JP5381036B2 - 白色表示粒子および画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、白色表示粒子、すなわち表示粒子を気相中で移動させて画像を表示する画像表示装置の表示粒子として使用されるのに適した白色表示粒子、および画像表示装置に関する。
従来より、表示粒子を気相中で移動させて画像を表示する画像表示装置が知られている。画像表示装置は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示粒子が粉体形態で封入されてなり、該基板間に電界を発生させることによって、表示粒子を少なくとも一方の基板に移動・付着させて画像を表示するものである。表示粒子としては一般に、白色表示粒子を含む少なくとも2色の表示粒子が使用される。そのような画像表示装置の駆動の際には、基板間に電圧を印加して電界を発生させ、当該電界方向に基づいて表示粒子が移動する。このとき、表示粒子に含まれる2色以上の粒子は、各色の粒子が有する帯電極性の差異に基づいて、一方の基板側に移動したり、または他方の基板側に移動したりする。その結果、画像表示が達成され、電界方向を適宜選択することによって画像の表示および消去を繰り返し実行できる。そのため、画像表示装置の表示粒子として使用される粒子には、コントラストの高い明瞭な画像を得るために、着色性に優れた粒子が求められていた。特に白色表示粒子は、画像表示のベースとなるため、当該白色表示粒子からなる層の白色濃度は重要であり、白色度に優れた白色表示粒子が求められていた。
白色表示粒子は一般にバインダー樹脂中に白色顔料を分散させることによって製造されている。白色顔料としては、隠蔽率、屈折率の観点から、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムを使用することが知られている。具体的には、例えば、特許文献1では、粒子径が0.5〜10μmであり、特定の粒径分布を持ち、かつ酸化チタンを20重量%以上含有する電子ペーパー用着色樹脂微粒子が提案されている。そのような着色樹脂微粒子において、酸化チタンは表面処理されることなく使用される。しかしながら、酸化チタンなどの無機材料はバインダー樹脂との親和性が低く、分散不良を起こしやすいといった問題や、低抵抗であるため、高充填にすると表示粒子の帯電性を悪化させるといった問題があった。そのため、十分な白色濃度が得られず、十分なコントラストが得られなかった。
そこで、特許文献2では、酸化チタンの平均分散径が1μm以下である表示デバイス用粒子(白色粒子)が提案されている。そのような粒子において、酸化チタンは、親油性カップリング剤で表面処理して使用される。しかしながら、酸化チタンを直接、親油性カップリング剤で表面処理するため、酸化チタンと処理剤との反応性が乏しかった。そのため、表面処理の効果は十分には現れず、特に繰り返し表示時において白色濃度およびコントラストの悪化は顕著であった。
特開2004−287061号公報 特開2005−107395号公報
本発明は、画像表示を繰り返し行っても、十分な白色濃度と十分なコントラストを有する画像を表示できる白色表示粒子および画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示粒子を粉体形態で封入し、該基板間に電界を発生させることによって、該表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置で使用される白色表示粒子であって、少なくともバインダー樹脂および白色顔料を含有し、該白色顔料が、屈折率2.0以上の白色無機酸化物粒子の表面に下層および上層を有してなり、該下層がシリカ層または/およびアルミナ層であり、該上層が有機層であることを特徴とする白色表示粒子に関する。
本発明はまた、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示粒子を粉体形態で封入し、該基板間に電界を発生させることによって、該表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置であって、表示粒子として上記白色表示粒子を使用した画像表示装置に関する。
本発明に係る白色表示粒子によれば、画像表示を繰り返し行っても、十分な白色濃度と十分なコントラストを有する画像を表示できる。
[白色表示粒子]
本発明に係る白色表示粒子は、少なくともバインダー樹脂および白色顔料を含有するものである。
本発明の白色表示粒子に含有される白色顔料は白色無機酸化物粒子の表面に下層および上層を有するものである。例えば、図1に示すように、白色顔料1は、白色無機酸化物粒子2の表面に下層3および上層4を順次有してなっている。図1は本発明の白色表示粒子に含有される白色顔料の一例の断面模式図である。
本発明の白色顔料1は、白色無機酸化物粒子2の表面に、下層3としてのシリカ層または/およびアルミナ層を介して、有機層4を備えた構成を有する。すなわち、白色顔料1においては、白色無機酸化物粒子2よりも表面の水酸基が多いシリカ層または/およびアルミナ層を、白色無機酸化物粒子2と有機層4との間に有する。これにより、有機層4を構成する化合物との反応の活性点である水酸基が増加するので、白色無機酸化物粒子2の表面を、下層3を介して有機層4が完全に被覆することができる。そのため、有機層4単独では得られない顔料の高抵抗化と優れた分散性が達成される。したがって、表示粒子の帯電性低下を抑制しながらも、白色顔料1を高充填可能となる。それらの結果として、白色表示粒子の白色度を向上できると共に、画像を繰り返し表示した場合にも経時的なコントラストの低下を有効に抑制できる。
