JP2010276782A - 画像表示装置 - Google Patents

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幸夫 細谷
Okushi Okuyama
奥士 奥山
Satoru Uchino
哲 内野
Hiroyuki Konno
寛之 金野
Koji Shibata
幸治 柴田
Mikio Kamiyama
幹夫 神山
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Abstract

【課題】低温低湿環境下であっても、繰り返しの駆動時におけるコントラストの低下を長期にわたって十分に防止する画像表示装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも一方が透明な2枚の基板11,12および該基板間に粉体形態で封入される表示粒子21,22を備え、基板間に電界を発生させることによって、表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置10であって、前記基板間の間隙における表示粒子との接触面のうち、両方の基板側の面20a,20bが同一金属の酸化物層1を有し、表示粒子が正帯電性表示粒子22および負帯電性表示粒子21を含み、正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子の両方が、少なくとも樹脂および着色剤を含有する母体粒子の表面に、基板側の面が有する金属酸化物層1と同一金属の酸化物層および有機層を順次、有してなることを特徴とする画像表示装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示粒子を電界中で移動させることにより、画像の表示および消去を繰り返し実行できる画像表示装置に関する。
従来より、表示粒子を気相中で移動させて画像を表示する画像表示装置が知られている。画像表示装置は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示粒子が粉体形態で封入されてなり、該基板間に電界を発生させることによって、表示粒子を一方の基板に移動・付着させて画像を表示するものである。そのような画像表示装置の駆動の際には、基板間に電圧を印加して電界を発生させ、当該電界方向に沿って表示粒子が移動するため、電界方向を適宜選択することによって画像の表示および消去を繰り返し実行できる。
しかしながら、表示粒子が基板に一旦、付着すると、その付着力は比較的大きいので、表示粒子が基板に付着したまま動かなくなり、画像部と非画像部とのコントラストが損なわれるという問題が生じていた。
表示粒子と基板との付着力を低減するために、表示粒子として、結着樹脂および着色剤を含有する母体粒子の表面に疎水性シリカや疎水性チタニアなどの無機微粒子をヘンシェルミキサー等による乾式混合法にて被覆したものが知られている(特許文献1)。しかしながら、上述した乾式混合法では、完全に母体粒子表面を覆うことができないので、微粒子による付着力低減効果が十分に発揮できない。そのため、繰り返しの駆動時において画像部と非画像部とのコントラストが低下した。
特開2004−29699号公報
そこで、湿式合成法により母体粒子表面に金属酸化物層を形成し、その上に有機層を形成することで、コントラスト耐久性を向上させる技術が本発明の発明者等によって見いだされた。しかしながら、そのような技術では、常温常圧環境下ではコントラスト耐久性の向上効果は得られるものの、低温低湿環境下で繰り返しの駆動を行うと、表示粒子の帯電量の絶対値が上昇し、コントラストが低下した。
本発明は、低温低湿環境下であっても、繰り返しの駆動時におけるコントラストの低下を長期にわたって十分に防止する画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板および該基板間に粉体形態で封入される表示粒子を備え、基板間に電界を発生させることによって、表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置であって、
前記基板間の間隙における表示粒子との接触面のうち、両方の基板側の面が同一金属の酸化物層を有し、
表示粒子が正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子を含み、正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子の両方が、少なくとも樹脂および着色剤を含有する母体粒子の表面に、前記基板側の面が有する金属酸化物層と同一金属の酸化物層および有機層を順次、有してなることを特徴とする画像表示装置に関する。
本発明によれば、低温低湿環境下であっても、繰り返しの駆動時におけるコントラストの低下を長期にわたって十分に防止できる。
本発明の画像表示装置の一例の断面構成を示す概略図である。 本発明の画像表示装置に使用される表示粒子の一例の断面構成を示す概略図である。 基板間への電圧印加による表示粒子の移動の例を示す模式図である。 基板間への電圧印加による表示粒子の移動の例を示す模式図である。 画像表示面の形状例を示す模式図である。 表示粒子の封入方法の一例を示す模式図である。 本発明に有用なジェット方式の金属酸化物層製造装置の一例を示した概略図である。
[画像表示装置]
本発明に係る画像表示装置は、少なくとも一方が透明な2枚の基板および該基板間に粉体形態で封入される表示粒子を備え、基板間に電界を発生させることによって、表示粒子を移動させて画像を表示するものである。以下、本発明の画像表示装置について詳細に説明する。なお、本発明に係る画像表示装置は、「粉体ディスプレイ」とも呼ばれるものである。
本発明に係る画像表示装置の代表的な構成断面を図1に示す。図1(a)は、基板11、12上に層構造の電極15を設け、電極15表面に絶縁層16を設けたものである。図1(b)に示す画像表示装置は、図1(a)の画像表示装置内に電極を設けていない構造のもので、装置外部に設けられた電極を介して電界を付与させ、表示粒子の移動を行える様にしたものである。図1(a)および図1(b)における同じ符号は同じ部材を意味するものとする。図1は図1(a)および図1(b)を包含して意味するものとする。図1の画像表示装置10は、図に示す様に、基板11側より画像を視認するものとするが、本発明では基板11側より画像を視認するものに限定されるものではない。また、図1(b)に示すタイプは、装置自体に電極15が設けられていない分、装置の構造を簡略化させ、その製造工程を短縮化することができるメリットがある。図1(b)に示すタイプの画像表示装置10を電圧印加可能な装置にセットして電圧印加を行う様子を示すものを図4に示す。なお、本発明に係る画像表示装置の断面構成は図1(a)と(b)に示すものに限定されるものではない。
図1(a)の画像表示装置10の最外部には、当該画像表示装置を構成する筐体である2つの基板11と12が対向して配置されている。基板11と12は双方が向き合う側の面上に電圧印加を行うための電極15が設けられ、さらに、電極15上に絶縁層16が設けられている。基板11と12には、電極15と絶縁層16が設けられ、電極15と絶縁層16を有する側の面を対向させて形成される間隙18には表示粒子が存在する。
図1(b)の画像表示装置10の最外部にも、当該画像表示装置を構成する筐体である2つの基板11と12が対向して配置されている。基板11と12は双方が向き合う側の面上に絶縁層16が設けられている。基板11と12には、絶縁層16が設けられ、絶縁層16を有する側の面を対向させて形成される間隙18には表示粒子が存在する。
本発明では間隙18における表示粒子との接触面のうち、両方の基板側の面が同一金属の酸化物層を有している。基板側の面とは、間隙18を構成する表示粒子接触面のうち、基板のそばの面、すなわち基板と略平行の面という意味であり、図1中、面20a、20bを指すものである。そのような基板側の面20a、20bの両方の面が同一の金属酸化物層1を有している。
金属酸化物層1が形成される基板側の面20a、20bは、画像表示装置の構造によって異なり、例えば、絶縁層16の表面、電極15の表面、基板11および12の表面であってよい。具体的には、例えば、図1(a)および(b)の画像表示装置の場合、金属酸化物層1が形成されるのは絶縁層16の表面である。また例えば、図1(a)の画像表示装置において絶縁層を有さない場合、金属酸化物層1が形成されるのは電極15の表面である。また例えば、図1(b)の画像表示装置において絶縁層を有さない場合、金属酸化物層1が形成されるのは基板11および12の表面である。
両方の基板側の面が同一金属の酸化物層を有するとは、一方の基板側(例えば、20a)の面が有する金属酸化物層1が、他方の基板側の面(例えば、20b)が有する金属酸化物層1に含まれる金属原子と同一の金属原子の酸化物層であるという意味であり、それらの金属酸化物層1は同一の化学式で表せることが好ましい。より好ましくは、一方の基板側(例えば、20a)の面が有する金属酸化物層1と、他方の基板側の面(例えば、20b)が有する金属酸化物層1とは、結晶形態および形成方法も同一である。厚み等の他の条件はそれぞれ独立して選択されればよい。両方の基板側の面が互いに異なる金属原子の酸化物層を有すると、低温低湿環境下においてコントラスト耐久性が低下する。
金属酸化物層1の構成材料は光透過性を有する材料が使用され、たとえば所定の厚みで金属酸化物層を形成したとき、可視光透過率が80%以上の光透過性を達成する材料が好ましい。好ましい材料の具体例として、例えば、ケイ素酸化物、チタン酸化物、アルミニウム酸化物、およびそれらの複合物等が挙げられる。ケイ素酸化物としては、SiOが挙げられる。チタン酸化物としては、Ti、Ti、TiO、Ti2n−1(nは4〜9の整数)が挙げられ、好ましくはTiOである。アルミニウム酸化物としては、Alが挙げられる。
