JP3757753B2 - 画面情報複写装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画面情報複写装置に係り、特に、コンピュータのモニタ画面等電子ディスプレイに表示された画面情報の一部または全部を、ハードコピー形態のメモリ性を有する書換え可能な表示記録媒体に複写することができる画面情報複写装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピューターのモニタ画面で閲覧可能なテキストや画像等の電子ドキュメントに含まれる情報を、別の場所に移動して利用したり、後でもう一度眺める場合や、注意を喚起する目的などで常に目に見える場所に掲示しておきたい場合がある。このような場合には、その情報を表示しているコンピュータ等のアプリケーションソフトの印刷機能を使用してプリンタに出力し、ハードコピー形態にして利用する、又は、その情報が簡単な情報の場合には手帳や紙の断片に手書きによって記入することが一般的に行われている。
【0003】
そして、それらの情報が、例えば、外出する予定の場所迄の路線図や地図、または、移動先で訪ねる面会相手の連絡先等必要な部分だけを記した断片的な情報である場合もある。特に近年のインターネットの普及に伴い、種々の情報がWWW(World Wide Web)上に流通し、Webブラウザで閲覧が可能となっているが、これらの情報の中には、上記のような断片的なものが多く含まれている。そのような断片的な情報が、地図や連絡先のようなものの場合、移動先に到着したり、その用事が終了した時点で、不要となる極めて一過性の情報であることが多い。
【0004】
しかし、必要な情報がこのような断片的かつ一過性の情報であり、更にそれがモニタ画面に表示されている情報の一部分であっても、この情報をプリントアウトする際には、少なくとも1ページ分の紙を使用する必要がある。この場合には、長期使用や保存が前提の文書情報に比べて、利用時間が短く、かつ版面率の少ない白紙領域の多いプリントとなるため、紙資源を無駄に消費することとなる。また、ディスプレイ画面に表示している情報をプリンタ用の印刷データに展開する必要があるため、時間がかかる。更に、例えば、Webブラウザ上で複雑なフレームで分割されている画面等の情報はその通りに印刷されないこともある。
【0005】
一方、プリントではなく、手帳などへの手書きによって必要な情報を書き写せば、用紙の無駄な消費を防ぐことはできるが、テキストではない細かい地図情報などは書き写すことが困難で、時間と労力がかかる。
【0006】
上記のディスプレイ表示画面と印刷画像の相違や印刷時間の省略と装置の小型化を目的として、特開平4−97143、特開平6−95058、特開平10−97004等の画像形成技術も知られている。これらは携帯性に優れ、液晶などのディスプレイ画面に光に感応して発色する感光紙を密着させ、光を照射して画像を写し取る画像形成装置に関する発明に関するものである。
【0007】
また、紙資源の無駄等を省くため、上記のような一過性の情報を紙にプリントアウトする代わりに、携帯性に優れた電子スケジューラやモバイル情報機器に転送して外出先で利用することもしばしば行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の画像形成装置等画像形成技術では、画像を記録する際に、感光紙を用いており、この感光紙は、一度使用すると再使用は出来ない消耗品である。従って、前述した通常の紙にプリントする場合と同様に、資源を短時間で消費してしまうという環境負荷の課題がある。
【0009】
また、上記公知技術はいずれも通常目視用に使用しているディスプレイ面に感光紙を密着させるものであるが、通常のディスプレイは目視しやすいように出射光が拡散している。即ち、感光紙をディスプレイ表面に密着させても、ガラス基板などの厚み分離れて露光が行われるため、投影像がボケて、ディスプレイと同等の解像度で画像を記録することが困難である。
【0010】
一方、後者のようにモバイル情報機器を利用する場合は、携帯性には優れるものの、情報の転送や同期保存に時間を要する。また、データの転送や同期的な保存が可能な情報は、スケジュールや専用アプリケーション上で入力したメモ情報等に限定されていることが多く、画面上に表示した任意の情報全てをモバイル機器に取込むことはできない、という問題がある。
【0011】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、モニタ画面等に表示された任意の情報の一部または全部を、携帯性に優れ、環境負荷が低く、また、何度でも書換え可能な表示記録媒体に、リアルタイムに上記画面と同等の画像情報を複写することができる画面情報複写装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、入力され、かつ画像及びテキスト情報の一部または全部からなる情報を光出力デバイス用情報信号に変換処理するデータ処理部と、前記光出力デバイス用情報信号に基づいて画像を露光可能な光学パターンとして出射する光出力デバイスと、前記光出力デバイスを収容すると共に、前記光出力デバイスの光学パターン出射側に設けられ、かつ光感応性層とメモリ性を有する書換え可能な表示層とを備え光学パターンを受光することにより可視的な画像を記録できるシート状の表示記録媒体を配置する配置スペース、および前記配置スペースに前記表示記録媒体が配置されていないときには前記光出力デバイスから出射された光学パターンの視認が可能で、かつ前記配置スペースに前記表示記録媒体が配置されているときには前記光出力デバイスから出射された光学パターンによって前記表示記録媒体に記録された画像の視認が可能な表示窓を備えたケースと、前記光出力デバイスを駆動制御する光出力デバイス制御部と、を含むことを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明は、入力され、