JP2006201598A - 情報表示用パネルの製造方法および情報表示用パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】 移動性が同等な表示媒体用粒子を選択的に基板間に充填配置して、表示媒体を低電圧駆動でき、かつ、良好なコントラストが得られる情報表示用パネルを提供する。
【解決手段】 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、少なくとも1種類の粒子から構成される少なくとも1種類以上の光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、表示媒体を基板間に充填するにあたって、表示媒体を帯電させて供給する表示媒体帯電供給工程と、帯電させた表示媒体を平坦面上に1層整列載置する表示媒体1層整列工程と、平坦面上に1層整列載置させた表示媒体の中から所定電界の付与によって移動する表示媒体用粒子を基板上に移動させて充填する表示媒体電界移動充填工程と、を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、情報表示用パネルの製造方法および情報表示用パネルに関するものであり、特に、電界による力やクーロン力等によって表示媒体を移動させることで画像等の情報表示を繰り返し行うことができる可逆性情報表示用パネルの製造方法および可逆性情報表示用パネルに関するものである。
従来より、液晶(LCD)に代わる情報表示装置として、電気泳動方式、トナー(粒子)移動方式、エレクトロクロミック方式、サーマル方式、2色粒子回転方式等の技術を用いた情報表示装置が提案されている。
これら従来技術は、LCDと比較すると、通常の印刷物に近い広い視野角が得られる、消費電力が小さい、メモリ機能を有している等のメリットがあることから、次世代の安価な情報表示装置に使用可能な技術として考えられており、携帯端末用情報表示、電子ペーパー等への展開が期待されている。特に、最近では、分散粒子と着色溶液とから成る分散液をマイクロカプセル化し、これを対向する基板間に配置して成る電気泳動方式(例えば、非特許文献1参照)が提案され、期待が寄せられている。
しかしながら、電気泳動方式では、液中を粒子が泳動するために液の粘性抵抗により応答速度が遅くなるという問題がある。さらに、低比重の溶液中に酸化チタン等の高比重の粒子を分散させているため沈降しやすくなっており、分散状態の安定性維持が難しく、情報表示の繰り返し安定性に欠けるという問題を抱えている。また、マイクロカプセル化にしても、セルサイズをマイクロカプセルレベルにして、見かけ上、上述した欠点が現れにくくしているだけであって、本質的な問題は何ら解決されていない。
一方、溶液中での挙動を利用する電気泳動方式に対し、溶液を使わず、導電性粒子と電荷輸送層とを基板の一部に組み入れる方式も提案され始めている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この方式は、電荷輸送層、さらには電荷発生層を配置するために構造が複雑化するとともに、導電性粒子に電荷を一定に注入することは難しいため、安定性に欠けるという問題もある。
上述した種々の問題を解決するために、特に最近では、互いに異なる光学特性と帯電特性とを持つ2種類の表示媒体(粒子群等)を空気などの気体で満たした基板間に配置する方式も提案されている。このような乾式の表示媒体移動式表示方式の場合、表示媒体を駆動(移動)させるために基板内に電界を発生させる必要があるが、消費電力の低減を図るために、基板内に電界を発生させるために印加する電圧はできるだけ低電圧であることが望まれている。
上述したような乾式の表示媒体移動式表示方式に用いる情報表示用パネルでは、表示媒体を基板間に充填する方法として、ブレード等を用いて表示媒体を基板間に押し込むようにして充填したり、粒体散布装置や粒体帯電散布装置を用いて散布充填したりすることが行われていた。このようにして製造された従来の情報表示用パネルでは、基板間に充填配置された表示媒体において該表示媒体を構成する表示媒体用粒子の有する帯電性のばらつきに起因すると考えられる粒子移動性(移動しやすいか、移動しにくいか)に差があるため、表示媒体として充填した粒子の全てを駆動(移動)させるためには十分に大きい電界を付与しなければならず、表示媒体を駆動させる電界を発生させるために印加する電圧が高くなる問題が生じるとともに、一定の電圧を印加した場合に駆動する粒子と駆動しない粒子とが1種類の表示媒体の中に存在するために表示情報として良好なコントラストが得られなくなる問題が生じる。
