JP4206648B2 - 画像転写方法及び画像転写装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、用紙などの片面もしくは両面に記録されている原稿の画像を、光の照射と電圧の印加とによって画像が可視的かつ消去自在にメモリされる光透過性の電子媒体に転写することにより画像をメモリする画像転写方法及び画像転写装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷物等の原稿画像を転写・複写する代表的な装置として、原稿画像を照明し、その原稿画像の反射光を結像光学系により、帯電した光導電性誘電体表面に直接結像させ、その誘電体表面に静電潜像を形成し、その静電潜像を誘電体とは逆極性に帯電、或いは、電荷注入した着色粉体等を用いて顕像化するアナログ方式の電子写真プロセスが一般的に知られている。
【0003】
今日では、イメージセンサーとレーザー露光装置等を用い、その間の信号をデジタル化して画像処理を施すことにより高画質化を図ったディジタル方式の電子写真プロセスが急速に普及しているとはいえ、アナログ方式の電子写真プロセスは、ディジタル方式の電子写真プロセスと比べ、複雑な画像処理やメモリ等を必要としないことから、高精細な画像を安価、かつ高速度で転写媒体に転写することができるというメリットがある。
【0004】
このメリットは、原稿画像を照明してから原稿画像の反射光を光導電性誘電体表面に結像させるまですべて光学系で繋がった直接的なプロセスとなっていることに起因するものである。
【0005】
この直接的なプロセスの特徴を最大限に生かした転写装置としては、例えば特開昭61−42631号公報や特開昭61−264331号公報に、文書像が受光装置上完全な全体的潜像として形成される全フレーム型複写機が開示されている。
【0006】
開示されたこれらの転写装置は、結像光学系に2次元的なレンズアレイを用い、プラテン上の文書原稿を2次元的に均一露光し、原稿全体を一括して、光導電性誘電体表面に結像しているので、瞬間的に潜像形成を行うことができるという利点がある。
【0007】
しかし、上述したアナログ方式の電子写真プロセスにおいても、最終的には露光によって形成された誘電体上の静電潜像に、帯電若しくは電荷注入した着色粉体を付着させ、それらを紙面上に転写するとともに定着してハードコピーとしての複写画像を得ているので、装置全体のサイズを手に持てる程度にまで小型化することは困難である。また、2次元的に均一露光することにより瞬間的に静電潜像を形成しても、着色粉体による顕像化プロセスが必要であるため、複写画像を瞬時に入手することは不可能である。
【0008】
一方、上記電子写真プロセスとは別に、2次元的イメージセンシング機能と表示機能とを一体的に備えた画像読取表示装置が、特開平5−276313号に開示されている。
【0009】
開示されたこの画像読取表示装置は、マトリックス電極間に強誘電液晶を封入し、2次元的均一露光光を原稿画像に照射し、その反射光の光量分布を一方のマトリクス電極に形成した光電変換膜の抵抗分布に変換するとともに、マトリックス電極により画素化された強誘電液晶層を分極反転させることにより画像表示し、同時に強誘電液晶層の分極電流分布を検出して原稿画像のディジタルデータを得るもので、原稿画像に照射した反射光を直接、画像表示に反映させているため、原稿画像の複写画像を瞬間的に得ることができる。また、原稿画像から読み取ったディジタルデータは、加工性に優れている。
【0010】
しかし、イメージセンシング機能を併せ持つ表示部はマトリックス電極により画素化されているため、複写できる画像の解像度は、マトリックス電極に依存するので制約がある。さらに、アナログ電子写真方式における複写機のように、単に画像の複写だけを目的とする場合には、マトリクス電極の形成や加工、およびマトリックス電極を駆動する回路等が必要となる分、装置が複雑化し、高コストとなる。
【0011】
また、表示部と読取部とは一体化されているので1度に表示できる転写画像は表示画面1枚分に限られるという制約があり、紙を用いるハードコピーのように、手軽に持ち運んだり、複写画像を複数枚並べて閲覧する等の使い方ができない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑み、薄くて軽くて携帯に便利な電子媒体に、片面もしくは両面プリントされた原稿から画像を瞬間的に転写してメモリすることにより、紙を用いたハードコピーと同様の複写物を作成することができ、しかも書き換えることにより何度でも再利用ができる画像転写方法及びその方法を用いた画像転写装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明の画像転写方法は、画像を表わす光の照射と電圧の印加とによって該画像が可視的かつ消去自在にメモリされる光透過性の電子媒体に、光反射率分布による画像が記録された原稿を近接もしくは接触させて配置し、該電子媒体の該原稿が配置された側の面とは反対側の面に光を照射するとともに、該電子媒体に、該原稿からの反射光の光量分布に基づく画像がメモリされるように調整された電圧を該電子媒体に印加することを特徴とする。
【0014】
ここで、上記電子媒体を透過する透過光の光量のみでは該電子媒体への画像のメモリは発生せずに、該透過光に前記原稿での反射光が加わることにより該反射光の光量分布に応じた画像がメモリされるように調整された電圧を該電子媒体に印加することが好ましい。
【0015】
また、上記電子媒体に所定の初期化電圧を印加することにより該電子媒体にメモリされた画像を消去し該電子媒体を初期化することが好ましい。
【0016】
