JP2006072223A - 画像表示媒体用粒子およびそれを用いた画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 画像表示媒体用粒子の原料のモノマーの少なくとも一部に帯電性の官能基を有する共重合可能なモノマーを使用して、高温時のモノマー溶解性荷電制御剤の可塑化効果による粒子の軟化を防止した、帯電能力が均一化された画像表示媒体用粒子を提供する。
【解決手段】 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板1,2の間に少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも1種類以上の画像表示媒体3W,3Bを封入し、基板内に発生させた電界により画像表示媒体を移動させて画像を表示する画像表示装置に用いられる画像表示媒体用粒子として、モノマーを含む粒子原料を懸濁重合してなる概球形粒子であり、該モノマーの一部もしくは全部が帯電性の官能基を有する共重合可能なモノマーである画像表示媒体用粒子を用いて、高温時のモノマー溶解性荷電制御剤の可塑化効果による粒子の軟化を防止した、帯電能力が均一化された画像表示媒体用粒子を得た。
【選択図】図1

Description

本発明は、 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板の間に少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも1種類以上の画像表示媒体を封入し、基板内に発生させた電界により画像表示媒体を移動させて画像を表示する画像表示装置に用いられる画像表示媒体用粒子、およびそれを用いた画像表示装置に関するものである。
従来より、液晶(LCD)に代わる画像表示装置として、電気泳動方式、エレクトロクロミック方式、サーマル方式、2色粒子回転方式等の技術を用いた画像表示装置が提案されている。
これら従来技術は、LCDと比較すると、通常の印刷物に近い広い視野角が得られる、消費電力が小さい、メモリ機能を有している等のメリットがあることから、次世代の安価な画像表示装置に使用可能な技術として考えられており、携帯端末用画像表示、電子ペーパー等への展開が期待されている。特に、最近では、分散粒子と着色溶液とから成る分散液をマイクロカプセル化し、これを対向する基板間に配置して成る電気泳動方式(例えば、非特許文献1参照)が提案され、期待が寄せられている。
しかしながら、電気泳動方式では、液中を粒子が泳動するために液の粘性抵抗により応答速度が遅くなるという問題がある。さらに、低比重の溶液中に酸化チタン等の高比重の粒子を分散させているため沈降しやすくなっており、分散状態の安定性維持が難しく、画像繰り返し安定性に欠けるという問題を抱えている。また、マイクロカプセル化にしても、セルサイズをマイクロカプセルレベルにして、見かけ上、上述した欠点が現れにくくしているだけであって、本質的な問題は何ら解決されていない。
一方、溶液中での挙動を利用する電気泳動方式に対し、溶液を使わず、導電性粒子と電荷輸送層とを基板の一部に組み入れる方式も提案され始めている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この方式は、電荷輸送層、さらには電荷発生層を配置するために構造が複雑化するとともに、導電性粒子に電荷を一定に注入することは難しいため、安定性に欠けるという問題もある。
上述した種々の問題を解決するための一方法として、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板の間に少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも1種類以上の画像表示媒体を封入し、基板内に発生させた電界により画像表示媒体を移動させて画像を表示する画像表示装置が知られている。このような電界により画像表示媒体を移動させて画像を表示するタイプの画像表示装置では、画像表示媒体が有する帯電性の正負の性格付けおよび帯電量の確保が容易になることから、粒子径が1〜50μm程度である、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂を画像表示媒体用粒子材料として使用している。そのような画像表示媒体用粒子(以下、粒子ともいう)の製造方法としては、工程の簡素化や低消費エネルギー化のために、あるいは、目的の粒子径を直接得るために、粉砕法を用いる製造方法よりも、懸濁重合を用いる製造方法の方が効果的である。さらに、帯電の制御および粒子内の均一な分散を目的として上記モノマーに溶解する荷電制御剤を含有させることが一般的に行われている。
しかし、モノマーに溶解させるタイプの荷電制御剤を使用した場合には、耐熱性が劣化するおそれがある。その理由は、液体もしくは熱可塑性固体であるモノマー溶解性荷電制御剤が高温時に可塑剤として作用し、モノマーを重合してなる樹脂のガラス転移温度Tgを下回って粒子を軟化させてしまうためである。
上記のような、耐熱性の不十分な粒子を画像表示装置に用いると、使用条件により高温に曝される状況が発生した場合には、粒子同士の融着が発生してしまい、回復不可能な性能低下を起こしてしまう。
