JP2002268030A - 光書き込み型記録媒体 - Google Patents

光書き込み型記録媒体

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JP2002268030A
JP2002268030A JP2001063934A JP2001063934A JP2002268030A JP 2002268030 A JP2002268030 A JP 2002268030A JP 2001063934 A JP2001063934 A JP 2001063934A JP 2001063934 A JP2001063934 A JP 2001063934A JP 2002268030 A JP2002268030 A JP 2002268030A
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JP2001063934A
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English (en)
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Taketo Hikiji
丈人 曳地
Hideo Kobayashi
英夫 小林
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性の高い光書き込み型記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 この光書き込み型記録媒体は、2つの電
極3,4と、この電極間に配置された2つの電荷発生層
5,6と、この電荷発生層間に配置された電荷輸送層7
と、電極3と電荷発生層5の間に配置された表示層8と
を備えて構成されており、さらに電極4と電荷発生層6
との間に誘電体層40を備える。この誘電体層40は、
両電荷発生層5,6の光感度の対称性を改善するために
設けられるもので、その抵抗値は200kΩ/cm
下、あるいは、その膜厚は500nm以下とされること
が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光スイッチング素
子と表示素子とを組み合わせた光書き込み型記録媒体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光導電性スイッチング素子と表示
素子とを組み合わせた光書き込み型空間変調デバイスが
開発され、ライトバルブとしてプロジェクター等に実用
化されている。また、このようなデバイスは、「液晶空
間変調機と情報処理」液晶、Vol.2、No.1、’
98、pp3−18に開示されているように、光情報処
理の分野にもその可能性が検討されている。
【0003】光書き込み型空間変調デバイスは、所定の
電圧を素子に印加しつつ、受光した光量により光導電性
スイッチング素子のインピーダンスを変化させ、表示素
子に印加される電圧を制御することにより表示素子を駆
動し、画像を表示するものである。特に、光書き込み型
空間変調デバイスの表示制御素子にメモリー性のある素
子を用いて、切り離し可能にした光書き込み型媒体は、
電子ペーパー媒体として注目されている。
【0004】また、光書き込み型媒体の表示制御素子と
しては、例えば、ポリマーに分散しメモリー性を付与し
たネマチック液晶、コレステリック液晶、強誘電液晶の
ような液晶表示素子、あるいは電気泳動素子や電界回転
素子、トナー電界移動型素子や、これらをカプセル化し
た素子等が検討されている。
【0005】一方、受光した光量により電圧あるいは電
流を制御できるような光スイッチング素子としては、例
えば、アモルファスシリコン素子、あるいは機能分離型
二層構造の有機光導電体(OPC)素子、さらには電荷
輸送層(CTL)の上下に電荷発生層(CGL)を形成
したデュアルCGL構造のOPC素子が検討されてい
る。
【0006】図1は、このデュアルCGL構造の光スイ
ッチング素子の構成例を示す図である。この光スイッチ
ング素子は、図示のように、基板1および透明基板2
と、これらの基板間に配置された電極3および透明電極
4と、これらの電極間に配置された電荷発生層5、6
と、この電荷発生層間に配置された電荷輸送層7とを備
えて構成される。
【0007】図2は、この光スイッチング素子を用いた
光書き込み型記録媒体の構成例を示す図である。この光
書き込み型記録媒体は、図示のように、光スイッチング
