本発明の原理の理解を促進する目的で、図面において示された選択された実施形態を次に参照することとする。特定の用語を、同じものを説明するために用いることとする。しかしながら、それによる本発明の範囲の限定は意図されていないことは理解されるであろう。記載又は図示された実施形態の任意の改変及びさらなる変更、並びに、本明細書中に示される本発明の原理のさらなる任意の用途は、本発明が関係する当業者には普通に思い当たるであろうと考えられる。本発明の少なくとも1つの実施形態がかなり詳細に示されているが、明瞭化のために、一部の特徴、又は特徴の一部の組合せが示されないことがあり得ることは、当業者には明らかであろう。
本明細書中における「発明」への任意の言及は、本発明のファミリーである実施形態への言及であり、特に明記しない限りは、全ての実施形態において必然的に含まれる特徴を含んだ単一の実施形態はない。さらに、本発明の幾つかの実施形態によって実現される「利点」への言及があるかもしれないが、他の実施形態はその同じ利点を含まなくてもよく、異なる利点を含んでもよい。本明細書中に記載される何れの利点も、何れかの特許請求の範囲に限定して解釈されるべきでない。
特定の量(空間次元、温度、圧力、時間、力、抵抗、電流、電圧、濃度、波長、周波数、熱伝達係数、無次元パラメータ等)は、本明細書中において明示的又は暗示的に用いられてよく、このような特定の量は、特に明記しない限りは、例としてのみ示されており、近似値である。物質の特定の組成に関連する議論は、存在する場合には、特に明記しない限り、例としてのみ示され、物質の他の組成、特に性質が類似した物質の他の組成の適用を制限しない。
本発明の実施形態として、減圧して物を乾燥させるのに通常用いられるデバイス及び装置が挙げられる。実施形態には、電子デバイス(例えば、携帯電子デバイス(携帯電話、デジタル音楽プレーヤ、腕時計、ページャ、カメラ、タブレットコンピュータ等))を、水、高湿度条件、又は、これらのデバイスを動作不能にする他の意図しない有害な湿潤剤に曝された後に乾燥する(例えば、自動乾燥する)方法及び装置が含まれる。少なくとも1つの実施形態は、真空下で加熱されて、携帯電子デバイスを加熱するプラテン(例えば、ユーザ制御加熱プラテン)を提供し、及び/又は、圧力を下げて、不所望の液体を大気中の沸点よりも低い点で蒸発させる。熱はまた、真空チャンバの他の加熱コンポーネント又は真空チャンバ内のガス(例えば、エア)のような他の手段によって加えられてもよい。熱及び真空は、逐次的に、同時に、又は、逐次操作及び同時操作を種々に組み合わせて利用されてよい。
デバイス内に存在する液体の気化点は、加熱されるデバイスの構造材料に基づいて、温度偏位が、その材料の融点及び/又はガラス転移温度を超えないように下げられる。従って、真空圧下での乾燥サイクルに曝されるデバイスは、安全に乾燥し、且つ、デバイス自体へのダメージは無くて再び作動できる。
先ず図1を参照すると、本発明の一実施形態に基づく乾燥装置、例えば、携帯電子デバイスの自動乾燥装置1の等測図が示されている。電子デバイス乾燥装置1は、筐体2と、真空チャンバ3と、ヒータ(例えば、電気加熱伝導プラテン16)と、オプションの対流チャンバ4(convection chamber)と、オプションのモデムインターネットインタフェースコネクタ12とを含んでいる。電子デバイス乾燥装置1用に、オプションのユーザインタフェースが用いられてもよく、当該インターフェースは、入力デバイス選択スイッチ11、デバイス選択表示ライト15、タイマーディスプレイ14、電源スイッチ19、スタート−ストップスイッチ13、及び音響インジケータ20の1又は複数から、随意選択的に構成されてよい。真空チャンバ3は、例えば、ポリマープラスチック、ガラス又は金属から作られてよく、真空(減圧)に耐えるのに適した厚さ及び幾何学的形状を有する。真空チャンバ3は、例えば、十分に非多孔質(nonporous)であるような、少なくとも構造的に十分に堅くて、真空圧に耐え、且つ構造内で真空圧を維持できる任意の材料から作られてよい。
加熱伝導プラテン16は、ヒータ給電ワイヤ10を通して電力供給されてよく、熱伝導性材料から製造され、高真空をサポートするのに適した厚さにされてよい。幾つかの実施形態では、電気加熱伝導プラテン16はアルミニウムから作られるが、他の実施形態は、銅、鋼、鉄又は他の熱伝導性材料(他の金属性、プラスチック又はセラミック材料が挙げられるが、これらに限られない)から作られるプラテンを含んでいる。加熱伝導プラテン16は、対流チャンバ4の内部に装着されてよく、そして、例えば随意選択的に封止O−リング5を用いて、真空チャンバ3と結合されてよい。真空チャンバ3内のエアは、排気ポート7を介して排気され、そしてベントポート6を介してベントされる。対流チャンバ4は、使われるならば、温かいエアを対流チャンバ4内に循環させるファン9を備えてよい。
図2は、ヒートジェネレータ(例えば、サーモホイル(thermofoil)抵抗ヒータ21)を備える加熱伝導プラテン16を示している。加熱伝導プラテン16はまた、温度フィードバックセンサ8、サーモホイル抵抗ヒータ給電コネクタ10、排気ポート7及び/又はベントポート6を含んでよい。本発明の一実施形態では、加熱伝導プラテン16は、真空チャンバ装着プレート上にあるスタンドアローンの別個の加熱プラテンである。
図3は、加熱伝導プラテン16及び真空チャンバ3を、内部を見えるようにした等測図で示している。真空チャンバ3は、封止O−リング5を用いて、加熱伝導プラテン16に結合されている。プラテン16は、プラテン16の底部に取り付けられたサーモホイル抵抗ヒータ21を用いて熱エネルギーを真空チャンバ3へと内外に提供し、温度フィードバックセンサ8によって温度制御される。温度フィードバックセンサ8は、サーミスタ、半導体温度センサ、又は、多数のタイプの熱電対の1つであってよい。排気ポート7及びベントポート6は、加熱伝導プラテン16の底面を利用した、真空チャンバ3の内部への空圧的接続(pneumatic connection)を促進する貫通孔として示されている。
図4A及び図4Bは、真空チャンバ3が開いた状態17と閉じた状態18とを示している。開いた状態17から閉じた状態18へ移行すると、封止O−リング5は、真空チャンバ封止面31と結合する。閉じた状態18にある間、排気ポート7及び大気ベントポート6は、封止O−リング5の直径内に配置されているので、真空チャンバ3の内部にてシールされる。