白色無機酸化物粒子2は、屈折率nが2.0以上、特に2.0〜4.0、好ましくは2.0〜3.0の無機酸化物からなる粒子である。そのような無機酸化物粒子として、例えば、酸化チタン粒子(n=約2.5〜2.7)、酸化ジルコニウム粒子(n=約2.4)、チタン酸化合物粒子(n=約2.3〜2.5)またはそれらの混合粒子が使用できる。屈折率が小さすぎる無機酸化物粒子を用いると、隠蔽力が小さいので、画像表示をした際に、十分な白色濃度が得られず、コントラストが得られない。
屈折率は物質固有の特性値であり、本明細書中、屈折率は化学大辞典(共立出版株式会社)に記載されている値を用いている。
酸化チタン粒子としては一般に、ルチル型,アナターゼ型,ブルカイト型の結晶構造のものが知られており、いずれの結晶構造のものが使用されてもよい。
チタン酸化合物粒子の具体例としては、例えば、チタン酸カルシウム(CaTiO3)、チタン酸マグネシウム(MgTiO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)等が挙げられる。この中でも、環境への影響等の視点から、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムが好ましい。
隠蔽力の観点から、白色無機酸化物粒子は、屈折率が高いルチル型酸化チタンが好ましい。
下層3は、シリカ層または/およびアルミナ層である。下層がシリカ層とアルミナ層との複合層である場合、それらの形成順序は特に制限されるものではない。白色濃度およびコントラストをより一層向上させる観点から、好ましい下層はシリカ層とアルミナ層との複合層である。白色顔料が下層3を有しないと、顔料の抵抗が低下し、分散性が低下するので、顔料を高充填できず、しかも表示粒子の帯電性が低下する。そのため、画像表示を繰り返し行ったとき、十分な白色濃度が得られず、コントラストが低下する。
下層3は、白色無機酸化物粒子2をケイ酸金属塩および/またはアルミン酸金属塩で表面処理することにより形成できる。例えば、ケイ酸金属塩を使用することにより、シリカ層が形成される。また例えば、アルミン酸金属塩を使用することにより、アルミナ層が形成される。また例えば、ケイ酸金属塩を使用してシリカ層を形成した後、アルミン酸金属塩を使用してアルミナ層を形成することにより、複合層が形成される。
具体的には、例えば、被処理粒子の水系スラリーにケイ酸金属塩を添加し、塩基性雰囲気下で加熱しながら撹拌し、中性雰囲気下にすることによって、被処理粒子の表面にシリカ層を形成できる。
ケイ酸金属塩は、シリカを生成し得るものであれば特に制限されず、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸アルカリ金属塩が使用できる。
また例えば、被処理粒子の水系スラリーにアルミン酸金属塩を添加し、中性雰囲気下で加熱しながら撹拌することによって、被処理粒子の表面にアルミナ層を形成できる。
アルミン酸金属塩は、アルミナを生成し得るものであれば特に制限されず、例えば、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム等のアルミン酸アルカリ金属塩が使用できる。
ケイ酸金属塩またはアルミン酸金属塩の添加量は通常、被処理粒子100重量部に対してSiO換算もしくはAl換算で1〜30重量部であり、好ましくは5〜10重量部である。
シリカ層およびアルミナ層の構造は、本発明の目的が達成される限り特に制限されず、通常は連続相構造、例えばいわゆる膜構造を有するが、本発明は、シリカ層の一部または全部が、シリカの粒子形態での析出により、粒子層の構造を有することを妨げるものではない。また本発明は、アルミナ層の一部または全部が、アルミナの粒子形態での析出により、粒子層の構造を有することを妨げるものではない。
下層3の厚みは、本発明の目的が達成される限り特に制限されず、通常は1〜100nmであり、5〜30nmが好ましい。下層がシリカ層とアルミナ層との複合層である場合、それらの合計厚みが上記範囲内であればよい。
下層の厚みは、透過型顕微鏡JEM−2010F(日本電子社製)を用いて測定した。測定試料には、白色無機酸化物粒子の表面に下層を形成してなる粒子をエポキシ樹脂に包埋し、60℃で24時間硬化後、ダイヤモンド歯を供えたミクロトームを用い平面を切り出すことにより、断面を平滑化し、粒子断面の観察できるブロックを用いた。下層を目視観察により確認し、粒子最表面からコアまでの距離を測定し、その平均値をシェル膜厚として算出した。測定を行う粒子の数は、最低でも10個以上とする。
白色無機酸化物粒子表面に下層を形成したものは、市販品として入手可能である。
例えば、酸化チタン粒子表面にシリカ層およびアルミナ層を有するものは、JR−403(テイカ株式会社製)、R780(石原産業株式会社製)として入手可能である。
上層4は有機層であり、好ましくは有機ケイ素化合物層である。白色顔料が上層4を有しないと、顔料の高抵抗化が達成できず、表面に露出した低抵抗の顔料により電荷のリークが発生するので、画像表示を繰り返し行ったとき、十分な白色濃度が得られず、コントラストが低下する。
上層4は、有機系処理剤、好ましくは有機ケイ素化合物で表面処理することによって形成できる。
具体的には有機系処理剤を被処理粒子表面に塗布した後、窒素雰囲気下で撹拌しながら加熱することによって、被処理粒子表面に上層を形成できる。塗布方法は特に制限されず、例えば、スプレーコート法、浸漬法等が使用可能である。
有機系処理剤としては、有機ケイ素化合物が挙げられる。有機ケイ素化合物は有機基およびケイ素原子を含有する化合物である。本明細書中、有機基は炭化水素基であり、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルオキシ基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、フェニル基、ベンジル基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基、イソシアネート基等が挙げられる。
