JP4925606B2 - 情報表示用パネルの製造方法 - Google Patents
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しかしながら、上記方法を用いて充填しようとする帯電した表示媒体を充填すべきセルに合せて予め整列させておいても、基板の位置と、表示媒体帯電供給装置(感光体ドラム等)の上に整列させた帯電した表示媒体との位置を合わせる基板位置制御が困難であるため、セルの位置ずれの問題が生じてしまい、表示媒体を充填する際にセル内のみならず隔壁にも表示媒体が載ってしまい、所定量の帯電した表示媒体をセル内に充填することができないという問題があった。また、上記基板位置制御を確実に行っても、基板を所望の位置に固定するために機械的基板固定装置(チャック等)で掴むような機械的固定方法を用いると、基板を掴むときにずれが生じてしまい、やはりセルの位置ずれの問題が生じてしまう。なお、上記セルの位置ずれの問題は、樹脂製のフィルム基板を用いて情報表示用パネルを作製する場合には特に顕著になる。
図1(a)、(b)に示す例では、それぞれが少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは粒子群からなる白色表示媒体3Wおよび粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、基板1、2の外部から加えられる電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図1(b)に示す例では、図1(a)に示す例に加えて、基板1、2の間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。
図2(a)、(b)に示す例では、それぞれが少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは粒子群からなる白色表示媒体3Wおよび粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、基板1に設けた電極5と基板2に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図2(b)に示す例では、図2(a)に示す例に加えて、基板1、2の間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。
図3(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電性を有する1種類の表示媒体3(ここでは粒子群からなる白色表示媒体3Wを示す)を、基板1上に設けた電極5と電極6との間に電圧を印加させることにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させ、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、電極6または基板1の色を観察者に視認させて電極6または基板1の色の表示を行っている。なお、図3(b)に示す例では、図3(a)に示す例に加えて、基板1、2の間に例えば格子状の隔壁4を設けセルを形成している。
以上の説明は、粒子群からなる白色表示媒体3Wを粉流体からなる白色表示媒体3Wに、粒子群からなる黒色表示媒体3Bを粉流体からなる黒色表示媒体3Bに、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することができる。
図4は本発明の情報表示用パネルの製造方法の一例を説明するための図である。図4に示す製造方法1では、まず、表示媒体帯電供給装置11から、帯電した表示媒体3(ここでは白色表示媒体)を、表示媒体担持ローラ12へ供給する(表示媒体帯電担持工程)。
次に、セルパターン帯電装置13により表示媒体整列供給ドラム14の表面に所定パターン(例えば、パネルの基板1上に隔壁4により形成されるセルのセルパターンに対応するパターン)を帯電形成し、感光体ドラム14の表面に表示媒体担持ローラ12で担持された表示媒体3を表示媒体担持ローラ12を回転させて供給することで、感光体ドラム14上の所定パターンに沿って表示媒体3を配列載置する(表示媒体配列工程)。
本発明の圧力式基板固定装置(真空チャック)15を構成する、パネル基板を圧力式にて固定する架台を図7(a),(b)に示す。該架台を介してパネル基板を吸引固定するために図7(a)に示す架台には、所定径(例えば0.5mm径)、所定ピッチ(例えばピッチ20mm)の穴が所定数(図示例では4個)設けてあり、図7(b)に示す架台は多孔質セラミック板を用いている。また、上記光学式位置決め装置19は、カメラ19aと、位置確認用センサ19bとから構成されている。
上述した表示媒体充填工程が終了した後、セル内に所定量の表示媒体3を充填した基板1に対して、もう一方の基板2を貼り合わせることで、情報表示用パネルを得ることができる(パネル貼り合わせ工程)。
図5は本発明の情報表示用パネルの製造方法の他の例を説明するための図である。図5に示す製造方法2では、まず、表示媒体帯電散布装置17から、帯電した表示媒体3(ここでは白色表示媒体)を、表示媒体担持ベルト18へ供給する(表示媒体帯電担持工程)。
次に、セルパターン帯電装置13により表示媒体整列供給ドラム14の表面に所定パターン(例えば、パネルの基板1上に隔壁4により形成されるセルのセルパターンに対応するパターン)を帯電形成し、感光体ドラム14の表面に表示媒体担持ベルト18で担持された表示媒体3を表示媒体担持ベルト18を回転させて供給することで、感光体ドラム14上の所定パターンに沿って表示媒体3を配列載置する(表示媒体配列工程)。
以下、製造方法1と同様に、表示媒体転写充填工程と、パネル貼り合わせ工程とを行うことで、情報表示用パネルを得ることができる。
図6は本発明の情報表示用パネルの製造方法の他の例を説明するための図である。図6に示す製造方法3では、まず、表示媒体帯電供給装置11から、帯電した表示媒体3(ここでは白色表示媒体)を、表示媒体担持ベルト18へ供給する(表示媒体帯電担持工程)。
次に、セルパターン帯電装置13により表示媒体整列供給ドラム14の表面に所定パターン(例えば、パネルの基板1上に隔壁4により形成されるセルのセルパターンに対応するパターン)を帯電形成し、感光体ドラム14の表面に表示媒体担持ベルト18で担持された表示媒体3を表示媒体担持ベルト18を回転させて供給することで、感光体ドラム14上の所定パターンに沿って表示媒体3を配列載置する(表示媒体配列工程)。
以下、製造方法1と同様に、表示媒体転写充填工程と、パネル貼り合わせ工程とを行うことで、情報表示用パネルを得ることができる。
本発明に表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
