JP2004126367A - 画像表示方法、画像表示媒体及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、表示媒体中の異なる色と異なる帯電特性の2種類の表示粒子を利用し、光書込みで静電潜像化した後、電界印加により顕像化してカラー画像形成でき、画像書き換え可能で、軽くて安価な画像表示媒体を提供する。
【解決手段】対向透明基板1に、カラーフィルタF、対向電極3、絶縁層6を、下部透明基板2上に、下部電極4、電荷発生層5を各々形成し、異なる帯電特性の黒色粒子9と白色粒子10の分散媒体8を絶縁層と電荷発生層間に封入する。電荷発生層は未露光で絶縁性を示し、露光で正孔−電子対を生成する。対向電極と下部電極間の電界で絶縁層と電荷発生層を反対極性に帯電し、白白色粒子を対向電極側に、黒色粒子を下部電極側に移動させる。次に、必要部分のみ電荷発生層を露光し、帯電電荷を消失させて静電潜像化する。再度の電界印加で、露光部分の黒色粒子と白色粒子を互いに反対方向に移動し顕像化し、カラー表示する。
【選択図】 図3
【解決手段】対向透明基板1に、カラーフィルタF、対向電極3、絶縁層6を、下部透明基板2上に、下部電極4、電荷発生層5を各々形成し、異なる帯電特性の黒色粒子9と白色粒子10の分散媒体8を絶縁層と電荷発生層間に封入する。電荷発生層は未露光で絶縁性を示し、露光で正孔−電子対を生成する。対向電極と下部電極間の電界で絶縁層と電荷発生層を反対極性に帯電し、白白色粒子を対向電極側に、黒色粒子を下部電極側に移動させる。次に、必要部分のみ電荷発生層を露光し、帯電電荷を消失させて静電潜像化する。再度の電界印加で、露光部分の黒色粒子と白色粒子を互いに反対方向に移動し顕像化し、カラー表示する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電潜像方式を利用した画像表示媒体において、異なる色及び異なる帯電特性を有する2種類の誘電性粒子を用いた画像表示媒体による画像表示に関するものであり、より詳細には、電界の印加及び電荷発生層への露光により静電潜像を形成した後、電界の印加により顕像化することにより、文字又は画像を形成でき、繰り返し書き換えが可能なカラー画像表示方法、この画像表示方法による画像表示媒体、この画像表示媒体を用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、文字や画像は、コンピューターやデジタルカメラなどでデジタルデータとして作成され、そのデータの確認は、CRTや液晶ディスプレイに表示することにより行われている。さらに、そのデータによる文字や画像を、書類等として配布や保存をするときには、プリンターにて紙媒体に記録される、所謂、ハードコピーが広く使用されている。ディスプレイによる表示は、CRT、液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、有機EL等が利用されているが、中でも、液晶ディスプレイ装置は、大型化及び薄膜化、反射型の研究が進められ、画像表示媒体として中心的な存在になりつつある。
【0003】
これらは、デジタルデータを瞬時に表示し、瞬時に次の画面を表示できる。しかし、装置を持ち歩くことは大変であり、長時間の作業では、目が疲労し、電源を切ると表示ができないなど、多くの欠点もある。また、ハードコピーの場合には、ディスプレイ装置に比較して、文章や絵が読み易く又は見易く、さらには、疲れにくく、自由な姿勢で読むことができるという利点がある。さらに、軽量で自由に持ち運びが可能である特徴を有する。
【0004】
しかしなら、ハードコピーの場合には、このような利点があっても、ハードコピーは、使用された後には、そのまま廃棄されてしまう。廃棄せずに、リサイクルされる場合もある。そのためには、多くの労力と費用を要し、省資源の点では、問題が残る。
【0005】
以上の観点から、ディスプレイとハードコピーの両方の長所をもった書き換え可能なペーパーライクな表示媒体が考え出されている(例えば、特許文献1、2参照)。この表示媒体は、文字や画像を記録でき、その利用後においては、記録した文字や画像を消去して何度も繰り返し利用可能である。そこで、この表示媒体は、省資源に役立つことから、近年、注目を集めている。このような特徴を有する表示媒体に関する技術としては、透明白濁型リライタブルマーキング媒体やロイコ染料を利用した発消色型リライタブルマーキング媒体がリライタブルカードとして実用化されている。
【0006】
また、白色粒子と絶縁性液体をマイクロカプセル化した粒子を利用して、電気泳動により画像表示を行う電気泳動型表示媒体や、樹脂薄膜中に埋め込まれた2色に色分けした微小な球形粒子の回転により画像表示を行うツイストボール型表示媒体、導電性粒子と色の異なる誘電性粒子とを用い電荷注入で導電性粒子を動かすことにより画像表示を行う画像表示媒体等が、研究されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平1−86116号公報
【特許文献2】
特開2001−147451号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの表示媒体では、文字又は画像に対して、明表示と暗表示の2種類でしか行うことができず、カラー表示を行う場合には、着色粒子による画像表示媒体を用いることになるが、他種類の異なった色を持つ粒子を使用しなければならず、表示媒体の構造や、その表示媒体で表示する制御方法が、複雑化するという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、異なる色と異なる帯電特性を持つ2種類の表示粒子を用い、カラーフィルタを介して入射する光の表示粒子からの反射を利用するようにして、表示媒体中の粒子の色に関係なくカラー表示を可能とし、その表示画像のコントラストが良好であり、しかも、光書込みで静電潜像化した後、電界の印加によって顕像化することにより画像形成でき、画像書き換え可能とした画像表示方法と、その画像表示媒体と、この画像表示媒体を使用した軽くて、安価な画像形成装置とを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑みて、本発明では、異なる色及び異なる帯電特性を有する第1粒子と第2粒子を拡散した媒体層を用いた画像表示方法において、該媒体層を挟んで形成された絶縁層及び電荷発生層を介して第1電界を印加し、前記媒体層内で前記第1粒子と前記第2粒子を互いに反対側に移動させる単色形成ステップと、前記電荷発生層の所定部位を光ビームで露光することにより、該電荷発生層に前記第1電界によって発生した電荷を消失させる静電潜像化ステップと、前記第1電界と異なる第2電界を前記媒体層に印加して、前記所定部位に対応した範囲にある前記第1粒子と前記第2粒子とを互いに反対方向に入れ替える顕像化ステップとを有するものとした。
【0011】
そして、前記絶縁層の前記媒体層と反対側に、カラーフィルタが形成され、前記所定部位の選択によりカラー表示されるようにし、前記第1電界又は前記第2電界は、前記絶縁層の前記媒体層の反対側の第1電極と、前記電荷発生層の前記媒体層と反対側の第2電極とに印加された電圧によって形成されることとした。
【0012】
さらに、前記第1電界又は前記第2電界は、前記カラーフィルタと前記絶縁層に挟まれて形成された前記第1電極と、前記電荷発生層の前記媒体層と反対側面に形成された前記第2電極との間で形成されるようにした。
【0013】
また、本発明による画像表示媒体において、異なる色及び異なる帯電特性を有する第1粒子及び第2粒子が媒体中に分散された媒体層と、前記媒体層の一方の面に形成された絶縁層と、前記媒体層の他方の面に形成された電荷発生層とを備え、電界が印加されると、前記第1粒子及び前記第2粒子が、互いに反対方向の前記一方の面又は前記他方の面に移動することで画像表示するようにした。
【0014】
そして、透明な第1基板及び第2基板を備え、前記絶縁層と前記第1基板との間に、カラーフィルタが形成され、前記電荷発生層と第2基板との間に、第1透明電極が形成され、前記第2基板側から、前記電荷発生層を露光して光書込みを行って静電潜像化することとし、前記カラーフィルタと前記絶縁層との間に、第2透明電極が形成され、前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に、前記電界が形成されるようにした。
【0015】
さらに、前記電荷発生層に対する露光は、前記光で、前記カラーフィルタに含まれる赤色フィルタ、緑色フィルタ又は青色フィルタに対応する前記電荷発生層の部位を選択的に走査することによって行われることとした。
【0016】
また、本発明による画像形成装置においては、カラーフィルタ、絶縁層、異なる色及び異なる帯電特性を有する第1粒子及び第2粒子が分散された媒体層、電荷発生層、及び第1透明電極が積層されて形成された画像表示媒体と、前記画像表示媒体に電界を印加する電源と、前記カラーフィルタとは反対側から前記電荷発生層を選択的に露光する光を出力する光ビーム走査装置とを備えた。
【0017】
そして、前記電源による第1電界が前記画像表示媒体に印加されたとき、前記第1粒子又は前記第2粒子が、前記媒体層の一方の面又は他方の面に移動し、前記電荷発生層に対して前記光による所定の露光がなされて静電潜像化された後に、前記電源により、前記第1電界と異なる第2電界を前記画像表示媒体に印加したとき、前記所定の露光がなされた前記電荷発生層の部位に係る前記第1粒子又は前記第2粒子を前記媒体層の一方の面又は他方の面に移動させて入れ替えることにより顕像化することによりカラー表示をすることとした。
【0018】
前記画像表示媒体は、前記カラーフィルタと前記絶縁層との間に第2透明電極を有し、前記電源により、前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に第1電界が印加されたとき、前記第1粒子又は前記第2粒子が、前記媒体層の一方の面又は他方の面に移動し、前記電荷発生層に対して前記光による所定の露光がなされて静電潜像化した後に、前記電源により、前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に前記第1電界より弱く極性の異なる第2電界を形成したとき、前記所定の露光がなされた前記電荷発生層の部位に係る前記第1粒子又は前記第2粒子を前記媒体層の一方の面又は他方の面に移動させて入れ替えることにより顕像化することとした。
【0019】
上記の構成による本発明によれば、光書き込みにより任意の画素を選択的に表示する画像表示方法と、その表示方法に用いられる高精細なカラーフィルタと電荷発生層を持つことを特徴とし、異なる帯電特性と異なる色の2種類の誘電性粒子を用いる書き換え可能な画像表示媒体と、及びその画像形成装置を実現することができた。
【0020】
本発明においては、電荷発生層を有する下部透明基板と、カラーフィルタを設けた対向透明基板とにより、画像表示媒体の任意の画素に対応した2種類の表示粒子を、電荷発生層への露光によって静電潜像化し、電界の印加により2種類の表示粒子を媒体層内の位置を入れ替えることがでるきようにしたので、彩度の高いカラー表示が可能となる。
【0021】
画像表示媒体は、帯電特性の異なる高反射率の白色粒子と黒色粒子を用い、印加電界の極性切り替えによって粒子移動を制御し、表示の切り替えを行うことができる。この画像表示媒体に電荷発生層が設けられており、特別な画素電極を必要とせずに、所望の画素サイズに従った光書き込みによる画像形成が行える。
