JP2015537238A - 反射防止レンズおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、反射防止コーティングを型の光学面に適用する方法に関する。一実施形態では、本方法には、光学面を有するレンズ型を準備する工程;超疎水性材料がダイポーダルシランを含有する、約30〜40nmの厚さをもつ超疎水性材料の層を光学面の上に形成する工程;反射防止コーティングの層状構造を超疎水性材料の層の上に形成する工程;および、蒸着を用いるか、または非プロトン性溶媒中の環状アザシランカップリング剤の溶液を用いるディップコーティングによって、前記反射防止コーティングの層状構造に単層の厚さで堆積される環状アザシランカップリング剤の層を形成する工程が含まれる。

Description

関連出願の相互参照
本PCT出願は、それ自体がKai C.Su、Leslie F.Stebbins、Bill Mantch、およびEugene C.Letterによる2011年4月15日出願の米国特許出願第13/088,199号、標題「反射防止レンズおよびその製造方法」の一部継続である、2012年10月10日出願の米国特許出願第13/648,642号に対する優先権およびその利益を主張する。上記同時係属出願の開示は、参照によりその全文が本明細書に援用される。
特許、特許出願および様々な刊行物を含みうるいくつかの参照文献は、本発明の記述の中で引用され考察される。そのような参照文献の引用および/または考察は、単に本発明の記述を明解にするために提供されるものであり、いかなるそのような参照文献も本明細書に記載される本発明に対する「先行技術」であると認めるものではない。本明細書において引用され考察されるすべての参照文献は、各々の参照文献が個別に参照により援用されるのと同じ程度まで、参照によりその全文が本明細書に援用される。
本発明は、一般に光学面、より詳細には反射防止レンズおよびその製造方法に関する。
反射防止レンズは、通常、プラスチック製眼用レンズの上の反射防止コーティングで形成される。反射防止(AR)コーティングは、反射を減らすために眼用レンズおよびその他の光学装置の表面に適用される。特に眼用レンズに関して、レンズが生じるグレアは、夜間運転時またはコンピュータのモニターの前での作業時に特に目立つ多重反射をなくすことによって少なくなるので、反射の減少は、レンズをよりよく見せるだけでなく、より重要なことにはより良く機能させる。グレアの減少は、着用者が、特に一日の終わりに目の疲れが少ないことを見出すことを意味する。ARコーティングは、より多くの光がレンズを通過することも許容し、それはコントラストを増加させ、そのために視力を向上させる。
プラスチック製眼用レンズを注入成形する技術は、レンズ形成材料を2つの型の間に入れ、その後レンズ形成材料を重合して固体にすることを伴う。CR39モノマーなどの液体のプラスチック配合物が、レンズの仕上面用に研磨した内部型表面を備えた表型および裏型によって形成される空洞の中に注入される。プラスチックは型の中で硬化し、その後、型が分離されて、選択された処方を満たす完成した眼用レンズが得られる。次に、レンズは、選択されたフレームに嵌るように端部の周囲を研磨される。コーティングは、完成したレンズに、または表型もしくは裏型の内部に適用することができる。適用されるとコーティングは硬化によってレンズに結合する。
検眼士の中には現場で眼鏡のレンズのサービスを提供する者もいる。いくつかの会社はレンズをオフィスにおいて、現場で注入成形することのできる方法を開発した。しかし、ARコーティングは真空蒸着によって適用せねばならないので、ARコーティングを眼鏡のレンズに適用する現在の方法は、レンズを異なる施設に輸送することを必要とする。このことは、当然さらなる時間および出費を意味する。そのため、現場でのARコーティングを伴う、眼鏡のレンズを製造するための方法が必要とされている。
眼用レンズに使用されるARコーティングの1つの種類は、屈折率の高い(high index)材料と屈折率の低い(low index)材料を交互に積み重ねたものである。最も一般に使用される屈折率の低い材料は、二酸化ケイ素である;二酸化ジルコニウムおよび/または二酸化チタンが屈折率の高い材料としてしばしば使用される。
特にプラスチック製眼用レンズに適用した時の、ARコーティングによる問題は、粘着である。ARコーティングは、通常、真空蒸着によって適用される。真空蒸着コーティングとそれらの基板との粘着は、一般に問題が多いことは周知である。有機プラスチック製レンズ材料および無機AR材料は、互いに容易に接着せず、剥離または引掻きをもたらす。したがって、より大きな粘着力でARコーティングをプラスチック製レンズに適用するための新しい方法が必要とされている。
いくつかの特許がシランを用いて無機マトリックスと有機マトリックスを結合させることを開示している。Soane et al.による特許文献1は、酸化ケイ素で作成されるAR多層とアクリレート含有レンズとを結び付けるためにカップリング層を使用することを教示する。カップリング剤は、シロキシ頭部およびアクリレート尾部を有する。該明細書において使用されるシランの例は、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランである。
Goosensによる特許文献2は、オルガノポリシロキサンと混合してオルガノシロキサンハードコートと熱可塑性基板との粘着力を増加させるアクリルを教示する。Takarada et al.による特許文献3も、オルガノポリシロキサン層と熱可塑性基板との粘着力を増加させるためのプライマーを教示する。このプライマーは、アルコキシシリル化モノマーを含む有機共重合体と、その他の成分の混合物である。
その他の特許は、有機マトリックスと別の有機マトリックスとを結合させるためにシランを使用することを考察している。Walters et al.による特許文献4は、有機ポリマー層の有機ポリマー基板との粘着性を改善するために有機官能性シランを使用することを教示する。
Takamizawa et al.による特許文献5は、ARコーティングおよび/またはハードコートを有するプラスチック製レンズを教示する。この特許は先行技術の方法の不十分な粘着を考察し、一組の型を用いてレンズを形成することによってそれらが優れた粘着を達成すると述べている。この際、ARコーティングが最初に型の1つに適用され、次にレンズモノマーが型の間に注入されて重合される。メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤は、ハードコート/ARコート溶液に含めることができ、それはコロイドシリカ、コロイド酸化アンチモンまたはコロイド二酸化チタンを含有してよい。
Klemm et al.による特許文献6は、トップコート、ARコート、引掻き抵抗性コート、耐衝撃性プライマー、およびレンズ基板でレンズを組み立てる方法を教示する。トップコートとARコートの不十分な粘着性の問題に対するKlemmの解決策は、ARコーティング(4層の積み重ねを含む)の第1の層を2枚のSiOの下層として適用することである。別のSiOの薄層が、ARの積み重ねと、引掻き抵抗性コーティングとの間に適用されて、2者間の粘着性を改善する。
上記の参照文献は、一般にゾルゲル化学を使用し、高熱(>80℃)を必要とする。しかし、型の光学面が歪められるので、高温に加熱することは、レンズをプラスチック製の型に注入成形し硬化することには適していない。
米国特許第5733483号明細書 米国特許第4615947号明細書 米国特許第5025049号明細書 米国特許第6150430号明細書 米国特許第5096626号明細書 米国特許第6986857号明細書
そのため、当技術分野において上記の欠点および不適合性に取り組む、これまで取り組まれていない必要性が存在する。
一態様では、本発明は、ARコーティングが基板との良好な粘着を示す、プラスチック製眼用レンズなどのプラスチック基板にARコーティングを適用する方法に関し、該方法は高温または昇温状態を避けて実行される。本発明の新規な態様は、超疎水性コーティング中でのダイポーダル(dipodal)シランの使用である。予想外にも、超疎水性コーティング中、有効量のダイポーダルシランをレンズ型で使用すると、ARコーティングを安定にすることが見出された。ダイポーダルシランを全くまたは少ししか使用しない場合、ARコーティングは、型またはレンズでひび割れを生じる。
本明細書においてさらに詳細に記載される本発明の別の態様では、環状アザシランカップリング剤の層が、ハードコーティングの粘着を促進するためにARでコーティングした型に適用される。環状アザシランをカップリング剤として非水性光学レンズ形成プロセスで使用するのは、当業界で最初であり、本発明の独創的な発見によってのみであると思われる。
上述の特徴を用いて、本発明は、ARコーティングを有するプラスチック製眼用レンズ、特に眼鏡レンズを現場で製造する、実際的であり経済的に実現可能な方法に関する。
一態様では、本発明は、反射防止コーティングを型の光学面に適用する方法に関する。一実施形態では、この方法には、光学面を有するレンズ型を準備する工程;フッ化物または酸化物材料の堆積層をレンズ型の光学面に形成する工程;疎水性材料が、疎水性材料の相対的な百分率である一定量のダイポーダルシランを含有する、疎水性材料の層を堆積層の上に形成する工程;約5〜40nmの厚さをもつSiOの第1の層を疎水性材料の層の上に形成する工程;反射防止コーティングの層状構造をSiOの第1の層の上に形成する工程;ならびに、非プロトン性条件下での蒸着によるか、または非プロトン性溶媒中のシランカップリング剤の溶液を用いるディップコーティングによって、反射防止コーティングの層状構造に単層の厚さで堆積されるシランカップリング剤の層を形成する工程が含まれる。
一実施形態では、堆積層は、それに続く全ての層が互いに付着しているままであるように、型表面と疎水性層との間の一時的粘着を提供するように適合化されている。堆積層は、LiF、MgF、CaF、SrF、BaF、LaF、CeF、HfF、NdF、SiO、ZrO、Al、Cr、HfO、In、Ta、TiO、Y、またはそれらの組合せからなる。好ましくは、堆積層は、イオンアシストを用いてMgFで形成され、約45nmの厚さを有する。
一実施形態では、疎水性層は、約30〜40nmの厚さをもつ超疎水性層であり、ダイポーダルシランの量は、前記超疎水性材料の約1.7〜8.3重量%である。
一実施形態では、反射防止コーティングの層状構造を超疎水性材料の層の上に形成する工程は、イオンアシストを用いて約5〜100nmの厚さで堆積されるSiOの第2の層をSiO2第1の層に形成する工程;約40〜50nmの厚さをもつZrOの第1の層をSiOの第2の層に形成する工程;イオンアシストを用いて約10〜20nmの厚さで堆積されるSiOの第3の層をZrOの第1の層に形成する工程;約50〜70nmの厚さをもつZrOの第2の層をSiOの第3の層に形成する工程;イオンアシストを用いて約25〜40nmの厚さで堆積されるSiOの第4の層をZrOの第2の層に形成する工程;約10〜25nmの厚さをもつZrOの第3の層をSiOの第4の層に形成する工程;および、イオンアシストを用いて約5〜15nmの厚さで堆積されるSiOの第5の層をZrOの第3の層に形成する工程によって実施することができる。
一実施形態では、ダイポーダルシランは、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり得る。
一実施形態では、カップリング剤の層は、環状アザシランを含む組成物からなる。特定の一実施形態では、カップリング剤の層は、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンからなる。
別の態様では、本発明は、レンズの光学面に転写可能な反射防止コーティングを有する光学面を備えた型に関する。様々な実施形態では、そのような型は、光学面に堆積したフッ化物または酸化物材料の堆積層;疎水性材料が、疎水性材料の相対的な百分率である一定量のダイポーダルシランを含有する、堆積層の上の疎水性材料の層;イオンアシストを用いずに堆積し、疎水性材料の層に堆積した約5〜40nmの厚さをもつSiOの第1の層;SiOの第1の層の上に堆積した反射防止コーティングの層状構造;および、蒸着によるかまたは非プロトン性溶媒中のシランカップリング剤の溶液を用いるディップコーティングによって反射防止コーティングの層状構造の上に堆積した単層の厚さをもつシランカップリング剤の層を有する。
