明 細 書
表示媒体用粒子及びそれを用いた情報表示用パネル
技術分野
[0001] 本発明は、少なくとも一方が透明な 2枚の基板間に表示媒体を封入し、表示媒体に 電界を付与することによって、表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パ ネルに用いる表示媒体を構成する表示媒体用粒子及びそれを用いた情報表示用パ ネルに関するものである。
背景技術
[0002] 従来より、液晶(LCD)に代わる情報表示装置として、電気泳動方式、エレクト口クロ ミック方式、サーマル方式、 2色粒子回転方式等の技術を用いた情報表示装置が提 案されている。
[0003] これら従来技術は、 LCDと比較すると、通常の印刷物に近い広い視野角が得られ る、消費電力が小さい、メモリー機能を有している等のメリットがあることから、次世代 の安価な情報表示装置に使用可能な技術として考えられており、携帯端末用情報表 示、電子ペーパー等への展開が期待されている。特に最近では、分散粒子と着色溶 液から成る分散液をマイクロカプセル化し、これを対向する基板間に配置して成る電 気泳動方式が提案され、期待が寄せられている。
[0004] し力、しながら、電気泳動方式では、液中を粒子が泳動するために液の粘性抵抗に より応答速度が遅くなるという問題がある。さらに、低比重の溶液中に酸化チタン等の 高比重の粒子を分散させているため沈降しやすくなつており、分散状態の安定性維 持が難しぐ情報表示の繰り返し安定性に欠けるという問題を抱えている。また、マイ クロカプセル化にしても、セルサイズをマイクロカプセルレベルにして、見かけ上、上 述した欠点が現れにくくしているだけであって、本質的な問題は何ら解決されていな レ、。
[0005] 一方、溶液中での挙動を利用する電気泳動方式に対し、溶液を使わず、導電性粒 子と電荷輸送層とを基板の一部に組み入れる方式も提案され始めている(例えば、 非特許文献 1参照)。しかし、電荷輸送層、さらには電荷発生層を配置するために構
造が複雑化するとともに、導電性粒子に電荷を一定に注入することは難しいため、表 示の書き換えや表示の維持における安定性に欠けるという問題もある。
[0006] 上述した種々の問題を解決するための一方法として、少なくとも一方が透明な 2枚 の基板間に光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電 界を付与することによって、表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネ ルが知られている。
非特許文献 1 :趙 国来、外 3名、 "新しいトナーディスプレイデバイス (1) "、 1999年 7 月 21日、 日本画像学会年次大会(通算 83回)" Japan Hardcopy' 99"論文集、 p.249_ 252
[0007] 上述した情報表示用パネルで用いる表示媒体を構成する表示媒体用粒子では、 正負の性格付けと帯電量の確保が容易となる事から、アクリル系樹脂、メタクリル系樹 脂、スチレン系樹脂を粒子材料として使用し、その粒子径は 0. 5〜50 z m程度であ る。その製造方法としては、工程の簡素化、低消費エネルギー化のために、あるいは 、 目的の粒子径を直接得るために、粉碎法よりも懸濁重合法を用いる方法が効果的 である。
[0008] 懸濁重合法では、界面活性剤等の懸濁安定剤を 10wt%以下含有した水等の懸 濁媒に、モノマー、着色剤等を含んだ粒子原料を機械的に懸濁させた後、加熱、 U V、電子線等により重合させる方法で、重合の制御により懸濁状態で硬化させ、固体 として取り出せば、粒子が得られる。重合に際しては、効率良く重合させる為に重合 開始剤を用いる場合が一般的である。また、一般に懸濁重合法により作製された粒 子は、表面が平滑な真球状粒子となる。しかし、表面平滑な粒子を上述した情報表 示用パネルで用いると、粒子を移動させる(駆動)ために必要な電界ほたは印加す る電圧)が高くなつてしまう問題が生じた。これは、平滑な表面であると、粒子—粒子 間、粒子—基板間の物理的付着力が増大してしまい、これらを分離して基板内空間 を移動させるために必要なエネルギーが大きくなつてしまうためである。
[0009] この問題を解決する方法として、最も簡便に行われている方法が、粒子表面に金属 酸化物微粒子等(トナー外添剤)を付着させて粒子表面を凹凸化し、付着力を下げ る方法であるが、この方法を上述した情報表示用パネルで用いる表示媒体用粒子に
用いた場合、粒子一粒子間、粒子一基板間で生じる外添剤の移行や、粒子表面、 基板表面への外添剤の固着等の影響により、表示不良を発生してしまう問題があつ た。また、懸濁重合開始前の粒子原料中に、反応不活性な溶剤等を添加して重合し た後、加熱や抽出等によって溶剤等を抜き去りポーラスな粒子を作製して、表面を凹 凸化する方法もあるが、溶剤等を除去するための工程と設備が必要となり、効率的で なかった。
発明の開示
[0010] 本発明の目的は上述した問題点を解消して、粒子表面に強固に固定化した凹凸を 得ることができる表示媒体用粒子及びそれを用いて表示不良を解消できる情報表示 用パネルを提供しょうとするものである。
[0011] 本発明の表示媒体用粒子は、少なくとも一方が透明な 2枚の基板間に光学的反射 率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによつ て、表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体を 構成する表示媒体用粒子において、該粒子がモノマー成分を含む粒子原料を重合 してなる概球形粒子であり、粒子原料中に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂-炭化 水素系樹脂コポリマーを含有し、該モノマーの一部もしくは全部力 分子中に重合反 応基を複数持つ多官能性モノマーであり、粒子表面に微小な凹凸を一様に有するこ とを特徴とするものである。
[0012] なお、本発明の表示媒体用粒子の好適例としては、微小な凹凸の直径相当径が、 0. 01〜0. 5 x mの凸部もしくは凹部であること、粒子を構成する樹脂成分が、少なく ともアクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、スチレン系モノマー力 選ばれる 1種 以上を重合してなること、多官能性モノマーが、モノマー中の 15mol%以上であるこ と、モノマー全てが、多官能性モノマーであること、多官能性モノマーが、アクリル系も しくはメタクリル系モノマーであること、がある。
[0013] また、本発明の表示媒体用粒子の好適例としては、粒子原料を、少なくとも 1種以 上の懸濁安定剤が 10wt%以下含有された懸濁媒に懸濁させた後、重合させる懸濁 重合法により作製されたこと、懸濁安定剤が、分子中にポリオキシアルキレン鎖を含 むこと、懸濁安定剤が、分子中にポリアキシアルキレン鎖とスルホン酸塩を含むこと、
懸濁安定剤が、水溶性樹脂であること、懸濁安定剤が、粒子径 10〜1000nmの無 機微粒子からなる粉体であること、粒子原料もしくは懸濁媒中に、 10時間半減期温 度が 40〜75°Cの重合開始剤を含むこと、重合開始剤が、ァシル系過酸化物である こと、重合開始剤が、 1分子内の炭素数 10以上のァゾ系物質であること、がある。
[0014] さらに、本発明の表示媒体用粒子の好適例としては、(アクリル系及びメタクリル系) 樹脂一炭化水素系樹脂コポリマーが、(アクリル系及びメタクリル系)樹脂一炭化水素 系樹脂ブロックコポリマーであること、(アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素 系樹脂コポリマーの炭化水素系樹脂が、ポリスチレン樹脂であること、 (アクリル系及 びメタクリル系)樹脂—炭化水素系樹脂コポリマーの炭化水素系樹脂が、フッ素樹脂 であること、粒子原料中に、表面処理もしくはマスターバッチ化した着色剤を含有す ること、表面処理もしくはマスターバッチ化した着色剤として、無機顔料、有機顔料、 有機染料の内 1種以上を用いたこと、がある。
[0015] さらにまた、本発明の表示媒体用粒子の好適例としては、粒子原料中に、粒子を帯 電させることを目的とした物質を含むこと、粒子を帯電させることを目的とした物質が、 モノマーに難溶性の荷電制御剤、モノマー溶解性の荷電制御剤、および、分子内に 帯電性官能基を持った共重合可能なモノマーの内の少なくとも 1種であること、粒子 を構成する樹脂として、 Tgが 60°C以上の樹脂、もしくは、 Tgが観測されない樹脂を 用いること、粒子の粒子径が 0. 5〜50 μ ΐηであること、粒子の色が白色であること、 粒子の色が黒色であること、粒子原料を重合してなる粒子の篩残分が 20%以下であ り、かつ、粒子表面に BET比表面積で 5〜: 150m2/gとなる微小な凹凸を一様に有 すること、粒子に圧力をかけて変形させた時に、粒子を 10%変形させるのに必要な カカ^ mN以上であること、がある。
[0016] また、本発明の情報表示用パネルは、少なくとも一方が透明な 2枚の基板間に光学 的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与すること によって、表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルであって、上述 した構成の表示媒体用粒子を用いたことを特徴とするものである。
[0017] さらに、本発明の表示媒体用粒子の製造方法は、少なくとも一方が透明な 2枚の基 板間に表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって表示媒体を移動
させて情報を表示する情報表示装置に用いる表示媒体を構成する表示媒体用粒子 の製造方法において、前記製造方法は、モノマーを含み、該モノマーの一部もしくは 全部力 S 1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーである粒子原料であり、 力、つ、該粒子原料中に (アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素系樹脂コポリマ 一を含有する粒子原料を、少なくとも 1種以上の界面活性剤を含有した懸濁媒に懸 濁させた後、粒子原料を重合させて概球形粒子を得る懸濁重合法であり、かつ、懸 濁媒に粒子原料を所定油滴径以上の油滴径に懸濁させた後、 10時間半減期温度 が 75°C以下で分解して重合を開始もしくは促進させる効果を持つ物質を懸濁媒に 添加し、その後、粒子原料の所定油滴径への懸濁と前記物質の分散とを同時に行 レ、、さらにその後重合して粒子表面に微小な凹凸を一様に有する表示媒体用粒子を 得ることを特 ί敷とするものである。
[0018] 本発明の表示媒体用粒子によれば、粒子がモノマーを含む粒子原料を重合してな り、粒子原料中に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂 炭化水素系樹脂コポリマーを 含有し、該モノマーの一部もしくは全部力 S 1分子中に重合反応基を複数持つ多官能 性モノマーであり、粒子表面に微小な凹凸を一様に有するため、粒子表面に強固に 固定化した凹凸を得ることができる。また、その表示媒体用粒子を用いた情報表示用 パネルによれば、繰り返し表示書き換えを行う場合にも表示コントラストや応答速度の 低下がなぐ耐久性の良好な情報表示用パネルを得ることができる。
図面の簡単な説明
[0019] [図 l] (a)、 (b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの一例を示す図である。
[図 2] (a)、 (b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの他の例を示す図である。
[図 3] (a)、 (b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を示す図であ る。
[図 4]本発明の情報表示用パネルに用いる表示媒体用粒子を走査型電子顕微鏡 (S EM)で撮像した一例を示す図である。
[図 5]本発明の情報表示用パネルにおける隔壁の形状の一例を示す図である。 発明を実施するための最良の形態
[0020] まず、本発明の表示媒体用粒子 (以下、粒子ともいう)を表示媒体として用いた情報
表示用パネルの基本的な構成について説明する。本発明の対象となる情報表示用 パネルでは、対向する 2枚の基板間に封入した表示媒体に電界が付与される。付与 された電界方向にそって、帯電した表示媒体が電界による力やクーロン力などによつ て引き寄せられ、表示媒体が電位の切替による電界方向の変化によって移動方向が 切り換わることにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移 動し、かつ、表示書き換え時あるいは情報の継続表示時の安定性を維持できるよう に、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子に 力、かる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電 気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
[0021] 本発明の対象となる情報表示用パネルの例を、図 1 (a)、(b)〜図 3 (a)、 (b)に基 づき説明する。
[0022] 図 1 (a)、 (b)に示す例では、それぞれが少なくとも 1種以上の粒子から構成される 光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも 2種以上の表示媒体 3 (ここでは白 色の表示媒体用粒子で構成される粒子群からなる白色表示媒体 3Wと黒色の表示 媒体用粒子で構成される粒子群からなる黒色表示媒体 3Bを示す)を、基板 1、 2の外 部から加えられる電界に応じて、基板 1、 2と垂直に移動させ、黒色表示媒体 3Bを観 察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体 3Wを観察者に視 認させて白色の表示を行っている。なお、図 1 (b)に示す例では、図 1 (a)に示す例に カロえて、基板 1、 2との間に例えば格子状に隔壁 4を設けセルを形成している。また、 図 1 (b)において、手前にある隔壁は省略している。
[0023] 図 2 (a)、 (b)に示す例では、それぞれが少なくとも 1種以上の粒子から構成される 光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも 2種以上の表示媒体 3 (ここでは白 色の表示媒体用粒子で構成される粒子群からなる白色表示媒体 3Wと黒色の表示 媒体用粒子で構成される粒子群からなる黒色表示媒体 3Bを示す)を、基板 1に設け た電極 5と基板 2に設けた電極 6との間に電圧を印加することにより発生する電界に 応じて、基板 1、 2と垂直に移動させ、黒色表示媒体 3Bを観察者に視認させて黒色 の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体 3Wを観察者に視認させて白色の表示を 行っている。なお、図 2 (b)に示す例では、図 2 (a)に示す例に加えて、基板 1、 2との
間に例えば格子状に隔壁 4を設けセルを形成している。また、図 2 (b)において、手 前にある隔壁は省略してレ、る。
[0024] 図 3 (a)、 (b)に示す例では、少なくとも 1種以上の粒子から構成される光学的反射 率および帯電性を有する 1種の表示媒体 3 (ここでは白色の表示媒体用粒子で構成 される粒子群からなる白色表示媒体 3Wを示す)を、基板 1に設けた電極 5と電極 6と の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板 1、 2と平行方向に移 動させ、白色表示媒体 3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、電 極 6または基板 1の色を観察者に視認させて電極 6または基板 1の色の表示を行って いる。なお、図 3 (b)に示す例では、図 3 (a)に示す例に加えて、基板 1、 2との間に例 えば格子状の隔壁 4を設けセルを形成している。また、図 3 (b)において、手前にある 隔壁は省略している。
[0025] 本発明の特徴は、少なくとも一方が透明な 2枚の基板間に光学的反射率および帯 電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒 体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する表 示媒体用粒子として、該粒子がモノマーを含む粒子原料を重合してなり、粒子原料 中に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂 炭化水素系樹脂コポリマーを含有し、該モ ノマーの一部もしくは全部力 S 1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーで あり、粒子表面に微小な凹凸を一様に有する点にある。
[0026] このように構成することで、脱落等のない固定化した凹凸が、溶剤等の揮散や抽出 等の工程無しに、懸濁重合時に粒子表面に形成され、よって、駆動(表示媒体の移 動)に必要な電圧が低ぐ表示不良を起こし難い表示媒体用粒子を安定して作製す ること力 Sできる。表面凹凸の大きさについては、凸部もしくは凹部の直径相当径が 0. 01 -0. 5 x mの範囲が好ましい。表面凹凸の大きさは、小さすぎると充分な付着力 低減効果が得られず、また、大きすぎると凹凸部の表面自体で付着してしまい、凹凸 化の効果がなくなってしまう。
[0027] ここで、 1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーの全モノマー中の分 量が 15mol%を下回ると、粒子表面の凹凸が現れないか、もしくは、凹凸が小さくな つてしまい効果が少なレ、。また、全量を多官能性モノマーとすると、粒子を構成する
樹脂の構造が強固となり、耐熱性に優れ、かつ、繰り返し表示書き換えを行う表示耐 久性に優れた粒子が得られるので好ましい。なお、 1分子中の重合反応基を複数持 つ多官能性モノマー力 アクリル系もしくはメタクリル系モノマーであると、粒子表面の 凹凸が作製し易ぐより好ましい。
[0028] 懸濁重合の際に懸濁安定剤として使用する材料については、ポリオキシエチレン 鎖を有するノニオン系の界面活性剤が好ましい。比較的良好な懸濁安定性を有する と共に、粒子表面への残留が少なぐ作製された粒子の帯電性能に対する影響が少 なレ、。さらに、懸濁安定剤として、ポリオキシエチレン鎖とスルホン酸塩のノニオンとァ 二オンの両方の界面活性効果を持つ界面活性剤を使用することがさらに望ましい。 ポリオキシエチレン鎖のみの場合に比べて、懸濁安定性が高い。また、懸濁安定剤と して、 PVAやセルロース樹脂等の水溶性樹脂を使用する方法も採ることができる。こ の場合は、懸濁安定性は非常に高いが、粒子表面に懸濁安定剤が残留してしまい 粒子の帯電性に影響を及ぼす難点もある。
[0029] 懸濁安定剤として、 10〜: !OOOnmの無機微粒子からなる粉体を使用する方法もあ る。この方法は、酸性下で溶解させた無機酸化物を中性に戻して微粒子として析出 させ、安定剤として用い、重合終了後は、再び酸性として溶解させ粒子表面から除去 する方法である。この方法も非常に優れた懸濁安定性を示す。しかし、酸性廃液の 処理等のシステムが必要となる欠点もある。重合開始剤としては、 10時間半減期温 度が 40〜75°Cの物質を使用することが最適である。温度が低すぎると、常温でも重 合が進んでしまい、良好な懸濁液を作製することが困難となる。また、重合により粒子 原料の粘度が上力 Sり過ぎると、表面張力による液滴に球形化が起きず、概真球状の 粒子を得られなくなる。一方、温度が高すぎると、重合に時間が掛カ すぎて効率的 ではない。重合開始剤としては、水等懸濁液中に溶け出すと乳化重合が進行してし まい、着色されない微粒子が大量に作製されて混在することになり、この粒子を表示 媒体用粒子として用いた場合には表示品質を低下させてしまう問題があり、これを防 ぐ為にも、油溶性の物質を使用することが望ましい。開始剤の中では、ァシル系の過 酸化物が挙げられ、あるいは、分子中の炭素数が 10以上のァゾ系開始剤が適用で ある。
[0030] また、 (アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素系樹脂コポリマーについては、 (アクリル系及びメタクリル系)樹脂 炭化水素系樹脂ブロックコポリマーであると、より 望ましレ、。これは、それぞれの樹脂がブロック状になっていることで、ランダム構造より も、より特性を発現させ易くなり、粒子表面の凹凸化が効率的に行える。また、(アタリ ル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素系樹脂コポリマーの炭化水素系樹脂が、ポリ スチレン樹脂やフッ素樹脂であることにより、アクリル系樹脂及びメタクリル系樹脂との 相溶性の違いを出し易ぐ粒子表面の凹凸化が効率的に行える。着色剤については 、懸濁時の懸濁媒への移行による着色の効率が悪化することを防ぐ為に、表面処理 により疎水化する必要性がある。また、マスターバッチ化による着色剤の樹脂被覆も 同様に効果がある。表面処理もしくはマスターバッチ化する着色剤の種類について は、無機顔料、有機顔料、有機染料のいずれも使用でき、かつ、併用も可能である。
