JP2002311409A - 画像転写方法及び画像転写装置 - Google Patents

画像転写方法及び画像転写装置

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JP2002311409A
JP2002311409A JP2001121043A JP2001121043A JP2002311409A JP 2002311409 A JP2002311409 A JP 2002311409A JP 2001121043 A JP2001121043 A JP 2001121043A JP 2001121043 A JP2001121043 A JP 2001121043A JP 2002311409 A JP2002311409 A JP 2002311409A
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JP2001121043A
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Minoru Koshimizu
実 小清水
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Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】薄くて軽くて携帯に便利な電子媒体に、片面に
プリントされた原稿から画像を瞬間的に転写してメモリ
することにより、紙を用いたハードコピーと同様の複写
物を作成することができ、しかも書き換えることにより
何度でも再利用ができる画像転写方法及びその方法を用
いた画像転写装置を提供する。 【解決手段】画像を表わす光の照射と電圧の印加とによ
って該画像が可視的にかつ消去自在にメモリされる電子
媒体に、光透過率分布による画像を記録した原稿を重
ね、該原稿に光を照射するとともに該電子媒体に所定の
書込電圧を印加することにより、該転写原稿を透過して
該電子媒体に照射された光の光量分布に基づく画像を該
電子媒体にメモリする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、用紙等の片面に記
録された画像を、光の照射と電圧の印加とによってメモ
リ機能を有する電子媒体に転写し、画像をメモリする画
像転写方法及び画像転写装置に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷物等の原稿画像を転写・複写する代
表的な装置として、原稿画像を照明し、その原稿画像の
反射光を結像光学系により、帯電した光導電性誘電体表
面に直接結像させ、その誘電体表面に静電潜像を形成
し、その静電潜像を誘電体とは逆極性に帯電、或いは、
電荷注入した着色粉体等を用いて顕像化するアナログ方
式の電子写真プロセスが一般的に知られている。
【0003】今日では、イメージセンサとレーザ露光装
置等を用い、その間の信号をデジタル化して画像処理を
施すことにより高画質化を図ったディジタル方式の電子
写真プロセスが急速に普及しているとはいえ、アナログ
方式の電子写真プロセスは、ディジタル方式の電子写真
プロセスと比べ、複雑な画像処理やメモリ等を必要とし
ないことから、高精細な画像を安価、かつ高速度で転写
媒体に転写することができるというメリットがある。
【0004】このメリットは、原稿画像を照明してから
原稿画像の反射光を光導電性誘電体表面に結像させるま
ですべて光学系で繋がった直接的なプロセスとなってい
ることに起因するものである。
【0005】この直接的なプロセスの特徴を最大限に生
かした転写装置としては、例えば特開昭61−4263
1号公報や特開昭61−264331号公報に、文書像
が受光装置上完全な全体的潜像として形成される全フレ
ーム型複写機が開示されている。
【0006】開示されたこれらの転写装置は、結像光学
系に2次元的なレンズアレイを用い、プラテン上の文書
原稿を2次元的に均一露光し、原稿全体を一括して、光
導電性誘電体表面に結像しているので、瞬間的に潜像形
成を行うことができるという利点がある。
【0007】しかし、上述したアナログ方式の電子写真
プロセスにおいても、最終的には露光によって形成され
た誘電体上の静電潜像に、帯電若しくは電荷注入した着
色粉体を付着させ、それらを紙面上に転写するとともに
定着してハードコピーとしての複写画像を得ているの
で、装置全体のサイズを手に持てる程度にまで小型化す
ることは困難である。また、2次元的に均一露光するこ
とにより瞬間的に静電潜像を形成しても、着色粉体によ
る顕像化プロセスが必要であるため、複写画像を瞬時に
入手することは不可能である。
【0008】一方、上記電子写真プロセスとは別に、2
次元的イメージセンシング機能と表示機能とを一体的に
備えた画像読取表示装置が、特開平5−276313号
に開示されている。
【0009】開示されたこの画像読取表示装置は、マト
リックス電極間に強誘電液晶を封入し、2次元的均一露
光光を原稿画像に照射し、その反射光の光量分布を一方
のマトリクス電極に形成した光電変換膜の抵抗分布に変
換するとともに、マトリックス電極により画素化された
強誘電液晶層を分極反転させることにより画像表示し、
同時に強誘電液晶層の分極電流分布を検出して原稿画像
のディジタルデータを得るもので、原稿画像に照射した
反射光を直接、画像表示に反映させているため、原稿画
像の複写画像を瞬間的に得ることができる。また、原稿
画像から読み取ったディジタルデータは、加工性に優れ
ている。
【0010】しかし、イメージセンシング機能を併せ持
つ表示部はマトリックス電極により画素化されているた
め、複写できる画像の解像度は、マトリックス電極に依
