JP7206774B2 - 車両用ドアフレーム - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ドアフレームに関する。
従来、ドアフレームの上側かつ後側のコーナー部において、アッパフレームとピラーとを溶接する車両用ドアフレームが知られている。
特開2003-112525号公報
上記車両用ドアフレームでは、アッパフレームとピラーとの溶接部位がアッパフレームの上縁または下縁に近いと、例えば、アッパフレームの周辺部品との干渉を避けるために溶接部位に形成される溶接ビードをより精度良く切削したり研磨したりする必要が生じて製造の手間が増えるなど、不都合な事象が生じる場合があった。
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、アッパフレームとピラーとの溶接部位がアッパフレームの上縁または下縁に近いことによる不都合を減らすことが可能な車両用ドアフレームを得ることである。
本発明の車両用ドアフレームは、例えば、車両用ドアの上側のコーナー部に位置された第一突当面と、車幅方向外側を向いた第一外面と、を有したピラーと、上記コーナー部に位置され上記第一突当面と突き当てられた第二突当面と、車幅方向外側を向き上記第一外面と隣接し平面または車幅方向外側に凸の曲面である第二外面と、該第二外面よりも曲率半径の小さい上に凸の曲面であり上縁を構成する上端面と、該第二外面と該上端面との境界である上側境界と、を有したアッパフレームと、上記アッパフレームに沿って延び、上記アッパフレームの車幅方向外側を覆い、上記第一外面および上記第二外面と隙間をあけて面した内面を有したフレームモールと、上記第一外面と上記第二外面との境界部分に位置され、上記第一突当面および上記第二突当面に沿って延び、上記内面と面し、上記ピラーと上記アッパフレームとを接合した溶接部位と、を備え、上記溶接部位は、上記アッパフレームの上縁から下方に離れた上端、および上記アッパフレームの下縁から上方に離れた下端のうち、少なくとも一方を有し、上記アッパフレームは、上下方向かつ当該アッパフレームの長手方向に延びる立壁と、上記立壁の上記上縁から下方に離れた位置から車幅方向内側に突出しウエザーストリップを引っ掛ける引掛部と、を有し、上記アッパフレームの内面のうち、上記引掛部の上面と上記上側境界との間の領域が上記ウエザーストリップとのシール面となり、上記溶接部位の上記上端の上記立壁を挟んで反対側の第一位置は、上記上側境界の上記立壁を挟んで反対側の第二位置と上記引掛部の上面との間か、あるいは上記上面よりも下方に位置され、上記溶接部位の溶接時の沸き出しが前記シール面よりも下方に位置される。
上記車両用ドアフレームは、例えば、上記第二突当面から離れた位置で、上記第二外面と上記内面との間に介在する介在物を備えている。
上記車両用ドアフレームは、例えば、上記溶接部位は、車幅方向外側に突出する溶接ビードを有し、上記フレームモールと上記アッパフレームとの間の車幅方向における上記隙間の間隔が上側ほど狭くなり、例えば、上記フレームモールの端部を覆う蓋部と、板状に形成され上記蓋部から上記フレームモールの下縁に沿って上記第一外面と上記フレームモールの内面との間で前方に延び、上記第一外面および上記第二外面のうち少なくとも一方と上記内面との間に介在し上記溶接部位の下部側を覆う介在部と、該介在部の上側の一部を切り欠いて形成され上記溶接部位の上部側を上記フレームモールの内面と対面するように該介在部から露出させる切り欠き部と、を有したエンドキャップを備えている。また、一例として、上記介在部は、該介在部の内面に形成され上記溶接部位の下部側を車幅方向に離間した状態で収容する凹部を有している。
上記車両用ドアフレームでは、例えば、上記溶接部位は、上下方向および水平方向と交差した斜め方向に延びている。
上記車両用ドアフレームでは、例えば、溶接部位がアッパフレームの上縁および下縁のうち少なくとも一方から離間するので、溶接部位がアッパフレームの上縁または下縁に近いことによる不都合が生じるのを回避しやすい。