本発明は、モノマーを懸濁重合して作製する粒子の原料であるモノマーの一部もしくは全部として、帯電性の官能基を有する共重合可能なモノマーを使用することにより、高温時のモノマー溶解性荷電制御剤の可塑化効果による粒子の軟化を防止して、帯電能力が均一化された画像表示媒体用粒子を提供するとともに、該画像表示媒体用粒子を用いて構成した表示画像品質に優れた画像表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像表示媒体用粒子は、 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板の間に少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも1種類以上の画像表示媒体を封入し、基板内に発生させた電界により画像表示媒体を移動させて画像を表示する画像表示装置に用いられる画像表示媒体用粒子であって、該画像表示媒体用粒子が、モノマーを含む粒子原料を懸濁重合してなる概球形粒子であり、該モノマーの一部もしくは全部が帯電性の官能基を有する共重合可能なモノマーであることを特徴とする。
本発明の画像表示媒体用粒子の好適例としては、前記画像表示媒体用粒子を構成する樹脂成分が、少なくともアクリル系モノマー、メタクリル系モノマーおよびスチレン系モノマーを含む複数種のモノマーの中から選択される1種以上のモノマーを重合して成ること、前記画像表示媒体用粒子を構成する樹脂のガラス転移温度Tgが80℃以上であること、前記画像表示媒体用粒子の平均粒子径が0.1〜50μmであること、キャリアを用いてブローオフ法により測定した前記画像表示媒体用粒子の帯電量が絶対値で10〜100μC/gであること、前記画像表示媒体用粒子が、その表面と1mmの間隔をもって配置されたコロナ放電器に、8KVの電圧を印加してコロナ放電を発生させて表面を帯電させた場合に、0.3秒後における表面電位の最大値が300Vより大きい粒子であること、および、前記画像表示媒体用粒子の色が白色および/または黒色であること、がある。
本発明の画像表示装置は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板の間に、請求項1〜7の何れか1項に記載の画像表示媒体用粒子を含む画像表示媒体を少なくとも1種以上封入し、基板内に発生させた電界により画像表示媒体を移動させて画像を表示するように構成されている。
上記本発明の画像表示媒体用粒子によれば、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板の間に少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも1種類以上の画像表示媒体を封入し、基板内に発生させた電界により画像表示媒体を移動させて画像を表示する画像表示装置に用いられる画像表示媒体用粒子が、モノマーを含む粒子原料を懸濁重合してなる概球形粒子であり、該モノマーの一部もしくは全部が帯電性の官能基を有する共重合可能なモノマーであるから、高温時のモノマー溶解性荷電制御剤の可塑化効果による粒子の軟化を防止することができ、かつ、モノマー中の帯電性官能基の良好な分散性によって帯電の均一性を確保することができる。その結果、この画像表示媒体用粒子を用いて作製した画像表示装置は、均一な帯電性によって良好な表示画像品質が得られ、かつ、高温に曝された場合でも表示性能を損なうことが無いものとなる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づき詳細に説明する。
まず、本発明の画像表示装置に用いる、画像表示媒体用粒子を用いた画像表示板の構成について説明する。本発明の画像表示装置では、対向する基板間に画像表示媒体を封入した画像表示板の基板内に何らかの手段で電界が付与される。電界方向に従って帯電した画像表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、画像表示媒体が電界方向の切換によって往復運動することにより、画像表示がなされる。従って、画像表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し時あるいは保存時の安定性を維持できるように、画像表示板を設計する必要がある。ここで、画像表示媒体に用いる粒子群または粉流体にかかる力は、粒子同士または粉流体同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極との電気影像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明の画像表示装置の例を、図1(a),(b)〜図3(a),(b)に基づき説明する。