低温低湿環境下でのコントラスト耐久性の観点から好ましい金属酸化物層1は、実質的に単一の金属酸化物からなっており、具体的にはケイ素酸化物、チタン酸化物またはアルミニウム酸化物からなっていることが好ましく、より好ましくはSiO、TiOまたはAlからなっている。金属酸化物層1が実質的に単一の金属酸化物からなるとは、金属酸化物層1は1種類の金属酸化物からなり、不純物として他の金属酸化物や他の化合物を含有してもよいという意味である。不純物の含有量は通常、全重量の1000ppm以下である。
具体的には、例えば、一方の基板側(例えば、20a)の面が有する金属酸化物層1がSiO層であるとき、他方の基板側の面(例えば、20b)が有する金属酸化物層1はSiO層である。
また例えば、一方の基板側(例えば、20a)の面が有する金属酸化物層1がTiO層であるとき、他方の基板側の面(例えば、20b)が有する金属酸化物層1はTi層、Ti層、TiO層またはTi2n−1層(nは4〜9の整数)であってよく、好ましくはTiO層である。
また例えば、一方の基板側(例えば、20a)の面が有する金属酸化物層1がAl層であるとき、他方の基板側の面(例えば、20b)が有する金属酸化物層1はAl層である。
金属酸化物層1の厚みは、本発明の目的が達成される限り特に制限されるものではなく、通常は0.01〜10.0μmであり、特に0.1〜5.0μmが好ましい。
金属酸化物層1の厚みはDektak3030(SLOAN社製)によって測定された値を用いている。
金属酸化物層1は後で詳述する大気圧プラズマ処理方法によって形成できる。
両方の基板側の面が有する金属酸化物層1のうち、少なくとも一方の金属酸化物層1の表面には、有機層を有していても良い。
金属酸化物層1の表面に形成される有機層は、所定の面に疎水化剤またはその溶液を接触させた状態で、加熱した後、乾燥させることによって形成できる。
疎水化剤は、画像表示装置用表示粒子の分野で表示粒子に外添される無機微粒子の疎水化剤として従来から使用されている公知の疎水化剤が使用可能である。そのような疎水化剤として、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル等が使用可能である。
シランカップリング剤の具体例として、例えば、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、メタクリルシラン、オクチルシラン等が挙げられる。
シリコーンオイルの具体例として、例えば、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル等が挙げられる。シリコーンオイルは市販品として入手可能なKF−99、X−22−4039、KF−101、X−22−170BX(信越化学工業社製)、FZ−3704、SF8411FLUID(東レ・ダウコーニング社製)が使用可能である。
疎水化処理時の加熱温度および加熱時間は通常、50〜150℃および0.5〜20時間が好ましい。
処理液の疎水化剤濃度は10体積%以上が好適である。
処理液に含まれてよい溶媒は、特に制限されるものではなく、有機溶剤が使用可能である。そのような有機溶剤の具体例として、例えば、テトラヒドロフラン、アセトン、MEK、シクロヘキサン、トルエン等が挙げられる。
両方の金属酸化物層1の表面に有機層(図示せず)が形成される場合、それらの有機層の構成材料はそれぞれ独立して選択されればよい。低温低湿環境下でのコントラスト耐久性のさらなる向上の観点から、それらの有機層は構成材料が同一であることが好ましく、より好ましくは結晶形態および形成方法も同一である。有機層の厚み等の他の条件はそれぞれ独立して選択されればよい。
有機層の厚みは特に制限されるものではなく、例えば、0.1〜50.0nm、好ましくは1.0〜20.0nmである。
有機層の厚みは、金属酸化物層1の厚みと同様の方法によって測定できる。
表示粒子は、正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子を含むものである。詳しくは、混合によって互いに摩擦接触させたり、または電荷付与材料としてのキャリアに対して摩擦接触させたりしたときに、正帯電性を示す表示粒子と、負帯電性を示す表示粒子とを使用する。正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子は通常、帯電極性だけでなく、色も異なるので、画像表示装置において基板間に電界を発生させたとき、視認方向上流の基板側の面20aに移動・付着する表示粒子と、視認方向下流の基板側の面20bに残留・付着する表示粒子との間で、当該色の差に基づいて、表示画像を視覚的に認識できるようになる。例えば、正帯電性表示粒子または負帯電性表示粒子の一方を白色とし、他方を黒色とすることができる。図1に示す画像表示装置10において、負帯電性表示粒子として黒色表示粒子(以下、黒色粒子という)21を用い、正帯電性表示粒子として白色表示粒子(以下、白色粒子という)22を用いている。
正帯電性表示粒子22および負帯電性表示粒子21の両方の表示粒子は、少なくとも樹脂および着色剤を含有する母体粒子の表面に金属酸化物層および有機層を有してなっている。詳しくは、例えば図2に示すように、少なくとも樹脂41および着色剤42を含有する母体粒子43の表面に金属酸化物層44および有機層45を順次、有してなっている。正帯電性表示粒子または負帯電性表示粒子の少なくとも一方の表示粒子が金属酸化物層44を有していなかったり、または有機層45を有していなかったりすると、低温低湿環境下において初期からコントラストが低下する。
正帯電性表示粒子22および負帯電性表示粒子21が有する金属酸化物層44は、前記基板側の面20a、20bが有する金属酸化物層1と同一金属の酸化物層である。正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子の金属酸化物層44が金属酸化物層1と同一金属の酸化物層であるとは、金属酸化物層44が、金属酸化物層1に含まれる金属原子と同一の金属原子の酸化物層であるという意味であり、金属酸化物層44および金属酸化物層1は同一の化学式によって表せることが好ましい。金属酸化物層44と金属酸化物層1とは厚みが異なっていてもよい。正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子の金属酸化物層44が互いに異なる金属原子の酸化物層であったり、または金属酸化物層1に含まれる金属原子と異なる金属原子の酸化物層であったりすると、低温低湿環境下においてコントラスト耐久性が低下する。異なる金属原子間ではフェルミ順位が異なるので、電荷の移動が発生し、帯電量の絶対値の上昇が起こると考えられる。
低温低湿環境下でのコントラスト耐久性の観点から好ましい金属酸化物層44は、実質的に単一の金属酸化物からなっている。金属酸化物層44を構成し得る材料の具体例としては、例えば、金属酸化物層1の構成材料として例示した金属酸化物が挙げられる。金属酸化物層44が実質的に単一の金属酸化物からなるとは、金属酸化物層44は1種類の金属酸化物からなり、不純物として他の金属酸化物や他の化合物を含有してもよいという意味である。不純物の含有量は通常、全重量の1000ppm以下である。
金属酸化物層1が実質的に単一の金属酸化物からなる場合、金属酸化物層44も実質的に単一の金属酸化物からなり、かつ金属酸化物層44に含まれる金属原子と金属酸化物層1に含まれる金属原子とが同一である。
具体的には、例えば金属酸化物層1がケイ素酸化物層であるとき、正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子の金属酸化物層44もケイ素酸化物層であればよい。詳しくは金属酸化物層1がSiO層であるとき、正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子の金属酸化物層44は同時にSiO層である。
また例えば、金属酸化物層1がチタン酸化物層であるとき、正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子の金属酸化物層44もチタン酸化物層であればよい。詳しくは金属酸化物層1がTiO層であるとき、正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子の金属酸化物層44はそれぞれ独立してTi層、Ti層、TiO層またはTi2n−1層(nは4〜9の整数)であってよく、好ましくは同時にTiO層である。
また例えば、金属酸化物層1がアルミニウム酸化物層であるとき、正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子の金属酸化物層44もアルミニウム酸化物層であればよい。詳しくは金属酸化物層1がAl層であるとき、正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子の金属酸化物層44は同時にAl層である。
金属酸化物層1が2種類以上の金属酸化物の複合物からなる場合、金属酸化物層44も2種類以上の金属酸化物の複合物からなり、かつ金属酸化物層44に含まれる2種類以上の金属原子と金属酸化物層1に含まれる2種類以上の金属原子とは種類が同一であり、両層における当該2種類以上の金属原子の含有比率は略同一である。