有機ケイ素化合物としては、例えば、有機シロキサン、有機シランカップリング剤、有機シラザン等が挙げられる。
有機シロキサンは有機基とシロキサン結合を有するものである。有機シロキサンの具体例として、例えば、メチルハイドロジェンジシロキサン、ジメチルジシロキサン、へキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シロキサン等が挙げられる。
有機シランカップリング剤は有機基を有するシラン化合物である。有機シランカップリング剤の具体例として、例えば、トリメチルシラン、オクチルトリメトキシシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、ジクロロシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等が挙げられる。
有機シラザンは有機基を有するシラザン化合物である。有機シラザンの具体例として、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン等が挙げられる。
有機系処理剤の添加量は通常、被処理粒子100重量部に対して1〜30重量部であり、好ましくは5〜20重量部である。
上層4の厚みは、本発明の目的が達成される限り特に制限されず、通常は0.1〜50nmであり、1〜20nmが好ましい。
上層の厚みは、下層の厚みと同様の方法によって測定できる。詳しくは、測定試料として、白色無機酸化物粒子の表面に下層および上層を形成してなる粒子を用いること以外、下層の厚みと同様の方法により、下層の厚みと上層の厚みとの和を算出する。当該和から、下層の厚みを減じて、上層の厚みを得ることができる。
本発明で含有される白色顔料は体積抵抗値が1×1010Ω・cm以上、特に1×1010〜1×1013Ω・cmであり、好ましくは1×1011〜1×1012Ω・cmである。
顔料の体積抵抗値は、粉体の状態で一定の圧力を加えられた条件で測定された値であり、詳しくは常温常湿環境で以下の方法によって測定された値を用いている。
顔料の体積抵抗は、温度20〜25℃、湿度50±5%の条件下で、図7に示すような抵抗測定装置を用いて測定する。同図において、51は測定粒子層(試料層)、52は絶縁性のパイプ、53は黄銅製の重り、54は黄銅製の底板、55は抵抗計である。該抵抗測定装置の読み値R(Ω)、試料層の断面積S(cm2)及び試料層の厚さt(cm)から、以下の式によって顔料の静抵抗を求める。尚、本発明では、500g/cm2の加重が試料層にかけられ、印加電圧が1000Vの条件で実施する。
静抵抗(Ω・cm)=R×S/t
白色顔料は平均一次粒径が100〜400nm、好ましくは150〜300nmである。
本明細書中、顔料の平均一次粒径は一次粒子の個数平均粒径であり、マイクロトラックUPA−150(日機装社製)によって測定された値を用いている。
測定手順としては、50mlのメスシリンダーに測定用顔料を0.1g入れ、純水を25ml加え、超音波洗浄機「US−1(as one社製)」を用いて3分間分散させ測定用試料を作製する。次いで、測定用試料3mlを「マイクロトラックUPA−150」のセル内に投入し、Sample Loadingの値が0.1〜100の範囲にあることを確認する。そして、下記測定条件にて測定する。
測定条件;
Transparency(透明度):Yes
Refractive Index(屈折率):1.59
Particle Density(粒子比重):1.05g/cm3
Spherical Particles(球形粒子):Yes
溶媒条件
Refractive Index(屈折率):1.33
Viscosity(粘度):Hight(temp) 0.797x10-3Pa・S、Low(temp) 1.002x10-3Pa・S)
白色顔料の含有量は、本発明の目的が達成される限り特に制限されず、通常はバインダー樹脂100重量部に対して5〜350重量部であり、白色濃度およびコントラストをより一層向上させる観点から好ましくは20〜300重量部である。白色顔料は2種類以上組み合わせて含有されてよく、その場合、それらの合計量が上記範囲内であればよい。
バインダー樹脂は、特に限定されるものではなく、従来から表示粒子の分野で使用されているバインダー樹脂が使用可能である。バインダー樹脂の具体例として、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。好ましいバインダー樹脂はスチレンアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂である。
バインダー樹脂の重量平均分子量は、耐熱性の観点から、5000〜200000、特に15000〜100000が好ましい。
本明細書中、重量平均分子量はHLC−8220(東ソー社製)によって測定された値を用いている。
本発明の白色表示粒子は所望により荷電制御剤、流動化剤、蛍光増白剤等の添加剤を有してもよい。荷電制御剤は白色表示粒子に内添されてもよいし、または外添されてもよい。流動化剤は白色表示粒子に外添される。
荷電制御剤は、特に限定されるものではなく、例えば、電子写真用トナーの分野で公知の荷電制御剤が用いられる。具体例として、例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、4級アンモニウム塩化合物、ニトリイミダゾール誘導体等の負荷電制御剤、ならびにニグロシン系染料、トリフェニルメタン化合物、イミダゾール誘導体等の正荷電制御剤が挙げられる。荷電制御剤の配合量は、例えば粒子中に内添される場合、バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部が好ましく、また例えば粒子に外添される場合、バインダー樹脂粒子100重量部に対して0.5〜2重量部が好ましい。
