JP4265211B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は画像形成装置に係り、特に、可逆性の画像記録媒体に画像を形成する複写機やプリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置が用いる画像記録媒体は、感熱紙やPPC用紙(普通紙)等の様に、一度画像を記録すると、その画像を消去することができず再利用することができないものが用いられるのが一般的であった。
【0003】
このため、画像記録媒体の材料となっている森林資源等が浪費され、環境破壊や地球資源の問題となって顕在化してきている。
【0004】
この問題を解決するため、画像記録媒体上に記録された画像を消去して再度画像を記録することができる可逆性を備えた再利用可能な画像記録媒体を用いた画像形成装置が提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、熱によって画像の書き換えが可能な可逆性感熱記録媒体を用いた画像形成装置が記載されており、特許文献2には、光によって画像の書き換えが可能な可逆性の表示記録媒体を利用した画像形成装置が記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−58033号公報
【特許文献2】
特開2001−301233号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、 上記従来技術の可逆性の画像記録媒体は、何度も繰り返し使用されていく間に画像の劣化が発生する。このため、適正な画質を得るためには、その画像記録媒体ごとに、その画像記録媒体の特性に合った書き込み条件を選択する必要がある。また、画像記録媒体がある一定回数以上繰り返して使用されると、書き込み条件を調整しても規定画質に達しない場合があり、この場合は、画像記録媒体の寿命と判断される。
【0008】
従来の感熱紙やPPC用紙等の画像記録媒体を使用した画像形成装置の場合、画像記録媒体は一回使用されるだけであって画像記録媒体の寿命という概念がなく、寿命があるのは画像形成装置本体側の部品のみであるため、画質の劣化や装置の寿命に対して比較的管理が行いやすかった。
【0009】
しかし、繰り返し書き換え可能な可逆性の画像記録媒体の場合、画像記録媒体ごとにその使用履歴が異なり、最適な画像記録条件を設定したり、画像記録媒体の寿命を判断することが困難であり、良好な画質を維持するのが困難である、という問題があった。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決すべく成されたものであり、可逆性の画像記録媒体に最適な画像記録条件で画像を記録し、良好な画質を維持することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、記憶媒体を備えた可逆性の画像記録媒体に画像を記録する記録手段と、前記記憶媒体に記憶された画像記録条件及び検出結果に基づいて前記画像記録媒体のテスト用のテスト画像を記録するときの画像記録条件を設定し、設定した画像記録条件で前記テスト画像を前記画像記録媒体に記録するように前記記録手段を制御すると共に、前記画像記録媒体に記録すべき所定画像を記録したときの画像記録条件及び検出結果を前記記憶媒体に記憶させる制御手段と、前記テスト画像を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果が許容範囲内か否かを判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、記録手段は、記憶媒体を備えた可逆性の画像記録媒体に画像を記録する。可逆性の画像記録媒体とは、可視的に画像を繰り返し書き換えることが可能で、かつ画像のメモリ性を有する再利用可能な画像記録媒体をいう。ここで、メモリ性を有するとは、画像記録後に画像記録媒体に対して外的な作用を加えなくとも記録された画像を保持できることをいう。
【0013】
このような可逆性を有する画像記録媒体としては、前記特許文献1に記載された熱によって画像の書き換えが可能な可逆性感熱記録シートや、前記特許文献2に記載された光信号によって画像の書き換えが可能な可逆性の表示記録媒体がある。また、特開2001−312225号公報に記載されたような、色及び帯電特性が異なる複数種類の粒子群が一対の基板間に封入された構成の画像表示媒体であって、基板間に電圧を印加して粒子群を画像に応じて適宜移動させることにより画像を表示する画像表示媒体も含まれる。
【0014】
従って、例えば画像記録媒体として可逆性感熱記録シートを用いた場合には、記録手段は、画素に相当する複数の発熱体を備えたサーマルヘッド等を含んで構成される。また、画像記録媒体として光信号によって画像の書き換えが可能な可逆性の表示記録媒体を用いた場合には、記録手段は、記録すべき画像に応じた光信号を表示記録媒体に向けて出射する光出力デバイス及び表示記録媒体に画像に応じた電圧を印加する電圧印加手段等を含んで構成される。また、画像記録媒体として色及び帯電特性が異なる複数種類の粒子群が一対の基板間に封入された構成の画像表示媒体を用いた場合には、記録手段は、画像表示媒体の基板間に画像に応じた電圧を印加する電圧印加手段等を含んで構成される。
【0015】
制御手段は、前記記憶媒体に記憶された画像記録条件及び検出結果に基づいて前記画像記録媒体のテスト用のテスト画像を記録するときの画像記録条件を設定し、設定した画像記録条件で前記テスト画像を画像記録媒体に記録するように記録手段を制御すると共に、前記画像記録媒体に記録すべき所定画像を記録したときの画像記録条件及び検出結果を前記記憶媒体に記憶させる。テスト画像は、画像記録媒体に良好に画像が記録されるか否かを確認するための画像であり、例えば濃度を確認するための画像とすることができる。このテスト画像は、検出手段によって検出される。判定手段は、検出手段の検出結果が許容範囲内か否か、すなわち良好な画質で画像を記録すことができるか否かを判定する。
