以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(本実施形態に係る表示装置10の構成)
まず、本実施形態に係る表示装置10の構成を説明する。図1及び図2は、本実施形態に係る表示装置10の構成を示す側断面図である。図3は、本実施形態に係る表示装置10の構成を示す平断面図である。
本実施形態に係る表示装置10は、例えば、画像の保存及び書換えが可能な装置(具体的には、掲示板、回覧版、電子黒板、広告、看板、点滅標識、電子ペーパー、電子新聞、電子書籍、及び複写機・プリンタと共用できるドキュメントシートなど)として用いられるものである。具体的には、表示装置10は、粒子の電気泳動により画像を表示するものであり、図1、図2及び図3に示されるように、表示媒体12を備えている。
表示媒体12は、図1及び図2に示されるように、それぞれが電極を有し、互いが対向して配置された一対の基板の一例としての、表面基板20及び背面基板22を備えている。
本実施形態では、表面基板20が表示媒体12の画像表示面とされる。表面基板20は、支持基板38と、支持基板38の背面基板22に対する対向面38Aに形成された表面電極40と、を備えて構成されている。これにより、表面基板20の背面基板22に対する対向面21は、表面電極40によって構成される。また、表面基板20の対向面21は、図2に示されるように、後述の区画部材32が接合される接合面21Aと、後述の枠状部材42が接合される接合面21Bと、区画部材32及び枠状部材42が接合されない非接合面21Cとを備えて構成されている。
背面基板22は、表面基板20との間に間隙をもって表面基板20に対向配置されている。背面基板22は、支持基板44と、支持基板44の表面基板20に対する対向面44Aに形成された背面電極46と、を備えて構成されている。これにより、背面基板22の表面基板20に対する対向面23は、背面電極46によって構成される。また、背面基板22の対向面23は、後述の区画部材32が形成される形成面23Aと、後述の枠状部材42が形成される形成面23Bと、区画部材32及び枠状部材42が形成されない非形成面23Cとを備えて構成されている。
なお、表面電極40の表面には、表面電極40を保護する保護層が形成されていてもよい。同様に、背面電極46の表面には、背面電極46を保護する保護層が形成されていてもよい。この場合においては、表面基板20の対向面21及び背面基板22の対向面23は、保護層によって構成される。保護層としては、例えば、表面電極40(背面電極46)の腐食や、表面電極40(背面電極46)への水分の浸透を抑制する機能を有するものが用いられる。保護層としては、具体的には、SiO2、SiOx、Si3N4、SiNx等が用いられる。
表面基板20及び背面基板22のうち、少なくとも表面基板20は、透光性を有している。ここでいう透光性とは、可視光の透過率が60%以上であることを指している。
支持基板38及び支持基板44としては、例えば、ガラスや、プラスチック、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂等が用いられる。特に、透光性を有する基板(表面基板20、背面基板22)においては、ポリエチレンテレフタレート樹脂が用いられる。
なお、支持基板38及び支持基板44は、可撓性を有するものであっても良いし、可撓性を有しないものであっても良いが、表示媒体12がロールtoロール方式により製造される場合には、可撓性を有するものが選択される。
表面電極40及び背面電極46としては、例えば、インジウム・スズ・カドミウム・アンチモン等の酸化物、ITO等の複合酸化物、金・銀・銅・ニッケル等の金属、ポリピロールやポリチオフェン等の有機材料等が用いられる。これらの材料は、例えば、単層膜、混合膜あるいは複合膜として用いられる。また、これらの材料は、例えば、蒸着法、スパッタリング法、塗布法、CVD法(気相成長法)等によって形成される。特に、透光性を有する基板(表面基板20、背面基板22)においては、ITOが用いられる。
また、表示装置10は、図1に示されるように、表示媒体12の表面電極40と背面電極46との間に電圧を印加して、表示媒体12内に電界を形成する電界形成部16を備えている。この電界形成部16は、表面電極40及び背面電極46に電気的に接続されている。電界形成部16は、表面電極40及び背面電極46間に電圧を印加するための電圧印加装置であり、電界形成部16によって電圧を表面電極40及び背面電極46間に印加することにより、表面電極40及び背面電極46との間に電界が形成されるようになっている。なお、図2は、電界形成部16を省略して表示装置10を図示している。
