が形成されている。
図19に示すように、壁凹部157は、接合段部145の主要部上壁154から主要部側壁153まで略L字状に形成されることにより帯状に延びている。
この壁凹部157に光硬化型樹脂51が充填され、壁凹部157に沿って略L字状に延びた状態で硬化されている。
図18に戻って、光硬化型樹脂51の表面51aが、前部壁146の外面146aおよび主要部壁151の外面151aと面一になるように、各外面146a,151aと同一平坦面に形成されている。
ここで、壁凹部157に沿って光硬化型樹脂51が略L字状に延びた状態で硬化されることにより、前部壁146の外面146aおよび主要部壁151の外面151aの略全域を平坦に形成できる。
よって、光硬化型樹脂51の表面51a、前部壁146の外面146aおよび主要部壁151の外面151aに、後サイドドア19(図19参照)の後ドアシール材107を確実に当接(接触)させることができる。
すなわち、光硬化型樹脂51の表面51aは、前部壁146の外面146aおよび主要部壁151の外面151aと連続するドアシール面に形成されている。
また、前部壁146の外面146aおよび主要部壁151の外面151aの略全域を、壁凹部(継ぎ目)157を含めた状態で平坦に形成することにより、サイドシル後部62およびサイドシル主要部61(すなわち、サイドシル27)の外観性を高めることができる。
つぎに、実施例2〜実施例8に係るセンタピラーアウタを図20〜図38に基づいて説明する。なお、実施例2〜実施例8に係るセンタピラーアウタにおいて、実施例1のセンタピラーアウタ45と同一・類似構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
ここで、実施例2〜実施例8においては、センタピラーアウタについて例示するが、これに限定するものではなく、実施例2〜実施例8の構成をフロントピラーアウタやサイドシルアウタなどに適用することも可能である。
まず、実施例2に係るセンタピラーアウタ161を図20に基づいて説明する。
図20に示すように、実施例2のセンタピラーアウタ161は、センタピラー主要部67の接合段部71およびセンタピラー上部68の下端部68aの接合部に接合凹部163を有するもので、その他の構成は実施例1のセンタピラーアウタ45と同様である。
具体的には、センタピラー上部68は下端部68aに上段部164を有する。上段部164は接合段部71へ向けて凹状に形成されている。接合段部71に上段部164が車外13側から接触され、接合段部71および上段部164がスポット溶接で接合されている。
この状態において、接合段部71および上段部164で接合凹部163が形成されている。接合凹部163は、底部163aが上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aより車幅方向内側に凹むように凹状に形成されている。
接合凹部163に光硬化型樹脂51が充填され、光硬化型樹脂51の表面51aが平坦面に形成されている。接合凹部163に光硬化型樹脂51が充填されることにより、スポット溶接で接合された部位163bが光硬化型樹脂51で車外13側から覆われている。
このように、スポット溶接用の溶接電極112(図11(a)参照)で生じた打痕を光硬化型樹脂51で覆うことができるので、溶接電極112の先端を尖らせて溶接性を高めたり、溶接電極112を大形化することが可能になる。
さらに、光硬化型樹脂51で上部壁74(具体的には、上段部164)の外エッジ(すなわち、上段部164の端部の角部)164aを覆うことができる。
これにより、外エッジ163cの錆び発生を抑制できるなど、後述する実施例8と同様の作用効果が得られる。
また、光硬化型樹脂51の表面51aは、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと連続するドアシール面に形成されている。
加えて、実施例2のセンタピラーアウタ161によれば、実施例1のセンタピラーアウタ45と同様の作用・効果を得ることができる。
つぎに、実施例3に係るセンタピラーアウタ171を図21〜図25に基づいて説明する。
図21、図22に示すように、実施例3のセンタピラー170は、実施例1のセンタピラーアウタ45をセンタピラーアウタ171に代えたもので、その他の構成は実施例1のセンタピラーアウタ45と同様である。
センタピラーアウタ171は、実施例1のセンタピラー主要部67(すなわち、接合段部71)にセンタピラー上部68の下端部68aが光硬化型樹脂51で接着接合されたもので、その他の構成は実施例1のサイドアウタパネル25と同様である。
具体的には、図23、図24に示すように、主要部壁91は、接合段部71に相当する箇所に接合壁部位91cを有する。また、上部壁74は、下端部68aに相当する箇所に下端壁部位74cを有する。
接合壁部位91cに対して下端壁部位74cが車外13側から間隔L4をおいて配置され、間隔L4に光硬化型樹脂51が充填されている。すなわち、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間に光硬化型樹脂51が介在されている。
介在された光硬化型樹脂51が、接合壁部位91cおよび下端壁部位74cに沿って略コ字状(略U字状)に延びた状態で硬化されている。硬化された光硬化型樹脂51で接合壁部位91cおよび下端壁部位74cが接合(接着)されている。
よって、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間(すなわち、接合壁部位91cおよび下端壁部位74cの継ぎ目)が光硬化型樹脂51で密封されている。これにより、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間からセンタピラー170の内部173に雨水などが浸入することを良好に抑制できる。
また、センタピラー上部68(具体的には、下端部68a)の上部前フランジ78および接合段部71の主要部前フランジ95が、光硬化型樹脂51の完全硬化まで補助的にスポット溶接で接合されている。さらに、下端部68aの上部後フランジ79および接合段部71の主要部後フランジ96が、光硬化型樹脂51の完全硬化まで補助的にスポット溶接で接合されている。
このように、光硬化型樹脂51を接着剤として用いることにより、スポット溶接で接合する箇所を、上部前フランジ78および主要部前フランジ95や、上部後フランジ79および主要部後フランジ96のみに減らすことができ、センタピラー170の外観を向上させることができる。
つまり、センタピラー170の前フランジ170aに前シール材108が取り付けられることにより、前フランジ170a(具体的には、接合部)の打痕が前シール材108で覆われている。同様に、センタピラー170の後フランジ170bに後シール材109が取り付けられることにより、後フランジ170b(具体的には、接合部)の打痕が後シール材109で覆われている。
これにより、センタピラー170の外観性が接合部の打痕で損なわれることを良好に回避できる。
さらに、図24に示すように、壁凹部103に光硬化型樹脂51が充填されている。ここで、壁凹部103は、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間の間隔L4に連通されている。よって、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間の間隔L4に介在された光硬化型樹脂51が、壁凹部103に充填された光硬化型樹脂51に樹脂部位51cで接触されている。
