JP2004198881A - 表示デバイス用粒子及び、それを用いた画像表示媒体並びに画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外部刺激により正又は負に帯電しうる性質を有すると共に、蓄光物質を含有することを特徴とする表示デバイス用粒子。
対向配置された一対の基板と、前記一対の基板間の空隙に封入された少なくとも2種類以上の表示粒子からなる粒子群と、からなり、前記2種類以上の表示粒子の少なくとも1種類が外部刺激により正に、他の少なくとも1種類が外部刺激により負に帯電し得る性質を有し、かつ、前記外部刺激により正又は負に帯電し得る表示粒子が相互に異なる色彩を有する画像表示媒体であって、前記外部刺激により正又は負に帯電し得る表示粒子のうち少なくとも1種類が上記表示デバイス用粒子であることを特徴とする画像表示媒体、及び画像形成装置。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示デバイス用粒子及び、それを用いた繰り返し書き換えが可能な画像表示媒体並びに画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、繰り返し書き換えが可能な画像表示媒体として、TwistingBall Display(2色塗り分け粒子回転表示)、電気泳動、磁気泳動、サーマルリライタブル媒体、メモリ性を有する液晶などの表示技術が提案されている。
前記表示技術は、画像のメモリ性には優れるが、表示面を紙のような白色表示とすることができず、コントラストが低いという問題があった。
【0003】
一方、上記のような問題を解決するトナーを用いた表示技術として、導電性着色トナーと白色粒子を対向する電極基板間に封入し、非表示基板の電極内側表面に設けた電荷輸送層を介して導電性着色トナーへ電荷を注入し、電荷注入された導電性着色トナーが非表示基板に対向して位置する表示基板側へ、電極基板間の電界により移動し、導電性着色トナーが表示側の基板内側へ付着して導電性着色トナーと白色粒子とのコントラストにより画像表示する表示技術が提案されている(例えば非特許文献1参照。)。
本表示技術は、画像表示媒体が全て固体で構成されており、白と黒(色)の表示を原理的に100%切り替えることができる点で優れている。
しかし、上記技術では、非表示基板の電極内側表面に設けた電荷輸送層に接しない導電性着色トナー、また、他の導電性着色トナーから孤立している導電性着色トナーが存在し、これらの導電性着色トナーは、電荷が注入されないために電界によって移動せずにランダムに基板内に存在するため、コントラストが低いという問題があった。
【0004】
上記問題を解決するため、一対の基板と、印加された電界により前記基板間を移動可能に前記基板の間に封入されると共に、色及び帯電特性が異なる複数種類の粒子群とを含む画像表示媒体が提案されている(例えば特許文献1参照。)。この提案によれば高い白色度とコントラストが得られる。
しかし、これら表示媒体は、光の反射により視認性があるものであり、暗闇のなかでは、照明器具がなければ、表示の視認性がないという課題があった。
【0005】
【特許文献1】
特願2000−165138号公報
【非特許文献1】
Japan Hardcopy '99 論文集、p249−252
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、弱い光の照明光、または、暗闇の中での表示視認性の高い表示デバイス用粒子、それを用いた画像表示媒体及び画像形成装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意研究の結果蓄光物質を粒子内に存在させることで、日中の光等を蓄光し、暗闇下でも発光し、視認性が向上することを明らかにし、蛍光物質の活用が有効であることを見出し、本発明に想到するにいたった。
【0008】
すなわち本発明は、
<1> 外部刺激により正又は負に帯電しうる性質を有すると共に、蓄光物質を含有することを特徴とする表示デバイス用粒子である。
【0009】
<2> 前記蓄光物質は、粒子状の蓄光顔料であることを特徴とする<1>に記載の表示デバイス用粒子である。
【0010】
<3> 前記粒子状の蓄光顔料は、表面処理が施されていることを特徴とする<2>に記載の表示デバイス用粒子である。
【0011】
<4> さらに酸化チタンを含有する白色粒子であることを特徴とする<1>に記載の表示デバイス用粒子である。
【0012】
<5> 表面に微小な凸凹が形成されていることを特徴とする<1>に記載の表示デバイス用粒子である。
【0013】
<6> 体積平均粒子径が1〜30μmであることを特徴とする<1>に記載の表示デバイス用粒子である。
【0014】
<7> 対向配置された一対の基板と、前記一対の基板間の空隙に封入された少なくとも2種類以上の表示粒子からなる粒子群と、からなり、前記2種類以上の表示粒子の少なくとも1種類が外部刺激により正に、他の少なくとも1種類が外部刺激により負に帯電し得る性質を有し、かつ、前記外部刺激により正又は負に帯電し得る表示粒子が相互に異なる色彩を有する画像表示媒体であって、前記外部刺激により正又は負に帯電し得る表示粒子のうち少なくとも1種類が、蓄光物質を含有する表示デバイス用粒子であることを特徴とする画像表示媒体である。
【0015】
<8> 前記蓄光物質は、粒子状の蓄光顔料であることを特徴とする<7>に記載の画像表示媒体である。
【0016】
<9> 前記粒子状の蓄光顔料は、表面処理が施されていることを特徴とする<8>に記載の画像表示媒体である。
【0017】
<10> 前記表示粒子の表面には、微小な凸凹が形成されていることを特徴とする<7>に記載の画像表示媒体である。
【0018】
<11> 前記表示粒子の体積平均粒子径は、1〜30μmであることを特徴とする<7>に記載の画像表示媒体である。
【0019】
<12> 前記蓄光物質を含有する表示デバイス用粒子が、さらに酸化チタンを含有する白色粒子であることを特徴とする<7>に記載の画像表示媒体である。
【0020】
<13> 対向配置された一対の基板と、前記一対の基板間の空隙に封入された少なくとも2種類以上の表示粒子からなる粒子群と、からなり、前記2種類以上の表示粒子の少なくとも1種類が外部刺激により正に、他の少なくとも1種類が外部刺激により負に帯電し得る性質を有し、かつ、前記外部刺激により正又は負に帯電し得る表示粒子が相互に異なる色彩を有し、前記外部刺激により正又は負に帯電し得る表示粒子のうち少なくとも1種類が、蓄光物質を含有する表示デバイス用粒子である画像表示媒体に画像を形成する画像形成装置であって、前記一対の基板間に、画像に応じた電界を発生させる電界発生手段を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の表示デバイス用粒子及び、それを用いた画像表示媒体並びに画像形成装置について詳細に説明する。
<表示デバイス用粒子>
本発明の表示デバイス用粒子は、外部刺激により正又は負に帯電しうる性質を有すると共に、蓄光物質を含有することを特徴とする。
本発明の表示デバイス用粒子は、少なくとも、色材と樹脂とから構成され、前記色材の一つとして蓄光物質が用いられる。また、本発明の表示デバイス用粒子には、必要に応じて帯電制御剤が含まれてもよく、色材が帯電制御剤を兼ねる構成であってもよい。
本発明の表示デバイス用粒子は、蓄光物質を含有するため、弱い光の照明光、または、暗闇の中での表示視認性を高めることが可能となる。
【0022】
−蓄光物質−
本発明において、蓄光物質とは、電灯や昼間の太陽光等を内部蓄積し、暗闇で自ら発光可能な物質をいい、さまざまな樹脂などに混ぜて使用することができ、蓄光と発光を半永久的に繰り返すことのできる物質である。
前記蓄光物質としては、粒子状の蓄光顔料が好ましく、前記蓄光顔料としては、例えば、燐光性硫化亜鉛、硫化カルシウム、ヘキサ硫化亜鉛、硫化亜鉛・カドミウム等が挙げられ、この中でも燐光性硫化亜鉛が好ましい。