本発明は、上記実情に鑑みて鋭意検討されたものであり、情報表示用パネルの基板間に表示媒体を充填配置するにあたって、少なくとも1種類の表示媒体を構成する表示媒体用粒子として、移動性が同等である表示媒体用粒子を選択的に基板間に充填配置する方法を提供することにより、低電圧で表示媒体を駆動でき、かつ、表示情報として良好なコントラストが得られる情報表示用パネルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の情報表示用パネルの製造方法は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、少なくとも1種類の粒子から構成される少なくとも1種類以上の光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、表示媒体を基板間に充填するにあたって、表示媒体を帯電させて供給する表示媒体帯電供給工程と、帯電させた表示媒体を平坦面上に1層整列載置する表示媒体1層整列工程と、平坦面上に1層整列載置させた表示媒体の中から所定電界の付与によって移動する表示媒体用粒子を基板上に移動させて充填する表示媒体電界移動充填工程と、を有することを特徴とする。
本発明の情報表示用パネルの製造方法の好適例としては、前記表示媒体帯電供給工程および前記表示媒体1層整列工程は、粒体帯電散布装置を用いて構成すること、前記表示媒体帯電供給工程および前記表示媒体1層整列工程は、前記平坦面の表面とブレードとの間のギャップスペースに表示媒体を通すことによって構成すること、前記表示媒体電界移動充填工程は、基板の裏側に配置した電界形成用電極と、帯電した表示媒体を1層整列載置した平坦面の裏側に配置した電極との間に形成される電界によって構成すること、前記表示媒体電界移動充填工程は、基板上に情報表示用電極として予め設けた電極と、帯電した表示媒体を1層整列載置した平坦面の裏側に配置した電極との間に形成される電界によって構成すること、および、前記表示媒体は粒子群または粉流体であること、がある。
本発明の情報表示用パネルは、請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の情報表示用パネルの製造方法を用いて製造することを特徴とする。
上記本発明の情報表示用パネルの製造方法によれば、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、少なくとも1種類の粒子から構成される少なくとも1種類以上の光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、表示媒体を基板間に充填するにあたって、表示媒体を帯電させて供給する表示媒体帯電供給工程と、帯電させた表示媒体を平坦面上に1層整列載置する表示媒体1層整列工程と、平坦面上に1層整列載置させた表示媒体の中から所定電界の付与によって移動する表示媒体用粒子を基板上に移動させて充填する表示媒体電界移動充填工程とを有するから、情報表示用パネルの基板間に表示媒体を充填配置する際には、少なくとも1種類の表示媒体を構成する表示媒体用粒子として、移動性が同等な表示媒体用粒子を選択的に基板間に充填配置できるようになる。したがって、表示媒体を駆動させる電界を発生させるために印加する電圧として一定の電圧を印加した場合に駆動する粒子と駆動しない粒子とが1種類の表示媒体の中に存在することがなく、電界に応じて駆動させたい全ての表示媒体を移動(駆動)させることができるようになるので、移動しにくい表示媒体用粒子を移動させるために必要な高電圧が不要となり、適正電圧で表示媒体を駆動できて、かつ、表示情報として良好なコントラストが得られる情報表示用パネルを製造できるようになる。また、本発明の情報表示用パネルの製造方法によって製造された情報表示用パネルは、表示媒体を低電圧で駆動可能な情報表示用パネルとして用いることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づき詳細に説明する。
まず、本発明の情報表示用パネルの構成について説明する。本発明の情報表示用パネルでは、対向する基板間に表示媒体を封入した情報表示用パネルの基板内に何らかの手段で電界が付与される。電界方向に従って帯電した表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体が電界方向の切換によって往復運動することにより、情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示書き換えを行う時あるいは表示情報保存時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極との電気影像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明の情報表示装置に適用可能な情報表示用パネルの例を、図1(a),(b)〜図3(a),(b)に基づき説明する。
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは粒子群から成る白色表示媒体3Wと粒子群から成る黒色表示媒体3Bを示す)を、基板1、2の外部から加えられる電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図1(b)に示す例では、図1(a)に示す例に加えて、基板1、2の間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。