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも2種以上の色の異なる画像表示媒体3(ここでは白色粒子3Wと黒色粒子3Bを示す)を、基板1、2の外部から加えられる電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色粒子3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色粒子3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図1(b)に示す例では、図1(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設け表示セルを画成している。
図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも2種以上の色の異なる画像表示媒体3(ここでは白色粒子3Wと黒色粒子3Bを示す)を、基板1に設けた電極5と基板2に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色粒子3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色粒子3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図2(b)に示す例では、図2(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設け表示セルを画成している。
図3(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される1種の色の画像表示媒体3(ここでは白色粒子3W)を、基板1上に設けた電極5と電極6との間に電圧を印加させることにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させ、白色粒子3Wを観察者に視認させて白色表示を行うか、あるいは、電極6または基板1の色を観察者に視認させて電極6または基板1の色の表示を行っている。なお、図3(b)に示す例では、図3(a)に示す例に加えて、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設け表示セルを画成している。
以上の説明は、白色粒子3Wを白色粉流体に、黒色粒子3Bを黒色粉流体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することができる。
以下、本発明の特徴となる画像表示媒体用粒子を詳細に説明する。本発明の画像表示媒体用粒子は、図1(a),(b)〜図3(a),(b)の画像表示装置に適用することができ、前記画像表示装置の少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板の間に画像表示媒体として封入されるものである。この画像表示媒体用粒子としては、モノマーを含む粒子原料を懸濁重合してなる概球形粒子を用いており、該モノマーの一部もしくは全部が帯電性の官能基を有する共重合可能なモノマーである。その際、画像表示媒体用粒子を構成する樹脂成分が、少なくともアクリル系モノマー、メタクリル系モノマーおよびスチレン系モノマーを含む複数種のモノマーの中から選択される1種以上のモノマーを重合して成ることが好ましい。
本発明の画像表示媒体用粒子によれば、図1(a),(b)〜図3(a),(b)の画像表示装置に用いる画像表示媒体用粒子が、モノマーを含む粒子原料を懸濁重合してなる概球形粒子であり、該モノマーの一部もしくは全部が帯電性の官能基を有する共重合可能なモノマーであるから、高温時のモノマー溶解性荷電制御剤の可塑化効果による粒子の軟化を防止することができ、かつ、モノマー中の帯電性官能基の良好な分散性によって帯電の均一性を確保することができる。したがって、この画像表示媒体用粒子を用いて作製した図1(a),(b)〜図3(a),(b)の画像表示装置は、均一な帯電性によって良好な表示画像品質が得られ、かつ、高温に曝された場合でも表示性能を損なうことが無いものとなる。
以下、本発明の対象となる画像表示装置を構成する各部材について説明する。
基板については、少なくとも一方の基板は装置外側から画像表示媒体の色が確認できる透明な基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。もう一方の基板となる背面基板は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可とう性のあるもの、および、ガラス、石英などの可とう性のない無機シートが挙げられる。基板の厚みは、2〜5000μmが好ましく、さらに5〜2000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、5000μmより厚いと、薄型画像表示装置とする場合に不都合がある。