流動化剤は、例えば、シリカ粒子、酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、炭酸カルシウム粒子等が挙げられる。流動化剤の平均一次粒径は通常、5〜100nmである。流動化剤の配合量は白色表示粒子100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。
本発明の白色表示粒子が有する白色は、後述する画像表示装置において白色画像を表示したとき、0.60以下、好ましくは0.50以下、より好ましくは0.35以下の白色濃度を達成するような白さであればよい。
白色表示粒子の製造方法は、特に限定されるものではなく、たとえば、電子写真方式の画像形成に使用されるトナーの製造方法等のような樹脂粒子を製造する公知の方法を応用することにより対応が可能である。白色表示粒子の具体的な製造方法としては、たとえば、以下の方法が挙げられる。
(1)少なくともバインダー樹脂および白色顔料を混練し、粉砕・分級した後、所望により外添成分を混合して白色表示粒子を製造する;
(2)水系媒体中で、少なくとも重合性単量体と白色顔料を機械的に撹拌して液滴を形成し、重合を行った後、所望により外添成分を混合して白色表示粒子を製造する(懸濁重合法);
(3)界面活性剤を含有させた水系媒体中に、少なくとも重合性単量体を滴下し、ミセル中で重合反応を行って100〜150nmの重合体粒子を製造した後、白色顔料と凝集剤を添加してこれらの粒子を凝集・融着させる。その後、所望により外添成分を混合して白色表示粒子を製造する(乳化重合凝集法)。
白色表示粒子の体積平均粒径は通常、1〜50μmであり、好ましくは1〜30μmである。
体積平均粒径は体積基準メディアン径(d50径)であって、マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、サンプル0.02gを界面活性剤溶液20ml(粒子を分散させるためのもので、界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、分散液を作製する。この分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。なお、マルチサイザー3のアパチャー径は50μmのものを使用する。
[画像表示装置]
本発明に係る画像表示装置は表示粒子として少なくとも上記した白色表示粒子を使用するものである。以下、本発明の画像表示装置について詳細に説明する。なお、本発明に係る画像表示装置は、「粉体ディスプレイ」とも呼ばれるものである。
本発明に係る画像表示装置は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に上記した表示粒子を粉体形態で封入してなり、該基板間に電界を発生させることによって、該表示粒子を移動させて画像を表示するものである。
本発明に係る画像表示装置の代表的な構成断面を図2に示す。図2(a)は、基板11、12上に層構造の電極15を設け、電極15表面に絶縁層16を設けたものである。図2(b)に示す画像表示装置は、装置内に電極を設けていない構造のもので、装置外部に設けられた電極を介して電界を付与させ、表示粒子の移動を行える様にしたものである。図2(a)および図2(b)における同じ符号は同じ部材を意味するものとする。図2は図2(a)および図2(b)を包含して意味するものとする。図2の画像表示装置10は、図に示す様に、基板11側より画像を視認するものとするが、本発明では基板11側より画像を視認するものに限定されるものではない。また、図2(b)に示すタイプは、装置自体に電極15が設けられていない分、装置の構造を簡略化させ、その製造工程を短縮化することができるメリットがある。図2(b)に示すタイプの画像表示装置10を電圧印加可能な装置にセットして電圧印加を行う様子を示すものを図4に示す。なお、本発明に係る画像表示装置の断面構成は図2(a)と(b)に示すものに限定されるものではない。
図2(a)の画像表示装置10の最外部には、当該画像表示装置を構成する筐体である2つの基板11と12が対向して配置されている。基板11と12は双方が向き合う側の面上に電圧印加を行うための電極15が設けられ、さらに、電極15上に絶縁層16が設けられている。基板11と12には、電極15と絶縁層16が設けられ、電極15と絶縁層16を有する側の面を対向させて形成される隙間18には表示粒子が存在する。図2に示す画像表示装置10は、表示粒子として黒色表示粒子(以下、黒色粒子という)21と白色表示粒子(以下、白色粒子という)22の2種類の表示粒子を隙間18に存在させている。なお、黒色粒子の代わりに他の有色粒子を用いても良い。また、図2の画像表示装置10では、隙間18が基板11と12及び2つの隔壁17により四方を囲んだ構造となっており、表示粒子は隙間18に封入された状態で存在している。
黒色粒子および他の有色粒子等の表示粒子は、画像表示装置の分野で従来から使用されている公知のものが使用可能である。黒色粒子および他の有色粒子等の表示粒子は、例えば、前記白色顔料の代わりに、公知の黒色顔料や有色顔料(イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料)を使用すること以外、前記白色表示粒子の製造方法と同様の方法により製造可能である。黒色顔料や他の有色顔料の含有量は通常、バインダー樹脂100重量部に対して1〜30重量部であり、好ましくは5〜10重量部である。
隙間18の厚さは、封入された表示粒子が移動可能で画像のコントラストを維持できる範囲であれば、特に限定されるものではなく、通常は10μm乃至500μm、好ましくは10μm乃至100μmである。隙間18内における表示粒子の体積占有率は、5%乃至70%であり、好ましくは30%乃至60%である。表示粒子の体積占有率を上記範囲にすることにより、隙間18内で表示粒子がスムーズに移動でき、また、コントラストのよい画像が得られる。