一実施形態では、堆積層は、それに続く全ての層が互いに付着しているままであるように、型表面と疎水性層との間の一時的粘着を提供するように適合化されている。堆積層は、LiF、MgF、CaF、SrF、BaF、LaF、CeF、HfF、NdF、SiO、ZrO、Al、Cr、HfO、In、Ta、TiO、Y、またはそれらの組合せからなる。好ましくは、堆積層は、イオンアシストを用いてMgFで形成され、約45nmの厚さを有する。
一実施形態では、疎水性層は、約30〜40nmの厚さをもつ超疎水性層であり、ダイポーダルシランの量は、前記超疎水性材料の約1.7〜8.3重量%である。
一実施形態では、反射防止コーティングの層状構造には、SiOの第1の層にイオンアシストを用いて約5〜100nmの厚さで堆積されるSiOの第2の層;SiOの第2の層に堆積した約40〜50nmの厚さをもつZrOの第1の層;ZrOの第1の層にイオンアシストを用いて約10〜20nmの厚さで堆積されるSiOの第3の層;SiOの第3の層に堆積した、約50〜70nmの厚さをもつZrOの第2の層;ZrOの第2の層にイオンアシストを用いて約25〜40nmの厚さで堆積されるSiOの第4の層;SiOの第4の層に堆積され、約10〜25nmの厚さをもつZrOの第3の層;および、ZrOの第3の層にイオンアシストを用いて約5〜15nmの厚さで堆積されるSiOの第5の層が含まれる。
一実施形態では、ダイポーダルシランは、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり得る。
一実施形態では、カップリング剤の層は、環状アザシランを含む組成物からなる。様々な実施形態では、カップリング剤の層は、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンからなる。
さらなる態様では、本発明は、光学レンズに関する。光学レンズは、光学面、光学面の上のハードコート層、およびハードコーティングの上に形成された反射防止コーティングを備えたレンズ体を有し、様々な実施形態では、反射防止コーティングは、ハードコート層の上の、単層の厚さをもつシランカップリング剤の層;シランカップリング剤の層の上の反射防止コーティングの層状構造;カップリング剤の層の上の反射防止コーティングの層状構造の上の、イオンアシストを用いずに堆積した、約5〜40nmの厚さをもつSiOの第1の層;および、疎水性材料がダイポーダルシランを含有する、SiOの第1の層の上の約30〜40nmの厚さをもつ疎水性材料の層を有する。
一実施形態では、疎水性層は、約30〜40nmの厚さをもつ超疎水性層であり、ダイポーダルシランの量は、前記超疎水性材料の約1.7〜8.3重量%である。
一実施形態では、ダイポーダルシランは、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり得る。
一実施形態では、カップリング剤の層は、環状アザシランを含む組成物からなる。様々な実施形態では、カップリング剤の層は、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンからなる。さらにもう一つの態様では、本発明は、反射防止コーティングを型の光学面に適用する方法に関する。一実施形態では、この方法には、光学面を有するレンズ型を準備する工程;超疎水性材料がダイポーダルシランを含有する、光学面の上に約30〜40nmの厚さをもつ超疎水性材料の層を形成する工程;反射防止コーティングの層状構造を超疎水性材料の層の上に形成する工程;および、非プロトン性条件下での蒸着によるか、または非プロトン性溶媒中のシランカップリング剤の溶液を用いるディップコーティングによって、反射防止コーティングの層状構造の上に単層の厚さをもつカップリング剤の層を形成する工程が含まれる。
一実施形態では、超疎水性材料の層の上に反射防止コーティングの層状構造を形成する工程は、
(1)第1の屈折率および約5〜100nmの厚さをもつ第1の材料の第1の層を超疎水性材料の層の上に形成する工程;
(2)第2の屈折率および約40〜50nmの厚さをもつ第2の材料の第2の層を、第1の層に形成する工程;
(3)第1の屈折率および約10〜20nmの厚さをもつ第1の材料の第3の層を、第2の層に形成する工程;
(4)第2の屈折率および約50〜70nmの厚さをもつ第2の材料の第4の層を、第3の層に形成する工程;
(5)第1の屈折率および約25〜40nmの厚さをもつ第1の材料の第5の層を、第4の層に形成する工程;
(6)第2の屈折率および約10〜25nmの厚さをもつ第2の材料の第6の層を、第5の層に形成する工程;ならびに
(7)第1の屈折率および約5〜15nmの厚さをもつ第1の材料の第7の層を、第6の層に形成する工程
によって実施することができる。
一実施形態では、第1の屈折率Lおよび第2の屈折率Hは、H/L>1の比を満たす。言い換えれば、第2の屈折率の値は、第1の屈折率の値よりも大きい。
一実施形態では、第1の屈折率をもつ第1の材料はSiOを含み、第2の屈折率をもつ第2の材料はZrOを含む。
本発明を上に述べた方法に従って実行する際、反射防止コーティングの層状構造中のSiOの各層は、イオンアシストを用いて、またはイオンアシストを用いずに堆積される。
これらの反射防止層が当技術分野で公知の技法、例えば抵抗蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリングおよびその他の公知の技法などによって堆積されてよいことはさらに注目される。場合によって、堆積中にアルゴンまたは酸素のプラズマに蒸発流を触れさせることにより蒸発技法をイオンアシストすることが望ましい。一方、一部のその他の例では、蒸発技法をイオンアシストしないことが望ましい。
一実施形態では、ダイポーダルシランは、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり得る。
一実施形態では、カップリング剤の層は、環状アザシランを含む組成物からなる。特定の一実施形態では、カップリング剤の層は、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンからなる。
さらにもう一つの態様では、本発明は、レンズの光学面に転写可能な反射防止コーティングを有する光学面を備えた型に関する。様々な実施形態では、そのような型は、疎水性材料が、疎水性材料の相対的な百分率である一定量のダイポーダルシランを含有する、型の光学面の上に堆積した疎水性材料の層;疎水性材料の層の上に堆積した反射防止コーティングの層状構造;および、反射防止コーティングの層状構造の上に堆積した、蒸着を用いて単層の厚さで堆積されるカップリング剤の層を有する。一実施形態では、疎水性層は、約30〜40nmの厚さを有する超疎水性層であり、ダイポーダルシランの量は、前記超疎水性材料の約1.7〜8.3重量%である。
一実施形態では、ダイポーダルシランは、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり得る。
さらなる態様では、本発明は、光学レンズに関する。光学レンズは、光学面および光学面の上に形成された反射防止コーティングを備えるレンズ体を有し、ここで、様々な実施形態では、反射防止コーティングは、光学面の上に堆積した、単層の厚さをもつカップリング剤の層;カップリング剤の層の上に堆積した、反射防止コーティングの層状構造;および、反射防止コーティングの層状構造の上に堆積した、疎水性材料の層を有する。一実施形態では、疎水性層は、約30〜40nmの厚さを有する超疎水性層であり、ダイポーダルシランの量は、前記超疎水性材料の約1.7〜8.3重量%である。
一態様では、本発明は、レンズの製造に使用できるカップリング剤に関する。一実施形態では、シランカップリング剤は、環状アザシランを含む。特定の一実施形態では、環状アザシランは、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンを含む。
本発明のこれらおよびその他の態様は、以下の図面と併せて、以下の好ましい実施形態の説明から明らかとなるが、本開示の新規な概念の精神および範囲から逸脱することなく、その中の変形形態および変更形態をとることもある。
反射防止コーティングされたレンズを製造するための、関連分野で利用されるカップリング剤に関する化学反応を示す図である。 本発明の一実施形態による反射防止コーティングされたレンズを製造するために利用されるカップリング剤に関する化学反応を示す図である。 本発明の一実施形態による反射防止コーティングされたレンズ型の調製を示す図である。 本発明の一実施形態による反射防止コーティングされたレンズ型の調製を示す図である。 本発明の一実施形態による反射防止コーティングされたレンズ型の調製を示す図である。 本発明の一実施形態による反射防止コーティングされたレンズ型の調製を示す図である。
本発明は、以下の実施例でより詳細に記載される。実施例の中の多数の変更および変形は当業者に明らかなので、実施例は、説明だけを意図する。本発明の様々な実施形態をこれから詳細に説明する。図を参照すると、同様の数字は図全体を通して同様の部分を示す。本明細書中の説明および後に続く請求項全体を通して使用されるように、「a」、「an]、および「the」の意味には、文脈上明らかに指示されている場合を除いて複数形への言及が含まれる。また、本明細書中の説明および後に続く請求項全体を通して使用されるように、「の中(in)」の意味には、文脈上明らかに指示されている場合を除いて「の中(in)」および「の上(on)」への言及が含まれる。
本明細書で使用される用語は、一般に、本発明の状況の範囲内で、そして各用語が使用されている具体的な文脈において、当技術分野におけるその通常の意味を有する。本発明を説明するために使用される特定の用語は、下文において、または明細書中の他所で考察され、本発明の記述に関する実務家にさらなるガイダンスを提供する。本明細書のどこにおいても、例(本明細書において考察されるあらゆる用語の例を含む)の使用は、例証であって、本発明の範囲および意味またはどんな例証された用語の範囲および意味も決して制限しない。同様に、本発明は、本明細書に記載される様々な実施形態に限定されない。
本明細書において、「前後」、「約」または「およそ」は、通常、所与値または範囲の20パーセント以内、好ましくは10パーセント以内、より好ましくは5パーセント以内を意味する。本明細書において記載される数量は近似値であり、用語「前後」、「約」または「およそ」が、明白に述べられていないとしても推測することができることを意味する。
発明の全体像
説明は、図1〜6の添付の図面と併せて、本発明の実施形態に関してなされる。本明細書において具体化され、大まかに記載される本発明の目的に従って、本発明は、ARコーティングされた眼鏡レンズ、組成物およびARレンズを作成する方法に関する。
本発明の様々な実施形態によれば、MgFの層は、好ましくは約45nmの厚さのプラスチック型の清潔な光学面にイオンアシストを用いて適用される。超疎水性材料のコーティング層を次に適用する。超疎水性材料は、超疎水性材料に対して約1.7〜8.3重量%のダイポーダルシランを含有する。超疎水性コーティングに続いて、反射防止(AR)コーティングを適用する。ARコーティングは、最初および最後の層がイオンアシストされたSiOであるように、真空蒸着によって適用される、誘電性材料からなる多重層(4〜7層またはさらに多くの層)を含む層状構造である。好ましくは、反射防止コーティングは、高い屈折率と低い屈折率を交互に有する、3またはそれ以上の誘電性材料からなる多重層を含む層状構造である。
ダイポーダルシランは、Gelest,Inc.より入手可能である。好ましいダイポーダルシランは、次式:
Figure 2015537238
を有するビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり得る。
