JP2006145601A - 情報表示用パネル及び情報表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示される情報画像のコントラストと白色度のバランスを良好にでき、安価で表示品質に優れた情報表示用パネルおよび情報表示装置を提供する。
【解決手段】少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板1、2間に、隔壁4によって仕切られた複数のセル11を形成し、セル内に、光学的反射率および帯電性を有する少なくとも1種類以上の表示媒体3を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルであって、表示媒体を封入するセルを画成するための隔壁4を少なくとも表示側基板2に設け、かつ、縦/横/斜めいずれか一方のラインとなる隔壁下部と表示側基板との間にOD値が2以上の有色部分を設けて有色ストライプパターン12を形成した。
【選択図】図4
【解決手段】少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板1、2間に、隔壁4によって仕切られた複数のセル11を形成し、セル内に、光学的反射率および帯電性を有する少なくとも1種類以上の表示媒体3を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルであって、表示媒体を封入するセルを画成するための隔壁4を少なくとも表示側基板2に設け、かつ、縦/横/斜めいずれか一方のラインとなる隔壁下部と表示側基板との間にOD値が2以上の有色部分を設けて有色ストライプパターン12を形成した。
【選択図】図4
Description
本発明は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、該セル内に、光学的反射率および帯電性を有する少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネル及びそれを利用した画像表示装置に関するものである。
従来より、液晶(LCD)に代わる情報表示装置として、電気泳動方式、エレクトロクロミック方式、サーマル方式、2色粒子回転方式等の技術を用いた情報表示装置が提案されている。
これら従来技術は、LCDと比較すると、通常の印刷物に近い広い視野角が得られる、消費電力が小さい、メモリー機能を有している等のメリットがあることから、次世代の安価な情報表示装置に使用可能な技術として考えられており、携帯端末用情報表示、電子ペーパー等への展開が期待されている。特に最近では、分散粒子と着色溶液から成る分散液をマイクロカプセル化し、これを対向する基板間に配置して成る電気泳動方式が提案され、期待が寄せられている。
しかしながら、電気泳動方式では、液中を粒子が泳動するために液の粘性抵抗により応答速度が遅くなるという問題がある。さらに、低比重の溶液中に酸化チタン等の高比重の粒子を分散させているため沈降しやすくなっており、分散状態の安定性維持が難しく、情報表示の繰り返し安定性に欠けるという問題を抱えている。また、マイクロカプセル化にしても、セルサイズをマイクロカプセルレベルにして、見かけ上、上述した欠点が現れにくくしているだけであって、本質的な問題は何ら解決されていない。
一方、溶液中での挙動を利用する電気泳動方式に対し、溶液を使わず、導電性粒子と電荷輸送層とを基板の一部に組み入れる方式も提案され始めている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、電荷輸送層、さらには電荷発生層を配置するために構造が複雑化するとともに、導電性粒子に電荷を一定に注入することは難しいため、表示安定性に欠けるという問題もある。
上述した種々の問題を解決するための一方法として、少なくとも一方が透明である2枚の対向する基板間の隔壁によって画成されたセル内に表示媒体を封入した後、表示媒体に電界を与え、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルが知られている。
趙 国来、外3名、"新しいトナーディスプレイデバイス(I)"、1999年7月21日、日本画像学会年次大会(通算83回)"Japan Hardcopy’99"論文集、p.249-252
趙 国来、外3名、"新しいトナーディスプレイデバイス(I)"、1999年7月21日、日本画像学会年次大会(通算83回)"Japan Hardcopy’99"論文集、p.249-252
これらのディスプレイにおいては、画像等の表示情報の表示コントラストを良くする目的で、格子状の黒色パターン部分(ブラックマトリックス)を設けることがあった。この方法は、白地に黒色表示を行ったり、白地に有色表示を行ったりする場合のコントラストは良いものの、黒地に白色表示を行ったり、有色地に白色表示を行ったりする場合に白色表示の白色度が不十分であり問題となっていた。
本発明の目的は上述した問題点を解消して、表示される情報画像のコントラストと白色度のバランスを良好にでき、安価で表示品質に優れた情報表示用パネルおよび情報表示装置を提供しようとするものである。
本発明は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、該セル内に、光学的反射率および帯電性を有する少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルであって、表示媒体を封入する前記セルを画成するための隔壁を少なくとも表示側基板に設け、かつ、縦/横/斜めいずれか一方のラインとなる隔壁下部と表示側基板との間にOD値が2以上の有色部分を設けて有色ストライプパターンを形成したことを特徴とするものである。
