JP2006201598A - 情報表示用パネルの製造方法および情報表示用パネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、少なくとも1種類の粒子から構成される少なくとも1種類以上の光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、表示媒体を基板間に充填するにあたって、表示媒体を帯電させて供給する表示媒体帯電供給工程と、帯電させた表示媒体を平坦面上に1層整列載置する表示媒体1層整列工程と、平坦面上に1層整列載置させた表示媒体の中から所定電界の付与によって移動する表示媒体用粒子を基板上に移動させて充填する表示媒体電界移動充填工程と、を有する。
【選択図】図4
Description
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは粒子群から成る白色表示媒体3Wと粒子群から成る黒色表示媒体3Bを示す)を、基板1、2の外部から加えられる電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図1(b)に示す例では、図1(a)に示す例に加えて、基板1、2の間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。
図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは粒子群から成る白色表示媒体3Wと粒子群から成る黒色表示媒体3Bを示す)を、基板1に設けた電極5と基板2に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図2(b)に示す例では、図2(a)に示す例に加えて、基板1、2の間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。
図3(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される1種類の光学的反射率および帯電性を有する表示媒体3(ここでは粒子群から成る白色表示媒体3Wを示す)を、基板1上に設けた電極5と電極6との間に電圧を印加させることにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させ、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、電極6または基板1の色を観察者に視認させて電極6または基板1の色の表示を行っている。なお、図3(b)に示す例では、図3(a)に示す例に加えて、基板1、2の間に例えば格子状の隔壁4を設けセルを形成している。
以上の説明は、粒子群から成る白色表示媒体3Wを粉流体から成る白色表示媒体に、粒子群から成る黒色表示媒体3Bを粉流体から成る黒色表示媒体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することができる。
図4では、図示しない搬送装置によって搬送される搬送ベルト12上には、表示媒体供給装置11から搬送ベルト12上に形成される平坦面(平板)12a上に表示媒体用粒子13を供給して、搬送ベルト12の進行方向(左向き矢印で示されている)先方に配置されたドクターブレード14の下部に形成された隙間を通過する際に表示媒体用粒子13を摩擦帯電させることにより、表示媒体用粒子を帯電させて供給する表示媒体帯電供給工程と、帯電した表示媒体用粒子13を平坦面12a上に1層厚に整列配置させる表示媒体1層整列工程とが区分されずに設けられており、さらに、搬送ベルト12の進行方向先方(ドクターブレード14の左側)には、平坦面12a上に1層整列載置させた表示媒体用粒子13の中から所定電界の付与によって移動する表示媒体用粒子13を基板(パネル基板)上に移動させて充填する表示媒体電界移動充填工程が設けられている。この表示媒体電界移動充填工程においては、平坦面12a上に整列載置させた表示媒体用粒子13に所定の電界を付与するための電極15,16が、電極15は平坦面12aの上方に配置したパネル基板の裏側に設置され、電極16は表示媒体用粒子13を整列載置させた平坦面12aの裏側に設置されている。電極15,16間に所定の電界を付与したとき、所定の電界で移動できる表示媒体用粒子のみが図示のように基板側(隔壁によって形成されるセル内)へ移動して充填される。なお、所定の電界の付与によって移動しなかった表示媒体用粒子は、搬送ベルト12の進行方向のさらに先方に設置された粒子回収工程(図示せず)で回収され、リサイクル使用される。
さらに、図4、図5、図6のいずれにおいても、表示媒体電界移動充填工程においてパネル基板の裏側に設置する電界発生用の電極の代わりに、パネル基板に情報表示用電極として予め設けられた電極を用いることもできる。