次に、画像表示装置10の隙間18での表示粒子の挙動について説明する。
本発明に係る画像表示装置は、2枚の基板間に電圧を印加されて電界が形成されると、帯電している表示粒子は電界方向に基づいて移動する様になる。この様に、表示粒子が存在する基板間に電圧を印加することにより、帯電した表示粒子が基板間を移動して画像表示を行うものである。
本発明に係る画像表示装置における画像表示は以下の手順により行われるものである。
(1)表示媒体として用いる表示粒子を、キャリアによる摩擦帯電等の公知の方法により帯電させる。
(2)対向する2枚の基板間に表示粒子を封入し、この状態で基板間に電圧を印加する。
(3)基板間への電圧印加により、基板間に電界が形成される。
(4)表示粒子は、電極間の電界の力の作用により表示粒子の極性と反対側の電界方向に沿って基板表面に引き寄せられ、画像表示が行える様になる。
(5)また、基板間の電界方向を変えることにより、表示粒子の移動方向を切り換える。この移動方向の切換えにより画像表示を様々に変えることができる。
なお、上述した公知の方法による表示粒子の帯電方法としては、たとえば、キャリアに接触させて摩擦帯電により表示粒子を帯電させる方法、帯電極性の異なる2色の表示粒子を混合、撹拌して両者間の摩擦帯電により表示粒子を帯電させる方法等が挙げられるが、本発明では、キャリアを使用し、帯電した表示粒子を基板内に封入することが好ましい。
基板間への電圧印加に伴う表示粒子の移動の例を図3と図4に示す。
図3(a)は、基板11と12の間に電圧を印加する前の状態を示しており、電圧印加前は視認側の基板11近傍には正帯電した白色粒子22が存在している。この状態は画像表示装置10が白色画像を表示しているものである。また、図3(b)は、電極15に電圧を印加した後の状態を示しており、基板11に正の電圧を印加することで負に帯電した黒色粒子21が視認側の基板11近傍に移動し、白色粒子22は基板12側に移動している。この状態は画像表示装置10が黒色画像を表示しているものである。
図4は、図2(b)に示した画像表示装置10に電極を有さないタイプのものを電圧印加装置30にセットし、この状態で電圧を印加する前の様子(図4(a))と電圧を印加した後の様子(図4(b))を示したものである。図2(b)に示すタイプの画像表示装置10も電極15を有する画像表示装置10と同様、基板11に正の電圧を印加することで負に帯電した黒色粒子21が視認側の基板11近傍に移動し、正に帯電した白色粒子22は基板12側に移動している。
次に、図2に示す画像表示装置10を構成する基板11、12、電極15、絶縁層16、および隔壁17について説明する。
先ず、画像表示装置10を構成する基板11と12について説明する。画像表示装置10では、観察者は基板11と12の少なくとも一方の側から表示粒子により形成される画像を視認するので、観察者が視認する側に設けられる基板は透明な材質のものが求められる。したがって、観察者が画像を視認する側に使用される基板は、たとえば可視光透過率が80%以上の光透過性の材料が好ましく、80%以上の可視光透過率を有することにより十分な視認性が得られる。なお、画像表示装置10を構成する基板のうち、画像を視認する側の反対側に設けられる基板の材質は必ずしも透明なものである必要はない。
基板11、12の厚さは、それぞれ2μm〜5mmが好ましく、さらに、5μm〜2mmがより好ましい。基板11、12の厚さが上記範囲のとき、画像表示装置10に十分な強度を付与するとともに基板の間隔を均一に保つことができる。また、基板の厚さを上記範囲とすることでコンパクトで軽量な画像表示装置を提供することができるので、広い分野での当該画像表示装置の使用を促進させる。さらに、画像を視認する側の基板の厚みを上記範囲とすることにより、表示画像の正確な視認が行え表示品質に支障を与えない。
可視光透過率が80%以上の材料としては、ガラスや石英等の可撓性を有さない無機材料や、後述する樹脂材料に代表される有機材料や金属シート等が挙げられる。このうち、有機材料や金属シートは画像表示装置にある程度の可撓性を付与することができる。可視光透過率を80%以上とすることが可能な樹脂材料としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等に代表されるポリエステル樹脂や、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、ポリメチルメタクリレート(PMMA)に代表されるアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体であるアクリル樹脂やポリエチレン樹脂等のビニル系の重合性単量体をラジカル重合して得られる透明樹脂も挙げられる。
電極15は基板11と12の面上に設けられ、電圧印加により基板間すなわち隙間18に電界を形成するものである。電極15は、前述の基板と同様に、観察者が画像を視認する側に透明なものを設ける必要がある。
画像を視認する側に設けられる電極の厚みは、導電性を確保するとともに光透過性に支障を来さないレベルにすることが求められ、具体的には3nm〜1μmが好ましく、5nm〜400nmがより好ましい。なお、画像を視認する側に設けられる電極の可視光透過率は、基板同様、80%以上とすることが好ましい。画像を視認する側の反対側に設けられる電極の厚みも上記範囲とすることが好ましいが、透明なものにする必要はない。
電極15の構成材料としては、金属材料や導電性金属酸化物、あるいは、導電性高分子材料等が挙げられる。具体的な金属材料としては、たとえば、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等が挙げられ、導電性金属酸化物の具体例としては、インジウム・スズ酸化物(ITO)、酸化インジウム、アンチモン・スズ酸化物(ATO)、酸化スズ、酸化亜鉛等が挙げられる。さらに、導電性高分子材料としては、たとえば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等が挙げられる。