かつ画像及びテキスト情報の一部または全部からなる情報を光出力デバイス用情報信号に変換処理するデータ処理部と、前記光出力デバイス用情報信号に基づいて画像を露光可能な光学パターンとして出射する光出力デバイスと、前記光出力デバイスの光学パターン出射側に設けられ、光感応性層とメモリ性を有する書換え可能な表示層とを備え光学パターンを受光することにより可視的な画像を記録できるシート状の表示記録媒体の載置が可能であって、前記表示記録媒体が載置されていないときには、前記光出力デバイスから出射されて透過した光によって光学パターンが視認可能で、かつ前記表示記録媒体が載置されているときには、前記光出力デバイスから出射された光学パターンによって前記表示記録媒体に記録された画像の視認が可能となる透明支持プレートと、前記光出力デバイスを駆動制御する光出力デバイス制御部と、を含むことを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の画面情報複写装置において、前記光出力デバイスは、LCDと、指向性を持ったバックライトと、を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項2記載の画面情報複写装置において、前記バックライトは、LEDと、該LEDから出射された光を集光するレンズと、を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項2記載の画面情報複写装置において、前記バックライトは、レンズ一体型のLED素子を2次元に配列したアレイ光源から構成されたことを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の画面情報複写装置において、前記表示記録媒体が、一対の透明電極に挟まれ、少なくとも光導電性層とメモリ性を有する表示層を積層した媒体であり、前記表示記録媒体の電極に電圧を印加するための電圧印加手段を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の画面情報複写装置において、前記表示記録媒体の表示層は、コレステリック液晶を含むことを特徴とする。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項2乃至請求項7のいずれか1項に記載の画面情報複写装置において、前記表示記録媒体の光感応性層は、有機材料からなる電荷発生層と電荷輸送層と電荷発生層が少なくともこの順番で積層したことを特徴とする。
【0021】
請求項1および2に記載の発明によれば、モニタ画面等電子ディスプレイに表示された情報の任意の一部または全部を、表示記録媒体に記録することがきる。そして、表示記録媒体単体を無電源状態で別の場所に持ち運んだり、目につく場所に掲示したりすることができる。さらに、表示記録媒体上に表示している情報が必要なくなった場合に、何度でも同じ表示記録媒体上の表示を書換えることができる。従って、短時間で表示記録媒体を廃棄する必要はなく、環境負荷の低下を図ることができる。
【0022】
また、請求項3に記載の発明によれば、光学パターンの光の指向性を限定することで、表示記録媒体に記録される画像等のボケ、ぶれを防止し、光出力デバイスに表示された画像等と略同等の解像度の画像等を得ることができる。
【0023】
更に、請求項4に記載の発明によれば、LEDから出射された光をレンズにより集光することで、表示記録媒体に記録される画像等のボケ、ぶれを防止することができる。
【0024】
これに加えて、請求項5に記載の発明によれば、LEDとレンズとが一体化されていることから装置の薄型化、簡素化が可能になる。
【0025】
また、請求項6に記載の発明によれば、光アドレスによる任意の画像を画素電極なしに瞬時に表示し、かつ、外光などで画像が消えるなどしない、画像安定性に優れる表示記録媒体を提供できる。
【0026】
更に、請求項7に記載の発明によれば、画像維持性に優れ、かつカラー表示が可能な表示記録媒体を提供する事ができる。
【0027】
更にまた、請求項8に記載の発明によれば、液晶を劣化させる直流電圧成分が印加される危険性が少ない交流電圧での駆動が可能になることから、駆動電圧の低電圧化、表示記録媒体の高寿命化を実現することができる。加えて、電荷発生層、電荷輸送層、電荷発生層の各層をこの順に積層することにより、表示層へ交流電圧の印加が可能となり、表示層として汎用的な液晶材料を用いることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の画面情報複写装置20の全体構成を示しており、画面情報複写装置20には、本体(図示省略)とディスプレイ11と一体型のパーソナルコンピュータ(以下、PCという)10が接続されている。PC10は、所定のアプリケーションソフトをインストールすることにより、例えばワープロとして機能したり、電子メールの送受信、Webブラウザ上の情報の閲覧等を行うことができる。そして、ディスプレイ11は、これらにより作成または送受信された情報や、Webブラウザで閲覧した情報等を表示させることができる。また、PC10にはデータ等の入力のためのキーボード12が接続されている。この、キーボード12は例えばPC10がワープロとして機能する場合に、文字等の入力操作をすることができる。更に、操作をより容易にするために汎用の入力デバイスであるマウス13も接続されており、マウス13を移動させることにより、ディスプレイ11上に表示されたポインタ14を容易に移動せることができる。そして、ポインタ14を移動させることにより、ユーザは所定の情報の選択・範囲指定等を行うことができる。尚、PC10には特に図示しないが、プリンタ等種々のデバイスも接続されている。
【0029】
画面情報複写装置20には、PC10のディスプレイ11に表示され選択された情報を入力する入力手段としての入力ポート21が設けられている。この入力ポート21とPC10に設けられた所定の出力ポート(図示省略)とをケーブル15を介して接続することにより、PC10のデータが画面情報複写装置20へ送られる。