存するので制約がある。さらに、アナログ電子写真方式
における複写機のように、単に画像の複写だけを目的と
する場合には、マトリクス電極の形成や加工、およびマ
トリックス電極を駆動する回路等が必要となる分、装置
が複雑化し、高コストとなる。
【0011】また、表示部と読取部とは一体化されてい
るので1度に表示できる転写画像は表示画面1枚分に限
られるという制約があり、紙を用いるハードコピーのよ
うに、手軽に持ち運んだり、複写画像を複数枚並べて閲
覧する等の使い方ができない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み、薄くて軽くて携帯に便利な電子媒体に、片面にプ
リントされた原稿から画像を瞬間的に転写してメモリす
ることにより、紙を用いたハードコピーと同様の複写物
を作成することができ、しかも書き換えることにより何
度でも再利用ができる画像転写方法及びその方法を用い
た画像転写装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の画像転写方法は、画像を表わす光の照射と電圧の
印加とによって該画像が可視的にかつ消去自在にメモリ
される電子媒体に、光透過率分布による画像を記録した
原稿を重ね、該原稿に光を照射するとともに該電子媒体
に所定の書込電圧を印加することにより、該転写原稿を
透過して該電子媒体に照射された光の光量分布に基づく
画像を該電子媒体にメモリすることを特徴とする。
【0014】ここで、上記電子媒体に所定の初期化電圧
を印加することにより該電子媒体にメモリされた画像を
消去し該電子媒体を初期化することが好ましい。
【0015】上記の目的を達成する本発明の画像転写装
置は、画像を表わす光の照射と電圧の印加とによって該
画像が可視的にかつ消去自在にメモリされる電子媒体、
上記電子媒体に重ねられた、光透過率分布による画像を
記録した原稿に光を照射する光源、および前記光源から
の、該電子媒体に重ねられた上記原稿への光の照射とタ
イミングを合わせた該電子媒体に画像をメモリするため
の所定の書込電圧の該電子媒体への印加と、上記電子媒
体にメモリされた画像を消去し該電子媒体を初期化する
所定の初期化電圧の該電子媒体への印加を行なう電圧印
加手段を備えたことを特徴とする。
【0016】ここで、上記電子媒体は、少なくとも一方
が光を透過する1組の電極の間に、メモリ機能を有する
表示層と光導電部材からなる光導電層とを積層したもの
であることが好ましい。
【0017】また、上記電子媒体は、上記表示層にカイ
ラルネマチック液晶を含むものであることが好ましい。
【0018】また、上記電子媒体は、上記表示層にマイ
クロカプセル化した液晶を含むものであることが好まし
い。。
【0019】また、上記電子媒体は、上記表示層と前記
光導電層との間に光を吸収する遮光層を積層したもので
あることが好ましい。
【0020】また、上記電子媒体は、上記光導電層にキ
ャリヤを発生する有機材料で形成された電荷発生層と該
キャリヤを運ぶ有機材料で形成された電荷輸送層とを有
するものであることが好ましい。
【0021】さらに、上記電子媒体は、上記光導電層に
電荷発生層、電荷輸送層および電荷発生層からなる構造
を含むものであることも好ましい態様である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態につい
て説明する。
【0023】図1は、本発明の画像転写表示方法の実施
形態を示す概略図である。
【0024】図1に示す画像転写表示方法は、光を照射
する光源9と、光透過性部材からなる透明な電極3の間
に可視的かつ消去自在にメモリされる表示層1と光導電
性部材からなる光導電層2とを積層した電子媒体5と、
その電子媒体5の電極3に電圧を印加することができる
電圧印加手段6を用いて、光透過性用紙の片面に文字や
図形などがプリントされた原稿10を電子媒体5に重
ね、原稿10に光を当てながら電圧を印加することによ
り、原稿10に記録された文字や図形などを電子媒体5
に転写し、電圧印加手段6からその電子媒体5を取り外
した無電源状態においてもその電子媒体5にメモリされ
た文字や図形などを目読可能な状態で保持する方法であ
る。
【0025】転写される原稿10は、光透過性の、例え
ばコピー用紙に、光吸収性色材である、例えばトナーを
用いて文字や図形などの画像をプリントしたものであ
り、その原稿10の、トナー画像がプリントされている
面を上向きにし、その上に、電子媒体5の表示層1が積
層されている表示面側を上に向け、光導電層2が積層さ
れている裏面側をその原稿10と重なるようにして載せ
る。そのとき、電子媒体5の透明な電極を電圧印加手段
6に接続しておく。
【0026】次に光源9を点灯して、電子媒体5に重ね
られた原稿10の、トナー画像がプリントされていない
裏面側から光を照射する。
【0027】次に、電圧印加手段6から、例えば10H
z周期のパルス電圧を1周期分、100ms間印加す
る。すると、原稿10の文字や図形などが瞬時に電子媒
体5に転写されてメモリされる。転写後は、光源9を消
灯する。
【0028】光源9を点灯して原稿10の裏面に光8を
照射すると、トナー画像が形成されている領域7に照射
された光は、光吸収性色材であるトナーに吸収されて電
子媒体5にはほとんど光が届かない。一方、トナー画像
が形成されていない領域に照射された光は、用紙などの
繊維で一部は乱反射するが、一部は透過し、その透過光
は電子媒体5の光導電層2に照射される。光導電層2で
は、原稿10を透過した透過光の光量分布に基づいてイ
ンピーダンスが変化し、インピーダンス分布を誘起す
る。そのインピーダンス分布は、表示層1に印加されて
いる電場を変化させ、表示層1に電界分布を形成するの
で、表示層1の電気光学効果により原稿10の画像が転