【0022】
また、絶縁層上に配列した白色粒子は、高反射率な球状粒子の配列であるため、拡散反射板としての効果を持ち、高コントラストの表示媒体となる。
【0023】
従って、任意の画素を光描き込みにより表示可能とする画像表示方法と、異なる帯電特性と色を持つ2種の誘電性粒子と、透明基板上に電荷発生層、対向基板にカラーフィルタを用いた画像表示媒体とその画像形成装置により、前記の目的を達成できた。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による実施形態について、図を参照しながら詳しく説明する。
【0025】
本実施形態において使用する画像表示媒体は、色と帯電特性とが異なる2種類の誘電性粒子を媒体中に分散させ、電界の形成の仕方によって、この2種類の粒子を互いに対極方向に移動させて画像表示を行うようにしたものであり、電界の形成に当たっては、画像表示媒体の片側面に形成された電荷発生層を選択的に光照射して静電潜像化し、次いで、印加した電界によって静電潜像化した部位における2種類の誘電性粒子を互いに反対方向に移動させて入れ替えるようにした。
そして、画像表示媒体の電荷発生層とは反対側面に設けられたカラーフィルタを介して、外部光が表示媒体の片側に配列された誘電性粒子に反射することによって、文字又は画像をカラー表示できるようにした。
【0026】
そこで、本実施形態に使用する画像表示媒体について、対向電極である導電層を有する第1の実施形態の場合と、対向電極である導電層を用いない第2の実施形態の場合とに分けて、説明する。
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態における画像表示媒体の概略構成を、図1に示した。図1では、画像表示媒体の断面を示しており、2画素分を模式的に示した。実際には、図示した画素の多数が、2次元マトリックス形成されている。
【0027】
画像表示媒体は、上側の透明基板1、カラーフィルタF、対向電極となる透明な導電層3、絶縁層6、媒体8、電荷発生層5、下部の対向電極となる透明な導電層4、そして、下部の透明基板2が順次積層された基本構成となっている。
【0028】
カラーフィルタFは、赤色フィルタ、緑色フィルタ、及び青色フィルタで形成され、加法混色によりカラー表示を行う。図1には、2画素分のカラーフィルタFが示されており、赤色フィルタR1、緑色フィルタG1及び青色フィルタB1によって、画素P1を形成し、また、赤色フィルタR2、緑色フィルタG2、及び青色フィルタB2によって画素P2を形成している様子を示している。
【0029】
媒体8は、電荷発生層5と絶縁層6との間で、スペーサ7によって形成された空間に充填されたものであり、媒体8中には、色及び帯電特性の異なる2種類の誘電性粒子が分散されている。図1では、その2種類の誘電性粒子として、白色粒子9と、黒色粒子10とが分散されている様子を示している。ここで、分散比率として、例えば、白:黒=2:1のようにした。このように、白色粒子を多くしたのは、白色粒子が電界の作用で片側に移動したとき、カラーフィルタFを透過した外部光が白色粒子で確実に反射されるようにするためである。
【0030】
ここでは、一例として、電極間に帯電特性の異なる黒色粒子と白色粒子を有する表示媒体を示したが、この形式にとらわれるものでなく、電極間には、媒体8として、絶縁性溶媒等を用いることが可能であり、粒子の色も、白色と黒色との組み合わせに限られず、コントラストに差異があるものであれば、所望の色を用いることができる。
【0031】
帯電特性の異なる黒色粒子と白色粒子は、黒色粒子が正の、白色粒子が負の帯電特性を持つものを使用した。下側の対向電極である導電層4上に設けられた電荷発生層は、電荷発生材料を絶縁性樹脂中に固溶したものであり、電荷発生層5の厚さ方向において、露光作用下で正孔−電子対が発生される。未露光状態では、絶縁層として機能する。なお、絶縁層の配置は、電源の電圧が取り除かれた後においても、帯電特性を維持でき、粒子の付着を維持しておくためである。
【0032】
以上で、図1に示されるように、第1の実施形態による画像表示媒体が、画像書き換え可能な状態に形成される。なお、図1に示した画像表示媒体における白色と黒色の各粒子の分散状態は、画像表示媒体を製造した直後の状態であり、未使用の状態である。
【0033】
次に、図1に示された画像表示媒体のカラー表示ついて、図2乃至図5を参照して説明する。各図中に示した画像表示媒体の構成は、図1と同様であり、同じ部分については、同じ符号を付してある。
【0034】
先ず、図2に示されるように、画像表示媒体のカラー表示を行うためには、初期化状態にする必要がある。直流電源Vによって、電荷発生層5を設けた導電層4による電極に負電圧を、導電層3による対向電極に正電圧を印加し、電界を形成する。これによって、絶縁層6の表面に正電荷が、そして、電荷発生層5の表面に負電荷が誘発され帯電する。図2に示された各粒子は、初期化状態を示しており、電荷発生層5側には、黒色粒子が、対向電極側にある絶縁層6側には、白色粒子がそれぞれ移動して付着している。図2の例では、媒体全面に渡って白色粒子が全て片側に移動しているので、白色表示を示す状態となっている。
【0035】
これは、クーロンカによって凝集状態にあった表示粒子が、クーロン力以上の電界を導電層3及び4間に印加することにより、各粒子が逆極性の電極方向へと移動させられ、絶縁層6又は電荷発生層5上に付着するからである。ここで、電界の印加が止められても、各粒子は、電極と粒子電荷によるクーロン力とファンデルワールス力によって、それぞれの絶縁層6と電荷発生層5側に保持される。
【0036】
このとき、カラーフィルタFを構成する赤色フィルタR、緑色フィルタG及び青色フィルタBの三色すべてが反射光を透過することになり、媒体上部から見ると、白色表示となっている。一方、全面に黒色表示を行う場合には、電極−粒子間のクーロン力とファンデルワールス力以上の逆電界を与え、黒色粒子を対向電極側へ移動させ、この黒色粒子面によって、外部からの入射光を吸収させればよい。
【0037】
以上のようにして、図1に示された画像表示媒体を、文字又は画像をカラー表示する前に、初期化することができた。ただ、画像表示媒体の全面を単に白色表示又は黒色表示しようとする場合には、初期化時と同様にして、電源Vからの直流電圧によって、導電層3と導電層4との間に電界を形成することにより、白色又は黒色表示を行うことができる。
【0038】
なお、黒色粒子が負帯電性、白色粒子が正帯電性である場合には、下部の導電層4に正電圧を、そして対向電極の導電層3に負電圧を印加することによって電界を形成することにより、白色表示とすることができ、また、逆電界を形成した場合には、黒色表示とすることができる。
【0039】
次に、図2に示された画像表示媒体の初期化状態が得られた後に、特定の画素、例えば、画素P1だけを暗表示する場合を、図3に示した。この場合は、画素P1が黒点となり、他の画素は、白色表示となっている。粒子10が、白色以外の他の色であれば、画素P1は、他の色表示の中における黒点となる。
【0040】
図2は、画像表示媒体が初期化された状態であった。このとき、下部の導電層4の電位をV1、対向電極の導電層3の電位をV2とした場合、これらの電位V1、V2の関係は、V1が相対的に負であり、V2が相対的に正であり、|V1|=|V2|となっている。そこで、電源Vの切断後において、下部の導電層4側から光ビーム走査装置11により、極小スポット光L1乃至L3を所望の画素、例えば、図3では、画素P1に対応した箇所の電荷発生層5を照射する。ここで、電荷発生層4中に、正孔−電子対により静電潜像を形成する。その電位がV3であるとすると、各部の電位が、V1<V3<V2の関係になる。
【0041】
次いで、図3に示されるように、対向電極の導電層3には、直流電源Vにより、バイアス電圧V4が印加され、その大きさは、V1<V4<V3の関係を持つようにされる。この電位差により、光L1乃至L3による露光部、即ち、画素P1の範囲に存在した表示粒子のみが移動し、黒色粒子と白色粒子が入れ替わることになる。これにより、対向電極側に黒色粒子の移動した画素P1のみが、暗表示となる。図3では、赤色フィルタR1、緑色フィルタG1、青色フィルタB1のいずれもが暗状態であるため、画素P1としては黒表示となる。
【0042】
次に、図4を参照して、第1の実施形態の画像表示媒体によってマゼンタ色表示をする場合について説明する。
【0043】
マゼンタ色表示は、1画素分を形成するカラーフィルタFにおける赤色フィルタ(R)、緑色フィルタ(G)、青色フィルタ(B)のうち、緑色フィルタのみを露光することにより実現することができる。図4では、電荷発生層5に対し、画素P1に対応する3つのフィルタのうち、緑色フィルタG1の部分にだけ、光ビーム走査装置11からの光L2を照射して露光する。
【0044】
そうすると、電荷発生層5において、照射部分だけ発生していた正孔−電子対が消失し、次いで、導電層3に、電源Vから電圧V4を印加すると、緑色フィルタG1の範囲に存在する黒色粒子9が対向電極側へ移動させることになる。そのため、画素P1の範囲で見ると、赤色フィルタR1と青色フィルタB1では、白色粒子が移動せずにそのまま対向電極側に存在し、緑色フィルタG1でのみ白色粒子と黒色粒子とが入れ替わって、その部分が黒色表示となるので、画素P1として、マゼンタ表示とすることができる。
【0045】
なお、例えば、シアン色表示の場合は、赤色フィルタ部分のみを光L1で、また、イエロー色表示の場合には、青色フィルタ部分のみを光L3でそれぞれ露光することにより、赤色フィルタ部分又は青色フィルタ部分がそれぞれ暗表示となり、シアン又はイエロー色表示することができる。
【0046】
また、図5に、第1の実施形態の画像表示媒体を用いて、赤色、緑色又は青色の単色をカラー表示する場合について示した。図5には、例として、赤色表示をする場合について示した。
【0047】
赤色表示するためには、赤色、緑色、青色のうち、赤色部分のみを明表示すればよく、例えば、画素P1を赤色表示する場合には、赤色フィルタR1、緑色フィルタG1、青色フィルタB1のうち、緑色フィルタG1と青色フィルタB1に対応する電荷発生層4のみを露光すればよい。光ビーム走査装置11によって、光L2、L3で照射し露光する。
【0048】
これにより、露光された電荷発生層5の部分では、正孔−電子対が消失するので、次いで、導電層3に電位V4を印加すると、その部分の黒色粒子が対向電極側へ移動し、白色粒子と入れ替わることとなる。赤色フィルタR1のみが明表示となり、画素P1を赤色表示することができる。なお、緑色表示をする場合は、電荷発生層5に関して、赤色フィルタと青色フィルタの部分を光L1、L3で、青色表示をする場合には、赤色フィルタと緑色フィルタの部分を光L1、L2で露光することにより、緑色表示又は青色表示することが可能である。
【0049】
以上のように、第1の実施形態による画像表示媒体を使用して、カラー表示を行うには、表示媒体自体を初期化した後に、光を文字又は画像に応じた位置の画素に対して走査しながら、1画素に係る赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタの組み合わせを適宜選択して露光し、その後、対向電極に電位V4を印加することにより、所望の文字又は画像をカラー表示することができる。
【0050】
第1の実施形態による図1の画像表示媒体を画像表示装置とした概略構成を、図6に示した。図6中で、図1と同じ部分には、同じ符号を付した。図6の画像表示装置は、以上に述べたカラー表示方法を実施できる要素を含むものであり、図1に示された画像表示媒体に、少なくとも、初期化用電界を形成する電源Va、光ビーム走査装置11、顕像用電界を形成する電源Vbが構成要素として備えられている。
