JP2010282012A - 画像表示装置用表示粒子および画像表示装置 - Google Patents

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Mikio Kamiyama
幹夫 神山
Okushi Okuyama
奥士 奥山
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Satoru Uchino
哲 内野
Hiroyuki Konno
寛之 金野
Koji Shibata
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Abstract

【課題】繰り返しの駆動時におけるコントラストの低下を十分に防止する表示粒子および画像表示装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示粒子を粉体形態で封入し、該基板間に電界を発生させることによって、該表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置に用いられる表示粒子であって、表示粒子が、樹脂1および着色剤2を含有する母体粒子3の表面に無機層4を有してなり、母体粒子3と無機層4とが少なくともシロキサン結合を介して結合されていることを特徴とする表示粒子、および該表示粒子を備えた画像表示装置。
【選択図】図1

Description

表示粒子を電界中で移動させることにより、画像の表示および消去を繰り返し実行できる画像表示装置および該画像表示装置に用いられる表示粒子に関する。
従来より、表示粒子を気相中で移動させて画像を表示する画像表示装置が知られている。画像表示装置は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示粒子が粉体形態で封入されてなり、該基板間に電界を発生させることによって、表示粒子を一方の基板に移動・付着させて画像を表示するものである。そのような画像表示装置の駆動の際には、基板間に電圧を印加して電界を発生させ、当該電界方向に沿って表示粒子が移動するため、電界方向を適宜選択することによって画像の表示および消去を繰り返し実行できる。そのため、画像表示装置には、表示粒子と基板間における表示粒子接触面との付着力を低減することが求められていた。
画像表示装置に使用される表示粒子としては、結着樹脂および着色剤を含有する母体粒子の表面に疎水性シリカや疎水性チタニアなどの無機微粒子をヘンシェルミキサー等による乾式混合法にて被覆したものが知られている。
しかしながら、そのような表示粒子を用いると、駆動時において無機微粒子が脱落するため、駆動時の初期においてコントラストが低下するという問題があった。
そこで、母体粒子表面に対して、所謂ゾルゲル法等のような湿式法により無機層を形成する技術が提案されている(特許文献1)。そのような技術において、無機層を構成する無機微粒子は、水相中、母体粒子表面に沈着・生成させることにより、形成される。
特開2008−197467号公報
しかしながら、母体粒子表面のほとんどは有機物である樹脂からなるため、そのような母体粒子と無機層との間では接着性が悪く、無機層の剥離が起こりやすかった。その結果、繰り返しの駆動時において、表示粒子の駆動性が悪化し、コントラストがやはり低下した。
本発明は、繰り返しの駆動時におけるコントラストの低下を十分に防止する表示粒子および画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示粒子を粉体形態で封入し、該基板間に電界を発生させることによって、該表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置に用いられる表示粒子であって、
表示粒子が、樹脂および着色剤を含有する母体粒子の表面に無機層を有してなり、母体粒子と無機層とが少なくともシロキサン結合を介して結合されていることを特徴とする表示粒子、および該表示粒子を備えた画像表示装置に関する。
本発明に係る表示粒子によれば、母体粒子と無機層との接着性が向上するので、無機層の剥離を抑制できる。その結果、繰り返しの駆動時におけるコントラストの低下を十分に防止でき、初期のコントラストを長期にわたって維持できる。
(A)は表示粒子の一実施形態の断面構造を示す断面模式図であり、(B)および(C)はいずれも母体粒子と無機層との間の拡大概念図の一例である。 画像表示装置の断面構成の一例を示す概略図である。 基体間への電圧印加による表示粒子の移動の例を示す模式図である。 基体間への電圧印加による表示粒子の移動の例を示す模式図である。 画像表示面の形状例を示す模式図である。 表示粒子の封入方法の一例を示す模式図である。
<画像表示装置用表示粒子>
本発明に係る画像表示装置用表示粒子(以下、単に表示粒子という)は、樹脂および着色剤を含有する母体粒子の表面に無機層を有してなるものであり、無機層の表面にさらに有機層を有してよい。具体的には、表示粒子は、例えば図1(A)に示すように、母体粒子3の表面に無機層4および有機層5を順次、有してもよいし、またはそのような図1(A)の構造において有機層5を有さない構造をしてもよい。図1(A)は表示粒子の一実施形態の断面構造を示す断面模式図であり、1は樹脂を示し、2は着色剤を示す。
[無機層および母体粒子]
本発明において母体粒子3と無機層4とは少なくともシロキサン結合を介して結合されている。すなわち、母体粒子3と無機層4とは少なくともシロキサン結合を含む化学的結合を介して結合されている。その結果、母体粒子3と無機層4との接着性が向上し、無機層の剥離を抑制できるので、繰り返しの駆動時におけるコントラストの低下を十分に防止できる。
本発明に係る表示粒子は、表面にアルコキシシリル基が導入された母体粒子3の表面に対して無機層4を湿式法で形成することによって製造できる。すなわち、表面にアルコキシシリル基が導入された母体粒子3の存在下で無機層4を湿式法で形成することによって母体粒子3の表面に無機層4が形成され、しかも母体粒子3と無機層4との間でシロキサン結合を含む化学的結合が形成される。
アルコキシシリル基は下記式;
−Si(OR(R3−n (I)
で表される1価のシリル基である。式中、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜3、好ましくは1〜2のアルキル基である。nは1〜3の整数であり、好ましくは2または3、より好ましくは3である。以下、アルコキシシリル基を「AOS基」と略記するものとする。
無機層4は図1(A)に示すように無機微粒子からなる層である。そのような無機微粒子を構成する材料は金属酸化物であり、具体例として、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等が挙げられる。無機層4と母体粒子3とのより一層、強固な結合の観点から、無機層4はシリカ層であることが好ましい。
本発明の表示粒子における母体粒子3と無機層4との間の拡大概念図を図1(B)および図1(C)に示す。図1(B)は無機層4を構成する無機微粒子が4価の金属酸化物微粒子であるときの概念図であり、図1(C)は無機層4を構成する無機微粒子が3価の金属酸化物微粒子であるときの概念図である。
表面にAOS基が導入された母体粒子3を用いて、無機層4の形成のための湿式法を実
施すると、図1(B)および図1(C)に示すように、母体粒子3表面のAOS基における少なくとも1つのアルコキシ基(OR)が加水分解を起こして無機層原料と反応し、シロキサン結合(−SiO−)が形成されるとともに、無機層4の無機微粒子が形成される。
図1(B)および図1(C)において、1の母体粒子と1の無機微粒子との間では1ヶ所のみでシロキサン結合が形成されているが、2ヶ所以上においてシロキサン結合が形成されていてもよい。また、nが2以上であってSi原子がアルコキシ基(OR)をまだ有する場合、当該アルコキシ基は加水分解されて、隣接するアルコキシ基を有するSi原子(図示せず)とSi−O−Si結合を形成してもよい。さらに、隣接する無機微粒子(図示せず)間で1以上のシロキサン結合が形成されていてもよい。
図1(B)および図1(C)中、Mは無機層を構成する4価の金属原子を示し、MIIは無機層を構成する3価の金属原子を示す。