図5を参照すると、本発明の一実施形態に基づいて、電子デバイス乾燥装置の筐体1が、ブロック図の形態で制御を図解した等測図で示されている。コントローラ、例えば、マイクロプロセッサ44は、ユーザインタフェース47、メモリ45、モデムインターネットインタフェース回路46、及び排気ポンプ用リレー42に、それぞれユーザインタフェースバス48、メモリインタフェースバス49、モデムインターネットインタフェースバス51、及び排気ポンプ用リレー制御ライン66を介して電気的に接続されている。電源53は、例えば、正の電力ライン58及び負の接地ライン55を通して、システム全体に電力を供給する。サーモホイル抵抗ヒータ電力ライン10は、ヒータプラテン制御トランジスタ54を介して、正の送電ライン58と負の送電ライン55に直接に接続される。排気マニホールド6は、排気ポンプ41に接続されており、排気ポンプ41は、排気ポンプ制御ライン68を介して電気制御される。真空圧センサ43が排気マニホールド62に接続されており、真空圧センサ信号ワイヤ52を介して真空圧レベル信号を発生する。相対湿度センサ61が排気マニホールド62に空圧的接続されて、排気マニホールド62の相対湿度に関するアナログ電圧信号を発生してよい。アナログ電圧信号は、相対湿度信号ワイヤ61で検知されて、制御マイクロプロセッサ44に送られる。対流チャンバベントソレノイド57は、対流チャンバベントマニホールド64に接続されており、制御マイクロプロセッサ44によって、対流チャンバソレノイドベント弁制御信号56を介して制御される。大気ベントソレノイド弁67が、大気ベントマニホールド75に接続されており、制御マイクロプロセッサ44によって、大気ソレノイドベント弁制御信号ワイヤ69を介して制御される。
図6Aから図6Cを参照すると、水蒸気圧曲線74のグラフ図は、水の温度72と水の周囲のエアの真空圧70とに関して既知の蒸気圧変換から導かれている。図6Bに示された例では、温度81(約104°F)に維持された水は、真空圧83(約−27Hg)にて沸騰し始めることとなる。蒸気圧曲線74を用いて、携帯電子デバイスの自動乾燥のターゲットである又は好ましい加熱及び排気乾燥ゾーン76が決定された。排気乾燥ゾーン76の温度上限は、乾燥される電子デバイスを構成するのに用いられた材料が変形又は溶融し始めることとなる温度によって定められてよい。排気乾燥ゾーン76の温度下限は、排気ポンプ41が低圧を発生する能力、又は排気ポンプ41が低圧を達成するのに必要とされる時間によって定められてよい。
図7を参照すると、本発明の一実施形態に基づいた加熱伝導プラテン加熱曲線80のグラフ図であって、時間軸87上に示された時間にわたって、温度軸85上の温度の値に加熱されている。加熱伝導プラテン16に載置されている携帯電子デバイスは、加熱伝導プラテン加熱曲線80の影響を受けて、概ねデバイス加熱曲線82に従って熱くなる。デバイス加熱曲線82は、熱伝導係数のばらつきのために、時間が遅れて示されている。
次に図8を参照すると、本発明の別の実施形態に基づく加熱伝導プラテン加熱曲線80のグラフ図であって、時間軸87上の時間にわたって、温度軸85と真空圧軸92により示されている。真空圧曲線98を変化させた結果、そして、濡れた携帯電子デバイスの蒸気蒸発による潜熱の逃散によって、デバイス加熱曲線96が生じる。
デバイス内の水分が蒸発すると、デバイスは通常、蒸発潜熱によって冷えるであろう。プロセスで加熱することは、デバイスの冷却をできるだけ抑えて、デバイスから水分が除去される速度の増大に役立つ。
図9を参照して、本発明の実施形態に基づく相対湿度センサ61のグラフ図であって、サイクル時間軸87に対して相対湿度軸102がプロットされて示されている。携帯電子デバイスにおいて水分が蒸発するにつれて、蒸発によりもたらされる相対湿度曲線100は、次第により小さくなって減少線106に従う。相対湿度ピーク104は逐次的に下がって、最終的に室内湿度108にまで小さくなる。
ある実施形態において、電子デバイス乾燥装置1は、以下のように動作する:
ドア22を開けて、加熱伝導プラテン16から持ち上げた真空チャンバ3の下側に、濡れた又は湿気に曝された携帯電子デバイスを配置することで、デバイスは対流チャンバ4に入れられる。真空チャンバ3の持上げは、手動で行われてもよいし、持上機構によって行われてもよい。ドア22は、対流チャンバ4の上部にヒンジ留めされてよい。(何れの手法も、本発明の精神又は目的を損なわず、強化もしない。)
乾燥サイクル運転を開始するために、ユーザは、オン−オフスイッチ19を押して、又は動かして、乾燥装置1の電源をオンにする。装置1が給電されると、ユーザは、入力デバイス選択スイッチ(図1及び図5参照)を用いて、乾燥する電子デバイスを選択する。制御マイクロプロセッサ44は、入力デバイス選択スイッチ11をポーリングすることによって、ユーザインタフェースバス48を介して、ユーザのスイッチ選択を検知し、続いて、該当する選択について、該当する入力デバイス選択表示ライト15(図1)を点灯することによって、ユーザの選択を了承する。マイクロプロセッサ44は、不揮発性メモリ45にソフトウェアを格納しており、メモリインタフェースバス49を通してそのソフトウェアコードと通信する。
本発明の一実施形態では、メモリ45は、本発明によって乾燥され得る種々の携帯電子デバイス用のアルゴリズム(各アルゴリズムは、加熱伝導プラテン16の特定の温度セッティングを含む)を含んでおり、装置1に入られる電子デバイスのタイプに対して、正しいアルゴリズムが自動的に選択される。
一実施形態では、マイクロプロセッサ44は、制御トランジスタ54を介して、加熱伝導プラテン16を活性化する、又は加熱伝導プラテン16に給電する。制御トランジスタ54は、電源53の正の供給ライン58及び負の供給ライン55をそれぞれヒータ給電ワイヤ10にスイッチする。この電力スイッチングにより、サーモホイル抵抗ヒータ21が、抵抗加熱により発熱する。サーモホイル抵抗ヒータ21は、加熱伝導プラテン16と熱接触しており(加熱伝導プラテン16に重ね合わされてもよい)、ターゲット温度にまで熱くなり始め、そして、例えば対象デバイスとの物理的接触を通して、熱伝導により、デバイスへと及びデバイス内に熱を流す。ある実施形態では、加熱プラテンのターゲット温度は、低くとも70°Fであり、高くとも150°Fである。さらなる実施形態では、加熱プラテンのターゲット温度は、低くとも約110°Fであり、高くとも約120°Fである。