さらに、上記電子媒体は、1組の光透過性部材からなる電極の間に、メモリ機能を有する表示層と光導電部材からなる光導電層とを積層したものであって、該電子媒体の、該光導電層側の面に、上記原稿を近接もしくは接触させて配置し、該光導電層側の面とは反対側の、上記表示層側の面に光を照射することも好ましい態様である。
【0017】
上記の目的を達成する本発明の画像転写装置は、画像を表わす光の照射と電圧の印加とによって画像が可視的かつ消去自在にメモリされる光透過性の電子媒体と、上記電子媒体に電圧を印加する電圧印加手段と、上記電圧印加手段による該電子媒体への印加電圧を調整する電圧調整手段と、光源とを備え、上記光源は、上記電子媒体の、光反射率分布による画像を記録した原稿が近接もしくは接触して配置された側の面とは反対側の面に光を照射するものであり、上記電圧調整手段は、上記電子媒体に、上記原稿からの反射光の光量分布に基づく画像がメモリされるように該電子媒体に印加する電圧を調整するものであることを特徴とする。
【0018】
ここで、上記電圧調整手段は、上記電圧調整手段は、上記電圧印加手段による上記電子媒体への印加電圧を、該電子媒体を透過する透過光の光量のみでは該電子媒体への画像のメモリは発生せずに、該透過光に前記原稿での反射光が加わることにより該反射光の光量分布に応じた画像が該電子媒体にメモリされる電圧に調整するものであることが好ましい。
【0019】
また、上記電圧調整手段は、上記電子媒体の初期化にあたり、上記電圧印加手段による上記電子媒体への印加電圧を所定の初期化電圧に調整することにより、該電子媒体にメモリされた画像を消去し該電子媒体を初期化するものであることが好ましい。
【0020】
ここで、上記電子媒体は、1組の光透過性部材からなる電極の間に、メモリ機能を有する表示層と光導電部材からなる光導電層とを積層したものであって、上記光源は、該電子媒体の、上記原稿が近接もしくは接触して配置される側の面とは反対側の、上記表示層側の面に光を照射するものであることが好ましい。
【0021】
また、上記電子媒体は、上記表示層にカイラルネマチック液晶を含むものであることが好ましい。
【0022】
また、上記電子媒体は、前記表示層にマイクロカプセル化した液晶を含むものであることが好ましい。
【0023】
また、上記電子媒体は、上記表示層と上記光導電層との間に該光導電層と一体形成され、該光導電層と共通の複数の貫通孔を有する遮光層を積層したものであって、上記光源は、上記原稿の画像記録面を接近させて配置した該電子媒体の上記光導電層が積層された側の面とは反対側の上記表示層が積層された側の面に向けて光を照射するものであることが好ましい。
【0024】
また、上記電子媒体は、上記光導電層にキャリヤを発生する有機材料で形成された電荷発生層と該キャリヤを運ぶ有機材料で形成された電荷輸送層とを有するものであることが好ましい。
【0025】
さらに、上記電子媒体は、上記光導電層に電荷発生層、電荷輸送層および電荷発生層からなる構造を含むものであることも好ましい態様である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態について説明する。
【0027】
図1は、本発明の実施形態の画像転写方法を示す概略図である。
【0028】
図1に示す画像転写方法は、画像を表わす光の照射と電圧の印加とによって画像が可視的かつ消去自在にメモリされる光透過性の電子媒体5と、所定のパルス電圧を印加する電圧印加手段7、および印加するパルス電圧を調整する電圧調整手段8を有する電源部6と、電子媒体5に光を照射する光源9とを用い、光源9から照射される光10と、その光10が原稿12で反射した反射光13と、電圧印加手段7から印加するパルス電圧とにより原稿12の画像を電子媒体5にメモリする方法である。
【0029】
ここで、電子媒体5は、1組の光透過性部材からなる電極3と、メモリ機能を有する表示層1と、光導電性部材からなる光導電層2とからなり、電極3の間に表示層1と光導電層2とが積層された構成となっているが、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、光の照射と電圧の印加により画像が可視的かつ消去可能にメモリされる構成のものであればよい。
【0030】
本実施形態の画像転写方法を用いて原稿の画像をメモリするためには、光源9から電子媒体5に光10を照射するとともに、電圧印加手段7から電子媒体5に電圧を印加し、電圧調整手段8は、その照射された光10が電子媒体5を透過する透過光の光量だけでは電子媒体5の反射率が変化しないように、電圧印加手段7から電子媒体5に印加される電圧をしきい値範囲内に調整する。
【0031】
次に、光反射率分布により画像が記録された、例えば光反射性記録媒体に光吸収性色材を用いてプリントした原稿12をその画像記録面13が、電子媒体5の光導電層側の面に接近もしくは接触させて配置し、電子媒体5の、原稿が配置された側とは反対側の表示層側の面に光源9から光を照射しながら、調整された電圧を電子媒体5に印加する。すると、電子媒体5は、照射された透過光のほかに、その透過光が原稿12の画像記録面13で反射する反射光にも照射されるので、両者を併せた光量により電子媒体5の反射率が変化し、画像記録面13の反射光の光量分布に基づく画像が電子媒体5にメモリされる。
【0032】
メモリされた画像は、電圧印加手段2からその電子媒体5を取り外した状態においてもそのまま目読可能な状態で保持される。
【0033】
メモリされた画像を消去して電子媒体5を初期化するときは、電子媒体5に所定の初期化電圧を印加すればよく、初期化された電子媒体5に新たな画像をメモリすることができるので、電子媒体を何度でも再利用することができる。
【0034】