本発明に表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
この空隙部分とは、図1(a),(b)〜図3(a),(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(基板内側に電極を設けた場合)、表示媒体(粒子群あるいは粉流体)3の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
対向する基板間の空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
実施例および比較例では、表示媒体として、帯電特性の異なる白黒2色の粒子群(粒子群A、粒子群B)を用いた。
粒子群Aは、アクリルウレタン樹脂EAU53B(亜細亜工業(株)製)/IPDI系架橋剤エクセルハードナーHX(亜細亜工業(株)製)にカーボンブラック(MA100 三菱化学(株))4重量部、荷電制御剤ボントロンN07(オリエント化学(株)製)2重量部を添加し、混練り後、ジェットミルにて粉砕し、さらにハイブリダイザー装置(奈良機械製作所(株)製)を用いて機械的衝撃力を加えて略球状としてから分級して作製した。作製された粒子群Aは、平均粒子径が9.1μmで、略球状で負帯電性の黒色粒子群であった。
粒子群Bは、ターシャリーブチルメタクリレ−トモノマー80重量部およびメタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチルモノマ−20重量部に0.5重量部のAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を溶解し、カップリング剤処理して親油性とした酸化チタン20重量部を分散させて得られた液を、10倍量の0.5%界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)水溶液に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニュ−マチック工業)を用いて作製した。作製された粒子群Bは、平均粒子径が8.5μmで、正帯電性の球状白色粒子であり、これを粒子群Bとした。
下記実施例1〜3および比較例1、2に記載した情報表示用パネルを情報表示装置に組み込み、80Vの電圧を印加して、白ベタ画像表示と黒ベタ画像表示とを書き換えてそれぞれのベタ画像の光学濃度を反射画像濃度計(Macbeth社製 RD918)にて測定し、そのコントラスト(黒ベタ画像表示時反射濃度/白ベタ画像表示時反射濃度)を測定し、コントラストの良否で評価した。
ITO電極付きガラス製透明基板(7cm×7cm□)を準備し、一方の基板上に高さ50μmのリブを作り、四角形、格子状配置の隔壁を形成した。
隔壁の形成は次のように行った。感光性フィルムであるニチゴーモートン社製ドライフィルムフォトレジストNIT250をITO付ガラス上にラミネートし、露光、現像により、所望とするライン30μm、スペース320μm、ピッチ350μmの隔壁を形成した。
もう一方の基板としては、ITO電極付きガラス製透明基板(7cm×7cm□)を準備した。
まず、粒子群Aを、
(1)粒体帯電散布装置(例えば図5に示す表示媒体帯電散布装置)を用いて、平坦面上に粒子群が1層を形成するように散布整列させ、
(2)次に、1層の粒子群を整列させた平坦面が下になり、粒子群を充填する基板が上になるように、表示媒体電界移動工程に設置された2つの電極間に配置し、
(3)前記電極間に電界を発生させて、平坦面上に1層散布整列した粒子群の内、掛けた電界で移動するものだけを上方に飛翔移動させ、上方に配置した基板のセル内に所定量を充填した。
続いて、粒子群Bについても、上記(1)〜(3)に記載した手順に従い、先に粒子群Aが充填された基板のセル内に、粒子群Aに重ねて、所定量を充填した。
上記充填工程では、粒子群Aおよび粒子群Bの充填配置量は同体積量ずつとし、2枚の基板を貼り合わせてできる基板間に対する双方の粒子群が合わさった体積占有率が25vol%となるように調整した。
次に、粒子群がセル内に充填配置された基板と、もう一方の基板とを互いに重ね合わせ、基板周辺の外周部分をエポキシ系接着剤にて接着し、シールして表示媒体(粒子群Aおよび粒子群B)を封入し、情報表示用パネルを作製した。
1層の粒子群を整列させた平坦面から粒子群を基板のセル内に移動させて充填する工程を、平坦面の裏側に設置した電極と、予め基板に形成されたITO電極との間に発生させた電界によって行ったこと以外は、実施例1と同様にして情報表示用パネルを作製した。
粒子群Aと粒子群Bとを充填する順番を逆にしたこと以外は、実施例1と同様にして情報表示用パネルを作製した。
