JP2004279545A - 白色粒子、白色粉流体及びそれらを用いた画像表示装置 - Google Patents

白色粒子、白色粉流体及びそれらを用いた画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】薄い粒子層でも透過してしまう光が減り、後方散乱が大きく白色の輝度率を向上させることができる白色粒子、白色粉流体及びそれらを用いた画像表示装置を提供する。
【解決手段】少なくとも一方が透明な対向する基板1、2間に粒子3W、3Bを封入し、粒子に電界を与えて粒子を移動させ画像を表示する画像表示装置に用いる白色粒子3Wを、表面に微細な凹凸を持った金属粒子から構成するか、または、表面を金属でコーティングされた樹脂粒子であり、その表面に微細の凹凸を持つ粒子から構成する。また、この白色粒子を使用して白色粉流体を構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示装置に用いる白色粒子に関し、特に、クーロン力等による粒子の飛翔移動を利用することで画像表示を繰り返し行うことができる可逆性画像表示装置に用いられる白色粒子、白色粉流体及びそれらを用いた画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ペーパーレス化といった環境意識の高揚に伴い、電気的な力を利用して表示基板に所望の画像を表示でき、さらには書き換えも可能であるような電子ペーパーディスプレイに関する研究がなされてきている。この電子ペーパー技術において特に有名なのは、電気泳動型、サーマルリライタブル型等といった液相型のものであるが、液相型では液中を粒子が泳動するので、液の粘性抵抗により応答速度が遅くなるという問題があるため、最近では、対向する基板間に絶縁着色粒子が封入された構成の乾式のものが着目されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
趙 国来、外3名、“新しいトナーディスプレイデバイス(I)”、1999年7月21日、日本画像学会年次大会(通算83回)“Japan Hardcopy’99”論文集、p.249−252
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した乾式の画像表示装置は、電気泳動方式に対し粒子の移動抵抗が小さく応答速度が速いという長所がある。この乾式の画像表示装置における画像表示の原理は、各粒子によってパターンを形成し、各粒子の色調によりコントラスト得ることによってパターンを認識させるものである。そのため、色を発光するベースとなる白色粒子の色が重要であった。一般的に白色粒子は、低屈折率の材料に高屈折率の材料の微粒子を混ぜ込んで作製されているが、白色粒子の層数が少ない場合には充分に散乱されずに透過してしまう光が多かった。そのため、白色粒子の白色を充分に表現することができない問題があった。
【0005】
本発明の目的は上述した課題を解決して、薄い粒子層でも透過してしまう光が減り、後方散乱が大きく白色の輝度率を向上させることができる白色粒子、白色粉流体及びそれらを用いた画像表示装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の白色粒子の第1発明は、少なくとも一方が透明な対向する基板間に粒子を封入し、粒子に電界を与えて粒子を移動させ画像を表示する画像表示装置に用いる白色粒子であって、表面に微細な凹凸を持った金属粒子から構成したことを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の白色粒子の第2発明は、少なくとも一方が透明な対向する基板間に粒子を封入し、粒子に電界を与えて粒子を移動させ画像を表示する画像表示装置に用いる白色粒子であって、表面を金属でコーティングされた樹脂粒子であり、その表面に微細の凹凸を持つことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の白色粒子の第1発明及び第2発明では、表面に微細な凹凸を持った金属粒子、または、表面が金属でコーティングされた樹脂粒子であり、その表面に微細の凹凸を持つ粒子、から白色粒子を構成することで、薄い粒子層でも透過してしまう光が減り、後方散乱が大きく白色の輝度率を向上させることができる。なお、本発明の白色粒子の第1発明及び第2発明では、表面が金属で構成されているが、表面を荒らすことにより金属的な光沢がなくなり、金属の色のついた粒子となる。特にアルミニウムや銀など色味のつかない金属で構成することで、表面は金属でも白色粒子になる。
【0009】
本発明の第1発明の好適例としては、金属粒子が中空であることがある。この場合は、金属粒子の軽量化を図ることができるため好ましい。また、本発明の第1発明及び第2発明に共通する好適例としては、正反射成分が8%以下であり、かつ、全反射率が70%以上であること、表面の凹凸の平均表面粗さRaが0.02〜1μmであること、平均粒子径d(0.5)が0.1〜50μmであること、がある。いずれの場合も本発明を好適に実施することができる。
【0010】
