JP2015224272A - ポリイミド系樹脂多孔体の製造方法及び複合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高厚みや所望の形状のポリイミド系樹脂多孔体を製造することができるポリイミド系樹脂多孔体の製造方法、及び、高厚みや所望の形状のポリイミド系樹脂多孔体を容易に製造することができる複合体を提供すること。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)と、ポリイミド系樹脂及び溶剤を含むポリイミド系ワニス並びにポリアミド酸系樹脂及び溶剤を含むポリアミド酸系ワニスの少なくとも一方のワニス(L)とを用い、該ポリオレフィン系樹脂発泡粒子間に該ワニス(L)が介在する複合体(A)を得る複合工程(a)、前記複合体(A)を加熱して、前記ワニス(L)中の前記溶剤を除去し、前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)と、前記ポリイミド系樹脂、及び前記ポリアミド酸系樹脂をイミド化して得られるポリイミド系樹脂の少なくとも一方のポリイミド系樹脂との複合体(B)を得る複合工程(b)、並びに、前記複合体(B)から前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)を消失させて、前記複合体(B)に孔を形成する孔形成工程、を含むポリイミド系樹脂多孔体の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイミド系樹脂多孔体の製造方法及び複合体に関する。
多孔体は、孔径の大きさによりフィルターや触媒担体として用いられ、様々な製造方法が研究されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に示される多孔体は、無機物を構成成分とするが、近年は、種々の機能性を有する樹脂が多孔体に適用されている。
例えば、ポリイミド系樹脂は、強度、耐熱性等、種々の性能に優れており、ポリイミド系樹脂を用いた多孔体も検討されている。
また、特許文献2には、ポリイミドを含むマトリックス中に分散された複数の微細孔を含んでなる多孔質ポリイミドにおいて、前記微細孔は、ポリイミドを含むマトリックスと、そのマトリックス中に分散された親水性ポリマーとを含んでなる前駆体から、前記親水性ポリマーを除去することにより、多孔質ポリイミドを形成する方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、ポリイミドと該ポリイミドの可溶溶媒(A)と該ポリイミドの不溶溶媒(B)とを含むポリイミド溶液からポリイミド多孔質体を製造する方法が開示されており、ポリイミド溶液を加熱して均一で透明な溶液とした後、ポリイミド溶液を冷却して均一に懸濁させ、懸濁したポリイミド溶液から可溶溶媒(A)と不溶溶媒(B)とを除去することによりポリイミド多孔質体を製造する方法が開示されている。
また、特許文献4には、高温に対して抵抗性のある熱可塑性プラスチックからなり且つ連続気泡構造を有する発泡体であって、気泡サイズが50〜2000μmであり、発泡体の連続気泡係数が、少なくとも75%であり、そして高温に対して抵抗性のある熱可塑性プラスチックが、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルスルホンアミド及びこれらの混合物より構成される群から選択されていることを特徴とする発泡体が開示されており、この発泡体は押出発泡により製造されている。
特開昭63−265880号公報 特開2000−44719号公報 特開2010−229345号公報 特許4828093号公報
特許文献2及び3に記載されている方法で得られるポリイミド系樹脂の多孔体は、厚みの薄いフィルム状の多孔体であり、その製造方法から、高厚みの多孔体や形状を有する多孔体を製造することが非常に困難であった。また、ポリイミド系樹脂は、熱可塑性を示すものでも、融点、ガラス転移温度(Tg)が高いため、加工に要する加熱温度が他の樹脂に比べ高くなる傾向にある。また、熱可塑性を示さないものは、押出機などで加工することができず、その加工方法が制限されてしまう。特許文献4に示される手法によって発泡体(多孔体)を得るためには、熱可塑性を示すポリイミド系樹脂を用いる必要があり、ポリイミド系樹脂の種類が制限されてしまう。
本発明の課題は、高厚みや所望の形状のポリイミド系樹脂多孔体を製造することができるポリイミド系樹脂多孔体の製造方法、及び、高厚みや所望の形状のポリイミド系樹脂多孔体を容易に製造することができる複合体を提供することにある。
すなわち、本発明は次のとおりである。
(1)ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)と、ポリイミド系樹脂及び溶剤を含むポリイミド系ワニス並びにポリアミド酸系樹脂及び溶剤を含むポリアミド酸系ワニスの少なくとも一方のワニス(L)とを用い、該ポリオレフィン系樹脂発泡粒子間に該ワニス(L)が介在する複合体(A)を得る複合工程(a)、前記複合体(A)を加熱して、前記ワニス(L)中の前記溶剤を除去し、前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)と、前記ポリイミド系樹脂、及び前記ポリアミド酸系樹脂をイミド化して得られるポリイミド系樹脂の少なくとも一方のポリイミド系樹脂との複合体(B)を得る複合工程(b)、並びに、前記複合体(B)から前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)を消失させて、前記複合体(B)に孔を形成する孔形成工程、を含むポリイミド系樹脂多孔体の製造方法、
(2)前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)の一次粒子を、前記ワニス(L)中に混合して前記複合体(A)を得る上記(1)に記載のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法、
(3)前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)と、前記ワニス(L)との体積比(P:L)が50:50〜95:5である上記(2)に記載のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法、
(4)前記複合体(A)を得る複合工程(a)が、前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)がその表面の一部で互いに融着してなり、かつ該ポリオレフィン系樹脂発泡粒子間に外部と連通する空隙を有する発泡粒子成形体の空隙に、前記ワニス(L)を充填して前記複合体(A)を得る上記(1)に記載のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法、