代替的な実施形態においては、加熱伝導プラテン16の加熱は、別の手法で、例えば、温水加熱、赤外灯、白熱灯、ガス若しくは可燃性燃料、フレネルレンズ、蒸気、ヒト体熱、ヘアドライヤ、核分裂性物質、又は摩擦熱で達成される。これら加熱法の何れでも、加熱伝導プラテン16が熱を携帯電子デバイスへ移すのに必要な熱をもたらすであろう。
運転中、マイクロプロセッサ44は、加熱プラテン温度センサ8を(加熱プラテン温度センサ信号ライン26を介して)ポーリングし、プラテン16がターゲット温度を達成するまでプラテン16へ電力を供給する。ターゲット温度が達成されると、マイクロプロセッサ44は、メモリインタフェースバス49を介して、メモリ45の変数に基づいてタイマーを始動する。当該タイマーは、加熱伝導プレート16が、携帯電子デバイス中に熱を移すのに十分な時間を与える。幾つかの実施形態では、プラテン16には、加熱伝導プラテン加熱プロフィール80があり、ターゲット温度を達成するのに有限の時間を要する。加熱プロフィール80(図7)は、そのようなアルゴリズムの単なる1つに過ぎず、ターゲット温度は、温度軸85上の任意の点にあってよい。加熱伝導プラテン16が対象デバイスに熱を移す結果として、デバイス温度プロフィール82が生じる。一般に、携帯電子デバイス温度プロフィール82は、加熱伝導プラテン加熱プロフィール80に従っており、通常、温度軸85上のどこに収まってもよい。さらなる動作がないと、加熱伝導プラテン加熱プロフィール80及び携帯電子デバイス加熱プロフィール82は、静止点に達して、時間軸87に沿う有限時間、この温度を維持するであろう。装置1に対して電力が中断されると、加熱伝導プラテン加熱プロフィール80及び携帯電子デバイス加熱プロフィール85は、プロフィール84の通りに冷えるであろう。
熱サイクルの間、真空チャンバ3は、図4A及び図4Bに示すような開き位置17又は閉じ位置18にあり得る。何れの位置でも、加熱伝導プラテン16から携帯電子デバイスへの伝導熱移動にほとんど影響が及ばない。
対流チャンバファン9が(マイクロプロセッサ44に電気的に接続されているファン制御信号ライン24を介して)給電されてよく、対流チャンバ4の内部及び真空チャンバ3の外側のエアを循環させることができる。対流チャンバ4内のエアは、少なくとも部分的に、加熱伝導プラテン16から来る放射熱によって加熱される。対流チャンバファン9は、対流チャンバ4内のエアの循環手段をもたらして、対流チャンバ4内及び真空チャンバ3周りにおいて、加熱エア温度を比較的均一に維持するのに役立つ。マイクロプロセッサ44は、大気ベントソレノイド弁制御信号ライン69を介して電気信号を送ることによって、大気ベントソレノイド弁67を閉じることができる。
本発明の一実施形態では、対流チャンバ4内の熱を制御する別々の加熱要素がある。これらの加熱要素は、一般的な電気抵抗ヒータであってよい。ある実施形態では、プラテン16が用いられて、別個の対流チャンバヒータを必要とすることなく、対流チャンバ4を加熱してよい。
運転中、マイクロプロセッサ44は、音響インジケータ20(図1及び図5)等を介して、加熱伝導プラテン4がターゲット温度を達成したという合図をユーザに出し、そして、乾燥サイクルを開始するために、開き位置17から閉じ位置18(図4A及び図4B参照)へとユーザが真空チャンバ3を動かすように、音響インジケータ20で可聴信号を出してよい。続いて、スタート−ストップスイッチ13がユーザによって押されて又は作動されてよく、その後、マイクロプロセッサ44は、この動作を、ユーザインタフェースバス48のポーリングを通して検知する。そして、マイクロプロセッサ44は、対流ベントソレノイド弁57に(対流チャンバベントソレノイド制御信号ワイヤ56を介して)信号を送り、その後、空圧的接続された大気ベントマニホールド64を通して大気ベント6が閉じられる。対流チャンバベントソレノイド弁57が閉じると、真空チャンバ3は、その内部エアの排気が開始するとシールされることが確実となる。
電子デバイスがターゲット温度に加熱された後(代替的な実施形態では、加熱プラテンがターゲット温度に達すると)、そして、随意選択的な時間遅延の後、真空チャンバ内の圧力が下げられる。少なくとも1つの実施形態では、マイクロプロセッサ44は、(モータリレー制御信号ライン66を介して)モータリレー42に制御信号を送り、排気ポンプ41を作動させる。モータリレー42は、排気ポンプ電力ライン68を介して排気ポンプ41を給電する。作動すると、排気ポンプ41は、真空チャンバ3内から排気ポート7を通してエアを排気し始める。排気ポート7は、排気マニホールド62に空圧的接続されている。マイクロプロセッサ44は、ディスプレイタイマー14(図1)に経過時間を表示できる。エアの排気が真空チャンバ3内で進むにつれて、真空チャンバ封止面31が、加熱伝導プラテン16の表面に対して真空チャンバ封止O−リング5を押しつけるので、真空−気密シールが実現される。排気マニホールド62は、真空圧センサ43に空圧的接続されている。処理されている特定の電子デバイスに該当するアルゴリズムに基づいて監視及び制御するために、真空圧センサ43は、真空圧信号ライン52を介してマイクロプロセッサ44に、真空圧アナログ信号を導く。
エアが排気されていると、マイクロプロセッサ44は、加熱伝導プラテン16の温度、真空チャンバ排気圧力センサ43、及び相対湿度センサ61を、それぞれ温度信号ライン26、真空圧信号ライン52、及び相対湿度信号ライン65を介してポーリングする。この排気プロセスの間、例えば、携帯電子デバイス内のコンポーネントの表面に存在する水の蒸気圧点は、図6Aから図6Cに示すような既知の蒸気圧曲線74に従う。幾つかの実施形態では、マイクロプロセッサ44のアルゴリズムのターゲット温度及び真空圧変数は、例えば、好ましい真空乾燥ターゲットゾーン76内に収まっている。真空乾燥ターゲットゾーン76は、チャンバ4内で下げられた圧力に基づいて、より低い温度で水を蒸発させる。マイクロプロセッサ44は、(真空圧センサ43を介して)圧力を監視し、(相対湿度センサ61を介して)相対湿度を監視して、それらに応じて乾燥プロセスを制御できる。