写されてメモリされる。
【0029】なお、表示層1に所定の電界分布を形成す
るためには、光源9から原稿10に照射する光の光量、
電圧印加手段6から電子媒体5に印加する電圧をあらか
じめ調整しておく必要がある。
【0030】この転写された画像は、電子媒体5の電極
3を電圧印加手段6から取り外した、無電源状態におい
ても、表示層1の例えば、強誘電性液晶固有のメモリ機
能により、そのままの状態で保持される。
【0031】表示層1にメモリされた画像は、電子媒体
5の表示面側から照射された光を反射し、コントラスト
の強い画像となるので、例えば転写された文字や図形な
どを鮮明な状態で目読することができる。
【0032】電子媒体5にメモリされた画像を書き換え
て、別の原稿の文字や図形などをメモリするときは、ま
ず、電子媒体5を電圧印加手段6に接続し、所定の初期
化電圧を印加することにより電子媒体5を初期化してお
く。
【0033】電子媒体5に印加する電圧は、文字や図形
などをメモリするときや消去して初期化するときに必要
となるだけなので、電圧印加手段6と電子媒体5とを接
断する接続部は、切り離したり、つないだりすることが
簡単かつ容易にできる構成とする必要がある。また、電
圧印加手段6から電子媒体5に印加する電圧は、光源9
を点灯させるタイミングに基づいて制御することができ
る。さらに、印加する電圧の大きさや時間、光源9から
出射する光の光量を、電子媒体5の表示層1に形成され
た画像の反射率に基づいて制御することにより、光導電
層2に照射される最適な光量分布を得ることもできる。
【0034】図2は、本実施形態の他の構成例を示す概
略図である。
【0035】図2は、図1と較べ、電子媒体5の表示層
1が積層された表示面側に原稿を重ねる点は相違する
が、それ以外の構成は同じであるから、同一構成には同
一符号を付し、説明は省略する。
【0036】なお、この例では原稿を透過した透過光
は、電子媒体5の表示層1を経由して光導電層2に照射
されるので、その透過光が光導電層2に届くように表示
層1と光導電層2との間に遮光層などを設けることがで
きない。また、光が表示層1を透過して光導電層2に届
くように電子媒体5は初期化しておく必要がある。
【0037】このように、本発明の画像転写方法によれ
ば、メモリ性のある表示層1と光導電層2などからなる
電子媒体5に、印刷物等の原稿10を重ね、原稿10側
から電子媒体5に向けて一様に照明すると、原稿10を
透過した光が電子媒体5の光導電層2を照射するので、
原稿10に記録された文字や図形などの光透過率分布に
基づく光学パターンに応じた画像がメモリ性のある表示
層1に転写され、電子写真方式の複写機のように、着色
紛体等の着色材料によって顕像化したり、結像光学系等
の光学部品を必要とせずに原稿の文字や図形などを電子
媒体にメモリすることができる。
【0038】次に、本発明の画像転写装置の実施形態に
ついて説明する。
【0039】図3は、本発明の第1の実施形態の画像転
写装置の概略構成図である。
【0040】図3に示す画像転写装置は、1組の光透過
性部材からなる透明な電極3の間に可視的かつ消去自在
にメモリされる表示層1と光導電部材からなる光導電層
2とを積層した光透過性の電子媒体5と、所定のパルス
電圧を印加するパルス電源15とパルス電源からパルス
電圧を印加するタイミングを調整する制御手段16と、
電子媒体5に光10を照射する光源17とにより構成さ
れる。
【0041】電子媒体5は、転写する画像11が記録さ
れている原稿12の画像記録面13の上に重ねて配置
し、光源17から原稿の画像記録面13と反対の裏面全
体に均一に光を照射するとともに、パルス電源15から
所定のパルス電圧を電子媒体5に印加すると、電子媒体
5には原稿12を透過した透過光の光量分布に基づいて
原稿10の画像がメモリされる。
【0042】本実施形態の画像転写装置により画像をメ
モリするには、電子媒体5の一組の透明の電極3とパル
ス電源15とを接続する。
【0043】パルス電源15との接続は、画像をメモリ
したり、書き換えるときに必要となるものであり、画像
がメモリされた後は、電子媒体5をパルス電源15から
容易に切り離すことが可能であり、また、画像の書き換
えが必要なときは簡単に接続できる構成となっている。
【0044】電子媒体5には、一組の透明な電極3と導
通をとった2箇所の電極引きだし部(銅テープ)18が
あり、パルス電源15には、電子媒体5の2箇所の電極
引きだし部18を一定の押し付け力で接触するように挟
み込むクリップ状の電極端子部19が取り付けてあり、
電子媒体5と、パルス電源15とはそれらの電極引きだ
し部18と電極端子部19とで挿着したり、脱着したり
することができる。ただし、この構造に限定されるもの
ではなく、電子媒体5とパルス電源15とを接断できる
構造であればよい。
【0045】光源17は、側端に冷陰極管20を備え、
出射光の光量を均一化する拡散シートが光の出射面側に
貼り付けられた透明導光板21と冷陰極管20を点灯す
る発光パルス幅調整機能付インバーター装置(図示しな
い)から構成された面状の発光源であり、その光源17
を原稿を挟んで電子媒体の下に重ねて配置し、原稿を透
過した光が電子媒体5に照射されるようにする。ただ
し、光源17はこの構成に限定されるものではない。
【0046】この状態でパルス電源15に設けられたス
タートボタン22を押すことにより、例えば制御手段1
6からの指示で光源17を点灯させ、50ms遅れてパ
ルス電源15から10Hzの矩形波パルス電圧が供給さ
れる。パルス電圧は1周期分の100ms間印加され、
その100ms間印加された後には光源17も消灯する
ようにタイミングが制御される。
【0047】制御手段16は、光源17から電子媒体5