必要に応じて設ける電極5、6については、視認側であり透明である必要のある前面基板側に設ける電極6は、透明かつパターン形成可能である導電性材料で形成され、例示すると、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や、ITO、酸化インジウム、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の透明導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が例示され、適宜選択して用いられる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。背面基板側に設ける電極5の材質や厚みなどは上述した電極6と同様であるが、透明である必要はない。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
必要に応じて設ける隔壁4については、その形状は表示にかかわる画像表示媒体の種類により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。本発明では、いずれの方法も好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成される表示セルは、図4に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示側から見える隔壁断面部分に相当する部分(表示セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、画像表示の鮮明さが増す。ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。このうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
次に、本発明の画像表示装置において画像表示媒体を構成する粉流体について説明する。なお、本発明の画像表示装置で用いる粉流体の名称については、本出願人が「電子粉流体(登録商標)」の権利を得ている。
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
すなわち、本発明における粉流体は、液晶(液体と固体の中間相)の定義と同様に、粒子と液体の両特性を兼ね備えた中間的な状態で、先に述べた粒子の特徴である重力の影響を極めて受け難く、高流動性を示す特異な状態を示す物質である。このような物質はエアロゾル状態、すなわち気体中に固体状もしくは液体状の物質が分散質として安定に浮遊する分散系で得ることができ、本発明の画像表示装置で固体状物質を分散質とするものである。
本発明の対象となる画像表示板は、少なくとも一方が透明な、対向する基板間に、例えば気体中に固体粒子が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体を画像表示媒体として封入するものであり、このような粉流体は、低電圧の印加でクーロン力などにより容易に安定して移動させることができる。
本発明に画像表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の画像表示装置では、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
次に、本発明の画像表示装置において画像表示媒体を構成する画像表示媒体用粒子(以下、粒子という)について説明する。画像表示媒体用粒子は、そのまま画像表示媒体用粒子だけで構成して画像表示媒体としたり、その他の粒子と合わせて構成して画像表示媒体としたり、粉流体となるように調整、構成して画像表示媒体としたりして用いられる。
本発明では、表示のための粒子は負帯電性または正帯電性の着色粒子で、クーロン力などにより移動するものであればいずれでも良いが、特に、球形で比重の小さい粒子が好適である。
粒子を負または正に帯電させる方法は、特に限定されないが、コロナ放電法、電極注入法、摩擦法等の粒子を帯電する方法が用いられる。キャリアを用いてブローオフ法により測定した粒子の帯電量が絶対値で10〜100μC/gであることが好ましい。帯電量の絶対値がこの範囲より低いと、電界の変化に対する応答速度が遅くなり、メモリ性も低くなる。帯電量の絶対値がこの範囲より高いと、電極や基板への鏡像力が強すぎ、メモリ性はよいが、電界を反転した場合の追随性が悪くなる。
本発明において、帯電量の測定は、以下によって行った。
<ブローオフ測定原理および測定方法>
ブローオフ法においては、両端に網を張った円筒容器中に粒体とキャリアの混合体を入れ、一端から高圧ガスを吹き込んで粒体とキャリアとを分離し、網の目開きから粒体のみをブローオフ(吹き飛ばし)する。このとき、粒体が容器外に持ち去った帯電量と等量で逆の帯電量がキャリアに残る。そして、この電荷による電束の全てはファラデーケージで集められ、この分だけコンデンサは充電される。そこでコンデンサ両端の電位を測定することにより、粒体の電荷量Qは、
Q=CV(C;コンデンサ容量、V;コンデンサ両端の電圧)
として求められる。
ブローオフ粒体帯電量測定装置としては東芝ケミカル社製のTB-200を用いた。本発明では、被測定粒子の帯電量測定にフェライト系キャリアを用いるが、画像表示板に例えば正帯電性の画像表示媒体と負帯電性の画像表示媒体との2種類の画像表示媒体を組み合わせて用いる場合にそれぞれの画像表示媒体を構成する画像表示媒体用粒子の帯電量を測定するときには同一種類のキャリアを用いる。具体的には、キャリアとして同和鉄粉工業(株)製のDFC100 リンクル(Mn−Mg含有フェライト系)を用いて粒子の帯電量(μC/g)を測定した。