なお、本発明の情報表示用パネルの好適例としては、前記2枚の基板のうち表示側基板にライン状隔壁を設け、かつ、該ライン状隔壁の下部と表示側基板との間にOD値が2以上の有色部分を設けて有色ストライプパターンを形成したこと、前記2枚の基板の双方の基板にライン状隔壁を設け、かつ、表示側基板に設けるライン状隔壁の下部と表示側基板との間にOD値が2以上の有色部分を設けて有色ストライプパターンを形成したこと、前記2枚の基板の双方に設けた隔壁の、交点となる隔壁部分に凹部を設け、互いの隔壁が凹部において嵌合するようにしたこと、前記2枚の基板の双方にライン状電極を設け、基板を重ね合わせる際に、前記2枚の基板の双方に設けたライン状電極が互いに直交するようにした情報表示用パネルであって、表示側基板に設けたライン状電極と隔壁の下部に形成されたOD値が2以上の有色ストライプパターンとが互いに直交するようにしたこと、前記2枚の基板の双方にライン状電極を設け、基板を重ね合わせる際に、前記2枚の基板の双方に設けたライン状電極が互いに直交するようにした情報表示用パネルであって、表示側基板に設けたライン状電極と隔壁の下部に形成されたOD値が2以上の有色ストライプパターンとが互いに並行になるようにしたこと、及び、前記表示媒体が粒子群または粉流体であること、がある。
また、本発明の情報表示装置は、上述した構成の情報表示用パネルを搭載したことを特徴とするものである。
本発明によれば、視認側からは隔壁の下部に設けたOD値が2以上の有色部分が形成するセルの縦/横/斜めいずれかの方向だけの有色ストライプパターンとして見えるように構成することで、表示される情報画像のコントラストと白色度のバランスを良好にでき、安価で表示品質に優れた情報表示用パネルおよび情報表示装置を得ることができる。
まず、本発明の情報表示用パネルの基本的な構成について説明する。本発明の情報表示用パネルでは、対向する2枚の基板間の隔壁によって画成されたセル内に封入した表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向にそって、高電位側に向かっては低電位に帯電した表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、また、低電位側に向かっては高電位に帯電した表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、それら表示媒体が電位の切替による電界方向の変化によって往復運動することにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示時あるいは表示情報保存時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気影像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明の情報表示用パネルの例を、図1〜図3に基づき説明する。
図1に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも2種以上の光学的反射率の異なる表示媒体3(ここでは粒子群からなる白色表示媒体3Wと粒子群からなる黒色粒子媒体3Bを示す)を、基板1、2の外部から加えられる電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図1に示す例では、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設け表示セルを画成している。また、図1において、手前にある隔壁は省略している。
図2に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも2種以上の光学的反射率の異なる表示媒体3(ここでは粒子群からなる白色表示媒体3Wと粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、基板1に設けた電極5と基板2に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図2に示す例では、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設け表示セルを画成している。また、図2において、手前にある隔壁は省略している。
図3に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも光学的反射率と帯電性を有する表示媒体3(ここでは粒子群からなる白色表示媒体3Wを示す)を、基板1に設けた電極5と電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させ、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、電極6または基板1の色を観察者に視認させて電極6または基板1の色の表示を行っている。なお、図3に示す例では、基板1、2との間に例えば格子状の隔壁4を設け表示セルを画成している。また、図3において、手前にある隔壁は省略している。
以上の説明は、粒子群からなる白色表示媒体3Wを粉流体からなる白色媒体に、粒子群からなる黒色表示媒体3Bを粉流体からなる黒色表示媒体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することが出来る。