(5)前記発泡粒子成形体の空隙率が、前記発泡粒子成形体の全体積に対し、5〜50体積%である上記(4)に記載のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法、
(6)前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)の平均一次粒子径が10mm以下である上記(1)〜(5)のいずれかに記載のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法、
(7)前記孔形成工程において、前記複合体(B)を230〜350℃で焼成して、前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)を消失させる上記(1)〜(6)のいずれかに記載のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法、
(8)前記複合工程(b)において、前記複合体(A)を−10kPaG〜−900kPaGの減圧下で加熱して、前記溶剤を除去する上記(1)〜(7)のいずれかに記載のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法、
(9)前記複合工程(a)において、前記複合体(A)を、型を用いて賦形する上記(1)〜(8)のいずれかに記載のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法、
(10)前記複合体(A)が、直径10mm以上の球を切り出し得る大きさである上記(1)〜(9)のいずれかに記載のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法、及び
(11)ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)と、該ポリオレフィン系樹脂発泡粒子間に介在するポリイミド系樹脂とからなる複合体。
本発明のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法によれば、高厚みや、所望の形状のポリイミド系樹脂多孔体を製造することができる。また、高厚みや所望の形状のポリイミド系樹脂多孔体を容易に製造することができる複合体を提供することができる。
<<ポリイミド系樹脂多孔体の製造方法>>
本発明のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法は、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)と、ポリイミド系樹脂及び溶剤を含むポリイミド系ワニス並びにポリアミド酸系樹脂及び溶剤を含むポリアミド酸系ワニスの少なくとも一方のワニス(L)とを用い、該ポリオレフィン系樹脂発泡粒子間に該ワニスが介在する複合体(A)を得る複合工程(a)、
前記複合体(A)を加熱して、前記ワニス(L)中の前記溶剤を除去し、前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)と、前記ポリイミド系樹脂、及び前記ポリアミド酸系樹脂をイミド化して得られるポリイミド系樹脂の少なくとも一方のポリイミド系樹脂との複合体(B)を得る複合工程(b)、並びに、
前記複合体(B)から前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)を消失させて、前記複合体(B)に孔を形成する孔形成工程、を含む。
以下、「ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)」を、「発泡粒子(P)」;「ポリイミド系樹脂及び溶剤を含むポリイミド系ワニスと、ポリアミド酸系樹脂及び溶剤を含むポリアミド酸系ワニスとの少なくとも一方のワニス(L)」を、「ワニス(L)」;「ポリイミド系樹脂及び溶剤を含むポリイミド系ワニス」を、「ポリイミド系ワニス(L1)」又は「ワニス(L1);「ポリアミド酸系樹脂及び溶剤を含むポリアミド酸系ワニス」を、「ポリアミド酸系ワニス(L2)」又は「ワニス(L2);「ポリイミド系樹脂多孔体」を、「多孔体」と、それぞれ称することがある。
本発明のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法を上記構成とすることで、高厚みや所望の形状のポリイミド系樹脂多孔体を製造することができる。
複合工程(a)で得られる複合体(A)は、発泡粒子(P)と、液体であるワニス(L)とを用いて形成される。液体は、一般に、接触する固体の形状に追随して形状を変化する性質を有しているため、複合体(A)の形状を、高温処理、高圧処理等の特別な加工処理を行わずに、常温、常圧であっても、所望の形状にすることができる。
複合工程(b)では、得られた複合体(A)から溶剤を除去し、ワニスとしてポリアミド酸系ワニス(L2)を用いている場合は更にポリアミド酸をイミド化することにより、複合工程(a)で形成した形状を保ったまま、複合体(B)が得られる。
さらに、孔形成工程において、複合体(B)から発泡粒子(P)を消失させることで、発泡粒子(P)が存在していた位置が孔となり、ポリイミド系樹脂多孔体が得られる。
以下、複合工程(a)、複合工程(b)、及び孔形成工程について、詳細に説明する。
<複合工程(a)>
複合工程(a)では、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)と、ポリイミド系樹脂及び溶剤を含むポリイミド系ワニス(L1)並びにポリアミド酸系樹脂及び溶剤を含むポリアミド酸系ワニス(L2)の少なくとも一方のワニス(L)とを用い、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子間にワニスが介在する複合体(A)を得る。
複合工程(a)では、発泡粒子(P)とワニス(L)とを用い、所望の形状の複合体(A)を得る。複合体(A)の形成には、発泡粒子(P)及びワニス(L)以外の第三の成分を用いてもよい。
本発明では、ワニス(L)が液体であることを利用して、発泡粒子(P)とワニス(L)とを用い、所望の形状を有する複合体(A)を得る。
型の種類は制限されず、雌型(凹形状の型)のみ用いてもよいし、雌型(凹形状の型)と雄型(凸形状の型)が対になったものを用いてもよいし、2つの雌型(凹形状の型)を用いてもよい。
また、型の材質は特に制限されず、金属、木材、樹脂等の型を用いることができる。発泡粒子(P)とワニス(L)とを含んでも形状が変化しないものであれば、紙製の型であってもよい。
本発明においては、高厚みの複合体(A)を形成することができ、型の大きさにより、例えば、直径10mm以上の球を切り出し得る大きさにすることができる。
複合体(A)の形成に用いる発泡粒子(P)のワニス(L)中の状態は、特に制限されず、ワニス(L)中に、一次粒子として含まれていてもよいし、集合体として含まれていてもよい。