加熱プラテン(又は、熱を加えるために用いられている任意のタイプの構成要素)が一定の温度に維持されているにも拘わらず、チャンバ内の圧力が下がるにつれて、電子デバイスの温度は通常下がるであろう。これは、少なくとも部分的には、蒸発潜熱の逃散と、排気マニホールド62を通して蒸気が除去されることとによる。圧力の降下はまた、相対湿度を増大させ、これは、排気マニホールド62に空圧的接続されている相対湿度センサ61によって検出されるだろう。
チャンバ内の圧力は、下げられた後に、再び上げられる。これは、所定時間の後、又は(相対湿度が定常値を達成した又は定常値に近づいた等の)特定の状態が検出された後に起こってよい。マイクロプロセッサ44が、対流チャンバベントソレノイド弁57及び大気ベントソレノイド弁67に(対流チャンバベントソレノイド弁制御信号56及び大気ソレノイド弁制御信号69を介して)信号を送って、これらが開くことによって、圧力の増大が達成されてよい。これによって、周囲空気であってよいエアは、大気制御ソレノイド弁67に入り、それによってベント対流チャンバ4へと入る。対流チャンバベントソレノイド弁57及び/又は大気ベントソレノイド弁67の開放と同時に、対流ベントソレノイド弁57が開いてよく、対流ベントソレノイド弁57が開くと、対流チャンバ4内の加熱エアは、真空ポンプ41によって真空チャンバ3中に引き込まれる。排気ポンプ41がオンのままであり、大気ベントマニホールド64及び排気マニホールド62を介して真空チャンバ3に大気を引き込むことで、大気(例えば、室内空気)が中に引き込まれる。
(相対湿度センサ61と、相対湿度センサフィードバックライン65を介してマイクロプロセッサ44に送られる相対湿度センサフィードバック信号とを通して検知されるように)相対湿度が下げられた後、対流チャンバベントソレノイド弁57及び大気ソレノイド弁67は、対流チャンバベントソレノイド弁制御信号56及び大気ソレノイド弁制御信号69等を通じて閉じられてよく、真空チャンバ内の圧力は再び下げられる。
このシーケンスは、排気チャンバプロフィール曲線98(図8B及び図8C)をもたらし、選択されたアルゴリズムに基づいて繰り返され、マイクロプロセッサ44のソフトウェア制御下で制御されてよい。繰り返される真空サイクル(一定の加熱下で行われてよい)によって、湿潤剤は、蒸発させられて、液体状態から気体状態に変わることを余儀なくされる。このように水が気体状態になることで、生じた水蒸気は、電子デバイスの曲がりくねった経路から逃げ出ることができる。さもなければ、液状の水は、この経路を通って逃げ出られないであろう。
少なくとも1つの実施形態では、マイクロプロセッサ44は、例えば、ソフトウェアアルゴリズムを用いることによって相対湿度ピーク104(図9に表される)を検出し、当該アルゴリズムは、相対湿度が変化するレートの低下又は欠如を検出することによってそのピークを決定する。相対湿度ピーク104が検出されると、真空チャンバ内の圧力は(真空チャンバをベントすること等によって)上げられて、相対湿度は下がる。相対湿度が最低相対湿度108(これは、上述のアルゴリズムに類似したソフトウェアアルゴリズムによって検出されてよい)に達すると、別のサイクルが、真空チャンバ内の圧力を下げることによって開始されてよい。
次に図8A及び図8Cを参照すると、反応曲線の方向をプロットする矢印96Aは通常、システムが、電子デバイスが熱を得られるパージエア回復モードにある場合の熱取得に起因している。反応曲線の方向をプロットする矢印96Bは通常、システムが真空乾燥モードにある場合の蒸発潜熱に起因している。サイクルが連続して行われるにつれ、電子デバイスの温度96は徐々に上がる傾向があり、連続するサイクル間の温度変化は縮小する傾向がある。
幾つかの実施形態において、マイクロプロセッサ44は、真空チャンバ3のこの反復的又は周期的な加熱及び排気を続けて、相対湿度反応曲線100(図9)をもたらす。この相対湿度反応曲線100は、ソフトウェアアルゴリズムによって監視されてよく、相対湿度サイクル極大値104及びサイクル極小値108がマイクロプロセッサ44のレジスタに記憶される。代替的な実施形態では、相対湿度極大値104及び極小値108は通常、相対湿度乾燥プロフィール106A及び106Bに従い、時間と共に極小値109及び110にまで漸近的に小さくなる。図8に示した1又は複数の連続する加熱サイクル96及び排気サイクル98を通して、真空チャンバ3内に配置された携帯電子デバイスは乾燥する。マイクロプロセッサ44の制御アルゴリズムは、相対湿度極大値104及び相対湿度極小値108の差が、真空ポンプ41を作動させない又は止める理由となる特定の許容範囲内となる時点を特定することができる。
システムは、1又は複数の基準に達すると、連続乾燥サイクルを自動的に止めることができる。例えば、システムは、デバイスが乾燥するにつれ変化するパラメータが、定常値又は終値に近づいた、又は達すると、連続乾燥サイクルの実行を止めてよい。ある例示の実施形態では、相対湿度があるレベルを下回る、又は定常値に近づく(又は達する)と、システムは、連続乾燥サイクルの実行を自動的に止める。別の例示の実施形態では、サイクルの極大相対湿度と極小相対湿度との差があるレベルを下回ると、システムは、連続乾燥サイクルの実行を自動的に止める。さらに別の例示の実施形態では、電子デバイスの温度96が定常値に近づく、又は達すると、システムは、連続乾燥サイクルの実行を自動的に止める。
図1及び図5を再度参照すると、マイクロプロセッサ44は、例えば、モデムインタフェース46と一体化したRJ11モデムインターネットコネクタ12を介して、インターネットに遠隔接続されてよい。故に、マイクロプロセッサ44は、モデムインターネットインタフェース46及びRJ11インターネットコネクタ12を介してインターネット又は電話信号を送って、処理サイクルが完了して、電子デバイスが十分に乾燥したということをユーザに知らせてよい。
従って、伝導加熱及び真空乾燥が同時に達成されて、ダメージなく、今日市場に出ている種々のタイプの電子デバイスを乾燥させるために、携帯電子構造の材料に基づいて特定の電子デバイスに対して調整される。