素子を構成する電極3と上部の電荷発生層5との間に、
液晶表示層8、接着層9および隔離膜10を備え、電極
間に電源11が接続される。書き込み光12は、透明基
板2側から入射する。
【0008】図3は、このような光書き込み型記録媒体
を用いた光書き込み型電子ペーパーシステムの一例を示
す概略図である。このシステムは光書き込み装置30を
有する。この光書き込み装置30は、ハロゲン光源31
および透過型TFT液晶32を備える。ハロゲン光源3
1から出射される照射光13は、書き込み内容を表示す
る透過型TFT液晶32を通して、光書き込み型記録媒
体20に書き込み光12として出射される。光書き込み
型記録媒体20は、電荷発生層5、6および電荷輸送層
7を有する光スイッチング部により、入射される書き込
み光12に従って、液晶表示層8へ情報の書き込みを行
う。図のように、光書き込み装置30はPCに接続され
た制御手段33により制御され、光書き込み型記録媒体
20はコネクター34を介して制御手段35により制御
される。制御手段35は媒体駆動装置36により駆動さ
れる。制御手段37は、入出力装置38、39を介して
制御手段33、35あるいは媒体駆動装置36を制御す
る。
【0009】ここで、特に光スイッチング部のOPC素
子は、高温の熱処理を必要としないため、PETフィル
ムなどのフレキシブル基板への適用も可能であり、か
つ、真空プロセスも無くすることができるため安価に作
製可能という利点を有する。なかでも、デュアルCGL
構造は交流駆動が可能であり、表示素子に液晶素子を用
いた場合においても、印加電圧に含まれるバイアス成分
によりイオンの移動に起因した画像の焼付き現象も生じ
にくく、特に有効な構造である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
デュアルCGL構造を適用した光書き込み型電子ペーパ
ーに交流パルスを印加すると、場合によっては、交流駆
動にもかかわらず画像の焼付きが発生したり、あるいは
表示素子の制御が困難になったりすることがあった。こ
のため、従来のデュアルCGL構造を用いた光書き込み
型記録媒体は、信頼性の面からいうと充分とはいえない
という問題があった。
【0011】従って本発明の目的は、上記問題点を解決
し、信頼性の高い光書き込み型記録媒体を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点を解決するため鋭意研究を重ねた結果、その原因が電
荷輸送層の上下に存在する電荷発生層の光感度の非対称
性にあることに注目し、この光感度の対称性を改善する
ことで本発明に至ったものである。
【0013】すなわち、上述のとおり、デュアルCGL
構造には電荷発生層が上下2層存在する。そして上下の
電荷発生層の光感度が同等でない場合、表示素子に印加
される印加波形が電圧印加方向によって異なってしま
う。その結果、電荷が一方に蓄積されていき、表示素子
にバイアス成分が印加されることにもなる。このバイア
ス成分が印加されることによる表示素子内のイオンの移
動に起因して、交流駆動にもかかわらず画像の焼付きが
発生し、また印加波形が歪むことにより表示素子の制御
が困難となるのである。
【0014】光感度の非対称性は、上下の電荷発生層に
おける形成過程の相違に起因している。すなわち、電子
写真感光体用機能分離型二層構造とは異なるデュアルC
GL構造特有の課題である。光スイッチング素子の作製
は、基本的には、通常、透明基板上にロアー電荷発生
層、電荷輸送層、アッパー電荷発生層と形成していく。
このうち、ロアー電荷発生層と電荷輸送層の形成は、通
常の電子写真用感光体の構造である機能分離型二層構造
と同様に作製されるため、電荷輸送層作製時に、溶液が
電荷発生層内に相互拡散が生じる。結果として電荷発生
層/電荷輸送層界面の増加により高い感度が得られるの
に対し、電荷輸送層の上部に作製される電荷発生層につ
いては、その相互拡散による界面増加効果が無く、比較
的感度は低く抑えられると考えられる。これによって光
照射時にOPC素子は非対称性を有することとなる。ま
た同様に、ロアー電荷発生層への電荷輸送材の拡散によ
り、下部電極にまで電荷輸送材が到達することによって
電極と電荷輸送材料が直接接触し、暗時のキャリア注入
が起こり、光照射のない暗時についても、OPC素子は
非対称性を有することとなる。このようにOPC素子
は、以上の2つの原因によって非対称性を生じうるであ
る。
【0015】このようなことから、上記目的は、第1お
