JP5228638B2 - 画像表示装置用表示粒子および画像表示装置 - Google Patents
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少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示粒子を粉体形態で封入し、該基板間に電界を発生させることによって、該表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置に用いられる表示粒子であって、
表示粒子が正帯電性の表示粒子および負帯電性の表示粒子を含み、
少なくとも一方の表示粒子が正帯電性無機微粒子および負帯電性無機微粒子で被覆されてなることを特徴とする表示粒子および該画像表示装置用表示粒子を備えた画像表示装置に関する。
正帯電性の表示粒子および負帯電性の表示粒子の両方の表示粒子が正帯電性無機微粒子および負帯電性無機微粒子で被覆されると、そのような本発明の効果、特に繰り返し駆動時のコントラストの向上効果は顕著に向上する。
本発明に係る画像表示装置用表示粒子(以下、単に表示粒子という)は、正帯電性の表示粒子および負帯電性の表示粒子を含み、少なくとも一方の表示粒子が正帯電性無機微粒子および負帯電性無機微粒子で被覆されてなる。正帯電性の表示粒子または負帯電性の表示粒子の少なくとも一方、好ましくは両方の表示粒子は、当該表示粒子の帯電極性と同極性の無機微粒子だけでなく、逆極性の無機微粒子でも被覆されてなっている。これによって、繰り返し駆動時の帯電量の上昇が抑制されるため、メモリー性を低下させることなく、コントラストが比較的高い画像を繰り返して表示できる。正帯電性の表示粒子および負帯電性の表示粒子の両方の表示粒子が正帯電性無機微粒子または負帯電性無機微粒子の一方の無機微粒子でしか被覆されていないと、繰り返し駆動時において両方の表示粒子の帯電量が上昇するため、十分なコントラストの画像が得られない。
本発明の第1実施形態において、正帯電性の表示粒子および負帯電性の表示粒子の両方の表示粒子は正帯電性無機微粒子および負帯電性無機微粒子の両方の無機微粒子で被覆されてなっている。
正帯電性の表示粒子における負帯電性無機微粒子の被覆量は母体粒子100重量部に対して0.005〜40重量部、好ましくは0.1から6重量部である。
負帯電性の表示粒子における負帯電性無機微粒子の被覆量は母体粒子100重量部に対して0.06〜95重量部、好ましくは0.7〜18重量部である。
ステップA;まず、画像表示装置より正帯電性表示粒子と負帯電性表示粒子とを分離して採取する。詳しくは、画像表示装置の上下電極間に500Vの直流電圧を印加して、正帯電性表示粒子と負帯電性表示粒子とを当該装置内で分離する。その後、当該装置を分解し、正帯電性表示粒子と負帯電性表示粒子とを区別して採取する。
無機微粒子と鉄粉キャリア(Z150/250(パウダーテック社製))1gを5ccのガラス管の中に入れ振とう機により20分間混合し帯電させる。無機微粒子とキャリアの混合物50mgを2枚の平行平板(アルミ)電極間の磁石により磁界の影響を受ける電極側に入れ、電極間ギャップが0.5mm、DCバイアスが±1.0KV、ACバイアスが4.0KV、2.0KHzの条件で磁石をしゅう動させながら(1ストローク/3秒)電圧を30秒印加する。DCバイアスの極性が−の時に、対向する電極に移動する粒子は+の無機微粒子であり、+のDCバイアスを印加した時に移動した粒子は−の無機微粒子である。
測定手順としては、50mlのメスシリンダーに測定用無機微粒子を0.1g入れ、純水25mlとメタノール25mlの混合液を加え、超音波洗浄機「US−1(as one社製)」を用いて3分間分散させ測定用試料を作製する。次いで、測定用試料3mlを「マイクロトラックUPA−150」のセル内に投入し、Sample Loadingの値が0.1〜100の範囲にあることを確認する。そして、下記測定条件にて測定する。
測定条件
Transparency(透明度):Yes
Refractive Index(屈折率):1.59
Particle Density(粒子比重):2.20g/cm3
Spherical Particles(球形粒子):Yes
溶媒条件
Refractive Index(屈折率):1.33
