JP2002189200A - 光スイッチング素子、デバイス、光書き込み型記録用媒体、表示装置および書き込み装置 - Google Patents

光スイッチング素子、デバイス、光書き込み型記録用媒体、表示装置および書き込み装置

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JP2002189200A
JP2002189200A JP2000387005A JP2000387005A JP2002189200A JP 2002189200 A JP2002189200 A JP 2002189200A JP 2000387005 A JP2000387005 A JP 2000387005A JP 2000387005 A JP2000387005 A JP 2000387005A JP 2002189200 A JP2002189200 A JP 2002189200A
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switching element
optical
optical switching
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JP2000387005A
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Hideo Kobayashi
英夫 小林
Taketo Hikiji
丈人 曳地
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光スイッチング素子に用いられる電荷発生層
の材料を選択することにより、光感度が大きい光スイッ
チング素子を提供し、このような光スイッチング素子を
用いるデバイス、光書き込み型記録媒体、表示装置およ
び書き込み装置を提供すること。 【解決手段】 基板上に少なくとも、電極層、下部電荷
発生層、電荷輸送層、および上部電荷発生層を順次積層
した、交流電界あるいは交流電流により駆動される機能
素子のスイッチングを行うための光導電スイッチング素
子において、前記下部電荷発生層および上部電荷発生層
の少なくとも上部電荷発生層の電荷発生材が、X線回折
スペクトルにおけるブラッグ角で表わされる、特定の結
晶構造を有するクロロガリウムフタロシアニン、ヒドロ
キシガリウムフタロシアニンおよびチタニルフタロシア
ニンである光スイッチング素子、該素子と機能素子を結
合したデバイス、光書き込み型記録用媒体、表示装置お
よび書き込み装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光スイッチング素
子これを用いる光書き込み型記録用媒体等のデバイス、
表示装置および書き込み装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光導電性スイッチング素子と表示
素子を組み合わせた光書き込み型空間変調デバイスが開
発され、ライトバルブとしてプロジェクター等に実用化
されているほか、"液晶空間変調機と情報処理"液晶, Vo
l.2,No.1, '98, pp3-18にあるように、光情報処理の分
野にも可能性が検討されている。光書き込み型空間変調
デバイスは、所定の電圧を素子に印加しつつ、受光した
光量により光導電性スイッチング素子のインピーダンス
を変化させ、表示素子に印加される電圧を制御すること
により、表示素子を駆動し、画像を表示するものであ
る。特に、光書き込み型空間変調デバイスの表示制御素
子にメモリ性のある素子を用いて、切り離し可能にした
光書き込み型媒体は、電子ペーパー媒体として注目され
ている。
【0003】また、光書き込み型媒体の表示制御素子と
しては、例えば、ポリマーに分散しメモリ性を付与した
ネマチック液晶、コレステリック液晶、強誘電液晶のよ
うな液晶表示素子、あるいは電気泳動素子や電界回転素
子、トナー電界移動型素子や、これらをカプセル化した
素子等が検討されている。これら、受光した光量により
電圧あるいは電流を制御できるような光スイッチング素
子としては、例えば、アモルファスシリコン素子、有機
光導電体を用いた機能分離型二層構造のOPC素子のほ
か、さらに、本発明者らにより、特開2000−180
888号公報により提供された、電荷輸送層(CTL)の上
下に電荷発生層(CGL)、を形成した構造(以下、デュアル
CGL構造(dual CGL structure)と称する)のOPC素子が知
られている(図1)。特にOPC素子は、高温の熱処理を必要
としないため、PETフィルムなどのフレキシブル基板へ
の適用も可能であり、かつ、真空プロセスも無いために
安価に作製できるという利点を有する。なかでも、前記
Dual CGL構造は、交流駆動が可能であり、表示素子に液
晶素子を用いた場合においても、印加電圧に含まれるバ
イアス成分によりイオンの移動に起因した画像の焼付き
現象も生じにくいため、特に有効な構造である。この光
スイッチング素子を電子ぺーパーに適用した光書き込み
型電子ぺーパ-の概念図を図1に示す。
【0004】しかしながら、この構造には、以下のよう
な問題があった。すなわち、光感度が不十分である。例
えば、電荷発生材にペリレンを用いた場合、特開2000-1
80888号公報に示されているように、モノクロ画像を作
製するために、ポジ記録(光が照射された部位が高反射
率となり、非照射部が低反射率となる)では、数mW/cm2
もの光量が必要になる。もちろん、例えば、(41L-99-04
7)にあるように、表示層と光スイッチング素子の時定数
を制御することにより高感度化することが可能である
が、光スイッチング素子の感度が不十分な場合、その設
計マージンが狭いという問題がある。
【0005】ここで、光感度とは、光スイッチング素子
に所定の光量を照射したとき、よりインピーダンスの抵
抗成分が小さくなるか、あるいは、所定の電圧が印加さ
れ得ている場合、より、インピーダンスの抵抗成分が小
さいことを示す。所定の光量とは、通常は50μmW/cm2
ら500μmW/cm2程度であり、大光量時であっても1mW/cm2
程度であり、所定の電圧とは、通常、50V0p〜500V0p程
度である。OPC素子は、暗時のインピーダンスの抵抗成
分は数百MΩ/cm2から数GΩ/cm2と非常に高く、光照射時
はインピーダンスの抵抗成分は数百KΩ/cm2から数十MΩ
/cm2となる。これに対し、表示素子のインピーダンスの
抵抗成分は、通常、数MΩ/cm2から100MΩ/cm2程度であ
るため、光照射時の抵抗成分の低抵抗化が大きいほど記
録感度高感度化あるいは記録マージン拡大に寄与する。
【0006】Dual CGL構造において、感度が十分得られ
ない理由としては、以下のように推察される。すなわ
ち、電子写真用感光体用機能分離型二層とは異なるDual