よび第2電極と、前記電極間に配置された第1および第
2電荷発生層と、前記電荷発生層間に配置された電荷輸
送層と、第1電極と第1電荷発生層間に配置された表示
層とを備えた光書き込み型記録媒体であって、第2電極
と第2電荷発生層間に第1および第2電荷発生層の光感
度の対称性を改善するための誘電体層を配置した光書き
込み型記録媒体によって、達成される。ここで、前記誘
電体層の抵抗値は200kΩ/cm以下であることが
好ましく、また前記誘電体層の膜厚は500nm以下で
あることが好ましい。
【0016】また本発明に係る光スイッチング素子は、
第1および第2電極と、前記電極間に配置された第1お
よび第2電荷発生層と、前記電荷発生層間に配置された
電荷輸送層と、第2電極と第2電荷発生層間に配置され
た第1および第2電荷発生層の光感度の対称性を改善す
るための誘電体層とを備えて構成される。ここで、前記
誘電体層の抵抗値は200kΩ/cm以下であること
が好ましく、また前記誘電体層の膜厚は500nm以下
であることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】図4は、本発明に係る光スイッチ
ング素子の一実施形態を示す図である。本実施形態にお
ける光スイッチング素子は、図示のように、基板1およ
び透明基板2と、これらの基板間に配置された電極3お
よび透明電極4と、これらの電極間に配置された電荷発
生層5、6と、この電荷発生層間に配置された電荷輸送
層7と、透明電極4と下部電荷発生層6の間に配置され
た誘電体層40とを備えて構成される。ここで、誘電体
層40は、電荷輸送層7の上部および下部の電荷発生層
5、6の光感度の対称性を改善するために配置される。
この点については、後で詳述する。
【0018】図5は、本発明に係る光書き込み型記録媒
体の一実施形態を示す図である。本実施形態における光
書き込み型記録媒体は、図示のように、光スイッチング
素子を構成する電極3と上部電荷発生層5との間に、液
晶表示層8、接着層9および隔離膜10を備え、電極間
には電源11が接続される。書き込み光12は、透明基
板2側から入射する。図4の場合と同様に、透明電極4
と下部電荷発生層6の間に配置された誘電体層40は、
電荷輸送層7の上部および下部の電荷発生層5、6の光
感度の対称性を改善するために配置される。次に、この
点について詳しく述べる。
【0019】本発明者等は、図4および図5に示したよ
うに、下部電極と下部電荷発生層との間に誘電体層、い
わゆる下引き層(UCL:Under Coated
Layer)を導入することによって非対称性が低減す
ることを見出したものである。電子写真用途で用いられ
ているOPC素子では、密着力向上等を目的としたUC
Lが一般的に導入されている。しかしながら、電子写真
用途のUCLは電気的にはキャリア注入防止層として機
能するだけであることから、デュアルCGL構造へ適用
する場合とはUCLに要求される性能が大きく異なると
共に要求範囲は非常に精密なコントロールが必要とな
る。電子写真用途で用いられている一般的なUCLは1
〜5μmという厚さの有機誘電体層が用いられるが、本
発明者等の研究によると、この厚さはデュアルCGL構
造へ適用する場合には高抵抗すぎて逆に特性を悪化させ
ることが分かった。デュアルCGL構造へ適用し、光感
度の対称性を改善する目的でUCLを導入するには、電
子写真感光体用途よりも薄い誘電体層とする必要があ
り、すなわち抵抗値としては低い抵抗値とする必要があ
る。一方、誘電体層を導入しないと暗時の非対称性が発
生することは明白であり、又、密着性向上の為にもUC
Lは必要である。従って、電子ペーパー用途のデュアル
CGL構造OPCに導入するUCLは、限られた抵抗値
の範囲に限って有効である。その範囲は200kΩ/c
以下の抵抗値であり、デュアルCGL構造OPCの
対称性改善に高い効果を有する。
【0020】UCLに用いる材料としてはポリビニルア
ルコール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン
−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹
脂、メラミン樹脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジ
ルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合
