JP4698183B2 - 画像表示用パネルの製造方法 - Google Patents
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趙 国来、外3名、"新しいトナーディスプレイデバイス(I)"、1999年7月21日、日本画像学会年次大会(通算83回)"Japan Hardcopy’99"論文集、p.249-252
1.少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に形成された、隔壁により画成されたセル内に画像表示媒体を封入した構造の画像表示用パネルの製造方法において、2枚の基板を重ね合わせる前に、該基板上に形成されたセル内に帯電極性の異なる2種類の画像表示媒体を充填するに当たり、まず第1の画像表示媒体をセル内に散布しつつ充填するに際しては、該セルの形状および配置位置に対応した電極を利用して、該電極に、散布される第1の画像表示媒体の有する帯電極性とは逆の極性の電位を印加した状態で、該第1の画像表示媒体を散布充填し、ついで第2の画像表示媒体をセル内に散布しつつ充填するに際しては、電極に対する電位の印加を停止し、すでにセル内に充填された該第1の画像表示媒体の帯電極性を利用して、該第2の画像表示媒体を散布充填することを特徴とする画像表示用パネルの製造方法。
3.前記セルの形状及び配置位置に対応した電極として、画像表示媒体の散布用ステージ上に設けられた画像表示媒体誘導用電極を用い、該画像表示媒体誘導用電極が設けられた散布用ステージに隔壁が設けられた基板を載せた状態で、該画像表示媒体誘導用電極に所定の極性の電位を印加することを特徴とする前記1に記載の画像表示用パネルの製造方法。
4.前記散布用ステージに設けられた画像表示媒体誘導用電極が分割電極であることを特徴とする前記3に記載の画像表示用パネルの製造方法。
5.前記散布用ステージに設けられた画像表示媒体誘導用の分割電極が、対称配置された2分割電極であることを特徴とする前記4に記載の画像表示用パネルの製造方法。
6.前記散布用ステージに設けられた画像表示媒体誘導用の分割電極が、同心配置された内外2分割電極であることを特徴とする前記4に記載の画像表示用パネルの製造方法。
図1(a)、(b)に示す例では、2種以上の色の異なる画像表示媒体3(ここでは白色粒子3Wと黒色粒子3Bを示す)を、基板1、2の外部から加えられる電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色粒子3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色粒子3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図1(b)に示す例では、図1(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設け表示セルを画成している。
図2(a)、(b)に示す例では、2種以上の色の異なる画像表示媒体3(ここでは白色粒子3Wと黒色粒子3Bを示す)を、基板1に設けた電極5と基板2に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色粒子3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色粒子3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図2(b)に示す例では、図2(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設け表示セルを画成している。
図3(a)、(b)に示す例では、1種の色の画像表示媒体3(ここでは白色粒子3W)を、基板1上に設けた電極5と電極6との間に電圧を印加させることにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させ、白色粒子3Wを観察者に視認させて白色表示を行うか、あるいは、電極6または基板1の色を観察者に視認させて電極6または基板1の色の表示を行っている。なお、図3(b)に示す例では、図3(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設け表示セルを画成している。
図4は、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設け表示セル11を複数画成してそれぞれのセル11内に封入した画像表示媒体3にて白色表示、黒色表示を行っている。
以上の説明は、白色粒子3Wを白色粉流体に、黒色粒子3Bを黒色粉流体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することが出来る。
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
本発明に用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の画像表示装置では、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、フ
ァーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本とした
ソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
この空隙部分とは、図1〜図3において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6、画像表示媒体(粒子群あるいは粉流体)3の占有部分、隔壁4の占有部分、装置シール部分を除いた、いわゆる画像表示媒体(粒子群あるいは粉流体)が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように装置に封入することが必要であり、例えば、画像表示媒体の充填、基板の組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