この空隙部分とは、図1(a),(b)〜図3(a),(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(基板内側に電極を設けた場合)、表示媒体(粒子群あるいは粉流体)3の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
乾式の情報表示用パネルとする場合、対向する基板間の空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
実施例、比較例では、表示媒体として、正帯電性の白色表示媒体用粒子で構成される白色表示媒体を用いた。
この白色表示媒体は、ターシャリーブチルメタクリレ−トモノマー80重量部およびメタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチルモノマ−20重量部に0.5重量部のAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を溶解し、カップリング剤処理して親油性とした酸化チタン20重量部を分散させて得られた液を、10倍量の0.5%界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)水溶液に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニュ−マチック工業)を用いて作製した。作製された白色表示媒体用粒子で構成される白色表示媒体は、平均粒子径が8.5μmで、帯電量が+10μC/g(正帯電)の白色表示媒体であった。
ガラス基板としては、ITO電極付きガラス製透明基板(7cm×7cm□)を準備し、一方の基板上に高さ50μmのリブを作り、四角形、格子状配置の隔壁を形成した。
隔壁の形成は次のように行った。感光性フィルムであるニチゴーモートン社製ドライフィルムフォトレジストNIT250をITO付ガラス上にラミネートし、露光、現像により、所望とするライン30μm、スペース320μm、ピッチ350μmの隔壁を形成した。
もう一方の基板には、ITO電極付きガラス製透明基板(7cm×7cm□)を準備した。
樹脂製フィルム基板としては、ITO電極付きポリエチレンテレフタレート樹脂製透明基板(7cm×7cm□)を準備し、一方の基板上に高さ50μmのリブを作り、四角形、格子状配置の隔壁を形成した。
隔壁の形成は次のように行った。感光性フィルムであるニチゴーモートン社製ドライフィルムフォトレジストNIT250をITO付ガラス上にラミネートし、露光、現像により、所望とするライン30μm、スペース320μm、ピッチ350μmの隔壁を形成した。
もう一方の基板には、ITO電極付きポリエチレンテレフタレート樹脂製透明基板(7cm×7cm□、厚み100μm)を準備した。
前述したガラス製基板を用いて、準備した白色表示媒体を図4に示した表示媒体充填工程、すなわち光学式位置決め装置19および圧力式基板固定装置(真空チャック)15を用いて、隔壁が形成された基板のセル内に充填した。その際、図7(a)に示したアルミ製の真空チャック式架台15を用いて、パネル基板をこの真空チャック式架台15に圧力式固定した状態で表示媒体の充填を行った。
次に、表示媒体がセル内に充填配置された基板ともう1枚の基板とを互いに重ね合わせ、基板周辺の外周部分をエポキシ系接着剤にて接着、シールして、表示媒体を封入した情報表示用パネルを作製した。
前述したフィルム基板を用いて、実施例1と同様にして表示媒体の充填を行った。
次に、表示媒体がセル内に充填配置された基板ともう1枚の基板とを互いに重ね合わせ、基板周辺の外周部分をエポキシ系接着剤にて接着、シールして、表示媒体を封入した情報表示用パネルを作製した。
前述したガラス製基板を用いて、準備した白色表示媒体を図4に示した表示媒体充填工程において圧力式基板固定装置(真空チャック)15を用いないで機械式チャックを用いて固定した状態で、隔壁が形成された基板のセル内に表示媒体を充填した。
次に、表示媒体がセル内に充填配置された基板ともう1枚の基板とを互いに重ね合わせ、基板周辺の外周部分をエポキシ系接着剤にて接着、シールして、表示媒体を封入した情報表示用パネルを作製した。
前述したフィルム基板を用いて、比較例1と同様にして表示媒体の充填を行った。
次に、表示媒体がセル内に充填配置された基板ともう1枚の基板とを互いに重ね合わせ、基板周辺の外周部分をエポキシ系接着剤にて接着、シールして、表示媒体を封入した情報表示用パネルを作製した。
表示媒体充填後の様子を実体顕微鏡を用いて観察して評価したところ、光学式位置決め装置19および圧力式基板固定装置(真空チャック)15を用いて基板を固定した状態で表示媒体の充填を行った実施例1、実施例2の情報表示用パネルは、情報表示用パネルの基板間の隔壁によって形成されたセル内に表示媒体を充填するにあたって、充填量の不足および偏りが発生することがなく、隔壁に表示媒体が付着することもなく、基板間の間隔を均一にできるようになり、良好なコントラストを有する表示状態が得られる情報表示用パネルとなった。
一方、機械的チャックを用いて基板を固定した状態で表示媒体の充填を行った比較例1、比較例2の情報表示用パネルは、機械的チャックで掴む際に基板固定位置がずれたり、フィルム基板の場合にはフィルム基板を掴む際にしわができたため、セルの位置ずれが起きてしまい、充填量の不足および偏りが発生したり、表示媒体が充填されていないセルがあったりした。
2 基板
3 表示媒体(粒子群、粉流体)
3W 白色表示媒体
3B 黒色表示媒体
4 隔壁
5 電極
6 電極
11 表示媒体帯電供給装置
12 表示媒体担持ローラ
13 セルパターン帯電装置
14 表示媒体整列供給ドラム
15 真空チャック式架台(圧力式基板固定装置)
16 転写装置
17 表示媒体帯電散布装置
18 表示媒体担持ベルト
19 光学式位置決め装置
19a カメラ
19b 位置確認用センサ
Claims (3)
- 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間の隔壁で形成されたセル内に、少なくとも1種類以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電性を有する少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法において、
表示媒体をセル内に充填する表示媒体充填工程を、光学式位置決め装置および圧力式基板固定装置を用いて、所定の位置に基板を固定した状態で実施することを特徴とする情報表示用パネルの製造方法。 - 前記圧力式基板固定装置が真空チャックであることを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記表示媒体が粒子群または粉流体であることを特徴とする請求項1または2に記載の情報表示用パネルの製造方法。
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