Viscosity(粘度):Hight(temp) 0.797x10-3Pa・S、Low(temp) 1.002x10-3Pa・S
本明細書中、疎水化度はメタノールウェッタビリティーによって測定された値を用いている。メタノールウェッタビリティーとは、メタノールに対する濡れ性を評価するものである。この方法は、内容量200mlのビーカー中に入れた蒸留水50mlに、測定対象の無機微粒子を0.2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸漬されているビュレットから、ゆっくり撹拌した状態で無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下する。この無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量をa(ml)とした場合に、下記式により疎水化度が算出される。
疎水化度={a/(a+50)}×100
負帯電性無機微粒子の疎水化度は30〜99、特に70〜99を示すことが好ましい。
本明細書中、重量平均分子量はHLC−8220(東ソー社製)によって測定された値を用いている。
また例えば、黒色母体粒子を構成する黒色顔料としては、たとえば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等が挙げられ、その中でもカーボンブラックが好ましい。
着色剤の含有量は特に制限されず、例えば、樹脂100重量部に対して1〜200重量部であってよい。
母体粒子の体積平均粒径は体積基準メディアン径(d50径)であって、マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、サンプル0.02gを界面活性剤溶液20ml(粒子を分散させるためのもので、界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、分散液を作製する。この分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。なお、マルチサイザー3のアパチャー径は50μmのものを使用する。
(1)樹脂と着色剤とを混練した後、粉砕、分級の各工程を経て母体粒子を製造する方法;
(2)水系媒体中で重合性単量体と着色剤を機械的に撹拌して液滴を形成した後、重合を行って母体粒子を製造する、いわゆる懸濁重合法;
(3)界面活性剤を含有させた水系媒体中に重合性単量体を滴下し、ミセル中で重合反応を行って100〜150nmの重合体粒子を製造した後、着色剤粒子と凝集剤を添加してこれらの粒子を凝集・融着させて母体粒子を製造する、いわゆる乳化重合凝集法。
負帯電性表示粒子において正帯電性無機微粒子の固定化率は50〜99%、特に70〜99%であることが好ましく、負帯電性無機微粒子の固定化率は50〜99%、特に70〜99%であることが好ましい。
本発明の第2実施形態において、正帯電性の表示粒子は正帯電性無機微粒子および負帯電性無機微粒子の両方の無機微粒子で被覆されてなり、負帯電性の表示粒子は負帯電性無機微粒子で被覆されてなる。
第2実施形態において、負帯電性表示粒子は、正帯電性無機微粒子が使用されないか、またはその被覆量が所定の範囲未満であること以外、第1実施形態における負帯電性表示粒子と同様である。
本発明の第3実施形態において、負帯電性の表示粒子は正帯電性無機微粒子および負帯電性無機微粒子の両方の無機微粒子で被覆されてなり、正帯電性の表示粒子は正帯電性無機微粒子で被覆されてなる。
第3実施形態において、正帯電性表示粒子は、負帯電性無機微粒子が使用されないか、またはその被覆量が所定の範囲未満であること以外、第1実施形態における正帯電性表示粒子と同様である。
本発明に係る画像表示装置は上記した表示粒子を備えたことを特徴とする。以下、本発明の画像表示装置について詳細に説明する。なお、本発明に係る画像表示装置は、「粉体ディスプレイ」とも呼ばれるものである。
本発明に係る画像表示装置は、2枚の基板間に電圧を印加されて電界が形成されると、帯電している表示粒子は電界方向に沿って移動する様になる。この様に、表示粒子が存在する基板間に電圧を印加することにより、帯電した表示粒子が基板間を移動して画像表示を行うものである。
(1)表示媒体として用いる表示粒子を、キャリアによる摩擦帯電等の公知の方法により帯電させる。
(2)対向する2枚の基板間に表示粒子を封入し、この状態で基板間に電圧を印加する。