また、本発明の白色粉流体は、上述した構成の白色粒子を用いたことを特徴とするものである。さらに、本発明の画像表示装置は、少なくとも一方が透明な対向する基板間に粒子を封入し、粒子に電界を与えて粒子を移動させ画像を表示する画像表示装置において、粒子の少なくとも1種類として上述した構成の白色粒子または上述した構成の白色粉流体を用いたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の白色粒子及び白色粉流体を用いた画像表示装置の構成について説明する。本発明の画像表示装置では、対向する基板間に粒子を封入した画像表示用パネルに何らかの手段でその基板間に電界が付与される。高電位の基板部位に向かっては低電位に帯電した粒子がクーロン力などによって引き寄せられ、また低電位の基板部位に向かっては高電位に帯電した粒子がクーロン力などによって引き寄せられ、それら粒子が2枚の基板間を往復運動することにより、画像表示がなされる。従って、粒子が、均一に移動し、かつ、繰り返し時あるいは保存時の安定性を維持できるように、画像表示用パネルを設計する必要がある。ここで、粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極との電気影像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。以上の構成は粉流体を用いた場合も同様である。
【0012】
本発明の画像表示装置で用いる画像表示用パネルは、2種以上の色の異なる粒子3(図1参照、ここでは白色粒子3Wと黒色粒子3Bを示す)を基板1、2と垂直方向に移動させることによる表示方式に用いるパネルと、1種の色の粒子3W(図2参照)を基板1、2と平行方向に移動させることによる表示方式に用いるパネルとのいずれへも適用できる。表示のためのパネル構造例を図3に示す。なお、図1〜図3において、4は必要に応じて設ける隔壁、5、6は粒子3に電界を与えるための電極である。以上の説明は、白色粒子3Wを白色粉流体に、黒色粒子3Bを黒色粉流体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することができる。
【0013】
本発明の特徴は、粒子のうち白色粒子3Wとその白色粒子3Wを利用した白色粉流体に関する。以下、白色粒子と白色粉流体について説明する。
【0014】
まず、本発明の第1発明及び第2発明となる白色粒子について説明する。
白色粒子3Wの第1発明は、表面に微細な凹凸を持った金属粒子から構成されている。金属粒子は中実であっても中空であっても良いが、中空の粒子の方がより軽量に作製することができる点で好ましい。また、白色粒子3Wの第2発明は、表面を金属でコーティングされた樹脂粒子であり、その表面に微細の凹凸を持つ粒子から構成されている。いずれの例においても、金属材料としては、アルミニウム、銀、金、チタン、ニッケル、鉄、クロム及びこれらの合金を使用することができる。
【0015】
製造方法としては、第1発明に係る白色粒子では、金属粒子とダイアモンドスラリーとを混ぜ合わせ、撹拌することで、表面に微細の凹凸を持つ所定の白色粒子を得ることができる。第2発明に係る白色粒子では、従来から用いられている樹脂粒子の表面に、蒸着、スパッタ、メッキ等の方法で金属をコーティングすることで、表面に微細な凹凸を持つ所定の白色粒子を得ることができる。また、表面の微細な凹凸は、上述した製造方法のように機械的な処理方法をとることもでき、更には、酸やアルカリ溶液を使用した化学的な処理方法(ウェット処理)等をとることもできる。
【0016】
第1発明及び第2発明のいずれにおいても、正反射成分が8%以下であり、かつ、全反射率が70%以上であることが好ましい。正反射成分とは鏡のような反射のことで、これが大きすぎるとペーパーライクな表示にならないため、正反射成分は8%以下であることが好ましい。また、全反射率と輝度率とは相関関係があり、全反射率が小さくなると輝度率も小さくなるため、全反射率は70%以上であることが好ましい。また、表面の凹凸の平均表面粗さRaが0.02〜1μmであることが好ましい。この範囲が好ましいのは、Raが0.02μm未満であると光の乱反射が起こらなくなり正反射率が大きくなり結果としてペーパーライクな表示にならず、また、Raが1μmを超えると不均一な乱反射によるギラツキ感が出てしまうためである。さらに、白色粒子の平均粒子径d(0.5)が0.1〜50μmであることが好ましい。
【0017】
また、粒子は球形であることが好ましい。
本発明では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
【0018】
さらに、各粒子の平均粒子径d(0.5)を、0.1〜50μmとすることが好ましい。この範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きすぎるために粒子の移動に支障をきたすようになる。
さらにまた、各粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子のd(0.5)に対する最小径を有する粒子のd(0.5)の比を50以下、好ましくは10以下とすることが肝要である。
たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近く、互いの粒子が等量づつ反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
【0019】
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mail理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
【0020】
本発明の特徴は、上述した粒子のうち白色粒子に関し、表面に微細な凹凸を持った金属粒子から構成することにより、あるいは、表面が金属でコーティングされた樹脂粒子であり、その表面に微細の凹凸を持つ粒子から構成することにより白色の輝度率を向上させて良好な画像表示を可能にする点にある。
【0021】