に光が照射されるタイミングと同期して、電子媒体5に
必要なパルス電圧が印加されるようにパルス電源部15
を制御することもできるし、光源17から照射され原稿
を透過する光透過率分布に基づいて電子媒体5に反射率
の変化が生じるように、パルス電源部15から電子媒体
5に印加されるパルス電圧を調整することもできる。
【0048】印加されるパルス電圧は、AC電源からの
電圧をもとに変圧や、波形の整形を行って作られる態様
のものでもよいし、電池などのバッテリーから供給され
るDC電圧源を機械的にON、OFFスイッチングして
印加しうるものでもよいし、DC電源からインバータ回
路を介して必要なAC波形パルスを生成し印加する態様
のものでもよい。なお、メモリ機能を有する表示層1に
電界応答性の液晶材料を用いる場合は、液晶材料の劣
化、特性変化を避けるうえでDCパルスよりはACパル
スによる駆動が好ましい。
【0049】パルスの生成は、例えば、ROMのような
波形記憶手段とDA変換手段と制御手段とを有して、電
圧印加時にROMから読み出した波形をDA変換して電
圧をパルス状に供給する回路も適用可能であり、また、
ROMではなく、パルス発生回路のような電気回路的な
方式でパルスを発生させる手段も適用可能である。
【0050】なお、パルスの生成は、これらに限定され
るものではなく、駆動パルスを印加しうる手段であれば
よく、適宜選択して構成することができる。また、パル
ス電源15からのパルス電圧の印加と光源からの光の照
射タイミングとを同期させるために、センサにより検出
した電気的なトリガーをもとに、電子媒体5へ電圧印加
を行ってもよい。
【0051】光源17は、線状光源を側面に配置した導
光板から主に構成されるLCDパネル用のバックライト
のような薄板の面状光源が利用できる。線状光源として
は、冷陰極蛍光ランプ、熱陰極蛍光ランプなどが利用で
きる。また、線状光源を複数本横方向に配列し、面状に
光を照射することができるようにしたもの、さらにLE
Dランプ、ハロゲンランプ、キセノンフラッシュランプ
等を単一もしくは、複数個配列した光源なども利用でき
る。また、画像転写装置専用の照明手段を使うかわり
に、電子媒体と原稿を照射し得る屋内外の光を本発明の
光源として利用しても良い。具体的には、屋外の太陽光
や屋内の蛍光灯などの照明装置からの光を利用すること
ができる。但し、上記光源の中でも、画像の転写に適し
た光量レベルに制御可能な光源、例えば冷陰極蛍光ラン
プやLEDランプを利用することがより好ましい。
【0052】光源17から照射された光は原稿全体を照
射した後に、原稿に記録された文字や図形などの光透過
率分布に応じた透過光が、電子媒体5の光導電層2に入
射する。透過光には原稿の文字や図形に応じて光が吸収
され、光量分布が生じているので、光導電層2のインピ
ーダスの差を誘起し、さらに表示層1に印加される電界
の強度分布が形成されるので、表示層1の光学特性変化
に基く画像が形成される。
【0053】原稿12は、紙など、ある程度光透過性を
持つ基材の片面に光吸収性色材でプリントした原稿、手
書き文書などの他、OHP原稿、写真のネガあるいはポ
ジフィルムなどの感光性材料を塗布したフィルム、ガラ
ス板などへのアナログ露光あるいはレーザ走査装置など
によるディジタル露光により記録された画像など、透明
な支持体に光吸収物質でパターンが形成され、そのパタ
ーンに基づく透過光もしくは散乱光が得られる構造を有
するものであれば制限はない。
【0054】このように、画像が転写される電子媒体5
は、メモリ性を有し、パルス電源15や光源17などと
着脱可能に配置することができるので、画像を転写した
後に取り外し、軽くて、薄い電子媒体5のみからなるハ
ードコピー状の複写物を得るとともに、複数の電子媒体
に順次画像を転写することにより、複数の複写物を同時
に手に持って閲覧したり、机に並べたり、重ねたりする
ことができる。
【0055】また、本発明の画像転写装置は、薄型化、
軽量化及び小型化が容易に行えることから、装置全体を
手で持ち運べる携帯性を有し、また低コスト化も可能で
ある。
【0056】図4は、本実施形態に用いる電子媒体の一
例を示す断面図である。
【0057】図4に示す電子媒体5は、一組の透明な電
極3の間に、照射光の一部を透過可能なメモリ機能を有
する表示層1と光導電部材からなる光導電層2とを積層
し、表示層と光導電層の間には、光を吸収する遮光層4
が設けられている。
【0058】遮光層4は、表示面側とは反対の裏面側か
らの光をさえぎるので、メモリされた画像をより鮮明に
目読することができるようにするものである。遮光層4
の材料は、光吸収性の色材を分散した樹脂などが利用で
きる。
【0059】光導電層2を用いる画像転写は、光導電層
2に光が照射されるとインピーダンス変化を起こすこと
を利用したものであり、電圧が印加されているとき以外
は表示層に影響を与えず、メモリされた画像が外光の影
響で変化しにくい点で優れている。
【0060】光導電部材としては、無機系、有機系のい
ずれの材料も使用できる。
【0061】無機系材料としては、例えば、セレン、ア
モルファスシリコン、酸化亜鉛、BSO等が挙げられ、
中でも、アモルファスシリコンは、太陽電池等でも広く
用いられている材料であるため好ましい。しかし、電子
媒体がフレキシブルな基板を用いる場合には、その基板
との適性が良く、高温の熱処理や、時間のかかる製造プ
ロセスを必要としない、有機系の材料がより好ましい。
【0062】有機系の材料としては、例えば、電子写真
プロセスにおいて感光体として用いられる材料を用いる
ことができる。
【0063】有機系の材料には、電荷発生と電荷輸送を
同時に行う材料もあり、該材料も適用可能であるが、良
好な光感度特性を示すという観点から、電荷発生層と電