【0051】
初期化用電源Vaは、対向電極である導電層3と、下部の導電層4との間に接続され、これらの電極間に電位差V2を印加し、表示の初期において、白色粒子又は黒色粒子を一方の電極側に全ての粒子を移動させるための電界を形成する。
この初期化用電源Vaは、画像表示媒体が表示する1画像毎に、該媒体を初期化する。
【0052】
顕像用電源Vbは、対向電極の導電層3と接地との間に接続され、導電層3と導電層4とに電位差V4を印加する。この電位差V4は、前述したように、静電潜像形成時の電位をV3とすれば、V1<V4<V3の関係になるような大きさに設定され、露光された部分の粒子を入れ替える電界を形成する。
【0053】
光ビーム走査装置11は、微小スポットの光Lを送出することができ、画像表示媒体の初期化後に、この光Lを、画像表示媒体の画像表示面と反対側にある透明基板2を介して、電荷発生層5の全面を画像データに基づいて走査させる。この光Lの走査によって、画像表示に必要とするカラーフィルタFの部分に対応する電荷発生層5を露光する。この露光により得られる静電潜像を、顕像用電界を印加する電源Vbによって形成された電界により顕像化し、所望の表示を形成することができる。
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態による画像表示媒体では、図1に示されるように、対向電極である導電層3と、下部電極である導電層4との両方を用いて、媒体8内に電界を形成するようにしていたが、第2の実施形態による画像表示媒体では、媒体8内に電界を形成するのに、対向電極である導電層3を省略し、外部電極と、下部電極である導電層4とによって行うようにした。導電層3の省略によって、画像表示媒体としての構成を簡単化することを図った。
【0054】
第2の実施形態による画像表示媒体の概略構成が、図7にその断面図で示されるが、導電層3を省略した以外は、図1に示された画像表示媒体と基本的に同様の構成であり、図7中において、図1と同様の部分には、同じ符号を付した。
【0055】
図7に、対向電極である導電層3を不要とした画像表示媒体の一実施態様の概略構成を示した。透明基板1と2の間に封入された帯電特性の異なる黒色粒子と白色粒子は、黒色粒子が正の、白色粒子が負の帯電特性を持っている。下部電極側に設けられた電荷発生材料を絶縁性樹脂中に固溶して形成した電荷発生層5は、所望の光によって露光されることにより、正孔−電子対を発生し、未露光状態では絶縁層として機能する。
【0056】
第2の実施形態による画像表示媒体では、透明基板1、カラーフィルタF、絶縁層6の順で構成され、カラーフィルタFと絶縁層6が全面接触しているところが、第1の実施形態の場合と異なる。他の構成は、図1の場合と同様である。1画素に対応したカラーフィルタFの赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタの3つ一組による加法混色によりカラー表示が行われる。下部の透明基板2自体が、正孔もしくは電子の輸送能力を有する場合は、透明電極4を設けなくとも良い。
【0057】
図8は、図2と同様に、画像表示媒体を初期化する場合を示している。電荷発生層5を設けた下部の透明基板2に負電圧を、対向する透明基板1に正電圧を印加した状態を示している。下部の透明基板2側に黒色粒子が、対向する透明基板1側に白色粒子が付着し、媒体全面で白色表示を示した状態である。
【0058】
第2の実施形態による画像表示媒体には、導電層3が設けられていないので、媒体8内に電界を直接形成することができないため、外部から該電界を形成するようにしている。その電界印加装置として、画像表示媒体を上下から挟むように配置され、画像表示媒体上を全面に渡って移動できる線状電極を有するコロナ帯電装置12、13を用いている。線状電極でなくても、均一電界を形成で切れば、一列に配された多数の針電極でもよい。また、その方式による電界形成手段によってもよく、限定されない。
【0059】
以上は、第2の実施形態による画像表示媒体に対するカラー表示前の初期化を説明したが、同様にして、黒色粒子が負帯電性、白色粒子が正帯電性である場合には、下部の透明電極2側に正電荷が、対向する透明基板1側に負電荷が誘発される電界が印加されると、白色表示を行え、また、逆電界が印加されると、黒色表示を行うことができる。
【0060】
次いで、図9に、第1の実施形態による場合の図3と同様に、第2の実施形態による画像表示媒体における顕像化工程を示した。
【0061】
図9では、顕像化工程として、光ビーム走査装置11により所望の画素、例えば、画素P1に対応する電荷発生層4を光L1乃至L3で露光した後、ローラー電極14によって、対向する透明基板1側からバイアス電圧V5が印加された状態の側面図を示している。図3の場合と同様の電位関係により、V1<V5<V3の関係を持つようにされる。
【0062】
このバイアス電圧の印加によって、露光部の範囲にある黒色粒子と白色粒子とが入れ替わり、対向する透明基板1側に黒色粒子の移動した画素のみが暗表示となる。図9に示された状態は、1画素に相当する赤色フィルタR1、緑色フィルタG1、青色フィルタB1の3色が暗状態であるため、画素P1が黒色表示となる。この際、露光部の粒子移動に用いられる帯電装置は、ローラー電極14に限定されるものではなく、他の形式によるものでもよい。
【0063】
次に、図10は、第2の実施形態による画像表示媒体を用いて、図4の第1の実施形態による場合と同様に、マゼンタ色表示を行う場合を示し、図11は、第2の実施形態による画像表示媒体を用いて、図5の第1の実施形態による場合と同様に、赤色表示を行う場合を示している。
【0064】
第2の実施形態による画像表示媒体を用いた場合のマゼンタ表示又は赤色表示を行う手順は、第1の実施形態による場合の手順と同様であり、ここでは、その説明を省略するが、電界の形成の仕方が異なっているだけである。また、第1の実施形態と同様に、第2の実施形態による場合でも、例えば、シアン色表示の場合は、赤色フィルタを、イエロー色表示の場合は、青色フィルタを、緑色表示の場合は、赤色フィルタと青色フィルタを、青色表示の場合は、赤色フィルタと緑色フィルタに対応する電荷発生層5を露光することにより、それぞれカラー表示することが可能である。
【0065】
図12に、第2の実施形態による画像表示媒体を用いた画像表示装置の概略構成を示した。画像表示装置としては、図7に示した画像表示媒体の他に、少なくとも、コロナ帯電装置12、13、初期化用電界を印加する電源Vc、光ビーム走査装置11、ローラー電極14、顕像用電界を印加する電源Vdが構成要素として備えられる。
【0066】
図7で示したように、電源Vcに接続されたコロナ帯電電極12、13が移動しながら、画像表示媒体の透明基板外からコロナ放電を行うことにより、画像表示媒体を初期化状態とし、次に、光ビーム走査装置11から光Lを走査することによって、画像データに基づく所望の画素に対応する電荷発生層5を露光する。
露光により得られる静電潜像を、電源Vdに接続されたロ―ラー電極14による電界印加によって、顕像化する。これにより、所望画像のカラー表示を形成することができる。
【0067】
これまでの説明は、第1の実施形態及び第2の実施形態について、画像表示媒体の構成を中心にしたものであったが、次に、第1及び第2の実施形態に共通する事項について説明する。
【0068】
本実施形態における画像表示媒体では、透明な2枚の基板、例えば、ガラス基板又はフィルム基板が使用される。この2枚の透明基板1、2の間に、セル状に構成された表示媒体を形成することにより実現化される。このセルの大きさは、表示画素P1、P2、…、の個々に相当するものではなく、表示粒子の面方向の拡散移動を防ぐものである。
【0069】
媒体8中には、帯電特性の異なる黒色粒子と白色粒子とが拡散されているので、印加電圧の極性を制御することにより、表示媒体全面を黒色及び白色に表示することができる。また、この制御によって、文字又は画像をカラー表示する前の初期化を行うことができる。
【0070】
この初期化によって、全面の白色表示を行った後、対向する透明基板1に設けられたカラーフィルタFのRGBフィルタに対応する位置の電荷発生層5を、光ビーム走査装置11を用いて選択的に露光することにより、白色表示画面に所望のカラー表示を行うことができる。また、印加極性を反転させ、同様にして、全面黒色表示から、選択的露光により、所望のカラー表示を得ることもできる。
【0071】
本実施形態の画像表示媒体に用いられる表示粒子は、異なる帯電特性を持った2色の粒子であることを要点としているが、高いコントラストを得るためには、黒色粒子と白色粒子との組み合わせであることが望ましい。帯電特性は、黒色粒子が正帯電性であれば、白色粒子が負帯電性を示し、黒色粒子が負帯電性であれば、白色粒子が正帯電性を示すものである。ここで云う正帯電性、負帯電性は、両表示粒子を比較したときの相対的なものであり、絶対的な帯電極性を示すものではない。電界が作用したとき、2種類の粒子の移動状態が異なるように、それぞれの帯電量を異ならせることができる。
【0072】
表示粒子は、粒子同士の凝集力が小さく、流動性の高いものが望ましいが、所望の粒度分布を持つ粒子であれば、何でもよい。例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレンメタクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、ポリエチレン共重合体、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂に顔料、荷電制御剤を分散したものを粉砕、分級して得られる粒子や、スチレン−アクリレート共重合体からなる真球状粒子を用いることができる。また、アクリル、スチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルニトリル、ブタジエンの重合体、或いは、共重合体である熱可塑性樹脂やゾルゲル法などによって作製されたシリカ、アルミナ、チタニア等の無機系白色物が挙げられる。
【0073】
表示粒子内には、着色するための顔料として、既知の顔料を添加されたものを用いることができる。例えば、黒色粒子であれば、カーボンブラック、四三酸化鉄等が挙げられ、白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、クルク等が挙げられる。また、表示粒子に、所望の帯電特性を付与するため、既知の荷電制御剤を内包することができる。正帯電性荷電制御剤の例としては、ニグロシン系、トリフェニルメタン系、4級アンモニウム塩系化合物等が挙げられ、負帯電性荷電制御剤の例としては、アゾ系錯体、サリチル酸系錯体、カリックスアレン系、硼素系の化合物等が挙げられる。
【0074】
表示粒子は、電圧印加時の画像の切り替えに適した帯電特性を持たせるため、或いは、流動性を向上させるために、シリカ、アルミナ、チタニア等のトナーによく用いられる外添剤や、誘電性粒子として良好な動きを示すことがわかっている少量のフッ化炭素を周囲に固定化してもよい。また、シリコーンアクリルポリマー、フッ素系ポリマー等で表面処理を施してもよい。
【0075】
なお、表示粒子として、前述した粒子は、全て使用可能であり、電極間への封入法として、予めマイクロカプセル化した表示粒子を媒体中に拡散させたものを用いることも可能である。
