JP2015535425A - ジュースの発酵 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ブリックス値が5〜20?Bxのジュース濃縮物と炭水化物の混合物を酵母で処理することにより、アルコール含有量が濃縮液状食品1kgあたり15gよりも低い濃縮液状食品を得ることを含む、濃縮液状食品を調製するプロセスに関する。
Description
本発明は、低アルコール含有量の濃縮液状食品を調製するプロセスに関する。
アルコールの入った飲み物を調製するために酵母の存在下で糖を発酵させてアルコールにすることは、古くから知られている。中世で既に人々は、ブドウジュースの発酵によって、ワインなどのアルコール飲料を調製していた。このような発酵では、酵母が使用される。全体として、グルコース、フルクトースおよびスクロースなどの糖類が細胞エネルギーに変換されることにより、代謝副産物としてエタノールおよび二酸化炭素が生成される。この変換は酸素の非存在下で行われるので、エタノール発酵は嫌気発酵に分類される。
しかし、そのように製造した飲み物は、かなりの量のアルコールを含有する。アルコール飲料は、様々な集団の人々にとって不適切であるため、アルコールを含有しない発酵した飲み物が注目されている。
しかし、そのように製造した飲み物は、かなりの量のアルコールを含有する。アルコール飲料は、様々な集団の人々にとって不適切であるため、アルコールを含有しない発酵した飲み物が注目されている。
US4,695,468は、液体フレーバー抽出物を含有する糖液の発酵を含み、酵母の存在下でpHが3.5以下であり、かつpHレベルが3.0以下に下がるまで発酵を続ける、炭酸入りの飲み物を製造するためのプロセスについて記載している。しかし、十分な発酵を達成するためには、酵母栄養素を加えることが必要である。
IT1264292は、植物性物質の発酵混合物を含む非アルコール性飲料について記載している。そこで記載されているプロセスでは、発酵に希釈した果汁を使用している。
JP2001−190251は、果汁の発酵について記載しており、その果汁の含有量は0.01〜75wt%である。しかし、前記文献も希釈した果汁だけを使用しており、濃縮果汁の発酵について言及していない。
さらに、米国ではレモンを発酵させることは極めて一般的である。発酵させたレモンジュースは、「Skeeter Pee」(http://skeeterpee.com)と呼ばれている。しかし、Skeeter Peeは、約5〜10%のアルコールを含有するアルコール入り飲み物である。さらに、Skeeter Peeのレシピに記載されているように、レモンジュースを水で希釈し、次いで発酵させる。十分な発酵を達成するために、酵母栄養素および酵母活性化剤(yeast energizer)を加える。
IT1264292は、植物性物質の発酵混合物を含む非アルコール性飲料について記載している。そこで記載されているプロセスでは、発酵に希釈した果汁を使用している。
JP2001−190251は、果汁の発酵について記載しており、その果汁の含有量は0.01〜75wt%である。しかし、前記文献も希釈した果汁だけを使用しており、濃縮果汁の発酵について言及していない。
さらに、米国ではレモンを発酵させることは極めて一般的である。発酵させたレモンジュースは、「Skeeter Pee」(http://skeeterpee.com)と呼ばれている。しかし、Skeeter Peeは、約5〜10%のアルコールを含有するアルコール入り飲み物である。さらに、Skeeter Peeのレシピに記載されているように、レモンジュースを水で希釈し、次いで発酵させる。十分な発酵を達成するために、酵母栄養素および酵母活性化剤(yeast energizer)を加える。
本発明の目的は、味および風味が良く、アルコール含有量が低い濃縮液状食品を調製するためのプロセスを提供することである。
前記目的は、ブリックス値が5〜20°Bxのジュース濃縮物と炭水化物との混合物を酵母で処理することにより、アルコール含有量が濃縮液状食品1kgあたり15g以下の濃縮液状食品を得ることを含む、濃縮液状食品を調製するプロセスによって解決される。
本発明はさらに、上述のプロセスによって得られる濃縮液状食品、濃縮液状食品および希釈剤を含むそのまま飲める(ready−to−drink)組成物、そのまま飲める組成物を調製するための濃縮液状食品の使用を提供する。
他の実施形態は、サブクレーム2〜12および16に記載されている。
本発明はさらに、上述のプロセスによって得られる濃縮液状食品、濃縮液状食品および希釈剤を含むそのまま飲める(ready−to−drink)組成物、そのまま飲める組成物を調製するための濃縮液状食品の使用を提供する。
他の実施形態は、サブクレーム2〜12および16に記載されている。
用語「濃縮液状食品」は、濃縮された液状食品を意味する。本発明による濃縮液状食品は、摂取するためには希釈しなければならない。濃縮液状食品は、そのままでは、その高い酸性度のために摂取できない。
用語「°Bx」(ブリックス度)は、溶液中の可溶性固形分を表す単位を意味する。1度のブリックス値は、サッカロース/水の溶液100グラム中のサッカロース1グラムに相当し、すなわち重量パーセント値(%w/w)としての溶液の濃度を表す。前記溶液の密度が、サッカロース/水の溶液100グラム中サッカロース1グラムの溶液と同じ場合、その溶液は1°Bxを有している。°Bxは、通常屈折計を用いて測定する。
用語「ジュース濃縮物」は、好ましくは濃縮物中に残存する水の量がジュース濃縮物に基づいて20〜80重量%になるまで、ジュースから水を選択的に除去することによって得られる濃縮物を意味する。ジュースは、圧搾、絞り出し、または抽出によって、果物、液果、野菜、ハーブ、ナッツ、香辛料、菌類、穀類、または農産物から得られる。用語「抽出」は、代表的に浸漬または浸出などの溶媒を用いた抽出に使用される。ジュース濃縮物の製造は一般的な方法であり、当業者周知である。これは、プロセス後により高いブリックス値のジュースが得られる任意のプロセスによって実施することができる。一般的な濃縮法の例は、ろ過および蒸発である。用語「ジュース濃縮物」はまた、水を抽出した可溶性固体、粉砕物およびピューレーを意味する。ジュース濃縮物はまた、様々なジュース濃縮物の混合物であってもよい。