また、表示装置10の電界形成部16は、表示媒体12(表面電極40及び背面電極46)と切り離し可能に接続されていても良い。この場合においては、例えば、表示媒体12の書き換えや表示が必要な時のみに、表示媒体12を電界形成部16に接続して画像情報の表示を行い、表示の保存時は互いに切り離しておいて表示媒体12の可搬性を良くするように構成される。
また、上記の構成では、表面基板20及び背面基板22の双方に電極(表面電極40及び背面電極46)を備えていたが、何れか一方にだけ設けるようにしても良い。この場合では、例えば、表面電極40及び背面電極46の一方が接地され、他方が電界形成部16に接続される。
本実施形態に係る表示媒体12は、図1、図2及び図3に示すように、表面基板20と背面基板22との間に配置されその基板間の空間を複数の領域に区画する区画部材32を備えている。区画部材32は、背面基板22の対向面23の形成面23Aに形成されると共に、接合面32A(図1及び図2における上面)が、表面基板20の対向面21の接合面21Aに接合されている(図10参照)。
なお、区画部材32は、表面基板20の対向面21に形成されると共に、背面基板22の対向面23に接合される構成であってもよい。また、区画部材32は、表面基板20及び背面基板22と別体で形成されて、表面基板20の対向面21及び背面基板22の対向面23の両方に接合される構成であってもよい。
この区画部材32は、表面基板20と背面基板22との基板間の間隔を保持する機能と、表面基板20と背面基板22との基板間の空間を複数に区画する機能との両方を有している。
区画部材32によって区画された領域(以下、セルという)は、表面基板20と、背面基板22と、区画部材32と、によって囲まれて構成されている。これにより、セルの内壁は、表面基板20の対向面21の非接合面21Cと、背面基板22の対向面23の非形成面23Cと、区画部材32の側面(外壁面の一例)32Bとを備えて構成される。また、セルは、表示媒体12に画像を表示したときの各画素に対応するように二次元状に配置される。なお、セルは、閉じられた空間である必要はなく、各セル同士が通じている構成であっても良い。
区画部材32は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、光硬化樹脂、ゴム、金属等で形成されている。
区画部材32の形成方法は、例えば、接着性を持つ感光性樹脂(例えば、熱可塑性樹脂:アクリル樹脂、アクリレート、ウレタン等)の層を表面基板20と背面基板22の一方に形成した後、これにフォトリソグラフィー法を利用して露光して当該樹脂の層に潜像を形成し、現像することで形成する形成方法を用いても良い。また、熱ナノインプリントあるいは光ナノインプリント若しくはこれらを組み合わせたナノインプリントにより、樹脂をエンボス加工することで、区画部材32を形成しても良い。また、その他の公知の方法を用いて区画部材32を形成しても良い。
区画部材32は有色でも無色でも良いが、表示媒体12に表示される表示画像に影響を及ぼさないように無色透明であることが望ましく、その場合には、例えば、ポリスチレンやポリエステルやアクリルなどの、透光性を有する樹脂等が使用される。ここでいう透光性とは、可視光の透過率が50%以上であることを指している。
表示媒体12の外周部には、図2及び図3に示されるように、枠状に形成された枠状部材42が、表面基板20と背面基板22との間に設けられている。この枠状部材42は、例えば、区画部材32と同一工程及び同一材料で背面基板22の形成面23Bに形成されると共に、表面基板20の接合面21Bに接合される。なお、枠状部材42は、区画部材32と別工程及び別材料で形成されていてもよい。また、枠状部材42は、表面基板20の接合面21Bに形成されると共に、背面基板22の形成面23Bに接合される構成であってもよい。また、枠状部材42は、表面基板20及び背面基板22と別体で形成されて、表面基板20の接合面21B及び背面基板22の形成面23Bの両方に接合される構成であってもよい。
また、本実施形態に係る表示媒体12では、図1及び図2に示すように、移動性粒子群34と、移動性粒子群34が分散される分散媒30とが、各セル内に収容されている。移動性粒子群34が分散される分散媒30としては、絶縁性液体であることが望ましい。ここで、「絶縁性」とは、体積抵抗値が107Ω・cm以上であることを指している。
具体的には、絶縁性液体として、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、デカン、ヘキサデカン、ケロセン、パラフィン、イソパラフィン、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、高純度石油、エチレングリコール、アルコール類、エーテル類、エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、N−メチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ベンジン、ジイソプロピルナフタレン、オリーブ油、イソプロパノール、トリクロロトリフルオロエタン、テトラクロロエタン、ジブロモテトラフルオロエタンなどや、それらの混合物が好適に用いられる。