物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキ
シド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリン
グ剤等の公知の材料が望ましい。又、SiO2、SiN
x等無機材料も同様の効果が得られる。
【0021】電子ペーパーに用いられるメモリー性のあ
る表示素子とは、液晶を電圧印加により配向制御した
後、電圧印加を解除した後も、一定時間、液晶の配向が
保たれる特徴を持った液晶である。たとえば、ポリマー
分散型液晶(PDLC)やカイラルスメクチックC相等
の強誘電液晶、あるいはコレステリック液晶等である。
また、これらをカプセル化した液晶素子でも適用可能で
ある。このほか、電気泳動素子、電界回転型素子、エレ
クトロクロミック素子等も適用可能である。
【0022】駆動方法としては、特に限定はされない
が、交流電圧、周波数、照射光量および波長制御が適用
可能である。印加電圧は交流電圧であるが波形としては
サイン波、矩形波、三角波など適用可能である。もちろ
んこれらを組み合わせたものでも、まったく任意の波形
であっても適用可能である。機能素子によっては若干の
バイアス成分印加が有効な場合があるが、それらに適用
しても差し支えないことは自明である。
【0023】
【実施例】本発明の実施例を以下に示す。 実施例1 本実施例においては、光スイッチング素子として光感度
を評価するため図4の様な構造のOPCセルを以下の様
に作製した。
【0024】ITO膜が形成されているPET基板上に
和光純薬社製PVA1000を純水に5wt%溶解した
溶液をスピンコート法により塗布し、100℃、30分
の熱処理により乾燥し、UCLとしてポリビニルアルコ
ール層を200nmの厚さで形成した。続いて電荷発生
層としてヒドロキシガリウムフタロシアニンを電荷発生
材とし、バインダー樹脂としてポリビニルブチラールを
もちい、その比率は1:1とした。これを、プロパノー
ルで分散させ、分散液を作った。これをスピンコート法
により基板に塗布後、乾燥させ、ロアー電荷発生層を
0.2μm厚に形成した。続いて電荷輸送層としては、
まず、電荷輸送材N、N−ビス(3、4−ジメチルフェ
ニル)ビフェニル−4−アミン、とバインダー樹脂ポリ
カーボネート ビスフェノール−Z、(ポリ(4、4’
−シクロヘキシリデンジフェニレンカーボネート))を
それぞれ40wt%、60wt%の割合で混合した後、
これをモノクロロベンゼンに溶解させ10%の溶液とし
た。この溶液をディップコートにより、120mm/m
inの速度で引き上げ、電荷発生層上に3μm厚の電荷
輸送層を作製した。更に、ヒドロキシガリウムフタロシ
アニンを電荷発生材とし、バインダー樹脂としてポリビ
ニルブチラールをもちい、その比率は1:1とした。こ
れを、プロパノールで分散させ、分散液を作った。これ
をスピンコート法により基板に塗布、乾燥させ、上部電
荷発生層を0.2μm厚に形成した。この上に、Au電
極を作製し、OPCセルとした。作製したセルをインピ
ーダンス測定装置に接続し、これに光照射下および暗時
下において、交流方形波50Hzを印加し、その電圧に
よる明暗時のコントラストを測定し、光スイッチング特
性を測定した。また、UCLとしてポリビニルアルコー
ル層をそれぞれ50、100、500nmとした場合に
ついても同様に測定した。
【0025】比較例1 UCLとしてポリビニルアルコール層をそれぞれ0、1
000、2000nmの膜厚にしたこと以外は、実施例
1と同様にした。
【0026】実施例2 本実施例においては、光スイッチング素子として光感度
を評価するためOPCセルを作製した。UCL層として
酸化珪素をスパッタリング法で100nm形成したこと
以外は、実施例1と同様にした。
【0027】実施例3 有機光導電スイッチング素子とメモリー性のある表示素
子を一体で作製し、画像表示できることを確認するた
め、図5に示す様な構造の媒体を作製した。OPCセル
と表示素子を一体化した光スイッチを作製し、駆動を行
った。ITO膜と作製したPET基板上に和光純薬社製
PVA1000を純水に5wt%溶解した溶液をスピン
コート法により塗布し、100℃、30分の熱処理によ
り乾燥し、UCLとしてポリビニルアルコール層を20
0nmの厚さで形成した。続いて電荷発生層としてヒド
ロキシガリウムフタロシアニンを電荷発生材とし、バイ
ンダー樹脂としてポリビニルブチラールをもちい、その
比率は1:1とした。これを、プロパノールで分散さ