図4(a)〜(c)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの一例の構成を示す図であり、図4(a)はその平面図を示し、図4(b)はその正面図を示し、図4(c)はその側面図を示す。本発明の情報表示用パネルでは、図4(a)〜(c)に示すように、表示媒体3を封入するセル11を画成するための隔壁4を表示側透明基板2上に透明電極6を介して設けている。そして、図4(a)において、縦方向のラインとなる隔壁4の下部と表示側透明基板2との間(本例では、部分的に、隔壁4の下部と透明電極6との間)に、OD値(光学濃度値)2以上の有色部分を設けて有色ストライプパターン12を形成している。なお、通常OD値2以上の有色ストライプパターン12として黒色ストライプパターンを用いるため、以下の説明ではOD値2以上の有色ストライプパターン12を黒色ストライプパターン12とも記載する。
図5は図4(a)〜(c)に示す表示側透明基板に対しもう一方の基板を接合した本発明の情報表示用パネルの一例を説明するための図である。図5に示す例では、図4(a)〜(c)に示す表示側透明基板2に対し、電極5を介し図4(a)〜(c)に示す表示側透明基板2上の隔壁4と直交するライン状の隔壁4を有する背面側基板1を接合している。すなわち、2枚の基板1、2の双方の基板にライン状隔壁4を設けた例を示している。
上述した本発明の情報表示用パネルでは、表示側透明基板2上に形成される隔壁4の、縦列に対応する部分のみに、あるいは、横列に対応する部分のみに、あるいは、斜めの列に対応する部分のみに、黒色パターンすなわち黒色ストライプパターン12を設ける点が特徴となる。ここでいう黒色はOD値(光学濃度値)2以上の有色である。本発明において、隔壁4は、セル11を形成するように表示側の透明基板2にのみ形成してもよいし、2枚の基板1、2にライン状に設けて、基板を重ね合わせるときにセル11が形成されるようにしても良い。後述する表示媒体充填の容易さの点から、2枚の基板1、2にライン状に設けて、ライン状隔壁4が互いに直交するよう基板を重ね合わせることが好ましい。いずれにしても、表示側の透明基板2に設ける隔壁4の下部(透明基板2との界面部)に黒色ストライプパターン12を設ける。
2枚の基板1、2にライン状に隔壁4を設けて、ライン状隔壁4が互いに直交するように基板1、2を重ね合わせる場合には、表示側基板2に形成するライン状隔壁4と表示側基板2との接合面を黒色とするだけで所望の黒色ストライプパターン12が得られるので好ましい。黒色ストライプパターンの縦方向または横方向または斜め方向のストライプは、全くの直線でなくてもよく、波線、ギザギザ線等が略並行に設けられたものであればよい。電界を形成する電極5、6は互いに交差するライン電極でも、個別に設ける個別電極であってもよい。
上述した構成の本発明の情報表示用パネルでは、表示側基板2から見るパネルには、隔壁4下部の縦/横/斜めどちらか一方向に配置された黒色ストライプパターン12がライン状に見えることになり、格子状の黒色パターンが見える従来例とは異なり、白色表示時の白色と黒色表示時の黒色とのコントラストのバランスがとれた表示を行うことができる。黒色ストライプパターン12を設ける隔壁4において、黒色ストライプパターン12の配置方向(横ストライプ状/縦ストライプ状/斜めストライプ状)はいずれでもよいが、文字情報を表示する場合では、その文字情報を横書き表示する場合「横ストライプ」、縦書き表示する場合には「縦ストライプ」になるように配置するのが好ましい。この理由は定かではないが、人間の視覚感覚において一般的に前述のような傾向があるようである。
図6(a)〜(c)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの他の例の構成を示す図であり、図6(a)はその平面図を示し、図6(b)はその正面図を示し、図6(c)はその側面図を示す。図4(a)〜(c)に示す例では、表示側基板2上の隔壁4と電極6とが直交する場合に、隔壁4の下部に黒色ストライプパターン12を設けたのに対し、図6(a)〜(c)に示す例では、表示側基板2上の隔壁4と電極6とが平行な場合に、隔壁4の下部に黒色ストライプパターン12を設けている。
図7(a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルにおける隔壁と黒色ストライプパターンとの関係の一例を説明するための図である。図7(a)、(b)に示す例では、ライン状隔壁4の形状に合わせた隔壁4下部に設ける黒色ストライプパターン12の例を示している。いずれの例においても、黒色ストライプパターン12を有するライン状隔壁4−1と黒色ストライプパターン12を有さないライン状隔壁4−2とから隔壁4を構成している。図7(a)に示す例では、黒色ストライプパターン12を有するライン状隔壁4−1を波型ストライプ形状に配置しているのに対し、図7(b)に示す例では、黒色ストライプパターン12を有するライン状隔壁4−1を直線ストライプ形状に配置している。
図8(a)〜(f)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルにおける隔壁と黒色ストライプパターンとの関係の他の例を説明するための図である。図8(a)〜(f)に示す例においても、黒色ストライプパターン12を有するライン状隔壁4−1と黒色ストライプパターン12を有さないライン状隔壁4−2とから隔壁4を構成している。
図8(a)に示す例では、四角形セル格子状配置において、縦方向に黒色ストライプパターン12を有するライン状隔壁4−1を配置している。図8(b)に示す例では、四角形セル格子状配置において、横方向に黒色ストライプパターン12を有するライン状隔壁4−1を配置している。図8(c)に示す例では、四角形セルハニカム状配置において、斜め方向にジグザグに黒色ストライプパターン12を有するライン状隔壁4−1を配置している。図8(d)に示す例では、四角形セルハニカム状配置において、横方向に黒色ストライプパターン12を有するライン状隔壁4−1を配置している。図8(e)に示す例では、四角形セルハニカム状配置において、縦方向に黒色ストライプパターン12を有するライン状隔壁4−1を配置している。図8(f)に示す例では、四角形セルハニカム状配置において、縦方向にカギ状に黒色ストライプパターン12を有するライン状隔壁4−1を配置している。
