JP2006099046A - 表示媒体用粒子およびそれを用いた情報表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 表示媒体用粒子の着色用に高濃度の顔料マスターバッチを用いることにより、モノマー溶液中への着色顔料の分散性を良好にして、色の均一性の良好な表示媒体用粒子および、該表示媒体用粒子により構成される表示媒体を用いて構成した情報表示品質に優れた情報表示装置を提供する。
【解決手段】 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板1,2の間に少なくとも1種以上の粒子から構成される表示媒体3W,3Bを封入し、基板内に発生させた電界により表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示装置に用いられる表示媒体用粒子の着色用に顔料マスターバッチを用い、該顔料マスターバッチとして樹脂中に20%以上の濃度で顔料を分散させた混合材料を用いることにより、モノマー溶液中への着色顔料の分散性の分散性を良好にして、色の均一性の良好な表示媒体用粒子を得た。
【選択図】図1
【解決手段】 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板1,2の間に少なくとも1種以上の粒子から構成される表示媒体3W,3Bを封入し、基板内に発生させた電界により表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示装置に用いられる表示媒体用粒子の着色用に顔料マスターバッチを用い、該顔料マスターバッチとして樹脂中に20%以上の濃度で顔料を分散させた混合材料を用いることにより、モノマー溶液中への着色顔料の分散性の分散性を良好にして、色の均一性の良好な表示媒体用粒子を得た。
【選択図】図1
Description
本発明は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板の間に少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、基板内に発生させた電界により表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示装置に用いる表示媒体を構成する表示媒体用粒子、およびそれを用いた情報表示装置に関するものである。
従来より、液晶(LCD)に代わる情報表示装置として、電気泳動方式、エレクトロクロミック方式、サーマル方式、2色粒子回転方式等の技術を用いた情報表示装置が提案されている。
これら従来技術は、LCDと比較すると、通常の印刷物に近い広い視野角が得られる、消費電力が小さい、メモリ機能を有している等のメリットがあることから、次世代の安価な情報表示装置に使用可能な技術として考えられており、携帯端末用情報表示、電子ペーパー等への展開が期待されている。特に、最近では、分散粒子と着色溶液とから成る分散液をマイクロカプセル化し、これを対向する基板間に配置して成る電気泳動方式(例えば、非特許文献1参照)が提案され、期待が寄せられている。
しかしながら、電気泳動方式では、液中を粒子が泳動するために液の粘性抵抗により応答速度が遅くなるという問題がある。さらに、低比重の溶液中に酸化チタン等の高比重の粒子を分散させているため沈降しやすくなっており、分散状態の安定性維持が難しく、情報繰り返し安定性に欠けるという問題を抱えている。また、マイクロカプセル化にしても、セルサイズをマイクロカプセルレベルにして、見かけ上、上述した欠点が現れにくくしているだけであって、本質的な問題は何ら解決されていない。
一方、溶液中での挙動を利用する電気泳動方式に対し、溶液を使わず、導電性粒子と電荷輸送層とを基板の一部に組み入れる方式も提案され始めている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この方式は、電荷輸送層、さらには電荷発生層を配置するために構造が複雑化するとともに、導電性粒子に電荷を一定に注入することは難しいため、安定性に欠けるという問題もある。
上述した種々の問題を解決するための一方法として、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板の間に少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、基板内に発生させた電界により表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示装置が知られている。このような電界により表示媒体を移動させて情報を表示するタイプの情報表示装置では、表示媒体が有する帯電性の正負の性格付けおよび帯電量の確保が容易になることから、粒子径が1〜50μm程度である、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂を粒子材料として使用している。
このような表示媒体用粒子の製造方法としては、上記樹脂と着色剤とを混練りしてペレットとした後、数段階(粗→細)の破砕および分級を行って目的粒子径の粒子を得る方法が知られている。しかし、この方法では、破砕に大きなエネルギーを必要とする他、工程が複雑化する問題がある。また、表示媒体としての流動性の問題から、粒子は球形であることが望ましいが、上記の粉砕法で概球形の粒子を得るためには、さらに物理的に粒子の角を取る工程が必要となる。
このような表示媒体用粒子の製造方法としては、上記樹脂と着色剤とを混練りしてペレットとした後、数段階(粗→細)の破砕および分級を行って目的粒子径の粒子を得る方法が知られている。しかし、この方法では、破砕に大きなエネルギーを必要とする他、工程が複雑化する問題がある。また、表示媒体としての流動性の問題から、粒子は球形であることが望ましいが、上記の粉砕法で概球形の粒子を得るためには、さらに物理的に粒子の角を取る工程が必要となる。
そこで、原料として、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、スチレン系モノマーを含むラジカル重合原料を使用して、懸濁重合により球形の粒子を作製する方法が提案された。この方法では、球形の液滴のまま粒子を硬化させるので、他に粒子の球形化の工程が不要であり、分級のみで目的の粒子径を直接的に得ることができ、容易である。また、破砕による大きなエネルギーのロスも防げ、効率的である。
ここで、粒子を着色させるために、上記モノマー中に顔料を含有させる必要がある。
着色料としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
ここで、粒子を着色させるために、上記モノマー中に顔料を含有させる必要がある。
着色料としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
趙 国来、外3名、"新しいトナーディスプレイデバイス(I)"、1999年7月21日、日本画像学会年次大会(通算83回)"Japan Hardcopy’99"、p.249-252