発泡粒子(P)を一次粒子としてワニス(L)中に含ませる場合は、例えば、1)発泡粒子(P)の一次粒子を、ワニス(L)中に混合して複合体(A)を得る方法が挙げられる。この場合には、例えば、発泡粒子(P)とワニス(L)との混合液を調製し、基板上に混合液を付与して成膜し、板状の複合体(A)を形成してもよい。また、混合液を型に流し込んで賦形し、所望の形状の複合体(A)としてもよい。
また、発泡粒子(P)を集合体としてワニス(L)中に含ませる場合は、例えば、2)複数又は多数の発泡粒子(P)が、その表面の一部で互いに融着してなり、かつ発泡粒子(P)間に外部と連通する空隙を有する発泡粒子成形体の空隙に、ワニス(L)を充填して複合体(A)を得る方法が挙げられる。この場合には、発泡粒子成形体を予め所望の形状に成形しておくことにより、所望の形状の複合体(A)を得ることができる。
以下、1)発泡粒子(P)の一次粒子を用いる第1の複合方法と、2)発泡粒子成形体を用いる第2の複合方法とについて、説明する。
1)第1の複合方法
第1の複合方法では、発泡粒子(P)として、一次粒子を用いる。
この方法では、より簡便に複合体(A)を得ることができる。
この場合、発泡粒子(P)と、ワニス(L)との体積比(P:L)は、50:50〜95:5であることが好ましい。
発泡粒子(P)と、ワニス(L)との割合が上記範囲であることにより、軽量性と機械的物性とのバランスに優れた多孔体を得ることができる。
発泡粒子(P)と、ワニス(L)との体積比(P:L)は、58:42〜87:13であることがより好ましく、65:35〜81:19であることが更に好ましい。
2)第2の複合方法
第2の複合方法では、発泡粒子(P)として、発泡粒子(P)の集合体を用いる。発泡粒子(P)の集合体は、より具体的には、隣接する発泡粒子(P)同士がその表面の一部で互いに融着し、発泡粒子間に外部と連通する空隙を有する発泡粒子成形体である。
発泡粒子(P)を、予め、隣接する発泡粒子(P)の表面が互いに融着した空隙を有する発泡粒子成形体にして用いることで、孔形成工程で発泡粒子(P)を消失したときに、多孔体の孔の分布が均一な多孔体を得易い。
なお、発泡粒子成形体は、本願の複合工程(a)中で予め形成し、形成した該発泡粒子成形体の空隙にワニス(L)を充填してもよいし、本願の複合工程(a)とは別に、発泡粒子成形体を準備しておき、該発泡粒子成形体の空隙にワニス(L)を充填してもよい。
隣接する発泡粒子(P)の表面の融着は、発泡粒子(P)の表面を、熱、接着剤又は発泡粒子(P)を溶解する溶剤で溶融することにより行う。具体的な一例としては、例えば、発泡粒子の型内成形時に、充填された発泡粒子間の空隙が残る条件(空隙が完全に埋まるまで発泡粒子を二次発泡させない条件)で発泡粒子を加熱融着させることにより、発泡粒子(P)の表面がその一部で互いに融着してなり、発泡粒子(P)間に外部と連通する空隙を有する発泡粒子成形体を得る方法がある。
より具体的には密閉し、開放し得る金型に発泡粒子を導入し、次いでスチームで均一に発泡粒子を加熱し、発泡粒子の表面溶融と発泡粒子の2次発泡に伴う発泡粒子同士の押圧により相互の融着を誘起し、発泡粒子成形品とすることが可能である。発泡粒子間の空隙率は、加熱するスチームの圧力とスチームを導入する時間の調整、発泡粒子気泡内の圧力の調整、発泡粒子の結晶状態、又は架橋状態の調整等により制御することが可能である。
使用する発泡粒子は、所定の条件内で熱分解できれば特段に規定されるものではなく、架橋発泡粒子でも無架橋発泡粒子でもよいが、無架橋発泡粒子を用いる方が好ましい。無架橋発泡粒子は、架橋発泡粒子よりも、スチームを用いる成形の場合のスチーム温度が高くなりやすく、また、熱分解温度も高くなりやすい傾向にある。
無架橋発泡粒子を成形に用いる場合は、以下の熱的挙動を有するものが好ましい。すなわち、DSC(Differential scanning calorimetry;示差走査熱量分析)法で測定した場合(1回目加熱時)に融解ピークを2以上形成し、且つ最も高温側の融解ピーク温度より略50℃高い温度まで昇温した後に室温まで降温し、再度、昇温した場合(2回目加熱時)に1回目の融解ピークの数より少なくとも1以上少ない融解ピークが現れる結晶構造を有する発泡粒子であることが有効である。このような結晶構造は、発泡時にポリオレフィン系樹脂を等温結晶化させるなどして二次結晶を生成させることにより形成させることができる。これら複数の融解ピークのうち最高温側に位置する融解ピーク(高温ピーク)の融解熱量は5〜25J/gであることが好ましい。
無架橋発泡粒子を成形する場合は、空隙率調整を目的として、発泡粒子を加圧空気中などの加圧雰囲気下で放置して(内圧処理)、発泡粒子の気泡内部の圧力を高めてから、型内成形することができる。前記高温ピークの融解熱量が大きいほど、加圧空気での内圧処理によって空隙率が調整しやすくなる傾向がある。
発泡粒子成形体は、空隙率が、発泡粒子成形体の全体積に対し、5体積%〜50体積%であることが好ましい。発泡粒子成形体の空隙率がこの範囲であると、軽量性と機械的物性とのバランスに優れた多孔体を得ることができる。
発泡粒子成形体の空隙率は、発泡粒子成形体の全体積に対し、10体積%〜20体積%であることがより好ましい。
次に、発泡粒子(P)及びワニス(L)の詳細について説明する。
〔ポリオレフィン系樹脂発泡粒子〕
発泡粒子(P)を構成するポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、更にそれら2種以上の混合物等が挙げられる。上記ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体が挙げられる。また、ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体,プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体等のプロピレン系共重合体、更にそれら2種以上の混合物が挙げられる。
共重合体の重合形態は特に制限されず、ブロック共重合体であってもよいし、ランダム共重合体であってもよい。
以上の中でも、熱分解が容易である観点から、ポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
発泡粒子(P)の平均一次粒子径は10mm以下であることが好ましい。
発泡粒子(P)の平均一次粒子径は、本発明のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法で得るポリイミド系樹脂多孔体の孔径と相関し、発泡粒子(P)の平均一次粒子径が大きいほどポリイミド系樹脂多孔体の孔径が大きくなる。
発泡粒子(P)の平均一次粒子径が10mm以下であることで、ポリイミド系樹脂多孔体の強度低下を抑制することができる。発泡粒子自体の生産性の観点から、その下限は0.05mm程度である。
発泡粒子(P)の平均一次粒子径は、1mm〜5mmであることがより好ましい。
発泡粒子(P)は、市販品を用いてもよい。
例えば、株式会社ジェイエスピー製のピーブロック(基材樹脂:ポリプロピレン系樹脂)、エルブロック(基材樹脂:ポリエチレン系樹脂)、ミラブロック(基材樹脂:ポリエチレン系樹脂)等が挙げられる。