[0031] 表示媒体用粒子には、帯電性を得る為に荷電制御剤を含有させると、明確な帯電 性能が得られ、 目的の性能を得やすい。 目的の帯電性能とは、帯電量、帯電均一性 、逆帯電防止等である。荷電制御剤としては、粒子原料であるモノマーに難溶性の 物質を分散させて含有させる方法があり、この方法は積極的に不均一な帯電分布を 作り出し、低帯電で電圧により飛翔し易いトリガー粒子を同時に作製する方法として 有効である。また、モノマー溶解性の荷電制御剤を用いる方法もある。この方法は、 荷電制御剤の均一分散という点で有利で、揃った帯電性による同電位での粒子の移 動が可能となり、良好な表示品質が得やすい。
[0032] 分子内に帯電性の官能基を持った共重合可能なモノマーを粒子原料中に配合し、 重合時に共重合させて樹脂中に化学的に固定化した荷電制御剤として使用する方 法もある。この方法は、帯電性の官能基を粒子表面に配向させるなど、帯電性部位 の局在化を図ることができ、少量で効果が得られる利点と、荷電制御剤のブリードア ゥトゃ脱落といったことが起こり難いという点で、帯電性の耐久性確保に有効である。
[0033] 表示媒体用粒子は、情報表示用パネルでの使用環境上、 60°C以上の耐熱性を有 しなければならないが、物理的な耐熱性および十分な帯電量を有するために必要な 耐熱性を考慮すると、樹脂の Tgは 60°C以上であることが好ましい。また、分子内に 重合性官能基を複数持つモノマーの比率を多くした粒子原料を重合して粒子を得た
場合には、良好な耐熱性を得ることができるが、この場合 Tgは観測されない。
[0034] 図 4に本発明の情報表示用パネルに用いる表示媒体用粒子を走査型電子顕微鏡
(SEM)で撮像した一例を示す。図 4の例では、左側に拡大率 3000倍で、右側に拡 大率 15000倍で、それぞれ粒子表面を拡大した状態を示しており、粒子表面に数十 ナノメートルオーダーの微小凹凸が形成されている様子がわかる。
[0035] 以下、本発明の情報表示用パネルで用レ、る表示媒体用粒子(単に粒子ともいう)の 基本的な構成について説明する。
[0036] 粒子は概球形であることが好ましい。粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に 応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。 以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
[0037] 樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ゥレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ァ クリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、ァ クリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレ ン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフイン樹脂、プチラール樹脂、塩化ビニリデン 樹脂、メラミン樹脂、フエノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォ ン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、 2種以上混合することもで きる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリ コーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフ ッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適である。
[0038] 荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル 酸金属錯体、含金属ァゾ染料、含金属 (金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染 料、 4級アンモニゥム塩系化合物、力リックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジ ル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては 例えば、ニグ口シン染料、トリフヱニルメタン系化合物、 4級アンモニゥム塩系化合物、 ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微 粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合 物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷 電制御剤として用いることもできる。
[0039] 着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染 料が使用可能である。
[0040] 黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、ァニリンブラック 、活性炭等がある。
青色着色剤としては、 C. I.ピグメントブルー 15 : 3、 C. I.ビグメントブルー 15、紺 青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニン ブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファー ストスカイブルー、インダンスレンブルー BC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パー マネントレッド 4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩 、レーキレッド D、ブリリアントカーミン 6B、ェォシンレーキ、ローダミンレーキ B、ァリザ リンレーキ、ブリリアントカーミン 3B、 C. I.ビグメントレッド 2等がある。
[0041] 黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイェロー、黄色酸化鉄、ミネラルファ 一ストイェロー、ニッケノレチタンイェロー、ネーブノレイエロー、ナフトー/レイエロー S、 ハンザイェロー G、ハンザイェロー 10G、ベンジジンイェロー G、ベンジジンイェロー GR、キノリンイェローレーキ、パーマネントイェロー NCG、タートラジンレーキ、 C. I. ビグメントイエロー 12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ビグメントグリーン B、 C. I.ピグメ ントグリーン 7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイェローグリーン G等がある。 橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジ GTR、 ピラゾロンオレンジ、ノくノレカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジ RK:、ベン ジジンオレンジ G、インダンスレンブリリアントオレンジ GK:、 C. I.ビグメントオレンジ 3 1等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレット B、メチルバイオレットレー キ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
[0042] 体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タル ク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料と
して、ニグ口シン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイェロー、ウルトラマリン ブノレ一等がある。
[0043] 無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭 酸カルシウム、鉛白、タノレク、シリカ、ケィ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムィ エロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイェロー、紺青、群青、コバルトブ ノレ一、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフ エライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。 これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いるこ とができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラック力 白色顔料として酸化チ タンが好ましい。
[0044] また、本発明で用いる粒子は粒子径が 0. 5〜50 μ mの範囲であり、均一で揃って レ、ることが好ましい。粒子径がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲 より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために表示媒体としての移動に支 障をきたすようになる。
[0045] 更に本発明では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布 Sp anを 5未満、好ましくは 3未満とする。
Span= (d(0.9)-d(0.1)) /d(0.5)
(但し、 d(0.5)は粒子の 50%がこれより大きぐ 50%がこれより小さいという粒子径を/ i mで表した数値、 d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が 10%である粒子径を μ mで表し た数値、 d(0.9)はこれ以下の粒子が 90%である粒子径を μ ΐηで表した数値である。 ) Spanを 5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃レ、、均一な表示媒体 としての移動が可能となる。
[0046] さらにまた、各粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子の d( 0.5)に対する最小径を有する粒子の d(0.5)の比を 50以下、好ましくは 10以下とするこ とが肝要である。たとえ粒子径分布 Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異な る粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近ぐ互いの粒子が当量 ずつ反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる
[0047] なお、上記の粒子径分布および平均粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求 めること力 Sできる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散 乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係がある ことから、平均粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明の粒子における平均粒子径および粒子径分布は、体積基準分布か ら得られたものである。具体的には、 Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測 定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト (Mie理論を用いた体 積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことが できる。
[0048] 表示媒体用粒子の帯電量は当然その測定条件に依存するが、情報表示用パネル における表示媒体用粒子の帯電量はほぼ、初期帯電量、隔壁との接触、基板との接 触、経過時間に伴う電荷減衰に依存し、特に表示媒体用粒子の帯電挙動の飽和値 が支配因子となっているということが分かった。
[0049] 本発明者らは鋭意検討の結果、ブローオフ法において同一のキャリア粒子を用い て、表示媒体に用いる粒子の帯電量測定を行うことにより、表示媒体用粒子の適正 な帯電特性値の範囲を評価できることを見出した。
[0050] 更に、表示媒体用粒子で構成する表示媒体を乾式の情報表示用パネルに適用す る場合には、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表 示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、 25°Cに おける相対湿度を 60%RH以下、好ましくは 50%RH以下とすることが重要である。 この空隙部分とは、図 1 (a)、(b)〜図 3 (a)、 (b)において、対向する基板 1、基板 2 に挟まれる部分から、電極 5、 6 (基板の内側に電極を設けた場合)、表示媒体 3の占 有部分、隔壁 4の占有部分(隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルのシール部分 を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥 空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが 好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入する ことが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを
所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法 を施すことが肝要である。
[0051] 本発明の対象となる情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体 が移動できて、コントラストを維持できればょレ、が、通常 10〜500 x m、好ましくは 10
〜200 μ πιに調整される。
表示媒体を用いる場合、対向する基板間の空間における表示媒体の体積占有率 は 5〜70%が好ましぐさらに好ましくは 5〜60%である。 70%を超える場合には表 示媒体の移動の支障をきたし、 5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易レ、。
[0052] 以下、本発明の対象となる情報表示用パネルを構成する各部材について説明する
[0053] 基板については、少なくとも一方の基板はパネル外側から表示媒体 3の色が確認 できる透明な基板 2であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適で ある。基板 1は透明でも不透明でも力まわなレ、。基板材料を例示すると、ポリエチレン テレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポ リカーボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可とう 性のあるもの、および、ガラス、石英などの可とう性のない無機シートが挙げられる。 基板の厚みは、 2〜5000 /1 111カ 子ましく、さらに 5〜2000 μ ΐη力 S好適であり、薄すぎ ると、強度、基板間の間隔均一性を保ちに《なり、 5000 μ ΐηより厚いと、薄型情報 表示用パネルとする場合に不都合がある。
[0054] 情報表示用パネルに電極を設ける場合の電極形成材料としては、アルミニウム、銀 、ニッケル、銅、金等の金属類や ΙΤΟ、酸化インジウム、導電性酸化錫、導電性酸化 亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリア二リン、ポリピロール、ポリチオフヱンなどの導電 性高分子類が例示され、適宜選択して用いられる。電極の形成方法としては、上記 例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、 CVD (化学蒸着)法、塗布法等で薄膜 状に形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりす る方法が用いられる。視認側(表示面側)基板に設ける電極は透明である必要がある が、背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形 成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極厚みは
、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良ぐ 3〜: 1000nm、好ましくは 5〜 400nmが好適である。背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示 側基板に設ける電極と同様である力 透明である必要はない。なお、この場合の外部 電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
[0055] 必要に応じて基板に設ける隔壁 4については、その形状は表示にかかわる表示媒 体の種類により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は 2〜: 100 μ m、好ましくは 3〜50 μ mに、隔壁の高さは 10〜500 μ m、好ましくは 10〜200 μ mに調整される。これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、図 5に示すごとく 、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配 置としては格子状ゃハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断 面部分に相当する部分 (セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良ぐ表示 状態の鮮明さが増す。
実施例
[0056] 以下、本発明例、比較例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記 に限定されるものではない。なお、実施例および比較例の情報表示用パネルは、下 記の方法にて作製したものを、下記の基準に従い、評価した。
[0057] ぐ実施例 1 >
正帯電粒子としてメチルメタタリレートモノマー(関東化学試薬) 60重量部、及び、 1 分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてエチレングリコールジメタク リレート(和光純薬試薬) 40重量部(約 25mol%)に、正帯電のモノマー難溶性荷電 制御剤としてニグ口シン化合物(ボントロン N07:オリエント化学製) 3重量部をサンドミ ルにより分散させ、黒色無機顔料系着色剤として、カーボンブラック(MA100 :三菱 化学製) 40重量部を予めメタクリル樹脂(デルペット 560F:旭化成製) 60重量部に分 散させたマスターバッチ 12. 5重量部と、 (アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水 素系樹脂コポリマーとして(アクリル系及びメタクリル系)樹脂 フッ素樹脂ブロックコ ポリマー(モディパー F600 :日本油脂製) 5重量を溶解させた後、さらにァシル系過 酸化物であるラウリルパーオキサイド (パーロィル L :日本油脂製 /10時間半減期温 度 61. 6°C) 2重量部を溶解させた液を、分子中にポリオキシアルキレン鎖とスルホン
酸塩を含む界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム (ラ テムル E— 118B :花王製)を 0. 5wt%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾 燥させた後、分級機(MDS— 2 :日本ニューマチック工業)を用いて粒子径 0. 5〜50 z mの範囲で平均粒子径 9. 8 111の粒子1を得た。粒子 1の樹脂成分の Tgは 100 °Cであった。また、粒子 1の表面を SEM観察したところ、直径相当径約 lOOnmの凹 凸が確認された。