無機層4を形成する湿式法は、湿式中において無機微粒子を析出可能な方法であれば特に制限されず、表面にAOS基が導入された母体粒子を存在させること以外、上記金属酸化物微粒子を製造するための公知の湿式法と同様の方法が使用できる。例えば、ゾルゲル法等の湿式法が使用可能である。
例えば、ゾルゲル法によって無機層を形成する場合、所定の母体粒子の水分散液に塩基性環境下で、無機層原料を滴下し、系を所定時間、撹拌する。これによって、表面に無機微粒子が析出・形成されながらも、当該無機微粒子との間で化学的結合が形成された母体粒子が得られる。無機層原料としては、シリカ微粒子層を形成する場合は、例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等が使用可能である。アルミナ微粒子層を形成する場合は、例えば、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド等が使用可能である。チタニア微粒子層を形成する場合は、例えば、チタニウムイソプロポキシド等が使用可能である。ジルコニア微粒子層を形成する場合は、例えば、ジルコニウムイソプロポキシド等が使用可能である。
無機層原料の添加量は本発明の目的が達成される限り特に制限されず、例えば、母体粒子100重量部に対して0.1〜50重量部、特に1〜30重量部が好適である。
無機層を構成する無機微粒子は、母体粒子との接着性の観点から、平均一次粒径が5〜250nm、特に10〜150nmであることが好ましい。
無機層の無機微粒子の平均一次粒径は以下の方法によって測定できる。例えば走査型電子顕微鏡「JSM-7410」(日本電子社製)を用いて粒子の10万倍の写真を撮影し、粒子50個についてそれぞれ最大長を測定し、その個数平均値を平均一次粒径とする。最大長とは粒子の周上の任意の2点間のうち最大の長さのことである。
無機層の厚みは特に制限されず、通常は5〜250nm、好ましくは30〜200nmである。
無機層の厚みは、走査型プローブ顕微鏡SPI3800N、多機能型ユニットSPA400(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)を用いて行った。
測定試料には、当該無機層が形成された母体粒子をエポキシ樹脂に包埋し、60℃で24時間硬化後、ダイヤモンド歯を供えたミクロトームを用い平面を切り出すことにより、断面を平滑化し、粒子断面の観察できるブロックを用いた。
スキャナーはFS−100N(面内100μm、垂直15μm)、マイクロカンチレバーは窒化ケイ素製SN−AF01(バネ定数0.08N/m)を用いて、測定モードはマイクロ粘弾性モード(VE−AFM)で行った。加振周波数3〜5kHz、加振振幅4〜6nmに設定し、形状像、振幅A、Asinδ、Acosδの4画面を各10μm×10μmの測定エリアで同時に測定し、振幅像にて無機層を目視観測により確認し、粒子最表面から母体粒子までの距離を測定し、その平均値を無機層の膜厚として算出した。具体的には、粒子の重心を通る直線との交点から算出し、直線は重心より等間隔の角度で放射状に設けられた8本の直線とする。測定を行う粒子の数は、最低でも100個以上とする。尚、測定環境は25℃±5℃で測定した。
無機層が形成される母体粒子の表面におけるAOS基の量は、本発明の目的が達成される限り特に制限されるものではなく、通常は0.1〜10.0質量%であり、好ましくは0.5〜5.0質量%である。
母体粒子表面におけるAOS基量は以下の方法によって測定された値を用いている。
X線光電子分光ESCA−1000(島津製作所社製)により、以下に示す条件で母体粒子表面の炭素原子、酸素原子及びケイ素原子の存在量を測定し、炭素原子とケイ素原子の存在量の総計に対するケイ素原子の存在比率をAOS基量とした。
X−Ray :Mgアノード、10kV−30mA
Pass Energy :31.500eV
Sampling Times:200msec
Repeat Times :10
Sensitivity :島津ESCA−1000用感度補正係数表に従う
Smoothing :Savitzky法
Background :Non Linear(Mode:Lo.+Ave.)
[母体粒子表面へのAOS基の導入]
母体粒子表面へのAOS基の導入方法としては、例えば、(1)母体粒子を構成する樹脂にAOS基を導入する方法、(2)母体粒子を構成する樹脂に官能基を導入し、当該樹脂を用いて母体粒子を製造した後で、母体粒子表面の官能基を、当該官能基と反応する基およびAOS基を有する化合物と反応させる方法、および(3)AOS基を有する高分子微粒子を、母体粒子に対して、熱および/または機械的な力を用いて融着させる方法等が挙げられる。
(導入方法(1))
導入方法(1)においては、母体粒子を構成する樹脂にAOS基を導入することにより、結果として母体粒子表面にAOS基を導入する。詳しくは、母体粒子の樹脂を構成するモノマーとしてAOS基含有モノマーを用いてAOS基含有樹脂を合成し、当該AOS基含有樹脂を含有する母体粒子を製造する。
母体粒子を構成するAOS基含有樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
AOS基含有オレフィン系樹脂は、当該樹脂を構成するモノマーとしてAOS基含有ラジカル重合性モノマーを用いることによって得ることができる。AOS基含有ラジカル重合性モノマーとしては、AOS基およびラジカル重合性基を有するモノマーであれば特に制限されないが、母体粒子と無機層との結合を容易に達成する観点から、側鎖の末端にAOS基を有するラジカル重合性モノマーを用いることが好ましい。
AOS基含有ラジカル重合性モノマーの好ましい具体例として、例えば、スチリルトリメトキシシラン、スチリルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
AOS基含有オレフィン系樹脂を構成し得るAOS基含有ラジカル重合性モノマー以外の他のラジカル重合性モノマーとして、例えば、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ブタジエン、イソプレン、プロピレン等が挙げられる。
母体粒子にはAOS基を含有しないAOS基フリー樹脂を含有させてもよい。AOS基フリー樹脂としては、従来から母体粒子に含有されているAOS基フリー樹脂が使用可能であり、例えば、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
AOS基含有モノマーの含有量は、本発明の目的が達成される限り特に制限されず、通常は、母体粒子の全樹脂を構成する全モノマーに対して1〜30重量%であり、好ましくは3〜10重量%である。
導入方法(1)において表面にAOS基を導入された母体粒子は、以下の方法によって製造できる。
(1A)少なくともAOS基含有樹脂と着色剤とを混練した後、粉砕、分級の各工程を経て母体粒子を製造する;
(1B)水系媒体中で、少なくともAOS基含有ラジカル重合性モノマーと着色剤を機械的に撹拌して液滴を形成した後、重合を行って母体粒子を製造する;
(1C)界面活性剤を含有させた水系媒体中に、少なくともAOS基含有ラジカル重合性モノマーを滴下し、ミセル中で重合反応を行って100〜150nmの重合体粒子を製造した後、着色剤粒子と凝集剤を添加してこれらの粒子を凝集・融着させて母体粒子を製造する。
(導入方法(2))
導入方法(2)においては、まず、母体粒子を構成する樹脂に官能基を導入することにより、母体粒子表面に官能基を導入する。詳しくは、母体粒子の樹脂を構成するモノマーとして官能基含有モノマーを用いて官能基含有樹脂を合成し、当該官能基含有樹脂を含有する母体粒子を製造する。
次いで、母体粒子表面の官能基を、当該官能基と反応する基およびAOS基を有する化合物と反応させ、母体粒子表面にAOS基を導入する。
母体粒子に導入される官能基としては、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、チオール基等が挙げられる。
母体粒子を構成する官能基含有樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
官能含有オレフィン系樹脂は、当該樹脂を構成するモノマーとして官能基含有ラジカル重合性モノマーを用いることによって得ることができる。官能含有ラジカル重合性モノマーとしては、官能基およびラジカル重合性基を有するモノマーであれば特に制限されないが、母体粒子と無機層との結合を容易に達成する観点から、側鎖の末端に官能基を有するラジカル重合性モノマーを用いることが好ましい。