【0016】
このように、テスト画像を可逆性の画像記録媒体に記録し、このテスト画像の検出結果が許容範囲内か否かを判定するので、判定結果に基づいて最適な画像記録条件を設定することが可能となる。これにより、画像記録媒体に繰り返し画像が書き込まれた場合でも良好な画質を維持することが可能となる。
【0017】
なお、画像記録条件は、画像記録媒体として可逆性感熱記録シートを用いた場合には、サーマルヘッドの発熱体に供給する熱量等が含まれる。また、画像記録媒体として光信号によって画像の書き換えが可能な可逆性の表示記録媒体を用いた場合には、画像記録条件は、表示記録媒体に向けて出射する光信号の光量や表示記録媒体に印加する電圧等が含まれる。また、画像記録媒体として色及び帯電特性が異なる複数種類の粒子群が一対の基板間に封入された構成の画像表示媒体を用いた場合には、画像記録条件は、画像表示媒体の基板間に印加する電圧等が含まれる。
また、装置側ではなく、画像記録媒体側に画像記録条件及び検出結果を記録するので、他の装置でもその画像記録媒体の過去の画像記録条件や検出結果を知ることができる。
また、画像記録媒体の記憶手段に記憶された過去の画像記録条件及び検出結果から画像記録条件を設定するので、画像記録条件を適切に設定することが可能になると共に、寿命を予測することも可能となる。
請求項2記載の発明は、前記制御手段は、前記画像記録媒体に記録すべき所定画像を前記画像記録媒体に記録する前に、前記テスト画像を前記画像記録媒体に記録するように前記記録手段を制御し、前記検出結果が前記許容範囲外の場合に、前記所定画像を前記画像記録媒体に記録するときの画像記録条件を前記検出結果に基づいて設定する設定手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0018】
この発明によれは、制御手段は、画像記録媒体に記録すべき所定画像を画像記録媒体に記録する前に、テスト画像を画像記録媒体に記録するように記録手段を制御する。
【0019】
そして、判定手段により検出手段によるテスト画像の検出結果が許容範囲外と判定された場合には、所定画像を画像記録媒体に記録するときの画像記録条件を検出結果に基づいて設定する。例えば、検出結果が許容範囲外の場合には、画像記録条件を変更してテスト画像を再度記録し、上記と同様に再度判定する。これを検出結果が許容範囲内になるまで繰り返し、許容範囲内になったときの画像記録条件を所定画像を記録するときの画像記録条件として設定する。
【0020】
そして、検出結果が許容範囲内の場合には、テスト画像を記録したときの画像記録条件で、画像記録媒体に記録すべき所定画像を記録する。
【0021】
このように、テスト画像の検出結果が許容範囲外の場合に、画像記録条件を調整してから所定画像を記録するため、繰り返し画像が記録された場合でも良好な画質を維持することができる。
【0022】
請求項3記載の発明は、前記制御手段は、前記画像記録媒体に記録すべき所定画像及び前記テスト画像を前記画像記録媒体に同時に記録するように前記記録手段を制御し、前記検出結果が前記許容範囲外の場合に、前記所定画像を前記画像記録媒体に記録するときの画像記録条件を前記検出結果に基づいて設定することを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、制御手段は、画像記録媒体に記録すべき所定画像及びテスト画像を画像記録媒体に同時に記録するように記録手段を制御する。そして、判定手段により検出手段によるテスト画像の検出結果が許容範囲外と判定された場合には、所定画像を画像記録媒体に記録するときの画像記録条件を検出結果に基づいて設定する。例えば、検出結果が許容範囲外の場合には、画像記録条件を変更し、新たに設定された画像記録条件でテスト画像及び所定画像を同じ画像記録媒体に再度記録し、上記と同様に再度判定する。これを検出結果が許容範囲内になるまで繰り返す。
【0024】
そして、検出結果が許容範囲内の場合には、テスト画像を消去して所定画像のみが記録された状態とする。
【0025】
このように、テスト画像の検出結果が許容範囲外の場合に、画像記録条件を調整して再度テスト画像及び所定画像を記録するため、繰り返し画像が記録された場合でも良好な画質を維持することができる。
【0026】
なお、検出結果が許容範囲外の場合には、画像記録条件を変更してテスト画像及び所定画像を別の画像記録媒体に記録するようにしてもよい。また、検出結果が許容範囲内の場合には、別の画像記録媒体に所定画像のみを記録するようにしてもよい。
【0027】
請求項4記載の発明は、前記制御手段は、前記画像記録条件を複数回変更して前記テスト画像の記録及び検出を行なっても前記検出手段の検出結果が許容範囲外の場合には、前記画像記録媒体を媒体不良用の排出トレイに排出させることを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、画像記録条件を繰り返し変更してテスト画像の記録及び検出を行なっても、検出手段によるテスト画像の検出結果が許容範囲外の場合には、画像記録媒体が不良であると判断する。この画像記録条件の変更は、画像記録条件の変更可能な範囲内で複数回行なう。すなわち、変更可能な画像記録条件の範囲では検出結果が許容範囲内とならない場合に画像記録媒体が不良であると判断する。
【0029】
そして、画像記録媒体が不良であると判断された場合には、画像記録媒体を、正常な画像記録媒体が排出されるトレイとは別の媒体不良用の排出トレイに排出させる。これにより、不良の画像記録媒体と正常な画像記録媒体が混在するのを防ぐことができる。
【0030】