【0023】
前記蓄光顔料の体積平均粒子径は、3μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以下である。また、光を効果的に吸収(蓄光)させるため、前記蓄光顔料の体積平均粒子径は0.1μm以上が好ましい。
【0024】
前記蓄光顔料は、蓄光顔料の樹脂への分散性向上などの目的で、表面処理剤によって表面処理が施されていることが好ましい。
前記表面処理剤としては、各種カップリング剤又は分散性向上剤などの公知の表面処理剤を用いることが可能である。前記表面処理剤の具体例としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコネート系カップリング剤等が挙げられる。
表面処理された蓄光顔料を用いることにより、表示デバイス用粒子に蓄光顔料を均一に分散させることが可能となり、その結果として蓄光顔料の蓄光の効率の向上又は、蓄光顔料の発光強度を向上させることができる。
【0025】
本発明においては、前記蓄光物質の発光を促進するために、補助剤として、銅、ビスマス等の金属微粒子を添加することができる。
【0026】
本発明に係る蓄光物質の添加量は、表示デバイス用粒子全体に対して5〜40質量%が好ましく、特に10〜20質量%が好ましい。
【0027】
−色材−
本発明において使用される蓄光物質以外の他の色材としては、黒色系の色材として、カーボンブラック、チタンブラック、磁性粉、オイルブラック、等有機、無機系の染・顔料系の黒色材が挙げられる。
白色系の色材としては、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタン、亜鉛華、鉛白、硫化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム等の白顔料が挙げられる。
有彩色の色材としては、フタロシアニン系、キナクリドン系、アゾ系、縮合系、不溶性レーキ顔料、無機酸化物系の染顔料を使用することができる。その具体例としては、例えばアニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デユポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、等を代表的なものとして例示することができる。
【0028】
本発明の表示デバイス用粒子において、前記蓄光物質は色材として単独で用いられてもよいし、他の色材との併用により用いられてもよい。併用される他の色材としては、酸化チタンが好ましい。
蓄光物質と酸化チタンとを併用することにより、白色の表示デバイス用粒子を形成することができる。
併用される酸化チタンとして、好ましくはルチル型の酸化チタンが挙げられる。
【0029】
本発明の表示デバイス用粒子において、蓄光物質と併用される酸化チタンは、少なくとも2種類の平均粒子径の異なるものを併用するのが好ましい。
従来では、酸化チタンは分散性が悪く、分散をあげても粒子径の大きい酸化チタンでは比重が重い分、2次、3次凝集の発生が早く、分散安定性が悪いため、隠蔽力を十分発揮出来ないという問題があった。一方、粒子径の小さい酸化チタンは、光の散乱を十分起すことが出来ず、隠蔽力が小さいという欠点があった。
しかし、少なくとも2種類の平均粒子径の異なる酸化チタンを併用することにより、分散安定性、および隠蔽性の向上の両立をなすことが可能となる。
【0030】
使用可能な酸化チタンの一次粒子径は、少なくとも1種類は、光学的に隠蔽性の高い粒子径である、0.1μm〜1.0μmであるものが好ましい。また、他の酸化チタンの一次粒子径は、0.1μm未満のものが好ましい。
また、酸化チタンには表面処理を施してもよい。表面処理剤としては、白色度に影響を与えない範囲で、各種カップリング剤、有機物を溶媒で溶解させたものが使用できる。
【0031】
色材が帯電制御剤を兼ねる場合の、色材の構造としては、電子吸引基あるいは電子供与基をもつもの、又は金属錯体等を挙げることができる。
帯電制御剤を兼ねる色材の具体例としては、C.I.ピグメント・バイオレット1、C.I.ピグメント・バイオレット3、C.I.ピグメント・バイオレット23、C.I.ピグメント・ブラック1等を挙げることができる。
【0032】
色材の添加量は、色材の比重を1としたとき、表示デバイス用粒子全体に対して1〜60質量%の範囲とすることが好ましく、5〜50質量%の範囲とすることがより好ましい。
【0033】
−樹脂−
本発明の表示デバイス用粒子を構成する樹脂としては、ポリオレフィン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、ポリビニルブチラール等のポリビニル系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂、及びその変性;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデンのようなフッ素樹脂;ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート;アミノ樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらは単独で使用してもよいし、複数の樹脂を混合して使用してもよい。これら樹脂は架橋していてもよい。
さらに、本発明の表示デバイス用粒子には、従来の電子写真法に用いられるトナー用の主要成分として知られる公知の結着樹脂を、問題なく使用することができる。特に、架橋成分を含んだ樹脂を用いることが好ましい。
【0034】
−帯電制御剤−
本発明の表示デバイス用粒子には、必要に応じて、粒子の帯電性を制御するために、帯電制御剤を添加してもよい。
前記帯電制御剤としては、電子写真用トナー材料に使用される公知のものが使用でき、例えば、セチルピリジルクロライド、P−51、P−53(オリエント化学工業社製)等の第4級アンモニウム塩、サリチル酸系金属錯体、フェノール系縮合物、テトラフェニル系化合物、酸化金属微粒子、又は、各種カップリング剤により表面処理された酸化金属微粒子をあげることができる。
【0035】
前記帯電制御剤の添加量は、表示デバイス用粒子全体に対して0.1〜10質量%が好ましく、さらに好ましくは、0.5〜5質量%である。
本発明に用いられる前記帯電制御剤の表示デバイス用粒子中における分散単位の大きさとしては、体積平均粒子径で、5μm以下のものが用いられ、1μm以下のものが好ましい。
前記帯電制御剤は、表示デバイス用粒子中において相溶状態で存在していてもよい。
【0036】
前記帯電制御剤は、無色、低着色力、または、表示デバイス用粒子全体の色と同系色であることが望ましい。無色、低着色力、または、含まれる表示デバイス用粒子全体の色と同系色(つまり、表示デバイス用粒子に含まれる色材の色と同系色)の帯電制御剤を使用することにより、表示デバイス用粒子の色相へのインパクトを低減することができる。
【0037】
ここで、「無色」とは、色彩を有しないことをいい、「低着色力」とは、含まれる表示デバイス用粒子全体の色彩に与える影響が小さいことをいう。また、「含まれる粒子全体の色と同系色」とは、帯電制御剤自身、色相を有するものの、含まれる表示デバイス用粒子全体の色と同色ないし、近似した色相であり、結果として、含まれる表示デバイス用粒子全体の色彩に与える影響が小さいものであることをいう。例えば、白色顔料を色材として含有する表示デバイス用粒子において、白色の帯電制御剤は、「含まれる粒子全体の色と同系色」の範疇に含まれる。
いずれにしても、帯電制御剤の色としては、「無色」、「低着色力」、「含まれる粒子全体の色と同系色」にかかわらず、それが含まれる表示デバイス用粒子の色が所望の色となるようなものであればよい。
【0038】
本発明の表示デバイス用粒子には、さらに必要に応じて、抵抗調整剤が含有されることが好ましい。抵抗調整剤を使用することにより、粒子相互間の電荷交換を早くすることが可能となり、装置の早期安定化を達成することが可能となる。