シランカップリング剤として環状アザシランの層が、ハードコーティングの粘着を促進するためにARコーティングされた型に適用される。カップリング剤の層は、非プロトン性条件下で適用されなければならない。これは、レンズ産業において今日一般的に実施されている方法(例えばスピン、スプレー、ディップ、真空コーティング)を用いて行うことができる。カップリング剤由来のシランは、反射防止コーティングと結合し、官能基は有機ハードコートとそれぞれ結合する。カップリング剤の層は室温で適用される。
型に適用される次のコーティング層は、耐擦傷性(ハード)コーティングである。ハードコートは、スピン、スプレー、またはディップコーティングとそれに続く硬化をはじめとする、レンズ産業で使用される従来法によって適用することができる。
上に例示される例となる方法は、前型および後型を含む光学金型装置の異なる光学面に繰り返し適用することができる。前型および後型の両方にコーティングを適用した後、型をスペーサーリングとともに組み立てて光学金型装置を形成する。次に、金型装置の空洞をレンズ材料配合物で満たし、硬化させる。硬化が完了した後、レンズを金型装置から外す。MgFを除く全てのコーティングをレンズに転写すると、レンズに超疎水性コーティング、反射防止コーティング、および引掻き抵抗性コーティングが適用される。この方法は、偏光レンズおよびフォトクロミックレンズを作成するためにも用いてよい。
よって、一態様では、より具体的には、本発明は、ARコーティングの良好な粘着を有するARコーティングされたプラスチック基板を作成するための方法に関する。プラスチック基板は、一実施形態では、プラスチック製眼用眼鏡レンズである。
別の態様では、本発明は、ARコーティングされたプラスチック製眼用眼鏡レンズを現場で作成する方法に関する。
ARコーティングは、一般に、反射を減少させるためにレンズの表面に適用される。多くの場合、ARコーティングは、ZrOおよびSiOなどの屈折率の高い材料と屈折率の低い材料の多重層からなる。無機シリカARコーティングの1つの問題は、それらがプラスチック製有機レンズに容易に付着しないことである。本発明は、この問題を、数ある中でも、無機シリカARコーティングとレンズとの間にカップリング層を用いることによって首尾よく解決する。本発明の一実施形態では、カップリング層は、環状アザシランを利用することによって形成される。
一般に、ARコーティングをその上に有する眼用レンズを形成するための方法は、向かい合っている光学面を有する第1および第2の型を調製する工程からなる。好ましい実施形態では、米国特許第7,114,696号に記載されるものなどの型およびガスケットが使用される。多様な望ましいコーティングが、一方または両方の型の内部に適用される。コーティングをその上に施した型は、型と型の間に空間をもたらすガスケットアセンブリの中に設置される。液体モノマーをこの空間の中に入れ、硬化させてレンズを得る。
型は、下文で用いられる加工温度に耐える能力があり、調製されている光学要素に必要な種類の表面を提供することのできる任意の適した材料で形成することができる。
本発明の一実施形態では、第1の工程として、電子ビーム蒸着によって、コーティングがプラスチック型の光学面の上に直接適用される。第1のコーティングに続いて、多層ARコーティングを逆の順序で適用する前に、第2のコーティングを適用してよい。本発明の一実施形態では、ARコーティングは、2つの異なる材料、つまり屈折率の高い材料と屈折率の低い材料で形成された交互層をもつ多層構造である。本発明の1つの好ましい実施形態では、ARコーティングは、2つの異なる材料、つまりH/L>1の比の、屈折率の高い材料Hと屈折率の低い材料Lで形成された7枚の交互層をもつ多層構造である。本発明を実行するのに適していることが見出された材料は、屈折率の高い材料として、二酸化ジルコニウム(「ZrO」と呼ばれる)、および、屈折率の低い材料として、およそ1.46の屈折率を有する二酸化ケイ素である。
本発明の一実施形態では、層は、最初と最後の層が二酸化ケイ素(SiO)であるように、真空蒸着によって適用される。ARチャンバは、最後の酸化ケイ素の層の適用中に加湿されていることが好ましい。
ARコーティングの適用の後で、カップリング剤である環状アザシランの層またはフィルムが気相堆積によって適用される。環状アザシランは、二酸化ケイ素層上で表面の水酸基と結合し、開環し、結果として有機分子を表面上にもたらす。これは真空下、室温で実施することができ、触媒として水を必要としない。
次に、引掻き抵抗性の(ハード)コーティングを適用する。ハードコートは、真空蒸着によるARコーティングプロセスの延長として、または、コーティング適用の後に硬化を伴う、スピン、スプレー、またはディップコーティングのより従来の方法によって、適用することができる。
様々なコーティングを型に適用した後、前後の型を組み立てる。次に、金型装置の空洞をレンズ材料配合物で満たし、その後それを硬化させ、ハードコートに結合させる。硬化が完了した後、レンズを金型装置から取り外す。全てのコーティングをレンズに転写して、レンズに疎水性コーティング、反射防止コーティング、および引掻き抵抗性コーティングを適用させる。
環状アザシランは、Gelest,Inc.より入手可能である。一般式には、式:
Figure 2015537238
(式中、RおよびRは、独立に、分枝状および線状の、置換および非置換アルキル、アルケニルおよびアルコキシ基からなる群から選択され、Rは、置換および非置換、飽和および不飽和、分枝状および線状の脂肪族炭化水素基;置換および非置換、分枝状および線状のアラルキル基;置換および非置換アリール基;ならびに水素からなる群から選択される)を有するアザシラシクロペンタンが含まれる。環状アザシランには、式:
Figure 2015537238
(式中、Rは、置換および非置換、飽和および不飽和、分枝状および線状の脂肪族炭化水素基;置換および非置換、分枝状および線状のアラルキル基;置換および非置換アリール基;ならびに水素からなる群から選択され;RおよびRは、独立に、置換および非置換、分枝状および線状のアルキルおよびアルコキシ基からなる群から選択される)を有するジアザシラシクリック化合物(diazasilacyclic compounds)も含まれる。
好ましい超疎水性化合物は、Daikinより入手可能なOptool DSXである。この疎水性化合物は、超疎水性材料とプラスチック製レンズとの固着を増加させるために市販の超疎水性調製物に一般に含められている添加剤を含まない。
本発明のこれらおよびその他の態様は、下により具体的に説明される。
発明の実施および実施例
本発明の範囲を制限する意図なしに、本発明の実施形態に従うさらなる例となる実施形態およびそれらの関連結果を下に記載する。読者の便宜のために見出しまたは小見出しが実施例に使用されることがあるが、それは本発明の範囲を決して制限するものでないことに注意されたい。さらに、ある一定の理論が本明細書において提案され開示されている;しかし、それらの理論が正しいか誤っているかに関わらず、どんな特定の作用の理論またはスキームにも関係なく、本発明に従って本発明が実行される限り、それらの理論は本発明の範囲を決して制限するべきではない。
環状アザシラン
多様な種類の環状アザシランを用いて本発明を実践することができる、それには:
(a)次式をもつ、SIB1932.4またはN−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシシラシクロペンタン、C9H21NO2Si:
Figure 2015537238
(b)次式をもつ、SID3543.0または2,2−ジメトキシ−1,6−ジアザ−2−シラシクロオクタン、C7H18N2O2Si:
Figure 2015537238
(c)次式をもつ、SIA0592.0またはN−アミノエチル−アザ−2,2,4−トリメチルシラシクロペンタン、C8H21NSi:
Figure 2015537238
(d)次式をもつ、SIA0380.0またはN−アリル−アザ−2,2−ジメトキシシラシクロペンタン、C8H17NO2Si:
Figure 2015537238
が挙げられる。
コーティング結合試験
この実施例は、本発明の様々な実施形態に従って生成されたコーティングの結合に利用される様々な試験を示す。
クロスハッチ試験。クロスハッチ試験では、1mm間隔で一連の10本の線をコーティングに剃刀で切りつける。第1の線に対して直角に重ねた、第2の1mm間隔の一連の10本の線を、コーティングに切りつける。次に、1片のセロハンテープをクロスハッチパターンの上に適用し、コーティングから素早く引きはがす。
ひび割れ試験。ひび割れ試験では、レンズを脱型させた後、80℃で20分間アニールする。レンズを素早く室温水に移し、ひび割れについてそれを調べる。ひび割れが見て分からない場合、そのAR/カップリング剤系は容認できる。
塩水沸騰試験。塩水沸騰試験では、レンズをまず4.5%NaClおよび0.8%NaHPO・2HOを含有する沸騰塩溶液に2分間浸漬する。次に、レンズを素早く室温(18〜24℃)の脱イオン水に移す。コーティングにひび割れまたは離層が認められない場合、そのAR/カップリング剤系は容認できる。
使い捨て型に適用されるARコーティングの調製
この実施例では、数ある中でも、本発明の一実施形態にしたがって、ARコーティングを使い捨て型に適用する調製の方法が提供される。特に、この実施例では、イオンアシストを用いてまたは用いずにSiO層が形成されるかまたは堆積される。
ここで図3を参照すると、下に記載される方法は、光学面304を有する型302に関連して、蒸発用の標準的なボックスコーターおよび電子ビームによって行われる。この方法は、周知の真空技術を用いて行われる。
手順:
(1)型302の光学面304を洗浄する。本発明の一実施形態では、プラズマ洗浄が型表面で約2分間行われる。
(2)光学面304に、約45nmの厚さをもつMgFの層305を形成する。
(3)層305の上に、約30〜40nmの厚さをもつ超疎水性材料の層306を形成する、ここで、超疎水性材料は、超疎水性材料に対して約1.7〜8.3重量%のダイポーダルシランを含有する。
(4)層306に、イオンアシストを用いずに、約5〜40nmの厚さで堆積されるSiOの層310を形成する。
(5)層310に、イオンアシストを用いて約5〜100nmの厚さで堆積されるSiOの層312を形成する。
(6)層312に、約40〜50nmの厚さをもつZrOの層314を形成する。
(7)層314に、イオンアシストを用いて約10〜20nmの厚さで堆積されるSiOの層316を形成する。
(8)層316に、約50〜70nmの厚さをもつZrOの層318を形成する。
(9)層318に、イオンアシストを用いて約25〜40nmの厚さで堆積されるSiOの層320を形成する。
(10)層320に、約10〜25nmの厚さをもつZrOの層322を形成する。
(11)層322に、イオンアシストを用いて約5〜15nmの厚さで堆積されるSiOの層324を形成する。
(12)層324に、ディップコーティングまたは蒸着を用いて単層の厚さで堆積されるカップリング剤の層326を形成する。
特に、この実施形態では、超疎水性材料の層306は、ARコーティングが安定していることができるように超疎水性材料に対して約1.7〜8.3重量%のダイポーダルシランを含有するものとする。超疎水性材料中のダイポーダルシランの濃度の例は、0.6gの超疎水性材料ごとに、約0.01〜0.05gのダイポーダルシランを含有するというものである。ダイポーダルシランが超疎水性材料中で使用されていないかまたはほとんど使用されていない場合、ARコーティングはひび割れ、型から分離する。さらに、SiOの層310は、AR層状構造311に対する保護シールとして、また、AR層状構造311と超疎水性材料の層306との間の自然な接合面(natural bonding surface)または「リンク」として機能する。同様に、SiOの層324は、AR層状構造311とカップリング剤の層326との間の自然な接合面または「リンク」を提供する。層310と層312は両方ともにSiOで形成されるが、それらは、それらが互いに付着するが異なって機能するように、異なる方法で形成されるものとする。
使い捨て型に適用されるARコーティングの調製
この実施例では、数ある中でも、本発明の別の実施形態にしたがって、ARコーティングを使い捨て型に適用する調製の方法が提供される。特に、この実施例では、SiO層は、イオンアシストによって形成されるかまたは堆積されるものとする。
ここで図4を参照すると、下に記載される方法は、光学面404を有する型402に関連して、蒸発用の標準的なボックスコーターおよび電子ビームによって行われる。この方法は、周知の真空技術を用いて行われる。