〔ワニス〕
複合工程(a)で用いるワニス(L)としては、ポリイミド系樹脂及び溶剤を含むポリイミド系ワニス(L1)又はポリアミド酸系樹脂及び溶剤を含むポリアミド酸系ワニス(L2)の少なくとも一方を用いる。また、ワニスL1とワニスL2を混合したものを用いることもできる。
ポリイミド系ワニス(L1)が含み得るポリイミド系樹脂について説明する。
(ポリイミド系樹脂)
ポリイミド系樹脂は、イミド結合を有する構成単位を含む樹脂であれば、特に制限されない。イミド結合を有する構成単位としては、例えば、化学式(1)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2015224272
化学式(1)中、Rは、4価の脂肪族基又は4価の芳香族炭化水素基を表す。Zは、2価の脂肪族基、炭素数が6〜39の2価の芳香族炭化水素基又はこれらの組み合わせからなる2価の基であり、Zの主鎖には、−O−、−SO2−、−CH2−、−C(CH32−、−OSi(CH32−、−C24O−及び−S−からなる群から選ばれた少なくとも1種の結合基が介在していてもよく、Zはカルボキシル基、ヒドロキシ基及びカルボニル基からなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有していてもよい。
化学式(1)において、Rで表される脂肪族基は、炭素数1以上のアルカン、炭素数2以上のアルケン、又は炭素数3以上のアルキンから4つの水素原子を取り除いた脂肪族基である。アルカンとしては、直鎖状、分岐状、又は環状のアルカンが挙げられ、炭素数は1〜12であることが好ましい。具体的には、例えば、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、2−ブタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ノルボルナン、n−オクタン、n−デカン等が挙げられる。
アルケンとしては、直鎖状、分岐状、又は環状のアルケンが挙げられ、炭素数は2〜13であることが好ましい。具体的には、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、2−ブチレン、n−ヘキシレン、シクロヘキセン、イソフォロン、ノルボルネン等が挙げられる。
アルキンとしては、直鎖状、分岐状、又は環状のアルキンが挙げられ、炭素数は3〜15であることが好ましい。具体的には、例えば、プロピン、n−ブチン、2−ブチン、n−ヘキシン、シクロヘキシン等が挙げられる。
以上の中でも、Rで表される脂肪族基は、環状のアルカンから4つの水素原子を取り除いた脂肪族基であることが好ましい。また、炭素数は4〜12であることがより好ましく、6〜10であることが更に好ましい。Rで表される脂肪族基は、更にアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有していてもよい。
式(1)において、Rで表される芳香族炭化水素基は、芳香族炭化水素から4つの水素原子を取り除いた芳香族炭化水素基である。芳香族炭化水素は、単環構造であっても、縮合環を有する構造であってもよく、炭素数は6〜20であることが好ましい。具体的には、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルメタン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン、ベンゾフェノンアントラセン、ピレン等が挙げられる。
以上の中でも、Rで表される芳香族炭化水素基は、ベンゼン又はナフタレンから4つの水素原子を取り除いた芳香族炭化水素基であることが好ましい。Rで表される芳香族炭化水素基は、更にアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有していてもよい。
化学式(1)において、Zを構成する脂肪族基は、炭素数1以上のアルカン、炭素数2以上のアルケン、又は炭素数3以上のアルキンから、2つの水素原子を取り除いた脂肪族基である。アルカン、アルケン、及びアルキンの具体例としては、Rで表される脂肪族基の説明で取り上げたアルカン、アルケン、及びアルキンが挙げられる。炭素数1以上のアルカンから2つの水素原子を取り除いた脂肪族基としては、ポリアルキレン基も挙げられる。
Zを構成する脂肪族基の炭素数は、脂肪族基が、炭素数1以上のアルカンから2つの水素原子を取り除いた脂肪族基である場合は、1〜39であることが好ましい。脂肪族基が、炭素数2以上のアルケンから2つの水素原子を取り除いた脂肪族基である場合は、2〜39であることが好ましい。脂肪族基が、炭素数2以上のアルキンから2つの水素原子を取り除いた脂肪族基である場合は、3〜39であることが好ましい。
Zを構成する脂肪族基の炭素数は、より好ましくは6〜36であり、更に好ましくは10〜30である。
Zを構成する脂肪族基は、更にアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有していてもよい。
化学式(1)において、Zを構成する芳香族炭化水素基は、芳香族炭化水素から2つの水素原子を取り除いた芳香族炭化水素基(アリーレン基)である。芳香族炭化水素は、単環構造であっても、縮合環を有する構造であってもよく、炭素数は6〜20であることが好ましい。具体的には、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルメタン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン、ベンゾフェノンアントラセン、ピレン等が挙げられる。
以上の中でも、Zを構成する芳香族炭化水素基は、ベンゼン又はナフタレンから2つの水素原子を取り除いた芳香族炭化水素基であることが好ましい。
Zを構成する芳香族炭化水素基は、更にアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有していてもよい。
化学式(1)において、Zは、更に、上記脂肪族基及び芳香族基の組合せからなる2価の基であってもよい。ここで、脂肪族基及び芳香族基の組合せとは、脂肪族基と芳香族基との組合せのほか、脂肪族基と他の脂肪族基との組合せ、芳香族基と他の芳香族基との組合せが挙げられる。
このようなZとしては、例えば、キシリレン基、ビフェニルから水素原子を2つ取り除いた基等が挙げられる。
また、Zの主鎖には、−O−、−SO2−、−CH2−、−C(CH32−、−OSi(CH32−、−C24O−及び−S−からなる群から選ばれた少なくとも1種の結合基が介在していてもよく、Zはカルボキシル基、ヒドロキシ基及びカルボニル基からなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有していてもよい。
このようなZとしては、ポリオキシアルキレン基、ジフェニルエーテルから水素原子を2つ取り除いた基、ジフェニルスルホンから水素原子を2つ取り除いた基、ベンゾフェノンから水素原子を2つ取り除いた基等が挙げられる。