【0030】
画面情報複写装置20は、前記入力ポート21に入力された情報に所定の処理を施して、表示記録媒体50に光書込を行うための光書込手段を備えている。
【0031】
そこで、この光書込手段について説明する。図2で示すように、光書込手段は、データ処理部36を備えており、前記入力ポート21に入力された入力情報は、このデータ処理部36に送信される。この入力情報はデータ処理部36の演算回路36Aで変換処理され、後述する光出力デバイス44に適合した光出力デバイス用情報信号に変換される。即ち、入力情報の、選択された画面上の表示エリアの画素数が、光出力デバイス44で一括露光が可能な画素数より多いか、または少ないかにより、光出力デバイス44の画素数に適合するように、適宜データの補間、省略という演算が行われる。より具体的には、入力情報の画素数が光出力デバイス44で一括露光が可能な画素数よりも多い場合には、入力信号の省略という演算が行われる。反対に、入力情報の画素数が光出力デバイス44で一括露光が可能な画素数よりも多い場合には、入力信号の補間という演算が行われる。
【0032】
また、光書込手段は、前記データ処理部22で変換処理された光出力デバイス用情報信号に基づいて、光学パターンを形成し、この光学パターンを出射する光出力デバイス44を備えている。
【0033】
この光出力デバイス44は、光学パターン出射面となる透過型LCD37を備えている。透過型LCD37は光出力デバイス制御部38に接続され、この光出力デバイス制御部38により駆動制御されるようになっている。
【0034】
透過型LCD37の背面には導光板と導光板端部に冷陰極管を備えた通常のLCD用のバックライト39が設けられている。バックライト39は、バックライト制御回路40に接続され、これにより駆動制御されている。
【0035】
また、透過型LCD37の上部には2次元マイクロレンズアレイ41が配置されている。2次元マイクロレンズアレイ41は、光出力デバイス用情報信号に基づいて透過型LCD37に形成される光学パターンを表示記録媒体50の光導電層52面(後述)に結像するようにスペーサ(図示省略)によって位置決めされている。特に表示記録媒体50を配置する側のスペーサには、2次元マイクロレンズアレイ41の上部を覆うように透明支持プレート42が置かれており、表示記録媒体50を透明支持プレート42上に密着させておくことにより、自然に焦点位置が合うようになっている。透明支持プレート42上には、表示記録媒体50の光導電層52側の基板が下側に配置されるようになっている。
【0036】
表示記録媒体50の構成(詳細は後述)として、光導電層52と表示層54との組合わせを用いた場合は、画面情報複写装置20と表示記録媒体50とを電気的に接続して、表示記録媒体に電圧を印加する手段が必要となる。そこで、画面情報複写装置20には電圧印加手段43が設けられている。この電圧印加手段43は、画面情報複写装置20の光書込手段と同期したタイミングで表示記録媒体50の表示層54の駆動に必要な電圧パルスを印加するようになっている。また、表示記録媒体50の基板電極を着脱自在に電気的な導通を得るために、画面情報複写装置20に電圧印加手段43に接続した接点部を有するコネクタが設けられている。
【0037】
尚、電圧パルスの作成は、AC電源からの電圧を基に変圧や波形の整形を行ってもよく、電池などのバッテリーから供給されるDC電源を手動でON/OFFスイッチングしてもよい。また、DC電源からスイッチング回路を用いて必要な波形のパルスを生成してもよい。そのようなパルス生成には、例えば、ROMのような波形記憶手段とDA変換手段と制御手段とを有し、電圧印加時にROMから読み出した波形をDA変換して供給する回路を用いることができる。また、パルス発生回路のような電気回路的な方式でパルスを発生させる手段等の駆動パルスを印加する手段を用いることができる。更に、電圧印加手段と光書き込み手段の露光タイミングとを同期させるために、露光状態や光書込手段の駆動状態を検出する電気的なトリガーに基づいて表示記録媒体への電圧印加を行っても良い。
【0038】
続いて、画像を表示し記録する表示記録媒体50について説明する。図3に示すように、表示記録媒体50はシート状に形成されており、基板51と、基板51に挟まれた光感応性層である光導電層52、及び遮光層53、及び表示層54とから構成される。また、光導電層52は電荷発生層55、電荷輸送層56、電荷発生層55の各層をこの順に積層して構成される。
【0039】
ここで、この表示記録媒体50の具体的な作製方法の一例を挙げる。表示記録媒体50の基板51は、片面に酸化インジウム錫(ITO)電極を内側にそれぞれ備えたPETフィルム(東レ製ハイビーム)からなる。尚、表示記録媒体50の基板51としては、ガラスまたはプラスチック等を利用することができる。このうち、紙ハードコピーに近いフレキシブル性があり、ラフな取扱いにも耐えられる機械強度に優れる点でプラスチック材料を用いることが好適である。そのようなプラスチック基板として、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリカーボネート、ポリイミド等を材料とする基板が挙げられる。基板の厚みとしては、自己支持性やフレキシブル性、軽量性、重ねた時の厚みなどの点で75μmから500μm程度が好適である。
この表示記録媒体50の基板51上に光感応性層である光導電層52を形成する。まず、光導電層52を構成する層の一つである電荷発生層55としてベンズイミダールペリレン(BZP)を蒸着により0.08μm厚に形成する。次に電荷輸送層56としてビフェニルージアミン系材7.2%、ポリカーボネート ビスフェノールZ(ポリ(4,4’−シクロヘキシリデンジフェニレンカーボネート))10.8% モノクロロベンゼン82%の溶液をさらにモノクロベンゼンにより2倍に希釈し、これをスピンコートにより塗布することにより3μm厚の膜を形成する。そして、この上に、再び電荷発生層55としてBZPを0.08μm厚に形成する。
