JP4667016B2 - 情報表示用パネルの製造方法 - Google Patents
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趙 国来、外3名、"新しいトナーディスプレイデバイス(I)"、1999年7月21日、日本画像学会年次大会(通算83回)"Japan Hardcopy’99"論文集、p.249-252
(2)位置決め後にもマスクがずれることがあった。
(3)基板同士の接合面となる隔壁頂上部に接着剤を塗布すると、接着剤が塗布部以外の隔壁側面(すなわちセル内)に流れ出すことがあった。
(4)また、隔壁頂上部に塗布された接着剤が、貼り合せ時の押し圧力によって、隔壁側面(すなわちセル内)にはみ出すことがあった。
(5)マスクのずれによる表示媒体充填の不具合、セル内への接着剤はみ出しによる表示媒体移動性の不具合により、情報表示用パネルの表示性能が損なわれていた。
本発明に表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
この空隙部分とは、図1〜図3において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6、表示媒体(粒子群あるいは粉流体)3の占有部分、隔壁4の占有部分、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
表示媒体に粒子群または粉流体を用いる場合、対向する基板間の空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
実施例、比較例では表示媒体として、帯電特性の異なる白黒2色の粒子群(粒子群A、粒子群B)を用いた。
粒子群Aは、アクリルウレタン樹脂EAU53B(亜細亜工業(株)製)/IPDI系架橋剤エクセルハードナーHX(亜細亜工業(株)製)にカーボンブラック(MA100 三菱化学(株))4重量部、荷電制御剤ボントロンN07(オリエント化学(株)製)2重量部を添加し、混練り後、ジェットミルにて粉砕し、さらにハイブリダイザー装置(奈良機械製作所(株)製)を用いて機械的衝撃力を加えて略球状としてから分級して作製した。作製された粒子群Aは、平均粒子径が9.1μm、略球状で負帯電性の黒色粒子群であった。
粒子群Bは、ターシャリーブチルメタクリレ−トモノマー80重量部とメタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチルモノマ−20重量部に0.5重量部のAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を溶解し、カップリング剤処理して親油性とした酸化チタン20重量部を分散させて得られた液を、10倍量の0.5%界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)水溶液に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニュ−マチック工業)を用いて作製した。作製された粒子群Bは、平均粒子径が8.5μmで正帯電性の球状白色粒子群であり、これを粒子群Bとした。
まず、ITO電極付きの透明なガラス基板(7cm×7cm□)を前面側基板および背面側基板として準備し、前面側基板に対して次のようにして隔壁(リブ)の形成を行った。
前面側基板については、ITO付ガラス上にそのまま感光性フィルムであるニチゴーモートン社製ドライフィルムフォトレジストNIT250をラミネートし、露光、現像により、所望とするライン幅30μm、スペース間隔320μm、ピッチ350μm、で頂上中央部分に凹部溝を有する高さ50μmの四角形状で格子状配置の隔壁を形成した。凹部溝は形成された隔壁に対してウェットブラスト法を用いて作製した。背面側基板については、ITO付ガラス基板をそのまま用いた。
まず、粒子群Aを第1の粒子群として隔壁を形成した基板の上に設置した散布用ノズルから散布してセル内に充填した。このとき、隔壁上にはセルに対応した開口部を有し、かつ、隔壁頂上中央部分に設けた凹部溝と嵌合する凸部を底面に有するマスクを前記凹部溝と凸部とが嵌合するように載せて、隔壁頂上への粒子群(表示媒体)付着を防止した。
続いて、粒子群Bを第2の粒子群として、上記と同様にして基板上のセル内(すでに粒子群Aが充填されている)に粒子群Aに重ねて充填した。
粒子群Aと粒子群Bの充填配置量は同体積量ずつとし、2枚の基板を貼り合わせてできる基板間に対する双方の粒子群が合わさった体積占有率が25vol%となるように調整した。次に、粒子群がセル内に充填配置された基板に設けた隔壁頂上にエポキシ系接着剤を塗布し、もう一方の基板を重ねて貼り合せ、さらに基板周辺の外周部分をエポキシ系接着剤にて接着、シールして粒子群を封入し、情報表示用パネルを作製した。
作製した情報表示用パネルを組み込んだ表示装置に、表示情報に対応するように電極に電圧を印加して白地に黒色表示した場合と、黒地に白色表示した場合とで、表示された情報画像の品質を目視にて観察して評価した。
隔壁頂上に設ける凹部を、幅10μm、深さ5μm、とし、粒子群(表示媒体)充填時に用いるマスク底面の凸部が、マスクを載せる隔壁頂上に設けた凹部の幅よりもやや狭く8μmとし、凹部に対してゆるやかに嵌合するものを用いて、前述した情報表示用パネルの作製方法にしたがって情報表示用パネルを作製し、評価した。結果を表1に示す。
粒子群(表示媒体)充填時に用いるマスク底面の凸部が、マスクを載せる隔壁頂上に設けた凹部の幅よりもやや狭く5μmとし、凹部に対して実施例1の場合よりもゆるやかに嵌合するものを用いて、前述した情報表示用パネルの作製方法にしたがって情報表示用パネルを作製し、評価した。結果を表1に示す。
隔壁頂上に設ける凹部を、幅10μm、深さ10μm、とした以外は実施例1と同様にして、前述した情報表示用パネルの作製方法にしたがって情報表示用パネルを作製し、評価した。結果を表1に示す。
隔壁の頂上に凹部を設けず、粒子群(表示媒体)充填時に用いるマスクに底面が平坦なものを用いた以外は、実施例1と同様の情報表示用パネルの作製方法にしたがって情報表示用パネルを作製し、評価した。結果を表1に示す。
粒子群(表示媒体)充填時に用いるマスクに底面が平坦なものを用いた以外は、実施例1と同様の情報表示用パネルの作製方法にしたがって情報表示用パネルを作製し、評価した。結果を表1に示す。
3 表示媒体(粒子群または粉流体)
3W 白色表示媒体
3B 黒色表示媒体
4 隔壁
5、6 電極
11 凹部
12 表示媒体充填用ノズル
13 開口部
14 凸部
21 表示媒体散布ノズル
22 容器
23 接着剤塗布ノズル
Claims (1)
- 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、該セル内に、光学的反射率および帯電性を有する少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルの製造方法であって、表示媒体を封入する前記セルを形成するために前記2枚の基板の少なくとも一方に設ける隔壁の少なくとも一方の頂上部に凹部を設け、前記隔壁によって仕切られた複数のセル内に表示媒体を充填するときに隔壁に載せる前記セルの開口部と対応する開口部を有するマスクであって、前記2枚の基板の少なくとも一方に設けた隔壁の少なくとも一方の頂上部に設けられた凹部と嵌合する凸部を底面に有する表示媒体充填用マスクを、前記隔壁頂上部に設けた凹部にその凸部を嵌合した状態で、前記隔壁頂上部に配置し、前記隔壁によって仕切られた複数のセル内に表示媒体を充填した後、前記凹部に接着剤を塗布して前記2枚の基板を貼り合せたことを特徴とする情報表示用パネルの製造方法。
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