次に、本発明の第3発明となる白色粉流体について説明する。
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
【0022】
すなわち、本発明における粉流体は、液晶(液体と固体の中間相)の定義と同様に、粒子と液体の両特性を兼ね備えた中間的な状態で、先に述べた粒子の特徴である重力の影響を極めて受け難く、高流動性を示す特異な状態を示す物質である。このような物質はエアロゾル状態、すなわち気体中に固体状もしくは液体状の物質が分散質として安定に浮遊する分散系で得ることができ、本発明の画像表示装置で固体状物質を分散質とするものである。
【0023】
本発明の対象となる画像表示装置は、少なくとも一方が透明な、対向する基板間に、気体中に固体粒子が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体を封入するものであり、このような粉流体は、低電圧の印加でクーロン力などにより容易に安定して移動させることができる。
【0024】
粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の画像表示装置では、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
【0025】
エアロゾル状態の範囲は、粉流体の最大浮遊時の見かけ体積が未浮遊時の2倍以上であることが好ましく、更に好ましくは2.5倍以上、特に好ましくは3倍以上である。上限は特に限定されないが、12倍以下であることが好ましい。
粉流体の最大浮遊時の見かけ体積が未浮遊時の2倍より小さいと表示上の制御が難しくなり、また、12倍より大きいと粉流体を装置内に封入する際に舞い過ぎてしまうなどの取扱い上の不便さが生じる。なお、最大浮遊時の見かけ体積は次のようにして測定される。すなわち、粉流体が透過して見える密閉容器に粉流体を入れ、容器自体を振動或いは落下させて、最大浮遊状態を作り、その時の見かけ体積を容器外側から測定する。具体的には、直径(内径)6cm、高さ10cmのポリプロピレン製の蓋付き容器(商品名アイボーイ:アズワン(株)製)に、未浮遊時の粉流体として1/5の体積相当の粉流体を入れ、振とう機に容器をセットし、6cmの距離を3往復/secで3時間振とうさせる。振とう停止直後の見かけ体積を最大浮遊時の見かけ体積とする。
【0026】
また、本発明の粉流体の見かけ体積の時間変化が次式を満たすものが好ましい。
10/V>0.8
ここで、Vは最大浮遊時から5分後の見かけ体積(cm)、V10は最大浮遊時から10分後の見かけ体積(cm)を示す。なお、本発明の画像表示装置は、粉流体の見かけ体積の時間変化V10/Vが0.85よりも大きいものが好ましく、0.9よりも大きいものが特に好ましい。V10/Vが0.8以下の場合は、通常のいわゆる粒子を用いた場合と同様となり、本発明のような高速応答、耐久性の効果が確保できなくなる。
【0027】
また、粉流体を構成する粒子物質の平均粒子径d(0.5)は、好ましくは0.1−20μm、更に好ましくは0.5−15μm、特に好ましくは0.9−8μmである。0.1μmより小さいと表示上の制御が難しくなり、20μmより大きいと、表示はできるものの隠蔽率が下がり装置の薄型化が困難となる。なお、粉流体を構成する粒子物質の平均粒子径d(0.5)は、次の粒子径分布Spanにおけるd(0.5)と同様である。
本発明の第3発明に係る白色粉流体では、第1発明及び第2発明として説明した白色粒子を構成物質の一部とするが、白色粒子単独で使用する場合の平均粒子径の範囲と粉流体の構成物質として使用する場合の白色粒子の平均粒子径の範囲とは、若干異なっている。
【0028】
粉流体を構成する粒子物質は、下記式に示される粒子径分布Spanが5未満であることが好ましく、更に好ましくは3未満である。
粒子径分布Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
ここで、d(0.5)は粉流体を構成する粒子物質の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粉流体を構成する粒子物質の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粉流体を構成する粒子物質が90%である粒子径をμmで表した数値である。粉流体を構成する粒子物質の粒子径分布Spanを5以下とすることにより、サイズが揃い、均一な粉流体移動が可能となる。
【0029】
なお、以上の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粉流体にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。この粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られる。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粉流体を投入し、付属の解析ソフト(Mail理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、測定を行うことができる。
【0030】
また、粉流体の充填量については、粉流体の体積占有率が、対向する基板間の空隙部分の10〜80vol%、好ましくは10〜65vol%、更に好ましくは10〜55vol%になるように調整することが好ましい。粉流体の体積占有率が、10vol%より小さいと鮮明な画像表示が行えなくなり、80vol%より大きいと粉流体が移動しにくくなる。ここで、空間体積とは、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、隔壁4の占有部分、装置シール部分を除いた、いわゆる粉流体を充填可能な体積を指すものとする。