図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは粒子群から成る白色表示媒体3Wと粒子群から成る黒色表示媒体3Bを示す)を、基板1に設けた電極5と基板2に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図2(b)に示す例では、図2(a)に示す例に加えて、基板1、2の間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。
図3(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される1種類の光学的反射率および帯電性を有する表示媒体3(ここでは粒子群から成る白色表示媒体3Wを示す)を、基板1上に設けた電極5と電極6との間に電圧を印加させることにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させ、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、電極6または基板1の色を観察者に視認させて電極6または基板1の色の表示を行っている。なお、図3(b)に示す例では、図3(a)に示す例に加えて、基板1、2の間に例えば格子状の隔壁4を設けセルを形成している。
以上の説明は、粒子群から成る白色表示媒体3Wを粉流体から成る白色表示媒体に、粒子群から成る黒色表示媒体3Bを粉流体から成る黒色表示媒体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することができる。
上述した情報表示用パネルを製造する方法として、本発明では、所定の電界によって移動する表示媒体用粒子を選択してパネルを構成する基板間に充填する方法を用いる点に特徴がある。すなわち、帯電させて整列させた粒子の有する帯電性にはばらつきがあるため、印加した所定電界に対して移動しやすい粒子と、移動しにくい粒子とが存在するので、全粒子の中から移動しやすい粒子のみを選択してパネル基板間に充填するものである。
図4〜図6はそれぞれ、本発明の情報表示用パネルの製造方法の一例を示す図である。
図4では、図示しない搬送装置によって搬送される搬送ベルト12上には、表示媒体供給装置11から搬送ベルト12上に形成される平坦面(平板)12a上に表示媒体用粒子13を供給して、搬送ベルト12の進行方向(左向き矢印で示されている)先方に配置されたドクターブレード14の下部に形成された隙間を通過する際に表示媒体用粒子13を摩擦帯電させることにより、表示媒体用粒子を帯電させて供給する表示媒体帯電供給工程と、帯電した表示媒体用粒子13を平坦面12a上に1層厚に整列配置させる表示媒体1層整列工程とが区分されずに設けられており、さらに、搬送ベルト12の進行方向先方(ドクターブレード14の左側)には、平坦面12a上に1層整列載置させた表示媒体用粒子13の中から所定電界の付与によって移動する表示媒体用粒子13を基板(パネル基板)上に移動させて充填する表示媒体電界移動充填工程が設けられている。この表示媒体電界移動充填工程においては、平坦面12a上に整列載置させた表示媒体用粒子13に所定の電界を付与するための電極15,16が、電極15は平坦面12aの上方に配置したパネル基板の裏側に設置され、電極16は表示媒体用粒子13を整列載置させた平坦面12aの裏側に設置されている。電極15,16間に所定の電界を付与したとき、所定の電界で移動できる表示媒体用粒子のみが図示のように基板側(隔壁によって形成されるセル内)へ移動して充填される。なお、所定の電界の付与によって移動しなかった表示媒体用粒子は、搬送ベルト12の進行方向のさらに先方に設置された粒子回収工程(図示せず)で回収され、リサイクル使用される。
一方、図5では、図示しない搬送装置によって搬送される搬送ベルト12上には、表示媒体帯電供給(散布)装置17から搬送ベルト12上に形成される平坦面(平板)12a上に表示媒体用粒子13を散布供給する際に、表示媒体用粒子13が摩擦帯電され、散布された平坦面12a上に1層厚に整列載置されることにより、表示媒体用粒子13を帯電させて供給する表示媒体帯電供給工程と、帯電した表示媒体用粒子13を平坦面12a上に1層厚に整列配置させる表示媒体1層整列工程とが区分されずに設けられている。なお、この後に続く工程は、上記図4で説明した内容と同一であるため、説明を省略する。