【0076】
本実施形態に用いられる電荷発生層5としては、電子写真感光体に用いられているような既知の電荷発生材料を用いることができる。この電荷発生材料には、例えば、アゾ系顔料、キノン系顔料、ヘリレン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクドリン系顔料等の有機顔料や、アモルファスシリコン、アモルファスセレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機材料を挙げることができる。
【0077】
電荷発生層5に用いることができるバインダー樹脂としては、電気絶縁性のフィルム形成可能な高分子重合体が好ましいが、そのような高分子重合体としては、ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂等が用いられる。なお、バインダー樹脂は、これらに限定されるものではなく、これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上を混合して用いることができる。また、本実施形態における絶縁層、スペーサに対しても、同様の絶縁性樹脂を用いることができる。
【0078】
本実施形態の画像表示装置に用いられる光ビーム走査装置11は、レーザー光源を走査光学系により、一次元、又は二次元的に走査する方式や、蛍光表示管、プラズマ発光素子、EL発光素子、LED発光素子などをライン状あるいは面状に配列した一次元光書き込み又は二次元光書き込み装置などにより構成された機器等を用いることができる。
【0079】
本実施形態の画像表示媒体を用いて画像表示するには、初期化工程及び顕像化工程が必要であるが、各工程に用いられる電界印加手法としては、透明な導電層3又は4に直接電界印加を行うようにしてもよく、或いは、上部に導電層を有しない場合には、画像表示媒体の外部に電極を配置して電界を形成するようにし、それには、平面電極の他に、コロナ帯電装置や、ローラー電極、帯電ローラー、帯電ブラシ等を用いることができ、本実施形態の画像表示装置の構造に合わせて、適当なものが選択される。
【0080】
本実施形態の画像表示媒体における透明電極である導電層には、例えば、インジュウム及びスズを主体とした酸化薄膜をガラス表面、或いは、透明フィルム上に形成したものを用いることができる。
【0081】
次に、本発明による画像表示媒体について、2つの具体的実施例を示して、さらに詳細に説明する。実施例1は、図1に示された第1の実施形態による画像表示媒体の場合であり、また、実施例2は、図7に示された第2の実施形態による画像表示媒体の場合である。ただし、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(表示粒子の作製) ポリエステル樹脂に、カーボンブラックと、トリフェニルメタン誘導体からなる荷電制御剤とを分散、粉砕、分級、外添処理を行い、中心粒径が10μmの正帯電性の黒色粒子を得た。同様にして、ポリエステル樹脂に酸化チタンと、変性ポリエステル塩からなる荷電安定剤とを分散、粉砕、分級、外添処理を行って、中心粒径が10μmの負帯電性の白色粒子を得た。
【0082】
(電荷発生層の作成) チタニルフタロシアニンによる電荷発生材料1部と、ポリカーボネートによるバインダー1部とをテトラヒドロフラン中に溶解し、ドクターバーによりITO付きPETフィルム基板上に塗布、乾燥させて、電荷発生層とした。
【0083】
(絶縁層の作成) ポリカーボネートによるバインダーをテトラヒドロフラン中に溶解し、ドクターバーによりITO付きPETフィルム基板上に塗布、乾燥させて、絶縁層とした。
【0084】
(粒子表示セルの作製) 電荷発生層を有する下部電極と絶縁層を持つ対向電極の両基板間に100μmの絶縁性透明フィルムを挟み空間を作る。その空間に、黒色粒子と白色粒子を混合した媒体ものを封入し、対向電極上面にカラーフィルタを設け、表示セルとした。
【0085】
(表示動作) 下部ITO電極に負電圧300Vを印加すると、上部電極側の表示媒体の全面で白色を呈し、正電圧300Vを印加した場合には、表示媒体の全面が黒色表示となった。
【0086】
(カラー表示動作) 波長780nmで、露光面出力1mW/cm2のレーザーユニットと、直流電源とを用いて、本実施例による画像表示媒体を裏面から露光することができるようにし、カラー表示を行う画像表示装置を作製した。本装置を用いて、初期化全面白色表示するために、電圧−600Vを印加し、所定部位を露光した後、対向電極に電圧−300Vを印加した。レーザー書き込みによる露光を行った箇所のみについて、カラー表示を行うことができた。
〔実施例2〕
(表示粒子の作製) ポリエステル樹脂に、カーボンブラックと、トリフェニルメタン誘導体による荷電制御剤とを分散、粉砕、分級、外添処理を行い、中心粒径が10μmの正帯電性の黒色粒子を得た。同様にして、ポリエステル樹脂に酸化チタンと、変性ポリエステル塩による荷電安定剤とを分散、粉砕、分級、外添処理を行い、中心粒径が10μmの負帯電性の白色粒子を得た。
【0087】
(電荷発生層の作成) チタニルフタロシアニンによる電荷発生材料1部、ポリカーボネートによるバインダー1部をテトラヒドロフラン中に溶解し、ドクターバーによりITO付きPETフィルム基板上に塗布、乾燥させて、電荷発生層とした。
【0088】
(絶縁層の作成) ポリカーボネートによるバインダーをテトラヒドロフラン中に溶解し、ドクターバーによりカラーフィルタ上に塗布、乾燥させて、絶縁層とした。
【0089】
(粒子表示セルの作成) 電荷発生層を有する下部基板とカラーフィルタを持つ対向基板の両基板間に、100μmの絶縁性透明フィルムを挟み、空間を作る。その空間内に、黒色粒子と白色粒子を混合した媒体を封入し、表示セルを作成した。
【0090】
(表示動作) 下部基板の外側からコロナ放電により負電圧5kVを、対向基板の外側からコロナ放電により正電圧5kVを印加すると、上部電極側は、表示画面全面で白色を呈した。反対に、下部基板に正電圧5kVを、対向基板に負電圧5kVを印加した場合には、表示画面全面で黒色表示となった。
【0091】
(カラー表示動作) 波長780nmで、露光面出力1mW/cm2のレーザーユニット、コロナ帯電装置、顕像用ローラー電極を用いて、本実施例による画像表示媒体を裏面から露光できるようにし、カラー表示を行うことができる画像表示装置を作製した。本装置を用いて、初期化全面白色表示のため、電圧下部基板に電圧−6kVを、対向基板に電圧+6kVを印加し、所定部位を露光した後、移動するローラー電極で電圧−2kVを印加すると、レーザー書き込み露光を行った箇所のみについて、カラー表示を行うことができた。
【0092】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、異なる色と異なる帯電特性を持つ2種類の表示粒子を用い、カラーフィルタを介して入射する光の表示粒子からの反射を利用して表示を行うので、表示媒体中の粒子の色に関係なくカラー表示を可能とし、その表示画像のコントラストが良好であり、しかも、画像表示媒体に電荷発生層を形成し、光書込みで静電潜像化した後、電界の印加によって顕像化するようにしたので、画像書き換え可能とした画像表示方法を実現でき、その画像表示媒体と、この画像表示媒体を使用した軽くて、安価な画像形成装置とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態による書き換え可能な粒子表示媒体の概略断面構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態による粒子表示媒体の表示原理を示し、初期化状態を表した図である。
【図3】第1の実施形態による粒子表示媒体において、カラー表示における白表示の原理を説明する図である。
【図4】第1の実施形態による粒子表示媒体において、カラー表示におけるマゼンタ表示の原理を説明する図である。
【図5】第1の実施形態による粒子表示媒体において、カラー表示における赤色表示の原理を説明する図である。
【図6】第1の実施形態による電荷発生層とカラーフィルタを用いた書き換え可能な粒子表示媒体に、電界を印加、露光し、画像形成を行う装置の概略構成を示した図である。
【図7】対向電極を不要とした第2の実施形態による書き換え可能な粒子表示媒体の概略断面構成を示す図である。
【図8】第2の実施形態による粒子表示媒体の表示原理を説明し、初期化状態を示した図である。
【図9】第2の実施形態による粒子表示媒体において、書き換え操作の原理を説明する図である。
【図10】第2の実施形態による粒子表示媒体におけるカラー表示の原理を示し、マゼンタ表示の状態を説明する図である。
【図11】第2の実施形態による粒子表示媒体において、カラー表示の赤色表示を説明する図である。
【図12】第2の実施形態による対向電極不要の電荷発生層とカラーフィルタを用いた書き換え可能な粒子表示媒体に、基板外から電界を印加、露光し、画像形成を行う装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1、2…透明基板
3、4…導電層
5…電荷発生層
6…絶縁層
7…スペーサ
8…媒体
9…黒色粒子
10…白色粒子
11…光ビーム走査装置
12、13…コロナ帯電装置
14…ローラー電極
F…カラーフィルタ
R1、R2…赤色フィルタ
G1、G2…緑色フィルタ
B1、B2…青色フィルタ
V…電源
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電潜像方式を利用した画像表示媒体において、異なる色及び異なる帯電特性を有する2種類の誘電性粒子を用いた画像表示媒体による画像表示に関するものであり、より詳細には、電界の印加及び電荷発生層への露光により静電潜像を形成した後、電界の印加により顕像化することにより、文字又は画像を形成でき、繰り返し書き換えが可能なカラー画像表示方法、この画像表示方法による画像表示媒体、この画像表示媒体を用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、文字や画像は、コンピューターやデジタルカメラなどでデジタルデータとして作成され、そのデータの確認は、CRTや液晶ディスプレイに表示することにより行われている。さらに、そのデータによる文字や画像を、書類等として配布や保存をするときには、プリンターにて紙媒体に記録される、所謂、ハードコピーが広く使用されている。ディスプレイによる表示は、CRT、液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、有機EL等が利用されているが、中でも、液晶ディスプレイ装置は、大型化及び薄膜化、反射型の研究が進められ、画像表示媒体として中心的な存在になりつつある。
【0003】
これらは、デジタルデータを瞬時に表示し、瞬時に次の画面を表示できる。しかし、装置を持ち歩くことは大変であり、長時間の作業では、目が疲労し、電源を切ると表示ができないなど、多くの欠点もある。また、ハードコピーの場合には、ディスプレイ装置に比較して、文章や絵が読み易く又は見易く、さらには、疲れにくく、自由な姿勢で読むことができるという利点がある。さらに、軽量で自由に持ち運びが可能である特徴を有する。
【0004】
しかしなら、ハードコピーの場合には、このような利点があっても、ハードコピーは、使用された後には、そのまま廃棄されてしまう。廃棄せずに、リサイクルされる場合もある。そのためには、多くの労力と費用を要し、省資源の点では、問題が残る。
【0005】