次に、本発明の情報表示用パネルにおいて表示媒体3を充填した様子を示す。図9(a)〜(c)及び図10(a)〜(c)はいずれも隔壁4と電極5、6とを直交配置した例を示している。図9(a)〜(c)に示す例では、表示媒体3として粒子群からなる黒色表示媒体3Bを背面側基板1上に充填した様子を示しており、図10(a)〜(c)に示す例では、表示媒体3として粒子群からなる白色表示媒体3Wを表示側基板2上に充填した様子を示している。また、図11(a)〜(c)及び図12(a)〜(c)はいずれも隔壁4と電極5、6とを平行配置した例を示している。図11(a)〜(c)に示す例では、表示媒体3として粒子群からなる黒色表示媒体3Bを背面側基板1上に充填した様子を示しており、図12(a)〜(c)に示す例では、表示媒体3として粒子群からなる白色表示媒体3Wを表示側基板2上に充填した様子を示している。
次に、本発明の情報表示用パネルにおける情報表示の一例として白色の画像表示の例を示す。図13(a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルの正面図及び側面図を示す。本発明の情報表示用パネルにおいて、図13(a)、(b)に示す例では、表示媒体3としての粒子群からなる白色表示媒体3Wと粒子群からなる黒色表示媒体3Bとを電界の切り替えにより反転させて、表示側透明基板2から白色表示媒体3Wを観察する様子を示している。図14(a)、(b)はそれぞれ図13(a)、(b)の平面図を示しており、それぞれの例において、白色表示媒体3Wおよび隔壁4の見える状態を示している。
図15(a)〜(c)はそれぞれ本発明の情報表示用パネルのさらに他の例を説明するための図である。図15(a)〜(c)に示す例では、ライン状電極5、6の電極間に平行な、黒色ストライプパターン12を有するとともに隔壁4の交点部分に凹部13を設けたライン状隔壁4を形成した例を示している。本例では、2枚の基板1、2を重ね合わせるときに、凹部13を設けたことで、各別の基板1、2に設けられた隔壁4の交点部分で隔壁4同士を嵌合させることができ、接合後に形成されるセルの独立性が高まるので好ましい。
以下、本発明の情報表示用パネルを構成する各部材について説明する。
本発明の隔壁4については、少なくとも表示側基板に設ける隔壁下部分と表示側基板との間にOD値が2以上の有色部分を設けることが重要であり、隔壁の高さや幅は表示にかかわる表示媒体の種類により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。表示側基板と背面側基板とを重ね合わせて得られる情報表示用パネルにおけるセル形状は隔壁形状によって図16に例示するような様々な形状のものが用いられる。隔壁下部と表示側基板の間に設けられるOD値が2以上の有色部分はライン状ストライプパターンであれば全くの直線ストライプパターンである必要はないので、ライン状隔壁の形状も波形ライン形状、ジグザグライン形状等の非直線であってもよく、隔壁の形状については全く制限がない。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(隔壁の幅によって形成される表示セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示画像の鮮明さが増す。
基板については、少なくとも一方の基板(表示側基板)は情報表示用パネル外側から表示媒体の色が確認できる透明な基板2であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。基板1は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可とう性のあるもの、および、ガラス、石英などの可とう性のない無機シートが挙げられる。基板の厚みは、2〜5000μmが好ましく、さらに5〜2000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、5000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合がある。
双方の基板側に電極を配置する場合については、視認側であり透明である必要のある表示側基板2に設ける表示側電極6は、透明かつパターン形成可能である導電性材料で形成され、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類やITO、酸化インジウム、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が例示され適宜、適宜選択して用いられる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。背面側基板1に設ける背面側電極5の材質や厚みなどは上述した表示側電極6と同様であるが、透明である必要はない。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
次に、本発明の情報表示用パネルで表示媒体として例えば用いる粉流体について説明する。なお、本発明の表示媒体としての粉流体の名称については、本出願人が「電子粉流体(登録商標):登録番号4636931」の権利を得ている。
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