また、下記体積抵抗値となるように不純物を除去した水(所謂、純水)を、分散媒30として用いても良い。該体積抵抗値としては、107Ω・cm以上であることが望ましく、107Ω・cm以上1019Ω・cm以下であることがさらに望ましく、さらに1010Ω・cm以上1019Ω・cm以下であることがより良い。この範囲の体積抵抗値とすることで、より効果的に、粒子群に電界が印加され、かつ、電極反応に起因する分散媒30の電気分解による気泡の発生が抑制される。
なお、絶縁性液体には、必要に応じて、酸、アルカリ、塩、分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収などを目的とした安定剤、抗菌剤、防腐剤などを添加しても良いが、上記で示した特定の体積抵抗値の範囲となるように添加することが望ましい。
また、絶縁性液体には、帯電制御剤として、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、金属石鹸、アルキルリン酸エステル類、コハク酸イミド類等を添加しても良い。
また、分散媒30としては、高分子樹脂を用いても良い。高分子樹脂としては、高分子ゲル、高分子ポリマー等であることが望ましい。具体的には、高分子樹脂として、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミド等が用いられる。これら高分子樹脂は、上記の絶縁性液体と共に分散媒30として用いても良い。
各セル内に収容されている移動性粒子群34は、複数の粒子から構成されており、この分散媒30中に分散され、セル内に形成された電界の向き強度に応じて表面基板20と背面基板22との基板間を移動するようになっている。
この移動性粒子群34の各移動性粒子としては、ガラスビーズ、アルミナ、酸化チタン等の絶縁性の金属酸化物粒子等、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂粒子、これらの樹脂粒子の表面に着色剤を固定したもの、熱可塑性若しくは熱硬化性樹脂中に絶縁性の着色剤を含有する粒子、及びプラズモン発色機能を有する金属コロイド粒子等が用いられる。
移動性粒子の樹脂には、必要に応じて、帯電性を制御する帯電制御剤を混合しても良い。また、移動性粒子の内部や表面には、必要に応じて、磁性材料を混合しても良い。また、移動性粒子の表面には、必要に応じて、外添剤を付着させても良い。
また、本実施形態に係る表示媒体12では、図1及び図2に示すように、反射部材36が、各セル内に収容されている。反射部材36は、表面基板20と背面基板22との基板間において、表面基板20の板面方向の全面に渡って存在するように配置されている。
この反射部材36は、移動性粒子群34を構成する粒子とは異なる光学的反射特性を有している。反射部材36同士の間には、移動性粒子群34を構成する各粒子が通過可能な空隙が形成されている。なお、反射部材36は、分散媒30中に分散されており、移動性粒子群34が移動する際に、分散媒30の流動と共に移動して移動性粒子を通過可能にする構成とされていても良い。
ここで、「移動性粒子群34を構成する粒子とは異なる光学的反射特性を有する」とは、移動性粒子群34だけが分散された分散媒30と、反射部材36とを対比して目視で観察した場合に、色度、明度、及び彩度において、両者の差異が識別できる差異があることを意味する。なお、これらの色度、明度、及び彩度のうち、特に色度が異なることが望ましい。
上記「識別できる差異」とは、例えば、色度が異なる場合には、具体的には、この移動性粒子群34だけが分散された分散媒30と、反射部材36との各々におけるCIELAB値をX−Rite社製X−Rite404により測定したときのa*、b*の差が、5以上であることを指している。
本実施形態に係る表示媒体12の構成によれば、電界形成部16から表示媒体12の表面電極40と背面電極46とに電圧が印加されると、印加された電圧に応じた電界が分散媒30中に形成される。
この形成された電界によって、移動性粒子群34が表面基板20と背面基板22との基板間を移動する。例えば、移動性粒子群34を構成する粒子が負極に帯電されており、表面電極40に正の電圧、背面電極46に負の電圧が印加されると、移動性粒子群34を構成する粒子は、反射部材36の空隙を通って、背面基板22側から表面基板20側に移動する(図1参照)。このとき、表面基板20側から目視すると、表面基板20側に位置する移動性粒子群34の粒子の色が、表示媒体12の色として視認される。