CGL構造特有の課題である。光スイッチング素子の作製
は、通常、基本的には、透明基板上に下部電荷発生層、
電荷輸送層、上部電荷発生層と作製していく。このう
ち、下部電荷発生層および電荷輸送層の形成は、通常の
電子写真用感光体の構造である機能分離型二層構造と同
様に作製されるため、電荷輸送層作製時に、溶液が電荷
発生層内に染み込み、結果として、電荷発生層/電荷輸
送層界面の増加による感度向上などが、容易に得られる
のに対し、その上に作製される電荷発生層については、
その染み込み効果が無く、感度の向上が得られないと考
えられる。また、本光スイッチング素子の構造であるdu
al CGL構造では、さらに、電荷輸送層を通過してきたキ
ャリアが電荷輸送層に再突入するため、この再突入を速
やかに行えるような電荷発生材料が必要であると考えら
れる。このため、Dual CGL 構造の光スイッチング素子
に用いられる電荷発生材料は、これまで、例えば、電子
写真用感光体に用いられる機能分離型二層構造の電荷発
生層とは異なる特性を有する電荷発生層が求められる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のごと
き問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光
スイッチング素子に用いられる電荷発生層の材料を選択
することにより、光感度が大きい光スイッチング素子を
提供し、また、このような光スイッチング素子を用いる
デバイス、光書き込み型記録媒体、表示装置および書き
込み装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的は、以下の光ス
イッチング素子、デバイス、光書き込み型記録媒体、表
示装置および書き込み装置を提供することにより解決さ
れる。 (1)基板上に少なくとも、電極層、下部電荷発生層、
電荷輸送層、および上部電荷発生層を順次積層した、交
流電界あるいは交流電流により駆動される機能素子のス
イッチングを行うための光導電スイッチング素子におい
て、前記下部電荷発生層および上部電荷発生層の少なく
とも上部電荷発生層の電荷発生材が、(1)結晶構造が
X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2
°)が、少なくともi)7.4°、16.6°、25.5°及び28.3
°、ii)6.8°、17.3°、23.6°及び26.9°、またはiii)
8.7°〜9.2°、17.6°、24.0°、27.4°及び28.8°に強
い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン、
(2)結晶構造がX線回折スペクトルにおけるブラッグ
角(2θ±0.2°)が、少なくともi) 7.5°、9.9
°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°、i
i)7.7°、16.5°、25.1°および26.6°、iii) 7.9°、1
6.5°、24.4°および27.6°、iv)7.0°、7.5°、10.5
°、11.7°、12.7°、17.3°、18.1°、24.5°、26.2°
および27.1°、v) 6.8°、12.8°、15.8°および26.0
°、またはvi)7.4°、 9.9°、25.0°、26.2°および2
8.2°に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフ
タロシアニン、および(3)結晶構造がX線回折スペク
トルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が 、少な
くともi) 9.3゜および26.3゜に強い回折ピークを有する
か、またはii)9.5゜、9.7°、11.7°、15°、23.5°、2
4.1°、および27.3゜に強い回折ピークをもつチタニル
フタロシアニン、の群より選ばれる少なくとも一種類以
上の電荷発生材であることを特徴とする光スイッチング
素子。本発明の光スイッチング素子は、電荷輸送層を挟
んで二層の電荷発生層を形成しているため、交流電界を
印加した場合0Vを中心とした対称性が極めて優れてい
るとともに光感度が増加している。
【0009】(2)前記(1)に記載の光スイッチング
素子と機能素子を電気的に接続したデバイス。 (3)一組の基板の間に、少なくとも電極と表示層と光
スイッチング素子と電極が積層されてなる光書き込み型
記録媒体において、前記光スイッチング素子が前記
(1)に記載の光スイッチング素子であって、該素子の
上部電荷発生層が表示層側に位置し、かつ少なくとも書
き込み光が入射する側の基板および電極が光透過性であ
ることを特徴とする光書き込み型記録媒体。本発明の光
書き込み型記録媒体は前記のごとき光スイッチング素子
を用いているため、記録感度を大幅に改善することがで
きる。 (4)前記(3)に記載の光書き込み型記録媒体、前記記
録媒体を駆動するための記録媒体駆動装置、前記記録媒
体に光書き込みを行う書き込み装置および制御手段を少
なくとも備える表示装置。 (5)前記(3)に記載の光書き込み型記録媒体を接続
することが可能な記録媒体駆動装置、前記記録媒体に光
書き込みを行う光書き込み装置および制御装置を少なく
とも備える書き込み装置。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の光スイッチング素子は、
基本的には光透過性の基板、光透過性の電極層、下部電
荷発生層、電荷輸送層および上部電荷発生層から構成さ
れるものである。(なお、以下においては「光透過性」
という性質を「透明」と表現することがある。) 図1を用いて、本発明の光スイッチング素子を説明す
る。図1は本発明の光スイッチング素子30(デュアル
CGL 構造の光スイッチング素子)の構造を示し、図1
中、10は基板、12は導電膜(電極)、14は下部電
荷発生層、16は電荷輸送層、18は上部電荷発生層を
それぞれ示す。以下で説明するデバイスあるいは光書き
込み媒体においては、上部電荷発生層が機能層たとえば
表示層側に位置することになる。
【0011】本発明においては、DualCGL構造の光スイ
ッチング素子における、電荷輸送層の上下に積層した電
荷発生層について検討した結果、前記下部電荷発生層お
よび上部電荷発生層の少なくとも上部電荷発生層の電荷
発生材として、特定の結晶構造をもつフタロシアニン化
合物、すなわちクロロガリウムフタロシアニン、ヒドロ
キシガリウムフタロシアニン、あるいはチタニルフタロ
シアニンの一種類またはこれらの混合物を主成分とする
電荷発生材を用いることを特徴とし、このことにより高
感度な光スイッチング素子を得ることができた。
【0012】前記クロロガリウムフタロシアニンは、X
線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.