請求項5記載の発明は、前記制御手段は、前記テスト画像が異なる濃度で前記画像記録媒体に記録されるように、前記テスト画像を複数の異なる画像記録条件で前記画像記録媒体に記録するように前記記録手段を制御し、前記複数の異なる画像記録条件で記録されたテスト画像の各々の検出結果に基づいて前記画像記録条件を設定することを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、制御手段は、テスト画像を複数の異なる画像記録条件で画像記録媒体に記録するように記録手段を制御する。複数のテスト画像は、検出手段により各々検出される。そして、判定手段により各々の検出結果が許容範囲内か否かが判定される。
【0032】
そして、制御手段は、複数の異なる画像記録条件で記録されたテスト画像の各々の検出結果に基づいて画像記録条件を設定する。具体的には、例えば各々の検出結果のうち許容範囲内となる検出結果が複数存在する場合には、それらのうち最も良い検出結果に対応する画像記録条件を、所定画像を記録するときの画像記録条件として設定する。一方、何れの検出結果も許容範囲内にない場合には、画像記録媒体が不良であると判断し、例えば媒体不良用の排出トレイに排出する。
【0033】
このように、最初から画像記録条件が異なる複数のテスト画像を画像記録媒体に記録し、各々の検出結果に基づいて画像記録条件を設定するので、速やかに最適な画像記録条件を設定することが可能となる。
【0043】
請求項6記載の発明は、前記検出手段は、前記テスト画像の表示濃度を検出することを特徴とする。
【0044】
この発明によれば、制御手段は、例えば記録可能な色の最高濃度のテスト画像を画像記録媒体に記録する。これは記録可能な色の全てについて行なうのが好ましい。そして、検出手段は、テスト画像の表示濃度を検出する。このように、表示濃度を検出し、その検出結果に基づいて画像記録条件を設定するため、繰り返し画像を書き換えた場合でも、常に良好な濃度を保つことができ、良好な画質を維持することができる。
【0045】
請求項7記載の発明は、前記画像記録媒体は、光信号により画像を書き換え可能な画像記録媒体であることを特徴とする。
【0046】
光信号による画像の書込みは感熱紙に画像を記録する場合と比較して高速に書込みができるため、装置のスループットを向上させることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態について詳細に説明する。
【0048】
図1には、本発明が適用された画像形成装置10のブロック図を示した。図1に示すように、画像形成装置10は、制御部12、記録装置14、入力部16、検出部18、排出機構20、排出トレイ22、エラー用排出トレイ24、搬送機構26、タイマ28、温度センサ30、湿度センサ32、メモリ34等を含んで構成されている。
【0049】
入力部16は、画像情報を入力するためのインターフェースであり、入力部16により入力された画像情報は制御部12により記録装置14へ出力される。
【0050】
記録装置14は、制御部12からの指示によって動作し、入力部16により入力された画像情報に基づいて、後述する可逆性の画像記録媒体に画像を記録する。本実施形態では、可逆性の画像記録媒体として光信号によって画像の書き換えが可能な画像記録媒体を用いた場合について説明する。
【0051】
画像記録媒体及び記録装置14としては、前記特許文献2に記載されたものを用いることができる。図2には、このような画像記録媒体40の断面図を示した。
【0052】
図2に示すように、画像記録媒体40はシート状に形成されており、一対の基板42間に挟まれた光感応性層である光導電層44、及び遮光層46、及び表示層48とから構成される。また、光導電層44は電荷発生層44A、電荷輸送層44B、電荷発生層44Cの各層をこの順に積層して構成される。
【0053】
基板42は、例えば片面に酸化インジウム錫(ITO)電極を内側にそれぞれ備えたPETフィルムからなる。表示層48は、例えば正の誘電率異方性を有するネマチック液晶により構成される。
【0054】
図3には、このような画像記録媒体40に画像を記録する記録装置14を示した。記録装置14は、制御部12から入力された画像情報に基づく画像を画像記録媒体40に光信号により書き込むための装置である。
【0055】
図3に示すように、記録装置14は、データ処理部50を備えており、入力部16から入力された画像情報は、制御部12によってデータ処理部50に出力される。
【0056】
この画像情報はデータ処理部50の演算回路50Aで変換処理され、後述する光出力デバイス52に適合した光出力デバイス用情報信号に変換される。即ち、画像情報の画素数が、光出力デバイス52で一括露光が可能な画素数より多いか、または少ないかにより、光出力デバイス52の画素数に適合するように、適宜データの補間、省略という演算が行われる。より具体的には、画像情報の画素数が光出力デバイス52で一括露光が可能な画素数よりも多い場合には、画像情報の省略という演算が行われる。反対に、画像情報の画素数が光出力デバイス52で一括露光が可能な画素数よりも少ない場合には、画像情報の補間という演算が行われる。演算された情報は、メモリ50Bに格納される。
【0057】
また、記録装置14は、データ処理部50で変換処理された光出力デバイス用情報信号に基づいて、光学パターンを形成し、この光学パターンを出射する光出力デバイス52を備えている。
【0058】
この光出力デバイス52は、光学パターン出射面となる透過型LCD54を備えている。透過型LCD54は光出力デバイス制御部56に接続され、この光出力デバイス制御部56により駆動制御されるようになっている。
【0059】
透過型LCD54の背面には導光板と導光板端部に冷陰極管を備えた通常のLCD用のバックライト58が設けられている。バックライト58は、バックライト制御回路60に接続され、これにより駆動制御されている。
【0060】
また、透過型LCD54の上部には2次元マイクロレンズアレイ62が配置されている。2次元マイクロレンズアレイ62は、光出力デバイス用情報信号に基づいて透過型LCD54に形成される光学パターンを画像記録媒体40の光導電層44面に結像するようにスペーサ(図示省略)によって位置決めされている。
【0061】