一方、表面電極40に負の電圧、背面電極46に正の電圧が印加されると、移動性粒子群34を構成する粒子は、反射部材36の空隙を通って、表面基板20側から背面基板22側に移動する(図2参照)。このとき、表面基板20側から目視すると、反射部材36の色が、表示媒体12の色として視認される。なお、反射部材36が、移動性粒子と異なる極性に帯電され、表面電極40及び背面電極46への電圧印加の際に、基板間を移動性粒子とは反対方向に移動するように構成しても良い。
(本実施形態に係る抑制膜50の構成)
次に、本実施形態に係る抑制膜50の構成を説明する。
図1、図2及び図3に示されるように、移動性粒子群34を構成する移動性粒子のセルの内壁への付着を抑制する抑制膜50が、セルの内壁に形成されている。具体的には、抑制膜50は、セルの内壁を構成する表面基板20の非接合面21C、背面基板22の非形成面23C及び区画部材32の側面32Bに形成されている。
抑制膜50は、セルの内壁よりも粒子が付着しにくい性質(粒子を弾く性質)を有する膜であり、例えば、フッ素系樹脂又はSi系樹脂が用いられる。
また、本実施形態では、表面基板20の対向面21の接合面21Aは、区画部材32の接合面32Aと直接接合されており、表面基板20の接合面21Aと区画部材32の接合面32Aとの間には、抑制膜50が介在していない。
なお、抑制膜50は、側面32Bに形成されず、表面基板20の非接合面21C及び背面基板22の非形成面23Cにのみ形成された構成であってもよい。また、表面基板20の接合面21Aと区画部材32の接合面32Aとの間には、抑制膜50以外の膜や層が介在していてもよい。
また、区画部材32が背面基板22の対向面23に接合される場合には、抑制膜50が背面基板22の対向面23と区画部材32の背面電極46への接合面との間に介在しない構成とされる。この構成においても、背面基板22の対向面と区画部材32の接合面との間には、抑制膜50以外の膜や層が介在していてもよい。
(本実施形態に係る表示媒体12の製造方法の一例)
次に、本実施形態に係る表示媒体12の製造方法の一例について説明する。図4は、本実施形態に係る表示媒体12の製造方法の一例を示す概略図である。
図4(A)に示されるように、まず、区画部材32が形成された背面基板22の表面に、感光性のフッ素系樹脂による感光性樹脂膜51を形成する。背面基板22の表面とは、具体的には、背面基板22の非接合面23C、区画部材32の接合面32A(図4(A)における上面)及び図4(A)における側面32Bである。また、図4(D)に示されるように、表面基板20の対向面21にも、感光性のフッ素系樹脂による感光性樹脂膜51を形成する。
次に、図4(B)(E)に示されるように、区画部材32の接合面32A及び表面基板20の接合面21Aを、マスク100によって被覆し、感光性樹脂膜51を露光する。これにより、背面基板22の非接合面23C、区画部材32の図4(B)における側面32B及び表面基板20の非接合面21Cで、感光性樹脂膜51が硬化し、抑制膜50が形成される。
次に、図4(C)(F)に示されるように、現像液によって現像することで、区画部材32の接合面32A及び表面基板20の接合面21Aにおける感光性樹脂膜51の未硬化部分が除去される。
次に、図4(G)に示されるように、区画部材32に区画されるセル内に分散媒30、移動性粒子群34及び反射部材36を充填すると共に、区画部材32の接合面32Aと表面基板20の接合面21Aとを、加圧により接合し、表示媒体12が製造される。
(本実施形態に係る表示媒体12の製造方法の他の例)
次に、本実施形態に係る表示媒体12の製造方法の他の例について説明する。図5は、本実施形態に係る表示媒体12の製造方法の他の例を示す概略図である。
図5(A)に示されるように、まず、区画部材32が形成された背面基板22の表面に、抑制膜50を形成する。背面基板22の表面とは、具体的には、背面基板22の非接合面23C、区画部材32の接合面32A(図5(A)における上面)及び図5(A)における側面32Bである。また、図5(C)に示されるように、表面基板20の対向面21にも、抑制膜50を形成する。
次に、図5(B)に示されるように、背面基板22の非接合面23Cをマスク100によって被覆し、区画部材32の接合面32Aに形成された抑制膜50に、エキシマレーザ装置からレーザLを照射して、抑制膜50を除去する。また、図5(D)に示されるように、表面基板20の非接合面21Cをマスク100によって被覆し、表面基板20の接合面21Aに形成された抑制膜50にエキシマレーザ装置からレーザLを照射して、抑制膜50を除去する。