図1は、実施形態の車両用ドアフレームの車幅方向外側から見た模式的かつ例示的な側面図である。 図2は、実施形態の車両用ドアフレームの上側コーナー部の車幅方向外側から見た模式的かつ例示的な斜視図である。 図3は、図2のIII-III断面図である。 図4は、図2のIV-IV断面図である。 図5は、図2のV-V断面図である。 図6は、実施形態の車両用ドアフレームに取り付けられるエンドキャップの斜視図である。 図7は、図2のVII-VII断面図である。 図8は、図2のVIII-VIII断面図である。 図9は、実施形態の車両用ドアフレームのIX部を車幅方向外側から見た模式的かつ例示的な斜視図である。 図10は、図9のX-X断面図である。 図11は、図9のXI-XI断面図である。 図12は、図9のXII-XII断面図である。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。なお、本明細書において、序数は、部品や、部位、位置、方向等を区別するために便宜上付与されており、優先順位や順番を示すものではない。
各図中には、便宜上、方向が示されている。Xは、車両前後方向における前方、Yは、車幅方向における右方、また、Zは、車両上下方向における上方を示している。車両前後方向、車幅方向、および車両上下方向は、互いに交差(直交)している。
図1は、フロントドアフレーム1の車幅方向外側から見た側面図である。図1に示されるように、フロントドアフレーム1は、前縁1aおよび上縁1bを構成するアッパフレーム11と、フロントドアフレーム1の前側の下部を構成する下側部材12と、後縁1dを構成するピラー13と、下縁1cを構成するウエストレインフォース14と、を備えている。フロントドアフレーム1は、車両用ドアフレームの一例である。
アッパフレーム11、下側部材12、ピラー13、およびウエストレインフォース14は、例えば、アルミニウム合金や、鉄系材料のような金属材料によって構成されている。アッパフレーム11は、例えば、アルミニウム合金の押出成形によって構成されうる。また、下側部材12、ピラー13、およびウエストレインフォース14は、例えば、一つまたは複数の金属材料のプレートを屈曲しかつ接合することによって構成されうるが、鋳造部品であってもよい。
アッパフレーム11の前端(下端)と下側部材12の上端(後端)とは、溶接によって接合されている。また、アッパフレーム11とピラー13とは、上側コーナー部1eにおいて、溶接によって接合されている。
また、下側部材12の下部およびピラー13の下部には固定部12a,13aが設けられている。これら固定部12a,13aは、ドアパネル(不図示)に、溶接等によって接合される。固定部12a,13aは、ブラケットとも称されうる。また、固定部12a,13aは、ドアパネルの剛性および強度を高めている。よって、固定部12a,13aは、レインフォースとも称されうる。
図2は、フロントドアフレーム1の車幅方向外側から見た斜視図であり、図3は、図2のIII-III断面図である。
図2に示されるように、アッパフレーム11は、上側コーナー部1eにおいては、車両前後方向に略沿って延びている。アッパフレーム11は、例えば、アルミニウム合金の押し出し成形によって構成されている。よって、アッパフレーム11の長手方向と交差する断面形状は、アッパフレーム11の長手方向の位置によらず、図3の断面形状と略同様である。
図3に示されるように、アッパフレーム11は、閉断面部11aと、横架壁11bと、立壁11cと、を備えている。閉断面部11aは、上壁11a1、下壁11a2、内壁11a3、および外壁11a4を有している。横架壁11bは、閉断面部11aの車幅方向外側に隣接し、立壁11cは、横架壁11b車幅方向外側に隣接している。また、閉断面部11aの上壁11a1と横架壁11bとは連なって延びている。上壁11a1および横架壁11bは、車幅方向外方に向かうにつれて上方へ向かうように車幅方向に対してやや傾斜している。立壁11cの上下方向の中間部と横架壁11bの車幅方向外方の端部とが繋がっている。すなわち、横架壁11bと立壁11cとは略T字状の断面形状を構成している。