さらに、図6においては、図4に示した表示媒体帯電供給工程と、表示媒体1層整列工程と、表示媒体電界移動充填工程とを、2回連続的に実施して、白色表示媒体用粒子13Wおよび黒色表示媒体用粒子13Bをパネル基板に充填するようにしている。なお、連続的に実施する「白色表示媒体用粒子の表示媒体帯電供給工程、表示媒体1層整列工程および表示媒体電界移動充填工程」と、「黒色表示媒体用粒子の表示媒体帯電供給工程、表示媒体1層整列工程および表示媒体電界移動充填工程」とは、図6の例に限定されるものではなく、例えば、「白色表示媒体用粒子の表示媒体帯電供給工程、表示媒体1層整列工程および表示媒体電界移動充填工程」を図4に示した工程で行い、「黒色表示媒体用粒子の表示媒体帯電供給工程、表示媒体1層整列工程および表示媒体電界移動充填工程」を図5に示した工程で行ったり、あるいは、「白色表示媒体用粒子の表示媒体帯電供給工程、表示媒体1層整列工程および表示媒体電界移動充填工程」を図5に示した工程で行い、「黒色表示媒体用粒子の表示媒体帯電供給工程、表示媒体1層整列工程および表示媒体電界移動充填工程」を図4に示した工程で行ったり、あるいは、「白色表示媒体用粒子の表示媒体帯電供給工程、表示媒体1層整列工程および表示媒体電界移動充填工程」および「黒色表示媒体用粒子の表示媒体帯電供給工程、表示媒体1層整列工程および表示媒体電界移動充填工程」の両方を図5に示した工程で行ったりしてもよい。
さらに、図4、図5、図6のいずれにおいても、表示媒体電界移動充填工程においてパネル基板の裏側に設置する電界発生用の電極の代わりに、パネル基板に情報表示用電極として予め設けられた電極を用いることもできる。
本発明によれば、情報表示用パネルの基板間に表示媒体を充填配置する際には、少なくとも1種類の表示媒体を構成する表示媒体用粒子として、移動性が同等な表示媒体用粒子を選択的に基板間に充填配置できるようになるので、表示媒体を駆動させる電界を発生させるために印加する電圧として一定の電圧を印加した場合に駆動する粒子と駆動しない粒子とが1種類の表示媒体の中に存在することがなく、電界に応じて駆動させたい全ての表示媒体を移動(駆動)させることができるようになるため、移動しにくい表示媒体用粒子を移動させるために必要な高電圧が不要となり、適正電圧で表示媒体を駆動できて、かつ、表示情報として良好なコントラストが得られる情報表示用パネルを製造できるようになる。また、発明の情報表示用パネルの製造方法によって製造された情報表示用パネルは、表示媒体を低電圧で駆動可能な情報表示用パネルとして用いることができる。
以下、本発明の対象となる情報表示用パネルを構成する各部材について説明する。
基板については、少なくとも一方の基板は情報表示用パネル外側から表示媒体の色が確認できる透明な基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。もう一方の基板は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可とう性のあるもの、および、ガラス、石英などの可とう性のない無機シートが挙げられる。基板の厚みは、2〜5000μmが好ましく、さらに5〜2000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、5000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合がある。
情報表示用パネルの基板に電極を設ける場合の電極5,6の電極形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類やITO、酸化インジウム、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が例示され、適宜選択して用いられる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。多くの場合に表示面側基板に設ける電極は透明である必要があるが、背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能であり導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
必要に応じて基板に設ける隔壁4については、その形状は表示にかかわる表示媒体の種類により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。本発明では、いずれの方法も好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、図7に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、情報表示の鮮明さが増す。ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。このうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
次に、本発明の情報表示用パネルで表示媒体として用いる粉流体について説明する。なお、本発明の表示媒体としての粉流体の名称については、本出願人が「電子粉流体(登録商標):登録番号4636931」の権利を得ている。
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
