JP4063432B2 - 真空乾燥機およびその駆動方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は,衣類や食品や食器やシリコンウェハを乾燥するための真空乾燥機およびその駆動方法に関する
【0002】
【従来の技術】
生活や産業において,物を乾燥することは古くから行われてきた行為である。
【0003】
日本の一般家庭において洗濯した衣類を乾燥するには外気中での天日干しが一般的である。太陽光を受けた衣類の温度が上昇して水分蒸発が活発になることと,衣類から蒸発した水分で増加した衣類周囲の湿度が外気中に拡散して衣類からの水分蒸発を促進することが相補して乾燥する。寒冷な気候の北欧では,ボイラー等の加熱装置によって衣類を乾燥させることが一般的である。日本においても加熱装置を備えた乾燥機が市販されている。
【0004】
食品についても,「干し柿」や「切干大根」など天日干しによる乾燥の例は多い。フリーズドライと呼ばれる冷凍乾燥技術も開発されている。
【0005】
食器乾燥は,布きんでよく水分を拭った後に台所で自然乾燥することが一般的であるが,加熱装置を備えた食器乾燥機も徐々に普及している。
【0006】
半導体産業においては,洗浄後のシリコンウェハを高速回転させて液滴を吹き飛ばすスピン乾燥機が普及している。
【0007】
従来の真空乾燥機の例としては,特開平8−280994,特開平7−208859,特開平8−299698,特開平6−221754などが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の天日干しは,乾燥の程度が自然現象に大きく影響される問題を抱えていた。
【0009】
予期せぬ突然の雨によってベランダに干しておいた衣類が濡れてしまうことは珍しいことではない。長雨で洗濯物が乾かずに困ることも多い。北欧などのように寒冷で日照時間が短い季節がある地域では長い期間天日干しが非常に難しい場合もある。
【0010】
ボイラー等の加熱装置を利用した乾燥方法は,自然現象の影響を受けない長所がある反面,多大なエネルギーを使用する課題を抱えている。有限な地球資源を考えた場合には,エネルギーの無駄は放置できない。加熱装置を利用した場合には過熱による火災の心配がある。
【0011】
さらに,火災にいたらなくとも被乾燥物を限界温度以上に過熱してしまって品質を劣化させる懸念がある。スピン乾燥機の場合にはこの乾燥方法で乾燥できる被乾燥物が限られる問題を抱えている。
【0012】
高速回転が可能な物でかつ,水離れのよい材質のものに限られる。シリコンウェハは,固体内部には液が浸透せずかつ面が疎水性であるためにスピン乾燥が可能であるが,スピン乾燥中にシリコンウェハがバランスを崩して異常回転して破損する事故も起きている。
【0013】
また,シリコンウェハを微細加工して形成した繊細な構造が回転運動中に破壊される例もある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の真空乾燥機は,被乾燥物4を収納して内部を気密可能とする気密槽15と,該気密槽内を排気する排気装置とを有する真空乾燥機において,前記気密槽内に,外気温度によって暖められる不凍液が環流する不凍液環流管と前記不凍液によってほぼ外気温度と同じ温度に保たれる金属ネットにより構成される,熱伝導率の高い材質から成り前記被乾燥物を保持すると共に直接接触して前記被乾燥物の温度低下を抑制するための定温保持装置1を設けることを特徴とする(請求項1)。
【0015】
また,前記不凍液環流管内部に気体を環流することが好適である(請求項)。そして,前記真空乾燥機において,バルブ付き配管によって前記気密槽と接触された気体乾燥装置6を備えれば好適である(請求項)。
【0016】
さらに,前記不凍液環流管2を通過した不凍液を前記気体乾燥装置の備える冷却液供給配管12に流入させることができる(請求項)。
【0018】
そして,前記真空乾燥機の駆動方法として,前記気密槽内を600Torr以上の高圧状態と600Torr未満の低圧状態とを一周期としてこの周期を複数回繰り返すことにより達成できる(請求項)。
【0019】
【作用】