粒体帯電散布装置を用いて、隔壁が形成された基板上に直接粒子群A、粒子群Bの順番で所定量の表示媒体(粒子群Aおよび粒子群B)を散布して、基板のセル内に充填したこと以外は、実施例1と同様にして情報表示用パネルを作製した。すなわち、実施例1〜3で用いた表示媒体電界移動充填工程は用いずに、表示媒体の充填を行って、情報表示用パネルを作製した。
粒体帯電散布装置を用いて、隔壁が形成された基板上に直接粒子群B、粒子群Aの順番(比較例1とは逆の順番)で所定量の表示媒体(粒子群Aおよび粒子群B)を散布して、基板のセル内に充填したこと以外は、実施例1と同様にして情報表示用パネルを作製した。すなわち、実施例1〜3で用いた表示媒体電界移動充填工程は用いずに、表示媒体の充填を行って、情報表示用パネルを作製した。
表示媒体用粒子を、本発明の電界移動充填工程で充填して作製した情報表示用パネルを用いた実施例1〜3の情報表示用パネルでは、黒ベタ表示画像においてはより黒っぽい表示画像濃度が得られ、白ベタ表示画像においてはより白っぽい表示画像濃度が得られる結果、3以上の良好なコントラストが得られた。
一方、表示媒体用粒子を、本発明の電界移動充填工程を用いないで充填して作製した情報表示用パネルを用いた比較例1、比較例2の情報表示用パネルでは、黒ベタ表示画像濃度においては黒っぽさが不十分であり、白ベタ表示画像濃度においては白っぽさが不十分であり、コントラストも不十分であった。
これらの結果から、実施例1〜3の情報表示用パネルでは、所定の電界で移動できる粒子群で構成した表示媒体を用いたので、黒ベタ画像表示時には白粒子は表示面側基板とは反対側の基板に移動して表示面側には残らず、白ベタ画像表示時には黒粒子は表示面側基板とは反対側の基板に移動して表示面側には残らないで均一な表示が行えるのに対して、比較例1、2の情報表示用パネルでは帯電させた粒子群の全てで構成した表示媒体を用いたために、同じ電界に対して移動しにくい粒子が移動しないで表示画像の一部として留まるので、黒ベタ画像表示時にも表示面側基板とは反対側の基板に移動できない白粒子が表示面側に残り、白ベタ画像表示時にも表示面側基板とは反対側の基板に移動できない黒粒子が表示面側に残るので、均一な表示が行えないことが確認された。
2 基板
3 表示媒体(粒子群、粉流体)
3W 白色表示媒体
3B 黒色表示媒体
4 隔壁
5 電極
6 電極
11 表示媒体供給装置
12 搬送ベルト
12a 平坦面(平板)
13 表示媒体用粒子
14 ドクターブレード
15,16 電極
17 表示媒体帯電供給(散布)装置
Claims (7)
- 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、少なくとも1種類の粒子から構成される少なくとも1種類以上の光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、表示媒体を基板間に充填するにあたって、
表示媒体を帯電させて供給する表示媒体帯電供給工程と、
帯電させた表示媒体を平坦面上に1層整列載置する表示媒体1層整列工程と、
平坦面上に1層整列載置させた表示媒体の中から所定電界の付与によって移動する表示媒体用粒子を基板上に移動させて充填する表示媒体電界移動充填工程と、
を有することを特徴とする情報表示用パネルの製造方法。 - 前記情報表示用パネルの製造方法において、前記表示媒体帯電供給工程および前記表示媒体1層整列工程は、表示媒体帯電散布装置を用いて構成することを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記情報表示用パネルの製造方法において、前記表示媒体帯電供給工程および前記表示媒体1層整列工程は、前記平坦面の表面とブレードとの間のギャップスペースに表示媒体を通すことによって構成することを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記情報表示用パネルの製造方法において、前記表示媒体電界移動充填工程は、基板の裏側に配置した電界形成用電極と、帯電した表示媒体を1層整列載置した平坦面の裏側に配置した電極との間に形成される電界によって構成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記情報表示用パネルの製造方法において、前記表示媒体電界移動充填工程は、基板上に情報表示用電極として予め設けた電極と、帯電した表示媒体を1層整列載置した平坦面の裏側に配置した電極との間に形成される電界によって構成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記表示媒体は粒子群または粉流体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法を用いて製造することを特徴とする情報表示用パネル。
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