用語「°Bx」(ブリックス度)は、溶液中の可溶性固形分を表す単位を意味する。1度のブリックス値は、サッカロース/水の溶液100グラム中のサッカロース1グラムに相当し、すなわち重量パーセント値(%w/w)としての溶液の濃度を表す。前記溶液の密度が、サッカロース/水の溶液100グラム中サッカロース1グラムの溶液と同じ場合、その溶液は1°Bxを有している。°Bxは、通常屈折計を用いて測定する。
用語「ジュース濃縮物」は、好ましくは濃縮物中に残存する水の量がジュース濃縮物に基づいて20〜80重量%になるまで、ジュースから水を選択的に除去することによって得られる濃縮物を意味する。ジュースは、圧搾、絞り出し、または抽出によって、果物、液果、野菜、ハーブ、ナッツ、香辛料、菌類、穀類、または農産物から得られる。用語「抽出」は、代表的に浸漬または浸出などの溶媒を用いた抽出に使用される。ジュース濃縮物の製造は一般的な方法であり、当業者周知である。これは、プロセス後により高いブリックス値のジュースが得られる任意のプロセスによって実施することができる。一般的な濃縮法の例は、ろ過および蒸発である。用語「ジュース濃縮物」はまた、水を抽出した可溶性固体、粉砕物およびピューレーを意味する。ジュース濃縮物はまた、様々なジュース濃縮物の混合物であってもよい。
適切な果物は、例えばリンゴ、パッションフルーツ、ナシ、モモ、プラム、アンズ、ネクタリン、ブドウ、さくらんぼ、レモン、ライム、マンダリンミカン、タンジェリン、オレンジ、グレープフルーツ、トマト、キュウリ、パイナップル、ザクロ、キウイ、マンゴー、パパイヤ、バナナ、スイカ、カンタループメロン、アセロラ、ブラッドオレンジ、イナゴマメ、チェリモヤ、柑橘類、ドラゴンフルーツ、イチジク、グアバ、カンロメロン、カキ、レイシ、マンゴスチン、メロン、ミラベル、オリーブ、パプリカ、ホオズキ、ヒラウチワサボテン、カボチャ、マルメロ、スターフルーツおよびその混合物である。
適切な液果は、例えば、クランベリー、スグリ、ラズベリー、グズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、イチゴ、アサイー、アロニアベリー、クロフサスグリ、ボイゼンベリー、ニワトコ、ゴジ、コケモモ、桑の実、アカおよびクロフサスグリ、ローズヒップ、ナナカマドの実、シーバックソーン、スロー、セイヨウサンザシおよびウッドベリーおよびその混合物である。
適切な野菜は、例えば、ジャガイモ、レタス、セロリ、ホウレンソウ、キャベツ、オランダガラシ、ダイオウ、ニンジン、ビート、アスパラガス、ビートルート、ブロッコリー、エンダイブ、ウイキョウ、セイヨウワサビ、リーキ、タマネギ、エンドウおよびホウレンソウおよびその混合物である。
適切なハーブは、例えば、タンポポ、アロエベラ、ウイキョウ、イチョウ、緑茶、ハイビスカス、ゼニアオイ、ルイボス、茶葉およびその混合物である。
適切なナッツは、例えば、ココナッツ、クリ、アーモンド、カシュー、ヘーゼルナッツ、マカダミア、ピーナッツ、ペカン、松の実、ピスタチオ、クルミおよびその混合物である。
適切な香辛料は、例えば、桂皮、ショウキョウ、甘草およびバニラおよびその混合物である。
適切な穀類は、例えば、オオムギ、亜麻仁、ふすま、メイズ、キビ、オートムギ、米、ライムギ、コムギ、トウモロコシおよび麦芽およびその混合物である。
適切な農産物は、例えば、豆類、カカオ、カッシア、コーヒー、チョウセンニンジン、ガラナ、ハチミツ、レンズ、ハス、ケシの実、ヒマワリ、大豆、およびタマリンドおよびその混合物である。
本発明によるプロセスで使用されているジュース濃縮物は、上記の果物、液果、野菜、ハーブ、ナッツ、香辛料、菌類、穀類、または農産物から得られた任意のジュース濃縮物であってよい。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた好ましい実施形態では、ジュース濃縮物は、レモン、ライム、マンダリンミカン、タンジェリン、オレンジ、グレープフルーツ、ブラッドオレンジまたはその混合物などの柑橘類果実から選択される。より好ましくは、ジュース濃縮物は、レモン、ライム、またはその混合物から選択される。特に、ジュース濃縮物は、ライムから選択される。
適切な液果は、例えば、クランベリー、スグリ、ラズベリー、グズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、イチゴ、アサイー、アロニアベリー、クロフサスグリ、ボイゼンベリー、ニワトコ、ゴジ、コケモモ、桑の実、アカおよびクロフサスグリ、ローズヒップ、ナナカマドの実、シーバックソーン、スロー、セイヨウサンザシおよびウッドベリーおよびその混合物である。
適切な野菜は、例えば、ジャガイモ、レタス、セロリ、ホウレンソウ、キャベツ、オランダガラシ、ダイオウ、ニンジン、ビート、アスパラガス、ビートルート、ブロッコリー、エンダイブ、ウイキョウ、セイヨウワサビ、リーキ、タマネギ、エンドウおよびホウレンソウおよびその混合物である。
適切なハーブは、例えば、タンポポ、アロエベラ、ウイキョウ、イチョウ、緑茶、ハイビスカス、ゼニアオイ、ルイボス、茶葉およびその混合物である。
適切なナッツは、例えば、ココナッツ、クリ、アーモンド、カシュー、ヘーゼルナッツ、マカダミア、ピーナッツ、ペカン、松の実、ピスタチオ、クルミおよびその混合物である。
適切な香辛料は、例えば、桂皮、ショウキョウ、甘草およびバニラおよびその混合物である。
適切な穀類は、例えば、オオムギ、亜麻仁、ふすま、メイズ、キビ、オートムギ、米、ライムギ、コムギ、トウモロコシおよび麦芽およびその混合物である。
適切な農産物は、例えば、豆類、カカオ、カッシア、コーヒー、チョウセンニンジン、ガラナ、ハチミツ、レンズ、ハス、ケシの実、ヒマワリ、大豆、およびタマリンドおよびその混合物である。