懸濁重合法を用いて粒子を作製する場合には、上記顔料の分散性が問題となる。すなわち、モノマー中への顔料の分散性が悪いと、作製された粒子において顔料が含有されていないものも作製されることとなり、全体として見たときの粒子の色味が足りなくなる、あるいは、粒子が不均一になるなどの問題が発生することとなる。
この問題は顔料を多くすれば解消されるものではなく、そのようにした場合には、反応阻害や、不定形粒子の発生や、材料によっては絶縁性の未達成(粒子は絶縁性であることが好ましいが、それに反することになる)や、最表面に顔料がむき出しになる(粒子の最表面はバインダー樹脂(モノマー)で覆われていることが望ましいが、それに反することになる)などの弊害が発生してしまう。
なお、この問題をできるだけ解消するために、モノマー溶液に顔料を混合したときに大きなシェアをかけようとした場合には、製造コストや製造時間が掛かることとなり、しかも、多少の分散性の改良が見られるだけで根本的な解決にはなり得ない。
この問題は顔料を多くすれば解消されるものではなく、そのようにした場合には、反応阻害や、不定形粒子の発生や、材料によっては絶縁性の未達成(粒子は絶縁性であることが好ましいが、それに反することになる)や、最表面に顔料がむき出しになる(粒子の最表面はバインダー樹脂(モノマー)で覆われていることが望ましいが、それに反することになる)などの弊害が発生してしまう。
なお、この問題をできるだけ解消するために、モノマー溶液に顔料を混合したときに大きなシェアをかけようとした場合には、製造コストや製造時間が掛かることとなり、しかも、多少の分散性の改良が見られるだけで根本的な解決にはなり得ない。
本発明は、表示媒体用粒子の着色用に高濃度の顔料マスターバッチを用いることにより、モノマー溶液中への着色顔料の分散性を良好にして、色の均一性の良好な表示媒体用粒子を提供するとともに、該表示媒体用粒子により構成される表示媒体を用いた情報表示品質に優れた情報表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の表示媒体用粒子は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板の間に少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、基板内に発生させた電界により表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示装置に用いる表示媒体を構成する表示媒体用粒子であって、該表示媒体用粒子の着色用には顔料マスターバッチが用いられており、該顔料マスターバッチが樹脂中に20%以上の濃度で顔料を分散させた混合材料であることを特徴とする。
本発明の表示媒体用粒子の好適例としては、前記顔料マスターバッチを構成する樹脂のガラス転移温度Tgが60℃以上であること、前記表示媒体用粒子が概球形粒子であること、前記表示媒体用粒子がモノマーを含む粒子原料を重合してなる概球形粒子であり、該粒子原料中に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂−炭化水素系樹脂コポリマーを含有し、該モノマーの一部もしくは全部が1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーであり、粒子表面に微小な凹凸を一様に有すること、前記表示媒体用粒子を構成する樹脂のガラス転移温度Tgが60℃以上もしくはガラス転移温度Tgが観測されないこと、前記表示媒体用粒子の粒子径が0.5〜50μmであること、キャリアを用いてブローオフ法により測定した前記表示媒体用粒子の表面電荷密度が絶対値で10〜100μC/m2 であること、前記表示媒体用粒子が、その表面と1mmの間隔をもって配置されたコロナ放電器に、8KVの電圧を印加してコロナ放電を発生させて粒子表面を帯電させた場合に、0.3秒後における表面電位の最大値が300Vより大きい粒子であること、および、前記表示媒体用粒子の色が白色であること、前記表示媒体用粒子の色が黒色であること、がある。
本発明の情報表示装置は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板の間に、請求項1〜10の何れか1項に記載の表示媒体用粒子により構成される表示媒体を少なくとも1種以上封入し、基板内に発生させた電界により表示媒体を移動させて情報を表示するように構成されている。
上記本発明の表示媒体用粒子によれば、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板の間に少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、基板内に発生させた電界により表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示装置に用いる表示媒体を構成する表示媒体用粒子の着色用には顔料マスターバッチが用いられており、該顔料マスターバッチが樹脂中に20%以上の濃度で顔料を分散させた混合材料であるから、モノマー溶液中への着色顔料の分散性が良好になり、色の均一性の良好な表示媒体用粒子を提供することができる。その結果、この表示媒体用粒子により構成される表示媒体を用いて作製した情報表示装置は、情報表示品質に優れたものとなる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づき詳細に説明する。
まず、本発明の表示媒体用粒子により構成される表示媒体を用いた情報表示装置の情報表示板の構成について説明する。本発明の情報表示装置では、対向する基板間に表示媒体を封入した情報表示装置の基板内に何らかの手段で電界が付与される。高電位の電界方向に向かっては低電位に帯電した表示媒体がクーロン力などによって引き寄せられ、また低電位の電界方向に向かっては高電位に帯電した表示媒体がクーロン力などによって引き寄せられ、それら表示媒体が電界方向に沿って移動方向を変えることにより、情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返して書き換えを行った時あるいは表示情報を保存する時の安定性を維持できるように、情報表示装置を設計する必要がある。ここで、表示媒体に用いる粒子群または粉流体を構成する表示媒体用粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極との電気影像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明の情報表示装置の表示部となる情報表示用パネルの例を、図1(a),(b)〜図3(a),(b)に基づき説明する。
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは白色表示媒体用粒子で構成された粒子群からなる白色表示媒体3Wと黒色表示媒体用粒子で構成された粒子群からなる黒色表示媒体3Bとを示す)を、基板1、2の外部から加えられる電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図1(b)に示す例では、図1(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。
