JP4945099B2 - 表示媒体用粒子及びそれを利用した情報表示用パネル - Google Patents

表示媒体用粒子及びそれを利用した情報表示用パネル Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも一方が透明な対向する基板間に1種以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させ画像等の情報を表示する情報表示装置に用いる表示媒体用粒子及びそれを利用した情報表示用パネルに関するものである。
従来より、液晶(LCD)に代わる情報表示装置として、電気泳動方式、エレクトロクロミック方式、サーマル方式、2色粒子回転方式等の技術を用いた情報表示装置が提案されている。
これら従来技術は、LCDと比較すると、通常の印刷物に近い広い視野角が得られる、消費電力が小さい、メモリー機能を有している等のメリットがあることから、次世代の安価な情報表示装置に使用可能な技術として考えられており、携帯端末用情報表示、電子ペーパー等への展開が期待されている。特に最近では、分散粒子と着色溶液から成る分散液をマイクロカプセル化し、これを対向する基板間に配置して成る電気泳動方式が提案され、期待が寄せられている。
しかしながら、電気泳動方式では、液中を粒子が泳動するために液の粘性抵抗により応答速度が遅くなるという問題がある。さらに、低比重の溶液中に酸化チタン等の高比重の粒子を分散させているため沈降しやすくなっており、分散状態の安定性維持が難しく、画像等の情報を繰り返し表示書換えする際の安定性に欠けるという問題を抱えている。また、マイクロカプセル化にしても、セルサイズをマイクロカプセルレベルにして、見かけ上、上述した欠点が現れにくくしているだけであって、本質的な問題は何ら解決されていない。
一方、溶液中での挙動を利用する電気泳動方式に対し、溶液を使わず、導電性粒子と電荷輸送層とを基板の一部に組み入れる方式も提案され始めている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、電荷輸送層、さらには電荷発生層を配置するために構造が複雑化するとともに、導電性粒子に電荷を一定に注入することは難しいため、表示書換えの安定性に欠けるという問題もある。
上述した種々の問題を解決するための一方法として、少なくとも一方が透明である2枚の対向する基板間に、表示媒体を封入し、表示媒体に電界を与え、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルが知られている。
趙 国来、外3名、"新しいトナーディスプレイデバイス(I)"、1999年7月21日、日本画像学会年次大会(通算83回)"Japan Hardcopy’99"論文集、p.249-252
このような静電気を活用した情報表示装置においては、対向する基板間に帯電性を有する表示媒体を封入した表示装置に何らかの手段でその基板内に電界が付与される。帯電した表示媒体が電界の力やクーロン力などによって、基板内の電界方向にそって移動する。電位の切り替えによって電界方向を切り替えることによって、表示媒体が電界方向に沿って移動方向を変えることにより、画像等の情報表示がなされる。
この情報表示装置の情報表示用パネルに用いられる表示媒体を構成する粒子は、気相に分散した小粒径粒子のため、付着力・凝集力が大きい。故に、飛翔移動させるためには大きな力を得るだけの電界強度を発生させる必要がある。従って、デバイス化した際、その消費電力が大きくなり、電源の大容量化・特別な回路の追加が必要となり、結果、小サイズ化設計が非常に難しくなる。故に、デバイスの小型化のためには、粒子の付着力・凝集力を小さくし、駆動電圧を低下させる事が必須である。
一般に粉体材料の凝集性を改善するための手法として、シリカに代表される無機微粒子を粒子と混合する方法が工業的に知られている。これは、微粒子の介在による、粒子・粒子間の有効接触面積の低減を狙ったものである。しかし、ディスプレイの表示画素用途の様な、当該設計に用いられる粒子径レベルでは、単純に無機粒子を無作為に選択・混合しても改善効果が得られない事が多い。その理由として、一般的な無機微粒子の表面は、金属酸化物であるが故に親水性を示すため、表面吸着水による強い液架橋力が発生し、凝集力が強まっている事が推定される。
このため、例えば4塩化珪素等の揮発性珪素化合物を気相において燃焼、加水分解することによって得られるヒュームドシリカの表面に分布するシラノール基を疎水化処理し、微粒子全体として疎水化したもの等も提案されている。しかしながら、こうした疎水性シリカは一般的に自己凝集力が非常に強く、粒子全体に均一に行き渡らせる事が困難であり、当該表示方式に適応するためには多量の添加を必要とする。このため、微粒子の塊(微粒子同士の凝集塊)が発生しやすく、これ自身が表示特性への悪影響を及ぼしたり、飛翔駆動に極めて高い電圧を必要としたりしてしまう。従って、均一な電界飛翔を完結するためには、結果的に高電圧となる事が避けられない。
本発明の目的は上述した問題点を解消して、気相中で表示媒体を移動させるタイプの情報表示装置に用いる表示媒体を構成する粒子として、飛翔粒子の凝集性を低減し、低電圧駆動を可能とし、良好で均一な表示特性を実現する表示媒体用粒子及びそれを利用した情報表示用パネル、情報表示装置を提供しようとするものである。
本発明の表示媒体用粒子は、少なくとも一方が透明な対向する基板間に1種以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させ画像情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する粒子において、該粒子として、三次元架橋樹脂からなる粒子Aの表面に、微粒子Bを被覆して形成されるものを、少なくとも1種以上用いる事を特徴とするものである;
ここで、微粒子Bは、微粒子について、メチルハイドロジェンポリシロキサンとジメチルポリシロキサンのコポリマーで、または、ヘキサメチルジシラザンで、または、オクチルトリクロロシランで表面処理し、更にアミノシランで表面処理したものである。
また、本発明の表示媒体用粒子の好適例としては、粒子Aが、三次元架橋樹脂を基材とし、任意の光学特性を顕現するために、適当な顔料、染料、ないし光学散乱を発生し得る立体構造のいずれかを、少なくとも1種以上具備するものであること、微粒子Bの表面の疎水度として、プレパラートガラス面へ当該微粒子Bを稠密配列した試料について、4.9μlの蒸留水にて測定した接触角CAが、CA≧90°の条件を満たし、好ましくはCA≧105°の条件を満たし、更に好ましくはCA≧120°の条件を満たす事、微粒子Bに用いられる反応性表面改質剤として、(モノ/ジ/トリ)クロロシラン系、(ジ)シラザン系、シラノール系、メチルハイドロジェン(ポリ)シロキサン系、チタネート系、アルミネート系の中から選ばれる、少なくとも1種類以上の反応機構を具備し、且つ、(ジ/トリ)メチルシリル基、メチル基、エチル基、iso-プロピル基、フェニル基、4-イソプロプルフェニル基、4-tert.ブチルフェニル基、n-アルキル基、フルオロアルキル基、シロキサン基の中から選ばれる、少なくとも1種類以上の疎水性構造を付与しうる事、及び、微粒子Bに用いられる微粒子として、シリカ、チタニア、アルミナ、架橋樹脂の内から選ばれる、少なくとも1種類の素材から選ばれてなる事、がある。