ここで抵抗調整剤とは、導電性の微粉末のことをいい、特に電荷交換や、電荷の漏洩を適度に生じる導電性の微粉末であることが好ましい。抵抗調整剤を共存させることにより、長期にわたる粒子間摩擦や、粒子−基板表面間摩擦による粒子の荷電量の増大、いわゆるチャージアップを回避することが可能となる。
【0039】
かかる抵抗調整剤としては、体積抵抗率が1×106Ωcm以下、好ましくは、1×104Ωcm以下の無機微粉末をあげることができる。具体的には、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、各種導電性酸化物でコートされた微粒子、例えば、酸化スズコートされた酸化チタン等などをあげることができる。
本発明において抵抗調整剤としては、無色、低着色力、または、含まれる表示デバイス用粒子全体の色と同系色のものであるこちが好ましい。これらの用語の意義は、帯電制御剤の場合と同様である。
抵抗調整剤の添加量としては、着色粒子の色を妨げない範囲であれば問題無く、表示デバイス用粒子全体に対して0.1〜10質量%が好ましい。
【0040】
−ポリマー微粒子−
本発明の表示デバイス用粒子には、必要に応じて、粒子の比重を低減させるために比重の小さいポリマー微粒子を内在させ、かつ、比重の大きい色材の含有量を低減させることで、表示デバイス用粒子全体の比重を低減させることができる。つまり、表示デバイス用粒子の中で、比重に対して最も影響を及ぼす色材の一部を、比重の小さいポリマー微粒子に置換することで、表示デバイス用粒子全体の比重を低減させることができる。
これにより、本発明の表示デバイス用粒子は、比重が低減されると共に、分子間の凝集性も低減することができ、更に、内在するポリマー微粒子の光散乱により、色材の含有量を低減させても、光学的反射濃度を高く設定することが可能である。
【0041】
ポリマー微粒子としては、従来公知のポリマーを使用することができるが、併用する色材よりも比重の低いものを使用することが好ましく、また、ポリマー微粒子自身が色彩を有する場合、併用する色材が有する色彩を考慮して、適宜、選択して使用することが好ましい。更に、併用する樹脂としては、後述するものを使用することができるが、メタクリル系、又は、アクリル系樹脂が好ましく用いられる。
ポリマー微粒子としては、具体的には、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、尿素ホリマリン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂等を単独又は複数組み合わせて使用することができるが、これらに限定されるものではない。これらの樹脂は、架橋構造を有していることが好ましく、更に、併用する樹脂相よりも屈折率が高いものであることがより好ましい。
【0042】
ポリマー微粒子は、球形、不定形、偏平形などの形状を有するものを使用することができるが、球形であることがより好ましい。
ポリマー微粒子の体積平均粒子径は、表示デバイス用粒子よりも小さいものであれば用いることができるが、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。また、粒度分布はシャープなものがよく、より好ましくは、単分散であることが好ましい。
【0043】
更に、より小さい比重の表示デバイス用粒子を作製する観点から、ポリマー微粒子の一部又は全部が、中空粒子からなることが好ましい。かかる中空粒子の体積平均粒子径は、表示デバイス用粒子よりも小さいものであれば用いることができるが、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。特に、中空粒子の場合、光の散乱の観点から、体積平均粒子径は、0.1〜1μmであることが更に好ましく、0.2〜0.5μmであることが特に好ましい。
ここで、「中空粒子」とは、粒子内部に空隙を有するものを指す。空隙は10〜90%であることが好ましい。また、「中空粒子」は、中空のカプセル状態のものであっても、粒子の外壁が多孔質状態のものであってもよい。
【0044】
また、中空粒子は、中空のカプセル状態のものは外殻部の樹脂層と粒子内部の空気層との界面における屈折率の差、外壁が多孔質状態のものは外壁と空洞の間の屈折率の差、によって起こる光の散乱を利用して白色度を上げること、及び隠蔽性を高めることがができるため、白色の表示デバイス用粒子に内在させることが特に好ましい。
【0045】
本発明の表示デバイス用粒子において、ポリマー微粒子の添加量は、表示デバイス用粒子全体に対して、1〜40質量%の範囲であることが好ましく、1〜20質量%の範囲であることがより好ましい。
【0046】
本発明の表示デバイス用粒子の体積平均粒子径としては、一概には言えないが、良好な画像を得るためには、体積平均粒子径が、1〜30μmが好ましく、さらに好ましくは2〜20μm、特に2〜15μmが好ましい。
また、粒子の粒度分布はシャープなものがよく、単分散であることが好ましい。
【0047】
−表示デバイス用粒子の製造方法−
本発明の表示デバイス用粒子の製造方法としては、蓄光物質を含む色材、樹脂の原料となるモノマー及び必要に応じて帯電制御剤等を用いた懸濁重合、乳化重合、分散重合などで作成される湿式製法による球状粒子や、従来の粉砕分級法による不定形粒子、もしくは、これら粒子の形状を揃える為に、熱処理をほどこしたものが好ましい。
【0048】
本発明の表示デバイス用粒子の粒度分布は、分級操作により調整することができる。
例えば、各種振動篩、超音波篩、空気式篩、及び湿式篩、遠心力の原理を使用したローター回転式分級機、風力分級機等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらは、単独、または、多数組み合わせることにより、所望の粒度分布に調整できる。特に精密に調整する場合は、湿式篩を使用するのが好ましい。
【0049】
また、粒子形状を制御する方法(形状係数を制御する方法)としては、次に示す方法等が好適に挙げられる。例えば、特開平10−10775号公報記載の溶媒にポリマーを溶解し、着色剤を混合し、無機分散剤の存在下で水系媒体中に分散し粒子化させる、所謂、懸濁重合法において、モノマーと相溶性のある(溶媒と相溶性のない、若しくは、少ない)重合性のない有機溶媒を添加し、懸濁重合をおこない、粒子を作成、取り出し、乾燥させる工程で、有機溶媒を除去させる乾燥方法を適宜選択する方法が好適に挙げられる。この乾燥方法としては凍結乾燥法が好適に挙げられ、この凍結乾燥法においては、−10℃〜−200℃(好ましくは、−30℃〜−180℃)の範囲で行うことが好ましい。また、凍結乾燥法は、圧力40Pa以下程度で行うが、特に、13Pa以下で行うことが好ましい。ここで、有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸プロピル等のエステル系溶剤、ジエチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶剤、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素系溶剤等が挙げられる。これらの溶媒は、ポリマーを溶解できることが好ましく、また、水に溶解する割合が0〜30質量%程度であるものが好ましい。また、工業化を行うに当たり、安全性、コスト及び生産性をも考慮すると、シクロヘキサンが特に好ましい。
【0050】
また、特開2000−292971公報記載の小粒子を凝集させ、合一させ、所望の粒子径に増大させる方法、また、従来公知な溶融混練、粉砕、分級法などで得られた粒子に機械的な衝撃力(例えば、ハイブリダイザー(奈良機械製作所)、オングミル(ホソカワミクロン)、θコンポ−ザー(徳寿工作所)等)を加える方法や、加熱させる方法等でも粒子形状を制御させることができる。
【0051】