2°)が、少なくともi)7.4°、16.6°、25.5°及び28.
3°、ii)6.8°、17.3°、23.6°及び26.9°、またはii
i)8.7°〜9.2°、17.6°、24.0°、27.4°及び28.8°に
強い回折ピークを有する結晶構造をもつものである。
【0013】また、前記ヒドロキシガリウムフタロシア
ニンは、X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.
2°)が、少なくともi) 7.5°、9.9°、12.5°、16.3
°、18.6°、25.1°および28.3°、ii)7.7°、16.5°、
25.1°および26.6°、iii) 7.9°、16.5°、24.4°およ
び27.6°、iv)7.0°、7.5°、10.5°、11.7°、12.7
°、17.3°、18.1°、24.5°、26.2°および27.1°、v)
6.8°、12.8°、15.8°および26.0°、またはvi)7.4
°、 9.9°、25.0°、26.2°および28.2°に強い回折ピ
ークを有するような結晶構造をもつものである。
【0014】また、チタニルフタロシアニンは、X線回
折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)が、少な
くとも9.5゜、9.7°、11.7°、15°、23.5°、24.1°、
および27.3゜に強い回折ピークをもつ結晶構造のチタニ
ルフタロシアニン結晶であるか、あるいはX線の回折角
(2θ)が、少なくとも9.3゜および26.3゜に強い回折
ピークをもつ結晶構造をもつものである。電荷発生層に
は、前記フタロシアニンを電荷発生材の50質量%以上
含んでいればよく、これらを主成分として用いるもので
あれば、それ以外の電荷発生材等を混合しても差し支え
ないことは勿論である。
【0015】また、下部電荷発生層の電荷発生材として
は、前記構造のクロロガリウムフタロシアニン、ヒドロ
キシガリウムフタロシアニン、あるいはチタニルフタロ
シアニンの一種類またはこれらの混合物を主成分とする
電荷発生材の他に、ペリレン系、フタロシアニン系、ビ
スアゾ系、ジチオピトケロピロール系、スクワリリウム
系、アズレニウム系、チアピリリウム・ポリカーボネー
ト系など光照射により電荷が発生する有機材料が適用可
能である。
【0016】電荷発生層に用いるバインダー樹脂として
は、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、
ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル樹脂、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂を含む)、ア
クリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリ
ジン樹脂、セルロール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル
ピロリドン樹脂などが適用可能である。特に、ポリビニ
ルブチラール樹脂、およびポリアミド樹脂、なかでもメ
トキシメチル化6ナイロン等のナイロン系樹脂は、アル
コール系およびケトアルコール系の多くに可溶であり、
効果的である。また、カルボキシル変性塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体は、ケトアルコールに可溶であり、か
つ、電荷発生材料であるヒドロキシガリウムフタロシア
ニン等を良好に分散させるため、好ましいバインダー樹
脂である。
【0017】電荷発生層の作製方法としては、真空蒸着
法やスパッタ法などドライな膜形成法のほか、溶液ある
いは分散液を用いるスピンコート法、ディップ法などが
適用可能である。いづれの方式も、a-Siやフォトダイオ
ード作製におけるような基板加熱や厳しい工程管理は不
要である。上部および下部電荷発生層の膜厚は、10nm〜
1 μm、好ましくは20nm〜500nmが適切である。10nmよ
り薄いと光感度が不足しかつ均一な膜の作製が難しくな
り、また、1 μmより厚くなると、光感度は飽和し、膜
内応力によって剥離が生じ易くなる。
【0018】電荷輸送層を構成する電荷輸送材料として
は、トリニトロフルオレン系、ポリビニルカルバゾール
系、オキサジアゾール系、ピラリゾン系、ヒドラゾン
系、スチルベン系、トリフェニルアミン系、トリフェニ
ルメタン系、ジアミン系などが適用可能である。また、
LiClO4を添加したポリビニルアルコ−ルやポリエチレン
オキシドのようなイオン導電性材料の適用も可能であ
る。中でも、ジアミン系が感度、キャリア輸送能力など
の点から好ましく用いられる。
【0019】電荷輸送層の作製方法としては、真空蒸着
法やスパッタ法などドライな膜形成法のほか、溶液ある
いは分散液を用いるスピンコート法、ディップ法などが
適用可能である。電荷輸送層の膜厚は、0.1 μm〜100
μm、好ましくは1 μm〜10μmが適切である。0.1 μ
mより薄いと耐電圧が低くなって信頼性確保が困難とな
り、また、100 μmより厚くなると、機能素子とのイン
ピーダンスマッチングが困難となって設計が難しくなる
ため、前記の範囲が望ましい。
【0020】また、光スイッチング素子の基板として
は、ガラス、PET(ポリエチレンテレフタレート)、
PC(ポリカーボネート)、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリイミド、PES(ポリエーテルスルホン)等の
基板が用いられる。また、光導電層(電荷発生層、電荷
輸送層)に有機材料を用いる場合には高温で熱処理をす
る工程がないので、フレキシブル基板が得られること、
成形が容易なこと、コストの点などから光透過性のプラ
スチック基板を用いることが有利である。基板の厚みと
しては、一般的には100μmから500μm程度が好適
である。また、本発明における電極層としては、ITO
膜、Au、SnO2 、Al、Cu等が用いられる。ま
た、基板および電極は、必ずしも光透過性である必要は
ない。すなわち、特願平11−273663号に示すよ
うに、光書き込み型記録媒体の表示素子が、メモリ性を
有し、かつ、表示に必要な波長を選択的に反射する選択
反射性または後方散乱性の表示素子である場合には、表
示側から書き込むことが可能であるので、この場合には
少なくとも表示素子側の基板および電極層が光透過性で
あればよい。したがって、表示素子側から光書き込みを