代替的な実施形態では、オプションのデシケータ63(図5)が、排気ポンプ41の上流にて、排気マニホールド62に接続されてよい。デシケータ63の位置の1つの例は、相対湿度センサ61の下流且つ排気ポンプ41の上流である。デシケータ63が含められると、真空チャンバ3から届くエア中の水分を、水分が排気ポンプ41に達する前に吸収することができる。幾つかの実施形態では、デシケータ63は、取替可能なカートリッジ又は再生式のデシケータであってよい。
排気ポンプがオイルを用いるタイプである実施形態では、排気ポンプ中のオイルがエアから水を取り出す(又は吸収する)傾向があって、これは、水の排気ポンプへの引込み、排気ポンプのオイルの早期分解、及び/又は排気ポンプ自体の早期不良に導く虞がある。排気ポンプがオイルフリータイプである実施形態では、高湿度状態がポンプの早期不良に導く虞もある。従って、エアが排気ポンプ41に達する前に、水(又は他のエア構成成分もあり得る)をデシケータ63によってエアから除去することによる利点が、理解されるであろう。
上述の多くの実施形態は、自動的に制御される乾燥装置及び方法を説明しているが、他の実施形態として、手動制御される乾燥装置及び方法が挙げられる。例えば、ある実施形態では、ユーザは、濡れたデバイスへの加熱、濡れたデバイスへの真空適用、及び濡れたデバイスへの真空の解放を制御する。
図10には、本発明の別の実施形態に従う乾燥装置、例えば、携帯電子デバイス自動乾燥装置200が示されている。乾燥装置200の多くの特徴及び構成要素は、乾燥装置1の特徴及び構成要素に類似しており、同じ参照符号が、2つの実施形態間で類似する特徴及び構成要素を示すために用いられている。乾燥装置200は、殺菌部を含んでおり、当該殺菌部は、例えば、紫外(UV)殺菌ライト202であって、雑菌を殺せる。ライト202は、対流チャンバ4の内側に装着されて、UV殺菌ライト制御信号204によって制御されてよい。ある実施形態では、UV殺菌ライト202は、対流チャンバ4の内側且つ真空チャンバ3の外側に装着され、UV放射線が殺菌ライト202によって放射されて、真空チャンバ3を通過する。真空チャンバ3は、UV光透過材料(一例としてアクリルプラスチックがある)から製造されてよい。代替的な実施形態では、UV殺菌ライト202は、真空チャンバ3の内側に装着されるが、このことは、真空チャンバ3が非UV光透過材料から作られる実施形態において、有利であろう。
ある実施形態において、乾燥装置200の動作は、先に述べた乾燥装置1の動作に類似しているが、以下の変更点と浄化とがある。マイクロプロセッサ44は、UV殺菌灯制御ライン204を通して制御信号を送ってUV殺菌灯202に電源を投入する。これは、マイクロプロセッサ44による加熱伝導プラテン16の作動時、又はその頃に起こってよいある実施形態では、UV殺菌灯202は続いて、約254nmの波長のUV波を放射する。これは、特に真空チャンバ3が透明なプラスチックから作られる実施形態では、真空チャンバ3を透過できる。
またさらなる実施形態では、1又は複数のデシケータ218は、排気マニホールド62から隔絶可能である。これは、乾燥装置の定期メンテナンスを実行する、又は自動化メンテナンスサイクルを実行する場合に有利である。一例として、図11から図13に示された実施形態は、デシケータ218を排気マニホールド62に選択的に接続・隔絶できる弁(例えば、3方エアパージソレノイド弁210及び212)を含んでいる。ソレノイド弁210は、相対湿度センサ61とデシケータ218との間に配置され、そしてソレノイド弁212は、デシケータ218とバキュームセンサ43との間に配置されている。図示の実施形態では、3方エアパージ弁210及び212は、デシケータ218に空圧的接続されている一般的な分配ポートを有している。この一般的なポート接続は、排気マニホールド62からのデシケータ218の隔絶と、排気マニホールド62と真空ポンプ41の切離しとを同時に実現する。この切離しは、デシケータ63が再生されている間、水分が真空チャンバ3から真空ポンプ41に達するのを防止する。この実施形態の動作は、図5に関して記載される実施形態に類似しているが、以下の変更点と浄化がなされる。
オプションのデシケータヒータ220と、オプションのデシケータエアパージポンプ224とが含められてよい。排気マニホールド62及び真空ポンプ41からデシケータ218が隔絶されている間、デシケータ218は、真空マニホールド62及び関連する空気真空回路に影響を及すことなく、デシケータヒータ220によって加熱されてよい。デシケータ218内部の乾燥剤(desiccant)が例えばターゲット温度に加熱されて、吸収した水分をベークオフする(bake off)ので、(例えば、規定の時間及び/又は温度プロフィールがマイクロプロセッサ44によって命令されるようなメンテナンス制御アルゴリズムに従って)パージポンプ224が調節されて、乾燥剤218からの水分の取出しが補助されてよい。ある実施形態では、デシケータヒータのターゲット温度は、低くとも200°Fであり、高くとも300°Fである。さらなる実施形態においては、デシケータヒータのターゲット温度は、約250°Fである。
パージポンプ224が調節されると、大気は、エア経路235に沿って、デシケータ218の内部に収容された乾燥剤の全体にわたって押し込まれて、水分の多いエアは大気ポート238を通って吹き出される。オプションのデシケータ冷却ファン222が含められて(そして、マイクロプロセッサ44によって随意選択的に調節されて)よく、デシケータ218内部の乾燥剤温度を、乾燥剤が水分を脱ガスするよりも吸収するのに適した温度に下げてもよい。
ある実施形態に従って乾燥サイクルが開始されると、大気ベント6は閉じており、そしてマイクロプロセッサ44は、3方エアパージソレノイド制御ライン214を介して、3方エアパージソレノイド弁210及び212に制御信号を送る。この動作によって、3方エアパージソレノイド弁210及び212が閉じて、真空ポンプ41が排気マニホールド62に空圧的接続する。この空圧的接続によって、排気エアは、エアの流れの経路215に沿って、排気マニホールド62、デシケータ218を通って、真空ポンプ41に流れる。真空ポンプ41に達する前に排気エアから水分を除去することで実現され得る1つの利点は、真空ポンプ41の故障率の劇的な低下である。