本発明によるプロセスで使用されているジュース濃縮物は、上記の果物、液果、野菜、ハーブ、ナッツ、香辛料、菌類、穀類、または農産物から得られた任意のジュース濃縮物であってよい。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた好ましい実施形態では、ジュース濃縮物は、レモン、ライム、マンダリンミカン、タンジェリン、オレンジ、グレープフルーツ、ブラッドオレンジまたはその混合物などの柑橘類果実から選択される。より好ましくは、ジュース濃縮物は、レモン、ライム、またはその混合物から選択される。特に、ジュース濃縮物は、ライムから選択される。
ジュース濃縮物のブリックス値は、5〜20°Bxである。上記または下記の実施形態のいずれかと併せた好ましい実施形態では、本発明によるプロセスで使用されているジュース濃縮物のブリックス値は、6〜16°Bxである。より好ましくは、ジュース濃縮物のブリックス値は、8〜12°Bxである。
濃縮物から得られた、ジュース含有量が100wt%のライムジュースのブリックス値は、8°Bxである。ブリックス値が12°Bxのジュース濃縮物は、150wt%のジュース含有量に相当する。
5°Bx未満の濃度は、望ましくない異臭のする化合物の形成を引き起こす。20°Bxより高い濃度も、望ましくない異臭のする化合物の形成を引き起こし、さらに発酵プロセスも阻害する。
濃縮物から得られた、ジュース含有量が100wt%のライムジュースのブリックス値は、8°Bxである。ブリックス値が12°Bxのジュース濃縮物は、150wt%のジュース含有量に相当する。
5°Bx未満の濃度は、望ましくない異臭のする化合物の形成を引き起こす。20°Bxより高い濃度も、望ましくない異臭のする化合物の形成を引き起こし、さらに発酵プロセスも阻害する。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた好ましい実施形態では、ジュース濃縮物のpHは低く、例えば<4などであり、好ましくは<3であり、より好ましくは<2.5である。特に、ジュース濃縮物は、ライムジュースまたはレモンジュースから選択され、とりわけライムジュースから選択される。
食料製品および飲み物の発酵に使用される一般的な酵母は、子嚢菌(Ascomycota)である。アルコール形成酵母、例えば、サッカロミセス属(Saccharomyces)、クロエケラ属(Kloeckera)、およびピチア属(Pichia)の酵母を使用することが好ましい。このような酵母の例は、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・バヤヌス(Saccharomyces bayanus)、およびクロエケラ・アピキュラータ(Kloeckera apiculata)である。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた別の好ましい実施形態では、乾燥酵母を使用している。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、酵母は、サッカロミセス属から選択され、より好ましくはサッカロミセス・セレビシエまたはサッカロミセス・バヤヌス、特にサッカロミセス・セレビシエから選択される。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた別の好ましい実施形態では、酵母を、混合物の全重量に基づき、0.01〜0.1wt%の量で、より好ましくは0.015〜0.07wt%の量、特に0.02wt%加える。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた別の好ましい実施形態では、乾燥酵母を使用している。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、酵母は、サッカロミセス属から選択され、より好ましくはサッカロミセス・セレビシエまたはサッカロミセス・バヤヌス、特にサッカロミセス・セレビシエから選択される。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた別の好ましい実施形態では、酵母を、混合物の全重量に基づき、0.01〜0.1wt%の量で、より好ましくは0.015〜0.07wt%の量、特に0.02wt%加える。
酵母は、そのCFUによってさらに特徴付けることができる。用語「CFU」は、コロニー形成単位を意味し、生細菌および真菌数の推定値であり、通常CFU/mLまたはCFU/gで示される。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、混合物は、CFUが1×1010CFU/kgの乾燥酵母を含む。酵母は、好ましくは1×109CFU/kg〜1×1010CFU/kgの量、より好ましくは1.5×109CFU/kg〜7×109CFU/kgの量、特に2×109CFU/kgで存在する。本発明の混合物(発酵物)の密度は、およそ1g/mLである。したがって、2×109CFU/kgは、2×109CFU/Lおよび2×106CFU/mLに相当する。
酵母の量がこの範囲の場合、異臭のする化合物の形成を起こすことなく所望の芳香を有する化合物が形成される。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、混合物は、CFUが1×1010CFU/kgの乾燥酵母を含む。酵母は、好ましくは1×109CFU/kg〜1×1010CFU/kgの量、より好ましくは1.5×109CFU/kg〜7×109CFU/kgの量、特に2×109CFU/kgで存在する。本発明の混合物(発酵物)の密度は、およそ1g/mLである。したがって、2×109CFU/kgは、2×109CFU/Lおよび2×106CFU/mLに相当する。
酵母の量がこの範囲の場合、異臭のする化合物の形成を起こすことなく所望の芳香を有する化合物が形成される。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた別の好ましい実施形態では、本発明によるプロセスにおける酵母を用いたジュース濃縮物の処理は、25℃より高い温度、より好ましくは25〜35℃の温度、特に28〜32℃の温度で実施される。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、本発明によるプロセスにおける処理は、24〜50時間実施される。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた別の好ましい実施形態では、発酵は、pH<2.5および28〜32℃の温度で24〜50時間実施される。