[0058] 負帯電粒子としては、スチレンモノマー(関東化学試薬) 60重量部、及び、 1分子中 に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてジビュルベンゼン (DVB - 960 : 新日鐡化学製) 40重量部 (約 35mol%)に、負帯電のモノマー難溶性荷電制御剤と してフエノール系縮合物(ボントロン E89:オリエント化学製) 5重量部をサンドミルによ り分散させ、白色無機顔料系着色剤として、酸化チタン (タイペータ CR_ 50 :石原産 業製) 80重量部を予めメタクリル樹脂(デルペット 560F:旭化成製) 20重量部に分散 させたマスターバッチ 25重量部と、(アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素系 榭脂コポリマーとして(アクリル系及びメタクリル系)樹脂 フッ素樹脂ブロックコポリマ 一(モディパー F600 :日本油脂製) 5重量を溶解させた後、さらにァシル系過酸化物 であるラウリルパーオキサイド (パーロィル L :日本油脂製 /10時間半減期温度 61. 6°C) 2重量部を溶解させた液を、分子中にポリオキシアルキレン鎖とスルホン酸塩を 含む界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムル E— 118B :花王製)を 0. 5wt%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させ た後、分級機(MDS— 2 :日本ニューマチック工業)を用いて粒子径 0. 5〜50 /i mの 範囲で平均粒子径 9. 5 /i mの粒子 2を得た。粒子 2の樹脂成分の Tgは 95°Cであつ た。また、粒子 2の表面を SEM観察したところ、直径相当径約 150nmの凹凸が確認 された。
[0059] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。上記混合粒子を、 100 μ mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処理され電源に接続さ れたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率 30%で充填し、情 報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源を接続し、 IT〇ガ ラス基板が低電位に、銅基板が高電位となる様に 250Vの直流電圧を印加すると、
正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれぞれ飛翔し、ガラス 基板を通して黒色の表示状態が観察された。次に、印加電圧の電位を逆にすると、 両粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、白色の表示状態が観察された。いずれの場 合でも、 ITOガラス基板上に表示させたい粒子と別色粒子の混在は無ぐ良好な表 示品質が得られた。また、印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態 における反射率を測定し、白表示時反射率と黒表示時反射率との比が 8倍となる電 圧を駆動電圧として求めたところ、その電圧は、 105Vであった。
[0060] ぐ比較例 1 >
正帯電粒子として実施例 1記載の粒子 1に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂—フッ 素樹脂ブロックコポリマー(モディパー F600 :日本油脂製)を溶解させない以外は、 実施例 1と全く同じ方法で粒子径 0. 5〜50 x mの範囲で平均粒子径 9. 2 μ mの粒 子 3を得た。粒子 3の樹脂成分の Tgは 102°Cであった。また、粒子 3の表面を SEM 観察したところ、凹凸は確認されなかった。
[0061] 負帯電粒子として実施例 1記載の粒子 2に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂ーフッ 素樹脂ブロックコポリマー(モディパー F600 :日本油脂製)を溶解させない以外は、 実施例 1と全く同じ方法で粒子径 0. 5〜50 μ ΐηの範囲で平均粒子径 8. 9 /i mの粒 子 4を得た。粒子 4の樹脂成分の Tgは 96°Cであった。また、粒子 4の表面を SEM観 察したところ、凹凸は確認されなかった。
[0062] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。上記混合粒子を、 100 μ mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処理され電源に接続さ れたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率 30%で充填し、情 報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源を接続し、 IT〇ガ ラス基板が低電位に、銅基板が高電位となる様に 250Vの直流電圧を印加したところ 、正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれぞれ飛翔し、ガラ ス基板を通して黒色の表示状態が観察された。次に、印加電圧の電位を逆にすると 、両粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、白色表示状態が観察できたが、表示が不完 全で良好な表示品質が得られなかった。印加する電圧を徐々に変えていき、それぞ れの表示状態における反射率を測定し、白表示時反射率と黒表示時反射率との比
力 ¾倍となる電圧を駆動電圧として求めたところ、その電圧は、 230Vであった。
[0063] <実施例 2 >
正帯電粒子として実施例 1記載の粒子 1にメチルメタタリレートモノマーを使用せず 、 1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてエチレングリコールジメ タクリレート(和光純薬試薬)を 100重量部使用した点以外は、実施例 1と全く同じ方 法で粒子径 0. 5〜50 x mの範囲で平均粒子径 9. 5 μ mの粒子 5を得た。粒子 5の 樹脂成分の Tgは観測されなかった。粒子 5の表面を SEMで観察したところ、直径相 当径約 lOOnmの凹凸が確認された。
[0064] 負帯電粒子として実施例 1記載の粒子 2にスチレンモノマーを使用せず、 1分子中 に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてジビュルベンゼン (DVB - 960 : 新日鐡化学製)を 100重量部使用した点以外は、実施例 1と全く同じ方法で粒子径 0 . 5〜50 μ πιの範囲で平均粒子径 10. O z mの粒子 6を得た。粒子 6の樹脂成分の Τ gは観測されな力 た。粒子 6の表面を SEMで観察したところ、直径相当径約 150η mの凹凸が確認された。
[0065] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。上記混合粒子を、 100 μ mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処理され電源に接続さ れたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率 30%で充填し、情 報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源を接続し、 ITOガ ラス基板が低電位に、銅基板が高電位となる様に 250Vの直流電圧を印加すると、 正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれぞれ飛翔し、ガラス 基板を通して黒色の表示状態が観察された。次に、印加電圧の電位を逆にすると、 両粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、白色の表示状態が観察された。いずれの場 合でも、 ITOガラス基板上に表示させたい粒子と別色粒子の混在は無ぐ良好な表 示品質が得られた。また、印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態 における反射率を測定し、白表示時反射率と黒表示時反射率との比が 8倍となる電 圧を駆動電圧として求めたところ、その電圧は、 105Vであった。
[0066] ぐ比較例 2 >
正帯電粒子として実施例 1記載の粒子 1にメチルメタタリレートモノマー(関東化学
試薬)を 100重量部使用し、エチレングリコールジメタタリレートを使用しなかった点以 外は、実施例 1と全く同じ方法で粒子径 0. 5〜50 /i mの範囲で平均粒子径 9. 8 μ mの粒子 7を得た。粒子 7の樹脂成分の Tgは 100°Cであった。また、粒子 7の表面を SEM観察したところ、凹凸は確認されなかった。
[0067] 負帯電粒子として実施例 1記載の粒子 2にスチレンモノマー(関東化学試薬)を 100 重量部使用し、ジビニルベンゼンを使用しなかった点以外は、実施例 1と全く同じ方 法で粒子径 0. 5〜50 x mの範囲で平均粒子径 9. 3 μ mの粒子 8を得た。粒子 8の 樹脂成分の Tgは 85°Cであった。また、粒子 8の表面を SEMで観察したところ、凹凸 は確認されなかった。
[0068] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。上記混合粒子を、 100 μ mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処理され電源に接続さ れたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率 30%で充填し、情 報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源を接続し、 ITOガ ラス基板が低電位に、銅基板が高電位となる様に 250Vの直流電圧を印加したところ 、正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれぞれ飛翔し、ガラ ス基板を通して黒色表示状態が観察された。次に、印加電圧の電位を逆にすると、 両粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、白色の表示状態が観察できたが、表示が不 完全で良好な表示品質が得られなかった。印加する電圧を徐々に変えていき、それ ぞれの表示状態における反射率を測定し、白表示時反射率と黒表示時反射率との 比が 8倍となる電圧を駆動電圧として求めたところ、その電圧は、 240Vであった。
[0069] <実施例 3 >
正帯電粒子として、実施例 1記載の粒子 1にポリオキシエチレンアルキルエーテル 硫酸ナトリウム(ラテムル E _ 1 18B:花王製)を使用せず、替わりに分子中にポリオキ シアルキレン鎖を含む界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル(エマ ノレゲン 1 135S - 70 :花王製)を使用した点以外は、実施例 1と全く同じ方法で粒子 径 0. 5〜50 x mの範囲で平均粒子径 9. 4 z mの粒子 9を得た。粒子 9の樹脂成分 の Tgは 100°Cであった。粒子 9の表面を SEMで観察したところ、直径相当径約 150 nmの凹凸が確認された。
[0070] 負帯電粒子として、実施例 1記載の粒子 2にポリオキシエチレンアルキルエーテル 硫酸ナトリウム(ラテムル E— 118B:花王製)を使用せず、替わりに分子中にポリオキ シアルキレン鎖を含む界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル(エマ ノレゲン 1135S- 70 :花王製)を使用した点以外は、実施例 1と全く同じ方法で粒子 径 0. 5〜50 x mの範囲で平均粒子径 9. 0 μ mの粒子 10を得た。粒子 10の樹脂成 分の Tgは 95°Cであった。粒子 10の表面を SEMで観察したところ、直径相当径約 2 OOnmの凹凸が確認された。
[0071] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。上記混合粒子を、 100 μ mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処理され電源に接続さ れたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率 30%で充填し、情 報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源を接続し、 IT〇ガ ラス基板が低電位に、銅基板が高電位となる様に 250Vの直流電圧を印加すると、 正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれぞれ飛翔し、ガラス 基板を通して黒色の表示状態が観察された。次に、印加電圧の電位を逆にすると、 両粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、白色の表示状態が観察された。いずれの場 合でも、 ΙΤΟガラス基板上に表示させたい粒子と別色粒子の混在は無ぐ良好な表 示品質が得られた。また、印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態 において反射率を観察し、白表示時反射率と黒表示時反射率との比が 8倍となる電 圧を駆動電圧として求めたところ、その電圧は、 110Vであった。
[0072] <実施例 4 >
正帯電粒子として、実施例 1記載の粒子 1にポリオキシエチレンアルキルエーテル 硫酸ナトリウム(ラテムル Ε_ 118B:花王製)を使用せず、替わりに水溶性樹脂の界 面活性剤としてポリビュルアルコール(ポバール PVA—420:クラレ製)を使用した点 以外は、実施例 1と全く同じ方法で粒子径 0. 5〜50 z mの範囲で平均粒子径 9. 7 z mの粒子 11を得た。粒子 11の樹脂成分の Tgは 100°Cであった。粒子 11の表面 を SEMで観察したところ、直径相当径約 150nmの凹凸が確認された。
[0073] 負帯電粒子として、実施例 1記載の粒子 2にポリオキシエチレンアルキルエーテル 硫酸ナトリウム(ラテムル E_ 118B:花王製)を使用せず、替わりに水溶性樹脂の界
面活性剤としてポリビニルアルコール(ポバール PVA— 420:クラレ製)を使用した点 以外は、実施例 1と全く同じ方法で粒子径 0. 5〜50 /i mの範囲で平均粒子径 9. 3 /i mの粒子 12を得た。粒子 12の樹脂成分の Tgは 95°Cであった。粒子 12の表面を SEMで観察したところ、直径相当径約 200nmの凹凸が確認された。
[0074] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。上記混合粒子を、 100 μ mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処理され電源に接続さ れたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率 30%で充填し、情 報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源を接続し、 IT〇ガ ラス基板が低電位に、銅基板が高電位となる様に 250Vの直流電圧を印加すると、 正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれぞれ飛翔し、ガラス 基板を通して黒色表示状態が観察された。次に、印加電圧の電位を逆にすると、両 粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、白色の表示状態が観察された。いずれの場合 でも、 ΙΤΟガラス基板上に表示させたい粒子と別色粒子の混在は無ぐ良好な表示 品質が得られた。また、印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態に おいて反射率を測定し、白表示時反射率と黒表示時反射率との比が 8倍となる電圧 を駆動電圧として求めたところ、その電圧は、 1 10Vであった。
[0075] <実施例 5 >
正帯電粒子として、実施例 1記載の粒子 1にポリオキシエチレンアルキルエーテル 硫酸ナトリウム(ラテムル Ε— 1 18B:花王製)を使用せず、替わりに無機粒子の界面 活性剤として 80nmに分散された 3リン酸カルシウム(関東化学試薬)を使用した点以 外は、実施例 1と全く同じ方法で粒子径 0. 5〜50 /i mの範囲で平均粒子径 9. 5 μ mの粒子 13を得た。粒子 13の樹脂成分の Tgは 100°Cであった。粒子 13の表面を S EMで観察したところ、直径相当径約 l OOnmの凹凸が確認された。
[0076] 負帯電粒子として、実施例 1記載の粒子 2にポリオキシエチレンアルキルエーテル 硫酸ナトリウム(ラテムル E _ 1 18B:花王製)を使用せず、替わりに無機粒子の界面 活性剤として 80nmに分散された 3リン酸カルシウム(関東化学試薬)を使用した点以 外は、実施例 1と全く同じ方法で粒子径 0. 5〜50 z mの範囲で平均粒子径 9. 1 μ mの粒子 14を得た。粒子 14の樹脂成分の Tgは 95°Cであった。粒子 14の表面を SE
Mで観察したところ、直径相当径約 150nmの凹凸が確認された。
[0077] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。上記混合粒子を、 100 μ mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処理され電源に接続さ れたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率 30%で充填し、情 報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源を接続し、 IT〇ガ ラス基板が低電位に、銅基板が高電位となる様に 250Vの直流電圧を印加すると、 正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれぞれ飛翔し、ガラス 基板を通して黒色の表示状態が観察された。次に、印加電圧の電位を逆にすると、 両粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、白色の表示状態が観察された。いずれの場 合でも、 ΙΤΟガラス基板上に表示させたい粒子と別色粒子の混在は無ぐ良好な表 示品質が得られた。また、印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態 における反射率を測定し、白表示時反射率と黒表示時反射率との比が 8倍となる電 圧を駆動電圧として求めたところ、その電圧は、 105Vであった。
[0078] <比較例 3 >
正帯電粒子として、実施例 1記載の粒子 1にラウリルパーオキサイド (パーロィル L : 日本油脂製 /10時間半減期温度 61. 6°C)を使用せず、替わりにイソブチルパーォ キサイド (パーロィル IB :日本油脂製 / 10時間半減期温度 32. 7°C)を使用した点以 外は、実施例 1と全く同じ方法で粒子径 0. 5〜50 /i mの範囲で平均粒子径 9. 5 μ mの粒子 15を得た。粒子 15の樹脂成分の Tgは 100°Cであった。粒子 15の表面を S EMで観察したところ、直径相当径約 l OOnmの凹凸が確認された。しかし、重合開 始剤の反応速度が速すぎた為、懸濁以前に重合が開始され、モノマーが増粘してし まレ、、結果として、粒子 15が概真球状とならず、不定形になってしまっていることが確 認された。
[0079] 負帯電粒子として、実施例 1記載の粒子 2にラウリルパーオキサイド (パーロィル L :
日本油脂製 /10時間半減期温度 61. 6°C)を使用せず、替わりにイソブチルバーオ キサイド (パーロィル IB :日本油脂製 ZlO時間半減期温度 32. 7°C)を使用した点以 外は、実施例 1と全く同じ方法で粒子径 0. 5〜50 z mの範囲で平均粒子径 9. 1 μ mの粒子 16を得た。粒子 16の樹脂成分の Tgは 95°Cであった。粒子 16の表面を SE
Mで観察したところ、直径相当径約 150nmの凹凸が確認された。しかし、重合開始 剤の反応速度が速すぎた為、懸濁以前に重合が開始され、モノマーが増粘してしま レ、、結果として、粒子 16が概真球状とならず、不定形になってしまっていることが確 認された。
[0080] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。上記混合粒子を、