特に画像記録媒体40を配置する側のスペーサには、2次元マイクロレンズアレイ62の上部を覆うように透明支持プレート64が置かれており、画像記録媒体40を透明支持プレート64上に密着させておくことにより、自然に焦点位置が合うようになっている。なお、画像記録媒体40の光導電層44側の基板42が透明支持プレート64と対向するように、透明支持プレート64上に画像記録媒体40が配置されている。
【0062】
画像記録媒体40の構成として、光導電層44と表示層48との組合わせを用いた場合は、記録装置14と画像記録媒体40とを電気的に接続して、画像記録媒体40の基板42上に形成されたITO電極に電圧を印加する手段が必要となる。そこで、記録装置14には電圧印加手段66が設けられている。
【0063】
この電圧印加手段66は、記録装置14の光出力デバイス52と同期したタイミングで画像記録媒体40の表示層48の駆動に必要な電圧パルスを前記ITO電極に印加するようになっている。電圧パルスはAC電源及びDC電源を含む電源56Bから生成される。なお、画像記録媒体40の基板42上に形成されたITO電極と電圧印加手段66とは着脱自在に構成される。
【0064】
なお、電圧パルスの作成は、AC電源を基に変圧や波形の整形を行ってもよく、電池などのバッテリーから供給されるDC電源を手動でON/OFFスイッチングしてもよい。また、DC電源からスイッチング回路を用いて必要な波形のパルスを生成してもよい。そのようなパルス生成には、例えば、ROMのような波形記憶手段とDA変換手段と制御手段とを有し、電圧印加時にROMから読み出した波形をDA変換して供給する回路を用いることができる。また、パルス発生回路のような電気回路的な方式でパルスを発生させる手段等の駆動パルスを印加する手段を用いることができる。更に、電圧印加手段66と光出力デバイス52の露光タイミングとを同期させるために、露光状態や光出力デバイス52の駆動状態を検出する電気的なトリガーに基づいて画像記録媒体40への電圧印加を行っても良い。
【0065】
以下、記録装置14を具現化した一例を図4を参照して説明する。
【0066】
記録装置14の箱型のケース68の上面には矩形状の開口部70が設けられており、この開口部70に透明ガラス板72が嵌め込まれ表示窓74となっている。ケース68の中は上下2層に分割されており、このうちの下層は後述する画像記録媒体40を格納する格納部76となっている。格納部76の一端(図4の左端)には、画像記録媒体40を排出する排出口78が設けられ、この排出口78の近傍にはフィードローラ80が配置されている。そして、このフィードローラ80の駆動力によって格納部76の画像記録媒体40が1枚づつ取出可能となっている。
【0067】
一方、ケース68の上層には画像を表示する光出力デバイス52が設けられている。すなわち、ケース68の上層にはバックライト58等が設けられている。そして、透明ガラス板72の直下には画像記録媒体40の配置スペース82が設けられ、この配置スペース82の両端には搬送ローラ対84、86がそれぞれ設けられている。この搬送ローラ対84、86の近傍側壁には、画像記録媒体40の挿入口88、および排出口90が設けられている。
【0068】
格納部76から取り出された画像記録媒体40は、図示しない搬送機構により、図4の矢印A方向から挿入口88へ挿入される。これにより、搬送ローラ対84の駆動力によって画像記録媒体40が配置スペース82に、透明ガラス板72と略平行に位置決めされるようになっている。この状態で、光出力デバイス制御部56により、入力された画像情報に基づいて光出力デバイス52を制御すると共に、電圧印加手段66により画像記録媒体40に電圧を印加することにより、画像に対応した光が画像記録媒体40に露光され、画像が形成される。
【0069】
画像が記録された画像記録媒体40は、右側の搬送ローラ対86の駆動力によって、画像が表示された状態で排出口90から排出される。
【0070】
詳細は後述するが、記録装置14から排出された画像記録媒体40は、図5に示すように検出部18の位置まで搬送され、必要に応じて画像記録媒体40に記録されたテスト画像の検出が行なわれる。そして、画像記録媒体40の搬送経路が検出結果に応じて経路切替機構92により切替えられる。
【0071】
経路切替機構92は、画像記録媒体40の搬送経路を搬送経路94A又は搬送経路94Bに切替える。搬送経路94Aが選択された場合には、画像記録媒体40は、搬送ローラ対95、96の駆動力により再び記録装置14内に搬送される。搬送経路94Bが選択された場合には、画像記録媒体40は、排出機構20内に搬送され、検出結果に応じて排出トレイ22又はエラー用排出トレイ24の何れかに排出される。なお、経路切替機構92、搬送ローラ対95、96等は搬送機構26の一部を構成する。
【0072】
検出部18は、各色、例えば白、黒、イエロー、マゼンダ、シアン、赤、緑、青の分光反射濃度を検出することができる濃度センサを含んで構成される。
【0073】
タイマ28は、現在時刻を取得するためのものである。温度センサ30は装置周辺の温度を検出するためのものである。湿度センサ32は装置周辺の湿度を検出するためのものである。メモリ34は、後述する制御ルーチンのプログラムや、各種データを記憶するためのもものである。
【0074】
なお、制御部12は本発明の制御手段及び判定手段に相当し、記録装置14は本発明の記録手段に相当し、検出部18は本発明の検出手段に相当し、エラー用排出トレイ24は本発明の媒体不良用の排出トレイに相当する。
【0075】
次に、本実施形態の作用として、制御部12で実行される制御ルーチンについて図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0076】
まず、ステップ100では、後述する濃度測定を何回測定したかをカウントするためのカウンタCを初期化する。ここでは、カウンタCに‘1’を代入する。
【0077】
ステップ102では、画像記録媒体40が格納部76から配置スペース82に配置されるように搬送機構26を制御する。