図24、図25に示すように、壁凹部103に光硬化型樹脂51が充填されている。充填された光硬化型樹脂51が、壁凹部103に沿って略コ字状(略U字状)に延びた状態で硬化されている。この状態において、光硬化型樹脂51の表面51aが、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと面一になるように、各外面74a,91aと同一平坦面に形成されている。
ここで、壁凹部103に沿って光硬化型樹脂51が略コ字状に延びた状態で硬化されることにより、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aの略全域を平坦に形成できる。
よって、光硬化型樹脂51の表面51a、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aに、前サイドドア17の前ドアシール材106や後サイドドア19の後ドアシール材107を確実に当接(接触)させることができる。
すなわち、光硬化型樹脂51の表面51aは、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと連続するドアシール面に形成されている。
また、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aの略全域を平坦に形成することにより、センタピラー上部68およびセンタピラー主要部67(すなわち、センタピラー170)の外観性を高めることができる。
図21、図22に戻って、延長段部72に車幅方向内側から補強部材(すなわち、スチフナ)85の下端部85aがスポット溶接で接合されることにより、補強部材85で延長段部72が補強されている。延長段部72が補強部材85で補強されることにより、センタピラーアウタ171の剛性が確保されている。
これにより、車両側方からセンタピラーアウタ171に入力した衝撃荷重F2をセンタピラーアウタ171(具体的には、センタピラー170)で好適に支えることが可能になる。
加えて、センタピラーアウタ171の剛性を確保することにより、センタピラー主要部67の接合段部71およびセンタピラー上部68の下端部68aの接合状態を良好に保つことができる。特に、接合段部71の接合壁部位91cおよび下端部68aの下端壁部位74cの光硬化型樹脂51による接合状態(接着状態)を良好に保つことができる(図24も参照)。
これにより、接合段部71および下端部68a間からセンタピラー170の内部173を経て車室12に雨水などが浸入することを抑制できる。
さらに、図24に示すように、壁凹部103に光硬化型樹脂51が充填されているので、接合段部71および下端部68a間からセンタピラー170の内部173に雨水などが浸入することを一層良好に抑制できる。
つぎに、実施例3の接合段部71および下端部68aを光硬化型樹脂51で接着し、かつ、光硬化型樹脂51の表面51aを上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと面一に形成する方法を図23、図26〜図28に基づいて説明する。
図26(a)に示すように、センタピラー主要部67を支え治具115に上方から載せる。
ここで、支え治具115に前逃げ部116および後逃げ部117が形成されている。よって、センタピラー主要部67を支え治具115に載せた状態において、センタピラー主要部67の主要部前交差部97が前逃げ部116から離して配置される。同様に、センタピラー主要部67の主要部後交差部98が後逃げ部117から離して配置される。
これにより、主要部前交差部97および主要部後交差部98を必要以上に精度よく形成しなくても、主要部壁91の内面91b(すなわち、主要部側壁92、主要部前壁93、主要部後壁94の各内面92c,93b,94b)を支え治具115の表面に確実に接触させることができる。
図26(b)に示すように、センタピラー主要部67を載せた後、センタピラー主要部67の接合段部71のうち接合壁部位91cに光硬化型樹脂51を上方から塗布する。
図27(a)に示すように、接合壁部位91cの光硬化型樹脂51にセンタピラー上部68の下端部68a(具体的には、下端壁部位74c)を上方から載せるとともに、センタピラー上部68を支え治具115に載せる。
センタピラー上部68を支え治具115に載せた状態において、センタピラー上部68の上部前交差部81(図23参照)が前逃げ部116(図26(a)参照)から離して配置される。同様に、センタピラー上部68の上部後交差部82(図23参照)が後逃げ部117(図26(a)参照)から離して配置される。
これにより、上部前交差部81および上部後交差部82を必要以上に精度よく形成しなくても、上部壁74の内面74b(具体的には、内面74bのうち延長段部72から離れた部位)を支え治具115の表面に確実に接触させることができる。
この状態において、下端壁部位74cが接合壁部位91cの上方に間隔L4をおいて配置される。よって、センタピラー上部68(具体的には、上部壁74)の外面74aおよびセンタピラー主要部67の(具体的には、主要部壁91)の外面91aが面一に配置される。さらに、上部壁74および主要部壁91間に壁凹部103が形成される。
接合壁部位91cの光硬化型樹脂51に下端壁部位74cを上方から載せることにより、下端壁部位74cで光硬化型樹脂51が押圧される。押圧された光硬化型樹脂51が矢印A方向(すなわち、センタピラー凹部101の壁凹部103)に向けて押し出される。押し出された光硬化型樹脂51が壁凹部103に蓄えられる。
この状態において、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間に光硬化型樹脂51が介在(充填)される。
図27(b)に示すように、上部壁74の外面74a、主要部壁91の外面91a、および壁凹部103の光硬化型樹脂51に成形治具118を載せる。この成形治具118は、成形面118aが上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aに沿って断面略コ字状に形成されている(図28(a)参照)。
よって、成形治具118の成形面118aを上部壁74の外面74aや主要部壁91の外面91aに好適に接触させることができる。
図28(a)に示すように、成形治具118の成形面118aで壁凹部103の光硬化型樹脂51を押圧することにより、光硬化型樹脂51を壁凹部103の略全域に亘って略コ字状(略U字状)に好適に充填する。光硬化型樹脂51の表面51aが成形面118aで上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91a(図27(b)参照)に対して面一になるように平坦に形成される。
図27(b)に戻って、光硬化型樹脂51の表面51aが主要部壁91の外面91aや上部壁74の外面74aと連続するドアシール面(すなわち、同一平坦面)になるように、成形治具118の成形面118aで光硬化型樹脂51の表面51aを精度よく平坦に形成できる。