本発明によれば,被乾燥物4を収納して内部を気密可能とする気密槽15と,該気密槽内を排気する排気装置とを有することに加えて,前記気密槽内に前記被乾燥物を保持するための定温保持装置1を備え,被乾燥物から水分が蒸発する際に気化熱を奪うことで被乾燥物の温度が低下することを,熱伝導および輻射効果により,すなわち,熱伝導率の高い材質の定温保持層装置から被乾燥物への直接接触により前記被乾燥物の温度低下を抑制することができる。
【0020】
さらに加えて前記定温保持装置1が不凍液還流管2と金属ネット3で構成されている場合には,被乾燥物が気化熱による冷却で激しく低温化する場合でも定温保持装置の温度を強制的に定温にできるので冷却抑制効果が高まる。
【0021】
上記不凍液還流管内部に気体を還流する場合には,前記還流管内部が凍結して詰まることなく前記定温保持装置の温度を強制的に定温にできる。気体として周辺環境に室温状態すなわち気化熱で冷却される傾向にある被乾燥物に比べて高温である大気を使用すると潤沢にある高温大気を次々に消費して前記強制定温が実現できる。
【0022】
被乾燥物4を収納して内部を気密可能とする気密槽と,該気密槽内を排気する排気装置とを有することおよび前記気密槽内に前記被乾燥物を保持するための定温保持装置1を備えることに加えて,バルブ付き配管によって前記気密槽と接続された気体乾燥装置6を備えている場合には,気密槽から排出された湿潤な排気気体の水分を一部取り除くことができる。このことで湿潤気体の湿潤程度を軽減して排気ポンプや排気口近傍外部が湿気で悪環境になることを抑制できる。
【0023】
被乾燥物4を収納して内部を気密可能とする気密槽と,該気密槽内を排気する排気装置とを有すること,前記気密槽内に前記被乾燥物を保持するための定温保持装置1を備えること,バルブ付き配管によって前記気密槽と接続された気体乾燥装置6を備えていることに加えて,前記不凍液還流管2を通過した不凍液が前記気体乾燥装置の備える冷却液供給配管12に流入する場合には,被乾燥物から奪われた気化熱によって冷却された不凍液還流管中の不凍液を使用して気体乾燥装置6の内部に導入する冷却液とすることができる。
【0024】
被乾燥物4を収納して内部を気密可能とする気密槽と,該気密槽内を排気する排気装置とを有することおよび前記気密槽内に前記被乾燥物を保持するための定温保持装置1を備えることに加えて,前記気密槽を排気する真空ポンプで発生する熱を前記定温保持装置1に熱伝導するヒートパイプを備えている場合には,排気の際に発生する熱量を被乾燥物定温化抑制に有効利用できる。
【0025】
本発明の真空乾燥機の駆動方法において,前記気密槽内を600Torr以上の高圧状態と600Torr未満の低圧状態とを1周期としてこの周期を複数回繰り返す場合には,600Torr未満の低圧状態で被乾燥物からの水分蒸発が促進される効果と600Torr以上の高圧状態で被乾燥物の温度が上昇する効果を効率良く組合せることで,被乾燥物からの水分蒸発を促進できる。
【0026】
【実施例】
図1は,本発明の実施例における真空乾燥機の気密槽内部に収納する定温保持装置1を表したものである。
【0027】
被乾燥物4を銅製のネットの上に保持する構造である。この定温保持装置は,真空状態において被乾燥物を定温に保つために良好な熱伝導であるように工夫されている。具体的にはネットおよびネットを支える支柱は全て銅でできている。銅は,熱伝導が良い材料である。さらに支柱は,気密槽(図は省略)と熱接触するようにその接触部分の表面積が大きくなるように表面を荒してある。
【0028】
本発明において不凍液の還流管を用いた実施例を図2に示す。
【0029】
真空乾燥機の気密槽内部に収納する定温保持装置1は,図1に示す実施例と同様に被乾燥物4を載せる金属ネットが銅ネットであることに加えて,支柱が中空となっている。この中空支柱の内部には−10℃の温度でも凍らない不凍液が還流している。
【0030】
この中空支柱を不凍液還流管2と呼ぶことにする。不凍液は,不凍液還流管を通り,気密槽外部にまで循環される。外部に循環された不凍液は外気温度によって暖められ,再び図2に示した不凍液還流管の内部を還流する。このことで,不凍液還流管および金属ネットは,ほぼ外気温度と同じ温度に保たれる。
【0031】
図2において,被乾燥物4が2枚の銅ネットによって挟まれている。このように上下から被乾燥物をはさむことで熱接触が強化されて銅ネットと被乾燥物の温度を近づけることができる。