【0078】
ステップ104では、記録する画像が白黒画像であれば、図7(A)に示すような白及び黒の濃度測定用パッチW、BKを含むテスト画像が画像記録媒体40に記録されるように記録装置14を制御する。なお、記録する画像がカラー画像であれば、図7(B)に示すような白及び黒の濃度測定用パッチW、Bkに加えてイエロー、マゼンダ、シアンの濃度測定用パッチY、M、Cを含むテスト画像が画像記録媒体40に記録されるように記録装置14を制御する。記録装置14は、予め定めた画像記録条件でテスト画像を画像記録媒体40に記録する。画像記録条件は、本実施形態では電圧印加手段66により画像記録媒体40に印加される電圧、光出力デバイス52が出力する光学パターンの光量である。
【0079】
具体的には、制御部12は、図7(A)に示すようなテスト画像の画像情報を記録装置14へ出力し、テスト画像の記録を指示する。これにより、データ処理部50にテスト画像の画像情報が入力され、演算回路50Aで所定の演算が施されたあと、メモリ50Bに格納される。そして、光出力デバイス制御部56の駆動回路56Aが、データ処理部50のメモリ50Bから光出力デバイス用情報信号を読み出す。
【0080】
続いて、駆動回路56Aは、その光出力デバイス用情報信号に従って、光出力デバイス52の透過型LCD54及びバックライト58へ駆動信号及び点灯信号を供給する。ここで、バックライト58は一旦点灯すると設定された時間はOFF信号が来ない限り点灯を継続し、光書き込み画像を更新する度にON、OFFしないように設定されている。
【0081】
このように透過型LCD54及びバックライト58が駆動されることにより、光出力デバイス52はテスト画像に対応した光学パターンを出射する。これにより、テスト画像に応じた光学パターンが画像記録媒体40の光導電層44に照射された状態となる。但し、この段階では画像記録媒体40の基板42の内面に形成されたITO電極には電圧は供給されておらず、画像の複写は行われていない。
【0082】
次に、電圧印加手段66が画像記録媒体40の電極端子に所定の電圧(例えば、矩形波のバイアス電圧パルス)を印加する。所定の電圧が印加されると、光学パターンに従った反射画像が画像記録媒体40の表示層48に記録される。詳細には、この電圧が印加(バイアス電圧パルスが供給)されると、光導電層44に光出力デバイス52からの露光パターンに応じたインピーダンス変化が誘起される。そして、このインピーダンス変化が誘起された光導電層44に積層された表示層48に、選択的に電圧が印加された状態となる。この状態で、画像記録媒体40全体への電圧印加を終了し、光出力デバイス52による露光を終了する。露光が終了し、電圧印加を解除した表示層48には露光パターンに従ってテスト画像が反射画像として画像記録媒体40に記録される。テスト画像が記録された画像記録媒体40は、メモリ性を有し、電圧印加用の端子を外しても記録装置14から切り離された状態で、無電源でその表示内容を維持することができる。
【0083】
テスト画像が記録された画像記録媒体40は、搬送機構26によって検出部18の位置まで搬送されて停止する。
【0084】
ステップ106では、各濃度測定用パッチの濃度が検出部18によって検出されるように検出部18を制御する。
【0085】
次のステップ108では、測定した濃度が許容範囲内か否かを各濃度測定用パッチの各々について判定する。そして、各々測定した濃度が全て許容範囲内の場合にはステップ110へ移行し、測定した濃度が許容範囲外の色が存在する場合にはステップ114へ移行する。
【0086】
ステップ110では、画像記録媒体40に記録すべき所定画像が画像記録媒体40に記録されるように記録装置14を制御する。すなわち、テスト画像のときと同様の処理により所定画像を画像記録媒体40に記録する。なお、所定画像は上書きされるので、テスト画像が残ることはない。
【0087】
次に、ステップ112では、所定画像が記録された画像記録媒体40が、正常な画像記録媒体40が排出するための排出トレイ22に排出されるように、経路切替機構92及び排出機構20を制御する。すなわち、搬送経路94Bが選択されるように経路切替機構92を制御する。これにより、所定画像が記録された画像記録媒体40は搬送経路94B上を搬送される。そして、排出機構20を制御して画像記録媒体40を排出トレイ22に排出させる。
【0088】
一方、ステップ114では、カウンタCが閾値以上か否かが判断される。この閾値は、カウンタCの値がこの閾値以上の場合には画像記録媒体40が寿命であると判断できる値に設定される。
【0089】
そして、カウンタCが閾値以上の場合にはステップ116へ移行し、カウンタCが閾値未満の場合には、ステップステップ118へ移行する。
【0090】
ステップ116では、画像記録媒体40が寿命であると判断して、画像記録媒体40がエラー用排出トレイ24に排出されるように経路切替機構92及び排出機構20を制御する。これにより、寿命の画像記録媒体40が正常な画像記録媒体40と別の排出トレイに排出される。そして、ステップ100へ戻り、別の画像記録媒体について上記と同様の処理を行なう。
【0091】
一方、ステップ118では、画像記録条件、すなわち光出力デバイス52から出力される光の光量及び電圧印加手段66が出力する電圧の電圧値を調整する。すなわち、測定した濃度が許容範囲よりも低い場合には、濃度が高くなるように光出力デバイス52から出力される光の光量及び電圧印加手段66が出力する電圧の電圧値を調整し、測定した濃度が許容範囲よりも高い場合には、濃度が低くなるように光出力デバイス52から出力される光の光量及び電圧印加手段66が出力する電圧の電圧値を調整する。なお、画像記録条件と濃度との関係を表すルックアップテーブルを予めメモリ34に記憶しておき、このルックアップテーブルに従って画像記録条件を変更するようにしてもよい。
【0092】