さらに、本発明の表示媒体用粒子の好適例としては、粒子Aの平均粒子径D1と、微粒子Bの平均一次粒子径D2の比が、0.0001≦D2/D1≦0.3の関係を満たし、好ましくは0.0003≦D2/D1≦0.1の関係を満たし、更に好ましくは、0.0005≦D2/D1≦0.05の関係を満たす事、粒子Aに対する微粒子Bの分量について、以下に提示する式(1)より算出される表面被覆率CRが、0.5≦CR≦30の関係を満たし、好ましくは0.6≦CR≦25の関係を満たし、更に好ましくは0.7≦CR≦20の関係を満たす事、;
CR = 0.2757×(D1/D2)×(SG1/SG2)×(W2/W1)・・・式(1)
ここで、
CR :表面被覆率、
D1 :粒子平均粒径、
SG1:粒子比重、
W1 :粒子配合重量、
D2 :微粒子平均一次粒径、
SG2:微粒子比重、
W2 :微粒子配合重量である。
粒子Aの樹脂として、主骨格にスチレン系、アクリル系、シクロオレフィン系、メチルペンテン系、アミド系、芳香族エステル系構造のいずれかを、少なくとも1種以上含む事、粒子Aの表面に、0.2×D1以上の幅の亀裂、皺、または、凹みが存在しない事、及び、微粒子Bの平均一次粒子径D2が、1〜1000nmであり、好ましくは2〜700nmであり、更に好ましくは3〜500nmである事、がある。
さらにまた、本発明の情報表示用パネルは、少なくとも一方が透明な対向する基板間に、上述した表示媒体用粒子を少なくとも1種以上を用いてなる、1種以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させ画像等の情報を表示することを特徴とするものである。
本発明では、表示媒体を構成する粒子として、所定の粒子Aの表面に、所定の微粒子Bを任意の方法で被覆して形成されるものを、少なくとも1種以上用いることで、気相中で表示媒体を移動させるタイプの情報表示装置に用いる表示媒体を構成する粒子として、飛翔粒子の凝集性を低減し、低電圧駆動を可能とし、良好で均一な表示特性を実現することができる。
まず、本発明の表示媒体用粒子からなる表示媒体を利用する情報表示用パネルの基本的な構成について説明する。本発明の情報表示用パネルで用いる情報表示用パネルでは、対向する2枚の基板間に封入した帯電性を有する表示媒体(粒子群または粉流体)に電界が付与される。付与された電界方向にそって、帯電した表示媒体が電界の力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体が電位の切替による電界方向の変化によって移動方向を変えることにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示書換えを行う時あるいは継続して表示させておく時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気影像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明の情報表示装置で用いる情報表示用パネルの例を、図1(a)、(b)〜図3(a)、(b)に基づき説明する。
図1(a)、(b)に示す例では、1種以上の粒子からなる色と帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは白色粒子群3Wと黒色粒子群3Bを示す)を、基板1、2の外部から加えられる電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色粒子群3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色粒子群3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図1(b)に示す例では、図1(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。
図2(a)、(b)に示す例では、1種以上の粒子からなる色と帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは白色粒子群3Wと黒色粒子群3Bを示す)を、基板1に設けた電極5と基板2に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色粒子群3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色粒子群3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図2(b)に示す例では、図2(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。
図3(a)、(b)に示す例では、1種以上の粒子からなる色と帯電性とを有する1種類の表示媒体3(ここでは白色粒子群3W)を、基板1上に設けた電極5と電極6との間に電圧を印加させることにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させ、白色粒子群3Wを観察者に視認させて白色表示を行うか、あるいは、電極6または基板1の色を観察者に視認させて電極6または基板1の色の表示を行っている。なお、図3(b)に示す例では、図3(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。
以上の説明は、白色粒子群3Wを白色粉流体に、黒色粒子群3Bを黒色粉流体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することが出来る。
以下、本発明の表示媒体を構成する表示媒体用粒子について説明する。
本発明者らは、上記問題を解決するためには、(1)微粒子が粒子表面を均一に被覆している事、(2)微粒子間の自己凝集力より粒子・微粒子間相互作用の方が大きい事、(3)粒子全体に駆動バイアスが掛かる時、微粒子に掛かる負荷・衝撃が微粒子間の自己凝集力を極弱め得る大きさとなる事、(4)微粒子間に不要な凝集力誘発物質が介在しない様にする事、が重要と考えた。