金属酸化物層44を金属酸化物層1と同一金属の酸化物層とすることによって、低温低湿環境下で繰り返しの駆動時における表示粒子の帯電量絶対値の上昇を抑制でき、結果として繰り返しの駆動時におけるコントラストの低下を長期にわたって十分に防止できる。そのような効果が得られるメカニズムの詳細は明らかではないが、以下のメカニズムに基づくものと考えられる。表示粒子が母体粒子表面に金属酸化物層44および有機層45を順次、有してなる場合、摩擦接触によって発生した電荷は内部方向に拡散し、金属酸化物層44全体で保持される。そのため、表示粒子の帯電性は、表示粒子の最表面に有機層45が形成されていても、金属酸化物層44に大きく依存する。そこで、表示粒子の金属酸化物層44と、基板側の面20a、20bの金属酸化物層1とを、同一金属の酸化物層とすると、両者のフェルミ準位が一致するため両者間での電荷の移動は抑制され、その結果、帯電量の絶対値の上昇を抑制できると考えられる。そのような効果は、前述したように、基板側の面20a、20bの金属酸化物層1の上にさらに有機層が形成された場合であっても、得ることができる。その理由は、基板側の面20a、20bの金属酸化物層1の上にさらに有機層が形成された場合、摩擦帯電によって発生した電荷は内部方向に拡散し、基板側の面20a、20bで保持される。そのため、表示粒子の金属酸化物層44と、基板側の面20a、20bの金属酸化物層1とを、同一金属の酸化物層とすると、両者のフェルミ準位が一致するため、たとえ金属酸化物層1の上にさらに有機層が形成されていても、両者間での電荷の移動は抑制され、その結果、帯電量の絶対値の上昇を抑制できると考えられる。
正帯電性表示粒子22が有する金属酸化物層44と、負帯電性表示粒子21が有する金属酸化物層44とは、好ましくは結晶形態および形成方法が同一である。厚み等の他の条件はそれぞれ独立して選択されればよい。
正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子の金属酸化物層44の厚みは特に制限されるものではなく、例えば、それぞれ独立して5〜250nm、好ましくは30〜200nmである。
金属酸化物層44の厚みは、走査型プローブ顕微鏡SPI3800N、多機能型ユニットSPA400(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)を用いて行った。
測定試料には、当該金属酸化物層44が形成された母体粒子をエポキシ樹脂に包埋し、60℃で24時間硬化後、ダイヤモンド歯を供えたミクロトームを用い平面を切り出すことにより、断面を平滑化し、粒子断面の観察できるブロックを用いた。
スキャナーはFS−100N(面内100μm、垂直15μm)、マイクロカンチレバーは窒化ケイ素製SN−AF01(バネ定数0.08N/m)を用いて、測定モードはマイクロ粘弾性モード(VE−AFM)で行った。加振周波数3〜5kHz、加振振幅4〜6nmに設定し、形状像、振幅A、Asinδ、Acosδの4画面を各10μm×10μmの測定エリアで同時に測定し、振幅像にて金属酸化物層を目視観測により確認し、粒子最表面から母体粒子までの距離を測定し、その平均値を金属酸化物層44の膜厚として算出した。具体的には、粒子の重心を通る直線との交点から算出し、直線は重心より等間隔の角度で放射状に設けられた8本の直線とする。測定を行う粒子の数は、最低でも100個以上とする。尚、測定環境は25℃±5℃で測定した。
金属酸化物層44は通常、図2に示すように、金属酸化物微粒子から構成される。
金属酸化物層44を構成する金属酸化物微粒子は、均一に母体粒子を被服する観点から、平均一次粒径が5〜250nm、特に30〜200nmであることが好ましい。そのような金属酸化物微粒子の平均一次粒径は正帯電性表示粒子と負帯電性表示粒子とでそれぞれ独立して上記範囲内で選択されればよい。
金属酸化物層44の金属酸化物微粒子の平均一次粒径は走査型電子顕微鏡「JSM-7410」(日本電子社製)を用いて粒子の10万倍の写真を撮影し、粒子50個についてそれぞれ最大長(粒子の周上の任意の2点間のうち最大の長さ)を測定し、その個数平均値を平均一次粒径とする。
金属酸化物層44は湿式法によって母体粒子表面に金属酸化物微粒子を析出させることによって形成される。
金属酸化物層44を形成する湿式法は、母体粒子を存在させること以外、金属酸化物微粒子を製造するための公知の湿式法と同様の方法が使用できる。例えば、ゾルゲル法、界面反応法等が挙げられる。
例えば、母体粒子表面に金属酸化物微粒子層をゾルゲル法によって形成する場合、母体粒子の水分散液に塩基性環境下で、所定の金属酸化物原料を滴下し、系を所定時間、撹拌する。これによって、表面に金属酸化物微粒子が密に析出・形成された母体粒子が得られる。
金属酸化物原料としては、SiO層を形成する場合は、例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等が使用可能である。
TiO層を形成する場合は、例えば、チタンテトライソプロポキシド等が使用可能である。
Al層を形成する場合は、例えば、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド等が使用可能である。
有機層45は有機系表面処理剤を用いて表面処理することによって形成される。詳しくは、表面に金属酸化物層44が形成された母体粒子に対して、有機系表面処理剤を用いて表面処理する。
有機系表面処理剤は、画像表示装置用表示粒子等の分野で使用される外添剤としての無機微粒子が表面処理される際に使用される有機金属化合物が使用され、例えば、有機ケイ素化合物、有機アルミ化合物、有機チタン化合物等が挙げられる。帯電性と疎水化の観点から好ましい有機系表面処理剤は有機ケイ素化合物である。有機金属化合物は有機基と、ケイ素原子、アルミニウム原子、チタン原子等の金属を含有する化合物である。有機金属化合物が有する有機基としては、例えば、炭素原子数1〜10のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等から選択される少なくとも1つの基が挙げられる。
正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子の有機系表面処理剤は、本発明の目的が達成される限り特に制限されず使用されてよいが、通常は、製造される表示粒子の帯電性に基づいて使い分けられる。例えば、正帯電性表示粒子の場合は正帯電性有機系表面処理剤および負帯電性有機系表面処理剤が併用され、負帯電性表示粒子の場合は負帯電性有機系表面処理剤が使用される。正帯電性表示粒子の場合に、正帯電性有機系表面処理剤および負帯電性有機系表面処理剤が併用されるのは、正帯電性とともに所定の疎水性を得るためである。正帯電性有機系表面処理剤は、表面処理に使用されることによって、表示粒子に正帯電性を付与する傾向のある有機金属化合物であり、負帯電性有機系表面処理剤は、表面処理に使用されることによって、表示粒子に負帯電性を付与する傾向のある有機金属化合物である。
正帯電性有機ケイ素化合物の具体例として、例えば、4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリス(2−エチルヘキソキシ)シラン、6−(アミノヘキシルアミノプロピル)トリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリエトキシシラン、3−(1−アミノプロポキシ)3,3−ジメチル−1−プロペニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジエチルメチルシラン、3−アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ω−アミノウンデシルトリメトキシシラン、アミノ変性シリコンオイル等のアミノシランカップリング剤;N−メチル−アザ−2,2,4−トリメチルシラシクロペントラン(N-methyl-aza-2,2,4-trimethylsilacyclopentrane)、N−アミノエチル−アザ−2,2,4−トリメチルシラシクロペントラン(N-aminoethyl-aza-2,2,4-trimethylsilacyclopentrane)、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシシラシクロペントラン(N-n-butyl-aza-2,2-dimethoxysilacyclopentane)等の環状シラザン;およびそれらの混合物が挙げられる。
負帯電性有機ケイ素化合物の具体例として、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン等の有機シラザン;メチルハイドロジェンジシロキサン、ジメチルジシロキサン、へキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シロキサン等の有機シロキサン;トリメチルシラン、オクチルトリメトキシシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、ジクロロシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等の有機シランカップリング剤;およびそれらの混合物が挙げられる。
負帯電性有機アルミ化合物の具体例として、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等の有機アルミカップリング剤;およびそれらの混合物が挙げられる。
負帯電性有機チタン化合物の具体例として、例えば、プロピルトリメトキシチタン、プロピルジメトキシメチルチタン、プロピルトリエトキシチタン、ブチルトリメトキシチタン、ブチルジメトキシメチルチタン、ブチルトリエトキシチタン、ビニルトリメトキシチタン、ビニルジメトキシメチルチタン、ビニルトリエトキシチタン、ビニルジエトキシメチルチタン、ヘキシルトリメトキシチタン、ヘキシルジメトキシメチルチタン、ヘキシルトリエトキシチタン、ヘキシルジエトキシメチルチタン、フェニルトリメトキシチタン、フェニルジメトキシメチルチタン、フェニルトリエトキシチタン、フェニルジエトキシメチルチタン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシチタン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシメチルチタン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシチタン、γ−グリシドキシプロピルジエトキシメチルチタン等の有機チタンカップリング剤;およびそれらの混合物が挙げられる。