次に、図5(E)に示されるように、区画部材32に区画されるセル内に分散媒30、移動性粒子群34及び反射部材36を充填すると共に、区画部材32の接合面32Aと表面基板20の接合面21Aとを、加圧により接合し、表示媒体12が製造される。
(本実施形態に係る背面基板22への抑制膜50の形成方法の一例)
次に、本実施形態に係る区画部材32を含めた背面基板22への抑制膜50の形成方法の一例について説明する。図6は、本実施形態に係る区画部材32を含めた背面基板22への抑制膜50の形成方法の一例を示す概略図である。
図6(A)に示されるように、まず、区画部材32が形成された背面基板22の表面に、抑制膜50を形成する。背面基板22の表面とは、具体的には、背面基板22の非接合面23C、区画部材32の接合面32A(図6(A)における上面)及び図6(A)における側面32Bである。
次に、図6(B)に示されるように、抑制膜50上に、ドライフィルムレジスト102を貼り付ける(ラミネートする)。
次に、図6(C)に示されるように、ドライフィルムレジスト102が貼り付けられた表面側から全面をエッチングして、区画部材32の接合面32Aに形成された抑制膜50を除去する。
次に、図6(D)に示されるように、背面基板22に残留するドライフィルムレジスト102を除去し、区画部材32を含めた背面基板22への抑制膜50の形成が完了する。
(本実施形態に係る背面基板22への抑制膜50の形成方法の他の例)
次に、本実施形態に係る区画部材32を含めた背面基板22への抑制膜50の形成方法の他の例について説明する。図7は、本実施形態に係る区画部材32を含めた背面基板22への抑制膜50の形成方法の他の例を示す概略図である。
図7(A)に示されるように、まず、区画部材32を形成するための形成材料31を、背面基板22の対向面23の全面に形成し、その形成材料31表面の全面に犠牲層104を被覆する。
次に、図7(B)に示されるように、後工程で形成される区画部材32の接合面32Aとなる位置に犠牲層104が残るように、フォトリソグラフィー法を用いて、犠牲層104をパターニングする。
次に、図7(C)に示されるように、犠牲層104をマスクとして、形成材料31をエッチングして、区画部材32を形成する。
次に、図7(D)に示されるように、犠牲層104を被覆したまま、背面基板22の表面に抑制膜50を形成する。背面基板22の表面とは、具体的には、背面基板22の非接合面23C、区画部材32の図7における側面32B及び犠牲層104の表面104Aである。
次に、図7(E)に示されるように、犠牲層104をエッチングして、犠牲層104及び犠牲層104の表面104Aに形成された抑制膜50を除去する。このように、当該形成方法では、リフトオフ法により、抑制膜50が形成される。
(本実施形態に係る表面基板20への抑制膜50の形成方法の一例)
次に、本実施形態に係る表面基板20への抑制膜50の形成方法の一例について説明する。図8は、本実施形態に係る表面基板20への抑制膜50の形成方法の一例を示す概略図である。
図8(A)に示されるように、まず、表面基板20の対向面21に抑制膜50を形成する。
次に、図8(B)に示されるように、抑制膜50上に、ドライフィルムレジスト106を貼り付ける(ラミネートする)。
次に、図8(C)に示されるように、フォトリソグラフィー法を用いて、表面基板20の対向面21の非接合面21C上にドライフィルムレジスト106が残るように、ドライフィルムレジスト106をパターニングする。
次に、図8(D)に示されるように、ドライフィルムレジスト106をマスクとして、抑制膜50をエッチングし、表面基板20の接合面21Aの抑制膜50を除去する。
次に、図8(E)に示されるように、ドライフィルムレジスト106を剥離し、表面基板20への抑制膜50の形成が完了する。
(本実施形態に係る表面基板20への抑制膜50の形成方法の他の例)
次に、本実施形態に係る表面基板20への抑制膜50の形成方法の他の例について説明する。図9は、本実施形態に係る表面基板20への抑制膜50の形成方法の他の例を示す概略図である。
図9(A)に示されるように、まず、表面基板20の対向面21に、感光性ネガレジスト108を形成する。
次に、図9(B)に示されるように、フォトリソグラフィー法を用いて、表面基板20の対向面21の接合面21Aに感光性ネガレジスト108が残るように、感光性ネガレジスト108をパターニングする。
次に、図9(C)に示されるように、感光性ネガレジスト108側の表面基板20の表面に抑制膜50を形成する。
表面基板20の表面とは、具体的には、表面基板20の非接合面21C及び感光性ネガレジスト108の表面108Aである。
次に、図9(D)に示されるように、感光性ネガレジスト108を除去し、表面基板20への抑制膜50の形成が完了する。このように、当該形成方法では、リフトオフ法により抑制膜50が形成される。