すなわち、本発明における粉流体は、液晶(液体と固体の中間相)の定義と同様に、粒子と液体の両特性を兼ね備えた中間的な状態で、先に述べた粒子の特徴である重力の影響を極めて受け難く、高流動性を示す特異な状態を示す物質である。このような物質はエアロゾル状態、すなわち気体中に固体状もしくは液体状の物質が分散質として安定に浮遊する分散系で得ることができ、本発明の情報表示用パネルで固体状物質を分散質とするものである。
本発明の情報表示用パネルは、少なくとも一方が透明な、対向する基板間に、表示媒体として例えば気体中に固体粒子が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体を封入するものであり、このような粉流体は、低電圧の印加でクーロン力などにより容易に安定して移動させることができる。
本発明に表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
次に、本発明の情報表示用パネルにおいて表示媒体を構成する表示媒体用粒子(以下、粒子ともいう)について説明する。表示媒体用粒子は、そのまま該表示媒体用粒子だけで構成して表示媒体としたり、その他の粒子と合わせて構成して表示媒体としたり、粉流体となるように調整、構成して表示媒体としたりして用いられる。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適である。
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
また、本発明の粒子は平均粒子径d(0.5)が、0.1〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために粒子の移動に支障をきたすようになる。
更に本発明では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
さらにまた、各粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子のd(0.5)に対する最小径を有する粒子のd(0.5)の比を50以下、好ましくは10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近く、互いの粒子が当量ずつ反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
表示媒体用粒子の帯電量は当然その測定条件に依存するが、情報表示用パネルにおける表示媒体用粒子の帯電量はほぼ、初期帯電量、隔壁との接触、基板との接触、経過時間に伴う電荷減衰に依存し、特に表示媒体用粒子の帯電挙動の飽和値が支配因子となっているということが分かった。
本発明者らは鋭意検討の結果、ブローオフ法において同一のキャリア粒子を用いて、表示媒体に用いる粒子の帯電量測定を行うことにより、表示媒体用粒子の適正な帯電特性値の範囲を評価できることを見出した。
更に、本発明において粒子群や粉流体のような表示媒体を乾式の情報表示用パネルに用いる場合には、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下、更に好ましくは35%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、図1(a),(b)〜図3(a),(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(基板内側に電極を設けた場合)、表示媒体(粒子群あるいは粉流体)3の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
本発明の情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。
対向する基板間の空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
以下、本発明の実施例および比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例の情報表示用パネルは、下記の方法にて作製したものを、下記の基準に従い、評価した。
「表示媒体の準備」
実施例および比較例では、表示媒体として、帯電特性の異なる白黒2色の粒子群(粒子群A、粒子群B)を用いた。
粒子群Aは、アクリルウレタン樹脂EAU53B(亜細亜工業(株)製)/IPDI系架橋剤エクセルハードナーHX(亜細亜工業(株)製)にカーボンブラック(MA100 三菱化学(株))4重量部、荷電制御剤ボントロンN07(オリエント化学(株)製)2重量部を添加し、混練り後、ジェットミルにて粉砕し、さらにハイブリダイザー装置(奈良機械製作所(株)製)を用いて機械的衝撃力を加えて略球状としてから分級して作製した。作製された粒子群Aは、平均粒子径が9.1μmで、略球状で負帯電性の黒色粒子群であった。