【0040】
さらに、この上に遮光層53として黒色樹脂BKR−105(日本化薬社製)をスピンコート法によって0.7μm厚に形成する。
【0041】
続いて、表示層54を形成し、反対側の基板を接着する。具体的には、この上に接着剤付の5μm径球状スペーサーハヤビーズL−25(早川ゴム社製)を湿式散布し、反対側の基板とする。反対側の基板として上記同様のITOを備えたPETフィルム基板上に、接着剤付の5μm径球状スペーサーハヤビーズLー25を湿式散布する。更に、ITOを備えたPETフィルム基板をITO膜がスペーサに接触するように密着させる。スペーサと基板を接着するため、110度に加熱して、30分間保持して表示層が空のセルを形成する。
【0042】
表示材料としては正の誘電率異方性を有するネマチック液晶E186(メルク社製)を72.3wt%、右旋性のカイラル剤CB15(メルク社製)を13.9wt%及び右旋性のカイラル剤CE2(メルク社製)を13.9wt%を混合したものに、更にチオール系UV重合高分子前駆体NOA65(ノーランド社製)を15wt%添加して調整した。上記混合物はグリーンの色光を選択反射する様に液晶とカイラル剤の割合が選択されている。
【0043】
そして、前記した表示層が空のセルの周囲を予め一方の基板に塗布したシール材によって一部の液晶注入部分を残して封止し、この注入口から上記液晶と高分子樹脂の混合物を加熱後に流動化して真空注入して、余剰液晶混合物を排出した後注入口を封止する。さらに、高圧水銀ランプをフィルタリングした25mW/cm2(365nm)のUV光を120秒照射して、表示層中の樹脂をUV重合させる。以上の工程により、表示記録媒体50が作製される。
【0044】
以下、画面情報複写装置20の具現化した一例を図4に従い、説明する。画面情報複写装置20の箱型ケース22の上面には矩形状の開口部23が設けられており、この開口部23に透明ガラス板24が嵌め込まれ表示窓25となっている。ケース22の中は上下2層に分割されており、このうちの下層は後述する表示記録媒体50を格納する格納部26となっている。格納部26の一端(図4の左端)には、表示記録媒体50を排出する排出口27が設けられ、この排出口27の近傍にはフィードローラ28が配置されている。そして、このフィードローラ28の駆動力によって格納部26の表示記録媒体50が1枚づつ取出可能となっている。
【0045】
一方、ケース22の上層には画像を表示する光出力デバイス44が設けられている。すなわち、この上層にはバックライト39等が設けられている。そして、前記透明ガラス板24の直下には表示記録媒体50の配置スペース29が設けられ、この配置スペース29の両端には搬送ローラ対30、31がそれぞれ設けられている。この搬送ローラ対30、31の近傍側壁には、表示記録媒体50の挿入口32、および排出口33が設けられている。
【0046】
ここで、前記格納部26から取り出した表示記録媒体50を、図4の矢印A方向から挿入口32へ挿入することにより、搬送ローラ対30の駆動力によって表示記録媒体50が前記配置スペース29に、前記透明ガラス板24と略平行に位置決めされるようになっている。この状態で、入力した情報に基づいて光出力デバイス44を制御し、表示記録媒体50に画像が形成される。この画像は、表示記録媒体50が配置スペース29にないときでも、表示窓25からその画像を見ることができる。また、表示記録媒体50を配置スペース29に位置決めした後で、光出力デバイス44に画像を形成するが、その画像が表示記録媒体50に露光されるようになっている。
【0047】
更に、表示記録媒体50は右側の搬送ローラ対31の駆動力によって、画像表示をした状態で排出口33から排出させることができるようになっている。このため、表示記録媒体50のみのハンドリングが可能となっている。
【0048】
以上のように構成された画面情報複写装置20の動作について、図5に基いて説明する。図5は画面情報複写装置10をPC10に接続して使用する場合の動作を順に表したフローチャートを示す。
【0049】
ステップ100において、ユーザーはPC10の画面上に表示した文書中の一部の情報を囲むようにマウス13を操作して、ポインタ14を移動することにより、必要とする情報を含む矩形領域を選択し範囲指定を行う。PC10には本発明の画面複写装置20専用のドライバーソフトが予めストールされており、ステップ101において、指定された領域の座標を検出して、ディスプレイメモリに格納された画像情報をビットマップ情報として読み出す。ステップ102において、この情報は、縦横の画素数などの付帯情報を含むヘッダー及びフッター情報に画像情報を挟んだ形でシリアルデータ列に変換され、画面情報複写装置20に転送される。転送された情報は、画面情報複写装置20の入力手段を介してデータ処理部22に送信される。そして、この送信された複写領域の画像データは、ステップ103において、データ処理部36のデータ演算回路36Aで一括露光ができるように、即ち、光出力デバイスの全画面に適合した表示ができるように画素数などの補間、間引きなどの演算が行われる。演算された情報は、ステップ104において、メモリ36Bに格納される。
【0050】
続いて、ステップ105において、ヘッダー及びフッター信号が、画像データの取得を知らせるトリガ信号として、光出力デバイス制御部38へ送られる。そして、光出力デバイス制御部38の駆動回路38Aが、前記データ処理部36のメモリ36Aから光出力デバイス用情報信号を読み出す。続いて、駆動回路38Aは、その光出力デバイス用情報信号に従って、光出力デバイス44の透過型LCD37及びバックライト39へ駆動信号及び点灯信号を供給する。ここで、バックライト39は一旦点灯すると設定された時間はOFF信号が来ない限り点灯を継続し、光書き込み画像を更新する度にON、OFFしないように設定されている。ステップ106において、光出力デバイス用情報信号が供給された光出力デバイス44は透過型LCD37及びバックライト39を駆動し、光出力デバイス44は光学パターンを出射する。よって、この光学パターンは表示記録媒体50の光導電層52に照射された状態になる。但し、この段階では表示記録媒体50の基板51の内面に形成された電極には電圧は供給されておらず、画像の複写は行われていない。