荷輸送層とに機能分離された構成を有する材料が多用さ
れる。
【0064】図において、光導電層2は、電荷発生層2
a、電荷輸送層2b及び電荷発生層2aの順に積層して
なる多層構造を有している。
【0065】この多層構造を有する材料は、良好な感度
特性を有し、表示層1への交流電圧の印加が可能であ
り、表示層1として汎用の液晶素材が使用可能である点
で好ましい。
【0066】また、電極3と電荷発生層2aの間にキャ
リアの突入を防ぐ機能層を形成することも可能である。
なお、このような機能層は電流の流れを著しく妨げない
範囲で形成することができる。
【0067】さらに、中央の電荷輸送層中にさらに電荷
発生層を形成し、電荷発生層、電荷輸送層、電荷発生
層、電荷輸送層及び電荷発生層とした構成の材料も適用
可能である。
【0068】電荷発生層2aに用いられる材料として
は、ペリレン系、フタロシアニン系、ビスアゾ系、ジチ
オピトケロピロール系、スクワリリウム系、アズレニウ
ム系、チアピリリウム・ポリカーボネート系など光照射
により電荷が発生する有機材料が挙げられる。なお、電
荷発生層は光吸収性の材料であり、層の膜厚を厚くしす
ぎると、電子媒体5を透過して原稿に光を照射する場合
に、原稿にほとんど光が届かない恐れがある。このた
め、光を遮断しない程度の膜厚で電荷発生層を形成する
必要がある。
【0069】電荷発生層2aの形成方法としては、真空
蒸着法やスパッタリング法など、ドライな膜形成法のほ
か、溶剤や分散剤を用いたスピンコート法、ディップコ
ート法、アプリケータなどを用いた塗布方法も適用可能
である。
【0070】また、電荷輸送層2bに用いられる材料と
しては、トリニトロフルオレン系、ポリビニルカルバゾ
ール系、オキサジアゾール系、ピラリゾン系、ヒドラゾ
ン系、スチルベン系、トリフェニルアミン系、トリフェ
ニルメタン系、ジアミン系などが挙げられる。また、L
iClO4を添加したポリビニルアルコールやポリエチ
レンオキシドのようなイオン導電性材料の適用も可能で
ある。
【0071】電荷輸送層2bの形成方法としては、電荷
発生層2aの形成に適用可能な方法と同様の方法を挙げ
ることができる。
【0072】メモリ機能を有する表示層1としては、電
界応答性の表示材料、或いは、電流の通電によって表示
可能なもの(電流応答性の表示材料)等が好適である
が、電子媒体に重ねた反射原稿を照明する光をある程度
透過することのできる表示材料が望ましい。
【0073】そのような電界応答性の表示材料として
は、カイラルスメクチックC相等の強誘電液晶、カイラ
ルネマチック、スメクチック、ディスコテック液晶素材
などが挙げられる。また、液晶素材としては、液晶化合
物が高分子材料中に分散されたものや、液晶素材中に高
分子材料を若干混合したもの、或いは、液晶化合物自体
が高分子化合物であるもの等が挙げられる。
【0074】本実施形態の表示層1は、図で示すよう
に、電界応答性の表示材料全体をマイクロカプセル1a
内に封入し、そのマイクロカプセル1aをバインダーに
分散させた構成としているをので、表示層1形成後の耐
機械特性に優れる等の利点があり、手に持った時の操作
性に優れたシート状の表示記録媒体を実現する上で好ま
しい。この表示層は、塗布プロセスにより公知の塗布方
法により形成することができる。
【0075】また、マイクロカプセル1a内にはカイラ
ルネマチック液晶1bを含んで構成されているので、高
い反射コントラストを有し、無電源状態でも転写された
画像を安定的に保持することができる。さらに、印加す
る電圧を調整することにより任意の表示色でメモリする
こともできる。
【0076】なお、この他、電流応答性の表示材料とし
ては、エレクトロクロミー現象を発現する、無機系若し
くは有機系の表示材料が挙げられる。
【0077】上述した表示素子の中でも、画像メモリー
性を有し、電圧印加終了後もバッテリーを要することな
く、表示内容を安定に維持することができ、また、書込
装置から切り離してシート状の電子媒体として利用でき
る点で、スメクチック液晶、カイラルスメクチックC相
等の強誘電液晶、若しくはカイラルネマチック液晶等を
主とした表示材料が好ましい。
【0078】さらに、偏光板やカラーフィルタを必要と
せずに、選択反射波長特性を利用したカラー表示を高い
反射率で行え、高コントラストで高精細な画像を表示し
うる観点から、カイラルネマチック液晶を主体とする表
示材料が特に好ましい。
【0079】電子媒体の支持体となる光透過性の基板と
しては、ガラス又はプラスチック等を材料とした基板が
挙げられるが、紙ハードコピーに近いフレキシブル性
や、ラフな取り扱いにも耐えられる機械強度に優れる点
で、プラスチック材料を用いた基板が好ましい。
【0080】プラスチック材料を用いた基板としては、
例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル
系フイルム、ポリカーボネート、ポリイミド等が挙げら
れる。基板の厚みとしては、自己支持性やフレキシブル
性、軽量性、重ねた時の厚み等の点で、75〜500μ
mが好ましい。
【0081】図における、1組の光透過性部材からなる
電極3は、光透過性のもので、入射する光が吸収・散乱
を受け難く、かつ表示層1に画像を形成できる電圧を印
加しうるものであればよく、それ自体が導電性の基板で
あるもののほか、光透過性の基体の一方の表面に光透過
性の導電性層が形成された基板等も挙げられる。例えば
互いに対向する2枚の基体の各対向面側の表面に、それ
ぞれ導電性膜が設けられた態様のものがある。
【0082】導電性層は、入射光が散乱を受け難い透明
性部材で、導電性があり電極として機能しうるものであ
れば特に制限はなく、例えば、ITO(インジュウム−