所望の芳香を有する化合物が形成されてアルコール含有量が低いときに、発酵を停止することが好ましい。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、反応バッチは、発酵中に撹拌せず、かつ通気しない。本発明のプロセスでは、酸化を防止するために酸素を排除することがより好ましい。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、所望の芳香を有する化合物が形成されてアルコール含有量が低いときに、80〜90℃の温度における30〜60秒間の熱処理によって発酵を停止する。固体は、当業者公知の一般的な手順、例えばろ過によって濃縮液状食品から除去することができる。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、本発明によるプロセスにおける処理は、24〜50時間実施される。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた別の好ましい実施形態では、発酵は、pH<2.5および28〜32℃の温度で24〜50時間実施される。
所望の芳香を有する化合物が形成されてアルコール含有量が低いときに、発酵を停止することが好ましい。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、反応バッチは、発酵中に撹拌せず、かつ通気しない。本発明のプロセスでは、酸化を防止するために酸素を排除することがより好ましい。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、所望の芳香を有する化合物が形成されてアルコール含有量が低いときに、80〜90℃の温度における30〜60秒間の熱処理によって発酵を停止する。固体は、当業者公知の一般的な手順、例えばろ過によって濃縮液状食品から除去することができる。
サッカロミセス・セレビシエなどの酵母は、炭水化物、好ましくはヘキソースを発酵させる。多くのジュース濃縮物、特に柑橘類果実では、ヘキソースは少量でしか存在しない。したがって炭水化物、好ましくはヘキソースの添加は、発酵を開始するのに役立つ可能性がある。
適切な炭水化物には、マルトース、ラクトース、グルコース、サッカロース、フルクトース、加水分解したサッカロース濃縮物、転化糖シロップ、グルコースシロップ、果汁からの天然果糖、果汁濃縮物(例えばFruit−up(登録商標)、リンゴジュース濃縮物、ブドウジュース濃縮物)、ハチミツ、メープルシロップ、および淡色麦芽がある。上記または下記の実施形態のいずれかと併せた好ましい実施形態では、炭水化物は、グルコース、ラクトース、サッカロース、およびフルクトースから選択され、なかでもグルコースが最も好ましい。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた好ましい実施形態では、炭水化物は無色か、またはわずかな着色しかなく、かつそれ自体は無味である。転化糖シロップおよびグルコースシロップなどのシュガーシロップが好ましく、これはなぜなら、その中のヘキソースが遊離しているために利用が容易なためである。さらに、前記シロップは、色に影響を与えず、かつ強い味がしない。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた別の好ましい実施形態では、炭水化物を、混合物の全重量に基づき、1〜20wt%の量で、より好ましくは2〜10wt%の量で、特に3〜5wt%で加える。
適切な炭水化物には、マルトース、ラクトース、グルコース、サッカロース、フルクトース、加水分解したサッカロース濃縮物、転化糖シロップ、グルコースシロップ、果汁からの天然果糖、果汁濃縮物(例えばFruit−up(登録商標)、リンゴジュース濃縮物、ブドウジュース濃縮物)、ハチミツ、メープルシロップ、および淡色麦芽がある。上記または下記の実施形態のいずれかと併せた好ましい実施形態では、炭水化物は、グルコース、ラクトース、サッカロース、およびフルクトースから選択され、なかでもグルコースが最も好ましい。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた好ましい実施形態では、炭水化物は無色か、またはわずかな着色しかなく、かつそれ自体は無味である。転化糖シロップおよびグルコースシロップなどのシュガーシロップが好ましく、これはなぜなら、その中のヘキソースが遊離しているために利用が容易なためである。さらに、前記シロップは、色に影響を与えず、かつ強い味がしない。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた別の好ましい実施形態では、炭水化物を、混合物の全重量に基づき、1〜20wt%の量で、より好ましくは2〜10wt%の量で、特に3〜5wt%で加える。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、酵母は、活性化形態で加えられる。活性化のために、5wt%酵母を含む懸濁液(これを5×108CFU/mLと定義する)を得るための量で酵母を温度が30〜40℃の脱気水中に懸濁させる。懸濁液は、30〜40℃で10〜20分間静置させ、その後酵母を完全に溶解させるため、かつ懸濁液のエアレーションを達成するために約15分間強く撹拌する。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、上記の活性化させた酵母懸濁液を、ジュース濃縮物および炭水化物に加える。好ましくは、出発濃度は、反応バッチ1L当たり乾燥酵母0.1〜0.3g、すなわち反応バッチ1mL当たり1〜3×106CFUの範囲である。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、反応バッチを発酵前に殺菌する。