図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは白色表示媒体用粒子で構成された粒子群からなる白色表示媒体3Wと黒色表示媒体用粒子で構成された粒子群からなる黒色表示媒体3Bとを示す)を、基板1に設けた電極5と基板2に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図2(b)に示す例では、図2(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。
図3(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも光学的反射率および帯電性を有する1種の色の表示媒体3(ここでは白色表示媒体用粒子で構成された粒子群からなる白色表示媒体3W)を、基板1上に設けた電極5と電極6との間に電圧を印加させることにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させ、白色粒子3Wを観察者に視認させて白色表示を行うか、あるいは、電極6または基板1の色を観察者に視認させて電極6または基板1の色の表示を行っている。なお、図3(b)に示す例では、図3(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。
以上の説明は、白色表示媒体用粒子で構成された粒子群からなる白色表示媒体3Wを白色表示媒体用粒子で構成された粉流体からなる白色表示媒体に、黒色表示媒体用粒子で構成された粒子群からなる黒色表示媒体3Bを黒色表示媒体用粒子で構成された粉流体からなる黒色表示媒体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することができる。
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは白色表示媒体用粒子で構成された粒子群からなる白色表示媒体3Wと黒色表示媒体用粒子で構成された粒子群からなる黒色表示媒体3Bとを示す)を、基板1、2の外部から加えられる電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図1(b)に示す例では、図1(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。
図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは白色表示媒体用粒子で構成された粒子群からなる白色表示媒体3Wと黒色表示媒体用粒子で構成された粒子群からなる黒色表示媒体3Bとを示す)を、基板1に設けた電極5と基板2に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図2(b)に示す例では、図2(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。
図3(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも光学的反射率および帯電性を有する1種の色の表示媒体3(ここでは白色表示媒体用粒子で構成された粒子群からなる白色表示媒体3W)を、基板1上に設けた電極5と電極6との間に電圧を印加させることにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させ、白色粒子3Wを観察者に視認させて白色表示を行うか、あるいは、電極6または基板1の色を観察者に視認させて電極6または基板1の色の表示を行っている。なお、図3(b)に示す例では、図3(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。
以上の説明は、白色表示媒体用粒子で構成された粒子群からなる白色表示媒体3Wを白色表示媒体用粒子で構成された粉流体からなる白色表示媒体に、黒色表示媒体用粒子で構成された粒子群からなる黒色表示媒体3Bを黒色表示媒体用粒子で構成された粉流体からなる黒色表示媒体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することができる。
以下、本発明の特徴となる表示媒体用粒子を詳細に説明する。本発明の表示媒体用粒子は、図1(a),(b)〜図3(a),(b)の情報表示用パネルに適用することができ、前記情報表示用パネルの少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板の間に表示媒体として封入されるものである。この表示媒体用粒子の着色用には顔料マスターバッチを用いており、該顔料マスターバッチとしては、樹脂中に20%以上の濃度で顔料を分散させた混合材料を用いている。すなわち、本発明の表示媒体用粒子においては、着色顔料を樹脂中20wt%以上という高濃度で樹脂に練りこむことにより、顔料マスターバッチとして使用し、モノマー溶液中に簡易に分散させるようにしている。着色顔料を練りこむための装置としては、3本ロールや2軸押し出しなどを用いる手法が一般的である。
上記マスターバッチ用樹脂としては、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂など、目的のモノマーや粒子に即したものを適宜用いることができる。また、必要に応じて、可塑剤および分散剤を加えてもよいが、それぞれマスターバッチ樹脂に対して10wt%以下であるのが望ましい。10wt%よりも多いと粒子にするときの反応阻害、あるいは、粒子作製後のブリードアウト等の問題が生じることとなる。
ここで、マスターバッチ用樹脂自体のガラス転移温度Tgは、熱、圧力、圧電等による変形を抑える意味でも、60℃以上であることが望ましい。
また、表示媒体用粒子自体のガラス転移温度Tgは、熱、圧力、圧電等による変形を抑える意味でも、60℃以上であるか、もしくは、Tgが観測されない高架橋のものであることが望ましい。
また、表示媒体用粒子がモノマー成分を含む粒子原料を重合してなる概球形粒子であり、該粒子原料中に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂−炭化水素系樹脂コポリマーを含有し、該モノマーの一部もしくは全部が1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーであり、粒子表面に微小な凹凸を一様に有することが、粒子の付着力を小さくして表示媒体(言い換えれば表示媒体用粒子)の駆動に必要な電圧を低下させる上で望ましい。
ここで、マスターバッチ用樹脂自体のガラス転移温度Tgは、熱、圧力、圧電等による変形を抑える意味でも、60℃以上であることが望ましい。
また、表示媒体用粒子自体のガラス転移温度Tgは、熱、圧力、圧電等による変形を抑える意味でも、60℃以上であるか、もしくは、Tgが観測されない高架橋のものであることが望ましい。