以上の観点から、ディスプレイとハードコピーの両方の長所をもった書き換え可能なペーパーライクな表示媒体が考え出されている(例えば、特許文献1、2参照)。この表示媒体は、文字や画像を記録でき、その利用後においては、記録した文字や画像を消去して何度も繰り返し利用可能である。そこで、この表示媒体は、省資源に役立つことから、近年、注目を集めている。このような特徴を有する表示媒体に関する技術としては、透明白濁型リライタブルマーキング媒体やロイコ染料を利用した発消色型リライタブルマーキング媒体がリライタブルカードとして実用化されている。
【0006】
また、白色粒子と絶縁性液体をマイクロカプセル化した粒子を利用して、電気泳動により画像表示を行う電気泳動型表示媒体や、樹脂薄膜中に埋め込まれた2色に色分けした微小な球形粒子の回転により画像表示を行うツイストボール型表示媒体、導電性粒子と色の異なる誘電性粒子とを用い電荷注入で導電性粒子を動かすことにより画像表示を行う画像表示媒体等が、研究されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平1−86116号公報
【特許文献2】
特開2001−147451号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの表示媒体では、文字又は画像に対して、明表示と暗表示の2種類でしか行うことができず、カラー表示を行う場合には、着色粒子による画像表示媒体を用いることになるが、他種類の異なった色を持つ粒子を使用しなければならず、表示媒体の構造や、その表示媒体で表示する制御方法が、複雑化するという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、異なる色と異なる帯電特性を持つ2種類の表示粒子を用い、カラーフィルタを介して入射する光の表示粒子からの反射を利用するようにして、表示媒体中の粒子の色に関係なくカラー表示を可能とし、その表示画像のコントラストが良好であり、しかも、光書込みで静電潜像化した後、電界の印加によって顕像化することにより画像形成でき、画像書き換え可能とした画像表示方法と、その画像表示媒体と、この画像表示媒体を使用した軽くて、安価な画像形成装置とを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑みて、本発明では、異なる色及び異なる帯電特性を有する第1粒子と第2粒子を拡散した媒体層を用いた画像表示方法において、該媒体層を挟んで形成された絶縁層及び電荷発生層を介して第1電界を印加し、前記媒体層内で前記第1粒子と前記第2粒子を互いに反対側に移動させる単色形成ステップと、前記電荷発生層の所定部位を光ビームで露光することにより、該電荷発生層に前記第1電界によって発生した電荷を消失させる静電潜像化ステップと、前記第1電界と異なる第2電界を前記媒体層に印加して、前記所定部位に対応した範囲にある前記第1粒子と前記第2粒子とを互いに反対方向に入れ替える顕像化ステップとを有するものとした。
【0011】
そして、前記絶縁層の前記媒体層と反対側に、カラーフィルタが形成され、前記所定部位の選択によりカラー表示されるようにし、前記第1電界又は前記第2電界は、前記絶縁層の前記媒体層の反対側の第1電極と、前記電荷発生層の前記媒体層と反対側の第2電極とに印加された電圧によって形成されることとした。
【0012】
さらに、前記第1電界又は前記第2電界は、前記カラーフィルタと前記絶縁層に挟まれて形成された前記第1電極と、前記電荷発生層の前記媒体層と反対側面に形成された前記第2電極との間で形成されるようにした。
【0013】
また、本発明による画像表示媒体において、異なる色及び異なる帯電特性を有する第1粒子及び第2粒子が媒体中に分散された媒体層と、前記媒体層の一方の面に形成された絶縁層と、前記媒体層の他方の面に形成された電荷発生層とを備え、電界が印加されると、前記第1粒子及び前記第2粒子が、互いに反対方向の前記一方の面又は前記他方の面に移動することで画像表示するようにした。
【0014】
そして、透明な第1基板及び第2基板を備え、前記絶縁層と前記第1基板との間に、カラーフィルタが形成され、前記電荷発生層と第2基板との間に、第1透明電極が形成され、前記第2基板側から、前記電荷発生層を露光して光書込みを行って静電潜像化することとし、前記カラーフィルタと前記絶縁層との間に、第2透明電極が形成され、前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に、前記電界が形成されるようにした。
【0015】
さらに、前記電荷発生層に対する露光は、前記光で、前記カラーフィルタに含まれる赤色フィルタ、緑色フィルタ又は青色フィルタに対応する前記電荷発生層の部位を選択的に走査することによって行われることとした。
【0016】
また、本発明による画像形成装置においては、カラーフィルタ、絶縁層、異なる色及び異なる帯電特性を有する第1粒子及び第2粒子が分散された媒体層、電荷発生層、及び第1透明電極が積層されて形成された画像表示媒体と、前記画像表示媒体に電界を印加する電源と、前記カラーフィルタとは反対側から前記電荷発生層を選択的に露光する光を出力する光ビーム走査装置とを備えた。
【0017】
そして、前記電源による第1電界が前記画像表示媒体に印加されたとき、前記第1粒子又は前記第2粒子が、前記媒体層の一方の面又は他方の面に移動し、前記電荷発生層に対して前記光による所定の露光がなされて静電潜像化された後に、前記電源により、前記第1電界と異なる第2電界を前記画像表示媒体に印加したとき、前記所定の露光がなされた前記電荷発生層の部位に係る前記第1粒子又は前記第2粒子を前記媒体層の一方の面又は他方の面に移動させて入れ替えることにより顕像化することによりカラー表示をすることとした。
【0018】
前記画像表示媒体は、前記カラーフィルタと前記絶縁層との間に第2透明電極を有し、前記電源により、前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に第1電界が印加されたとき、前記第1粒子又は前記第2粒子が、前記媒体層の一方の面又は他方の面に移動し、前記電荷発生層に対して前記光による所定の露光がなされて静電潜像化した後に、前記電源により、前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に前記第1電界より弱く極性の異なる第2電界を形成したとき、前記所定の露光がなされた前記電荷発生層の部位に係る前記第1粒子又は前記第2粒子を前記媒体層の一方の面又は他方の面に移動させて入れ替えることにより顕像化することとした。
【0019】
上記の構成による本発明によれば、光書き込みにより任意の画素を選択的に表示する画像表示方法と、その表示方法に用いられる高精細なカラーフィルタと電荷発生層を持つことを特徴とし、異なる帯電特性と異なる色の2種類の誘電性粒子を用いる書き換え可能な画像表示媒体と、及びその画像形成装置を実現することができた。
【0020】
本発明においては、電荷発生層を有する下部透明基板と、カラーフィルタを設けた対向透明基板とにより、画像表示媒体の任意の画素に対応した2種類の表示粒子を、電荷発生層への露光によって静電潜像化し、電界の印加により2種類の表示粒子を媒体層内の位置を入れ替えることがでるきようにしたので、彩度の高いカラー表示が可能となる。
【0021】
画像表示媒体は、帯電特性の異なる高反射率の白色粒子と黒色粒子を用い、印加電界の極性切り替えによって粒子移動を制御し、表示の切り替えを行うことができる。この画像表示媒体に電荷発生層が設けられており、特別な画素電極を必要とせずに、所望の画素サイズに従った光書き込みによる画像形成が行える。
【0022】
また、絶縁層上に配列した白色粒子は、高反射率な球状粒子の配列であるため、拡散反射板としての効果を持ち、高コントラストの表示媒体となる。
【0023】
従って、任意の画素を光描き込みにより表示可能とする画像表示方法と、異なる帯電特性と色を持つ2種の誘電性粒子と、透明基板上に電荷発生層、対向基板にカラーフィルタを用いた画像表示媒体とその画像形成装置により、前記の目的を達成できた。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による実施形態について、図を参照しながら詳しく説明する。
【0025】
本実施形態において使用する画像表示媒体は、色と帯電特性とが異なる2種類の誘電性粒子を媒体中に分散させ、電界の形成の仕方によって、この2種類の粒子を互いに対極方向に移動させて画像表示を行うようにしたものであり、電界の形成に当たっては、画像表示媒体の片側面に形成された電荷発生層を選択的に光照射して静電潜像化し、次いで、印加した電界によって静電潜像化した部位における2種類の誘電性粒子を互いに反対方向に移動させて入れ替えるようにした。
そして、画像表示媒体の電荷発生層とは反対側面に設けられたカラーフィルタを介して、外部光が表示媒体の片側に配列された誘電性粒子に反射することによって、文字又は画像をカラー表示できるようにした。
【0026】
そこで、本実施形態に使用する画像表示媒体について、対向電極である導電層を有する第1の実施形態の場合と、対向電極である導電層を用いない第2の実施形態の場合とに分けて、説明する。
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態における画像表示媒体の概略構成を、図1に示した。図1では、画像表示媒体の断面を示しており、2画素分を模式的に示した。実際には、図示した画素の多数が、2次元マトリックス形成されている。
【0027】
画像表示媒体は、上側の透明基板1、カラーフィルタF、対向電極となる透明な導電層3、絶縁層6、媒体8、電荷発生層5、下部の対向電極となる透明な導電層4、そして、下部の透明基板2が順次積層された基本構成となっている。
【0028】
カラーフィルタFは、赤色フィルタ、緑色フィルタ、及び青色フィルタで形成され、加法混色によりカラー表示を行う。図1には、2画素分のカラーフィルタFが示されており、赤色フィルタR1、緑色フィルタG1及び青色フィルタB1によって、画素P1を形成し、また、赤色フィルタR2、緑色フィルタG2、及び青色フィルタB2によって画素P2を形成している様子を示している。
【0029】
媒体8は、電荷発生層5と絶縁層6との間で、スペーサ7によって形成された空間に充填されたものであり、媒体8中には、色及び帯電特性の異なる2種類の誘電性粒子が分散されている。図1では、その2種類の誘電性粒子として、白色粒子9と、黒色粒子10とが分散されている様子を示している。ここで、分散比率として、例えば、白:黒=2:1のようにした。このように、白色粒子を多くしたのは、白色粒子が電界の作用で片側に移動したとき、カラーフィルタFを透過した外部光が白色粒子で確実に反射されるようにするためである。
【0030】
ここでは、一例として、電極間に帯電特性の異なる黒色粒子と白色粒子を有する表示媒体を示したが、この形式にとらわれるものでなく、電極間には、媒体8として、絶縁性溶媒等を用いることが可能であり、粒子の色も、白色と黒色との組み合わせに限られず、コントラストに差異があるものであれば、所望の色を用いることができる。
【0031】
帯電特性の異なる黒色粒子と白色粒子は、黒色粒子が正の、白色粒子が負の帯電特性を持つものを使用した。下側の対向電極である導電層4上に設けられた電荷発生層は、電荷発生材料を絶縁性樹脂中に固溶したものであり、電荷発生層5の厚さ方向において、露光作用下で正孔−電子対が発生される。未露光状態では、絶縁層として機能する。なお、絶縁層の配置は、電源の電圧が取り除かれた後においても、帯電特性を維持でき、粒子の付着を維持しておくためである。