100 μ mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処理され電源に接続さ れたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率 30%で充填し、情 報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源を接続し、 IT〇ガ ラス基板が低電位に、銅基板が高電位となる様に 250Vの直流電圧を印加すると、 正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれぞれ飛翔し、ガラス 基板を通して黒色の表示状態が観察された。次に、印加電圧の電位を逆にすると、 両粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、白色の表示状態が観察された。いずれの場 合でも、 ΙΤΟガラス基板上に表示させたい粒子と別色粒子の混在は無ぐ良好な表 示品質が得られた。また、印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態 において反射率を測定し、白表示時反射率と黒表示時反射率との比が 8倍となる電 圧を駆動電圧として求めたところ、その電圧は、 180Vであった。
[0081] <比較例 4 >
正帯電粒子として、実施例 1記載の粒子 1にラウリルパーオキサイド (パーロィル L : 日本油脂製 /10時間半減期温度 61. 6°C)を使用せず、替わりに t ブチルパーォ キシイソプチレート (パーブチル IB :日本油脂製 /10時間半減期温度 77. 3°C)を使 用した点以外は、実施例 1と全く同じ方法で粒子の作製を試みたが、重合開始剤の 反応性が遅すぎた為、モノマーが硬化せず、粒子は形成されなかった。
[0082] 負帯電粒子として、実施例 1記載の粒子 2にラウリルパーオキサイド (パーロィル L :
日本油脂製 /10時間半減期温度 61. 6°C)を使用せず、替わりに t一ブチルバーオ キシイソプチレート (パーブチル IB :日本油脂製 /10時間半減期温度 77. 3°C)を使 用した点以外は、実施例 1と全く同じ方法で粒子の作製を試みたが、重合開始剤の 反応性が遅すぎた為、モノマーが硬化せず、粒子は形成されなかった。
[0083] ぐ実施例 6 >
正帯電粒子として、実施例 1記載の粒子 1にラウリルパーオキサイド (パーロィル L : 日本油脂製 /10時間半減期温度 61. 6°C)を使用せず、替わりに 1分子内の炭素数 10以上のァゾ系物質であるァゾビスジメチルバレロニトリル (V— 65:和光純薬製 /1 0時間半減期温度: 51°C)を使用した点以外は、実施例 1と全く同じ方法で粒子径 0 . 5〜50 z mの範囲で平均粒子径 9. 0 x mの粒子 17を得た。粒子 17の樹脂成分の Tgは 100°Cであった。粒子 17の表面を SEMで観察したところ、直径相当径約 200η mの凹凸が確認された。
[0084] 負帯電粒子として、実施例 1記載の粒子 2にラウリルパーオキサイド (パーロィル L :
日本油脂製 /10時間半減期温度 61. 6°C)を使用せず、替わりに 1分子内の炭素数 10以上のァゾ系物質であるァゾビスジメチルバレロニトリル (V—65:和光純薬製 /1 0時間半減期温度: 51°C)を使用した点以外は、実施例 1と全く同じ方法で粒子径 0 . 5〜50 μ πιの範囲で平均粒子径 9. 6 x mの粒子 18を得た。粒子 18の樹脂成分の Tgは 95°Cであった。粒子 18の表面を SEMで観察したところ、直径相当径約 200η mの凹凸が確認された。
[0085] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。上記混合粒子を、 100 μ mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処理され電源に接続さ れたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率 30%で充填し、情 報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源を接続し、 ITOガ ラス基板が低電位に、銅基板が高電位となる様に 250Vの直流電圧を印加すると、 正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれぞれ飛翔し、ガラス 基板を通して黒色の表示状態が観察された。次に、印加電圧の電位を逆にすると、 両粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、白色の表示状態が観察された。いずれの場 合でも、 ITOガラス基板上に表示させたい粒子と別色粒子の混在は無ぐ良好な表 示品質が得られた。また、印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態 において反射率を測定し、白表示時反射率と黒表示時反射率との比が 8倍となる電 圧を駆動電圧として求めたところ、その電圧は、 110Vであった。
[0086] ぐ比較例 5 >
正帯電粒子として、実施例 1記載の粒子 1にラウリルパーオキサイド (パーロィル L :
日本油脂製 /10時間半減期温度 61. 6°C)を使用せず、替わりに 1分子内の炭素数 10以下のァゾ系物質であるァゾビスイソブチロニトリル (V— 60:和光純薬製/ 10時 間半減期温度: 65°C)を使用した点以外は、実施例 1と全く同じ方法で粒子径 0. 5 〜50 μ πιの範囲で平均粒子径 9. 9 x mの粒子 19を得た。粒子 19の樹脂成分の Tg は 100°Cであった。粒子 19の表面を SEMで観察したところ、直径相当径約 200nm の凹凸が確認された。また、重合開始剤の疎水性が不充分な為、乳化重合により副 生成された微粒子が分級で分離しきれずに確認された。
[0087] 負帯電粒子として、実施例 1記載の粒子 2にラウリルパーオキサイド (パーロィル L :
日本油脂製 /10時間半減期温度 61. 6°C)を使用せず、替わりに 1分子内の炭素数 10以下のァゾ系物質であるァゾビスイソブチロニトリル (V— 60:和光純薬製 Z10時 間半減期温度: 65°C)を使用した点以外は、実施例 1と全く同じ方法で粒子径 0. 5 〜50 μ πιの範囲で平均粒子径 9. 6 x mの粒子 20を得た。粒子 20の樹脂成分の Tg は 95°Cであった。粒子 20の表面を SEMで観察したところ、直径相当径約 200nmの 凹凸が確認された。また、重合開始剤の疎水性が不充分な為、乳化重合により副生 成された微粒子が分級で分離しきれずに確認された。
[0088] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。上記混合粒子を、 100 μ mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処理され電源に接続さ れたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率 30%で充填し、情 報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源を接続し、 ITOガ ラス基板が低電位に、銅基板が高電位となる様に 250Vの直流電圧を印加すると、 正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれぞれ飛翔し、ガラス 基板を通して黒色の表示状態が観察された。次に、印加電圧の電位を逆にすると、 両粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、白色の表示状態が観察された。しかし、いず れの場合でも、基板上の粒子の混在が確認され、良好な表示品質が得られなかった 。また、印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態において反射率を 測定したが、 500V以下の電圧では、微粒子によるコントラスト低下の為、白表示時 反射率と黒表示時反射率との比が 8倍となる電圧を見出せなかった。
[0089] ぐ実施例 7 >
正帯電粒子として、実施例 1記載の粒子 1に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂ーフ ッ素樹脂ブロックコポリマー(モディパー F600 :日本油脂製)を使用せず、(アクリル 系及びメタクリル系)樹脂 炭化水素系コポリマーとしてアクリルスチレン樹脂 (スタイ ラック AS— 767 :旭化成製)を使用した点以外は、実施例 1と全く同じ方法で粒子径 0. 5〜50 x mの範囲で平均粒子径 9. 8 μ mの粒子 21を得た。粒子 21の樹脂成分 の Tgは 100°Cであった。粒子 21の表面を SEMで観察したところ、直径相当径約 15 Onmの凹凸が確認された。
[0090] 負帯電粒子として、実施例 1記載の粒子 2に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂—フ ッ素樹脂ブロックコポリマー(モディパー F600 :日本油脂製)を使用せず、(アクリル 系及びメタクリル系)樹脂一炭化水素系コポリマーとしてアクリルスチレン樹脂 (スタイ ラック AS— 767 :旭化成製)を使用した点以外は、実施例 1と全く同じ方法で粒子径 0. 5〜50 x mの範囲で平均粒子径 9. 2 μ mの粒子 22を得た。粒子 22の樹脂成分 の Tgは 95°Cであった。粒子 22の表面を SEMで観察したところ、直径相当径約 150 nmの凹凸が確認された。
[0091] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。上記混合粒子を、
100 μ mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処理され電源に接続さ れたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率 30%で充填し、情 報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源を接続し、 ITOガ ラス基板が低電位に、銅基板が高電位となる様に 250Vの直流電圧を印加すると、 正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれぞれ飛翔し、ガラス 基板を通して黒色の表示状態が観察された。次に、印加電圧の電位を逆にすると、 両粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、白色の表示状態が観察された。いずれの場 合でも、 ITOガラス基板上に表示させたい粒子と別色粒子の混在は無ぐ良好な表 示品質が得られた。また、印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態 において反射率を測定し、白表示時反射率と黒表示時反射率との比が 8倍となる電 圧を駆動電圧として求めたところ、その電圧は、 110Vであった。
[0092] 本発明は上述した実施例にのみ限定されるものではなぐ幾多の変形、変更が可 能である。以下、そのような変形例について説明する。
[0093] (1)変形例 1
本発明の、モノマーを含む粒子原料を重合してなる概球形粒子であり、粒子原料 中に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂 炭化水素系樹脂コポリマーを含有し、モノ マーの一部もしくは全部力 分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーであ る表示媒体用粒子において、粒子原料を重合してなる粒子の篩残分が 20%以下で あり、かつ、粒子表面に BET比表面積で 5〜150m2Zgとなる微小な凹凸を一様に 有するよう構成すること力 Sできる。
[0094] このように構成することで、粒子表面に強固に固定化した凹凸を得ることができる。
また、その表示媒体用粒子を表示媒体として用いた情報表示用パネルによれば、繰 り返し表示書き換えを行う場合にも表示コントラストや表示書き換え応答速度の低下 がなぐ表示性や表示書き換え性における耐久性の良好なだけでなぐ低電圧印加 で表示媒体の電界駆動が行える情報表示用パネルを得ることができる。
[0095] また、本変形例 1では、表面凹凸の度合いを測る指標として BET比表面積を用い、 この値が 5〜150m2/g、より好ましくは 20〜: 100m2/gに入ることが必要である。こ の指標が所定の範囲に入った場合、低付着性の粒子が得られる。この指標値が、あ まりに小さいと充分な付着力低減効果が得られず、また、大きすぎた場合、粒子構造 が疎となり、表示書き換えを繰り返すうちに粒子の破壊による表示品質の低下が起き てしまう。ただし、これらの値が所定の範囲に入っていても物理的付着力を低減でき ない場合がある。それは、粒子原料中に低 Tg材料を使用した場合などが挙げられる 、粒子一粒子間、粒子一基板間の粘着性が悪影響を及ぼし、表示媒体としての流 動性が低下する為、結果として表示品質の低下や、駆動電位の高電圧化を引き起こ してしまうのである。
[0096] この流動性の度合いを測る指標として、篩残分が挙げられる。これは、好ましくは 32
μ m目開きの篩を lmm振幅で 120秒間振動させた時に篩上面に乗せた粒子の残 存する割合のことで、この値が 20%以下、より好ましくは、 10%以下である必要があ る。この指標が所定の範囲に入った場合、良好な流動性の表示媒体となる粒子が得 られる。ただし、表面凹凸が無く表面平滑な粒子であっても、篩残分の値が所定の範 囲に入る場合がある。これは、高硬度の粒子を使用した場合などが挙げられるが、こ
の様な粒子である場合、上述した理由により、駆動電位の高電圧化を引き起こしてし まう。よって、上述した BET比表面積と篩残分の値の両方が所定の範囲に入ってい ると、表示媒体用粒子として好適である。
[0097] 以下、変形例 1について、本発明例となる実施例及び比較例を示して、より具体的 に説明する。
[0098] <実施例 11 >
正帯電粒子としてメチルメタタリレートモノマー(関東化学試薬) 60重量部、及び、 1 分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてエチレングリコールジメタク リレート(和光純薬試薬) 40重量部(約 25mol%)に、正帯電の荷電制御剤として二 グロシンィ匕合物(ボントロン N07 :オリエントィ匕学製) 3重量部、及び、黒色顔料として 、カーボンブラック(スペシャルブラック:デグッサ製) 5重量部をサンドミルにより分散 させ、(アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素系樹脂ブロックコポリマー (モデ ィパー F600 :日本油脂製) 5重量を溶解させた後、さらに 2重量部のラウリルパーォ キサイド (パーロィル L :日本油脂製)を溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシ エチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムル E— 118B:花王製)を 0· 5%添 加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機 (MDS— 2 :日本ニュ 一マチック工業)を用いて 5〜20 /i mの粒子 1を得た。粒子 1の篩残分は 9%、 BET 比表面積は 80m2/gであった。粒子 1の樹脂成分の Tgは 100°Cであった。また、粒 子 1の表面を SEM観察したところ、直径相当径約 lOOnmの凹凸が確認された。
[0099] 負帯電粒子としては、スチレンモノマー(関東化学試薬) 60重量部、及び、ジビニル ベンゼン (DVB— 960:新日鐵化学製) 40重量部(約 35mol%)に、負帯電の荷電 制御剤としてフヱノール系縮合物(ボントロン E89 :オリエントィ匕学製) 5重量部、及び 、白色顔料として、酸化チタン (タイペータ CR_ 50 :石原産業製) 20重量部をサンド ミルにより分散させ、 (アクリル系及びメタクリル系)樹脂一炭化水素系樹脂ブロックコ ポリマー(モディパー F600 :日本油脂製) 5重量を溶解させた後、さらに 2重量部のラ ゥリルパーオキサイド (パーロィル L :日本油脂製)を溶解させた液を、界面活性剤とし てポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムル E— 118B:花王製) を 0. 5%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機 (MDS—
2 :日本ニューマチック工業)を用いて 5〜 20 μ ΐηの粒子 2を得た。粒子 2の篩残分は 11 %、 BET比表面積は 62m2/gであった。粒子 2の樹脂成分の Tgは 95°Cであった 。また、粒子 2の表面を SEM観察したところ、直径相当径約 150nmの凹凸が確認さ れた。
[0100] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。上記混合粒子を、
100 μ mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処理され電源に接続さ れたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率 30%で充填し、情 報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源を接続し、 IT〇ガ ラス基板が低電位に、銅基板が高電位となる様に 250Vの直流電圧を印加すると、 正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれぞれ飛翔し、ガラス 基板を通して黒色の表示状態が観察された。次に、印加電圧の電位を逆にすると、 両粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、白色の表示状態が観察された。いずれの場 合でも、 ΙΤΟガラス基板上に表示させたい粒子と別色粒子の混在は無ぐ良好な表 示品質が得られた。また、印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態 における反射率を測定し、白表示時反射率と黒表示時反射率との比が 8倍となる電 圧を駆動電圧として求めたところ、その電圧は、 105Vであった。また、粒子移動方向 を交互に反転させて行う繰り返し書き換え耐久試験で 30万回表示書き換え後の駆 動電圧は 105Vで変わらなかった。
[0101] <比較例 11 >
正帯電粒子として実施例 11記載の粒子 1に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂 炭 化水素系樹脂ブロックコポリマー(モディパー F600 :日本油脂製)を溶解させない以 外は、実施例 11と全く同じ方法で粒子 3を得た。粒子 3の篩残分は 15%、 BET比表 面積は 1. 3m2Zgであった。粒子 3の樹脂成分の Tgは 100°Cであった。また、粒子 3 の表面を SEM観察したところ、凹凸は確認されな力、つた。
[0102] 負帯電粒子として実施例 11記載の粒子 2に (アクリル系及びメタクリル系)樹脂一炭 化水素系樹脂ブロックコポリマー(モディパー F600 :日本油脂製)を溶解させない以 外は、実施例 11と全く同じ方法で粒子 4を得た。粒子 4の篩残分は 10%、 BET比表 面積は 0. 8m2Zgであった。粒子 4の樹脂成分の Tgは 96°Cであった。また、粒子 4
の表面を SEM観察したところ、凹凸は確認されなかった。
[0103] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。上記混合粒子を、
100 μ mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処理され電源に接続さ れたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率 30%で充填し、情 報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源を接続し、 IT〇ガ ラス基板が低電位に、銅基板が高電位となる様に 250Vの直流電圧を印加したところ 、正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれぞれ飛翔し、ガラ ス基板を通して黒色の表示状態が観察された。次に、印加電圧の電位を逆にすると 、両粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、白色表示状態が観察できたが、表示が不完 全で良好な表示品質が得られなかった。印加する電圧を徐々に変えていき、それぞ れの表示状態における反射率を測定し、白表示時反射率と黒表示時反射率との比 力^倍となる電圧を駆動電圧として求めたところ、その電圧は 280Vであった。また、 粒子移動方向を交互に反転させて行う繰り返し書き換え耐久試験で 30万回表示書 き換え後の駆動電圧は 285Vであった。
[0104] <比較例 12 >
正帯電粒子として実施例 11記載の粒子 1にメチルメタタリレート(関東化学試薬)を 使用する替わりに、ェチルへキシルメタタリレート(関東化学試薬)を使用する以外は 、実施例 11と全く同じ方法で粒子 5を得た。粒子 5の篩残分は 50%、 BET比表面積 は 58m2/gであった。粒子 5の樹脂成分の Tgは 35°Cであった。負帯電粒子としてた 実施例 11記載の粒子 2を使用した。