官能基含有ラジカル重合性モノマーの好ましい具体例として、例えば、3グリシジルメタアクリレート、3グリシジルアクリレート等のエポキシ基含有ラジカル重合性モノマー;アミノスチレン、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有ラジカル重合性モノマー;2−メタアクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有ラジカル重合性モノマー;ラウリルメルカプタン、チオグリコ−ル酸オクチル等のチオール基含有ラジカル重合性モノマー等が挙げられる。
官能基含有オレフィン系樹脂を構成し得る官能基含有ラジカル重合性モノマー以外の他のラジカル重合性モノマーとしては、導入方法(1)においてAOS基含有オレフィン系樹脂を構成し得る他のラジカル重合性モノマーとして例示した同様のモノマーが例示できる。
母体粒子には官能基を含有しない官能基フリー樹脂を含有させてもよい。官能基フリー樹脂としては、従来から母体粒子に含有されている官能基フリー樹脂が使用可能であり、例えば、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
官能基含有モノマーの含有量は、本発明の目的が達成される限り特に制限されず、通常は、母体粒子の全樹脂を構成する全モノマーに対して0.1〜30重量%であり、好ましくは1〜15重量%である。
表面に官能基を導入された母体粒子は、AOS基含有樹脂の代わりに官能基含有樹脂を用いること、AOS基含有ラジカル重合性モノマーの代わりに官能基含有ラジカル重合性モノマーを用いること以外、導入方法(1)におけるAOS基導入母体粒子と同様の方法によって製造できる。
母体粒子表面の官能基(以下、官能基Aという)と反応する基(以下、反応基Bという)としては、例えば、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、チオール基等が挙げられる。詳しくは、例えば、官能基Aがエポキシ基の場合、反応基Bとして、アミノ基、水酸基等が使用できる。また例えば、官能基Aがアミノ基の場合、反応基Bとして、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基等が使用できる。また例えば、官能基Aがイソシアネート基の場合、反応基Bとして、アミノ基、水酸基等が使用できる。また例えば、官能基Aがチオール基の場合、反応基Bとして、カルボキシル基、アシル基等が使用できる。
母体粒子表面の官能基Aと反応させる化合物(以下、反応化合物という)は、反応基BおよびAOS基を有するものであり、母体粒子と無機層との結合を容易に達成する観点から好ましくは一方の末端に反応基Bを有し、他方の末端にAOS基を有する化合物を用いる。
そのような好ましい反応化合物として以下に示す化合物が例示できる。
例えば、一方の末端にエポキシ基を有し、他方の末端にAOS基を有する反応化合物の具体例として、例えば、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトシシラン等が挙げられる。
また例えば、一方の末端にアミノ基を有し、他方の末端にAOS基を有する反応化合物の具体例として、例えば、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また例えば、一方の末端にイソシアネート基を有し、他方の末端にAOS基を有する反応化合物の具体例として、例えば、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
また例えば、一方の末端にメルカプト基を有し、他方の末端にAOS基を有する反応化合物の具体例として、例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
母体粒子表面の官能基Aを反応化合物と反応させるに際しては、表面に官能基Aを導入された母体粒子を、界面活性剤を含有させた水系媒体中、分散させ、室温で撹拌しながら十分量の反応化合物を滴下し、系を50℃で所定時間、撹拌する。次いで、冷却後、粒子の濾過および洗浄を繰り返す。これによって、母体粒子表面の官能基Aが、反応化合物の反応基Bと反応し、結果として母体粒子表面にAOS基が導入される。母体粒子表面の官能基Aと反応化合物の反応基Bとの反応は定量的に起こるため、反応前における母体粒子表面の官能基の量と、反応後における母体粒子表面のAOS基の量とはほとんど変わらない。
(導入方法(3))
導入方法(3)においては、AOS基を有する高分子微粒子を、母体粒子に対して、熱および/または機械的な力を用いて融着させ、結果として母体粒子表面にAOS基を導入する。
AOS基を有する高分子は、特記しない限り、導入方法(1)におけるAOS基含有樹脂と同様であり、特にAOS基含有オレフィン系樹脂が好ましい。
AOS基含有樹脂におけるAOS基含有モノマーの含有量は、本発明の目的が達成される限り特に制限されず、通常は、AOS基含有樹脂を構成する全モノマーに対して1〜30重量%であり、好ましくは3〜10重量%である。
導入方法(3)において母体粒子は、AOS基含有樹脂の代わりにAOS基フリー樹脂を用いること、AOS基含有樹脂がさらに含有されてもよいこと以外、導入方法(1)における母体粒子と同様である。
母体粒子に対して高分子微粒子を融着させる方法として、熱を用いてもよいし、かつ/または機械的な力を用いてもよい。母体粒子表面のほとんどは樹脂からなっており、また融着される微粒子は高分子からなっており、母体粒子および融着微粒子の両者は有機系材料からなっているので、比較的容易に融着が達成される。
例えば、熱を用いる場合、母体粒子および高分子微粒子を、サーフュージングシステムSFS−3型(日本ニューマチック工業社製)等の加熱処理装置に供する。これによって、母体粒子表面を瞬間的に加熱・溶融しながら冷却することができ、同時に当該表面に高分子微粒子を固定することができる。
また例えば機械的な力を用いる場合、母体粒子および高分子微粒子を、ヘンシェルミキサー(三井三池鉱業社製)、メカノハイブリッド(三井三池鉱業社製)等の混合装置に供する。これによって、母体粒子表面に高分子微粒子の少なくとも一部が埋没し、当該表面に高分子微粒子を固定することができる。
上記いずれの導入方法で表面にAOS基が導入された母体粒子であっても、母体粒子を構成する樹脂の重量平均分子量は通常、5000〜200000であり、特に15000〜100000が好ましい。
本明細書中、重量平均分子量はHLC−8220(東ソー社製)によって測定された値を用いている。
[正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子]
本発明の表示粒子は通常、正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子を含むものであり、本発明においては、正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子の両方が上記した表示粒子の構成を有する。正帯電性表示粒子または負帯電性表示粒子の少なくとも一方が上記した表示粒子の構成を有さない場合、母体粒子からの無機層の剥離がやはり起こるので、コントラストの低下を十分に防止できない。正帯電性表示粒子の無機層および負帯電性表示粒子の無機層はそれぞれ独立して選択されてよく、例えば、それらの無機層における無機微粒子の粒径、構成材料、無機層の形成方法および厚み等はそれぞれ独立して上記範囲内であってよい。正帯電性表示粒子の母体粒子および負帯電性表示粒子の母体粒子はそれぞれ独立して選択されてよく、例えば、それらの母体粒子の粒径、構成材料、および製造方法等はそれぞれ独立して上記範囲内であってよい。
正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子は、例えば、互いに摩擦接触させたり、または電荷付与材料としての鉄粉(キャリア)等の基準材料に対して摩擦接触させたりすることによって、所定の極性に帯電される。帯電極性は例えば、母体粒子に含有される荷電制御剤の種類、有機層を構成する表面処理剤の種類等によって制御可能である。