電極15を基板11や12上に形成する方法としては、たとえば、薄膜上の電極を設ける場合には、スパッタリング法や真空蒸着法、化学蒸着法(CVD法;Chemical Vapor Deposition)、塗布法等が挙げられる。また、導電性材料を溶媒やバインダ樹脂に混合させ、この混合物を基板に塗布して電極を形成する方法もある。
絶縁層16は電極15の表面に設けられ、絶縁層16表面で表示粒子21,22と接触する構成となっているが、必ずしも設けなければならないというわけではない。絶縁層16は表示粒子21、22を移動させる際に印加される電圧によって帯電量の変化を緩和する役割をもっている。また、疎水性の高い構造をもつ樹脂に、凹凸を付与することによって、表示粒子との物理的な付着力を低減でき、駆動電圧を低減させる働きももっている。絶縁層16を構成する材料としては、電気絶縁性を有する薄膜化可能な材料であって、所望により透明性を有するものである。画像を視認する側に設けられる絶縁層は可視光透過率を、基板同様、80%以上とすることが好ましい。具体例として、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
絶縁層16の厚みは0.01μm以上10.0μm以下とすることが好ましい。すなわち、絶縁層16の厚みが上記範囲の時は、電極15間にそれほど大きな電圧を印加せずに表示粒子21,22が移動でき、たとえば、電気泳動法による画像形成で印加したレベルの電圧を付与して画像表示が行えるので好ましい。
隔壁17は、上下基板間の隙間18を確保するものであり、図5上段の右側および左側の図に示すように基板11,12の縁部だけでなく、必要に応じて内部にも形成できる。隔壁17の幅、特に画像表示面18a側の隔壁の厚みは、例えば図5上段の右側の図に示すように、表示画像の鮮明性を確保する上からできるだけ薄くした方がよい。
基板11,12の内部に形成される隔壁17は、図5上段の右側および左側の図中、表裏方向に連続的に形成されても、断続的に形成されてもよい。
隔壁17の形状および配置を制御することにより、隔壁17により仕切られた隙間18のセルを様々な形状で配置できる。隙間18を基板11の視認方向から見た時のセルの形状および配置の例を図5下段の図に示す。セルは、図5下段の図に示すように、四角形状、三角形状、ライン状、円形状、六角形状等にて、複数個で、ハニカム状や網目状に配置することができる。
隔壁17は、たとえば以下に挙げる方法を用いて画像を視認する側の反対側の基板上を加工処理することにより形成できる。隔壁17を形成する方法としては、たとえば、樹脂材料等によるエンボス加工や熱プレス射出成形による凹凸形成、フォトリソグラフ法やスクリーン印刷等が挙げられる。
画像表示装置は、例えば以下に示す電子写真現像方式によって製造可能である。
2枚の基板11に、電極15および所望により絶縁層16を形成し、一対の電極付き基板を得る。表示粒子21およびキャリア210を混合することにより表示粒子21を負帯電させ、混合物(21,210)を、図6(a)に示すように、導電性のステージ100上に置き、一方の電極付き基板を、ステージ100と所定の間隔を空けて設置する。次いで、図6(a)に示すように、電極15に正極性の直流電圧と交流電圧を印加して、負帯電の表示粒子21を付着させる。
表示粒子22およびキャリア220を混合することにより表示粒子22を正帯電させ、混合物(22,220)を、図6(b)に示すように、導電性のステージ100上に置き、他方の電極付き基板を、ステージ100と所定の間隔を空けて設置する。次いで、図6(b)に示すように、電極15に負極性の直流電圧と交流電圧を印加して、正帯電の表示粒子22を付着させる。負帯電の表示粒子を付着させた電極付き基板と、正帯電の表示粒子を付着させた電極付き基板とを、図6(c)に示すように、所定の間隔になるように隔壁で調整して重ね、基板周辺を接着し、画像表示装置を得ることができる。
<実施例1>
[白色顔料A]
水1000gに、平均一次粒径230nmのルチル型酸化チタン300gを添加・混合し、スラリーを調製した。スラリーを80℃、pH9.0に調整し、酸化チタン100重量部に対してSiO換算で5重量部のケイ酸ナトリウムを添加した後、pHが7.5になるように硫酸(1規定)を2時間かけて滴下し、その後、10分間撹拌した。次に、アルミン酸ナトリウムを、酸化チタン100重量部に対してAl換算で5重量部添加した後、pH7.0に調整し、30分間撹拌した。スラリーを冷却、ろ過、洗浄、乾燥した後、ジェットミル(ミクロンジェットミルMJTホソカワミクロン社製)で粉砕することにより、シリカ膜およびアルミナ膜で被覆された酸化チタンを得た。
得られた酸化チタン100重量部に対してメチルハイドロジェンポリシロキサン10重量部を噴霧した後、窒素雰囲気下に120℃で8時間、ゆるい撹拌下に加熱した。次いで、空気循環下に100℃で5時間、ゆるい撹拌下に加熱して脱臭を行い、白色顔料を得た。
[白色表示粒子]
下記した樹脂及び顔料をヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を25m/秒に設定して5分間混合処理して混合物とした。
スチレンアクリル樹脂(重量平均分子量20,000) 100重量部
白色顔料A 150重量部
上記混合物を二軸押出混練機で混練し、次いで、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミル粉砕機(ターボ工業社製)で粉砕処理し、さらに、コアンダ効果を利用した気流分級機で微粉分級処理を行って、体積平均粒径が10.0μmの白色母体粒子を得た。次に、白色母体粒子100重量部に、平均一次粒径が15nmのシリカ粒子(RA200;アエロジル社製)1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を55m/秒に設定して30分間混合処理を行い、白色表示粒子を得た。その後、得られた表示粒子を熱風球形化装置(日本ニューマチック工業製サーフュージングシステムSFS−3型)を用いて、入り口の熱風温度100℃、熱風流量1.0m、原料投入速度1.0kg/hで、熱風処理時間を0.03sとして瞬間的加熱処理を行った。