ここで、原稿12は、光反射性記録媒体、例えばコピー用紙に、光吸収性色材、例えばトナーなどを用いて文字や図形などの画像をプリントしたものであっても、また、逆に光吸収性記録媒体に光反射性色材でプリントしたものであって、光量分布率による画像が記録されたものであればよい。また、用紙などの両面に画像がプリントされているものであっても構わないが、転写する画像記録面13を電子媒体5に接近もしくは接触させて配置する。
【0035】
電圧調整手段7は、電圧印加手段7から電子媒体5に印加される電圧を調整する代わりに、電子媒体5に光を照射する光源9の光量を調整することにより、後述するように電圧印加手段7から電子媒体5に固定的に印加される電圧を所定のしきい値範囲内となるようにすることもできる。
【0036】
図2は、電子媒体の透過光の光量と印加する電圧との関係を示す模式図である。
【0037】
図2において縦軸は、電子媒体にメモリされた画像の反射率をあらわし、横軸は、電子媒体に印加する電圧をあらわしている。
【0038】
図2は、横軸に印加電圧、縦軸に電子媒体にパルス電圧を印加したメモリ状態における反射率を表した模式図である。
【0039】
図中の実線は、電子媒体に照射される光量をE1からE2に増加させたときに、電子媒体にメモリされた画像の反射率が電子媒体に印加する電圧によってどのように変化するかをあらわす傾向曲線である。
【0040】
傾向曲線は、印加電圧が小さいときは反射率が高い状態のまま推移するが、印加電圧を次第に大きくし、一定の電圧を越えると反射率が急激に低下する。さらに印加電圧を大きくしても反射率が低く光の透過状態がしばらくの間続くが、印加電圧がしきい値に達すると、反射率が急激に高くなる。そして、しきい値を越えた印加電圧に対しては反射率の高い状態がそのまま持続される。
【0041】
しきい値電圧は、光量のよって変化し、光量が多いと小さくなる。
【0042】
図においては、光量がE1のときはVfp1と高いが、光量が増加してE2となるときはしきい値電圧はVfp2と小さくなる。しきい値電圧より印加電圧が高いと、反射率が高いプレーナ状態23となり、逆に、しきい値電圧より印加電圧が低いと、反射率の低いフォーカルコニック状態24となる。
【0043】
したがって、電子媒体の透過光の光量がE1であり、透過光が原稿の画像記録面で反射した反射光により電子媒体が照射される光量と透過光の光量E1とを加えた合計光量をE2とすれば、電子媒体に印加する電圧範囲をVfp1からVfp2までの間のVdrvに調整することにより、電子媒体にメモリされる画像のコントラストが高い、鮮明な状態の画像を得ることができる。
【0044】
また、メモリされた画像は、フォーカルコニック状態24となる電圧を印加することにより消去し、電子媒体を初期化することができる。
【0045】
なお、画像を転写するときに原稿に到達する透過光は、電子媒体で吸収された残りの光となるので、電子媒体の光感度に合わせて、光源から電子媒体に照射される光量を最適化する必要がある。光量が強すぎたり、弱すぎたりすると原稿を電子媒体に密着させて配置したとしても、画像がメモリされる表示層全体が光学的に同じ状態となるので、原稿の画像は転写されない。
【0046】
上述したように、本発明の画像転写方法によれば、メモリ機能を有する表示層と光導電層などからなる電子媒体の光導電層側に印刷物等の原稿を配置し、電子媒体の、原稿を配置した側と反対側の表示層側から電子媒体を一様に照明すると、電子媒体を透過した一部の光が原稿の画像で反射し、光反射率分布によるその反射光が、一様な透過光に重畳した形で光導電層を照射するので、原稿からの反射光の光反射率分布に基づく画像がメモリ機能を有する表示層にメモリされる。
【0047】
したがって、電子写真方式の複写機のように、着色紛体等の着色材料によって顕像化したり、結像光学系等の光学部品を必要とせずに原稿の画像を電子媒体にメモリすることができる。
【0048】
次に、本発明の画像転写装置の実施形態について説明する。
【0049】
図3は、本発明の第1の実施形態の画像転写装置の概略構成図である。
【0050】
図3に示す画像転写装置は、1組の光透過性部材からなる透明な電極3の間にメモリ機能を有する表示層1と光導電部材からなる光導電層2とを積層した光透過性の電子媒体5と、所定のパルス電圧を印加するパルス電源15と、パルス電源から印加されるパルス電圧を調整する電圧調整手段16とを有する電源部14と、電子媒体5に光10を照射する光源17とにより構成される。
【0051】
電子媒体5の光導電層側に、転写する画像が記録されている原稿12の画像記録面13を接近させて配置し、光源17を点灯させて、原稿12を配置した側とは反対側の電子媒体5の表示面を均一に照射するとともに、パルス電源15の電圧調整手段16により調整されたパルス電圧を電子媒体5に印加することにより、電子媒体5は原稿12の画像を表示層にメモリする。
【0052】
ここでは、電子媒体は、必ずしも表示層1と光導電層2とを積層した構造のものに限定されるものではなく、画像を表わす光の照射と電圧の印加とによって画像が可視的かつ消去自在にメモリされる透過性のものであればよい。
【0053】
本実施形態の画像転写装置により画像をメモリするときには、電子媒体5の一組の透明の電極3と電源部14とを接続する必要がある。
【0054】
電源部14との接続は、画像をメモリしたり、書き換えるときに必要となるものであり、画像がメモリされた後は、電子媒体5を電源部14から容易に切り離すことが可能であり、また、画像の書き換えが必要なときは簡単に接続できる構成となっている。
【0055】
電子媒体5には、一組の透明な電極3と導通をとった2箇所の電極引きだし部(銅テープ)18があり、電源部14には、電子媒体5の2箇所の電極引きだし部18を一定の押し付け力で接触するように挟み込むクリップ状の電極端子部19が取り付けてあり、電子媒体5と、電源部14とはそれらの電極引きだし部18と電極端子部19とで挿着したり、脱着したりすることができる。ただし、この構造に限定されるものではなく、電子媒体5と電源部14とを接断することができる構造であればよい。