【0051】
上記表示記録媒体50への複写は、ステップ107において、PC画面のGUI(Graphical User Interface)上で複写したい表示領域の指定を確認するコマンドを選択した場合に行われる。尚、ステップ107において、複写領域の選択し直す等する場合には、ステップ100に戻り、上記のステップを順次繰り返すこととなる。画面情報複写装置20に複写領域が確定した旨の指示が送信されると、ステップ108において、所定の電圧印加手段43を介して表示記録媒体50の電極端子に所定の電圧(例えば、矩形波のバイアス電圧パルス)が印加される。このとき、図3に示す配置スペース29に表示記録媒体50が存在しないとき、表示窓25には光出力デバイス44に形成された画像が表示される。また、この画像を表示記録媒体50に露光する場合は、配置スペース29に位置決めしておく必要がある。すなわち、表示記録媒体50の格納部26からフィードローラ28を駆動して取り出した表示記録媒体50を挿入口32へ挿入(図4の矢印A方向)する。これにより、搬送ローラ対30が駆動しつつ、表示記録媒体50を配置スペース29に位置決めすることができる。
【0052】
所定の電圧が印加されると、ステップ109において、光学パターンに従った反射画像が表示記録媒体50の表示層54に記録される。詳細には、この電圧が印加(バイアス電圧パルスが供給)されると、光導電層52に光出力デバイス44からの露光パターンに応じたインピーダンス変化が誘起される。そして、このインピーダンス変化が誘起された光導電層52に積層した表示層54に、選択的に電圧が印加されている状態となる。この状態で、表示記録媒体50全体への電圧印加を終了し、光出力デバイス44による露光を終了する。露光が終了し、電圧印加を解除した表示層54には露光パターンに従って緑色の選択波長反射を示すプレーナ状態または光透過状態による背景色(ここでは黒色)を示すフォーカルコニック状態のコントラスト画像によって、PC画面上で選択した表示情報と同じ画像を反射画像として複写記録することができる。
【0053】
ステップ110に示すように、画像が記録された表示記録媒体50は、メモリ性を有し、電圧印加用の端子をはずしても画面情報複写装置20本体から切り離された状態で、無電源でその表示内容を維持することができる。なお、図4に示すケース22には複数枚の表示記録媒体50が準備されているので、複数枚の表示記録媒体50に同内容の画像を表示させることや、複数枚に亘って1文書を作成することも可能である。そして、これらの表示記録媒体50は書換えが可能、すなわち再利用が可能であることから、環境負荷が低いという利点もある。
【0054】
尚、上記動作はシーケンシャルに行われるが、実際の操作においては、ユーザーがPC画面上を選択したと同時にその領域の表示情報が光出力デバイス44に送信され、光照射が行われており、領域を選択し直すたびに光出力デバイス44の光学パターンはリアルタイムに更新されている。従って、最終的に、複写を指示するコマンドが送信されると同時に、ユーザーは指定した画像が複写された表示記録媒体50をほぼ瞬時に手にすることが出来る。もちろん、複写後の表示記録媒体50を画面情報複写装置20本体から切り離さない状態で、再度光学パターンの照射と駆動電圧の印加を行うことで、実際の複写画像を確認しながら何度でも表示を書換えて、画像を取り直す事もできる。
【0055】
上記したように、画面情報複写装置20を用いることで、モニタ画面、LCD等電子ディスプレイに表示された情報の任意の一部または全部を、表示記録媒体50に記録することがきる。そして、表示記録媒体50がメモリ性を有することから、表示後の表示記録媒体50単体を、紙ハードコピーのごとく無電源状態で別の場所に持ち運んだり、目につく場所に掲示したりすることができる。また、表示記録媒体50上に表示している情報が不要となった場合に、一度画像を書込んだ使用済みの情報が複写された表示記録媒体50を、再び画像情報記録装置40にセットし、画面情報複写装置20を繰り返し作動させることで新たな表示情報を繰り返し複写し直すことができる。即ち、同じ表示記録媒体50の表示を何度も書換えることができる。従って、短時間で表示記録媒体50を廃棄する必要はなく、環境負荷の低下を図ることができる。また、画像等を表示する媒体として、この表示記録媒体50を用いることで、インク等を必要としなくとも、画像維持性に優れたカラー表示が可能となる。更に、2次元マイクロレンズアレイ41を用いることで、LEDから出射された光学パターンの光を集光することができ、表示記録媒体50に記録される画像等のボケ、ぶれを防止し、光出力デバイス44の透過型LCD37に表示された画像等と略同等の解像度の画像等を得ることができる。
【0056】
上述の実施の形態においては、光出力デバイス44の光学パターンを出射面として透過型LCD37を用いたが、CRT(Cathode Ray Tube)や蛍光表示素子、プラズマ発光素子、EL発光素子、LED発光素子などを2次元的に配列した自発光型のもの等他のものを用いることもできる。
【0057】
表示記録媒体に画像等を表示、記録させるに際し、光出力デバイスから出射される光学パターンの光の指向性がある程度高い場合は、光書込手段と表示記録媒体とをできるだけ近接させて直接照射することも可能である。
【0058】
ところが、出射する光の指向性が低く、拡散光である場合は、受光面での光学像がボケるため、前記ディスプレイと導光性を有するファイバープレートや結像光学系などを組合わせて、出射光をメモリ性を有する表示記録媒体に導く方が好ましい。そのため、上記した実施の形態では、透過型LCD37の上部に2次元マイクロレンズアレイ25を配置した。