光硬化型樹脂51の表面51aを精度よく形成した状態において、成形治具118の外側から照射手段121で光エネルギー122を成形治具118に向けて照射する。よって、成形治具118に向けて照射された光が成形治具118を透過して、光硬化型樹脂51の表面51aを照射する。表面51aを光エネルギー122で照射することにより、光硬化型樹脂51の表面51aが硬化される。
光硬化型樹脂51の表面51aを硬化させた後、光硬化型樹脂51の内部51bを硬化させる。よって、光硬化型樹脂51の内部51bが硬化する際に光硬化型樹脂51の内部51bが収縮して、光硬化型樹脂51の表面51aにひけ(くぼみ)が発生することを抑制できる。
すなわち、主要部壁91の外面91aや上部壁74の外面74aに合わせて光硬化型樹脂51の表面51aが面一になるように、表面51aを平坦に保つことができる。
ここで、壁凹部103の光硬化型樹脂51は、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間に介在された光硬化型樹脂51に樹脂部位51cで接触されている。また、壁凹部103に充填された光硬化型樹脂51の表面51aを硬化させる際に表面硬化による反応熱が発生する。この反応熱で、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間に介在された光硬化型樹脂51を殆ど硬化させる。
これにより、接合壁部位91cおよび下端壁部位74cを光硬化型樹脂51で強固に接合(接着)することができる。
すなわち、センタピラー上部68の上部前交差部81および上部後交差部82や、センタピラー主要部67の主要部前交差部97および主要部後交差部98を必要以上に精度よく形成しなくても、接合壁部位91cおよび下端壁部位74cの接着強度を確実に確保できる。
このように、成形治具118を光透過性材料で形成し、成形治具118に光エネルギー122を照射させることにより、製造ラインの工程において光硬化型樹脂51を短時間で硬化させることができる。これにより、車体10の製造ラインにおいて、センタピラーアウタ45に光硬化型樹脂51を用いることができる。
光硬化型樹脂51を硬化させた後、センタピラー主要部67およびセンタピラー上部68を支え治具115および成形治具118から外す。
図23に示すように、センタピラー上部68(具体的には、下端部68a)の上部前フランジ78および接合段部71の主要部前フランジ95をスポット溶接で接合する。さらに、下端部68aの上部後フランジ79および接合段部71の主要部後フランジ96をスポット溶接で接合する。
図27(b)に戻って、光硬化型樹脂51の表面51aが硬化され、光硬化型樹脂51が殆ど硬化されている。これにより、センタピラー主要部67およびセンタピラー上部68を後工程に搬送する途中に、光硬化型樹脂51が壁凹部103から流出することを防止できる。
スポット溶接による接合工程の後工程(例えば、塗装工程)において、車体10(図1参照)が電着塗装され、化成炉内に搬送されることにより光硬化型樹脂51が完全に熱硬化される。
光硬化型樹脂51が完全に硬化されることにより、センタピラー主要部67、センタピラー上部68および光硬化型樹脂51でセンタピラーアウタ171が形成される。
図28(b)に示すように、主要部壁91の外面91a、上部壁74の外面74aおよび壁凹部103に充填された光硬化型樹脂51の表面51aが面一に形成されることにより、各外面91a,74aや表面51aに、例えば前サイドドア17(図1参照)の前ドアシール材106を確実に当接できる。
これにより、主要部壁91の外面91a、上部壁74の外面74aおよび光硬化型樹脂51の表面51aに対する前ドアシール材106のシール性を向上させることができる。
加えて、実施例3のセンタピラーアウタ171によれば、実施例1のセンタピラーアウタ45と同様の作用・効果を得ることができる。
ついで、実施例4に係るセンタピラーアウタ181を図29〜図31に基づいて説明する。
図29に示すように、実施例4のセンタピラーアウタ181は、センタピラー主要部67の接合段部71に前フランジ座部182、後フランジ座部183および接合座部(座部)184を有するもので、その他の構成は実施例3のセンタピラーアウタ171と同様である。
具体的には、接合段部71の主要部前フランジ95に相当する部位95aに前フランジ座部182が設けられている。前フランジ座部182は、略矩形状に形成され、接合段部71の主要部前フランジ95に相当する部位95aからセンタピラー上部68(下端部68a)の上部前フランジ78に向けて膨出されている。
前フランジ座部182に上部前フランジ78が車外13側から接触され、前フランジ座部182および上部前フランジ78がスポット溶接で接合される。
また、接合段部71の主要部後フランジ96に相当する部位96aに後フランジ座部183が設けられている。後フランジ座部183は、前フランジ座部182と同様に、略矩形状に形成され、接合段部71の主要部後フランジ96に相当する部位96aからセンタピラー上部68(下端部68a)の上部後フランジ79に向けて膨出されている。
後フランジ座部183に上部後フランジ79が車外13側から接触され、前フランジ座部182および上部後フランジ79がスポット溶接で接合される。
図29、図30に示すように、接合段部71の主要部側壁92に相当する部位92dに接合座部184が設けられている。接合座部184は、略矩形状に形成され、接合段部71の主要部側壁92に相当する部位92dからセンタピラー上部68(下端部68a)の上部側壁75に向けて膨出されている。また、接合段部71の接合壁部位91cには、接合座部184を回避して光硬化型樹脂51が塗布されている。
接合座部184に上部側壁75が車外13側から接触される。さらに、接合壁部位91cの光硬化型樹脂51に上部壁74の下端壁部位74cが車外13側から接触される。
接合座部184に上部側壁75が接触されることにより、上部壁74の外面74aを所定位置(すなわち、主要部壁91の外面91aと面一になる位置)に位置決めできる。これにより、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aの平坦度を良好に確保できる。
また、壁凹部103に充填された光硬化型樹脂51の表面51aは、実施例3と同様に、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと面一になるように、各外面74a,91aと同一平坦面に形成されている。
つぎに、実施例4の接合段部71および下端部68aを光硬化型樹脂51で接着し、かつ、光硬化型樹脂51の表面51aを上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと面一に形成する方法を図31に基づいて説明する。
図31(a)に示すように、センタピラー主要部67を支え治具115に上方から載せる。センタピラー主要部67を載せた後、センタピラー主要部67の接合段部71のうち接合壁部位91c(接合座部184も含む)に光硬化型樹脂51を上方から塗布する。
図31(b)に示すように、接合壁部位91cの光硬化型樹脂51にセンタピラー上部68の下端部68a(具体的には、下端壁部位74c)を上方から載せるとともに、センタピラー上部68を支え治具115に載せる。
この状態において、上部壁74の外面74a、主要部壁91の外面91a、および壁凹部103の光硬化型樹脂51に成形治具118を載せる。