化学式(1)で表される構成単位は化学式(2)又は化学式(3)で表される構成単位であることが好ましい。また、ポリイミド系樹脂は、化学式(2)で表される構成単位及び化学式(3)で表される構成単位のいずれか一方又は両方を含むことが好ましい。
Figure 2015224272
化学式中、Zは、化学式(1)におけるZと同じであり、好ましい態様も同じである。
また、化学式(1)〜(3)中のZは、式(Z−1)又は式(Z−2)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 2015224272
式(Z−2)中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。
式(Z−2)中、R1及びR2で表されるアルキル基は、直鎖状でも、分岐状でも、環状でもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。R1及びR2で表されるアルキル基は、更にアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有していてもよい。
1及びR2で表されるアルキル基の炭素数は、1〜6であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。更には、R1及びR2が共にメチル基であることが好ましい。
ポリイミド系樹脂は、化学式(1)における全Z中の式(Z−1)又は式(Z−2)で表される基の割合が、50モル%〜100モル%であり、より好ましくは70モル%〜100モル%であり、更に好ましくは80モル%〜100モル%である。
ポリイミド系樹脂中の化学式(3)で表される繰り返し単位の割合は、1モル%〜99モル%であることが好ましく、より好ましくは5モル%〜95モル%であり、更に好ましくは10モル%〜90モル%であり、より更に好ましくは10モル%〜50モル%である。
化学式(3)の割合が5モル%以上であると耐熱性が高く吸水率を低くでき、95モル%以下であれば、ワニスの溶剤への可溶性が高くなる。
ポリイミド系樹脂の重合形態としては、化学式(1)で表される構成単位による単独重合体であってもよいし、化学式(2)で表される構成単位と化学式(3)で表される構成単位とのブロック共重合体又はランダム共重合体であってもよい。
共重合体において、化学式(2)で表される繰り返し単位の化学式(3)で表される繰り返し単位に対する割合〔化学式(2)で表わされる繰り返し単位/化学式(3)で表される繰り返し単位〕は、ワニスの溶剤への可溶性の点から、好ましくは1900モル%〜5モル%であり、より好ましくは900モル%〜11モル%であり、更に好ましくは900モル%〜100モル%である。
ポリイミド系樹脂は、前駆体であるポリアミド酸系樹脂を加熱し、脱水することにより得ることができる。
化学式(1)で表される構成単位を有するポリイミド系樹脂の前駆体となるポリアミド酸系樹脂は、化学式(4)で表される構成単位を有する。
Figure 2015224272
化学式(4)中のR及びZは、化学式(1)中のR及びZと同義であり、好ましい態様も同じである。
ポリアミド酸系樹脂は、化学式(5)で表される構成単位及び化学式(6)で表される構成単位のいずれか一方又は両方を含むことが好ましい。
Figure 2015224272
式中、Zは、化学式(1)におけるZと同じであり、好ましい態様も同じである。
また、化学式(4)〜(6)中のZは、式(Z−1)又は式(Z−2)で表される構造を有することが好ましい。
(溶剤)
ポリイミド系ワニス(L1)が含む溶剤は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、γ−ブチロラクトン等のケトン系溶剤;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤;ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶剤等が挙げられる。また、ポリアミド酸ワニス(L2)が含む溶剤としては、ポリイミド系ワニス(L1)が含む溶剤と同様のものが挙げられる。
中でも、ケトン系溶剤及びアミド系溶剤が好ましく、γ−ブチロラクトン及びN,N−ジメチルアセトアミドがより好ましく、γ−ブチロラクトン及びN,N−ジメチルアセトアミドの混合溶媒が更に好ましい。混合比率は、時間経過に伴い相分離などの現象を生じなければ、特に規定されるべきものではないが、溶液中の粘度の偏りなどを生じない安定した液性状態を維持するためには、γ−ブチロラクトンとN,N−ジメチルアセトアミドの比率が2/8〜8/2であることが好ましく、3/7〜7/3であることが好ましい。
γ−ブチロラクトンとN,N−ジメチルアセトアミドの混合溶媒の比率が3/7〜7/3であるポリイミド系ワニス中のポリイミド系樹脂の濃度は、脱溶剤後のポリイミド系樹脂の厚み(セル膜厚み)を制御する観点から、ポリイミド系ワニス(L1)の全質量に対し、5質量%〜50質量%であることが好ましく、8質量%〜30質量%であることがより好ましく、10質量%〜20質量%であることが更に好ましい。
なお、ワニス(L)は、通常、1Pa・s〜70Pa・sの低粘度の液体である。ワニスの粘度は、例えば、JIS Z 8803(2011年)に準じた方法により測定することができる。
ワニス(L)は、市販品を用いてもよい。
ポリイミド系ワニスとしては、三菱ガス化学株式会社製、ネオプリム(登録商標)CのC−1000、C−3430、C−5420等が挙げられる。
<複合工程(b)>
複合工程(b)では、複合体(A)を加熱して、ワニス(L)中の溶剤を除去し、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子と、ポリイミド系樹脂、及びポリアミド酸系樹脂をイミド化して得られるポリイミド系樹脂の少なくとも一方のポリイミド系樹脂との複合体(B)を得る。
すなわち、複合工程(a)において、ワニス(L)として、ポリイミド系ワニス(L1)を用いた場合は、ポリイミド系ワニス(L1)中の溶剤を除去して、発泡粒子(P)とポリイミド系樹脂とを含む複合体(B)を得る。
複合工程(a)において、ワニス(L)として、ポリアミド酸系ワニス(L2)を用いた場合は、ポリアミド系ワニス(L2)中の溶剤を除去し、更にポリアミド酸系樹脂をイミド化してポリイミド系樹脂として、発泡粒子(P)とポリイミド系樹脂とを含む複合体(B)を得る。
ポリアミド系ワニス(L2)からの溶剤除去と、ポリアミド酸系樹脂のイミド化は、同時に行ってもよし、溶剤除去を先に行い、次いでポリアミド酸系樹脂のイミド化を行ってもよい。ポリアミド酸系樹脂は、イミド化により脱水し、水蒸気を放つため、水蒸気の発生に起因して、複合体(B)に、発泡粒子(P)の体積よりも小さく、細かな孔が生じることがある。
本発明の製造方法で得る多孔体に細孔を取り入れる場合は、溶剤除去とポリアミド酸系樹脂のイミド化を同時に行えばよく、多孔体に細孔を取り入れない場合は、溶媒除去を先に行い、次いでポリアミド酸系樹脂のイミド化を行えばよい。