(本実施形態に係る表示装置10の作用)
次に、本実施形態に係る表示装置10の作用を説明する。
表示装置10では、セルの内壁に抑制膜50が形成されているので、移動性粒子がセルの内壁に付着しにくい。これにより、移動性粒子の流動性が低下せず、駆動電圧が高くなることが抑制される。また、移動性粒子がセルの内壁に付着しにくいことにより、白色度や色再現域の低下が抑制される。
また、本実施形態に係る表示装置10では、図10に示すように、背面基板22に形成された区画部材32が表面基板20と接合される。
例えば、図11に示すように、表面電極40の対向面21の全面に抑制膜50を形成すると共に、区画部材32の接合面32A及び側面32Bに抑制膜50が形成された比較例の構成において、表面基板20と区画部材32とが接合されると、抑制膜50同士が接合されることになり、接合性が悪い。
これに対して、本実施形態では、表面基板20の接合面21Aと区画部材32の接合面32Aとの間には、抑制膜50が介在していない。このため、抑制膜50を介して表面基板20と区画部材32とが接合されることがなく、比較例に比べて、表面基板20と区画部材32との接合強度が低下しない。
(変形例に係る表示媒体112の構成)
次に、変形例に係る表示媒体112の構成について説明する。図12は、変形例に係る表示媒体112の構成を示す側断面図である。
変形例に係る表示媒体112では、表面基板20の接合面21Aと区画部材32の接合面32Aとの間に、表面基板20と区画部材32とを接着する接着層52が形成されている。なお、他の部分においては、表示媒体12と同様である。
接着層52は、接着剤を含んで構成されている。この接着剤としては、例えば、乾燥等の刺激(第1の刺激)により固化あるいはゲル化し、加熱、加圧または光照射等の刺激(第2の刺激)によって粘着性を発現する感刺激接着剤が用いられる。また、接着剤としては、加熱によって粘着性が付与される熱可塑性接着剤、熱活性型接着剤等の感熱接着剤、加圧によって粘着性が付与される感圧接着剤、紫外線(UV)あるいは可視光照射によって粘着性が付与される感光性接着剤等を用いてもよい。さらに、接着剤としては、液状の状態の塗布液を固化させて用いるホットメルト型の接着剤等、他の接着剤を用いてもよい。
変形例に係る表示媒体112によれば、接着層52を備えない場合に比べ、表面基板20と区画部材32との接合強度が向上する。
(変形例に係る表示媒体112における表面基板20への抑制膜50及び接着層52の形成方法の一例)
次に、変形例に係る表示媒体112における表面基板20への抑制膜50及び接着層52の形成方法の一例について説明する。図13は、変形例に係る表示媒体112における表面基板20への抑制膜50及び接着層52の形成方法の一例を示す概略図である。
図13(A)に示されるように、まず、表面基板20の対向面21に、感光性接着層53を形成する。
次に、図13(B)に示されるように、フォトリソグラフィー法を用いて、表面基板20の対向面21の接合面21Aに感光性接着層53が残るように、感光性接着層53をパターニングし、接着層52を形成する。
次に、図13(C)に示されるように、接着層52が形成された表面基板20の表面に、感光性樹脂による抑制膜50を形成する。表面基板20の表面とは、具体的には、表面基板20の非接合面21C及び接着層52の表面52Aである。
次に、図13(D)に示されるように、接着層52の表面52Aの抑制膜50を、フォトリソグラフィー法を用いて除去し、表面基板20への抑制膜50及び接着層52の形成が完了する。
(変形例に係る表示媒体112における表面基板20への抑制膜50及び接着層52の形成方法の他の例)
次に、変形例に係る表示媒体112における表面基板20への抑制膜50及び接着層52の形成方法の他の例について説明する。図14は、変形例に係る表示媒体112における表面基板20への抑制膜50及び接着層52の形成方法の他の例を示す概略図である。
図14(A)に示されるように、まず、表面基板20の対向面21に、感光性樹脂による抑制膜50を形成する。
次に、図14(B)に示されるように、フォトリソグラフィー法を用いて、表面基板20の対向面21の非接合面21C上に抑制膜50が残るように、抑制膜50をパターニングする。
次に、図14(C)に示されるように、表面基板20の対向面21の接合面21Aに感光性接着層53を形成する。
次に、図14(D)に示されるように、フォトリソグラフィー法を用いて、余分な領域に形成された感光性接着層53を除去すると共に接合面21Aに形成された感光性接着層53を硬化して接着層52を形成する。これにより、表面基板20への抑制膜50及び接着層52の形成が完了する。
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。