接合座部184に塗布された光硬化型樹脂51(図31(a)参照)が下端壁部位74cで押圧され、壁凹部103に向けて矢印Bの如く押し出される。よって、壁凹部103に光硬化型樹脂51を十分に充填させることができる。壁凹部103に充填された光硬化型樹脂51を成形治具118で押圧する。
これにより、光硬化型樹脂51の表面51aを、成形面118aで上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aに対して面一になるように平坦に形成できる。
表面51aを各外面74a,外面91aに対して面一に形成した状態で、実施例3と同様に、照射手段121から照射された光エネルギー122で表面51aを硬化する。
したがって、主要部壁91の外面91a、上部壁74の外面74aおよび光硬化型樹脂51の表面51aに対する前ドアシール材106(図29参照)のシール性を向上させることができる。
すなわち、光硬化型樹脂51の表面51aは、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと連続するドアシール面に形成されている。
加えて、実施例4のセンタピラーアウタ181によれば、実施例1のセンタピラーアウタ45と同様の作用・効果を得ることができる。
つぎに、実施例5に係るセンタピラーアウタ191を図32、図33に基づいて説明する。
図32に示すように、実施例5のセンタピラーアウタ191は、センタピラー主要部67の延長段部72およびセンタピラー上部68の下端部近傍68d間に介在された逃げ防止手段193を有するもので、その他の構成は実施例3のセンタピラーアウタ171と同様である。
ここで、下端部近傍68dは、センタピラー上部68の下端部68aに隣接し、かつ、壁凹部103の反対側に位置する部位である。
センタピラー主要部67の主要部壁91は、断面略コ字状に形成され(図6参照)、延長段部72に相当する箇所に延長壁部位91dを有する。また、センタピラー上部68の上部壁74は、断面略コ字状に形成され(図6参照)、下端部近傍68dに相当する箇所に下端近傍壁部位74dを有する。
また、逃げ防止手段193として弾性シールが用いられている。以下、逃げ防止手段193を「弾性シール193」として説明する。
すなわち、延長段部72の延長壁部位91dと下端部近傍68dの延長壁部位74dとの間に弾性シール193が介在されている。弾性シール193は、光硬化型樹脂51の端縁51dに隣接されている。
弾性シール193を光硬化型樹脂51の端縁51dに隣接させることにより、接合段部71の接合壁部位91cおよび下端部68aの下端壁部位74c間から壁凹部103の反対側(すなわち、延長壁部位91d側)に光硬化型樹脂51が流れることが防止される。
ついで、実施例5の接合段部71および下端部68aを光硬化型樹脂51で接着し、かつ、光硬化型樹脂51の表面51aを上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと面一に形成する方法を図33に基づいて説明する。
図33(a)に示すように、支え治具115にセンタピラー主要部67を載せた後、センタピラー主要部67の接合段部71のうち接合壁部位91cに光硬化型樹脂51を上方から塗布する。
さらに、延長段部72の延長壁部位91dに弾性シール193を上方から塗布する。
図33(b)に示すように、接合壁部位91cの光硬化型樹脂51にセンタピラー上部68の下端部68a(具体的には、下端壁部位74c)を上方から載せる。同時に、延長壁部位91dの弾性シール193に下端部近傍68dの下端近傍壁部位74dを上方から載せる。
光硬化型樹脂51に下端壁部位74cを載せ、弾性シール193に下端近傍壁部位74dを載せた状態において、センタピラー上部68が支え治具115に載置される。
光硬化型樹脂51に下端壁部位74cを載せ、弾性シール193に下端近傍壁部位74dを載せることにより、光硬化型樹脂51が下端壁部位74cで押圧され、弾性シール193が下端近傍壁部位74dで押圧される。
よって、弾性シール193が光硬化型樹脂51の端縁51dに隣接する。これにより、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間から壁凹部103の反対側(すなわち、延長壁部位91d側)に光硬化型樹脂51が流れることを防止できる。
すなわち、壁凹部103に光硬化型樹脂51を矢印Cの如く十分に充填させることができる。
上部壁74の外面74a、主要部壁91の外面91a、および壁凹部103の光硬化型樹脂51に成形治具118を載せる。成形治具118の成形面118aで壁凹部103の光硬化型樹脂51を押圧することにより、光硬化型樹脂51を壁凹部103の略全域に亘って略コ字状に好適に充填する(図28(a)参照)。
光硬化型樹脂51の表面51aが成形面118aで上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aに対して面一になるように平坦に形成される。
光硬化型樹脂51の表面51aを平坦に形成した状態において、表面51aを光エネルギー122で照射することにより、壁凹部103に充填された光硬化型樹脂51の表面51aを硬化する。さらに、表面51aを硬化する際の反応熱で、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間に介在された光硬化型樹脂51を硬化させる。これにより、接合壁部位91cおよび下端壁部位74cが光硬化型樹脂51で接合(接着)される。
図32に戻って、主要部壁91の外面91a、上部壁74の外面74aおよび光硬化型樹脂51の表面51aが面一に形成されることにより、各外面91a,74aや表面51aに、例えば前サイドドア17(図1参照)の前ドアシール材106を確実に当接できる。
これにより、主要部壁91の外面91a、上部壁74の外面74aおよび光硬化型樹脂51の表面51aに対する前ドアシール材106のシール性を向上させることができる。
すなわち、光硬化型樹脂51の表面51aは、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと連続するドアシール面に形成されている。
加えて、実施例5のセンタピラーアウタ191によれば、実施例3のセンタピラーアウタ171と同様の作用・効果を得ることができる。
なお、前記実施例5では、延長段部72の延長壁部位91dに弾性シール193を上方から塗布する例について説明したが、これに限らないで、弾性シール193としてテープを用い、テープ状の弾性シール193を延長壁部位91dに接着させることも可能である。
つぎに、実施例6に係るセンタピラーアウタ201を図34、図35に基づいて説明する。
図34に示すように、実施例6のセンタピラーアウタ201は、実施例3のセンタピラー主要部67に備えた延長段部72に代えて逃げ防止手段205を有するもので、その他の構成は実施例3のセンタピラーアウタ171と同様である。
実施例6においては、逃げ防止手段205として、センタピラー主要部67に設けられた逃げ防止壁205が用いられている。以下、逃げ防止手段205を「逃げ防止壁205」として説明する。
具体的には、センタピラーアウタ201は、接合段部71の上端71aに延長凸部203を有する。延長凸部203は、接合段部71の上端71aから上方へ向けて延出され、かつ、センタピラー上部68に向けて凸状に形成されている。この延長凸部203は、センタピラー上部68に接触する延長接触部204と、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間の空間を仕切る逃げ防止壁205とを有する。