する場合、光スイッチング素子の基板あるいは電極層は
光透過性である必要はなく、電極層としてAl層を用い
ることができる。
【0021】また、本発明の光スイッチング素子におい
ては、上記の光スイッチング素子の電荷輸送層の上下に
形成された電荷発生層の光導電特性が同一でない場合、
特開2000−180888号公報の[0022]ないし
[0025]に記載のごとき、直流成分除去可能な容量成分
をもつ機能膜、すなわち直流成分除去用機能膜を光スイ
ッチング素子に設けることが実効的な直流バイアスを除
去するのに有効である。
【0022】また、直流成分除去用機能膜の他に、他の
機能層を設けることも可能である。たとえば、電極と電
荷発生層の間にキャリアの突入を防ぐ層を形成すること
ができる。また、反射膜や遮光膜を形成することも可能
であるし、これらの複数の機能を兼ねた機能層でも良
い。このような機能層は電流の流れを著しく妨げない範
囲で適用可能である。また本発明の光スイッチング素子
の構造としては、電荷輸送層間に電荷発生層を作製し、
電荷発生層/ 電荷輸送層/ 電荷発生層/ 電荷輸送層/ 電
荷発生層等のような構成とすることも可能である。
【0023】本発明の光スイッチング素子は、基板上に
少なくとも下部電荷発生層、電荷輸送層および上部電荷
発生層をこの順に積層し、かつ少なくとも上部電荷発生
層の電荷発生材として前記のごとき結晶構造を有するフ
タロシアニン化合物を用いたことにより、光スイッチン
グ素子に交流電界を印加した場合にその電圧対称性が優
れていることに加え、光感度が大きく、液晶表示デバイ
ス等の直流成分を嫌う交流駆動機能素子の駆動( スイッ
チング) に用いた場合、記録感度を向上させることがで
きる。
【0024】この光スイッチング素子は、以下で説明す
るような機能素子に電気的に接続して用いることができ
る。光スイッチング素子と機能素子は直列接続であって
も並列接続であっても構わないし、これらの組み合わせ
であっても構わない。更にほかの素子と接続されていて
もよい。前記機能素子としては、画像表示のための液晶
表示素子、エレクトロクロミック、電気泳動素子、電界
回転素子等の表示素子、画像表示以外の空間変調素子や
光演算素子、記憶装置に用いるメモリ素子、サーマルヘ
ッド用画像記録素子等が挙げられる。本発明の光スイッ
チング素子は、画像表示素子、特に液晶表示素子のスイ
ッチングを行わせるのに効果的である。液晶表示素子を
用いた場合は、光書き込み型液晶空間変調素子として使
用することが可能である。特に、液晶表示デバイスは、
交流駆動が基本であり、上述したように直流成分を嫌う
ため、本発明の光スイッチング素子の適用が効果的であ
る。使用できる液晶は、ネマチック、スメクチック、デ
ィスコチック、コレステリック系などである。
【0025】また、本発明の機能素子としては、メモリ
性のある機能素子を挙げることができる。メモリ性のあ
る機能素子としては、上記液晶表示素子のうちメモリ性
のある液晶表示素子を挙げることができる。メモリ性の
ある液晶とは、液晶を電圧印加により配向制御した後、
電圧印加を解除した後も、一定時間、液晶の配向が保た
れる特徴を持った液晶である。たとえば、ポリマー分散
型液晶(PDLC)やカイラルスメクチックC 相等の強誘電性
液晶、あるいはコレステリック液晶等である。また、こ
れらをカプセル化した液晶素子でも適用可能である。メ
モリ性を有する液晶はそのメモリ性ゆえに、画像表示保
持のための電力を必要とせず、また、後述の一体化した
デバイスを作製し、本体から分離して使用することが可
能である。また、そのデバイスの作製を安価に行うこと
ができる。また、メモリ性のある表示素子としては、上
記液晶表示素子の他、エレクトロクロミック素子、電気
泳動素子、電界回転素子を挙げることができる。
【0026】また、本発明においては、光スイッチング
素子と前記のごとき機能素子とを接続する場合におい
て、これらを一体化させてデバイスとすることが好まし
い。一体化させることにより光スイッチング素子と機能
素子の接続を安定化させることができる。また特に、メ
モリ性を有する機能素子と光スイッチング素子とを一体
化することが効果的である。これらを一体化したデバイ
スは、デバイスを駆動する本体から分離させることが可
能となる。したがって、本体から分離させたデバイスを
例えば、配布することが可能になる。また、使用者は自
由な場所で自由な姿勢で閲覧することができる。もちろ
ん、液晶部の画像表示のみ分離する事にも適用可能であ
る。しかし、機能素子と光スイッチング素子を、再度改
めて接続する場合の信頼性の確保が困難な場合があるた
め、機能素子と有機光導電スイッチングを一体化したも
のの方が効果的である。上記メモリ性を有する機能素子
として、メモリ性を有する液晶素子と光導電スイッチン
グを一体化したデバイス( 画像表示媒体) は、本発明の
デバイスとして特に効果的である。さらに、メモリ性を
有する液晶素子のなかでも、コレステリック液晶は、反
射率が高く、表示性能が優れているため、コレステリッ
ク液晶表示素子と光スイッチング素子を一体化したデバ
イスが特に画像表示媒体として望ましい。さらに、本発
明においては、前記の光スイッチング素子、直流成分除
去用機能膜、および機能素子を順次積層し一体化したデ
バイスとすることが有利である。光スイッチング素子と
機能素子を直列に接続したデバイスにおいて、光スイッ
チング素子の上部電荷発生層と機能素子の間に機能膜を
設けることもできる。たとえば光スイッチング素子と機
能素子を隔離するための隔離層や直流成分除去用機能膜
等が挙げられる。
【0027】本発明の光スイッチング素子と機能素子と
を一体化したデバイスの一例として、図2に前記のごと
き機能膜を備えた光書き込み型空間変調デバイス(光書
き込み型記録媒体)の概念図を示す。この光書き込み型
記録媒体20は、光スイッチング素子30、表示素子4
0および光スイッチング素子と表示素子の間に挟まれた
機能膜50より構成され、光スイッチング素子30は基
板31、電極32、下部電荷発生層33、電荷輸送層3
4および上部電荷発生層35より構成され、表示素子4
0は、基板41、電極42および表示層(液晶層等)4
3から構成される。図から明らかなように、上部電荷発
生層35を表示素子側に位置させる。前記光書き込み型
記録媒体20において、光書き込みが光スイッチング素
子側あるいは表示素子側から行なわれるかにより、光入
射側の素子の基板および電極を光透過性にすることが必
要である。電極32と42の間に交流電界が印加され
る。