複合工程(b)では、複合体(A)を、−10kPaG〜−900kPaGの減圧下で加熱して、ワニス(L)に含まれる溶剤を除去する乾燥工程を有することが好ましい。
減圧条件を−10kPaG以上とすることで、ワニス(L)中の溶剤を除去することができ、−900kPa以下とすることで、ワニスの沸騰を防止することができる。
ここで、「−10kPaG」は、大気圧(101.325kPa)を基準(0kPa)にして、大気圧から10kPaだけ減圧するゲージ圧での−10kPaを表す。
減圧条件は、−10kPaG〜−600kPaGであることがより好ましく、−10kPaG〜−300kPaGであることが更に好ましく、−20kPaG〜−150kPaGであることがより更に好ましい。
複合体(A)の加熱温度は、30℃〜150℃の温度範囲で加熱することが好ましく、30℃〜140℃の温度範囲で加熱することがより好ましく、30℃〜130℃の温度範囲で加熱することが更に好ましい。
加熱温度を30℃以上とすることで、溶剤の揮散速度を高めることができ、150℃以下とすることで、ポリイミド樹脂セル膜を形成する間はポリプロピレン系発泡粒子が減容することなく孔の大きさを保持することができる。
複合体(A)の加熱時間は、減圧条件にもよるが、10hr〜60hrであることが好ましく、20hr〜50hrであることがより好ましく、24hr〜48hrであることが更に好ましい。
加熱時間を10hr以上とすることで、揮散速度を制御できることから欠損の少ないセル膜形成に有効であり、60hr以下とすることで、生産性を確保することができる。
ワニス(L)中の溶剤の激しい揮発を抑制し、また、ワニス(L2)用いる場合に、溶剤を十分に乾燥してからポリアミド酸系樹脂のイミド化が行えるように、乾燥工程を2段階以上に分け、減圧条件及び加熱温度を上げることが好ましい。より好ましくは、3段階以上の乾燥工程により複合体(A)を乾燥することが好ましい。
例えば、複合体(A)を初期乾燥工程、中期乾燥工程、及び仕上げ乾燥工程の3段階にて乾燥する場合は、各工程を次のようにすることが好ましい。
初期乾燥工程:温度30℃〜60℃、圧力−10kPa〜−50kPa、時間20hr〜50hr;
中期乾燥工程:温度70℃〜100℃、圧力−60kPa〜−90kPa、時間20hr〜50hr;
仕上げ乾燥工程:温度110℃〜130℃、圧力−95kPa〜−150kPa、時間20hr〜50hr。
<孔形成工程>
孔形成工程では、複合体(B)からポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)を消失させて、複合体(B)に孔を形成する。
複合体(B)から発泡粒子(P)を消失させる方法は、特に制限されず、例えば、複合体(B)を焼成したり、発泡粒子の平均粒子径以下のピッチで厚み方向に針で突き抜くような針穴加工を行った後に、加熱したo−ジクロロベンゼンやトリクロロベンゼンなどの熱溶剤で除去したりする方法が挙げられる。中でも、発泡粒子(P)が効率よく消失する観点から、複合体(B)の焼成により消失する方法が好ましい。発泡粒子(P)は、ポリオレフィン系樹脂により構成されているため、焼成の熱源となり、焼成の加熱温度を小さく抑えることができる。
複合体(B)の焼成温度は、230℃〜350℃であることが好ましい。230℃以上であることで、複合体(B)中の発泡粒子(P)〔発泡粒子成形体に成形されている発泡粒子を含む〕を十分に焼成することができ、350℃以下であることで、複合体(B)の損壊を防止することができる。
複合体(B)の焼成温度は、230℃〜280℃であることがより好ましく、240℃〜270℃であることが更に好ましい。
尚、焼成する製品厚みが10mmを超える場合には焼成する温度と時間のバランスによっては、焼成による熱が溜まり易く、炭化物を形成する恐れがある。この場合は、焼成炉内の酸素濃度を下げることで炭化を防止することが可能となる。酸素濃度は10%以上20%以下の範囲で調整するのが好ましい。10%を下回る場合には、ポリプロピレンを熱分解するために設定する焼成温度を極端に引き上げる必要があるため、好ましくない。
また、複合体(B)の焼成時間は、焼成温度によるが、30分〜3時間であることが好ましく、40分〜2時間であることがより好ましく、50分〜90分であることが更に好ましい。
<他の工程>
本発明のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法は、複合工程(a)、複合工程(b)、及び孔形成工程以外に、他の工程を有していてもよい。
他の工程としては、例えば、得られた多孔体を溶剤で洗浄する洗浄工程が挙げられる。
(洗浄工程)
洗浄工程では、孔形成工程を経て得られた多孔体を、発泡粒子(P)が溶解する溶剤で洗浄することで、孔形成工程における複合体(B)の焼成では消失仕切れなかった発泡粒子を洗い流したり、焼成等により多孔体に付いた汚れを洗い流すことができる。
洗浄工程で用い得る溶剤としては、ポリオレフィン系樹脂の溶解性及びポリイミド系樹脂の非溶解性の観点から、エタノール、メタノール、イソプロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル、ジメチルエーテルのエーテル類が挙げられる。中でも、アルコールが好ましく、エタノールがより好ましい。
また、洗浄工程では、多孔体を溶剤に浸した上、超音波をかけることが好ましい。
超音波の出力は、溶剤1m3あたりの出力で1kw以上が好ましく、3kw〜20kwがより好ましい。また、超音波の発振周波数は、25kHz〜30kHzが好ましく、26.8kHz〜28.3kHzがより好ましい。
以上の工程を経て得られるポリイミド系樹脂多孔体は、発泡粒子(P)に由来する大きな孔径を有する多孔体が得られる。したがって、触媒担体、断熱材等に有用である。
<<複合体>>
本発明の複合体は、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)と、該ポリオレフィン系樹脂発泡粒子間に介在するポリイミド系樹脂とからなる。
ポリイミド系樹脂が、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の粒子間に介在することで、複合体を焼成したときに、ポリイミド系樹脂多孔体を容易に製造することができる。本発明の複合体に用いるポリオレフィン系樹脂発泡粒子及びポリイミド系樹脂は、本発明のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法で用いるポリオレフィン系樹脂発泡粒子及びポリイミド系樹脂と同じものを用いることができ、好ましい範囲も同様である。
ポリオレフィン系樹脂発泡粒子とポリイミド系樹脂との体積比(ポリオレフィン系樹脂発泡粒子:ポリイミド系樹脂)は、58:42〜87:13であることがより好ましく、65:35〜81:19であることが更に好ましい。