粒子は、その帯電電荷を保持する必要があるので、体積固有抵抗が1×1010Ω・cm以上の絶縁性粒子が好ましく、特に体積固有抵抗が1×1012Ω・cm以上の絶縁性粒子が好ましい。また、以下に述べる方法で評価した電荷減衰性の遅い粒子がさらに好ましい。
すなわち、ロール状の測定用治具の表面に被測定粒子を配置し、配置した粒子表面と1mmの間隔をもって配置されたコロナ放電器に、8KVの電圧を印加してコロナ放電を発生させて粒子表面を帯電させ、その表面電位の変化を測定し判定する。この場合、0.3秒後における表面電位の最大値が300Vより大きく、好ましくは400Vより大きくなるように、粒子構成材料を選択、作製することが肝要である。
なお、上記表面電位の測定は、例えば図5に示した装置(QEA社製CRT2000)により行うことができる。この装置の場合は、前述した、表面に被測定粒子を配置したロール状の測定用治具のシャフト両端部をチャック21にて保持し、小型のスコロトロン放電器22と表面電位計23とを所定間隔離して併設した計測ユニットを上記被測定粒子表面と1mmの間隔をもって対向配置し、上記ロール状測定用治具を静止した状態のまま、上記計測ユニットをロール状測定用治具の表面に配置した粒子の一端から他端まで一定速度で移動させることにより、表面電荷を与えつつその表面電位を測定する方法が好適に採用される。なお、測定環境は温度25±3℃、湿度55±5RH%とする。
粒子は、帯電性能等が満たされれば、いずれの材料から構成されても良い。例えば、樹脂、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等から形成することができる。粒子としては、粒子を構成する樹脂のガラス転移温度Tgが80℃以上のものを用いるのが好ましい。粒子は、その主成分となる樹脂に、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適である。
本発明で用いる荷電制御剤の他に、必要に応じて用いる荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
また、本発明で用いる粒子は、平均粒子径d(0.5)が、0.1〜50μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために粒子の移動に支障をきたすようになる。
さらに、本発明では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
さらにまた、各粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子のd(0.5)に対する最小径を有する粒子のd(0.5)の比を50以下、好ましくは10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近く、互いの粒子が当量ずつ反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie 理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
さらに、本発明においては基板間の画像表示媒体(粒子群または粉流体)を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下、更に好ましくは35%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、図1〜図3において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6、画像表示媒体(粒子群または粉流体)3の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、画像表示板シール部分を除いた、いわゆる画像表示媒体(粒子群または粉流体)が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように画像表示板に封入することが必要であり、例えば、画像表示媒体(粒子群または粉流体)の充填、画像表示板の組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
本発明の画像表示装置における基板と基板との間隔は、画像表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。
対向する基板間の空間における画像表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には画像表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
以下、本発明の実施例および比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<実施例>