表面処理方法は、被処理物として表面に金属酸化物層44が形成された母体粒子を用いること以外、画像表示装置用表示粒子等の分野で使用される外添剤としての無機微粒子の公知の表面処理方法と同様の方法が使用できる。
例えば、表面に金属酸化物層44が形成された母体粒子の分散液中、有機系表面処理剤を添加し、当該系を室温下または加熱下で撹拌して当該処理剤を反応させることによって、有機層45を金属酸化物層44上に形成できる。ただし、正帯電性有機系表面処理剤は、親水性が高く単独で用いると高疎水性が得られない。したがって、正帯電性表示粒子の表面処理では、正帯電性有機系表面処理剤で処理した後に、高疎水性が得られる負帯電性有機系表面処理剤で処理する。負帯電性有機系表面処理剤で処理した後に正帯電性有機系表面処理剤で処理した場合は、正帯電性が得られない。
有機層45の厚みは特に制限されず、通常は0.1〜50nm、好ましくは1〜20nmである。
有機層45の厚みは、金属酸化物層44と同様の方法で測定することができる。粒子最表面から母体粒子までの距離を測定し、その平均値と金属酸化物層44の膜厚との差分を当該有機層の厚みとして算出した。
正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子は、例えば、互いに摩擦接触させたり、または電荷付与材料としてのキャリア等の基準材料に対して摩擦接触させたりすることによって、所定の極性に帯電される。帯電極性は例えば、画像表示装置の製造時において正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子それぞれの帯電に使用されるキャリアの種類、母体粒子に含有される樹脂や荷電制御剤の種類等によって制御可能である。
表示粒子の体積平均粒径は通常、0.5〜50μmであり、好ましくは1〜20μmである。正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子の体積平均粒径はそれぞれ独立して上記範囲内であればよい。
体積平均粒径は体積基準メディアン径(d50径)であって、マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、サンプル0.02gを界面活性剤溶液20ml(粒子を分散させるためのもので、界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、分散液を作製する。この分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。なお、マルチサイザー3のアパチャー径は100μmのものを使用する。
正帯電性表示粒子と負帯電性表示粒子との混合割合は重量比で1/3〜3/1、特に1/2〜2/1が好適である。
本発明の表示粒子、すなわち正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子は、画像表示装置用表示粒子の分野で公知の外添剤が外添されて使用されてよい。外添剤として、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ等の無機微粒子、およびポリアクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機微粒子が挙げられる。外添剤の平均一次粒径は5〜250nm、特に10〜150nmが好適である。
間隙18の厚さは、封入された表示粒子が移動可能で画像のコントラストを維持できる範囲であれば、特に限定されるものではなく、通常は10μm乃至500μm、好ましくは10μm乃至200μmである。間隙18内における表示粒子の体積占有率は、5%乃至70%であり、好ましくは10%乃至60%である。表示粒子の体積占有率を上記範囲にすることにより、間隙18内で表示粒子がスムーズに移動でき、また、コントラストのよい画像が得られる。
次に、画像表示装置10の間隙18での表示粒子の挙動について説明する。
本発明に係る画像表示装置は、2枚の基板間に電圧を印加されて電界が形成されると、基板間に存在する表示粒子は、電界方向に沿って移動する様になる。この様に、表示粒子が存在する基板間に電圧を印加することにより、表示粒子が基板間を移動して画像表示を行うものである。
本発明に係る画像表示装置における画像表示は以下の手順により行われるものである。
(1)表示媒体として用いる表示粒子を、キャリアによる摩擦帯電等の公知の方法により帯電させる。
(2)対向する2枚の基板間に表示粒子を封入し、この状態で基板間に電圧を印加する。
(3)基板間への電圧印加により、基板間に電界が形成される。
(4)表示粒子は、電極間の電界の力の作用により表示粒子の極性と反対側の電界方向に沿って基板表面に引き寄せられ、画像表示が行える様になる。
(5)また、基板間の電界方向を変えることにより、表示粒子の移動方向を切り換える。この移動方向の切換えにより画像表示を様々に変えることができる。
上述した公知の方法による表示粒子の帯電方法としては、たとえば、キャリアに表示粒子を接触させて摩擦帯電により帯電させる方法、帯電性の異なる2色の表示粒子を混合して振とう器で撹拌して粒子間の摩擦帯電により表示粒子を帯電させる方法等が挙げられる。本発明では、キャリアを使用し、帯電した表示粒子を基板内に封入することが好ましい。
基板間への電圧印加に伴う表示粒子の移動の例を図3と図4に示す。
図3(a)は、基板11と12の間に電圧を印加する前の状態を示しており、電圧印加前は視認側の基板11近傍には正に帯電した白色粒子22が存在している。この状態は画像表示装置10が白色画像を表示しているものである。また、図3(b)は、電極15に電圧を印加した後の状態を示しており、電圧印加により負に帯電した黒色粒子21が視認側の基板11近傍に移動し、白色粒子22は基板12側に移動している。この状態は画像表示装置10が黒色画像を表示しているものである。
図4は、図1(b)に示した画像表示装置10に電極を有さないタイプのものを電圧印加装置30にセットし、この状態で電圧を印加する前の様子(図4(a))と電圧を印加した後の様子(図4(b))を示したものである。図1(b)に示すタイプの画像表示装置10も、電極15を有する画像表示装置10と同様、電圧印加により負に帯電した黒色粒子21が視認側の基板11近傍に移動し、正に帯電した白色粒子22は基板12側に移動している。
次に、図1に示す画像表示装置10を構成する基板11、12、電極15、絶縁層16、および隔壁17について説明する。
先ず、画像表示装置10を構成する基板11と12について説明する。画像表示装置10では、観察者は基板11と12の少なくとも一方の側から表示粒子により形成される画像を視認するので、観察者が視認する側に設けられる基板は透明な材質のものが求められる。したがって、観察者が画像を視認する側に使用される基板は、たとえば可視光透過率が80%以上の光透過性の材料が好ましく、80%以上の可視光透過率を有することにより十分な視認性が得られる。なお、画像表示装置10を構成する基板のうち、画像を視認する側の反対側に設けられる基板の材質は必ずしも透明なものである必要はない。
基板11、12の厚さは、それぞれ2μm〜5mmが好ましく、さらに、5μm〜2mmがより好ましい。基板11、12の厚さが上記範囲のとき、画像表示装置10に十分な強度を付与するとともに基板の間隔を均一に保つことができる。また、基板の厚さを上記範囲とすることでコンパクトで軽量な画像表示装置を提供することができるので、拡い分野での当該画像表示装置の使用を促進させる。さらに、画像を視認する側の基板の厚みを上記範囲とすることにより、表示画像の正確な視認が行え表示品質に支障を与えない。
可視光透過率が80%以上の材料としては、ガラスや石英等の可撓性を有さない無機材料や、後述する樹脂材料に代表される有機材料や金属シート等が挙げられる。このうち、有機材料や金属シートは画像表示装置にある程度の可撓性を付与することができる。可視光透過率を80%以上とすることが可能な樹脂材料としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等に代表されるポリエステル樹脂や、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、ポリメチルメタクリレート(PMMA)に代表されるアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体であるアクリル樹脂やポリエチレン樹脂等のビニル系の重合性単量体をラジカル重合して得られる透明樹脂も挙げられる。
電極15は基板11と12の面上に設けられ、電圧印加により基板間すなわち間隙18に電界を形成するものである。電極15は、前述の基板と同様に、観察者が画像を視認する側に透明なものを設ける必要がある。
画像を視認する側に設けられる電極の厚みは、導電性を確保するとともに光透過性に支障を来さないレベルにすることが求められ、具体的には3nm〜1μmが好ましく、5nm〜400nmがより好ましい。なお、画像を視認する側に設けられる電極の可視光透過率は、基板同様、80%以上とすることが好ましい。画像を視認する側の反対側に設けられる電極の厚みも上記範囲とすることが好ましいが、透明なものにする必要はない。