手順:
(1)型402の光学面404を洗浄する。本発明の一実施形態では、プラズマ洗浄が型表面で約2分間行われる。
(2)光学面404の上に、約30〜40nmの厚さをもつ超疎水性材料の層406を形成する。ここで、超疎水性材料は、超疎水性材料に対して約1.7〜8.3重量%のダイポーダルシランを含有する。
(3)層406に、イオンアシストを用いて約60〜120nmの厚さで堆積されるSiOの層412を形成する。
(4)層412に、約40〜50nmの厚さをもつZrOの層414を形成する。
(5)層414に、イオンアシストを用いて約10〜20nmの厚さで堆積されるSiOの層416を形成する。
(6)層416に、約50〜70nmの厚さをもつZrOの層418を形成する。
(7)層418に、イオンアシストを用いて約25〜40nmの厚さで堆積されるSiOの層420を形成する。
(8)層420に、約10〜25nmの厚さをもつZrOの層422を形成する。
(9)層422に、イオンアシストを用いて約5〜15nmの厚さで堆積されるSiOの層424を形成する。
(10)層424に、ディップコーティングまたは蒸着を用いて単層の厚さで堆積されるカップリング剤の層426を形成する。
使い捨て型に適用されるARコーティングの調製
この実施例では、数ある中でも、本発明のさらに別の実施形態にしたがって、ARコーティングを使い捨て型に適用する調製の方法が提供される。特に、この実施例では、SiO層は、イオンアシストを用いてまたは用いずに形成されるかまたは堆積されるものとする。
ここで図5を参照すると、下に記載される方法は、光学面504を有する型502に関連して、蒸発用の標準的なボックスコーターおよび電子ビームによって行われる。この方法は、周知の真空技術を用いて行われる。
手順:
(1)型502の光学面504を洗浄する。本発明の一実施形態では、プラズマ洗浄が型表面で約2分間行われる。
(2)光学面504の上に、約30〜40nmの厚さをもつ超疎水性材料の層506を形成する。ここで、超疎水性材料は、約1.7〜8.3重量%のダイポーダルシランを含有する。
(3)層506に、イオンアシストを用いずに、約5〜40nmの厚さで堆積されるSiOの層510を形成する。
(4)層510に、イオンアシストを用いて約5〜100nmの厚さで堆積されるSiOの層512を形成する。
(5)層512に、約40〜50nmの厚さをもつZrOの層514を形成する。
(6)層514に、イオンアシストを用いずに厚さ約10〜20nmで堆積されるSiOの層516を形成する。
(7)層516に、約50〜70nmの厚さをもつZrOの層518を形成する。
(8)層518に、イオンアシストを用いずに、約25〜40nmの厚さで堆積されるSiOの層520を形成する。
(9)層520に、約10〜25nmの厚さをもつZrOの層522を形成する。
(10)層522に、イオンアシストを用いて約5〜15nmの厚さで堆積されるSiOの層524を形成する。
(11)層524に、ディップコーティングまたは蒸着を用いて単層の厚さで堆積されるカップリング剤の層526を形成する。
使い捨て型に適用されるARコーティングの調製
この実施例では、数ある中でも、本発明のさらに別の実施形態にしたがって、ARコーティングを使い捨て型に適用する調製の方法が提供される。特に、この実施例では、SiO層は、イオンアシストを用いてまたは用いずに形成されるかまたは堆積されるものとする。
ここで図6を参照すると、下に記載される方法は、光学面604を有する型602に関連して、蒸発用の標準的なボックスコーターおよび電子ビームによって行われる。この方法は、周知の真空技術を用いて行われる。
手順:
(1)型602の光学面604を洗浄する。本発明の一実施形態では、プラズマ洗浄が型表面で約2分間行われる。
(2)光学面604の上に、約30〜40nmの厚さをもつ超疎水性材料の層606を形成する。ここで、超疎水性材料は、超疎水性材料に対して約1.7〜8.3重量%のダイポーダルシランを含有する。
(3)層606に、イオンアシストを用いずに、約5〜40nmの厚さで堆積されるSiOの層610を形成する。
(4)層610に、イオンアシストを用いて約5〜100nmの厚さで堆積されるSiOの層612を形成する。
(5)層612に、約40〜50nmの厚さをもつZrOの層614を形成する。
(6)層614に、イオンアシストを用いて約10〜20nmの厚さで堆積されるSiOの層616を形成する。
(7)層616に、約50〜70nmの厚さをもつZrOの層618を形成する。
(8)層618に、イオンアシストを用いて約25〜40nmの厚さで堆積されるSiOの層620を形成する。
(9)層620に、約10〜25nmの厚さをもつZrOの層622を形成する。
(10)層622に、イオンアシストを用いて約5〜15nmの厚さで堆積されるSiOの層624を形成する。
(11)層624に、蒸着を用いて単層の厚さで堆積されるカップリング剤の層626を形成する。
カップリング剤の調製および適用
実施例3〜6では、数ある中でも、本発明は、ハードコーティングの粘着を促進するためにARコーティングされた型に適用されるカップリング剤の層を用いて実践される。
材料に関して、カップリング剤は、シランが反射防止コーティングと結合し、官能基が有機ハードコートと結合する官能性シランである。本発明の一実施形態によれば、環状アザシランは、開環反応によって室温でシラン結合を形成するので、適用に特によく適している。これは、ハードコートと容易に結合する官能基を含む単層をもたらし、強いAR−ハードコート結合を形成する。環状アザシランをカップリング剤として光学レンズ形成プロセスで使用するのは、当業界で最初であり、本発明の独創的な発見によってのみであると思われる。SiOを第1の屈折率をもつ第1の材料として使用する、図3〜6に示される実施形態には、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンをシランカップリング剤として使用することによって、図2に示されるように水または熱を必要としない表面結合開環反応(surface bonding ring opening reaction)を可能にし、その結果非常に良好な結合をもたらし、現場でのARレンズ形成を実現させる。
手順に関して、カップリング剤は、非プロトン性条件下で適用されなくてはならず、今日のレンズ産業で一般に実践されている方法、例えばスピン、スプレー、ディップ、および真空コーティングなどの多くを用いて行うことができる。カップリング剤適用の2つの具体例を下に記載する。
A.真空コーティング−手順:
(1)型の対応する光学面が、実施例3〜6に例示されるように本発明の様々な実施形態の1つに従ってARコーティングされた型である、前型と後型からなる一対の光学型を、非プロトン性の環境を作り出すために所定の圧力で排気される真空チャンバに入れる。このチャンバの中に導入されるとカップリング剤は気化する。
(2)カップリング剤を密封したチャンバに導入し、最低10分間、各々のARコーティングによってコーティングし、反応させる。
(3)チャンバを排気して元の(カップリング剤の前の)所定の圧力にして、過剰なカップリング剤を除去する。
(4)真空を解除し、光学金型装置をチャンバから取り出す。その後、ハードコートを適用することができる。
B.ディップコーティング−手順:
(1)カップリング剤の非プロトン性溶媒中の溶液を調製する(最小0.05%)。非プロトン性溶媒の例としては、トルエン、ベンゼン、石油エーテル、またはその他の炭化水素溶媒が挙げられる。
(2)実施例3〜6に例示されるように本発明の様々な実施形態の1つに従って調製した、ARコーティングされた型を、室温で最低5分間、溶液に触れさせる(または溶液で処理する)。
(3)処理した型を溶液から取り出し、エタノールまたは同様の溶媒ですすぐ。
(4)次に、型を風乾する。その後、ハードコートを適用することができる。
ARコーティングされたレンズを作成するための手順
この実施例は、本発明の一実施形態に従ってARコーティングされたレンズを作成するための方法または手順を示す。
光学金型装置の前型および後型の対応する光学面を、実施例3に例示される本発明の一実施形態に従ってARコーティングした。次に、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンからなるかまたはそれを有するカップリング剤の層(326)を、上記実施例7に示されるようなディップコーティング法を用いてAR表面(324)の上に形成した。石油エーテル中カップリング剤0.2%の溶液を調製した。光学面を、室温で5分間、溶液に沈めた。次にそれらをエタノールですすぎ、エアガンで風乾し、スピンコーティング法を用いて1時間以内にハードコーティングした。レンズモノマーを注入成形し硬化させると、ARコーティングおよび超疎水性コーティングは、型からレンズの上に転写された。
ARコーティングされたレンズを作成するための手順
この実施例は、本発明の一実施形態に従ってARコーティングされたレンズを作成するための方法または手順を示す。
光学金型装置の前型および後型の対応する光学面を、実施例4〜6のうちの一つに説明される本発明の一実施形態に従ってARコーティングした。次に、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンからなるかまたはそれを有するカップリング剤の層(426、526、626)を、上記実施例7に示されるようなディップコーティング法を用いてAR表面(424、524、624)の上に形成した。石油エーテル中カップリング剤0.05%の溶液を調製した。光学面を、室温で5分間、溶液に沈めた。次にそれらをエタノールですすぎ、風乾させ、スピンコーティング法を用いて直ちにハードコーティングした。注入成形すると、ARコーティングおよび超疎水性コーティングは、型からレンズの上に転写された。
ARコーティングされたレンズを作成するための手順
この実施例は、本発明の一実施形態に従ってARコーティングされたレンズを作成するための方法または手順を示す。
光学金型装置の前型および後型の対応する光学面を、実施例3に例示される本発明の一実施形態に従ってARコーティングした。次に、ARコーティングした光学面をもつ型を、約−28.6in.Hgの所定の圧力下、真空チャンバの底に置いた。約0.2mLのN−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンをチャンバに注入し、所定の圧力下で気化させた。N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンがARコーティングされた表面と反応してカップリング剤の層を形成するのに10分間かけ、その後、過剰なカップリング剤を除去するために真空ポンプを5分間動かした。次に、型を直ちにハードコーティングし、レンズに注入成形した。ARコーティングおよび超疎水性コーティングは、型からレンズの上に転写された。
ARコーティングされたレンズを作成するための手順
この実施例は、本発明の一実施形態に従ってARコーティングされたレンズを作成するための方法または手順を示す。
光学金型装置の前型および後型の対応する光学面を、実施例3に例示される本発明の一実施形態に従ってARコーティングした。次に、ARコーティングした光学面をもつ型を、約−28.6in.Hgの所定の圧力下、真空チャンバの底に置いた。0.05mLのN−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンのカップリング剤をチャンバに注入し、所定の圧力下で気化させた。カップリング剤がARコーティングした光学面と反応するのに10分間かけ、その後、過剰なカップリング剤を除去するために真空ポンプを5分間動かした。次に、型を直ちにハードコーティングし、組み立て、レンズモノマーを注入成形し、硬化させてレンズにした。ARコーティングおよび超疎水性コーティングは、型からレンズの上に転写された。
ARコーティングされたレンズを作成するための手順
この実施例は、本発明の一実施形態に従ってARコーティングされたレンズを作成するための方法または手順を示す。