本発明の複合体の製造方法は、特に制限されない。例えば、ポリイミド系樹脂の樹脂粒子を用い、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子とポリイミド系樹脂粒子とを混合して成形してもよいし、また、本発明のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法のように、ポリイミド系樹脂及び溶剤を含むポリイミド系ワニス並びにポリアミド酸系樹脂及び溶剤を含むポリアミド酸系ワニスの少なくとも一方のワニスを用い、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子間に該ワニスが介在する複合体を加熱することにより製造してもよい。
中でも、本発明のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法における複合工程(a)及び複合工程(b)を経ることにより本発明の複合体を製造することが好ましい。
以下、実施例により、本発明の一例を説明する。
<成分>
1)発泡粒子
・発泡粒子P1
株式会社JSP製、ピーブロック(登録商標)
無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡粒子(EPP)、基材樹脂:プロピレン−エチレンランダム共重合体、嵩密度45g/L、平均一次粒子径3.8mm
・発泡粒子P2
株式会社JSP製、ミラブロック(登録商標)
架橋ポリエチレン系樹脂発泡粒子(EPE)、基材樹脂:ポリエチレン、嵩密度46g/L、平均一次粒子径7.0mm
・発泡粒子P101
株式会社JSP製、スチロダイヤ(登録商標)
ポリスチレン系樹脂発泡粒子(EPS)、基材樹脂:ポリスチレン、嵩密度40g/L、平均一次粒子径3.0mm
2)ワニス
・ポリイミド系ワニスL1−1
三菱ガス化学株式会社製、ネオプリム(登録商標)Cの「C−3430」
溶剤:γ−ブチロラクトン及びN,N−ジメチルアセトアミドの混合物
<測定方法>
1)発泡粒子の嵩密度
発泡粒子群から発泡粒子を無作為に取り出し、容積1Lのメスシリンダーの中に入れ、静電気を除去しつつ、自然堆積状態となるように多数の発泡粒子を1Lの目盛まで収容した。次に、収容された発泡粒子の質量を測定し、発泡粒子の質量と、収容体積(1L)とから、発泡粒子の嵩密度(g/L)を算出した。
なお、測定は、気温23℃、相対湿度50%の大気圧下において行った。
2)発泡粒子の平均一次粒子径
発泡粒子群から、10個の発泡粒子を無作為に取り出し、各粒子の最大径を測定した。測定値の平均を算出し、発泡粒子の平均一次粒子径とした。
3)発泡粒子成形体の空隙率
発泡粒子成形体の空隙率は次の方法により求めた。
まず、温度23℃、相対湿度50%の環境下で24時間以上放置した発泡粒子成形体から25×25×100mmの直方体状のサンプルを切り出し、該サンプルの外形寸法より嵩体積を求めた。次いで温度23℃の200mLのエタノールの入った内容積500mLのガラス製メスシリンダー中に金網を使用して上記直方体サンプルを沈め、軽い振動等を与えることにより発泡粒子成形体の空隙部に存在している空気を脱気した。そして、金網などの道具のエタノール中の体積を差し引いた水位上昇分より読みとられる上記直方体サンプルの真の体積(cm3)を求めた。求められたサンプルの嵩体積(cm3)と真の体積(cm3)から、次式により空隙率(%)を求めた。
空隙率(%)= 〔{サンプルの嵩体積(cm3)−サンプルの真の体積(cm3)}/サンプルの嵩体積(cm3)〕×100。
4)複合体B及び多孔体の密度
複合体B又は多孔体の質量(g)を、外形寸法から求められる複合体B又は多孔体の体積(cm3)で除して求めた。
5)多孔体の平均孔径
多孔体を厚み方向に2分割し、切断面の拡大写真を撮影した。次に、写真上に、多孔体の表面から多孔体の中心付近を通り反対側の表面まで達する直線を引き、直線と交わっている孔の数を数え、また、孔の直線と交わっている部分の長さ(Z)を測定した。
この操作を多孔体の5箇所について同様に行ない、得られる測定値の平均値を平均孔径とした。
6)多孔体の独立気孔率
多孔体の独立気孔率はASTM−D2856−70の手順Cに従って、空気比較式比重計(東芝ベックマン株式会社製、型式:930型)を使用して測定された多孔体の真の体積Vxを用い、下記式(1)により算出した。測定試料として、多孔体から25mm×25mm×20mmの大きさに切り出したカットサンプルを用いた。
S(%)=(Vx−W/ρ)×100/(VA−W/ρ) (1)
ただし、
Vx:上記空気比較式比重計による測定により求められるカットサンプルの真の体積(cm3)(多孔体のカットサンプルを構成する樹脂の容積と、カットサンプル内の独立気孔部分の容積との和に相当する。)
A:測定に使用されたカットサンプルの外寸法から算出されたカットサンプルの見かけ上の体積(cm3
W:測定に使用されたカットサンプルの重量(g)
ρ:多孔体を構成する樹脂の密度(g/cm3
<実施例1>
〔複合工程(a)〕
発泡粒子P1(65体積%)と、ポリイミドワニスL1−1(35体積%)とを均一に混合し、粒子とワニスとの混合液1を得た。
複合体を得る型として、内寸(縦×横×厚さ)が250mm×200mm×150mmであり、上部が開放している箱型容器を用いた。混合液1で箱型容器を充満し、矩形の複合体A1を得た。
〔複合工程(b)〕
次いで、箱型容器の開口部に250×200のナイロンメッシュを被せ、その上に245×195のSUS板を載せ、更にSUS板上に2kgの分銅を載せて押圧し、箱型容器を加熱可能な真空乾燥機に静置した。
(真空乾燥)
表1に示す乾燥条件により、初期乾燥工程、中期乾燥工程、及び仕上げ乾燥工程の順に条件を変えて、複合体A1中のポリイミドワニスL1−1から溶剤を除去し、複合体B1を得た。なお、初期乾燥工程終了後は、一旦、真空乾燥機内を大気開放し、箱型容器の開口部に載せた分銅を取り除き、再度減圧して、中期乾燥工程を進めた。全ての乾燥工程を終了した時点で、真空乾燥機から箱型容器を取り出し、複合体B1を脱型した。複合体B1の密度は113g/Lであり、寸法(縦×横×厚さ)は、248mm×198mm×149mmであった。
〔孔形成工程〕
真空乾燥を終了した複合体B1を、205mm×103mm×103mm(縦×横×厚さ)に切削して、250℃に昇温したマッフル炉に1時間静置し、焼成した。1時間経過後、焼成物をドラフ卜内で自然冷却した後、エタノールを満たした超音波洗浄機で洗浄した。洗浄後、焼成物を、大気中で24時間風乾した後、真空乾燥機で40℃×−100kPaG×6hrの条件で乾燥し、取り出し、多孔体1を得た。多孔体1は寸法(縦×横×厚さ)が200mm×100mm×100mmであり、密度が82g/Lであった。また、多孔体1の平均孔径は3.9mmであり独立気孔率が5%以下であった。
<実施例2>
実施例1の混合液1の調製において、発泡粒子P1に代えて、発泡粒子P2を用い、発泡粒子P2とポリイミドワニスL1−1との体積比を64:36としたほかは実施例1と同様にして、混合液2を得た。
次いで、実施例1において、混合液1に代えて混合液2を用いたほかは、実施例1と同様にして、実施例2の多孔体2を得た。