表示粒子の体積平均粒径は通常、0.5〜50μmであり、好ましくは3〜30μm、より好ましくは6〜15μmである。正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子の体積平均粒径はそれぞれ独立して上記範囲内であればよい。
体積平均粒径は体積基準メディアン径(d50径)であって、マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、サンプル0.02gを界面活性剤溶液20ml(粒子を分散させるためのもので、界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、分散液を作製する。この分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。なお、マルチサイザー3のアパチャー径は100μmのものを使用する。
正帯電性表示粒子と負帯電性表示粒子との混合割合は重量比で1/3〜3/1、特に1/2〜2/1が好適である。
[有機層]
有機層5は有機系表面処理剤を用いて表面処理することによって形成される。詳しくは、表面に無機層が形成された母体粒子に対して、有機系表面処理剤を用いて表面処理する。有機系表面処理剤は、電子写真用トナー等の分野で使用される外添剤としての無機微粒子が表面処理される際に使用される有機金属化合物が使用され、例えば、ケイ素、アルミニウムおよびチタニウムからなる群から選択される少なくとも1種類の金属原子を含む有機金属化合物が使用される。帯電性と疎水化の観点から好ましい有機系表面処理剤は有機ケイ素化合物である。有機金属化合物が有する有機基としては、例えば、炭素原子数1〜10のアルキル基、フェニル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等から選択される少なくとも1つの基が挙げられる。
正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子の有機層を形成する有機系表面処理剤は、本発明の目的が達成される限り特に制限されず使用されてよいが、通常は、製造される表示粒子の帯電性に基づいて使い分けられる。例えば、正帯電性表示粒子の有機層の形成には正帯電性有機金属化合物が使用され、負帯電性表示粒子の有機層の形成には負帯電性有機金属化合物が使用される。正帯電性有機金属化合物は、表面処理に使用されることによって、表示粒子に正帯電性を付与する傾向のある有機金属化合物であり、負帯電性有機金属化合物は、表面処理に使用されることによって、表示粒子に負帯電性を付与する傾向のある有機金属化合物である。特に正帯電性表示粒子の有機層の形成には、正帯電性有機金属化合物を使用した後、負帯電性有機金属化合物を使用して有機層を形成することが好ましい。そのような場合に、正帯電性が得られるとともに、疎水性が向上するためである。
正帯電性有機ケイ素化合物の具体例として、例えば、4−アミノブチルジメチルメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリス(2−エチルヘキソキシ)シラン、6−(アミノヘキシルアミノプロピル)トリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリエトキシシラン、3−(1−アミノプロポキシ)3,3−ジメチル−1−プロペニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジエチルメチルシラン、3−アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、ω−アミノウンデシルトリメトキシシラン、アミノ変性シリコンオイル等のアミノシランカップリング剤;N−メチル−アザ−2,2,4−トリメチルシラシクロペントラン(N-methyl-aza-2,2,4-trimethylsilacyclopentrane)、N−アミノエチル−アザ−2,2,4−トリメチルシラシクロペントラン(N-aminoethyl-aza-2,2,4-trimethylsilacyclopentrane)、N−n−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシシラシクロペントラン(N-n-butyl-aza-2,2-dimethoxysilacyclopentane)等の環状シラザン;およびそれらの混合物が挙げられる。
負帯電性有機ケイ素化合物の具体例として、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン等の有機シラザン;メチルハイドロジェンジシロキサン、ジメチルジシロキサン、へキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シロキサン等の有機シロキサン;トリメチルシラン、オクチルトリメトキシシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、ジクロロシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等の有機シランカップリング剤;およびそれらの混合物が挙げられる。
負帯電性有機アルミニウム化合物の具体例として、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等の有機アルミカップリング剤;およびそれらの混合物が挙げられる。
負帯電性有機チタン化合物の具体例として、例えば、プロピルトリメトキシチタン、プロピルジメトキシメチルチタン、プロピルトリエトキシチタン、ブチルトリメトキシチタン、ブチルジメトキシメチルチタン、ブチルトリエトキシチタン、ビニルトリメトキシチタン、ビニルジメトキシメチルチタン、ビニルトリエトキシチタン、ビニルジエトキシメチルチタン、ヘキシルトリメトキシチタン、ヘキシルジメトキシメチルチタン、ヘキシルトリエトキシチタン、ヘキシルジエトキシメチルチタン、フェニルトリメトキシチタン、フェニルジメトキシメチルチタン、フェニルトリエトキシチタン、フェニルジエトキシメチルチタン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシチタン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシメチルチタン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシチタン、γ−グリシドキシプロピルジエトキシメチルチタン等の有機チタンカップリング剤;およびそれらの混合物が挙げられる。
表面処理方法は、被処理物として表面に無機層が形成された母体粒子を用いること以外、電子写真用トナー等の分野で使用される外添剤としての無機微粒子の公知の表面処理方法と同様の方法が使用できる。
例えば、表面に無機層が形成された母体粒子の分散液中、有機系表面処理剤を添加し、当該系を室温下または加熱下で撹拌して当該処理剤を反応させることによって、有機層を無機層上に形成できる。ただし、正帯電性有機金属化合物は、親水性が高く単独で用いると高疎水性が得られない。したがって、正帯電性表示粒子の表面処理では、正帯電性有機金属化合物で処理した後に、高疎水性が得られる負帯電性有機金属化合物で処理する。負帯電性有機金属化合物で処理した後に正帯電性有機金属化合物で処理した場合は、正帯電性が得られない。
有機層の厚みは特に制限されず、通常は0.1〜50nm、好ましくは1〜20nmである。
有機層の厚みは、無機層と同様の方法で測定することができる。粒子最表面から母体粒子までの距離を測定し、その平均値と無機層の膜厚との差分を当該有機層の厚みとして算出した。
正帯電性表示粒子の有機層および負帯電性表示粒子の有機層はそれぞれ独立して選択されてよく、例えば、それらの有機層の構成材料、形成方法および厚み等はそれぞれ独立して上記範囲内であってよい。
[着色剤およびその他の材料]
正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子のいずれにおいても、母体粒子は前記した構成を有し、少なくとも樹脂および着色剤を含有する着色樹脂粒子であるが、正帯電性表示粒子に含まれる母体粒子と、負帯電性表示粒子に含まれる母体粒子とでは、異なる色の着色剤が含まれる。