スズ酸化物)、二酸化スズ等の金属酸化物等が挙げられ
る。また、導電性セラミックス材料等を用いることもで
きる。導電性膜は、例えば、蒸着法、スパッタリング
法、CVD法等従来公知の方法により基板上に形成でき
る。
【0083】本実施形態の表示層1は、上述したように
電界応答性の表示材料であるカイラルネマチック液晶を
マイクロカプセル1a内に封入し、そのマイクロカプセ
ルをバインダーに分散して層構造を形成している。
【0084】表示層1がマイクロカプセル1a構造の表
示材料を含む層から構成されていると、転写表示媒体が
機械的な刺激を受けても内部の表示材料の流動してメモ
リされた転写画像が変化してしまうなどの問題が生じな
い。
【0085】また、表示層1と光導電層2の間に設けた
遮光層4により、表示面側とは反対の裏面側からの光を
さえぎるので、転写画像をより鮮明に目読することがで
きる。なお、遮光層の材料は、光吸収性の色材を分散し
た樹脂などが利用できる。
【0086】本実施形態においては、表示層1は、電界
応答性の表示材料を用いているので、液晶材料の劣化、
特性変化を避けるうえでDCパルス電圧よりはACパル
ス電圧による駆動が好ましく、また、光導電層2も3層
構造をなし、交流電圧を印加することができるので、電
圧印加手段から平行電極にACパルス電圧を印加する構
成となっている。また、遮光層4を設けているので、原
稿にプリントされている文字や図形などを転写表示媒に
転写するときは、第1の実施形態の図1で示した例のよ
うに、転写表示媒体の裏面側に原稿を密着させ、その密
着した原稿側から照明を行なう。
【0087】このように、メモリ性を有する表示層1を
カイラルネマチック液晶を含んで構成したことにより、
転写画像は、高い反射コントラストを有し、電圧印加手
段を取り外した無電源状態でも転写時のままの状態を安
定的に保持することができる。
【0088】次に、本発明の第2の実施形態の画像転写
表示装置について説明する。
【0089】図5は、第2の実施形態の画像転写装置を
示す概略構成図である。
【0090】第2の実施形態は、第1の実施形態と較べ
て、光導電層側の電極が光吸収部材からなる遮光層を兼
ねている点、および表示面側を上向きにした電子媒体の
表示面の上に、片面に文字や図形などがプリントされた
原稿を載せ、原稿の上から面状の光源で光を照射する点
は相違するがそれ以外は共通する。したがって、同一の
構成要素には同一の符号を付し、相違点についてのみ説
明する。
【0091】図5に示す画像転写装置において、電子媒
体5の電極3のうちの光導電層2側の電極3aが光吸収
部材からなる遮光層を兼ねている。電子媒体5は表示面
側を上向きにし、その電極3の電極引きだし部18がパ
ルス電源15の電極端子部19と接続されている。
【0092】電子媒体5の上に、片面に文字や図形など
の画像がプリントされた原稿12を載せ、原稿12の上
から面状の光源17でその原稿12を照射する。
【0093】電子媒体5の表示面の上に載せた原稿12
を面状の光源17で照明すると、原稿12を透過した透
過光が電子媒体5の表示層1を経由して光導電層2に照
射される。
【0094】したがって、原稿12にプリントされた文
字や図形などが表示層1にメモリされ、そのメモリされ
た画像は、遮光層の効果により表示面側からのみ入射す
る光を反射して鮮明に目読することができる。
【0095】図6は、本実施形態で用いる電子媒体の一
例を示す断面図である。
【0096】図6に示す転写表示媒体は、図に示す電子
媒体と較べて、光導電層側の電極が光吸収部材により構
成され遮光層を兼ねており、また表示層1と光導電層2
との間に隔離層1bが設けられている点が相違するが、
それ以外は同じであり、同一の構成要素には同一の符号
を付し、ここでは説明を省略する。
【0097】本実施形態においては、電子媒体5の表示
面側に原稿を載せて転写する。電子媒体5の光導電層2
側に原稿を密着させても、原稿を照明した光は遮光層を
兼ねる電極3aを透過することができないので画像が形
成されないためである。
【0098】本実施形態においても、原稿にプリントさ
れた文字や図形などが表示層にメモリされ、そのメモリ
された転写画像は表示面側のみからの光により反射して
鮮明に目読することができる。
【0099】
【実施例】以下に、本発明の画像転写表示方法および画
像転写表示装置に用いる転写表示媒体の実施例について
説明する。
【0100】(実施例1)本実施例の電子媒体の断面図
は図4と同じであり、ここでは図及び図の説明は省略す
る。
【0101】本実施例の電子媒体は、片面にITO(酸
化インジウム錫)電極膜が形成されたPETフィルム基
板(商品名:ハイビーム、東レ(株)製)を2枚、電極
膜を内側に向けて対向させ、この平行に配置された2枚
の基板の間に、光導電層及びマイクロカプセルに内包さ
れたカイラルネマチック液晶素材を含有する表示層を積
層した構成である。
【0102】正の誘電率異方性を有するネマチック液晶
E8(メルク社製)74.8部に、カイラル剤CB15
(BDH社製)21部とカイラル剤R1011(メルク
社製)4.2部を加熱溶解後室温に戻して、ブルーグリ
ーンの色光を選択反射するカイラルネマチック液晶を得
た。このブルーグリーンカイラルネマチック液晶10部
にキシレンジイソシアネート3モルとトリメチロールプ
ロパン1モルとの付加物(武田薬品工業製D−HON)
3部と酢酸エチル100部を加えて均一溶液とし、油相
となる液を調整した。
【0103】一方、ポリビニルアルコール(クラレ社製
ポバール217EE)10部を、熱したイオン交換水1
000部に加えて撹拌後、放置冷却することによって、
水相となる液を調整した。
【0104】次に、スライダックで30V交流を与えた
家庭用ミキサーによって前記油相を前記水相中に1分間