また、表示媒体用粒子がモノマー成分を含む粒子原料を重合してなる概球形粒子であり、該粒子原料中に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂−炭化水素系樹脂コポリマーを含有し、該モノマーの一部もしくは全部が1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーであり、粒子表面に微小な凹凸を一様に有することが、粒子の付着力を小さくして表示媒体(言い換えれば表示媒体用粒子)の駆動に必要な電圧を低下させる上で望ましい。
本発明の表示媒体用粒子によれば、図1(a),(b)〜図3(a),(b)の情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する表示媒体用粒子の着色用には、樹脂中に20%以上の濃度で顔料を分散させた混合材料である顔料マスターバッチを用いているから、モノマー溶液中への着色顔料の分散性の分散性が良好になり、色の均一性の良好な表示媒体用粒子となる。したがって、この表示媒体用粒子により構成される表示媒体を用いて作製した図1(a),(b)〜図3(a),(b)の情報表示用パネルを表示部とする情報表示装置は、情報表示品質に優れたものとなる。
さらに、本発明の表示媒体用粒子によれば、「顔料を多くする」、「モノマー溶液に顔料を混合したときに大きなシェアをかける」といった手法の代わりに、「表示媒体用粒子の着色用に、樹脂中に20%以上の濃度で顔料を分散させた混合材料である顔料マスターバッチを用いる」という簡単な手法を採用したから、製造工程の簡略化が可能になる。
さらに、本発明の表示媒体用粒子によれば、「顔料を多くする」、「モノマー溶液に顔料を混合したときに大きなシェアをかける」といった手法の代わりに、「表示媒体用粒子の着色用に、樹脂中に20%以上の濃度で顔料を分散させた混合材料である顔料マスターバッチを用いる」という簡単な手法を採用したから、製造工程の簡略化が可能になる。
以下、本発明の対象となる情報表示装置を構成する各部材について説明する。
基板については、少なくとも一方の基板は情報表示用パネル外側から表示媒体の色が確認できる透明な基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。もう一方の基板は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可とう性のあるもの、および、ガラス、石英などの可とう性のない無機シートが挙げられる。基板の厚みは、2〜5000μmが好ましく、さらに5〜2000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、5000μmより厚いと、薄型情報表示板とする場合に不都合がある。
情報表示用パネルに電極を設ける場合の電極形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類やITO、酸化インジウム、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が例示され、適宜選択して用いられる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。視認側(表示面側)基板に設ける電極は透明である必要があるが、背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
必要に応じて基板に設ける隔壁4については、その形状は表示にかかわる表示媒体の種類により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。本発明では、いずれの方法も好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、図4に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示状態の鮮明さが増す。ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。このうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
次に、本発明の情報表示装置で表示媒体として用いる粉流体について説明する。なお、本発明の表示媒体としての粉流体の名称については、本出願人が「電子粉流体(登録商標):登録番号4636931」の権利を得ている。
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
すなわち、本発明における粉流体は、液晶(液体と固体の中間相)の定義と同様に、粒子と液体の両特性を兼ね備えた中間的な状態で、先に述べた粒子の特徴である重力の影響を極めて受け難く、高流動性を示す特異な状態を示す物質である。このような物質はエアロゾル状態、すなわち気体中に固体状もしくは液体状の物質が分散質として安定に浮遊する分散系で得ることができ、本発明の対象となる情報表示装置で固体状物質を分散質とするものである。
本発明の対象となる情報表示装置は、少なくとも一方が透明な、対向する基板間に、例えば気体中に固体粒子が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体を表示媒体として封入するものであり、このような粉流体は、低電圧の印加でクーロン力などにより容易に安定して移動させることができる。
本発明に表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示装置では、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
本発明に表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示装置では、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
次に、本発明の情報表示装置において表示媒体を構成する表示媒体用粒子(以下、粒子ともいう)について説明する。表示媒体用粒子は、そのまま表示媒体用粒子だけで構成して表示媒体としたり、その他の粒子と合わせて構成して表示媒体としたり、粉流体となるように調整、構成して表示媒体としたりして用いられる。
本発明では、表示媒体用粒子は負帯電性または正帯電性の着色粒子で、クーロン力などにより移動するものであればいずれでも良いが、特に、球形で比重の小さい粒子が好適である。
本発明では、表示媒体用粒子は負帯電性または正帯電性の着色粒子で、クーロン力などにより移動するものであればいずれでも良いが、特に、球形で比重の小さい粒子が好適である。
粒子を負または正に帯電させる方法は、特に限定されないが、コロナ放電法、電極注入法、摩擦法等の粒子を帯電する方法が用いられる。キャリアを用いてブローオフ法により測定した粒子の表面電荷密度が絶対値で10〜100μC/m2 であることが好ましい。表面電荷密度の絶対値がこの範囲より低いと、電界の変化に対する応答速度が遅くなり、メモリ性も低くなる。表面電荷密度の絶対値がこの範囲より高いと、電極や基板への鏡像力が強すぎ、メモリ性はよいが、電界を反転した場合の追随性が悪くなる。