すなわち、本発明における粉流体は、液晶(液体と固体の中間相)の定義と同様に、粒子と液体の両特性を兼ね備えた中間的な状態で、先に述べた粒子の特徴である重力の影響を極めて受け難く、高流動性を示す特異な状態を示す物質である。このような物質はエアロゾル状態、すなわち気体中に固体状もしくは液体状の物質が分散質として安定に浮遊する分散系で得ることができ、本発明の情報表示用パネルで固体状物質を分散質とするものである。
本発明の情報表示用パネルは、少なくとも一方が透明な、対向する基板間に、表示媒体として例えば、気体中に固体粒子が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体を封入するものであり、このような粉流体は、低電圧の印加でクーロン力などにより容易に安定して移動させることができる。
本発明に表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
本発明に表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられる。
次に、本発明の情報表示用パネルにおいて表示媒体を構成する表示媒体用粒子(以下、粒子ともいう)について説明する。表示媒体用粒子は、そのまま該表示媒体用粒子だけで構成して表示媒体としたり、その他の粒子と合わせて構成して表示媒体としたり、粉流体となるように調整、構成して表示媒体としたりして用いられる。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適である。
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
また、本発明の粒子は平均粒子径d(0.5)が、0.1〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために粒子の移動に支障をきたすようになる。
更に本発明では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
さらにまた、各粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子のd(0.5)に対する最小径を有する粒子のd(0.5)の比を50以下、好ましくは10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近く、互いの粒子が当量ずつ反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
表示媒体に用いる粒子の帯電量は当然その測定条件に依存するが、情報表示用パネルにおける表示媒体に用いる粒子の帯電量はほぼ、初期帯電量、隔壁との接触、基板との接触、経過時間に伴う電荷減衰に依存し、特に表示媒体に用いる粒子の帯電挙動の飽和値が支配因子となっているということが分かった。
本発明者らは鋭意検討の結果、ブローオフ法において同一のキャリア粒子を用いて、表示媒体に用いる粒子の帯電量測定を行うことにより、表示媒体に用いる粒子の適正な帯電特性値の範囲を評価できることを見出した。
更に、本発明のパネルを粒子群や粉流体等の乾式表示媒体を用いるパネルに適用する場合において、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下、更に好ましくは35%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、図1〜図3において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6、表示媒体(粒子群あるいは粉流体)3の占有部分、隔壁4の占有部分、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
この空隙部分とは、図1〜図3において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6、表示媒体(粒子群あるいは粉流体)3の占有部分、隔壁4の占有部分、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
本発明の情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。
表示媒体に粒子群または粉流体を用いる場合、対向する基板間の空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
表示媒体に粒子群または粉流体を用いる場合、対向する基板間の空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
以下、本発明例、比較例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記に限定されるものではない。なお、実施例および比較例の情報表示用パネルは、下記の方法にて作製したものを、下記の基準に従い、評価した。
「表示媒体」
実施例、比較例では表示媒体として、帯電特性の異なる白黒2色の粒子群(粒子群A、粒子群B)を用いた。
粒子群Aは、アクリルウレタン樹脂EAU53B(亜細亜工業(株)製)/IPDI系架橋剤エクセルハードナーHX(亜細亜工業(株)製)にカーボンブラック(MA100 三菱化学(株))4重量部、荷電制御剤ボントロンN07(オリエント化学(株)製)2重量部を添加し、混練り後、ジェットミルにて粉砕し、さらにハイブリダイザー装置(奈良機械製作所(株)製)を用いて機械的衝撃力を加えて略球状としてから分級して作製した。作製された粒子群Aは、平均粒子径が9.1μm、略球状で負帯電性の黒色粒子群であった。