粒子群Bは、ターシャリーブチルメタクリレ−トモノマー80重量部およびメタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチルモノマ−20重量部に0.5重量部のAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を溶解し、カップリング剤処理して親油性とした酸化チタン20重量部を分散させて得られた液を、10倍量の0.5%界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)水溶液に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニュ−マチック工業)を用いて作製した。作製された粒子群Bは、平均粒子径が8.5μmで、正帯電性の球状白色粒子であり、これを粒子群Bとした。
「情報表示用パネルの評価」
下記実施例1〜3および比較例1、2に記載した情報表示用パネルを情報表示装置に組み込み、80Vの電圧を印加して、白ベタ画像表示と黒ベタ画像表示とを書き換えてそれぞれのベタ画像の光学濃度を反射画像濃度計(Macbeth社製 RD918)にて測定し、そのコントラスト(黒ベタ画像表示時反射濃度/白ベタ画像表示時反射濃度)を測定し、コントラストの良否で評価した。
<実施例1>
ITO電極付きガラス製透明基板(7cm×7cm□)を準備し、一方の基板上に高さ50μmのリブを作り、四角形、格子状配置の隔壁を形成した。
隔壁の形成は次のように行った。感光性フィルムであるニチゴーモートン社製ドライフィルムフォトレジストNIT250をITO付ガラス上にラミネートし、露光、現像により、所望とするライン30μm、スペース320μm、ピッチ350μmの隔壁を形成した。
もう一方の基板としては、ITO電極付きガラス製透明基板(7cm×7cm□)を準備した。
次に、色および帯電特性の異なる2種類の粒子群(粒子群A、粒子群B)を、先に図6を用いて説明した工程と同様の工程で、順番に、隔壁が形成された基板のセル内に充填した。
まず、粒子群Aを、
(1)粒体帯電散布装置(例えば図5に示す表示媒体帯電散布装置)を用いて、平坦面上に粒子群が1層を形成するように散布整列させ、
(2)次に、1層の粒子群を整列させた平坦面が下になり、粒子群を充填する基板が上になるように、表示媒体電界移動工程に設置された2つの電極間に配置し、
(3)前記電極間に電界を発生させて、平坦面上に1層散布整列した粒子群の内、掛けた電界で移動するものだけを上方に飛翔移動させ、上方に配置した基板のセル内に所定量を充填した。
続いて、粒子群Bについても、上記(1)〜(3)に記載した手順に従い、先に粒子群Aが充填された基板のセル内に、粒子群Aに重ねて、所定量を充填した。
上記充填工程では、粒子群Aおよび粒子群Bの充填配置量は同体積量ずつとし、2枚の基板を貼り合わせてできる基板間に対する双方の粒子群が合わさった体積占有率が25vol%となるように調整した。
次に、粒子群がセル内に充填配置された基板と、もう一方の基板とを互いに重ね合わせ、基板周辺の外周部分をエポキシ系接着剤にて接着し、シールして表示媒体(粒子群Aおよび粒子群B)を封入し、情報表示用パネルを作製した。
<実施例2>
1層の粒子群を整列させた平坦面から粒子群を基板のセル内に移動させて充填する工程を、平坦面の裏側に設置した電極と、予め基板に形成されたITO電極との間に発生させた電界によって行ったこと以外は、実施例1と同様にして情報表示用パネルを作製した。
<実施例3>
粒子群Aと粒子群Bとを充填する順番を逆にしたこと以外は、実施例1と同様にして情報表示用パネルを作製した。
<比較例1>
粒体帯電散布装置を用いて、隔壁が形成された基板上に直接粒子群A、粒子群Bの順番で所定量の表示媒体(粒子群Aおよび粒子群B)を散布して、基板のセル内に充填したこと以外は、実施例1と同様にして情報表示用パネルを作製した。すなわち、実施例1〜3で用いた表示媒体電界移動充填工程は用いずに、表示媒体の充填を行って、情報表示用パネルを作製した。
<比較例2>
粒体帯電散布装置を用いて、隔壁が形成された基板上に直接粒子群B、粒子群Aの順番(比較例1とは逆の順番)で所定量の表示媒体(粒子群Aおよび粒子群B)を散布して、基板のセル内に充填したこと以外は、実施例1と同様にして情報表示用パネルを作製した。すなわち、実施例1〜3で用いた表示媒体電界移動充填工程は用いずに、表示媒体の充填を行って、情報表示用パネルを作製した。
以上の情報表示用パネルの評価結果を表1に示す。
表示媒体用粒子を、本発明の電界移動充填工程で充填して作製した情報表示用パネルを用いた実施例1〜3の情報表示用パネルでは、黒ベタ表示画像においてはより黒っぽい表示画像濃度が得られ、白ベタ表示画像においてはより白っぽい表示画像濃度が得られる結果、3以上の良好なコントラストが得られた。
一方、表示媒体用粒子を、本発明の電界移動充填工程を用いないで充填して作製した情報表示用パネルを用いた比較例1、比較例2の情報表示用パネルでは、黒ベタ表示画像濃度においては黒っぽさが不十分であり、白ベタ表示画像濃度においては白っぽさが不十分であり、コントラストも不十分であった。