これを実現するための手法を鋭意検討した結果、具体的な原因は詳細には不明だが、以下の構成とする事で、上記項目がバランス良く満たされたと推定され、結果として課題を克服しうる事を見出し、本発明に至った。すなわち、本発明の表示媒体用粒子は、少なくとも一方が透明な対向する基板間に1種以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させ画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する粒子において、該粒子として、粒子Aの表面に、微粒子Bを任意の方法で被覆して形成されるものを、少なくとも1種以上用いる事を特徴とするものである;ここで、微粒子B:反応性の表面改質剤、ないしそれに準じた反応性と表面改質効果を併せ持つ化学物質にて表面処理された微粒子の内、適用される表面改質剤、ないし相当品が、微粒子表面に対する反応性を有し、結果として反応が進行し、双方が化学的に共有結合している事を特徴とし、且つ、反応で付与されたる表面改質基が、疎水性を付与しうる、物理的、ないし化学的構造を有する。より好ましくは、粒子Aが、三次元架橋樹脂を基材とし、任意の光学特性を顕現するために、適当な顔料、染料、ないし光学散乱を発生し得る立体構造のいずれかを、少なくとも1種以上具備する。以下、その具体的内容について詳細に説明する。
粒子を硬くする事で、粒子側の変形による衝撃吸収・応力緩和が減り、外力が十分に粒子を引き剥がす成分として寄与する事が予想される。粒子は顔料、荷電制御剤等を分散させる必要があり、材料としては樹脂系が好適であるため、高硬度を実現するためには架橋樹脂とする事が有効であると推定される。
また、表示による粒子の飛翔を継続すると、粒子・粒子間、粒子・基板間での衝突により微粒子が粒子表面へ埋没していき、微粒子被覆による効果が徐々に失われていくと思われる。架橋樹脂を用いて硬化させる事は、こうした微粒子埋没進行を抑制する意味でも効果があると推定される。
粒子の樹脂素材としては、例えばスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン・アクリル系共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・無水まれ陰惨共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、芳香族系ポリエステル樹脂、ウレタン系樹脂、ウレア系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、アクリルウレタンシリコーン系樹脂、アクリルウレタンフッ素系樹脂、アクリルフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ブチラール系樹脂、クロロビニリデン系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリシクロオレフィン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられるが、当該目的にはスチレン系、アクリル系、シクロオレフィン系、メチルペンテン系、アミド系、芳香族エステル系構造のいずれかを少なくとも1種類以上主骨格に含む架橋タイプの樹脂が特に好適に用いられる。
これらの架橋方法については特に限定されず、例えば、温度、圧力、ラジカル開始剤、放射線、等の何れの方法に依るものでも構わない。更に、三次元架橋形成のタイミングも特に限定されず、粒子複合材料をバルク形成する際に架橋させても、粒子化した後、更には粒子表面処理が完了した後に架橋反応を開始させても良いが、一般に、2,3番目の手法が粉砕効率的に有利であると思われる。
また、粒子の帯電性や色特性(光学的反射率特性)等を補助するために必要に応じて、樹脂に荷電制御剤、着色剤、滑剤等を添加しても良い。荷電制御剤の例としては、正電荷付与の場合には、4級アンモニウム塩系化合物、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール誘導体などが挙げられ、負電荷付与の場合には、含金属アゾ染料、サリチル酸金属錯体、ニトロイミダゾール誘導体などが挙げられる。
粒子の着色剤としては、以下に例示すような、有機又は無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等がある。橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK等がある。赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレツド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等がある。紫色顔料としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト、チタニア等がある。更に、塩基性、酸性、分散、直接染料などの各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。これらの着色剤は、単独で或いは複数組合せて用いる事ができる。
また、粒子の色特性(光学的反射率特性)を補助するために、必要に応じて粒子表面ないしその内部に光学散乱を発生させる物理的立体構造を形成しても構わない。こうした手法は単独で用いても良いし、上記の着色剤添加法を単独或いは複数組み合わせて用いても良い。
粒子の製造法についても特に限定されるものでは無いが、シード重合やエマルジョン重合等の手法により、必要な内添物を内包した微粒子をビルドアップ式に作製する方法や、所定の添加物を樹脂材料中に混練等の手法により均一分散させたる後に、設計サイズ迄粉砕するブレイクダウン式の作製方法等が挙げられる。又、これらに用いられる手法・装置についても限定されるものでは無く、それらを単独で用いても、適宜複合して用いても構わない。更に、これらの手法で得られた粒子を所定の平均粒子径・粒度分布に揃えるために分級作業を追加しても良く、その手法としても、気流分級法等の乾式法や沈降法等の湿式法等の何れの方式を用いても良く、更にこれらを複合・繰り返し使用しても構わない。
微粒子表面を疎水化する機構は幾つか考えられるが、発明者らの詳細な検討の結果、単に表面を疎水性の物質(例えばジメチルポリシロキサン)で被覆するだけでは不十分であり、疎水性の発現機構は特に問わないが、反応性の処理剤によって、微粒子表面の親水性基と疎水性構造が、化学的に強固な結合を形成する事が重要である事を見出した。これは、疎水性物質と微粒子表面間の相互作用が、粒子表面・疎水性物質間、ないし基板・疎水性物質間の相互作用に対して近しい、ないしそれ以下である場合、粒子の飛翔による粒子・粒子間、粒子・基板間での衝突により、当該物質が微粒子表面から脱離してしまい、その結果、親水性の表面を露呈する事による強い凝集力が発生してしまうためと推定される。