粒子群Bは、ターシャリーブチルメタクリレ−トモノマー80重量部とメタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチルモノマ−20重量部に0.5重量部のAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を溶解し、カップリング剤処理して親油性とした酸化チタン20重量部を分散させて得られた液を、10倍量の0.5%界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)水溶液に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニュ−マチック工業)を用いて作製した。作製された粒子群Bは、平均粒子径が8.5μmで正帯電性の球状白色粒子群であり、これを粒子群Bとした。
実施例、比較例では表示媒体として、帯電特性の異なる白黒2色の粒子群(粒子群A、粒子群B)を用いた。
粒子群Aは、アクリルウレタン樹脂EAU53B(亜細亜工業(株)製)/IPDI系架橋剤エクセルハードナーHX(亜細亜工業(株)製)にカーボンブラック(MA100 三菱化学(株))4重量部、荷電制御剤ボントロンN07(オリエント化学(株)製)2重量部を添加し、混練り後、ジェットミルにて粉砕し、さらにハイブリダイザー装置(奈良機械製作所(株)製)を用いて機械的衝撃力を加えて略球状としてから分級して作製した。作製された粒子群Aは、平均粒子径が9.1μm、略球状で負帯電性の黒色粒子群であった。
粒子群Bは、ターシャリーブチルメタクリレ−トモノマー80重量部とメタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチルモノマ−20重量部に0.5重量部のAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を溶解し、カップリング剤処理して親油性とした酸化チタン20重量部を分散させて得られた液を、10倍量の0.5%界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)水溶液に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニュ−マチック工業)を用いて作製した。作製された粒子群Bは、平均粒子径が8.5μmで正帯電性の球状白色粒子群であり、これを粒子群Bとした。
「情報表示用パネルの作製」
まず、ITO電極付きの透明なガラス基板(7cm×7cm□)を表示側基板および背面側基板として準備し、それぞれに対して次のようにして隔壁(リブ)の形成を行った。
背面側基板については、ITO付ガラス上にそのまま感光性フィルムであるニチゴーモートン社製ドライフィルムフォトレジストNIT250をラミネートし、露光、現像により、所望とするライン30μm、スペース320μm、ピッチ350μmで高さは50μmと25μmの二種類にした直線ライン状隔壁を形成したもののほか、隔壁を形成しないものも準備した。
表示側基板については、まず、ITO付ガラス基板上に幅30μmのOD値が3の黒色ストライプパターンを印刷し、その上に感光性フィルムであるニチゴーモートン社製ドライフィルムフォトレジストNIT250をラミネートし、露光、現像により、所望とする幅30μm、ピッチ350μmで高さは50μmと25μmの二種類にした直線ライン状隔壁または幅30μm、ピッチ350μm、高さ50μmの格子状隔壁を、黒色ストライプパターンに丁度重なるように形成した二種類のものを準備した。
まず、ITO電極付きの透明なガラス基板(7cm×7cm□)を表示側基板および背面側基板として準備し、それぞれに対して次のようにして隔壁(リブ)の形成を行った。
背面側基板については、ITO付ガラス上にそのまま感光性フィルムであるニチゴーモートン社製ドライフィルムフォトレジストNIT250をラミネートし、露光、現像により、所望とするライン30μm、スペース320μm、ピッチ350μmで高さは50μmと25μmの二種類にした直線ライン状隔壁を形成したもののほか、隔壁を形成しないものも準備した。
表示側基板については、まず、ITO付ガラス基板上に幅30μmのOD値が3の黒色ストライプパターンを印刷し、その上に感光性フィルムであるニチゴーモートン社製ドライフィルムフォトレジストNIT250をラミネートし、露光、現像により、所望とする幅30μm、ピッチ350μmで高さは50μmと25μmの二種類にした直線ライン状隔壁または幅30μm、ピッチ350μm、高さ50μmの格子状隔壁を、黒色ストライプパターンに丁度重なるように形成した二種類のものを準備した。
比較のために作製する従来の表示側基板については、まず、ITO付ガラス基板上に幅30μmのOD値が3の黒色格子状パターンを印刷し、その上に感光性フィルムであるニチゴーモートン社製ドライフィルムフォトレジストNIT250をラミネートし、露光、現像により、所望とする幅30μm、ピッチ350μmで高さは50μmと25μmの二種類にした直線ライン状隔壁または幅30μm、ピッチ350μm、高さ50μmの格子状隔壁を、黒色格子状パターンに丁度重なるように形成した二種類のものを準備した。
双方の基板に高さ50μmの隔壁が設けられた基板同士を重ね合わせるときの交点部分となる隔壁部分には、ウェットブラスト法を用いて嵌合する部分を削り、凹部を有する隔壁として基板同士を重ね合わせた高さが50μmとなるようにした。
次に、光学的反射率と帯電特性の異なる2種類の表示媒体(粒子群A、粒子群B)を、隔壁が設けられた表示側基板のセルに、まず、粒子群Aを充填し、続いて粒子群Bを充填した。粒子群Aと粒子群Bの充填配置量は同体積量ずつとし、2枚の基板を貼り合わせてできる基板間に対する双方の粒子群が合わさった体積占有率が25vol%となるように調整した。
