JP6596329B2 - ポリオレフィン微多孔膜の製造方法 - Google Patents
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Description
従来、湿式セパレータを製造する際、ポリオレフィン樹脂及び孔形成材料を含む樹脂組成物を溶融混練して押出た後、得られた押出物をシート状に成形するシート成形工程を経る。この時、シートの搬送上の問題から、通常はシート両面における冷却速度が相違するため、結晶化状態が異なり、カールが生じ易いという問題があった。
特許文献1では、乾式法の延伸歪速度に着目している。該特許文献には、延伸速度及び延伸倍率を変えることによって孔径サイズを変化できる旨が記載されている。しかしながら、セパレータのカール改善への影響については、記載も示唆もない。
本発明は、リチウムイオン二次電池用セパレータとした時に耐カール性に優れるポリオレフィン微多孔膜の製造方法を提供することを目的とする。
[1]
(a)ポリオレフィン樹脂及び孔形成材料を含む樹脂組成物を溶融混練して押出す押出工程、
(b)前記(a)工程で得られた押出物をシート状に成形するシート成形工程、
(c)前記(b)工程で得られたシート状成形物を、少なくとも一回、少なくとも一軸方向に延伸する一次延伸工程、
(d)前記(c)工程で得られた延伸シートから孔形成材料を抽出する抽出工程、及び
(e)前記(d)工程で得られたシートを、少なくとも一軸方向に延伸する二次延伸工程
を含み、
前記(e)工程における二次延伸工程は2段階以上の延伸段階から成り、第2段階目以降の延伸段階における歪速度が前段階における歪速度よりも大きいことを特徴とする、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
[2]
前記(e)工程における二次延伸工程が2段階以上10段階以下の延伸段階から成る、[1]記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
[3]
前記(e)工程における二次延伸工程が2段階以上6段階以下の延伸段階から成る、[1]記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
(a)ポリオレフィン樹脂及び孔形成材料を含む樹脂組成物を溶融混練して押出す押出工程、
(b)前記(a)工程で得られた押出物をシート状に成形するシート成形工程、
(c)前記(b)工程で得られたシート状成形物を、少なくとも一回、少なくとも一軸方向に延伸する一次延伸工程、
(d)前記(c)工程で得られた延伸シートから孔形成材料を抽出する抽出工程、及び
(e)前記(d)工程で得られたシートを、少なくとも一軸方向に延伸する二次延伸工程。この二次延伸工程は、2段階以上の延伸段階から成り、第2段階目以降の延伸段階における歪速度が前段階における歪速度よりも大きい。
本実施の形態の製造方法は、前記工程を含む湿式法を採用することにより、電池用セパレータとして用いる場合に、耐カール性に優れたセパレータを提供するものである。
エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、及びノルボルネンよりなる群から選ばれる少なくとも2つのモノマーを重合して得られる共重合体
等が挙げられる。上記単独重合体としては、エチレン又はプロピレンの単独重合体が好ましい。
上記POは、特に限定されず、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合、予め混合した混合物とした後、孔形成材料等の他の成分と混合してもよいし、他の成分に別々に添加して混合して用いてもよい(以下、「混合物」との記載は、前記両方の場合を包含することがある。)。2種以上のPOを用いると、セパレータのヒューズ温度及び短絡温度の制御が容易となるため好ましい。例えば、粘度平均分子量(以下「Mv」と略記することがある。)50万以上の超高分子量POとMv50万未満のPOとの混合物は、その適度な分子量分布により、セパレータの強度と透過性とを両立し易いという観点からもより好ましい。また、セパレータのヒューズ機能を良好に発現させる観点から、POとしてポリエチレンを主体とすることが好ましい。「主体とする」とは、当該成分がPO全体の50質量%以上を占めることを指す。