すなわち、センタピラーアウタ201は、接合段部71に下端部68aが光硬化型樹脂51で接合された状態において、センタピラー上部68に延長接触部204が接触され、かつ、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間の空間が逃げ防止壁205で仕切られる。
接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間の空間が逃げ防止壁205で仕切られることにより、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間から壁凹部103の反対側に光硬化型樹脂51が流れることが防止される。
ついで、実施例6の接合段部71および下端部68aを光硬化型樹脂51で接着し、かつ、光硬化型樹脂51の表面51aを上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと面一に形成する方法を図35に基づいて説明する。
図35(a)に示すように、支え治具115にセンタピラー主要部67を載せた後、センタピラー主要部67の接合段部71のうち接合壁部位91cに光硬化型樹脂51を上方から塗布する。
図35(b)に示すように、接合壁部位91cの光硬化型樹脂51にセンタピラー上部68の下端部68a(具体的には、下端壁部位74c)を上方から載せる。光硬化型樹脂51に下端壁部位74cを載せた状態において、センタピラー上部68が支え治具115に載置される。
光硬化型樹脂51に下端壁部位74cを載せることにより、光硬化型樹脂51が下端壁部位74cで押圧される。
よって、光硬化型樹脂51の端縁51eが逃げ防止壁205に接触する。これにより、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間から壁凹部103の反対側に光硬化型樹脂51が流れることを防止できる。
すなわち、壁凹部103に光硬化型樹脂51を矢印Dの如く十分に充填させることができる。
上部壁74の外面74a、主要部壁91の外面91a、および壁凹部103の光硬化型樹脂51に成形治具118を載せる。成形治具118の成形面118aで壁凹部103の光硬化型樹脂51を押圧することにより、光硬化型樹脂51を壁凹部103の略全域に亘って略コ字状に好適に充填する(図28(a)参照)。
光硬化型樹脂51の表面51aが成形面118aで上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aに対して面一になるように平坦に形成される。
光硬化型樹脂51の表面51aを平坦に形成した状態において、表面51aを光エネルギー122で照射することにより、壁凹部103に充填された光硬化型樹脂51の表面51aを硬化する。さらに、表面51aを硬化する際の反応熱で、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間に介在された光硬化型樹脂51を硬化させる。これにより、接合壁部位91cおよび下端壁部位74cが光硬化型樹脂51で接合(接着)される。
図34に戻って、主要部壁91の外面91a、上部壁74の外面74aおよび光硬化型樹脂51の表面51aが面一に形成されることにより、各外面91a,74aや表面51aに、例えば前サイドドア17(図1参照)の前ドアシール材106を確実に当接できる。
これにより、主要部壁91の外面91a、上部壁74の外面74aおよび光硬化型樹脂51の表面51aに対する前ドアシール材106のシール性を向上させることができる。
すなわち、光硬化型樹脂51の表面51aは、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと連続するドアシール面に形成されている。
さらに、実施例6のセンタピラーアウタ201によれば、逃げ防止壁205を接合段部71(すなわち、センタピラー主要部67)に設けた。これにより、光硬化型樹脂51に隣接させて弾性シール193(図33(a)参照)を接着する手間を省くことができ、生産性を高めることができる。
加えて、実施例6のセンタピラーアウタ201によれば、実施例3のセンタピラーアウタ171と同様の作用・効果を得ることができる。
つぎに、実施例7に係るセンタピラーアウタ211を図36、図37に基づいて説明する。
図36に示すように、実施例7のセンタピラーアウタ211は、実施例3の接合段部71から延長段部72を除去し、接合段部71の上端71aに逃げ防止手段213(図37(a)参照)を当接可能に形成したもので、その他の構成は実施例3のセンタピラーアウタ171と同様である。
実施例7においては、逃げ防止手段213として、支え治具115に設けられた逃げ防止壁213(図37(a)参照)が用いられている。以下、逃げ防止手段213を「逃げ防止壁213」として説明する。
具体的には、図36、図37(a)に示すように、支え治具115は、接合段部71の上端71aに当接する逃げ防止壁213と、センタピラー上部68が接触する接触面214とを有する。
すなわち、支え治具115にセンタピラー主要部67を載せた状態において、接合段部71の上端71aが逃げ防止壁213に当接する。
さらに、図37(b)に示すように、支え治具115にセンタピラー上部68を載せた状態において、センタピラー上部68が接触面214に接触される。よって、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間の空間が逃げ防止壁213で仕切られる。
接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間の空間が逃げ防止壁213で仕切られることにより、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間から壁凹部103の反対側に光硬化型樹脂51が流れることが防止される。
ついで、実施例7の接合段部71および下端部68aを光硬化型樹脂51で接着し、かつ、光硬化型樹脂51の表面51aを上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと面一に形成する方法を図37に基づいて説明する。
図37(a)に示すように、支え治具115にセンタピラー主要部67を載せることにより、接合段部71の上端71aが逃げ防止壁213に当接する。センタピラー主要部67を支え治具115に載せた後、センタピラー主要部67の接合段部71のうち接合壁部位91cに光硬化型樹脂51を上方から塗布する。
図37(b)に示すように、接合壁部位91cの光硬化型樹脂51にセンタピラー上部68の下端部68a(具体的には、下端壁部位74c)を上方から載せる。光硬化型樹脂51に下端壁部位74cを載せた状態において、センタピラー上部68が接触面214に接触され、かつ、センタピラー上部68が支え治具115に載置される。
センタピラー上部68が接触面214に接触されることにより、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間の空間が逃げ防止壁213で仕切られる。