本発明の表示デバイス用粒子の表面には、微小な凸凹が形成されていることが好ましい。微小な凸凹の存在により、表示デバイス用粒子を画像表示媒体に用いた場合に粒子の動きが良好になり、その結果として粒子の電界応答性が良好になり、さらに表示画質がクリアーになる等の効果が得られる。
ここで、微小な凸凹とは、粒子表面の基体から、0.1μm〜3μm程度の起伏をいう。
粒子表面への微小な凸凹は、懸濁重合法による粒子形成工程におけるモノマー中に微小粒子を存在させ、懸濁条件および重合条件において、これらの微小粒子を表面に析出させる方法、並びに、母材粒子を形成後、乾式におけるメカノケミカル法(奈良機械工業(株):ハイブリダイザーによる)により子粒子を強制付着、または融着させる方法により形成することができる。。
粒子表面の微小な凸凹の大きさは、レーザー顕微鏡により、粒子基体からの起伏を計測し、平均的な起伏を算術平均することにより求めた。
また、粒子表面の微小な凹凸の好ましい範囲は、粒子表面の基体から、0.1μm〜3μm程度の起伏が好ましく。より好ましくは、0.1μm〜2μmである。
【0052】
本発明の表示デバイス用粒子は、外部刺激により正又は負に帯電しうる性質を有する。前記外部刺激の具体例としては、電界、光、振動(流動による摩擦帯電)又は熱等が挙げられる。
【0053】
<画像表示媒体>
本発明の画像表示媒体は、対向配置された一対の基板と、前記一対の基板間の空隙に封入された少なくとも2種類以上の表示粒子からなる粒子群と、からなり、前記2種類以上の表示粒子の少なくとも1種類が外部刺激により正に、他の少なくとも1種類が外部刺激により負に帯電し得る性質を有し、かつ、前記外部刺激により正又は負に帯電し得る表示粒子が相互に異なる色彩を有する画像表示媒体であって、前記外部刺激により正又は負に帯電し得る表示粒子のうち少なくとも1種類が前記本発明の表示デバイス用粒子であることを特徴とする。
【0054】
−2種類以上の表示粒子からなる粒子群−
本発明における2種類以上の表示粒子からなる粒子群は、そのうちの少なくとも1種類(第1の粒子)が外部刺激により正に、他の少なくとも1種類(第2の粒子)が外部刺激により負に帯電し得る性質を有し、かつ、前記外部刺激により正又は負に帯電し得る表示粒子が相互に異なる色彩を有することを特徴とする。
【0055】
なお、上記説明においては、正に帯電する第1の粒子と、負に帯電する第2の粒子とが、それぞれ1種類ずつであることを前提とした表現を用いたが、両者はそれぞれ1種類のみであっても2種類以上であっても問題なく、2種類以上の場合においても、そのうちの少なくとも1種が本発明の表示デバイス用粒子で構成されていればよい。
【0056】
本発明の画像表示媒体において、本発明の表示デバイス用粒子以外の表示粒子(その他の表示粒子)としては、少なくとも、色材及び樹脂から構成されており、色材及び樹脂は上記本発明の表示デバイス用粒子と同様のものを用いることができる。また、必要に応じて帯電制御剤が含まれてもよく、色材が帯電制御剤を兼ねる構成であってもよいことも同様である。
【0057】
前記その他の表示粒子の表面には、微小な凸凹が形成されていることが好ましい。微小な凹凸の存在により、表示粒子の画像表示媒体における動きが良好になり、その結果として粒子の電界応答性が良好になり、さらに表示画質がクリアーになる等の効果が得られる。なお、その他の表示粒子の表面への微小な凸凹の形成方法は前記本発明の表示デバイス用粒子の場合と同様である。
【0058】
前記その他の表示粒子の体積平均粒子径としては、一概には言えないが、良好な画像を得るためには、体積平均粒子径が、1〜30μmが好ましく、さらに好ましくは2〜20μm、特に2〜15μmが好ましい。
また、粒子の粒度分布はシャープなものがよく、単分散であることが好ましい。
【0059】
本発明の画像表示媒体において、表示粒子の一方は白色であること、言い換えれば、本発明における前記外部刺激により正又は負に帯電し得る表示粒子の一方における色材としては、白色系の色材であることが好ましい。一方の粒子を白色にすることにより、他方の粒子の着色力、濃度コントラストを向上することができる。このとき、一方の粒子を白色にするための色材としては、酸化チタンが好ましい。色材に酸化チタンを使用することにより、可視光の波長の範囲において、隠蔽力を高くでき、より、一層濃度コントラストを向上させることができる。色材として、特に好ましくは、 ルチル型の酸化チタンである。
【0060】
前記白色の表示粒子としては、酸化チタンを含有する本発明の表示デバイス用粒子であることが好ましい。前記白色の表示粒子として本発明の表示デバイス用粒子を用いると、画像表示媒体の画像面積の大半が白を基調とするため、蓄光物質の存在により文字又は画像などの認識性を強調することができるようになる。
酸化チタンを含有する本発明の表示デバイス用粒子の構成は、前述の通りである。
【0061】
なお、本発明の画像表示媒体は、表示粒子の一方が白色であることに制限されるものではない。例えば、表示粒子の一方が黒色であることも可能である。この場合は、例えば、黒色の文字と他の色の文字や記号を切替えて表示するときに特に有効である。
【0062】
また、表示粒子においては、少なくとも1種類が外部刺激により正に、他の少なくとも1種類が外部刺激により負に帯電し得る性質を有するように調整する必要がある。異なる種類の粒子が衝突したり、摩擦されたりすることで帯電するときには、両者の帯電列の位置関係により、一方が正に、他方が負にそれぞれ帯電する。本発明においては、例えば、上述した帯電制御剤を適宜選択することにより、この帯電列の位置を適切に調整することができる。
【0063】
表示粒子の粒度としては、例えば、白色粒子と黒色粒子の粒子径、及び分布をほぼ同等にすることで、いわゆる2成分現像剤のような大粒子径粒子が小粒子径粒子に囲まれるという付着状態が回避されるので、高い白色濃度及び黒色濃度が得られる。変動係数が、15%以下程度が好ましく、特に好ましくは、単分散がよい。小粒子径粒子は大粒子径粒子の周囲に付着して大粒子径粒子本来の色濃度を下げることがある。また、コントラストは白黒粒子の混合比によっても変化することがある。表示粒子の表面積が同等になる程度の混合比率が望ましい。これから大きくずれると比率の多い粒子の色が強くなることがる。但し、同色で濃い色調の表示と淡い色調の表示でコントラストを付けたい場合や、2種類の着色粒子が混合して作り出す色で表示したい場合はこの限りではない。
【0064】
−基板−
本発明の画像表示媒体において、基板は、対向配置された一対のものであり、該一対の基板間の空隙には前記表示粒子が封入される。本発明において、基板とは、導電性を有する板状体(導電性基板)であり、画像表示媒体としての機能を持たせるためには、一対の基板のうち少なくとも一方が透明な透明導電性基板であることが必要となる。その際は、当該透明導電性基板が表示基板となる。
【0065】
導電性基板としては、基板自体が導電性であっても、絶縁性の支持体表面を導電化処理したものであってもよく、また、結晶であるか非晶質であるかは問わない。基板自体が導電性である導電性基板としては、アルミニウム、ステンレススチール、ニッケル、クロム等の金属及びその合金結晶、Si、GaAs、GaP、GaN、SiC、ZnOなどの半導体を挙げることができる。
【0066】
絶縁性の支持体としては、高分子フィルム、ガラス、石英、セラミック等を挙げることができる。絶縁性の支持体の導電化処理は、上記基板自体が導電性である導電性基板の具体例で挙げた金属又は金、銀、銅等を、蒸着法、スパッター法、イオンプレーティング法などにより成膜して行うことができる。
【0067】
透明導電性基板としては、絶縁性の透明支持体の片面に透明電極が形成された導電性基板、又はそれ自体導電性を有する透明支持体が用いられる。それ自体導電性を有する透明支持体としては、ITO、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅等の透明導電性材料を挙げることができる。
【0068】