[0105] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。上記混合粒子を、
100 μ mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処理され電源に接続さ れたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率 30%で充填し、情 報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源を接続し、 IT〇ガ ラス基板が低電位に、銅基板が高電位となる様に 250Vの直流電圧を印加したところ 、正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれぞれ飛翔し、ガラ ス基板を通して黒色の表示状態が観察された。次に、印加電圧の電位を逆にすると 、両粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、白色表示状態が観察できたが、表示が不完
全で良好な表示品質が得られなかった。印加する電圧を徐々に変えていき、それぞ れの表示状態における反射率を測定し、白表示時反射率と黒表示時反射率との比 力 ¾倍となる電圧を駆動電圧として求めたところ、その電圧は、 200Vであった。また、 粒子移動方向を交互に反転させて行う繰り返し買い換え耐久試験で 30万回表示書 き換え後の駆動電圧は 240Vであった。
[0106] <比較例 13 >
正帯電粒子として実施例 11記載の粒子 1に (アクリル系及びメタクリル系)樹脂-炭 化水素系樹脂ブロックコポリマー(モディパー F600:日本油脂製)を溶解させる量を 5重量部から 10重量部に変更した以外は、実施例 11と全く同じ方法で粒子 6を得た 。粒子 6の篩残分は 9%で、 BET比表面積は 180m2/gであった。粒子 6の樹脂成 分の Tgは 100°Cであった。また、粒子 6の表面を SEM観察したところ、直径相当径 約 80nmの凹凸が確認された。負帯電粒子としてた実施例 1記載の粒子 2を使用した
[0107] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。上記混合粒子を、
100 μ mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処理され電源に接続さ れたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率 30%で充填し、情 報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源を接続し、 ITOガ ラス基板が低電位に、銅基板が高電位となる様に 250Vの直流電圧を印加したところ 、正帯電粒子は低電位極に、負帯電粒子は高電位極にそれぞれ飛翔し、ガラス基 板を通して黒色の表示状態が観察された。次に、印加電圧の電位を逆にすると、両 粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、白色表示状態が観察できたが、表示が不完全 で良好な表示品質が得られなかった。印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれ の表示状態における反射率を測定し、白表示時反射率と黒表示時反射率との比が 8 倍となる電圧を駆動電圧として求めたところ、その電圧は、 105Vであった。また、黒 白表示を交互に反転させて行う反転耐久試験で 30万回反転後の駆動電圧は 180V であった。反転耐久試験後の粒子を SEMで観察した所、正帯電粒子が破砕され、 概真球でなくなつている様子が観察された。
[0108] (2)変形例 2
本発明の、粒子がモノマーを含む粒子原料を重合してなる概球形粒子であり、粒 子原料中に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素系樹脂コポリマーを含有し 、モノマーの一部もしくは全部力 分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマ 一であり、粒子表面に微小な凹凸を一様に有する表示媒体用粒子において、半径 R の粒子の内部のうち、中心から半径 Rの 3Z4より内側のエリアを粒子のコア部、コア 部より外側を粒子のシェル部と定義し、コア部の疎密度を Dcとシェル部の疎密度を D sと関係が Dc >Ds (ここで、コア部の空隙体積を Vcvとし、コア部の全体積 Vcから Vc Vを差し引いたコア部の真粒子体積を Vcbとしたとき、 Dc=VcbZ (Vcv + Vcb)であ り、シェル部の空隙体積を Vsvとし、シェル部の全体積 Vsから Vsvを差し引いたシヱ ル部の真粒子体積を Vsbとしたとき、 Ds=VsbZ (Vsv + Vsb)である)となるよう構成 すること力 Sできる。
[0109] このように構成することで、入射光及び吸収に寄与しない空隙部分を好適に制御す ること力 Sでき、粒子内部に空隙が少ない粒子を得ることができる。そのため、本発明の 表示媒体用粒子を表示媒体として用いた情報表示用パネルによれば、繰り返し表示 書き換えを行う場合にも表示コントラストや応答速度の低下がなぐ表示性や表示書 き換え性における耐久性の良好なだけでなぐ低電圧印加で表示媒体の電界駆動 が行える情報表示用パネルを得ることができる。
[0110] 以下、変形例 2について、本発明例となる実施例及び比較例を示して、より具体的 に説明する。
[0111] <実施例 21 >
正帯電粒子としてメチルメタタリレートモノマー(関東化学試薬) 60重量部、及び、 1 分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてエチレングリコールジメタク リレート(和光純薬試薬) 40重量部(約 25mol%)に、正帯電のモノマー難溶性荷電 制御剤としてニグ口シン化合物(ボントロン N07:オリエント化学製) 3重量部をサンドミ ルにより分散させ、黒色無機顔料系着色剤として、カーボンブラック(MA100 :三菱 化学製) 40重量部を予めメタクリル樹脂(デルペット 560F:旭化成製) 60重量部に分 散させたマスターバッチ 12. 5重量部と、 (アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水 素系樹脂コポリマーとして (アクリル系及びメタクリル系)樹脂—フッ素樹脂ブロックコ
ポリマー(モディパー F600 :日本油脂製) 5重量を溶解させた液を、分子中にポリオ キシアルキレン鎖とスルホン酸塩を含む界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキ ルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムル E— 118B:花王製)を 0. 5wt%添加した 40°Cの 精製水に懸濁させ、平均油滴径約 80 x mの懸濁液を得た。この懸濁液にアシノレ系 過酸化物であるラウリルパーオキサイド (パーロィル L :日本油脂製 /10時間半減期 温度 61. 6°C)を予め水分散させた分散液を該過酸化物が 2重量部となる様に添カロ した後、平均油滴径が約 10 z mになる様に再び懸濁加熱重合させ、濾過、乾燥させ た後、分級機(MDS— 2 :日本ニューマチック工業)を用いて粒子径が 0. 5〜50 x m の範囲で平均粒子径 9. 8 111の粒子1を得た。粒子 1の子午線切断面の TEM像を 画像解析することにより得られたシェル部、コア部の疎密度はそれぞれ Ds = 0. 65、 Dc = 0. 85であった。
[0112] 負帯電粒子として PBT樹脂(トレコン 1401X31 :東レ (株)製) 100重量部と二酸化 チタン (タイペータ CR— 50 :石原産業 (株)製) 100重量部とを 2軸混練し、ジェットミル (ラボジェットミル IDS— LJ型:日本ニューマチック (株)製)で細力べ粉碎し分級して、 粒子径が 0. 5〜50 μ ΐηの範囲で平均粒子径 9. 1 /i mの粒子 2を得た。
[0113] 粒子 1と粒子 2とを等量混合撹拌して摩擦帯電を行い、 100 / mのスぺーサーを介 して配置された、一方が内側 ITO処理され電源に接続されたガラス基板と、もう一方 が銅基板であるセル中に体積占有率 30%で充填し、情報表示用パネルを得た。 IT Oガラス基板、銅基板それぞれに電源を接続し、 ITOガラス基板が低電位に、銅基 板が高電位となる様に 250Vの直流電圧をかけると、正帯電粒子は低電位極側に、 負帯電粒子は高電位極側にそれぞれ飛翔し、ガラス基板を通して黒色の表示状態 が観察され、次に印加電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して 、白色の表示状態が観察された。いずれの場合でも、 IT〇ガラス基板上に表示させ たい粒子と別色粒子の混在は無ぐ良好な表示品質が得られた。また、印加する電 圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態における反射率を測定し、白表示時反 射率と黒表示時反射率との比が 10倍となる電圧を駆動電圧として規定した場合、そ の電圧は、 120Vであった。
[0114] <比較例 21 >
(アクリル系及びメタクリル系)樹脂 フッ素樹脂ブロックコポリマー(モディパー F60 0 :日本油脂製)の配合量を 0. 4重量部とした以外は、実施例 21記載の粒子 1と同条 件で粒子 3を作製した。粒子 3は粒子径が 0. 5〜50 μ ΐηの範囲で平均粒子径 10. 1 μ mであった。粒子 3の子午線切断面の TEM像を画像解析することにより得られた シェル部、コア部の疎密度はそれぞれ Ds = 0. 94、 Dc = 0. 99であった。
[0115] 粒子 3と実施例 21記載の粒子 2とを等量混合撹拌して摩擦帯電を行い、 lOO x m のスぺーサーを介して配置された、一方が内側 IT〇処理され電源に接続されたガラ ス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率 30%で充填し、情報表示用 パネルを得た。 ΙΤΟガラス基板、銅基板それぞれに電源を接続し、 ΙΤ〇ガラス基板が 低電位に、銅基板が高電位となる様に 250Vの直流電圧をかけると、正帯電粒子は 低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれぞれ飛翔し、ガラス基板を通して黒 色の表示状態が観察され、次に印加電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆 方向に飛翔して、白色の表示状態が観察された。いずれの場合でも、 ΙΤΟガラス基 板上に表示させたい粒子と別色粒子の混在は無ぐ良好な表示品質が得られた。ま た、印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態における反射率を測定 し、白表示時反射率と黒表示時反射率との比が 10倍となる電圧を駆動電圧として規 定した場合、その電圧は、 160Vであり、実施例 1の場合より高い駆動電圧を要した。
[0116] <比較例 22 >
(アクリル系及びメタクリル系)樹脂 フッ素樹脂ブロックコポリマー(モディパー F60 0:日本油脂製) 5重量部の代わりに酢酸 3 メチルブチル (特級試薬:和光純薬社 製) 80重量部を用いた以外は、実施例 21記載の粒子 1と同条件で粒子 4を作製した 。粒子 4は粒子径が 0. 5〜50 x mの範囲で平均粒子径 9. 7 z mであった。粒子 4の 子午線切断面の TEM像を画像解析することにより得られたシェル部、コア部の疎密 度はそれぞれ Ds = 0. 41、 Dc = 0. 57であった。
[0117] 粒子 4と実施例 21記載の粒子 2とを等量混合撹拌して摩擦帯電を行い、 lOO x m のスぺーサーを介して配置された、一方が内側 IT〇処理され電源に接続されたガラ ス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率 30%で充填し、情報表示用 パネルを得た。 ΙΤΟガラス基板、銅基板それぞれに電源を接続し、 ΙΤ〇ガラス基板が
低電位に、銅基板が高電位となる様に 250Vの直流電圧をかけると、正帯電粒子は 低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれぞれ飛翔し、ガラス基板を通して黒 色の表示状態が観察され、次に印加電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆 方向に飛翔して、白色の表示状態が観察された。いずれの場合でも、 ITOガラス基 板上に表示させたい粒子と別色粒子の混在は無ぐ良好な表示品質が得られた。ま た、印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態における反射率を測定 し、白表示時反射率と黒表示時反射率との比が 10倍となる電圧を駆動電圧として規 定した場合、その電圧は、 175Vであり、実施例 1の場合より高い駆動電圧を要した。
[0118] (3)変形例 3
本発明の、粒子がモノマーを含む粒子原料を重合してなる概球形粒子であり、粒 子原料中に (アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素系樹脂コポリマーを含有し 、モノマーの一部もしくは全部力 S1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマ 一であり、粒子表面に微小な凹凸を一様に有する表示媒体用粒子において、粒子 の帯電量の絶対値が 50 μ C/g以下となるよう構成することができる。ここで、表示媒 体用粒子の帯電量の絶対値を 50 μ C/g以下とするのは、 50 μ C/gを超えると、表 示媒体用粒子同士が引き付け合うクーロン力や、電極/基板との電気鏡像力が大き くなつてしまうためである。電界による力が表示媒体を引き寄せ、良好な表示を行うた めには、これらのクーロン力や電気鏡像力に打ち勝つ力が必要になるので、高電界 が必要になり、駆動電圧が高くなつてしまう。
[0119] このように構成することで、表示媒体用粒子同士の付着を低減し、駆動電圧の低下 を最適に制御することができる。そのため、本発明の表示媒体用粒子を表示媒体とし て用いた情報表示用パネルによれば、繰り返し表示書き換えを行う場合にも表示コン トラストや応答速度の低下がなぐ表示性や表示書き換え性における耐久性の良好 なだけでなぐ低電圧印加で表示媒体の電界駆動行える情報表示用パネルを得るこ とができる。
[0120] (4)変形例 4
本発明の、粒子がモノマーを含む粒子原料を重合してなる概球形粒子であり、粒 子原料中に (アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素系樹脂コポリマーを含有し
、モノマーの一部もしくは全部力 SI分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマ 一であり、粒子表面に微小な凹凸を一様に有する表示媒体用粒子において、粒子 に圧力をかけて変形させた時に、粒子を 10%変形させるのに必要な力が lmN以上 となるよう構成すること力 Sできる。
[0121] このように構成することで、粒子の硬度を高く制御することができる。そのため、本発 明の表示媒体用粒子を表示媒体として用いた情報表示用パネルによれば、繰り返し 表示書き換えを行う場合にも表示コントラストや応答速度の低下がなぐ表示性や表 示書き換え性における耐久性が良好なだけでなぐ低電圧印加で表示媒体の電界 駆動が行える情報表示用パネルを得ることができる。
[0122] 硬度の測定は、フィッシャー硬度計(フィッシャー 'インスツルメンッ製)により測定す ることが好ましい。以下、フィッシャー硬度計を用いた粒子硬度の測定方法について 説明する。
[0123] <粒子硬度の測定方法 >
まず、ガラスプレート上に、粒子数個を分散させる。フィッシャー硬度計 HU200 (フ イツシャ一'インスツルメンッ製)にこのガラスプレートをセットし、装置付属の CCDカメ ラの映像を見ながら、粒子が圧子の真下に来るようにガラスプレートの位置を調整す る。なお、圧子はビッカース硬度測定用の圧子の先端を一辺が 50 μ πιの正方形にな るように研磨したものを使用する。圧子を粒子上に降下させていき、圧子と粒子が接 触した点を基点として、そこから一定速度(1. 7mN/sec)で荷重を加え、粒子を変 形させる。各荷重における粒子の変形を観測し、粒子径の 10%の変形が起こった時 の荷重の大小により粒子の硬さを表す。
[0124] 以下、変形例 4について、本発明例となる実施例及び比較例を示して、より具体的 に説明する。
[0125] <実施例 31 >
(黒色粒子の作製)
黒色表示媒体用粒子としてメチルメタタリレートモノマー(関東化学試薬) 60重量部 、及び、 1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてエチレングリコー ルジメタタリレート(和光純薬試薬) 40重量部(約 25mol。/0)に、正帯電の荷電制御剤
としてニグ口シン化合物(ボントロン N07 :オリエント化学製) 3重量部、及び、黒色顔 料として、カーボンブラック (スペシャルブラック:デグッサ製) 5重量部をサンドミルに より分散させ、(アクリル系及びメタクリル系)樹脂 炭化水素系樹脂ブロックコポリマ 一(モディパー F600 :日本油脂製) 5重量を溶解させた後、さらに 2重量部のラウリノレ パーオキサイド (パーロィル L :日本油脂製)を溶解させた液を、界面活性剤としてポリ ォキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムル E— 118B:花王製)を 0. 5 %添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機 (MDS— 2 :日本 ニューマチック工業)を用いて粒子 B1を得た。得られた粒子 B1の表面を SEMで観 察したところ、直径相当径約 0. l x mの凹凸が確認された。得られた粒子 B1に対し 、上述した方法に従ってフィッシャー硬度計 HU200を用いて粒子の硬度、すなわち 、 10%変形に必要な荷重を求めた。
[0126] (白色粒子の作製)
白色表示媒体用粒子として、スチレンモノマー(関東化学試薬) 60重量部、及び、 ジビュルベンゼン(DVB - 960:新日鐵化学製) 40重量部(約 35mol%)に、負帯電 の荷電制御剤としてフエノール系縮合物(ボントロン E89:オリエント化学製) 5重量部 、及び、白色顔料として、酸化チタン (タイペータ CR— 50 :石原産業製) 20重量部を サンドミルにより分散させ、さらに 2重量部のラウリルパーオキサイド (パーロィル L :日 本油脂製)を溶解させた液を、界面活性剤としてラテムル E— 118B (花王製)を 0. 5 %添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機 (MDS— 2 :日本 ニューマチック工業)を用いて粒子 Wを得た。得られた粒子 Wの表面を SEMで観察 したところ、凹凸は観察されなかった。得られた粒子 Wに対し、上述した方法に従つ てフィッシャー硬度計 HU200を用いて粒子の硬度、すなわち、 10%変形に必要な 荷重を求めた。
[0127] 粒子 B1と粒子 Wとを表示媒体として用いた情報表示用パネルを作製した。 ± 200 Vを印加した時の黒色表示時及び白色表示時の反射濃度を反射画像濃度計 (RD - 191 ,ダレタグマクベス社製)を用いて測定し、コントラスト比 =黒色表示時反射濃 度/白色表示時反射濃度として求めた。初期と 1万回表示書き換え後のコントラスト 比の値を以下の表 1に示す。 1万回表示書き換え後もコントラスト比の変化は少なぐ
表示媒体は良好に駆動した。また、 1万回表示書き換え後の粒子 B1、Wそれぞれの SEM写真を撮影し表面状態を確認したが、特に変化は見られなかった。
[0128] <比較例 31 >
実施例 31において、黒色表示媒体用粒子を作製する時にエチレングリコールジメ タクリレートを除いた以外は、実施例 31に記載の粒子 B1と同様にして黒色表示媒体 用粒子 B2を作製した。得られた粒子 B2の表面を SEMで観察したところ、直径相当 径約 0. 1 μ mの凹凸が観察された。粒子 B2の特性及び粒子 B2、 Wを表示媒体とし て用いた場合のコントラスト比の変化を表 1に示す。 1万回表示書き換え後はコントラ スト比が低下し表示媒体がほとんど駆動しなかった。また、 1万回表示書き換え後の 粒子 B2の SEM写真を撮影し表面状態を確認したところ、凹凸の消失が確認された
[0129] <比較例 32 >
実施例 31において、黒色表示媒体用粒子を作製する時に(アクリル系及びメタタリ ル系)樹脂—炭化水素系樹脂ブロックコポリマー(モディパー F600 :日本油脂製)を 除いた以外は、実施例 31に記載の粒子 B1と同様にして黒色表示媒体用粒子 B3を 作製した。得られた粒子 B3の表面を SEMで観察したところ、凹凸は観察されなかつ た。粒子 B3の特性及び粒子 B3、 Wを表示媒体として用いた場合のコントラスト比の 変化を表 1に示す。初期におレ、て駆動電圧が高レ、ために 200Vでは表示媒体の駆 動力 Sうまく行かず、コントラスト比が低くなつた。また、 1万回表示書き換え後も、コント ラスト比は低いままであった。