正帯電粒子としてメチルメタクリレートモノマー(関東化学試薬)95mol%とトリメチロールプロパントリアクリレート(A−TMPT:新中村化学製)5mol%に、正帯電の帯電性官能基を有するモノマーとしてジメチルアミノエチルメタクリレート(東京化成試薬)3重量部を混合させた後、黒色顔料としてカーボンブラック(スペシャルブラック5:デグッサ製)5重量部をサンドミルにより分散させ、さらに2重量部のラウリルパーオキサイド(パーロイルL:日本油脂製)を溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムルE−118B:花王製)を0.5%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業)を用いて5〜20μmの粒子を得た。得られた粒子の帯電量は+32μC/gで、前記表面電位測定の0.3秒後における表面電位の最大値は440Vであった。粒子の樹脂成分のTg(ガラス転移温度)は104℃であった。この粒子群によって正帯電性画像表示媒体を構成した。
負帯電粒子としては、スチレンモノマー(関東化学試薬)95mol%とA−TMPTmol%に、負帯電の帯電性官能基を有するモノマーとしてスチレンスルホン酸ナトリウム(和光純薬試薬)5mol%を溶解させた後、白色顔料として酸化チタン(タイペークCR−50:石原産業製)20重量部をサンドミルにより分散させ、さらに2重量部のパーロイルLを溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムルE−118B:花王製)を0.5%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業)を用いて5〜20μmの粒子を得た。得られた粒子の帯電量は−32μC/mgで、前記表面電位測定の0.3秒後における表面電位の最大値は420Vであった。粒子の樹脂成分のTg(ガラス転移温度)は95℃であった。この粒子群によって負帯電性画像表示媒体を構成した。
画像表示媒体の帯電は、両画像表示媒体を当量混合攪拌して摩擦帯電を行った。
上記混合した画像表示媒体を、100μmのスペーサを介して配置された、一方が内側ITO処理され電源に接続されたガラス基板であり、もう一方が銅基板であるセル中に空間率30%で充填し、表示装置を作製した。ITOガラス基板、銅基板のそれぞれに電源を接続して、ITOガラス基板が低電位になり、銅基板が高電位になるように250Vの直流電圧を印加すると、正帯電画像表示媒体は低電位極に、負帯電画像表示媒体は高電位極に、それぞれ移動し、ガラス基板を通して表示装置を観察すると黒色に表示された。次に印加電圧の電位を逆にすると、画像表示媒体はそれぞれ逆電極側に移動して、ガラス基板を通して表示装置を観察すると白色に表示された。何れの場合でも、ITOガラス基板上に表示させたい画像表示媒体に対する別色の画像表示媒体の混在は無く、良好な表示画像品質が得られた。さらに、この表示装置を80℃に2時間放置した後、室温に戻して同様の表示試験を行なっところ、粒子の融着が発生せず、加熱前と同様に良好な表示画像品質が得られた。
<比較例>
正帯電粒子としてt−ブチルメタクルートモノマー(関東化学試薬)95mol%とトリメチロールプロパントリアクリレート(A−TMPT:新中村化学製)に、正帯電のモノマー溶解性荷電制御剤としてアクリル樹脂系荷電制御剤(アクリベースFCA201PS:藤倉化成製)5重量部を溶解させた後、黒色顔料としてカーボンブラック(スペシャルブラック5:デグッサ製)5重量部をサンドミルにより分散させ、さらに2重量部のラウリルパーオキサイド(パーロイルL:日本油脂製)を溶解させた液を、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムルE−118B:花王製)を0.5%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業)を用いて5〜20μmの粒子を得た。得られた粒子の帯電量は+35μμC/gで、前記表面電位測定の0.3秒後における表面電位の最大値は480Vであった。粒子の樹脂成分のTg(ガラス転移温度)は95℃であった。この粒子群によって正帯電性画像表示媒体を構成した。
負帯電粒子としては、スチレンモノマー(関東化学試薬)98mol%とA−TMPT5mol%に、正帯電のモノマー溶解性荷電制御剤としてアクリル樹脂系荷電制御剤(アクリぺ−スFCA1OO1NS:藤倉化成製)5重量部および、白色顔料として酸化チタン(タイペークCR−50:石原産業製)20重量部をサンドミルにより分散させ、さらに2重量部のパーロイルLを溶解させた液を、界面活性割としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(ラテムルE−118B:花王製)を0.5%添加した精製水に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業)を用いて5〜20μmの粒子を得た。得られた粒子の帯電量は−55μC/gで、前記表面電位測定の0.3秒後における表面電位の最大値は480Vであった。粒子の樹脂成分のTg(ガラス転移温度)は93℃であった。この粒子群によって負帯電性画像表示媒体を構成した。