【0059】
しかし、このようにレンズを設ける場合、上記実施の形態に限られず、結像光学系として単レンズを用いることもでき、また、他の微小なレンズを2次元的に配列し結像光学系を用いることもできる。
【0060】
結像光学系として単レンズを用いる場合は、コストが低くすむものの、レンズ周辺部の収差や焦点距離が長くなる欠点がある。一方、微小なレンズを2次元的に配列した結像光学系を用いる場合は、レンズ加工コストが高くなるが、収差の影響が少なく、焦点距離も短いため、装置の薄型化が容易になる。
【0061】
また、光出力デバイス及び表示記録媒体のサイズが比較的小さい場合は、単レンズの使用が有利である。一方、これらのサイズがある程度大きい場合は、レンズアレイの使用が有利である。尚、両者は具体的な装置の設計段階で適宜選択することができる。
【0062】
上記した2次元に配列した結像光学系の具体例としては球面屈折型もしくは、屈折率分布型のマイクロレンズや、ゾーンプレート、フレネルレンズなど回折現象を利用したレンズを2次元に配置し、レンズ間を遮光材料で充填した平面状のものを用いることができる。これらのレンズプレートは、1枚もしくは複数枚積層した構成としても良い。回折格子は半導体製造プロセスを使ったマルチレベルグレーティングによって形成されたいわゆるバイナリレンズでもよい。但し、上記のタイプのレンズは、少なくとも2層以上空間的に直列に組合わせて等倍の正立像を得る必要がある。また、上記の他にやはりレンズ間を遮光材料で形成した屈折率分布型のロッドレンズの2次元アレイを用いても良く、この場合は単板で等倍正立像を得ることができる。レンズの材質としてはガラス、プラスチックともに利用可能であるが、ガラス製のものは光学的な透明性や、加工精度や加工後の変形が少なく結像性能の劣化が少ない利点がある。一方、プラスチック製のものは装置全体の重量を軽量化する上で好ましい。
【0063】
また、先に述べた実施の形態における光書込手段の光出力デバイスでは、LEDと別個に2次元の結像光学系である2次元マイクロレンズアレイを設けたが、図6に示すように、レンズ一体型のLED素子を2次元に配列することもできる。図6に示す35は、本発明の他の実施の形態に係る光出力デバイスを示す。光出力デバイス45は、透過型LCD37と、照明装置47から構成される。照明装置47は、レンズ一体型のLED素子である高輝度LED(指向角が±5°、中心波長660nm)36を2次元状に配列して形成される。即ち、本実施の形態では、透過型LCD37のバックライト39の代わりにこの照明装置47をバックライトとして設けたものである。
【0064】
本実施の形態によれば、結像光学系のレンズがない分だけ装置全体が簡易な構成になり、また、薄型化が可能になる。また、透過型LCD37を透過してくる光学パターンの光の指向性が強いため、透過型LCD37から表示記録媒体50まで、基板51の厚さ程度の距離が離れていても投影される画像がボケることなく、透過型LCD37の解像度に略等しい高解像度の画像を表示記録媒体50に書込むことができる。
【0065】
次に、表示記録媒体についても、上述したものに限られるものではなく、種々の材料を用いて形成することができる。図7に示すように、表示記録媒体60の表示層61の表示材料として、マイクロカプセルコレステリック液晶を用いることもできる。この表示記録媒体60の表示層61以外の構成は、上記した表示記録媒体50の構成と同様であるので、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0066】
本実施の形態における表示層61は、表示材料としてマイクロカプセルコレステリック液晶を用いたものであり、一立の電極基板上に、このマイクロカプセルコレステリック液晶を含む塗布液を塗布することにより形成されるものである。
【0067】
以下、マイクロカプセルコレステリック液晶の詳細な作製方法を説明する。
【0068】
正の誘電率異方性を有するネマチック液晶E186(メルク社製)を72.3wt%、右旋性のカイラル剤CB15(メルク社製)を13.9wt%および右旋性のカイラル剤CE2(メルク社製)を13.9wt%を混合する。そして、これを加熱溶解し室温に戻して緑色光を選択反射する表示用の液晶材料を得た。この液晶材料に1グラムにキシレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの付加物(武田薬品工業(株)製D−110N)を0.3グラムと酢酸エチル10.0グラムを加えて均一溶液とし油相となる液を調整した。一方、ポリビニルアルコール(ポバール217EE、クラレ社製)1グラムを熱したイオン交換水10.0グラムに加えて攪拌後放置冷却することにより水相となる液を調整した。次に前記油相を前記水相中に乳化分散して、水相中に油相液滴が分散した水中油エマルジョンを調整した。この水中油エマルジョンを60℃の恒温槽にて2時間攪拌し、界面重合反応および脱溶剤を終了させて液晶マイクロカプセルを形成した。得られたマイクロカプセル分散液を遠心分離器にかけて上澄みを除き少量のポリビニルアルコール水溶液を含んだマイクロカプセル粗生成物を得た。得られたマイクロカプセル粗生成物に10wt%のポリビニルアルコール水溶液を4グラム加えることにより塗布液を調整した。上記塗布液をエッジコータで湿潤膜厚125μmとなるように上記した実施の形態と同様のPETフィルム基板の有機光導電層、遮光層を積層した媒体に塗布し、シート状の表示記録媒体を作製した。上記表示層の塗膜を室温で乾燥させた。尚、乾燥時の液晶層の膜厚は約25μmであった。上記のように作製したマイクロカプセルコレステリック液晶表示層の非画像部分である周囲にラミネート接着剤による接着領域を設けてITO電極付きPET基板を載せ、ラミネートする。
【0069】