光学金型装置の前型および後型の対応する光学面を、実施例3に例示される本発明の一実施形態に従ってARコーティングした。次に、ARコーティングした光学面をもつ型を、約−28.6in.Hgの所定の圧力下、真空チャンバの底に置いた。ヘキサン中10%のN−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンのカップリング剤で溶液を調製した。0.1mLの溶液(0.01mLのカップリング剤)をチャンバに注入し、所定の圧力下で気化させた。カップリング剤がAR表面と反応するのに10分かけ、その後、過剰なカップリング剤を除去するために真空ポンプを5分間動かした。次に、型を直ちにハードコーティングし、注入成形してレンズにした。ARコーティングおよび超疎水性コーティングは、型からレンズの上に転写された。
よって、別の態様では、本発明は、反射防止コーティングを型の光学面に適用する方法に関する。一実施形態では、図3を参照すると、本方法には、以下の:
光学面304を有するレンズ型302を準備する工程;
光学面304に、イオンアシストされた、約45nmの厚さをもつMgFの層305を形成する工程;
層305の上に、約30〜40nmの厚さをもつ超疎水性材料の層306を形成する工程、ここで超疎水性材料は、超疎水性材料に対して約1.7〜8.3重量%のダイポーダルシランを含有する;
層306に、イオンアシストを用いずに、約5〜40nmの厚さで堆積されるSiOの層310を形成する工程;
層310に、反射防止コーティングの層状構造311を形成する工程;および
層324に、蒸着を用いて堆積され、単層の厚さをもつカップリング剤の層326を形成する工程
が含まれる。
図3に示される実施形態では、層310に対する反射防止コーティングの層状構造311は以下の:
(1)層310に、イオンアシストを用いて約5〜100nmの厚さで堆積されるSiOの層312を形成する工程;
(2)層312に、約40〜50nmの厚さをもつZrOの層314を形成する工程;
(3)層314に、イオンアシストを用いて約10〜20nmの厚さで堆積されるSiOの層316を形成する工程;
(4)層316に、約50〜70nmの厚さをもつZrOの層318を形成する工程;
(5)層318に、イオンアシストを用いて約25〜40nmの厚さで堆積されるSiOの層320を形成する工程;
(6)層320に、約10〜25nmの厚さをもつZrOの層322を形成する工程;および
(7)層322に、イオンアシストを用いて約5〜15nmの厚さで堆積されるSiOの層324を形成する工程
によって形成され得る。
一実施形態では、ダイポーダルシランは、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり得る。
一実施形態では、カップリング剤の層は、環状アザシランを含む組成物からなる。
より具体的には、一実施形態では、カップリング剤の層は、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンからなる。
さらに、より一般的な実施形態では、層310に対する反射防止コーティングの層状構造311は、以下の:
(1)層310に、イオンアシストを用いて約5〜100nmの厚さで堆積される、第1の屈折率をもつ第1の材料の層312を形成する工程;
(2)層312に、約40〜50nmの厚さをもつ、第2の屈折率をもつ第2の材料の層314を形成する工程;
(3)層314に、イオンアシストを用いて約10〜20nmの厚さで堆積される、第1の屈折率をもつ第1の材料の層316を形成する工程;
(4)層316に、約50〜70nmの厚さをもつ、第2の屈折率をもつ第2の材料の層318を形成する工程;
(5)層318に、イオンアシストを用いて約25〜40nmの厚さで堆積される、第1の屈折率をもつ第1の材料の層320を形成する工程;
(6)層320に、約10〜25nmの厚さをもつ、第2の屈折率をもつ第2の材料の層322を形成する工程;および
(7)層322に、イオンアシストを用いて約5〜15nmの厚さで堆積される、第1の屈折率をもつ第1の材料の層324を形成する工程
によって形成され得る。
一実施形態では、第1の屈折率Lおよび第2の屈折率Hは、H/L>1の比を満たす。言い換えれば、第2の屈折率の値は、第1の屈折率の値よりも大きい。
一実施形態では、図3に示されるように、第1の屈折率をもつ第1の材料は、SiOを含み、第2の屈折率をもつ第2の材料はZrO2を含む。
別の態様では、本発明は、レンズの光学面に転写可能な反射防止コーティングを有する光学面を備えた型に関する。一実施形態では、図3に示されるように、そのような型は:
型302の光学面304に堆積した、5〜100nmの厚さでイオンアシストされるSiOの層305;
層305の上の約30〜40nmの厚さをもつ超疎水性材料の層306、ここで、超疎水性材料は、超疎水性材料に対して約1.7〜8.3重量%のダイポーダルシランを含有する;
層306に堆積した、イオンアシストを用いずに、約5〜40nmの厚さで堆積されるSiOの層310;
層310に堆積した、反射防止コーティングの層状構造311;および
層324に堆積した、蒸着を用いて単層の厚さで堆積されるカップリング剤の層326
を有する。
一実施形態では、反射防止コーティングの層状構造311は:
(1)層310に堆積した、イオンアシストを用いて約5〜100nmの厚さで堆積されるSiOの層312;
(2)層312に堆積した、約40〜50nmの厚さをもつZrOの層314;
(3)層314に堆積した、イオンアシストを用いて約10〜20nmの厚さで堆積されるSiOの層316;
(4)層316に堆積した、約50〜70nmの厚さをもつZrOの層318;
(5)層318に堆積した、イオンアシストを用いて約25〜40nmの厚さで堆積されるSiOの層320;
(6)層320に堆積した、約10〜25nmの厚さをもつZrOの層322;および
(7)層322に堆積した、イオンアシストを用いて約5〜15nmの厚さで堆積されるSiOの層324
を有する。
一実施形態では、ダイポーダルシランは、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり得る。
一実施形態では、カップリング剤の層は、環状アザシランを含む組成物からなる。特定の一実施形態では、カップリング剤の層は、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンからなる。
一実施形態では、反射防止コーティングの層状構造311は:
(1)層310に堆積した、イオンアシストを用いて約5〜100nmの厚さで堆積される、第1の屈折率をもつ第1の材料の層312;
(2)層312に堆積した、約40〜50nmの厚さをもつ、第2の屈折率をもつ第2の材料の層314;
(3)層314に堆積した、イオンアシストを用いて約10〜20nmの厚さで堆積される、第1の屈折率をもつ第1の材料の層316;
(4)層316に堆積した、約50〜70nmの厚さをもつ、第2の屈折率をもつ第2の材料の層318;
(5)層318に堆積した、イオンアシストを用いて約25〜40nmの厚さで堆積される、第1の屈折率をもつ第1の材料の層320;
(6)層320に堆積した、約10〜25nmの厚さをもつ、第2の屈折率をもつ第2の材料の層322;および
(7)層322に堆積した、イオンアシストを用いて約5〜15nmの厚さで堆積される、第1の屈折率をもつ第1の材料の層324
で形成される。
一実施形態では、第1の屈折率Lおよび第2の屈折率Hは、H/L>1の比を満たす。言い換えれば、第2の屈折率の値は、第1の屈折率の値よりも大きい。
一実施形態では、第1の屈折率をもつ第1の材料はSiOを含み、第2の屈折率をもつ第2の材料はZrOを含む。
さらにもう一つの態様では、本発明は、光学レンズに関する。一実施形態では、光学レンズは、光学面を備えるレンズ体、および、上に記載される型などの型の上に形成された、またはより具体的にはそのような型から光学面に転写された反射防止コーティングを有し、反射防止コーティングは:
層305の上の、約30〜40nmの厚さをもつ超疎水性材料の層306、ここで、超疎水性材料は、超疎水性材料に対して約1.7〜8.3重量%のダイポーダルシランを含有する;
層306に堆積した、イオンアシストを用いずに、約5〜40nmの厚さで堆積されるSiOの層310;
層310に堆積した、反射防止コーティングの層状構造311;および
層324に堆積し、光学面とカップリングした、蒸着を用いて単層の厚さで堆積されるカップリング剤の層326
で形成される。
一実施形態では、図3に示されるように、反射防止コーティングの層状構造311は:
(1)層310に堆積した、イオンアシストを用いて約5〜100nmの厚さで堆積されるSiOの層312;
(2)層312に堆積した、約40〜50nmの厚さをもつZrOの層314;
(3)層314に堆積した、イオンアシストを用いて約10〜20nmの厚さで堆積されるSiOの層316;
(4)層316に堆積した、約50〜70nmの厚さをもつZrOの層318;
(5)層318に堆積した、イオンアシストを用いて約25〜40nmの厚さで堆積されるSiOの層320;
(6)層320に堆積した、約10〜25nmの厚さをもつZrOの層322;および
(7)層322に堆積した、イオンアシストを用いて約5〜15nmの厚さで堆積されるSiOの層324
を有する。
一実施形態では、ダイポーダルシランは、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり得る。
一実施形態では、カップリング剤の層は、環状アザシランを含む組成物からなる。特定の一実施形態では、カップリング剤の層は、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンからなる。
さらに、より一般的な実施形態では、光学レンズは:
(1)層310に堆積した、イオンアシストを用いて約5〜100nmの厚さで堆積される、第1の屈折率をもつ第1の材料の層312;
(2)層312に堆積した、約40〜50nmの厚さをもつ、第2の屈折率をもつ第2の材料の層314;
(3)層314に堆積した、イオンアシストを用いて約10〜20nmの厚さで堆積される、第1の屈折率をもつ第1の材料の層316;
(4)層316に堆積した、約50〜70nmの厚さをもつ、第2の屈折率をもつ第2の材料の層318;
(5)層318に堆積した、イオンアシストを用いて約25〜40nmの厚さで堆積される、第1の屈折率をもつ第1の材料の層320;
(6)層320に堆積した、約10〜25nmの厚さをもつ、第2の屈折率をもつ第2の材料の層322;および
(7)層322に堆積した、イオンアシストを用いて約5〜15nmの厚さで堆積される、第1の屈折率をもつ第1の材料の層324
で形成される反射防止コーティングの層状構造311を有する。
一実施形態では、第1の屈折率Lおよび第2の屈折率Hは、H/L>1の比を満たす。言い換えれば、第2の屈折率の値は、第1の屈折率の値よりも大きい。
一実施形態では、第1の屈折率をもつ第1の材料はSiOを含み、第2の屈折率をもつ第2の材料はZrOを含む。
さらなる態様では、本発明は、反射防止コーティングを型の光学面に作成するための方法に関する。図3〜6に示されるような本発明の様々な実施形態では、そのような方法は:
光学面304、404、504または604を有するレンズ型302、402、502または602を準備する工程;
光学面304、404、504または604の上に、約30〜40nmの厚さをもつ超疎水性材料の層306、406、506または606を形成する工程、ここで、超疎水性材料は、超疎水性材料に対して約1.7〜8.3重量%のダイポーダルシランを含有する;
層306、406、506または606の上に、反射防止コーティングの層状構造311、411、511または611を形成する工程;および
反射防止コーティングの層状構造311、411、511または611の上に、ディップコーティングまたは蒸着を用いて単層の厚さで堆積されるカップリング剤の層326、426、526または626を形成する工程
を有する。
反射防止コーティングの層状構造311、411、511または611を層308、408、508または608の上に形成する工程は:
(1)層306、406、506または606の上に、第1の屈折率および約5〜100nmの厚さをもつ第1の材料の層312、412、512または612を形成する工程;