また、微粒子表面の疎水化処理に用いられる反応性処理剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、オクチルシラン、(オクチル/デシル/ノニル/(4-イソプロプルフェニル)/(4-tert.ブチルフェニル))(トリクロロ/トリメトキシ/トリエトキシ)シラン、ジ(ペンチル/ヘキシル/オクチル/ノニル/デシル/ドデシル/(4-tert.ブチルフェニル)オクチル/セニル/ノネニル/-2-エチルヘキシル/-3,3-ジメチルペンチル)(ジクロロ/ジメトキシ/ジエトキシ)シラン、トリ(イソプロピル/ヘキシル/オクチル/デシル/メチル/)(クロロ/メトキシ/エトキシ)シラン、(ジオクチルメチル/オクチルジメチル/(4-イソプロピルフェニル)ジエチル)(クロロ/メトキシ/エトキシ)シラン、メチルハイドロジェン(ポリ)シロキサン、メチルハイドロジェン(ポリ)シロキサンとジメチル(ポリ)シロキサンの(ランダム/コ)(ポリマー/オリゴマー)、トリメチルシロキシケイ酸、(ステアリン/ラウリン)酸アルミニウム、ステアリン酸鉄、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、イソプロピル(トリイソステアロイル/トリドデシルベンゼンスルホニル)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)(オキシアセテート/エチレン)チタネート、ジイソプロピルビス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート等を挙げる事が出来る。更に、その処理法としては特に限定されるものでは無いが、処理対象となる微粒子をヘンシェルミキサー等の高速回転羽式攪拌機で攪拌しつつ、上記処理剤を適当な溶媒に分散した溶液を滴下し、加温乾燥させる手法や、上記処理剤を適当な溶媒に分散した溶液中に対象微粒子を混合分散した後、得られた溶媒をミキサーで攪拌しつつ加温乾燥するといった手法が挙げられる。
微粒子表面に対して、最終的に付与された疎水性の度合いが、当該発明を実現し得る水準に達しているか否かを判断するために、以下に示す手法用いる事が出来る。当該発明においては、本評価法にて得られる接触角CAが、CA≧90°の条件を満たし、好ましくはCA≧105°の条件を満たし、更に好ましくはCA≧120°の条件を満たす微粒子Bが特に好適に用いられる。
a) 協和界面科学(株)製接触角計CA-Xに超撥水用32G針を設置し、接触角測定用液体に蒸留水を用いる。
b) 25℃、50%RHの環境下に、上記測定装置を評価ステージが水平になるよう設置する。
c) ガラス製プレパラートを準備し、蒸留水槽、エタノール槽の順に浸積して、超音波洗浄機で洗浄し、十分に風乾させる。
d) 疎水化処理された微粒子Bを、上記プレパラート表面へ稠密充填するよう配列する。
e) 上記測定試料表面に対して、上記接触角計を用いて4.9μl(当該装置7目盛分)の水滴にて接触角を測定する。
なお、上記手法中に於ける微粒子Bをプレパラート表面に稠密配列した試料については、微粒子Bを適当な溶媒に分散させたもの用意し、これをプレパラート上に滴下した後に乾燥する事で容易に得られるが、特に当該手法に限定されるものでは無い。但し、微粒子配置の稠密度が不十分である場合、隙間から水滴が漏れ広がってしまい、測定に耐えないので注意が必要である。又、乾燥の際に、微粒子の凝集塊が成長し過ぎて測定面の平滑性が著しく損なわれると、測定ばらつきが大きくなり、正確な測定が困難になるため、やはり注意が必要である。
微粒子の素材としては、対粒子・基板との衝突・剪断に耐えうる硬度・強度を持つ事が求められると推定される。この条件を満足する素材としてはシリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、イットリア、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化スズ等の金属酸化物系の無機微粒子、並びに架橋樹脂微粒子が挙げられるが、当該目的にはシリカ、チタニア、架橋樹脂微粒子が特に好適に用いられる。
粒子Aの粒子径と微粒子Bの粒子径には好適な相関関係がある。微粒子径が粒子径対比著しく小さくなりすぎると、粒子表面に形成される微小凹凸が事実上無いのと同じ事になり、付着力抑制効果が期待出来なくなる。一方、微粒子径が過度に大きくなると、今度は微粒子自体を一つの粒子と捉える必要が出てくるため、微粒子自体の凝集力を考慮する必要が出てくる。この時、一般的に微粒子間の凝集力は大きく、結果的に全体の凝集力としては不利に働いているものと推測される。こうした粒子群は凝集力・付着力の分布が広くなる事が予想され、実際に粒子を電界飛翔させた時、低電圧で動く粒子と高電圧印加後初めて動く粒子が混在し、結果として全面均一に粒子飛翔させるには高電圧が必要となる。或いは、低電圧で駆動させた場合、駆動不良領域が反転斑として現れる事となる。当該発明においては、粒子Aの平均粒子径D1と、微粒子Bの平均一次粒子径D2の比が、0.0001≦D2/D1≦0.3の関係を満たし、好ましくは0.0003≦D2/D1≦0.1の関係を満たし、更に好ましくは、0.0005≦D2/D1≦0.05の関係を満たすものが特に好適に用いられる。更に、微粒子Bの平均一次粒子径D2が、1〜1000nmであり、好ましくは2〜700nmであり、更に好ましくは3〜500nmであるものが特に好適に用いられる。
粒子Aと微粒子Bの分量については好適な相関関係がある。微粒子配合量が少な過ぎると、粒子表面の露出が凝集力の影響を考慮せざるを得ない程に多くなると推定される。一方、微粒子配合量が多すぎると、微粒子単独での凝集体の存在確率が上昇し、微粒子同士の凝集力を考慮する必要が出てくると思われる。この時、一般的に微粒子間の凝集力は大きく、結果的に全体の凝集力としては不利に働いているものと推測される。こうした粒子群は凝集力・付着力が特異的に大きい領域を持つだけで無く、粒子表面の帯電量分布も広くなる事が予想され、実際に粒子を電界飛翔させた時、低電圧で動く粒子と高電圧印加後初めて動く粒子が混在し、結果として全面均一に粒子飛翔させるには高電圧が必要となる。或いは、低電圧で駆動させた場合、駆動不良領域が反転斑として現れる事となる。当該発明においては、以下に提示する式(1)より算出される表面被覆率CRが、0.5≦CR≦30の関係を満たし、好ましくは0.6≦CR≦25の関係を満たし、更に好ましくは0.7≦CR≦20の関係を満たすものが特に好適に用いられる。なお、式(1)において、CRは表面被覆率である。D1は粒子平均粒子径である。SG1は粒子比重である。W1は粒子配合重量である。D2は微粒子平均一次粒子径である。SG2は微粒子比重である。W2は微粒子配合重量である。
CR = 0.2757×(D1/D2)×(SG1/SG2)×(W2/W1)・・・式(1)
粒子A表面のモルフォロジーについては、微粒子対比或る程度の大きさの凹みを極力減らす事が重要と推測される。表面に過度な大きさの窪みや亀裂等の凹みが存在する場合、こうした空隙に微粒子が充填してしまい、その分が、実質、凝集・付着を考慮すべき粒子表面を被覆する微粒子量のロス分になってしまうと考えられる。本発明では、粒子Aの表面に、0.2×D1以上の幅の亀裂、皺、ないし凹みが存在しないものが特に好適に適用される。ただし、D1は粒子平均粒子径である。