乳化分散して、水相中に油相液滴が分散した水中油エマ
ルジョンを調整した。の水中油エマルジョンを60℃の
ウォーターバスで加熱しながら2時間撹拌し、界面重合
を完了させて、液晶マイクロカプセルを形成した。得ら
れた液晶マイクロカプセルの平均粒径は、レーザー粒度
分布計によって約12μmと見積もられた。
【0105】マイクロカプセル分散液を網目38μmの
ステンレスメッシュを通して濾過後一昼夜放置し、乳白
色の上澄みを取り除くことによりマイクロカプセルから
なる固形成分約40wt%のスラリーを得た。
【0106】スラリーに対しマイクロカプセルからなる
固形成分の重量に対して2/3となる量のポリビニルア
ルコールを含むポリビニルアルコール10重量%の溶液
を加えることにより塗布液を調整した。
【0107】125μm厚ITO付きPETフイルム
(東レハイビーム)のITO面上に、上記塗布液を#4
4のワイヤーバーで塗布することにより、表示層を作製
した。
【0108】次に、もう一方のITO電極付基板の電極
上に、有機材料からなる光導電層を形成した。光導電層
は電荷輸送層の上下に電荷発生層を積層した構成であ
る。その作製方法を以下に示す。まずITO電極上に光
導電層の第1の電荷発生層として、ヒドロキシガリウム
フタロシアニンとバインダー樹脂であるポリビニルブチ
ラールを1:1に混合したプロパノール分散液をスピン
コート法により基板に塗布後、乾燥させ、0.2μmの
厚さに形成した。次に前記電荷発生層の上の電荷輸送層
として、まず、電荷輸送材N,N−Bis(3,4−d
imethylphenyl)birheny1−4−
amine、とバインダー樹脂PolyCarbona
te bisphenol−Z、(ポリ(4,4’−シ
クロヘキシリデンジフェニレンカーボネート))をそれ
ぞれ40wt%、60wt%の割合で混合した後、これ
をモノクロロベンゼンに溶解させ10%の溶液を作製
し、この溶液をディップコートにより、120mm/m
inの速度で引き上げ、電荷発生層上に3μm厚の電荷
輸送層を作製した。更に、第2の電荷発生層として前記
第一の電荷発生層とどうような材料、手順で0.2μm
厚に形成した。さらに、その上に遮光層としてスピンコ
ート法により、黒色樹脂BKR−105(日本化薬製)
を塗布した。
【0109】前記したマイクロカプセルカイラルネマチ
ック液晶からなる表示層上に、上述した光導電層を作製
したPETフイルムのPVA面上に完全水性型ドライラ
ミネート接着剤であるディックドライWS−321A/
LD−55(大日本インキ化学工業)を塗布乾燥させて
4μm厚の接着層を形成した後に密着させ70℃におい
てラミネートを行った。
【0110】以上の方法によって作製された表示記録媒
体と露光手段、電圧印加手段を用いて、露光を行ないな
がら電圧を印加した所、電圧印加を解除した表示層に
は、露光後の透過光のパターンに従って、緑色の選択波
長反射を示すプレーナ状態、又は光透過による背景色
(ここでは、遮光層の光吸収による暗色)を示すフォー
カルコニック状態よりなるコントラストの高い画像が形
成され、原稿と同一の画像を転写することができた。
【0111】しかも、表示記録媒体は、表示層としてマ
イクロカプセルにカイラルネマチック液晶を内包したこ
とで取り扱い時における高い画像保存性、耐機械的特性
を示した。また、表示記録媒体のみを画像転写装置本体
より取り外した後においても形成画像が安定に保持さ
れ、シート状の安定した複写物を得ることができた。さ
らに、紙と同様の取り扱いが可能であり、複数の表示記
録媒体を用いることで複数の表示をも同時にかつ容易に
行うことができた。得られた複写画像は、再度画像転写
装置本体に装着し、同様の複写操作を繰り返すことによ
り、容易にかつ何回でも所望の画像に容易に書き換える
ことができた。
【0112】(実施例2)本実施例の電子媒体の断面図
は図6と同じであり、ここでは図及び図の説明は省略す
る。
【0113】本実施例の電子媒体は、実施例1で採用し
た遮光層の代りに、表示層と光導電層の間に透明な誘電
材料からなる隔離層を設けたものである。隔離層として
は、実施例1で記載したような手順で作製した光導電層
の上に、PVA(ポリビニルアルコール)をスピンコー
ト法によって、0.2μmの厚さに形成した。また、表
示面と逆側の電極基板には、黒色PET上にITO電極
が形成された基板を採用した。この黒色PET電極基板
は、画像観察時にカイラルネマチック液晶のプレーナ領
域における選択反射色と、フォーカルコニック領域の黒
色からなる良好な反射コントラスト画像を与えることに
寄与するものである。
【0114】その他の表示記録媒体の構成、露光手段、
電圧印加手段は実施例1と同様である。上記媒体及び原
稿に対し、露光を行ないながら電圧を印加した所、電圧
印加を解除した表示層には、露光後の透過光のパターン
に従って、緑色の選択波長反射を示すプレーナ状態、又
は光透過による背景色(ここでは、下側基板である黒色
PETの黒色)を示すフォーカルコニック状態よりなる
コントラストの高い画像が形成され、原稿と同一の画像
を転写することができた。
【0115】(実施例3)本実施例の転写表示媒体は、
実施例1及び2で説明した転写表示媒体の光導電層の材
料と異なる材料を使用したものであり、その他の構成は
実施例1及び2と同じである。具体的には、電荷発生材
料であるベンズイミダールペリレン(BZP)を用い
て、蒸着により0.08μm厚の電荷発生層を形成し
た。次いで、ビフェニルージアミン系材7、2%、ポリ
カーボネートビスフェノールZ(ポリ(4、4L一シク
ロヘキシリデンジフェニレンカーボネート))10.8
%及びモノクロロベンゼン82%を混合した後、これに
さらにモノクロベンゼンを加えて2倍に希釈して塗布液