色が異なるとは、後で詳述する画像表示装置において基板間に電界を発生させたとき、視認方向上流側の基板に移動・付着させた表示粒子と、視認方向下流側の基板上に残留・付着させた表示粒子との間で、色相、明度、彩度等に差が生じるという意味である。そのような差に基づいて、表示画像を視覚的に認識できる。正帯電性表示粒子と負帯電性表示粒子の母体粒子は、例えば、白色母体粒子と黒色母体粒子との組み合わせ、白色母体粒子と青色母体粒子との組み合わせ、白色母体粒子と赤色母体粒子との組み合わせ、または白色母体粒子と黄色母体粒子との組み合わせで使用される。色は母体粒子に含有される着色剤の種類(黒:カーボンブラック、酸化鉄、アニリンブラック 白:酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛)によって制御可能である。
着色剤は、特に限定されるものではなく、電子写真用トナーの分野で公知の顔料が用いられる。このうち、例えば、白色母体粒子を構成する白色顔料としては、たとえば、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム等が挙げられ、その中でも酸化チタンが好ましい。また例えば、黒色母体粒子を構成する黒色顔料としては、たとえば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等が挙げられ、その中でもカーボンブラックが好ましい。また例えば、赤色母体粒子を構成する赤色顔料としては、たとえば、C.I.ピグメントレッド1〜23、C.I.ピグメントレッド30、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド37〜41、C.I.ピグメントレッド48〜58、C.I.ピグメントレッド60、C.I.ピグメントレッド63、C.I.ピグメントレッド64、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド87〜90、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド163、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド269等が挙げられる。また例えば、青色母体粒子を構成する青色顔料としては、たとえば、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。また例えば、黄色母体粒子を構成する黄色顔料としては、たとえば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー162、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
着色剤の含有量は特に制限されず、例えば、樹脂100重量部に対して1〜200重量部であってよい。
母体粒子には所望により、電子写真用トナーの分野で採用されている荷電制御剤が含有されてもよい。
荷電制御剤は、特に限定されるものではなく、電子写真用トナーの分野で公知の荷電制御剤が用いられる。このうち、例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、4級アンモニウム塩化合物、ニトリイミダゾール誘導体等の負荷電制御剤を含有する母体粒子は負帯電性表示粒子用として有用である。また例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン化合物、イミダゾール誘導体等の正荷電制御剤を含有する母体粒子は正帯電性表示粒子用として有用である。荷電制御剤の含有量は特に制限されず、例えば、樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部であってよい。
本発明の表示粒子、すなわち正帯電性表示粒子および負帯電性表示粒子は、電子写真用トナーの分野で公知の外添剤が外添されて使用されてよい。外添剤として、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ等の無機微粒子、およびポリアクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機微粒子が挙げられる。外添剤の平均一次粒径は5〜250nm、特に10〜150nmが好適である。
<画像表示装置>
本発明に係る画像表示装置は上記した表示粒子を備えたことを特徴とする。以下、本発明の画像表示装置について詳細に説明する。なお、本発明に係る画像表示装置は、「粉体ディスプレイ」とも呼ばれるものである。
本発明に係る画像表示装置は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に上記した表示粒子を粉体形態で封入し、該基板間に電界を発生させることによって、該表示粒子を移動させて画像を表示するものである。
本発明に係る画像表示装置の代表的な構成断面を図2に示す。図2(a)は、基板11、12上に層構造の電極15を設け、電極15表面に絶縁層16を設けたものである。図2(b)に示す画像表示装置は、装置内に電極を設けていない構造のもので、装置外部に設けられた電極を介して電界を付与させ、表示粒子の移動を行える様にしたものである。図2(a)および図2(b)における同じ符号は同じ部材を意味するものとする。図2は図2(a)および図2(b)を包含して意味するものとする。図2の画像表示装置10は、図に示す様に、基板11側より画像を視認するものとするが、本発明では基板11側より画像を視認するものに限定されるものではない。また、図2(b)に示すタイプは、装置自体に電極15が設けられていない分、装置の構造を簡略化させ、その製造工程を短縮化することができるメリットがある。図2(b)に示すタイプの画像表示装置10を電圧印加可能な装置にセットして電圧印加を行う様子を示すものを図4に示す。なお、本発明に係る画像表示装置の断面構成は図2(a)と(b)に示すものに限定されるものではない。
図2(a)の画像表示装置10の最外部には、当該画像表示装置を構成する筐体である2つの基板11と12が対向して配置されている。基板11と12は双方が向き合う側の面上に電圧印加を行うための電極15が設けられ、さらに、電極15上に絶縁層16が設けられている。基板11と12には、電極15と絶縁層16が設けられ、電極15と絶縁層16を有する側の面を対向させて形成される隙間18には表示粒子が存在する。図2に示す画像表示装置10は、表示粒子として黒色表示粒子(以下、黒色粒子という)21と白色表示粒子(以下、白色粒子という)22の2種類の表示粒子を隙間18に存在させている。図2の画像表示装置10では、隙間18が基板11と12及び2つの隔壁17により四方を囲んだ構造となっており、表示粒子は隙間18に封入された状態で存在している。
隙間18の厚さは、封入された表示粒子が移動可能で画像のコントラストを維持できる範囲であれば、特に限定されるものではなく、通常は10μm乃至500μm、好ましくは10μm乃至100μmである。隙間18内における表示粒子の体積占有率は、5%乃至70%であり、好ましくは30%乃至60%である。表示粒子の体積占有率を上記範囲にすることにより、隙間18内で表示粒子がスムーズに移動でき、また、コントラストのよい画像が得られる。
次に、画像表示装置10の隙間18での表示粒子の挙動について説明する。
本発明に係る画像表示装置は、2枚の基板間に電圧を印加されて電界が形成されると、帯電している表示粒子は電界方向に沿って移動する様になる。この様に、表示粒子が存在する基板間に電圧を印加することにより、帯電した表示粒子が基板間を移動して画像表示を行うものである。
本発明に係る画像表示装置における画像表示は以下の手順により行われるものである。
(1)表示媒体として用いる表示粒子を、キャリアによる摩擦帯電等の公知の方法により帯電させる。
(2)対向する2枚の基板間に表示粒子を封入し、この状態で基板間に電圧を印加する。
(3)基板間への電圧印加により、基板間に電界が形成される。
(4)表示粒子は、電極間の電界の力の作用により表示粒子の極性と反対側の電界方向に沿って基板表面に引き寄せられ、画像表示が行える様になる。
(5)また、基板間の電界方向を変えることにより、表示粒子の移動方向を切り換える。この移動方向の切換えにより画像表示を様々に変えることができる。