PO微多孔膜全体のMvは、特に限定されない。しかし、POを単独で使用する場合も、2種以上を併用する場合も、10万〜120万であることが好ましく、30万〜80万であることがより好ましい。Mvが10万以上であると、異物等に起因する短絡による発熱時に耐破膜性を発現し易いため好ましく、120万以下であると押出工程における長手方向(原料樹脂吐出方向及び機械方向と同義。以下、「MD」と略記することがある。)への配向が抑制され、微多孔膜全体の均一性を発現し易いため好ましい。
可塑剤としては、特に限定されないが、ポリオレフィンの融点以上において均一溶液を形成し得る不揮発性溶媒を用いることが好ましい。このような不揮発性溶媒の具体例としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス等の炭化水素類;フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル等のエステル類;オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。可塑剤の中でも、流動パラフィンは、ポリオレフィン樹脂がポリエチレン又はポリプロピレンである場合には、これらとの相溶性が高く、溶融混練物を延伸しても樹脂と可塑剤との界面剥離が起こり難く、均一な延伸を実施し易くなる傾向にあるため、好ましい。
なお、これらの可塑剤は、抽出後、蒸留等の操作により回収して再利用してよい。
無機材の配合割合は、特に限定されないが、例えば、POと無機材との合計質量に対して、良好な隔離性を得る観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、高い強度を確保する観点から、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましい。
無機材は孔形成材として使用することもできるが、耐熱性向上の観点から、孔形成材として使用せずに、PO微多孔膜に含有させることも可能である。
(a)工程においては、上記混練を経て得られた混練物が、T型ダイ、環状ダイ等の押出機により押し出される。このとき、単層押出しであってもよく、積層押出しであってもよい。押出しの際の諸条件は、特に限定されず、例えば公知の方法を採用できる。
一次延伸の延伸方法としては、特に限定されないが、例えば、ロール延伸機による一軸延伸;テンターによる幅方向(MDと直交する方向。以下、「TD」と略記することがある。)一軸延伸;ロール延伸機及びテンター、又は複数のテンターの組み合わせによる逐次二軸延伸;同時二軸テンター又はインフレーション成形による同時二軸延伸等が挙げられる。
各延伸段階において、前段階の延伸段階におけるよりも歪速度が大きくなるように延伸することにより、延伸時、特に後の段階の延伸において、大きな延伸応力を与えることができ、孔構造を形成する幹の太さがより均一に形成されることになると推測される。本手法を用いることにより、(b)シート成形工程で生じたシート両表層の結晶化状態の差異を相殺できるために、微多孔膜の両表層の均等性、及び緻密化に伴う剛性が発現し、耐カール性を有することとなると推測される。
歪速度(%/秒) = (延伸倍率−1)×100÷延伸時間(秒)
延伸時間(秒) = 2点間距離(m)÷2点間平均速度(m/秒)
ここで、ロール延伸機を使用する場合は、2点間距離としてはロール間の接線距離を採用する。
各延伸段階における歪速度の好ましい範囲としては、最低限の透過性を得る観点から、各段階とも1%/秒以上が好ましく、5%/秒以上がより好ましく、10%/秒以上とするのが更に好ましい。
また、シート両表層の結晶化状態の差異を相殺する観点から、全延伸段階における歪速度の最大歪速度と最小歪速度の差は、10以上が良く、30以上がより好ましく、60以上が更に好ましい。
また、本実施形態の延伸工程には、一次延伸と二次延伸とがあるが、両工程を合わせたトータル延伸倍率では、MD方向及びTD方向のそれぞれについて3倍以上、総面積倍率で9倍以上であることが、十分な強度及び透過性の観点から好ましい。一方で、寸法安定性、及び延伸時の破断防止の点から、MD方向及びTD方向のそれぞれについて20倍未満、総面積倍率で200倍以下であることが好ましい。
延伸操作は、膜のMD及びTDのうちの少なくとも1つの方向に、好ましくは1.1倍以上、より好ましくは1.2倍以上の延伸を施すことが、更なる高強度かつ高気孔率の多孔膜が得られる観点から、好ましい。