【0031】
次に、基板について述べる。
基板1、基板2の少なくとも一方は装置外側から粒子や粉流体の色が確認できる透明基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。可とう性の有無は用途により適宜選択され、例えば、電子ペーパー等の用途には可とう性のある材料、携帯電話、PDA、ノートパソコン類の携帯機器表示等の用途には可とう性のない材料が用いられる。
【0032】
基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネートなどのポリマーシートや、ガラス、石英などの無機シートが挙げられる。
基板厚みは、2〜5000μm、好ましくは5〜1000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、厚すぎると、表示機能としての鮮明さ、コントラストの低下が発生し、特に、電子ペーパー用途の場合には可とう性に欠ける。
【0033】
基板には、必要に応じて電極を設けても良い。
基板に電極を設けない場合は、基板外部表面に静電潜像を与え、その静電潜像に応じて発生する電界にて、所定の特性に帯電した色のついた粒子あるいは粉流体を基板に引き寄せあるいは反発させることにより、静電潜像に対応して配列した粒子あるいは粉流体を透明な基板を通して表示装置外側から視認する。なお、この静電潜像の形成は、電子写真感光体を用い通常の電子写真システムで行われる静電潜像を本発明の画像表示装置の基板上に転写形成する、あるいは、イオンフローにより静電潜像を基板上に直接形成する等の方法で行うことができる。
【0034】
基板に電極を設ける場合は、電極部位への外部電圧入力により、基板上の各電極位置に生じた電界により、所定の特性に帯電した色の粒子あるいは粉流体が引き寄せあるいは反発させることにより、静電潜像に対応して配列した粒子あるいは粉流体を透明な基板を通して表示装置外側から視認する方法である。
電極は、透明かつパターン形成可能である導電性材料で形成され、例示すると、酸化インジウム、アルミニウムなどの金属類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が挙げられ、真空蒸着、塗布などの形成手法が例示できる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障なければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
【0035】
次に、隔壁について説明する。
本発明の隔壁の形状は、表示にかかわる粒子のサイズあるいは粉流体のサイズにより適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は10〜1000μm、好ましくは10〜500μmに、隔壁の高さは10〜5000μm、好ましくは10〜500μmに調整される。
また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法と、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられるが、本発明はどちらにも適用できる。
これらリブからなる隔壁により形成される表示セルは、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状が例示される。
表示側から見える隔壁断面部分に相当する部分(表示セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、画像表示の鮮明さが増す。
【0036】
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、感光体ペースト法、アディティブ法が挙げられる。
【0037】
なお、本発明の画像表示装置は、ノートパソコン、PDA、携帯電話などのモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞などの電子ペーパー、看板、ポスター、黒板などの掲示板、コピー機、プリンター用紙代替のリライタブルペーパー、電卓、家電製品の表示部、ポイントカードなどのカード表示部などに用いられる。
【0038】
【実施例】
次に実施例を示して、本発明を更に具体的に説明する。但し本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
【0039】
<実施例1(粒子の第1発明)>
平均粒子径が5μmのアルミニウム粒子と粒子径が0.05μm、0.2μm、1μmのダイアモンドスラリーを混ぜ合わせ、撹拌することでRa0.3μmの白色粒子が得られた。これを略一層分黒く塗装したガラス上に散布し、正反射成分を測定したところ3%であった。また、全反射率は75%であった。さらに輝度率は60%であり、白色粒子として高い輝度率を示すことが判った。
ここで、正反射成分は、JIS Z8741記載の45度鏡面光沢の測定方法による。また、全反射率は、JIS Z8722記載の幾何学的条件d(n−D)で測定した。さらに、輝度率はEIAJ ED−2523記載の標準構成Aに則って測定した。照明光源はD65であった。
【0040】
<実施例2(粒子の第2発明)>