<実施例2〜11/比較例1〜4>
表1または表2に示す所定の白色顔料を所定の量で使用したこと以外、実施例1の白色表示粒子の製造方法と同様の方法により、白色表示粒子を得た。
各種白色顔料の製造方法を以下に示す。
[白色顔料B〜D、G〜I、M]
表1または表2に示す所定のコア材および有機系処理剤を用いたこと以外、白色顔料Aと同様の方法により白色顔料を製造した。
酸化ジルコニウムは平均一次粒径190nmのものを使用した。
アナターゼ型酸化チタンは平均一次粒径210nmのものを使用した。
チタン酸ストロンチウムは平均一次粒径240nmのものを使用した。
酸化亜鉛は平均一次粒径220nmのものを使用した。
[白色顔料E]
水1000gに、平均一次粒径230nmのルチル型酸化チタン300gを添加・混合し、スラリーを調製した。スラリーを80℃、pH9.0に調整し、酸化チタン100重量部に対してSiO2換算で5重量部のケイ酸ナトリウムを添加した後、pHが7.5になるように硫酸(1規定)2時間かけて滴下し、その後、10分間撹拌した。スラリーを冷却、ろ過、洗浄、乾燥した後、ジェットミル(ミクロンジェットミルMJTホソカワミクロン社製)で粉砕することにより、シリカ膜で被覆された酸化チタンを得た。
得られた酸化チタン100重量部に対してメチルハイドロジェンポリシロキサン10重量部を噴霧した後、窒素雰囲気下に120℃で8時間、ゆるい撹拌下に加熱した。次いで、空気循環下に100℃で5時間、ゆるい撹拌下に加熱して脱臭を行い、白色顔料を得た。
[白色顔料F]
水1000gに、平均一次粒径230nmのルチル型酸化チタン300gを添加・混合し、スラリーを調製した。スラリーを80℃、pH9.0に調整し、アルミン酸ナトリウムを、酸化チタン100重量部に対してAl2O3換算で5重量部添加した後、pH7.0に調整し、30分間撹拌した。スラリーを冷却、ろ過、洗浄、乾燥した後、ジェットミル(ミクロンジェットミルMJTホソカワミクロン社製)で粉砕することにより、アルミナ膜で被覆された酸化チタンを得た。
得られた酸化チタン100重量部に対してメチルハイドロジェンポリシロキサン10重量部を噴霧した後、窒素雰囲気下に120℃で8時間、ゆるい撹拌下に加熱した。次いで、空気循環下に100℃で5時間、ゆるい撹拌下に加熱して脱臭を行い、白色顔料を得た。
[白色顔料J]
平均一次粒径230nmのルチル型酸化チタンを、表面処理することなしにそのまま使用した。
[白色顔料K]
メチルハイドロジェンポリシロキサンによる表面処理を行わなかったこと以外、白色顔料Aと同様の方法により白色顔料を製造した。
[白色顔料L]
平均一次粒径230nmのルチル型酸化チタン100重量部に対してメチルハイドロジェンポリシロキサン10重量部を噴霧した後、窒素雰囲気下に120℃で8時間、ゆるい撹拌下に加熱した。次いで、空気循環下に100℃で5時間、ゆるい撹拌下に加熱して脱臭を行い、白色顔料を得た。
[黒色表示粒子]
下記した樹脂及びカーボンブラックをヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を25m/秒に設定して5分間混合処理して混合物とした。
スチレンアクリル樹脂(重量平均分子量20,000) 100重量部
カーボンブラック(平均一次粒径25nm) 10重量部
上記混合物を二軸押出混練機で混練し、次いで、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミル粉砕機(ターボ工業社製)で粗粉粉砕し、さらに、コアンダ効果を利用した気流分級機で微粉分級処理を行って、体積平均粒径が10.0μmの黒色母体粒子を得た。次に、黒色母体粒子100重量部に、平均一次粒径が15nmのシリカ粒子(RA200;アエロジル社製)1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を55m/秒に設定して30分間混合処理を行い、黒色表示粒子を得た。その後、得られた表示粒子を熱風球形化装置(日本ニューマチック工業製サーフュージングシステムSFS−3型)を用いて、入り口の熱風温度100℃、熱風流量1.0m、原料投入速度1.0kg/hで、熱風処理時間を0.03sとして瞬間的加熱処理を行った。
[白色表示粒子を帯電させるためのキャリアA]
平均粒子径80μmのフェライトコア100重量部に対して、フッ素化アクリレート樹脂粒子を2重量部加え、これら原料を水平回転翼型混合機に投入し、水平回転翼の周速が8m/秒となる条件で22℃で10分間混合攪拌した後、90℃に加熱し40分攪拌して、キャリアAを製造した。
[黒色表示粒子を帯電させるためのキャリアB]
平均粒子径80μmのフェライトコア100重量部に対して、シクロヘキシルメタクリレート樹脂粒子を2重量部加え、これら原料を水平回転翼型混合機に投入し、水平回転翼の周速が8m/秒となる条件で22℃で10分間混合攪拌した後、90℃に加熱し40分攪拌して、キャリアBを製造した。
[画像表示装置の製造]
画像表示装置は、図2(a)と同様の構造を有するように、電子写真現像方式に従って製造した。長さ80mm、幅50mm、厚さ0.7mmのガラス基板11を2枚用意し、各基板面上には、厚さ300nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)被膜(抵抗30Ω/□)からなる電極15を蒸着法により形成した。上記電極上に、ポリカーボネート樹脂12gを、テトラヒドロフラン80mlとシクロヘキサノン20mlの混合溶媒に溶解させてなる塗布液を、スピンコート法により塗布して厚さ3μmの絶縁層16を形成し、一対の電極付き基板を得た。