光硬化型樹脂51に下端壁部位74cを載せることにより、光硬化型樹脂51が下端壁部位74cで押圧される。よって、光硬化型樹脂51の端縁51fが逃げ防止壁213に接触する。これにより、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間から壁凹部103の反対側に光硬化型樹脂51が流れることを防止できる。
すなわち、壁凹部103に光硬化型樹脂51を矢印Eの如く十分に充填させることができる。
上部壁74の外面74a、主要部壁91の外面91a、および壁凹部103の光硬化型樹脂51に成形治具118を載せる。成形治具118の成形面118aで壁凹部103の光硬化型樹脂51を押圧することにより、光硬化型樹脂51を壁凹部103の略全域に亘って略コ字状に好適に充填する(図28(a)参照)。
光硬化型樹脂51の表面51aが成形面118aで上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aに対して面一になるように平坦に形成される。
光硬化型樹脂51の表面51aを平坦に形成した状態において、表面51aを光エネルギー122で照射することにより、壁凹部103に充填された光硬化型樹脂51の表面51aを硬化する。さらに、表面51aを硬化する際の反応熱で、接合壁部位91cおよび下端壁部位74c間に介在された光硬化型樹脂51を硬化させる。これにより、接合壁部位91cおよび下端壁部位74cが光硬化型樹脂51で接合(接着)される。
図36に戻って、主要部壁91の外面91a、上部壁74の外面74aおよび光硬化型樹脂51の表面51aが面一に形成されることにより、各外面91a,74aや表面51aに、例えば前サイドドア17(図1参照)の前ドアシール材106を確実に当接できる。
これにより、主要部壁91の外面91a、上部壁74の外面74aおよび光硬化型樹脂51の表面51aに対する前ドアシール材106のシール性を向上させることができる。
すなわち、光硬化型樹脂51の表面51aは、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと連続するドアシール面に形成されている。
さらに、実施例7のセンタピラーアウタ211によれば、逃げ防止壁213を支え治具115に設けた。これにより、光硬化型樹脂51に隣接させて弾性シール193(図33(a)参照)を接着する手間を省くことができ、生産性を高めることができる。
また、逃げ防止壁213を支え治具115に設けることにより、逃げ防止壁213を接合段部71(すなわち、センタピラー主要部67)に設ける必要がなく、設計の自由度を高めることができる。
加えて、実施例7のセンタピラーアウタ211によれば、実施例3のセンタピラーアウタ171と同様の作用・効果を得ることができる。
つぎに、実施例8に係るセンタピラーアウタ221を図38に基づいて説明する。
図38に示すように、実施例8のセンタピラーアウタ221は、実施例1の光硬化型樹脂51を壁凹部103の外側に張り出し、張り出したカバー部51gで上部壁74の外エッジ(上部壁74の端部74eの角部)74fを覆い、かつ、カバー部51gの上下のエッジ(端部)51i,51jを上部壁74および主要部壁91の外面74a,91aと段差がないように形成したもので、その他の構成は実施例1のセンタピラーアウタ45と同様である。
なお、実施例8の構成は、実施例1のセンタピラーアウタ45に限らないで、実施例2〜実施例7のセンタピラーアウタに適用させることも可能である。
具体的には、光硬化型樹脂51は、壁凹部103から車外13側(外側)に張り出した(はみ出した)カバー部51gを有する。カバー部51gは、頂部が平らな断面略きのこ状に形成され、上エッジ51iおよび下エッジ51jを有する。
上エッジ51iは、先端が上方へ向けて尖った形状に形成されている。上エッジ51iの先端を上方へ向けて尖った形状にすることにより、上エッジ51iが上部壁74の外面74aに対して段差のない端部に形成されている。よって、外面74aおよび上エッジ51iで略平坦に連続する滑らかな面(すなわち、ドアシール面)が形成されている。
また、下エッジ51jは、上エッジ51iと上下対称の部位であり、先端が下方へ向けて尖った形状に形成されている。下エッジ51jの先端を下方へ向けて尖った形状にすることにより、下エッジ51jが主要部壁91の外面91aに対して段差のない端部に形成されている。よって、外面91aおよび下エッジ51jで略平坦に連続する滑らかな面(すなわち、ドアシール面)が形成されている。
これにより、カバー部51gは、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aとともにドアシール面を形成する。
上部壁74および主要部壁91の車外13側にカバー部51gが形成され、上部壁74の凹部近傍外面74gおよび主要部壁91の凹部近傍外面91fがカバー部51gで車外13側から覆われている。
上部壁74の凹部近傍外面74gは、上部壁74の外面74aのうち壁凹部103近傍側の外面である。また、主要部壁91の凹部近傍外面91fは、主要部壁91の外面91aのうち壁凹部103の近傍の外面である。
凹部近傍外面74gおよび凹部近傍外面91fをカバー部51gで覆うことにより、上部壁74の外エッジ74f(上部壁74の端部74eも含む)がカバー部51gで車外13側(外側)から覆われている。上部壁74の外エッジ74fは、上部壁74の端部74eおよび上部壁74の外面74aの交差部で断面凸角状に形成され、車外13側に臨む部位である。
よって、車体10(図1参照)の電着塗装の際に、上部壁74の外エッジ74fに塗料を付着させ難い場合でも、外エッジ74fをカバー部51gで良好に防錆できる。これにより、センタピラーアウタ221の外観性をカバー部51gで好適に確保できる。
ところで、センタピラー上部68の下端部68aをセンタピラー主要部67の接合段部71に接合した状態において、両部67,68の製造公差や接合公差により、上部壁74の外エッジ74fが接合段部71から車外13側に微少量浮き上がる(微少量離れる)ことが考えられる。
この場合でも、上部壁74の外エッジ74fをカバー部51gで車外13側から覆うことにより、外エッジ74fの微少量浮上りをカバー部51gで目立たないようにできる。これにより、センタピラーアウタ221の外観性をカバー部51gで好適に確保できる。
加えて、カバー部51gは、頂部が平らな断面略きのこ状に形成されている。換言すれば、カバー部51gの表面51hは、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aから車外13側に僅かに突出するように緩やかな湾曲形状に形成されている。
ここで、上エッジ51iおよび下エッジ51jは、傾斜角θ1に設定されている。傾斜角θ1は、例えば、13.5°以下になるように小さく抑えられている。
また、上エッジ51iおよび下エッジ51jは、先端が高さ寸法H1に設定されている。先端の高さ寸法H1は、例えば、最大0.1mmになるように小さく抑えられている。
さらに、上エッジ51iおよび下エッジ51j間の距離は、距離寸法L5に設定されている。距離寸法L5は、好ましくは12.5mmに設定されている。
このように、傾斜角θ1や先端の高さ寸法H1を小さく抑え、距離寸法L5を12.5mmに設定することにより、表面51h中央が各外面74a,91aから車外13側に僅かな量に設定される。具体的には、表面51h中央が各外面74a,91aから車外13側に突出する突出寸法L5は、例えば、0.6mm以下で、好ましくは0.45mmに抑えられている。