電極15の構成材料としては、金属材料や導電性金属酸化物、あるいは、導電性高分子材料等が挙げられる。具体的な金属材料としては、たとえば、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等が挙げられ、導電性金属酸化物の具体例としては、インジウム・スズ酸化物(ITO)、酸化インジウム、アンチモン・スズ酸化物(ATO)、酸化スズ、酸化亜鉛等が挙げられる。さらに、導電性高分子材料としては、たとえば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等が挙げられる。
電極15を基板11や12上に形成する方法としては、たとえば、薄膜上の電極を設ける場合には、スパッタリング法や真空蒸着法、化学蒸着法(CVD法;Chemical Vapor Deposition)、塗布法等が挙げられる。また、導電性材料を溶媒やバインダ樹脂に混合させ、この混合物を基板に塗布して電極を形成する方法もある。
絶縁層16はその表面で金属酸化物層1を保持する構成となっているが、絶縁層16は必ずしも設けなければならないというわけではない。
絶縁層16を構成する材料としては、電気絶縁性を有する薄膜化可能な材料であって、所望により透明性を有するものである。画像を視認する側に設けられる絶縁層は可視光透過率を、基板同様、80%以上とすることが好ましい。具体例として、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
絶縁層16の厚みは0.01μm以上10.0μm以下とすることが好ましい。すなわち、絶縁層16の厚みが上記範囲の時は、電極間にそれほど大きな電圧を印加せずに表示粒子21,22が移動でき、たとえば、電気泳動法による画像形成で印加したレベルの電圧を付与して画像表示が行えるので好ましい。
隔壁17は、基板間の間隙18を確保するものであり、図5上段の右側および左側の図に示すように基板11,12の縁部だけでなく、必要に応じて内部にも形成できる。隔壁17の幅、特に画像表示面18a側の隔壁の厚みは、例えば図5上段の右側の図に示すように、表示画像の鮮明性を確保する上からできるだけ薄くした方がよい。
基板11,12の内部に形成される隔壁17は、図5上段の右側および左側の図中、表裏方向に連続的に形成されても、断続的に形成されてもよい。
隔壁17の形状および配置を制御することにより、隔壁17により仕切られた間隙18のセルを様々な形状で配置できる。間隙18を基板11の視認方向から見た時のセルの形状および配置の例を図5下段の図に示す。セルは、図5下段の図に示すように、四角形状、三角形状、ライン状、円形状、六角形状等にて、複数個で、ハニカム状や網目状に配置することができる。
隔壁17は、たとえば以下に挙げる方法を用いて画像を視認する側の反対側の基板上を加工処理することにより形成できる。隔壁17を形成する方法としては、たとえば、樹脂材料等によるエンボス加工や熱プレス射出成形による凹凸形成、フォトリソグラフ法やスクリーン印刷等が挙げられる。
(母体粒子)
表示粒子を構成する母体粒子は、少なくとも樹脂および着色剤を含有する着色樹脂粒子であり、所望によりさらに荷電制御剤、蛍光増白剤等の添加剤を含有してもよい。母体粒子は通常、正帯電性表示粒子に含まれる母体粒子と、負帯電性表示粒子に含まれる母体粒子との間で、異なる色の着色剤が含まれる。例えば、白色母体粒子と、黒色母体粒子とが組み合わせて使用される。
母体粒子を構成する樹脂は、特に限定されるものではなく、下記に示すビニル系樹脂と呼ばれる重合体がその代表的なものであり、ビニル系樹脂の他に、例えば、ポリアミド樹脂やポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等の縮合系の樹脂が挙げられる。ビニル系樹脂の具体例としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリメタクリル樹脂の他、エチレン単量体やプロピレン単量体より形成されるポリオレフィン樹脂等が挙げられる。また、ビニル系樹脂以外の樹脂としては、前述した縮合系樹脂の他に、例えば、ポリエーテル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
母体粒子に使用可能な樹脂を構成する重合体は、これらの樹脂を形成する重合性単量体を少なくとも1種類用いて得られるものの他、複数種類の重合性単量体を組み合わせて製造することもできる。複数種類の重合性単量体を組み合わせて樹脂を製造する場合、たとえば、ブロック共重合体やグラフト共重合体、ランダム共重合体といった共重合体を形成する方法の他、複数種類の樹脂を混ぜ合わせるポリマーブレンド法による樹脂形成もある。
樹脂を選択することにより表示粒子の帯電極性を制御できる。
着色剤は、特に限定されるものではなく、画像表示装置用表示粒子の分野で公知の顔料が用いられる。このうち、例えば、白色母体粒子を構成する白色顔料としては、たとえば、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム等が挙げられ、その中でも酸化チタンが好ましい。また例えば、黒色母体粒子を構成する黒色顔料としては、たとえば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等が挙げられ、その中でもカーボンブラックが好ましい。着色剤の含有量は特に制限されず、例えば、樹脂100重量部に対して1〜200重量部であってよい。
荷電制御剤は、特に限定されるものではなく、画像表示装置用表示粒子の分野で公知の荷電制御剤が用いられる。このうち、例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、4級アンモニウム塩化合物、ニトリイミダゾール誘導体等の負荷電制御剤を含有する母体粒子は負極性に帯電する傾向が強い。また例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン化合物、イミダゾール誘導体等の正荷電制御剤を含有する母体粒子は正極性に帯電する傾向が強い。荷電制御剤の含有量は特に制限されず、例えば、樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部であってよい。
母体粒子の製造方法は、特に限定されるものではなく、たとえば、電子写真方式の画像形成に使用されるトナーの製造方法等、樹脂と着色剤を含有する粒子を製造する公知の方法を応用することにより対応が可能である。母体粒子の具体的な製造方法としては、たとえば、以下の方法が挙げられる。
(1)樹脂と着色剤とを混練した後、粉砕、分級の各工程を経て母体粒子を製造する方法;
(2)水系媒体中で重合性単量体と着色剤を機械的に撹拌して液滴を形成した後、重合を行って母体粒子を製造する、いわゆる懸濁重合法;
(3)界面活性剤を含有させた水系媒体中に重合性単量体を滴下し、ミセル中で重合反応を行って100〜150nmの重合体粒子を製造した後、着色剤粒子と凝集剤を添加してこれらの粒子を凝集・融着させて母体粒子を製造する、いわゆる乳化重合凝集法。
[画像表示装置の製造方法]
画像表示装置は以下に示す電子写真現像方式によって製造可能である。
2枚の基板11に、電極15および所望により絶縁層16を形成し、一対の電極付き基板を得る。さらにその上に金属酸化物層1を後述の方法により形成する。
表示粒子21およびキャリア210を混合することにより表示粒子21を負帯電させ、混合物(21,210)を、図6(a)に示すように、導電性のステージ100上に置き、金属酸化物層1を形成した一方の電極付き基板を、ステージ100と所定の間隔を空けて設置する。次いで、図6(a)に示すように、電極15に正極性の直流電圧と交流電圧を印加して、金属酸化物層1上に負帯電性表示粒子21を付着させる。
表示粒子22およびキャリア220を混合することにより表示粒子22を正帯電させ、混合物(22,220)を、図6(b)に示すように、導電性のステージ100上に置き、金属酸化物層1を形成した他方の電極付き基板を、ステージ100と所定の間隔を空けて設置する。次いで、図6(b)に示すように、電極15に負極性の直流電圧と交流電圧を印加して、金属酸化物層1上に正帯電性表示粒子22を付着させる。負帯電性表示粒子を付着させた電極付き基板と、正帯電性表示粒子を付着させた電極付き基板とを、図6(c)に示すように、所定の間隔になるように隔壁で調整して重ね、基板周辺を接着し、画像表示装置を得ることができる。
表示粒子を負帯電させるキャリア210としては、例えば、フェライト等の磁性粒子に、シクロヘキシルメタクリレート樹脂等の樹脂をコートしたコート型キャリアが有用である。
表示粒子を正帯電させるキャリア220としては、例えば、フェライト等の磁性粒子に、フッ素化アクリレート樹脂等の樹脂をコートしたコート型キャリアが有用である。
(金属酸化物層1の形成方法)
金属酸化物層は以下に示す大気圧プラズマ処理方法によって形成できる。
大気圧プラズマ処理方法は、大気圧もしくはその近傍の圧力下、プラズマ放電空間に金属酸化物層形成ガスを含有するガスを供給し、前記放電空間に高周波電界を印加することにより前記ガスを励起し、基材を、励起した前記ガスに晒すことにより前記基材上に金属酸化物層を形成する。ここで、基材は、金属酸化物層1が形成されるべき面を有する基板であり、所望により電極が形成されていても、かつ/または絶縁膜が形成されていてもよい。そのような基板の金属酸化物層形成面を、励起した前記ガスに晒すことにより、所定の金属酸化物層を形成できる。
大気圧プラズマ処理方法(以下、単にプラズマ処理方法という)を図7を用いて詳しく説明する。図7は、大気圧プラズマ処理方法を採用した、本発明に有用なジェット方式の金属酸化物層製造装置の一例を示した概略図である。ジェット方式の金属酸化物層製造装置は、プラズマ放電処理装置110、ガス供給手段150を有している装置である。