平均粒子径が5μmのポリカーボネート樹脂と粒子径が0.05μm、0.2μm、1μmのダイアモンドスラリーを混ぜ合わせ、撹拌した。これにアルミニウムをスパッタでコーティングすることでRa0.5μmの白色粒子が得られた。これを略一層分黒く塗装したガラス上に散布し、実施例1と同様にして、正反射成分を測定したところ5%であった。また、全反射率は80%であった。さらに輝度率は65%であり、白色粒子として高い輝度率を示すことが判った。
【0041】
<比較例1(粒子)>
アクリル樹脂100重量部と平均粒子径200nmの酸化チタン20重量部を混練りしたものを粉砕分級して、平均粒子径が4〜8μmの粒子を得た。これを実施例1と同様にして測定したところ、正反射率は3%であった。また、全反射率は50%であった。さらに輝度率は40%であった。
【0042】
<実施例3(粉流体)>
白色粉流体を以下のようにして作製した。平均粒子径が5μmのアルミニウム粒子と平均粒子径が0.05μm、0.2μm、1μmのダイヤモンドスラリーを混ぜ合わせ、撹拌することでRa0.3μmの白色粒子を作製した後、ハイブリダイザー装置(奈良機械製作所(株)製)を用いて、これらの粒子に外添剤A(シリカH2000/4、ワッカー社製)と外添剤B(シリカSS20、日本シリカ社製)を投入し、4800回転で5分間処理し、外添剤を、白色粒子表面に固定化し、白色粉流体になるように調整した。
これを実施例1と同様にして測定したところ、正反射率は3%であった。また、全反射率は78%であった。さらに輝度率は62%であり、白色粉流体として高い輝度率を示すことが判った。
【0043】
<実施例4(粉流体)>
白色粉流体を以下のようにして作製した。平均粒子径が5μmのポリカーボネート樹脂と平均粒子径が0.05μm、0.2μm、1μmのダイヤモンドスラリーを混ぜ合わせ、撹拌した後、アルミニウムをスパッタでコーティングすることでRa0.3μmの白色粒子を作製した後、ハイブリダイザー装置(奈良機械製作所(株)製)を用いて、これらの粒子に外添剤A(シリカH2000/4、ワッカー社製)と外添剤B(シリカSS20、日本シリカ社製)を投入し、4800回転で5分間処理し、外添剤を、白色粒子表面に固定化し、白色粉流体になるように調整した。
これを実施例1と同様にして測定したところ、正反射率は4%であった。また、全反射率は83%であった。さらに輝度率は62%であり、白色粉流体として高い輝度率を示すことが判った。
【0044】
<比較例2(粉流体)>
アクリル樹脂100重量部と平均粒子径200nmの酸化チタン20重量部を混練りしたものを粉砕分級して、平均粒子径が4〜8μmの白色粒子を作製した後、ハイブリダイザー装置(奈良機械製作所(株)製)を用いて、これらの粒子に外添剤A(シリカH2000/4、ワッカー社製)と外添剤B(シリカSS20、日本シリカ社製)を投入し、4800回転で5分間処理し、外添剤を、白色粒子表面に固定化し、白色粉流体になるように調整した。
これを実施例1と同様にして測定したところ、正反射率は3%であった。また、全反射率は53%であった。さらに輝度率は42%であった。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、白色粒子を、表面に微細な凹凸を持った金属粒子で構成するか、または、表面を金属でコーティングされた樹脂粒子であり、その表面に微細の凹凸を持つ粒子から構成しているため、薄い粒子層でも透過してしまう光が減り、後方散乱が大きく白色の輝度率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となる画像表示装置における表示方式の一例を示す図である。
【図2】本発明の対象となる画像表示装置における表示方式の他の例を示す図である。
【図3】本発明の対象となる画像表示装置におけるパネル構造の一例を示す図である。
【符号の説明】
1、2 基板
3W 白色粒子
3B 黒色粒子
4 隔壁(リブ)
5、6 電極

Claims (8)

  1. 少なくとも一方が透明な対向する基板間に粒子を封入し、粒子に電界を与えて粒子を移動させ画像を表示する画像表示装置に用いる白色粒子であって、表面に微細な凹凸を持った金属粒子から構成したことを特徴とする白色粒子。
  2. 金属粒子が中空である請求項1に記載の白色粒子。
  3. 少なくとも一方が透明な対向する基板間に粒子を封入し、粒子に電界を与えて粒子を移動させ画像を表示する画像表示装置に用いる白色粒子であって、表面が金属でコーティングされた樹脂粒子であり、その表面に微細の凹凸を持つことを特徴とする白色粒子。
  4. 正反射成分が8%以下であり、かつ、全反射率が70%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の白色粒子。
  5. 表面の凹凸の平均表面粗さRaが0.02〜1μmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の白色粒子。
  6. 平均粒子径d(0.5)が0.1〜50μmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の白色粒子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の白色粒子を用いたことを特徴とする白色粉流体。
  8. 少なくとも一方が透明な対向する基板間に粒子を封入し、粒子に電界を与えて粒子を移動させ画像を表示する画像表示装置において、粒子の少なくとも1種類として請求項1〜6のいずれか1項に記載の白色粒子または請求項7に記載の白色粉流体を用いたことを特徴とする画像表示装置。
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