マイクロプロセッサ44のアルゴリズムが、携帯電子デバイスが乾燥したことを検知した後、マイクロプロセッサ44は、メンテナンスモードに入るようにシステムに信号を出してよい。UV殺菌ライト202は、UV殺菌ライト制御ライン204を介してマイクロプロセッサ44から電源をオフされてよい。マイクロプロセッサ44は、デシケータヒータ電力リレー制御信号166及びデシケータヒータ電力リレー228を介して、デシケータヒータ220に給電する。制御信号226は、リレー228の制御信号である。デシケータ218の温度は、デシケータ温度プローブ230を介してマイクロプロセッサ44によってサンプリングされてよく、デシケータ218の加熱は、デシケータ218に収容される乾燥剤の水分をベークアウトし始める特定の温度に制御されてよい。3方エアパージソレノイド弁210及び212は、十分な乾燥が起こったと判定されると、3方エアパージソレノイド制御ライン202を介して電気的にスイッチされてよく、これは、マイクロプロセッサ44のメンテナンスアルゴリズムによって指定された有限時間にて起こってよい。続いて、エアパージポンプ224は、マイクロプロセッサ44によって、エアパージポンプ制御信号232を介して電源をオンにされ、水分の多いエアをデシケータ218を通して、大気ベントポート238に流してよい。マイクロプロセッサ44は、メンテナンスアルゴリズムにおいてタイマーを用いて、水分の多いエアを有限時間、加熱及びパージしてよい。オプションのメンテナンスサイクルが完了すると、マイクロプロセッサ44は、デシケータ冷却ファン222をオンにし、デシケータ218を冷却してよい。続いて、マイクロプロセッサ44は、エアパージポンプ224をオフにし、別の電子デバイスの乾燥と、随意選択的に殺菌をする準備とをシステムにさせてよい。
次に図12を参照すると、デシケータ218が、デシケータヒータ220、デシケータ温度センサ230、デシケータ冷却ファン222、及び、デシケータエアパージソレノイド弁210及び212と共に示されている。真空ポンプ41は、排気マニホールド62に接続されており、エアパージポンプ224は、エアパージマニホールド240を介してエアパージソレノイド弁212に空圧的接続されている。3方エアパージソレノイド弁210及び212は、エア流れの経路で図示したように、デシケータ218を通して真空を可能とする状態で示されている。
図13を参照すると、メンテナンス状態のデシケータ3方エアパージソレノイド弁210及び212が、示されており、エアパージポンプ224からのエアの流れは、方向235に沿ってデシケータを通り、パージエアポート238を通って「後方に」流れ出る。エアパージポンプ224は、エア流れの経路235に沿って加圧エアを流すことができる。大気のこの好ましい流れの経路は、乾燥剤が水分を空気に取り出された状態で引き渡すことを可能とし、水分がエアパージポンプ224に入るのを防止する。これは、エアパージポンプが、デシケータ218を通してエアを引き出すことになっている場合に起こるであろう。パージポンプ224は、マイクロプロセッサ44のメンテナンス制御アルゴリズムで規定された時間、エアを流れの経路235に空気を吹き飛ばし続けることができる。ある実施形態では、相対湿度センサ61に類似したインライン相対湿度センサが組み込まれており、デシケータ218が十分に乾燥した時点を検知する。
少なくとも1つの実施形態について先述したように、デシケータ218が排気マニホールド62から隔絶されると、排気マニホールド62は、真空ポンプ41から隔絶される。それでも、代替的な実施形態では、デシケータ218が排気マニホールド62から隔絶されても、真空ポンプ41と空圧的接続されたままである排気マニホールド62が含まれる。このような構成は、デシケータ218が機能不全を起こした場合のようにデシケータ218がエアの流れをブロックしているが、乾燥装置200の動作が依然として所望されている状況において、有用である。
幾つかの実施形態において、上述の動作は全て、自動的に実行されるので、ユーザは単に、適切な位置に電子デバイスを置き、乾燥デバイスが電子デバイスから水分を除去するように乾燥デバイスを作動させるだけでよい。
マイクロプロセッサ44は、マイクロコントローラ、汎用マイクロプロセッサ、又は、一般には、要求される制御機能を実行することができる任意のタイプのコントローラであってよい。マイクロプロセッサ44は、そのプログラムをメモリ45から読むことができ、単一ユニットとして構成された1又は複数の構成要素からなってよい。或いはまた、マルチコンポーネント形態である場合、プロセッサ44は、他に対して遠隔配置された1又は複数の構成要素を有してよい。プロセッサ44の1又は複数の構成要素は、デジタル回路、アナログ回路、又はこれらの双方を含む電子回路の多様な組合せからなってよい。ある実施形態では、プロセッサ44は、従来の集積回路マイクロプロセッサ装置であって、例えば、1又は複数の、INTEL Corporation(450 Mission College Boulevard、Santa Clara、California 95052、米国)のCORE i7 HEXAプロセッサ、Advanced Micro Devices(One AMD Place、Sunnyvale、California 94088、米国)のATHLON若しくはPHENOMプロセッサ、IBM Corporation(1 New Orchard Road、Armonk、New York 10504、米国)のPOWER8プロセッサ、又は、Microchip Technologies(2355 West Chandler Boulevard、Chandler、Arizona 85224、米国)のPIC Microcontrollers等)からなる。代替的な実施形態では、1つ若しくは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、縮小命令セットコンピューティング(RISC)プロセッサ、汎用マイクロプロセッサ、プログラマブルロジックアレイ、又は他のデバイスが、単独で使用、又は当業者に思い当たるであろう組合せで使用されてよい。