横架壁11bの上側にはウエザーストリップ31が取り付けられ、横架壁11bの下側にはグラスラン32が取り付けられている。ウエザーストリップ31およびグラスラン32は、それぞれ例えばエラストマによって構成されている。ウエザーストリップ31は、上壁11a1から上方に突出した突起11d1および立壁11cの横架壁11bよりも上方から車幅方向内方に突出した突起11d2によって引っ掛けられている。また、グラスラン32は、立壁11cの横架壁11bよりも下方から車幅方向内方に突出した突起11d3によって引っ掛けられている。突起11d1,11d2,11d3は、アッパフレーム11の長手方向に沿って延びている。突起11d2は、ウエザーストリップ31を引っ掛ける引掛部の一例である。
図2に示されるように、アッパフレーム11は、立壁11cの外面11c1と後方の端面11c2とを有している。また、ピラー13は、外面13bと、上方かつ前方の端面13cと、を有している。外面13bは、第一外面の一例であり、外面11c1は、第二外面の一例である。
アッパフレーム11の端面11c2とピラー13の端面13cとは、車幅方向に見た場合に、後方に向かうにつれて上方に向かうように斜めに延びている。端面11c2は、車両後方と下方との間の方向を向く平面であり、端面13cは、車両前方と上方との間の方向を向く平面であり、端面11c2と端面13cとは互いに突き合わされている。端面13cは、第一突当面の一例であり、端面11c2は、第二突当面の一例である。
アッパフレーム11の外面11c1とピラー13の外面13bとは、いずれも車幅方向外方を向いており、互いに略面一である。すなわち、外面11c1と外面13bとは、略段差の無い状態で互いに隣接している。
アッパフレーム11とピラー13とは、例えばアーク溶接のような溶接によって接合されている。溶接によって形成される溶接ビード16は、外面11c1と外面13bとの境界B、すなわち端面11c2と端面13cとが突き当たる部分において、所定幅で、当該境界Bに沿って後方に向かうにつれて上方に向けて延びている。溶接ビード16は、外面11c1,13bから車幅方向外側に突出している。溶接ビード16は、溶接部位の一例である。
図4は、図2のIV-IV断面図、図5は、図2のV-V断面図である。図2からわかるように、図4は、溶接ビード16の下端16aの近傍を通る断面図であり、図5は、溶接ビード16の上端16bの近傍を通る断面図である。
図4に示されるように、アッパフレーム11の立壁11cの下縁11c3は丸められており、下に凸の曲面11c31を有している。また、図4,5に示されるように、立壁11cの上縁11c4も丸められており、上に凸の曲面11c41を有している。立壁11cの外面11c1は、平面かあるいはアッパフレーム11の長手方向と直交する断面における曲率が曲面11c31,11c41よりも相当大きい平面に近い車幅方向外側に凸の曲面である。曲面11c31,11c41の曲率半径は、外面11c1の曲率半径よりも小さい。なお、本実施形態では、下縁11c3の曲面11c31および上縁11c4の曲面11c41は車幅方向外側から内側に渡って延びているが、これには限定されず、曲面11c31,11c41は、外面11c1と隣接していればよい。外面11c1は、第二外面の一例であり、曲面11c31は、下端面の一例であり、曲面11c41は、上端面の一例である。
図2~5に示されるように、立壁11cおよび上側コーナー部1eの車幅方向外側は、フレームモール17によって覆われている。フレームモール17は、板状の形状を有しており、立壁11cの外面11c1に沿って延びている。立壁11cの下縁11c3よりも下側から立壁11cの上縁11c4よりも上側まで延びている。
また、立壁11cの外面11c1とフレームモール17の内面17aとの間には、部品(介在部品)が介在することにより、隙間gが設けられている。
図2,3に示されるように、溶接ビード16よりも前方において、外面11c1と内面17aとの間には、スポンジ18が介在している。スポンジ18は、外面11c1上に例えば接着によって取り付けられている。スポンジ18は、自由状態では外面11c1上に略一定の高さ(厚さ)を有する。また、スポンジ18は、外面11c1の長手方向と直交する幅方向に沿って略一定の幅を有し、外面11c1の長手方向に沿って延びている。スポンジ18は、介在物の一例である。スポンジ18は、発泡部品や、弾性部品、可撓性部品とも称されうる。
また、図2,4,5に示されるように、上側コーナー部1eにおいて、立壁11cの外面11c1およびピラー13の外面13bとフレームモール17の内面17aとの間には、エンドキャップ19の一部が介在している。