【0056】
光源17は、側端に冷陰極管20を備え、出射光の光量を均一化する拡散シートが光の出射面側に貼り付けられた透明導光板21と、冷陰極管20を点灯する発光パルス幅調整機能付インバーター装置(図示しない)から構成された面状の発光源であり、その光源17を電子媒体5の表示層1側に密着させて配置し、電子媒体5の表示層側とは反対側の光導電層側に原稿を近接もしくは接触させた状態で光源17から光が照射されるようにする。ただし、光源17はこの構成に限定されるものではない。
【0057】
ここで、光源は、必ずしも密着させる必要はなく、必要な光量の光が均一に照射されるようにすればよい。
【0058】
この状態で電源部14に設けられたスタートボタン22を押すことにより、電圧調整手段16は、例えば光源17を点灯させ、50ms遅れてパルス電源15から10Hzの矩形波パルス電圧を供給することができる。このパルス電圧は1周期分の100ms間印加され、その100ms間印加された後には光源17が消灯されるようにタイミングを制御することもできる。
【0059】
さらに、電圧調整手段16は、光源17から電子媒体5に光が照射されるタイミングと同期させて、電子媒体5に必要なパルス電圧が印加されるようパルス電源部15を制御するとともに、電子媒体5にまだ原稿が重ねられていない状態で光源17から光10を照射し、電子媒体5を透過する透過光の光量だけでは電子媒体の反射率が変化しないように、パルス電源部15から電子媒体5に印加されるパルス電圧がしきい値範囲内となるように調整することもできる。
【0060】
印加されるパルス電圧は、AC電源からの電圧をもとに変圧や、波形の整形を行って作られる態様のものでもよいし、電池などのバッテリーから供給されるDC電圧源を機械的にON、OFFスイッチングして印加しうるものでもよいし、DC電源からインバータ回路を介して必要なAC波形パルスを生成し印加する態様のものでもよい。なお、メモリ機能を有する表示層1に電界応答性の液晶材料を用いる場合は、液晶材料の劣化、特性変化を避けるためパルス電源15は、電子媒体にACパルス電圧を印加する。
【0061】
パルスの生成は、例えば、ROMのような波形記憶手段とDA変換手段と電圧調整手段とを有して、電圧印加時にROMから読み出した波形をDA変換して電圧をパルス状に供給する回路も適用可能であり、また、ROMではなく、パルス発生回路のような電気回路的な方式でパルスを発生させる手段も適用可能である。
【0062】
なお、パルスの生成は、これらに限定されるものではなく、駆動パルスを印加しうる手段であればよく、適宜選択して構成することができる。また、パルス電源部からのパルス電圧の印加と光源からの光の照射タイミングとを同期させるために、センサにより検出した電気的なトリガーをもとに、電子媒体5へ電圧印加を行ってもよい。
【0063】
光源17は、線状光源を側面に配置した導光板から主に構成されるLCDパネル用のバックライトのような薄板の面状光源が利用できる。線状光源としては、冷陰極蛍光ランプ、熱陰極蛍光ランプなどが利用できる。また、線状光源を複数本横方向に配列し、面状に光を照射することができるようにしたもの、さらにLEDランプ、ハロゲンランプ、キセノンフラッシュランプ等を単一もしくは、複数個配列した光源なども利用できる。また、画像転写装置専用の照明手段を使うかわりに、電子媒体と原稿を照射し得る屋内外の光を本発明の光源として利用しても良い。具体的には、屋外の太陽光や屋内の蛍光灯などの照明装置からの光を利用することができる。但し、上記光源の中でも、画像の転写に適した光量レベルに制御可能な光源、例えば冷陰極蛍光ランプやLEDランプを利用することがより好ましい。
【0064】
光源17から照射された光は、電子媒体5の表示面全体を均一に照射した後に、その一部が透過し、電子媒体5の光導電層側に配置された原稿12の画像記録面13で反射し、その反射光11が電子媒体5の光導電層に入射する。その結果、電子媒体5の光導電層2には透過光のほかにも反射光が入射し、入射するトータルの光量には、原稿12の光量反射率分布に基づく反射光11の光量と、原稿に画像が記録されていない非画像部分の反射光11の光量との違いによる光量差が生じ、それが光導電層2のインピーダスの差を誘起し、さらに表示層1に印加される電界の強度分布を形成し、表示層1の光学特性変化に基く画像が形成される。
【0065】
転写対象となる原稿12は、印刷物やレーザープリンタ、手書き文書など、一般の紙媒体上にマーキングされたハードコピー原稿は勿論、OHP原稿などの透過物を拡散反射、あるいは鏡面反射する紙などに重ねたもの、さらに透過型液晶パネルの背面部や電極部に反射性の材料や構造を有し、入射光を反射することで表示を行う反射型液晶表示素子、或いは、画素化された微小ミラー面の角度を電気的に可変して入射光の反射方向を制御し、表示や光変調を行うDigital Micromirror Device(米国TI社の商標)などが含まれ、画像が形成された原稿面を光照射することにより、その画像の反射率分布に基づく反射光が得られる構造のものであればよい。
【0066】
このように、画像が転写される電子媒体5は、メモリ性を有し、電源部14や光源17などと着脱可能に配置することができるので、画像を転写した後に取り外し、軽くて、薄い電子媒体5のみからなるハードコピー状の複写物を得るとともに、複数の電子媒体に順次画像を転写することにより、複数の複写物を同時に手に持って閲覧したり、机に並べたり、重ねたりすることができる。
【0067】
また、本発明の画像転写装置は、薄型化、軽量化及び小型化が容易に行えることから、装置全体を手で持ち運べる携帯性を有し、また低コスト化も可能である。
【0068】