緩和操作は、膜のMD及びTDのうちの少なくとも1つの方向への縮小操作のことである。緩和率とは、緩和操作後の膜の寸法を緩和操作前の膜の寸法で除した値のことである。なお、MD及びTDの双方を緩和した場合は、MDの緩和率とTDの緩和率を乗じた値のことである。緩和率は、1.0以下であることが好ましく、0.97以下であることがより好ましく、0.95以下であることが更に好ましい。緩和率は膜品位の観点から0.5以上であることが好ましい。緩和操作は、MD及びTDの両方向で行ってもよいし、MD又はTDの片方だけ行ってもよい。
この延伸及び緩和における温度は、特に限定されないが、主要組成樹脂の融点(Tm)より低いことが好ましく、Tmより1℃から25℃低い範囲がより好ましく、Tmより1℃から20℃低い範囲が更に好ましく、Tmより1℃から15℃低い範囲が特に好ましい。延伸及び緩和操作における温度が上記範囲内であることは、熱収縮率低減と気孔率とのバランスの観点から好ましい。
上記の場合、マスターロールをエージング処理する際の温度は、特に限定されないが、35℃以上が好ましく、45℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましい。また、PO微多孔膜の透過性保持の観点から、その温度は120℃以下が好ましい。エージング処理に要する時間は、特に限定されないが、24時間以上であると、上記効果が発現し易いため好ましい。
本実施形態の製造方法により得られるセパレータを用いてリチウムイオン二次電池を製造する方法は、特に限定されず、例えば、上記セパレータと、正極、負極、電解液等の公知のリチウムイオン二次電池と同様の各部材とを用いて、公知の方法により製造する方法が挙げられる。
実施例中の各種特性は、それぞれ、下記の方法により測定した。
ASTM−D4020に準拠して、デカリン溶媒中、135℃における極限粘度[η]を求めた。その極限粘度[η]から、ポリエチレンのMvを次式により算出した。
[η]=6.77×10−4Mv0.67
同様に極限粘度[η]から、ポリプロピレンのMvを次式により算出した。
[η]=1.10×10−4Mv0.80
DSCは、島津製作所社製DSC60を使用して測定した。
セパレータを直径5mmの円形に打ち抜き、数枚重ね合わせて3mgとしたものを測定サンプルとして用いた。このサンプルを、直径5mmのアルミ製オープンサンプルパンに敷き、クランピングカバーを乗せ、サンプルシーラーによりアルミパン内に固定した。窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分で30℃から200℃まで昇温し、200℃で5分ホールドした後、降温速度10℃/分で200℃から30まで降温した。続いて、30℃において5分間ホールドした後、再度、昇温速度10℃/分で30℃から200℃まで昇温した。この時の融解吸熱曲線において、極大となる温度を融点(℃)とした。極大値が複数ある場合は、一番大きな融解吸熱曲線の極大値となる温度を融点として採用した。
東洋精機製の微小測厚器、KBM(商標)を用いて、室温(23±2℃)において、PO微多孔膜の膜厚を測定した。
(4)気孔率(%)
PO微多孔膜から10cm×10cm角を切り取ってサンプルを得、室温23±2℃におけるその体積(cm3)と質量(g)とを測定した。それらの値と膜密度(g/cm3)とから、PO微多孔膜の気孔率を次式により算出した。
気孔率(%)=(体積−質量/膜密度)/体積×100
なお、膜密度は0.95g/cm3の一定値と仮定して計算した。
JIS P−8117に準拠し、ガーレー式透気度計(東洋精器(株)製、G−B2(商標))を使用して、室温23±2℃におけるPO微多孔膜の透気度を測定した。透気度とは、100ccの空気が、6.452cm2の試料面積を通過するのに要する時間(秒)を指す。
カトーテック製のハンディ圧縮試験器であるKES−G5(商標)を用いて、下記条件によりPO微多孔膜の突刺試験を行った。その時の最大突刺荷重(N)を測定し、突刺強度とした。
試料ホルダーの開口部の直径:11.3mm
針先端の曲率半径:0.5mm
突刺速度:2mm/sec
雰囲気温度:23±2℃
キャピラリー内部の流体は、流体の平均自由工程がキャピラリーの孔径より大きいときはクヌーセンの流れに、小さい時はポアズイユの流れに、それぞれ従うことが知られている。そこで、微多孔膜の透気度測定における空気の流れがクヌーセンの流れに、微多孔膜の透水度測定における水の流れがポアズイユの流れに、それぞれ従うと仮定し、孔径d(μm)と屈曲率τ(無次元)は、空気の透過速度定数Rgas(m3/(m2・sec・Pa))、水の透過速度定数Rliq(m3/(m2・sec・Pa))、空気の分子速度ν(m/sec)、水の粘度η(Pa・sec)、標準圧力Ps(=101325Pa)、気孔率ε(%)、及び膜厚L(μm)から、次式を用いて求めた。