突出寸法L5を0.6mm以下(好ましくは0.45mm)に設定することにより、カバー部51gの厚さ寸法を維持して剛性を確保し、かつ、カバー部51gの表面51hを滑らかな湾曲状のドアシール面とすることができる。
よって、例えば、前サイドドア17(図1参照)の前ドアシール材106を、各外面91a,74aに確実に当接させた状態で、表面51hに沿って好適に弾性変形させることができる。
すなわち、各外面91a,74aや表面51hに、例えば前サイドドア17(図1参照)の前ドアシール材106を確実に当接できる。これにより、主要部壁91の外面91a、上部壁74の外面74aおよび光硬化型樹脂51の表面51hに対する前ドアシール材106のシール性(すなわち、水密性)を実施例1と同様に確保できる。
このように、カバー部51gの表面51hは、実施例1の表面51aと同様に、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと連続するドアシール面に形成されている。
ここで、成形治具118で光硬化型樹脂51を押圧してドアシール面を形成する際に、余分の光硬化型樹脂51が壁凹部103に沿って流れ、壁凹部103の前後の開口端から排出される。よって、上部壁74の外面74aおよび主要部壁91の外面91aと光硬化型樹脂51(具体的には、カバー部51g)との境界をきれいに仕上げることができる。
これにより、センタピラーアウタ221の外観性を高めることができ、かつ、上部壁74の外面74a、主要部壁91の外面91aおよびカバー部51gの表面51hを段差のないドアシール面に形成できる。
なお、本発明に係る車体のサイドアウタパネルは、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例1〜実施例7で示した車体、車体側部構造、サイドアウタパネル、センタピラーアウタ、ルーフサイドレールアウタ、光硬化型樹脂、カバー部、サイドシル主要部、サイドシル後部、フロントピラー主要部、フロントピラー上部、センタピラー主要部、センタピラー上部、接合段部、延長段部、センタピラー上部の上部壁、補強部材、センタピラー主要部の主要部壁、壁凹部、溶接電極、支え治具、成形治具、フロントピラー上部の上部壁、フロントピラー主要部の主要部壁、サイドシル後部の前部壁、サイドシル主要部の主要部壁、接合凹部、段部、接合座部、弾性シールおよび逃げ防止壁などの形状、構成や材質は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
本発明は、第2部材および第1部材間に凹部を有する継ぎ目を備え、凹部に充填されたシーラーで継ぎ目が覆われたサイドアウタパネルを備える自動車への適用に好適である。
10 車体
15 車体側部構造
25 車体のサイドアウタパネル
45,161,171,181,191,201,211,221 センタピラーアウタ
47 ルーフサイドレールアウタ
51 光硬化型樹脂(シーラー)
51a 光硬化型樹脂の表面(ドアシール面)
51g カバー部
51h カバー部の表面(光硬化型樹脂の表面、ドアシール面)
51i,51j カバー部の上下のエッジ(端部)
61 サイドシル主要部(第2部材)
62 サイドシル後部(第1部材)
62a サイドシル後部の前端部(第1部材の端部)
64 フロントピラー主要部(第2部材)
65 フロントピラー上部(第1部材)
65a フロントピラー上部の下端部(第1部材の端部)
67 センタピラー主要部(第2部材、センタピラーアウタの主要部)
68 センタピラー上部(第1部材、センタピラーアウタの上部)
68a センタピラー上部の下端部(第1部材の端部)
71,125 接合段部
72 延長段部
74 センタピラー上部の上部壁
74a センタピラー上部の外面(第1部材の外面、上部壁の外面)
74b 上部壁74の内面
74e 上部壁の端部(第1部材の端部)
75 上部側壁(側壁)
76 上部前壁(前壁)
77 上部後壁(後壁)
78 上部前フランジ(前フランジ)
79 上部後フランジ(後フランジ)
81 上部前交差部(前交差部)
81a 上部前交差部の内面
82 上部後交差部(後交差部)
82a 上部後交差部の内面
85 補強部材
91 センタピラー主要部の主要部壁
91a センタピラー主要部の外面(第2部材の外面、主要部壁の外面)
91b 主要部壁91の内面
92 主要部側壁(側壁)
93 主要部前壁(前壁)
94 主要部後壁(後壁)
95 主要部前フランジ(前フランジ)
96 主要部後フランジ(後フランジ)
97 主要部前交差部(前交差部)
97a 主要部前交差部の内面
98 主要部後交差部(後交差部)
98a 主要部後交差部の内面
103,143,157 壁凹部(凹部)
112 溶接電極
112a 溶接電極の先端
115 支え治具
118 成形治具
122 光エネルギー(光)
127 フロントピラー上部の上部壁
127a フロントピラー上部の外面(第1部材の外面、上部壁の外面)
134 フロントピラー主要部の主要部壁
134a センタピラー主要部の外面(第2部材の外面、主要部壁の外面)
146 サイドシル後部の前部壁
146a サイドシル後部の外面(第1部材の外面、前部壁の外面)
151 サイドシル主要部の主要部壁
151a サイドシル主要部の外面(第2部材の外面、主要部壁の外面)
163 接合凹部
163b スポット溶接で接合された部位
164 上段部
184 接合座部(座部)
193 弾性シール(逃げ防止手段)
205 センタピラー主要部の逃げ防止壁(逃げ防止手段)
213 支え治具の逃げ防止壁(逃げ防止手段)
L1,L2,L3 間隔

Claims (15)

  1. 第1部材と、
    該第1部材の端部が接合された状態において前記第1部材と外面が面一に配置されるように、前記第1部材の端部から離れる方向に段部を形成する接合段部を有する第2部材と、を備え、
    該第2部材の接合段部に前記第1部材の端部が接合された状態において、前記第1部材および前記第2部材で凹部が形成される車体のサイドアウタパネルであって、
    前記凹部を平滑化するシーラーを備え、
    該シーラーは、
    前記凹部に充填された状態で、光透過性材料の成形治具で押圧されることにより第1部材および第2部材の外面と連続するドアシール面が形成され、前記成形治具の外側から光が照射されることにより表面が硬化される光硬化型樹脂であることを特徴とする車体のサイドアウタパネル。
  2. 前記光硬化型樹脂は、
    前記第1部材の端部を覆うように前記凹部の外側にはみ出し、前記第1部材および前記第2部材の外面と段差のない端部を有し、前記ドアシール面を形成するカバー部を備えることを特徴とする請求項1記載の車体のサイドアウタパネル。
  3. 前記光硬化型樹脂は、
    遊離ラジカル重合可能なモノマー、還元剤および光開始剤を含む第1成分と、
    酸化剤およびエポキシ化合物を含む第2成分と、を含有する反応性接着剤であり、
    前記第2成分の酸化剤が周囲温度で還元剤と反応することにより遊離ラジカル重合を開始および伝播することが可能である遊離ラジカルを生成することを特徴とする請求項1または請求項2記載の車体のサイドアウタパネル。
  4. 前記第1部材および前記第2部材は、