次に、粒子群がセル内に充填配置された基板にもう一方の基板を、ライン状電極が互いに直交するように重ね合わせ、基板周辺の外周部分をエポキシ系接着剤にて接着、シールして表示媒体を封入し、情報表示用パネルを作製した。
双方の基板に高さ50μmの隔壁が設けられた基板同士を重ね合わせるときの交点部分となる隔壁部分には、ウェットブラスト法を用いて嵌合する部分を削り、凹部を有する隔壁として基板同士を重ね合わせた高さが50μmとなるようにした。
次に、光学的反射率と帯電特性の異なる2種類の表示媒体(粒子群A、粒子群B)を、隔壁が設けられた表示側基板のセルに、まず、粒子群Aを充填し、続いて粒子群Bを充填した。粒子群Aと粒子群Bの充填配置量は同体積量ずつとし、2枚の基板を貼り合わせてできる基板間に対する双方の粒子群が合わさった体積占有率が25vol%となるように調整した。
次に、粒子群がセル内に充填配置された基板にもう一方の基板を、ライン状電極が互いに直交するように重ね合わせ、基板周辺の外周部分をエポキシ系接着剤にて接着、シールして表示媒体を封入し、情報表示用パネルを作製した。
「情報表示用パネルの評価」
作製した情報表示用パネルを組み込んだ表示装置に、表示情報に対応するように電極に電圧を印加して白地に黒色表示した場合と、黒地に白色表示した場合とで、表示された情報画像の品質を目視にて観察して評価した。
作製した情報表示用パネルを組み込んだ表示装置に、表示情報に対応するように電極に電圧を印加して白地に黒色表示した場合と、黒地に白色表示した場合とで、表示された情報画像の品質を目視にて観察して評価した。
<実施例1>
表示側基板にも、背面側基板にも、ライン状電極の電極と電極の間に一様の高さ(25μm)を持つ隔壁を形成したものを用いて、表示用パネルを前述の手順で作製し、評価した。結果を表1に示す。
表示側基板にも、背面側基板にも、ライン状電極の電極と電極の間に一様の高さ(25μm)を持つ隔壁を形成したものを用いて、表示用パネルを前述の手順で作製し、評価した。結果を表1に示す。
<実施例2>
表示側基板にも、背面側基板にも、ライン状電極の電極と電極の間に一様の高さ(50μm)で、互いに嵌合する部分が高さ25μmの凹部となった隔壁を形成したものを用いて、表示用パネルを前述の手順で作製し、評価した。結果を表1に示す。
表示側基板にも、背面側基板にも、ライン状電極の電極と電極の間に一様の高さ(50μm)で、互いに嵌合する部分が高さ25μmの凹部となった隔壁を形成したものを用いて、表示用パネルを前述の手順で作製し、評価した。結果を表1に示す。
<実施例3>
表示側基板にも、背面側基板にも、ライン状電極と直交するように一様の高さ(50μm)で、互いに嵌合する部分が高さ25μmの凹部となった隔壁を形成したものを用いて、表示用パネルを前述の手順で作製し、評価した。結果を表1に示す。
表示側基板にも、背面側基板にも、ライン状電極と直交するように一様の高さ(50μm)で、互いに嵌合する部分が高さ25μmの凹部となった隔壁を形成したものを用いて、表示用パネルを前述の手順で作製し、評価した。結果を表1に示す。
<実施例4>
表示側基板に高さ50μmで、格子状隔壁が形成され、背面側基板には隔壁が形成されていないものを用いて、表示用パネルを前述の手順で作製し、評価した。結果を表1に示す。
表示側基板に高さ50μmで、格子状隔壁が形成され、背面側基板には隔壁が形成されていないものを用いて、表示用パネルを前述の手順で作製し、評価した。結果を表1に示す。
<実施例5>
表示側基板に、ライン状電極の電極と電極の間に一様の高さ(50μm)の直線ライン状隔壁が形成され、背面側基板には隔壁が形成されていないものを用いて、表示用パネルを前述の手順で作製し、評価した。結果を表1に示す。
表示側基板に、ライン状電極の電極と電極の間に一様の高さ(50μm)の直線ライン状隔壁が形成され、背面側基板には隔壁が形成されていないものを用いて、表示用パネルを前述の手順で作製し、評価した。結果を表1に示す。
<実施例6>
表示側基板に、ライン状電極と直交するように一様の高さ(50μm)の直線ライン状隔壁が形成され、背面側基板には隔壁が形成されていないものを用いて、表示用パネルを前述の手順で作製し、評価した。結果を表1に示す。
表示側基板に、ライン状電極と直交するように一様の高さ(50μm)の直線ライン状隔壁が形成され、背面側基板には隔壁が形成されていないものを用いて、表示用パネルを前述の手順で作製し、評価した。結果を表1に示す。
<比較例1>
表示側基板と隔壁との間に黒色格子状パターンを設けた以外は実施例1と同様の手順で表示用パネルを作製し、評価した。結果を表1に示す。
表示側基板と隔壁との間に黒色格子状パターンを設けた以外は実施例1と同様の手順で表示用パネルを作製し、評価した。結果を表1に示す。
<比較例2>
表示側基板と隔壁との間に何ら黒色パターンを設けなかった以外は実施例1と同様の手順で表示用パネルを作製し、評価した。結果を表1に示す。
表示側基板と隔壁との間に何ら黒色パターンを設けなかった以外は実施例1と同様の手順で表示用パネルを作製し、評価した。結果を表1に示す。
<比較例3>
表示側基板と隔壁との間に黒色格子状パターンを設けた以外は実施例4と同様の手順で表示用パネルを作製し、評価した。結果を表1に示す。
表示側基板と隔壁との間に黒色格子状パターンを設けた以外は実施例4と同様の手順で表示用パネルを作製し、評価した。結果を表1に示す。
本発明の情報表示用パネルは、ノートパソコン、PDA、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板等の掲示板、電卓、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、電子POP、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部などに好適に用いられる。