【0032】
以上で、図1に示されるように、第1の実施形態による画像表示媒体が、画像書き換え可能な状態に形成される。なお、図1に示した画像表示媒体における白色と黒色の各粒子の分散状態は、画像表示媒体を製造した直後の状態であり、未使用の状態である。
【0033】
次に、図1に示された画像表示媒体のカラー表示ついて、図2乃至図5を参照して説明する。各図中に示した画像表示媒体の構成は、図1と同様であり、同じ部分については、同じ符号を付してある。
【0034】
先ず、図2に示されるように、画像表示媒体のカラー表示を行うためには、初期化状態にする必要がある。直流電源Vによって、電荷発生層5を設けた導電層4による電極に負電圧を、導電層3による対向電極に正電圧を印加し、電界を形成する。これによって、絶縁層6の表面に正電荷が、そして、電荷発生層5の表面に負電荷が誘発され帯電する。図2に示された各粒子は、初期化状態を示しており、電荷発生層5側には、黒色粒子が、対向電極側にある絶縁層6側には、白色粒子がそれぞれ移動して付着している。図2の例では、媒体全面に渡って白色粒子が全て片側に移動しているので、白色表示を示す状態となっている。
【0035】
これは、クーロンカによって凝集状態にあった表示粒子が、クーロン力以上の電界を導電層3及び4間に印加することにより、各粒子が逆極性の電極方向へと移動させられ、絶縁層6又は電荷発生層5上に付着するからである。ここで、電界の印加が止められても、各粒子は、電極と粒子電荷によるクーロン力とファンデルワールス力によって、それぞれの絶縁層6と電荷発生層5側に保持される。
【0036】
このとき、カラーフィルタFを構成する赤色フィルタR、緑色フィルタG及び青色フィルタBの三色すべてが反射光を透過することになり、媒体上部から見ると、白色表示となっている。一方、全面に黒色表示を行う場合には、電極−粒子間のクーロン力とファンデルワールス力以上の逆電界を与え、黒色粒子を対向電極側へ移動させ、この黒色粒子面によって、外部からの入射光を吸収させればよい。
【0037】
以上のようにして、図1に示された画像表示媒体を、文字又は画像をカラー表示する前に、初期化することができた。ただ、画像表示媒体の全面を単に白色表示又は黒色表示しようとする場合には、初期化時と同様にして、電源Vからの直流電圧によって、導電層3と導電層4との間に電界を形成することにより、白色又は黒色表示を行うことができる。
【0038】
なお、黒色粒子が負帯電性、白色粒子が正帯電性である場合には、下部の導電層4に正電圧を、そして対向電極の導電層3に負電圧を印加することによって電界を形成することにより、白色表示とすることができ、また、逆電界を形成した場合には、黒色表示とすることができる。
【0039】
次に、図2に示された画像表示媒体の初期化状態が得られた後に、特定の画素、例えば、画素P1だけを暗表示する場合を、図3に示した。この場合は、画素P1が黒点となり、他の画素は、白色表示となっている。粒子10が、白色以外の他の色であれば、画素P1は、他の色表示の中における黒点となる。
【0040】
図2は、画像表示媒体が初期化された状態であった。このとき、下部の導電層4の電位をV1、対向電極の導電層3の電位をV2とした場合、これらの電位V1、V2の関係は、V1が相対的に負であり、V2が相対的に正であり、|V1|=|V2|となっている。そこで、電源Vの切断後において、下部の導電層4側から光ビーム走査装置11により、極小スポット光L1乃至L3を所望の画素、例えば、図3では、画素P1に対応した箇所の電荷発生層5を照射する。ここで、電荷発生層4中に、正孔−電子対により静電潜像を形成する。その電位がV3であるとすると、各部の電位が、V1<V3<V2の関係になる。
【0041】
次いで、図3に示されるように、対向電極の導電層3には、直流電源Vにより、バイアス電圧V4が印加され、その大きさは、V1<V4<V3の関係を持つようにされる。この電位差により、光L1乃至L3による露光部、即ち、画素P1の範囲に存在した表示粒子のみが移動し、黒色粒子と白色粒子が入れ替わることになる。これにより、対向電極側に黒色粒子の移動した画素P1のみが、暗表示となる。図3では、赤色フィルタR1、緑色フィルタG1、青色フィルタB1のいずれもが暗状態であるため、画素P1としては黒表示となる。
【0042】
次に、図4を参照して、第1の実施形態の画像表示媒体によってマゼンタ色表示をする場合について説明する。
【0043】
マゼンタ色表示は、1画素分を形成するカラーフィルタFにおける赤色フィルタ(R)、緑色フィルタ(G)、青色フィルタ(B)のうち、緑色フィルタのみを露光することにより実現することができる。図4では、電荷発生層5に対し、画素P1に対応する3つのフィルタのうち、緑色フィルタG1の部分にだけ、光ビーム走査装置11からの光L2を照射して露光する。
【0044】
そうすると、電荷発生層5において、照射部分だけ発生していた正孔−電子対が消失し、次いで、導電層3に、電源Vから電圧V4を印加すると、緑色フィルタG1の範囲に存在する黒色粒子9が対向電極側へ移動させることになる。そのため、画素P1の範囲で見ると、赤色フィルタR1と青色フィルタB1では、白色粒子が移動せずにそのまま対向電極側に存在し、緑色フィルタG1でのみ白色粒子と黒色粒子とが入れ替わって、その部分が黒色表示となるので、画素P1として、マゼンタ表示とすることができる。
【0045】
なお、例えば、シアン色表示の場合は、赤色フィルタ部分のみを光L1で、また、イエロー色表示の場合には、青色フィルタ部分のみを光L3でそれぞれ露光することにより、赤色フィルタ部分又は青色フィルタ部分がそれぞれ暗表示となり、シアン又はイエロー色表示することができる。
【0046】
また、図5に、第1の実施形態の画像表示媒体を用いて、赤色、緑色又は青色の単色をカラー表示する場合について示した。図5には、例として、赤色表示をする場合について示した。
【0047】
赤色表示するためには、赤色、緑色、青色のうち、赤色部分のみを明表示すればよく、例えば、画素P1を赤色表示する場合には、赤色フィルタR1、緑色フィルタG1、青色フィルタB1のうち、緑色フィルタG1と青色フィルタB1に対応する電荷発生層4のみを露光すればよい。光ビーム走査装置11によって、光L2、L3で照射し露光する。
【0048】
これにより、露光された電荷発生層5の部分では、正孔−電子対が消失するので、次いで、導電層3に電位V4を印加すると、その部分の黒色粒子が対向電極側へ移動し、白色粒子と入れ替わることとなる。赤色フィルタR1のみが明表示となり、画素P1を赤色表示することができる。なお、緑色表示をする場合は、電荷発生層5に関して、赤色フィルタと青色フィルタの部分を光L1、L3で、青色表示をする場合には、赤色フィルタと緑色フィルタの部分を光L1、L2で露光することにより、緑色表示又は青色表示することが可能である。
【0049】
以上のように、第1の実施形態による画像表示媒体を使用して、カラー表示を行うには、表示媒体自体を初期化した後に、光を文字又は画像に応じた位置の画素に対して走査しながら、1画素に係る赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタの組み合わせを適宜選択して露光し、その後、対向電極に電位V4を印加することにより、所望の文字又は画像をカラー表示することができる。
【0050】
第1の実施形態による図1の画像表示媒体を画像表示装置とした概略構成を、図6に示した。図6中で、図1と同じ部分には、同じ符号を付した。図6の画像表示装置は、以上に述べたカラー表示方法を実施できる要素を含むものであり、図1に示された画像表示媒体に、少なくとも、初期化用電界を形成する電源Va、光ビーム走査装置11、顕像用電界を形成する電源Vbが構成要素として備えられている。
【0051】
初期化用電源Vaは、対向電極である導電層3と、下部の導電層4との間に接続され、これらの電極間に電位差V2を印加し、表示の初期において、白色粒子又は黒色粒子を一方の電極側に全ての粒子を移動させるための電界を形成する。
この初期化用電源Vaは、画像表示媒体が表示する1画像毎に、該媒体を初期化する。
【0052】
顕像用電源Vbは、対向電極の導電層3と接地との間に接続され、導電層3と導電層4とに電位差V4を印加する。この電位差V4は、前述したように、静電潜像形成時の電位をV3とすれば、V1<V4<V3の関係になるような大きさに設定され、露光された部分の粒子を入れ替える電界を形成する。
【0053】
光ビーム走査装置11は、微小スポットの光Lを送出することができ、画像表示媒体の初期化後に、この光Lを、画像表示媒体の画像表示面と反対側にある透明基板2を介して、電荷発生層5の全面を画像データに基づいて走査させる。この光Lの走査によって、画像表示に必要とするカラーフィルタFの部分に対応する電荷発生層5を露光する。この露光により得られる静電潜像を、顕像用電界を印加する電源Vbによって形成された電界により顕像化し、所望の表示を形成することができる。
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態による画像表示媒体では、図1に示されるように、対向電極である導電層3と、下部電極である導電層4との両方を用いて、媒体8内に電界を形成するようにしていたが、第2の実施形態による画像表示媒体では、媒体8内に電界を形成するのに、対向電極である導電層3を省略し、外部電極と、下部電極である導電層4とによって行うようにした。導電層3の省略によって、画像表示媒体としての構成を簡単化することを図った。
【0054】
第2の実施形態による画像表示媒体の概略構成が、図7にその断面図で示されるが、導電層3を省略した以外は、図1に示された画像表示媒体と基本的に同様の構成であり、図7中において、図1と同様の部分には、同じ符号を付した。
【0055】
図7に、対向電極である導電層3を不要とした画像表示媒体の一実施態様の概略構成を示した。透明基板1と2の間に封入された帯電特性の異なる黒色粒子と白色粒子は、黒色粒子が正の、白色粒子が負の帯電特性を持っている。下部電極側に設けられた電荷発生材料を絶縁性樹脂中に固溶して形成した電荷発生層5は、所望の光によって露光されることにより、正孔−電子対を発生し、未露光状態では絶縁層として機能する。
【0056】
第2の実施形態による画像表示媒体では、透明基板1、カラーフィルタF、絶縁層6の順で構成され、カラーフィルタFと絶縁層6が全面接触しているところが、第1の実施形態の場合と異なる。他の構成は、図1の場合と同様である。1画素に対応したカラーフィルタFの赤色フィルタ、緑色フィルタ、青色フィルタの3つ一組による加法混色によりカラー表示が行われる。下部の透明基板2自体が、正孔もしくは電子の輸送能力を有する場合は、透明電極4を設けなくとも良い。
【0057】
図8は、図2と同様に、画像表示媒体を初期化する場合を示している。電荷発生層5を設けた下部の透明基板2に負電圧を、対向する透明基板1に正電圧を印加した状態を示している。下部の透明基板2側に黒色粒子が、対向する透明基板1側に白色粒子が付着し、媒体全面で白色表示を示した状態である。
【0058】
第2の実施形態による画像表示媒体には、導電層3が設けられていないので、媒体8内に電界を直接形成することができないため、外部から該電界を形成するようにしている。その電界印加装置として、画像表示媒体を上下から挟むように配置され、画像表示媒体上を全面に渡って移動できる線状電極を有するコロナ帯電装置12、13を用いている。線状電極でなくても、均一電界を形成で切れば、一列に配された多数の針電極でもよい。また、その方式による電界形成手段によってもよく、限定されない。