(2)層312、412、512または612に、第2の屈折率および約40〜50nmの厚さをもつ第2の材料の層314、414、514または614を形成する工程;
(3)層314、414、514または614に、第1の屈折率および約10〜20nmの厚さをもつ第1の材料の層316、416、516または616を形成する工程;
(4)層316、416、516または616に、第2の屈折率および約50〜70nmの厚さをもつ第2の材料の層318、418、518または618を形成する工程;
(5)第1の屈折率および約25〜40nmの厚さをもつ第1の材料の層320、420、520または620を、層318、418、518または618に形成する工程;
(6)第2の屈折率および約10〜25nmの厚さをもつ第2の材料の層322、422、522または622を、層320、420、520または620に形成する工程;および
(7)第1の屈折率および約5〜15nmの厚さをもつ第1の材料の層324、424、524または624を、層322、422、522または622に形成する工程
によって実施することができる。
一実施形態では、第1の屈折率Lおよび第2の屈折率Hは、H/L>1の比を満たす。言い換えれば、第2の屈折率の値は、第1の屈折率の値よりも大きい。
一実施形態では、第1の屈折率をもつ第1の材料はSiOを含み、第2の屈折率をもつ第2の材料はZrOを含む。
一実施形態では、図3に示されるように、超疎水性材料の層306と光学面304との間にMgFの層305が形成されるように、層306を光学面304の上に形成する工程の前に、厚さ約45nm未満の層305を光学面304の上に形成する工程を実施する。
さらに、図3に示される一実施形態では、層306と層312との間にSiOの層310が形成されるように、反射防止コーティングの層状構造311を層306の上に形成する工程の前に、イオンアシストを用いずに、5〜40nmの厚さで堆積される層310を層306の上に形成する工程を実施する。
図5および6に示される実施形態では、層506、606と層512、612との間にSiOの層510、610が形成されるように、反射防止コーティングの層状構造511または611を層506または606の上に形成する工程の前に、イオンアシストを用いずに、5〜40nmの厚さで堆積される層510、610を層506、606の上に形成する工程を実施する。
上に述べた方法に従って本発明を実践する際に、SiOの各々の層は、イオンアシストを用いて、またはイオンアシストを用いずに堆積される。
一実施形態では、ダイポーダルシランは、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり得る。
一実施形態では、カップリング剤の層は、環状アザシランを含む組成物からなる。特定の一実施形態では、カップリング剤の層は、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンからなる。
さらにもう一つの態様では、本発明は、レンズの光学面に転写可能な反射防止コーティングを有する光学面を備えた型に関する。様々な実施形態では、図3〜6に示されるように、そのような型は:
型302、402、502または602の光学面304、404、504または604の上に堆積した、約30〜40nmの厚さをもつ超疎水性材料の層306、406、506または606、ここで、超疎水性材料は、超疎水性材料に対して約1.7〜8.3重量%のダイポーダルシランを含有する;
層306、406、506または606の上に堆積した反射防止コーティングの層状構造311、411、511または611;および
反射防止コーティングの層状構造311、411、511または611の上に堆積した、ディップコーティングまたは蒸着を用いて単層の厚さで堆積されるカップリング剤の層326、426、526または626
を有する。
図3〜6に示されるように、反射防止コーティングの層状構造311、411、511または611は:
(1)層306、406、506または606の上に堆積した、第1の屈折率および約5〜100nmの厚さをもつ第1の材料の層312、412、512または612;
(2)層312、412、512または612に堆積した、第2の屈折率および約40〜50nmの厚さをもつ第2の材料の層314、414、514または614;
(3)層314、414、514または614に堆積した、第1の屈折率および約10〜20nmの厚さをもつ第1の材料の層316、416、516または616;
(4)層316、416、516または616に堆積した、第2の屈折率および約50〜70nmの厚さをもつ第2の材料の層318、418、518または618;
(5)層318、418、518または618に堆積した、第1の屈折率および約25〜40nmの厚さをもつ第1の材料の層320、420、520または620;
(6)層320、420、520または620に堆積した、第2の屈折率および約10〜25nmの厚さをもつ第2の材料の層322、422、522または622;ならびに
(7)層322、422、522または622に堆積した、第1の屈折率および約5〜15nmの厚さをもつ第1の材料の層324、424、524または624
を有する。
第1の屈折率Lおよび第2の屈折率Hは、H/L>1の比を満たす。言い換えれば、第2の屈折率の値は、第1の屈折率の値よりも大きい。
一実施形態では、第1の屈折率をもつ第1の材料はSiOを含み、第2の屈折率をもつ第2の材料はZrOを含む。
図3に示される一実施形態では、さらに、MgFの層305が層306と光学面304との間に形成されるように、イオンアシストされ、5〜100nmの厚さをもつ層305を、光学面304の上に堆積する。その上、SiOの層310が層306と層312との間に形成されるように、層310が、イオンアシストを用いずに5〜40nmの厚さで層306の上に堆積される。
あるいは、図5および6に示される様々な実施形態では、SiOの層510、610が層506、606と層512、612との間に形成されるように、層510、610が、イオンアシストを用いずに、5〜40nmの厚さで層506、606の上に堆積される。
反射防止コーティングの層状構造中のSiOの各層は、イオンアシストを用いてまたはイオンアシストを用いずに堆積される。
ダイポーダルシランは、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり得る。
カップリング剤の層は、環状アザシランを含む組成物で形成される。図3〜6に示される様々な実施形態では、カップリング剤の層は、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンで形成される。
さらなる態様では、本発明は光学レンズに関する。光学レンズは、光学面を備えるレンズ体、および、光学面の上に形成された反射防止コーティングを有し、図3〜6に示される様々な実施形態では、反射防止コーティングは:
型302、402、502または602の光学面304、404、504または604の上に堆積した、約30〜40nmの厚さをもつ超疎水性材料の層306、406、506または606、ここで、超疎水性材料は、超疎水性材料に対して約1.7〜8.3重量%のダイポーダルシランを含有する;
層306、406、506または606の上に堆積した、反射防止コーティングの層状構造311、411、511または611;および
反射防止コーティングの層状構造311、411、511または611の上に堆積し、光学面とカップリングした、蒸着を用いて単層の厚さで堆積されるカップリング剤の層326、426、526または626
を有する。
反射防止コーティングの層状構造311、411、511または611は:
(1)層306、406、506または606の上に堆積した、第1の屈折率および約5〜100nmの厚さをもつ第1の材料の層312、412、512または612;
(2)層312、412、512または612に堆積した、第2の屈折率および約40〜50nmの厚さをもつ第2の材料の層314、414、514または614;
(3)層314、414、514または614に堆積した、第1の屈折率および約10〜20nmの厚さをもつ第1の材料の層316、416、516または616;
(4)層316、416、516または616に堆積した、第2の屈折率および約50〜70nmの厚さをもつ第2の材料の層318、418、518または618;
(5)層318、418、518または618に堆積した、第1の屈折率および約25〜40nmの厚さをもつ第1の材料の層320、420、520または620;
(6)層320、420、520または620に堆積した、第2の屈折率および約10〜25nmの厚さをもつ第2の材料の層322、422、522または622;および
(7)層322、422、522または622に堆積した、第1の屈折率および約5〜15nmの厚さをもつ第1の材料の層324、424、524または624
で形成される。
第1の屈折率Lおよび第2の屈折率Hは、H/L>1の比を満たす。言い換えれば、第2の屈折率の値は、第1の屈折率の値よりも大きい。
図3〜6に示される様々な実施形態では、第1の屈折率をもつ第1の材料はSiOを含み、第2の屈折率をもつ第2の材料はZrOを含む。
図3に示される一実施形態では、SiOの層310が層306と層312との間に形成されるように、層310は、イオンアシストを用いずに5〜40nmの厚さで層306の上に堆積される。
図5および6に示される様々な実施形態では、SiOの層510、610が、層506、606と層512、612との間に形成されるように、層510、610は、イオンアシストを用いずに5〜40nmの厚さで層506、606の上に堆積される。
さらにもう一つの態様では、本発明は、レンズの作成に使用できるカップリング剤に関する。一実施形態では、カップリング剤は環状アザシランを含む。特定の一実施形態では、環状アザシランは、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンを含む。特に使用時には、環状アザシランは溶媒中で適用されるものとする。SiOが第1の屈折率をもつ第1の材料として使用される、図3〜6に示される実施形態について、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンをカップリング剤として使用することによって、図2に示されるように水または熱を必要としない表面結合開環反応(surface bonding ring opening reaction)を可能にし、その結果非常に良好な結合をもたらし、現場でのARレンズ形成を実現させる。これは、数ある中でも高熱を必要とする、図1に示される方法よりもはるかに良い。
さらに注意されることは、本発明を実践する際に、上記の各実施形態の工程は、与えられる順序で、または異なる順序で行うことができることである。
さらなる態様では、本発明は光学レンズに関する。一実施形態では、光学レンズは、光学面を備えるレンズ体、光学面の上のハードコート層、および光学面の上の反射防止コーティングを有する。
一実施形態では、反射防止コーティングは、ハードコート層の上の単層の厚さをもつカップリング剤の層、カップリング剤の層の上の反射防止コーティングの層状構造、カップリング剤の層の上の反射防止コーティングの層状構造の上のイオンアシストを用いずに、約5〜40nmの厚さで堆積されるSiOの第1の層、および、SiOの第1の層の上の約30〜40nmの厚さをもつ超疎水性材料の層を有する、ここで、超疎水性材料は、超疎水性材料に対して約1.7〜8.3重量%のダイポーダルシランを含有する。ダイポーダルシランは、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンであり得る。
前述の本発明の例となる実施形態の説明は、例証および説明を目的とするためだけに示されたものであり、網羅的であるかまたは開示される正確な形態に本発明を制限することを意図するものではない。上記の教示を考慮すれば、多くの変更形態および変形形態が可能である。
実施形態は、その他の当業者が本発明および様々な実施形態を利用することができるように、本発明の原理およびそれらの実際的な適用を説明するために、企図される特定の使用に適している様々な変更形態とともに、選択され記載された。代替実施形態は、本発明の精神および範囲を逸脱しない範囲で本発明の属する分野の当業者に明らかになるであろう。したがって、本発明の範囲は、前述の説明およびその中に記載される例となる実施形態よりもむしろ添付される特許請求の範囲によって定義される。