本発明において用いた、表面電荷密度を求めるのに必要な、帯電量の測定および粒子比重の測定は、以下によって行った。
<ブローオフ測定原理および測定方法>
ブローオフ法においては、両端に網を張った円筒容器中に粒体とキャリアの混合体を入れ、一端から高圧ガスを吹き込んで粒体とキャリアとを分離し、網の目開きから粒体のみをブローオフ(吹き飛ばし)する。このとき、粒体が容器外に持ち去った帯電量と等量で逆の帯電量がキャリアに残る。そして、この電荷による電束の全てはファラデーケージで集められ、この分だけコンデンサは充電される。そこでコンデンサ両端の電位を測定することにより、粒体の電荷量Qは、
Q=CV(C;コンデンサ容量、V;コンデンサ両端の電圧)
として求められる。
ブローオフ粒体帯電量測定装置としては東芝ケミカル社製のTB-200を用いた。本発明では、被測定粒子の帯電量測定にフェライト系キャリアを用いるが、情報表示装置に例えば正帯電性の表示媒体と負帯電性の表示媒体との2種類の表示媒体を組み合わせて用いる場合にそれぞれの表示媒体を構成する表示媒体用粒子の帯電量を測定するときには同一種類のキャリアを用いる。具体的には、キャリアとして同和鉄粉工業(株)製のDFC100 リンクル(Mn−Mg含有フェライト系)を用いて粒子の帯電量(μC/g)を測定し、別途求めた粒子比重から粒子の表面電荷密度として算出した。
<粒子比重測定方法>
粒子比重は、株式会社島津製作所製比重計、マルチボリウム密度計 H1305にて測定した。
本発明において用いた、表面電荷密度を求めるのに必要な、帯電量の測定および粒子比重の測定は、以下によって行った。
<ブローオフ測定原理および測定方法>
ブローオフ法においては、両端に網を張った円筒容器中に粒体とキャリアの混合体を入れ、一端から高圧ガスを吹き込んで粒体とキャリアとを分離し、網の目開きから粒体のみをブローオフ(吹き飛ばし)する。このとき、粒体が容器外に持ち去った帯電量と等量で逆の帯電量がキャリアに残る。そして、この電荷による電束の全てはファラデーケージで集められ、この分だけコンデンサは充電される。そこでコンデンサ両端の電位を測定することにより、粒体の電荷量Qは、
Q=CV(C;コンデンサ容量、V;コンデンサ両端の電圧)
として求められる。
ブローオフ粒体帯電量測定装置としては東芝ケミカル社製のTB-200を用いた。本発明では、被測定粒子の帯電量測定にフェライト系キャリアを用いるが、情報表示装置に例えば正帯電性の表示媒体と負帯電性の表示媒体との2種類の表示媒体を組み合わせて用いる場合にそれぞれの表示媒体を構成する表示媒体用粒子の帯電量を測定するときには同一種類のキャリアを用いる。具体的には、キャリアとして同和鉄粉工業(株)製のDFC100 リンクル(Mn−Mg含有フェライト系)を用いて粒子の帯電量(μC/g)を測定し、別途求めた粒子比重から粒子の表面電荷密度として算出した。
<粒子比重測定方法>
粒子比重は、株式会社島津製作所製比重計、マルチボリウム密度計 H1305にて測定した。
粒子は、その帯電電荷を保持する必要があるので、体積固有抵抗が1×1010Ω・cm以上の絶縁性粒子が好ましく、特に体積固有抵抗が1×1012Ω・cm以上の絶縁性粒子が好ましい。また、以下に述べる方法で評価した電荷減衰性の遅い粒子がさらに好ましい。
すなわち、ロール状の測定用治具の表面に被測定粒子を配置し、配置した粒子表面と1mmの間隔をもって配置されたコロナ放電器に、8KVの電圧を印加してコロナ放電を発生させて粒子表面を帯電させ、その表面電位の変化を測定し判定する。この場合、0.3秒後における表面電位の最大値が300Vより大きく、好ましくは400Vより大きくなるように、粒子構成材料を選択、作製することが肝要である。
なお、上記表面電位の測定は、例えば図5に示した装置(QEA社製CRT2000)により行うことができる。この装置の場合は、前述した、表面に被測定粒子を配置したロール状の測定用治具のシャフト両端部をチャック21にて保持し、小型のスコロトロン放電器22と表面電位計23とを所定間隔離して併設した計測ユニットを上記被測定粒子表面と1mmの間隔をもって対向配置し、上記ロール状測定用治具を静止した状態のまま、上記計測ユニットをロール状測定用治具の表面に配置した粒子の一端から他端まで一定速度で移動させることにより、表面電荷を与えつつその表面電位を測定する方法が好適に採用される。なお、測定環境は温度25±3℃、湿度55±5RH%とする。
粒子は、帯電性能等が満たされれば、いずれの材料から構成されても良い。例えば、樹脂、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等から形成することができる。粒子としては、粒子を構成する樹脂のガラス転移温度Tgが60℃以上のものを用いるのが好ましい。粒子は、その主成分となる樹脂に、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適である。
本発明で用いる荷電制御剤の他に、必要に応じて用いる荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
また、本発明で用いる粒子は、粒子径が、0.5〜50μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。粒子径がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために表示媒体(言い換えれば表示媒体用粒子)の移動に支障をきたすようになる。
さらに、本発明では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
さらにまた、各粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子のd(0.5)に対する最小径を有する粒子のd(0.5)の比を50以下、好ましくは10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近く、互いの粒子が当量ずつ反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie 理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie 理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
さらに、本発明においては基板間の表示媒体(粒子群または粉流体)を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下、更に好ましくは35%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、図1〜図3において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(基板側に電極を設けた場合)、表示媒体(粒子群または粉流体)3の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルシール部分を除いた、いわゆる表示媒体(粒子群または粉流体)が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示板に封入することが必要であり、例えば、表示媒体(粒子群または粉流体)の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