    車体前後方向に向けて平行に配置された側壁と、
    該側壁の車体前方側端部から車体前後方向に直交する方向に張り出された前壁と、
    前記側壁の車体後方側端部から車体前後方向に直交する方向に張り出された後壁と、をそれぞれ有し、
    前記側壁、前記前壁および前記後壁で断面略コ字状に形成され、
    前記凹部は、
    断面溝形に形成され、前記前壁から前記側壁を経て前記後壁まで帯状に延出され、
    前記成形治具は、
    前記第1部材の外面および前記第2部材の外面に沿って断面略コ字状に形成され、
    溝状の凹部に前記光硬化型樹脂が充填され、充填された前記光硬化型樹脂が前記成形治具で押圧され、前記前壁および前記後壁の溝状の凹部から余分の光硬化型樹脂を排出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車体のサイドアウタパネル。
  5. 前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部は、先端が平坦な円形に形成された溶接電極でスポット溶接されることにより接合されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車体のサイドアウタパネル。
  6. 前記第1部材の端部は、前記接合段部へ向けて凹状に形成された段部を有し、
    該段部に前記第2部材の接合段部がスポット溶接で接合されることにより前記接合段部および前記段部で接合凹部が形成され、
    該接合凹部に前記光硬化型樹脂が充填されることにより、前記スポット溶接で接合された部位が前記光硬化型樹脂で覆われることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の車体のサイドアウタパネル。
  7. 前記第1部材および前記第2部材は、
    前記第1部材の側壁および前記第2部材の側壁がスポット溶接で接合され、
    前記第1部材の前壁および前記第2部材の前壁がスポット溶接で接合され、
    前記第1部材の後壁および前記第2部材の後壁がスポット溶接で接合されることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項記載の車体のサイドアウタパネル。
  8. 前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間に前記光硬化型樹脂が介在され、介在された前記光硬化型樹脂で前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部が接合されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車体のサイドアウタパネル。
  9. 前記第2部材の接合段部は、
    前記第1部材の端部へ向けて膨出された座部を有することを特徴とする請求項8記載の車体のサイドアウタパネル。
  10. 前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間に介在された前記光硬化型樹脂に隣接して設けられ、前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間から前記光硬化型樹脂が前記凹部の反対側に流れることを防止する逃げ防止手段を備え、
    該逃げ防止手段は弾性シールであることを特徴とする請求項8記載の車体のサイドアウタパネル。
  11. 前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間に介在された前記光硬化型樹脂に隣接して設けられ、前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間から前記光硬化型樹脂が前記凹部の反対側に流れることを防止する逃げ防止手段を備え、
    前記逃げ防止手段は、前記第2部材に設けられた逃げ防止壁であることを特徴とする請求項8記載の車体のサイドアウタパネル。
  12. 断面略コ字状に形成された前記第1部材および前記第2部材の内面に支え治具が接触されることにより、該支え治具と前記成形治具とで第2部材の接合段部および前記第1部材の端部が重ね合わされた状態で挟持され、
    前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間に介在された前記光硬化型樹脂に隣接して設けられ、前記第2部材の接合段部および前記第1部材の端部間から前記光硬化型樹脂が前記凹部の反対側に流れることを防止する逃げ防止手段を備え、
    前記逃げ防止手段は、前記支え治具に設けられた逃げ防止壁であることを特徴とする請求項8記載の車体のサイドアウタパネル。
  13. 前記第1部材および前記第2部材は、
    車体前後方向に向けて平行に配置された側壁と、
    該側壁の車体前方側端部から車体前後方向に直交する方向に張り出された前壁と、
    前記側壁の車体後方側端部から車体前後方向に直交する方向に張り出された後壁と、
    前記前壁から車体前方に張り出された前フランジと、
    前記後壁から車体後方に張り出された後フランジと、をそれぞれ有し、
    前記第1部材の前フランジおよび前記第2部材の前フランジがスポット溶接で接合され、前記第1部材の後フランジおよび前記第2部材の後フランジがスポット溶接で接合されることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項記載の車体のサイドアウタパネル。
  14. 断面略コ字状に形成された前記第1部材および前記第2部材の内面に支え治具が接触されることにより、該支え治具と前記成形治具とで第2部材の接合段部および前記第1部材の端部が重ね合わされた状態で挟持され、
    前記第1部材および前記第2部材は、
    前記側壁および前記前壁が交差することにより内面が凹状に形成された前交差部と、
    前記側壁および前記後壁が交差することにより内面が凹状に形成された後交差部と、をそれぞれを有し、
    前記前交差部および前記後交差部が前記支え治具から離れて配置されることを特徴とする請求項4〜13のいずれか1項記載の車体のサイドアウタパネル。
  15. 前記車体のサイドアウタパネルは、
    車体の外側壁を形成するパネルであり、
    ルーフレールの外壁を形成するルーフレールアウタと、
    該ルーフレールアウタに連結されてセンタピラーの外壁を形成するセンタピラーアウタと、を有し、
    該センタピラーアウタに前記第1部材および前記第2部材が含まれ、
    前記第1部材は、
    前記ルーフレールアウタから下方に向けて延出され、普通鋼板で形成された前記センタピラーアウタの上部であり、
    前記第2部材は、
    前記接合段部から上方に向けて延出され、かつ、前記第1部材から離れるように凹状に形成された延長段部を有し、高強度鋼板で形成された前記センタピラーアウタの主要部であり、
    該延長段部にルーフサイドレールの補強部材が接合されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項記載の車体のサイドアウタパネル。
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