図4は、本実施形態で用いる電子媒体の一例を示す図である。
【0069】
図4に示す電子媒体5は、一組の透明な電極3の間に、照射光の一部を透過可能なメモリ機能を有する表示層1と光導電部材からなる光導電層2とを積層した構成となっている。
【0070】
光導電層2を用いる画像転写は、光導電層2に光が照射されるとインピーダンス変化を起こすことを利用したものであり、電圧が印加されているとき以外は表示層に影響を与えず、メモリされた画像が外光の影響で変化しにくい点で優れている。
【0071】
光導電部材としては、無機系、有機系のいずれの材料も使用できる。
【0072】
無機系材料としては、例えば、セレン、アモルファスシリコン、酸化亜鉛、BSO等が挙げられ、中でも、アモルファスシリコンは、太陽電池等でも広く用いられている材料であるため好ましい。しかし、電子媒体がフレキシブルな基板を用いる場合には、その基板との適性が良く、高温の熱処理や、時間のかかる製造プロセスを必要としない、有機系の材料がより好ましい。
【0073】
有機系の材料としては、例えば、電子写真プロセスにおいて感光体として用いられる材料を用いることができる。
【0074】
有機系の材料には、電荷発生と電荷輸送を同時に行う材料もあり、該材料も適用可能であるが、良好な光感度特性を示すという観点から、電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離された構成を有する材料が多用される。
【0075】
図において、光導電層2は、電荷発生層2a、電荷輸送層2b及び電荷発生層2aの順に積層してなる多層構造を有している。
【0076】
この多層構造を有する材料は、良好な感度特性を有し、表示層1への交流電圧の印加が可能であり、表示層1として汎用の液晶素材が使用可能である点で好ましい。
【0077】
なお、電極と電荷発生層の間にキャリアの突入を防ぐ機能層を形成することも可能である。このような機能層は電流の流れを著しく妨げない範囲で適用可能である。さらに、中央の電荷輸送層中にさらに電荷発生層を形成し、電荷発生層、電荷輸送層、電荷発生層、電荷輸送層及び電荷発生層とした構成の材料も適用可能である。また、電荷発生層と表示層との間には隔離層4が設けられている。
【0078】
電荷発生層2aに用いられる材料としては、ペリレン系、フタロシアニン系、ビスアゾ系、ジチオピトケロピロール系、スクワリリウム系、アズレニウム系、チアピリリウム・ポリカーボネート系など光照射により電荷が発生する有機材料が挙げられる。なお、電荷発生層は光吸収性の材料であり、層の膜厚を厚くしすぎると、電子媒体を透過して原稿に光を照射する場合に、原稿にほとんど光が届かない恐れがある。このため、光を遮断しない程度の膜厚で電荷発生層を形成する必要がある。
【0079】
電荷発生層2aの形成方法としては、真空蒸着法やスパッタリング法など、ドライな膜形成法のほか、溶剤や分散剤を用いたスピンコート法、ディップコート法、アプリケータなどを用いた塗布方法も適用可能である。
【0080】
また、電荷輸送層2bに用いられる材料としては、トリニトロフルオレン系、ポリビニルカルバゾール系、オキサジアゾール系、ピラリゾン系、ヒドラゾン系、スチルベン系、トリフェニルアミン系、トリフェニルメタン系、ジアミン系などが挙げられる。また、LiClO4を添加したポリビニルアルコールやポリエチレンオキシドのようなイオン導電性材料の適用も可能である。
【0081】
電荷輸送層2bの形成方法としては、電荷発生層2aの形成に適用可能な方法と同様の方法を挙げることができる。
【0082】
メモリ機能を有する表示層1としては、電界応答性の表示材料、或いは、電流の通電によって表示可能なもの(電流応答性の表示材料)等が好適であるが、電子媒体に重ねた反射原稿を照明する光をある程度透過することのできる表示材料が望ましい。
【0083】
そのような電界応答性の表示材料としては、カイラルスメクチックC相等の強誘電液晶、カイラルネマチック、スメクチック、ディスコテック液晶素材などが挙げられる。また、液晶素材としては、液晶化合物が高分子材料中に分散されたものや、液晶素材中に高分子材料を若干混合したもの、或いは、液晶化合物自体が高分子化合物であるもの等が挙げられる。
【0084】
本実施形態の表示層1は、図で示すように、電界応答性の表示材料全体をマイクロカプセル1a内に封入し、そのマイクロカプセル1aをバインダーに分散させた構成としているをので、表示層1形成後の耐機械特性に優れる等の利点があり、手に持った時の操作性に優れたシート状の表示記録媒体を実現する上で好ましい。この表示層は、塗布プロセスにより公知の塗布方法により形成することができる。
【0085】
また、マイクロカプセル1a内にはカイラルネマチック液晶1bを含んで構成されているので、高い反射コントラストを有し、無電源状態でも転写された画像を安定的に保持することができる。さらに、印加する電圧を調整することにより任意の表示色でメモリすることもできる。
【0086】
なお、この他、電流応答性の表示材料としては、エレクトロクロミー現象を発現する、無機系若しくは有機系の表示材料が挙げられる。
【0087】
上述した表示素子の中でも、画像メモリー性を有し、電圧印加終了後もバッテリーを要することなく、表示内容を安定に維持することができ、また、書込装置から切り離してシート状の電子媒体として利用できる点で、スメクチック液晶、カイラルスメクチックC相等の強誘電液晶、若しくはカイラルネマチック液晶等を主とした表示材料が好ましい。
【0088】
さらに、偏光板やカラーフィルタを必要とせずに、選択反射波長特性を利用したカラー表示を高い反射率で行え、高コントラストで高精細な画像を表示しうる観点から、カイラルネマチック液晶を主体とする表示材料が特に好ましい。
【0089】