こうした粒子の調整法としては特に限定されるものでは無いが、例えば、重合法で粒子を作製する場合、溶液の揮発過程で粒子表面に空孔が形成される場合があり、溶剤種・乾燥条件の最適化でこれを抑制する方法が挙げられる。又、混練材料を粉砕して粒子を作製する場合、混練装置・混練条件・粉砕装置・粉砕条件・内添物の樹脂親和性・分散度・樹脂種・樹脂強度等のバランスによって表面にクラックが生じる場合があり、各因子の最適化を図る事でこれを抑制する方法が挙げられる。又、一度形成された粒子表面の凹みについては、例えば、粒子を磨砕処理してこれを除去する方法や、粒子を高温空気に晒して表面を軟化、表面張力で滑らかにする方法が挙げられる。
粒子Aの表面に微粒子Bを均一被覆する手法としては、特に限定されるものではないが、例えばヘンシェルミキサー等の高速回転羽式攪拌機で攪拌する方法が挙げられる。この時、粒子Aと微粒子Bは予め解砕した後に混合・攪拌しても良く、予め両者を混合してから連続して解砕・攪拌を行っても良い。又、この処理は一度に実施しても微粒子添加を数度に分けて段階的に実施しても良い。この時、解砕・分散・被覆が好適に進行する様に、処理槽を適宜温湿度制御する事が好ましい。
さらに、粒子Aと微粒子Bをより強固に一体化させるために、上記処理を継続して微粒子Bを粒子Aの表面に或る程度埋没させても良く、粒子Aと微粒子Bの間に接着層として機能する第3の物質を介在させても構わない。接着層の適用手法としては特に限定されるものでは無いが、例えば粒子Aについて、予め表面に接着機能を持つ材料を薄く被覆したコアシェル構造体とし、これに対して微粒子Bを被覆処理する方法が挙げられる。
以上、本発明の表示媒体用粒子の特徴について説明したが、情報表示用パネルで用いる表示媒体としては、上述した表示媒体用粒子をそのまま粒子群として用いる場合の他、表示媒体用粒子から粉流体を構成して粉流体として用いる場合もある。次に、本発明の表示媒体用粒子からなる表示媒体としての粉流体について説明する。なお、本発明の表示媒体としての粉流体の名称については、本出願人が「電子粉流体(登録商標)」の権利を得ている。
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
すなわち、本発明における粉流体は、液晶(液体と固体の中間相)の定義と同様に、粒子と液体の両特性を兼ね備えた中間的な状態で、先に述べた粒子の特徴である重力の影響を極めて受け難く、高流動性を示す特異な状態を示す物質である。このような物質はエアロゾル状態、すなわち気体中に固体状もしくは液体状の物質が分散質として安定に浮遊する分散系で得ることができ、本発明の情報表示用パネルで固体状物質を分散質とするものである。
本発明の情報表示用パネルは、少なくとも一方が透明な、対向する基板間に、表示媒体として例えば気体中に固体粒子が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体を封入するものであり、このような粉流体は、低電圧の印加で電界の力やクーロン力などにより容易に安定して移動させることができる。
本発明に例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
以下、本発明の情報表示用パネルを構成する各部材について説明する。
基板については、少なくとも一方の基板は情報表示用パネル外側から表示媒体の色が確認できる透明な基板2であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。基板1は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可とう性のあるもの、および、ガラス、石英などの可とう性のない無機シートが挙げられる。基板の厚みは、2〜5000μmが好ましく、さらに5〜2000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、5000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合がある。
必要に応じて設ける電極の電極形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類やITO、酸化インジウム、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が例示され、適宜選択して用いられる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。視認側基板に設ける電極は透明である必要があるが、背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した視認側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。本発明の情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。
必要に応じて設ける隔壁4については、その形状は表示にかかわる表示媒体の種類により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。本発明では、いずれの方法も好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、図4に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示する画像等の表示状態の鮮明さが増す。ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。このうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
更に、本発明の表示媒体用粒子で構成した表示媒体(粒子群または粉流体)を乾式の情報表示用パネルに用いる場合は、基板間の表示媒体3(粒子群又粉流体)を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下、更に好ましくは35%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、図1(a)、(b)〜図3(a)、(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体(粒子群あるいは粉流体3)の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
対向する基板間の空間における表示媒体(粒子群又は粉流体)の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体(粒子群又粉流体)の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