ステップ120では、カウンタCをインクリメントし、ステップ104へ戻る。これにより、新たな画像記録条件で上記と同様の濃度測定が行なわれる。そして、全ての色の濃度が許容範囲内になった場合には画像記録媒体40が排出トレイ22に排出され、何れか1つの色でも濃度が許容範囲外になった場合には、画像記録媒体40はエラー用排出トレイ24に排出される。
【0093】
このように、記録すべき所定画像を記録する前に、テスト画像を記録してこれの濃度を検出して許容範囲内か否かを判定し、許容範囲内の場合に所定画像を記録するので、判定結果に基づいて最適な画像記録条件を設定することができる。このため、画像記録媒体40に繰り返し画像が書き込まれ、その特性が変化したような場合でも良好な画質を維持することができる。
【0094】
なお、本実施形態では画像記録媒体として光信号により画像の記録を行なう画像記録媒体を用いた場合について説明したが、これに限らず、可逆性の画像記録媒体であれば本発明を適用可能である。例えば可逆性の感熱紙を用いた場合には、テスト画像を消去してから所定画像を記録すればよい。また、可逆性の感熱紙を用いた場合には、サーマルヘッドに供給する熱量が画像記録条件となる。
【0095】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0096】
第2実施形態に係る画像形成装置は、第1実施形態で説明した画像形成装置10と同一であるので、説明は省略する。
【0097】
次に、本実施形態の作用として、制御部12で実行される制御ルーチンについて図8に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図6に示すフローチャートと同一の処理を行なうステップについては同一符号を付し、異なる部分について説明する。
【0098】
本実施形態では、ステップ100でカウンタCを初期化し、ステップ102で画像記録媒体40をセットした後、ステップ104Aにおいて、テスト画像だけでなく、画像記録媒体40に記録すべき所定画像も同時に記録する。
【0099】
そして、ステップ108で全ての色の濃度が許容範囲内であると判断された場合には、ステップ110Aにおいて、テスト画像のみ消去されるように記録装置14を制御する。
【0100】
このように、テスト画像及び所定画像を同時に記録するので、濃度が許容範囲内の場合にはテスト画像を消去するだけでよい。
【0101】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。本実施形態では、画像記録媒体40が識別符号としてのIDが記憶された記憶媒体を備えている場合について説明する。
【0102】
図9には、本実施形態に係る画像形成装置11を示した。図9に示す画像形成装置11は、読み取り手段としての読取部99を備えている。その他の構成については図1に示す画像形成装置10と同一であるので説明は省略する。
【0103】
画像記録媒体40は、固有のIDが記憶された記憶媒体40Aを備えており、読取部99は、記憶媒体40Aに記憶されたIDを例えば無線通信により非接触で読み取ることができる。
【0104】
また、詳細は後述するが、履歴記憶手段としてのメモリ34には、過去の濃度測定の測定データがIDと関連付けられて履歴として記憶される。
【0105】
次に、本実施形態の作用として、制御部12で実行される制御ルーチンについて図10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0106】
ステップ200では、カウンタCを初期化し、ステップ202では、画像記録媒体40が格納部76から配置スペース82に配置されるように搬送機構26を制御する。
【0107】
ステップ204では、セットされた画像記録媒体40の記憶媒体40Aに記憶されたIDを読み取るように読取部99を制御する。
【0108】
ステップ206では、読取ったIDに対応する過去の測定データがメモリ34に存在するか否かが判断される。そして、過去の測定データが存在する場合には、ステップ210へ移行し、存在しない場合にはステップ224へ移行する。
【0109】
ステップ210では、過去の測定データ、すなわち履歴に基づいて画像記録条件が設定される。ここで、測定データとしては、測定した濃度値、画像記録条件、測定日時、温度、湿度等がある。
【0110】
このような測定データから画像記録条件を設定する。例えば、前回の画像記録条件を今回の画像記録条件に設定してもよいし、過去の画像記録条件の変化の傾向を求め、この傾向に基づいて今回の画像記録条件を求めて設定しても良い。一方、ステップ224では、予め定めた画像記録条件を設定する。
【0111】
そして、ステップ212では、設定された画像記録条件でテスト画像を画像記録媒体40に記録する。
【0112】
ステップ214では、各濃度測定用パッチの濃度が検出部18によって検出されるように検出部18を制御する。
【0113】
次のステップ216では、測定した濃度が許容範囲内か否かを各濃度測定用パッチの各々について判定する。そして、各々測定した濃度が全て許容範囲内の場合にはステップ218へ移行し、測定した濃度が許容範囲外の色が存在する場合にはステップ226へ移行する。
【0114】
ステップ218では、画像記録媒体40に記録すべき所定画像が画像記録媒体40に記録されるように記録装置14を制御する。
【0115】
次のステップ220では、タイマ28によりそのときの日時を取得し、温度センサ30によりそのときの温度を取得し、湿度センサ32によりそのときの湿度を取得する。そして、これらのデータとそのときの画像記録条件、測定した濃度値等を測定データとして、IDと関連付けてメモリ34に記憶する。
【0116】
そして、ステップ222では、所定画像が記録された画像記録媒体40が、正常な画像記録媒体40が排出するための排出トレイ22に排出されるように、経路切替機構92及び排出機構20を制御する。これにより、画像記録媒体40が排出トレイ22に排出される。
【0117】