[0130] [表 1]
実施例 3 1 比較例 3 1 比較例 3 2 黒色正帯電粒子 B 1 B 2 B 3 配合 榭脂 6 0 1 0 0 6 0
架橋剤 4 0 0 4 0 ブロックコポリマー 5 5 0
着色剤 5 5 5 荷電制御剤 3 3 3 界面活性剤 2 2 2 特性 平均粒子径(iim) 9. 3 9. 2 9. 1 平均带電量 C/ g) 1 0. 5 8. 8 1 4. 5
1 0 %変形に必要な荷重(mN) 1. 5 0. 9 2. 1 β色負帯電粒子 W
配合 樹脂 6 0
架橋剤 4 0
着色剤 2 0
荷電制御剤 5
界面活性剤 2
特性 平均粒子径(; ( m) 9. 5
平均蒂電量( C/g) - 1 5. 8
1 0 %変形に必要な荷重(mN) 2. 4
¾S不 C口質 初期コントラスト比 0. 8 0. 8 0. 3
1万回表示書き換え後 0. 8 0. 4 0. 3
コントラスト比
[0131] (5)変形例 5
本発明の、粒子がモノマーを含む粒子原料を重合してなる概球形粒子であり、粒 子原料中に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素系樹脂コポリマ一を含有し 、モノマーの一部もしくは全部力 分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマ 一であり、粒子表面に微小な凹凸を一様に有する表示媒体用粒子において、平衡 含有水分率 W(%)が W≤3.0(%)であるよう構成すること力 Sできる。
[0132] このように構成することで、電荷リークを無くし、摩擦帯電電荷を良好に保持すること ができる表示媒体用粒子を得ることができる。そのため、本発明の表示媒体用粒子を 表示媒体として用いた情報表示用パネルによれば、繰り返し表示書き換えを行う場 合にも表示コントラストや応答速度の低下がなぐ表示性や表示書き換え耐久性の良 好なだけでなぐ低電圧印加で表示媒体の電界駆動が行える情報表示用パネルを 得ること力 Sできる。
[0133] 平衡含有水分率 Wの測定方法の一例として、 25°C/50。/oRHの環境に 1週間以
上静置した体積 Vp (cm3)の表示媒体用粒子より 200°C45分間加熱時に揮発する 水分量 Vw (cm3)をカールフィッシャー電量滴定装置 CA— 100 (三菱化学 (株)社製 )により計測し、表示媒体用粒子の平衡含水率 W (%)を W=Vw/ (Vp-Vw)と求 める方法が好ましい。
[0134] (6)変形例 6
本発明の、粒子がモノマーを含む粒子原料を重合してなる概球形粒子であり、粒 子原料中に (アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素系樹脂コポリマーを含有し 、モノマーの一部もしくは全部力 S1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマ 一であり、粒子表面に微小な凹凸を一様に有する表示媒体用粒子において、粒子 の相対ヘイズ値 H (_ 20° 入射光に対する 20± 0. 9° の範囲の IS02813で定義 される光沢度 Gdと一 20° 入射光に対する 18. 2± 0. 9° 、 21. 8 ± 0. 9° の範囲 の IS02813で定義される光沢度 Gsとから相対ヘイズ値 H = Gs/Gdと定義する)が 0. 2< H≤1. 0であるよう構成することができる。
[0135] 相対ヘイズ値 Hは粒子表面形状、即ち粒子表面の凹凸の量、凹凸の深度を反映し 、相対ヘイズ値 Hをこのように構成することで、粒子同士、または粒子と基板あるいは 電極との接触付着力が改善され、黒色度の向上や白色度の向上も図れる。そのため 、本発明の表示媒体用粒子を表示媒体として用いた情報表示用パネルによれば、 繰り返し表示書き換えを行う場合にも表示コントラストや応答速度の低下がなぐ表示 性や表示書き換え性における耐久性が良好なだけでなぐ低電圧印加で表示媒体 の電界駆動が行える情報表示用パネルを得ることができる。
[0136] なお、表示媒体用粒子の相対ヘイズ値 Hは、— 20° 入射光に対する 20± 0. 9° の範囲の IS02813で定義される光沢度 Gdと一 20° 入射光に対する 18. 2± 0. 9 。 、 21. 8 ± 0. 9° の範囲の IS02813で定義される光沢度 Gsとから相対ヘイズ値 H = Gs/Gdと定義する。本発明では表示媒体用粒子を 0. 5mm以上の厚みになる よう適切な上部開放型の容器に充填し表面を平滑に馴らし、その表面の Gdおよび G sをヘイズ一グロスリフレクトメーター No. 4601 (ビッグ一ガードナー社製)を用いて喑 室内で測定した。
[0137] (7)変形例 7
本発明の、粒子がモノマーを含む粒子原料を重合してなる概球形粒子であり、粒 子原料中に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素系樹脂コポリマーを含有し 、モノマーの一部もしくは全部力 分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマ 一であり、粒子表面に微小な凹凸を一様に有する表示媒体用粒子の原料を、少なく とも 1種以上の界面活性剤を含有した懸濁媒に懸濁させた後、粒子原料を重合させ て概球形粒子を得る懸濁重合法であり、かつ、懸濁媒に粒子原料を所定油滴径以 上の油滴径に懸濁させた後、 10時間半減期温度が 75°C以下で分解して重合を開 始もしくは促進させる効果を持つ物質を懸濁媒に添加し、その後、粒子原料の所定 油滴径への懸濁と前記物質の分散とを同時に行い、さらにその後重合して粒子表面 に微小な凹凸を一様に有する表示媒体用粒子を得るよう構成することができる。
[0138] このように構成することで、所定の温度が掛かるまで重合が開始されることはないた め、重合開始剤を含んだ粒子原料を放置した場合のような重合の進行の度合による 粒子の性能変化は生じず、安定した性能の粒子が得られる。したがって、上記製造 方法を用いた場合、溶剤等の揮散や抽出等の工程無しに、脱落等の無い固定化し た凹凸が懸濁重合時に形成されるので、表示媒体の駆動に必要な電圧が低ぐかつ 、表示不良を起こし難い表示媒体用粒子を、安定して作製することができる。
[0139] 以下、変形例 7について、本発明例となる実施例及び比較例を示して、より具体的 に説明する。
[0140] <実施例 41 >
正帯電粒子としてメチルメタタリレートモノマー(関東化学試薬) 60重量部、及び、 1 分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてエチレングリコールジメタク リレート(和光純薬試薬) 40重量部(約 25mol%)に、正帯電のモノマー難溶性荷電 制御剤としてニグ口シン化合物(ボントロン N07:オリエント化学製) 3重量部をサンドミ ルにより分散させ、黒色無機顔料系着色剤として、カーボンブラック(MA100 :三菱 化学製) 40重量部を予めメタクリル樹脂(デルペット 560F:旭化成製) 60重量部に分 散させたマスターバッチ 12. 5重量部と、 (アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水 素系樹脂コポリマーとして (アクリル系及びメタクリル系)樹脂—フッ素樹脂ブロックコ ポリマー(モディパー F600 :日本油脂製) 5重量を溶解させた液を、分子中にポリオ
キシアルキレン鎖とスルホン酸塩を含む界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキ ルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムル E— 118B:花王製)を 0. 5wt%添加した 40°Cの 精製水に懸濁させ、油滴径約 80 μ ΐηの懸濁液を得た。この懸濁液に、ァシル系過酸 化物であるラウリルパーオキサイド (パーロィル L :日本油脂製 /10時間半減期温度 61. 6°C)を予め水に分散させた分散液を上記過酸化物が 2重量部となるように添加 した後、油滴径約 10 x mになるように再び懸濁を行レ、、加熱重合させ、濾過、乾燥さ せた後、分級機(MDS— 2 :日本ニューマチック工業)を用いて粒子径 0. 5〜50 μ mの範囲で平均粒子径 9. 8 111の粒子1を得た。粒子 1の樹脂成分の Tgは 100°C であった。また、粒子 1の表面を SEM観察したところ、直径相当径約 lOOnmの凹凸 が確認された。
負帯電粒子としては、スチレンモノマー(関東化学試薬) 60重量部、及び、 1分子中 に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてジビュルベンゼン (DVB - 960 : 新日鐡化学製) 40重量部 (約 35mol%)に、負帯電のモノマー難溶性荷電制御剤と してフエノール系縮合物(ボントロン E89:オリエント化学製) 5重量部をサンドミルによ り分散させ、白色無機顔料系着色剤として、酸化チタン (タイペータ CR— 50 :石原産 業製) 80重量部を予めメタクリル樹脂(デルペット 560F:旭化成製) 20重量部に分散 させたマスターバッチ 25重量部と、(アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素系 榭脂コポリマーとして(アクリル系及びメタクリル系)脂) フッ素樹脂ブロックコポリマ 一(モディパー F600 :日本油脂製) 5重量を溶解させた液を、分子中にポリオキシァ ルキレン鎖とスルホン酸塩を含む界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエー テル硫酸ナトリウム(ラテムル E— 118B:花王製)を 0. 5wt%添加した 40°Cの精製水 に懸濁させ、油滴径約 80 x mの懸濁液を得た。この懸濁液に、ァシル系過酸化物で あるラウリルパーオキサイド (パーロィル L :日本油脂製 /10時間半減期温度 61. 6 °C)を予め水に分散させた分散液を上記過酸化物が 2重量部となるように添加した後 、油滴径約 10 z mになるように再び懸濁を行レ、、加熱重合させ、濾過、乾燥させた 後、分級機(MDS— 2 :日本ニューマチック工業)を用いて粒子径 0. 5〜50 x mの 範囲で平均粒子径 9. 5 z mの粒子 2を得た。粒子 2の樹脂成分の Tgは 95°Cであつ た。また、粒子 2の表面を SEM観察したところ、直径相当径約 150nmの凹凸が確認
された。
[0142] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。
上記混合粒子を、 100 /i mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処 理され電源に接続されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積含有 率 30%で充填し、情報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電 源を接続し、 IT〇ガラス基板が低電位に、銅基板が高電位となるように 250Vの直流 電圧を印加すると、正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれ ぞれ飛翔し、ガラス基板を通して観察される情報表示用パネルは黒色に表示された 。次に、印加電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、情報表 示用パネルは白色に表示された。いずれの場合でも、 ΙΤΟガラス基板上に表示させ たい粒子と別色の粒子の混在は無ぐ良好な表示品質が得られた。また、印加する 電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態における反射率を測定し、白色表示 時反射率と黒色表示時反射率との比が 8倍となる電圧を駆動電圧として求めたところ 、その電圧は、 115Vであった。
[0143] <比較例 41 >
正帯電粒子として粒子 1に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂 フッ素樹脂ブロック コポリマー(モディパー F600 :日本油脂製)を溶解させないこと以外は、実施例 41記 載の粒子 1と全く同じ方法で粒子径 0. 5〜50 /i mの範囲で平均粒子径 9. 2 μ mの 粒子 3を得た。粒子 3の樹脂成分の Tgは 102°Cであった。また、粒子 3の表面を SE M観察したところ、凹凸は確認されなかった。
[0144] 負帯電粒子として粒子 2に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂 フッ素樹脂ブロック コポリマー(モディパー F600 :日本油脂製)を溶解させないこと以外は、実施例 41記 載の粒子 2と全く同じ方法で粒子径 0. 5〜50 z mの範囲で平均粒子径 8. 9 μ mの 粒子 4を得た。粒子 4の樹脂成分の Tgは 96°Cであった。また、粒子 4の表面を SEM 観察したところ、凹凸は確認されなかった。
[0145] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。
上記混合粒子を、 100 z mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 IT〇処 理され電源に接続されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積含有
率 30%で充填し、情報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電 源を接続し、 ITOガラス基板が低電位に、銅基板が高電位となるように 250Vの直流 電圧を印加したところ、正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそ れぞれ飛翔し、ガラス基板を通して観察されるパネルは黒色に表示された。次に、印 加電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、パネルは白色に表 示されるのであるが、表示書き換えが不完全で良好な表示品質が得られなかった。 印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態における反射率を測定し、 白色表示時反射率と黒色表示時反射率との比が 8倍となる電圧を駆動電圧として求 めたところ、その電圧は、 280Vであった。
[0146] <比較例 42 >
正帯電粒子として、粒子 1の懸濁媒として前記界面活性剤を添加した精製水を 65 °Cとして使用した点以外は、実施例 41と全く同じ方法で粒子径 0. 5〜50 x mの範 囲で平均粒子径 9. 5 /i mの粒子 5を得た。粒子 5の樹脂成分の Tgは 100°Cであった 。また、粒子 5の表面を SEM観察したところ、直径相当径約 lOOnmの凹凸が確認さ れた。しかし、重合開始剤の反応速度が速すぎたため、所定油滴径への懸濁以前に 重合が開始したことにより、モノマーが増粘してしまい、結果として、粒子が概真球状 とならず、不定形になってしまっていることが確認された。
[0147] 負帯電粒子として、粒子 2の懸濁媒として前記界面活性剤を添加した精製水を 65 °Cとして使用した点以外は、実施例 41と全く同じ方法で粒子径 0. 5〜50 μ ΐηの範 囲で平均粒子径 9. 1 /i mの粒子 6を得た。粒子 6の樹脂成分の Tgは 95°Cであった 。また、粒子 6の表面を SEM観察したところ、直径相当径約 150nmの凹凸が確認さ れた。しかし、重合開始剤の反応速度が速すぎたため、所定油滴径への懸濁以前に 重合が開始したことにより、モノマーが増粘してしまい、結果として、粒子が概真球状 とならず、不定形になってしまっていることが確認された。
[0148] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。
上記混合粒子を、 100 z mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 IT〇処 理され電源に接続されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積含有 率 30%で充填し、情報表示用パネルを得た。 ΙΤΟガラス基板、銅基板それぞれに電
源を接続し、 ITOガラス基板が低電位に、銅基板が高電位となるように 250Vの直流 電圧を印加すると、正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれ ぞれ飛翔し、ガラス基板を通して観察される情報表示用パネルは黒色に表示された 。次に、印加電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、情報表 示用パネルは白色に表示された。いずれの場合でも、 ITOガラス基板上に表示させ たい粒子と別色の粒子の混在は無ぐ良好な表示品質が得られた。また、印加する 電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態における反射率を測定し、白色表示 時反射率と黒色表示時反射率との比が 8倍となる電圧を駆動電圧として求めたところ 、その電圧は、 180Vであった。
[0149] <比較例 43 >
正帯電粒子としてメチルメタタリレートモノマー(関東化学試薬) 60重量部、及び、 1 分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてエチレングリコールジメタク リレート(和光純薬試薬) 40重量部(約 25mol%)に、正帯電のモノマー難溶性荷電 制御剤としてニグ口シン化合物(ボントロン N07:オリエント化学製) 3重量部をサンドミ ルにより分散させ、黒色無機顔料系着色剤として、カーボンブラック(MA100 :三菱 化学製) 40重量部を予めメタクリル樹脂(デルペット 560F:旭化成製) 60重量部に分 散させたマスターバッチ 12. 5重量部と、 (アクリル系及びメタクリル系)樹脂 炭化水 素系樹脂コポリマーとして(アクリル系及びメタクリル系)樹脂 フッ素樹脂ブロックコ ポリマー(モディパー F600 :日本油脂製) 5重量を溶解させた後、さらにァシル系過 酸化物であるラウリルパーオキサイド (パーロィル L :日本油脂製 /10時間半減期温 度 61. 6°C) 2重量部を 30分間かけて溶解させた液を、分子中にポリオキシアルキレ ン鎖とスルホン酸塩を含む界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫 酸ナトリウム(ラテムル E—118B :花王製)を 0. 5 wt。 /。添加した精製水に懸濁、重合 させ、濾過、乾燥させた後、分級機 (MDS— 2 :日本ニューマチック工業)を用いて粒 子径 0. 5〜50 x mの範囲で平均粒子径 9. 8 μ mの粒子 7を得た。粒子 1の樹脂成 分の Tgは 100°Cであった。また、粒子 7の表面を SEM観察したところ、直径相当径 約 lOOnmの凹凸が確認された力 概真球ではなぐ不定形であった。
[0150] 負帯電粒子としては、スチレンモノマー(関東化学試薬) 60重量部、及び、 1分子中
に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてジビニルベンゼン (DVB - 960 : 新日鐡化学製) 40重量部 (約 35mol%)に、負帯電のモノマー難溶性荷電制御剤と してフエノール系縮合物(ボントロン E89:オリエント化学製) 5重量部をサンドミルによ り分散させ、白色無機顔料系着色剤として、酸化チタン (タイペータ CR_ 50 :石原産 業製) 80重量部を予めメタクリル樹脂(デルペット 560F:旭化成製) 20重量部に分散 させたマスターバッチ 25重量部と、(アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素系 樹脂コポリマーとして (アクリル系及びメタクリル系)樹脂—フッ素樹脂ブロックコポリマ 一(モディパー F600 :日本油脂製) 5重量を溶解させた後、さらにァシル系過酸化物 であるラウリルパーオキサイド (パーロィル L :日本油脂製 /10時間半減期温度 61. 6°C) 2重量部を 30分間かけて溶解させた液を、分子中にポリオキシアルキレン鎖とス ルホン酸塩を含む界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリ ゥム(ラテムル E—118B :花王製)を 0. 5wt%添カ卩した精製水に懸濁、重合させ、濾 過、乾燥させた後、分級機 (MDS— 2 :日本ニューマチック工業)を用いて粒子径 0. 5〜50 μ mの範囲で平均粒子径 9. 5 μ mの粒子 8を得た。粒子 8の樹脂成分の Tg は 95°Cであった。また、粒子 8の表面を SEM観察したところ、直径相当径約 150nm の凹凸が確認されたが、概真球ではなぐ不定形であった。
粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。