多孔体2は寸法(縦×横×厚さ)が200mm×100mm×100mmであり、密度が82g/Lであった。また、多孔体2の平均孔径は7.2mmであり独立気孔率が5%以下であった。
<実施例3>
実施例1の混合液1の調製において、発泡粒子P1と、ポリイミドワニスL1−1との体積比(P1:L1−1)を65:35から、86:14に変更したほかは実施例1と同様にして混合液3を得た。
次いで、実施例1において、混合液1に代えて混合液3を用いたほかは、実施例1と同様にして、実施例3の多孔体3を得た。
多孔体3は寸法(縦×横×厚さ)が200mm×100mm×100mmであり、密度が37g/Lであった。また、多孔体3の平均孔径は3.5mmであり独立気孔率が5%以下であった。
<実施例4>
〔複合工程(a)〕
発泡粒子P1を型内成形して、直方体状の発泡粒子成形体C1(寸法:220×220×55mm)を得た。
発泡粒子成形体C1の空隙率は、15体積%であった。
複合体を得る型として、内寸(縦×横×厚さ)が225mm×225mm×60mmであり、ワニス導入口と排出口を有する密閉容器を用いた。
密閉容器に、発泡粒子成形体C1を入れ、次いで、容器内を−0.04MPaGに減圧したのち、排気口から吸引して減圧状態を維持しつつ、ワニス導入口からワニスを供給して、発泡粒子成形体C1の空隙にポリイミドワニスL1−1を充填することにより発泡粒子成形体とワニスとを含む複合体A2を得た。
〔複合工程(b)〕
実施例1の複合工程(b)において、複合体A1に代えて複合体A2を用いた他は同様にして複合体B2を得た。
〔孔形成工程〕
複合体B2のポリイミド系樹脂からなる表面層を削り取り、205mm×205mm×52mm(縦××厚さ)に切削した後、実施例1の孔形成工程と同様にして、多孔体2を得た。
多孔体2は寸法(縦×横×厚さ)が200mm×200mm×50mmであり、密度が37g/Lであった。また、多孔体2の平均孔径は3.9mmであり、独立孔率が5%以下であった。
<比較例1>
実施例1の複合工程(a)において、発泡粒子P1に代えて発泡粒子P101を用い、発泡粒子P101とポリイミドワニスL1−1との体積比を67:33とした他は、同様にして、複合体A101の形成を試みたが、発泡粒子P101がポリイミドワニスL1−1によって溶解してしまい、外観上、密度の均一性が保てなかったため、操作を中止した。
実施例1〜4及び比較例1の各工程の条件及び、得られた多孔体の評価結果を表1に示す。
Figure 2015224272
表1からわかるように、本発明のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法によれば、厚さが100mmある多孔体を製造することができた。

Claims (11)

  1. ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)と、ポリイミド系樹脂及び溶剤を含むポリイミド系ワニス並びにポリアミド酸系樹脂及び溶剤を含むポリアミド酸系ワニスの少なくとも一方のワニス(L)とを用い、該ポリオレフィン系樹脂発泡粒子間に該ワニス(L)が介在する複合体(A)を得る複合工程(a)、
    前記複合体(A)を加熱して、前記ワニス(L)中の前記溶剤を除去し、前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)と、前記ポリイミド系樹脂、及び前記ポリアミド酸系樹脂をイミド化して得られるポリイミド系樹脂の少なくとも一方のポリイミド系樹脂との複合体(B)を得る複合工程(b)、並びに、
    前記複合体(B)から前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)を消失させて、前記複合体(B)に孔を形成する孔形成工程、
    を含むポリイミド系樹脂多孔体の製造方法。
  2. 前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)の一次粒子を、前記ワニス(L)中に混合して前記複合体(A)を得る請求項1に記載のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法。
  3. 前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)と、前記ワニス(L)との体積比(P:L)が50:50〜95:5である請求項2に記載のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法。
  4. 前記複合体(A)を得る複合工程(a)が、前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)がその表面の一部で互いに融着してなり、かつ該ポリオレフィン系樹脂発泡粒子間に外部と連通する空隙を有する発泡粒子成形体の空隙に、前記ワニス(L)を充填して前記複合体(A)を得る請求項1に記載のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法。
  5. 前記発泡粒子成形体の空隙率が、前記発泡粒子成形体の全体積に対し、5〜50体積%である請求項4に記載のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法。
  6. 前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)の平均一次粒子径が10mm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法。
  7. 前記孔形成工程において、前記複合体(B)を230〜350℃で焼成して、前記ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)を消失させる請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法。
  8. 前記複合工程(b)において、前記複合体(A)を−10kPaG〜−900kPaGの減圧下で加熱して、前記溶剤を除去する請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法。
  9. 前記複合工程(a)において、前記複合体(A)を、型を用いて賦形する請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法。
  10. 前記複合体(A)が、直径10mm以上の球を切り出し得る大きさである請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリイミド系樹脂多孔体の製造方法。
  11. ポリオレフィン系樹脂発泡粒子(P)と、該ポリオレフィン系樹脂発泡粒子間に介在するポリイミド系樹脂とからなる複合体。
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