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた別の好ましい実施形態では、例えばろ過または遠心分離によって、発酵後に固体を取り除く。固体の除去により、得られた食品の風味・食感の安定性が増大する。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、上記の活性化させた酵母懸濁液を、ジュース濃縮物および炭水化物に加える。好ましくは、出発濃度は、反応バッチ1L当たり乾燥酵母0.1〜0.3g、すなわち反応バッチ1mL当たり1〜3×106CFUの範囲である。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、反応バッチを発酵前に殺菌する。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた別の好ましい実施形態では、例えばろ過または遠心分離によって、発酵後に固体を取り除く。固体の除去により、得られた食品の風味・食感の安定性が増大する。
酵母を用いた発酵中にエステルおよび他の芳香を有する化合物が形成されることは、よく知られている。このように形成された化合物の量は、酵母および発酵条件によって決まる。
本発明では、発酵プロセスは、所望の芳香を有する化合物を形成するために、記載された条件下で実施される。したがって発酵条件は、所望の味を有し低アルコール含有量の食品を得るために変更される。特に、発酵条件は、酵母の通常の最適条件に当てはまらない。例えば、糖をアルコールへ転化させるためのサッカロミセス・セレビシエ(SIHA 3)の最適発酵温度は、15〜22℃の範囲であるが、本発明の好ましい実施形態では、発酵温度は、25℃より高く、より好ましくは28〜32℃の範囲である。
同様に、上記または下記の実施形態のいずれかと併せた別の好ましい実施形態では、発酵は、pH<4、特にpH<2.5で実施される。サッカロミセス・セレビシエのpH最適条件は、通常pH5〜6の範囲である。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた好ましい実施形態では、濃縮液状食品のアルコール含有量は、10g/kg以下である。
本発明では、発酵プロセスは、所望の芳香を有する化合物を形成するために、記載された条件下で実施される。したがって発酵条件は、所望の味を有し低アルコール含有量の食品を得るために変更される。特に、発酵条件は、酵母の通常の最適条件に当てはまらない。例えば、糖をアルコールへ転化させるためのサッカロミセス・セレビシエ(SIHA 3)の最適発酵温度は、15〜22℃の範囲であるが、本発明の好ましい実施形態では、発酵温度は、25℃より高く、より好ましくは28〜32℃の範囲である。
同様に、上記または下記の実施形態のいずれかと併せた別の好ましい実施形態では、発酵は、pH<4、特にpH<2.5で実施される。サッカロミセス・セレビシエのpH最適条件は、通常pH5〜6の範囲である。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた好ましい実施形態では、濃縮液状食品のアルコール含有量は、10g/kg以下である。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、混合物は、pH8.1でクエン酸として計算した総酸性度が少なくとも25g/Lであり、より好ましくは38g/L、特に50g/Lである。総炭水化物と総酸性度の比が、好ましくは8未満、より好ましくは5未満、特に3未満である。
本発明による用語「総炭水化物」は、添加される炭水化物と、それ自体果汁濃縮物中に既に存在する天然の炭水化物に相当する。したがって、総炭水化物は、以下のように定義される:
総炭水化物=天然炭水化物+添加炭水化物。
混合物の総酸性度は、The Collection of Analyses of the International Federation of Fruit Juice Producers(IFU)、ルーズリーフ版1991年、Zug、Swiss Fruit Unit:中の「滴定酸度の決定(Determination of titratable acidity):第3巻、168」に記載された手順に基づく滴定酸度として決定される。
滴定酸度は、pH値8.1までの標準容量測定水酸化ナトリウム溶液を用いた電位差滴定によって判定される。
混合物(V0)25mLを20℃でビーカーに移す。混合物を撹拌し、pH8.1が得られるまでビュレットを用いて水酸化ナトリウム溶液で滴定する。使用した水酸化ナトリウム溶液の量を記録する(V1)。
生成物1リットル当たりのH+をmM単位で表した滴定酸度CH+は、式:
CH+=(1000×V1×c)/V0
(式中、
V0は、試料のmL単位の体積であり;
V1は、使用した水酸化ナトリウム溶液のmL単位の体積であり;
cは、水酸化ナトリウム溶液のM/L単位の正確な濃度である)
によって示される。
上記の式の結果に酸に対応する係数を掛けることによって、生成物のg/L単位で表した特定の酸の含有量として滴定酸度を計算することもできる。
様々な酸に対応する係数:
酒石酸:0.075
リンゴ酸:0.067
クエン酸、無水物:0.064。
生成物のg/kg単位で表した特定の酸の含有量としての滴定酸度は、pH8.1が得られるまで試料10gを水酸化ナトリウム溶液で滴定することによって上記と同様にして判定することができる。
g/kg単位のpH8.1でクエン酸として計算した酸性度は、以下のように判定することができる:
滴定で使用した1N NaOH 1mLは、クエン酸0.064gに相当する。
したがって、試料10gを1N NaOHで滴定する場合、g/kg単位の酸性度を得るためには、mL単位のNaOHの量に6.4を掛けなくてはいけない。
したがって果汁濃縮物の酸性度は、果汁濃縮物の試料を使用することによって判定することができる。
本発明による用語「総炭水化物」は、添加される炭水化物と、それ自体果汁濃縮物中に既に存在する天然の炭水化物に相当する。したがって、総炭水化物は、以下のように定義される:
総炭水化物=天然炭水化物+添加炭水化物。
混合物の総酸性度は、The Collection of Analyses of the International Federation of Fruit Juice Producers(IFU)、ルーズリーフ版1991年、Zug、Swiss Fruit Unit:中の「滴定酸度の決定(Determination of titratable acidity):第3巻、168」に記載された手順に基づく滴定酸度として決定される。
滴定酸度は、pH値8.1までの標準容量測定水酸化ナトリウム溶液を用いた電位差滴定によって判定される。
混合物(V0)25mLを20℃でビーカーに移す。混合物を撹拌し、pH8.1が得られるまでビュレットを用いて水酸化ナトリウム溶液で滴定する。使用した水酸化ナトリウム溶液の量を記録する(V1)。
生成物1リットル当たりのH+をmM単位で表した滴定酸度CH+は、式:
CH+=(1000×V1×c)/V0
(式中、
V0は、試料のmL単位の体積であり;
V1は、使用した水酸化ナトリウム溶液のmL単位の体積であり;
cは、水酸化ナトリウム溶液のM/L単位の正確な濃度である)
によって示される。
上記の式の結果に酸に対応する係数を掛けることによって、生成物のg/L単位で表した特定の酸の含有量として滴定酸度を計算することもできる。
様々な酸に対応する係数:
酒石酸:0.075
リンゴ酸:0.067
クエン酸、無水物:0.064。
生成物のg/kg単位で表した特定の酸の含有量としての滴定酸度は、pH8.1が得られるまで試料10gを水酸化ナトリウム溶液で滴定することによって上記と同様にして判定することができる。
g/kg単位のpH8.1でクエン酸として計算した酸性度は、以下のように判定することができる:
滴定で使用した1N NaOH 1mLは、クエン酸0.064gに相当する。
したがって、試料10gを1N NaOHで滴定する場合、g/kg単位の酸性度を得るためには、mL単位のNaOHの量に6.4を掛けなくてはいけない。
したがって果汁濃縮物の酸性度は、果汁濃縮物の試料を使用することによって判定することができる。
本発明のプロセスによれば、高い酸性度のジュース濃縮物を処理することができる。ジュース濃縮物自体の酸性度が高いため、それ以上の酸を添加しないことが好ましい。上記または下記の実施形態のいずれかと併せたもう一つの実施形態では、酸、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸を添加してもよい。
その上、酸性度に関して、極めて少量の炭水化物のみが添加される。
その上、酸性度に関して、極めて少量の炭水化物のみが添加される。
本発明のプロセスによって濃縮液状食品を調製すると、アルコールの形成が抑制され、所望の芳香を有する化合物の形成が最大になる。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた別の好ましい実施形態では、そのまま飲める組成物は、アルコールを、そのまま飲める組成物1L当たり1.5g以下含有する。
そのまま飲める組成物は、上記または下記の実施形態のいずれかと併せた好ましい実施形態では、炭酸ガスを飽和させてもよい。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、そのまま飲める組成物中の希釈剤は水である。希釈剤は、炭酸水であることがより好ましい。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた別の好ましい実施形態では、そのまま飲める組成物は、甘味剤、より好ましくは天然甘味剤、果汁濃縮物(例えばFruit−up(登録商標)、リンゴジュース濃縮物、ブドウジュース濃縮物)、およびステビアを含んでいてもよい。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、そのまま飲める組成物は、Fruit−up(登録商標)40g/L、ステビア0.2g/L、本発明の濃縮液状食品および炭酸水または非炭酸水75g/Lを含有する。
驚くべきことに、そのまま飲める組成物は、好ましい新しい風味を有している。
以下の実施例において、本発明の特定の実施形態を説明する。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた別の好ましい実施形態では、そのまま飲める組成物は、アルコールを、そのまま飲める組成物1L当たり1.5g以下含有する。
そのまま飲める組成物は、上記または下記の実施形態のいずれかと併せた好ましい実施形態では、炭酸ガスを飽和させてもよい。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、そのまま飲める組成物中の希釈剤は水である。希釈剤は、炭酸水であることがより好ましい。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた別の好ましい実施形態では、そのまま飲める組成物は、甘味剤、より好ましくは天然甘味剤、果汁濃縮物(例えばFruit−up(登録商標)、リンゴジュース濃縮物、ブドウジュース濃縮物)、およびステビアを含んでいてもよい。
上記または下記の実施形態のいずれかと併せた他の好ましい実施形態では、そのまま飲める組成物は、Fruit−up(登録商標)40g/L、ステビア0.2g/L、本発明の濃縮液状食品および炭酸水または非炭酸水75g/Lを含有する。
驚くべきことに、そのまま飲める組成物は、好ましい新しい風味を有している。
以下の実施例において、本発明の特定の実施形態を説明する。
実施例1:
ライムジュースの発酵
水で8.6°Bxまで希釈したライムジュース濃縮物(ブリックス値は50°Bx)930gに、ブリックス値が71.5°Bxの転化糖シロップ70gを加えて、8°Bxのジュース濃縮物および5°Bxの転化糖シロップを有する混合物1Lが得られ、すなわち総ブリックス値は13°Bxである。混合物のpH8.1でクエン酸として計算した総酸性度は、52.7g/kg(55.5g/L)であり、総糖/総酸性度比は0.9である。