さらに、種々の実施形態におけるメモリ45として、少しだけ例を挙げれば、1又は複数のタイプの固体電子メモリ、磁気メモリ又は光メモリ等がある。非限定的な例として、メモリ45は、固体電子ランダムアクセスメモリ(RAM)、シーケンシャリーアクセシブルメモリ(SAM)(First−In、First−Out(FIFO)の種類又はLast−In First−Out(LIFO)の種類等)、プログラマブル読取専用メモリ(PROM)、電気的プログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、又は電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)、光ディスクメモリ(記録可能、再書込可能、若しくは読取専用DVD又はCD−ROM等)、磁気符号化ハードドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、テープ若しくはカートリッジ媒体、又はこれらメモリタイプの複数及び/若しくは組合せが挙げられ得る。また、メモリ45は、揮発性であっても、不揮発性であっても、揮発性及び不揮発性を集めたハイブリッドな組合せであってもよい。種々の実施形態におけるメモリ45は、プロセッサ44によって実行可能なプログラム命令で符号化され、本明細書に開示されている自動化方法を実行する。
本発明の様々な実施形態の種々の態様が、以下の通り、段落X1、X2、X3、X4、X5、X6及びX7において述べられる:
X1.本発明の一実施形態は、水のダメージを受けた、又は他の湿潤剤のダメージを受けた電子機器を乾燥させる電子デバイス乾燥装置を含んでおり、当該装置は、加熱伝導プラテン手段と、真空チャンバ手段と、排気ポンプ手段と、対流オーブン(oven)手段と、ソレノイド弁制御手段と、加熱及び排気を自動的に制御するマイクロプロセッサ制御システムと、真空検知装置と、湿度検知装置と、アルゴリズム選択のためのスイッチアレイとを含んでいる。
X2.本発明の別の実施形態は、水分の侵入によって少なくとも部分的に動作不能となった携帯電子デバイスを低圧チャンバ中に配置する工程と、電子デバイスを加熱する工程と、低圧チャンバ内の圧力を下げる工程と、携帯電子デバイスの内部から携帯電子デバイスの外部へと水分を除去する工程と、圧力を下げる工程の後に低圧チャンバ内の圧力を上げる工程と、低圧チャンバ内の圧力を低圧チャンバの外側の圧力と等しくする工程と、携帯電子デバイスを低圧チャンバから取り出す工程とを含む方法を含んでいる。
X3.本発明の別の実施形態は、内部を規定する低圧チャンバであって、内部に電子デバイスを配置し、内部から電子デバイスから取り出せるように内部の大きさが決められ、内部が構成されている低圧チャンバと、チャンバに接続された排気ポンプと、チャンバに接続されたヒータと、排気ポンプ及びヒータに接続されたコントローラであって、低圧チャンバ内の圧力を下げるように排気ポンプを制御し、電子デバイスに熱を加えるようにヒータの運転を制御することによって、電子デバイスからの水分除去を制御するコントローラとを含む装置を含んでいる。
X4.本発明の別の実施形態は、添付の図面を参照して本明細書中に実質的に記載されているような、電子デバイスから水分を除去するデバイスを含んでいる。
X5.本発明の別の実施形態は、添付の図面を参照して本明細書中に実質的に記載されるような、電子デバイスから水分を除去する方法を含んでいる。
X6.本発明の別の実施形態は、添付の図面を参照して本明細書中に実質的に記載されるような、デバイスを製造する方法を含んでいる。
X7.本発明の別の実施形態は、電子デバイスを加熱する手段と、電子デバイス内の圧力を下げる手段と、十分な量の水分が電子デバイスから取り出された時点を検出する手段とを含む装置を含んでいる。
さらに他の実施形態は、先の記載X1、X2、X3、X4、X5、X6及びX7の何れかにおいて説明されている特徴を、以下の態様の1又は複数と組み合わされて含んでいる:
自動的に乾燥剤を乾燥させる再生式のデシケータ手段。
携帯電子デバイスの殺菌をするUV殺菌灯手段。
加熱伝導プラテンは、金属性伝導プラテンに重ね合わされたサーモホイルヒータからなる。
加熱伝導プラテンのサーモホイルヒータは、25ワットから1000ワットの間である。
加熱伝導プラテンは、温度フィードバックセンサを利用する。
加熱伝導プラテンの表面積は、4平方インチから1500平方インチの間である。
加熱伝導プラテンは、真空チャンバの外側を加熱する対流オーブンヒータとしても用いられる。
対流オーブンは、真空チャンバの外側を加熱するために用いられ、蒸発が起こると、内部の真空チャンバの圧縮をできるだけ小さくする。
真空チャンバは、プラスチック、金属、又はガラスなどの真空定格(vacuum-rated)材料から作られる。
真空チャンバは、大気圧未満の最大30水銀柱インチの真空圧に耐えるように構築される。
真空チャンバの容量は、0.25リットルから12リットルの間である。
排気ポンプは、大気圧未満の19水銀柱インチの最小真空圧を実現する。
ソレノイド弁のオリフィス径は、0.025インチから1.000インチの間である。
ソレノイド弁は、対流オーブンで加熱されたエアを交換するための大気経路を提供するために用いられる。
マイクロプロセッサコントローラは、制御された真空乾燥のために、メモリに記憶されたアルゴリズムを利用する。
相対湿度センサは、真空チャンバに空圧的接続されており、リアルタイムの相対湿度をサンプリングするために用いられる。
マイクロプロセッサコントローラは、制御された真空乾燥のために、相対湿度の極大値及び極小値を利用する。
マイクロプロセッサコントローラは、加熱伝導温度、真空圧及びサイクル時間を自動的に制御する。
マイクロプロセッサコントローラは、加熱真空乾燥のためのフィードバックとして、圧力センサ、温度センサ及び相対湿度センサを利用する。
マイクロプロセッサコントローラは、性能データを記録し、モデムインターネットインタフェースを経由して送信できる。
アルゴリズム選択のためのスイッチアレイは、単純な制御方法を実現する。
再生式のデシケータは、25Wから1000Wの間の外部サーモホイルヒータによって加熱される。
再生式のデシケータは、ファン及び温度信号を利用して、正確な閉ループ温度制御により乾燥剤をベークすることができる。
再生式のデシケータは、3方空圧弁を利用して、デシケータをパージするために、エアの流れの方向及び経路を空圧的に隔絶し、且つスイッチする。