電子媒体の支持体となる光透過性の基板としては、ガラス又はプラスチック等を材料とした基板が挙げられるが、紙ハードコピーに近いフレキシブル性や、ラフな取り扱いにも耐えられる機械強度に優れる点で、プラスチック材料を用いた基板が好ましい。
【0090】
プラスチック材料を用いた基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系フイルム、ポリカーボネート、ポリイミド等が挙げられる。基板の厚みとしては、自己支持性やフレキシブル性、軽量性、重ねた時の厚み等の点で、75〜500μmが好ましい。
【0091】
図における、1組の光透過性部材からなる電極3は、光透過性のもので、入射する光が吸収・散乱を受け難く、かつ表示層1に画像を形成できる電圧を印加しうるものであればよく、それ自体が導電性の基板であるもののほか、光透過性の基体の一方の表面に光透過性の導電性層が形成された基板等も挙げられる。例えば互いに対向する2枚の基体の各対向面側の表面に、それぞれ導電性膜が設けられた態様のものがある。
【0092】
導電性層は、入射光が散乱を受け難い透明性部材で、導電性があり電極として機能しうるものであれば特に制限はなく、例えば、ITO(インジュウム−スズ酸化物)、二酸化スズ等の金属酸化物等が挙げられる。また、導電性セラミックス材料等を用いることもできる。導電性膜は、例えば、蒸着法、スパッタリング法、CVD法等従来公知の方法により基板上に形成できる。
【0093】
次に、本発明の画像転写装置の第2の実施形態について説明する。
【0094】
図5は、本発明の第2の実施形態の画像転写装置の概略構成図である。
【0095】
第2の実施形態の画像転写装置に用いる電子媒体は、第1の実施形態で説明した電子媒体と較べて、表示層と光導電層の間に、表示層側からの光照射に対し、遮光性を有する遮光層を設けている点は相違するが、それ以外の点は同じであり、同一構成要素には同一の符号を付し、相違点について説明する。
【0096】
図5に示す電子媒体5は、1組の光透過性部材からなる透明な電極3の間にメモリ機能を有する表示層1と光導電部材からなる光導電層2とが積層され、表示層1と光導電層2の間に、遮光性を有する遮光層30が設けられている。
【0097】
遮光層30と光導電層2には共通の貫通孔(図6参照)が複数あり、光源17から照射された光のうち、表示層1を経由する光は遮断され、貫通孔を経由する光は、原稿の画像記録面13で反射し、その反射光が光導電層2に反射光の光量分布に基づく画像をメモリする。
【0098】
本実施形態では、電子媒体5の表示層1が積層された表示側から照射された光は直接光導電層2には照射されず、画像記録面13からの拡散反射光のみが光導電層2を照射するので、第1の実施形態で用いた光源17よりも強力な光を出射する光源31を用いることが望ましい。そのような光源31として、本実施形態では冷陰極管20の替わりに熱陰極管32を用いたバックライトを用いることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0099】
図6は、本実施形態に用いる電子媒体の一例を示す図である。
【0100】
図6に示す電子媒体6は、一組の透明な電極3の間に、照射光を透過可能なメモリ機能を有する表示層1と光導電部材からなる光導電層2と、表示層1と光導電層2の間に、表示層1側から光導電層2へ直接照射される光を遮光する遮光層が30設けられ、遮光層30と光導電層2には共通の貫通孔35が複数設けられている。
【0101】
本遮光層30は、光導電層2を形成した後に、黒色樹脂の塗布液をスピンコート法により0、7μm厚に形成し、形成された遮光層30と光導電層2に対し、レーザービームを照射することによって形成する。
【0102】
レーザービームが照射された部分の遮光層30と光導電層2は、高エネルギーのレーザー光を吸収した瞬間的温度上昇により蒸発することにより光を通す孔が形成される。このようにして電子媒体全面に適度な密度で分布した貫通孔35を経由して、面状の光源31から照射光が裏面側に配置した原稿12の画像記録面13に到達し、そこで拡散反射した反射光11が電子媒体5の光導電層2を照射する。
【0103】
【実施例】
以下に、本発明の画像転写方法および画像転写装置に用いられる電子媒体の実施例について説明する。
【0104】
(実施例1)
本実施例の電子媒体の断面構成は、図3で説明したものと同じであるからここでは省略する。
【0105】
電子媒体は、ITO(酸化インジウム錫)電極膜が内側にそれぞれ設けられた2枚のPETフィルム基板(商品名:ハイビーム、東レ(株)製)に挟持されるようにして、光導電層及びマイクロカプセルに内包されたカイラルネマチック液晶素材を含有する表示層を積層したものである。
【0106】
この表示層は、正の誘電率異方性を有するネマチック液晶E8(メルク社製)74.8部に、カイラル剤CB15(BDH社製)21部とカイラル剤R1011(メルク社製)4.2部を加熱溶解後室温に戻して、ブルーグリーンの色光を選択反射するカイラルネマチック液晶を得た。
このブルーグリーンカイラルネマチック液晶10部にキシレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの付加物(武田薬品工業製D−110N)3部と酢酸エチル100部を加えて均一溶液とし、油相となる液を調整した。
【0107】
一方、ポリビニルアルコール(クラレ社製ポバール217EE)10部を、熱したイオン交換水1000部に加えて撹拌後、放置冷却することによって、水相となる液を調整した。
【0108】
次に、スライダックで30V交流を与えた家庭用ミキサーによって上述した油相を放置冷却によって調整した水相中に1分間乳化分散して、水相中に油相液滴が分散した水中油エマルジョンを調整した。この水中油エマルジョンを60℃のウォーターバスで加熱しながら2時間撹拌し、界面重合を完了させて、液晶マイクロカプセルを形成した。これら液晶マイクロカプセルの平均粒径は、レーザー粒度分布計によって約12μmと見積もられた。