サッカロミセス・セレビシエ2.5gに、温度が34℃の脱気水を加えて、5wt%酵母(5×108CFU/mL)の濃度の懸濁液が得られる。懸濁液は、34℃で15分間静置させ、その後追加の15分間強く撹拌して酵母を活性化させる。ライムジュースと糖の混合物に、活性化させた酵母を4g/kgの量で加える。酸素の非存在下において30℃で48時間の発酵を実施する。混合物を85℃まで40秒間加熱することによって発酵を停止させる。固体をろ過(Pall Seitz k100フィルターシート、微粒子の保持 1〜4μm)によって除去する。
得られた発酵生成物は、アルコール含有量が10〜15g/kgであり、ブリックス値が11.5°Bxである。
発酵生成物を炭酸水で希釈し、氷砂糖を加える。得られた飲み物は、飲み物の全重量に基づき、7.5wt%の発酵生成物および9wt%の氷砂糖を含有していた。したがって飲み物のアルコール含有量は、0.75〜1.125g/Lである。
ライムジュースの発酵
水で8.6°Bxまで希釈したライムジュース濃縮物(ブリックス値は50°Bx)930gに、ブリックス値が71.5°Bxの転化糖シロップ70gを加えて、8°Bxのジュース濃縮物および5°Bxの転化糖シロップを有する混合物1Lが得られ、すなわち総ブリックス値は13°Bxである。混合物のpH8.1でクエン酸として計算した総酸性度は、52.7g/kg(55.5g/L)であり、総糖/総酸性度比は0.9である。
サッカロミセス・セレビシエ2.5gに、温度が34℃の脱気水を加えて、5wt%酵母(5×108CFU/mL)の濃度の懸濁液が得られる。懸濁液は、34℃で15分間静置させ、その後追加の15分間強く撹拌して酵母を活性化させる。ライムジュースと糖の混合物に、活性化させた酵母を4g/kgの量で加える。酸素の非存在下において30℃で48時間の発酵を実施する。混合物を85℃まで40秒間加熱することによって発酵を停止させる。固体をろ過(Pall Seitz k100フィルターシート、微粒子の保持 1〜4μm)によって除去する。
得られた発酵生成物は、アルコール含有量が10〜15g/kgであり、ブリックス値が11.5°Bxである。
発酵生成物を炭酸水で希釈し、氷砂糖を加える。得られた飲み物は、飲み物の全重量に基づき、7.5wt%の発酵生成物および9wt%の氷砂糖を含有していた。したがって飲み物のアルコール含有量は、0.75〜1.125g/Lである。
参考例:
実施例1で説明したのと同様にして、炭酸水、氷砂糖と、8°Bxのジュース濃縮物および5°Bxの転化糖シロップを有する非発酵ライム濃縮物を混合することによって、参考飲料を形成する。得られた飲料は、飲み物の全重量に基づき、7.5wt%の非発酵生成物および9wt%の氷砂糖を含有していた。
10人の被験者による二者択一試験で、飲み物と参考飲料を被験者に与えた。実施例1の飲み物は、全ての被験者によって好まれた。
実施例1で説明したのと同様にして、炭酸水、氷砂糖と、8°Bxのジュース濃縮物および5°Bxの転化糖シロップを有する非発酵ライム濃縮物を混合することによって、参考飲料を形成する。得られた飲料は、飲み物の全重量に基づき、7.5wt%の非発酵生成物および9wt%の氷砂糖を含有していた。
10人の被験者による二者択一試験で、飲み物と参考飲料を被験者に与えた。実施例1の飲み物は、全ての被験者によって好まれた。
実施例2:
クロフサスグリジュースの発酵
ブリックス値が65°Bx、天然糖含有量が382g/kg、pH8.1でクエン酸として計算した酸性度が157g/kgであるクロフサスグリジュース濃縮物292.3g、および糖含有量が995g/kgであるデキストロース10gを水で希釈して、総ブリックス値が20°Bxの混合物1kgを得る。pH8.1でクエン酸として計算した総酸性度は、45.9g/kgであり、総糖/総酸性度比は2.65である。
サッカロミセス・セレビシエ2.5gに、温度が34℃の脱気水を加えて、5wt%酵母(5×108CFU/mL)の濃度の懸濁液が得られる。懸濁液は、34℃で15分間静置させ、その後追加の15分間強く撹拌して酵母を活性化させる。ライムジュースと糖の混合物に、活性化させた酵母を4g/kgの量で加える。酸素の非存在下において30℃で48時間の発酵を実施する。混合物を85℃まで40秒間加熱することによって発酵を停止させる。固体をろ過(Pall Seitz k100フィルターシート、微粒子の保持 1〜4μm)によって除去する。
得られた発酵生成物は、アルコール含有量が10〜15g/kgであり、ブリックス値が18.2°Bxである。
発酵生成物を炭酸水で希釈し、氷砂糖を加える。得られた飲み物は、5.6wt%の発酵生成物および9wt%の氷砂糖を含有していた。したがってアルコール含有量は、<1g/Lである。
クロフサスグリジュースの発酵
ブリックス値が65°Bx、天然糖含有量が382g/kg、pH8.1でクエン酸として計算した酸性度が157g/kgであるクロフサスグリジュース濃縮物292.3g、および糖含有量が995g/kgであるデキストロース10gを水で希釈して、総ブリックス値が20°Bxの混合物1kgを得る。pH8.1でクエン酸として計算した総酸性度は、45.9g/kgであり、総糖/総酸性度比は2.65である。
サッカロミセス・セレビシエ2.5gに、温度が34℃の脱気水を加えて、5wt%酵母(5×108CFU/mL)の濃度の懸濁液が得られる。懸濁液は、34℃で15分間静置させ、その後追加の15分間強く撹拌して酵母を活性化させる。ライムジュースと糖の混合物に、活性化させた酵母を4g/kgの量で加える。酸素の非存在下において30℃で48時間の発酵を実施する。混合物を85℃まで40秒間加熱することによって発酵を停止させる。固体をろ過(Pall Seitz k100フィルターシート、微粒子の保持 1〜4μm)によって除去する。
得られた発酵生成物は、アルコール含有量が10〜15g/kgであり、ブリックス値が18.2°Bxである。
発酵生成物を炭酸水で希釈し、氷砂糖を加える。得られた飲み物は、5.6wt%の発酵生成物および9wt%の氷砂糖を含有していた。したがってアルコール含有量は、<1g/Lである。
実施例3:
ピンクグレープフルーツの発酵