対向する基板間の空間における画像表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には画像表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
<粒子群について>
実験には散布前にブローオフ法にて求めておいた表面電荷密度で示される帯電量において−30μC/m2の白色粒子群および+20μC/m2の黒色粒子群を用いた。結果を以下の表1に示す。なお、表1中、粒子群充填の均一性は、◎は均一性が非常に良好な状態を示し、○は均一性が良好な状態を示し、×は均一性が不良な状態であることを示す。さらに、後工程の不具合は、充填工程後の全ての製造工程において、不具合がないものを○、不具合があるものを×とした。
実験には散布前にブローオフ法にて求めておいた表面電荷密度で示される帯電量において−20μC/m2の白色粉流体および+15μC/m2の黒色粉流体を用いた。結果を以下の表2に示す。なお、表2中、粉流体充填の均一性は、◎は均一性が非常に良好な状態を示し、○は均一性が良好な状態を示し、×は均一性が不良な状態であることを示す。さらに、後工程の不具合は、充填工程後の全ての製造工程において、不具合がないものを○、不具合があるものを×とした。
セルを画成する隔壁高さが50μmの四角形状の格子状配置された隔壁およびセル内位置に電極が形成された基板に対して、以下に記載する帯電特性の異なる白黒2色の粒子群(粒子群A、粒子群B)を画像表示媒体として用いて散布充填を行い、散布後の充填状態について観察評価を行った。
基板上の電極にプラス電位を印加しながら負帯電性の黒色粒子群(粒子群A)を所定量散布充填した後、電極への電位印加を止め、続いて正帯電性の白色粒子群(粒子群B)を所定量散布充填した。散布後の充填状態について観察評価を行った結果を表3に示す。
基板上の電極にマイナス電位を印加しながら正帯電性の白色粒子群(粒子群B)を所定量散布充填した後、電極への電位印加を止め、続いて負帯電性の黒色粒子群(粒子群A)を所定量散布充填した。散布後の充填状態について観察評価を行った結果を表3に示す。
基板上の電極にプラス電位を印加しながら負帯電性の黒色粒子群(粒子群A)を所定量散布充填した後、基板上の電極への電位印加をマイナス電位に切り換えて、続いて正帯電性の白色粒子群(粒子群B)を所定量散布充填した。散布後の充填状態について観察評価を行った結果を表3に示す。
粒子群B散布時に基板上電極電位を粒子群Aの帯電極性と同じ極性にしたため、一旦セル内に充填された粒子群Aがセル内からはみ出し隔壁頂上部に付着することが分かった。
基板上の電極にマイナス電位を印加しながら正帯電性の白色粒子群(粒子群B)を所定量散布充填した後、基板上の電極への電位印加をプラス電位に切り換えて、続いて負帯電性の黒色粒子群(粒子群A)を所定量散布充填した。散布後の充填状態について観察評価を行った結果を表3に示す。
粒子群A散布時に基板上電極電位を粒子群Bの帯電極性と同じ極性にしたため、一旦セル内に充填された粒子群Bがセル内からはみ出し隔壁頂上部に付着することが分かった。
基板上の電極に電位を印加しないで正帯電性の白色粒子群(粒子群B)を所定量散布充填した後、続いて負帯電性の黒色粒子群(粒子群A)を所定量散布充填した。散布後の充填状態について観察評価を行った結果を表3に示す。
隔壁頂上部には、粒子群Aおよび粒子群Bの双方が付着し、かなり堆積することが分かった。
3 画像表示媒体(粒子群または粉流体)
3W 白色粒子(白色粉流体)
3B 黒色粒子(黒色粉流体)
4 隔壁
5,6 電極
11 セル
12 画像表示媒体誘導用電極
12−1、12−2 分割電極
13 画像表示媒体散布ステージ
14 散布ノズル
15 散布槽
Claims (6)
- 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に形成された、隔壁により画成されたセル内に画像表示媒体を封入した構造の画像表示用パネルの製造方法において、2枚の基板を重ね合わせる前に、該基板上に形成されたセル内に帯電極性の異なる2種類の画像表示媒体を充填するに当たり、まず第1の画像表示媒体をセル内に散布しつつ充填するに際しては、該セルの形状および配置位置に対応した電極を利用して、該電極に、散布される第1の画像表示媒体の有する帯電極性とは逆の極性の電位を印加した状態で、該第1の画像表示媒体を散布充填し、ついで第2の画像表示媒体をセル内に散布しつつ充填するに際しては、電極に対する電位の印加を停止し、すでにセル内に充填された該第1の画像表示媒体の帯電極性を利用して、該第2の画像表示媒体を散布充填することを特徴とする画像表示用パネルの製造方法。
- 前記セルの形状及び配置位置に対応した電極として、前記セル内において基板上に設けられた基板上電極を用い、該基板上電極に所定の極性の電位を印加することを特徴とする請求項1に記載の画像表示用パネルの製造方法。
- 前記セルの形状及び配置位置に対応した電極として、画像表示媒体の散布用ステージ上に設けられた画像表示媒体誘導用電極を用い、該画像表示媒体誘導用電極が設けられた散布用ステージに隔壁が設けられた基板を載せた状態で、該画像表示媒体誘導用電極に所定の極性の電位を印加することを特徴とする請求項1に記載の画像表示用パネルの製造方法。
- 前記散布用ステージに設けられた画像表示媒体誘導用電極が分割電極であることを特徴とする請求項3に記載の画像表示用パネルの製造方法。
- 前記散布用ステージに設けられた画像表示媒体誘導用の分割電極が、対称配置された2分割電極であることを特徴とする請求項4に記載の画像表示用パネルの製造方法。
- 前記散布用ステージに設けられた画像表示媒体誘導用の分割電極が、同心配置された内外2分割電極であることを特徴とする請求項4に記載の画像表示用パネルの製造方法。
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