この空隙部分とは、図1〜図3において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(基板側に電極を設けた場合)、表示媒体(粒子群または粉流体)3の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルシール部分を除いた、いわゆる表示媒体(粒子群または粉流体)が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示板に封入することが必要であり、例えば、表示媒体(粒子群または粉流体)の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
本発明の対象である情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。
対向する基板間の空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
対向する基板間の空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
以下、本発明の実施例および比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
以下に、主原料モノマーとしてメチルメタクリレートモノマー、顔料としてカーボン、マスターバッチ用樹脂としてアクリル樹脂を用いて正帯電性の黒色粒子を作製したものを例示するが、本発明の適用範囲は、このような色、顔料、モノマー、樹脂の範囲に限定されないことは明らかである。
以下に、主原料モノマーとしてメチルメタクリレートモノマー、顔料としてカーボン、マスターバッチ用樹脂としてアクリル樹脂を用いて正帯電性の黒色粒子を作製したものを例示するが、本発明の適用範囲は、このような色、顔料、モノマー、樹脂の範囲に限定されないことは明らかである。
<実施例1>
正帯電粒子として、メチルメタクリレートモノマー(関東科学試薬)100wt%に、正帯電の荷電制御剤としてニグロシン化合物(ボントロンN07:オリエント化学製)3重量部および、黒色顔料として、カーボンブラック(スペシャルブラック5:デグッサ製)を40wt%濃度になるようにアクリル樹脂(デルペット80NH:旭化成ケミカルズ製)に2軸ロールを用いて練りこみ、ベレット化したものを顔料マスターバッチとして用い、上記モノマー溶液中にカーボンブラック単体としての重量部が4重量部になるように上記顔料マスターバッチを加えた後、さらに2重量部のラウリルバーオキサイド(パーロイルL:日本油脂製)を溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムルE−118B:花王製)を0.5%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業)を用いて粒子径5〜20μmの粒子を得た。なお、このように顔料マスターバッチを用いた場合、溶解性に優れるため、「顔料分散のためのせん断処理」は不要であった。得られた粒子の帯電量は+90μC/m2 で、前記表面電位測定の0.3秒後における表面電位の最大値は650Vであった。粒子の樹脂成分のTg(ガラス転移温度)は102℃であった。また、粒子の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、凹凸は確認されなかった。
正帯電粒子として、メチルメタクリレートモノマー(関東科学試薬)100wt%に、正帯電の荷電制御剤としてニグロシン化合物(ボントロンN07:オリエント化学製)3重量部および、黒色顔料として、カーボンブラック(スペシャルブラック5:デグッサ製)を40wt%濃度になるようにアクリル樹脂(デルペット80NH:旭化成ケミカルズ製)に2軸ロールを用いて練りこみ、ベレット化したものを顔料マスターバッチとして用い、上記モノマー溶液中にカーボンブラック単体としての重量部が4重量部になるように上記顔料マスターバッチを加えた後、さらに2重量部のラウリルバーオキサイド(パーロイルL:日本油脂製)を溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムルE−118B:花王製)を0.5%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業)を用いて粒子径5〜20μmの粒子を得た。なお、このように顔料マスターバッチを用いた場合、溶解性に優れるため、「顔料分散のためのせん断処理」は不要であった。得られた粒子の帯電量は+90μC/m2 で、前記表面電位測定の0.3秒後における表面電位の最大値は650Vであった。粒子の樹脂成分のTg(ガラス転移温度)は102℃であった。また、粒子の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、凹凸は確認されなかった。
この粒子を正方配列で換算して10μm厚みになるように0.7mm厚みのガラス基板上に塗布した後、そのガラス基板を、反射率90%の基準白色板の上に粒子が塗布された面が被さるように置き、そのガラス基板の上部(粒子が塗布されていない側)から「マクベス濃度計D19C」を用いてその反射率を測定したところ、反射率は1.7%であった。
上記粒子を、100μmのスペーサーを介して配置された、内側面がITO処理され電源に接続された一対のガラス基板であるセル中に体積含有率30%で充填し、表示装置を得た。それぞれのITOガラス基板に電源を接続し、表示面側のITOガラス基板電極を低電位に、対極を高電位となるように500Vの直流電圧をかけると、粒子は低電位極側に集まり、ガラス基板を通して黒色に表示された。また、印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態における反射率を観察したところ、黒表示の反射率が5%となる電圧は、350Vであった。
上記粒子を、100μmのスペーサーを介して配置された、内側面がITO処理され電源に接続された一対のガラス基板であるセル中に体積含有率30%で充填し、表示装置を得た。それぞれのITOガラス基板に電源を接続し、表示面側のITOガラス基板電極を低電位に、対極を高電位となるように500Vの直流電圧をかけると、粒子は低電位極側に集まり、ガラス基板を通して黒色に表示された。また、印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態における反射率を観察したところ、黒表示の反射率が5%となる電圧は、350Vであった。
<比較例1>