一方、ステップ226では、カウンタCが閾値以上か否かが判断され、カウンタCが閾値以上の場合にはステップ228へ移行し、カウンタCが閾値未満の場合には、ステップステップ230へ移行する。
【0118】
ステップ228では、画像記録媒体40が寿命であると判断して、画像記録媒体40がエラー用排出トレイ24に排出されるように経路切替機構92及び排出機構20を制御する。これにより、寿命の画像記録媒体40がエラー用排出トレイ24に排出される。そして、ステップ200へ戻り、別の画像記録媒体について上記と同様の処理を行なう。
【0119】
一方、ステップ230では、画像記録条件、すなわち光出力デバイス52から出力される光の光量及び電圧印加手段66が出力する電圧の電圧値を調整する。すなわち、測定した濃度が許容範囲よりも低い場合には、濃度が高くなるように光出力デバイス52から出力される光の光量及び電圧印加手段66が出力する電圧の電圧値を調整し、測定した濃度が許容範囲よりも高い場合には、濃度が低くなるように光出力デバイス52から出力される光の光量及び電圧印加手段66が出力する電圧の電圧値を調整する。
【0120】
ステップ232では、カウンタCをインクリメントし、ステップ212へ戻る。これにより、新たな画像記録条件でテスト画像が記録され、上記と同様の濃度測定が行なわれる。そして、全ての色の濃度が許容範囲内になった場合には画像記録媒体40が排出トレイ22に排出され、何れか1つの色でも濃度が許容範囲外になった場合には、画像記録媒体40はエラー用排出トレイ24に排出される。
【0121】
このように、過去の測定データに基づいて画像記録条件を設定するので、最適な画像記録条件を速やかに設定することができ、装置のスループットを向上させることができる。
【0122】
なお、上記では測定データを装置側のメモリ34に記憶するようにしているが、画像記録媒体40の記憶媒体40Aに記憶するようにしてもよい。この場合、記憶媒体40Aから過去の測定データを読み取り、この測定データに基づいて画像記録条件を設定すればよい。また、記憶媒体40Aの記憶容量が少ない場合には、前回の測定データのみを記憶媒体40Aに記憶するようにしてもよい。この場合、記憶媒体40Aに記憶された画像記録条件を今回の画像記録条件として設定すればよい。
【0123】
また、テスト画像と所定画像を同時に記録するようにし、濃度が許容範囲内となった場合にはテスト画像を後で消去するようにしてもよい。
【0124】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。本実施形態では、
第4実施形態に係る画像形成装置は、第3実施形態で説明した画像形成装置11と同一であるので、説明は省略する。
【0125】
次に、本実施形態の作用として、制御部12で実行される制御ルーチンについて図11に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図10に示すフローチャートと同一の処理を行なうステップについては同一符号を付し、異なる部分について説明する。
【0126】
ステップ202で画像記録媒体40がセットされ、ステップ202で画像記録媒体40の記憶媒体40AからIDが読み取られ、ステップ206でそのIDに対応する過去の測定データがメモリ34に存在するか検索され、ステップ208で過去の測定データが存在するか否かが判定される。
【0127】
過去の測定データがメモリ34に存在するか否かが判断される。そして、過去の測定データが存在する場合には、ステップ210Aにおいて、過去の測定データに基づいて複数の異なる画像記録条件が設定される。例えば、前回の画像記録条件を中心にその他の画像記録条件を設定してもよいし、過去の画像記録条件の変化の傾向を求め、この傾向に基づいて最適と思われる画像記録条件を求め、これを中心に他の画像記録条件を設定しても良い。一方、過去の測定データが存在しない場合には、ステップ224Aにおいて、予め定めた複数の画像記録条件が設定される。
【0128】
そして、ステップ212では、設定された複数の画像記録条件のうち選択された1つの画像記録条件でテスト画像を画像記録媒体40に記録する。
【0129】
ステップ214では、各濃度測定用パッチの濃度が検出部18によって検出されるように検出部18を制御する。
【0130】
次のステップ215では、設定された全ての画像記録条件で濃度測定したか否かが判定され、全ての画像記録条件で濃度測定した場合にはステップ217へ移行し、まだ濃度測定していない画像記録条件が存在する場合には、ステップ219へ移行する。
【0131】
ステップ219では、画像記録条件を測定済みの画像記録条件以外の未測定の画像記録条件に変更し、ステップ212へ移行する。これにより、別の画像記録条件でテスト画像が記録され、濃度が測定される。これを設定された全ての画像記録条件で濃度測定するまで繰り返す。
【0132】
そして、設定された全ての画像記録条件で濃度測定が行なわれると、ステップ217において、測定した各々の濃度のうち許容範囲内となるものが存在するか否かが判定される。許容範囲内となる濃度が存在する場合には、ステップ218へ移行し、存在しない場合にはステップ228へ移行する。
【0133】
ステップ218では、濃度が許容範囲内となる画像記録条件で、所定画像が画像記録媒体40に記録されるように記録装置14を制御する。なお、濃度が許容範囲内となる画像記録条件が複数存在する場合には、その中で最も最適な濃度となる画像記録条件を採用する。
【0134】
次のステップ220では、タイマ28によりそのときの日時を取得し、温度センサ30によりそのときの温度を取得し、湿度センサ32によりそのときの湿度を取得する。そして、これらのデータとそのときの画像記録条件、測定した濃度値等を測定データとして、IDと関連付けてメモリ34に記憶する。
【0135】
そして、ステップ222では、所定画像が記録された画像記録媒体40が、正常な画像記録媒体40が排出するための排出トレイ22に排出されるように、経路切替機構92及び排出機構20を制御する。これにより、画像記録媒体40が排出トレイ22に排出される。