上記混合粒子を、 100 /i mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処 理され電源に接続されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積含有 率 30%で充填し、情報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電 源を接続し、 ITOガラス基板が低電位に、銅基板が高電位となるように 250Vの直流 電圧を印加すると、正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれ ぞれ飛翔し、ガラス基板を通して観察される情報表示用パネルは黒色に表示された 。次に、印加電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、情報表 示用パネルは白色に表示された。いずれの場合でも、 ITOガラス基板上に表示させ たい粒子と別色の粒子の混在は無ぐ良好な表示品質が得られた。また、印加する 電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態における反射率を測定し、白色表示 時反射率と黒色表示時反射率との比が 8倍となる電圧を駆動電圧として求めたところ
、その電圧は、 170Vであった。
[0152] <比較例 44 >
正帯電粒子として、粒子 1にァシル系過酸化物であるラウリルパーオキサイド (パー ロイル L :日本油脂製 Z10時間半減期温度 61. 6°C)を使用せず、代わりに t一プチ ルパーォキシイソプチレート(パーブチル IB :日本油脂製 /10時間半減期温度 77. 3°C)を使用した点以外は、実施例 41と全く同じ方法で粒子の作製を試みたが、重合 開始剤の反応性が遅すぎたため、モノマーが硬化せず、粒子は形成されなかった。
[0153] 負帯電粒子として、粒子 2にァシル系過酸化物であるラウリルパーオキサイド (パー ロイル L :日本油脂製 Z10時間半減期温度 61. 6°C)を使用せず、代わりに t一プチ ルパーォキシイソプチレート(パーブチル IB :日本油脂製 /10時間半減期温度 77. 3°C)を使用した点以外は、実施例 41と全く同じ方法で粒子の作製を試みたが、重合 開始剤の反応性が遅すぎたため、モノマーが硬化せず、粒子は形成されなかった。
[0154] <実施例 42 >
正帯電粒子として、粒子 1にァシル系過酸化物であるラウリルパーオキサイド (パー ロイル L :日本油脂製 /10時間半減期温度 61. 6°C)を使用せず、代わりに 1分子内 の炭素数が 10以上のァゾ系物質であるァゾビスジメチルバレロニトリル (V— 66:禾ロ 光純薬製 /10時間半減期温度 51°C)を使用した点以外は、実施例 41と全く同じ方 法で粒子径 0. 5〜50 μ ΐηの範囲で平均粒子径 9. 0 /i mの粒子 9を得た。粒子 9の 樹脂成分の Tgは 100°Cであった。また、粒子 9の表面を SEM観察したところ、直径 相当径約 200nmの凹凸が確認された。
[0155] 負帯電粒子として、粒子 2にァシル系過酸化物であるラウリルパーオキサイド (パー ロイル L :日本油脂製 Z10時間半減期温度 61. 6°C)を使用せず、代わりに 1分子内 の炭素数が 10以上のァゾ系物質であるァゾビスジメチルバレロニトリル (V— 66:禾ロ 光純薬製 /10時間半減期温度 51°C)を使用した点以外は、実施例 41と全く同じ方 法で粒子径 0. 5〜50 x mの範囲で平均粒子径 9. 6 μ mの粒子 10を得た。粒子 10 の樹脂成分の Tgは 95°Cであった。また、粒子 10の表面を SEM観察したところ、直 径相当径約 200nmの凹凸が確認された。
[0156] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。
上記混合粒子を、 100 /i mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処 理され電源に接続されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積含有 率 30%で充填し、情報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電 源を接続し、 IT〇ガラス基板が低電位に、銅基板が高電位となるように 250Vの直流 電圧を印加すると、正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれ ぞれ飛翔し、ガラス基板を通して観察される情報表示用パネルは黒色に表示された 。次に、印加電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、情報表 示用パネルは白色に表示された。いずれの場合でも、 ΙΤΟガラス基板上に表示させ たい粒子と別色の粒子の混在は無ぐ良好な表示品質が得られた。また、印加する 電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態における反射率を測定し、白色表示 時反射率と黒色表示時反射率との比が 8倍となる電圧を駆動電圧として求めたところ 、その電圧は、 110Vであった。
[0157] <比較例 45 >
正帯電粒子として、粒子 1にァシル系過酸化物であるラウリルパーオキサイド (パー ロイル L :日本油脂製 /10時間半減期温度 61. 6°C)を使用せず、代わりに 1分子内 の炭素数が 10以下のァゾ系物質であるァゾビスイソブチロニトリル (V— 60 :和光純 薬製 /10時間半減期温度 65°C)を使用した点以外は、実施例 41と全く同じ方法で 粒子径 0. 5〜50 μ ΐηの範囲で平均粒子径 9. 9 /i mの粒子 11を得た。粒子 11の榭 脂成分の Tgは 100°Cであった。また、粒子 11の表面を SEM観察したところ、直径相 当径約 200nmの凹凸が確認された。また、重合開始剤の疎水性が不十分であるた め、乳化重合により副生成された微粒子が分級で分離しきれずに確認された。
[0158] 負帯電粒子として、粒子 2にァシル系過酸化物であるラウリルパーオキサイド (パー ロイル L :日本油脂製 Z10時間半減期温度 61. 6°C)を使用せず、代わりに 1分子内 の炭素数が 10以下のァゾ系物質であるァゾビスイソブチロニトリル (V— 60 :和光純 薬製 /10時間半減期温度 65°C)を使用した点以外は、実施例 41と全く同じ方法で 粒子径 0. 5〜50 x mの範囲で平均粒子径 9. 6 μ mの粒子 12を得た。粒子 12の樹 脂成分の Tgは 95°Cであった。また、粒子 12の表面を SEM観察したところ、直径相 当径約 200nmの凹凸が確認された。また、重合開始剤の疎水性が不十分であるた
め、乳化重合により副生成された微粒子が分級で分離しきれずに確認された。
[0159] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。
上記混合粒子を、 100 /i mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処 理され電源に接続されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積含有 率 30%で充填し、情報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電 源を接続し、 IT〇ガラス基板が低電位に、銅基板が高電位となるように 250Vの直流 電圧を印加すると、正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれ ぞれ飛翔し、ガラス基板を通して観察される情報表示用パネルは黒色に表示された 。次に、印加電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、情報表 示用パネルは白色に表示された。いずれの場合でも、 ΙΤΟガラス基板上に表示させ たい粒子と別色の粒子の混在は無ぐ良好な表示品質が得られた。また、印加する 電圧を徐々に変えていき反射率を観察したが、 500V以下の電圧では、微粒子によ るコントラスト低下のため、白色表示時反射率と黒色表示時反射率との比が 8倍とな る電圧を見出せな力 た。
[0160] <実施例 43 >
正帯電粒子として、粒子 1に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂—フッ素樹脂ブロッ クコポリマー(モディパー F600 :日本油脂製)を使用せず、代わりに(アクリル系及び メタクリル系)樹脂—炭化水素系樹脂コポリマーとしてアクリルスチレン樹脂 (スタイラ ック AS - 767 :旭化成製)を使用した点以外は、実施例 41と全く同じ方法で粒子径 0 . 5〜50 /i mの範囲で平均粒子径 9. 8 μ ΐηの粒子 13を得た。粒子 13の樹脂成分の Tgは 100°Cであった。また、粒子 13の表面を SEM観察したところ、直径相当径約 1 50nmの凹凸が確認された。
[0161] 負帯電粒子として、粒子 2に (アクリル系及びメタクリル系)樹脂—フッ素樹脂ブロッ クコポリマー(モディパー F600 :日本油脂製)を使用せず、代わりに(アクリル系及び メタクリル系)樹脂一炭化水素系樹脂コポリマーとしてアクリルスチレン樹脂 (スタイラ ック AS - 767 :旭化成製)を使用した点以外は、実施例 41と全く同じ方法で粒子径 0 . 5〜50 μ πιの範囲で平均粒子径 9. 2 x mの粒子 14を得た。粒子 14の樹脂成分の Tgは 95°Cであった。また、粒子 14の表面を SEM観察したところ、直径相当径約 15
Onmの凹凸が確認された。
[0162] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。
上記混合粒子を、 100 /i mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処 理され電源に接続されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積含有 率 30%で充填し、情報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電 源を接続し、 IT〇ガラス基板が低電位に、銅基板が高電位となるように 250Vの直流 電圧を印加すると、正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれ ぞれ飛翔し、ガラス基板を通して観察される情報表示用パネルは黒色に表示された 。次に、印加電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、情報表 示用パネルは白色に表示された。いずれの場合でも、 ΙΤΟガラス基板上に表示させ たい粒子と別色の粒子の混在は無ぐ良好な表示品質が得られた。また、印加する 電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態における反射率を測定し、白色表示 時反射率と黒色表示時反射率との比が 8倍となる電圧を駆動電圧として求めたところ 、その電圧は、 110Vであった。
[0163] <実施例 44 >
正帯電粒子として、粒子 1の黒色無機顔料系着色剤であるカーボンブラック (MA1 00 :三菱化学製)を用いる代わりに、赤色着色剤として酸化鉄 (TAROX R— 516 L:チタン工業製)を使用した点以外は、実施例 41と全く同じ方法で粒子 15を得た 。 500nm以下の粒子は確認されなかった。また、粒子 15の表面を SEM観察したとこ ろ、直径相当径約 lOOnmの凹凸が確認された。
負帯電粒子としては、実施例 41に記載の粒子 2を使用した。
[0164] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。
上記混合粒子を、 100 z mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 IT〇処 理され電源に接続されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積含有 率 30%で充填し、情報表示用パネルを得た。 ΙΤΟガラス基板、銅基板それぞれに電 源を接続し、 ΙΤ〇ガラス基板が低電位に、銅基板が高電位となるように 250Vの直流 電圧を印加すると、正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれ ぞれ飛翔し、ガラス基板を通して観察される情報表示用パネルは赤色に表示された
。次に、印加電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、情報表 示用パネルは白色に表示された。いずれの場合でも、 ITOガラス基板上に表示させ たい粒子と別色の粒子の混在は無ぐ良好な表示品質が得られた。また、印加する 電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態における反射率を測定し、白色表示 時反射率と赤色表示時反射率との比が 8倍となる電圧を駆動電圧として求めたところ 、その電圧は、 125Vであった。
[0165] 以上をまとめると、実施例 41、実施例 42、実施例 43、実施例 44の表示媒体用粒 子は、粒子表面に微小な凹凸が一様に形成されるとともに、駆動電圧が低レ、ものとな つたため、表示不良を起こし難い表示媒体用粒子となっていることがわかった。 一方、比較例 41の表示媒体用粒子は、粒子表面に微小な凹凸が形成されておら ず、これを表示媒体としたため駆動電圧が高いものとなったため、表示不良を起こし 易い表示媒体用粒子となっていること、比較例 42および比較例 43の表示媒体用粒 子は、粒子表面に微小な凹凸が形成されたが粒子が概真球になっておらず、これを 表示媒体としたため駆動電圧が高いものとなったため、表示不良を起こし難い表示 媒体用粒子となっていること、比較例 44は粒子を形成することが自体ができず、比較 例 45の表示媒体用粒子は、粒子表面に微小な凹凸が形成されたが微粒子が分離し きれずに残存するとともに、微粒子によるコントラスト低下によって駆動電圧が見出せ ず、表示不良を起こし難い表示媒体用粒子となっていることがわかった。
[0166] (8)変形例 8
本発明の、粒子がモノマーを含む粒子原料を重合してなる概球形粒子であり、粒 子原料中に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素系樹脂コポリマーを含有し 、モノマーの一部もしくは全部力 S1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマ 一であり、粒子表面に微小な凹凸を一様に有する表示媒体用粒子の構造において 、荷電制御剤、顔料が 1個の粒子内に均一に分散されており、かつ、最表面におい て該荷電制御剤、該顔料が露出していることは無く必ず樹脂に被覆されているよう構 成すること力 Sできる。
[0167] このように、粒子の構造において、荷電制御剤、顔料が 1個の粒子内に均一に分散 されており、かつ、最表面において該荷電制御剤、顔料が露出していることは無く必
ず樹脂に被覆されているよう構成することで、粒子の不均一性や帯電性能の不安定 性の問題を解消して、均一で帯電性能において安定性を有する表示媒体用粒子を 得ること力 Sできる。その理由は以下の通りである。
[0168] 顔料の分散性が悪い場合、すなわち重合粒子内に凝集体が存在する場合、たとえ 同量の顔料が含有されていたとしても均一分散のものと比較して黒色の度合い、ある いは白色の度合いといった粒子単体における着色性が格段に低下する。また、荷電 制御剤の分散性が悪い場合、 1個の粒子内で荷電制御剤が凝集した部分において 電荷の極端な偏在化が起こったり、あるいは荷電制御剤が粒子表面から離れて存在 したりすることにより粒子が帯電性能を持たなくなってしまう現象が起こったりするので 、駆動性に劣った粒子となってします。さらに、無機顔料や荷電制御剤が樹脂に被 覆されない場合は、そこが導通箇所となってしまい粒子の帯電保持性能が失われ、 本発明の情報表示用パネルにぉレ、て駆動しなレ、粒子、すなわち情報表示用パネル に用いる表示媒体用粒子としては好ましくない粒子となってしまう。
[0169] 本発明の表示媒体用粒子を表示媒体として用いた情報表示用パネルによれば、 摩擦による表面性状の変化が抑えられるため、繰り返し表示書き換えを行う場合にも 表示コントラストや応答速度の低下がなぐ表示性や表示書き換え性における耐久性 の良好なだけでなぐ低電圧印加で表示媒体の電界駆動が行える情報表示用パネ ノレを得ること力 Sできる。
[0170] 表示媒体用粒子の構造を測定するためには、電子顕微鏡、原子間力顕微鏡、電 子分光法、透過電子顕微鏡を用いる。また、製造用混合液の分散質の粒度分布の 測定には、ホリバ製粒子粒度分布解析装置 LA— 920を用いる。
[0171] 以下、変形例 8について、本発明例となる実施例及び比較例を示して、より具体的 に説明する。
[0172] <実施例 51 >
正帯電用粒子としてメチルメタタリレートモノマー(関東化学試薬) 60重量部、及び 、 1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてエチレングリコールジメ タクリレート(和光純薬試薬) 60重量部に、正帯電のモノマー難溶性荷電制御剤とし てニグ口シン化合物(ボントロン N07:オリエント化学製) 2重量部と黒色無機顔料系
着色剤として、カーボンブラック(MA100 :三菱化学製) 40重量部を、予めアタリノレ 樹脂(デルペット 80NH :旭化成ケミカルズ製) 60重量部に分散させたマスターバッ チ 12. 5重量部をサンドミルで 4時間処理することにより分散させ、さらに(アクリル系 及びメタクリル系)樹脂—炭化水素系樹脂コポリマーとして (アクリル系及びメタクリル 系)樹脂—フッ素樹脂ブロックコポリマー(モディパー F600 :日本油脂製) 5重量を溶 解させた。ここで作製された混合液 (分散液)中分散質の粒度分布をホリバ製粒子粒 度分布解析装置 LA— 920にて測定したところ、算術平均粒子径が 253nm、算術標 準偏差が 347nmという結果が得られた。
[0173] 次に、この混合液にアシノレ系過酸化物であるラウリルパーオキサイド(パーロィル L: 日本油脂製 /10時間半減期温度 61. 6°C) 2重量部を溶解させた液を、分子中にポ リオキシアルキレン鎖とスルホン酸塩を含む界面活性剤としてポリオキシエチレンァ ルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムル E_ 118B:花王製)を 0. 5wt%添加した 40 °Cの精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機 (MDS— 2 :日本ニュー マチック工業)を用いて粒子径が 0. 5〜50 /i mの範囲で平均粒子径 9. 8 μ ΐηの黒 粒子を得た。この粒子の表面を SEMで観察したところ、直径相当径約 lOOnmの凹 凸が確認された。また、電子分光法を用いて粒子表面の組成分析を行ったところフッ 素成分が検出された。次に、この粒子を切断し、その内部構造を透過電子顕微鏡に て観察したところ顔料や荷電制御剤の凝集塊は見られず、これらの表面への露出も 見られなかった。
[0174] 負帯電粒子としては、スチレンモノマー(関東化学試薬) 60重量部、及び、 1分子中 に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてジビニルベンゼン (DVB - 960 : 新日鐡化学製) 40重量部に、負帯電のモノマー難溶性荷電制御剤としてフエノール 系縮合物(ボントロン E89:オリエント化学製) 5重量部、白色無機顔料系着色剤とし て、酸化チタン (タイペータ CR— 50:石原産業製) 25重量部をサンドミルにより 4時間 処理することにより分散させ、 (アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素系樹脂コ ポリマーとして(アクリル系及びメタクリル系)樹脂一フッ素樹脂ブロックコポリマー(モ ディパー F600 :日本油脂製) 5重量を溶解させた。ここで作製された混合液(分散液 )中分散質の粒度分布をホリバ製粒子粒度分布解析装置 LA— 920にて測定したと
ころ、算術平均粒子径が 330nm、算術標準偏差が 461nmという結果が得られた。
[0175] 次に、この溶液にァシル系過酸化物であるラウリルパーオキサイド(パーロィル L :日 本油脂製 /10時間半減期温度 61. 6°C) 2重量部を溶解させた液を、界面活性剤と してポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムル E— 118B:花王製 )を 0. 5wt%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機 (MD S - 2 :日本ニューマチック工業)を用いて粒子径 0. 5〜50 z mの範囲で平均粒子 径 10. 4 z mの白粒子を得た。この粒子の表面を SEMで観察したところ、直径相当 径約 150nmの凹凸が確認された。次に、電子分光法を用いて粒子表面の組成分析 を行ったところフッ素成分が検出された。また、この粒子を切断し、その内部構造を透 過電子顕微鏡にて観察したところ顔料や荷電制御剤の凝集塊は見られず、これらの 表面への露出も見られなかった。