を調製し、これを前記電荷発生層上にディップコート法
により塗布して、3μm厚の電荷輸送層を積層した。さ
らに、該電荷輸送層上に、前述したと同様にしてBZP
を蒸着し0.08μm厚の電荷発生層を形成した。
【0116】上記光導電材料を採用した表示記録媒体を
用いた光書き込みにおいても、コントラストの高い画像
が形成され、原稿と同一の画像を転写することができ
た。
【0117】
【発明の効果】本発明によれば、薄くて、軽くて、可撓
性があるシート状の電子媒体に印刷物等の片面にプリン
トされた原稿を重ね、光を照射しながら、電子媒体に電
圧を印加するだけで着色材料などを使用することなく瞬
時にその原稿の画像を電子媒体に転写することが可能で
あり、電子媒体から電源を取り外した状態でも転写した
画像を保持することができる。また、電子媒体は何度で
も書換えて再利用が可能であり、かつ、軽くて薄い電子
媒体を複数用いて複数頁の複写物を作成し、それらの表
示内容を無電源状態で保持することにより、一時的な文
書情報の記録や記録された情報の操作性、閲覧性を高め
ることができる。さらに画像を転写する際に結像光学系
等のコストアップに繋がる部品を必要としない極めて簡
易な構成で安価に実現できる。
【0118】さらに、電子媒体の材料を替えることによ
り、高い反射コントラストや、任意の表示色の転写画像
を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像転写表示方法の実施形態を示す概
略図である。
【図2】本実施形態の他の構成例を示す概略図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の画像転写装置の概略
構成図である。
【図4】本実施形態に用いる電子媒体の一例を示す断面
図である。
【図5】第2の実施形態の画像転写装置を示す概略構成
図である。
【図6】本実施形態で用いる電子媒体の一例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 表示層 1a マイクロカプセル 1b カイラルネマチック液晶 2 光導電層 2a 電荷発生層 2b 電荷輸送層 3 電極 4 遮光層 5 電子媒体 6 電圧印加手段 8 光 9 光源 10,12 原稿 11 画像 13 画像記録面 15 パルス電源 16 制御手段 17 面状の光源 18 電極引きだし部 19 電極端子部 20 冷陰極管 21 透明導光板 22 スタートボタン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H088 EA62 HA10 HA28 JA17 MA20 2H092 LA02 NA26 PA07 PA13 QA13 4M118 AA10 AB01 CA15 GA05 GB15 HA26 HA27

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像を表わす光の照射と電圧の印加とによ
    って該画像が可視的にかつ消去自在にメモリされる電子
    媒体に、光透過率分布による画像を記録した原稿を重
    ね、該原稿に光を照射するとともに該電子媒体に所定の
    書込電圧を印加することにより、該転写原稿を透過して
    該電子媒体に照射された光の光量分布に基づく画像を該
    電子媒体にメモリすることを特徴とする画像転写方法。
  2. 【請求項2】前記電子媒体に所定の初期化電圧を印加す
    ることにより該電子媒体にメモリされた画像を消去し該
    電子媒体を初期化することを特徴とする請求項1記載の
    画像転写方法。
  3. 【請求項3】画像を表わす光の照射と電圧の印加とによ
    って該画像が可視的にかつ消去自在にメモリされる電子
    媒体、前記電子媒体に重ねられた、光透過率分布による
    画像を記録した原稿に光を照射する光源、および前記光
    源からの、該電子媒体に重ねられた前記原稿への光の照
    射とタイミングを合わせた該電子媒体に画像をメモリす
    るための所定の書込電圧の該電子媒体への印加と、前記
    電子媒体にメモリされた画像を消去し該電子媒体を初期
    化する所定の初期化電圧の該電子媒体への印加を行なう
    電圧印加手段を備えたことを特徴とする画像転写装置。
  4. 【請求項4】前記電子媒体は、少なくとも一方が光を透
    過する1組の電極の間に、メモリ機能を有する表示層と
    光導電部材からなる光導電層とを積層したものであるこ
    とを特徴とする請求項3記載の画像転写装置。
  5. 【請求項5】前記電子媒体は、前記表示層にカイラルネ
    マチック液晶を含むものであることを特徴とする請求項
    4記載の画像転写装置。
  6. 【請求項6】前記電子媒体は、前記表示層にマイクロカ
    プセル化した液晶を含むものであることを特徴とする請
    求項4記載の画像転写装置。
  7. 【請求項7】前記電子媒体は、前記表示層と前記光導電
    層との間に光を吸収する遮光層を積層したものであるこ
    とを特徴とする請求項4記載の画像転写表示装置。
  8. 【請求項8】前記電子媒体は、前記光導電層にキャリヤ
    を発生する有機材料で形成された電荷発生層と該キャリ
    ヤを運ぶ有機材料で形成された電荷輸送層とを有するも
    のであることを特徴とする請求項4記載の画像転写装
    置。
  9. 【請求項9】前記電子媒体は、前記光導電層に電荷発生
    層、電荷輸送層および電荷発生層からなる構造を含むも
    のであることを特徴とする請求項8記載の画像転写装
    置。
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