なお、上述した公知の方法による表示粒子の帯電方法としては、たとえば、キャリアに接触させて摩擦帯電により表示粒子を帯電させる方法、帯電極性の異なる2色の表示粒子を混合、撹拌して両者間の摩擦帯電により表示粒子を帯電させる方法等が挙げられるが、本発明では、キャリアを使用し、帯電した表示粒子を基板内に封入することが好ましい。
基板間への電圧印加に伴う表示粒子の移動の例を図3と図4に示す。
図3(a)は、基板11と12の間に電圧を印加する前の状態を示しており、電圧印加前は視認側の基板11近傍には正帯電した白色粒子22が存在している。この状態は画像表示装置10が白色画像を表示しているものである。また、図3(b)は、電極15に電圧を印加した後の状態を示しており、基板11に正の電圧を印加することで負に帯電した黒色粒子21が視認側の基板11近傍に移動し、白色粒子22は基板12側に移動している。この状態は画像表示装置10が黒色画像を表示しているものである。
図4は、図2(b)に示した画像表示装置10に電極を有さないタイプのものを電圧印加装置30にセットし、この状態で電圧を印加する前の様子(図4(a))と電圧を印加した後の様子(図4(b))を示したものである。図2(b)に示すタイプの画像表示装置10も電極15を有する画像表示装置10と同様、基板11に正の電圧を印加することで負に帯電した黒色粒子21が視認側の基板11近傍に移動し、正に帯電した白色粒子22は基板12側に移動している。
次に、図2に示す画像表示装置10を構成する基板11、12、電極15、絶縁層16、および隔壁17について説明する。
先ず、画像表示装置10を構成する基板11と12について説明する。画像表示装置10では、観察者は基板11と12の少なくとも一方の側から表示粒子により形成される画像を視認するので、観察者が視認する側に設けられる基板は透明な材質のものが求められる。したがって、観察者が画像を視認する側に使用される基板は、たとえば可視光透過率が80%以上の光透過性の材料が好ましく、80%以上の可視光透過率を有することにより十分な視認性が得られる。なお、画像表示装置10を構成する基板のうち、画像を視認する側の反対側に設けられる基板の材質は必ずしも透明なものである必要はない。
基板11、12の厚さは、それぞれ2μm〜5mmが好ましく、さらに、5μm〜2mmがより好ましい。基板11、12の厚さが上記範囲のとき、画像表示装置10に十分な強度を付与するとともに基板の間隔を均一に保つことができる。また、基板の厚さを上記範囲とすることでコンパクトで軽量な画像表示装置を提供することができるので、広い分野での当該画像表示装置の使用を促進させる。さらに、画像を視認する側の基板の厚みを上記範囲とすることにより、表示画像の正確な視認が行え表示品質に支障を与えない。
可視光透過率が80%以上の材料としては、ガラスや石英等の可撓性を有さない無機材料や、後述する樹脂材料に代表される有機材料や金属シート等が挙げられる。このうち、有機材料や金属シートは画像表示装置にある程度の可撓性を付与することができる。可視光透過率を80%以上とすることが可能な樹脂材料としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等に代表されるポリエステル樹脂や、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、ポリメチルメタクリレート(PMMA)に代表されるアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体であるアクリル樹脂やポリエチレン樹脂等のビニル系の重合性単量体をラジカル重合して得られる透明樹脂も挙げられる。
電極15は基板11と12の面上に設けられ、電圧印加により基板間すなわち隙間18に電界を形成するものである。電極15は、前述の基板と同様に、観察者が画像を視認する側に透明なものを設ける必要がある。
画像を視認する側に設けられる電極の厚みは、導電性を確保するとともに光透過性に支障を来さないレベルにすることが求められ、具体的には3nm〜1μmが好ましく、5nm〜400nmがより好ましい。なお、画像を視認する側に設けられる電極の可視光透過率は、基板同様、80%以上とすることが好ましい。画像を視認する側の反対側に設けられる電極の厚みも上記範囲とすることが好ましいが、透明なものにする必要はない。
電極15の構成材料としては、金属材料や導電性金属酸化物、あるいは、導電性高分子材料等が挙げられる。具体的な金属材料としては、たとえば、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等が挙げられ、導電性金属酸化物の具体例としては、インジウム・スズ酸化物(ITO)、酸化インジウム、アンチモン・スズ酸化物(ATO)、酸化スズ、酸化亜鉛等が挙げられる。さらに、導電性高分子材料としては、たとえば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等が挙げられる。
電極15を基板11や12上に形成する方法としては、たとえば、薄膜上の電極を設ける場合には、スパッタリング法や真空蒸着法、化学蒸着法(CVD法;Chemical Vapor Deposition)、塗布法等が挙げられる。また、導電性材料を溶媒やバインダ樹脂に混合させ、この混合物を基板に塗布して電極を形成する方法もある。
絶縁層16は電極15の表面に設けられ、絶縁層16表面で表示粒子21,22と接触する構成となっているが、必ずしも設けなければならないというわけではない。絶縁層16は表示粒子21、22を移動させる際に印加される電圧によって帯電量の変化を緩和する役割をもっている。また、疎水性の高い構造をもつ樹脂、凹凸を付与することによって、表示粒子との物理的な付着力を低減でき、駆動電圧を低減させる働きももっている。絶縁層16を構成する材料としては、電気絶縁性を有する薄膜化可能な材料であって、所望により透明性を有するものである。画像を視認する側に設けられる絶縁層は可視光透過率を、基板同様、80%以上とすることが好ましい。具体例として、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
絶縁層16の厚みは0.01μm以上10.0μm以下とすることが好ましい。すなわち、絶縁層16の厚みが上記範囲の時は、電極15間にそれほど大きな電圧を印加せずに表示粒子21,22が移動でき、たとえば、電気泳動法による画像形成で印加したレベルの電圧を付与して画像表示が行えるので好ましい。
隔壁17は、上下基板間の隙間18を確保するものであり、図5上段の右側および左側の図に示すように基板11,12の縁部だけでなく、必要に応じて内部にも形成できる。隔壁17の幅、特に画像表示面18a側の隔壁の厚みは、例えば図5上段の右側の図に示すように、表示画像の鮮明性を確保する上からできるだけ薄くした方がよい。
基板11,12の内部に形成される隔壁17は、図5上段の右側および左側の図中、表裏方向に連続的に形成されても、断続的に形成されてもよい。
隔壁17の形状および配置を制御することにより、隔壁17により仕切られた隙間18のセルを様々な形状で配置できる。隙間18を基板11の視認方向から見た時のセルの形状および配置の例を図5下段の図に示す。セルは、図5下段の図に示すように、四角形状、三角形状、ライン状、円形状、六角形状等にて、複数個で、ハニカム状や網目状に配置することができる。
隔壁17は、たとえば以下に挙げる方法を用いて画像を視認する側の反対側の基板上を加工処理することにより形成できる。隔壁17を形成する方法としては、たとえば、樹脂材料等によるエンボス加工や熱プレス射出成形による凹凸形成、フォトリソグラフ法やスクリーン印刷等が挙げられる。
画像表示装置は、例えば以下に示す電子写真現像方式によって製造可能である。
2枚の基板11に、電極15および所望により絶縁層16を形成し、一対の電極付き基板を得る。表示粒子21およびキャリア210を混合することにより表示粒子21を負帯電させ、混合物(21,210)を、図6(a)に示すように、導電性のステージ100上に置き、一方の電極付き基板を、ステージ100と所定の間隔を空けて設置する。次いで、図6(a)に示すように、電極15に正極性の直流電圧と交流電圧を印加して、負帯電性表示粒子21を付着させる。