1、2 基板
3 表示媒体(粒子群または粉流体)
3W 白色表示媒体
3B 黒色表示媒体
4 隔壁
5、6 電極
11 セル
12 有色(黒色)ストライプパターン
13 凹部
3 表示媒体(粒子群または粉流体)
3W 白色表示媒体
3B 黒色表示媒体
4 隔壁
5、6 電極
11 セル
12 有色(黒色)ストライプパターン
13 凹部
Claims (8)
- 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、該セル内に、光学的反射率および帯電性を有する少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルであって、表示媒体を封入する前記セルを画成するための隔壁を少なくとも表示側基板に設け、かつ、縦/横/斜めいずれか一方のラインとなる隔壁下部と表示側基板との間にOD値が2以上の有色部分を設けて有色ストライプパターンを形成したことを特徴とする情報表示用パネル。
- 前記2枚の基板のうち表示側基板にライン状隔壁を設け、かつ、該ライン状隔壁の下部と表示側基板との間にOD値が2以上の有色部分を設けて有色ストライプパターンを形成したことを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネル。
- 前記2枚の基板の双方の基板にライン状隔壁を設け、かつ、表示側基板に設けるライン状隔壁の下部と表示側基板との間にOD値が2以上の有色部分を設けて有色ストライプパターンを形成したことを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネル。
- 前記2枚の基板の双方に設けた隔壁の、交点となる隔壁部分に凹部を設け、互いの隔壁が凹部において嵌合するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の情報表示用パネル。
- 前記2枚の基板の双方にライン状電極を設け、基板を重ね合わせる際に、前記2枚の基板の双方に設けたライン状電極が互いに直交するようにした情報表示用パネルであって、表示側基板に設けたライン状電極と隔壁の下部に形成されたOD値が2以上の有色ストライプパターンとが互いに直交するようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報表示用パネル。
- 前記2枚の基板の双方にライン状電極を設け、基板を重ね合わせる際に、前記2枚の基板の双方に設けたライン状電極が互いに直交するようにした情報表示用パネルであって、表示側基板に設けたライン状電極と隔壁の下部に形成されたOD値が2以上の有色ストライプパターンとが互いに並行になるようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報表示用パネル。
- 前記表示媒体が粒子群または粉流体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の情報表示用パネル。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の情報表示用パネルを搭載したことを特徴とする情報表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004331740A JP2006145601A (ja) | 2004-11-16 | 2004-11-16 | 情報表示用パネル及び情報表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004331740A JP2006145601A (ja) | 2004-11-16 | 2004-11-16 | 情報表示用パネル及び情報表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006145601A true JP2006145601A (ja) | 2006-06-08 |
Family
ID=36625421
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004331740A Withdrawn JP2006145601A (ja) | 2004-11-16 | 2004-11-16 | 情報表示用パネル及び情報表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006145601A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009175582A (ja) * | 2008-01-28 | 2009-08-06 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像表示媒体とその製造方法及び画像表示方法 |
-
2004
- 2004-11-16 JP JP2004331740A patent/JP2006145601A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009175582A (ja) * | 2008-01-28 | 2009-08-06 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像表示媒体とその製造方法及び画像表示方法 |
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