【0032】
本発明において大気の還流管を用いた実施例を説明する。
【0033】
図2において,前記不凍液還流管としての環流管の内部に大気を還流させてある。この実施例では,前記還流管の両端が開放状態である。一方の端から大気を取り込み,定温保持装置を通り,他方の端に取り付けられているダイアフラムポンプを通過して大気中に放出される。
【0034】
この構造は,両端が開放されている点では還流管と呼び難い点があるが,周囲環境までを含んで1つの還流系と考えると,還流と言える。すなわち,大気を取り込み管内部を通過させて再び気体を大気に戻す還流系である。
【0035】
そこで,還流管と言う名称をそのまま使用することにする。大気取り込み口は,発熱が多い家電製品(テレビなど)の放熱口に近接配置して少しでも高めの温度の気体を取り込む。気体の放出口は,夏では居室に向けておく。このことで居室を冷房する効果が期待される。気体の放出口を冷蔵庫の放熱板など家屋内部の不用発熱箇所に近接させる場合もある。前記取り込み口として真空乾燥機が備えている排気ポンプ近傍に配置する場合もある。
【0036】
本発明における気体乾燥装置6の実施例を図3及び図4に示す。
【0037】
図3は,真空乾燥機が備える気体乾燥装置6の断面図である。
【0038】
気体乾燥装置は,気密槽に湿潤気体取り込み口7と復圧取り込み口8と気体排出口9と液排出口10が取り付けられている。それぞれの湿潤気体取り込み口7と復圧取り込み口8と気体排出口9と液排出口10にはバルブ(V1からV4)が設けてある。
【0039】
気体乾燥装置6の内部にはコールドトラップ11が乾燥装置壁面と断熱状態で保持されている。このコールドトラップは,銅などの金属ネットである場合もあれば,アルミ箔である場合も有る。このコールドトラップと熱接触するように冷却液供給配管12と冷却液回収配管13が配置されている。断熱性であるステンレス製のこの供給と回収との配管の間は,熱を良く通す銅製の配管となっている。冷却液は,供給配管,銅製配管,回収配管を漏れることなく循環する。
【0040】
図3は,被乾燥物が納められている気密槽からの気体が気体乾燥装置に送り込まれている状態の初期状態を示した。バルブV1が開,バルブV2が閉,バルブV3が開,バルブV4がの状態である。
【0041】
気密槽内の被乾燥物から蒸発した水分は,バルブV1を介してこの気体乾燥装置に取り込まれてくる。この気体は,バルブV3を介して外部に排出されるのだが,その間にコールドトラップで水分の一部が捕獲される。一定期間,バルブV1開,V3開,他のバルブは,の状態を維持した後に,バルブV1,V3を含めた全てのバルブを閉じ,その直後にバルブV2を開けて乾燥空気を気体乾燥装置に送り込むとコールドトラップに水滴が付き,それが滴り落ちる。
【0042】
水が滴り落ちた状態を図4に示す
【0043】
溜まった水14は,バルブV4を開けて外部に排出する。排出後に前記コールドトラップへの冷却液供給を停止してコールドトラップを復温(昇温)する。バルブV2とバルブV4を閉じてバルブV3を開けて気体乾燥装置内を真空にする。
【0044】
真空になった後にコールドトラップへの冷却液供給を再開する。コールドトラップが十分に冷却された後にバルブV1を開けて気密槽からの気体を取り込む。
【0045】
以上述べた一連の動作を繰り返すことでバルブV1から取り込んだ気体の水分の一部をバルブV4を介して水として分離排水できる。
【0046】
本発明の全体構成の実施例を図5に示す
【0047】
定温保持装置1が収納された気密槽15へは外気取り入れ用気体乾燥装置16と外気取り入れ用気体復温装置17で乾燥復温された乾燥空気を外気取り入れバルブ18を介して乾燥空気が導入される構成である。
【0048】
外気取り入れ用気体復温装置を通った気体は,乾燥空気第1取り入れバルブ19を介して,第1気体乾燥装置20へも導入される。図示は省略してあるが,第2気体乾燥装置へも第1と同様に乾燥空気を導入する構成となっている。上記乾燥空気は,乾燥空気排出バルブ21を介して排気ポンプ25へも排出される。
【0049】
気密槽15から気体を排気する系は,複数備えられている。
【0050】
第1の系は,第1気体乾燥装置20と第1気体復温装置22を介して排気ポンプ25へ排気される系であり,第2の系は,第2気体乾燥装置23と第2気体復温装置24を介して排気ポンプ25に排気される系である。