プラズマ放電処理装置110は、第1電極111と第2電極112から構成されている対向電極を有しており、該対向電極間に、第1電極111からは第1電源121からの周波数ω、電界強度V、電流Iの第1の高周波電界が印加され、また第2電極112からは第2電源122からの周波数ω、電界強度V、電流Iの第2の高周波電界が印加されるようになっている。第1電源121は第2電源122より高い高周波電界強度(V>V)を印加出来、また第1電源121の第1の周波数ωは第2電源122の第2の周波数ωより低い周波数を印加出来る。
第1電極111と第1電源121との間には、第1フィルタ123が設置されており、第1電源121から第1電極111への電流を通過しやすくし、第2電源122からの電流をアースして、第2電源122から第1電源121への電流が通過しにくくなるように設計されている。通過しにくいとは、好ましくは、電流の20%以下、より好ましくは10%以下しか通さないことをいう。逆に通過しやすいとは、好ましくは電流の80%以上、より好ましくは90%以上を通すことをいう。
第2電極112と第2電源122との間には、第2フィルタ124が設置されており、第2電源122から第2電極112への電流を通過しやすくし、第1電源121からの電流をアースして、第1電源121から第2電源122への電流を通過しにくくするように設計されている。
金属酸化物層の製造に際しては、第1電極111と第2電極112との対向電極間(放電空間)113に、ガス供給手段150のガス発生装置151で発生させたガスGを導入し、第1電極111と第2電極112から高周波電界を印加して放電を発生させ、ガスGをプラズマ状態にしながら対向電極の下側(紙面下側)にジェット状に吹き出させて、対向電極下面と基材Fとで作る処理空間をプラズマ状態のガスG°で満たし、処理位置114付近で、基材Fの上に所定の金属酸化物層を形成させる。基材Fは静置されていても、搬送されていてもよい。金属酸化物層形成中、電極温度調節手段(図示せず)から媒体が配管を通って電極を加熱または冷却する。プラズマ放電処理の際の基材の温度によっては、得られる金属酸化物層の物性や組成等は変化することがあり、これに対して適宜制御することが望ましい。温度調節の媒体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が好ましく用いられる。プラズマ放電処理の際、幅手方向あるいは長手方向での基材の温度ムラが出来るだけ生じないように電極の内部の温度を均等に調節することが望まれる。
プラズマ放電処理は、大気圧もしくはその近傍の圧力下で行われるが、大気圧もしくはその近傍の圧力とは20kPa〜110kPa程度であり、93kPa〜104kPaが好ましい。
放電条件は、放電空間に、前記第1の高周波電界と第2の高周波電界とを重畳し、前記第1の高周波電界の周波数ωより前記第2の高周波電界の周波数ωが高く、且つ、前記第1の高周波電界の強さV、前記第2の高周波電界の強さVおよび放電開始電界の強さIVとの関係が、
≧IV>V または V>IV≧V
を満たし、前記第2の高周波電界の出力密度が、1W/cm以上である。
高周波とは、少なくとも0.5kHzの周波数を有するものを言う。重畳する高周波電界が、ともにサイン波である場合、第1の高周波電界の周波数ωと該周波数ωより高い第2の高周波電界の周波数ωとを重ね合わせた成分となり、その波形は周波数ωのサイン波上に、それより高い周波数ωのサイン波が重なった鋸歯状の波形となる。
放電開始電界の強さとは、実際の金属酸化物層形成に使用される放電空間(電極の構成など)および反応条件(ガス条件など)において放電を起こすことの出来る最低電界強度のことを指す。放電開始電界強度は、放電空間に供給されるガス種や電極の誘電体種または電極間距離などによって多少変動するが、同じ放電空間においては、放電ガスの放電開始電界強度に支配される。
本明細書中、高周波電界強度(印加電界強度)と放電開始電界強度は、下記の方法で測定されたものをいう。
高周波電界強度V及びV(単位:kV/mm)の測定方法:
各電極部に高周波電圧プローブ(P6015A)を設置し、該高周波電圧プローブの出力信号をオシロスコープ(Tektronix社製、TDS3012B)に接続し、電界強度を測定する。
放電開始電界強度IV(単位:kV/mm)の測定方法:
電極間に放電ガスを供給し、この電極間の電界強度を増大させていき、放電が始まる電界強度を放電開始電界強度IVと定義する。測定器は上記高周波電界強度測定と同じである。
上記測定に使用する高周波電圧プローブとオシロスコープの位置関係を図7に示す。図7において、125及び126は高周波電圧プローブであり、127及び128はオシロスコープである。
上記でサイン波等の連続波の重畳について説明したが、これに限られるものではなく、両方パルス波であっても、一方が連続波でもう一方がパルス波であってもかまわない。また、更に第3の電界を有していてもよい。
第1電源121の周波数としては、200kHz以下が好ましく用いることが出来る。またこの電界波形としては、連続波でもパルス波でもよい。下限は1kHz程度が望ましい。
第2電源122の周波数としては、800kHz以上が好ましく用いられる。この第2電源の周波数が高い程、プラズマ密度が高くなり、緻密で良質な金属酸化物層が得られる。上限は200MHz程度が望ましい。
電流はI<Iとなることが好ましい。第1の高周波電界の電流Iは、好ましくは0.3mA/cm〜20mA/cm、さらに好ましくは1.0mA/cm〜20mA/cmである。また、第2の高周波電界の電流Iは、好ましくは10mA/cm〜100mA/cm、さらに好ましくは20mA/cm〜100mA/cmである。
第1フィルタ123としては、第2電源の周波数に応じて数10pF〜数万pFのコンデンサ、もしくは数μH程度のコイルを用いることが出来る。
第2フィルタ124としては、第1電源の周波数に応じて10μH以上のコイルを用い、これらのコイルまたはコンデンサを介してアース接地することでフィルタとして使用出来る。
第1電源(高周波電源)121としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
A1 神鋼電機 3kHz SPG3−4500
A2 神鋼電機 5kHz SPG5−4500
A3 春日電機 15kHz AGI−023
A4 神鋼電機 50kHz SPG50−4500
A5 ハイデン研究所 100kHz* PHF−6k
A6 パール工業 200kHz CF−2000−200k
A7 パール工業 400kHz CF−2000−400k
等の市販のものを挙げることが出来、何れも使用することが出来る。
第2電源(高周波電源)122としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
B1 パール工業 800kHz CF−2000−800k
B2 パール工業 2MHz CF−2000−2M
B3 パール工業 13.56MHz CF−5000−13M
B4 パール工業 27MHz CF−2000−27M
B5 パール工業 150MHz CF−2000−150M
等の市販のものを挙げることが出来、何れも好ましく使用出来る。
なお、上記電源のうち、*印はハイデン研究所インパルス高周波電源(連続モードで100kHz)である。それ以外は連続サイン波のみ印加可能な高周波電源である。
対向する電極間に印加する電力は、第2電極(第2の高周波電界)112に1W/cm以上の電力(出力密度)を供給し、放電ガスを励起してプラズマを発生させ、エネルギーを金属酸化物層形成ガスに与え、金属酸化物層を形成する。第2電極に供給する電力の上限値としては、好ましくは50W/cm、より好ましくは20W/cmである。下限値は、好ましくは1.2W/cmである。なお、放電面積(cm)は、電極において放電が起こる範囲の面積のことを指す。
第1電極(第1の高周波電界)111にも、1W/cm以上の電力(出力密度)を供給することにより、第2の高周波電界の均一性を維持したまま、出力密度を向上させることが出来る。これにより、更なる均一高密度プラズマを生成出来、更なる製膜速度の向上と膜質の向上が両立出来る。好ましくは5W/cm以上である。第1電極に供給する電力の上限値は、好ましくは50W/cmである。
このような大気圧プラズマによる金属酸化物層の製造に使用される電極は、構造的にも、性能的にも過酷な条件に耐えられるものでなければならない。このような電極としては、金属質母材上に誘電体を被覆したものであることが好ましい。
誘電体被覆電極においては、様々な金属質母材と誘電体との間に特性が合うものが好ましく、その一つの特性として、金属質母材と誘電体との線熱膨張係数の差が10×10−6/℃以下となる組み合わせのものである。好ましくは8×10−6/℃以下、更に好ましくは5×10−6/℃以下、更に好ましくは2×10−6/℃以下である。なお、線熱膨張係数とは、周知の材料特有の物性値である。
線熱膨張係数の差が、この範囲にある導電性の金属質母材と誘電体との組み合わせとしては、
1:金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がセラミックス溶射被膜
2:金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がガラスライニング
3:金属質母材がステンレススティールで、誘電体がセラミックス溶射被膜
4:金属質母材がステンレススティールで、誘電体がガラスライニング
5:金属質母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、誘電体がセラミックス溶射被膜
6:金属質母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、誘電体がガラスライニング
7:金属質母材がセラミックスおよびアルミの複合材料で、誘電体がセラミックス溶射皮膜