また、上記した2つの実施の形態においては、光感応性層として光導電性材料を使用して、光導電層を形成したが、これに限定されるものではなく、以下に述べる材料を用いて光感応性層を形成することもできる。そこで、この光感応性層に適用可能な材料について詳細に説明する。
【0070】
光感応性層の材料として、光によって直接発色反応が起こるフォトクロミズム材料、光導電性材料を用いることができる。前者の場合、即ち、フォトクロミズム材料を使用する場合は、光感応性層と表示層が兼用でき、媒体の構成を簡略化できるという長所がある。しかし、書き込み光以外の波長光による消色が起こりやすいため、画像の安定性に欠けるという欠点がある。
【0071】
一方、後者の場合、即ち、光導電性の材料を使用する場合は、露光によるインピーダンス変化を利用することから、電圧を印加しているときのみ表示層に影響を及ぼし、記録された画像の維持性の上では好ましい。
【0072】
そのような光導電材料として、セレン、アモルファスシリコン、酸化亜鉛、BSO等の無機系光導電材料又は有機系光導電材料を用いることができる。このうち、特にアモルファスシリコンを用いた場合は人体への安全性が高く、両極性のキャリアが発生すること、キャリアの移動度も高いことから好ましい。また、有機系光導電材料を用いた場合には、シート状表示記録媒体としてフレキシブル基板への適性が良好であるとともに、製造工程に高温の熱処理や時間のかかるプロセスを必要としないためより好ましい。
【0073】
そのような有機系光導電材料として、電子写真プロセスに用いる感光体として用いられている材料を用いることができる。有機系光導電材料には電荷発生と電荷輸送を同時に行う材料も適用できるが、一般的には電荷発生層と電荷輸送層に機能分離された構成のものが良好な光感度特性を示すため多用されている。具体的に電荷発生層を構成する電荷発生層材料としては、ペリレン系、フタロシアニン系、ビスアゾ系、ジチオピトケロピロール系、スクワリリウム系、アズレニウム系、チアピリリウム・ポリカーボネート系等の光照射により電荷が発生するものが適用可能である。尚、電荷発生層の作製方法としては、真空蒸着法やスパッタ法などドライな膜形成法のほか、溶剤やあるいは分散材を用いてのスピンコート法、ディップ法などが適用可能である。
【0074】
続いて、電荷輸送層を構成する電荷輸送材料としては、トリニトロフルオレン系、ポリビニルカルバゾール系、オキサジアゾール系、ピラリゾン系、ヒドラゾン系、スチルベン系、トリフェニルアミン系、トリフェニルメタン系、ジアミン系などが適用可能である。また、LiClO4を添加したポリビニルアルコ−ルやポリエチレンオキシドのようなイオン導電性材料の適用も可能である。尚、電荷輸送層の作製方法としては、電荷発生層の作製方法と同様に、真空蒸着法やスパッタ法などドライな膜形成法のほか、溶剤やあるいは分散材を用いてのスピンコート法、ディップ法などが適用可能である。
【0075】
また、有機系光導電材料を用いて光感応性層を形成する場合は、上記した電荷発生層と電荷輸送層をそれぞれ1層づつ積層した形態で、光導電性を得る事ができるが、少なくとも、電荷発生層、電荷輸送層、電荷発生層の各層をこの順に積層してなる場合は表示層への交流電圧の印加が可能になり、表示層として汎用的な液晶材料を用いることが出来るため望ましい。従って、上記した実施の形態においては、電荷発生層、電荷輸送層、電荷発生層の各層をこの順に積層する構成とした。これに加え、中央の電荷輸送層中に電荷発生層を作製し、電荷発生層、電荷輸送層、電荷発生層、電荷輸送層、電荷発生層の構成も適用可能である。
【0076】
また、表示層に用い表示材料についても上記した実施の形態に用いられものに限定されるものではなく、他の材料を用いることも可能である。以下、表示層に適用可能な材料について説明する。上記の光感応性層に光導電材料を用いた場合、表示層の材料として、電界応答性の表示材料、または電流応答性の表示材料が利用できる。電界応答性の表示材料として、ネマチック、スメクチック、カイラルスメクチックC相等の強誘電液晶、ディスコチック、コレステリック系等の液晶を含む表示素子、電気泳動を利用した表示素子、電気浸透を利用した表示素子、2色に塗り分けられた粒子の回転を利用した表示素子、電界応答性のフレーク配向を利用した表示素子などが適用可能である。
【0077】
これらの表示材料は系全体をマイクロカプセル内に封入し、そのマイクロカプセルをバインダーに分散させて表示層を構成しても良い。この場合は、表示層の形成を塗布プロセスで行え、表示層形成後の耐機械特性にすぐれる等の長所があり、シート状表示記録媒体を構成する上でより好ましい。また、液晶系材料は高分子中に分散したものや、液晶中に高分子を若干混合した物、または液晶そのものが高分子化したものも利用できる。
【0078】
一方、電流応答性の表示材料として、エレクトロクロミー現象を発現する無機または有機系の表示材料を用いることもできる。
【0079】
上記の表示材料の中で、特に電気泳動や2色粒子の回転を利用した表示素子、またはスメクチック液晶、カイラルスメクチックC相等の強誘電液晶、あるいはコレステリック液晶等を基本とした表示材料は、表示のメモリー性を有しており、電圧印加後もバッテリーを必要とせずに表示内容を維持することが出来る。従って、画面情報複写装置から切り離しても、シート状表示記録媒体単体を持ち運ぶ等することができ、特に好適である。
【0080】
また、特にコレステリック液晶を主体とする表示素子は、偏光板やカラーフィルターを必要とせずに、選択波長反射特性を利用して、高い反射率のカラー表示を行う事が出来るため、これも特に好適である。コレステリック液晶の選択反射表示を利用してカラー表示を行う場合は、コレステリック液晶層の下地として光吸収層を設けることで、より反射光の視認性が高まる。このような光吸収層としてはLCDのブラックマトリクスなどに使われるフォトレジスト材料などを用いることができる。
【0081】