【0028】本発明においては、上記のごとき光スイッ
チング素子と機能素子を一体化させたデバイスに、該デ
バイスを駆動する駆動機構を電気的に接続させて、様々
な機能を発揮する装置を作製することができる。またこ
の際、該駆動機構を該デバイスと切り離し可能に構成す
ることにより、デバイスを装置本体から切り離して閲覧
に供したり、配付したりすることができる。機能素子と
してはメモリ性のある機能素子、表示素子、メモリ性の
ある表示素子、液晶表示素子、メモリ性のある液晶表示
素子あるいはコレステリック液晶表示素子等が挙げられ
るが、特にメモリー性のある機能素子、例えばメモリー
性のある液晶表示素子、中でもコレステリック液晶表示
素子が好ましく用いられる。また、上記装置のデバイス
が、前記の直流成分除去用機能膜を備えたデバイスの場
合には、交流電界により駆動する際の電圧対称性がさら
に改善されることになる。
【0029】次に、本発明の表示装置について説明す
る。図3に表示装置の一例の概略図を示す。図3で示さ
れる表示装置は、記録媒体駆動装置、書き込み装置およ
びこれらを制御する制御装置から構成される。これらの
装置は一つにまとめられていてもよいし、分離していて
もよい。記録媒体駆動装置は、波形発生手段62、入力
信号検知手段64、制御手段66およびコネクター65
からなる。コネクタ65は、光スイッチング素子側基板
の透明電極と、表示素子側基板の電極に接続するための
コネクタで、それぞれの側に接点を有し、記録媒体駆動
装置と光書き込み型記録媒体20を自在に分離すること
が可能である。書き込み装置は、制御手段82、光パタ
ーン生成手段(たとえば透過型TFT液晶ディスプレ
イ)84および光照射手段(たとえばハロゲン光源)8
6よりなり、制御手段82はPCにつながっている。ま
た、制御装置は記録媒体駆動装置および書き込み装置を
制御するためのものであり、制御手段70、駆動波発生
信号出力手段72および光書き込みデータ出力手段74
からなる。なお、前記光書き込み型記録媒体20は、こ
の場合、光スイッチング素子30と表示素子40の間に
直流成分除去用機能膜52を備えている。
【0030】光書き込み手段による光書き込みと同期し
て、表示のための駆動パルスを印加する電圧印加手段
(図示せず)は、印加パルスの生成手段、出力するため
のトリガ入力を検知する手段を有する。パルス生成手段
には例えば、ROM のような波形記憶手段とDA変換手段と
制御手段とを有し、電圧印加時にROM から読み出した波
形をDA変換して空間変調デバイスに印加する手段が適用
可能であるし、また、ROM ではなくパルス発生回路のよ
うな電気回路的な方式でパルスを発生させる手段が適用
可能であるが、このほかにも駆動パルスを印加する手段
であれば特に制限なく使用することができる。書き込み
装置としては、空間変調デバイスの光入射側に照射する
光のパターンを生成する手段と、そのパターンを空間変
調デバイスに照射する光照射手段とを有する。パターン
の生成には、例えば、TFTを用いた液晶ディスプレ
イ、単純マトリックス型液晶ディスプレイ等透過型のデ
ィスプレイが適用可能である。光照射手段としては、蛍
光ライト、ハロゲンランプ、エレクトロルミネッセンス
(EL)ライト等、空間変調デバイスに照射できるもので
あれば適用可能である。また、パターン生成手段と光照
射手段を兼ね備えたELディスプレイやCRT、フィール
ドエミッションディスプレイ(FED)など発光型ディ
スプレイも適用可能であることはいうまでもない。前記
のほかにも、空間変調デバイスに照射する光量、波長、
照射パターンを制御できる手段であれば、それ以外であ
っても構わない。
【0031】本発明の表示装置は、前記のごとき光感度
が増大した光スイッチング素子を使用しているため、交
流電界駆動を行った場合に、表示素子、例えば液晶表示
素子の高い反射率が得られることに加え、記録感度が大
幅に改善される。
【0032】本発明における機能素子を駆動する駆動方
法としては、特に制限されないが、交流電圧、周波数、
照射光量および波長制御が適用可能である。本発明の記
録装置あるいは記録方法において印加する印加電圧は交
流電圧であるが、波形としてはサイン波、矩形波、三角
波などが使用可能である。もちろんこれらを組み合わせ
たものでも、まったく任意の波形であっても適用可能で
ある。また、表示性能等改善のため、単独では表示の切
り替えのできないようなサブパルスを駆動パルスに付加
してもよい。表示素子によっては、若干のバイアス成分
印加が有効な場合があるが、本発明のデバイスにおい
て、それを採用しても良いことはもちろんである。
【0033】
【実施例】以下に実施例を示し本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。なお、以下において%は「質量%」を、
部は「質量部」を意味する。 実施例1(光スイッチング素子−OPCセル) この例においては、光スイッチング素子の光感度を評価
するために、OPCセルを作製した。125μm厚のITO付
きPETフィルム(東レハイビーム)のITO面上に、蒸着法
により0.08μm厚のベンズイミダゾールペリレン(以下
において、「BZP」と称す。)の薄膜を形成し下部電荷
発生層とした。
【0034】電荷輸送層用溶液として、電荷輸送材N,N-
bis(3,4dimethylphenyl)biphenyl-4-amine、とバインダ
ー樹脂PolyCarbonate bisphenol-Z、(ポリ(4,4’-シク
ロヘキシリデンジフェニレンカーボネート))をそれぞれ
4:6の質量比率で混合した後、これをモノクロロベンゼ
ンに溶解させ10%の溶液としたものを調製した。この溶
液をディップコートにより、120mm/minの速度で引き上
げ、下部電荷発生層上に3μm厚の電荷輸送層を作製し
た。
【0035】上部電荷発生層用分散液として、X線回折
のブラッグ角が 7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6
°、25.1°および28.3°にピークをもつヒドロキシガリ
ウムフタロシアニンを電荷発生材とし、バインダー樹脂
としてポリビニルブチラールを用い、両者の質量比率を
1:1とし、これを、プロパノールで分散させたもの(濃
度4%)を調製した。この分散液をスピンコート法によ
り電荷輸送層の上に塗布後、乾燥させ、上部電荷発生層
を0.2μm厚に形成した。このようにして、基板、下部電
荷発生層、電荷輸送層および上部電荷発生層よりなる光
スイッチング素子を作製した。前記光スイッチング素子