図6は、エンドキャップ19の斜視図であり、図7は、図2のVII-VII断面図である。エンドキャップ19は、前方から見た場合に略U字状の形状を有し、フレームモール17よりも車幅方向内側で、当該フレームモール17に沿って延び、ピラー13を上方から覆うように取り付けられている。エンドキャップ19は、蓋部19a、内壁19b、外壁19c、および接続部19dを有している。蓋部19aは、板状の形状を有しており、ピラー13の長手方向およびフレームモール17の長手方向と交差する方向に広がっている。蓋部19aは、図2に示されるように、フレームモール17の後端17cを覆っている。また、図7に示されるように、内壁19bは、接続部19dからピラー13の内面13eに沿って下方に延びるとともに、蓋部19aからピラー13の内面13eに沿って前方に延びている。外壁19cは、接続部19dの車幅方向内方の端部からピラー13の外面13bに沿って下方に延びるとともに、図2に示されるように、蓋部19aからフレームモール17の下縁17bに沿って外面13bと内面17aとの間で前方に延びて境界Bを超えている。外壁19cの前部19c1は、アッパフレーム11の立壁11cの端面11c2および溶接ビード16の下端16aを覆っている。図2,4から明らかとなるように、外壁19cの前部19c1は、立壁11cとフレームモール17との間の隙間gのうち、上下方向の中間位置よりも下方に存在し、当該中間位置よりも上方には存在していない。また、図2,4,5等に示されるように、外壁19cの下端19c2は、フレームモール17の下縁17bを超えて下方に突出し、車幅方向外側に露出している。すなわち、外壁19cは、ピラー13の外面13bとフレームモール17の下部の内面17aおよび下縁17bとの間に介在している。図2に示されるように、接続部19dは、ピラー13の上方かつ後方の端部に設けられた切欠13d内を車幅方向に貫通し、内壁19bと外壁19cとを接続している。接続部19dは、切欠13dの下面13d1よりも上側に位置している。外壁19cは、介在部の一例である。また、後端17cは、端部の一例である。
図8は、図2のVIII-VIII断面図である。図5,8等に示されるように、エンドキャップ19の外壁19cの内面19c3には、凹部19c4が設けられており、この凹部19c4内に溶接ビード16が収容されている。凹部19c4により溶接ビード16と外壁19cとの干渉が抑制されている。
ここで、本実施形態では、図4に示されるように、溶接ビード16の下端16aは、立壁11cの下縁11c3から上方に離間するとともに、図5に示されるように、溶接ビード16の上端16bは、立壁11cの上縁11c4から下方に離間している。
仮に、溶接ビード16の下端16aが立壁11cの下縁11c3に到達するか、あるいは溶接ビード16の上端16bが立壁11cの上縁11c4に到達する構成である場合、下縁11c3または上縁11c4の近傍では、例えば、フレームモール17やエンドキャップ19のようなアッパフレーム11の立壁11cの周辺部品が、立壁11cにより近い位置に存在しているため、溶接ビード16が周辺部品と干渉し、周辺部品が浮いたり、膨らんだり、周辺部品が正しく取り付けられなかったりする虞がある。このため、溶接ビード16を大きく削るなど製造の手間を要する虞がある。この点、本実施形態では、上述したように、溶接ビード16の下端16aは、立壁11cの下縁11c3から上方に離間するとともに、溶接ビード16の上端16bは、立壁11cの上縁11c4から下方に離間している。よって、本実施形態によれば、例えば、溶接ビード16が周辺部品に影響を及ぼすのを抑制することができる。また、例えば、周辺部品との干渉を抑制するために溶接ビード16をより精度良く削る必要が無くなる。なお、本実施形態では、溶接ビード16は、立壁11cの下縁11c3から上方に離間した下端16aとともに、立壁11cの上縁11c4から下方に離間した上端16bを有しているが、溶接ビード16はこのような下端16aおよび上端16bのうち少なくとも一方を有していればよい。溶接ビード16が下縁11c3から上方に離間した下端16aを有する場合には、当該下端16aと周辺部品との干渉を抑制することができたり、当該下端16aをより大きく削らずに済んだりといった効果が得られる。