(3)基板間への電圧印加により、基板間に電界が形成される。
(4)表示粒子は、電極間の電界の力の作用により表示粒子の極性と反対側の電界方向に沿って基板表面に引き寄せられ、画像表示が行える様になる。
(5)また、基板間の電界方向を変えることにより、表示粒子の移動方向を切り換える。この移動方向の切換えにより画像表示を様々に変えることができる。
画像表示装置は電子写真現像方式によっても製造可能である。
図3(a)は、基板11と12の間に電圧を印加する前の状態を示しており、電圧印加前は視認側の基板11近傍には正帯電した白色粒子22が存在している。この状態は画像表示装置10が白色画像を表示しているものである。また、図3(b)は、電極15に電圧を印加した後の状態を示しており、基板11に正の電圧を印加することで負に帯電した黒色粒子21が視認側の基板11近傍に移動し、白色粒子22は基板12側に移動している。この状態は画像表示装置10が黒色画像を表示しているものである。
隔壁17の形状および配置を制御することにより、隔壁17により仕切られた隙間18のセルを様々な形状で配置できる。隙間18を基板11の視認方向から見た時のセルの形状および配置の例を図5下段の図に示す。セルは、図5下段の図に示すように、四角形状、三角形状、ライン状、円形状、六角形状等にて、複数個で、ハニカム状や網目状に配置することができる。)
[白色表示粒子の製造]
(白色母体粒子)
下記した樹脂及び酸化チタンをヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を25m/秒に設定して5分間混合処理して混合物とした。
スチレンアクリル樹脂(重量平均分子量20,000) 100重量部
アナタース型酸化チタン(平均一次粒径150nm) 30重量部
上記混合物を二軸押出混練機で混練し、次いで、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミル粉砕機(ターボ工業社製)で粉砕処理し、さらに、コアンダ効果を利用した気流分級機で微粉分級処理を行って、体積平均粒径が10.0μmの白色母体粒子を製造した。
(黒色母体粒子)
下記した樹脂及びカーボンブラックをヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を25m/秒に設定して5分間混合処理して混合物とした。
スチレンアクリル樹脂(重量平均分子量20,000) 100重量部
カーボンブラック(平均一次粒径25nm) 10重量部
上記混合物を二軸押出混練機で混練し、次いで、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミル粉砕機(ターボ工業社製)で粗粉粉砕し、さらに、コアンダ効果を利用した気流分級機で微粉分級処理を行って、体積平均粒径が10.0μmの黒色母体粒子を製造した。
平均粒子径80μmのフェライトコア100重量部に対して、フッ素化アクリレート樹脂粒子を2部加え、これら原料を水平回転翼型混合機に投入し、水平回転翼の周速が8m/秒となる条件で22℃で10分間混合攪拌した後、90℃に加熱し40分攪拌して、キャリアAを製造した。
平均粒子径80μmのフェライトコア100重量部に対して、シクロヘキシルメタクリレート樹脂粒子を2部加え、これら原料を水平回転翼型混合機に投入し、水平回転翼の周速が8m/秒となる条件で22℃で10分間混合攪拌した後、90℃に加熱し40分攪拌して、キャリアBを製造した。
画像表示装置は、図2(a)と同様の構造を有するように、電子写真現像方式に従って製造した。長さ80mm、幅50mm、厚さ0.7mmのガラス基板11を2枚用意し、各基板面上には、厚さ300nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)被膜(抵抗30Ω/□)からなる電極15を蒸着法により形成した。上記電極上に、ポリカーボネート樹脂12gを、テトラヒドロフラン80mlとシクロヘキサノン20mlの混合溶媒に溶解させてなる塗布液を、スピンコート法により塗布して厚さ3μmの絶縁層16を形成し、一対の電極付き基板を得た。
(被覆量・固定化率・被覆重量比)
画像表示装置から、前記した方法により、白色表示粒子および黒色表示粒子における正帯電性無機微粒子および負帯電性無機微粒子の被覆量および被覆重量比、ならびに固定化率を求めた。