【0109】
マイクロカプセル分散液を網目38μmのステンレスメッシュを通して濾過後一昼夜放置し、乳白色の上澄みを取り除くことによりマイクロカプセルからなる固形成分約390質量%のスラリーを得た。
【0110】
スラリーに対しマイクロカプセルからなる固形成分の重量に対して2/3となる量のポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコール10重量%の溶液を加えることにより塗布液を調整した。
【0111】
125μm厚1TO付きPETフィルム(東レハイビーム)のITO面上に、上記塗布液を#44のワイヤーバーで塗布することにより、表示層を作製した。
【0112】
次に、もう一方のITO電極付基板の電極上に、有機材料からなる光導電層を形成した。光導電層は電荷輸送層の上下に電荷発生層を積層した構成である。
【0113】
その作製方法を以下に示す。まずITO電極上に光導電層の第1の電荷発生層として、ヒドロキシガリウムフタロシアニンとバインダー樹脂であるポリビニルブチラールを1:1に混合したプロパノール分散液をスピンコート法により基板に塗布後、乾燥させ、0.2umの厚さに形成した。次に前記電荷発生層の上の電荷輸送層として、まず、電荷輸送材N、N−Bis(3、4−dimethylphenyl)birhenyl−4−amine、とバインダー樹脂PolyCarbonate bisphenol−Z、(ポリ(4、4’−シクロヘキシリデンジフェニレンカーボネート))をそれぞれ40重量%、60重量%の割合で混合した後、これをモノクロロベンゼンに溶解させ10%の溶液を作製し、この溶液をディップコートにより、120mm/分の速度で引き上げ、電荷発生層上に3μm厚の電荷輸送層を作製した。更に、第2の電荷発生層として前記第一の電荷発生層とどうような材料、手順で0.2um厚に形成した。さらに、その上に隔離層としてスピンコート法により、PVA(ポリビニルアルコール)層を0.2μm厚に作製した。
【0114】
上述したマイクロカプセルカイラルネマチック液晶からなる表示層上に、光導電層を作製したPETフィルムのPVA面上に完全水性型ドライラミネート接着剤であるディックドライWS−321A/LD−55(大日本インキ化学工業)を塗布乾燥させて4μm厚の接着層を形成した後に密着させ70℃においてラミネートを行った。
【0115】
以上の方法によって作成した電子媒体を用いて、図1で説明した画像転写方法、あるいは図3で説明した画像転写装置で原稿に記録された画像の転写を行なった。まず電子媒体の表示面全体が光透過性の高いフォーカルコニック状態になるように適切な電圧で初期化し、その上で、光を照射しながら電圧を印加した所、電圧印加を解除した表示層には、照射した光の画像記録面での反射光のパターンに基く、緑色の選択波長反射を示すプレーナ状態、又は光透過による背景色(ここでは、光導電層の光吸収による暗色)を示すフォーカルコニック状態よりなるコントラストの高い画像が形成され、原稿と同一の画像を転写することができた。また、電子媒体の裏面に黒色の下敷きをおいた所、より鮮明な反射コントラストで画像を観察することが出来た。
【0116】
しかも、電子媒体は、表示層としてマイクロカプセルにカイラルネマチック液晶を内包したことで取り扱い時における高い画像保存性、耐機械的特性を示した。また、電子媒体を電源部から取り外した後においてもメモリされた画像が安定に保持され、シート状の安定した複写物を得ることができた。さらに、紙と同様の取り扱いが可能であり、複数の電子媒体を用いることで複数の原稿の画像を同時にかつ容易にメモリすることができた。得られた画像は、再度電源部に挿着し、同様の転写操作を繰り返すことにより、何度でも所望の画像に容易に書き換えることができた。
【0117】
(実施例2)
本実施例の電子媒体の断面構成は、図5で説明したものと同じであるからここでは省略する。
【0118】
本実施例は、実施例1で説明した電子媒体の表示層と光導電層との間に、表示層側から直接照射する光を遮光する遮光層を設けている点が異なる。
【0119】
本遮光層は、実施例1で記載した光導電層を形成した後に、黒色樹脂BKR−105(日本化薬社製)の塗布液をスピンコート法により0、7μm厚に形成したものであり、その遮光層を形成した後、遮光層と光導電層との両方に、集光されたレーザービームを照射することによって直径が数μmの微小な複数の孔を形成する。集光されたレーザービームが照射された部分の遮光層と光導電層は、高エネルギーのレーザー光を吸収して瞬間的に温度上昇し、その部分が蒸発することにより光を通す孔が形成される。このようにして電子媒体全面に適度な密度で分布する孔が形成され、その孔を通して、光源から照射された照射光が裏面に配置された原稿の画像記録面に到達し、その面で拡散反射した光が電子媒体の光導電層に照射される。本実施例では、電子媒体の表示層側から照射された光は直接光導電層に照射されずに、画像記録面での拡散反射光のみにより照射されることとなるため、実施例1で用いている光源よりも強力な光を出射する光源を用いることが望ましい。本実施例では冷陰極管に替えて熱陰極管を用いたバックライトを用いている。
【0120】
(実施例3)
本実施例は、光導電層に実施例1及び2で用いたものとは異なる材料を使用した例であり、その他の構成は実施例1と同様であることから、ここでは図および説明は省略する。
【0121】