d=2ν×(Rliq/Rgas)×(16η/3Ps)×106
τ=(d×(ε/100)×ν/(3L×Ps×Rgas))1/2
ここで、Rgasは、透気度(sec)から次式を用いて求めた。
Rgas=0.0001/(透気度×(6.424×10−4)×(0.01276×101325))
また、Rliqは、透水度(cm3/(cm2・sec・Pa))から次式を用いて求めた。
Rliq=透水度/100
なお、透水度は次のように求めた。室温23±2℃において、直径41mmのステンレス製の透液セルに、予めアルコールに浸しておいた微多孔膜をセットし、該膜のアルコールを水で洗浄した後、約50,000Paの差圧で水を透過させ、120sec間経過した時の透水量(cm3)より、単位時間・単位圧力・単位面積当たりの透水量を計算し、これを透水度とした。
また、νは、気体定数R(=8.314)、絶対温度T(K)、円周率π、及び空気の平均分子量M(=2.896×10−2kg/mol)から、次式を用いて求めた。
ν=((8R×T)/(π×M))1/2
幹の太さの平均値及び標準偏差σは、走査型電子顕微鏡(SEM)「型式S−4800、HITACHI社製」を用い、セパレータの表面観察により測定した。セパレータを1.5mm×2.0mm程度に切り取ってこれをサンプルとした。該サンプルをオスミウム蒸着した後、加速電圧1.0kV、倍率30,000倍にて観察した。そのうちの1.5μm四方の領域から、任意の幹の太さを25点測定し、その平均値と標準偏差とを求めた。幹の太さは、視野中の任意の幹を選択し、該幹における1つの分岐点とこれに隣接する次の分岐点との間の中間点(1つの分岐点から隣接する分岐点までの距離の40〜60%程度の任意の点)について測定し、これを1点の測定点とした。
ただし、1.5μm四方の領域から、幹の太さを25点測定できない場合は、25点測定できる範囲まで領域を広げて幹の太さを25点測定し、その平均値(相加平均)と標準偏と差を求めた。
微多孔膜を、MD20cm×TD5cmに切り出し、平らな台の上に置いた。30秒後に、該微多孔膜が台と接しているMD長さ(Acm)を計り、下記の式にてカール値とした。
[カール値]=20cm−Acm
微多孔膜が台と接しているMD長さ(Acm)としては、微多孔膜のTD方向においてすべて台と接している箇所を計測した。測定は、温度23±2℃、及び相対湿度40%の条件下で行った。
Mvが70万であるホモポリマーのポリエチレン(融点:135.5℃)45質量部と、Mvが30万であるホモポリマーのポリエチレン(融点:135.5℃)45質量部と、Mvが40万であるポリプロピレンとMvが15万であるポリプロピレンとの混合物(質量比=4:3)10質量部とを、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドした。得られたPO混合物99質量部に、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を1質量部添加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、混合物を得た。得られた混合物を、窒素雰囲気下で二軸押出機へフィーダーにより供給した。また、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5m2/s)を押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。押し出される全混合物中に占める流動パラフィンの割合が65質量%、ポリマー濃度(以下、「PC」と略記することがある。)が35質量%となるように、フィーダー及びポンプの運転条件を調整した。
次いで、これらを二軸押出機内で溶融混練した。なお、溶融混練条件は、温度:230℃、スクリュー回転数:240rpm、及び吐出量:60kg/hとした。
続いて、得られた溶融混練物を、表面温度90℃に制御された冷却ロール上にT−ダイ経由で押出して接触させ、成形(cast)及び冷却固化することにより、シート状成形物である原反膜厚3,200μmのゲルシートを得た。
得られたゲルシートを同時二軸テンター延伸機に導き、二軸延伸により一次延伸膜を得た。設定延伸条件は、MD倍率7倍、TD倍率7倍、及び二軸延伸温度123℃とした。
次いで、得られた一次延伸膜を塩化メチレン槽に導き、十分に浸漬して、可塑剤である流動パラフィンを抽出除去した後、塩化メチレンを乾燥除去し、多孔膜を得た。