せ、分散液を作った。これをスピンコート法により基板
に塗布後、乾燥させ、電荷発生層を0.2μm厚に形成
した。次に電荷輸送層としては、まず、電荷輸送材N、
N−ビス(3、4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4
−アミン、とバインダー樹脂ポリカーボネート ビスフ
ェノール−Z、(ポリ(4、4’−シクロヘキシリデン
ジフェニレンカーボネート))をそれぞれ40wt%、
60wt%の割合で混合した後、これをモノクロロベン
ゼンに溶解させ10%の溶液とした。この溶液をディッ
プコートにより、120mm/minの速度で引き上
げ、電荷発生層上に3μm厚の電荷輸送層を作製した。
更に、ヒドロキシガリウムフタロシアニンを電荷発生材
とし、バインダー樹脂としてポリビニルブチラールをも
ちい、その比率は1:1とした。これを、プロパノール
で分散させ、分散液を作った。これをスピンコート法に
より基板に塗布、乾燥させ、電荷発生層を0.2μm厚
に形成した。さらに、隔離層としてスピンコート法によ
り、ポリビニルアルコールを200nm厚に作製した。
【0028】表示素子としてはカイラルネマチック液晶
を用いてカプセル液晶素子を作製した。正の誘電率異方
性を有するネマチック液晶E8(メルク社製)74.8
質量部に、カイラル剤CB15(BDH社製)21質量
部とカイラル剤R1011(メルク社製)4.2質量部
を加熱溶解後室温に戻して、ブルーグリーンの色光を選
択反射するカイラルネマチック液晶を得た。このブルー
グリーンカイラルネマチック液晶10質量部にキシレン
ジイソシアネート3モルとトリメチロールプロパン1モ
ルとの付加物(武田薬品工業製D−110N)3質量部
と酢酸エチル100質量部を加えて均一溶液とし、油相
となる液を調整した。一方、ポリビニルアルコール(ク
ラレ社製ポバール217EE)10質量部を、熱したイ
オン交換水1000質量部に加えて攪拌後、放置冷却す
ることによって、水相となる液を調整した。
【0029】次に、スライダックで30V交流を与えた
ミキサーによって前記油相を前記水相中に1分間乳化分
散して、水相中に油相液滴が分散した水中油エマルジョ
ンを調整した。この水中油エマルジョンを60℃のウォ
ーターバスで加熱しながら2時間攪拌し、界面重合を完
了させて液晶マイクロカプセルを形成した。得られた液
晶マイクロカプセルの平均粒径は、レーザー粒度分布計
によって約12μmと見積もられた。マイクロカプセル
分散液を網目38μmのステンレスメッシュを通して濾
過後一昼夜放置し、乳白色の上澄みを取り除くことによ
りマイクロカプセルからなる固形成分約40wt%のス
ラリーを得た。スラリーに対しマイクロカプセルからな
る固形成分の重量に対して2/3となる量のポリビニル
アルコールを含むポリビニルアルコール10重量%の溶
液を加えることにより塗布液を調整した。125μm厚
ITO付きPETフィルム(東レハイビーム)のITO
面上に、上記塗布液を#44のワイヤーバーで塗布する
ことにより、液晶層を形成した。
【0030】もう一枚の光スイッチング素子を作製した
PETフィルムのPVA面上に完全水性型ドライラミネ
ート接着剤であるディックドライWS−321A/LD
−55(大日本インキ化学工業)を塗布乾燥させて4μ
m厚の接着層とした。この接着層と前記液晶層を密着さ
せ70℃においてラミネートを行った後、一方の有機光
スイッチング素子を作製した、前述したPETフィルム
の表面にブラックポリイミドBKR−105(日本化薬
製)を塗布し、これを張り合わせてモノクロ表示の光書
き込み型媒体を得た。これを書き込み電圧印加装置に接
続し、さらに有機光導電スイッチ素子に画像を入力する
ためにモノクロの液晶パネルを密着させ、その画像から
の光照射するとともに、50Hz300Vの矩形波を4
パルス入力し、画像表示媒体に画像を形成した。
【0031】実施例4 UCL層としてスパッタリング法による酸化珪素を10
0nm形成したこと以外は、実施例3と同様にした。
【0032】検証結果1 比較例1の有機光導電スイッチング素子と実施例1の有
機光導電スイッチング素子についてインピーダンス特性
である抵抗成分の直流電圧(100V)方向を反転させ
た時の交流成分(5V)周波数依存性を測定した。測定
にはヒューレットパッカード製HP4194Aを用い
た。
【0033】図6(a)〜(c)は、それぞれ膜厚0、
200、2000nmのUCLによる有機光導電スイッ
チング素子における暗時の抵抗値の交流成分周波数依存