【0059】
以上は、第2の実施形態による画像表示媒体に対するカラー表示前の初期化を説明したが、同様にして、黒色粒子が負帯電性、白色粒子が正帯電性である場合には、下部の透明電極2側に正電荷が、対向する透明基板1側に負電荷が誘発される電界が印加されると、白色表示を行え、また、逆電界が印加されると、黒色表示を行うことができる。
【0060】
次いで、図9に、第1の実施形態による場合の図3と同様に、第2の実施形態による画像表示媒体における顕像化工程を示した。
【0061】
図9では、顕像化工程として、光ビーム走査装置11により所望の画素、例えば、画素P1に対応する電荷発生層4を光L1乃至L3で露光した後、ローラー電極14によって、対向する透明基板1側からバイアス電圧V5が印加された状態の側面図を示している。図3の場合と同様の電位関係により、V1<V5<V3の関係を持つようにされる。
【0062】
このバイアス電圧の印加によって、露光部の範囲にある黒色粒子と白色粒子とが入れ替わり、対向する透明基板1側に黒色粒子の移動した画素のみが暗表示となる。図9に示された状態は、1画素に相当する赤色フィルタR1、緑色フィルタG1、青色フィルタB1の3色が暗状態であるため、画素P1が黒色表示となる。この際、露光部の粒子移動に用いられる帯電装置は、ローラー電極14に限定されるものではなく、他の形式によるものでもよい。
【0063】
次に、図10は、第2の実施形態による画像表示媒体を用いて、図4の第1の実施形態による場合と同様に、マゼンタ色表示を行う場合を示し、図11は、第2の実施形態による画像表示媒体を用いて、図5の第1の実施形態による場合と同様に、赤色表示を行う場合を示している。
【0064】
第2の実施形態による画像表示媒体を用いた場合のマゼンタ表示又は赤色表示を行う手順は、第1の実施形態による場合の手順と同様であり、ここでは、その説明を省略するが、電界の形成の仕方が異なっているだけである。また、第1の実施形態と同様に、第2の実施形態による場合でも、例えば、シアン色表示の場合は、赤色フィルタを、イエロー色表示の場合は、青色フィルタを、緑色表示の場合は、赤色フィルタと青色フィルタを、青色表示の場合は、赤色フィルタと緑色フィルタに対応する電荷発生層5を露光することにより、それぞれカラー表示することが可能である。
【0065】
図12に、第2の実施形態による画像表示媒体を用いた画像表示装置の概略構成を示した。画像表示装置としては、図7に示した画像表示媒体の他に、少なくとも、コロナ帯電装置12、13、初期化用電界を印加する電源Vc、光ビーム走査装置11、ローラー電極14、顕像用電界を印加する電源Vdが構成要素として備えられる。
【0066】
図7で示したように、電源Vcに接続されたコロナ帯電電極12、13が移動しながら、画像表示媒体の透明基板外からコロナ放電を行うことにより、画像表示媒体を初期化状態とし、次に、光ビーム走査装置11から光Lを走査することによって、画像データに基づく所望の画素に対応する電荷発生層5を露光する。
露光により得られる静電潜像を、電源Vdに接続されたロ―ラー電極14による電界印加によって、顕像化する。これにより、所望画像のカラー表示を形成することができる。
【0067】
これまでの説明は、第1の実施形態及び第2の実施形態について、画像表示媒体の構成を中心にしたものであったが、次に、第1及び第2の実施形態に共通する事項について説明する。
【0068】
本実施形態における画像表示媒体では、透明な2枚の基板、例えば、ガラス基板又はフィルム基板が使用される。この2枚の透明基板1、2の間に、セル状に構成された表示媒体を形成することにより実現化される。このセルの大きさは、表示画素P1、P2、…、の個々に相当するものではなく、表示粒子の面方向の拡散移動を防ぐものである。
【0069】
媒体8中には、帯電特性の異なる黒色粒子と白色粒子とが拡散されているので、印加電圧の極性を制御することにより、表示媒体全面を黒色及び白色に表示することができる。また、この制御によって、文字又は画像をカラー表示する前の初期化を行うことができる。
【0070】
この初期化によって、全面の白色表示を行った後、対向する透明基板1に設けられたカラーフィルタFのRGBフィルタに対応する位置の電荷発生層5を、光ビーム走査装置11を用いて選択的に露光することにより、白色表示画面に所望のカラー表示を行うことができる。また、印加極性を反転させ、同様にして、全面黒色表示から、選択的露光により、所望のカラー表示を得ることもできる。
【0071】
本実施形態の画像表示媒体に用いられる表示粒子は、異なる帯電特性を持った2色の粒子であることを要点としているが、高いコントラストを得るためには、黒色粒子と白色粒子との組み合わせであることが望ましい。帯電特性は、黒色粒子が正帯電性であれば、白色粒子が負帯電性を示し、黒色粒子が負帯電性であれば、白色粒子が正帯電性を示すものである。ここで云う正帯電性、負帯電性は、両表示粒子を比較したときの相対的なものであり、絶対的な帯電極性を示すものではない。電界が作用したとき、2種類の粒子の移動状態が異なるように、それぞれの帯電量を異ならせることができる。
【0072】
表示粒子は、粒子同士の凝集力が小さく、流動性の高いものが望ましいが、所望の粒度分布を持つ粒子であれば、何でもよい。例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレンメタクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、ポリエチレン共重合体、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂に顔料、荷電制御剤を分散したものを粉砕、分級して得られる粒子や、スチレン−アクリレート共重合体からなる真球状粒子を用いることができる。また、アクリル、スチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルニトリル、ブタジエンの重合体、或いは、共重合体である熱可塑性樹脂やゾルゲル法などによって作製されたシリカ、アルミナ、チタニア等の無機系白色物が挙げられる。
【0073】
表示粒子内には、着色するための顔料として、既知の顔料を添加されたものを用いることができる。例えば、黒色粒子であれば、カーボンブラック、四三酸化鉄等が挙げられ、白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、クルク等が挙げられる。また、表示粒子に、所望の帯電特性を付与するため、既知の荷電制御剤を内包することができる。正帯電性荷電制御剤の例としては、ニグロシン系、トリフェニルメタン系、4級アンモニウム塩系化合物等が挙げられ、負帯電性荷電制御剤の例としては、アゾ系錯体、サリチル酸系錯体、カリックスアレン系、硼素系の化合物等が挙げられる。
【0074】
表示粒子は、電圧印加時の画像の切り替えに適した帯電特性を持たせるため、或いは、流動性を向上させるために、シリカ、アルミナ、チタニア等のトナーによく用いられる外添剤や、誘電性粒子として良好な動きを示すことがわかっている少量のフッ化炭素を周囲に固定化してもよい。また、シリコーンアクリルポリマー、フッ素系ポリマー等で表面処理を施してもよい。
【0075】
なお、表示粒子として、前述した粒子は、全て使用可能であり、電極間への封入法として、予めマイクロカプセル化した表示粒子を媒体中に拡散させたものを用いることも可能である。
【0076】
本実施形態に用いられる電荷発生層5としては、電子写真感光体に用いられているような既知の電荷発生材料を用いることができる。この電荷発生材料には、例えば、アゾ系顔料、キノン系顔料、ヘリレン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクドリン系顔料等の有機顔料や、アモルファスシリコン、アモルファスセレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機材料を挙げることができる。
【0077】
電荷発生層5に用いることができるバインダー樹脂としては、電気絶縁性のフィルム形成可能な高分子重合体が好ましいが、そのような高分子重合体としては、ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂等が用いられる。なお、バインダー樹脂は、これらに限定されるものではなく、これらのバインダー樹脂は、単独又は2種以上を混合して用いることができる。また、本実施形態における絶縁層、スペーサに対しても、同様の絶縁性樹脂を用いることができる。
【0078】
本実施形態の画像表示装置に用いられる光ビーム走査装置11は、レーザー光源を走査光学系により、一次元、又は二次元的に走査する方式や、蛍光表示管、プラズマ発光素子、EL発光素子、LED発光素子などをライン状あるいは面状に配列した一次元光書き込み又は二次元光書き込み装置などにより構成された機器等を用いることができる。
【0079】
本実施形態の画像表示媒体を用いて画像表示するには、初期化工程及び顕像化工程が必要であるが、各工程に用いられる電界印加手法としては、透明な導電層3又は4に直接電界印加を行うようにしてもよく、或いは、上部に導電層を有しない場合には、画像表示媒体の外部に電極を配置して電界を形成するようにし、それには、平面電極の他に、コロナ帯電装置や、ローラー電極、帯電ローラー、帯電ブラシ等を用いることができ、本実施形態の画像表示装置の構造に合わせて、適当なものが選択される。
【0080】
本実施形態の画像表示媒体における透明電極である導電層には、例えば、インジュウム及びスズを主体とした酸化薄膜をガラス表面、或いは、透明フィルム上に形成したものを用いることができる。
【0081】
次に、本発明による画像表示媒体について、2つの具体的実施例を示して、さらに詳細に説明する。実施例1は、図1に示された第1の実施形態による画像表示媒体の場合であり、また、実施例2は、図7に示された第2の実施形態による画像表示媒体の場合である。ただし、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(表示粒子の作製) ポリエステル樹脂に、カーボンブラックと、トリフェニルメタン誘導体からなる荷電制御剤とを分散、粉砕、分級、外添処理を行い、中心粒径が10μmの正帯電性の黒色粒子を得た。同様にして、ポリエステル樹脂に酸化チタンと、変性ポリエステル塩からなる荷電安定剤とを分散、粉砕、分級、外添処理を行って、中心粒径が10μmの負帯電性の白色粒子を得た。
【0082】
(電荷発生層の作成) チタニルフタロシアニンによる電荷発生材料1部と、ポリカーボネートによるバインダー1部とをテトラヒドロフラン中に溶解し、ドクターバーによりITO付きPETフィルム基板上に塗布、乾燥させて、電荷発生層とした。
【0083】
(絶縁層の作成) ポリカーボネートによるバインダーをテトラヒドロフラン中に溶解し、ドクターバーによりITO付きPETフィルム基板上に塗布、乾燥させて、絶縁層とした。
【0084】
(粒子表示セルの作製) 電荷発生層を有する下部電極と絶縁層を持つ対向電極の両基板間に100μmの絶縁性透明フィルムを挟み空間を作る。その空間に、黒色粒子と白色粒子を混合した媒体ものを封入し、対向電極上面にカラーフィルタを設け、表示セルとした。
【0085】