電荷発生層は、電荷発生材料であるベンズイミダールペリレン(BZP)を用いて、蒸着により0.08μm厚に形成した。次いで、ビフェニルージアミン系材7.2%、ポリカーボネートビスフェノールZ(ポリ(4、4L一シクロヘキシリデンジフェニレンカーボネート))10.8%及びモノクロロベンゼン82%を混合した後、これにさらにモノクロベンゼンを加えて2倍に希釈して塗布液を調製し、これを前記電荷発生層上にディップコート法により塗布して、3μm厚の電荷輸送層を積層した。さらに、電荷輸送層上に、前述したと同様にしてBZPを蒸着し0.08μm厚の電荷発生層を形成した。
【0122】
【発明の効果】
本発明によれば、薄くて、軽くて、可撓性があるシート状の電子媒体に印刷物等の原稿を接近もしくは接触させ、光を照射しながら、電子媒体に電圧を印加するだけで着色材料などを使用することなく瞬時にその原稿の画像を電子媒体に転写することが可能であり、電子媒体から電源を取り外した状態でも転写した画像を保持することができる。また、電子媒体は何度でも書換えて再利用が可能であり、かつ、軽くて薄い電子媒体を複数用いて複数頁の複写物を作成し、それらの表示内容を無電源状態で保持することにより、一時的な文書情報の記録や記録された情報の操作性、閲覧性を高めることができる。さらに画像を転写する際に結像光学系等のコストアップに繋がる部品を必要としない極めて簡易な構成で安価に実現できる。
【0123】
さらに、電子媒体の材料を替えることにより、高い反射コントラストや、任意の表示色の転写画像を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の画像転写方法を示す概略図である。
【図2】電子媒体の透過光の光量と印加する電圧との関係を示す模式図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の画像転写装置の概略構成図である。
【図4】本実施形態で用いる電子媒体の一例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の画像転写装置の概略構成図である。
【図6】本実施形態に用いる電子媒体の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 表示層
1a マイクロカプセル
2b カイラルネマチック液晶
2 光導電層
2a 電荷発生層
2b 電荷輸送層
3 電極
4 隔離層
5 電子媒体
6,14 電源部
7 電圧印加手段
8,16 電圧調整手段
9,17,31 光源
10 照射される光
11 画像記録面での反射光
12 原稿
13 画像記録面
15 パルス電源
18 電極引きだし部
19 電極端子部
20 冷陰極管
21 透明導光板
22 スタートボタン
23 プレーナ状態
24 フォーカルコニック状態
30 遮光層
35 貫通孔

Claims (9)

  1. 1組の光透過性部材からなる電極の間に、液晶を含む表示層と光導電部材からなる光導電層とを積層した、画像を表わす光の照射と電圧の印加とによって該画像が可視的かつ消去自在にメモリされる光透過性の電子媒体に、光反射率分布による画像が記録された原稿を近接もしくは接触させて配置し、該電子媒体の該原稿が配置された側の面とは反対側の面に光を照射するとともに、該電子媒体に、該電子媒体を透過する透過光の光量のみでは該電子媒体への画像のメモリは発生せずに、該透過光に該原稿での反射光が加わることにより該反射光の光量分布に応じた画像がメモリされるように調整された電圧を印加することを特徴とする画像転写方法。
  2. 前記電子媒体に所定の初期化電圧を印加することにより該電子媒体にメモリされた画像を消去し該電子媒体を初期化することを特徴とする請求項1記載の画像転写方法
  3. 1組の光透過性部材からなる電極の間に、液晶を含む表示層と光導電部材からなる光導電層とを積層した、画像を表わす光の照射と電圧の印加とによって該画像が可視的かつ消去自在にメモリされる光透過性の電子媒体と、前記電子媒体に電圧を印加する電圧印加手段と、前記電圧印加手段による該電子媒体への印加電圧を調整する電圧調整手段と、光源とを備え、
    前記光源は、前記電子媒体の、光反射率分布による画像を記録した原稿が近接もしくは接触して配置された側の面とは反対側の面に光を照射するものであり、
    前記電圧調整手段は、前記電圧印加手段による前記電子媒体への印加電圧を、該電子媒体を透過する透過光の光量のみでは該電子媒体への画像のメモリは発生せずに、該透過光に前記原稿での反射光が加わることにより該反射光の光量分布に基づく画像が該電子媒体にメモリされる電圧に調整するものであることを特徴とする画像転写装置。
  4. 前記電圧調整手段は、前記電子媒体の初期化にあたり、前記電圧印加手段による前記電子媒体への印加電圧を所定の初期化電圧に調整することにより、該電子媒体にメモリされた画像を消去し該電子媒体を初期化するものであることを特徴とする請求項3記載の画像転写装置。
  5. 前記電子媒体は、前記表示層にカイラルネマチック液晶を含むものであることを特徴とする請求項3記載の画像転写装置。
  6. 前記電子媒体は、前記表示層にマイクロカプセル化した液晶を含むものであることを特徴とする請求項3記載の画像転写装置。
  7. 前記電子媒体は、前記表示層と前記光導電層との間に該光導電層と一体形成され、該光導電層と共通の複数の貫通孔を有する遮光層を積層したものであることを特徴とする請求項3記載の画像転写表示装置。
  8. 前記電子媒体は、前記光導電層にキャリヤを発生する有機材料で形成された電荷発生層と該キャリヤを運ぶ有機材料で形成された電荷輸送層とを有するものであることを特徴とする請求項3記載の画像転写装置。
  9. 前記電子媒体は、前記光導電層に電荷発生層、電荷輸送層および電荷発生層からなる構造を含むものであることを特徴とする請求項3記載の画像転写装置。
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