Claims (67)

  1. 反射防止コーティングを型の光学面に適用するための方法であって、
    (a)光学面を有するレンズ型を準備する工程;
    (b)フッ化物または酸化物材料の堆積層を、前記レンズ型の前記光学面に形成する工程;
    (c)疎水性材料の層を前記堆積層の上に形成する工程であって、前記疎水性材料が、前記疎水性材料の相対的な百分率である一定量のダイポーダルシランを含有するものである、工程;
    (d)約5〜40nmの厚さをもつSiOの第1の層を、前記疎水性材料の前記層の上に形成する工程;
    (e)反射防止コーティングの層状構造を、前記SiOの第1の層の上に形成する工程;および
    (f)非プロトン性条件下での蒸着を用いるか、または非プロトン性溶媒中のシランカップリング剤の溶液を用いるディップコーティングによって、前記反射防止コーティングの層状構造に単層の厚さで堆積されるシランカップリング剤の層を形成する工程
    を含む、方法。
  2. 前記堆積層が、それに続く全ての層が互いに付着しているままであるように、前記型表面と前記疎水性層との間の一時的粘着を提供するように適合化されている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記堆積層が、LiF、MgF、CaF、SrF、BaF、LaF、CeF、HfF、NdF、SiO、ZrO、Al、Cr、HfO、In、Ta、TiO、Y、またはそれらの組合せで形成される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記堆積層が、イオンアシストを用いてMgFで形成され、約45nmの厚さを有する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記疎水性層が、約30〜40nmの厚さをもつ超疎水性層であり、前記ダイポーダルシランの量が、前記超疎水性材料の約1.7〜8.3重量%である、請求項1に記載の方法。
  6. 反射防止コーティングの層状構造を、前記SiOの第1の層の上に形成する前記工程が、
    (a)前記SiOの第1の層に、イオンアシストを用いて約5〜100nmの厚さで堆積されるSiOの第2の層を形成する工程;
    (b)前記SiOの第2の層に約40〜50nmの厚さをもつZrOの第1の層を形成する工程;
    (c)前記ZrOの第1の層に、イオンアシストを用いて約10〜20nmの厚さで堆積されるSiOの第3の層を形成する工程;
    (d)前記SiOの第3の層に、約50〜70nmの厚さをもつZrOの第2の層を形成する工程;
    (e)前記ZrOの第2の層に、イオンアシストを用いて約25〜40nmの厚さで堆積されるSiOの第4の層を形成する工程;
    (f)前記SiOの第4の層に、約10〜25nmの厚さをもつZrOの第3の層を形成する工程;および
    (g)前記ZrOの第3の層に、イオンアシストを用いて約5〜15nmの厚さで堆積されるSiOの第5の層を形成する工程
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記ダイポーダルシランが、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記シランカップリング剤の前記層が、環状アザシランを含む組成物で形成される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記シランカップリング剤の前記層が、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンで形成される、請求項8に記載の方法。
  10. 反射防止コーティングの層状構造を、前記SiOの第1の層に形成する前記工程が、
    (a)前記SiOの第1の層に、イオンアシストを用いて約5〜100nmの厚さで堆積される、第1の屈折率をもつ第1の材料の第1の層を形成する工程;
    (b)前記第1の材料の前記第1の層に、約40〜50nmの厚さをもつ、第2の屈折率をもつ第2の材料の第2の層を形成する工程;
    (c)前記第2の材料の前記第2の層に、イオンアシストを用いて約10〜20nmの厚さで堆積される、前記第1の屈折率をもつ前記第1の材料の第3の層を形成する工程;
    (d)前記第3の層に、約50〜70nmの厚さをもつ、前記第2の屈折率をもつ前記第2の材料の第4の層を形成する工程;
    (d)前記第4の層に、イオンアシストを用いて約25〜40nmの厚さで堆積される、前記第1の屈折率をもつ前記第1の材料の第5の層を形成する工程;
    (f)前記第5の層に、約10〜25nmの厚さをもつ、前記第2の屈折率をもつ前記第2の材料の第6の層を形成する工程;および
    (g)前記第6の層に、イオンアシストを用いて約5〜15nmの厚さで堆積される、前記第1の屈折率をもつ前記第1の材料の第7の層を形成する工程
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記第1の屈折率Lおよび前記第2の屈折率Hが、H/L>1の比を満たす、請求項10に記載の方法。
  12. 前記第1の屈折率をもつ前記第1の材料が、SiOを含み、前記第2の屈折率をもつ前記第2の材料が、ZrOを含む、請求項11に記載の方法。
  13. レンズの光学面に転写可能な、反射防止コーティングを有する光学面を備えた型であって、
    (a)前記光学面に堆積したフッ化物または酸化物材料の堆積層;
    (b)疎水性材料が前記疎水性材料の相対的な百分率である一定量のダイポーダルシランを含有する、前記堆積層の上の前記疎水性材料の層;
    (c)前記疎水性材料の層に堆積した、イオンアシストを用いずに、約5〜40nmの厚さで堆積されるSiOの第1の層;
    (d)前記SiOの第1の層に堆積した、反射防止コーティングの層状構造;および
    (e)前記反射防止コーティングの層状構造の上に堆積される、蒸着を用いて単層の厚さで堆積された、または非プロトン性溶媒中のシランカップリング剤の溶液を用いるディップコーティングによって堆積された、シランカップリング剤の層
    を含む型。
  14. 前記堆積層が、それに続く全ての層が互いに付着しているままであるように、前記型表面と前記疎水性層との間の一時的粘着を提供するように適合化されている、請求項13に記載の型。
  15. 前記堆積層が、LiF、MgF、CaF、SrF、BaF、LaF、CeF、HfF、NdF、SiO、ZrO、Al、Cr、HfO、In、Ta、TiO、Y、またはそれらの組合せで形成される、請求項13に記載の型。
  16. 前記第1の堆積層が、イオンアシストを用いてMgFで形成され、約45nmの厚さを有する、請求項14に記載の型。
  17. 前記疎水性層が、約30〜40nmの厚さをもつ超疎水性層であり、前記ダイポーダルシランの量が、前記超疎水性材料の1.7〜8.3%である、請求項13に記載の型。
  18. 前記反射防止コーティングの層状構造が:
    (a)前記SiOの第1の層に、イオンアシストを用いて約5〜100nmの厚さで堆積されたSiOの第2の層;
    (b)前記SiOの第2の層に堆積した、約40〜50nmの厚さをもつZrOの第1の層;
    (c)前記ZrOの第1の層に、イオンアシストを用いて約10〜20nmの厚さで堆積されたSiOの第3の層;
    (d)前記SiOの第3の層に堆積した、約50〜70nmの厚さをもつZrOの第2の層;
    (e)前記ZrOの第2の層に、イオンアシストを用いて約25〜40nmの厚さで堆積されたSiOの第4の層;
    (f)前記SiOの第4の層に堆積した、約10〜25nmの厚さをもつZrOの第3の層;および
    (g)前記ZrOの第3の層に、イオンアシストを用いて約5〜15nmの厚さで堆積されたSiOの第5の層
    を含む、請求項13に記載の型。
  19. 前記ダイポーダルシランが、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンを含む、請求項13に記載の型。
  20. 前記シランカップリング剤の前記層が、環状アザシランを含む組成物で形成される、請求項13に記載の型。
  21. 前記シランカップリング剤の前記層が、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンで形成される、請求項20に記載の型。
  22. 前記反射防止コーティングの層状構造が:
    (a)前記SiOの第2の層に堆積した、イオンアシストを用いて約5〜100nmの厚さで堆積される、第1の屈折率をもつ第1の材料の第1の層;
    (b)前記第1の材料の前記第1の層に堆積した、約40〜50nmの厚さをもつ、第2の屈折率をもつ第2の材料の第2の層;
    (c)前記第2の材料の前記第2の層に堆積した、イオンアシストを用いて約10〜20nmの厚さで堆積される、前記第1の屈折率をもつ前記第1の材料の第3の層;
    (d)前記第3の層に堆積した、約50〜70nmの厚さをもつ、前記第2の屈折率をもつ前記第2の材料の第4の層;
    (e)前記第4の層に堆積した、イオンアシストを用いて約25〜40nmの厚さで堆積される、前記第1の屈折率をもつ前記第1の材料の第5の層;
    (f)前記第5の層に堆積した、約10〜25nmの厚さをもつ、前記第2の屈折率をもつ前記第2の材料の第6の層;および
    (g)前記第6の層に堆積した、イオンアシストを用いて約5〜15nmの厚さで堆積される、前記第1の屈折率をもつ前記第1の材料の第7の層
    を含む、請求項13に記載の型。
  23. 前記第1の屈折率Lおよび前記第2の屈折率Hが、H/L>1の比を満たす、請求項22に記載の型。
  24. 前記第1の屈折率をもつ前記第1の材料がSiOを含み、前記第2の屈折率をもつ前記第2の材料がZrOを含む、請求項23に記載の型。
  25. 光学面を備えるレンズ体;
    前記光学面の上のハードコート層;および
    前記光学面の上の反射防止コーティングを含む光学レンズであって、前記反射防止コーティングが:
    (a)前記ハードコート層の上の、単層の厚さをもつシランカップリング剤の層;
    (b)前記シランカップリング剤の前記層の上の反射防止コーティングの層状構造;
    (c)前記シランカップリング剤の層の上の前記反射防止コーティングの層状構造の上の、イオンアシストを用いずに、約5〜40nmの厚さで堆積されるSiOの第1の層;および
    (d)前記SiOの第1の層の上の疎水性材料の層であって、前記疎水性材料が前記疎水性材料の相対的な百分率である一定量のダイポーダルシランを含有する層
    を含む、光学レンズ。
  26. 前記疎水性層が、約30〜40nmの厚さをもつ超疎水性層であり、前記ダイポーダルシランの量が、前記超疎水性材料の1.7〜8.3%である、請求項25に記載の光学レンズ。
  27. 前記反射防止コーティングの層状構造が:
    (a)前記SiOの第1の層に、イオンアシストを用いて約5〜100nmの厚さで堆積されたSiOの第2の層;
    (b)前記SiOの第2の層に堆積した、約40〜50nmの厚さをもつZrOの第1の層;
    (c)前記ZrOの第1の層に、イオンアシストを用いて約10〜20nmの厚さで堆積されたSiOの第3の層;
    (d)前記SiOの第3の層に堆積した、約50〜70nmの厚さをもつZrOの第2の層;
    (e)前記ZrOの第2の層に、イオンアシストを用いて約25〜40nmの厚さで堆積されたSiOの第4の層;
    (f)前記SiOの第4の層に堆積した、約10〜25nmの厚さをもつZrOの第3の層;および
    (g)前記ZrOの第3の層に、イオンアシストを用いて約5〜15nmの厚さで堆積されたSiOの第5の層
    を含む、請求項25に記載の光学レンズ。
  28. 前記ダイポーダルシランが、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンを含む、請求項25に記載の光学レンズ。