【0051】
第1と第2の系は,交互に排気に使用される。図3及び図4を用いて説明した気体乾燥装置の使用方法において,一連の使用サイクルの中で一定の期間は,気密槽からの気体を取り入れて,残りの期間は,気体取入れを停止して気体乾燥装置自身の乾燥に費やすことを説明した。この気体取り入れと取り入れ停止の期間を第1と第2の排気系が補完して交互に排気を行う。
【0052】
図5において,前記不凍液還流管2を通過した不凍液が前記気体乾燥装置20,23に備える冷却液供給配管12に流入させてある。このことについて説明する。
【0053】
被乾燥物である洗濯物は,その初期状態では水で濡れた状態である。この状態で気密槽内部を真空引きして減圧すると被乾燥物の温度が一定ならば蒸気圧曲線(図6)に応じてその液体状態の水が気体状態の水蒸気に変化,すなわち,蒸発する。
【0054】
図6の見方を簡単に説明する。一般の生活習慣で水が100℃で蒸発するのは760Torrでは100℃の蒸気圧を持つことを実際に観察していることになる。高い山で炊飯すると米が生となってしまうのは気圧が低いと100℃未満の温度で水(湯)が蒸発してしまい温度不足で米が焚けないことを観察していることになる。圧力釜で短時間に調理できるのは大気圧よりも加圧した環境では100℃を越える温度の湯になるので,ゆで上がりが早くなることを観察していることになる。
【0055】
気密槽内を真空にすると一定温度に保った被乾燥物からは水分がどんどん蒸発して被乾燥物は乾燥していくことになる。
【0056】
一定温度に被乾燥物が保たれているのならば水分の蒸発はそのまま続くことになる。しかし,水が水蒸気になる際には気化熱が被乾燥物から奪われることになるので,被乾燥物は冷却されていく。
【0057】
被乾燥物を断熱状態にしていくと被乾燥物は,0℃以下になり,水分は凍結(固体化)して氷となる。被乾燥物の温度が下がると蒸気圧も低下して蒸発が抑制されていく現象併発する。
【0058】
一方,被乾燥物を一定温度に保つよう配慮して銅ネット等で不凍液還流管中の不凍液の熱を被乾燥物に伝導させ続ければ,被乾燥物は,ほぼ一定温度に保たれて蒸発が継続することになる。このように不凍液の熱を被乾燥物に与える構造を採用すると気密槽から出た時点での不凍液温度は,気密槽へ導入する前よりも低下する。
【0059】
この冷えた不凍液を第1気体乾燥装置22または,第2気体乾燥装置23のコールドトラップ冷却用に導入する。このことでコールドトラップに必要な冷却液が気密槽から供給できる自活型の装置になる。なお,第2の排気系への冷却液供給については,図示は省略してある。
【0060】
第1および第2の気体乾燥装置22,23によって湿潤な気体から水分の一部を取り除くとはいえ,排気ポンプ25に到達する排気はまだ多量の水分を含んだ湿潤気体である。水分により排気ポンプが特性劣化するとともに排気口近傍の湿度が増して環境が悪くなる。
【0061】
これを抑制するために,バルブ21を介して乾燥空気を排気ポンプに送気できる構成を採用している。排気ポンプや排気口の状況に応じてバルブ21を介して乾燥空気を供給する。
【0062】
本発明のさらに他の実施例を図7を用いて説明する。
【0063】
本実施例は,排気ポンプ25で発生する熱量を定温保持装置1に伝導する機能を有した真空乾燥機の例である。
【0064】
気密槽15に内蔵した定温保持装置1には被乾燥物4が保持されている。ヒートシンク27は,気密槽の減圧側と大気側とを貫通して配置されている。減圧側端では,定温保持装置と熱接触しており,大気側では,フレキシブルメタル28と熱接触している。フレキシブルメタルは,銅のメッシュ製であり,排気ポンプ25に巻きつけてポンプの熱を奪う。この構成により,ポンプのモーターや排気ピストンで発生した熱量を効率良く定温保持装置に伝導できる。尚,気密槽には大気導入のためのベント弁26が配置されている。
【0065】
本発明真空乾燥機の駆動方法について図8及び図9を用いて説明する。
【0066】
図8は,図7とほぼ同じ真空乾燥機である。相違点は,前記ヒートシンク27およびフレキシブルメタル28がない点である。
【0067】
図8の装置の排気の状態を図9に示す。
【0068】