また、溶接ビード16が上縁11c4から下方に離間した上端16bを有する場合には、当該上端16bと周辺部品との干渉を抑制することができたり、当該上端16bをより大きく削らずに済んだりといった効果が得られる。また、仮に、立壁11cの下縁11c3や上縁11c4が湾曲形状や角形状を有しているような場合に、溶接ビード16が下縁11c3や上縁11c4に近いと、例えば、溶接ビード16を当該湾曲形状や角形状に合わせて加工する必要が生じるなど、溶接ビード16の仕上げ加工に、より一層手間やコストを要する虞がある。この点、本実施形態によれば、溶接ビード16が下縁11c3または上縁11c4から離間している分、仕上げ加工の手間やコストが増大し難い。
また、本実施形態では、図4に示されるように、溶接ビード16の下端16aは、曲面11c31と外面11c1との下側境界b1から上方に離間するとともに、図4に示されるように、溶接ビード16の上端16bは、曲面11c41と外面11c1との上側境界b2から下方に離間している。このような構成により、下端16aは立壁11cの下縁11c3からより大きく離間することができるとともに、上端16bは立壁11cの上縁11c4からより大きく離間することができるので、例えば、溶接ビード16が周辺部品に影響を及ぼすのをより一層抑制することができるとともに、周辺部品との干渉を抑制するため溶接ビード16を大きく削る必要がより一層無くなる。なお、本実施形態では、溶接ビード16は、下側境界b1から上方に離間した下端16aおよび上側境界b2から下方に離間した上端16bの両方を有しているが、溶接ビード16はこのような下端16aおよび上端16bのうち少なくとも一方を有していればよい。溶接ビード16が下側境界b1から上方に離間した下端16aを有する場合には、当該下端16aと周辺部品との干渉を抑制することができたり、当該下端16aをより大きく削らずに済んだりといった効果が得られる。また、溶接ビード16が上側境界b2から下方に離間した上端16bを有する場合には、当該上端16bと周辺部品との干渉を抑制することができたり、当該上端16bをより大きく削らずに済んだりといった効果が得られる。
また、本実施形態では、上述したように、溶接ビード16よりも前方において、アッパフレーム11の外面11c1(第二外面)とフレームモール17の内面17aとの間には、スポンジ18(介在物)が介在している。このような構成により、スポンジ18によって外面11c1と内面17aとの間の隙間が確保されるため、例えば、溶接ビード16が周辺部品としてのフレームモール17に影響を及ぼすのを抑制することができる。また、例えば、フレームモール17との干渉を抑制するため溶接ビード16を大きく削る必要が無くなる。なお、介在物は、スポンジ18には限定されず、種々の材質や形状等によって実現されうる。また、介在物の取付方法も、アッパフレーム11への接着には限定されない。
また、本実施形態では、上述したように、エンドキャップ19は、蓋部19aと外壁19c(介在部)とを有し、蓋部19aは、フレームモール17の後端17c(端部)を覆い、外壁19cは、外面13b(第一外面)と内面17aとの間に介在している。すなわち、エンドキャップ19に介在部としての外壁19cを設けることによって外面13bと内面17aとの間の隙間を確保することができるため、例えば、別途部品を追加する場合に比べてより簡素な構成によってあるいはより安価に、溶接ビード16が周辺部品としてのフレームモール17に影響を及ぼすのを抑制することができる。また、これにより、例えば、フレームモール17との干渉を抑制するため溶接ビード16を大きく削る必要が無くなる。
また、本実施形態では、上述したように、溶接ビード16は、上下方向および水平方向と交差した斜め方向に延びている。すなわち、上述した本実施形態の特徴的な構成は、上下方向および水平方向と交差した斜め方向に延びた溶接ビード16に適用することができる。