UV殺菌ライトは、254nmの波長、1Wから250Wの間の出力範囲でUV放射線を放射して、携帯電子デバイスの殺菌をするのに十分なUV放射線を実現する。
UV殺菌ライトは、1分から480分の間、携帯電子デバイスの殺菌をする。
再生式のデシケータは、120°Fから500°Fに加熱されて、乾燥した媒体を提供する。
再生式のデシケータは、5分から600分の間加熱されて、十分な乾燥時間を提供する。
加熱伝導プラテンは、70°Fから200°Fの間で加熱されて、蒸発潜熱の損失による損失の補償として、熱を再導入する。
マイクロプロセッサコントローラは、性能データを記録し、性能データ及びソフトウェアアップデートを、セルラー無線ネットワークを経由してワイヤレスで送受信できる。
マイクロプロセッサコントローラは、性能データを記録し、インターネットプロトコル無線プリンタ又はローカルにインストールされたプリンタで結果を印刷できる。
前記配置する工程は、携帯電子デバイスをプラテン上に配置することを含み、そして前記加熱する工程は、低くとも約110°Fに、高くとも約120°Fにプラテンを加熱する工程を含む。
前記圧力を下げる工程は、チャンバの外側の圧力未満である低くとも約28Hgインチに圧力を下げる工程を含む。
前記圧力を下げる工程は、チャンバの外側の圧力未満である低くとも約30Hgインチに圧力を下げる工程を含む。
前記配置する工程は、携帯電子デバイスをプラテン上に配置することを含み、前記加熱する工程は、低くとも約110°Fに、高くとも約120°Fにプラテンを加熱する工程を含み、そして前記圧力を下げる工程は、チャンバの外側の圧力未満である低くとも約28Hgインチに圧力を下げる工程を含む。
前記圧力を下げる工程と、前記圧力を上げる工程は、前記携帯電子デバイスを取り出す工程の前に、逐次的に繰り返される。
前記圧力を下げる工程と前記圧力を上げる工程の繰り返しを、少なくとも1つの予め定めた基準に従って、自動的に制御する工程。
十分な量の水分が電子デバイスから取り出された時点を検出する工程。
前記圧力を下げる工程と前記圧力を上げる工程の繰り返しを、前記検出する工程の後に止める工程。
チャンバ内の相対湿度を測定する工程。
相対湿度が下がり、相対湿度の低下レートが遅くなった後に、チャンバ内の圧力を上げる工程。
前記圧力を下げる工程と前記圧力を上げる工程が、前記携帯電子デバイスを取り出す工程の前に、逐次的に繰り返される。
前記圧力を下げる工程は、相対湿度が上がって、相対湿度の増加レートが遅くなると開始する。
前記圧力を下げる工程と前記圧力を上げる工程の繰り返しは、連続する相対湿度極大値と相対湿度極小値との差が予め定めた許容範囲内となると、止められる。
前記圧力を下げる工程と前記圧力を上げる工程の繰り返しは、チャンバ内の相対湿度が予め定めた値に達すると、止められる。
低圧チャンバ内の圧力を、ポンプを用いて下げる工程。
ポンプを用いてチャンバから吸い出されているガスから、ガスがポンプに達する前に水分を除去する工程。
前記水分を除去する工程は、乾燥剤を含むデシケータを用いて水分を除去する工程を含む。
乾燥剤から水分を除去する工程。
前記乾燥剤から水分を除去する工程の前に、ポンプから乾燥剤を隔絶する工程。
乾燥剤から水分を除去する間、デシケータを通るエアの流れを反転させる工程。
前記乾燥剤から水分を除去する工程の間、乾燥剤を加熱する工程。
前記加熱する工程は、低くとも200°F、高くとも300°Fに乾燥剤を加熱する工程を含む。
前記加熱する工程は、約250°Fに乾燥剤を加熱する工程を含む。
コントローラは、排気ポンプを制御して、低圧チャンバ内の圧力を複数回下げて、低圧チャンバ内の圧力は、圧力の逐次的な低下の間では上がる。
湿度センサが低圧チャンバ及びコントローラに接続されており、コントローラは、湿度センサから受信される信号に少なくとも部分的に基づいて排気ポンプを制御して、低圧チャンバ内の圧力を下げることを少なくとも一時的に止める。
相対湿度の変化レートが低下する、又は約ゼロであると、コントローラは、排気ポンプを制御して、低圧チャンバ内の圧力を下げることを少なくとも一時的に止める。
相対湿度の変化レートが低下する、又は約ゼロであると、コントローラは、排気ポンプを制御して、低圧チャンバ内の圧力を下げ始める。
排気ポンプが低圧チャンバ内の圧力を複数回下げると、湿度センサは、相対湿度の極大値及び極小値を検出し、そしてコントローラは、連続する極大相対湿度値と極小相対湿度値との異が予め定めた値と等しいかそれ未満である場合、デバイスが乾燥していると判定する。
弁が低圧チャンバ及びコントローラに接続されており、コントローラが弁を制御して圧力を上げること少なくとも部分的に起因して、低圧チャンバ内の圧力は、圧力の逐次的低下の間では上がる。
コントローラは、弁を制御して、低圧チャンバ内の圧力を上げ、ほぼ同時に、コントローラは、排気ポンプを制御して、低圧チャンバ内の圧力を下げるのを止める。
コントローラは、弁を制御して、低圧チャンバの内部と低圧チャンバの外側との間で圧力を等しくする。
温度センサがヒータ及びコントローラに接続されており、コントローラは、圧力センサから受信された信号に少なくとも部分的に基づいて、ヒータを制御して、予め定めた温度を維持する。
圧力センサが低圧チャンバ及びコントローラに接続されており、コントローラは、圧力センサから受信された信号に少なくとも部分的に基づいて、排気ポンプを制御して、低圧チャンバ内の圧力を下げることを少なくとも一時的に止める。
ヒータは、電子デバイスから水分を除去する間に、電子デバイスが直接的に接触するプラテンを含んでいる。
電子デバイスの殺菌をする工程。
電子デバイスの殺菌をするUV灯。
本発明の図示された例、代表的な実施形態及び具体的な形態が、図面及び先の記載において詳細に説明かつ記載されたが、これらは説明のためのものであって、制限的なものでも限定するものでもないと考えられるべきである。ある実施形態における特定の特徴の記載は、その特定の特徴がその実施形態に必ず限定されることを意味しない。ある実施形態の特徴は、当業者によって理解されるように、他の実施形態の特徴と組み合わされて利用されてよく、そのように明示的に記載されているか否かを問わない。例示的な実施形態が示され、かつ記載されており、そして本発明の精神の範囲内に入る全ての変更及び修正が保護されることが望まれる。