絶縁性の透明支持体としては、ガラス、石英、サファイア、MgO、LiF、CaF2等の透明な無機材料、また、弗素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、エポキシ等の透明な有機樹脂のフィルム又は板状体、更には、オプチカルファイバー、セルフォック光学プレート等が使用できる。
【0069】
上記透明支持体の片面に設ける透明電極としては、ITO、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅等の透明導電性材料を用い、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の方法により形成したもの、或いはAl、Ni、Au等の金属を蒸着やスパッタリングにより半透明になる程度に薄く形成したものが用いられる。
【0070】
これら基板において、対向する側の表面は、前記粒子の帯電極性に影響を及ぼすので、適切な表面状態の保護層を設けることも好ましい態様である。保護層は、主に基板への接着性、透明性、及び帯電列、更には、低表面汚染性の観点から選択することができる。具体的な保護層の材料としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ビニルシリコーン樹脂、フッ素基含有樹脂等を挙げることができる。樹脂の選択は、使用する表示粒子の主モノマーの構成、及び、粒子との摩擦帯電の差が小さいものが選択される。
【0071】
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、前記本発明の画像表示媒体に画像を形成する画像形成装置であって、前記本発明の画像表示媒体に係る一対の基板間に、画像に応じた電界を発生させる電界発生手段を備えたことを特徴とする。
以下、図面を参照して本発明の画像表示媒体を用いた、本発明の画像形成装置の実施の形態について詳細に説明する。なお、同様の機能を有すものは全図面を通して同じ符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0072】
−第1実施形態−
図1には、本実施の形態に係る画像表示媒体及び画像表示媒体に画像を形成するための画像形成装置が示されている。
第1の実施の形態に係る画像形成装置12は、図1に示すように電圧印加手段201を備えている。画像表示媒体10は、画像が表示される側の表示基板14と該表示基板14と対向する非表示基板16との間に、スペーサ204と黒色粒子18及び白色粒子20とが封入された構成となっている。表示基板14及び非表示基板16には、後述するように透明電極205が付されているが、非表示基板16の透明電極205は接地されており、表示基板14の透明電極205は電圧印加手段201と接続されている。
【0073】
次に、画像表示媒体10の詳細について説明する。
画像表示媒体10の外側を構成する表示基板14及び非表示基板16には、例えば、50×50×1.1mmの透明電極ITO付き7059ガラス基板を使用する。ガラス基板の粒子と接する内側表面206はポリカーボネート樹脂(PC−Z)で厚さ5μmでコートされている。40×40×0.3mmのシリコンゴムプレート204の中央部を15×15mmの正方形に切り抜いて空間を形成し、このシリコンゴムプレートを非表示基板16上に設置する。例えば、体積平均粒子径20μmの酸化チタン含有の球状白色微粒子20と、例えば、体積平均粒子径20μmのカーボン含有球状黒色微粒子18と、を質量比2対1の割合で混合し、この混合粒子約15mgを前記シリコンゴムプレートの正方形に切り抜いた空間にスクリーンを通して振るい落とす。その後、このシリコンゴムプレートに表示基板14を密着させ、両基板間をダブルクリップで加圧保持して、シリコンゴムプレートと両基板とを密着させ、画像表示媒体10を形成する。
【0074】
−第2実施形態−
以下、図面を参照して本発明の第2実施形態を詳細に説明する。
図2には、本実施の形態に係る単純マトリックスを用いた画像表示媒体10に画像を形成するための画像形成装置12が示されている。電極403An及び404Bn(nは正数)を単純マトリックス構造にし、電極403An、404Bnによって挟まれた空間に帯電性の異なる複数の粒子群を封入し、波形発生装置402B及び電源402Aにより構成された電界発生装置402、或いは波形発生装置405B及び電源405Aにより構成された電界発生装置405により、各電極403An、404Bnに電位を発生させ、シーケンサ406によって電極の電位駆動タイミングを制御して、各電極の電圧の駆動を制御し、片方の面の電極403A1〜Anには1行単位で粒子が駆動できる電界を付与し、他方の面の電極B1〜Bnには画像情報に応じた電界を面内同時に付与させることができる。
【0075】
図3、図4、図5に図2の任意の面での画像形成部の断面を示す。粒子は、電極面或いは基板面に接触しており、基板の少なくとも一方の面は透明で粒子の色を外部から透過してみることができるものである。電極403A、404Bは、図3、図4に示すように基板に埋めこまれて一体化しても、図5のように基板と分離した形態をとってもよい。
上記装置に適宜電界の設定を行なうことにより、単純マトリックス駆動による表示が可能になる。なお、粒子は電界に対して移動のしきい値を持つものであれば駆動は可能であり、粒子の色、帯電極性、帯電量、などの制限を受けるものではない。
【0076】
−第3実施形態−
以下、図面を参照して本発明の第3実施形態を詳細に説明する。第3実施形態は印字電極を用いる画像形成装置である。
図6及び図7(A)に示すように、印字電極11は、基板13と、直径が例えば、100μmの複数の電極15とから構成される。画像形成装置12は、印字電極11、対向電極26、図示しない電源等を備えている。
また、複数の電極15は、図7(A)に示すように、表示基板14の片側の面に画像表示媒体10の搬送方向(図中矢印B方向)と略直交する方向(すなわち、主走査方向)に沿って画像の解像度に応じて所定間隔に1列に並べられている。電極15は、図7(B)に示すように正方形でもよいし、図7(C)に示すようにマトリックス状に配置されていてもよい。
【0077】
各電極15には、図8に示すように、AC電源17AとDC電源17Bとが接続制御部19を介して接続されている。接続制御部19は、一端が電極15に接続され、かつ、他端がAC電源17Aに接続されたスイッチ21Aと、一旦が電極15に接続され、かつ、他端がDC電源17Bに接続されたスイッチ21Bからなる複数のスイッチで構成されている。
このスイッチは制御部60によりオンオフ制御され、AC電源17A及びDC電源17Bと電極15とを電気的に接続する。これにより、交流電圧や直流電圧、又は交流電圧と直流電圧とを重畳した電圧を印加することができる。
【0078】
次に、第3の実施の形態における作用を説明する。
まず、画像表示媒体10が図示しない搬送手段により図中矢印B方向へ搬送され、印字電極11と対向電極26との間に搬送されると、制御部60は、接続制御部19に指示して全てのスイッチ21Aをオンさせる。これにより、すべての電極15にAC電源17Aから交流電圧が印加される。
ここで画像表示媒体は、電極を持たない一対の基板内の空間に2種類以上の粒子群が封入された媒体である。
【0079】
交流電圧が電極15に印加されると、画像表示媒体10内の黒色粒子18及び白色粒子20が表示基板14と非表示基板16との間を往復運動する。これにより、粒子同士の摩擦や粒子と基板との摩擦により黒色粒子18及び白色粒子20は摩擦帯電され、例えば、黒色粒子18がプラスに帯電され、白色粒子20は帯電されないか、又はマイナスに帯電される。なお、以下では、白色粒子20はマイナスに帯電されるものとして説明する。
そして、制御部60は、接続制御部19に指示して画像データに応じた位置の電極15に対応するスイッチ17Bのみをオンさせ、画像データに応じた位置の電極15に直流電圧を印加させる。例えば、非画像部に直流電圧を印加し、画像部には直流電圧を印加しないようにする。