また、本実施形態では、アッパフレーム11は、ウエザーストリップ31を引っ掛ける突起11d2(引掛部)を有している。ここで、図5に示されるように、溶接ビード16の上端16bの立壁11cを挟んで反対側の第一位置P1は、上側境界b2の立壁11cを挟んで反対側の第二位置P2と突起11d2の上面11d21との間に位置されている。アッパフレーム11の内面11eのうち、突起11d2の上面11d21よりも上側の領域11e1は、ウエザーストリップ31(図3)のシール面となる。ここで、仮に、第一位置P1が第二位置P2と同じかあるいは当該第二位置P2よりも上方に位置されていると、溶接時の沸き出しが領域11e1に出現し、ウエザーストリップ31のシールを確保し難くなる。この点、本実施形態では、第一位置P1は、第二位置P2と突起11d2の上面11d21との間、すなわち第二位置P2よりも下方に位置されているため、例えば、溶接時の沸き出しが領域11e1に出現し難くなり、ウエザーストリップ31によるシール性能に影響を及ぼすのを抑制することができる。なお、第一位置P1は、本実施形態では、第一位置P1は、第二位置P2と上面11d21との間に位置されたが、これには限定されず、第一位置P1は、上面11d21よりも下方に位置されてもよい。この場合にも、溶接の沸きだしが領域11e1に出現するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、溶接部位は外面11c1,13bから車幅方向外側に突出した溶接ビード16を有している。このような構成によれば、例えば、溶接ビード16が外面11c1,13bから突出している分、溶接部位に溶接ビード16が無い場合に比べて、当該溶接部位における剛性および強度がより向上しやすい。
次に、図1のIX部の構造について説明する。図9は、図1のIX部の斜視図、図10は、図9のX-X断面図、図11は、図9のXI-XI断面図、図12は、図9のXII-XII断面図である。
図10~12に示されるように、支持部材21は、立壁22と突起23とを有している。立壁22は、上下方向に細長い断面を有して延びているとともに、外面22aと内面22bとを有している。突起23は、立壁22の長手方向の中間位置において、立壁22の内面22bから車幅方向内方に突出している。突起23は、車幅方向内側に突出したベース23aと、当該ベース23aの先端から前方、後方、かつ下方に延びたフック23bと、を有しており、ベース23aとフック23bとは、T字構造を構成している。
コーナーピース24は、板状の形状を有し、車幅方向外側に向かうにつれて僅かに上側に傾斜した斜め方向に延びるベース24aと、ベース24aの車幅方向外方の端部で上方に湾曲されたフック状のエッジ24bと、を有している。エッジ24bの端面24b1は、支持部材21の立壁22の上縁22cよりも下方の位置で当該上縁22cに沿って延びており、当該端面24b1には、下方に向けて切り欠かれた切欠24b2が設けられており、当該切欠24b2には突起23のベース23aが収容されている。図10,12に示されるように、エッジ24bのうち切欠24b2に対して支持部材21の長手方向に隣接した第一隣接部位24c1は、立壁22とフック23bとの間に挟まれている。また、図11に示されるように、エッジ24bのうち切欠24b2に対して下方に隣接した第二隣接部位24c2は、ベース23aの下方において立壁22とフック23bとの間に挟まれている。また、図12に示されるように、エッジ24bのうち切欠24b2を挟んで長手方向に隣接した二つの第一隣接部位24c1は、長手方向にベース23aを挟んでいる。また、図11に示されるように、フレームモール17の上壁17dとベース23aとの間にはウエザーストリップ31が挟まれている。
突起23は、コーナーピース24の、上下方向、車幅方向、および支持部材21の長手方向の位置決めとして機能することができる。また、突起23は、フレームモール17とともに、ウエザーストリップ31の引掛部として機能することができる。このような構成によれば、コーナーピース24の位置決め用の突起を、方向毎に有した構成に比べて、支持部材21ひいてはフロントドアフレーム1の前部構造を比較的簡素な構成によって実現することができる。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。本発明は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら様々な形態や変形された形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、各構成や形状等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