(表示動作) 下部ITO電極に負電圧300Vを印加すると、上部電極側の表示媒体の全面で白色を呈し、正電圧300Vを印加した場合には、表示媒体の全面が黒色表示となった。
【0086】
(カラー表示動作) 波長780nmで、露光面出力1mW/cm2のレーザーユニットと、直流電源とを用いて、本実施例による画像表示媒体を裏面から露光することができるようにし、カラー表示を行う画像表示装置を作製した。本装置を用いて、初期化全面白色表示するために、電圧−600Vを印加し、所定部位を露光した後、対向電極に電圧−300Vを印加した。レーザー書き込みによる露光を行った箇所のみについて、カラー表示を行うことができた。
〔実施例2〕
(表示粒子の作製) ポリエステル樹脂に、カーボンブラックと、トリフェニルメタン誘導体による荷電制御剤とを分散、粉砕、分級、外添処理を行い、中心粒径が10μmの正帯電性の黒色粒子を得た。同様にして、ポリエステル樹脂に酸化チタンと、変性ポリエステル塩による荷電安定剤とを分散、粉砕、分級、外添処理を行い、中心粒径が10μmの負帯電性の白色粒子を得た。
【0087】
(電荷発生層の作成) チタニルフタロシアニンによる電荷発生材料1部、ポリカーボネートによるバインダー1部をテトラヒドロフラン中に溶解し、ドクターバーによりITO付きPETフィルム基板上に塗布、乾燥させて、電荷発生層とした。
【0088】
(絶縁層の作成) ポリカーボネートによるバインダーをテトラヒドロフラン中に溶解し、ドクターバーによりカラーフィルタ上に塗布、乾燥させて、絶縁層とした。
【0089】
(粒子表示セルの作成) 電荷発生層を有する下部基板とカラーフィルタを持つ対向基板の両基板間に、100μmの絶縁性透明フィルムを挟み、空間を作る。その空間内に、黒色粒子と白色粒子を混合した媒体を封入し、表示セルを作成した。
【0090】
(表示動作) 下部基板の外側からコロナ放電により負電圧5kVを、対向基板の外側からコロナ放電により正電圧5kVを印加すると、上部電極側は、表示画面全面で白色を呈した。反対に、下部基板に正電圧5kVを、対向基板に負電圧5kVを印加した場合には、表示画面全面で黒色表示となった。
【0091】
(カラー表示動作) 波長780nmで、露光面出力1mW/cm2のレーザーユニット、コロナ帯電装置、顕像用ローラー電極を用いて、本実施例による画像表示媒体を裏面から露光できるようにし、カラー表示を行うことができる画像表示装置を作製した。本装置を用いて、初期化全面白色表示のため、電圧下部基板に電圧−6kVを、対向基板に電圧+6kVを印加し、所定部位を露光した後、移動するローラー電極で電圧−2kVを印加すると、レーザー書き込み露光を行った箇所のみについて、カラー表示を行うことができた。
【0092】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、異なる色と異なる帯電特性を持つ2種類の表示粒子を用い、カラーフィルタを介して入射する光の表示粒子からの反射を利用して表示を行うので、表示媒体中の粒子の色に関係なくカラー表示を可能とし、その表示画像のコントラストが良好であり、しかも、画像表示媒体に電荷発生層を形成し、光書込みで静電潜像化した後、電界の印加によって顕像化するようにしたので、画像書き換え可能とした画像表示方法を実現でき、その画像表示媒体と、この画像表示媒体を使用した軽くて、安価な画像形成装置とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態による書き換え可能な粒子表示媒体の概略断面構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態による粒子表示媒体の表示原理を示し、初期化状態を表した図である。
【図3】第1の実施形態による粒子表示媒体において、カラー表示における白表示の原理を説明する図である。
【図4】第1の実施形態による粒子表示媒体において、カラー表示におけるマゼンタ表示の原理を説明する図である。
【図5】第1の実施形態による粒子表示媒体において、カラー表示における赤色表示の原理を説明する図である。
【図6】第1の実施形態による電荷発生層とカラーフィルタを用いた書き換え可能な粒子表示媒体に、電界を印加、露光し、画像形成を行う装置の概略構成を示した図である。
【図7】対向電極を不要とした第2の実施形態による書き換え可能な粒子表示媒体の概略断面構成を示す図である。
【図8】第2の実施形態による粒子表示媒体の表示原理を説明し、初期化状態を示した図である。
【図9】第2の実施形態による粒子表示媒体において、書き換え操作の原理を説明する図である。
【図10】第2の実施形態による粒子表示媒体におけるカラー表示の原理を示し、マゼンタ表示の状態を説明する図である。
【図11】第2の実施形態による粒子表示媒体において、カラー表示の赤色表示を説明する図である。
【図12】第2の実施形態による対向電極不要の電荷発生層とカラーフィルタを用いた書き換え可能な粒子表示媒体に、基板外から電界を印加、露光し、画像形成を行う装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1、2…透明基板
3、4…導電層
5…電荷発生層
6…絶縁層
7…スペーサ
8…媒体
9…黒色粒子
10…白色粒子
11…光ビーム走査装置
12、13…コロナ帯電装置
14…ローラー電極
F…カラーフィルタ
R1、R2…赤色フィルタ
G1、G2…緑色フィルタ
B1、B2…青色フィルタ
V…電源
Claims (12)
- 異なる色及び異なる帯電特性を有する第1粒子と第2粒子を拡散した媒体層に、該媒体層を挟んで形成された絶縁層及び電荷発生層を介して第1電界を印加し、前記媒体層内で前記第1粒子と前記第2粒子を互いに反対側に移動させる単色形成ステップと、
前記電荷発生層の所定部位を光ビームで露光することにより、該電荷発生層に前記第1電界によって発生した電荷を消失させる静電潜像化ステップと、
前記第1電界と異なる第2電界を前記媒体層に印加して、前記所定部位に対応した範囲にある前記第1粒子と前記第2粒子とを互いに反対方向に入れ替える顕像化ステップとを有する画像表示方法。 - 前記絶縁層の前記媒体層と反対側に、カラーフィルタが形成され、前記所定部位の選択によりカラー表示されることを特徴とする請求項1に記載の画像表示方法。
- 前記第1電界又は前記第2電界は、前記絶縁層の前記媒体層の反対側の第1電極と、前記電荷発生層の前記媒体層と反対側の第2電極とに印加された電圧によって形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示方法。
- 前記第1電界又は前記第2電界は、前記カラーフィルタと前記絶縁層に挟まれて形成された前記第1電極と、前記電荷発生層の前記媒体層と反対側面に形成された前記第2電極との間で形成されることを特徴とする請求項3に記載の画像表示方法。
- 異なる色及び異なる帯電特性を有する第1粒子及び第2粒子が媒体中に分散された媒体層と、
前記媒体層の一方の面に形成された絶縁層と、
前記媒体層の他方の面に形成された電荷発生層とを有し、
電界が印加されると、前記第1粒子及び前記第2粒子が、互いに反対方向の前記一方の面又は前記他方の面に移動することを特徴とする画像表示媒体。 - 透明な第1基板及び第2基板を有し、
前記絶縁層と前記第1基板との間に、カラーフィルタが形成され、
前記電荷発生層と第2基板との間に、第1透明電極が形成され、
前記第2基板側から、前記電荷発生層を露光して光書込みを行って静電潜像化することを特徴とする請求項5に記載の画像表示媒体。 - 前記カラーフィルタと前記絶縁層との間に、第2透明電極が形成され、
前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に、第1電界が形成されることを特徴とする請求項6に記載の画像表示媒体。 - 前記電荷発生層に対する露光は、前記光で、前記カラーフィルタに含まれる赤色フィルタ、緑色フィルタ又は青色フィルタに対応する前記電荷発生層の部位を選択的に走査することによって行われることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像表示媒体。
- カラーフィルタ、絶縁層、異なる色及び異なる帯電特性を有する第1粒子及び第2粒子が分散された媒体層、電荷発生層、及び第1透明電極が積層されて形成された画像表示媒体と、
前記画像表示媒体に電界を印加する電源と、
前記カラーフィルタとは反対側から前記電荷発生層を選択的に露光する光を出力する光ビーム走査装置と、を有する画像形成装置。 - 前記電源による第1電界が前記画像表示媒体に印加されたとき、前記第1粒子又は前記第2粒子が、前記媒体層の一方の面又は他方の面に移動し、
前記電荷発生層に対して前記光による所定の露光がなされて静電潜像化された後に、前記電源により、前記第1電界と異なる第2電界を前記画像表示媒体に印加したとき、前記所定の露光がなされた前記電荷発生層の部位に係る前記第1粒子又は前記第2粒子を前記媒体層の一方の面又は他方の面に移動させて入れ替えることにより顕像化することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。 - 前記画像表示媒体は、前記カラーフィルタと前記絶縁層との間に第2透明電極を有することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記電源により、前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に第1電界が印加されたとき、前記第1粒子又は前記第2粒子が、前記媒体層の一方の面又は他方の面に移動し、
前記電荷発生層に対して前記光による所定の露光がなされて静電潜像化した後に、前記電源により、前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に前記第1電界より弱く極性の異なる第2電界を形成したとき、前記所定の露光がなされた前記電荷発生層の部位に係る前記第1粒子又は前記第2粒子を前記媒体層の一方の面又は他方の面に移動させて入れ替えることにより顕像化することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
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JP2002292605A JP2004126367A (ja) | 2002-10-04 | 2002-10-04 | 画像表示方法、画像表示媒体及び画像形成装置 |
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JP2011107250A (ja) * | 2009-11-13 | 2011-06-02 | Seiko Epson Corp | 電気光学装置及び電子機器 |
US8988331B2 (en) | 2009-06-29 | 2015-03-24 | Seiko Epson Corporation | Optical recording display device, driving method of the optical recording display device, electro-optical device and electronic apparatus |
-
2002
- 2002-10-04 JP JP2002292605A patent/JP2004126367A/ja active Pending
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