表示粒子22およびキャリア220を混合することにより表示粒子22を正帯電させ、混合物(22,220)を、図6(b)に示すように、導電性のステージ100上に置き、他方の電極付き基板を、ステージ100と所定の間隔を空けて設置する。次いで、図6(b)に示すように、電極15に負極性の直流電圧と交流電圧を印加して、正帯電性表示粒子22を付着させる。負帯電性表示粒子を付着させた電極付き基板と、正帯電性表示粒子を付着させた電極付き基板とを、図6(c)に示すように、所定の間隔になるように隔壁で調整して重ね、基板周辺を接着し、画像表示装置を得ることができる。
(合成例1;母体粒子1)
スチレン95重量部、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン社;KBE−503)5重量部、カーボンブラック8重量部を混合した後、TKホモミキサー(特殊機化工業社)を用い5000rpmの高速剪断をかけ、カーボンブラック分散液を調製した。更にアゾビスシアノバレロニトリル(和光純薬社;V−60)2重量部を溶解し、着色剤分散モノマー液を調製した。
蒸留水100重量部にリン酸三カルシウム1.5重量部を添加し10000rpmで攪拌を行い分散剤水溶液を調製した。分散剤水溶液に、前記着色剤分散モノマー溶液を加え同様に7000rpmで分散を行い、モノマー分散液を調製した。
この分散液を、攪拌装置、冷却管、温度センサー、窒素導入管付きの重合装置に入れ、窒素気流下攪拌をおこないつつ70℃、6時間反応を行った。更に反応液を取りだし、静置で一昼夜70℃に保温し重合反応を完結させた。
反応液に希塩酸を加え、系内をPH4にし、30分間攪拌した後、分散液をろ過した。得られた粒子を蒸留水に再分散してからろ過するという工程を4回繰り返し、リン酸三カルシウムが除去された母体粒子1を得た。体積平均粒径は10μmであった。
(合成例2;母体粒子2)
上記合成例1において、着色剤をカーボンブラック8重量部から酸化チタン120重量部に変更した以外は同様に行い、体積平均粒径10μmの母体粒子2を得た。
(合成例3;母体粒子3)
スチレン95重量部、3グリシジルメタアクリレート5重量部、酸化チタン120重量部を混合した後、TKホモミキサー(特殊機化工業社)を用い5000rpmの高速剪断をかけ、酸化チタン分散液を調製した。更にアゾビスシアノバレロニトリル(和光純薬社;V−60)2重量部を溶解し、着色剤分散モノマー液を調製した。
蒸留水100重量部にリン酸三カルシウム1.5重量部を添加し10000rpmで攪拌を行い分散剤水溶液を調製した。分散剤水溶液に、前記着色剤分散モノマー溶液を加え同様に7000rpmで分散を行い、モノマー分散液を調製した。
この分散液を、攪拌装置、冷却管、温度センサー、窒素導入管付きの重合装置に入れ、窒素気流下攪拌をおこないつつ70℃、6時間反応を行った。更に反応液を取りだし、静置で一昼夜70℃に保温し重合反応を完結させた。
反応液に希塩酸を加え、系内をPH4にし、30分間攪拌した後、分散液をろ過した。得られた粒子を蒸留水に再分散してからろ過するという工程を4回繰り返し、リン酸三カルシウムが除去された母体粒子3を得た。体積平均粒径は11μmであった。
上記母体粒子10重量部を、ドデシル硫酸ナトリウム3重量部を蒸留水100重量部に溶解した水溶液に加え、室温で攪拌を行なった。更にN−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン社 KBE−603)10重量部を滴下し、更に攪拌を続けながら60℃まで昇温し、そのまま5時間反応を行った。冷却後、濾過および洗浄を繰り返し行い、母体粒子3を得た。
(合成例4;母体粒子4)
上記合成例3において酸化チタン120重量部を赤色顔料(1,9−ジメチルキナクリドン C.I.ピグメントレッド122)8重量部に代えた以外は同一の方法で、体積平均粒径8.5μmの母体粒子4を得た。
(合成例5;母体粒子5)
スチレン95重量部、2−メタアクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社 商品名カレンズMOI)5重量部、青色顔料(銅タロシアニン C.I.ピグメントブルー15:3)8重量部を混合した後、TKホモミキサー(特殊機化工業社)を用い5000rpmの高速剪断をかけ、青色顔料分散液を調製した。更にアゾビスシアノバレロニトリル(和光純薬社;V−60)2重量部を溶解し、着色剤分散モノマー液を調製した。
蒸留水100重量部にリン酸三カルシウム1.5重量部を添加し10000rpmで攪拌を行い分散剤水溶液を調製した。分散剤水溶液に、前記着色剤分散モノマー溶液を加え同様に7000rpmで分散を行い、モノマー分散液を調製した。
この分散液を、攪拌装置、冷却管、温度センサー、窒素導入管付きの重合装置に入れ、窒素気流下攪拌をおこないつつ70℃、6時間反応を行った。更に反応液を取りだし、静置で一昼夜70℃に保温し重合反応を完結させた。
反応液に希塩酸を加え、系内をPH4にし、30分間攪拌した後、分散液をろ過した。得られた粒子を蒸留水に再分散してからろ過するという工程を4回繰り返し、リン酸三カルシウムが除去された母体粒子5を得た。体積平均粒径は11μmであった。
上記母体粒子10重量部を、ドデシル硫酸ナトリウム3重量部を蒸留水100重量部に溶解した水溶液に加え、室温で攪拌を行なった。更に3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン社;KBE−903)10重量部を滴下し、更に攪拌を続けながら60℃まで昇温し、そのまま5時間反応を行った。冷却後濾過および洗浄を繰り返し行い、母体粒子5を得た。
(合成例6;母体粒子6)
スチレン95重量部、アミノスチレン5重量部、黄色顔料(C.I.ピグメントイエロー74)8重量部を混合した後、TKホモミキサー(特殊機化工業社)を用い5000rpmの高速剪断をかけ、黄色顔料分散液を調製した。更にアゾビスシアノバレロニトリル(和光純薬社;V−60)2重量部を溶解し、着色剤分散モノマー液を調製した。
蒸留水100重量部にリン酸三カルシウム1.5重量部を添加し10000rpmで攪拌を行い分散剤水溶液を調製した。分散剤水溶液に、前記着色剤分散モノマー溶液を加え同様に7000rpmで分散を行い、モノマー分散液を調製した。
この分散液を、攪拌装置、冷却管、温度センサー、窒素導入管付きの重合装置に入れ、窒素気流下攪拌をおこないつつ70℃、6時間反応を行った。更に反応液を取りだし、静置で一昼夜70℃に保温し重合反応を完結させた。
反応液に希塩酸を加え、系内をPH4にし、30分間攪拌した後、分散液をろ過した。得られた粒子を蒸留水に再分散してからろ過するという工程を4回繰り返し、リン酸三カルシウムが除去された母体粒子6を得た。体積平均粒径は11μmであった。
上記母体粒子10重量部を、ドデシル硫酸ナトリウム3重量部を蒸留水100部に溶解した水溶液に加え、室温で攪拌を行なった。更に3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン社;KBE−9007)10重量部を滴下し、更に攪拌を続けながら60℃まで昇温し、そのまま5時間反応を行った。冷却後、濾過および洗浄を繰り返し行い、母体粒子6を得た。
(合成例7;母体粒子7)
合成例1において、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン社;KBE−503)量を1重量部に変更した以外は同様に行い、体積平均粒径10μmの母体粒子7を得た。
(合成例8;母体粒子8)
合成例7において、着色剤をカーボンブラック8重量部から酸化チタン120重量部に変更した以外は同様に行い、体積平均粒径10μmの母体粒子8を得た。
(比較合成例1;母体粒子9)
スチレン100重量部、カーボンブラック8重量部を混合した後、TKホモミキサー(特殊機化工業社)を用い5000rpmの高速剪断をかけ、カーボンブラック分散液を調製した。更にアゾビスシアノバレロニトリル(和光純薬社;V−60)2重量部を溶解し、着色剤分散モノマー液を調製した。
蒸留水100重量部にリン酸三カルシウム1.5重量部を添加し10000rpmで攪拌を行い分散剤水溶液を調製した。分散剤水溶液に、前記着色剤分散モノマー溶液を加え同様に7000rpmで分散を行い、モノマー分散液を調製した。
この分散液を、攪拌装置、冷却管、温度センサー、窒素導入管付きの重合装置に入れ、窒素気流下攪拌をおこないつつ70℃、6時間反応を行った。更に反応液を取りだし静置で一昼夜70℃に保温し重合反応を完結させた。