性を示すグラフである。膜厚50、100、1000n
mのUCLについてはグラフによる図示は省略した。図
中のF(Forward)はAu電極に正電圧を印加、
R(Reverse)は逆にAu電極に負電圧を印加す
る方向を表している。以下この表記方法を用いる。
【0034】図7は、暗時交流成分10Hzでの非対称
性UCL膜厚依存性を示すグラフである。交流成分10
HzにおけるF方向の抵抗値をR方向の抵抗値で割った
値を非対称性として、そのUCL膜厚依存性を示したも
のである。グラフによれば、暗時は、UCLが導入され
ていない場合、Au電極側に負電圧を印加した方の抵抗
値が低下していることが分かる。しかしUCLを挿入す
ることによってその点は大幅に改善される。一方、膜厚
の増加に伴って逆にAu電極に正電圧を印加した場合の
抵抗値が低下してくる。従って、暗時に関してはUCL
を挿入することによって大幅に対称性を改善することが
できる。
【0035】図8(a)〜(c)は、それぞれ膜厚0、
200、2000nmのUCLによる有機光導電スイッ
チング素子における明時の抵抗値の交流成分周波数依存
性を示すグラフである。膜厚50、100、1000n
mのUCLについてはグラフによる図示は省略した。光
量としては、ハロゲン光源により、1mW/cmを照
射した。図8に示すように、いずれの試料においても上
部Au電極側に正電圧を印加した方が負電圧を印加した
場合と比べて抵抗値は高くなっており、光電特性に非対
称性が存在することが分かる。
【0036】図9は、明時交流成分10Hzでの非対称
性UCL膜厚依存性を示すグラフである。このグラフか
ら、明時においても、UCLを50nmでも挿入するこ
とによって対称性は大幅に改善される事が分かる。UC
Lの膜厚が500nm迄は対称性が改善された状態が持
続するが、それ以上膜厚を厚くすると対称性は再び悪化
していくことが分かる。
【0037】先に図7のグラフで示したように、暗時に
関してはUCLを挿入することによって対称性を大幅に
改善することができるが、一方、図9のグラフで示した
ように、明時に関しては膜厚を500nm以下にするこ
とによって対称性の悪化を良好に防止することができ
る。従ってUCLの膜厚は今回の実施例では500nm
以下の範囲であれば極めて有効ということができるが、
図7および図9の両グラフにおける非対称性の程度を勘
案すると約700nm以下の膜厚でも許容範囲と見るこ
とができる。その範囲のUCLの抵抗値は、図10のU
CL抵抗値膜厚依存性のグラフに示すように、おおよそ
200kΩ/cm以下となっている。下限値に対して
は50nmと非常に薄い誘電体でも挿入することによっ
て十分な効果が得られており、限定することはできな
い。
【0038】検証結果2 実施例2の有機光導電スイッチング素子を上記検証結果
1と同様に評価した結果、正負の抵抗値比は11.5と
実施例1と同等の結果が得られた。又、本実施例に用い
たUCLの抵抗値は63.4kΩ/cmと実施例1で
用いたポリビニルアルコール200nmで形成したUC
Lとほぼ同等の値であった。従ってUCLとしてポリビ
ニルアルコールにとどまらず、付近の抵抗値を有する誘
電体であれば同様の効果が得られることが分かった。
又、用いる誘電体の材料として有機誘電体層にとどまら
ず、無機誘電体層を適用しても同様の効果が得られるこ
とが分かった。
【0039】検証結果3 実施例3におけるモノクロ表示の光書き込み型媒体に電
圧を印加し、モノクロカラー画像表示を試みた。書き込
みパルスとして矩形波、50Hz、4パルス、300V
ppを印加した。この結果、暗部(1μw/cm)と
光照射部(500μw/cm)において、光照射部は
ブルー、暗部はブラックのモノクロ画像が得られた。こ
れは1000回繰りかえし記録したが安定していた。液
晶の焼きつきによる残像等の不具合は見られなかった。
これによって本発明によるモノクロ表示の光書き込み型
媒体は正常に動作し、従来の問題点は改善された。
【0040】検証結果4 実施例4におけるモノクロ表示の光書き込み型媒体に電
圧を印加し、モノクロカラー画像表示を試みた。上記検
証結果3と同様の方法によって書き込みを行った結果、
良好な書き込み結果が得られた。これは1000回繰り
かえし記録したが安定していた。液晶の焼きつきによる
残像等の不具合は見られなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、構造、工程を特別に複
雑にすることなく、デュアルCGL構造の有機光導電ス