画像表示装置に対して+100Vと−100Vの直流電圧を交互に印加し、電圧印加により得られる表示画像の反射濃度を測定することにより、表示特性を評価した。白表示の状態でプラスの電圧を印加した時に、表示が白から黒に変化することが確認された。なお、画像表示装置の視認方向上流側の電極に印加する電圧を変化させ、他方の電極は電気的に接地させた。
(コントラスト耐久性)
+100Vと−100Vの交互の電圧印加を1万回繰り返した後のコントラストを測定した。
コントラストは、黒色濃度と白色濃度との差、すなわち、
コントラスト=黒色濃度−白色濃度
で定義される濃度差により評価した。
黒色濃度は、画像表示装置の視認方向上流側の電極に+100Vの電圧を印加した時に得られる表示面の反射濃度である。
白色濃度は、画像表示装置の視認方向上流側の電極に−100Vの電圧を印加した時に得られる表示面の反射濃度である。
濃度は、反射濃度計「RD−918(マクベス社製)」を用いて、表示面上の5カ所をランダムに測定して、その平均値とした。
コントラストは、濃度差が1.20以上を最優良(◎)、0.95以上を優良(○)、0.70以上を合格(△)、0.70未満を不合格(×)とした。
メモリー性とは、電源を切っても表示状態を維持することである。メモリー性の評価は、3ヶ月間静置した画像の黒色濃度の値を用いて、(3ヶ月静置後の黒色濃度の値)/(静置前の黒色濃度の値)×100で算出した。算出した値が95以上を合格(○)とした。
被覆量および被覆重量比が所定の値になるように無機微粒子の添加量を調整したこと、および固定化率が所定の値になるように熱風処理時間を調整したこと以外、実施例1と同様の方法により、白色表示粒子および黒色表示粒子を製造した。なお、正帯電性および負帯電性の無機微粒子としては、所定の表面処理剤を用いて得られた所定の粒径および疎水化率を有する無機微粒子を用いた。
上記で得られた白色表示粒子および黒色表示粒子を用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、画像表示装置を製造し、評価を行った。
Claims (9)
- 少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示粒子を粉体形態で封入し、該基板間に電界を発生させることによって、該表示粒子を移動させて画像を表示する画像表示装置に用いられる表示粒子であって、
表示粒子が正帯電性の表示粒子および負帯電性の表示粒子を含み、
少なくとも一方の表示粒子が正帯電性無機微粒子および負帯電性無機微粒子で被覆されてなり、
前記表示粒子が、母体粒子、正帯電性無機微粒子および負帯電性無機微粒子の混合物を瞬間的加熱処理することにより得られたものであることを特徴とする表示粒子。 - 正帯電性の表示粒子が、少なくとも樹脂および着色剤を含有する母体粒子を正帯電性無機微粒子および負帯電性無機微粒子で被覆してなる請求項1に記載の表示粒子。
- 正帯電性の表示粒子における正帯電性無機微粒子と負帯電性無機微粒子との被覆重量比が95/5〜60/40である請求項2に記載の表示粒子。
- 正帯電性の表示粒子における正帯電性無機微粒子および負帯電性無機微粒子の総被覆量が母体粒子100重量部に対して0.1〜100重量部である請求項2または3に記載の表示粒子。
- 負帯電性の表示粒子が、少なくとも樹脂および着色剤を含有する母体粒子を正帯電性無機微粒子および負帯電性無機微粒子で被覆してなる請求項1〜4のいずれかに記載の表示粒子。
- 負帯電性の表示粒子における正帯電性無機微粒子と負帯電性無機微粒子との被覆重量比が5/95〜40/60である請求項5に記載の表示粒子。
- 負帯電性の表示粒子における正帯電性無機微粒子および負帯電性無機微粒子の総被覆量が母体粒子100重量部に対して0.1〜100重量部である請求項5または6に記載の表示粒子。
- 正帯電性無機微粒子が疎水化処理剤によって正帯電性を付与された無機微粒子であり、
負帯電性無機微粒子が疎水化処理剤によって負帯電性を付与された無機微粒子である請求項1〜7のいずれかに記載の表示粒子。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の表示粒子を備えた画像表示装置。
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