上段のグラフは,真空度の時間変化である。排気ポンプおよびベント弁を周期的に作動させてこのグラフに示す真空度変化を得る。
【0069】
中段のグラフは,被乾燥物の温度変化,下段は,水分含有率変化を示してある。真空に引く過程で被乾燥物からの水分蒸発は急速に進み,気化熱で低温化も進む。室温の大気を導入することで復温していくとともに,水分蒸発も図9に示すように時間経過と共に少しずつ進行する。
【0070】
この減圧と復圧を繰り返すことで被乾燥物の水分含有率が低下していくので,減圧時の気化熱による低温化が少なくなり,水分蒸発の効率も高まっていく。蒸気圧曲線との相関から考察して減圧と復圧の境は,600Torrにすることが良い。
【0071】
【発明の効果】
本発明の真空乾燥機を用いることでヒータなどで強制的に被乾燥物を加熱することなく,省エネルギーで被乾燥物からの水分蒸発を促進させることが可能となった。乾燥に必要な冷却水も自己供給できることでエネルギー消費が少ない省エネルギー型の乾燥機となった。
【0072】
加熱しない効果は,熱に弱い素材の乾燥も可能にした。室温以下での乾燥も可能であるので熱に弱い薬品や有機物試料の乾燥も可能となる。温度上昇によって爆発する危険があるような素材でも原理的に温度が低下することがあっても上昇しない方式での乾燥であるので安心して乾燥作業が行える。真空乾燥は,被乾燥物が一定温度を保っていれば全ての面から一様に乾燥が起きる長所がある。本発明の装置を用いると被乾燥物の温度を一定に保てるので乾燥ムラが生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の斜視図である。
【図2】本発明の不凍液又は大気の環流管の実施例を示す斜視図である。
【図3】本発明の気体乾燥装置の実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の図3の実施例における作用を示す断面図である。
【図5】本発明の全体構成の実施例を示す図である。
【図6】水の蒸気圧曲線を示したグラフである。
【図7】本発明のさらに他の実施例を説明するための構成図である。
【図8】本発明の真空乾燥機の駆動方法を示す構成図である。
【図9】本発明駆動方法で得られた被乾燥物の含有水分量等の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 定温保持装置
2 不凍液還流管
3 金属ネット
4 被乾燥物
6 気体乾燥装置
7 湿潤気体取り込み口
8 復圧取り込み口
9 気体排出口
10 液排出口
11 コールドトラップ
12 冷却液供給配管
13 冷却液回収配管
14 水
15 気密槽
16 外気取り入れ用気体乾燥装置
17 外気取り入れ用気体復温装置
18 外気取り入れバルブ
19 乾燥空気第1取り入れバルブ
20 第1気体乾燥装置
21 乾燥空気排出バルブ
22 第1気体復温装置
23 第2気体乾燥装置
24 第2気体復温装置
25 排気ポンプ
26 ベント弁
27 ヒートシンク
28 フレキシブルメタル

Claims (5)

  1. 被乾燥物を収納して内部を気密可能とする気密槽と,該気密槽内を排気する排気装置とを有する真空乾燥機において,前記気密槽内に,外気温度によって暖められる不凍液が環流する不凍液環流管と前記不凍液によってほぼ外気温度と同じ温度に保たれる金属ネットにより構成される,熱伝導率の高い材質から成り前記被乾燥物を保持すると共に直接接触して前記被乾燥物の温度低下を抑制するための定温保持装置を設けることを特徴とする真空乾燥機。
  2. 前記不凍液環流管内部に気体を環流することを特徴とする請求項記載の真空乾燥機。
  3. バルブ付き配管によって前記気密槽と接触された気体乾燥装置を備えていることを特徴とする請求項1記載の真空乾燥機。
  4. 前記不凍液環流管を通過した不凍液が前記気体乾燥装置の備える冷却液供給配管に流入することを特徴とする請求項記載の真空乾燥機。
  5. 請求項1〜4いずれか1項記載の真空乾燥機の前記気密槽内を600Torr以上の高圧状態と600Torr未満の低圧状態とを一周期としてこの周期を複数回繰り返すことを特徴とする真空乾燥機の駆動方法。
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