これにより、電極15に直流電圧が印加されていた場合、図6に示すように印字電極11が表示基板14と対向する部分にあったプラスに帯電された黒色粒子18は、電界の作用により非表示基板16側へ移動する。また、非表示基板16側にあったマイナスに帯電された白色粒子20は電界の作用により表示基板14側へ移動する。従って、表示基板14側には白色粒子20のみが現れるため、非画像部に対応する部分に画像は表示されない。
【0080】
一方、電極15に直流電圧が印加されていない場合、印字電極11が表示基板14と対向する部分にあったプラスに帯電された黒色粒子18は、電界の作用に表示基板14側にそのまま維持される。また、非表示基板16側にあったプラスに帯電された黒色粒子18は電界の作用により表示基板14側へ移動する。従って、表示基板14側には黒色粒子18のみが現れるため、画像部に対応する部分に画像が表示される。
これにより、表示基板14側には黒色粒子18のみが現れるため、画像部に対応する部分に画像が表示される。
【0081】
このようにして、画像に応じて黒色粒子18及び白色粒子20が移動し、表示基板14側に画像が表示される。なお、白色粒子20が帯電されていない場合、黒色粒子18のみが電界の影響を受けて移動する。画像が表示されない部位での黒色粒子18は非表示基板16に移動し、表示基板14側からは白色粒子20によって隠蔽されるため画像の表示は可能である。また、画像表示媒体10の基板間に発生していた電界が消失した後も、粒子固有の付着力により表示された画像は維持される。また、これらの粒子は、基板間に電界が発生すれば再び移動することができるため、画像形成装置12により繰り返し画像を表示させることができる。
【0082】
このように、空気を媒体として帯電した粒子を電界により移動させるため、安全性が高い。また、空気は粘性抵抗が低いため、高速応答性を満足させることもできる。
【0083】
−第4実施形態−
以下、図面を参照して本発明の第4実施形態を詳細に説明する。第4の実施形態は静電潜像担時体を用いる画像形成装置である。
図9には、第4実施形態における画像形成装置12が示されている。画像形成装置12は、静電潜像形成部22、ドラム状の静電潜像担持体24、対向電極26、直流電圧電源28等を備えている。
【0084】
静電潜像形成部22は、帯電装置80、光ビーム走査装置82を備えている。この場合、静電潜像担持体24は、感光体ドラム24を使用することができる。感光体ドラム24は、ドラム状にしたアルミニウムやSUSなどの導電性基体24Aに光導電層24Bを形成したもので、光導電層としては公知の種々の材料を使用することができる。例えば、α−Si、α−Se、As2Se3などの無機光導電性材料や、PVK/TNFなどの有機光導電性材料を用いることができ、これらはプラズマCVDや蒸着法やディッピング法などにより形成することができる。また必要に応じて電荷輸送層やオーバーコート層等を形成してもよい。
【0085】
帯電装置80は、静電潜像担持体24の表面を所望の電位に一様に帯電する。帯電装置80は、感光体ドラム24の表面を任意の電位に帯電させられるものであればよく、本実施の形態では電極ワイヤに高電圧を印加し、静電潜像担持体24との間でコロナ放電を発生させて、感光体ドラム24の表面を一様に帯電するコロトロンを使用したものとする。この他にも、導電性のロール部材、ブラシやフィルム部材等を感光体ドラム24に接触させ、これに電圧を印加して感光体ドラム表面を帯電するものなど、公知の種々の帯電器を使用することができる。
【0086】
光ビーム走査装置82は、帯電された静電潜像担持体24の表面を画像信号に基づいて微小スポット光を照射し、静電潜像担持体24上に静電潜像を形成する。光ビーム走査装置82は、画像情報にしたがって感光体ドラム24表面に光ビームを照射し、一様に帯電された感光体ドラム24上に静電潜像を形成するものであればよく、本実施の形態ではポリゴンミラー84、折り返しミラー86、図示しない光源やレンズ等を備えた結像光学系により、所定のスポット径に調整されたレーザビームを画像信号に応じてオンオフさせながらポリゴンミラー84によって感光体ドラム24の表面を光走査させるROS(RasterOutputScanner)装置とする。この他にもLEDを所望の解像度に応じて並べたLEDヘッド等を使用してもよい。
なお、静電潜像担持体24の導電性基体24Aは接地されている。また、静電潜像担持体24は、図中矢印A方向へ回転する。
【0087】
対向電極26は、例えば、弾性を有した導電性ロール部材で構成されている。これにより、画像表示媒体10とより密着させることができる。また、対向電極26は、静電潜像担持体24と図中矢印B方向へ図示しない搬送手段により搬送される画像表示媒体10を挟んで対向した位置に配置されている。対向電極26は、直流電圧電源28が接続されている。対向電極26は、この直流電圧電源28によりバイアス電圧VBが印加される。この印加するバイアス電圧VBは、例えば、図10に示すように、静電潜像担持体24上の正の電荷が帯電した部分の電位をVH、帯電されていない部分の電位をVLとした場合、両者の中間の電位となるような電圧とする。また、対向電極26は矢印C方向に回転する。
【0088】
次に、第4実施形態における作用を説明する。
静電潜像担持体24が図9において矢印A方向に回転開始されると、静電潜像形成部22により静電潜像担持体24上に静電潜像が形成される。一方、画像表示媒体10は、図示しない搬送手段により図中矢印B方向へ搬送され、静電潜像担持体24と対向電極26との間に搬送される。
【0089】
ここで、対向電極26は図10に示すようなバイアス電圧VBが印加されており、対向電極26と対向する位置の静電潜像担持体24の電位はVHとなっている。このため、静電潜像担持体24の表示基板14と対向する部分が正の電荷で帯電されていた場合(非画像部)で、かつ表示基板14の静電潜像担持体24と対向する部分に黒色粒子18が付着していた場合には、正に帯電している黒色粒子18は、表示基板14側から非表示基板16側へ移動し、非表示基板16に付着する。これにより、表示基板14側には白色粒子20のみが現れるため、非画像部に対応する部分に画像は表示されない。
【0090】
一方、静電潜像担持体24の表示基板14と対向する部分が正の電荷で帯電されていない場合(画像部)で、かつ非表示基板16の対向電極26と対向する部分に黒色粒子18が付着していた場合には、対向電極26と対向する位置の静電潜像担持体24の電位はVLとなっているので、帯電された黒色粒子18は、非表示基板16側から表示基板14側へ移動し、表示基板14に付着する。これにより、表示基板14側には黒色粒子18のみが現れるため、画像部に対応する部分に画像が表示される。
【0091】
このようにして、画像に応じて黒色粒子18が移動し、表示基板14側に画像が表示される。なお、画像表示媒体10の基板間に発生していた電界が消失した後も、粒子固有の付着力及び粒子と基板間の鏡像力により表示された画像は維持される。また、黒色粒子18及び白色粒子20は、基板間に電界が発生すれば再び移動することができるため、画像形成装置12により繰り返し画像を表示させることができる。
【0092】
このように、対向電極26にバイアス電圧が印加されているため、黒色粒子18が表示基板14、非表示基板16の何れの基板に付着している場合であっても黒色粒子18を移動させることができる。このため、黒色粒子18を予め一方の基板側に付着させておく必要がない。また、コントラスト及び尖鋭度の高い画像を形成することができる。更に、空気を媒体として帯電した粒子を電界により移動させるため、安全性が高い。また、空気は粘性抵抗が低いため、高速応答性を満足させることもできる。
【0093】
以上、図面を参照して本発明の画像表示媒体を用いた、本発明の画像形成装置の実施の形態について説明したが、上記表示粒子を用いる以外、これら実施の形態に限定されるわけではなく、所望に応じた構成とすることができる。また、粒子の色の組合せを黒、白としたが、この組合せに限定されるわけではなく、色彩を有する粒子を、必要に応じて、適宜選択することができる。