の上部電荷発生層の上に、50Å厚さのAu電極を作製し、
OPCセルとした。作製したOPCセルをインピーダンス測定
装置に接続し、これに光照射下および暗時下において、
交流サイン波50Hzを印加し、その電圧による明暗時のコ
ントラストを測定し光スイッチング特性を測定した。
【0036】実施例2 下部電荷発生層に用いられる電荷発生材を、無金属フタ
ロシアニンに代える他は、実施例1と同様にしてOPCセ
ルを作製した。
【0037】実施例3 実施例1の光スイッチング素子において、下部電荷発生
層として、上部電荷発生層用分散液と同じ組成の分散液
を、ITO面上にスピンコート法により塗布、乾燥させ
て、下部電荷発生層を0.2μm厚に作製する他は、実施例
1と同様にしてOPCセルを作製した。
【0038】実施例4(光書き込み記録媒体) この例では、実施例3で作製した光スイッチング素子
と、メモリー性のある表示素子を一体にし、画像表示で
きることを確認するための光書き込み記録媒体を作製し
た。実施例3で作製した光スイッチング素子の上部電荷
発生層の上に、隔離層として、ポリビニルアルコールの
層を0.2μmの厚さで、スピンコート法により形成し
た。
【0039】(表示素子の作製)表示素子の表示層とし
ては以下で示す方法により作製されたカプセル液晶素子
を用いた。正の誘電率異方性を有するネマチック液晶E8
(メルク社製)74.8部に、カイラル剤CB15(BDH社製) 21
部およびカイラル剤R1011(メルク社製)4.2部を加熱溶解
後、室温に戻して、ブルーグリーンの色光を選択反射す
るカイラルネマチック液晶を得た。このブルーグリーン
カイラルネマチック液晶10部に、キシレンジイソシアネ
ート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの付加物
(武田薬品工業製D-110N)3部と、酢酸エチル100部を加え
て均一溶液とし、油相となる液を調製した。一方、ポリ
ビニルアルコール(クラレ社製ポバール217EE)10部を、
熱したイオン交換水1000部に加えて攪拌後、放置冷却す
ることによって、水相となる液を調製した。
【0040】次に、スライダックで30V交流を与えた家
庭用ミキサーによって、前記油相を前記水相中に1分間
乳化分散して、水相中に油相液滴が分散した水中油エマ
ルジョンを調製した。この水中油エマルジョンを60℃の
ウォーターバスで加熱しながら2時間攪拌し、界面重合
を完了させて、液晶マイクロカプセルを形成した。得ら
れた液晶マイクロカプセルの平均粒径は、レーザー粒度
分布計によって約12μmと見積もられた。マイクロカプ
セル分散液を網目38μmのステンレスメッシュを通して
濾過後一昼夜放置し、乳白色の上澄みを取り除くことに
よりマイクロカプセルからなる固形成分約40wt%のスラ
リーを得た。前記スラリーに対しマイクロカプセルから
なる固形成分に対して2/3質量となる量のポリビニルア
ルコールを含むポリビニルアルコール溶液(10%)を加
えることにより表示層用塗布液を調整した。125μm厚I
TO付きPETフィルム(東レハイビーム) のITO 面上に、上
記塗布液を#44のワイヤーバーで塗布することにより、
液晶層を形成し、表示素子を作製した。
【0041】(光書き込み記録媒体の作製)前記のよう
に光スイッチング素子の上部電荷発生層の上に形成した
ポリビニルアルコール隔離層の表面に、完全水性型ドラ
イラミネート接着剤であるディックドライWS-321A/LD-
55 (大日本インキ化学工業(株)製)を塗布乾燥させて4
μm厚の接着層とした。光スイッチング素子に設けた接
着層と表示素子の液晶層を密着させ、70℃においてラミ
ネートを行った後、表示素子のPETフィルムの表面にブ
ラックポリイミドBKR-105(日本化薬製)を塗布し、これ
を張り合わせてモノクロ表示の光書き込み型記録媒体を
得た。
【0042】この光書き込み型記録媒体を電圧印加装置
に接続し、さらに光スイッチング素子に画像様に光を入
射させるために、光スイッチング素子の基板にモノクロ
の液晶パネルを密着させ、その画像からの光を照射する
とともに、50Hz300Vの矩形波を4パルス入力し、光書き
込み型記録媒体に画像を形成した。
【0043】実施例5 実施例2で作製した光スイッチング素子を用いる他は、
実施例4と同様にして光書き込み型記録媒体を作製し、
同様にして画像を形成した。
【0044】実施例6 上下の電荷発生層の電荷発生材料として、X線回析によ
るブラッグ角度(2θ±0.2°)が、7.4°、1
6.6°、25.5°及び28.3°にピークをもつク
ロロガリウムフタロシアニンを電荷発生材として用いた
他は、実施例3と同様にして光スイッチング素子を作製
した。
【0045】実施例7 上電荷発生層の電荷発生材料として、X線回析によるブ
ラッグ角度(2θ±0.2°)が、7.4°、16.6
°、25.5°及び28.3°にピークをもつクロロガ
リウムフタロシアニンを電荷発生材として用い、下電荷
発生層に蒸着法で作製したBZP膜を用いた他は、実施
例1と同様にして光スイッチング素子を作製した。
【0046】実施例8 上下の電荷発生層の電荷発生材料として、X線回析によ
るブラッグ角度(2θ±0.2°)が9.5°、9.7
°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1
°、27.3°にピークをもつ結晶構造のチタニルフタ
ロシアニンを用いたほかは実施例3と同様にして光スイ
ッチング素子を作製した。
【0047】実施例9 上下の電荷発生層の電荷発生材料として、X線回析によ
るブラッグ角度(2θ±0.2°)が9.5°、9.7
°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1
°、27.3°にピークをもつ結晶構造のチタニルフタ
ロシアニンを用い、下電荷発生層に蒸着法で作製したB
ZP膜を用いたほかは、実施例3と同様にして光スイッ
チング素子を作製した。
【0048】比較例1 下部および上部電荷発生層の電荷発生材として、結晶構
造が、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角が図8で
示すような回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタ
ロシアニンを用いる他は、実施例1と同様にして光スイ
ッチング素子を作製し、該光スイッチング素子の上部電
荷発生層の上に50Å厚さの金電極を形成し、OPCセルと
した。