正帯電粒子として、メチルメタクリレートモノマー(関東科学試薬)100wt%に、正帯電の荷電制御剤としてニグロシン化合物(ボントロンN07:オリエント化学製)3重量部および、黒色顔料として、カーボンブラック(スペシャルブラック5:デグッサ製)5重最部を加えた後サンドミルを用いてせん断をかけ、さらに2重量部のラウリルバーオキサイド(パーロイルL:日本油脂製)を溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムルE−118B:花王製)を0.5%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業)を用いて粒子径5〜20μmの粒子を得た。得られた粒子の帯電量は+80μC/m2 で、前記表面電位測定の0.3秒後における表面電位の最大値は470Vであった。粒子の樹脂成分のTg(ガラス転移温度)は102℃であった。また、粒子の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、凹凸は確認されなかった。
正帯電粒子として、メチルメタクリレートモノマー(関東科学試薬)100wt%に、正帯電の荷電制御剤としてニグロシン化合物(ボントロンN07:オリエント化学製)3重量部および、黒色顔料として、カーボンブラック(スペシャルブラック5:デグッサ製)5重最部を加えた後サンドミルを用いてせん断をかけ、さらに2重量部のラウリルバーオキサイド(パーロイルL:日本油脂製)を溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムルE−118B:花王製)を0.5%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業)を用いて粒子径5〜20μmの粒子を得た。得られた粒子の帯電量は+80μC/m2 で、前記表面電位測定の0.3秒後における表面電位の最大値は470Vであった。粒子の樹脂成分のTg(ガラス転移温度)は102℃であった。また、粒子の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、凹凸は確認されなかった。
この粒子を正方配列で換算して10μm厚みになるように0.7mm厚みのガラス基板上に塗布した後、そのガラス基板を、反射率90%の基準白色板の上に粒子が塗布された面が被さるように置き、そのガラス基板の上部(粒子が塗布されていない側)から「マクベス濃度計D19C」を用いてその反射率を測定したところ、反射率は4.5%であった。
上記粒子を、100μmのスペーサーを介して配置された、内側面がITO処理され電源に接続された一対のガラス基板であるセル中に体積含有率30%で充填し、表示装置を得た。それぞれのITOガラス基板に電源を接続し、表示面側のITOガラス基板電極を低電位に、対極を高電位となるように500Vの直流電圧をかけると、粒子は低電位極側に集まり、ガラス基板を通して黒色に表示された。また、印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態における反射率を観察したところ、黒表示の反射率が5%となる電圧は、450Vであった。
上記粒子を、100μmのスペーサーを介して配置された、内側面がITO処理され電源に接続された一対のガラス基板であるセル中に体積含有率30%で充填し、表示装置を得た。それぞれのITOガラス基板に電源を接続し、表示面側のITOガラス基板電極を低電位に、対極を高電位となるように500Vの直流電圧をかけると、粒子は低電位極側に集まり、ガラス基板を通して黒色に表示された。また、印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態における反射率を観察したところ、黒表示の反射率が5%となる電圧は、450Vであった。
<実施例2>
正帯電粒子として、エチレングリコールジメタクリレート(和光純薬試薬)100wt%に、正帯電の荷電制御剤としてニグロシン化合物(ボントロンN07:オリエント化学製)3重量部および、黒色顔料として、カーボンブラック(スペシャルブラック5:デグッサ製)を40wt%濃度になるようにアクリル樹脂(デルペット80NH:旭化成ケミカルズ製)に2軸ロールを用いて練りこみ、ベレット化したものを顔料マスターバッチとして用い、上記モノマー溶液中にカーボンブラック単体としての重量部が4重量部になるように上記顔料マスターバッチを加えた後、さらに2重量部のラウリルバーオキサイド(パーロイルL:日本油脂製)を溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムルE−118B:花王製)を0.5%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業)を用いて粒子径5〜20μmの粒子を得た。なお、このように顔料マスターバッチを用いた場合、分散性に優れるため、「顔料分散のためのせん断処理」は不要であった。得られた粒子の帯電量は+78μC/m2 で、前記表面電位測定の0.3秒後における表面電位の最大値は630Vであった。粒子の樹脂成分のTg(ガラス転移温度)は観測されなかった。また、粒子の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、凹凸が確認された。
正帯電粒子として、エチレングリコールジメタクリレート(和光純薬試薬)100wt%に、正帯電の荷電制御剤としてニグロシン化合物(ボントロンN07:オリエント化学製)3重量部および、黒色顔料として、カーボンブラック(スペシャルブラック5:デグッサ製)を40wt%濃度になるようにアクリル樹脂(デルペット80NH:旭化成ケミカルズ製)に2軸ロールを用いて練りこみ、ベレット化したものを顔料マスターバッチとして用い、上記モノマー溶液中にカーボンブラック単体としての重量部が4重量部になるように上記顔料マスターバッチを加えた後、さらに2重量部のラウリルバーオキサイド(パーロイルL:日本油脂製)を溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムルE−118B:花王製)を0.5%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業)を用いて粒子径5〜20μmの粒子を得た。なお、このように顔料マスターバッチを用いた場合、分散性に優れるため、「顔料分散のためのせん断処理」は不要であった。得られた粒子の帯電量は+78μC/m2 で、前記表面電位測定の0.3秒後における表面電位の最大値は630Vであった。粒子の樹脂成分のTg(ガラス転移温度)は観測されなかった。また、粒子の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、凹凸が確認された。
この粒子を正方配列で換算して10μm厚みになるように0.7mm厚みのガラス基板上に塗布した後、そのガラス基板を、反射率90%の基準白色板の上に粒子が塗布された面が被さるように置き、そのガラス基板の上部(粒子が塗布されていない側)から「マクベス濃度計D19C」を用いてその反射率を測定したところ、反射率は1.8%であった。