[0176] 粒子の帯電は、両粒子を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。上記混合粒子を、
100 μ mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処理され電源に接続さ れたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率 11 %で充填し、情 報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源を接続し、 ITOガ ラス基板が低電位に、銅基板が高電位となる様に 250Vの直流電圧を印加すると、 正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位極側にそれぞれ飛翔し、ガラス 基板を通して情報表示用パネルは黒色に表示され、次に印加電圧の電位を逆にす ると、粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、情報表示用パネルは白色に表示された。 いずれの場合でも、 ITOガラス基板上に表示させたい粒子と別色粒子の混在は無く 、良好な表示品質が得られた。この時のコントラスト比(白表示時反射率と黒表示時 反射率との比)をマクベス濃度計 D19を用いて測定したところ、コントラスト比は 8. 5 であった。結果を以下の表 2に示す。
なお、今後示す例は特に示さない限り、全て上記と同様の手順で作製した情報表 示用パネルを用いて評価を行い、結果を表 2にまとめて示す。
[0177] <実施例 52 >
正帯電用粒子としてエチレングリコールジメタタリレート(和光純薬試薬) 100重量部 に、正帯電のモノマー難溶性荷電制御剤としてニグ口シンィ匕合物(ボントロン N07 :ォ
リエント化学製) 0. 5重量部と黒色無機顔料系着色剤として、カーボンブラック (MA1 00:三菱化学製) 40重量部を、予めアクリル樹脂(デルペット 80NH:旭化成ケミカル ズ製) 60重量部に分散させたマスターバッチ 12. 5重量部をサンドミルで 4時間処理 することにより分散させ、さらに (アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素系樹脂 コポリマーとして(アクリル系及びメタクリル系)樹脂一フッ素樹脂ブロックコポリマー( モディパー F600 :日本油脂製) 10重量部を溶解させた。次に、この溶液にァシル系 過酸化物であるラウリルパーオキサイド (パーロィル L :日本油脂製 /10時間半減期 温度 61. 6°C) 2重量部を溶解させた液を、分子中にポリオキシアルキレン鎖とスルホ ン酸塩を含む界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム( ラテムル E—118B :花王製)を 0. 5wt%添カ卩した精製水に懸濁、重合させ、濾過、 乾燥させた後、分級機 (MDS— 2 :日本ニューマチック工業)を用いて黒粒子を得た
[0178] 負帯電粒子としては、スチレンモノマー(関東化学試薬) 60重量部、及び、 1分子中 に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてエチレングリコールジメタタリレート (和光純薬試薬) 40重量部に、負帯電のモノマー難溶性荷電制御剤としてフエノー ル系縮合物(ボントロン E89 :オリエント化学製) 5重量部、白色無機顔料系着色剤と して、酸化チタン (タイペータ CR— 50:石原産業製) 80重量部を予めメタクリル樹脂( デルペット 560F :旭化成製) 20重量部に分散させたマスターバッチ 25重量部をサン ドミルにより 4時間処理することにより分散させ、(アクリル系及びメタクリル系)樹脂 炭化水素系樹脂コポリマーとして(アクリル系及びメタクリル系)樹脂 フッ素樹脂プロ ックコポリマー(モディパー F600 :日本油脂製) 5重量を溶解させた。次に、この溶液 にアシノレ系過酸化物であるラウリルパーオキサイド(パーロィル L :日本油脂製/ 10 時間半減期温度 61. 6°C) 2重量部を溶解させた液を、分子中にポリオキシアルキレ ン鎖とスルホン酸塩を含む界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫 酸ナトリウム(ラテムル E—118B :花王製)を 0. 5 wt。 /。添加した精製水に懸濁、重合 させ、濾過、乾燥させた後、分級機を用いて白粒子を得た。
[0179] <比較例 51 >
正帯電用粒子としてメチルメタタリレートモノマー(関東化学試薬) 60重量部、及び
、 1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてエチレングリコールジメ タクリレート(和光純薬試薬) 60重量部に、正帯電のモノマー難溶性荷電制御剤とし てニグ口シン化合物(ボントロン N07:オリエント化学製) 2重量部と黒色無機顔料系 着色剤として、カーボンブラック(MA100:三菱化学製) 5重量部をサンドミルで 1時 間処理することにより分散させ、さらに (アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素 系樹脂コポリマーとして (アクリル系及びメタクリル系)樹脂—フッ素樹脂ブロックコポリ マー(モディパー F600 :日本油脂製) 1重量を溶解させた。次に、この溶液にァシル 系過酸化物であるラウリルパーオキサイド (パーロィル L :日本油脂製 /10時間半減 期温度 61. 6°C) 2重量部を溶解させた液を、分子中にポリオキシアルキレン鎖とスル ホン酸塩を含む界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウ ム(ラテムル E—118B :花王製)を 0. 5wt%添加した 40°Cの精製水に懸濁、重合さ せ、濾過、乾燥させた後、分級機 (MDS— 2 :日本ニューマチック工業)を用いて黒 粒子を得た。
[0180] 負帯電粒子としては、スチレンモノマー(関東化学試薬) 60重量部、及び、 1分子中 に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてジビニルベンゼン (DVB - 960 : 新日鐡化学製) 40重量部に、負帯電のモノマー難溶性荷電制御剤としてフエノール 系縮合物(ボントロン E89:オリエント化学製) 5重量部、白色無機顔料系着色剤とし て、酸化チタン (タイペータ CR— 50 :石原産業製) 120重量部をサンドミルにより 4時 間処理することにより分散させ、 (アクリル系及びメタクリル系)樹脂 炭化水素系樹 脂コポリマーとして(アクリル系及びメタクリル系)樹脂 フッ素樹脂ブロックコポリマー
(モディパー F600 :日本油脂製) 5重量を溶解させた。次に、この溶液にアシノレ系過 酸化物であるラウリルパーオキサイド (パーロィル L :日本油脂製 /10時間半減期温 度 61. 6°C) 2重量部を溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキ ルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムル E_ 118B:花王製)を 0. 5wt。 /。添加した精製水 に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機 (MDS— 2 :日本ニューマチックェ 業)を用いて白粒子を得た。
[0181] <比較例 52 >
正帯電用粒子としてエチレングリコールジメタタリレート(和光純薬試薬) 100重量部
に、正帯電のモノマー難溶性荷電制御剤としてニグ口シンィ匕合物(ボントロン N07 :ォ リエント化学製) 2重量部と黒色無機顔料系着色剤として、カーボンブラック(MA100 :三菱化学製) 5重量部をサンドミルで 1時間処理することにより分散させ、さらに(ァク リル系及びメタクリル系)樹脂一炭化水素系樹脂コポリマーとして(アクリル系及びメタ クリル系)樹脂—フッ素樹脂ブロックコポリマー(モディパー F600 :日本油脂製) 1重 量部を溶解させた。次に、この溶液にァシル系過酸化物であるラウリルパーォキサイ ド (パーロィル L :日本油脂製 /10時間半減期温度 61. 6°C) 2重量部を溶解させた 液を、分子中にポリオキシアルキレン鎖とスルホン酸塩を含む界面活性剤としてポリ ォキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムル E— 118B:花王製)を 0. 5 wt%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機 (MDS— 2 : 日本ニューマチック工業)を用いて黒粒子を得た。
[0182] 負帯電粒子としては、スチレンモノマー(関東化学試薬) 100重量部に、負帯電の モノマー難溶性荷電制御剤としてフエノール系縮合物(ボントロン E89:オリエントィ匕 学製) 5重量部、白色無機顔料系着色剤として、酸化チタン (タイペータ CR— 50 :石 原産業製) 80重量部をサンドミルにより 1時間処理することにより分散させ、 (アタリノレ 系及びメタクリル系)樹脂 炭化水素系樹脂コポリマーとして(アクリル系及びメタタリ ル系)樹脂—フッ素樹脂ブロックコポリマー(モディパー F600 :日本油脂製) 1重量を 溶解させた。次に、この溶液にアシノレ系過酸化物であるラウリルパーオキサイド (パー ロイル L :日本油脂製 /10時間半減期温度 61. 6°C) 2重量部を溶解させた液を、界 面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムル E— 11 8B :花王製)を 0. 5wt%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、 分級機 (MDS _ 2:日本ニューマチック工業)を用いて白粒子を得た。
[0183] [表 2]
実施例 51 実施例 52 比較例 51 比較例 52 黒粒 混合液 算術平均粒子径(nm) 253 248 650 671 子 算術標準偏差(ηπ) 347 320 707 682
概要 粒了-径 m) 9.8 9.3 9.5 9.0
SEM観察表面凹凸(nm) 100 100 無し 無し
TEM観察 凝集塊(最大大きさ) 無し 無し 有り 有り
(1.5 m) ( ] .5 m) 表面へのフィラー露 無し 無し 有り 有り 出
表面組 フッ素検出 有り 有り ί¾し し 成
白粒 混合液 算術平均粒于径(I1D1) 330 320 763 699 子 算術標準偏差(nm) 461 495 793 631
概要 粒子柽(μιη) 10.4 10.1 10.2 9.9
SEM覿察表面凹凸(nm) 150 ISO 無し 無し
TEM観察 凝集塊(最大大きさ) 無し 無し 有り 有り
(Z.2/im) (1.8/zni) 表面へのフィラ一露 無し 無し 有り 有り 出
表面組 フッ素検出 有り 有り mし 無レ 成
構成 基板間 IS離(wm> 100 100 100 100
基板間 露点温度 O ) 5 5 5
空間の 圧力 (KPa) 101.3 101.3 101.3 101.3 気体 種類 空気 空気 空気 空気 表示媒体の体積占有率(vol¾) 11 11 11 11
性能 白黒コントラスト比 8.5(良好) 3.5(良好) 2.3(不良) 2.1 (不良)
[0184] (9)変形例 9
本発明の、粒子がモノマーを含む粒子原料を重合してなる概球形粒子であり、粒 子原料中に (アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素系樹脂コポリマーを含有し 、モノマーの一部もしくは全部力 S1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマ 一であり、粒子表面に微小な凹凸を一様に有する表示媒体用粒子において、粒子 の構成比率において、粒子構成樹脂に対して、 1次粒子径が 30(nm)以下で DBP 吸収量が 120 (cm3/l00g)以下であるカーボンブラックを 4phr以上含有するととも に、荷電制御剤をカーボンブラックの量の 60%以下含有するよう構成することができ る。
[0185] このように構成することで、黒度の高い黒色表示媒体用粒子を得ることができる。そ のため、本発明の黒色表示媒体用粒子を表示媒体として用いた情報表示用パネル
によれば、繰り返し表示書き換えを行う場合にも表示コントラストや応答速度の低下 がなぐ表示性や表示書き換え性における耐久性が良好なだけでなぐ低電圧印加 で表示媒体の電界駆動が行える情報表示用パネルを得ることができる。
[0186] なお、本発明の変形例 9において、 DBP吸収量は、一般的にカーボンのストラクチ ヤーを把握するために用いられる測定法であり、堆積するカーボンブラックの空隙を 満たすに要する DBP(Dibutyl phthalate)の量から、粒子間のつながり、又は凝集によ る構造の程度を示すもので、単位は ml/l00gで表される。この値が大きいほどカー ボンの構造がハイストラクチャーになっており、低いほどローストラクチャ一になつてい るとレヽうこととなる。
[0187] 以下、変形例 9について、本発明例となる実施例及び比較例を示して、より具体的 に説明する。
[0188] <実施例 61 >
正帯電粒子としてメチルメタタリレートモノマー(関東化学試薬) 40重量部、及び、 1 分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてエチレングリコールジメタク リレート (和光純薬試薬) 60重量部に、正帯電のモノマー難溶性荷電制御剤として二 グロシンィ匕合物(ボントロン N07:オリエントィ匕学製) 1重量部と黒色無機顔料系着色 剤として、 1次粒子径 24nm、 DBP吸収量 100ml/gであるようなカーボンブラック( MA100:三菱化学製) 40重量部を、予めアクリル樹脂(デルペット 80NH:旭化成ケ ミカルズ製) 60重量部に分散させたマスターバッチ 14重量部をサンドミルで 1時間処 理することにより分散させ、さらに(アクリル系及びメタクリル系)樹脂 炭化水素系榭 脂コポリマーとして(アクリル系及びメタクリル系)樹脂 フッ素樹脂ブロックコポリマー
(モディパー F600 :日本油脂製) 10重量を溶解させた。
[0189] 次に、この混合液に 1分子内の炭素数 10以上のァゾ系物質であるァゾビスジメチ ルバレロ二トリル (V— 65 :和光純薬製 Z10時間半減期温度 51°C) 2重量部を溶解さ せた液を、分子中にポリオキシアルキレン鎖とスルホン酸塩を含む界面活性剤として ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムル E— 118B:花王製)を 0. 5wt%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機 (MDS— 2 :日本ニューマチック工業)を用いて粒子径が 0. 5〜50 z mの範囲で平均粒子径 9
. 3 /i mの黒粒子を得た。この粒子の表面を SEMで観察したところ、直径相当径約 9 Onmの凹凸が確認された。
[0190] 負帯電粒子としては、スチレンモノマー(関東化学試薬) 60重量部、及び、 1分子中 に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーとしてジビュルベンゼン (DVB - 960 : 新日鐡化学製) 40重量部に、負帯電のモノマー難溶性荷電制御剤としてフエノール 系縮合物(ボントロン E89:オリエント化学製) 5重量部、白色無機顔料系着色剤とし て、酸化チタン (タイペータ CR— 50:石原産業製) 40重量部をサンドミルにより 4時間 処理することにより分散させ、 (アクリル系及びメタクリル系)樹脂一炭化水素系樹脂コ ポリマーとして(アクリル系及びメタクリル系)樹脂一フッ素樹脂ブロックコポリマー(モ ディパー F600:日本油脂製) 8重量を溶解させた。
[0191] 次に、この溶液にアシノレ系過酸化物であるラウリルパーオキサイド(パーロィル L:日 本油脂製 /10時間半減期温度 61. 6°C) 2重量部を溶解させた液を、界面活性剤と してポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムル E— 1 18B:花王製 )を 0. 5wt%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機 (MD S - 2 :日本ニューマチック工業)を用いて粒子径 0. 5〜50 /i mの範囲で平均粒子 径 10. 1 /i mの白粒子を得た。この粒子の表面を SEMで観察したところ、直径相当 径約 140nmの凹凸が確認された。
[0192] 上記混合粒子を、 100 μ mのスぺーサーを介して配置された、一方が内側 ITO処 理され電源に接続されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に粒子の体積 占有率 1 1 %になるように充填し、情報表示用パネルを得た。 ITOガラス基板、銅基 板それぞれに電源を接続し、 ITOガラス基板が低電位に、銅基板が高電位となる様 に 250Vの直流電圧をかけると、正帯電粒子は低電位極側に、負帯電粒子は高電位 極側にそれぞれ飛翔し、ガラス基板を通して観察される情報表示用パネルは黒色に 表示され、次に印加電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆方向に飛翔して、 観察される情報表示用パネルは白色に表示された。いずれの場合でも、 IT〇ガラス 基板上に表示させたい粒子と別色粒子の混在は無ぐ良好な表示品質が得られた。 この時のコントラスト比(白表示時反射率と黒表示時反射率との比)をマクベス濃度計
D 19にて測定したところ、コントラスト比は 9. 5であった。
[0193] <実施例 62 >
実施例 61において、 1次粒子径 23nm、 DBP吸収量 68ml/gであるカーボンブラ ック(MA77:三菱化学製)を用いる以外は全て実施例 61と同様の手順で 2種類の粒 子を作製し、情報表示用パネルを準備して評価を行った。この時の 250V電圧でのコ ントラスト比は 10. 2であった。
[0194] <比較例 61 >
実施例 61において、 1次粒子径 50nm、 DBP吸収量 121ml/gであるカーボンブ ラック( # 20:三菱化学製)を用いる以外は全て実施例 61と同様の手順で 2種類の粒 子を作製し、情報表示用パネルを準備して評価を行った。この時の 250V電圧でのコ ントラスト比は 5. 8であった。
[0195] <比較例 62 >
比較例 61におレ、て、正帯電性粒子に荷電制御剤を添加しなレ、以外は全て比較例 61と同様の手順で 2種類の粒子を作製し、情報表示用パネルを準備し評価を行った 。この時の 250V電圧でのコントラスト比は 1. 3であった。
[0196] <比較例 63 >
実施例 61において、 1次粒子径 50nm、 DBP吸収量 175ml/gであるカーボンブ ラック( # 3050B:三菱化学製)を用いる以外は全て実施例 61と同様の手順で 2種類 の粒子を作製し、情報表示用パネルを準備し評価を行った。この時の 250V電圧で のコントラスト比は 4. 6であった。
[0197] (10)変形例 10
本発明の、粒子がモノマーを含む粒子原料を重合してなる概球形粒子であり、粒 子原料中に (アクリル系及びメタクリル系)樹脂—炭化水素系樹脂コポリマーを含有し 、モノマーの一部もしくは全部力 S1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマ 一であり、粒子表面に微小な凹凸を一様に有する表示媒体用粒子において、 60°C 加熱処理した前後の粒子の平均粒子径の比 R60ZR0が 0. 66 <R60/R0< 1. 5 であるよう構成すること力 Sできる。
[0198] このように構成することで、収縮により表面凹凸の量および表面凹凸の深度が不足 となり、帯電量不足となったり、基板一粒子間での付着力が強くなつたりすることがな
いように、加熱による径変化や帯電量変化を最適に制御できる。そのため、本発明の 表示媒体用粒子を表示媒体として用いた情報表示用パネルによれば、繰り返し表示 書き換えを行う場合にも表示コントラストや応答速度の低下がなぐ表示性や表示買 い換え性における耐久性が良好なだけでなぐ低電圧印加で表示媒体の電界駆動 が行える情報表示用パネルを得ることができる。
産業上の利用可能性
本発明の表示媒体用粒子を用いた情報表示用パネルは、ノートパソコン、 PDA, 携帯電話、ハンディターミナル等のモパイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞等 の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板等の掲示板、電卓、家電製品、自動車用品 等の表示部、ポイントカード、 ICカード等のカード表示部、電子広告、電子 P〇P、電 子値札、電子棚札、電子楽譜、 RF— ID機器の表示部などに好適に用いられる。