画像表示媒体の帯電は、両画像表示媒体を当量混合攪拌して摩擦帯電を行った。
上記混合した画像表示媒体を、100μmのスペーサを介して配置された、一方が内側ITO処理され電源に接続されたガラス基板であり、もう一方が銅基板であるセル中に空間率30%で充填し、表示装置を作製した。ITOガラス基板、銅基板のそれぞれに電源を接続して、ITOガラス基板が低電位になり、銅基板が高電位になるように250Vの直流電圧を印加すると、正帯電画像表示媒体は低電位極に、負帯電画像表示媒体は高電位極に、それぞれ移動し、ガラス基板を通して表示装置を観察すると黒色に表示された。次に印加電圧の電位を逆にすると、画像表示媒体はそれぞれ逆電極側に移動して、ガラス基板を通して表示装置を観察すると白色に表示された。何れの場合でも、ITOガラス基板上に表示させたい画像表示媒体に対する別色の画像表示媒体の混在は無く、良好な表示画像品質が得られた。
しかし、さらに、この表示装置を、80℃に2時間放置した後、室温に戻して同様の表示試験を行ったところ、粒子の融着により、全く画像表示媒体が移動せず、電圧の電位を変化させても表示が変化しなかった。
本発明の画像表示媒体用粒子を用いた画像表示装置は、ノートパソコン、PDA、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板等の掲示板、電卓、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、電子POP、電子棚札、電子値札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部などに好適に用いられる。
(a),(b)は本発明の画像表示装置に用いる画像表示板の一例を示す図である。 (a),(b)は本発明の画像表示装置に用いる画像表示板の他の例を示す図である。 (a),(b)は本発明の画像表示装置に用いる画像表示板のさらに他の例を示す図である。 本発明の画像表示装置の画像表示板における隔壁の形状の一例を示す図である。 本発明の画像表示装置に用いる画像表示媒体用粒子の表面電位の測定要領を示す図である。
符号の説明
1,2 基板
3 画像表示媒体(粒子群、粉流体)
3W 白色粒子群、白色粉流体
3B 黒色粒子群、黒色粉流体
4 隔壁
5 電極
6 電極
21 チャック
22 スコロトロン放電器
23 表面電位計

Claims (8)

  1. 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板の間に少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも1種類以上の画像表示媒体を封入し、基板内に発生させた電界により画像表示媒体を移動させて画像を表示する画像表示装置に用いられる画像表示媒体用粒子であって、
    該画像表示媒体用粒子が、モノマーを含む粒子原料を懸濁重合してなる概球形粒子であり、該モノマーの一部もしくは全部が帯電性の官能基を有する共重合可能なモノマーであることを特徴とする画像表示媒体用粒子。
  2. 前記画像表示媒体用粒子を構成する樹脂成分が、少なくともアクリル系モノマー、メタクリル系モノマーおよびスチレン系モノマーを含む複数種のモノマーの中から選択される1種以上のモノマーを重合して成ることを特徴とする請求項1に記載の画像表示媒体用粒子。
  3. 前記画像表示媒体用粒子を構成する樹脂のガラス転移温度Tgが80℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示媒体用粒子。
  4. 前記画像表示媒体用粒子の平均粒子径が0.1〜50μmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像表示媒体用粒子。
  5. キャリアを用いてブローオフ法により測定した前記画像表示媒体用粒子の帯電量が絶対値で10〜100μC/gであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の画像表示媒体用粒子。
  6. 前記画像表示媒体用粒子が、その表面と1mmの間隔をもって配置されたコロナ放電器に、8KVの電圧を印加してコロナ放電を発生させて表面を帯電させた場合に、0.3秒後における表面電位の最大値が300Vより大きい粒子であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像表示媒体用粒子。
  7. 前記画像表示媒体用粒子の色が白色および/または黒色であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の画像表示媒体用粒子。
  8. 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板の間に、請求項1〜7の何れか1項に記載の画像表示媒体用粒子を含む画像表示媒体を少なくとも1種以上封入し、基板内に発生させた電界により画像表示媒体を移動させて画像を表示することを特徴とする画像表示装置。
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