黒色表示粒子1gおよびキャリアB 9gを振とう機(YS−LD(株)ヤヨイ製)により30分間混合することにより、表示粒子を帯電させた。得られた混合物(21,210)を、図6(a)に示すように、導電性のステージ100上に置き、一方の電極付き基板を、ステージ100と約2mmの間隔を空けて設置した。電極15とステージ100との間に、DCバイアス+50V,ACバイアス2.0kV,周波数2.0kHzを10秒間印加して、絶縁層16上に黒色表示粒子21を付着させた。
白色表示粒子1gおよびキャリアA 9gを振とう機(YS−LD(株)ヤヨイ製)により30分間混合することにより、表示粒子を帯電させた。得られた混合物(22,220)を、図6(b)に示すように、導電性のステージ100上に置き、他方の電極付き基板を、ステージ100と約2mmの間隔を空けて設置した。電極15とステージ100との間に、DCバイアス−50V,ACバイアス2.0kV,周波数2.0kHzを10秒間印加して、絶縁層16上に白色表示粒子22を付着させた。
黒色表示粒子を付着させた電極付き基板と、白色表示粒子を付着させた電極付き基板とを、図6(c)に示すように、間隔50μmになるように隔壁で調整して重ね、基板周辺をエポキシ系接着剤にて接着し、画像表示装置とした。なお、2種類の表示粒子のガラス基板間への体積占有率は50%であった。白色表示粒子と黒色表示粒子との含有割合は白色表示粒子/黒色表示粒子の個数比でほぼ1/1にしてある。
[評価]
(白色濃度・コントラスト)
画像表示装置に対して+100Vと−100Vの直流電圧を交互に1万回繰り返して印加し、電圧印加により得られる表示画像の反射濃度を測定することにより、表示特性を評価した。白表示の状態でプラスの電圧を印加した時に、表示が白から黒に変化することが確認された。なお、画像表示装置の視認方向上流側の電極に印加する電圧を変化させ、他方の電極は電気的に接地させた。
コントラストは、黒色濃度と白色濃度との差、すなわち、コントラスト=黒色濃度−白色濃度で定義される濃度差により評価した。黒色濃度は、画像表示装置の視認方向上流側の電極に+100Vの電圧を印加した時に得られる表示面の反射濃度である。白色濃度は、画像表示装置の視認方向上流側の電極に−100Vの電圧を印加した時に得られる表示面の反射濃度である。
濃度は、反射濃度計「RD−918(マクベス社製)」を用いて、表示面上の5カ所をランダムに測定して、その平均値とした。
コントラストは、濃度差が1.40以上を最優良(◎)、1.20以上を優良(○)、1.00以上を合格(△)、1.00未満を不合格(×)とした。
白色濃度は、0.35以下を最優良(◎)、0.50以下を優良(○)、0.60以下を合格(△)、0.60超を不合格(×)とした。
(顔料の体積抵抗値)
前記した方法により測定した。
Figure 0005381036
Figure 0005381036
本発明の白色表示粒子に含有される白色顔料の一例の断面模式図である。 画像表示装置の断面構成の一例を示す概略図である。 基体間への電圧印加による表示粒子の移動の例を示す模式図である。 基体間への電圧印加による表示粒子の移動の例を示す模式図である。 画像表示面の形状例を示す模式図である。 表示粒子の封入方法の一例を示す模式図である。 顔料の体積抵抗値を測定する方法を説明するための概略構成図である。
符号の説明
10:画像表示装置、11:12:基板、15:電極、16:絶縁層、17:隔壁、18:隙間、18a:画像表示面、21:黒色表示粒子、22:白色表示粒子。

Claims (7)

  1. 少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示粒子を粉体形態で封入し、該基板間に電界を発生させることによって、該表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置で使用される白色表示粒子であって、少なくともバインダー樹脂および白色顔料を含有し、該白色顔料が、屈折率2.0以上の白色無機酸化物粒子の表面に下層および上層を有してなり、該下層がシリカ層または/およびアルミナ層であり、該上層が有機ケイ素化合物層であり、前記バインダー樹脂はスチレンアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂又はポリアクリル樹脂であることを特徴とする白色表示粒子。
  2. 白色無機酸化物粒子が酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、チタン酸化合物粒子またはそれらの混合粒子である請求項1に記載の白色表示粒子。
  3. 上層が有機ケイ素化合物で表面処理することにより形成されたものである請求項1または2に記載の白色表示粒子。
  4. 白色顔料が、白色無機酸化物粒子をケイ酸金属塩および/またはアルミン酸金属塩で表面処理した後、さらに有機ケイ素化合物で表面処理してなる請求項1〜3のいずれかに記載の白色表示粒子。
  5. 白色顔料の体積抵抗値が1×1011〜1×1013Ω・cmである請求項1〜のいずれかに記載の白色表示粒子。
  6. 白色顔料の含有量がバインダー樹脂100重量部に対して20〜300重量部である請求項1〜のいずれかに記載の白色表示粒子。
  7. 少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示粒子を粉体形態で封入し、該基板間に電界を発生させることによって、該表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置であって、表示粒子として請求項1〜のいずれかに記載の白色表示粒子を使用した画像表示装置。
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