以下、本発明、比較例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記に限定されるものではない。なお、実施例および比較例の情報表示用パネルは、下記の方法にて作製したものを、下記の基準に従い評価した。
(1)粒子比重
ピクノメーター(マルチボリュームピクノメーターH1305:島津製作所製)にて測定される試料体積と秤量重量から求めた。
(2)平均粒子径
粒子の平均粒子径については、粒子径分布測定機(MasterSizer2000:Malvern Instruments Ltd.製)に各粒子を投入し、粒子径分布を測定し、付属ソフトにより粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径を用いた。又、微粒子の平均一次粒子径については、N2ガス吸着量から求まるBET比表面積(AutoSorb-1-AG:Quantachrome製)と、上記測定で得られる粒子比重から球換算で算出した値を用いた。
(3)微粒子表面疎水度
既述の手法を用いて求めた。
(4)表示試験用情報表示用パネル装置の作製
評価試料表示媒体として、黒色表示媒体用粒子で構成した黒色表示媒体及び白色表示媒体用粒子で構成した白色表示媒体を準備した。両表示媒体は、各々ステンレス管中をN2気流搬送する事で、摩擦帯電させた。更に、100μmのスぺーサーが配された、内側表面がITOコーティング処理されたガラス基板(A)を用意し、上記ステンレス管と上記ガラス基板のITO面間にバイアス電圧を重畳し、気流の安定した22.5℃5%rhの乾燥空気雰囲気下で、当該試料をITO表面にスプレーする事で評価試料を積層した。当該行程を黒色表示媒体と白色表示媒体の双方に対して順次実行した後に、スペーサー表面に付着した表示媒体のみを除去した。更に片面がITOコーティング処理されたガラス基板(B)を用意し、上記の試料表示媒体を積層したガラス基板に対して、ITO面が内側に向かい合うように貼り合わせた。この時、接着にはUV硬化型の一液エポキシ系接着剤を用いた。最後に、両ガラスのITO面から電極を引き出して、表示試験用情報表示用パネル装置とした。この時、試験装置内に配置された表示媒体は、黒色表示媒体と白色表示媒体の総体積が等量であり、且つ、試験装置内の評価表示媒体の充填率(基板間空間における体積占有率)が25%となる様に、適宜調整した。電極と電源とを、ガラス基板(A)をグラウンド側、ガラス基板(B)をバイアス側として接続した。今回準備した一連の試料を評価した結果、表示媒体が駆動したものについては、+電位を重畳するとガラス基板(A)側から見て黒色に表示された。又、-電位を重畳すると、表示媒体が駆動したものについては、ガラス基板(B)側から見て白色に表示された。
(5)駆動性・表示特性評価
表示媒体の駆動性評価は、評価対象たる表示媒体を用いた表示試験用情報表示用パネル装置を上記の通りに作製し、次に示した表示性能評価法で得られる駆動性評価指数V90で比較した。
作製した表示試験装置に、極性を反転させながら、電圧を重畳してゆき、各電圧印加時に於ける表示状態の反射濃度を反射画像濃度計(RD918、Macbeth社製)を用いて測定する。此処で判明したデータを横軸:電圧、縦軸:反射濃度のグラフ上に配置する事でヒステリシスサイクルを求める。ここで、式(11)、(12)で示す濃度に対応する印加電圧のうち、絶対値が大きいものをV90a、V90bとした時、式(13)で示される値を駆動性評価指数V90とした。尚、ODmaxはヒステリシスサイクル内で示される最大反射濃度である。ODminはヒステリシスサイクル内で示される最小反射濃度である。又、表示画質の評価指標として、式(14)で示される値を濃度表示特性評価指数Ctとし、これで比較した。更にベタ表示の斑(均一性)を目視で官能評価した。
0.9×ODmax+0.1×ODmin・・・式(11)
0.1×ODmax+0.9×ODmin・・・式(12)
V90 = 0.5×(|V90a|+|V90b|)・・・式(13)
Ct = ODmax-ODmin・・・式(14)
<実施例1>
黒色表示媒体として、以下の通り調整をしたものを用意した。
着色顔料としてカーボンブラックを5重量部含有する、懸濁重合法で作製した架橋ポリメチルメタクリレート樹脂粒子を、平均粒子径9.0μmになるよう分級したものを粒子Aとした。これの比重は1.2であった。ゾルゲル法で作製した平均一次粒子径0.11μmのシリカ微粒子について、メチルハイドロジェンポリシロキサンとジメチルポリシロキサンのコポリマーで表面処理し、更にトリエトキシアミノシランで表面処理したものを微粒子Bとした。これの比重は2.2であった。又、CAは147.0°であった。上記粒子A100重量部に対して上記微粒子B12重量部配合し、これをヘンシェルミキサーで15分攪拌混合し、所望の黒色表示媒体を得た。この黒色表示媒体について、D2/D1=0.0122,CR=1.48であった。
白色表示媒体として、以下の通り調整したものを用意した。
着色顔料として顔料用チタニアを30重量部含有する、懸濁重合法で作製した架橋ポリスチレン/ジビニルベンゼン共重合樹脂粒子を、平均粒径9.0μmになるよう分級したものを粒子Aとした。これの比重は1.3であった。ゾルゲル法で作製した平均一次粒子径0.11μmのシリカ微粒子について、メチルハイドロジェンポリシロキサンとジメチルポリシロキサンのコポリマーで表面処理し、更にトリエトキシアミノシランで表面処理したものを微粒子Bとした。これの比重は2.2であった。又、CAは151.2°であった。上記粒子A100重量部に対して上記微粒子B10重量部配合し、これをヘンシェルミキサーで15分攪拌混合し、所望の白色表示媒体を得た。この白色表示媒体について、D2/D1=0.0122,CR=1.33であった。
これら黒色表示媒体と白色表示媒体とを用いて駆動性評価試験を行ったところ、V90は120Vであった。又、Ctは1.2であった。表示斑も問題は特に無かった。
<実施例2>
黒色表示媒体として、以下の通り調整をしたものを用意した。
着色顔料としてカーボンブラックを5重量部含有する、懸濁重合法で作製した架橋エチレングリコールジメタクリレート樹脂粒子を、平均粒子径9.0μmになるよう分級したものを粒子Aとした。これの比重は1.2であった。パイロジェニック法で作製した平均一次粒子径0.009μmのシリカ微粒子について、ヘキサメチルジシラザンで表面処理し、更にトリクロロアミノシランで表面処理したものを微粒子Bとした。これの比重は2.2であった。又、CAは147.8°であった。上記粒子A100重量部に対して上記微粒子B12重量部配合し、これをヘンシェルミキサーで15分攪拌混合し、所望の黒色表示媒体を得た。この黒色表示媒体について、D2/D1=0.0010,CR=18.05であった。
白色表示媒体として、以下の通り調整したものを用意した。