なお、画像形成装置における表示粒子の少なくとも1種類は、本発明の表示デバイス用粒子である。
【0094】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明するが、本発明は下記実施例によって限定されるものではない。また、実施例で用いた蓄光顔料は、あらかじめ乳鉢などで微小に粉砕し、3μm以下の粉砕粒子を使用した。
(白粒子−1の作成)
−分散液Aの調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液Aを調製した。
<組成>
・メタクリル酸シクロヘキシル 64質量部
・酸化チタン(白色顔料) 25質量部
(一次粒子径0.3μm、タイペークCR63:石原産業社製)
・GB−U(蓄光顔料) 10質量部
(根本特殊化学株式会社製)
・中空粒子(一次粒子径:0.3μm) 10質量部
(SX866(A):JSR社製)
・帯電制御剤(SBT−5−0016:オリエント工業社製) 1質量部
【0095】
−炭カル分散液Bの調製−
下記成分を混合し、上記と同様にボールミルにて微粉砕して炭カル分散液Bを調製した。
<組成>
炭酸カルシウム 40質量部
水 60質量部
【0096】
−混合液Cの調製−
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液Cを調製した。
<組成>
炭カル分散液B 8.5g
20%食塩水 50g
【0097】
分散液A35gとジビニルベンゼン1g、重合開始剤AIBN:0.35gをはかりとり、充分混合し、超音波機で脱気を10分おこなった。これを前記混合液Cに加え、乳化機で乳化を実施した。次にこの乳化液をビンにいれ、シリコーン詮をし、注射針を使用し、減圧脱気を充分行い、窒素ガスで封入した。次に65℃で15時間反応させ粒子を作成した。得られた微粒子粉をイオン交換水中に分散させ、塩酸水で炭酸カルシウムを分解させ、ろ過を行った。その後充分な蒸留水で洗浄し、目開き:20μm、25μmのナイロン篩にかけ、粒度を揃えた。これを乾燥させ、平均粒子径22μmの白粒子−1を得た。
【0098】
(白粒子−2の作成)
−分散液A’の調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液A’を調製した。
<組成>
・メタクリル酸シクロヘキシル 64質量部
・酸化チタン(白色顔料) 25質量部
(一次粒子径0.3μm、タイペークCR63:石原産業社製)
・N夜光(ルミノーバ(R))(蓄光顔料) 5質量部
(根本特殊化学株式会社製)
・中空粒子(一次粒子径:0.3μm) 10質量部
(SX866(A):JSR社製)
・帯電制御剤(SBT−5−0016、オリエント工業社製) 1質量部
【0099】
−混合液C’の調製−
下記成分を混合し、超音波機で脱気を10分間おこない、ついで乳化機で攪拌して混合液C’を調製した。
<組成>
2%セロゲン水溶液 4.3g
前記炭カル分散液B 8.5g
20%食塩水 50g
【0100】
分散液A及び混合液Cの代わりに分散液A’及び混合液C’を用いた以外は上述の白粒子−1の作成の場合と同様にして白粒子−2を作成した。得られた白粒子−2の平均粒子径は22μmであった。
【0101】
(黒粒子−1の作成)
−分散液A’’の調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液A’’を調製した。
・スチレンモノマー 94質量部
・カーボンブラック(黒顔料、CF9、三菱化学製) 6質量部
【0102】
分散液Aの代わりに分散液A’’を用いた以外は上述の白色粒子−1の作成の場合と同様にして黒粒子−1を作成した。得られた黒粒子−1の平均粒子径は23.2μmであった。
【0103】
(比較例白粒子の作成)
−分散液A’’’の調製−
下記成分を混合し、10mmΦのジルコニアボールにてボールミル粉砕を20時間実施して分散液A’’’を調製した。
・メタクリル酸シクロヘキシル 64質量部
・酸化チタン(白色顔料) 25質量部
(一次粒子径0.3μm、タイペークCR63:石原産業社製)
・中空粒子(一次粒子径:0.3μm) 10質量部
(SX866(A):JSR社製)
・帯電制御剤(SBT−5−0016:オリエント工業社製) 1質量部
【0104】
分散液Aの代わりに分散液A’’’を用いた以外は上述の白色粒子−1の作成の場合と同様にして比較例白粒子を作成した。得られた比較例白粒子の平均粒子径は21μmであった。
【0105】
白粒子−1、白粒子−2又は比較例白粒子と、黒粒子−1とを、白粒子:黒粒子の配合比率(質量比)を2:1となるように混合し、前記第1の実施の形態に係る画像表示媒体及び画像形成装置を用いて評価を行った。
【0106】
[実施例1]
<画像表示媒体及び画像形成装置>
第1の実施の形態に係る画像形成装置12は、図1に示すように画像表示媒体10、電圧印加手段201を備える。画像表示媒体10は、表示面側から順に、表示基板14、黒色粒子18、白色粒子20、非表示基板16、スペーサ204で構成されている。表示基板14、および非表示基板16には、透明電極205が付されているが、表示基板14の透明電極205は電圧印加手段201と接続されており、非表示基板16の透明電極205は接地されている。
【0107】
次に、画像表示媒体10について説明する。画像表示媒体10の外側を構成する表示基板14および非表示基板16には、50mm×50mm×1.1mmの透明電極ITO付き7059ガラス基板を使用する。ガラス基板の粒子と接する内側表面206はポリカーボネート樹脂(PC−Z)により厚さ5μmでコートされている。40mm×40mm×0.3mmのシリコーンゴムプレート204の中央部を15mm×15mmの正方形に切り抜いて空間を形成し、シリコーンゴムプレート204を非表示基板16上に設置する。この混合粒子約15mgをシリコーンゴムプレート204の中央を正方形に切り抜いた空間にスクリーンを通して振るい落とす。その後、シリコーンゴムプレート204に表示基板14を密着させ、両基板間をダブルクリップで加圧保持して、シリコーンゴムプレート204と両基板とを密着させ、画像表示媒体10を形成する。
【0108】
上記した白粒子−1と黒粒子−1を質量比2:1で混合した二粒子の所定量を封入した画像表示媒体10の表示基板14の透明電極205に直流電圧100Vを印加すると、非表示基板16側にあった負極性に帯電された白色粒子20の一部が電界の作用により表示基板14側へ移動し初め、直流電圧200Vを印加すると表示基板14側へ多くの白色粒子が移動して表示濃度はほぼ飽和する。この時、正極性に帯電された黒色粒子は非表示基板16側へ移動して白黒画像表示がされた。このあと、電圧を0Vとしても表示基板上の粒子は移動せず、白黒画像の表示濃度に変化はなかった。
次に、画像表示媒体10を地面に対して垂直に設置し、2週間放置しておき、表示基板14の白さを目視で観察したところ、白さの面内濃度変化は小さく、実用上問題のないレベルであった。
【0109】
[実施例2]
実施例1と同様に白粒子−2と黒粒子−1を質量比2:1で混合した二粒子の所定量を封入した上記画像表示媒体10の表示基板14の透明電極205に直流電圧100Vを印加すると、非表示基板16側にあった負極性に帯電された白色粒子20の一部が電界の作用により表示基板14側へ移動し初め、直流電圧200Vを印加すると表示基板14側へ多くの白色粒子が移動して表示濃度はほぼ飽和する。この時、正極性に帯電された黒色粒子は非表示基板16側へ移動して白黒画像が表示された。このあと、電圧を0Vとしても、表示基板上の粒子は移動せず、白黒画像の表示濃度に変化はなかった。
次に、画像表示媒体10を地面に対して垂直に設置し、2週間放置しておき、表示基板14の白さを目視で観察したところ、白さの面内濃度変化は小さく、実用上問題のないレベルであった。
【0110】
[比較例1]