これらの結果から、実施例1〜3の情報表示用パネルでは、所定の電界で移動できる粒子群で構成した表示媒体を用いたので、黒ベタ画像表示時には白粒子は表示面側基板とは反対側の基板に移動して表示面側には残らず、白ベタ画像表示時には黒粒子は表示面側基板とは反対側の基板に移動して表示面側には残らないで均一な表示が行えるのに対して、比較例1、2の情報表示用パネルでは帯電させた粒子群の全てで構成した表示媒体を用いたために、同じ電界に対して移動しにくい粒子が移動しないで表示画像の一部として留まるので、黒ベタ画像表示時にも表示面側基板とは反対側の基板に移動できない白粒子が表示面側に残り、白ベタ画像表示時にも表示面側基板とは反対側の基板に移動できない黒粒子が表示面側に残るので、均一な表示が行えないことが確認された。
Figure 2006201598
本発明の製造方法で作製した情報表示用パネルおよびそれを搭載した情報表示装置は、ノートパソコン、PDA、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板等の掲示板、電卓、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、電子POP、電子棚札、電子値札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部などに好適に用いられる。
(a),(b)は本発明の情報表示用パネルの一例を示す図である。 (a),(b)は本発明の情報表示用パネルの他の例を示す図である。 (a),(b)は本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を示す図である。 本発明の情報表示用パネルの製造方法の一例を示す図である。 本発明の情報表示用パネルの製造方法の一例を示す図である。 本発明の情報表示用パネルの製造方法の一例を示す図である。 本発明の情報表示用パネルにおける隔壁の形状の一例を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 基板
3 表示媒体(粒子群、粉流体)
3W 白色表示媒体
3B 黒色表示媒体
4 隔壁
5 電極
6 電極
11 表示媒体供給装置
12 搬送ベルト
12a 平坦面(平板)
13 表示媒体用粒子
14 ドクターブレード
15,16 電極
17 表示媒体帯電供給(散布)装置

Claims (7)

  1. 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、少なくとも1種類の粒子から構成される少なくとも1種類以上の光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、表示媒体を基板間に充填するにあたって、
    表示媒体を帯電させて供給する表示媒体帯電供給工程と、
    帯電させた表示媒体を平坦面上に1層整列載置する表示媒体1層整列工程と、
    平坦面上に1層整列載置させた表示媒体の中から所定電界の付与によって移動する表示媒体用粒子を基板上に移動させて充填する表示媒体電界移動充填工程と、
    を有することを特徴とする情報表示用パネルの製造方法。
  2. 前記情報表示用パネルの製造方法において、前記表示媒体帯電供給工程および前記表示媒体1層整列工程は、表示媒体帯電散布装置を用いて構成することを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネルの製造方法。
  3. 前記情報表示用パネルの製造方法において、前記表示媒体帯電供給工程および前記表示媒体1層整列工程は、前記平坦面の表面とブレードとの間のギャップスペースに表示媒体を通すことによって構成することを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネルの製造方法。
  4. 前記情報表示用パネルの製造方法において、前記表示媒体電界移動充填工程は、基板の裏側に配置した電界形成用電極と、帯電した表示媒体を1層整列載置した平坦面の裏側に配置した電極との間に形成される電界によって構成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法。
  5. 前記情報表示用パネルの製造方法において、前記表示媒体電界移動充填工程は、基板上に情報表示用電極として予め設けた電極と、帯電した表示媒体を1層整列載置した平坦面の裏側に配置した電極との間に形成される電界によって構成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法。
  6. 前記表示媒体は粒子群または粉流体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法を用いて製造することを特徴とする情報表示用パネル。
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