【0136】
ステップ228では、画像記録媒体40が寿命であると判断して、画像記録媒体40がエラー用排出トレイ24に排出されるように経路切替機構92及び排出機構20を制御する。これにより、寿命の画像記録媒体40がエラー用排出トレイ24に排出される。そして、ステップ202へ戻り、別の画像記録媒体について上記と同様の処理を行なう。
【0137】
このように、過去の測定データに基づいて複数の画像記録条件を設定して濃度測定し、この中から最適な画像記録条件を選択して画像を記録するので、濃度が許容範囲内になるまで画像記録条件を変更する場合と比較して速やかに最適な画像記録条件を設定することができる。このため、装置のスループットをさらに向上させることができる。
【0138】
なお、上記では測定データを装置側のメモリ34に記憶するようにしているが、画像記録媒体40の記憶媒体40Aに記憶するようにしてもよい。この場合、記憶媒体40Aから過去の測定データを読み取り、この測定データに基づいて複数の画像記録条件を設定すればよい。また、記憶媒体40Aの記憶容量が少ない場合には、前回の測定データのみを記憶媒体40Aに記憶するようにしてもよい。この場合、記憶媒体40Aに記憶された画像記録条件を中心に複数の画像記録条件を設定すればよい。
【0139】
また、テスト画像と所定画像を同時に記録するようにし、濃度が許容範囲内となった場合にはテスト画像を後で消去するようにしてもよい。
【0140】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、可逆性の画像記録媒体に最適な画像記録条件で画像を記録し、良好な画質を維持することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 画像形成装置の概略構成図である。
【図2】 画像記録媒体の断面図である。
【図3】 記録装置の概略構成図である。
【図4】 記録装置の概略構成図である。
【図5】 画像形成装置の搬送経路について説明するための図である。
【図6】 第1実施形態に係る制御ルーチンのフローチャートである。
【図7】 濃度測定用パッチを示す図である。
【図8】 第2実施形態に係る制御ルーチンのフローチャートである。
【図9】 第3実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図10】 第3実施形態に係る制御ルーチンのフローチャートである。
【図11】 第4実施形態に係る制御ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10、11 画像形成装置
11 画像形成装置
12 制御部
14 記録装置
16 入力部
18 検出部
20 排出機構
22 排出トレイ
24 エラー用排出トレイ
26 搬送機構
28 タイマ
30 温度センサ
32 湿度センサ
34 メモリ
40 画像記録媒体
40A 記憶媒体
52 光出力デバイス
56 光出力デバイス制御部
58 バックライト
60 バックライト制御回路
66 電圧印加手段
99 読取部
Claims (7)
- 記憶媒体を備えた可逆性の画像記録媒体に画像を記録する記録手段と、
前記記憶媒体に記憶された画像記録条件及び検出結果に基づいて前記画像記録媒体のテスト用のテスト画像を記録するときの画像記録条件を設定し、設定した画像記録条件で前記テスト画像を前記画像記録媒体に記録するように前記記録手段を制御すると共に、前記画像記録媒体に記録すべき所定画像を記録したときの画像記録条件及び検出結果を前記記憶媒体に記憶させる制御手段と、
前記テスト画像を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果が許容範囲内か否かを判定する判定手段と、
を備えた画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記画像記録媒体に記録すべき所定画像を前記画像記録媒体に記録する前に、前記テスト画像を前記画像記録媒体に記録するように前記記録手段を制御し、前記検出結果が前記許容範囲外の場合に、前記所定画像を前記画像記録媒体に記録するときの画像記録条件を前記検出結果に基づいて設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記画像記録媒体に記録すべき所定画像及び前記テスト画像を前記画像記録媒体に同時に記録するように前記記録手段を制御し、前記検出結果が前記許容範囲外の場合に、前記所定画像を前記画像記録媒体に記録するときの画像記録条件を前記検出結果に基づいて設定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記画像記録条件を複数回変更して前記テスト画像の記録及び検出を行なっても前記検出手段の検出結果が許容範囲外の場合には、前記画像記録媒体を媒体不良用の排出トレイに排出させることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記テスト画像が異なる濃度で前記画像記録媒体に記録されるように、前記テスト画像を複数の異なる画像記録条件で前記画像記録媒体に記録するように前記記録手段を制御し、前記複数の異なる画像記録条件で記録されたテスト画像の各々の検出結果に基づいて前記画像記録条件を設定することを特徴とする請求項2又は請求項3記載の画像形成装置。
- 前記検出手段は、前記テスト画像の表示濃度を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記画像記録媒体は、光信号により画像を書き換え可能な画像記録媒体であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の画像形成装置。
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