反応液に希塩酸を加え、系内をPH4にし、30分間攪拌した後、分散液をろ過した。得られた粒子を蒸留水に再分散してからろ過するという工程を4回繰り返し、リン酸三カルシウムが除去された母体粒子9を得た。体積平均粒径は10μmであった。
(比較合成例2;母体粒子10)
上記比較合成例1において、着色剤をカーボンブラック8重量部から酸化チタン120重量部に変更した以外は同様に行い、体積平均粒径10μmの母体粒子10を得た。
(比較合成例3;母体粒子11)
上記比較合成例1において、モノマーをスチレン100重量部からブチルアルコール32重量部、メタクリル酸メチル68重量部に変更した以外は同様に行い、体積平均粒径11μmの母体粒子11を得た。
(比較合成例4;母体粒子12)
上記比較合成例3において、着色剤をカーボンブラック8重量部から酸化チタン120重量部に変更した以外は同様に行い、体積平均粒径10μmの母体粒子12を得た。
(無機層)
母体粒子1〜12を用いてそれぞれ無機層形成粒子1〜12を得た。詳しくは母体粒子30gを純水1000gに分散し、アンモニア水(28wt%)10gを添加して5分間攪拌した。次いでテトラエトキシシラン8.5gを3時間かけて滴下し、さらに室温にて5時間攪拌した。得られた沈殿物をろ過し、純水にて洗浄し後、60℃で24時間乾燥し、母体粒子表面に無機層(シリカ微粒子層)が形成された無機層形成粒子1〜12を得た。
(有機層;負帯電性表示粒子1,3,5,7,9,11の製造)
無機層形成粒子1,3,5,7,9,11を用いてそれぞれ負帯電性表示粒子1,3,5,7,9,11を得た。詳しくは無機層形成粒子10gを室温で、シクロヘキサン50gとヘキサメチルジシラザン10gとの混合液に加えて、この分散液を撹拌しながら50℃に加熱し、3時間反応させた。次いで、この分散液中の溶媒を50℃、減圧下で留去することにより、負帯電性表示粒子1,3,5,7,9,11を得た。
(有機層;正帯電性表示粒子2,4,6,8,10,12の製造)
無機層形成粒子2,4,6,8,10,12を用いてそれぞれ負帯電性表示粒子2,4,6,8,10,12を得た。詳しくは酢酸水溶液(1wt%)25gにN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン(第1処理剤)4gを加えて、室温で15分間攪拌した。その後、混合液に、無機層形成粒子10gを室温で、シクロヘキサン50gとヘキサメチルジシラザン10gとの混合液に加えて、この分散液を撹拌しながら50℃に加熱し、3時間反応させた。次いで、この分散液中の溶媒を50℃、減圧下で留去することにより、正帯電性表示粒子2,4,6,8,10,12を得た。
(正帯電性表示粒子を帯電させるためのキャリアA)
平均粒子径80μmのフェライトコア100重量部に対して、フッ素化アクリレート樹脂粒子を2部加え、これら原料を水平回転翼型混合機に投入し、水平回転翼の周速が8m/秒となる条件で22℃で10分間混合攪拌した後、90℃に加熱し40分攪拌して、キャリアAを製造した。
(負帯電性表示粒子を帯電させるためのキャリアB)
平均粒子径80μmのフェライトコア100重量部に対して、シクロヘキシルメタクリレート樹脂粒子を2部加え、これら原料を水平回転翼型混合機に投入し、水平回転翼の周速が8m/秒となる条件で22℃で10分間混合攪拌した後、90℃に加熱し40分攪拌して、キャリアBを製造した。
<実施例1>
負帯電性表示粒子として上記表示粒子1を用い、正帯電性表示粒子として上記表示粒子2を用いて、画像表示装置を製造した。
(画像表示装置の製造)
画像表示装置は、図2(a)と同様の構造を有するように、以下の方法に従って製造した。長さ80mm、幅50mm、厚さ0.7mmのガラス基板11を2枚用意し、各基板面上には、厚さ300nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)被膜(抵抗30Ω/□)からなる電極15を蒸着法により形成した。上記電極上に、ポリカーボネート樹脂12gを、テトラヒドロフラン80mlとシクロヘキサノン20mlの混合溶媒に溶解させてなる塗布液を、スピンコート法により塗布して厚さ3μmの絶縁層16を形成し、一対の電極付き基板を得た。
負帯電性表示粒子1gおよびキャリアB 9gを振とう機(YS−LD ヤヨイ社製)により30分間混合することにより、表示粒子を帯電させた。得られた混合物(21,210)を、図6(a)に示すように、導電性のステージ100上に置き、一方の電極付き基板を、ステージ100と約2mmの間隔を空けて設置した。電極15とステージ100との間に、DCバイアス+50V,ACバイアス2.0kV,周波数2.0kHzを10秒間印加して、絶縁層16上に表示粒子21を付着させた。
正帯電性表示粒子1gおよびキャリアA 9gを振とう機(YS−LD ヤヨイ社製)により30分間混合することにより、表示粒子を帯電させた。得られた混合物(22,220)を、図6(b)に示すように、導電性のステージ100上に置き、他方の電極付き基板を、ステージ100と約2mmの間隔を空けて設置した。電極15とステージ100との間に、DCバイアス−50V,ACバイアス2.0kV,周波数2.0kHzを10秒間印加して、絶縁層16上に表示粒子22を付着させた。
負帯電性表示粒子を付着させた電極付き基板と、正帯電性表示粒子を付着させた電極付き基板とを、図6(c)に示すように、間隔50μmになるように隔壁で調整して重ね、基板周辺をエポキシ系接着剤にて接着し、画像表示装置とした。なお、2種類の表示粒子のガラス基板間への体積占有率は50%であった。正帯電性表示粒子と負帯電性表示粒子との含有割合は重量比で1/1にしてある。
<実施例2〜4/比較例1〜2>
負帯電性表示粒子および正帯電性表示粒子として所定の表示粒子を用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、画像表示装置を製造した。
Figure 2010282012
<評価>
画像表示装置の視認方向上流側の電極に対して+100Vと−100Vの電圧を交互に印加させ、他方の電極は電気的に接地させた。初期において、+100V印加時の表示画像の濃度、および−100V印加時の表示画像の濃度を測定し、それらの濃度差を「C」とした。濃度は、反射濃度計「RD−918(マクベス社製)」を用いて測定した。
さらに、+100Vと−100Vの電圧印加を1000回繰り返したときの、濃度差を上記と同様の方法により測定し、それらの濃度差を「C1000」とした。
耐久時コントラスト(A)を下記式;
A=(C1000/C)×100(%)
に基づいて算出し、以下のランク付けに基づいて評価した。
○;70%≦A;
△;50%≦A<70%(実用上問題なし);
×;A<50%(実用上問題あり)。
1:樹脂、2:着色剤、3:母体粒子、4:無機層、5:有機層、10:画像表示装置、11:12:基板、15:電極、16:絶縁層、17:隔壁、18:隙間、18a:画像表示面、21:黒色表示粒子、22:白色表示粒子。

Claims (6)

  1. 少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示粒子を粉体形態で封入し、該基板間に電界を発生させることによって、該表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置に用いられる表示粒子であって、
    表示粒子が、樹脂および着色剤を含有する母体粒子の表面に無機層を有してなり、母体粒子と無機層とが少なくともシロキサン結合を介して結合されていることを特徴とする表示粒子。
  2. 無機層が平均一次粒径50〜450nmの無機微粒子からなる層である請求項1に記載の表示粒子。
  3. 無機層がシリカ層である請求項1または2に記載の表示粒子。
  4. 無機層の表面にさらに有機層を有し、該有機層がケイ素、アルミニウムおよびチタニウムからなる群から選択される少なくとも1種類の金属原子を含む有機金属化合物を用いた表面処理により形成された請求項1〜3のいずれかに記載の表示粒子。
  5. 表面にアルコキシシリル基が導入された母体粒子の表面に対して無機層を湿式法で形成することによって製造された請求項1〜4のいずれかに記載の表示粒子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の表示粒子を備えた画像表示装置。
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