イッチング素子における感度の対称性を改善することが
できる。これにより、信頼性の高い光書き込み型記録媒
体および光書き込み型電子ペーパーを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】デュアルCGL構造の光スイッチング素子の構
成例を示す図である。
【図2】デュアルCGL構造の光スイッチング素子を用
いた光書き込み型記録媒体の構成例を示す図である。
【図3】光書き込み型記録媒体を用いた光書き込み型電
子ペーパーシステムの一例を示す概略図である。
【図4】本発明に係る光スイッチング素子の一実施形態
を示す図である。
【図5】本発明に係る光書き込み型記録媒体の一実施形
態を示す図である。
【図6】(a)〜(c)はそれぞれ膜厚0、200、2
000nmのUCLによる有機光導電スイッチング素子
における暗時の抵抗値の交流成分周波数依存性を示すグ
ラフである。
【図7】暗時交流成分10Hzでの非対称性UCL膜厚
依存性を示すグラフである。
【図8】(a)〜(c)はそれぞれ膜厚0、200、2
000nmのUCLによる有機光導電スイッチング素子
における明時の抵抗値の交流成分周波数依存性を示すグ
ラフである。
【図9】明時交流成分10Hzでの非対称性UCL膜厚
依存性を示すグラフである。
【図10】UCL抵抗値膜厚依存性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1、2 基板 3、4 電極 5、6 電荷発生層 7 電荷輸送層 8 表示素子 9 接着層 10 隔離膜 40 誘電体層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1および第2電極と、前記電極間に配
    置された第1および第2電荷発生層と、前記電荷発生層
    間に配置された電荷輸送層と、第1電極と第1電荷発生
    層間に配置された表示層とを備えた光書き込み型記録媒
    体であって、第2電極と第2電荷発生層間に第1および
    第2電荷発生層の光感度の対称性を改善するための誘電
    体層を配置したことを特徴とする光書き込み型記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 前記誘電体層の抵抗値が200kΩ/c
    以下であることを特徴とする請求項1記載の光書き
    込み型記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記誘電体層の膜厚が500nm以下で
    あることを特徴とする請求項1記載の光書き込み型記録
    媒体。
  4. 【請求項4】 第1および第2電極と、前記電極間に配
    置された第1および第2電荷発生層と、前記電荷発生層
    間に配置された電荷輸送層と、第2電極と第2電荷発生
    層間に配置された第1および第2電荷発生層の光感度の
    対称性を改善するための誘電体層とを備えたことを特徴
    とする光スイッチング素子。
  5. 【請求項5】 前記誘電体層の抵抗値が200kΩ/c
    以下であることを特徴とする請求項4記載の光スイ
    ッチング素子。
  6. 【請求項6】 前記誘電体層の膜厚が500nm以下で
    あることを特徴とする請求項4記載の光スイッチング素
    子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7544749B2 (en) * 2003-02-07 2009-06-09 Basell Polyolefine Gmbh Polymerization catalysts, organic transition metal compounds, process for preparing polyolefins and polyolefins

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US7544749B2 (en) * 2003-02-07 2009-06-09 Basell Polyolefine Gmbh Polymerization catalysts, organic transition metal compounds, process for preparing polyolefins and polyolefins

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