上記粒子を、100μmのスペーサーを介して配置された、内側面がITO処理され電源に接続された一対のガラス基板であるセル中に体積含有率30%で充填し、表示装置を得た。それぞれのITOガラス基板に電源を接続し、表示面側のITOガラス基板電極を低電位に、対極を高電位となるように500Vの直流電圧をかけると、粒子は低電位極側に集まり、ガラス基板を通して黒色に表示された。また、印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態における反射率を観察したところ、黒表示の反射率が5%となる電圧は、250Vであった。
上記粒子を、100μmのスペーサーを介して配置された、内側面がITO処理され電源に接続された一対のガラス基板であるセル中に体積含有率30%で充填し、表示装置を得た。それぞれのITOガラス基板に電源を接続し、表示面側のITOガラス基板電極を低電位に、対極を高電位となるように500Vの直流電圧をかけると、粒子は低電位極側に集まり、ガラス基板を通して黒色に表示された。また、印加する電圧を徐々に変えていき、それぞれの表示状態における反射率を観察したところ、黒表示の反射率が5%となる電圧は、250Vであった。
上述したように、実施例1では粒子中のカーボンブラックそのものの量が比較例1に対し1重量部減っていたにもかかわらず、上記「黒色顔料のマスターバッチ化」により、その黒色度合いは向上した。これは、明らかに、顔料の分散性の向上によるためと考えられる。
本発明の表示媒体用粒子により構成される表示媒体を用いた情報表示装置は、ノートパソコン、PDA、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板等の掲示板、電卓、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、電子POP、電子棚札、電子値札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部などに好適に用いられる。
1,2 基板
3 表示媒体(粒子群、粉流体)
3W 白色表示媒体
3B 黒色表示媒体
4 隔壁
5 電極
6 電極
21 チャック
22 スコロトロン放電器
23 表面電位計
3 表示媒体(粒子群、粉流体)
3W 白色表示媒体
3B 黒色表示媒体
4 隔壁
5 電極
6 電極
21 チャック
22 スコロトロン放電器
23 表面電位計
Claims (11)
- 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板の間に少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、基板内に発生させた電界により表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示装置に用いる表示媒体を構成する表示媒体用粒子であって、
該表示媒体用粒子の着色用には顔料マスターバッチが用いられており、該顔料マスターバッチが樹脂中に20%以上の濃度で顔料を分散させた混合材料であることを特徴とする表示媒体用粒子。 - 前記顔料マスターバッチを構成する樹脂のガラス転移温度Tgが60℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体用粒子。
- 前記表示媒体用粒子が概球形粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の表示媒体用粒子。
- 前記表示媒体用粒子がモノマーを含む粒子原料を重合してなる概球形粒子であり、該粒子原料中に(アクリル系及びメタクリル系)樹脂−炭化水素系樹脂コポリマーを含有し、該モノマーの一部もしくは全部が1分子中に重合反応基を複数持つ多官能性モノマーであり、粒子表面に微小な凹凸を一様に有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の表示媒体用粒子。
- 前記表示媒体用粒子を構成する樹脂のガラス転移温度Tgが60℃以上もしくはガラス転移温度Tgが観測されないことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の表示媒体用粒子。
- 前記表示媒体用粒子の粒子径が0.5〜50μmであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の表示媒体用粒子。
- キャリアを用いてブローオフ法により測定した前記表示媒体用粒子の表面電荷密度が絶対値で10〜100μC/m2 であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の表示媒体用粒子。
- 前記表示媒体用粒子が、その表面と1mmの間隔をもって配置されたコロナ放電器に、8KVの電圧を印加してコロナ放電を発生させて粒子表面を帯電させた場合に、0.3秒後における表面電位の最大値が300Vより大きい粒子であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の表示媒体用粒子。
- 前記表示媒体用粒子の色が白色であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の表示媒体用粒子。
- 前記表示媒体用粒子の色が黒色であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の表示媒体用粒子。
- 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板の間に、請求項1〜10の何れか1項に記載の表示媒体用粒子により構成される表示媒体を少なくとも1種以上封入し、基板内に発生させた電界により表示媒体を移動させて情報を表示することを特徴とする情報表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005110879A JP2006099046A (ja) | 2004-09-06 | 2005-04-07 | 表示媒体用粒子およびそれを用いた情報表示装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004258283 | 2004-09-06 | ||
JP2005110879A JP2006099046A (ja) | 2004-09-06 | 2005-04-07 | 表示媒体用粒子およびそれを用いた情報表示装置 |
Publications (1)
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ID=36238883
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2006099046A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008026469A (ja) * | 2006-07-19 | 2008-02-07 | Bridgestone Corp | 表示媒体用粒子およびそれを用いた情報表示用パネル |
-
2005
- 2005-04-07 JP JP2005110879A patent/JP2006099046A/ja not_active Withdrawn
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