着色顔料として顔料用チタニアを30重量部含有する、懸濁重合法で作製した架橋ポリスチレン/ジビニルベンゼン共重合樹脂粒子を、平均粒子径9.0μmになるよう分級したものを粒子Aとした。これの比重は1.3であった。パイロジェニック法で作製した平均一次粒子径0.009μmのシリカ微粒子について、ヘキサメチルジシラザンで表面処理したものを微粒子Bとした。これの比重は2.2であった。又、CAは150.9°であった。上記粒子A100重量部に対して上記微粒子B10重量部配合し、これをヘンシェルミキサーで15分攪拌混合し、所望の白色表示媒体を得た。この白色表示媒体について、D2/D1=0.0010,CR=16.13であった。
これら黒色表示媒体と白色表示媒体とを用いて駆動性評価試験を行ったところ、V90は115Vであった。又、Ctは1.4であった。表示斑も問題は特に無かった。
<実施例3>
黒色表示媒体として、以下の通り調整をしたものを用意した。
着色顔料としてカーボンブラックを5重量部含有する、懸濁重合法で作製した架橋ポリメチルメタクリレート樹脂粒子を、平均粒子径9.0μmになるよう分級したものを粒子Aとした。これの比重は1.2であった。ゾルゲル法で作製した平均一次粒子径0.015μmのシリカ微粒子について、オクチルトリクロロシランで表面処理し、更にトリエトキシアミノシランで表面処理したものを微粒子Bとした。これの比重は2.2であった。又、CAは145.9°であった。上記粒子A100重量部に対して上記微粒子B1.75重量部配合し、これをヘンシェルミキサーで15分攪拌混合し、所望の黒色表示媒体を得た。この黒色表示媒体について、D2/D1=0.0017,CR=1.58であった。
白色表示媒体として、以下の通り調整したものを用意した。着色顔料として顔料用チタニアを30重量部含有する、懸濁重合法で作製した架橋ポリスチレン/ジビニルベンゼン共重合樹脂粒子を、平均粒子径9.0μmになるよう分級したものを粒子Aとした。これの比重は1.3であった。又、CAは153.2°であった。ゾルゲル法で作製した平均一次粒子径0.015μmのシリカ微粒子について、オクチルトリエトキシシランで表面処理したものを微粒子Bとした。これの比重は2.2であった。上記粒子A100重量部に対して上記微粒子B1.75重量部配合し、これをヘンシェルミキサーで15分攪拌混合し、所望の白色表示媒体を得た。この白色表示媒体について、D2/D1=0.0017,CR=1.71であった。
これら黒色表示媒体と白色表示媒体とを用いて駆動性評価試験を行ったところ、V90は125Vであった。又、Ctは1.3であった。表示斑も問題は特に無かった。
<実施例4>
黒色表示媒体として、以下の通り調整をしたものを用意した。
着色顔料としてカーボンブラックを5重量部含有する、懸濁重合法で作製した架橋ポリメチルメタクリレート樹脂粒子を、平均粒子径9.0μmになるよう分級したものを粒子Aとした。これの比重は1.2であった。懸濁重合法で作製した平均一次粒子径0.24μmの架橋メラミン/ベンゾグアナミン共重合微粒子について、オクチルトリクロロシランで表面処理し、更にトリエトキシアミノシランで表面処理したものを微粒子Bとした。これの比重は1.1であった。又、CAは135.5°であった。上記粒子A100重量部に対して上記微粒子B10重量部配合し、これをヘンシェルミキサーで15分攪拌混合し、所望の黒色表示媒体を得た。この黒色表示媒体について、D2/D1=0.0267,CR=1.13であった。
白色表示媒体として、以下の通り調整したものを用意した。
着色顔料として顔料用チタニアを100重量部含有する様に、二軸混練機(KZW15-45MG,テクノベル製)でコンパウンディング後、気流衝突式粉砕装置(FM-120,NPK製)で粒子化し、更に表面改質機(MR-3,NPK製)にて表面を加熱溶融させ、表面張力でクラックを平滑化した後に、電子線照射法で三次元架橋させたポリシクロオレフィン系架橋樹脂粒子を、平均粒子径8.7μmになるよう分級したものを粒子Aとした。これの比重は1.6であった。懸濁重合法で作製した平均一次粒子径0.3μmの架橋ポリスチレン/ポリジビニルベンゼン共重合樹脂微粒子について、オクチルトリエトキシシランで表面処理したものを微粒子Bとした。これの比重は1.1であった。又、CAは139.8°であった。上記粒子A100重量部に対して上記微粒子B10重量部配合し、これをヘンシェルミキサーで15分攪拌混合し、所望の白色表示媒体を得た。この白色表示媒体について、D2/D1=0.0345,CR=1.16であった。
これら黒色表示媒体と白色表示媒体とを用いて駆動性評価試験を行ったところ、V90は130Vであった。又、Ctは1.1であった。表示斑も問題は特に無かった。
<実施例5>
黒色表示媒体として、以下の通り調整をしたものを用意した。
着色顔料としてカーボンブラックを5重量部含有する、懸濁重合法で作製した架橋ポリメチルメタクリレート樹脂粒子を、平均粒子径9.0μmになるよう分級したものを粒子Aとした。これの比重は1.2であった。ゾルゲル法で作製した平均一次粒子径0.015μmのチタニア微粒子について、メチルハイドロジェンポリシロキサンとジメチルポリシロキサンのコポリマーで表面処理し、更にトリエトキシアミノシランで表面処理したものを微粒子Bとした。これの比重は4.2であった。又、CAは125.1°であった。上記粒子A100重量部に対して上記微粒子B2.5重量部配合し、これをヘンシェルミキサーで15分攪拌混合し、所望の黒色表示媒体を得た。この黒色表示媒体について、D2/D1=0.0017,CR=1.18であった。
白色表示媒体として、以下の通り調整したものを用意した。
着色顔料として顔料用チタニアを100重量部含有する様に、二軸混練機(KZW15-45MG,テクノベル製)でコンパウンディング後、気流衝突式粉砕装置(FM-120,NPK製)で粒子化し、更に表面改質機(MR-3,NPK製)にて表面を加熱溶融させ、表面張力でクラックを平滑化した後に、電子線照射法で三次元架橋させたポリスチレン微粒子を平均粒子径7.8μmになるよう分級したものを粒子Aとした。これの比重は1.7であった。又、CAは127.1°であった。ゾルゲル法で作製した平均一次粒子径0.015μmのチタニア微粒子について、メチルハイドロジェンポリシロキサンとジメチルポリシロキサンのコポリマーで表面処理したものを微粒子Bとした。これの比重は4.2であった。上記粒子A100重量部に対して上記微粒子B2.5重量部配合し、これをヘンシェルミキサーで15分攪拌混合し、所望の白色表示媒体を得た。この白色表示媒体について、D2/D1=0.0019,CR=1.45であった。
これら黒色表示媒体と白色表示媒体とを用いて駆動性評価試験を行ったところ、V90は125Vであった。又、Ctは1.1であった。表示斑も問題は特に無かった。
<比較例1>