実施例1と同様に比較例白粒子と黒粒子−1を質量比2:1で混合した二粒子の所定量を封入した上記画像表示媒体10の表示基板14の透明電極205に直流電圧200Vを印加すると、非表示基板16側にあった負極性に帯電された白色粒子20の一部が電界の作用により表示基板14側へ移動し初め、直流電圧400Vを印加すると表示基板14側へ多くの白色粒子が移動して表示濃度はほぼ飽和する。この時、正極性に帯電された黒色粒子は非表示基板16側へ移動して白黒画像が表示された。このあと、電圧を0Vとしても、表示基板上の粒子は移動せず、白黒画像の表示濃度に変化はなかった。
次に、画像表示媒体10を地面に対して垂直に設置し、2週間放置しておき、表示基板14の白さを目視で観察したところ、白さの面内濃度変化がみられた。即ち、上の部分の白さが低下し、灰色化しており、面内の白濃度斑が明確になり、実用レベルに乏しい画像になった。
【0111】
[実施例3]
実施例1において、白粒子−1と黒粒子−1を質量比2:1で混合した二粒子の所定量を対向する基板間に封入し、基板間に電圧を印加して所望の電界を基板間の粒子に作用させることにより、それぞれの粒子は基板間を移動する。電圧の極性を切替えることにより粒子は基板間を異なる方向へ移動し、電圧極性を繰返し切替えることにより基板間を往復する。この過程でそれぞれの粒子間、および粒子と基板との間の衝突により、粒子はそれぞれ異なる極性に帯電する。
ここでは黒粒子−1は正極性に、白粒子−1は負極性に帯電して、基板間の電界に従って互いに異なる方向へ移動し、電界を一方向へ固定すると、各粒子はそれぞれの基板に付着し、画像むらのない均一な高濃度、高コントラストな画像が表示された。
画像の表示された画像表示媒体を地面に対して垂直に設置し、照明灯により6時間照射させた後、暗室に移動させ、画像表示の視認性があるかどうかの判断を行ったところ、白色粒子が発光し、画像表示の視認性を確認することができた。
【0112】
[実施例4]
白粒子−1の代わりに白粒子−2を用いた以外は実施例3と同様にして暗室での画像表示の視認性の評価を行った。その結果、白色粒子が発光し、画像表示の視認性を確認することができた。
【0113】
[比較例2]
白粒子−1の代わりに比較例白粒子を用いた以外は実施例3と同様にして暗室での画像表示の視認性の評価を行った。しかし、画像表示の視認性を確認することができなかった。
【0114】
【発明の効果】
本発明の表示デバイス用粒子を用いることにより、弱い光の照明光、または、暗闇の中での表示視認性の高い画像表示媒体及びそれを用いた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における画像形成装置の概略構成図である。
【図2】第2の実施の形態における画像形成装置の概略構成図である。
【図3】図2の任意の面での画像形成部の断面を示す。
【図4】図2の任意の面での画像形成部の断面を示す。
【図5】図2の任意の面での画像形成部の断面を示す。
【図6】第3の実施の形態における画像形成装置の概略構成図である。
【図7】印字電極の電極のパターンを示す図である。
【図8】印字電極の概略構成図である。
【図9】第4の実施の形態における画像形成装置の概略構成図である。
【図10】静電潜像担持体及び対向電極における電位を示す図である。
【符号の説明】
10 画像表示媒体
11 印字電極
12 画像形成装置
14 表示基板
16 非表示基板
18 黒色粒子
20 白色粒子
22 静電潜像形成部
24 静電潜像担持体
Claims (13)
- 外部刺激により正又は負に帯電しうる性質を有すると共に、蓄光物質を含有することを特徴とする表示デバイス用粒子。
- 前記蓄光物質は、粒子状の蓄光顔料であることを特徴とする請求項1に記載の表示デバイス用粒子。
- 前記粒子状の蓄光顔料は、表面処理が施されていることを特徴とする請求項2に記載の表示デバイス用粒子。
- さらに酸化チタンを含有する白色粒子であることを特徴とする請求項1に記載の表示デバイス用粒子。
- 表面に微小な凸凹が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示デバイス用粒子。
- 体積平均粒子径が1〜30μmであることを特徴とする請求項1に記載の表示デバイス用粒子。
- 対向配置された一対の基板と、前記一対の基板間の空隙に封入された少なくとも2種類以上の表示粒子からなる粒子群と、からなり、前記2種類以上の表示粒子の少なくとも1種類が外部刺激により正に、他の少なくとも1種類が外部刺激により負に帯電し得る性質を有し、かつ、前記外部刺激により正又は負に帯電し得る表示粒子が相互に異なる色彩を有する画像表示媒体であって、
前記外部刺激により正又は負に帯電し得る表示粒子のうち少なくとも1種類が、蓄光物質を含有する表示デバイス用粒子であることを特徴とする画像表示媒体。 - 前記蓄光物質は、粒子状の蓄光顔料であることを特徴とする請求項7に記載の画像表示媒体。
- 前記粒子状の蓄光顔料は、表面処理が施されていることを特徴とする請求項8に記載の画像表示媒体。
- 前記表示粒子の表面には、微小な凸凹が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の画像表示媒体。
- 前記表示粒子の体積平均粒子径は、1〜30μmであることを特徴とする請求項7に記載の画像表示媒体。
- 前記蓄光物質を含有する表示デバイス用粒子が、さらに酸化チタンを含有する白色粒子であることを特徴とする請求項7に記載の画像表示媒体。
- 対向配置された一対の基板と、前記一対の基板間の空隙に封入された少なくとも2種類以上の表示粒子からなる粒子群と、からなり、前記2種類以上の表示粒子の少なくとも1種類が外部刺激により正に、他の少なくとも1種類が外部刺激により負に帯電し得る性質を有し、かつ、前記外部刺激により正又は負に帯電し得る表示粒子が相互に異なる色彩を有し、前記外部刺激により正又は負に帯電し得る表示粒子のうち少なくとも1種類が、蓄光物質を含有する表示デバイス用粒子である画像表示媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
前記一対の基板間に、画像に応じた電界を発生させる電界発生手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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JP2002369471A JP2004198881A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | 表示デバイス用粒子及び、それを用いた画像表示媒体並びに画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002369471A JP2004198881A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | 表示デバイス用粒子及び、それを用いた画像表示媒体並びに画像形成装置 |
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004198881A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2006064842A1 (ja) * | 2004-12-14 | 2006-06-22 | Bridgestone Corporation | 表示媒体用粒子及びそれを用いた情報表示用パネル |
-
2002
- 2002-12-20 JP JP2002369471A patent/JP2004198881A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2006064842A1 (ja) * | 2004-12-14 | 2006-06-22 | Bridgestone Corporation | 表示媒体用粒子及びそれを用いた情報表示用パネル |
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