例えば、溶接部位には、仕上げ等により溶接ビード(突出部)が低くされたものや無くなったものも含まれる。また、例えば、上記実施形態の上側コーナー部の構造は、後側ドアの上側かつ前側のコーナー部に適用することも可能である。
1…フロントドアフレーム(車両用ドアフレーム)、1e…上側コーナー部(コーナー部)、11…アッパフレーム、11c…立壁、11c1…外面(第二外面)、11c2…端面(第二突当面)、11c3…下縁、11c31…曲面(下端面)、11c4…上縁、11c41…曲面(上端面)、11d2…突起(引掛部)、13…ピラー、13b…外面(第一外面)、13c…端面(第一突当面)、16…溶接ビード、16a…下端、16b…上端、17…フレームモール、17a…内面、18…スポンジ(介在物)、19…エンドキャップ、19a…蓋部、19c…外壁(介在部)、31…ウエザーストリップ、b1…下側境界、b2…上側境界、P1…第一位置、P2…第二位置。

Claims (5)

  1. 車両用ドアの上側のコーナー部に位置された第一突当面と、車幅方向外側を向いた第一外面と、を有したピラーと、
    前記コーナー部に位置され前記第一突当面と突き当てられた第二突当面と、車幅方向外側を向き前記第一外面と隣接し平面または車幅方向外側に凸の曲面である第二外面と、該第二外面よりも曲率半径の小さい上に凸の曲面であり上縁を構成する上端面と、該第二外面と該上端面との境界である上側境界と、を有したアッパフレームと、
    前記アッパフレームに沿って延び、前記アッパフレームの車幅方向外側を覆い、前記第一外面および前記第二外面と隙間をあけて面した内面を有したフレームモールと、
    前記第一外面と前記第二外面との境界部分に位置され、前記第一突当面および前記第二突当面に沿って延び、前記内面と面し、前記ピラーと前記アッパフレームとを接合した溶接部位と、を備え、
    前記溶接部位は、前記アッパフレームの上縁から下方に離れた上端、および前記アッパフレームの下縁から上方に離れた下端のうち、少なくとも一方を有し、
    前記アッパフレームは、上下方向かつ当該アッパフレームの長手方向に延びる立壁と、前記立壁の前記上縁から下方に離れた位置から車幅方向内側に突出しウエザーストリップを引っ掛ける引掛部と、を有し、
    前記アッパフレームの内面のうち、前記引掛部の上面と前記上側境界との間の領域が前記ウエザーストリップとのシール面となり、
    前記溶接部位の前記上端の前記立壁を挟んで反対側の第一位置は、前記上側境界の前記立壁を挟んで反対側の第二位置と前記引掛部の上面との間か、あるいは前記上面よりも下方に位置され、
    前記溶接部位の溶接時の沸き出しが前記シール面よりも下方に位置される車両用ドアフレーム。
  2. 前記第二突当面から離れた位置で、前記第二外面と前記内面との間に介在する介在物を備えた、請求項1に記載の車両用ドアフレーム。
  3. 前記溶接部位は、車幅方向外側に突出する溶接ビードを有し、
    前記フレームモールと前記アッパフレームとの間の車幅方向における前記隙間の間隔が上側ほど狭くなり、
    前記フレームモールの端部を覆う蓋部と、板状に形成され前記蓋部から前記フレームモールの下縁に沿って前記第一外面と前記フレームモールの内面との間で前方に延び、前記第一外面および前記第二外面のうち少なくとも一方と前記内面との間に介在し前記溶接部位の下部側を覆う介在部と、該介在部の上側の一部を切り欠いて形成され前記溶接部位の上部側を前記フレームモールの内面と対面するように該介在部から露出させる切り欠き部と、を有したエンドキャップを備えた、請求項1または2に記載の車両用ドアフレーム。
  4. 前記介在部は、該介在部の内面に形成され前記溶接部位の下部側を車幅方向に離間した状態で収容する凹部を有した、請求項3に記載の車両用ドアフレーム。
  5. 前記溶接部位は、上下方向および水平方向と交差した斜め方向に延びている、請求項1~4のうちいずれか一つに記載の車両用ドアフレーム。
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