黒色表示媒体として、粒子Aを、着色顔料としてカーボンブラックを5重量部含有する、懸濁重合法で作製した未架橋ポリメチルメタクリレート樹脂粒子を、平均粒子径9.5μmになるよう分級したもの(比重:1.2)とした以外は、実施例1と同様の手法で作製したものを用意した。この黒色表示媒体について、D2/D1=0.0116,CR=1.56であった。
白色表示媒体として、粒子Aを、着色顔料として顔料用チタニアを30重量部含有する、懸濁重合法で作製した未架橋ポリスチレン樹脂粒子を、平均粒子径8.5μmになるよう分級したもの(比重:1.3)をとした以外は、実施例1と同様の手法で作製したものを用意した。この白色表示媒体について、D2/D1=0.0129,CR=1.26であった。
これら黒色表示媒体と白色表示媒体とを用いて駆動性評価試験を行ったところ、殆ど黒色表示媒体と白色表示媒体とが完全に分離・反転駆動せず、これらの凝集塊が微細な濃淡斑として表示に現れたまま、かろうじて駆動している状態となった。V90は420Vであり、Ctは0.2であった。
<比較例2>
黒色表示媒体として、微粒子Bを、パイロジェニック法で作製した平均一次粒子径0.014μmのシリカ微粒子について、反応末端を持たないジメチルポリシロキサンで表面処理し、更にトリクロロアミノシランで表面処理したもの(比重:2.2,CA=134.3°)とし、配合比を粒子A100重量部に対して、上記微粒子B50重量部配合とした以外は、実施例2と同様の手法で作製したものを用意した。この黒色表示媒体について、D2/D1=0.0015,CR=49.63であった。
白色表示媒体として、微粒子Bを、パイロジェニック法で作製した平均一次粒子径0.014μmのシリカ微粒子について、反応末端を持たないジメチルポリシロキサンで表面処理したもの(比重:2.2,CA=149.7°)をとし、配合比を粒子A100重量部に対して、上記微粒子B41.7重量部配合とした以外は、実施例1と同様の手法で作製したものを用意した。この白色表示媒体について、D2/D1=0.0015,CR=44.84であった。
これら黒色表示媒体と白色表示媒体とを用いて駆動性評価試験を行ったところ、殆ど黒色表示媒体と白色表示媒体とが完全に分離・反転駆動せず、これらの凝集塊が微細な濃淡斑として表示に現れたまま、かろうじて駆動している状態となった。V90は480Vであり、Ctは0.3であった。
<比較例3>
黒色表示媒体として、微粒子Bを、ゾルゲル法で作製した平均一次粒子径0.015μmのシリカ微粒子について、トリクロロアミノシランで表面処理したもの(比重:2.2,CA=測定不能)とした以外は、実施例3と同様の手法で作製したものを用意した。この黒色表示媒体について、D2/D1=0.0017,CR=1.58であった。
白色表示媒体として、微粒子Bを、ゾルゲル法で作製した平均一次粒子径0.015μmのシリカ微粒子について、特に表面処理を行わずに親水性のまま(比重:2.2,CA=測定不能)とした以外は、実施例3と同様の手法で作製したものを用意した。この白色表示媒体について、D2/D1=0.0017,CR=1.71であった。
これら黒色表示媒体と白色表示媒体とを用いて駆動性評価試験を行ったところ、全く黒色表示媒体と白色表示媒体とが分離・反転駆動せず、これらの凝集塊が微細な濃淡斑として表示に現れたままの状態となり、V90、Ct共に測定出来なかった。
<比較例4>
黒色表示媒体として、微粒子Bを、比較例3で用意したものと同一(比重:2.2,CA=測定不能)とした以外は、比較例1と同様の手法で作製したものを用意した。この黒色表示媒体について、D2/D1=0.0016,CR=11.43であった。
白色表示媒体として、微粒子Bを、懸濁重合法で作製した未架橋ポリスチレン樹脂微粒子を、平均粒子径0.5μmになるよう分級したもの(比重:1.1,CA=139.1°)とした以外は、比較例1と同様の手法で作製したものを用意した。この白色表示媒体について、D2/D1=0.0588,CR=0.55であった。
これら黒色表示媒体と白色表示媒体とを用いて駆動性評価試験を行ったところ、全く黒色表示媒体と白色表示媒体とが分離・反転駆動せず、これらの凝集塊が微細な濃淡斑として表示に現れたままの状態となり、V90、Ct共に測定出来なかった。
以上の実施例1〜5及び比較例1〜4について、駆動特性及び反転特性を測定した。結果を以下の表1に示す。
Figure 0004945099
表1の結果から、実施例1〜5は比較例1〜4と比べて、駆動電圧が低く、表示画質も良好なことがわかる。
本発明の表示媒体用粒子を用いる情報表示用パネルは、ノートパソコン、PDA、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板等の掲示板、電卓、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、電子POP、電子棚札、電子値札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部などに好適に用いられる。
(a)、(b)はそれぞれ本発明の対象となる情報表示用パネルの一例を示す図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の対象となる情報表示用パネルの他の例を示す図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の対象となる情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。 本発明の表示媒体用粒子を利用するパネルにおける隔壁の形状の一例を示す図である。
符号の説明
1、2 基板
3 表示媒体(粒子群または粉流体)
3W 白色表示媒体
3Wa 白色表示媒体用粒子
3B 黒色表示媒体
3Ba 黒色表示媒体用粒子
4 隔壁
5、6 電極

Claims (2)

  1. 少なくとも一方が透明な対向する基板間に1種以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させ画像情報を表示する情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する粒子において、該粒子として、三次元架橋樹脂からなる粒子Aの表面に、微粒子Bを被覆して形成されるものを、少なくとも1種以上用いる事を特徴とする表示媒体用粒子;
    ここで、微粒子Bは、微粒子について、メチルハイドロジェンポリシロキサンとジメチルポリシロキサンのコポリマーで、または、ヘキサメチルジシラザンで、または、オクチルトリクロロシランで表面処理し、更にアミノシランで表面処理したものである。
  2. 少なくとも一方が透明な対向する基板間に、請求項1に記載の表示媒体用粒子を少なくとも1種以上用いてなる、1種以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させ画像情報を表示することを特徴とする情報表示用パネル。
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