8:金属質母材がセラミックスおよびアルミの複合材料で、誘電体がガラスライニング
等がある。線熱膨張係数の差という観点では、上記1項または2項および5〜8項が好ましく、特に1項が好ましい。
誘電体の求められる特性としては、具体的には、比誘電率が6〜45の無機化合物であることが好ましく、また、このような誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスライニング材等がある。この中では、セラミックスを溶射したものやガラスライニングにより設けたものが好ましい。特にアルミナを溶射して設けた誘電体が好ましい。
大電力に耐える別の好ましい仕様としては、誘電体の厚みが0.5〜2mmであることである。この膜厚変動は、5%以下であることが望ましく、好ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下である。
対向する第1電極111および第2電極112の電極間距離は、電極の一方に誘電体を設けた場合、該誘電体表面ともう一方の電極の導電性の金属質母材表面との最短距離のことを言う。双方の電極に誘電体を設けた場合、誘電体表面同士の距離の最短距離のことを言う。電極間距離は、導電性の金属質母材に設けた誘電体の厚さ、印加電界強度の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定されるが、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.1〜20mmが好ましく、特に好ましくは0.5〜2mmである。
放電空間に供給されるガスGは、少なくとも放電ガスおよび金属酸化物層形成ガスを含有する。放電ガスと金属酸化物層形成ガスは混合して供給してもよいし、別々に供給してもかまわない。放電空間に供給するガスは、所望により、金属酸化物層形成の反応を促進する反応ガスを含有してもよい。
放電ガスとは、金属酸化物層形成可能なグロー放電を起こすことの出来るガスである。放電ガスとしては、窒素、希ガス、空気などがあり、これらを単独で放電ガスとして用いても、混合して用いてもかまわない。本発明において、放電ガスとして好ましいのは窒素である。放電ガスの50〜100体積%が窒素ガスであることが好ましい。このとき、窒素以外の放電ガスとしては、希ガスを50体積%未満含有することが好ましい。また、放電ガスの量は、放電空間に供給する全ガス量に対し、70〜99.9体積%含有することが好ましい。
金属酸化物層形成ガスとは、放電空間でそれ自身が励起してプラズマ状態となり、基材上に化学的に堆積して金属酸化物層を形成する原料のガスであり、金属酸化物層を構成させるべき化合物の種類に応じて適宜選択される。金属酸化物層形成ガスの原料としては、常温で気体または液体の有機金属化合物、特にアルキル金属化合物や金属アルコキシド化合物、有機金属錯体化合物が用いられる。これら原料における相状態は常温常圧において必ずしも気相である必要はなく、ガス発生装置151で加熱或は減圧等により溶融、蒸発、昇華等を経て気化し得るものであれば、液相でも固相でも使用可能である。
金属酸化物層形成ガスとしては、例えば、ケイ素化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物等が使用可能である。例えば、ケイ素化合物を使用すると、ケイ素酸化物層が形成される。また例えば、チタン化合物を使用すると、チタン酸化物層が形成される。また例えば、アルミニウム化合物を使用すると、アルミニウム酸化物層が形成される。
ケイ素化合物の具体例として、例えば、シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチルアミノ)ジメチルシラン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド、ジエチルアミノトリメチルシラン、ジメチルアミノジメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン、ノナメチルトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、テトラキスジメチルアミノシラン、テトライソシアナートシラン、テトラメチルジシラザン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、トリエトキシフルオロシラン、アリルジメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ベンジルトリメチルシラン、ビス(トリメチルシリル)アセチレン、1,4−ビストリメチルシリル−1,3−ブタジイン、ジ−t−ブチルシラン、1,3−ジシラブタン、ビス(トリメチルシリル)メタン、シクロペンタジエニルトリメチルシラン、フェニルジメチルシラン、フェニルトリメチルシラン、プロパルギルトリメチルシラン、テトラメチルシラン、トリメチルシリルアセチレン、1−(トリメチルシリル)−1−プロピン、トリス(トリメチルシリル)メタン、トリス(トリメチルシリル)シラン、ビニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、Mシリケート51などが挙げられるがこれらに限定されない。
チタン化合物の具体例として、例えば、テトラジメチルアミノチタンなどの有機チタン化合物、モノチタン、ジチタンなどのチタン水素化合物、二塩化チタン、三塩化チタン、四塩化チタンなどのチタンハロゲン化合物、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタンなどのチタンアルコキシドなどが挙げられるがこれらに限定されない。
アルミニウム化合物の具体例として、例えば、アルミニウムn−ブトキシド、アルミニウムs−ブトキシド、アルミニウムt−ブトキシド、アルミニウムジイソプロポキシドエチルアセトアセテート、アルミニウムエトキシド、アルミニウムヘキサフルオロペンタンジオネート、アルミニウムイソプロポキシド、4−ペンタンジオネート、ジメチルアルミニウムクロライドなどが挙げられるがこれらに限定されない。
これらの原料は、形成されるべき金属酸化物層の種類に応じて、単独で用いても良いし、または2種以上の成分を混合して使用するようにしても良い。
金属酸化物層形成性ガスについて、放電プラズマ処理により基材上に均一な金属酸化物層を形成する観点から、全ガス中の含有率は、0.01〜10体積%で有することが好ましいが、更に好ましくは、0.01〜5体積%である。
反応ガスとしては、酸素、オゾン、過酸化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、アンモニア等を挙げることが出来るが、酸素、一酸素化炭素及び水素が好ましく、これらから選択される成分を混合させるのが好ましい。その含有量はガス全量に対して0.01〜30体積%含有させることが好ましく、それによって反応促進され、且つ、緻密で良質な金属酸化物層を形成することが出来る。
<実施例1>
[黒色表示粒子の製造]
(黒色母体粒子)
下記した樹脂及びカーボンブラックをヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を25m/秒に設定して5分間混合処理して混合物とした。
スチレンアクリル樹脂(重量平均分子量20,000) 100重量部
カーボンブラック(平均一次粒径25nm) 10重量部
上記混合物を二軸押出混練機で混練し、次いで、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミル粉砕機(ターボ工業社製)で粗粉粉砕し、さらに、コアンダ効果を利用した気流分級機で微粉分級処理を行って、体積平均粒径が8.2μmの黒色母体粒子を製造した。
(金属酸化物層)
黒色母体粒子30gを純水1000gに分散し、アンモニア水(28wt%)10gを添加して5分間攪拌した。次いでテトラエトキシシラン8.5gを3時間かけて滴下し、さらに室温にて5時間攪拌した。得られた沈殿物をろ過し、純水にて洗浄し後、60℃で24時間乾燥し、黒色母体粒子表面にシリカ微粒子層(SiO層)が形成された黒色粒子を得た。
(有機層)
得られた黒色粒子10gを室温で、シクロヘキサン50gとヘキサメチルジシラザン10gとの混合液に加えて、この分散液を撹拌しながら50℃に加熱し、3時間反応させた。次いで、この分散液中の溶媒を50℃、減圧下で留去することにより、体積平均粒径8.5μmの負帯電性の黒色表示粒子を得た。
[白色表示粒子の製造]
(白色母体粒子)
下記した樹脂及び酸化チタンをヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を25m/秒に設定して5分間混合処理して混合物とした。
スチレンアクリル樹脂(重量平均分子量20,000) 100重量部
ルチル型酸化チタン(R−630;石原産業社製) 100重量部
上記混合物を二軸押出混練機で混練し、次いで、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミル粉砕機(ターボ工業社製)で粉砕処理し、さらに、コアンダ効果を利用した気流分級機で微粉分級処理を行って、体積平均粒径が8.0μmの白色母体粒子を製造した。
(金属酸化物層)
白色母体粒子30gを純水1000gに分散し、アンモニア水(28wt%)10gを添加して5分間攪拌した。次いでテトラエトキシシラン8.5gを3時間かけて滴下し、さらに室温にて5時間攪拌した。得られた沈殿物をろ過し、純水にて洗浄した後、60℃で24時間乾燥し、白色母体粒子表面にシリカ微粒子層(SiO層)が形成された白色粒子を得た。
(有機層)