  29. 前記シランカップリング剤の前記層が、環状アザシランを含む組成物で形成される、請求項25に記載の光学レンズ。
  30. 前記シランカップリング剤の前記層が、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンで形成される、請求項29に記載の光学レンズ。
  31. 前記反射防止コーティングの層状構造が:
    (a)前記SiOの第2の層に堆積した、イオンアシストを用いて約5〜100nmの厚さで堆積される、第1の屈折率をもつ第1の材料の第1の層;
    (b)前記第1の材料の前記第1の層に堆積した、約40〜50nmの厚さをもつ、第2の屈折率をもつ第2の材料の第2の層;
    (c)前記第2の材料の前記第2の層に堆積した、イオンアシストを用いて約10〜20nmの厚さで堆積される、前記第1の屈折率をもつ前記第1の材料の第3の層;
    (d)前記第3の層に堆積した、約50〜70nmの厚さをもつ、前記第2の屈折率をもつ前記第2の材料の第4の層;
    (e)前記第4の層に堆積した、イオンアシストを用いて約25〜40nmの厚さで堆積される、前記第1の屈折率をもつ前記第1の材料の第5の層;
    (f)前記第5の層に堆積した、約10〜25nmの厚さをもつ、前記第2の屈折率をもつ前記第2の材料の第6の層;および
    (g)前記第6の層に堆積した、イオンアシストを用いて約5〜15nmの厚さで堆積される、前記第1の屈折率をもつ前記第1の材料の第7の層
    を含む、請求項25に記載の光学レンズ。
  32. 前記第1の屈折率Lおよび前記第2の屈折率Hが、H/L>1の比を満たす、請求項31に記載の光学レンズ。
  33. 前記第1の屈折率をもつ前記第1の材料がSiOを含み、前記第2の屈折率をもつ前記第2の材料がZrOを含む、請求項32に記載の光学レンズ。
  34. 反射防止コーティングを型の光学面に適用するための方法であって、
    (a)光学面を有するレンズ型を準備する工程;
    (b)疎水性材料の層を前記光学面の上に形成する工程であって、前記疎水性材料が、前記疎水性材料の相対的な百分率である一定量のダイポーダルシランを含有する、工程;
    (c)反射防止コーティングの層状構造を前記疎水性材料の前記層の上に形成する工程;および
    (d)非プロトン性条件下での蒸着を用いて、または非プロトン性溶媒中のカップリング剤の溶液を用いるディップコーティングによって、前記反射防止コーティングの層状構造に単層の厚さで堆積されたカップリング剤の層を形成する工程
    を含む方法。
  35. 前記疎水性層が超疎水性層であり、前記ダイポーダルシランの量が、前記超疎水性材料の約1.7〜8.3重量%である、請求項34に記載の方法。
  36. 前記層の上に反射防止コーティングの層状構造を形成する工程が:
    (a)第1の屈折率および約5〜100nmの厚さをもつ第1の材料の第1の層を、前記超疎水性材料の前記層の上に形成する工程;
    (b)第2の屈折率および約40〜50nmの厚さをもつ第2の材料の第2の層を、前記第1の層に形成する工程;
    (c)前記第1の屈折率および約10〜20nmの厚さをもつ前記第1の材料の第3の層を、前記第2の層に形成する工程;
    (d)前記第2の屈折率および約50〜70nmの厚さをもつ前記第2の材料の第4の層を、前記第3の層に形成する工程;
    (e)前記第1の屈折率および約25〜40nmの厚さをもつ前記第1の材料の第5の層を、前記第4の層に形成する工程;
    (f)前記第2の屈折率および約10〜25nmの厚さをもつ前記第2の材料の第6の層を、前記第5の層に形成する工程;および
    (g)前記第1の屈折率および約5〜15nmの厚さをもつ前記第1の材料の第7の層を、前記第6の層に形成する工程
    をさらに含む、請求項34に記載の方法。
  37. 前記第1の屈折率Lおよび前記第2の屈折率Hが、H/L>1の比を満たす、請求項36に記載の方法。
  38. 前記第1の屈折率をもつ前記第1の材料がSiOであり、前記第2の屈折率をもつ前記第2の材料がZrOである、請求項37に記載の方法。
  39. 前記光学面の上に前記疎水性材料の層を形成する前記工程の前に、フッ化物または酸化物材料の堆積層を、前記レンズ型の前記光学面に形成する工程をさらに含む、請求項34に記載の方法。
  40. 前記堆積層が、LiF、MgF、CaF、SrF、BaF、LaF、CeF、HfF、NdF、SiO、ZrO、Al、Cr、HfO、In、Ta、TiO、Y、またはそれらの組合せで形成される、請求項39に記載の方法。
  41. 前記反射防止コーティングの層状構造を前記疎水性材料の前記層の上に形成する前記工程の前に、SiOの第8の層が、前記超疎水性材料の前記層と前記第1の材料の前記第1の層との間に形成されるように、イオンアシストを用いずに5〜40nmの厚さで前記疎水性材料の前記層の上に堆積される前記SiOの第8の層を形成する工程をさらに含む、請求項38に記載の方法。
  42. SiOの各層が、イオンアシストを用いてまたはイオンアシストを用いずに堆積される、請求項38に記載の方法。
  43. 前記ダイポーダルシランが、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンを含む、請求項34に記載の方法。
  44. 前記カップリング剤の層が、環状アザシランを含む組成物で形成される、請求項34に記載の方法。
  45. 前記カップリング剤の層が、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンで形成される、請求項44に記載の方法。
  46. レンズの光学面に転写可能な、反射防止コーティングを有する光学面を備えた型であって、
    (a)前記型の光学面の上に堆積された疎水性材料の層であって、前記疎水性材料が、前記疎水性材料の相対的な百分率である一定量のダイポーダルシランを含有する層;
    (b)前記疎水性材料の前記層の上に堆積された反射防止コーティングの層状構造;および
    (c)蒸着を用いて、または非プロトン性溶媒中のカップリング剤の溶液を用いるディップコーティングによって前記反射防止コーティングの層状構造の上に単層の厚さで堆積されたカップリング剤の層
    を含む型。
  47. 前記疎水性層が、超疎水性層であり、前記ダイポーダルシランの量が、前記超疎水性材料の約1.7〜8.3重量%である、請求項46に記載の型。
  48. 前記反射防止コーティングの層状構造が:
    (a)前記疎水性材料の前記層の上に堆積した、第1の屈折率および約5〜100nmの厚さをもつ第1の材料の第1の層;
    (b)前記第1の層に堆積した、第2の屈折率および約40〜50nmの厚さをもつ第2の材料の第2の層;
    (c)前記第2の層に堆積した、前記第1の屈折率および約10〜20nmの厚さをもつ前記第1の材料の第3の層;
    (d)前記第3の層に堆積した、前記第2の屈折率および約50〜70nmの厚さをもつ前記第2の材料の第4の層;
    (e)前記第4の層に堆積した、前記第1の屈折率および約25〜40nmの厚さをもつ前記第1の材料の第5の層;
    (f)前記第5の層に堆積した、前記第2の屈折率および約10〜25nmの厚さをもつ前記第2の材料の第6の層;ならびに
    (g)前記第6の層に堆積した、前記第1の屈折率および約5〜15nmの厚さをもつ前記第1の材料の第7の層
    を含む、請求項46に記載の型。
  49. 前記第1の屈折率Lおよび前記第2の屈折率Hが、H/L>1の比を満たす、請求項48に記載の型。
  50. 前記第1の屈折率をもつ前記第1の材料がSiOであり、前記第2の屈折率をもつ前記第2の材料がZrOである、請求項49に記載の型。
  51. 前記疎水性材料の前記層と前記光学面との間に形成されたフッ化物または酸化物材料の堆積層をさらに含む、請求項47に記載の型。
  52. 前記堆積層が、LiF、MgF、CaF、SrF、BaF、LaF、CeF、HfF、NdF、SiO、ZrO、Al、Cr、HfO、In、Ta、TiO、Y、またはそれらの組合せで形成される、請求項51に記載の型。
  53. SiOの層が前記疎水性材料の前記層と前記第1の材料の前記第1の層との間に形成されるように、イオンアシストを用いずに5〜40nmの厚さで前記疎水性材料の前記層の上に堆積される前記SiOの層をさらに含む、請求項48に記載の型。
  54. SiOの各層が、イオンアシストを用いてまたはイオンアシストを用いずに堆積される、請求項50に記載の型。
  55. 前記ダイポーダルシランが、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンを含む、請求項46に記載の型。
  56. 前記カップリング剤の前記層が、環状アザシランを含む組成物で形成される、請求項46に記載の型。
  57. 前記カップリング剤の前記層が、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンで形成される、請求項56に記載の型。
  58. 光学面を備えるレンズ体;
    前記光学面の上のハードコート層;および
    前記光学面の上に形成された反射防止コーティング
    を備える光学レンズであって、前記反射防止コーティングが:
    (a)前記光学面の上に堆積した、単層の厚さをもつカップリング剤の層;
    (b)前記カップリング剤の前記層の上に堆積した、反射防止コーティングの層状構造;および
    (c)疎水性材料が、前記疎水性材料の相対的な百分率である一定量のダイポーダルシランを含有する、前記反射防止コーティングの層状構造の上に堆積した前記疎水性材料の層を含む、光学レンズ。
  59. 前記疎水性層が超疎水性層であり、前記ダイポーダルシランの量が前記超疎水性材料の約1.7〜8.3重量%である、請求項58に記載の光学レンズ。
  60. 前記反射防止コーティングの層状構造が:
    (a)前記疎水性材料の層の上に堆積した、第1の屈折率および約5〜100nmの厚さをもつ第1の材料の第1の層;
    (b)前記第1の層に堆積した、第2の屈折率および約40〜50nmの厚さをもつ第2の材料の第2の層;
    (c)前記第2の層に堆積した、前記第1の屈折率および約10〜20nmの厚さをもつ前記第1の材料の第3の層;
    (d)前記第3の層に堆積した、前記第2の屈折率および約50〜70nmの厚さをもつ前記第2の材料の第4の層;
    (e)前記第4の層に堆積した、前記第1の屈折率および約25〜40nmの厚さをもつ前記第1の材料の第5の層;
    (f)前記第5の層に堆積した、前記第2の屈折率および約10〜25nmの厚さをもつ前記第2の材料の第6の層;ならびに
    (g)前記第6の層に堆積した、前記第1の屈折率および約5〜15nmの厚さをもつ前記第1の材料の第7の層
    を含む、請求項58に記載の光学レンズ。
  61. 前記第1の屈折率Lおよび前記第2の屈折率Hが、H/L>1の比を満たす、請求項60に記載の光学レンズ。
  62. 前記第1の屈折率をもつ前記第1の材料がSiOであり、前記第2の屈折率をもつ前記第2の材料がZrOである、請求項62に記載の光学レンズ。
  63. SiOの層が、前記疎水性材料の前記層と前記第1の材料の前記第1の層との間に形成されるように、イオンアシストを用いずに、約5〜40nmの厚さで、前記疎水性材料の前記層の上に堆積される前記SiOの層をさらに含む、請求項60に記載の光学レンズ。
  64. SiOの各層が、イオンアシストを用いてまたはイオンアシストを用いずに堆積される、請求項62に記載の光学レンズ。
  65. 前記ダイポーダルシランが、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンを含む、請求項58に記載の光学レンズ。
  66. 前記カップリング剤の前記層が、環状アザシランを含む組成物で形成される、請求項58に記載の光学レンズ。
  67. 前記カップリング剤の前記層が、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシ−シラシクロペンタンで形成される、請求項66に記載の光学レンズ。
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