ブリックス値が60°Bx、天然糖含有量が427.5g/kg、pH8.1でクエン酸として計算した酸性度が87g/Lであるピンクグレープフルーツジュース濃縮物316.7g、および糖含有量が995g/kgであるデキストロース10gを水で希釈して、総ブリックス値が20°Bxの混合物1kgを得る。pH8.1でクエン酸として計算した総酸性度は、27.6g/kgであり、総糖/総酸性度比は5.3である。
サッカロミセス・セレビシエ2.5gに、温度が34℃の脱気水を加えて、5wt%酵母(5×108CFU/mL)の濃度の懸濁液が得られる。懸濁液は、34℃で15分間静置させ、その後追加の15分間強く撹拌して酵母を活性化させる。ライムジュースと糖の混合物に、活性化させた酵母を4g/kgの量で加える。酸素の非存在下において30℃で48時間の発酵を実施する。混合物を85℃まで40秒間加熱することによって発酵を停止させる。固体をろ過(Pall Seitz k100フィルターシート、微粒子の保持 1〜4μm)によって除去する。
得られた発酵生成物は、アルコール含有量が10〜15g/kgであり、ブリックス値が18.2°Bxである。
発酵生成物を炭酸水で希釈し、氷砂糖を加える。得られた飲み物は、5.6wt%の発酵生成物および9wt%の氷砂糖を含有していた。したがってアルコール含有量は、<1g/Lである。
ピンクグレープフルーツの発酵
ブリックス値が60°Bx、天然糖含有量が427.5g/kg、pH8.1でクエン酸として計算した酸性度が87g/Lであるピンクグレープフルーツジュース濃縮物316.7g、および糖含有量が995g/kgであるデキストロース10gを水で希釈して、総ブリックス値が20°Bxの混合物1kgを得る。pH8.1でクエン酸として計算した総酸性度は、27.6g/kgであり、総糖/総酸性度比は5.3である。
サッカロミセス・セレビシエ2.5gに、温度が34℃の脱気水を加えて、5wt%酵母(5×108CFU/mL)の濃度の懸濁液が得られる。懸濁液は、34℃で15分間静置させ、その後追加の15分間強く撹拌して酵母を活性化させる。ライムジュースと糖の混合物に、活性化させた酵母を4g/kgの量で加える。酸素の非存在下において30℃で48時間の発酵を実施する。混合物を85℃まで40秒間加熱することによって発酵を停止させる。固体をろ過(Pall Seitz k100フィルターシート、微粒子の保持 1〜4μm)によって除去する。
得られた発酵生成物は、アルコール含有量が10〜15g/kgであり、ブリックス値が18.2°Bxである。
発酵生成物を炭酸水で希釈し、氷砂糖を加える。得られた飲み物は、5.6wt%の発酵生成物および9wt%の氷砂糖を含有していた。したがってアルコール含有量は、<1g/Lである。
Claims (16)
- 濃縮液状食品を調製するプロセスであって、
ブリックス値が5〜20°Bxのジュース濃縮物と炭水化物との混合物を酵母で処理することにより、
アルコール含有量が濃縮液状食品1kgあたり15g以下の濃縮液状食品を得ること
を含む、プロセス。 - 前記ジュース濃縮物のブリックス値が6〜16°Bxであることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
- 前記ジュース濃縮物のブリックス値が8〜12°Bxであることを特徴とする、請求項1または2に記載のプロセス。
- 前記酵母が、サッカロミセス属(Saccharomyces)、好ましくはサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)またはサッカロミセス・バヤヌス(Saccharomyces bayanus)から選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロセス。
- 前記酵母を用いた前記ジュース濃縮物の処理を、25℃より高い温度で実施することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロセス。
- 前記酵母を用いた前記ジュース濃縮物の処理を、25〜35℃の温度で実施することを特徴とする、請求項5に記載のプロセス。
- 前記酵母を用いた前記ジュース濃縮物の処理を、28〜32℃の温度で実施することを特徴とする、請求項5または6に記載のプロセス。
- 前記処理を、24〜50時間実施することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のプロセス。
- 前記ジュース濃縮物のpHが<4であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のプロセス。
- 前記酵母を、前記混合物の全重量に基づき、0.01〜0.1wt%の量で加えることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のプロセス。
- 前記炭水化物を、前記混合物の全重量に基づき、1〜20wt%の量で加えることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のプロセス。
- 前記炭水化物が、マルトース、ラクトース、グルコース、ヘキソース、加水分解したサッカロース濃縮物、転化糖シロップ、グルコースシロップ、果汁からの天然果糖、および果汁濃縮物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項11に記載のプロセス。
- 請求項1から12のいずれか一項に記載のプロセスによって得られる濃縮液状食品。
- 希釈剤および請求項13に記載の濃縮液状食品を含む、そのまま飲める組成物。
- そのまま飲める組成物を調製するための、請求項1から12のいずれか一項に記載のプロセスによって得られた前記濃縮液状食品の使用。
- 前記混合物の、pH8.1でクエン酸として計算した総酸性度が少なくとも25g/Lであり、好ましくは総炭水化物と総酸性度の比が8未満であることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のプロセス。
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