【0049】比較例2 ITO電極付きPESフィルム基板のITO上に、下部電荷発生
層としてベンズイミダゾールペリレン(BZP)を蒸着法
により0.08μm厚に作製し、次に実施例1と同じ組成の
電荷輸送層用溶液を用いて、同様にして電荷輸送層を形
成した。この電荷輸送層の上にさらにベンズイミダゾー
ルペリレン(BZP)を蒸着法により0.08μm厚形成し、光
スイッチング素子とした。また、該光スイッチング素子
の上部電荷発生層の上に50Å厚のAu電極を作製してOPC
セルとした。
【0050】比較例3 上下の電荷発生層の電荷発生材料として、図8で示すよ
うなX線回析ピークを有する、クロロガリウムフタロシ
アニンを用いた他は、実施例3と同様にして光スイッチ
ング素子を作製した。
【0051】比較例4 上下の電荷発生層の電荷発生材料として、図8で示すよ
うなX線回析ピークを有する、チタニルフタロシアニン
を用いた他は、実施例3と同様にして光スイッチング素
子を作製した。
【0052】[光スイッチング素子および光書き込み記
録媒体の評価] (1)光スイッチング素子の抵抗成分の電圧依存性の評
価 実施例1の光スイッチング素子と比較例1の従来の光ス
イッチング素子について、インピーダンス特性である抵
抗成分の電圧依存性を測定した。測定にはヒューレット
パッカード製HP4194Aを用いた。高感度であるために
は、より、インピーダンスの抵抗成分の低いことが要求
される。暗時は、実施例1および比較例1とも1GΩ/cm2
以上の高い抵抗を示した。図に、同様にして測定した明
時のインピーダンス特性を示す。光量としては、波長6
20nmのLED光源より、100μW/cm2と500μW/cm2
照射した。図4に示すように、いずれの光量において
も、実施例の抵抗成分が比較例よりも小さくなってい
る。このため、所定の光量を印加した場合の感度として
は、より高感度になっていることがわかる。また、実施
例3と比較例2について同様に評価を行なったところ、
図5に示すような結果が得られた。
【0053】(2)光スイッチング素子の抵抗成分の光
量依存性の評価 実施例1と比較例1の光スイッチング素子について、イ
ンピーダンス特性である抵抗成分の光量依存性を測定し
た。測定にはヒューレットパッカード製HP4194Aを用い
た。図6に、測定した明時のインピーダンス特性を示
す。電圧波形としては正弦波で100Hz、100Vを印加し
た。図に示すように、いずれの光量においても、実施例
1の抵抗成分が比較例1よりも小さくなっている。この
ため、所定の電圧を印加した場合の光感度としては、よ
り高感度になっていることがわかる。また、実施例3と
比較例2について同様に評価を行なったところ、図7に
示すような結果が得られた。
【0054】(3)光書き込み記録媒体の記録評価 実施例4で作製した光書き込み記録媒体を用い、図3で
示したような書き込み装置に接続し、光書き込み記録媒
体の両電極に電圧を印加し、モノクロカラー画像表示を
試みた。書き込みパルスとして矩形波、50Hz、4パル
ス、300Vppを印加した。この結果、暗部(1μw/cm2)と光
照射部(500μw/cm2)において、光照射部はブルー、暗部
はブラックのモノクロ画像が得られた。これは1000回繰
りかえし記録したが安定していた。次に、実施例5の光
書き込み記録媒体に同様にして電圧を印加し、モノクロ
カラー画像表示を試みた。書き込みパルスとして矩形
波、50Hz、4パルス、300Vppを印加した。この結果、暗
部(1μw/cm2)と光照射部(500μw/cm2)において、光照射
部はブルー、暗部はブラッグのモノクロ画像が得られ
た。これは1000回繰りかえし記録したが安定していた。
【0055】また、実施例6ないし9においては、比較
例3および4に比較して、感度が良好であった。
【0056】
【発明の効果】本発明の光スイッチング素子は、上部電
荷発生層に特定の結晶構造を有する電荷発生材を用いた
ため光スイッチング素子の光感度を上げることができ、
またこのような光スイッチング素子を用いたデバイス、
たとえば光書き込み型記録用媒体では記録感度が大幅に
改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 dual CGL構造を有する光スイッチング素子の
断面構造を示す概念図である。
【図2】 本発明の光書き込み型記録媒体の一例を示す
概略図である。
【図3】 本発明の書き込み装置および表示装置の一例
を示す概略図である。
【図4】 実施例1および比較例1の光スイッチング素
子のインピーダンスの抵抗成分における電圧依存性を示
すグラフである。
【図5】 実施例3および比較例2の光スイッチング素
子のインピーダンスの抵抗成分における電圧依存性を示
すグラフである。
【図6】 実施例1および比較例1の光スイッチング素
子のインピーダンスの抵抗成分における光量依存性を示
すグラフである。
【図7】 実施例3および比較例2の光スイッチング素
子のインピーダンスの抵抗成分における光量依存性を示
すグラフである。
【図8】 比較例3で用いたクロロガリウムフタロシア
ニンのX線回折ピークを示すグラフである。
【図9】 比較例4で用いたチタニルフタロシアニンの
X線回折ピークを示すグラフである。
【符号の説明】
10 基板 12 電極 14 下部電荷発生層 16 電荷輸送層 18 上部電荷発生層 20 光書き込み型記録媒体 30 光スイッチング素子 40 表示素子 50 機能膜 65 コネクター 70、82 制御手段 84 光パターン生成手段 86 光照射手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/13 102 G02F 1/13 102 G09F 9/30 338 G09F 9/30 338 Fターム(参考) 2H079 AA02 AA13 BA01 CA05 DA07 EA14 EA31 2H088 EA62 GA02 GA03 GA04 GA17 KA26 4J002 AD021 BD101 BD171 BE021 BE061 BF021 BG001 BG131 CD001 CF001 CF161 CH081 CK021 CL001 CM011 EQ016 EU006 EU026 FD206 GP00 5C094 AA10 BA03 BA09 BA49 CA19 GA01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも、電極層、下部電荷
    発生層、電荷輸送層、および上部電荷発生層を順次積層
    した、交流電界あるいは交流電流により駆動される機能