尚、上記した実施の形態においては、コンピュータ用のモニタ画面の画像等を選択する手段の一例としてマウスを挙げたが、他の例としてキーボード、トラッキングボール、トラックパッド及びペン型ポインティングデバイスなどのコンピュータに接続された汎用の入力デバイスも挙げられる。そして、これらを用いて画面上の複写したい領域を、カーソルもしくはペンデバイスで直接画面上を指示することもできる。選択される表示情報は、上記入力デバイスで指示された矩形領域や任意形状で囲む方法でも良く、また、コンピュータ上でマルチウインドウシステムが動作している場合は、任意のウインドウのみをアクティブ状態として選択する方法でも良い。更に、複写したい表示情報を集める専用のエリアを画面上に用意し、そこに上記マウスカーソルなどで選択してコピーした文書中の任意の文字列や画像データを貼り付け、複写したい表示情報を構成しても良い。
【0082】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明によれば、モニタ画面等電子ディスプレイに表示された任意の情報の一部または全部を、携帯性に優れ、環境負荷が低く、また、何度でも書換え可能な表示記録媒体に記録させ、表示させることができる。また、表示された画像のボケ、ブレを防止し、上記画面と略同等の解像度の画像情報を複写することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る画面情報複写装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る画面情報複写装置の構成を示す概略構成図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係るの表示記録媒体の断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係る画面情報複写装置の概略構成を示す断面図である。
【図5】 本発明の画面情報複写装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】 本発明の他の実施の形態に係る光出力デバイスの断面概略構成図である。
【図7】 本発明の他の実施の形態に係る表示記録媒体の断面図である。
【符号の説明】
20 画面情報複写装置
21 入力ポート
36 データ処理部
37 透過型LCD
38 光出力デバイス制御部
39 バックライト
41 2次元マイクロレンズアレイ
43 電圧印加手段
44 光出力デバイス
50 表示記録媒体
52 光導電層
54 表示層
55 電荷発生層
56 電荷輸送層
Claims (8)
- 入力され、かつ画像及びテキスト情報の一部または全部からなる情報を光出力デバイス用情報信号に変換処理するデータ処理部と、
前記光出力デバイス用情報信号に基づいて画像を露光可能な光学パターンとして出射する光出力デバイスと、
前記光出力デバイスを収容すると共に、前記光出力デバイスの光学パターン出射側に設けられ、かつ光感応性層とメモリ性を有する書換え可能な表示層とを備え光学パターンを受光することにより可視的な画像を記録できるシート状の表示記録媒体を配置する配置スペース、および前記配置スペースに前記表示記録媒体が配置されていないときには前記光出力デバイスから出射された光学パターンの視認が可能で、かつ前記配置スペースに前記表示記録媒体が配置されているときには前記光出力デバイスから出射された光学パターンによって前記表示記録媒体に記録された画像の視認が可能な表示窓を備えたケースと、
前記光出力デバイスを駆動制御する光出力デバイス制御部と、
を含む画像情報複写装置。 - 入力され、かつ画像及びテキスト情報の一部または全部からなる情報を光出力デバイス用情報信号に変換処理するデータ処理部と、
前記光出力デバイス用情報信号に基づいて画像を露光可能な光学パターンとして出射する光出力デバイスと、
前記光出力デバイスの光学パターン出射側に設けられ、光感応性層とメモリ性を有する書換え可能な表示層とを備え光学パターンを受光することにより可視的な画像を記録できるシート状の表示記録媒体の載置が可能であって、前記表示記録媒体が載置されていないときには、前記光出力デバイスから出射されて透過した光によって光学パターンが視認可能で、かつ前記表示記録媒体が載置されているときには、前記光出力デバイスから出射された光学パターンによって前記表示記録媒体に記録された画像の視認が可能となる透明支持プレートと、
前記光出力デバイスを駆動制御する光出力デバイス制御部と、
を含む画像情報複写装置。 - 前記光出力デバイスは、LCDと、指向性を持ったバックライトと、を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の画面情報複写装置。
- 前記バックライトは、LEDと、該LEDから出射された光を集光するレンズと、を備えたことを特徴とする請求項3記載の画面情報複写装置。
- 前記バックライトは、レンズ一体型のLED素子を2次元に配列したアレイ光源から構成されたことを特徴とする請求項3記載の画面情報複写装置。
- 前記表示記録媒体が、一対の透明電極に挟まれ、少なくとも光導電性層とメモリ性を有する表示層を積層した媒体であり、
前記表示記録媒体の電極に電圧を印加するための電圧印加手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画面情報複写装置。 - 前記表示記録媒体の表示層は、コレステリック液晶を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の画面情報複写装置。
- 前記表示記録媒体の光感応性層は、有機材料からなる電荷発生層と電荷輸送層と電荷発生層が少なくともこの順番で積層したことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の画面情報複写装置。
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