酢酸水溶液(1wt%)25gにN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン(第1処理剤)4gを加えて、室温で15分間攪拌した。その後、混合液に、得られた白色粒子10gを添加し、50℃で3時間攪拌した。この分散液中の溶媒を50℃、減圧下で留去した。その後、さらに、得られた白色粒子をシクロヘキサン50gとヘキサメチルジシラザン(第2処理剤)10gとの混合液に加えて、撹拌しながら50℃に加熱し、3時間反応させた。次いで、この分散液中の溶媒を50℃、減圧下で留去することにより、体積平均粒径8.3μmの正帯電性の白色表示粒子を得た。
[白色表示粒子を帯電させるためのキャリアA]
平均粒子径80μmのフェライトコア100重量部に対して、フッ素化アクリレート樹脂粒子を2部加え、これら原料を水平回転翼型混合機に投入し、水平回転翼の周速が8m/秒となる条件で22℃で10分間混合攪拌した後、90℃に加熱し40分攪拌して、キャリアAを製造した。
[黒色表示粒子を帯電させるためのキャリアB]
平均粒子径80μmのフェライトコア100重量部に対して、シクロヘキシルメタクリレート樹脂粒子を2部加え、これら原料を水平回転翼型混合機に投入し、水平回転翼の周速が8m/秒となる条件で22℃で10分間混合攪拌した後、90℃に加熱し40分攪拌して、キャリアBを製造した。
[画像表示装置の製造]
画像表示装置は、絶縁層16を備えないこと以外、図1(a)と同様の構造を有するように、以下の方法に従って製造した。長さ80mm、幅50mm、厚さ0.7mmのガラス基板を2枚用意し、各基板面上には、厚さ300nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)被膜(抵抗30Ω/□)からなる電極15を蒸着法により形成した。
電極付き基板の電極表面に対して大気圧プラズマ処理を行った。
詳しくは、図7に示す金属酸化物層製造装置により、テトラエトキシシランを用いて、両方の基板の電極表面に対してケイ素酸化物層(SiO層)を形成した。この時の製造装置の各電極を被覆する誘電体は、対向する両電極共に、セラミック溶射加工により片肉で1mm厚のアルミナを被覆したものを使用した。被覆後の電極間隙は、1mmに設定した。又誘電体を被覆した金属母材は、冷却水による冷却機能を有するステンレス製ジャケット仕様であり、放電中は冷却水による電極温度コントロールを行いながら実施した。
成膜条件を下記に示す。各原料ガスは、加熱することで蒸気を生成し、あらかじめ原料が凝集しないように余熱を行った放電ガス及び反応ガスと混合・希釈した後、放電空間への供給を行った。
(成膜条件)
放電ガス:Nガス
反応ガス:0ガスを全ガスに対し19体積%
原料ガス:テトラエトキシシラン(TEOS)を全ガスに対し1.4体積%
膜厚:50nm
低周波側電源電力(神鋼電機製高周波電源(50kHz)):10W/cm
高周波側電源電力(パール工業製高周波電源(13.56MHz)):5W/cm
黒色表示粒子1gおよびキャリアB 9gを振とう機(YS−LD(株)ヤヨイ製)により30分間混合することにより、表示粒子を帯電させた。得られた混合物(21,210)を、図6(a)に示すように、導電性のステージ100上に置き、電極上に金属酸化物層を形成した一方の基板を、ステージ100と約2mmの間隔を空けて設置した。電極15とステージ100との間に、DCバイアス+50V,ACバイアス2.0kV,周波数2.0kHzを10秒間印加して、基板側に負帯電の黒色表示粒子21を付着させた。
白色表示粒子1gおよびキャリアA 9gを振とう機(YS−LD(株)ヤヨイ製)により30分間混合することにより、表示粒子を帯電させた。得られた混合物(22,220)を、図6(b)に示すように、導電性のステージ100上に置き、電極上に金属酸化物層を形成した他方の基板を、ステージ100と約2mmの間隔を空けて設置した。電極15とステージ100との間に、DCバイアス−50V,ACバイアス2.0kV,周波数2.0kHzを10秒間印加して、基板側に正帯電の白色表示粒子22を付着させた。
黒色表示粒子を付着させた基板と、白色表示粒子を付着させた基板とを、図6(c)に示すように、間隔50μmになるようにリブで調整して重ね、基板周辺をエポキシ系接着剤にて接着し、画像表示装置とした。なお、白色表示粒子および黒色表示粒子の混合率は同重量ずつとなるように、またそれら表示粒子のガラス基板間への体積占有率は50%となるように調整した。
<実施例2〜4/比較例1〜7>
白色表示粒子および黒色表示粒子の製造時において金属酸化物層44および有機層45の形成に所定の原料および表面処理剤を用いたこと、両方の電極付き基板の製造時において金属酸化物層1および有機層の形成に所定の原料および表面処理剤を用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、画像表示装置を製造した。
実施例4において両方の電極付き基板の金属酸化物層1の表面には、以下の方法により、有機層を形成した。
疎水化剤(ヘキサメチルジシラザン)10重量部および有機溶媒(シクロヘキサン)90重量部を混合し、疎水化剤溶液を調製した。金属酸化物層1の表面に疎水化剤溶液を塗布し、100℃で2時間加熱した後、乾燥させることによって有機層を形成した。
比較例1において両方の電極付き基板の電極表面には、以下の方法により、シリコーン樹脂層を形成した。
シリコーン系樹脂として下記で示される重量平均分子量4万の樹脂12gをテトラヒドロフラン80mlとトルエン20mlに溶解して塗布液を作製し、基板のITO上に塗布液をスピンコート法により塗布して、乾燥後の膜厚が3μmの絶縁層を作製した。
Figure 2010276782
比較例2において両方の電極付き基板の電極表面には、以下の方法により、ポリカーボネート樹脂層を形成した。
ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂12gをテトラヒドロフラン80mlとトルエン20mlに溶解し塗布液を作製した。基板のITO上に前記塗布液をスピンコート法により塗布して、乾燥後の膜厚が3μmのポリカーボネート樹脂の絶縁層を作製した。
Figure 2010276782
Figure 2010276782
Figure 2010276782
<評価>
低温低湿環境下(10℃、20%)において画像表示装置に対して以下の手順で直流電圧を印加し、電圧印加により得られる表示画像の反射濃度を測定することにより、表示特性を評価した。尚、電圧印加は、以下の手順で行い、印加電圧を0Vからプラス側に変化させた後、続いてマイナス側に変化させ、再び0Vに戻る経路のヒステリシス曲線を描く様に電圧を印加した。すなわち、
(1)0Vから+100Vまで20V間隔で電圧を変化させながら印加を行う。
(2)+100Vから−100Vまで20V間隔で電圧を変化させながら印加を行う。
(3)−100Vより0Vまで20V間隔で電圧を変化させながら印加を行う。
上記手順で各画像表示装置に直流電圧を印加したところ、白表示の状態でプラスの電圧を印加した時に、表示が白から黒に変化することが確認された。なお、画像表示装置の視認方向上流側の電極に印加する電圧を変化させ、他方の電極は電気的に接地させた。
評価は、表示特性としてコントラストを評価し、さらに繰り返し特性の評価を行った。
(コントラスト(初期))
コントラストは、黒色濃度と白色濃度との差、すなわち、
コントラスト=黒色濃度−白色濃度
で定義される濃度差により評価した。
黒色濃度は、画像表示装置の視認方向上流側の電極に+100Vの電圧を印加した時に得られる表示面の反射濃度である。
白色濃度は、画像表示装置の視認方向上流側の電極に−100Vの電圧を印加した時に得られる表示面の反射濃度である。
濃度は、反射濃度計「RD−918(マクベス社製)」を用いて、表示面上の5カ所をランダムに測定して、その平均値とした。
コントラストは、濃度差が1.30以上を最優良(◎)、1.20以上を優良(○)、1.00以上を合格(△)、1.00未満を不合格(×)とした。
(コントラスト(繰り返し後))
繰り返し特性は、+100Vと−100Vの電圧印加を交互に繰り返し、その都度反射濃度を測定したとき、コントラストが0.70以下になった時点での繰り返し回数に基づいて評価した。繰り返し回数が10000回以上を最優良(◎)、5000回以上を優良(○)、1000回以上を合格(△)、1000回未満を不合格(×)とした。
Figure 2010276782
1:金属酸化物層
10:画像表示装置
11:12:基板
15:電極
16:絶縁層
17:隔壁
18:隙間
18a:画像表示面
21:黒色表示粒子
22:白色表示粒子
41:樹脂
42:着色剤
43:母体粒子
44:金属酸化物層
45:有機層

Claims (2)

  1. 少なくとも一方が透明な2枚の基板および該基板間に粉体形態で封入される表示粒子を備え、基板間に電界を発生させることによって、表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置であって、
    前記基板間の間隙における表示粒子との接触面のうち、両方の基板側の面が同一金属の酸化物層を有し、
    表示粒子が正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子を含み、正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子の両方が、少なくとも樹脂および着色剤を含有する母体粒子の表面に、前記基板側の面が有する金属酸化物層と同一金属の酸化物層および有機層を順次、有してなることを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記両方の基板側の面が金属酸化物層の上にさらに有機層を有する請求項1に記載の画像表示装置。
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