    素子のスイッチングを行うための光導電スイッチング素
    子において、前記下部電荷発生層および上部電荷発生層
    の少なくとも上部電荷発生層の電荷発生材が、(1)結
    晶構造がX線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ
    ±0.2°)が、少なくともi)7.4°、16.6°、25.5°
    及び28.3°、ii)6.8°、17.3°、23.6°及び26.9°、ま
    たはiii)8.7°〜9.2°、17.6°、24.0°、27.4°及び2
    8.8°に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロ
    シアニン、(2)結晶構造がX線回折スペクトルにおけ
    るブラッグ角(2θ±0.2°)が、少なくともi)7.5
    °、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.
    3°、ii)7.7°、16.5°、25.1°および26.6°、iii) 7.
    9°、16.5°、24.4°および27.6°、iv)7.0°、7.5°、
    10.5°、11.7°、12.7°、17.3°、18.1°、24.5°、2
    6.2°および27.1°、v) 6.8°、12.8°、15.8°および2
    6.0°、またはvi)7.4°、 9.9°、25.0°、26.2°およ
    び28.2°に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウム
    フタロシアニン、および(3)結晶構造がX線回折スペ
    クトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が 、 少
    なくともi)9.3゜および26.3゜に強い回折ピークを有す
    るか、またはii)9.5゜、9.7°、11.7°、15°、23.5
    °、24.1°、および27.3゜に強い回折ピークをもつチタ
    ニルフタロシアニン、の群より選ばれる少なくとも一種
    類以上の電荷発生材であることを特徴とする光スイッチ
    ング素子。
  2. 【請求項2】 前記基板および電極層が光透過性である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光スイッチング素
    子。
  3. 【請求項3】 前記基板がプラスチック基板であること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の光スイッ
    チング素子。
  4. 【請求項4】 下部電荷発生層および上部電荷発生層の
    少なくとも上部電荷発生層が、バインダー樹脂としてポ
    リビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂あるいはカル
    ボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含むこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    に記載の光スイッチング素子。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    に記載の光スイッチング素子と機能素子を電気的に接続
    したデバイス。
  6. 【請求項6】 前記光スイッチング素子と機能素子が一
    体化していることを特徴とする請求項5に記載のデバイ
    ス。
  7. 【請求項7】 機能素子がメモリ性のある機能素子であ
    ることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のデ
    バイス。
  8. 【請求項8】 機能素子が表示素子であることを特徴と
    する請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の記
    載のデバイス。
  9. 【請求項9】 表示素子が液晶表示素子であることを特
    徴とする請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載
    のデバイス。
  10. 【請求項10】 一組の基板の間に、少なくとも電極と
    表示層と光スイッチング素子と電極が積層されてなる光
    書き込み型記録媒体において、前記光スイッチング素子
    が請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の光ス
    イッチング素子であって、該素子の上部電荷発生層が表
    示層側に位置し、かつ少なくとも書き込み光が入射する
    側の基板および電極が光透過性であることを特徴とする
    光書き込み型記録媒体。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の光書き込み型記録
    媒体、前記記録媒体を駆動するための記録媒体駆動装
    置、前記記録媒体に光書き込みを行う書き込み装置およ
    び制御手段を少なくとも備える表示装置。
  12. 【請求項12】 前記記録媒体駆動装置と光書き込み型
    記録媒体が切り離し可能であることを特徴とする請求項
    11に記載の表示装置。
  13. 【請求項13】 請求項10に記載の光書き込み型記録
    媒体を接続することが可能な記録媒体駆動装置、前記記
    録媒体に光書き込みを行う光書き込み装置および制御装
    置を少なくとも備える書き込み装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010230844A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Fuji Xerox Co Ltd 表示媒体、書込装置、及び表示装置
US8120719B2 (en) 2009-08-26 2012-02-21 Fuji Xerox Co., Ltd. Photo-addressable display medium and photo-addressable display device

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