得られた多孔膜をMD一軸ロール延伸機に導き、二次延伸膜を得た。
この二次延伸の設定延伸条件は、MD3倍、延伸温度120℃、繰出し速度10m/min、及び延伸使用段数5段とした。各段の歪速度は、表1に示すとおりに設定した。
続いて、熱固定を行なうべく二次延伸膜をTDテンターに導いた。熱固定温度130℃、延伸倍率1.4倍の延伸操作の後、緩和率0.8倍の緩和操作を行った。得られたPO微多孔膜の各種特性を上記方法により評価した。結果を表2に示す。
二次延伸時の繰出し速度、延伸使用段数、及び各段の歪速度を、それぞれ表1に示すように設定した以外は実施例1と同様にしてPO微多孔膜を得た。得られたPO微多孔膜の各種特性を上記方法により評価した。
比較例5においては、二次延伸時の延伸応力に多孔膜が耐えられず破断したため、PO微多孔膜を得ることができなかった。
結果を表2に示す。
シート状成形物である原反膜厚が750μmとなるよう調整してゲルシートを得、二次延伸を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてPO微多孔膜を得た。得られたPO微多孔膜の各種特性を上記方法により評価した。結果を表2に示す。
Claims (8)
- (a)ポリオレフィン樹脂及び孔形成材料を含む樹脂組成物を溶融混練して押出す押出工程、
(b)前記(a)工程で得られた押出物をシート状に成形するシート成形工程、
(c)前記(b)工程で得られたシート状成形物を、少なくとも一回、少なくとも一軸方向に延伸する一次延伸工程、
(d)前記(c)工程で得られた延伸シートから孔形成材料を抽出する抽出工程、及び
(e)前記(d)工程で得られたシートを、少なくとも一軸方向に延伸する二次延伸工程
を含み、
前記(e)工程における二次延伸工程は3段階以上の延伸段階から成り、第2段階目以降の延伸段階における歪速度が前段階における歪速度よりも大きいことを特徴とする、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法。 - 前記(e)工程における二次延伸工程が3段階以上10段階以下の延伸段階から成る、請求項1記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
- 前記(e)工程における二次延伸工程が3段階以上6段階以下の延伸段階から成る、請求項1記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
- 前記二次延伸工程が、前記樹脂組成物中に最も多く含まれるポリオレフィン樹脂の融点より30℃低い温度から前記融点までの温度範囲で行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
- 前記(a)〜(e)工程の後に、更に熱固定を行う、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
- 前記熱固定が、前記樹脂組成物中に最も多く含まれるポリオレフィン樹脂の融点より1℃から25℃低い範囲の温度で延伸及び緩和操作を行う熱固定方法である、請求項5に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
- 前記ポリオレフィン樹脂が、粘度平均分子量50万以上のポリオレフィンと、粘度平均分子量50万未満のポリオレフィンとの混合物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
- 前記孔径性材料が、可塑剤及び無機材から選択される1種以上であり、ここで、
可塑剤は、流動パラフィン、パラフィンワックス、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、及び高級アルコールから選択され、
無機材は、酸化物系セラミックス、窒化物系セラミックス、シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリンクレー、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ藻土、ケイ砂、及びガラス繊維から選択される、
請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
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